JP4084983B2 - Composite tube-like material having release surface, image fixing belt, and image fixing device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複合チューブ状物、該複合チューブ状物を用いた画像定着ベルト及び該画像定着ベルトを用いた画像定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像定着のためには、加熱された定着ロールと加圧ロールからなる一対のロール系を備えた定着装置を用いるロール定着法が一般に用いられてきた。しかし、この方法では、定着ロール及び/又は加圧ロールの弾性層を変形させてニップ部を形成しているため、ニップ幅を大きくとるには、弾性層の厚みをある程度厚くする必要があり、定着ロールに吸収される熱量の増大を招いてきた。定着ロールに吸収される熱量(熱損失)が大きいほど、定着ロールを室温から定着可能温度に上昇させるまでの時間(立ち上げ時間)が長くかかるため、エネルギー効率が悪くなるという問題点があった。ニップ幅を大きくすれば、記録紙の搬送速度を大きくしたり、トナーに十分な熱を与えることが可能になり、複写機の高速化や高画質化に利点がある。
【0003】
そこで、前記立ち上げ時間の短縮化と省電力化を可能とする方法として、ベルト定着法が注目されている。特開平8−262903号公報(特許文献1)には、表面が弾性変形する回転可能な加熱定着ロールと、この加熱定着ロールに接触したまま走行可能なエンドレスベルトと、このエンドレスベルトの内側に非回転状態で配置されて、前記エンドレスベルトを前記加熱定着ロールに圧接させ、前記加熱定着ロールの表面を弾性変形させる加圧パッドとを具備してなるベルトニップ方式の画像定着装置が提案されている。この装置においては、エンドレスベルトと加熱定着ロールとの間が記録紙が通過するベルトニップ部となる。
このベルト定着法において用いるエンドレスベルトは、熱硬化性ポリイミドチューブの表層にPFAやPTFE等のフッ素樹脂をコーティングしたり、PFAの熱収縮チューブを被せたものが一般的である。しかしながら、この場合、コーティングしたものは、表面平滑性が低いという理由で離型性、画質の点で問題がある。また、耐摩耗性が不十分なため、定着ベルトの寿命が短いという問題もあった。一方、PFAのチューブを被せたものは、薄膜化できないため、熱損失が大きく、画質が悪い、省エネにならないという問題があった。また、下地のポリイミドについては、耐熱性に優れ、シームレス化が可能であるという点で流延法によるチューブタイプのものが広く用いられているが、一方で流延法の製膜工程により厚みムラが出やすい、内径の大きなものが作りにくい、溶剤を使用するために環境汚染や衛生上好ましくないという問題があった。
【0004】
そこで、従来のエンドレスベルトにおいて、その下地の流延法によるチューブタイプのポリイミドに見られる前記問題点を解決するための手段として、耐熱性フィルムをつなぎ合わせて円筒を形成する方法が、特開平8−187773号公報(特許文献2)で提案されている。この方法によれば、厚みムラや内径の制限、環境等の問題点は解決できるが、この方法では、フィルムの層間又は端部の接着を加熱融着により行なっているため、フィルムの層間又は端部の接着力が十分ではなく、接着ムラや使用中での剥がれが生じるという新たな問題が発生した。また、特開平8−187773号公報(特許文献2)では、離型表層としてフッ素樹脂をコーティングしたり、PFAのチューブ又はフィルムを用いる方法等が提案されているが、離型性と耐摩耗性を兼ね備え、且つ薄膜化が可能な離型表層は開示されていない。
【0005】
特開平7−125067号公報(特許文献3)によれば、フィルムの層間の接着力を高めるために、接着層をフィルム層間に設け、さらに表層にPTFEの生フィルムを巻回して離型層を形成する方法が提案されている。この方法によれば、層間の接着力は向上するが、新たに離型層の段差が生じるという問題が起る。また、この離型層に用いるPTFEフィルムは、厚みが厚い、表面粗さが大きい、引張り強度が小さいという理由から、画質、離型性、耐摩耗性の点で問題がある。さらに、これに記されている製造法では、PTFEの生フィルムをチューブ状態で焼成する工程を含むが、この方法ではPTFEの収縮によりチューブが巻き締まり、後で芯から抜き取るのが非常に困難であるという問題を含む。
【0006】
また、ポリイミドに代わる耐熱性の高い材料として、液晶ポリマーが注目され、特開2001−341144号公報(特許文献4)や特開2001−32178号公報(特許文献5)では、金属薄膜や耐熱性編物からなる無端状ベルトに液晶ポリマー等の耐熱性樹脂を積層したり含浸したりする方法が提案されている。しかしながら、このような方法では基材の厚みを薄くすることが非常に困難であり、更に液晶ポリマーを延伸することが実質的に不可能であるため、平滑性、耐摩耗性、寸法精度等の優れたものを作製するのは容易ではない。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−262903号公報
【特許文献2】
特開平8−187773号公報
【特許文献3】
特開平7−125067号公報
【特許文献4】
特開2001−341144号公報
【特許文献5】
特開2001−32178号公報
【特許文献6】
特開平9−131789号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、離型性、耐摩耗性、寸法精度に優れるとともに、熱損失が少なく画像定着ベルトとして好適な複合チューブ状物、該複合チューブ状物を用いる画像定着ベルト及び該定着ベルトを用いる画像定着装置を提供することをその課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す複合チューブ状物、画像定着ベルト及び画像定着装置が提供される。
【0010】
(1)耐熱性樹脂フィルムの巻回物からなる円筒状基材層と、該円筒状基材層の上に形成された、厚み0.1〜20μmのポリテトラフルオロエチレン薄膜の巻回物からなる離型表層から構成されたことを特徴とする複合チューブ状物。
(2)該ポリテトラフルオロエチレン薄膜の厚みが、1〜10μmであることを特徴とする前記(1)に記載の複合チューブ状物。
(3)該ポリテトラフルオロエチレン薄膜の巻回数が2〜50回であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の複合チューブ状物。
(4)該ポリテトラフルオロエチレン薄膜が、多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムを圧縮して形成されたものであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の複合チューブ状物。
(5)該ポリテトラフルオロエチレン薄膜の引張強度が80N/mm2以上であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の複合チューブ状物。
(6)該ポリテトラフルオロエチレン薄膜の光線透過率が65%以上であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の複合チューブ状物。
(7)該離型表層の厚み(最大厚み)が、2〜50μmであることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の複合チューブ状物。
(8)該複合チューブ状物の離型表層面の表面粗さ(Ra)が、0.5μm以下であることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の複合チューブ状物。
(9)該耐熱性樹脂フィルムの厚みが、2〜100μmであることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の複合チューブ状物。
(10)該耐熱性樹脂フィルムの巻回数が、2〜10回であることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれかに記載の複合チューブ状物。
(11)該耐熱性樹脂フィルムの離型表層と接する側の面に接着層が形成されていることを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の複合チューブ状物。
(12)該接着層が、熱融着性フィルムからなることを特徴とする前記(11)に記載の複合チューブ状物。
(13)該熱融着性フィルムがテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体フィルム又はテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体フィルムからなることを特徴とする前記(12)に記載の複合チューブ状物。
(14)該熱融着性フィルムの厚みが、2〜50μmであることを特徴とする前記(12)又は(13)に記載の複合チューブ状物。
(15)該耐熱性樹脂フィルムが、液晶ポリマーフィルム又は熱硬化性ポリイミドフィルムであることを特徴とする前記(1)〜(14)のいずれかに記載の複合チューブ状物。
(16)該円筒状基材層の厚み(最大厚み)が、20〜300μmであることを特徴とする前記(1)〜(15)のいずれかに記載の複合チューブ状物。
(17)該複合チューブ状物の厚み(最大厚み)が、21〜350μmであることを特徴とする前記(1)〜(16)のいずれかに記載の複合チューブ状物。
(18)前記(1)〜(17)のいずれかに記載の複合チューブ状物を用いたことを特徴とする画像定着ベルト。
(19)前記(18)に記載の定着ベルトを用いたことを特徴とする画像定着装置。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の複合チューブ状物(以下、単にチューブ状物とも言う)は、円筒状基材層を含む。この円筒状基材層は、耐熱性樹脂フィルムの巻回物(円筒物)からなる。
この場合の耐熱性樹脂フィルムにおいて、そのフィルムの厚さは2〜100μm、好ましくは5〜25μmである。2μm未満では取扱い性が悪く、100μmを超えると、熱損失が大きくなるとともに、フィルム接合部の段差が大きくなるため、画像定着用のエンドレスベルトとしての適用が困難である。その巻回物を得るための該フィルムの巻回数は1回又はそれ以上、好ましくは2回以上であり、その上限値は、特に制約されないが、通常、10回以下である。円筒状基材層の厚み(最大厚み)は20〜300μm、好ましくは30〜150μmである。20μm未満では強度が不十分であり、300μmを超えると、柔軟性が損なわれ、記録用紙表面の凹凸に追従しにくくなり、又定着ベルトの熱損失が大きくなるという問題がある。
【0012】
前記耐熱性樹脂フィルムにおいて、その樹脂としては、融点が180℃以上、好ましくは200℃以上の熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂が用いられる。このような樹脂には、液晶ポリマー、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、熱硬化性ポリイミド、アラミド等が包含されるが、本発明の場合、耐熱性、表面平滑性及び強度等の物性に優れるとともに、薄膜化が可能な液晶ポリマー又は熱硬化性ポリイミドの使用が好ましい。
【0013】
本願発明で好ましく用いられる液晶ポリマーは、特に、融点が280℃以上のサーモトロピック液晶ポリマーであり、従来公知の各種のものを用いることができる。好ましい融点は280〜400℃である。このような液晶ポリマーには、例えば、芳香族ジオール、芳香族カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸等のモノマーから合成される、溶融時に液晶性を示す芳香族ポリエステルが包含される。その代表的なものとしては、パラヒドロキシ安息香酸(PHB)とテレフタル酸とビフェニールからなる第1タイプのもの(下記式1)、PHBと2,6−ヒドロキシナフトエ酸からなる第2タイプのもの(下記式2)、PHBとテレフタル酸とエチレングリコールからなる第3タイプのもの(下記式3)がある。
【0014】
【化1】
【0015】
【化2】
【0016】
【化3】
【0017】
本発明では、液晶ポリマーを単独で用いる代わりに、液晶ポリマーをポリマーアロイ成分として含むポリマーアロイを用いてもよい。この場合、液晶ポリマーと混合あるいは化学結合させるポリマーとしては、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート等が使用可能であるが、これに限定されない。該高分子と液晶ポリマーとの混合割合は、重量比で10:90〜90:10が好ましく、より好ましくは30:70〜70:30である。液晶ポリマーを含むポリマーアロイも液晶ポリマーによる優れた特性を保有する。
本発明では、使用目的に応じて液晶ポリマーあるいは液晶ポリマーをアロイ成分とするポリマーアロイからなる樹脂中に、相溶化剤、可塑剤、難燃剤等の添加剤、あるいは無機紛体、ファイバー等の充填剤を含有させてもよい。
【0018】
本発明では、この液晶ポリマー又は液晶ポリマーを含むポリマーアロイ(以下、これらを単に液晶ポリマーとも言う)等の耐熱性樹脂は、これを、先ず、フィルム化する。この場合のフィルム化は、押出し法やロール圧延法等で行うことができる。この樹脂フィルムにおいて、その厚さは20〜1000μm程度である。
【0019】
前記のようにして得られる比較的厚膜の液晶ポリマーフィルムは、さらに薄膜フィルムとする。このためには、液晶ポリマーフィルムの両側に多孔質樹脂フィルム(例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂からなる多孔質フィルム)をラミネート化したものを、延伸した後、その多孔質樹脂フィルムを剥離させる方法を用いるのがよい。この場合、その延伸倍率の調整により、フィルムの厚さをコントロールすることができる。また、縦方向及び横方向への延伸倍率を調節することにより、等方性の液晶ポリマーの薄膜のフィルムを得ることができる。
このような液晶ポリマーの薄膜フィルムを製造する方法については、例えば、特開平9−131789号公報(特許文献6)等に記載されている。
さらに、得られた液晶ポリマーフィルムの熱変形温度を向上させるために、従来公知の方法で熱処理を施しても良い。
【0020】
液晶ポリマーフィルムは、表面剥離がなく、MD/TD方向の物性バランスが良く、厚みムラが小さく、表面平滑性及び強度等の物性に優れるとともに、薄膜化も容易である。また液晶ポリマーフィルムは吸湿性が極めて低く、線膨張係数が小さいため、寸法安定性に優れる。さらに、摩擦係数が低いために、摩耗を生じにくく、定着ベルト用材料として好適のものである。
本発明で好ましく用いられる熱硬化性ポリイミドフィルムは、耐熱性、表面平滑性及び強度等の物性に優れるとともに、薄膜化も容易である。熱硬化性ポリイミドフィルムは、耐熱性に優れているため、連続使用温度が200℃以上になる高い耐熱性が必要とされる場合に特に好ましく用いられる。熱硬化性ポリイミドフィルムとしては、宇部興産製、ユーピレックス、東レ・デュポン製、カプトン等の市販のフィルムが適宜用いられる。
【0021】
耐熱性樹脂フィルムを巻回して円筒状基材層を形成する場合に、そのフィルム間の接着を接着剤を用いて行うときには、そのフィルム間の接着性を向上させるために、その耐熱性樹脂フィルムの接着面には、コロナ処理、プラズマ処理等の接着性改善用表面処理を施すことが好ましい。
【0022】
本発明では、前記耐熱性樹脂フィルムの巻回物からなる円筒状基材層上には、厚さ20μm以下のポリテトラフルオロエチレン(以下、単にPTFEとも言う)薄膜を巻回して離型表層を形成する。PTFE薄膜は、各種の方法で製造可能であるが、本発明の場合、多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムを圧縮して形成された充実構造のPTFE薄膜(以下、充実PTFE薄膜とも言う)が好ましい。以下、この充実構造のPTFE薄膜の製造について詳述する。
【0023】
本発明に好ましく用いられる充実PTFE薄膜は、多孔質PTFEフィルムを原料として製造される。この多孔質PTFEフィルムには、従来公知の延伸又は未延伸の多孔質PTFEフィルムが用いられるが、延伸多孔質PTFE(ePTFE)フィルムが、得られるPTFE薄膜の強度が強いため、特に好ましい。
【0024】
ここで、ePTFEフィルムとは、PTFEのファインパウダーを成形助剤と混合することにより得られるペーストの成形体から、成形助剤を除去した後、高温高速度で延伸し、さらに必要に応じて焼成することにより得られるもので、一軸延伸の場合、ノード(折り畳み結晶)が延伸方向に直角に細い島状となっていて、このノード間を繋ぐようにすだれ状にフィブリル(折り畳み結晶が延伸により解けて引出された直鎖状の分子束)が延伸方向に配向している。そして、フィブリル間、又はフィブリルとノードとで画される空間が空孔となった繊維質構造となっている。また、二軸延伸の場合には、フィブリルが放射状に広がり、フィブリルを繋ぐノードが島状に点在して、フィブリルとノードとで画された空間が多数存在するクモの巣状の繊維質構造となっている。
【0025】
このePTFEフィルムは、1軸延伸ePTFEフィルムであってもよいし、2軸延伸ePTFEフィルムであってもよいが、好ましくは2軸延伸ePTFEフィルムである。2軸延伸されたePTFEフィルムは、2軸方向に延伸されているため、1軸延伸されたePTFEフィルムよりも異方性が低く、TD方向、MD方向ともに高い強度の充実PTFE薄膜を得ることができる。
本発明で好ましく用いられるePTFEフィルムにおいて、その空孔率は10〜95%、好ましくは40〜90%である。
空孔率は、JIS K 6885の見掛け密度測定に準拠し、測定した見掛け密度(ρ)より次式で計算して求めた値である(以下同じ)。
空孔率(%)=(2.2−ρ)/2.2×100 (a)
また、そのTD方向の延伸倍率は、100〜1000%、好ましくは150〜800%であり、そのMD方向の延伸倍率は、100〜1000%、好ましくは150〜800%である。このePTFEフィルムにより得られる充実PTFE薄膜の縦方向と横方向の引張強度比率は、ePTFEフィルムにおけるそのTD方向とMD方向の延伸倍率で調節することができる。例えば、TD方向の延伸倍率:400%、MD方向の延伸倍率:200%の条件で製造されたePTFEフィルムを原料フィルムとして用いて作製した充実PTFE薄膜において、そのePTFEフィルムのTD方向に相当する方向の引張強度は、原料フィルムのMD方向に相当する方向の引張強度の約2倍となる。
【0026】
前記ePTFEフィルムから充実PTFE薄膜を製造するには、先ず、前記ePTFEフィルムを、第1圧縮工程において、その融点未満の温度で圧縮(加圧)して圧延フィルムを得る。この場合、その圧縮温度は、PTFEの融点よりも低い温度であれば特に制約されないが、通常1℃以上、好ましくは100℃以上低い温度である。圧縮温度が融点以上になると充実フィルムの収縮が大きくなる。その圧縮条件は、得られるフィルムの空孔率が50%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下となるような条件である。圧縮力は、面圧で通常0.5〜60N/mm2、好ましくは1〜50N/mm2である。圧縮装置としては、フィルムを圧縮することができる装置であれば特に制約されないが、カレンダーロール装置やベルトプレス装置等、ロール間、又はベルト間を通して圧縮するタイプの装置が好ましく用いられる。カレンダーロール装置やベルトプレス装置を用いれば、ロール間、又はベルト間にフィルムが挟み込まれる際に、ePTFEフィルム内部に含まれる空気やePTFEフィルムの層間に存在する空気が、ePTFEフィルム外部へ押出され易いため、比重が2.1以上(真比重計で測定した値;以下同じ)で、ボイドや皺の無い充実PTFE薄膜が得られる。
ePTFEフィルムの厚さは、所望する充実PTFE薄膜の厚さ及びePTFEフィルムの空孔率等によって適宜決定されるが、通常、2〜300μm、好ましくは3〜150μmである。
厚みは、テクノロック製、1/1000mmダイヤルシックネスゲージを用い、本体バネ荷重以外の荷重をかけない状態で測定した値である(以下同じ)。
【0027】
次に、前記第1圧縮工程において得られる圧延フィルムを、第2圧縮工程において、PTFEの融点以上の温度で圧縮(加圧)する。この場合、その圧縮温度は、PTFEの融点以上の温度であればよく特に制約されないが、通常、その融点よりも1〜100℃、好ましくは20〜80℃高い温度である。ePTFEフィルムを融点以上に加熱することにより、充実PTFE薄膜表面の平滑性を高めることができる。圧縮温度は、圧力を開放する時点で融点よりも低い温度まで下げられていることが好ましい。融点以上の温度で圧力を開放すると、充実PTFE薄膜の収縮が大きくなり、又皺が入り易くなる。圧縮条件は、得られる充実PTFE薄膜の空孔率が10%以下、好ましくは1%以下となるような条件である。その圧縮力は、面圧で、通常0.1〜100N/mm2、好ましくは1〜30N/mm2程度である。圧縮装置としては、フィルムを挟み込んで圧縮加工できる装置であれば特に制約されないが、一定時間、温度と圧力をかけられるホットプレス装置、又はベルトプレス装置を用いるのが好ましい。
ePTFEフィルムを圧縮しながらPTFEの融点以上の温度をかけた後、圧力を保持した状態でPTFEの融点以下の温度まで冷却することができる装置であれば、1パスで充実PTFE薄膜を製造することができる。この方法によれば、ePTFEフィルムに圧縮開始時点からPTFEの融点以上の温度をかけても、ePTFEフィルムにかけられた圧力が開放される前にPTFEの融点より低い温度まで冷却されるため、得られる充実PTFE薄膜に収縮がほとんど起こらない。
例えば、ベルトプレス装置を用いれば、ePTFEフィルムがベルト間で圧縮された状態で、PTFEの融点以上の温度をかけた後、融点より低い温度まで冷却することにより、収縮の小さい充実PTFE薄膜を得ることができる。しかもこの方法によれば、充実PTFE薄膜を連続生産することができるため好ましい。
【0028】
前記のようにして得られる充実PTFE薄膜の表面粗さ(Ra)(JIS B0601により測定した値;以下同じ)は0.1μm以下、好ましくは0.05μm以下である。このPTFE膜は、引張強度(JIS K 7127により測定した値;試験片は2号試験片、試験速度は50mm/min、タテ・ヨコの平均値)に優れており、通常、80N/mm2以上、好ましくは100N/mm2以上の引張強度を有する。PTFE薄膜の引張強度が80N/mm2以上であれば、該PTFE膜を定着ベルトの離型表層として用いた場合に、十分な耐摩耗性が得られる。
この充実PTFE薄膜は、充実構造と高い表面平滑性を兼ね備えているため、優れた光線透過性を有し、その波長500nmの光に対する光線透過率(分光光度計(島津製作所製、UV−240)により波長500nmの可視光の透過率を測定した値;以下同じ)は65%以上と高いものである。PTFE薄膜の光線透過率が65%以上であれば、該PTFE薄膜は、表面平滑性が高く、且つボイドを含まない充実構造のものとなり、該PTFE薄膜を定着ベルトの離型表層として用いた場合に、優れた離型性と高い画質が得られる。
【0029】
前記第1圧縮工程を実施する場合、得られるフィルムのボイドを少なくするために、その圧縮操作は、2段階以上で行なうこともできる。また、第2圧縮工程においては、ホットプレス装置を用いる場合、熱プレス板を用いて圧縮する際に、表面平滑な耐熱性フィルムを熱プレス板とフィルムの間に介挿して加熱圧縮してもよい。ベルトプレス装置を用いる場合も、金属製ベルトとフィルムの間に表面平滑な耐熱性フィルムを介挿して加熱圧縮してもよい。この場合、そのフィルムとしては、耐熱性の熱硬化性ポリイミドフィルム等を用いることができる。この方法によれば、得られる充実PTFE薄膜の表面粗さ(Ra)は、その耐熱性フィルムの表面粗さ(Ra)と同等とすることが可能で、熱プレス板や金属製ベルト表面の表面平滑性を高く取れない場合に有効である。
【0030】
前記の方法によれば、従来公知の方法(スカイビング法やキャスト法等)では製造不可能であった、20μm以下の透明PTFE薄膜を容易に得ることができる。例えば、空孔率80%、厚み40μmのePTFEフィルムをカレンダーロール(ロール温度70℃)で、空孔率2%、厚み12μmまで圧縮した後、プレス装置でプレス板温度320〜400℃、圧力10.0N/mm2、送り速度0.5〜2.0m/min、プレス時間1〜4minの条件でプレスすることにより、空孔率0%、厚み10μmの薄膜を得ることができる。また、空孔率85%、厚み9μmのePTFEフィルムに対し、同様の加工を行なうことにより、空孔率0%、厚み2μmの充実PTFE薄膜を得ることができる。
【0031】
前記のようにして得られる充実PTFE薄膜の表面粗さ(Ra)は、第2圧縮工程でプレス板を用いて熱プレスを行うときにはそのプレス板の表面粗さ(Ra)で決まり、また、第1圧縮工程で得られた圧延フィルムを耐熱性フィルム間に挟み、熱プレス板で圧縮するときには、主にその耐熱性フィルムの表面粗さ(Ra)で決まる。例えば、表面粗さ(Ra)が0.1μm以下の鏡面処理をしたプレス板を加熱プレス時に用いるときには、得られるPTFE薄膜の表面粗さ(Ra)も0.1μm以下のものとなる。同様に、表面平滑性が高い熱硬化性ポリイミドフィルム(Raは0.01μm)を第1圧縮工程で得られた圧延フィルムの上下に挟むための離型フィルムとして使用した場合においては、得られる充実PTFE薄膜の表面粗さ(Ra)も約0.01μmのものとなる。
【0032】
前記の方法においては、引張強度の大きいePTFEフィルムを用いることにより、高い引張強度の充実PTFE薄膜を得ることができる。例えば、引張強度が10〜100N/mm2のePTFEフィルムを用いることにより、50〜200N/mm2の引張強度を有する充実PTFE薄膜を得ることができる。従来のスカイビング法によるPTFE切削フィルムの引張強度は、通常20〜50N/mm2であり、また、PTFEキャストフィルムの引張強度は約20〜40N/mm2であるが、これら従来のPTFEフィルムに比べると、前記のようにして得られる充実PTFE薄膜の引張強度は非常に大きなものである。
【0033】
前記充実PTFE薄膜についてさらに詳述すると、その膜の空孔率は、0〜5%であり、比重は2.1以上である。この膜は、目視による外観においても均一な透明フィルムであり、ボイド、ピンホール、フィブリル構造が残存することにより生じる白色不透明部、白筋等は観察されない。
この充実PTFE薄膜は、非常に高い透明性を有し、意匠性において優れたものであるが、従来のPTFEフィルムでは、このような高い透明性を有するものはなかった。
【0034】
本発明の複合チューブ状物を製造するには、SUS製円柱等の表面円滑な芯棒(中芯)の周りに、先ず、耐熱性樹脂フィルムを巻回して巻回物(円筒体)を形成する。この円筒体の形成において、その耐熱樹脂フィルムの巻回数は1回であることができる。この場合には、その巻回フィルムの両端部を突き合わせて接合する(突き合わせ接合)。この接合は、接着剤を用いる方法、熱や超音波等を用いて融着する方法、フィルムの端部をパズルのようにカットし、その部分を噛み合わせて接続する方法等の従来公知の方法で実施することができる。
【0035】
前記円筒体の形成において、その耐熱性樹脂フィルムの巻回数は1回より多い巻回数であることができる。この場合には、その耐熱性樹脂フィルムの巻回物は、フィルムの重なりが生じるため、そのフィルムの重なり部を接合し、固定化する(重ね合わせ接合)ことが必要である。フィルムの重なり部の接合は、接着剤を用いて接着する方法、フィルムの重なり部を熱融着する方法、重なったフィルムの間に熱融着性フィルムを介在させ、熱融着させる方法等により実施することができる。
【0036】
次に、前記のように形成された液晶ポリマーフィルム等の耐熱性樹脂フィルムの円筒体の周りに、PTFE薄膜を巻回する。この場合のPTFE薄膜の巻回数は、1回より多い巻回数である。本発明で用いられるPTFE薄膜は厚みが薄く、突き合わせ接合が困難なため、例えば巻回数が少ない場合でも、巻回数を1.05回とするなどして、幅0.1mm以上、好ましくは幅0.5mm以上の重なり部を形成させ、重ね合わせ接合により接合することが望ましい。フィルムの重なり部の接合は、接着剤を用いて接着する方法、フィルムの重なり部を熱融着する方法、重なったフィルムの間に熱融着性フィルムを介在させ、熱融着させる方法等により実施することができる。
このようにして、本発明の複合チューブ状物を得ることができる。
【0037】
本発明のチューブ状物を形成するための好ましい方法としては、耐熱性樹脂フィルムの表面に、熱融着性フィルムを重ねて接着層を形成させ、この重合フィルム(積層フィルム)を、芯棒の周りに、その熱融着性フィルムが外面となるように、1回より多い回数で巻回積層して巻回物とし、この巻回物の周りにPTFE薄膜を複数回巻回積層し、その後、この巻回物を該PTFE薄膜の溶融温度に加熱する。この加熱によりPTFE薄膜同志の融着、熱融着性フィルムを介しての耐熱性樹脂フィルム同志の融着及び熱融着性フィルムを介しての耐熱性樹脂フィルムの巻回物表面とPTFE薄膜との融着が起り、全体が一体となったチューブ状物が形成される。
【0038】
前記チューブ状物の形成に際して用いる熱融着性フィルムとしては、その溶融温度(融着温度)が150〜450℃、好ましくは250〜400℃の熱可塑性樹脂フィルムが用いられる。このような熱溶融性フィルムとしては、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)フィルム、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)フィルム、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等が挙げられるが、特に、PFAフィルム及びFEPフィルムの使用が、熱融着が容易で、耐熱性に優れるため好ましい。熱融着性フィルムの厚さは2〜50μm、好ましくは5〜12.5μmである。2μm未満ではフィルムの取扱いが困難であり、50μmを超えると、熱損失が大きくなり、又フィルム接合部の段差が大きくなるという問題がある。耐熱性樹脂フィルムの表面に熱融着性フィルムを重ねて巻回し、円筒状基材層を形成する場合でも、円筒状基材層の厚み(最大厚み)は、前述の通り、20〜300μm、好ましくは30〜150μmである。
【0039】
耐熱性樹脂フィルム及びPTFE薄膜の接着性を改善するために、その接着表面には、コロナ処理やプラズマ処理、エキシマレーザー処理等の接着性改善用表面処理を施すことが好ましい。
尚、加熱後において、巻回物からの芯棒の抜き取りを容易にするために、芯棒の表面には、あらかじめ、薄膜の熱硬化性ポリイミドフィルム等を巻回しておくことが好ましい。
【0040】
芯棒に対する耐熱性樹脂フィルム及びPTFE薄膜の巻回方法は、フィルムをチューブ状に巻回し得る方法であれば任意であり、特に制約されず、例えば、のり巻状に巻回する方法や帯状フィルムを螺旋状に巻回する方法であることができる。
【0041】
図1に帯状耐熱性樹脂フィルムや帯状PTFE薄膜(以下、これらを単に樹脂フィルムとも言う)を螺旋状に巻回する方法の説明図を示す。
図1において、1は帯状樹脂フィルムを示し、2は芯金(芯棒)を示し、3は芯金に対する巻回相当長さを示し、その長さを芯金の外径で徐した値が巻回数となる。
図1に示すように、帯状樹脂フィルム1を、芯金2に対して傾斜した状態において、該芯金に巻回することにより、樹脂フィルムを螺旋巻して形成したチューブ状物を得ることができる。この場合、その傾斜角度は、樹脂フィルム長辺の芯金に対する角度で、10〜80度、好ましくは30〜60度である。10度未満では、印刷画像にPTFE薄膜端部の段差に起因するライン跡が目立ち易い傾向があり、80度を超えるとチューブ状物の製造が困難になる。
【0042】
前記のようにして樹脂フィルムを巻回積層接着してチューブ状物を製造する場合、得られるチューブ状物の外表面には、最外層を形成するPTFE薄膜の端部が存在し、この膜端部でPTFE薄膜の厚みに相当する段差が生じる。また、PTFE薄膜の巻き初め端部(先端部)と巻き終わり端部(終端部)の位置が完全に重なる位置になければ、膜端部を境にして膜の厚み差が生じる。例えば、PTFE薄膜を[n〜n+1]の巻回数で巻回した場合、チューブ状物外面を形成する最外層の膜の端部の位置を境にして、チューブ肉厚がn層分の領域(薄肉部)とn+1層分の領域(厚肉部)が形成される。同様に、耐熱性樹脂フィルムでも膜端部を境にして膜の厚み差が生じる。この膜の厚み差は、先端部と終端部の位置を完全に合わせることができればなくすことができるが、実際の生産ではバラツキにより先端部と終端部の位置ずれが発生し、厚み差が生じる。
【0043】
本発明者らの研究によれば、前記段差や厚み差が大きい場合には、得られるチューブ状物を定着ベルトとして用いた場合、実際の電子写真装置における定着工程時に、PTFE薄膜端部の段差が印刷画像にライン跡を生じること、又チューブ状物の厚み差(厚肉部の厚み(最大厚み)−薄肉部の厚み(最小厚み))により、その薄肉部と厚肉部との間の表面温度の差が大きくなり、印刷画像において目視で確認できるほどの色差あるいは光沢差(画像ムラ)を生じることが判明した。
【0044】
このライン跡の発生を減少させるためには、前記のように帯状PTFE薄膜を螺旋状に巻回するとともに、PTFE薄膜の厚みを薄くすることが効果的である。PTFE薄膜の厚みが20μm超の時、印刷画像にライン跡が目立ち易くなるが、それ以下、通常、15μm以下、特に10μm以下になると、かなりライン跡が目立ち難くなり、膜厚2μm以下においては目視ではほとんど確認できなくなる。膜厚を薄くした場合は、巻回数を増加させ、チューブ肉厚を増加させることで定着材寿命を確保することができる。例えばPTFE薄膜厚さ6μm、巻回数3.5回のチューブ(肉厚約18−24μm)とPTFE薄膜厚さ1.7μm、巻回数12.5回のチューブ(肉厚約20.4−22.1μm)はほぼ同等の耐久性をもつ。PTFE薄膜の巻回数については、少ない方が製造コスト的には有利である。
例えば、ePTFEフィルムを熱プレスして製造される充実PTFE薄膜の場合、厚さは1〜500μmまで製造可能であり、巻回数も100回程度までは可能である。このため本発明のチューブ状物は上記PTFE薄膜の厚みと巻回数を任意に組合わせた仕様が可能である。
【0045】
本発明のPTFE薄膜の厚みは、0.1〜20μm、好ましくは1〜10μm、より好ましくは1.5〜6μmである。0.1μm未満では、製造時のPTFE薄膜の取扱いが困難であり、20μmを超えると、前記した通り、膜端部の段差に起因したライン跡が目立ち易くなる。また、PTFE薄膜の巻回数は、前記した通り、重ね合わせ接合が可能な1回より多い巻回数であれば特に制約されないが、好ましくは2〜50回、より好ましくは3〜30回である。2回未満では、離型表層としての十分な強度を確保するためにPTFE薄膜の厚みを厚くする必要があり、結果として膜端部の段差に起因したライン跡が目立ち易くなる。巻回数が50回を超えると製造コストが高くなるという問題がある。また、PTFE薄膜を巻回して形成される離型表層の厚み(最大厚み)は、2〜50μm、好ましくは3〜20μm、より好ましくは4〜15μmである。2μm未満では、十分な耐摩耗性が得られず、50μmを超えると定着ベルトに吸収される熱量が大きくなる。
【0046】
前記チューブ状物の厚み差に起因した画像ムラを減少させるためには、チューブ状物の厚み差をできるだけ小さくすればよい。そのためには、チューブ状物を構成する耐熱性樹脂フィルム、熱融着性フィルム、PTFE薄膜の厚みをできるだけ薄くし、巻回数を多くするのが効果的である。
本発明によるチューブ状物の厚みは、定着ベルトに用いられる場合、その定着装置のスピードやニップ圧力等の条件によって要求される耐摩耗性や熱容量等の要求特性に応じて適宜定めればよいが、その肉厚部の厚み(最大厚み)で、21〜350μm、好ましくは30〜150μm、より好ましくは50〜100μmである。最大厚みが21μm未満では十分な強度が得られず、製造時の取扱いも困難であり、最大厚みが350μmを超えると柔軟性が損なわれ、記録用紙表面の凹凸に追従しにくくなり、又定着ベルトの熱損失が大きくなる。
【0047】
チューブ状物の離型表層面の表面粗さ(Ra)(JIS B 0601により測定した値(チューブを切り開いて測定する);以下同じ)は、0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.2μm以下である。Raが0.5μm以上ではトナーの離型性が十分でなく、又トナーに対して圧しムラが発生するため、画質が低下してしまう。また、離型表層内にボイド(気泡)が残存しているとチューブ状物表面の温度ムラが発生するため画質が低下してしまう。このため定着ベルトに用いられる離型表層としては、表面平滑性が高く、且つボイドを含まない充実構造のものが好ましく、結果として光線透過率の優れた離型表層が望まれる。
【0048】
本発明によるチューブ状物の離型表層として、前記ePTFEフィルムを熱プレスして製造された充実PTFE薄膜を用いた場合は、得られる離型表層は、高い引張強度を有し、耐摩耗性に優れたものとなる。また、この充実PTFE薄膜は、充実構造と高い表面平滑性を兼ね備えているため、優れた光線透過性を有し、その波長500nmの光に対する光線透過率は65〜95%と高いものである。光線透過率が65%未満では、充実PTFE薄膜がボイドを含んでいる場合があり、このボイドの存在により画像定着時の熱伝導ムラが生じるため、トナーの溶融ムラの原因となってしまう。また、光線透過率が65%未満では、ボイドや表面の皺に起因して離型表層表面のRaが0.5μmを超えてしまうため、トナーの離型性が不十分となり、又トナーに対して圧しムラが発生するため、画質が低下してしまう。
【0049】
本発明のチューブ状物は、前記のように定着ベルトとして好ましく適用されるが、必ずしもこのような用途に限られるものではなく、それ以外の各種の用途、例えば、ホース、液体輸送管、チューブ状離型材、各種搬送用ベルト等に適用することができる。本発明のチューブ状物を定着ベルト以外の用途に適用する場合、その肉厚は特に制約されず、その用途に応じて適宜の肉厚が採用される。
本発明のチューブ状物を定着ベルトとして用いる場合、その内径は、通常20〜100mm程度である。
【0050】
加熱定着ロールの回転方向に対する本発明によるチューブ状物(定着ベルト)の取り付け方向は、離型表層の厚肉部から薄肉部への順番でニップ部に入っていく方向と薄肉部から厚肉部の順番でニップ部に入っていく方向の二種類がある。印刷画像に発生するライン跡、あるいは定着ベルトの薄肉部と厚肉部に対応する画像ムラについては、どちらの方向についてもほぼ同等のレベルで発生するが、離型表層のめくれに対する有利性より、離型表層の厚肉部から薄肉部の順番でニップに入っていく方向のほうが好ましい。
【0051】
本発明のチューブ状物を定着ベルトとして用いることにより、耐久性に優れ、定着画像が高品質で、立ち上げ時間が短い画像定着装置を得ることができる。
【0052】
【実施例】
次に本発明を実施例によりさらに詳述する。
【0053】
参考例1
ePTFE膜(ジャパンゴアテックス製、空孔率80%、厚さ100μm)をカレンダーロール装置でロール温度70℃、線圧8N/mm2、送り速度6.0m/minで圧縮し、空孔率5%、厚さ14μmの白濁色フィルムを得た。得られた白濁色フィルムを2枚の熱硬化性ポリイミドフィルム(宇部興産製、ユーピレックス20S)の間に挟み、ホットプレス装置でプレス板温度400℃、面圧10N/mm2で5分間加熱プレスし、プレス板温度を100℃まで冷却した後、プレス圧力を開放し、空孔率0%、厚さ12μmの透明性が高く、表面が高光沢の充実PTFE薄膜を得た。
【0054】
参考例2
ePTFE膜(ジャパンゴアテックス製、空孔率80%、厚さ100μm)を2枚の熱硬化性ポリイミドフィルム(宇部興産製、ユーピレックス20S)の間に挟み、ダブルベルトプレス装置で圧縮開始地点のロール温度395℃、圧縮開放地点のロール温度100℃、線圧6N/mm2、送り速度1m/minで圧縮し、空孔率0%、厚さ12μmの透明性が高く、表面が高光沢の充実PTFE薄膜を得た。
【0055】
参考例3
ePTFE膜(ジャパンゴアテックス製、空孔率80%、厚さ30μm)を用いて、参考例1と同様にして、空孔率0%、厚さ2μmの透明性が高く、表面が高光沢の充実PTFE薄膜を得た。
【0056】
参考例1〜3で得られた透明且つ高光沢の充実PTFE薄膜の比重を真比重計(ユアサアイオニクス製、ULTRAPYCNOMETER1000)で測定したところ、いずれの膜も比重は2.2であり、完全に充実化していることが確認できた。
参考例1〜3で得られた透明且つ高光沢の充実PTFE薄膜の表面粗さ(Ra)を測定したところ、いずれもそのRaは0.05μm以下であった。
【0057】
実施例1
液晶ポリマーフィルム(ジャパンゴアテックス製、BIAC、厚み25μm)の両面にコロナ処理(100W/m2・min、0.5m/min)を施し、同様の両面コロナ処理を施した12.5μm厚のFEPフィルム(ダイキン工業製NF−0012)と重ねあわせる。この積層フィルムを幅180mm、長さ450mmの大きさにカットし、空気のかみ込みがないようにして、直径30mmのあらかじめ薄い熱硬化性ポリイミドフィルム(宇部興産製ユーピレックス7.5SN)を巻いた鉄芯に、積層フィルム長辺の鉄芯に対する角度が30度になるようにして、2.2回巻回させる。この時、鉄芯側に液晶ポリマーフィルムが面するようにする。そしてその上に、参考例3で得た幅370mm、長さ470mm、厚さ2μmの充実PTFE薄膜をのり巻き状に5回巻回する。尚、充実PTFE薄膜の接着面にはコロナ処理(100W/m2・min、0.5m/min)を施しておく。続いてこの鉄芯を有する巻回物を加熱炉内に入れ、室温から350℃まで徐々に加熱し、350℃で20分保持する。その後室温まで徐々に冷却し、最後に巻回物を鉄芯から抜き取り、両端の充実PTFE薄膜が基材層からはみ出した部分を切り落として、最大厚み120μm、内径30mm、幅350mmのチューブ状物を得た。
【0058】
実施例2
液晶ポリマーフィルムの代わりに熱硬化性ポリイミドフィルム(宇部興産製、ユーピレックス25S、厚み25μm)を用いた以外は同様にして、最大厚み120μm、内径30mm、幅350mmのチューブ状物を得た。
【0059】
比較例1
充実PTFE薄膜の代わりに25μm厚のPTFEの生フィルムを表層に用い、生フィルムの巻回数を1.5回とした以外は実施例1と同様の方法で最大厚み160μm、内径30mm、幅350mmのチューブ状物を得た。
【0060】
参考例4
実施例1〜2及び比較例1で得た各チューブ状物について、そのチューブ状物の両端部付近の厚みをダイアルゲージにて測定し、左右での厚みの差(厚みムラ)を求める。
その結果、実施例1、2のチューブ状物の場合、その厚みムラはいずれも2μmであったが、比較例1のチューブ状物の厚みムラは5μmであった。
【0061】
実施例3
実施例1、2で得たチューブ状物を、電子写真プリンター(富士ゼロックス製DocuprintC2220)の定着ベルトとして搭載し、画像定着装置とした。この装置に、最高150K枚の通紙評価を実施し、通紙後、定着ベルトの表層の状態を目視観察する。評価前後にはOHPで赤ベタ画像を出力して目視による画像確認を行なう。また、評価前後で定着ベルト内面の表面粗さを測定し、評価前後での変化(ΔRa)を算出する(ΔRaが大きいほど、円筒状基材層の耐磨耗性が低く、定着ベルトの劣化が進行していることを意味する)。尚、表面粗さ測定(JIS B0601、評価長さ12.5mm)はミツトヨ製表面粗さ計(サーフテストSV−600)にて実施した。
その結果、実施例1、2の定着ベルトを用いた場合には、いずれも、初期画像及び150K枚通紙後の画像は、ライン跡や画像ムラは認められず、高品質のもので、問題の無いものであり、また、表層の状態も、いずれも150k枚の通紙でも破れを生じることがなかった。
尚、評価前後での定着ベルト内面の表面粗さの変化ΔRaは、実施例1のチューブ状物の場合、0.15μmであり、実施例2のチューブ状物の場合、0.30μmであった。このΔRaの値は、いずれも実用上問題ないレベルであるが、この結果から、円筒状基材層に液晶ポリマーフィルムを用いたチューブ状物のほうが、円筒状基材層に熱硬化性ポリイミドフィルムを用いたチューブ状物よりも耐摩耗性に優れていることが分かる。
【0062】
比較例2
実施例3において、定着ベルトとして比較例1で得た定着ベルトを用いた以外は同様にして実験を行なった。
その結果、比較例1のチューブ状物を用いた定着ベルトは、初期画像にライン跡が認められ、画像品質が不満足なものであった。また、100k枚の通紙により、表層の一部に破れを生じ、液晶ポリマーの露出が見られた。
前記の結果から、本発明のチューブ状物を用いた定着ベルトの場合、そのチューブ状物の厚みムラが低減される上、その定着ベルトの耐久性において大幅に改善され、さらに高品質の定着画像を与えることがわかる。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の技術では困難であった、離型性、耐摩耗性、寸法精度に優れ、薄膜化が可能な電子写真用定着部材に好適なチューブ状物を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】芯金に対して樹脂フィルムを螺旋状に巻回する方法の説明図を示す。
【符号の説明】
1 帯状樹脂フィルム
2 芯金
3 巻回相当長さ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a composite tube-like material, an image fixing belt using the composite tube-like material, and an image fixing device using the image fixing belt.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a roll fixing method using a fixing device having a pair of roll systems composed of a heated fixing roll and a pressure roll has been generally used for image fixing of a copying machine, a printer, a facsimile machine or the like. However, in this method, since the nip portion is formed by deforming the elastic layer of the fixing roll and / or the pressure roll, it is necessary to increase the thickness of the elastic layer to some extent in order to increase the nip width. The amount of heat absorbed by the fixing roll has been increased. The larger the amount of heat absorbed by the fixing roll (heat loss), the longer it takes to raise the fixing roll from room temperature to the fixable temperature (start-up time). . Increasing the nip width makes it possible to increase the conveyance speed of the recording paper and to apply sufficient heat to the toner, which is advantageous in increasing the speed and image quality of the copying machine.
[0003]
Therefore, a belt fixing method has attracted attention as a method that can shorten the startup time and save power. Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-262903 (Patent Document 1) discloses a rotatable heat fixing roll whose surface is elastically deformed, an endless belt that can run while being in contact with the heat fixing roll, and a non-printing belt inside the endless belt. There has been proposed a belt nip type image fixing device that is arranged in a rotating state and includes a pressure pad that presses the endless belt against the heat fixing roll and elastically deforms the surface of the heat fixing roll. . In this apparatus, a belt nip portion through which recording paper passes is provided between the endless belt and the heat fixing roll.
The endless belt used in this belt fixing method is generally one in which the surface layer of a thermosetting polyimide tube is coated with a fluororesin such as PFA or PTFE or covered with a heat shrinkable tube of PFA. However, in this case, the coated material has a problem in terms of releasability and image quality because the surface smoothness is low. Further, since the wear resistance is insufficient, there is a problem that the life of the fixing belt is short. On the other hand, since the PFA tube covered cannot be thinned, there is a problem that heat loss is large, image quality is poor, and energy is not saved. As for the underlying polyimide, a tube type by the casting method is widely used because it has excellent heat resistance and can be made seamless. There is a problem that it is difficult to make a product having a large inner diameter, and environmental pollution and sanitation are undesirable because a solvent is used.
[0004]
Therefore, in a conventional endless belt, as a means for solving the above-mentioned problems found in tube-type polyimide by the casting method of the base, there is a method of joining a heat-resistant film to form a cylinder. No. 187773 (Patent Document 2). According to this method, problems such as thickness unevenness, limitation of the inner diameter, environment, etc. can be solved. However, in this method, the adhesion between the layers or ends of the film is performed by heat fusion. There was a new problem that the adhesive strength of the part was not sufficient, and adhesion unevenness or peeling occurred during use. Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-187773 (Patent Document 2) proposes a method of coating a fluororesin as a release surface layer or using a PFA tube or film. However, release properties and wear resistance are proposed. There is no disclosure of a release surface layer that can be combined with a thin film.
[0005]
According to Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-125067 (Patent Document 3), an adhesive layer is provided between the film layers in order to increase the adhesion between the films, and a release layer is formed by winding a PTFE raw film on the surface layer. A method of forming has been proposed. According to this method, the adhesive strength between the layers is improved, but there arises a problem that a step of the release layer is newly generated. In addition, the PTFE film used for this release layer has problems in terms of image quality, releasability, and wear resistance because of its large thickness, large surface roughness, and low tensile strength. Furthermore, the manufacturing method described therein includes a step of firing a PTFE raw film in a tube state, but in this method, the tube is wound due to the shrinkage of PTFE, and it is very difficult to remove from the core later. Including the problem of being.
[0006]
Further, as a material having high heat resistance instead of polyimide, a liquid crystal polymer has attracted attention. In Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-341144 (Patent Document 4) and Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-32178 (Patent Document 5), a metal thin film or heat resistance is disclosed. A method of laminating or impregnating a heat-resistant resin such as a liquid crystal polymer on an endless belt made of a knitted fabric has been proposed. However, in such a method, it is very difficult to reduce the thickness of the base material, and further, it is substantially impossible to stretch the liquid crystal polymer, so that smoothness, wear resistance, dimensional accuracy, etc. It is not easy to produce an excellent one.
[0007]
[Patent Document 1]
JP-A-8-262903
[Patent Document 2]
JP-A-8-187773
[Patent Document 3]
Japanese Patent Laid-Open No. 7-125067
[Patent Document 4]
JP 2001-341144 A
[Patent Document 5]
JP 2001-32178 A
[Patent Document 6]
JP-A-9-131789
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention is a composite tube-like material that is excellent in releasability, wear resistance, and dimensional accuracy, and has a small heat loss, and is suitable as an image fixing belt, an image fixing belt using the composite tube-like material, and an image using the fixing belt It is an object of the present invention to provide a fixing device.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the present inventors have completed the present invention.
That is, according to the present invention, the following composite tube-like material, image fixing belt and image fixing device are provided.
[0010]
(1) From a cylindrical base material layer made of a wound product of a heat resistant resin film, and a wound product of a polytetrafluoroethylene thin film having a thickness of 0.1 to 20 μm formed on the cylindrical base material layer A composite tube-like material comprising a release surface layer.
(2) The composite tubular product as described in (1) above, wherein the thickness of the polytetrafluoroethylene thin film is 1 to 10 μm.
(3) The composite tubular article as described in (1) or (2) above, wherein the polytetrafluoroethylene thin film is wound 2 to 50 times.
(4) The composite tube shape according to any one of (1) to (3), wherein the polytetrafluoroethylene thin film is formed by compressing a porous polytetrafluoroethylene film. object.
(5) The tensile strength of the polytetrafluoroethylene thin film is 80 N / mm 2 It is above, The composite tube-like thing in any one of said (1)-(4) characterized by the above-mentioned.
(6) The composite tubular product as described in any one of (1) to (5) above, wherein the polytetrafluoroethylene thin film has a light transmittance of 65% or more.
(7) The composite tube-like product according to any one of (1) to (6), wherein the release surface layer has a thickness (maximum thickness) of 2 to 50 μm.
(8) The composite tube shape according to any one of (1) to (7), wherein the surface roughness (Ra) of the release surface layer of the composite tube material is 0.5 μm or less. object.
(9) The composite tubular article as described in any one of (1) to (8) above, wherein the heat-resistant resin film has a thickness of 2 to 100 μm.
(10) The composite tube-like product according to any one of (1) to (9), wherein the number of windings of the heat-resistant resin film is 2 to 10 times.
(11) The composite tube-like product as described in any one of (1) to (10) above, wherein an adhesive layer is formed on the surface of the heat-resistant resin film on the side in contact with the release surface layer.
(12) The composite tubular article as described in (11) above, wherein the adhesive layer is made of a heat-fusible film.
(13) The composite tube according to (12), wherein the heat-fusible film is composed of a tetrafluoroethylene-perfluoroalkyl vinyl ether copolymer film or a tetrafluoroethylene-hexafluoropropylene copolymer film. State.
(14) The composite tubular article as described in (12) or (13) above, wherein the heat-fusible film has a thickness of 2 to 50 μm.
(15) The composite tube-like product according to any one of (1) to (14), wherein the heat-resistant resin film is a liquid crystal polymer film or a thermosetting polyimide film.
(16) The composite tubular article as described in any one of (1) to (15) above, wherein the cylindrical base material layer has a thickness (maximum thickness) of 20 to 300 μm.
(17) The composite tubular product according to any one of (1) to (16), wherein the composite tubular product has a thickness (maximum thickness) of 21 to 350 μm.
(18) An image fixing belt using the composite tube-like material according to any one of (1) to (17).
(19) An image fixing apparatus using the fixing belt according to (18).
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The composite tubular product of the present invention (hereinafter also simply referred to as a tubular product) includes a cylindrical substrate layer. This cylindrical base material layer consists of a wound product (cylindrical product) of a heat resistant resin film.
In the heat resistant resin film in this case, the thickness of the film is 2 to 100 μm, preferably 5 to 25 μm. If the thickness is less than 2 μm, the handleability is poor, and if it exceeds 100 μm, the heat loss increases and the level difference at the film junction increases, making it difficult to apply as an endless belt for image fixing. The number of windings of the film for obtaining the wound product is 1 or more, preferably 2 or more, and the upper limit is not particularly limited, but is usually 10 or less. The cylindrical base material layer has a thickness (maximum thickness) of 20 to 300 μm, preferably 30 to 150 μm. If the thickness is less than 20 μm, the strength is insufficient. If the thickness exceeds 300 μm, the flexibility is impaired, it becomes difficult to follow the irregularities on the surface of the recording paper, and the heat loss of the fixing belt increases.
[0012]
In the heat-resistant resin film, as the resin, a thermoplastic resin or a thermosetting resin having a melting point of 180 ° C. or higher, preferably 200 ° C. or higher is used. Such resins include liquid crystal polymers, thermoplastic polyimides, polyether ether ketones, polyether sulfones, polyphenylene sulfides, polyether imides, thermosetting polyimides, aramids, etc. It is preferable to use a liquid crystal polymer or a thermosetting polyimide that is excellent in physical properties such as property, surface smoothness, and strength and that can be thinned.
[0013]
The liquid crystal polymer preferably used in the present invention is a thermotropic liquid crystal polymer having a melting point of 280 ° C. or higher, and various conventionally known ones can be used. A preferable melting point is 280 to 400 ° C. Such liquid crystal polymers include, for example, aromatic polyesters that are synthesized from monomers such as aromatic diols, aromatic carboxylic acids, and hydroxycarboxylic acids and that exhibit liquid crystallinity when melted. Typical examples thereof include a first type consisting of parahydroxybenzoic acid (PHB), terephthalic acid and biphenyl (the following formula 1), and a second type consisting of PHB and 2,6-hydroxynaphthoic acid ( There is a third type (
[0014]
[Chemical 1]
[0015]
[Chemical 2]
[0016]
[Chemical 3]
[0017]
In the present invention, instead of using a liquid crystal polymer alone, a polymer alloy containing a liquid crystal polymer as a polymer alloy component may be used. In this case, polyether ether ketone, polyether sulfone, polyimide, polyether imide, polyamide, polyamide imide, polyarylate, or the like can be used as a polymer to be mixed or chemically bonded to the liquid crystal polymer, but is not limited thereto. . The mixing ratio of the polymer and the liquid crystal polymer is preferably 10:90 to 90:10, more preferably 30:70 to 70:30, by weight. Polymer alloys containing liquid crystal polymers also possess excellent properties due to liquid crystal polymers.
In the present invention, a resin such as a liquid crystal polymer or a polymer alloy containing a liquid crystal polymer as an alloy component depending on the purpose of use, an additive such as a compatibilizer, a plasticizer, and a flame retardant, or a filler such as an inorganic powder or fiber. May be included.
[0018]
In the present invention, a heat-resistant resin such as the liquid crystal polymer or a polymer alloy containing the liquid crystal polymer (hereinafter also simply referred to as a liquid crystal polymer) is first formed into a film. Film formation in this case can be performed by an extrusion method, a roll rolling method, or the like. In this resin film, the thickness is about 20 to 1000 μm.
[0019]
The relatively thick liquid crystal polymer film obtained as described above is further a thin film. For this purpose, a porous resin film (for example, a porous film made of a fluororesin such as polytetrafluoroethylene) laminated on both sides of the liquid crystal polymer film is stretched and then peeled off. It is good to use the method of making it. In this case, the thickness of the film can be controlled by adjusting the draw ratio. Further, by adjusting the draw ratio in the longitudinal direction and the transverse direction, an isotropic liquid crystal polymer thin film can be obtained.
A method for producing such a liquid crystal polymer thin film is described in, for example, JP-A-9-131789 (Patent Document 6).
Furthermore, in order to improve the heat distortion temperature of the obtained liquid crystal polymer film, heat treatment may be performed by a conventionally known method.
[0020]
The liquid crystal polymer film has no surface peeling, good physical property balance in the MD / TD direction, small thickness unevenness, excellent physical properties such as surface smoothness and strength, and easy thinning. In addition, the liquid crystal polymer film has extremely low hygroscopicity and a small coefficient of linear expansion, and thus has excellent dimensional stability. Further, since it has a low coefficient of friction, it is difficult to cause wear and is suitable as a fixing belt material.
The thermosetting polyimide film preferably used in the present invention is excellent in physical properties such as heat resistance, surface smoothness and strength, and can be easily thinned. Since the thermosetting polyimide film is excellent in heat resistance, it is particularly preferably used when high heat resistance is required such that the continuous use temperature is 200 ° C. or higher. As the thermosetting polyimide film, commercially available films such as Ube Industries, Upilex, Toray DuPont, and Kapton are appropriately used.
[0021]
When a cylindrical base material layer is formed by winding a heat resistant resin film, when the adhesion between the films is performed using an adhesive, the heat resistant resin film is used to improve the adhesion between the films. The adhesive surface is preferably subjected to surface treatment for improving adhesion such as corona treatment or plasma treatment.
[0022]
In the present invention, a polytetrafluoroethylene (hereinafter also simply referred to as PTFE) thin film having a thickness of 20 μm or less is wound on a cylindrical base material layer made of a wound product of the heat-resistant resin film to form a release surface layer. Form. The PTFE thin film can be produced by various methods. In the present invention, a solid PTFE thin film formed by compressing a porous polytetrafluoroethylene film (hereinafter also referred to as a solid PTFE thin film) is preferable. Hereinafter, the production of the PTFE thin film having the full structure will be described in detail.
[0023]
The solid PTFE thin film preferably used in the present invention is produced using a porous PTFE film as a raw material. As this porous PTFE film, a conventionally known stretched or unstretched porous PTFE film is used, and a stretched porous PTFE (ePTFE) film is particularly preferable because the strength of the obtained PTFE thin film is strong.
[0024]
Here, the ePTFE film is a paste formed by mixing PTFE fine powder with a molding aid, after removing the molding aid, stretching at a high temperature and high speed, and further firing if necessary. In the case of uniaxial stretching, the nodes (folded crystals) are thin islands perpendicular to the stretching direction, and the fibrils (folded crystals are unwound by stretching) so as to connect the nodes. The linear molecular bundle drawn out in this manner is oriented in the stretching direction. And it has a fibrous structure in which spaces defined between fibrils or between fibrils and nodes become holes. In the case of biaxial stretching, the fibrils spread radially, the nodes connecting the fibrils are scattered in islands, and a spider web-like fibrous structure in which there are many spaces defined by the fibrils and the nodes. ing.
[0025]
The ePTFE film may be a uniaxially stretched ePTFE film or a biaxially stretched ePTFE film, but is preferably a biaxially stretched ePTFE film. Since the biaxially stretched ePTFE film is stretched in the biaxial direction, it is less anisotropic than the uniaxially stretched ePTFE film, and a solid PTFE thin film with high strength in both the TD and MD directions can be obtained. it can.
The ePTFE film preferably used in the present invention has a porosity of 10 to 95%, preferably 40 to 90%.
The porosity is a value obtained by calculating from the measured apparent density (ρ) according to the following equation based on the apparent density measurement of JIS K 6885 (the same applies hereinafter).
Porosity (%) = (2.2−ρ) /2.2×100 (a)
The stretching ratio in the TD direction is 100 to 1000%, preferably 150 to 800%, and the stretching ratio in the MD direction is 100 to 1000%, preferably 150 to 800%. The tensile strength ratio in the machine direction and transverse direction of the solid PTFE thin film obtained by this ePTFE film can be adjusted by the draw ratio in the TD direction and MD direction of the ePTFE film. For example, in a solid PTFE thin film produced using an ePTFE film produced under the conditions of a stretching ratio in the TD direction of 400% and a stretching ratio in the MD direction of 200% as a raw material film, the direction corresponding to the TD direction of the ePTFE film The tensile strength of is about twice the tensile strength in the direction corresponding to the MD direction of the raw material film.
[0026]
In order to produce a solid PTFE thin film from the ePTFE film, first, in the first compression step, the ePTFE film is compressed (pressed) at a temperature lower than its melting point to obtain a rolled film. In this case, the compression temperature is not particularly limited as long as it is lower than the melting point of PTFE, but it is usually 1 ° C. or higher, preferably 100 ° C. or lower. When the compression temperature exceeds the melting point, the shrinkage of the solid film increases. The compression condition is such that the porosity of the obtained film is 50% or less, preferably 20% or less, more preferably 10% or less. The compression force is usually 0.5 to 60 N / mm in surface pressure. 2 , Preferably 1-50 N / mm 2 It is. The compression device is not particularly limited as long as it is a device capable of compressing a film, but a device of a type that compresses between rolls or between belts, such as a calender roll device and a belt press device, is preferably used. If a calender roll device or a belt press device is used, when the film is sandwiched between rolls or between belts, the air contained in the ePTFE film and the air present between the layers of the ePTFE film are easily pushed out of the ePTFE film. Therefore, a solid PTFE thin film free from voids and wrinkles can be obtained with a specific gravity of 2.1 or more (value measured with a true hydrometer; the same applies hereinafter).
The thickness of the ePTFE film is appropriately determined depending on the desired thickness of the solid PTFE thin film and the porosity of the ePTFE film, but is usually 2 to 300 μm, preferably 3 to 150 μm.
The thickness is a value measured using a techno lock, 1/1000 mm dial thickness gauge, with no load other than the main body spring load applied (hereinafter the same).
[0027]
Next, the rolled film obtained in the first compression step is compressed (pressurized) at a temperature equal to or higher than the melting point of PTFE in the second compression step. In this case, the compression temperature is not particularly limited as long as it is a temperature equal to or higher than the melting point of PTFE, but is usually 1-100 ° C., preferably 20-80 ° C. higher than the melting point. By heating the ePTFE film above the melting point, the smoothness of the solid PTFE thin film surface can be enhanced. The compression temperature is preferably lowered to a temperature lower than the melting point when the pressure is released. When the pressure is released at a temperature equal to or higher than the melting point, the solid PTFE thin film shrinks more easily and wrinkles easily occur. The compression condition is such that the porosity of the obtained solid PTFE thin film is 10% or less, preferably 1% or less. The compressive force is usually 0.1 to 100 N / mm in surface pressure. 2 , Preferably 1-30 N / mm 2 Degree. The compression device is not particularly limited as long as it is a device that can compress and process the film, but it is preferable to use a hot press device or a belt press device that can apply temperature and pressure for a certain period of time.
A solid PTFE thin film can be produced in one pass if the device is capable of cooling to a temperature below the melting point of PTFE while maintaining the pressure after applying a temperature above the melting point of PTFE while compressing the ePTFE film. Can do. According to this method, even if a temperature higher than the melting point of PTFE is applied to the ePTFE film from the start of compression, it is cooled to a temperature lower than the melting point of PTFE before the pressure applied to the ePTFE film is released. The shrinkage hardly occurs in the solid PTFE thin film.
For example, if a belt press apparatus is used, a solid PTFE thin film with small shrinkage is obtained by applying a temperature equal to or higher than the melting point of PTFE while the ePTFE film is compressed between the belts and then cooling to a temperature lower than the melting point. be able to. Moreover, this method is preferable because a solid PTFE thin film can be continuously produced.
[0028]
The surface roughness (Ra) (value measured according to JIS B0601; the same shall apply hereinafter) of the solid PTFE thin film obtained as described above is 0.1 μm or less, preferably 0.05 μm or less. This PTFE membrane is excellent in tensile strength (value measured according to JIS K 7127; test piece is No. 2 test piece, test speed is 50 mm / min, average value of vertical and horizontal), usually 80 N / mm 2 Or more, preferably 100 N / mm 2 It has the above tensile strength. The tensile strength of PTFE thin film is 80 N / mm 2 If it is above, sufficient abrasion resistance can be obtained when the PTFE film is used as a release surface layer of a fixing belt.
Since this solid PTFE thin film has a solid structure and high surface smoothness, it has excellent light transmittance, and light transmittance for light having a wavelength of 500 nm (spectrophotometer (manufactured by Shimadzu Corporation, UV-240)). The value obtained by measuring the transmittance of visible light having a wavelength of 500 nm by the above; When the light transmittance of the PTFE thin film is 65% or more, the PTFE thin film has a high surface smoothness and a solid structure that does not contain voids, and the PTFE thin film is used as a release surface layer of a fixing belt. In addition, excellent releasability and high image quality can be obtained.
[0029]
When the first compression step is performed, the compression operation can be performed in two or more stages in order to reduce the voids of the obtained film. Further, in the second compression step, when a hot press apparatus is used, when a hot press plate is used for compression, a heat-resistant film having a smooth surface may be interposed between the hot press plate and the film for heat compression. Good. Also when using a belt press apparatus, you may heat-compress by inserting a heat-resistant film with a smooth surface between a metal belt and a film. In this case, a heat-resistant thermosetting polyimide film or the like can be used as the film. According to this method, the surface roughness (Ra) of the obtained solid PTFE thin film can be made equal to the surface roughness (Ra) of the heat-resistant film, and the surface of the hot press plate or metal belt surface. This is effective when high smoothness cannot be obtained.
[0030]
According to the above method, it is possible to easily obtain a transparent PTFE thin film having a thickness of 20 μm or less, which could not be produced by a conventionally known method (skiving method, casting method, etc.). For example, after compressing an ePTFE film having a porosity of 80% and a thickness of 40 μm with a calender roll (roll temperature 70 ° C.) to a porosity of 2% and a thickness of 12 μm, the press plate temperature is 320 to 400 ° C. and the pressure is 10 .0N / mm 2 A thin film having a porosity of 0% and a thickness of 10 μm can be obtained by pressing under conditions of a feed rate of 0.5 to 2.0 m / min and a press time of 1 to 4 min. Further, a solid PTFE thin film having a porosity of 0% and a thickness of 2 μm can be obtained by performing the same processing on an ePTFE film having a porosity of 85% and a thickness of 9 μm.
[0031]
The surface roughness (Ra) of the solid PTFE thin film obtained as described above is determined by the surface roughness (Ra) of the press plate when hot pressing is performed using the press plate in the second compression step. When the rolled film obtained in one compression step is sandwiched between heat resistant films and compressed with a hot press plate, it is mainly determined by the surface roughness (Ra) of the heat resistant film. For example, when a press plate having a mirror surface treatment with a surface roughness (Ra) of 0.1 μm or less is used during hot pressing, the surface roughness (Ra) of the obtained PTFE thin film is also 0.1 μm or less. Similarly, when a thermosetting polyimide film having a high surface smoothness (Ra is 0.01 μm) is used as a release film for sandwiching the rolled film obtained in the first compression step, it can be obtained. The surface roughness (Ra) of the PTFE thin film is also about 0.01 μm.
[0032]
In the above method, a solid PTFE thin film having high tensile strength can be obtained by using an ePTFE film having high tensile strength. For example, the tensile strength is 10 to 100 N / mm 2 By using ePTFE film of 50-200 N / mm 2 A solid PTFE thin film having a tensile strength of 10 nm can be obtained. The tensile strength of the PTFE cutting film by the conventional skiving method is usually 20-50 N / mm. 2 In addition, the tensile strength of the PTFE cast film is about 20 to 40 N / mm. 2 However, the tensile strength of the solid PTFE thin film obtained as described above is very large as compared with these conventional PTFE films.
[0033]
More specifically, the solid PTFE thin film has a porosity of 0 to 5% and a specific gravity of 2.1 or more. This film is a transparent film that is uniform in visual appearance, and white opaque portions, white streaks, and the like, which are generated when voids, pinholes, and fibril structures remain, are not observed.
This solid PTFE thin film has very high transparency and is excellent in design, but no conventional PTFE film has such high transparency.
[0034]
In order to manufacture the composite tube-like product of the present invention, a wound material (cylindrical body) is formed by first winding a heat-resistant resin film around a smooth core rod (center core) such as a SUS cylinder. To do. In the formation of this cylindrical body, the heat-resistant resin film can be wound once. In this case, both ends of the wound film are butted and joined (butt joining). This joining method is a conventionally known method such as a method using an adhesive, a method of fusing using heat, ultrasonic waves, or the like, a method of cutting an end portion of a film like a puzzle, and engaging and connecting the portions. Can be implemented.
[0035]
In forming the cylindrical body, the heat resistant resin film may be wound more than once. In this case, the wound product of the heat-resistant resin film has an overlap of the films. Therefore, it is necessary to bond and fix the overlapping portions of the films (overlap bonding). Bonding of overlapping parts of the film is performed by a method of adhering using an adhesive, a method of heat-sealing the overlapping part of the film, a method of interposing a heat-fusible film between the overlapping films, and heat-sealing. Can be implemented.
[0036]
Next, a PTFE thin film is wound around a cylindrical body of a heat-resistant resin film such as a liquid crystal polymer film formed as described above. In this case, the number of windings of the PTFE thin film is more than one. Since the PTFE thin film used in the present invention is thin and butt joining is difficult, for example, even when the number of windings is small, the number of windings is set to 1.05 times, for example, a width of 0.1 mm or more, preferably a width of 0 It is desirable to form an overlapping portion of 5 mm or more and join by overlapping joining. Bonding of overlapping parts of the film is performed by a method of adhering using an adhesive, a method of heat-sealing the overlapping part of the film, a method of interposing a heat-fusible film between the overlapping films, and heat-sealing. Can be implemented.
In this way, the composite tubular product of the present invention can be obtained.
[0037]
As a preferable method for forming the tubular product of the present invention, a heat-sealable film is laminated on the surface of a heat-resistant resin film to form an adhesive layer, and this polymerized film (laminated film) is used as a core rod. Around the wound product, a PTFE thin film is wound and laminated several times around the wound product, so that the heat-fusible film becomes the outer surface. The wound product is heated to the melting temperature of the PTFE thin film. With this heating, the PTFE thin film is fused, the heat-resistant resin film is fused with the heat-fusible film, and the surface of the roll of the heat-resistant resin film is bonded with the PTFE thin film. As a result, the tube-like product is formed as a whole.
[0038]
As the heat-fusible film used for forming the tubular material, a thermoplastic resin film having a melting temperature (fusing temperature) of 150 to 450 ° C., preferably 250 to 400 ° C. is used. Such heat-meltable films include PFA (tetrafluoroethylene-perfluoroalkyl vinyl ether copolymer) film, FEP (tetrafluoroethylene-hexafluoropropylene copolymer) film, ETFE (ethylene-tetrafluoroethylene copolymer). Coalescence) film, polyethylene terephthalate film, and the like. Among them, the use of a PFA film and an FEP film is particularly preferable because heat fusion is easy and heat resistance is excellent. The thickness of the heat-fusible film is 2 to 50 μm, preferably 5 to 12.5 μm. If the thickness is less than 2 μm, it is difficult to handle the film, and if it exceeds 50 μm, there is a problem that heat loss increases and the level difference at the film bonding portion increases. Even when the heat-fusible film is wound on the surface of the heat-resistant resin film and wound to form a cylindrical base material layer, the thickness (maximum thickness) of the cylindrical base material layer is 20 to 300 μm as described above. Preferably it is 30-150 micrometers.
[0039]
In order to improve the adhesiveness of the heat resistant resin film and the PTFE thin film, it is preferable that the adhesive surface is subjected to an adhesive improvement surface treatment such as corona treatment, plasma treatment, or excimer laser treatment.
In order to facilitate the extraction of the core rod from the wound product after heating, it is preferable to wind a thin thermosetting polyimide film or the like on the surface of the core rod in advance.
[0040]
The method of winding the heat-resistant resin film and the PTFE thin film on the core rod is not particularly limited as long as the film can be wound in a tube shape, and for example, a method of winding in a wound shape or a band-shaped film Can be spirally wound.
[0041]
FIG. 1 shows an explanatory diagram of a method for winding a belt-like heat-resistant resin film or a belt-like PTFE thin film (hereinafter also simply referred to as a resin film) in a spiral shape.
In FIG. 1, 1 is a belt-shaped resin film, 2 is a cored bar (core bar), 3 is a winding equivalent length to the cored bar, and the value obtained by grading the length with the outer diameter of the cored bar is It becomes the number of windings.
As shown in FIG. 1, in a state where the belt-shaped resin film 1 is inclined with respect to the
[0042]
When producing a tubular product by winding and laminating a resin film as described above, the outer surface of the obtained tubular product has an end portion of the PTFE thin film forming the outermost layer. A level difference corresponding to the thickness of the PTFE thin film occurs at the portion. Moreover, if the positions of the winding start end portion (tip portion) and the winding end end portion (termination portion) of the PTFE thin film are not completely overlapped with each other, a difference in film thickness occurs between the film end portions. For example, when the PTFE thin film is wound with the number of turns of [n to n + 1], the tube thickness is a region corresponding to n layers (between the positions of the end portions of the outermost layer film forming the outer surface of the tube-like object). A thin portion) and a region for n + 1 layers (thick portion) are formed. Similarly, even in a heat resistant resin film, a difference in film thickness occurs at the film edge. This difference in thickness of the film can be eliminated if the positions of the front end and the end can be perfectly matched, but in actual production, the position difference between the front end and the end occurs due to variation, resulting in a thickness difference.
[0043]
According to the study by the present inventors, when the step and the thickness difference are large, when the obtained tube-like material is used as a fixing belt, the step at the end of the PTFE thin film during the fixing process in an actual electrophotographic apparatus. Causes line marks in the printed image, and the difference in thickness between the thin and thick parts due to the difference in the thickness of the tube (thickness of the thick part (maximum thickness) -thickness of the thin part (minimum thickness)). It has been found that the difference in surface temperature becomes large, resulting in a color difference or gloss difference (image unevenness) that can be visually confirmed in a printed image.
[0044]
In order to reduce the occurrence of this line trace, it is effective to wind the belt-like PTFE thin film spirally as described above and to reduce the thickness of the PTFE thin film. When the thickness of the PTFE thin film is more than 20 μm, the line mark is easily noticeable in the printed image. However, when the thickness is less than 15 μm, particularly 10 μm or less, the line mark becomes considerably inconspicuous. Then it becomes almost impossible to confirm. When the film thickness is reduced, the life of the fixing material can be ensured by increasing the number of windings and increasing the tube thickness. For example, a PTFE thin film with a thickness of 6 μm and a number of turns of 3.5 (tube thickness of about 18-24 μm) and a PTFE thin film with a thickness of 1.7 μm and a number of turns of 12.5 (thickness of about 20.4-22. 1 μm) has almost the same durability. A smaller number of windings of the PTFE thin film is advantageous in terms of manufacturing cost.
For example, in the case of a solid PTFE thin film produced by hot pressing an ePTFE film, the thickness can be produced from 1 to 500 μm, and the number of windings can be up to about 100 times. For this reason, the tube-shaped object of the present invention can have a specification in which the thickness and the number of windings of the PTFE thin film are arbitrarily combined.
[0045]
The thickness of the PTFE thin film of the present invention is 0.1 to 20 μm, preferably 1 to 10 μm, more preferably 1.5 to 6 μm. If the thickness is less than 0.1 μm, it is difficult to handle the PTFE thin film at the time of manufacture. If the thickness exceeds 20 μm, the line trace caused by the step at the end of the film is easily noticeable as described above. Further, the number of windings of the PTFE thin film is not particularly limited as long as it is more than one that can be overlap-bonded as described above, but is preferably 2 to 50 times, more preferably 3 to 30 times. If it is less than two times, it is necessary to increase the thickness of the PTFE thin film in order to ensure sufficient strength as the release surface layer, and as a result, the line trace due to the step at the end of the film becomes conspicuous. If the number of windings exceeds 50, there is a problem that the manufacturing cost increases. The thickness (maximum thickness) of the release surface layer formed by winding the PTFE thin film is 2 to 50 μm, preferably 3 to 20 μm, more preferably 4 to 15 μm. If it is less than 2 μm, sufficient wear resistance cannot be obtained, and if it exceeds 50 μm, the amount of heat absorbed by the fixing belt increases.
[0046]
In order to reduce image unevenness due to the difference in thickness of the tube-like object, the difference in thickness of the tube-like object may be made as small as possible. For that purpose, it is effective to make the heat-resistant resin film, the heat-fusible film, and the PTFE thin film constituting the tube-like material as thin as possible and to increase the number of windings.
The thickness of the tube-like material according to the present invention may be appropriately determined according to required characteristics such as wear resistance and heat capacity required depending on conditions such as speed and nip pressure of the fixing device when used for a fixing belt. The thickness (maximum thickness) of the thick part is 21 to 350 μm, preferably 30 to 150 μm, more preferably 50 to 100 μm. If the maximum thickness is less than 21 μm, sufficient strength cannot be obtained, and handling during manufacture is difficult. If the maximum thickness exceeds 350 μm, the flexibility is impaired and it becomes difficult to follow the irregularities on the surface of the recording paper. The heat loss increases.
[0047]
The surface roughness (Ra) of the release surface layer of the tube-like material (value measured according to JIS B 0601 (measured by opening the tube); the same shall apply hereinafter) is 0.5 μm or less, preferably 0.3 μm or less. Preferably it is 0.2 micrometer or less. When Ra is 0.5 μm or more, the releasability of the toner is not sufficient, and the toner is pressed to cause unevenness, so that the image quality is deteriorated. In addition, if voids (bubbles) remain in the release surface layer, temperature unevenness occurs on the surface of the tube-like object, so that the image quality deteriorates. For this reason, the release surface layer used for the fixing belt preferably has a solid structure with high surface smoothness and no voids. As a result, a release surface layer with excellent light transmittance is desired.
[0048]
When the solid PTFE thin film produced by hot pressing the ePTFE film is used as the release surface layer of the tube-shaped material according to the present invention, the obtained release surface layer has high tensile strength and wear resistance. It will be excellent. Moreover, since this solid PTFE thin film has a solid structure and high surface smoothness, it has excellent light transmittance, and its light transmittance with respect to light having a wavelength of 500 nm is as high as 65 to 95%. If the light transmittance is less than 65%, the solid PTFE thin film may contain voids, and the presence of these voids causes uneven heat conduction during image fixing, which causes uneven melting of the toner. Further, if the light transmittance is less than 65%, Ra on the surface of the release layer exceeds 0.5 μm due to voids and surface wrinkles, so that the releasability of the toner becomes insufficient and As a result, the image quality deteriorates.
[0049]
The tube-like material of the present invention is preferably applied as a fixing belt as described above. However, the tube-like material is not necessarily limited to such a use, and various other uses such as a hose, a liquid transport pipe, and a tube shape. It can be applied to a mold release material, various conveying belts, and the like. When the tube-like material of the present invention is applied to uses other than the fixing belt, the thickness is not particularly limited, and an appropriate thickness is adopted depending on the use.
When the tubular product of the present invention is used as a fixing belt, the inner diameter is usually about 20 to 100 mm.
[0050]
The attachment direction of the tube-like object (fixing belt) according to the present invention with respect to the rotation direction of the heat fixing roll is the direction of entering the nip part from the thick part to the thin part of the release surface layer and the thin part to the thick part. There are two types of directions to enter the nip part in the order of. Line traces that occur in the printed image, or image unevenness corresponding to the thin part and thick part of the fixing belt, occur at almost the same level in both directions, but because of the advantage for turning over the release surface layer, The direction of entering the nip in the order from the thick part to the thin part of the release surface layer is preferred.
[0051]
By using the tubular product of the present invention as a fixing belt, it is possible to obtain an image fixing device having excellent durability, high quality fixed images, and short start-up time.
[0052]
【Example】
Next, the present invention will be described in further detail with reference to examples.
[0053]
Reference example 1
ePTFE membrane (manufactured by Japan Gore-Tex, porosity 80%, thickness 100 μm) with a calender roll device at a roll temperature of 70 ° C. and a linear pressure of 8 N / mm 2 The film was compressed at a feed rate of 6.0 m / min to obtain a cloudy white film having a porosity of 5% and a thickness of 14 μm. The obtained cloudy color film was sandwiched between two thermosetting polyimide films (Ube Industries, Upilex 20S), and the hot plate was pressed with a press plate temperature of 400 ° C. and a surface pressure of 10 N / mm. 2 And press for 5 minutes to cool the press plate temperature to 100 ° C., and then release the press pressure to obtain a solid PTFE thin film with high porosity and porosity of 0%, thickness of 12 μm and high gloss. .
[0054]
Reference example 2
An ePTFE membrane (manufactured by Japan Gore-Tex, porosity 80%, thickness 100 μm) is sandwiched between two thermosetting polyimide films (Ube Industries, Upilex 20S), and a roll at the compression start point with a double belt press device Temperature 395 ° C, roll temperature 100 ° C at the compression release point, linear pressure 6N / mm 2 Compressed at a feed rate of 1 m / min, a solid PTFE thin film having a high transparency and a high glossiness with a porosity of 0% and a thickness of 12 μm was obtained.
[0055]
Reference example 3
Using an ePTFE membrane (manufactured by Japan Gore-Tex, porosity 80%, thickness 30 μm) in the same manner as in Reference Example 1, the porosity is 0%,
[0056]
When the specific gravity of the transparent and highly glossy solid PTFE thin film obtained in Reference Examples 1 to 3 was measured with a true specific gravity meter (manufactured by Yuasa Ionics, ULTRAPYCNOMETER 1000), the specific gravity of each film was 2.2, which was completely It was confirmed that it was enriched.
When the surface roughness (Ra) of the transparent and high gloss solid PTFE thin films obtained in Reference Examples 1 to 3 was measured, the Ra was 0.05 μm or less.
[0057]
Example 1
Corona treatment (100 W / m on both sides of a liquid crystal polymer film (Japan Gore-Tex, BIAC, thickness 25 μm) 2 Min, 0.5 m / min), and a 12.5 μm-thick FEP film (NF-0012 manufactured by Daikin Industries, Ltd.) subjected to the same double-sided corona treatment. This laminated film is cut into a size of 180 mm in width and 450 mm in length, and is wrapped with a thin thermosetting polyimide film of 30 mm in diameter (UPILEX 7.5SN manufactured by Ube Industries) so that air is not trapped. The core is wound 2.2 times so that the angle of the long side of the laminated film to the iron core is 30 degrees. At this time, the liquid crystal polymer film faces the iron core side. Then, the solid PTFE thin film having a width of 370 mm, a length of 470 mm, and a thickness of 2 μm obtained in Reference Example 3 is wound into a wound shape five times. In addition, corona treatment (100W / m 2 -Min, 0.5 m / min) is applied. Subsequently, the wound material having the iron core is put in a heating furnace, gradually heated from room temperature to 350 ° C., and held at 350 ° C. for 20 minutes. Then, gradually cool to room temperature, and finally remove the wound material from the iron core, cut off the portion where the solid PTFE thin film on both ends protruded from the base material layer, and obtain a tube-shaped material having a maximum thickness of 120 μm, an inner diameter of 30 mm, and a width of 350 mm. Obtained.
[0058]
Example 2
A tubular product having a maximum thickness of 120 μm, an inner diameter of 30 mm, and a width of 350 mm was obtained in the same manner except that a thermosetting polyimide film (Ube Industries, Upilex 25S, thickness of 25 μm) was used instead of the liquid crystal polymer film.
[0059]
Comparative Example 1
A maximum thickness of 160 μm, an inner diameter of 30 mm, and a width of 350 mm was used in the same manner as in Example 1 except that a PTFE raw film having a thickness of 25 μm was used as the surface layer instead of the solid PTFE thin film and the number of windings of the raw film was 1.5. A tube was obtained.
[0060]
Reference example 4
About each tube-like thing obtained in Examples 1-2 and Comparative Example 1, the thickness of the both ends vicinity of the tube-like thing is measured with a dial gauge, and the difference (thickness nonuniformity) of the thickness in right and left is calculated | required.
As a result, in the case of the tubular materials of Examples 1 and 2, the thickness unevenness was 2 μm, but the thickness unevenness of the tubular material of Comparative Example 1 was 5 μm.
[0061]
Example 3
The tube-like material obtained in Examples 1 and 2 was mounted as a fixing belt of an electrophotographic printer (Docprint C2220 manufactured by Fuji Xerox) to obtain an image fixing device. This apparatus is evaluated for passing a maximum of 150K sheets, and after passing, the state of the surface layer of the fixing belt is visually observed. Before and after the evaluation, a red solid image is output with OHP and the image is visually confirmed. Further, the surface roughness of the inner surface of the fixing belt is measured before and after the evaluation, and the change (ΔRa) before and after the evaluation is calculated (the larger the ΔRa, the lower the wear resistance of the cylindrical base material layer and the deterioration of the fixing belt). Means that is in progress). The surface roughness measurement (JIS B0601, evaluation length 12.5 mm) was carried out with a Mitutoyo surface roughness meter (Surf Test SV-600).
As a result, when the fixing belts of Examples 1 and 2 were used, both the initial image and the image after 150K sheets had passed were free of line traces and image unevenness, and had high quality, which was problematic. In addition, the surface layer was not torn even when 150 k sheets were passed.
The change ΔRa in the surface roughness of the inner surface of the fixing belt before and after the evaluation was 0.15 μm in the case of the tubular product of Example 1, and 0.30 μm in the case of the tubular product of Example 2. . The value of ΔRa is at a level where there is no practical problem. From this result, the tube-shaped product using the liquid crystal polymer film for the cylindrical base layer is more thermosetting polyimide film for the cylindrical base layer. It can be seen that the wear resistance is superior to that of the tube-shaped material using.
[0062]
Comparative Example 2
In Example 3, an experiment was performed in the same manner except that the fixing belt obtained in Comparative Example 1 was used as the fixing belt.
As a result, in the fixing belt using the tube-like material of Comparative Example 1, line marks were observed in the initial image, and the image quality was unsatisfactory. Moreover, tearing of a part of the surface layer was caused by passing 100k sheets, and exposure of the liquid crystal polymer was observed.
From the above results, in the case of the fixing belt using the tube-like material of the present invention, the thickness unevenness of the tube-like material is reduced and the durability of the fixing belt is greatly improved, and a high-quality fixed image is obtained. You can see that
[0063]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to provide a tube-like material suitable for an electrophotographic fixing member that is excellent in releasability, wear resistance, and dimensional accuracy, and that can be thinned, which has been difficult with conventional techniques. It becomes.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory view of a method of winding a resin film spirally around a cored bar.
[Explanation of symbols]
1 Band-shaped resin film
2 Core
3 winding equivalent length
Claims (19)
該円筒状基材層の上に形成され、かつ多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムを圧縮して厚みを0.1〜20μmにしたポリテトラフルオロエチレン薄膜の巻回物からなる離型表層と
から構成されたことを特徴とする複合チューブ状物。A cylindrical base material layer made of a wound product of a heat-resistant resin film;
Formed on the cylindrical base material layer, and composed of a porous polytetrafluoroethylene film composed of the winding material of polytetrafluoroethylene film was 0.1~20μm thickness by compressing the release surface A composite tube-like product characterized by being made.
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