JP4085554B2 - Method for producing cellulose ester film - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン化銀写真感光材料あるいは液晶表示装置に有用なセルロースエステルフィルムの製造方法に関し、特に製造時のカールを小さくするか、またはカールを矯正するセルロースエステルフィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からの溶液流延製膜方法によるセルローストリアセテートフィルムの製造方法は図1に示したようなセルローストリアセテートフィルムの製造装置により行われている。図1は溶液流延製膜セルロースエステルフィルム製造装置の概略図である。セルローストリアセテートフィルムは、セルローストリアセテートフィルム溶液(以下ドープとも呼ぶ)を鏡面処理された表面を有する無限移行する無端の金属支持体(例えばベルトあるいはドラム)3(以降、金属支持体または単に支持体ということがある)上にダイ2から流延し、ドープ膜1を(ウェブ1とも呼ぶ)剥離ロール4で剥離し、ロール乾燥装置5に導入し、ロール群6によってウェブ1を引き回し、その間にウェブ1は導入された乾燥ガス風7によって乾燥されセルローストリアセテートフィルムとして巻取り機8で巻き取られ製造される。通常乾燥には、図1のようにウェブを多数の搬送ロールを千鳥状に通し、乾燥風を当てるのが一般的であるが、米国特許第2,319,053号明細書のように、赤外線などで乾燥する方法もある。このウェブを直接ロールに掛けるのではなくエアを吹き出してその圧でウェブを浮上させることにより掛架体と非接触状態で移動させる方式も開発されている(例えば特開昭55−135046号公報など)。一方、ポリエステル、ポリプロピレンなどのフィルムの機械強度等を改善するために行われる延伸方法の一つにフィルムの両側縁部をクリップ等で固定して2〜6倍延伸するテンター方式がある。このテンター方式を利用してフェノキシ樹脂等のフィルムから液晶表示パネルの基板を製造する技術も開発されており(特開昭59−211006号公報)、このフィルムにはセルロースアセテートフィルムも使用出来ることがその中に示唆されており、特開平4−284211号、特開昭62−115035号公報に示されているようなテンター乾燥装置によりセルローストリアセテートフィルムの製造方法が開示されている。
【0003】
図2は、テンター乾燥装置を有する溶液流延製膜セルロースエステルフィルム製造装置の概略図である。剥離ロール4で剥離されたウェブ1はテンター乾燥装置9に導入されウェブの両端をクリップで把持されて幅を保持するかまたは幅延伸を若干行って乾燥される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、セルロースエステルフィルムの生産速度が益々速くなるに従い、金属支持体からウェブを剥離する際のウェブに残留する溶媒量(以降残留溶媒量という)が多くなり、ウェブは柔らかくなるため、安定した搬送がし難くなる。また金属支持体上の乾燥によりウェブの表裏の残留溶媒量の違いがカールを起こす。ここで、表裏という語の使い方は適切ではなく、流延部の金属支持体上でウェブを乾燥している時の支持体にウェブの接している側と空気側として表すのがよいが、言い回しが複雑のためベルト面、略してB面及びエアー面略してA面というように以降表すこととする。ウェブは金属支持体上での乾燥時は、ウェブのA面側より金属支持体に接していたB面側の方が有機溶媒の蒸発が行われ難く残留溶媒量が大きく残り、剥離後のウェブのB面は解放され盛んに蒸発が行われ急激に収縮が起こる。その結果剥離後B面側にカールが起こる。このカールは剥離後時間が経たないうちに矯正しないと、フィルムを形成した後も記憶されているが如く同方向にカールし、カールが大きかったものは後々大きなカールを示す。
【0005】
また、剥離後いきなりテンター乾燥装置で乾燥する方法は、ウェブの両端のカールが強く端部が丸まるとテンター乾燥装置のクリッピングがしにくく、ウェブに裂けが入るようなクリッピングの失敗があり、生産性を極端に落としていた。
【0006】
本発明の目的は、液晶画像表示装置やハロゲン化銀写真感光材料に有用な、特に薄手の液晶画像表示装置用のセルロースエステルフィルムを溶液流延製膜法によりセルロースエステルフィルムの製造方法において、高速生産により比較的残留溶媒量が多くなっても、またフィルムが薄手になってもカールの小さな製品フィルムを得ることが出来、また生産中の両端のカールによる折れや裂けの発生が起こり難く、生産性に優れたセルロースエステルフィルムの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成よりなる。
【0016】
剥離ロールからテンター乾燥装置導入口までの間にロール状搬送手段を有する溶液流延製膜装置によりセルロースエステルフィルムを製造する方法において、剥離ロールからテンター乾燥装置導入口までの間ウェブを残留溶媒量30〜120質量%として通過させ、その間で、無限移行する無端の金属支持体上で乾燥していた時のウェブの空気側の面をドラム及びアーチ型に配列された複数のロールから選ばれる搬送手段に接触させながら搬送することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
【0023】
始めに、本発明に係わる溶液流延製膜法によるセルロースエステルフィルムの製膜方法について説明する。
【0024】
先ず、セルロースエステルを有機溶媒に溶解してドープを形成する。
本発明に係るセルロースエステルフィルムに使用するセルロースエステルは、リンターパルプ、ウッドパルプ及びケナフパルプから選ばれるセルロースを用い、それらに無水酢酸、無水プロピオン酸、または無水酪酸を常法により反応して得られるもので、セルロースの水酸基に対する全アシル基の置換度が2.5〜3.0のセルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、及びセルロースアセテートプロピオネートブチレートである。本発明に係るセルロースエステルのアセチル基の置換度は少なくとも1.5以上は必要であることが好ましい。セルロースエステルのアシル基の置換度の測定方法としては、ASTMのD−817−91に準じて実施することが出来る。これらのセルロースエステルの分子量は数平均分子量として、70,000〜300,000の範囲が、フィルムに成形した場合の機械的強度が強く好ましい。更に80,000〜200,000が好ましい。通常、セルロースエステルは反応後の水洗等処理後において、フレーク状となり、その形状で使用されるが、粒子サイズは粒径を0.05〜2.0mmの範囲とすることにより溶解性を早めることが出来好ましい。
【0025】
セルロースエステルのフレークに対する良溶媒を主とする有機溶媒に溶解釜中で該フレークを攪拌しながら溶解し、ドープを形成する。溶解には、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下で行う方法、主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、特開平9−95544号、同9−95557号または同9−95538号公報に記載の如き冷却溶解法で行う方法、特開平11−21379号公報に記載の如き高圧で行う方法等種々の溶解方法がある。溶解後ドープを濾材で濾過し、脱泡してポンプで次工程に送る。ドープ中のセルロースエステルの濃度は10〜35質量%程度である。
【0026】
セルロースエステルに対する良溶媒としての有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、ギ酸エチル、アセトン、シクロヘキサノン、アセト酢酸メチル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、メチレンクロライド、ブロモプロパン等を挙げることが出来、酢酸メチル及びメチレンクロライドが好ましく用いられる。しかし最近の環境問題から非塩素系の有機溶媒の方が好ましい傾向にある。また、これらの有機溶媒に、メタノール、エタノール、ブタノール等の低級アルコールを併用すると、セルロースエステルの有機溶媒への溶解性が向上したりドープ粘度を低減出来るので好ましい。特に沸点が低く、毒性の少ないエタノールが好ましい。
【0027】
ドープ中に、フタル酸エステル、リン酸エステルなどの可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、マット剤などの添加剤を加えることにより、セルロースエステルフィルムに起因するハロゲン化銀写真感光材料や液晶画像表示装置の性能を向上させることが出来る。
【0028】
本発明において、セルロースエステルフィルム中に可塑剤を含有させることが好ましい。用いることの出来る可塑剤としては特に限定しないが、リン酸エステル系としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系としては、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート等、グリコール酸エステル系としては、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等を挙げることが出来る。可塑剤は必要に応じて、2種類以上を併用して用いてもよい。セルロースエステルに用いる場合、リン酸エステル系の可塑剤の使用比率は50%以下が、セルロースエステルフィルムの加水分解を引き起こしにくく、耐久性に優れるため好ましい。リン酸エステル系の可塑剤比率は少ない方がさらに好ましく、フタル酸エステル系やグリコール酸エステル系の可塑剤だけを使用することが特に好ましい。可塑剤のセルロースエステルに対する添加量としては、0.5〜30質量%が好ましく、特に2〜15質量%が好ましい。
【0029】
また、本発明において、セルロースエステルフィルム中に紫外線吸収剤を含有させることが好ましく、紫外線吸収剤としては、液晶の劣化防止の点より波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の点より波長400nm以上の可視光の吸収が可及的に少ないものが好ましく用いられる。特に、波長370nmでの透過率が10%以下である必要があり、好ましくは5%以下、より好ましくは2%以下である。本発明において、使用し得る紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等を挙げることが出来るが、着色の少ないベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。しかしこれらには限定されない。紫外線吸収剤は2種以上用いてもよい。紫外線吸収剤のドープへの添加方法は、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソランなどの有機溶媒に紫外線吸収剤を溶解してから添加するか、または直接ドープ組成中に添加してもよい。無機粉体のように有機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースエステル中にデゾルバやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加する。本発明において、紫外線吸収剤の使用量はセルロースエステルに対し0.5〜20質量%の範囲で添加することが出来、0.6〜5.0質量%が好ましく、特に好ましくは0.6〜2.0質量%である。
【0030】
更に、本発明のセルロースエステルフィルム中には、酸化防止剤を含有させることが好ましく、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられ、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等を挙げることが出来る。特に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。また例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。これらの化合物の添加量は、セルロースエステルに対して質量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10〜1000ppmが更に好ましい。
【0031】
また本発明において、セルロースエステルフィルム中に、微粒子のマット剤を含有するのが好ましく、微粒子のマット剤としては、例えば二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子や架橋高分子微粒子を含有させることが好ましい。中でも二酸化ケイ素がフィルムのヘイズを小さく出来るので好ましい。微粒子の2次粒子の平均粒径は0.01〜1.0μmの範囲で、その含有量はセルロースエステルに対して0.005〜0.3質量%が好ましい。二酸化ケイ素のような微粒子には有機物により表面処理されている場合が多いが、このようなものはフィルムのヘイズを低下出来るため好ましい。表面処理で好ましい有機物としては、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサンなどがあげられる。微粒子の平均粒径が大きい方がマット効果は大きく、反対に平均粒径の小さい方は透明性に優れるため、好ましい微粒子の一次粒子の平均粒径は5〜50nmで、より好ましくは7〜14nmである。これらの微粒子はセルロースエステルフィルム中では、通常、凝集体として存在しセルロースエステルフィルム表面に0.01〜1.0μmの凹凸を生成させることが好ましい。二酸化ケイ素の微粒子としてはアエロジル(株)製のAEROSIL 200、200V、300、R972、R972V、R974、R202、R812,OX50、TT600等を挙げることが出来、好ましくはAEROSIL R972、R972V、R974、R202、R812である。これらのマット剤は2種以上併用してもよい。2種以上併用する場合、任意の割合で混合して使用することが出来る。この場合、平均粒径や材質の異なるマット剤、例えばAEROSIL 200VとR972Vを質量比で0.1:99.9〜99.9〜0.1の範囲で使用出来る。
【0032】
ドープ中には、染料等も添加されることがある。ハロゲン化銀写真感光材料用にはライトパイピング防止用の着色剤が添加される。これらの化合物の添加量は、セルロースエステルに対して質量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10〜1000ppmが更に好ましい。また、この他、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、油剤等も加える場合がある。
【0033】
これらの添加剤は、セルロースエステル溶液の調製の際に、セルロースエステルや溶媒と共に添加してもよいし、溶液調製中や調製後に添加してもよい。
【0034】
次に、ドープを金属支持体上に流延する工程、金属支持体上での乾燥工程及びウェブを金属支持体から剥離する剥離工程について述べる。
【0035】
金属支持体の表面は鏡面となっている。流延工程は、上記の如きドープを加圧型定量ギヤポンプを通して加圧ダイに送液し、流延位置において、無限に移行する無端の金属ベルトあるいは回転する金属ドラムの金属支持体上に加圧ダイからドープを流延する工程である。その他の流延する方法は流延されたドープ膜をブレードで膜厚を調節するドクターブレード法、あるいは逆回転するロールで調節するリバースロールコーターによる方法等があるが、口金部分のスリット形状を調整出来、膜厚を均一にし易い加圧ダイが好ましい。加圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があるが、何れも好ましく用いられる。製膜速度を上げるために加圧ダイを金属支持体上に2基以上設け、ドープ量を分割して重層してもよい。膜厚の調節には、所望の厚さになるように、ドープ濃度、ポンプの送液量、ダイの口金のスリット間隙、ダイの押し出し圧力、金属支持体の速度等をコントロールするのがよい。
【0036】
金属支持体上での乾燥工程は、ウェブ(金属支持体上に流延した以降のドープ膜の呼び方をウェブとする)を支持体上で加熱し溶媒を蒸発させる工程である。溶媒を蒸発させるには、ウェブ側及び支持体裏側から加熱風を吹かせる方法、支持体の裏面から加熱液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等がある。またそれらを組み合わせる方法も好ましい。また、ウェブの膜厚が薄ければ乾燥が早い。金属支持体の温度は全体が同じでも、位置によって異なっていてもよい。
【0037】
剥離工程は、無限移行する無端の金属支持体上で有機溶媒を蒸発させて、金属支持体が一周する前にウェブを剥離する工程で、その後ウェブは乾燥工程に送られる。金属支持体からウェブを剥離する位置のことを剥離点といい、また剥離を助けるロールを剥離ロールという。ウェブの厚さにもよるが、剥離点でのウェブの残留溶媒量(下記式)があまり大き過ぎると剥離し難かったり、逆に支持体上で充分に乾燥させてから剥離すると、途中でウェブの一部が剥がれたりすることがある。通常、残留溶媒量が20〜150質量%でウェブの剥離が行われる。製膜速度を上げる方法(残留溶媒量が出来るだけ多いうちに剥離するため製膜速度を上げることが出来る)として、残留溶媒量が多くとも剥離出来るゲル流延法(ゲルキャスティング)がある。その方法としては、ドープ中にセルロースエステルに対する貧溶媒を加えて、ドープ流延後、ゲル化する方法、支持体の温度を低めてゲル化する方法等がある。また、ドープ中に金属塩を加える方法もある。支持体上でゲル化させ膜を強くすることによって、剥離を早め製膜速度を上げることが出来る。残留溶媒量がより多い時点で剥離する場合、ウェブが柔らか過ぎると剥離時平面性を損なったり、剥離張力によるツレや縦スジが発生し易く、経済速度と品質との兼ね合いで残留溶媒量を決められる。液晶表示装置に用いるセルロースエステルフィルムは乾燥後の膜厚が20〜170μmの範囲にあり、その都度乾燥温度を変えればよい。本発明においては、20〜100μmの範囲のが好ましい。100μm以下のセルロースエステルフィルムに対応するウェブは金属支持体上でかなり乾燥されており、より低いレベルの残留溶媒量で剥離される。
【0038】
本発明で用いる残留溶媒量は下記の式で表せる。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
ここで、Mはウェブの任意時点での質量、NはMを110℃で3時間乾燥させた時の質量である。
【0039】
本発明は、無限移行する無端の金属支持体上での乾燥方法及びウェブを剥離後の搬送方法を改良することによって、カールの小さいウェブまたはフィルムを製造する方法である。またウェブの全体または両端で生じるカールを矯正して小さなカールのウェブまたはフィルムを製造する方法である。
【0040】
図3は剥離ロールからテンター乾燥装置に導入するまでの間に、ロール搬送手段及び/またはカール矯正手段を有する溶液流延製膜装置の概略図である。10はロール搬送手段及び/またはカール矯正手段であり、そのロール搬送手段の中に、カールを小さくする手段やカール矯正手段である。なお、この図の11はロール搬送手段を覆うカバーで、加熱や有機溶媒ガスを取り扱ったり、また排気を行うところである。
【0041】
本発明の構成(1)において、流延工程のダイからドープを流延してドープ膜(ウェブ)を金属支持体上で乾燥する際、無限移行する無端の金属支持体がベルトの場合、中側の二つのドラム(駆動ドラムと支持ドラム)に支えられて張られた無限移行する無端のベルトには、上部側(二つのドラムの上側、またはダイが設置されている側)、下部側(二つのドラムの下側)またそれぞれの金属支持体の表裏というように四つの乾燥領域がある。つまり、上部側の表側は上部側のウェブが接している金属支持体の表側、上部側のその裏側、下部側の金属支持体の裏側及びそのウェブが接している表側とである。本発明において、上部側の表側(上の表)の乾燥域をB−1、その裏側(上の裏)をB−2、下部側の裏側(下の裏)をB−3、及び下の表側(下の表)をB−4と呼ぶことにする。
【0042】
本発明の構成(1)は、上記の四つの加熱(熱供給)領域で温度に関するもので、B−1の加熱温度T1(℃)とB−2の加熱温度T2(℃)との平均加熱温度T(1,2)av(℃)と、B−3の加熱温度T3(℃)とB−4の加熱温度T4(℃)との平均加熱温度T(3,4)av(℃)とが下記の不等式の範囲として、加熱を行うことによって非常にカールの小さいウェブまたはフィルムを作製することが出来る。
【0043】
55>{T(1,2)av−T(3,4)av}>5
金属支持体上でのウェブの本発明の乾燥方法が、カールしにくいようなウェブ中の有機溶媒の分布をとることが出来る。B−1、B−3及びB−4の加熱方法は温風や輻射熱で行うことが出来るが、温風が好ましい。また、B−2は支持体に温水を接触させる加熱方法でも、温風を当てる熱供給方法でもよい。温風温度はウェブがドープに使用する主有機溶媒の乾燥中のウェブ中での気化が急激に起こり発泡することがないような温度であれば、制限なく設定出来るが、B−1のT1とB−2のT2は20〜90℃がよく、好ましくは30〜80℃である。またB−3のT3とB−4のT4は、15〜60℃がよく、金属支持体上での乾燥は、前半が高めで後半が低めが好ましい。また熱供給のための温風の風速はB−1で10〜20m/秒、B−2で10〜30m/秒、B−3では20〜30m/秒、またB−4では10〜20m/秒程度が好ましい。B−1〜4の各々の温度及び風速変えて温風を分割して異なった温度、風速を加えてよい。
【0044】
本発明の構成(2)〜(7)でいう千鳥状に配列したロール群搬送手段というのは、ウェブの両方の面が交互に接触するロールが一直線または互い違いに配列したロール群である。従って、千鳥状に配列したロール群手段の例としては、複数の上下のロールが平行に配列したものでも、規則的に並んでいる方が好ましいが、規則的に並んでいなくともよい。また、ロール間隔とは、図4に示したように、ウェブがかかる2本のロールの中心を結ぶ線上のロールのそれぞれの円の交点間の距離をいう。図4はロール間隔を示す図であり、Lはロール間隔、12はロール、1は2本のロール12にかかるウェブである。また、ロール搬送手段は、上記千鳥状に配列したロール群搬送手段がその手段のうち1部でも大半であってもよい。ロール搬送手段には千鳥状に配列したロール群の他に方向を変えるためのガイドロールなどがあってもよく、ウェブが接触する面が交互でなく、例えば表−表というような同じ面が連続して接触する2本のロールもあってもよい。上記ロール群だけでは構成されないため、大半という語を使用した。剥離ロールからテンター乾燥装置導入口までの間にあるロール搬送手段の全てのロールのうちの最も広い間隔の隣る2本のロール間隔は、最大でも剥離時のウェブ幅までの長さとすることで目的が達せられる。その最も広い間隔の隣る2本ロールはロール搬送手段の何処にあってもよい。
【0045】
本発明の構成(2)は、ウェブを剥離後、剥離ロールからテンター乾燥装置導入口までの間にロール搬送手段を設け、ロール搬送手段のロールの一部または大半を、千鳥状に配列したロール群搬送手段とし、この千鳥状に配列したロール群搬送手段においてウェブの表面温度が50〜100℃となるように加熱し、そしてその間の通過時間を10〜70秒として搬送させることによって、カールが非常に小さなウェブまたはフィルムを得ることが出来る。より好ましくはウェブの表面温度を60〜90℃、且つ通過時間を20〜70秒、更には40〜70秒として搬送するのがよい。
【0046】
本発明の構成(3)は構成(1)と(2)を同時に満足する製造方法で、金属支持体上の乾燥を行い、更に千鳥状に配列したロール群で有効に乾燥、搬送することによって、ほとんどカールのない平なウェブまたはフィルムを得ることが出来る。
【0047】
本発明の構成(4)及び(5)は、ロール群搬送手段のうちの最も広いロール間隔を、最大でも剥離時のウェブ幅までの長さとすることにより安定してカールの小さなウェブまたはフィルムを得ることが出来る。ウェブの幅に対するロール間隔は、同じかより狭いことがロール間でのウェブのカールを減少させるのに役立つ。また、本発明の構成(2)の千鳥状に配列したロール群搬送手段のロール間隔は出来るだけ小さい方がよく、ロール間隔を900mm以下、より好ましくは700mm以下である。ロール間隔が非常に小さい、例えば10〜400mmの、いわゆる密間ロール群も好ましく使用出来る。密間ロール群は一直線でも互い違い上下に配列していてもよい。
【0048】
本発明の構成(6)及び(7)は構成(2)における乾燥及び搬送する際、ウェブの剥離時の残留溶媒量を60〜120質量%として剥離し、好ましくは70〜120質量%で剥離して高速製膜を行っても、カールに対して非常によい結果を得ることが出来る。このようなウェブはテンター乾燥装置導入する際、折れ込み等のトラブルもなく、また最終的に出来上がったセルロースエステルフィルムもカールがなく、後の工程での取り扱いフィルムを得ることが出来る。
【0049】
上記本発明の構成(3)と構成(4)〜(7)を更に組み合わせることによって、更にカールのない平なウェブまたはフィルムを得ることが出来る。
【0050】
本発明の構成(8)は、剥離時からロール搬送手段で搬送している間をウェブの残留溶媒量が30〜120質量%として、ウェブのA面全面にセルロースエステルを溶解または膨潤し得る有機溶媒を付着させて全体的にB面側に彎曲するカールを矯正するものである。有機溶媒をウェブに付着させる方法としては、それが可能であれば制限なく使用出来るが、有機溶媒液を塗布する方法、有機溶媒ガスを吹き付ける方法、有機溶媒を霧状にして噴霧する方法などが好ましい。カールの大きさに応じて有機溶媒を付着させる量を加減し、搬送方向に1カ所でなく、数カ所で行ってもよい。有機溶媒を塗布する方法は、可塑剤等添加剤が溶出しない程度に行うのが好ましく、B面側が接触するガイドロール(搬送ロール)のA面全体に、そのガイドロールをバックロールにして有機溶媒を塗布する塗布ロールを設けて塗布することが出来る。そしてその塗布ロールに有機溶媒を供給する手段は均一に供給出来るものであれば制限なく使用出来る。剥離ロールを塗布ロールとしてもよい。ウェブのA面全面に有機溶媒ガス吹き付けるか、または有機溶媒を霧状にして吹き付ける時の有機溶媒の濃度は、爆発の起こらない範囲が好ましい。有機溶媒を付着させた後、出来るだけ早く蒸発または余分のガスを吸引により系外に排出するのが好ましい。有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸プロピル等セルロースエステルに対して溶解能または膨潤能を有するものを使用するが、カール度を調整するために、セルロースエステルに対して溶解能または膨潤能のないメタノール、エタノール、プロパノール、ヘキサン等と混合して用いる方が、前者を単独で使用するより良い結果を得易い。混合比率は質量比として、20/80〜90/10が好ましく、それぞれの有機溶媒の組み合わせカール度により適宜決定される。
【0051】
本発明の構成(9)は、剥離後のウェブの残留溶媒量が30〜120質量%の領域で、A面側をドラム及びアーチ型ロールから選ばれる搬送手段に接触させて搬送し全体的にA面側に彎曲するカールを低減する方法で、これらに接触させながら搬送することによって、B面全面のカールが抑制される。この場合、A面側から加熱することにより効果がある。アーチ型ロールは図5のように多数のロールがアーチ型に配列しているもので、いずれのロールもウェブの移行速度を同調して回転している。しかし、擦り傷が出来やすいこともあり、ロール間でウェブを吸引しながら密着させて搬送するサクションアーチ型ロールが好ましい。
【0052】
図5はサクションアーチ型ロールのロール搬送手段の概略図である。13はサクションロール、14は減圧チャンバーであり、15は減圧を示している。ウェブ1のA面側はサクションロール13間が減圧されているため、ウェブ1のカールが引っ張られて矯正され好ましい手段である。
【0053】
図6は直径の大きいドラムでウェブを抱いて搬送する搬送手段の概略図である。剥離後のウェブ1の残留溶媒量が30〜120質量%の領域で、直径が300〜1000mmのドラム16でA面側を抱いて搬送することにより全体的にA面側に彎曲するカールを矯正する方法である。17はガイドロールである。ガイドロール17でウェブ1に張力をかけてウェブ1がドラム16に密着するように押さえてカールを矯正する。ウェブ1の搬送速度とドラム16の回転速度は同期している。またドラム16の表面は鏡面仕上げか非常に細かいマット面仕上げとなっており、ウェブ1がドラム16に抱えられている間にカールだけでなく平面性も矯正出来る。ドラム16は加熱されていてもよく、加熱する場合はウェブ表面温度が40℃以上となるように、60〜90℃となるように設定するのが好ましい。
【0054】
上記ドラム及びアーチ型ロールの搬送手段は、何れかの一方でもよいが、同一手段を二つ以上直列に配列してもよく、また二種の手段を二つ以上直列に配列してもよい。
【0055】
本発明の構成(10)〜(13)は、剥離後、剥離ロールからテンター乾燥装置導入口までの間に、ロール間隔が900mm以下で、且つ対をなすロールの組を連続して3組以上有する千鳥状に配列したロール群搬送手段を有する溶液流延製膜装置を用いて、剥離ロールからテンター乾燥装置導入口までの間ウェブ残留溶媒量が30〜120質量%としてウェブを通過させる際に発生し易い両端のカールを、その間でウェブの両端を表面温度が50℃以上になるよう、好ましくは80℃以上に加熱して、両端のカールを矯正する方法である。両端に発生するカールはしばしば樋状になり次のロールを通過する際に折れ込んだり、またテンター乾燥装置に導入する際、テンター乾燥装置のクリップの把持し損ないによって、切れ込みが入りウェブが破断する可能性がある。そのため、剥離後出来るだけ早いうちに両端のカールを矯正することが重要で、剥離ロール後直ぐにでも行うのがよい。カール矯正手段としては、両端を加熱出来る手段であれば制限なく使用出来るが、ロール上で端部を加熱風によって矯正する手段、ウェブを表裏から対の加熱ロールで挟むことによって矯正する手段、近赤外線や遠赤外線で間接的に加熱することにより矯正する手段等を挙げることが出来る。加熱風は、ノズル、パイプ断面あるいはパンチ孔を有するパイプから吹き出す風を当てるのがよい。また加熱ロールは、幅が狭く両端だけのニップロールのようなロールを接触させるのがよい。加熱する部分は、ウェブの両端の端から100mm以内であり、好ましくは70mm、より好ましくは50mmである。加熱する温度は50℃以上がよく、好ましくは80℃以上、より好ましくは80〜100℃である。加熱ロールの場合、ロールは金属ロールが好ましいが、セラミックロールの方が好ましい場合もある。セラミックロールを赤外線で間接的にして発熱させる方法も好ましい。加熱後そのままにしておくと両端のウェブは柔らかいためカールが再び発生する場合があり、加熱したら出来るだけ直ぐに加熱した部分のみを冷却するのが好ましい。冷却する方法は、冷やすことが出来る方法なら制限なく使用出来るが、冷却風をあてる方法や、冷却ロールを接触させる方法が好ましい。冷却温度は加熱温度より10℃以下低いことが好ましい。
【0056】
本発明の構成(14)は、剥離後、剥離ロールからテンター乾燥装置導入口までの間を残留溶媒量30〜120質量%として通過させ、その間でウェブのA面側の両端にセルロースエステルに対して溶解能あるいは膨潤能を有する有機溶媒を付着させることによって、両端に発生し易いカールを矯正する方法である。有機溶媒をウェブの両端に付着させる方法としては制限ないが、直接ウェブに有機溶媒を塗布する方法、有機溶媒の蒸気を吹き付ける方法、有機溶媒を霧状にして噴霧する方法が好ましい。カールの大きさに応じて有機溶媒を付着させる量を加減し、搬送方向に1カ所でなく、数カ所で行ってもよい。これらのうち好ましい方法は、有機溶媒を塗布する方法である。塗布する方法には制限ないが、グラビアコータによる方法などがよい。両端部への塗布のため可塑剤のような添加剤が溶出して若干汚しても製品とする場合両端を裁ち落とすため問題はない。使用し得る有機溶媒としては構成(8)で述べたものと同様である。
【0057】
本発明の構成(15)は、剥離後、ウェブの残留溶媒量が50質量%以下の領域で両端に発生するカールを両端から50mm以内の幅で切除してカールを矯正する方法である。残留溶媒が多い場合には、両端のカールはただ切断しただけでは直ぐに再びカールが発生して丸まり易いので、テンター乾燥装置の導入口の直前やドライブロールの直前で切断するのが好ましい。
【0058】
本発明は、剥離後、剥離ロールからテンター乾燥装置導入口までの間に上述の搬送手段及び/またはカール矯正手段にウェブを通し、その後は必ずテンター乾燥装置に導入して乾燥する方法である。テンター乾燥装置の後に図3のようなロール乾燥装置に導入して乾燥してもよい。テンター乾燥装置としては、フィルム製造用のテンター乾燥装置であれば制限なく使用出来るが、特開平4−284211号、特開昭62−115035号公報に記載されているようなもの、ポリエステルフィルム用のテンターなどが好ましい。テンター乾燥装置内でのウェブは縮まない程度に緊張して把持するか、それ以上に1〜6%延伸してもよく、好ましくは3〜5%である。テンター乾燥装置内での温度は90〜120℃が好ましい。テンター乾燥装置を出た後は、ロール乾燥装置で乾燥しその後に冷却して巻き取りセルロースエステルフィルムとする。ロール乾燥装置の乾燥温度は100〜140℃くらいがよい。
【0059】
【実施例】
本発明を下記実施例により詳細に説明するが、これらに限定されない。
【0060】
〔評価及び測定〕
《カールの測定》
a.全面カール
乾燥したフィルムから幅方向を長さ方向として、幅(ウェブ搬送方向に)2mm、長さ(フィルム幅手方向に)50mmに切断したサンプルを10個切り出し、23℃、55%RHの部屋で24時間調湿した後、カール測定用テンプレート(ANSI PH 1.29−1985に記載してあるようなテンプレート)を当てて、カールを1/mの単位で測定する。測定点を10個とり、その平均値で示す。
【0062】
実施例1〜3及び比較例1〜2
アセチル置換度2.88のセルローストリアセテート(数平均分子量150,000)100質量部、チヌビン326(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.5質量部、チヌビン171(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.5質量部、アエロジル200V(日本アエロジル(株)製)0.1質量部、エチルフタリルエチルグリコレート2質量部、トリメチルフォスフェイト10質量部をメチレンクロライド450質量部とエタノール50質量部を加圧密閉容器に投入し、60℃に加温して容器内圧力を2気圧とし、撹拌しながらセルロースエステルを完全に溶解させドープを得た。このドープを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、更に日本精線(株)製のファインメットNM(絶対濾過精度100μm)、ファインポアNF(絶対濾過精度50μm、15μm、5μmの順に順次濾過精度を上げて使用)を使用して濾過し製膜に供した。ステンレスベルト上でのウェブの加熱温度条件を、T1、T2、T3、T4、T(1,2)av、T(3,4)av及び{T(1,2)av−T(3,4)av}として表1に示したように設定して、乾燥した。ステンレスベルトから表1に示したような残留溶媒量で剥離し、最大間隔1200mmの5本のロール群を70℃で搬送し、続いてクリップで把持するテンター乾燥装置に導入した。テンター乾燥装置内では、2%程度延伸しながら、90〜120℃で加熱し、その後ロール乾燥装置で100〜130℃で乾燥し、25℃に冷却し巻き取り80μmの厚さのセルローストリアセテートフィルムを得た。結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
実施例4〜6及び比較例3〜5
実施例1と同じ濾過したドープを用いてダイからステンレスベルト上に流延した。A面側及びB面側両面より風速15m/秒の50〜90℃の垂直風をあてて3分間乾燥した後、更にステンレスベルトの裏面に、25℃の冷水を接触させて5秒間保持した後、表2に示したような残留溶媒量で剥離した。剥離後、剥離ロールの次のロールから千鳥状に配列したロール群搬送手段のロール間隔を表2のようにし、それらの対の1組のロールを5組連続で配列し、その他のロールの最大間隔を表1のようにして搬送し、その間を、表2に示したような加熱温度及び搬送時間で搬送乾燥した。続いてクリップで把持するテンター乾燥装置に導入し、テンター乾燥装置内では、2%程度延伸しながら、90〜120℃で加熱した。その後ロール乾燥装置で100〜130℃で乾燥し、25℃に冷却し巻き取り80μmの厚さのセルローストリアセテートフィルムを得た。結果を表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】
実施例7〜9及び比較例6〜7
アセチル基の置換度2.00、プロピオニル基の置換度0.80、数平均分子量100,000のセルロースアセテートプロピオネート100質量部、トリメチルフォスフェート10質量部、チヌビン326(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.5質量部、チヌビン171(チバスペシャルティ・ケミカルズ社製)0.5質量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕0.5質量部、アエロジル200V(日本アエロジル(株)製)0.1質量部、酢酸メチル350質量部、エタノール50質量部を加圧密閉容器に投入し、75℃に加温して容器内圧力を2気圧とし、撹拌しながらセルロースエステルを完全に溶解させドープを得た。ドープ温度を35℃まで下げて一晩静置し、実施例1と同様に濾過を行い、得られたドープを、ダイからステンレスベルト上に流延した。ステンレスベルト上でのウェブの乾燥は表3に示したB−1〜4の条件で行い、剥離後は、表3に示したロール搬送手段の条件で搬送し乾燥した。続いて実施例1と同様にテンター乾燥装置及びロール乾燥装置を通して乾燥し、25℃に冷却し巻き取り厚さ80μmのセルロースアセテートプロピオネートフィルムを得た。結果を表3に示す。
【0067】
【表3】
【0068】
実施例10
実施例1と同じ濾過したドープを用い、裏面から38℃の温度の温水を接触させて温度制御したステンレスベルト上で、A面側からは風速15m/秒の50〜90℃の垂直風をあてて3分間乾燥した後、更にステンレスベルトの裏面に、25℃の冷水を接触させて5秒間保持し、残留溶媒量80質量%で剥離した。剥離後、剥離ロールの次に配置されているロールにおいて、アセトン/メタノール(質量比70/30)の混合有機溶媒をスプレー塗布した。塗布後の70℃の乾燥風を風速10m/秒として当て、直ぐに蒸発した有機溶媒を吸引し、有機溶媒ガスの拡散を防いだ。更に5本のロールを経て、続いて実施例1と同様にテンター乾燥装置及びロール乾燥装置を通して乾燥し、25℃に冷却し巻き取り厚さ80μmのセルロースアセテートプロピオネートフィルムを得た。結果を表4に示す。
【0069】
実施例11
実施例1と同じ濾過したドープを用い、裏面から38℃の温度の温水を接触させて温度制御したステンレスベルト上で、A面側からは風速15m/秒の50〜90℃の垂直風を当てて3分間乾燥した後、更にステンレスベルトの裏面に、25℃の冷水を接触させて5秒間保持し、残留溶媒量80質量%で剥離した。剥離後、図4に示したようなサクションアーチ型ロールを2連に直列した乾燥装置に、ウェブのA面側を回転しているサクションロールに接触するようにし、サクションロールとサクションロールとの間の膜をつくっているウェブを吸引し、その静圧を20Paとして搬送した。この時、ウェブのB面側から10m/秒の風速の70℃の温風を当て乾燥させた。その後ガイドロールを3本を経て、続いて実施例1と同様にテンター乾燥装置に導入し、更にロール乾燥装置を通して乾燥し、25℃に冷却し巻き取り厚さ80μmのセルローストリアセテートフィルムを得た。結果を表4に示す。
【0070】
実施例12
実施例1と同じ濾過したドープを用い、裏面から38℃の温度の温水を接触させて温度制御したステンレスベルト上で、A面側からは風速15m/秒の50〜90℃の垂直風を当てて3分間乾燥した後、更にステンレスベルトの裏面に、25℃の冷水を接触させて5秒間保持し、残留溶媒量80質量%で剥離した。剥離後、図5に示したような直径400mm、温度50℃のドラムに、ウェブをA面側が接触するようにし、ドラムに入ってから出る間での張力を300N/m(幅)として搬送した。この時、ウェブのB面側から風速10m/秒の70℃の温風を当て乾燥させた。その後ガイドロールを3本を経て、続いて実施例1と同様にテンター乾燥装置に導入し、更にロール乾燥装置を通して乾燥し、25℃に冷却し巻き取り厚さ80μmのセルローストリアセテートフィルムを得た。結果を表4に示す。
【0071】
【表4】
【0072】
実施例13
実施例1と同じ濾過したドープを用い、裏面から38℃の温度の温水を接触させて温度制御したステンレスベルト上で、A面側からは風速15m/秒の50〜90℃の垂直風を当てて3分間乾燥した後、更にステンレスベルトの裏面に、25℃の冷水を接触させて5秒間保持し、80質量%の残留溶媒量で剥離した。剥離後、剥離ロールの後の2本のガイドロールを経た後、下記のロール搬送手段とカール矯正手段にウェブを通した。ロール搬送手段は、ロール間隔が700mmの3組連続の千鳥状に配列したロール群であり、両端カール矯正手段は、ロール間にウェブの搬送方向に平行のノズルを有する多数のパンチ孔を有するパイプをウェブの両端に配したものである。そのパイプは長さが550mm、直径が70mmで多数の孔径が3〜10mmのパンチ孔が開いている吹き出し口を有し、孔と孔との間隔は3〜10mmでパイプの幅に50mmにわたって開いている。そしてウェブとパイプ吹き出し口の距離を40mmとし、風速20m/秒の90℃の風をウェブの両端50mmに当て加熱した。このロール群をウェブが通り終えたすぐのガイドロール上で、直径50mmの筒3個の先から15℃、10m/秒の風を当てて冷却した。続いて実施例1と同様にテンター乾燥装置及びロール乾燥装置を通して乾燥し、25℃に冷却し巻き取り厚さ80μmのセルローストリアセテートフィルムを得た。結果を表5に示す。
【0073】
実施例14
ウェブの両端の加熱するカール矯正手段を500Wの近赤外線線(日本ヒーター(株)社製、HQB型)をウェブから50mmの距離からウェブのB面側に表面が80℃となるように照射したカール矯正手段に変更した以外は実施例13と同様にして厚さ80μmのセルローストリアセテートフィルムを得た。結果を表5に示す。
【0074】
比較例8
吹き出し風の温度を40℃に変更し、冷却を行わなかった以外は実施例13と同様に行い、厚さ80μmのセルローストリアセテートフィルムを得た。結果を表5に示す。
【0075】
比較例9
ロール間隔を1000mmとした以外は実施例13と同様に行い、厚さ80μmのセルローストリアセテートフィルムを得た。結果を表5に示す。
【0076】
【表5】
【0077】
実施例15
実施例1と同じ濾過したドープを用い、裏面から38℃の温度の温水を接触させて温度制御したステンレスベルト上で、A面側からは風速15m/秒の50〜90℃の垂直風を当てて3分間乾燥した後、更にステンレスベルトの裏面に、25℃の冷水を接触させて5秒間保持した後、80質量%の残留溶媒量で剥離した。剥離後、剥離ロールの後に配置されている2本のガイドロールの2本目のロールの両端(ウェブの両端に対応)をニップするような形で幅50mmの塗布ロールを介してグラビア塗布方式でウェブの両端にアセトン/メタノール(質量比70/30)混合有機溶媒を塗布した。なお、塗布したロールの後に、蒸発した有機溶媒を吸い込み排気した。その後に3本のロールを60℃の温風で加熱して通した。続いて実施例1と同様にテンター乾燥装置及びロール乾燥装置を通して乾燥し、25℃に冷却し巻き取り厚さ80μmのセルローストリアセテートフィルムを得た。結果を表6に示す。
【0078】
実施例16
実施例1と同じ濾過したドープを用い、裏面から38℃の温度の温水を接触させて温度制御したステンレスベルト上で、A面側からは風速20m/秒の60〜90℃の垂直風を当てて3分間乾燥した後、45質量%の残留溶媒量で剥離した。剥離後、剥離ロールの次のロールの所でロータリーカッターでウェブの両端を端部より50mmの所を裁ち落とし後に、最大ロール間隔が1200mmの千鳥状に配置した16本のロール群を60℃で通し、続いてクリップで把持するテンター乾燥装置に導入し、テンター乾燥装置内では、2%程度延伸しながら、90〜120℃で加熱し、その後ロール乾燥装置で100〜130℃で乾燥し、25℃に冷却し巻き取り80μmの厚さのセルローストリアセテートフィルムを得た。結果を表6に示す。
【0079】
比較例10
実施例1と同じ濾過したドープを用い、裏面から38℃の温度の温水を接触させて温度制御したステンレスベルト上で、A面側からは風速10m/秒の40〜70℃の垂直風を当てて50秒間乾燥した後、更にステンレスベルトの裏面に、25℃の冷水を接触させて5秒間保持した後、130質量%の残留溶媒量で剥離した。剥離後、剥離ロールの次のロールの所でロータリーカッターでウェブの両端を端より50mmの所を裁ち落とし後に、最大ロール間隔が1200mmの千鳥状に配置した16本のロール群を60℃で通し乾燥した。続いてクリップで把持するテンター乾燥装置に導入し、テンター乾燥装置内では、2%程度延伸しながら、90〜120℃で加熱し、その後ロール乾燥装置で100〜130℃で乾燥し、25℃に冷却し巻き取り80μmの厚さのセルローストリアセテートフィルムを得た。結果を表6に示す。
【0080】
【表6】
【0081】
(結果)
表1〜6でわかるように、本発明は端部及び全面のカールが小さく非常に良好で、また作業性も良好であった。これに対して、比較例は端部及び全面ともカールが大きく、作業性も悪かった。
【0082】
【発明の効果】
溶液流延製膜装置の、流延部の乾燥条件、また剥離ロールからテンター乾燥装置に導入するまでの間にロール搬送手段のロール間隔や乾燥条件などを効果的に設定することによって高速製膜でも、薄手でもカールが小さく平なセルロースエステルフィルムを得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶液流延製膜セルロースエステルフィルム製造装置の概略図。
【図2】テンター乾燥装置を有する溶液流延製膜セルロースエステルフィルム製造装置の概略図。
【図3】剥離ロールからテンター乾燥装置に導入するまでの間に、ロール搬送手段及び/またはカール矯正手段を有する溶液流延製膜装置の概略図。
【図4】ロール間隔を示す図。
【図5】サクションアーチ型ロールのロール搬送手段の概略図。
【図6】直径の大きいドラムでウェブを抱いて搬送する搬送手段の概略図。
【符号の説明】
1 ウェブ(ドープ膜)
2 ダイ
3 金属支持体
4 剥離ロール
5 ロール乾燥装置
9 テンター乾燥装置
10 ロール搬送手段及び/またはカール矯正手段
11 カバー
13 サクションロール
14 減圧チャンバー
16 ドラム[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a cellulose ester film useful for a silver halide photographic light-sensitive material or a liquid crystal display device, and particularly relates to a method for producing a cellulose ester film that reduces curl during production or corrects curl.
[0002]
[Prior art]
A conventional method for producing a cellulose triacetate film by a solution casting film forming method is performed by a cellulose triacetate film producing apparatus as shown in FIG. FIG. 1 is a schematic diagram of a solution casting film-forming cellulose ester film production apparatus. The cellulose triacetate film is an endless metal support (for example, belt or drum) 3 (hereinafter referred to as a metal support or simply a support) having a mirror-finished surface of a cellulose triacetate film solution (hereinafter also referred to as a dope). And the dope film 1 is peeled off by a peeling roll 4 (also referred to as web 1), introduced into a
[0003]
FIG. 2 is a schematic view of a solution casting film-forming cellulose ester film manufacturing apparatus having a tenter drying apparatus. The web 1 peeled off by the
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, as the production rate of the cellulose ester film increases more and more, the amount of solvent remaining on the web when peeling the web from the metal support (hereinafter referred to as the amount of residual solvent) increases, and the web becomes softer. It becomes difficult to do. Also, the difference in the amount of residual solvent between the front and back of the web causes curling due to drying on the metal support. Here, the use of the word “front and back” is not appropriate, and it is better to express the side of the web that is in contact with the support and the air side when the web is being dried on the metal support of the casting part. However, the belt surface, abbreviated as B surface, and the air surface as abbreviated as A surface will be expressed hereinafter. When the web is dried on the metal support, the organic solvent is less likely to evaporate on the B side which is in contact with the metal support than the A side of the web, leaving a large amount of residual solvent. The B side is released and actively evaporated, causing rapid contraction. As a result, curling occurs on the B side after peeling. If this curl is not corrected within a short time after peeling, the curl will curl in the same direction as memorized even after the film is formed.
[0005]
Also, the method of drying with a tenter dryer suddenly after peeling is difficult to clip the tenter dryer if the curls at both ends of the web are strong and the ends are rounded, and there is a clipping failure that causes the web to tear, resulting in productivity. Was drastically dropped.
[0006]
The object of the present invention is to use a cellulose ester film useful for a liquid crystal image display device and a silver halide photographic light-sensitive material, particularly for a thin liquid crystal image display device, in a method for producing a cellulose ester film by a solution casting method. Even if the amount of residual solvent is relatively large due to production, even if the film becomes thin, it is possible to obtain a product film with small curl, and it is difficult to cause breakage or tearing due to curl at both ends during production. It is providing the manufacturing method of the cellulose-ester film excellent in property.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present invention has the following configuration.
[0016]
Roll between the peeling roll and the tenter dryer inlet Condition In a method for producing a cellulose ester film by a solution casting film forming apparatus having a conveying means, a web is passed as a residual solvent amount of 30 to 120% by mass between a peeling roll and a tenter drying apparatus introduction port, and infinite transition occurs between them. The air side surface of the web when dried on an endless metal support Multiple arranged in A method for producing a cellulose ester film, wherein the cellulose ester film is conveyed while being brought into contact with a conveying means selected from rolls.
[0023]
First, a method for forming a cellulose ester film by the solution casting method according to the present invention will be described.
[0024]
First, a cellulose ester is dissolved in an organic solvent to form a dope.
The cellulose ester used in the cellulose ester film according to the present invention is obtained by using cellulose selected from linter pulp, wood pulp and kenaf pulp and reacting them with acetic anhydride, propionic anhydride, or butyric anhydride by a conventional method. And cellulose triacetate, cellulose acetate propionate, cellulose acetate butyrate, and cellulose acetate propionate butyrate having a substitution degree of all acyl groups to hydroxyl groups of cellulose of 2.5 to 3.0. It is preferable that the degree of substitution of the acetyl group of the cellulose ester according to the present invention is at least 1.5 or more. As a measuring method of the substitution degree of the acyl group of a cellulose ester, it can implement according to ASTM D-817-91. The molecular weight of these cellulose esters is preferably in the range of 70,000 to 300,000 as the number average molecular weight because the mechanical strength when formed into a film is strong. Furthermore, 80,000-200,000 are preferable. Cellulose ester usually becomes flake shape after treatment such as washing after reaction, and is used in its shape, but the particle size is accelerated by increasing the particle size in the range of 0.05 to 2.0 mm. Is preferable.
[0025]
The dough is formed by dissolving the flakes in an organic solvent mainly containing a good solvent for the flakes of cellulose ester in a dissolution vessel while stirring. For dissolution, a method carried out at normal pressure, a method carried out below the boiling point of the main solvent, a method carried out under pressure above the boiling point of the main solvent, JP-A-9-95544, 9-95557 or 9-95538 There are various dissolution methods, such as a method performed by the cooling dissolution method as described in JP-A No. 11-21379, and a method performed at a high pressure as described in JP-A No. 11-21379. After dissolution, the dope is filtered with a filter medium, defoamed, and sent to the next process with a pump. The concentration of the cellulose ester in the dope is about 10 to 35% by mass.
[0026]
Examples of organic solvents as good solvents for cellulose esters include methyl acetate, ethyl acetate, amyl acetate, ethyl formate, acetone, cyclohexanone, methyl acetoacetate, tetrahydrofuran, 1,3-dioxolane, 4-methyl-1,3-dioxolane, 1,4-dioxane, 2,2,2-trifluoroethanol, 2,2,3,3-hexafluoro-1-propanol, 1,3-difluoro-2-propanol, 1,1,1,3,3 , 3-hexafluoro-2-methyl-2-propanol, 1,1,1,3,3,3-hexafluoro-2-propanol, 2,2,3,3,3-pentafluoro-1-propanol, Nitroethane, 2-pyrrolidone, N-methyl-2-pyrrolidone, 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone, methylenechlora De, can be exemplified bromo propane, methyl acetate and methylene chloride is preferably used. However, non-chlorine organic solvents tend to be preferable due to recent environmental problems. In addition, it is preferable to use a lower alcohol such as methanol, ethanol or butanol in combination with these organic solvents because the solubility of the cellulose ester in the organic solvent can be improved and the dope viscosity can be reduced. In particular, ethanol having a low boiling point and low toxicity is preferred.
[0027]
By adding additives such as plasticizers such as phthalates and phosphates, UV absorbers, antioxidants, and matting agents to the dope, silver halide photographic materials and liquid crystal images resulting from cellulose ester films The performance of the display device can be improved.
[0028]
In the present invention, it is preferable to include a plasticizer in the cellulose ester film. The plasticizer that can be used is not particularly limited, but as the phosphate ester system, triphenyl phosphate, tricresyl phosphate, cresyl diphenyl phosphate, octyl diphenyl phosphate, diphenyl biphenyl phosphate, trioctyl phosphate, tributyl phosphate, etc. Examples of phthalate esters include diethyl phthalate, dimethoxyethyl phthalate, dimethyl phthalate, dioctyl phthalate, dibutyl phthalate, and di-2-ethylhexyl phthalate, and glycolate esters include triacetin, tributyrin, butyl phthalyl butyl glycolate, and ethyl. Phthalyl ethyl glycolate, methyl phthalyl ethyl glycolate, butyl phthalyl butyl glycolate, etc. . Two or more plasticizers may be used in combination as required. When used for cellulose ester, the use ratio of the phosphate ester type plasticizer is preferably 50% or less because it hardly causes hydrolysis of the cellulose ester film and is excellent in durability. It is more preferable that the ratio of the phosphate ester plasticizer is small, and it is particularly preferable to use only a phthalate ester or glycolate ester plasticizer. As addition amount with respect to the cellulose ester of a plasticizer, 0.5-30 mass% is preferable, and 2-15 mass% is especially preferable.
[0029]
Further, in the present invention, it is preferable to contain an ultraviolet absorber in the cellulose ester film, and the ultraviolet absorber is excellent in the ability to absorb ultraviolet rays having a wavelength of 370 nm or less and has a good liquid crystal display from the viewpoint of preventing deterioration of the liquid crystal. From the viewpoint of the properties, those that absorb as little visible light as possible with a wavelength of 400 nm or more are preferably used. In particular, the transmittance at a wavelength of 370 nm needs to be 10% or less, preferably 5% or less, more preferably 2% or less. Examples of ultraviolet absorbers that can be used in the present invention include oxybenzophenone compounds, benzotriazole compounds, salicylic acid ester compounds, benzophenone compounds, cyanoacrylate compounds, nickel complex compounds, and the like. A benzotriazole-based compound with little coloring is preferable. However, it is not limited to these. Two or more ultraviolet absorbers may be used. As a method of adding the ultraviolet absorber to the dope, the ultraviolet absorber may be added after being dissolved in an organic solvent such as alcohol, methylene chloride, dioxolane, or directly in the dope composition. For an inorganic powder that does not dissolve in an organic solvent, a dissolver or a sand mill is used in the organic solvent and cellulose ester to disperse and then added to the dope. In this invention, the usage-amount of a ultraviolet absorber can be added in 0.5-20 mass% with respect to a cellulose ester, 0.6-5.0 mass% is preferable, Most preferably, it is 0.6- 2.0% by mass.
[0030]
Further, the cellulose ester film of the present invention preferably contains an antioxidant. As the antioxidant, a hindered phenol compound is preferably used, and 2,6-di-t-butyl-p -Cresol, pentaerythrityl-tetrakis [3- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate], triethylene glycol-bis [3- (3-tert-butyl-5-methyl-4) -Hydroxyphenyl) propionate], 1,6-hexanediol-bis [3- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate], 2,4-bis- (n-octylthio) -6 -(4-hydroxy-3,5-di-t-butylanilino) -1,3,5-triazine, 2,2-thio-diethylenebis [3- (3 -Di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate], octadecyl-3- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate, 1,3,5-trimethyl-2,4,6 -Tris (3,5-di-t-butyl-4-hydroxybenzyl) benzene, tris- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxybenzyl) -isocyanurate and the like can be mentioned. In particular, 2,6-di-t-butyl-p-cresol, pentaerythrityl-tetrakis [3- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate], triethylene glycol-bis [3- (3-t-butyl-5-methyl-4-hydroxyphenyl) propionate] is preferred. Further, for example, hydrazine-based metal deactivators such as N, N′-bis [3- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionyl] hydrazine and tris (2,4-di-t A phosphorus-based processing stabilizer such as -butylphenyl) phosphite may be used in combination. The amount of these compounds added is preferably 1 ppm to 1.0%, more preferably 10 to 1000 ppm in terms of mass ratio with respect to the cellulose ester.
[0031]
In the present invention, the cellulose ester film preferably contains a fine particle matting agent. Examples of the fine particle matting agent include silicon dioxide, titanium dioxide, aluminum oxide, zirconium oxide, calcium carbonate, kaolin, talc, and baking. It is preferable to contain inorganic fine particles such as calcium silicate, hydrated calcium silicate, aluminum silicate, magnesium silicate, calcium phosphate, and crosslinked polymer fine particles. Of these, silicon dioxide is preferable because it can reduce the haze of the film. The average particle size of the secondary particles of the fine particles is in the range of 0.01 to 1.0 μm, and the content is preferably 0.005 to 0.3% by mass with respect to the cellulose ester. In many cases, fine particles such as silicon dioxide are surface-treated with an organic material, but such a material is preferable because it can reduce the haze of the film. Preferred organic materials for the surface treatment include halosilanes, alkoxysilanes, silazanes, siloxanes, and the like. The larger the average particle size of the fine particles, the greater the mat effect, and on the contrary, the smaller the average particle size, the better the transparency. Therefore, the average particle size of the preferred primary particles is 5 to 50 nm, more preferably 7 to 14 nm. It is. These fine particles are usually present as aggregates in the cellulose ester film, and it is preferable to form irregularities of 0.01 to 1.0 μm on the surface of the cellulose ester film. As the fine particles of silicon dioxide, AEROSIL 200, 200V, 300, R972, R972V, R974, R202, R812, OX50, TT600, etc. manufactured by Aerosil Co., can be mentioned, preferably AEROSIL R972, R972V, R974, R202, R812. Two or more of these matting agents may be used in combination. When using 2 or more types together, it can mix and use in arbitrary ratios. In this case, matting agents having different average particle sizes and materials, for example, AEROSIL 200V and R972V can be used in a mass ratio of 0.1: 99.9 to 99.9 to 0.1.
[0032]
A dye or the like may be added to the dope. For silver halide photographic light-sensitive materials, a colorant for preventing light piping is added. The amount of these compounds added is preferably 1 ppm to 1.0%, more preferably 10 to 1000 ppm in terms of mass ratio with respect to the cellulose ester. In addition, an antistatic agent, a flame retardant, a lubricant, an oil agent, and the like may be added.
[0033]
These additives may be added together with the cellulose ester and the solvent during the preparation of the cellulose ester solution, or may be added during or after the solution preparation.
[0034]
Next, a step of casting the dope on the metal support, a drying step on the metal support, and a peeling step of peeling the web from the metal support will be described.
[0035]
The surface of the metal support is a mirror surface. In the casting process, the dope as described above is fed to a pressure die through a pressure metering gear pump, and at the casting position, the endless metal belt that moves indefinitely or on the metal support of a rotating metal drum is pressed. Is a step of casting a dope. Other casting methods include a doctor blade method in which the film thickness of the cast dope film is adjusted with a blade, or a reverse roll coater method in which the film is adjusted with a reverse rotating roll, but the slit shape of the die part is adjusted. A pressure die that is easy to make uniform in film thickness is preferable. Examples of the pressure die include a coat hanger die and a T die, and any of them is preferably used. In order to increase the film forming speed, two or more pressure dies may be provided on the metal support, and the dope amount may be divided and stacked. In order to adjust the film thickness, it is preferable to control the dope concentration, the pumped liquid amount, the slit gap of the die base, the extrusion pressure of the die, the speed of the metal support, etc. so as to obtain a desired thickness.
[0036]
The drying process on the metal support is a process in which the web (the dope film after casting on the metal support is referred to as the web) is heated on the support to evaporate the solvent. In order to evaporate the solvent, there are a method in which heated air is blown from the web side and the back side of the support, a method in which heat is transferred from the back side of the support by a heated liquid, a method in which heat is transferred from the front and back by radiant heat, and the like. A method of combining them is also preferable. Moreover, if the film thickness of a web is thin, drying will be quick. The temperature of the metal support may be the same or different depending on the position.
[0037]
The peeling step is a step of evaporating the organic solvent on an endless metal support that moves indefinitely and peeling the web before the metal support makes a round, and then the web is sent to the drying step. The position at which the web is peeled from the metal support is called the peeling point, and the roll that helps the peeling is called the peeling roll. Although it depends on the thickness of the web, if the residual solvent amount of the web at the peeling point (the following formula) is too large, it will be difficult to peel, or conversely if it is peeled off after sufficiently drying on the support, May be peeled off. Usually, the web is peeled at a residual solvent amount of 20 to 150% by mass. As a method for increasing the film forming speed (the film forming speed can be increased because the film is peeled off while the residual solvent amount is as large as possible), there is a gel casting method (gel casting) that can be peeled even when the residual solvent amount is large. As the method, there are a method of adding a poor solvent for the cellulose ester in the dope and casting the dope and then gelling, a method of reducing the temperature of the support and gelling. There is also a method of adding a metal salt in the dope. By gelling on the support and strengthening the film, it is possible to speed up the peeling and increase the film forming speed. When peeling at a time when the amount of residual solvent is larger, if the web is too soft, the flatness at the time of peeling will be impaired, or slippage and vertical stripes due to peeling tension will tend to occur, and the amount of residual solvent is determined by the balance between economic speed and quality. It is done. The cellulose ester film used for the liquid crystal display device has a thickness after drying in the range of 20 to 170 μm, and the drying temperature may be changed each time. In this invention, the range of 20-100 micrometers is preferable. Webs corresponding to cellulose ester films of 100 μm or less are fairly dry on the metal support and are peeled off with lower levels of residual solvent.
[0038]
The amount of residual solvent used in the present invention can be expressed by the following formula.
Residual solvent amount (% by mass) = {(MN) / N} × 100
Here, M is the mass of the web at any point, and N is the mass when M is dried at 110 ° C. for 3 hours.
[0039]
The present invention is a method for producing a web or film having a small curl by improving a drying method on an endless metal support that moves infinitely and a conveying method after peeling the web. Further, it is a method for producing a small curled web or film by correcting the curl generated at the whole or both ends of the web.
[0040]
FIG. 3 is a schematic view of a solution casting film forming apparatus having a roll conveying means and / or a curl correcting means during the period from introduction of a peeling roll to a tenter drying apparatus.
[0041]
In the configuration (1) of the present invention, when the dope is cast from the die of the casting process and the dope film (web) is dried on the metal support, the endless metal support that moves infinitely is a belt. The endless belt, which is supported by two side drums (driving drum and support drum) and is endlessly moved, has an upper side (the upper side of the two drums or the side where the die is installed), a lower side ( There are four drying areas (under the two drums) and the front and back of each metal support. That is, the front side on the upper side is the front side of the metal support that is in contact with the web on the upper side, the back side on the upper side, the back side of the metal support on the lower side, and the front side that is in contact with the web. In the present invention, the drying area on the upper side (upper side) is B-1, the back side (upper side) is B-2, the lower side (lower side) is B-3, and the lower side The front side (lower table) will be referred to as B-4.
[0042]
The configuration (1) of the present invention relates to the temperature in the above four heating (heat supply) regions, and the heating temperature T of B-1 1 (° C) and B-2 heating temperature T 2 (C) Average heating temperature T (1,2) av (° C.) and the heating temperature T of B-3 Three (° C) and B-4 heating temperature T Four Average heating temperature with (℃) T (3,4) av A web or film having a very small curl can be produced by heating within the range of the following inequality (° C.).
[0043]
55> {T (1,2) av -T (3,4) av }> 5
The drying method of the present invention for a web on a metal support can take the distribution of the organic solvent in the web so that it is difficult to curl. Although the heating method of B-1, B-3, and B-4 can be performed with warm air or radiant heat, warm air is preferable. B-2 may be a heating method in which warm water is brought into contact with the support or a heat supply method in which warm air is applied. The hot air temperature can be set without limitation as long as it is a temperature at which the main organic solvent used for the dope is rapidly vaporized in the drying web and does not foam. 1 And B-2 T 2 20-90 degreeC is good, Preferably it is 30-80 degreeC. B-3 T Three And B-4 T Four The temperature is preferably 15 to 60 ° C., and the drying on the metal support is preferably performed with the first half being higher and the second half being lower. The wind speed of the hot air for supplying heat is 10-20 m / sec for B-1, 10-30 m / sec for B-2, 20-30 m / sec for B-3, and 10-20 m / sec for B-4. About seconds is preferable. The temperature and wind speed of each of B-1 to 4 may be changed to divide the warm air and add different temperatures and wind speeds.
[0044]
The roll group conveying means arranged in a staggered manner in the configurations (2) to (7) of the present invention is a roll group in which the rolls in which both surfaces of the web are alternately in contact are arranged in a straight line or alternately. Therefore, as an example of the roll group means arranged in a staggered manner, even though a plurality of upper and lower rolls are arranged in parallel, it is preferable that they are regularly arranged, but they need not be arranged regularly. Further, the roll interval refers to the distance between the intersections of the respective circles of the rolls on the line connecting the centers of the two rolls covered by the web, as shown in FIG. FIG. 4 is a diagram showing the roll interval, L is the roll interval, 12 is the roll, and 1 is the web applied to the two rolls 12. Further, the roll conveying means may be one or most of the roll group conveying means arranged in a staggered manner. In addition to the staggered roll group, the roll conveying means may include a guide roll for changing the direction, and the web contact surface is not alternating, for example, the same surface such as a table-table is continuous. There may also be two rolls in contact. The term “most” was used because it was not composed solely of the above roll group. The distance between the two rolls adjacent to the widest gap among all rolls of the roll conveying means between the peeling roll and the tenter dryer introduction port is set to a length up to the web width at the time of peeling. The purpose is achieved. The two adjacent rolls having the widest distance may be located anywhere on the roll conveying means.
[0045]
The configuration (2) of the present invention is a roll in which a roll conveying means is provided between the peeling roll and the tenter drying device introduction port after peeling the web, and a part or most of the rolls of the roll conveying means are arranged in a staggered manner. By using the group conveying means, heating the web surface temperature to 50 to 100 ° C. in the roll group conveying means arranged in a staggered manner, and conveying the passage time between 10 to 70 seconds. Very small webs or films can be obtained. More preferably, the web surface is conveyed at a surface temperature of 60 to 90 ° C. and a transit time of 20 to 70 seconds, and further 40 to 70 seconds.
[0046]
The configuration (3) of the present invention is a production method that satisfies the configurations (1) and (2) at the same time. By drying on a metal support, and further effectively drying and transporting it in a staggered roll group. A flat web or film with almost no curling can be obtained.
[0047]
In the configurations (4) and (5) of the present invention, the widest roll interval in the roll group conveying means is set to the length up to the web width at the time of peeling, so that a web or film having a small curl can be stably formed. Can be obtained. The roll spacing relative to the web width is the same or narrower to help reduce web curl between rolls. Further, the roll interval of the roll group conveying means arranged in a staggered manner in the configuration (2) of the present invention is preferably as small as possible, and the roll interval is 900 mm or less, more preferably 700 mm or less. A so-called dense roll group having a very small roll interval, for example, 10 to 400 mm can also be preferably used. The dense roll groups may be arranged in a straight line or alternately.
[0048]
In the configurations (6) and (7) of the present invention, when drying and transporting in the configuration (2), the residual solvent amount at the time of peeling of the web is peeled off at 60 to 120% by weight, preferably peeled off at 70 to 120% by weight. Even if high-speed film formation is performed, very good results for curling can be obtained. When such a web is introduced into a tenter drying apparatus, there is no trouble such as folding, and the final cellulose ester film is not curled, and a handling film in a later process can be obtained.
[0049]
By further combining the configuration (3) and the configurations (4) to (7) of the present invention, a flat web or film without curling can be obtained.
[0050]
In the configuration (8) of the present invention, the remaining solvent amount of the web is 30 to 120% by mass while being conveyed by the roll conveying means from the time of peeling, and the organic material capable of dissolving or swelling the cellulose ester on the entire A surface of the web. This is to correct the curl that is bent to the entire B surface side by attaching a solvent. As a method for attaching the organic solvent to the web, it can be used without limitation as long as it is possible. preferable. Depending on the size of the curl, the amount of the organic solvent to be attached may be adjusted so that it may be carried out in several places instead of one place in the transport direction. The method of applying the organic solvent is preferably carried out to such an extent that additives such as plasticizers do not elute, and the organic solvent is used with the guide roll as a back roll on the entire A side of the guide roll (conveying roll) that contacts the B side. It can apply | coat by providing the application roll which apply | coats. The means for supplying the organic solvent to the coating roll can be used without limitation as long as it can be supplied uniformly. The peeling roll may be an application roll. The concentration of the organic solvent when the organic solvent gas is sprayed on the entire surface A of the web or when the organic solvent is sprayed in the form of a mist is preferably within a range where no explosion occurs. After the organic solvent is attached, it is preferable to evaporate or discharge excess gas to the outside of the system as soon as possible. As the organic solvent, acetone, methyl ethyl ketone, cyclohexanone, ethyl acetate, propyl acetate or the like having solubility or swelling ability with respect to cellulose ester is used. Alternatively, it is easier to obtain a better result by using a mixture with methanol, ethanol, propanol, hexane or the like having no swelling ability than using the former alone. The mixing ratio is preferably 20/80 to 90/10 as a mass ratio, and is appropriately determined depending on the combination curl degree of each organic solvent.
[0051]
In the configuration (9) of the present invention, in the region where the residual solvent amount of the web after peeling is 30 to 120% by mass, the A side is brought into contact with a conveying means selected from a drum and an arch-type roll, and is conveyed as a whole. The curling of the entire B surface is suppressed by conveying the material while making it contact with these in a method of reducing curling that curves toward the A surface. In this case, it is effective by heating from the A side. As shown in FIG. 5, the arch-type roll has a large number of rolls arranged in an arch shape, and each roll rotates in synchronization with the web transition speed. However, there are cases where scratches are likely to occur, and a suction arch type roll that conveys while adhering the web between the rolls is preferable.
[0052]
FIG. 5 is a schematic view of the roll conveying means of the suction arch type roll.
[0053]
FIG. 6 is a schematic view of a conveying unit that conveys a web with a drum having a large diameter. In the region where the residual solvent amount of the web 1 after peeling is 30 to 120% by mass, the curl that is bent to the A surface side as a whole is corrected by holding the A surface side with the
[0054]
The drum and arch type roll conveying means may be either one, but two or more of the same means may be arranged in series, or two or more of the two kinds of means may be arranged in series.
[0055]
In the configurations (10) to (13) of the present invention, after peeling, between the peeling roll and the tenter drying device introduction port, the roll interval is 900 mm or less, and three or more pairs of pairs of rolls are continuously formed. When using a solution casting film forming apparatus having roll group conveying means arranged in a staggered pattern, the web residual solvent amount is 30 to 120% by mass between the peeling roll and the tenter drying apparatus inlet, and the web is passed through. In this method, curls at both ends, which are likely to occur, are heated to 80 ° C. or higher, so that the surface temperature of the both ends of the web is 50 ° C. or higher. The curl that occurs at both ends often becomes wrinkled and breaks when passing through the next roll, and when introduced into the tenter dryer, the web of the tenter dryer is broken and the web breaks. there is a possibility. Therefore, it is important to correct the curl at both ends as soon as possible after peeling, and it is better to do it immediately after the peeling roll. The curl correcting means can be used without limitation as long as it can heat both ends, but means for correcting the ends with heated air on the roll, means for correcting by sandwiching the web between a pair of heating rolls from the front and back, A means for correcting by indirectly heating with infrared rays or far infrared rays can be mentioned. The heating air may be blown from a nozzle, a pipe cross section or a pipe having a punch hole. Further, the heating roll is preferably made to contact a roll such as a nip roll having a narrow width only at both ends. The part to be heated is within 100 mm from both ends of the web, preferably 70 mm, more preferably 50 mm. The heating temperature is preferably 50 ° C. or higher, preferably 80 ° C. or higher, more preferably 80 to 100 ° C. In the case of a heated roll, the roll is preferably a metal roll, but a ceramic roll may be preferred. A method in which the ceramic roll is heated indirectly by infrared rays is also preferred. If left as it is after heating, the webs at both ends are soft and curling may occur again. It is preferable to cool only the heated portion as soon as possible. The cooling method can be used without limitation as long as it can be cooled, but a method of applying cooling air or a method of contacting a cooling roll is preferred. The cooling temperature is preferably 10 ° C. or lower than the heating temperature.
[0056]
In the constitution (14) of the present invention, after peeling, the space between the peeling roll and the tenter drying device inlet is passed as a residual solvent amount of 30 to 120% by mass, and between the cellulose ester at both ends on the A side of the web in the meantime. This is a method of correcting curl that tends to occur at both ends by attaching an organic solvent having solubility or swelling ability. Although there is no restriction | limiting as a method of attaching an organic solvent to the both ends of a web, The method of apply | coating an organic solvent to a web directly, the method of spraying the vapor | steam of an organic solvent, and the method of spraying an organic solvent in a mist form are preferable. Depending on the size of the curl, the amount of the organic solvent to be attached may be adjusted so that it may be carried out in several places instead of one place in the transport direction. Among these, a preferable method is a method of applying an organic solvent. Although there is no restriction | limiting in the method to apply | coat, The method by a gravure coater etc. are good. Even if an additive such as a plasticizer elutes due to application to both ends and is slightly soiled, there is no problem because both ends are cut off. Organic solvents that can be used are the same as those described in the constitution (8).
[0057]
The configuration (15) of the present invention is a method of correcting the curl by removing a curl generated at both ends in a region where the residual solvent amount of the web is 50% by mass or less after peeling, with a width within 50 mm from both ends. When there is a large amount of residual solvent, curling at both ends is likely to curl again immediately after being cut, and it is easy to curl. Therefore, it is preferable to cut immediately before the inlet of the tenter drying device or just before the drive roll.
[0058]
The present invention is a method in which after peeling, a web is passed through the conveying means and / or curl correcting means between the peeling roll and the tenter drying device introduction port, and thereafter, the web is always introduced into the tenter drying device and dried. After the tenter drying apparatus, it may be introduced into a roll drying apparatus as shown in FIG. 3 and dried. As the tenter drying apparatus, any tenter drying apparatus for film production can be used without limitation, but those described in JP-A-4-284111, JP-A-62-115035, for polyester films A tenter or the like is preferred. The web in the tenter dryer may be held tightly so that it does not shrink, or it may be stretched by 1-6%, preferably 3-5%. The temperature in the tenter dryer is preferably 90 to 120 ° C. After leaving the tenter drying apparatus, the film is dried with a roll drying apparatus and then cooled to obtain a wound cellulose ester film. The drying temperature of the roll dryer is preferably about 100 to 140 ° C.
[0059]
【Example】
The present invention will be described in detail by the following examples, but is not limited thereto.
[0060]
[Evaluation and measurement]
<Measurement of curl>
a. Full face curl
10 samples cut from a dried film having a width direction of 2 mm in width (in the web conveyance direction) and 50 mm in length (in the width direction of the film) were cut out in a room at 23 ° C. and 55% RH. After adjusting the humidity for a period of time, a curl measurement template (template as described in ANSI PH 1.29-1985) is applied to measure curl in units of 1 / m. Take 10 measurement points and show the average value.
[0062]
Examples 1-3 and Comparative Examples 1-2
Cellulose triacetate with a degree of acetyl substitution of 2.88 (number average molecular weight 150,000) 100 parts by mass, Tinuvin 326 (manufactured by Ciba Specialty Chemicals) 0.5 part by mass, Tinuvin 171 (manufactured by Ciba Specialty Chemicals) 0 0.5 parts by mass, Aerosil 200V (manufactured by Nippon Aerosil Co., Ltd.) 0.1 parts by mass, ethylphthalylethyl glycolate 2 parts by mass,
[0063]
[Table 1]
[0064]
Examples 4-6 and Comparative Examples 3-5
The same filtered dope as in Example 1 was used to cast from a die onto a stainless steel belt. After drying for 3 minutes by applying 50-90 ° C vertical airflow at a wind speed of 15 m / sec from both the A side and B side, after further contacting the back of the stainless steel belt with 25 ° C cold water for 5 seconds The film was peeled off with a residual solvent amount as shown in Table 2. After peeling, the roll interval of the roll group conveying means arranged in a staggered manner from the next roll of the peeling roll is set as shown in Table 2, and one set of these pairs of rolls is continuously arranged, and the maximum of other rolls The interval was conveyed as shown in Table 1, and the interval was conveyed and dried at the heating temperature and conveying time as shown in Table 2. Then, it introduce | transduced into the tenter drying apparatus hold | gripped with a clip, and heated at 90-120 degreeC, extending | stretching about 2% in a tenter drying apparatus. Then, it dried at 100-130 degreeC with the roll dryer, cooled to 25 degreeC, and wound up, and obtained the cellulose triacetate film of the thickness of 80 micrometers. The results are shown in Table 2.
[0065]
[Table 2]
[0066]
Examples 7-9 and Comparative Examples 6-7
Substitution degree of acetyl group 2.00, substitution degree of propionyl group 0.80, number average molecular weight 100,000 cellulose acetate propionate 100 parts by weight,
[0067]
[Table 3]
[0068]
Example 10
Using the same filtered dope as in Example 1, the temperature was controlled by contacting hot water at a temperature of 38 ° C. from the back side, and 50-90 ° C. vertical wind at a wind speed of 15 m / sec was applied from the A side. After drying for 3 minutes, the back surface of the stainless steel belt was further brought into contact with cold water at 25 ° C., held for 5 seconds, and peeled off at a residual solvent amount of 80% by mass. After peeling, a mixed organic solvent of acetone / methanol (mass ratio 70/30) was spray-coated on a roll arranged next to the peeling roll. A dry air of 70 ° C. after application was applied at a wind speed of 10 m / second, and the organic solvent evaporated immediately was sucked to prevent diffusion of the organic solvent gas. Further, after passing through 5 rolls, it was subsequently dried through a tenter dryer and a roll dryer in the same manner as in Example 1, cooled to 25 ° C., and a cellulose acetate propionate film having a winding thickness of 80 μm was obtained. The results are shown in Table 4.
[0069]
Example 11
Using the same filtered dope as in Example 1, the temperature was controlled by contacting hot water at a temperature of 38 ° C. from the back side, and vertical air of 50 to 90 ° C. with a wind speed of 15 m / sec was applied from the A side. After drying for 3 minutes, the back surface of the stainless steel belt was further brought into contact with cold water at 25 ° C., held for 5 seconds, and peeled off at a residual solvent amount of 80% by mass. After the peeling, the drying device in which the suction arch type rolls as shown in FIG. 4 are connected in series is brought into contact with the rotating suction roll on the A side of the web, and between the suction roll and the suction roll. The web forming the film was sucked and conveyed at a static pressure of 20 Pa. At this time, the air was dried by applying hot air of 70 ° C. at a wind speed of 10 m / sec from the B surface side of the web. Then, after passing through three guide rolls, it was subsequently introduced into a tenter dryer as in Example 1, further dried through a roll dryer, cooled to 25 ° C., and a cellulose triacetate film having a winding thickness of 80 μm was obtained. The results are shown in Table 4.
[0070]
Example 12
Using the same filtered dope as in Example 1, the temperature was controlled by contacting hot water at a temperature of 38 ° C. from the back side, and vertical air of 50 to 90 ° C. with a wind speed of 15 m / sec was applied from the A side. After drying for 3 minutes, the back surface of the stainless steel belt was further brought into contact with cold water at 25 ° C., held for 5 seconds, and peeled off at a residual solvent amount of 80% by mass. After peeling, the web side A was brought into contact with a drum having a diameter of 400 mm and a temperature of 50 ° C. as shown in FIG. 5, and the tension between entering and exiting the drum was conveyed at 300 N / m (width). . At this time, the air was dried by applying hot air of 70 ° C. at a wind speed of 10 m / sec from the B surface side of the web. Then, after passing through three guide rolls, it was subsequently introduced into a tenter dryer as in Example 1, further dried through a roll dryer, cooled to 25 ° C., and a cellulose triacetate film having a winding thickness of 80 μm was obtained. The results are shown in Table 4.
[0071]
[Table 4]
[0072]
Example 13
Using the same filtered dope as in Example 1, the temperature was controlled by contacting hot water at a temperature of 38 ° C. from the back side, and vertical air of 50 to 90 ° C. with a wind speed of 15 m / sec was applied from the A side. After drying for 3 minutes, the back surface of the stainless steel belt was further brought into contact with cold water at 25 ° C., held for 5 seconds, and peeled off with a residual solvent amount of 80% by mass. After peeling, after passing through two guide rolls after the peeling roll, the web was passed through the following roll conveying means and curl correcting means. The roll conveying means is a group of three continuous zigzag rolls with a roll interval of 700 mm, and the both end curl correcting means is a pipe having a plurality of punch holes having nozzles parallel to the web conveying direction between the rolls. Are arranged at both ends of the web. The pipe is 550mm long, has a diameter of 70mm, and has many blow holes with 3 to 10mm hole diameters. The distance between the holes is 3 to 10mm and the pipe width is 50mm wide. ing. The distance between the web and the pipe outlet was 40 mm, and 90 ° C. wind with a wind speed of 20 m / second was applied to both ends of the web at 50 mm. On the guide roll immediately after the web passed through this roll group, it was cooled by applying air of 15 ° C. and 10 m / sec from three tips having a diameter of 50 mm. Subsequently, it was dried through a tenter dryer and a roll dryer as in Example 1, cooled to 25 ° C., and a cellulose triacetate film having a winding thickness of 80 μm was obtained. The results are shown in Table 5.
[0073]
Example 14
Curling correction means for heating both ends of the web was irradiated with a 500 W near-infrared ray (manufactured by Nippon Heater Co., Ltd., HQB type) from a distance of 50 mm from the web to the B side of the web so that the surface was 80 ° C. A cellulose triacetate film having a thickness of 80 μm was obtained in the same manner as in Example 13 except that the curl correcting means was used. The results are shown in Table 5.
[0074]
Comparative Example 8
A cellulose triacetate film having a thickness of 80 μm was obtained in the same manner as in Example 13 except that the temperature of the blowing air was changed to 40 ° C. and no cooling was performed. The results are shown in Table 5.
[0075]
Comparative Example 9
A cellulose triacetate film having a thickness of 80 μm was obtained in the same manner as in Example 13 except that the roll interval was 1000 mm. The results are shown in Table 5.
[0076]
[Table 5]
[0077]
Example 15
Using the same filtered dope as in Example 1, the temperature was controlled by contacting hot water at a temperature of 38 ° C. from the back side, and vertical air of 50 to 90 ° C. with a wind speed of 15 m / sec was applied from the A side. After drying for 3 minutes, the back surface of the stainless steel belt was further contacted with cold water at 25 ° C. and held for 5 seconds, and then peeled off with a residual solvent amount of 80 mass%. After peeling, the web is applied by a gravure coating method through a 50 mm wide coating roll so as to nip both ends (corresponding to both ends of the web) of the second roll of the two guide rolls arranged after the peeling roll. A mixed organic solvent of acetone / methanol (mass ratio 70/30) was applied to both ends. The evaporated organic solvent was sucked and exhausted after the applied roll. Thereafter, the three rolls were heated with hot air of 60 ° C. and passed. Subsequently, it was dried through a tenter dryer and a roll dryer as in Example 1, cooled to 25 ° C., and a cellulose triacetate film having a winding thickness of 80 μm was obtained. The results are shown in Table 6.
[0078]
Example 16
The same filtered dope as in Example 1 was used, and a vertical wind of 60 to 90 ° C. with a wind speed of 20 m / sec was applied from the A side on a stainless steel belt controlled by contacting hot water at a temperature of 38 ° C. from the back side. And dried for 3 minutes, and then peeled off with a residual solvent amount of 45 mass%. After peeling, after cutting off both ends of the web 50mm from the end with a rotary cutter at the next roll of the peeling roll, 16 rolls arranged in a staggered pattern with a maximum roll interval of 1200mm at 60 ° C Then, it is introduced into a tenter dryer held by a clip, and is heated at 90 to 120 ° C. while being stretched by about 2% in the tenter dryer, and then dried at 100 to 130 ° C. with a roll dryer. 25 The resultant was cooled to 0 ° C. and wound up to obtain a cellulose triacetate film having a thickness of 80 μm. The results are shown in Table 6.
[0079]
Comparative Example 10
The same filtered dope as in Example 1 was used, and a vertical wind of 40 to 70 ° C. with a wind speed of 10 m / sec was applied from the A side on a stainless steel belt controlled by contacting hot water of 38 ° C. from the back side. After drying for 50 seconds, the back of the stainless steel belt was further contacted with cold water at 25 ° C. and held for 5 seconds, and then peeled off with a residual solvent amount of 130% by mass. After peeling, after cutting off both ends of the web 50 mm from the end with a rotary cutter at the next roll of the peeling roll, a group of 16 rolls arranged in a staggered pattern with a maximum roll interval of 1200 mm is passed at 60 ° C. Dried. Subsequently, it is introduced into a tenter dryer held by a clip. In the tenter dryer, it is heated at 90 to 120 ° C. while being stretched by about 2%, and then dried at 100 to 130 ° C. with a roll dryer, and then to 25 ° C. It was cooled and wound up to obtain a cellulose triacetate film having a thickness of 80 μm. The results are shown in Table 6.
[0080]
[Table 6]
[0081]
(result)
As can be seen from Tables 1-6, the present invention had very good curl on the end and the entire surface and was very good, and the workability was also good. On the other hand, the comparative example had a large curl at both the end and the entire surface, and the workability was also poor.
[0082]
【The invention's effect】
High-speed film formation by effectively setting the roll interval and drying conditions of the roll conveying means during the period between the drying of the solution casting film forming apparatus and the introduction from the peeling roll to the tenter drying apparatus. However, a thin cellulose ester film with a small curl can be obtained even if it is thin.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view of an apparatus for producing a cellulose ester film by solution casting.
FIG. 2 is a schematic view of a solution casting film-forming cellulose ester film manufacturing apparatus having a tenter drying apparatus.
FIG. 3 is a schematic view of a solution casting film forming apparatus having a roll conveying unit and / or a curl correcting unit during a period from introduction from a peeling roll to a tenter drying apparatus.
FIG. 4 is a diagram showing roll intervals.
FIG. 5 is a schematic view of a roll conveying means of a suction arch type roll.
FIG. 6 is a schematic view of a conveying unit that conveys a web with a drum having a large diameter.
[Explanation of symbols]
1 Web (dope film)
2 die
3 Metal support
4 Peeling roll
5 Roll dryer
9 Tenter dryer
10 Roll conveying means and / or curl correcting means
11 Cover
13 Suction roll
14 Vacuum chamber
16 drums
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