JP4087238B2 - 触覚センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、触覚センサに関し、特に産業用のロボットハンドなどに適用して物体を掴んだとき、その物体の接触位置及び接触圧を同時に測定する触覚センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、分布型触覚センサとして、たとえば特開平7−128163号公報(特許文献1)に開示されたセンサが提案されている。図34は、この公報に開示された従来の触覚センサの原理を説明するための図である。
【0003】
図34を参照して、触覚センサは、白色弾性シート30と、透明板31と、CCD(Charge Coupled Device)素子32と、光源34とを有している。透明板31の一方面側には白色弾性シート30が、他方面側にはCCD素子32がそれぞれ配設されている。白色弾性シート30は、裏面突起35よりなる凹凸部と表面突起33とを有している。白色弾性シート30の裏面突起35の凸部は透明板31に接している。光源34は、透明板31の側面から光を入射可能なように透明板31の側部に配置されている。
【0004】
この触覚センサの動作においては、まず光源34により透明板31の側面から光が入射される。透明板31に入射した光は全反射をしながら透明板31中に閉じこめられる。接触物体が離れた状態にあるとき白色弾性シート30は裏面突起35の凸部で透明板31に点接触する。接触物体が白色弾性シート30の表面突起部33に押しつけられるときその力に応じて裏面突起35の凹凸面が崩れ白色弾性シート30の裏面突起35の凸部は透明板31と広い面積で接触するようになる。その結果、透明板31の表面における光の全反射の条件が崩れ、光は白色弾性シート30の裏面突起35の凸部に反射して散乱する。この散乱した光を透明板31の反対側に配設されたCCD素子32により受光し、信号処理することにより、接触物体の形状情報および接触圧情報を得ることができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−128163号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の触覚センサは基本的には以上のように構成され動作する。したがって、機器が大型化・複雑化し、正確な信号検出ができないという問題点があった。以下、その問題点を説明する。
【0007】
透明板31をはさんで白色弾性シート30とCCD素子32とが配置されているため、装置全体の構成が非常に大きくなる。また、従来の触覚センサによれば、一方向から接触する物体の形状情報などを検出することはできるが、それとは反対方向から接触する物体の形状情報などを同時に検出するためには、別途、光源34と透明板31と白色弾性シート30とが必要となるため機器が大型化する。
【0008】
また、1つの表面突起33に対して白色弾性シート30の4点(裏面突起35の4つの凸部)を透明板31に接触させることにより検出信号が得られる。このため、より正確な検出を行うためには、表面突起33を小さくして多数配置する必要がある。しかし、この場合、裏面突起35の凸部の個数は表面突起33の個数の4倍必要となるため、さらに多数の裏面突起35の凸部が必要となり、これが小型化を制限するという問題点もある。また、正確な検出には別途何らかの光学系が必要となる。
【0009】
また、従来の触覚センサの構成では、白色弾性シート30に対して垂直に圧力が加わった場合に生じる裏面突起35の変形量と、平行に圧力が加わった場合に生じる変形量とを区別することができない。その区別を行おうとすると、せん断方向の圧力に対して変形量を大きくして位置ずれを検出する必要があり、さらに機器が大型化・複雑化する可能性がある。
【0010】
加えて、光源34からCCD素子32にいたる経路に空気層を介しているため、可動部材の変形によって生じるごみなどが光学系内及び検出側の透明板表面に付着すると、正確な検出ができなくなる。また、温度により空気層に対流が発生すると、信号の光にゆらぎが生じるため正確な検出ができなくなる。
【0011】
さらに、CCD素子32による検出位置が実際の変形位置(表面突起部33)に対して離れていると、正確な検出を行うためには、検出部へ光を集光させるための種々の光学系が必要で、また、それらの位置合わせを正確に行う必要が生じる。また、CCD素子32による検出に反射光を用いているため、光の利用効率は悪くなり、正確な信号検出ができないという問題点もある。
【0012】
本発明は、上記に鑑みなされたもので、装置が小型で物体の圧接位置と圧力とを正確に検出でき、かつ両面の圧接位置と圧力とを検出することのできる触覚センサを提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の触覚センサは、光源と、光源から出射した光を導く透明板と、外圧の作用により可動する複数の可動部材とを備えた触覚センサであって、可動部材は、外圧を直接受ける触覚部と、透明板からの光を透過する突起部と、透明板から突起部へ透過した光を受光するための受光素子とを有し、その受光素子は触覚部と突起部との間に設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
本発明の触覚センサによれば、透明板の一方側にのみ受光素子と触覚部と突起部とを配置することができるため、透明板の両側に受光素子と触覚部とが位置する従来例よりもセンサ全体の厚みを非常に薄く小型にすることが可能である。
【0015】
また、受光素子が触覚部と突起部とにより密閉される構成であるため、封止部材が必要ないとともに、受光部材にごみなどが付着しないので、正確な検出が可能となる。
【0016】
また、1つの触覚部、突起部に対して多数の力の方向と大きさの信号を独立して検出することが可能であり、また多数の触覚部を配置できるため、分解能が向上する。
【0017】
上記の触覚センサにおいて好ましくは、突起部は、透明板の表面に接触し、かつ変形可能な弾性体からなっている。
【0018】
これにより簡略な構成のセンサを得ることができる。
上記の触覚センサにおいて好ましくは、透明板の表面には窪みが形成されている。窪み内に存在し、かつ透明板からの光を透過するように、変形可能な弾性体がさらに備えられている。突起部は、弾性体の表面に接触している。
【0019】
このように透明板の窪み内に弾性体を配置するため、精度良く弾性体の形状を形成することが可能となる。また、弾性体を配置する位置も窪みの位置により決定することが可能であるため非常に精度良く形状、位置決めを行うことが可能である。また、弾性体を透明板の窪み内に流し込むことが可能であるため生産性に優れている。
【0020】
上記の触覚センサにおいて好ましくは、触覚部と受光素子と突起部とのそれぞれの個数は1:1:1に対応しており、受光素子が、1つの突起部に対して少なくとも2つの受光領域を有している。
【0021】
このように触覚部と受光素子と突起部とのそれぞれの個数が1:1:1になるように構成されているため、1つの触覚部、突起部に対して多方向の力の大きさの信号検出が可能であり、また多数の触覚部を配置できるため、分解能が向上する。
【0022】
上記の触覚センサにおいて好ましくは、触覚部に外圧の作用がない状態では、透明板側から突起部側へ入射する光は、受光素子を分割するそれぞれの受光領域に入射する。
【0023】
これにより、それぞれの受光領域の光量変化の相関関係を演算しやすいため力の大きさおよび方向を容易に検出することが可能である。
【0024】
上記の触覚センサにおいて好ましくは、1つの透明板をはさんで上下に突起部が配置されている。
【0025】
これにより、光源および透明板を別途設置する必要が無いため、センサの厚み方向を小さくし、部品点数を削減することが可能となる。
【0026】
上記の触覚センサにおいて好ましくは、1つの透明板をはさんで上下に突起部が配置されているとき、透明板の上面に形成された窪みの中心と下面に形成された窪みの中心とは、上面と下面との双方に垂直な線上にはない。
【0027】
このように透明板の上面と下面とに設けられた各窪みの位置がずれているため、透明板を薄くすることが可能であり、センサ厚みの薄型化が可能である。
【0028】
上記の触覚センサにおいて好ましくは、透明板と突起部との一部が接着されている。
【0029】
これにより、機器の振動によって突起部と透明板とが非接触状態になり検出不能になることを防止することが可能である。
【0030】
上記の触覚センサにおいて好ましくは、弾性体と突起部との一部が接着されている。
【0031】
これにより、機器の振動によって突起部と弾性体とが非接触状態になり検出不能になることを防止することが可能である。
【0032】
上記の触覚センサにおいて好ましくは、窪み内に存在する変形可能な弾性体と透明板との線膨張係数が略等しい。
【0033】
これにより、温度の変化に対して弾性体と透明板の相対的な変形が小さくなるため、温度変化による受光部への出力変動を抑止することが可能である。
【0034】
上記の触覚センサにおいて好ましくは、触覚部に外圧の作用がない状態では、透明板側から突起部側へ入射する光は受光素子上において略円状に入射する。
【0035】
これにより、センサの面方向の力の検出に対して感度を高くすることが可能である。
【0036】
上記の触覚センサにおいて好ましくは、触覚部に外圧の作用がない状態では、透明板側から突起部側へ入射する光によって受光素子上に照射される照射領域の重心近傍に光量の小さい領域がある。
【0037】
これにより、センサの面方向の力の検出に対して感度を高くすることが可能である。また、受光部を透明板からより近傍に配置することが可能であるため、薄型化が可能である。また、透明板に窪みを設けてその窪みに弾性体を設ける場合には、受光部から透明板までの距離を大きくすることが可能であるため、可動変位量を大きくすることが可能となり、利便性が増す。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
【0039】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における触覚センサの構成を概略的に示す模式図である。図1を参照して、本実施の形態における触覚センサは、基本的には、透明板1と、光源5と、複数の突起部3と、複数の受光部(受光素子)4と、複数の触覚部7と、光反射部6と、支持部材2とを有している。
【0040】
光源5は、透明板1の内部に光を入射可能なように配置されている。透明板1は、光源から出射した光を導くものである。複数の突起部3の各々は、透明板1の一部に接するように配置されている。複数の受光部4の各々は、複数の突起部3の各々に取り付けられている。複数の触覚部7の各々は、外圧を直接受ける部分であり、複数の受光部4の各々に取り付けられている。触覚部7と受光部4と突起部3とのそれぞれの個数は1:1:1に対応している。突起部3と受光部4と触覚部7との3つの部材により触覚センサにおける可動部材が構成されており、この可動部材が複数形成されている。なお、この可動部材は外圧の作用により可動する部分である。
【0041】
支持部材2は、透明板1の表面を覆うように設けられており、かつ触覚部7が外圧の作用に伴って支持部材2に対して変位可能なように触覚部7を支えている。光反射部6は、透明板1内に入射された光を反射するためのものであり、突起部3が接触している透明板1の面と光源5から光が入射する面以外の面に配置されている。
【0042】
受光部4は、透明板1からの光を受光できるように図1に示すy軸方向に垂直な面(突起部3が接触する透明板1の面に対して平行な面)に図中下向きの受光面を有している。受光面についての詳細な説明は後述する。
【0043】
支持部材2と触覚部7とは一体の部材で形成されていても良いし、別体の部材で形成されていても良い。すなわち、ある可動部材に外圧が作用した場合にその隣にある可動部材に外圧が伝わらない構成とすることが好ましい。例えば、可動部材のピッチが小さい場合は、支持部材2を触覚部7より高剛性とし、弾性部材で触覚部7と支持部材2とを接続することが好ましい。このような構成とすることで、外圧が作用した場合に、外圧が隣に位置する可動部材には伝わることがないため、正確な検出が可能となる。
【0044】
一方、可動部材のピッチがある程度大きく、隣りに位置する可動部材に外圧の影響がない場合は、支持部材2と触覚部7とは同一の材料で一体で構成されてもよく、その厚さの違いによって弾性度を規定することが可能である。この場合も、触覚部7と支持部材2との接続部は厚さを小さくして、触覚部7に外圧が加わった場合でも、可動部材にのみ外圧を伝達する構成とするのが良い。
【0045】
複数の突起部3の各々は、透明板1の表面に略点接触し、かつ光を透過し、透明板1の屈折率と等しい屈折率を有している。また、触覚部7に作用する外圧に伴い突起部3は弾性変形し、それにより突起部3と透明板1との接触面積が変化するように構成されている。
【0046】
図2は、図1の触覚センサにおける突起部を拡大して示す断面図である。図1および図2を参照して、触覚部7に外圧が作用していないとき、透明板1から突起部3に透過した光20が突起部3内を全反射して受光部4に照射されるような外形形状を突起部3は有している。また、突起部3の一部は透明板1に接着固定されていても良い。このとき、接着剤は透明板1および突起部3の屈折率と等しい屈折率を有することが好ましい。
【0047】
以上のように、基本的には、突起部3と透明板1とは同一の材料を使用して、屈折率を同一とし、形状によって、突起部3が透明板1より大きな摩擦係数を有するような構成とすることが好ましい。このような構成とすることで、突起部3が容易に弾性変形可能となり、それにより図1のy方向(突起部3が接触する透明板1の面に対して垂直な方向)およびx方向(突起部3が接触する透明板1の面に対して平行な方向)に力の大きさに応じて変形することが可能となる。
【0048】
図3は、図1において受光素子をy方向から見た図である。図3を参照して、受光部4は4つの受光領域10〜13に分割され、それぞれの受光領域10〜13が受光した光量に応じて電圧が発生する。また、4つの受光領域10〜13の各面積がほぼ等しくなっている。これにより、受光部4は、1つの突起部3に対して少なくとも2つの受光領域10〜13を有している。
【0049】
次に、本実施の形態の触覚センサの動作を図4〜9を用いて説明する。
図4〜図9では、理解しやすいように触覚部の一部を抜き出して説明する。
【0050】
図4を参照して、透明板1の一方の端面に投光された光は、透明板1と空気との屈折率の比から透明板1の内部において、透明板1の上面と下面との間で全反射を繰り返す。そして、透明板1と突起部3とが接触している部分から突起部3へ一部の光が透過し、突起部3内で全反射して受光部4に到達する。受光部4に到達した光は受光領域10〜13のそれぞれに照射され、電圧が発生する。この電圧を比較することにより触覚部7に加えられた力を検出する原理である。
【0051】
はじめに触覚部7に外圧の作用が無い時について説明する。この時、図5のように受光部4に照射される光の照射領域14は円形となる。その円形の光の照射領域14が、受光部4を分割するそれぞれの受光領域10〜13に分布するように、かつ受光領域10〜13のそれぞれにて受光される光量が等しくなるように受光部4は配置されている。
【0052】
図6を参照して、触覚部7のy方向に力が加わったときには、触覚部7はy方向に変位する。それに伴い突起部3はy方向に変形しながら移動し、それにより透明板1に圧接される。このとき、透明板1と突起部3との接触している面積は、外圧の作用が無い時よりも大きくなり、かつ突起部3の外形が変形する。従って、透明板1から突起部3へ透過する光量が多くなり、かつ透明板1から透過して受光部4に入射する光の方向は一部、受光部4に対して垂直な方向ではなくなる。このため、図7に示すように、受光部4に照射される光の照射領域14の半径は図5と比較して大きくなる。これにより、受光領域10〜13のそれぞれに受光される光量は図5の場合よりも増加するとともに、受光領域10〜13のそれぞれに受光される光量はほぼ等しくなる。これらの受光量を検出して、演算する機能が備えられていれば、触覚部7にy方向の力が加わったと検出することが可能である。
【0053】
また図8を参照して、触覚部7のx方向に力が加わったときには、触覚部7はx方向に移動する。それに伴い突起部3と受光部4とはx方向に移動して、突起部3と透明板1との接触部分は図に示すように変形する。このため、透明板1から突起部3へ透過した光は受光部4に対して垂直な方向からずれる。さらに、図9に示すように、受光部4に照射される光の照射領域14の重心は受光領域10〜13を分割する分割線の中心から外れる。このため、それぞれの受光領域10〜13に受光される光量に差が発生する。これにより、例えば受光領域10、11、12、13のそれぞれの信号を互いに比較すれば触覚部7のx方向に加えられた力の検出が可能となる。
【0054】
なお、本明細書において、受光部4に照射される光の照射領域14の重心とは、照射領域14内における光の強度の強度中心と定義する。
【0055】
z方向の力が加わったときについてもx方向の検出原理と同様である。もちろん、面内の任意の方向についても受光領域10〜13のそれぞれの信号を比較すれば、検出が可能である。さらに正確に検出しようとすれば、分割数を増やした受光部4を構成して、中心の分割線に対して対称となる位置の受光領域について、差分をとって演算を行うことが良い。
【0056】
また、ここで説明した透明板1の構成は厚み方向に一定の厚さを有しているが、光源から離れるほど厚みを薄くなるように断面を傾斜して構成することで、光源5からの距離の違いによる光量のばらつきをなくすことができる。さらに、透明板1の受光部4側に対向しない面を荒らし、光を散乱させることで、光の利用効率を向上させても良い。
【0057】
本実施の形態によれば、図1に示すように透明板1の一方側にのみ受光部4と触覚部7と突起部3とを配置することができるため、図34に示すように透明板31の両側にCCD素子(受光部)32と表面突起部(触覚部)33とが位置する従来例よりもセンサ全体の厚みを非常に薄く小型にすることが可能である。
【0058】
また、受光部4が触覚部7と突起部3とにより密閉される構成であるため、封止部材が必要ないとともに、受光部4にごみなどが付着しないので、正確な検出が可能となる。
【0059】
また、1つの触覚部7、突起部3に対して多数の力の方向と大きさとの信号を独立して検出することが可能であり、また多数の触覚部を配置できるため、分解能が向上する。
【0060】
(実施の形態2)
図10は、本発明の実施の形態2における触覚センサの突起部付近を拡大して概略的に示す模式図である。また図11は、図10の触覚センサの触覚部に外力が作用していない時の受光素子上における光の照射状態を示す図である。
【0061】
図10を参照して、本実施の形態の触覚センサの構成は、実施の形態1の構成と比較して突起部3の形状において異なる。この突起部3は、図11に示すように、触覚部7に外圧の作用がない状態では、透明板1側から突起部3側へ入射する光によって受光部4上に照射される照射領域114の重心近傍に光量の小さい領域124が存在するような形状とされている。このとき、受光部4から透明板1までのy方向の距離(突起部3の長さ)を、実施の形態1の構成よりも短くすることが可能である。
【0062】
上記の光量の小さい領域124においては、光量が全くなくてもよく、その場合には、照射領域114は環形状となる。
【0063】
なお、これ以外の構成については実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一の構成要素については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0064】
次に、本実施の形態の触覚センサの動作を説明する。なお、理解しやすいように触覚部の一部を抜き出して説明する。
【0065】
はじめに図4に示すように触覚部7に外圧の作用がない場合について説明する。このとき図11に示すように受光部4に照射される光の照射領域114は、その重心近傍に光量の小さい(または光量のない)領域124が存在するような形状となる。その光の照射領域114が、受光部4を分割するそれぞれの受光領域10〜13に分布するように、かつ受光領域10〜13のそれぞれにて受光される光量が等しくなるように受光部4は配置されている。
【0066】
次に触覚部7に外力が加わったときに外力を検出する方法について図6、8、12、13によって説明する。触覚部7のy方向に力が加わったときについての突起部3の動作は、図6を用いて説明した実施の形態1の動作と同様であるため、その説明を省略する。このとき、透明板1から突起部3へ透過する光量が多くなり、かつ透明板1から透過して受光部4に入射する光の方向は一部、受光部4に対して垂直な方向ではなくなる。このため、図12に示すように、受光部4に照射される光の照射領域114の半径が図11と比較して大きくなる。これにより、受光領域10〜13のそれぞれに受光される光量は図11の場合よりも増加するとともに、受光領域10〜13のそれぞれに受光される光量はほぼ等しくなる。従って、これらの受光量を検出して、演算する機能が備えられていれば、触覚部7にy方向の力が加わったと検出することが可能である。
【0067】
また触覚部7のx方向に力が加わったときについての突起部3の動作は図8を用いて説明した実施の形態1の動作と同様であるため、その説明を省略する。このとき、図13に示すように、受光部4に照射される光の照射領域114の重心は受光領域10〜13を分割する分割線の中心から外れる。また、光量の小さい(または光量のない)領域124は力の加わる方向と逆方向に移動する。従って、それぞれの受光領域10〜13に受光される光量に差が大きく発生する。これにより、例えば受光領域10、11、12、13のそれぞれの信号を互いに比較すれば触覚部7のx方向に加えられた力の検出が可能となる。
【0068】
z方向の力が加わったときについてもx方向の検出原理と同様である。もちろん、面内の任意の方向についても受光領域10〜13のそれぞれの信号を比較すれば、検出が可能である。さらに正確に検出しようとすれば、分割数を増やした受光素子を構成して、中心の分割線に対して対称となる位置の受光部について、差分をとって演算を行うことが良い。
【0069】
本実施の形態によれば、受光部4から透明板1までのy方向の距離(突起部3の長さ)を、実施の形態1の構成よりも短くすることが可能である。これにより、センサの面方向の力の検出に対して感度を高くすることが可能である。また、受光部4を透明板1のより近傍に配置することが可能であるため、センサの薄型化が可能である。
【0070】
(実施の形態3)
上記の実施の形態1および2においては、可動部材(突起部3、受光部4、触覚部7)が透明板1の片側に配置された構成について説明したが、透明板1の両側に可動部材が配置されていても良い。以下、透明板1の両側に可動部材が配置された構成について説明する。
【0071】
図14は、本発明の実施の形態3における触覚センサにて可動部材が透明板をはさんで上下に配置された状態を示す模式図である。図14を参照して、透明板1の両側に触覚センサにおける可動部材が配置されている。この可動部材は、突起部3と受光部4と触覚部7との3つの部材により構成されている。
【0072】
なお、これ以外の構成については実施の形態1または2の構成とほぼ同じであるため、同一の構成要素については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0073】
図14に示す構成によれば、上下の触覚部7の各々に力が加わったとき、透明板1の光は上下の突起部3のそれぞれに透過するため、透明板1の上下の力のそれぞれを検出することが可能である。
【0074】
この図14に示す触覚センサは、たとえば図15に示すようにロボットのグリッパ18の指に装着され、このグリッパ18の指と一体形に構成される。このように上下の力の検出が可能なセンサであれば狭い隙間50の空間を指の先端で検出しながら挿入することが可能である。また、例えば、図16に示すように流体51内にロボットのグリッパ18を配置したとき、流体51の流れを検出することが可能である。
【0075】
本実施の形態によれば、光源および透明板を別途設置することなく透明板1の上下の力の検出が可能であるため、センサの厚み方向を小さくし、部品点数を削減することが可能となる。
【0076】
(実施の形態4)
図17は、本発明の実施の形態4における触覚センサの構成を概略的に示す模式図である。図17を参照して、本実施の形態における触覚センサは、基本的には、透明板1と、光源5と、複数の突起部3と、複数の受光部4と、複数の触覚部7と、光反射部6と、支持部材2と、弾性体8とを有している。
【0077】
光源5は、透明板1の内部に光を入射可能なように配置されている。透明板1は、光源から出射した光を導くものである。透明板1の表面には窪み9が設けられている。窪み9内には透明な弾性体8が充填されており、この弾性体8は透明板1と等しい屈折率を有している。又、透明板1と弾性体8の線膨張係数が等しい。従って、弾性体と透明板の相対的な変形が小さくなるため、温度変化による受光部へ入射する光の変動を抑止することが可能である。複数の透明な突起部3の各々は、その一部がこの弾性体8に接触するように配置されている。また、触覚部7は、外圧を直接受ける部分であり、外圧の作用に伴い変位するよう構成されており、かつ支持部材2により支持されている。触覚部7と突起部3との間には光の受光部4が配置されている。触覚部7と受光部4と突起部3とのそれぞれの個数は1:1:1に対応している。突起部3と受光部4と触覚部7との3つの部材により触覚センサにおける可動部材が構成されており、この可動部材が複数形成されている。なお、この可動部材は外圧の作用により可動する部分である。
【0078】
この受光部4はy軸に垂直な面に透明板からの光を受光できるように図中下向きに受光面を有している。受光面についての詳細な説明は後述する。
【0079】
窪み9がある透明板1の面と光源5から光が入射する面以外の面においては、透明板1内の光を反射する光反射部6が設けられている。この光反射部6は、透明板1内に入射された光を反射するためのものである。
【0080】
また、支持部材2は、透明板1の表面を覆うように設けられており、かつ触覚部7が外圧の作用に伴って支持部材2に対して変位可能なように触覚部7を支えている。
【0081】
ここでは、支持部材2と触覚部7とは一体の部材で形成されていても良く、別体の部材で形成されていても良い。すなわち、ある可動部材に外圧が作用した場合にその隣にある可動部材に外圧が伝わらない構成とすることが好ましい。例えば、可動部材のピッチが小さい場合は、支持部材2を触覚部7より高剛性とし、弾性部材で触覚部7と支持部材2とを接続することが好ましい。このような構成とすることで、外圧が作用した場合に、外圧が隣に位置する可動部材には伝わることがないため、正確な検出が可能となる。
【0082】
一方、可動部材のピッチがある程度大きく、隣りに位置する可動部材に外圧の影響がない場合は、支持部材2と触覚部7とは同一の材料で一体で構成されてもよく、その厚さの違いによって弾性度を規定することが可能である。この場合も、触覚部7と支持部材2との接続部は厚さを小さくして、触覚部7に外圧が加わった場合でも、可動部材にのみ外圧を伝達する構成とするのが良い。
【0083】
可動部材の一部をなしている突起部3も支持部材2に複数突設されている。複数の突起部3の各々は、弾性体8の表面に略点接触し、かつ光を透過し、透明板1の屈折率と略等しい屈折率を有している。また、触覚部7に作用する外圧に伴い突起部3は弾性体8を変形させ、それにより突起部3と弾性体8との接触面積および接触状態が変化するように構成されている。
【0084】
触覚部7に外圧が作用していないとき、透明板1から弾性体8へ透過した光20が突起部3内に入射して、突起部3内で全反射して受光部4に照射されるような外形形状を突起部3と弾性体8とは有している。
【0085】
また、突起部3の一部は弾性体8に接着固定されていても良い。このとき、接着剤は突起部3の屈折率と等しくすることが好ましい。このようにすれば、機器の振動により突起部3が弾性体8から非接触状態になり検出不能となることを防止することができる。
【0086】
このような構成とすることで、弾性体8が容易に弾性変形可能となり、それにより図17のy方向(窪み9が設けられた透明板1の面に対して垂直な方向)、x方向(窪み9が設けられた透明板1の面に対して平行な方向)およびz方向(窪み9が設けられた透明板1の面に対して平行な方向)に力の大きさに応じて変形することが可能となる。
【0087】
図18は、図17において受光部4をy方向から見た図である。図18を参照して、受光部4は4つの受光領域10〜13に分割され、それぞれの受光領域10〜13が受光した光量に応じて電圧が発生する。また、4つの受光面の面積がほぼ等しくなっている。
【0088】
次に、本実施の形態の触覚センサの動作を図19〜24を用いて説明する。
図19〜図24では、理解しやすいように触覚部の一部を抜き出して説明する。
【0089】
図19を参照して、可動部材の触覚部7に外圧の作用が無いとき、透明板1の一方の端面に投光された光は、透明板1と弾性体8と空気との屈折率の比から透明板1と弾性体8との内部において、透明板1の上面と下面との間で全反射を繰り返す。そして、弾性体8と突起部3が接触している部分から突起部3へ一部の光が透過し、突起部3内で全反射して受光部4に到達する。受光部4に到達した光は受光領域10〜13のそれぞれに照射され、それにより電圧が発生する。この電圧を比較することにより触覚部7に加えられた力を検出する原理である。
【0090】
はじめに触覚部7に外圧の作用がないときについて説明する。このとき、図20のように受光部4に照射される光の照射領域14は円形となる。その円形の光の照射領域14が、受光部4を分割するそれぞれの受光領域10〜13に分布するように、かつ受光領域10〜13のそれぞれにて受光される光量が等しくなるように受光部4は配置されている。
【0091】
図21を参照して、触覚部7のy方向に力が加わったときには、触覚部7はy方向に変位する。それに伴い突起部3はy方向に移動し、弾性体8が突起部3に圧接され、変形していく。このとき、弾性体8の外形が変形することにより、突起部3と弾性体8の接触している面積は、外圧の作用がないときよりも大きくなる。
【0092】
このため、図22に示すように、受光部4に照射される光の照射領域14は円を描きかつ、弾性体8から突起部3へ透過する光量が、外圧の作用がないときよりも多くなる。これにより、それぞれの受光領域10〜13に受光される光量が増加し、かつそれぞれの受光領域10〜13の光量はほぼ等しくなる。例えば、受光領域10〜13の出力をそれぞれa、b、c、dとする。これらを検出して、(a+b)―(c+d)と(a+c)―(b+d)の各演算結果は略0となる。さらに(a+b)+(c+d)の演算結果は、外圧が無いときよりも大きな値になる。従って、触覚部7にy方向の力が加わったと検出することが可能である。
【0093】
また図23を参照して、触覚部7のx方向に力が加わったときには、触覚部7はx方向に移動する。それに伴い突起部3と受光部4とはx方向に移動して、突起部3と弾性体8との接触部分は図24に示すように受光部4に照射される光の照射領域14内に光量の高い領域15が存在する。従って、受光部4に照射される光の照射領域14の光量の分布に偏りが生じ、偏りは触覚部7が変位した方向と反対の方向に移動することになる。
【0094】
従って、受光領域10〜13を分割する分割線の中心から光量の分布が均等でなくなるため、4つの受光領域10〜13のそれぞれに受光される光量に差が発生する。前記と同様に(a+b)―(c+d)と(a+c)―(b+d)の演算すると、(a+b)―(c+d)は略0となり、(a+c)―(b+d)<0となり、触覚部7にx方向の力が加わったと検出することが可能である。
【0095】
z方向の力が加わったときについてもx方向の検出原理と同様である。もちろん、面内の任意の方向についても受光領域10〜13のそれぞれの信号を比較すれば、検出が可能である。さらに正確に検出しようとすれば、分割数を増やした受光部4を構成して、中心の分割線に対して対称となる位置の受光領域について、差分をとって演算を行うことが良い。
【0096】
以上、外圧を受けない状態で受光部4において光の照射領域14が円を描くようにし、受光部4の受光領域10〜13に均等に光が入射する構成することにより任意の方向の力の大きさおよび方向の検出が可能である。
【0097】
また、ここで説明した透明板1の構成は厚み方向に一定の厚さを有しているが、光源5から離れるほど厚みを薄くなるように断面を傾斜して構成することで、光源5からの距離の違いによる光量のばらつきをなくすことができる。さらに、透明板1の受光部4側に対向しない面を荒らし、光を散乱させることで、光の利用効率を向上させても良い。
【0098】
本実施の形態によれば、図17に示すように透明板1の一方側にのみ受光部4と触覚部7と突起部3とを配置することができるため、図34に示すように透明板31の両側に受光素子32と触覚部33とが位置する従来例よりもセンサ全体の厚みを非常に薄く小型にすることが可能である。
【0099】
また、受光部4が触覚部7と突起部3とにより密閉される構成であるため、封止部材が必要ないとともに、受光部4にごみなどが付着しないので、正確な検出が可能となる。
【0100】
また、1つの触覚部7、突起部3に対して多数の力の方向と大きさの信号を独立して検出することが可能であり、また多数の触覚部7を配置できるため、分解能が向上する。
【0101】
また、透明板1の窪み9内に弾性体8を配置するため、精度良く弾性体8の形状を形成することが可能となる。また、弾性体8を配置する位置も窪み9の位置により決定することが可能であるため非常に精度良く形状、位置決めを行うことが可能である。また、弾性体8を透明板1の窪み9内に流し込むことが可能であるため生産性に優れている。
【0102】
(実施の形態5)
図25は、本発明の実施の形態5における触覚センサの突起部付近を拡大して概略的に示す模式図である。また図26は、図25の触覚センサの触覚部に対して外力が作用していないときの受光部に照射される光の状態を示す図である。
【0103】
図25を参照して、本実施の形態の触覚センサの構成は、実施の形態4の構成と比較して突起部3の形状において異なる。この突起部3は、透明板1から受光部4までのy方向の距離が実施の形態4と比較して大きくなっている。これにより、触覚部7に外圧の作用がない状態では、図26に示すように受光部4に照射される光の照射領域114の重心近傍に光量の小さい領域124が存在する。この光量の小さい領域124においては、光量が全くなくてもよく、その場合には、照射領域114は環形状となる。
【0104】
なお、これ以外の構成については実施の形態4の構成とほぼ同じであるため、同一の構成要素については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0105】
次に、本実施の形態の触覚センサの動作を説明する。なお、理解しやすいように触覚部の一部を抜き出して説明する。
【0106】
はじめに図25に示すように触覚部7に外圧の作用がない場合について説明する。このとき図26に示すように受光部4に照射される光の照射領域114は、その重心近傍に光量の小さい(または光量のない)領域124が存在するような形状となる。その光の照射領域114が、受光部4を分割するそれぞれの受光領域10〜13に分布するように、かつ受光領域10〜13のそれぞれにて受光される光量が等しくなるように受光部4は配置されている。
【0107】
次に触覚部7に外力が作用したときに外力を検出する方法について図27〜30によって説明する。触覚部7のy方向に力が加わったときについての突起部3の動作は実施の形態4で説明した動作と同様であるため、その説明を省略する。このとき、透明板1から突起部3へ透過する光量が多くなり、かつ図28に示すように、光の照射領域114が広くなり、光量の小さい(または光量のない)領域124が小さくなる。このとき、それぞれの受光領域10〜13に受光される光量が増加し、かつそれぞれの受光領域10〜13に照射される光量はほぼ等しくなる。例えば、受光領域10〜13の出力をそれぞれe、f、g、hとする。これらを検出して、(e+f)―(g+h)と(e+g)―(f+h)との各演算結果は略0なる。さらに(e+f)+(g+h)の演算結果が、外圧が無いときより大きな値になる。従って、触覚部7にy方向の力が加わったと検出することが可能である。
【0108】
このとき光の照射領域114は光の強度増加と共に面積が増加するため、受光領域10〜13に照射される光量変化は大きい。従って、本実施例は触覚部7に加わる外力に対して感度が良い。
【0109】
また触覚部7のx方向に外力が作用したときについての突起部3の動作は実施の形態4で説明した動作と同じであるため、その説明を省略する。このとき、図30に示すように、受光部4に照射される光の照射領域114内に光量の高い領域115が存在する。従って、光の照射領域114の光量の分布に偏りが生じ、偏りは触覚部7が変位した方向と反対の方向に移動することになる。
【0110】
従って、受光領域10〜13を分割する分割線の中心から光量の分布が均等でなくなるため、4つ受光領域10〜13のそれぞれに受光される光量に差が発生する。前記と同様に(e+f)―(g+h)と(e+g)―(f+h)との演算をすると、(e+f)―(g+h)は略0となり、(e+g)―(f+h)<0となり、触覚部7にx方向の力が加わったと検出することが可能である。
【0111】
z方向の外力が作用したときについてもx方向の検出原理と同様である。もちろん、面内の任意の方向についても受光領域10〜13のそれぞれの信号を比較すれば、検出が可能である。このように受光部上の光の領域の中心部に光量が少ない領域があるとき、透明板1から受光部4までのy方向の距離が大きいため、センサの可動変位量を大きくすることが可能である。
【0112】
(実施の形態6)
上記の実施の形態4および5においては、可動部材(突起部3、受光部4、触覚部7)が透明板1の片側に配置された構成について説明したが、透明板1の両側に可動部材が配置されていても良い。以下、透明板1の両側に可動部材が配置された構成について説明する。
【0113】
図31は、本発明の実施の形態6における触覚センサにて可動部材が透明板をはさんで上下に配置された状態を示す模式図である。図31を参照して、透明板1の両側に触覚センサにおける可動部材が配置されている。この可動部材は、突起部3と受光部4と触覚部7との3つの部材により構成されている。
【0114】
また、透明板1の上面25および下面26の双方に窪み9が形成されており、各窪み9内に弾性体8が設けられている。
【0115】
上面25にある透明板1の窪み9の配置を図32に下面26の窪み9の配置を図33に示す。図32および図33を参照して、上面25にあるそれぞれの窪み9の中心のxz面内の座標と下面26にある窪み9の中心のxz面内の座標は一致しないほうが好ましい。つまり、透明板1の上面25に形成された窪み9の中心と下面26に形成された窪み9の中心とは、上面25と下面26との双方に垂直な線上にはないことが好ましい。そうすることにより、上面と下面の窪みが重ならないため、透明板1の厚さを薄くすることが可能となる。
【0116】
また、以上透明弾性体8の代替で窪み9に動作範囲内で液体状態にある物質を注入し、上面を弾性体からなる透明な膜で物質を封入してもよい。
【0117】
なお、これ以外の構成については実施の形態4または5の構成とほぼ同じであるため、同一の構成要素については同一の符号を付しその説明を省略する。
【0118】
図31に示す構成によれば、上下の触覚部7に力が加わったとき、透明板1の光はそれぞれの上下の突起部3に透過するため、透明板1の上下の力の検出が可能である。
【0119】
また、光源及び透明板等を別途設置する必要がないため、部品点数の削減及びセンサの薄型化が可能である。
【0120】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0121】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の触覚センサによれば、透明板の一方側にのみ受光素子と触覚部と突起部とを配置することができるため、透明板の両側に受光素子と触覚部とが位置する従来例よりもセンサ全体の厚みを非常に薄く小型にすることが可能である。
【0122】
また、受光素子が触覚部と突起部とにより密閉される構成であるため、封止部材が必要ないとともに、受光部材にごみなどが付着しないので、正確な検出が可能となる。
【0123】
また、1つの触覚部、突起部に対して多数の力の方向と大きさの信号を独立して検出することが可能であり、また多数の触覚部を配置できるため、分解能が向上する。
【0124】
また、透明板の窪み内に弾性体を配置するため、精度良く弾性体の形状を形成することが可能となる。また、弾性体を配置する位置も窪みの位置により決定することが可能であるため非常に精度良く形状、位置決めを行うことが可能である。また、弾性体を透明板の窪み内に流し込むことが可能であるため生産性に優れている。
【0125】
また、触覚部に外圧の作用がない状態では、透明板側から突起部側へ入射する光は、受光素子を分割するそれぞれの受光領域に入射するため、それぞれの受光領域の光量変化の相関関係を演算しやすく力の大きさおよび方向を容易に検出することが可能である。
【0126】
また、1つの透明板をはさんで上下に突起部が配置されているため、光源および透明板を別途設置する必要が無く、センサの厚み方向を小さくし、部品点数を削減することが可能となる。
【0127】
また、1つの透明板をはさんで上下に突起部が配置されているとき、透明板の上面に形成された窪みの中心と下面に形成された窪みの中心とは、上面と下面との双方に垂直な線上にはないため、上面と下面とに設けられた各窪みの位置がずれ、透明板を薄くすることが可能であり、センサ厚みの薄型化が可能である。
【0128】
また、透明板と突起部との一部、もしくは弾性体と突起部との一部が接着されているため、機器の振動によって突起部と透明板とが非接触状態になり検出不能になることを防止することが可能である。
【0129】
また、窪み内に存在する変形可能な弾性体と透明板の線膨張係数が略等しいため、温度の変化に対して弾性体と透明板の相対的な変形が小さくなり、温度変化による受光部へ入射する光の変動を抑止することが可能である。
【0130】
また、触覚部に外圧の作用がない状態では、透明板側から突起部側へ入射する光は受光素子上において略円状に入射するため、センサの面方向の力の検出に対して感度を高くすることが可能である。
【0131】
また、触覚部に外圧の作用がない状態では、透明板側から突起部側へ入射する光によって受光素子上に照射される照射領域の重心近傍に光量の小さい領域があるため、センサの面方向の力の検出に対して感度を高くすることが可能である。また、受光部を透明板からより近傍に配置することが可能であるため、薄型化が可能である。また、受光部から透明板までの距離を大きくすることが可能であるため、可動変位量を大きくすることが可能となり、利便性が増す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1における触覚センサの構成を概略的に示す模式図である。
【図2】 図1の触覚センサにおける突起部を拡大して示す断面図である。
【図3】 図1において受光部4をy方向から見た図である。
【図4】 本発明の実施の形態1における触覚センサの触覚部に外力が作用していない状態を概略的に示す模式図である。
【図5】 本発明の実施の形態1における触覚センサの触覚部に外力が作用していない状態において、受光素子上の光の照射状態を示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態1における触覚センサの触覚部にy方向の外力が作用した状態を概略的に示す模式図である。
【図7】 本発明の実施の形態1における触覚センサの触覚部にy方向の外力が作用した状態において、受光素子上の光の照射状態を示す図である。
【図8】 本発明の実施の形態1における触覚センサの触覚部にx方向の外力が作用した状態を概略的に示す模式図である。
【図9】 本発明の実施の形態1における触覚センサの触覚部にx方向の外力が作用した状態において、受光素子上の光の照射状態を示す図である。
【図10】 本発明の実施の形態2における触覚センサの突起部付近を拡大して概略的に示す模式図である。
【図11】 本発明の実施の形態2における触覚センサの触覚部に外力が作用していない状態において、受光素子上の光の照射状態を示す図である。
【図12】 本発明の実施の形態2における触覚センサの触覚部にy方向の外力が作用した状態において、受光素子上の光の照射状態を示す図である。
【図13】 本発明の実施の形態2における触覚センサの触覚部にx方向の外力が作用した状態において、受光素子上の光の照射状態を示す図である。
【図14】 本発明の実施の形態3における触覚センサにて可動部材が透明板をはさんで上下に配置された状態を示す模式図である。
【図15】 本発明における触覚センサをロボットのグリッパの指に搭載し、狭い隙間内での動作を示した図である。
【図16】 本発明における触覚センサをロボットのグリッパの指に搭載し、流体中での動作を示した図である。
【図17】 本発明の実施の形態4における触覚センサの構成を概略的に示す模式図である。
【図18】 図17において受光部4をy方向から見た図である。
【図19】 本発明の実施の形態4における触覚センサの触覚部に外力が作用していない状態を概略的に示す模式図である。
【図20】 本発明の実施の形態4における触覚センサの触覚部に外力が作用していない状態において、受光素子上の光の照射状態を示す図である。
【図21】 本発明の実施の形態4における触覚センサの触覚部にy方向の外力が作用した状態を概略的に示す模式図である。
【図22】 本発明の実施の形態4における触覚センサの触覚部にy方向の外力が作用した状態において、受光素子上の光の照射状態を示す図である。
【図23】 本発明の実施の形態4における触覚センサの触覚部にx方向の外力が作用した状態を概略的に示す模式図である。
【図24】 本発明の実施の形態4における触覚センサの触覚部にx方向の外力が作用した状態において、受光素子上の光の照射状態を示す図である。
【図25】 本発明の実施の形態5における触覚センサの触覚部に外力が作用していない状態を概略的に示す模式図である。
【図26】 本発明の実施の形態5における触覚センサの触覚部に外力が作用していない状態において、受光素子上の光の照射状態を示す図である。
【図27】 本発明の実施の形態5における触覚センサの触覚部にy方向の外力が作用した状態を概略的に示す模式図である。
【図28】 本発明の実施の形態5における触覚センサの触覚部にy方向の外力が作用した状態において、受光素子上の光の照射状態を示す図である。
【図29】 本発明の実施の形態5における触覚センサの触覚部にx方向の外力が作用した状態を概略的に示す模式図である。
【図30】 本発明の実施の形態5における触覚センサの触覚部にx方向の外力が作用した状態において、受光素子上の光の照射状態を示す図である。
【図31】 本発明の実施の形態6における触覚センサにて可動部材が透明板をはさんで上下に配置された状態を示す模式図である。
【図32】 図31の触覚センサにおいて透明板の上面にある窪みの配置を示す図である。
【図33】 図31の触覚センサにおいて透明板の下面にある窪みの配置を示す図である。
【図34】 従来の触覚センサの構成図である。
【符号の説明】
1 透明板、2 支持部材、3 突起部、4 受光部、5 光源、6 光反射部、7 触覚部、8 弾性体、10〜13 受光領域、14,114 照射領域、15 光量の高い領域、18 グリッパ、20 光、25 上面、26 下面、124 光量の小さい(または光量のない)領域。

Claims (12)

  1. 光源と、前記光源から出射した光を導く透明板と、外圧の作用により可動する複数の可動部材とを備えた触覚センサであって、
    前記可動部材は、
    外圧を直接受ける触覚部と、
    前記透明板からの光を透過する突起部と、
    前記透明板から前記突起部へ透過した光を受光するための受光素子とを有し、
    前記受光素子は前記触覚部と前記突起部との間に設けられていることを特徴とする、触覚センサ。
  2. 前記突起部は、前記透明板の表面に接触し、かつ変形可能な弾性体からなっていることを特徴とする、請求項1に記載の触覚センサ。
  3. 前記透明板の表面には窪みが形成されており、
    前記窪み内に存在し、かつ前記透明板からの光を透過する、変形可能な弾性体をさらに備え、
    前記突起部は、前記弾性体の表面に接触していることを特徴とする、請求項1に記載の触覚センサ。
  4. 前記触覚部と前記受光素子と前記突起部とのそれぞれの個数は1:1:1に対応しており、前記受光素子が、1つの前記突起部に対して少なくとも2つの受光領域を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の触覚センサ。
  5. 前記触覚部に外圧の作用がない状態では、前記透明板側から前記突起部側へ入射する光は、前記受光素子を分割するそれぞれの前記受光領域に入射することを特徴とする、請求項4に記載の触覚センサ。
  6. 1つの前記透明板をはさんで上下に前記突起部が配置されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の触覚センサ。
  7. 1つの透明板をはさんで上下に前記突起部が配置されているとき、前記透明板の上面に形成された前記窪みの中心と下面に形成された前記窪みの中心とは、前記上面と前記下面との双方に垂直な線上にはないことを特徴とする、請求項3に記載の触覚センサ。
  8. 前記透明板と前記突起部との一部が接着されていることを特徴とする請求項2に記載の触覚センサ。
  9. 前記弾性体と前記突起部との一部が接着されていることを特徴とする請求項3に記載の触覚センサ。
  10. 前記弾性体と前記透明板との線膨張係数が略等しいことを特徴とする、請求項3に記載の触覚センサ。
  11. 前記触覚部に外圧の作用がない状態では、前記透明板側から前記突起部側へ入射する光は前記受光素子上において略円状に入射することを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の触覚センサ。
  12. 前記触覚部に外圧の作用がない状態では、前記透明板側から前記突起部側へ入射する光によって前記受光素子上に照射される照射領域の重心近傍に光量の小さい領域があることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の触覚センサ。
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