JP4084625B2 - 注文処理装置及び画像撮影装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は注文処理装置及び画像撮影装置に係り、特に、表示手段に表示された画像を対象とする顧客の注文を処理する注文処理装置、及び、前記注文に利用可能な画像撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像コンテンツの配信形態や表示形態の多様化が急速に進み、様々な配信形態で配信された画像コンテンツが種々の表示手段に表示されて顧客に提示されるようになってきており、表示手段に表示された画像コンテンツのうちの好みの画像を指定して写真プリントの作成を注文したり、表示手段に表示された画像のうち所望の商品が存在する画像を指定して前記商品を注文したりすることを可能とする環境の実現が求められるようになってきている。そして、表示手段に表示された画像を用いて顧客が何らかの注文を行うことを可能とするためには、顧客に画像を指定させると共に、顧客によって指定された画像を識別する必要がある。
【0003】
上記の状況に鑑み、顧客がテレビ受像機に表示された映像番組を観ながらプリント対象コマを指定することで、コマ識別情報とプリント注文情報が顧客からプリント注文機を介してオンラインでプリント仕上げ業者へ送られ、プリント仕上げ業者は、放送局の画像データベースからプリント対象コマのオリジナル画像データを取得してプリントを作成するようにした画像プリントシステムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−171027号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に記載の技術は、顧客によって指定された画像を識別するために、テレビ信号の非画像領域に乗せられたコマ識別情報を利用しており、コマ識別情報を解読してプリント注文機へ出力する機能を備えたテレビ受像機が顧客側に設置されていることを前提としている。しかし、既存のテレビ受像機は上述した機能を備えていないので、上述した機能を搭載した特殊なテレビ受像機を用意する必要がある。このため、テレビ受像機に表示された映像番組の中の任意のコマを対象とするプリント注文を行うことが可能な環境を実現するために、顧客に多大な経済的負担を強いることになる、という問題があった。
【0006】
また、上記に関連する技術として、特願2000−320382号(未公知)には、画像端末から顧客が所持しているPDA(Personal Digital Assistants)等の注文機器へ注文フォーマットデータを伝送し、商品注文データを作成する技術が記載されている。しかしながら、この技術においても、注文機器と通信を行う機能、及び、注文フォーマットデータを記憶し注文時に注文機器へ伝送する機能が搭載された画像端末を用意する必要がある。
【0007】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、顧客が注文を容易に行える環境を実現できる注文処理装置及び画像撮影装置を得ることが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明に係る注文処理装置は、電子看板に表示された画像又は上映設備によって上映されている動画像が、GPS機能を備えた撮影装置を用いて顧客により撮影され、撮影された画像のオリジナル画像データを用いたプリント作成が顧客により注文される場合に、前記撮影装置と通信を行うことで、前記撮影によって生成された撮影画像データを、前記顧客からの注文における注文内容としての注文枚数、プリントサイズ、プリント受取方法を表す注文情報、及び、前記撮影装置のGPS機能によって取得された顧客による撮影場所を表す撮影場所情報と共に前記撮影装置から取得する第1取得手段と、前記第1取得手段によって取得された撮影場所情報に基づいて顧客が画像の撮影を行った電子看板又は上映設備を特定し、電子看板又は上映設備を特定した結果に基づいて、オリジナル画像データを記憶する記憶手段から、前記撮影された注文対象の画像である可能性のあるオリジナル画像データを抽出し、抽出したオリジナル画像データ及び前記撮影画像データに対して画素数、濃度レベル及びダイナミックレンジの正規化を行った上で、前記オリジナル画像データの画素毎の残差の積算値を演算して前記撮影画像データとの類似度を演算し、演算した類似度に基づいて前記撮影された注文対象の画像を識別する第1識別手段と、前記第1識別手段によって識別された注文対象のオリジナル画像データ、前記第1取得手段によって取得された注文情報を、通信回線を介して接続されたプリント作成を行うプリント仕上げ業者のコンピュータへ送信する第1送信手段と、を含んで構成されている。
【0009】
請求項1記載の発明では、電子看板に表示された画像又は上映設備によって上映されている動画像が、GPS機能を備えた撮影装置を用いて顧客により撮影され、撮影された画像のオリジナル画像データを用いたプリント作成が顧客により注文される場合に、第1取得手段により、撮影装置と通信が行われることで、撮影によって生成された撮影画像データが、顧客からの注文における注文内容としての注文枚数、プリントサイズ、プリント受取方法を表す注文情報、及び、撮影装置のGPS機能によって取得された顧客による撮影場所を表す撮影場所情報と共に撮影装置から取得される。なお、GPS機能を備えた撮影装置としては、例えばデジタルスチルカメラや撮影手段としての機能を備えた携帯電話機、PDA、ウェアラブル・コンピュータ、モバイル・コンピュータ等を適用することができる。
【0010】
また請求項1記載の発明では、第1識別手段により、第1取得手段によって取得された撮影場所情報に基づいて顧客が画像の撮影を行った電子看板又は上映設備が特定され、電子看板又は上映設備を特定した結果に基づいて、オリジナル画像データを記憶する記憶手段から、撮影された注文対象の画像である可能性のあるオリジナル画像データが抽出され、抽出されたオリジナル画像データ及び撮影画像データに対して画素数、濃度レベル及びダイナミックレンジの正規化を行った上で、前記オリジナル画像データの画素毎の残差の積算値が演算されて前記撮影画像データとの類似度が演算され、演算された類似度に基づいて撮影された注文対象の画像が識別される。
【0011】
上記のように、撮影場所情報に基づいて顧客が画像の撮影を行った電子看板又は上映設備を特定することで、記憶手段に記憶されているオリジナル画像データのうち、撮影された注文対象の画像である可能性のあるオリジナル画像データを絞り込むことができ、撮影画像データに対応するオリジナル画像データを低負荷かつ短時間で識別することが可能となる。また、オリジナル画像データ及び撮影画像データに対して画素数、濃度レベル及びダイナミックレンジの正規化を行った上で類似度を演算することで、撮影画像データにおける画素数や濃度レベル、ダイナミックレンジが一定でないことの影響を受けることなく、撮影画像データに対応するオリジナル画像データを高精度に識別することができる。
【0012】
そして請求項1記載の発明では、第1識別手段によって識別された注文対象のオリジナル画像データ、前記取得手段によって取得された注文情報が、第1送信手段により、通信回線を介して接続されたプリント作成を行うプリント仕上げ業者のコンピュータへ送信されるので、表示手段に表示された画像を対象とする顧客の注文、より詳しくは、電子看板に表示された画像又は上映設備によって上映されている動画像のうち、顧客が撮影した画像のオリジナル画像データを用いたプリント作成の注文に応えることができる。
【0013】
このように、請求項1記載の発明によれば、電子看板に表示された画像又は上映設備によって上映されている動画像のうち、顧客が所望した画像のオリジナル画像データを用いたプリント作成の注文を顧客が行う場合にも、注文対象の画像を識別するための情報を表示手段から取得することなく、注文対象の画像を撮影することで注文を行うことができるので、特殊な構成の表示手段が不要となる。従って、顧客が上記注文を容易に行える環境を実現することができる。
【0014】
請求項2記載の発明に係る注文処理装置は、電子看板に表示された画像又は上映設備によって上映されている動画像が、GPS機能を備えた撮影装置を用いて顧客により撮影され、撮影された画像における被写体としての商品が顧客により注文される場合に、前記撮影装置と通信を行うことで、前記撮影によって生成された撮影画像データを、前記顧客からの注文における注文内容としての注文個数、商品の受取方法を表す注文情報、及び、前記撮影装置のGPS機能によって取得された顧客による撮影場所を表す撮影場所情報と共に前記撮影装置から取得する第2取得手段と、前記第2取得手段によって取得された撮影場所情報に基づいて顧客が画像の撮影を行った電子看板又は上映設備を特定し、電子看板又は上映設備を特定した結果に基づいて、商品取扱業者のIDを含む商品情報が付加されたオリジナル画像データを記憶する記憶手段から、前記撮影された注文対象の画像である可能性のあるオリジナル画像データを抽出し、抽出したオリジナル画像データ及び前記撮影画像データに対して画素数、濃度レベル及びダイナミックレンジの正規化を行った上で、前記オリジナル画像データの画素毎の残差の積算値を演算して前記撮影画像データとの類似度を演算し、演算した類似度に基づいて前記撮影された注文対象の画像データを識別し、識別した注文対象の画像データに付加されている商品情報を取得し、取得した商品情報に基づいて注文対象の商品を取り扱っている商品取扱業者を認識する第2識別手段と、前記第2識別手段によって取得された商品情報、前記第2取得手段によって取得された注文情報を、通信回線を介して接続され、前記第2識別手段によって認識された商品取扱業者のコンピュータへ送信する第2送信手段と、を含んで構成されている。
【0015】
請求項2記載の発明では、電子看板に表示された画像又は上映設備によって上映されている動画像が、GPS機能を備えた撮影装置を用いて顧客により撮影され、撮影された画像における被写体としての商品が顧客により注文される場合に、第2取得手段により、撮影装置と通信が行われることで、撮影によって生成された撮影画像データが、顧客からの注文における注文内容としての注文個数、商品の受取方法を表す注文情報、及び、撮影装置のGPS機能によって取得された顧客による撮影場所を表す撮影場所情報と共に撮影装置から取得される。
【0016】
また請求項2記載の発明では、第2識別手段により、第2取得手段によって取得された撮影場所情報に基づいて顧客が画像の撮影を行った電子看板又は上映設備が特定され、電子看板又は上映設備を特定した結果に基づいて、商品取扱業者のIDを含む商品情報が付加されたオリジナル画像データを記憶する記憶手段から、撮影された注文対象の画像である可能性のあるオリジナル画像データが抽出され、抽出されたオリジナル画像データ及び撮影画像データに対して画素数、濃度レベル及びダイナミックレンジの正規化を行った上で、前記オリジナル画像データの画素毎の残差の積算値が演算されて前記撮影画像データとの類似度が演算され、演算された類似度に基づいて撮影された注文対象の画像データが識別され、識別した注文対象の画像データに付加されている商品情報が取得され、取得された商品情報に基づいて注文対象の商品を取り扱っている商品取扱業者が認識される。
上記のように、撮影場所情報に基づいて顧客が画像の撮影を行った電子看板又は上映設備を特定することで、記憶手段に記憶されているオリジナル画像データのうち、撮影された注文対象の画像である可能性のあるオリジナル画像データを絞り込むことができ、撮影画像データに対応するオリジナル画像データを低負荷かつ短時間で識別することが可能となる。また、オリジナル画像データ及び撮影画像データに対して画素数、濃度レベル及びダイナミックレンジの正規化を行った上で類似度を演算することで、撮影画像データにおける画素数や濃度レベル、ダイナミックレンジが一定でないことの影響を受けることなく、撮影画像データに対応するオリジナル画像データを高精度に識別することができ、注文対象の商品の商品情報の取得、注文対象の商品を取り扱っている商品取扱業者の認識を正確に行うことができる。
【0017】
そして請求項2記載の発明では、第2識別手段によって取得された商品情報、第2取得手段によって取得された注文情報が、第2送信手段により、通信回線を介して接続され、第2識別手段によって認識された商品取扱業者のコンピュータへ送信されるので、表示手段に表示された画像における被写体としての商品の注文、より詳しくは、電子看板に表示された画像又は上映設備によって上映されている動画像のうち、顧客が撮影した注文対象の画像における被写体としての商品の注文に応えることができる。
【0018】
このように、請求項2記載の発明によれば、電子看板に表示された画像又は上映設備によって上映されている動画像のうち、顧客が撮影した画像における被写体としての商品の注文を顧客が行う場合にも、注文対象の画像を識別するための情報を表示手段から取得することなく、注文対象の画像を撮影することで注文を行うことができるので、特殊な構成の表示手段が不要となる。従って、顧客が上記注文を容易に行える環境を実現することができる。
【0019】
請求項3記載の発明に係る注文処理装置は、電子看板に表示された画像又は上映設備によって上映されている動画像が、GPS機能を備えた撮影装置を用いて顧客により撮影され、撮影された画像に関連する商品が顧客により注文される場合に、前記撮影装置と通信を行うことで、前記撮影によって生成された撮影画像データを、前記顧客からの注文における注文内容としての注文対象の商品の種別、注文個数、商品の受取方法を表す注文情報、及び、前記撮影装置のGPS機能によって取得された顧客による撮影場所を表す撮影場所情報と共に前記撮影装置から取得する第3取得手段と、前記第3取得手段によって取得された撮影場所情報に基づいて顧客が画像の撮影を行った電子看板又は上映設備を特定し、電子看板又は上映設備を特定した結果に基づいて、商品取扱業者のIDを含む商品情報が付加されたオリジナル画像データを記憶する記憶手段から、前記撮影された注文対象の画像である可能性のあるオリジナル画像データを抽出し、抽出したオリジナル画像データ及び前記撮影画像データに対して画素数、濃度レベル及びダイナミックレンジの正規化を行った上で、前記オリジナル画像データの画素毎の残差の積算値を演算して前記撮影画像データとの類似度を演算し、演算した類似度に基づいて前記撮影された注文対象の画像データを識別し、識別した注文対象の画像データに付加されている商品情報を取得し、取得した商品情報に基づいて注文対象の商品を取り扱っている商品取扱業者を認識する第3識別手段と、前記第3識別手段によって取得された商品情報、前記第3取得手段によって取得された注文情報を、通信回線を介して接続され、前記第3識別手段によって認識された商品取扱業者のコンピュータへ送信する第3送信手段と、を含んで構成されている。
【0020】
請求項3記載の発明では、電子看板に表示された画像又は上映設備によって上映されている動画像が、GPS機能を備えた撮影装置を用いて顧客により撮影され、撮影された画像に関連する商品が顧客により注文される場合に、第3取得手段により、撮影装置と通信が行われることで、撮影によって生成された撮影画像データが、顧客からの注文における注文内容としての注文対象の商品の種別、注文個数、商品の受取方法を表す注文情報、及び、撮影装置のGPS機能によって取得された顧客による撮影場所を表す撮影場所情報と共に撮影装置から取得される。
【0021】
また請求項3記載の発明では、第3識別手段により、第3取得手段によって取得された撮影場所情報に基づいて顧客が画像の撮影を行った電子看板又は上映設備が特定され、電子看板又は上映設備を特定した結果に基づいて、商品取扱業者のIDを含む商品情報が付加されたオリジナル画像データを記憶する記憶手段から、撮影された注文対象の画像である可能性のあるオリジナル画像データが抽出され、抽出されたオリジナル画像データ及び撮影画像データに対して画素数、濃度レベル及びダイナミックレンジの正規化を行った上で、前記オリジナル画像データの画素毎の残差の積算値が演算されて前記撮影画像データとの類似度が演算され、演算された類似度に基づいて撮影された注文対象の画像データが識別され、識別した注文対象の画像データに付加されている商品情報が取得され、取得された商品情報に基づいて注文対象の商品を取り扱っている商品取扱業者が認識される。
【0022】
上記のように、撮影場所情報に基づいて顧客が画像の撮影を行った電子看板又は上映設備を特定することで、記憶手段に記憶されているオリジナル画像データのうち、撮影された注文対象の画像である可能性のあるオリジナル画像データを絞り込むことができ、撮影画像データに対応するオリジナル画像データを低負荷かつ短時間で識別することが可能となる。また、オリジナル画像データ及び撮影画像データに対して画素数、濃度レベル及びダイナミックレンジの正規化を行った上で類似度を演算することで、撮影画像データにおける画素数や濃度レベル、ダイナミックレンジが一定でないことの影響を受けることなく、撮影画像データに対応するオリジナル画像データを高精度に識別することができ、注文対象の商品の商品情報の取得、注文対象の商品を取り扱っている商品取扱業者の認識を正確に行うことができる。
【0023】
そして請求項3記載の発明では、第3識別手段によって取得された商品情報、第3取得手段によって取得された注文情報が、第3送信手段により、通信回線を介して接続され、第2識別手段によって認識された商品取扱業者のコンピュータへ送信されるので、表示手段に表示された画像における被写体としての商品の注文、より詳しくは、電子看板に表示された画像又は上映設備によって上映されている動画像のうち、顧客が撮影した注文対象の画像に関連する商品の注文に応えることができる。
【0024】
このように、請求項2記載の発明によれば、電子看板に表示された画像又は上映設備によって上映されている動画像のうち、顧客が撮影した画像に関連する商品の注文を顧客が行う場合にも、注文対象の画像を識別するための情報を表示手段から取得することなく、注文対象の画像を撮影することで注文を行うことができるので、特殊な構成の表示手段が不要となる。従って、顧客が上記注文を容易に行える環境を実現することができる。
【0025】
なお、請求項1〜請求項3の何れかに記載の発明において、例えば請求項4に記載したように、第1取得手段〜第3取得手段の何れかは、撮影装置と通信を行うことで、顧客による撮影日時を表す撮影日時情報も撮影装置から取得し、第1識別手段〜第3識別手段の何れかは、電子看板又は上映設備を特定した結果と、第1取得手段〜第3取得手段の何れかによって取得された撮影日時情報に基づいて、撮影された注文対象の画像である可能性のあるオリジナル画像データを記憶手段から抽出するように構成することが好ましい。上記のように撮影日時情報も用いることで、撮影された注文対象の画像である可能性のあるオリジナル画像データをより少数に絞り込むことができるので、撮影画像データに対応するオリジナル画像データの識別における負荷の更なる低減、処理時間の更なる短縮を実現することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。まず、実施形態の説明に先立って本発明の比較例を説明する。
【0037】
〔第1比較例〕
図1には本第1比較例に係る注文処理システム10が示されている。注文処理システム10は注文処理装置12を備えている。注文処理装置12はワークステーション等のコンピュータから成り、CPU12A、ROM12B、RAM12C、入出力ポート12Dがバス12Eを介して互いに接続され、入出力機器として、CRTやLCD等から成るディスプレイ34、マウス36、キーボード38、ハードディスク装置(HDD)40、通信制御装置(例えばモデム又はルータ)42が入出力ポート12Dに各々接続されて構成されている。
【0038】
注文処理装置12のHDD40には、注文受付処理(詳細は後述)を注文処理装置12のCPU12Aによって実行するための注文受付プログラムが予めインストールされており、CPU12Aが注文受付プログラムを実行することで、注文処理装置12を構成するコンピュータが注文処理装置として機能する。
【0039】
注文処理装置12の通信制御装置42は通信網14に接続されている。この通信網14は、携帯端末網及び公衆電話網を含んでいると共に、高速かつ大容量の専用通信網、又はインターネット等のコンピュータ・ネットワークを含んで構成されている。通信網14には、全国に多数存在するプリント仕上げ業者16が各々所有するコンピュータ(PC)18、複数のテレビ放送局22が各々所持するコンピュータ(PC)24、及び、複数の商品取扱業者28が各々所持するコンピュータ(PC)30が各々接続されている。
【0040】
プリント仕上げ業者16は、写真フィルムに記録されている画像を読み取るフィルムスキャナ、画像データが表す画像を印画紙等の記録材料に記録するプリント仕上げ処理を行うデジタルプリンタ等の機器から成るデジタルプリントシステム20を所持している。デジタルプリントシステム20はPC18に接続されており、通信網14を介してPC18が受信した画像データを用いてプリント仕上げ処理を行うことも可能とされている。
【0041】
また、複数のテレビ放送局22には各々単一又は複数のチャンネルが割り当てられており、各テレビ放送局22は、チャンネル毎に定められた放送(配信)スケジュールに従って、テレビ受像機32に映像(動画像)を表示させるための映像信号を放送(配信)している。これにより、受信側では、多数のチャンネルのうち視聴者(注文処理システム10の顧客)によって選択されたチャンネルの映像(動画像)がテレビ受像機32に表示され、注文対象の画像が顧客に提示されることになる。
【0042】
また、各テレビ放送局22は、放送した映像信号によってテレビ受像機32に表示される動画像のデータ(オリジナル画像データ)を放送日時と対応付け、PC24に接続されたHDD26に設けられた画像DBに記憶させている。また、テレビ放送局22が放送する映像の中には、商品取扱業者28が取り扱っている商品を、視聴者が例えば電話やファクシミリで注文可能に紹介している映像(例えば図4(A)に示すような画像を所定時間表示させる映像等)もある。画像DBに記憶されている動画像のデータのうち、上記のような映像に対応する動画像のデータには、個々の商品のID、個々の商品を取り扱っている商品取扱業者のID等の情報を含む商品情報も付加されている。
【0043】
また、注文処理システム10の顧客は各々携帯機器46を所持している。本比較例に係る携帯機器46は、撮影手段が搭載されると共にデータ通信を行う機能を備えた既存の携帯電話機に、所定のプログラム(後述する画像撮影プログラム)がインストールされて構成されている。
【0044】
すなわち、携帯機器46はCPU等を含んで構成された制御部48を備えており、制御部48には、LCD等から成り画像を含む各種情報を表示可能な表示部50、電源スイッチやテンキー等を含んで構成された操作部52、任意の被写体を撮影可能な撮像部54、任意の情報を記憶可能な記憶部56、無線通信部58が各々接続されている。無線通信部58には、増幅器60を介してスピーカ62が接続されていると共に、増幅器64を介してマイクロフォン66が接続されており、更にアンテナ68が接続されている。
【0045】
なお、撮像部54はCCD等の撮像素子と、被写体を撮像素子の受光面に結像させるレンズと、撮像素子から出力された信号を増幅しデジタルデータ(撮像画像データ)へ変換する信号処理部と、を含んで構成されている。また、記憶部56には、携帯機器46の所持者(顧客)のID、氏名、住所等の情報を含む顧客情報が予め記憶されている。
【0046】
無線通信部58は、制御部48の制御下で、アンテナ68を介し、携帯電話機用として予め定められた所定の周波数帯域の電磁波により、有線の公衆電話網に接続された基地局と無線通信を行う機能を有しており、通信網14を介して注文処理装置12との間で通信を行うことも可能とされている。なお、図1に破線で示すように、制御部48は決済機能を備えていても良い。決済方法は前払い(プリペイド)型でもクレジット型でも良い。これにより、顧客による注文時(詳細は後述)に決済も完了させることが可能となる。なお、個人の認証及び決済は第三者機関が提供するサービスを利用して行うことも可能である。
【0047】
次に本第1比較例の作用を説明する。本第1比較例において、注文処理システム10の顧客は、携帯機器46の撮像部54によって撮影した任意の画像のプリント作成を注文する(以下、これを「注文A」と称する)ことが可能とされている。また、注文処理システム10の顧客は、テレビ受像機32に表示された画像を携帯機器46の撮像部54によって撮影することにより、撮影した画像のオリジナル画像データを用いたプリント作成を注文したり(以下、これを「注文B」と称する)、撮影した画像(詳しくはテレビ受像機32に表示された画像)における被写体としての商品を注文する(以下、これを「注文C」と称する)ことも可能とされている。
【0048】
以下では、まず顧客が携帯機器46の撮像部54によって任意の被写体を撮影する際に、携帯機器46の記憶部56にインストールされている画像撮影プログラムが制御部48(のCPU)によって実行されることで実現される画像撮影処理について、図2にフローチャートを参照して説明する。なお、画像撮影プログラムは、携帯機器46の製造時に予め記憶部56にインストールしておくようにしてもよいし、所定のタイミングで(例えば顧客が注文処理システム10の利用を事前に申し込んだ際に)通信網14内の所定のサーバ又は注文処理装置12からダウンロードされて記憶部56にインストールされるようにしてもよい。
【0049】
ステップ100では、例として図3(A)に示すような処理選択画面を表示部50に表示させる。処理選択画面は、これから撮影を行う画像に対する処理を顧客が予め選択するための画面であり、図3(A)の例では、撮影画像に対する処理として、顧客が任意のシーンを撮影することで得られた撮影画像データを携帯機器46の記憶部56に保存させる第1の処理、顧客が任意のシーンを撮影することで得られた撮影画像データを用いたプリント作成を注文する第2の処理(注文A)、テレビ受像機32に表示された画像を顧客が撮影することで得られた撮影画像データに基づいて前記画像のオリジナル画像データを用いたプリント作成を注文する第3の処理(注文B)、及び、テレビ受像機32に表示された画像を顧客が撮影することで得られた撮影画像データに基づいて前記画像における被写体としての商品を注文する第4の処理(注文C)が選択肢として各々表示されている。
【0050】
次のステップ102では、処理選択画面に示されている複数の選択肢の何れかが選択されたか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。表示部50に表示された処理選択画面を確認した顧客が操作部52を操作し、複数の選択肢のうちの何れかを選択すると、ステップ102の判定が肯定されてステップ104へ移行し、操作部52に設けられた多数のキーのうち、撮影時にはシャッタとして機能するキー(以下、単にシャッタという)がオンされたか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。
【0051】
なお、撮影画像に対する処理として第1の処理又は第2の処理を選択した場合、顧客は任意のシーンを被写体としてシャッタをオンすることで撮影を行うが、撮影画像に対する処理として第3の処理(注文B)又は第4の処理(注文C)を選択した場合には、図3(A)に示す処理選択画面でもメッセージを表示することで顧客に通知しているように、顧客は、写真プリントを入手したいと感じた画像、或いは入手したいと感じた商品を被写体とする画像がテレビ受像機32に表示されている状態で、テレビ受像機32の表示画面の全面が撮像部54による撮像範囲内に入るように、携帯機器46の向き及びテレビ受像機32の表示面との距離を調節した後にシャッタをオンすることで撮影を行う。なお、撮像部54のレンズがズームレンズであれば、距離を調節することに代えてズーム倍率を調節すればよい。
【0052】
シャッタがオンされるとステップ104の判定が肯定されてステップ106へ移行し、撮像部54から出力された撮影画像データを記憶部56に記憶(保存)させる。次のステップ108では、顧客によって選択された撮像画像に対する処理が注文B又は注文Cか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ112へ移行するが、判定が肯定された場合は、ステップ110において、制御部48が内蔵している計時機能(カレンダ機能及び時計機能)を利用して現在の日時(撮影日時)を表す撮影日時情報を取得し、取得した撮影日時情報を記憶部56に一時記憶させた後にステップ112へ移行する。
【0053】
次のステップ112では、ステップ106で記憶部56に記憶した撮影画像データが表す画像を表示部50に表示させると共に、撮影画像が適切か(撮影のやり直しが不要か)否かを顧客に問い合わせるメッセージを表示部50に表示させる。ステップ114では、前記メッセージを確認した顧客によって操作部52を介して入力された情報に基づいて撮影画像がOKか否か判定する。判定が否定された場合には、ステップ106で記憶した撮影画像データ(及びステップ110で取得した撮影日時情報)を破棄した後にステップ104に戻り、ステップ104以降を繰り返す。これにより、前述の撮影が再度行われることになる。
【0054】
ステップ114の判定が肯定された場合にはステップ116へ移行し、顧客によって選択された撮像画像に対する処理が注文B又は注文Cか否か判定する。判定が否定された場合はステップ122へ移行するが、判定が肯定された場合にはステップ118へ移行し、例として図3(B)に示すような注意喚起画面を表示部50に表示させる。
【0055】
前述のように、注文B及び注文Cではテレビ受像機32の表示画面の全面が撮像部54による撮像範囲内に入るように撮影を行うため、このときの撮影画像には注文対象となり得る画像(注文対象の候補画像)が複数存在している可能性もある。そして、注文対象の候補画像が複数存在している場合、注文対象の画像を判断することは困難である(一例として、商品A〜商品Dの画像が存在している図4(A)の画像を参照)。このため、注意喚起画面では、例として図3(B)に示すように、撮影した画像内に注文対象の画像以外の画像も存在している場合に、注文対象の画像のみの再撮影を顧客に促すメッセージが表示される。
【0056】
次のステップ120では、操作部52を介して顧客が入力した情報に基づき、注文対象の画像のみの再撮影が必要か否か判定する。判定が否定された場合にはステップ122へ移行するが、判定が肯定された場合にはステップ104に戻り、ステップ104以降を繰り返す。これにより、顧客は、テレビ受像機32に表示されている複数の画像のうち注文対象の画像のみが撮像部54による撮像範囲内に入り、テレビ受像機32に表示されているその他の画像が撮像範囲から外れるように、携帯機器46の向き及びテレビ受像機32の表示面との距離を調節した後にシャッタをオンすることで、注文対象の画像のみ再撮影を行う。
【0057】
一例として、最初の撮影によって得られた撮影画像データが表す画像が、図4(A)に示すような画像であり、顧客が商品Dの注文(注文C)を所望している場合、上記の再撮影により図4(B)に示すような画像が撮影され、この画像のデータも記憶部56に記憶されることになる。
【0058】
次のステップ122では、顧客によって選択された撮像画像に対する処理が第1の処理(記憶部56への撮影画像データの保存のみ)か否か判定する。判定が肯定された場合には、既に先のステップ106で撮影画像データの保存が完了しているので、何ら処理を行うことなく画像撮影処理を終了する。
【0059】
一方、ステップ122の判定が否定された場合(選択された処理が第2の処理(注文A)〜第4の処理(注文C)の何れかの場合)にはステップ124へ移行し、記憶部56から顧客情報を読み出す。ステップ126では、顧客によって選択された撮像画像に対する処理が第4の処理(注文C)か否か判定する。判定が否定された場合にはステップ128へ移行し、例として図3(C)に示すようなプリント注文画面を表示部50に表示する。
【0060】
プリント注文画面は、注文A又は注文B(プリント注文)の内容を顧客が設定するための画面であり、図3(C)の例では、作成すべき写真プリントの枚数を規定する「注文枚数」、作成すべき写真プリントのサイズを規定する「プリントサイズ」、作成された写真プリントの受取り方法を規定する「プリント受取方法」の各項目について選択肢が複数表示されており、顧客が各項目について所望の選択肢を選択することで、プリント注文の内容を設定することができる。ステップ130では顧客による入力設定が完了したか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。顧客によるプリント注文内容の入力設定が完了すると、ステップ130の判定が肯定されてステップ136へ移行する。
【0061】
一方、ステップ126の判定が肯定されるとステップ132へ移行し、例として図3(D)に示すような商品注文画面を表示部50に表示する。商品注文画面は注文C(商品注文)の内容を顧客が設定するための画面であり、図3(D)の例では、配送すべき商品の個数を規定する「注文個数」、商品の配送先(商品の受取方法)を規定する「商品受取方法」の各項目について選択肢が複数表示されており、顧客が各項目について所望の選択肢を選択することで商品注文の内容を設定することができる。ステップ134では顧客による入力設定が完了したか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。顧客による商品注文内容の入力設定が完了すると、ステップ134の判定が肯定されてステップ136へ移行する。
【0062】
そしてステップ136では、ステップ128又はステップ132で顧客によって設定された注文内容を表す情報に注文種別情報(注文A〜注文Cのうちの何れに相当するかを表す情報)を付加(これらを注文情報と総称する)した後に、ステップ106で記憶部56に記憶された撮影画像データ、記憶部56に予め記憶されている顧客情報を読み出し(なお、注文種別が注文B又は注文Cの場合は、ステップ110で取得した撮影日時情報も記憶部56から同時に読み出す)、撮影画像データ、顧客情報、注文情報(及び撮影日時情報)を通信網14を介して注文処理装置12へ送信し、画像撮影処理を終了する。
【0063】
なお、撮影が複数回行われた場合には、ステップ136において、各回の撮影で得られた撮影画像データが全て読み出され、注文処理装置12へ各々送信される。また、送信に要する時間を短縮するため、特にデータ量の大きい撮影画像データについては、圧縮後に送信することが望ましい。上記処理により、注文処理装置12に対して注文A又は注文B又は注文Cのうちの何れかの注文が為されることになる。
【0064】
続いて、携帯機器46(顧客)から情報(詳しくは撮影画像データ、顧客情報、注文情報(及び撮影日時情報))を受信すると注文処理装置12で実行される注文受付処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0065】
ステップ150では顧客から受信した注文情報に含まれる注文種別情報を参照し、顧客からの注文の種別が注文Aか否か判定する。判定が肯定された場合にはステップ152へ移行する。そして、顧客から受信した注文情報に含まれる「プリント受取方法」や、顧客から受信した顧客情報に含まれる顧客の住所等に基づいて、多数のプリント仕上げ業者16の中から今回のプリント注文の発注に最適なプリント仕上げ業者16を選定し、顧客から受信した撮影画像データ、顧客情報及び注文情報を、選定したプリント仕上げ業者16のPC18へ通信網14を介して送信することで、顧客からのプリント注文(注文A)を発注する。
【0066】
通信網14を介してPC18により上記の情報を受信したプリント仕上げ業者16は、受信した撮影画像データを用いて、受信した注文情報のうちの「プリントサイズ」で規定されたサイズの写真プリントを、受信した注文情報のうちの「プリント枚数」で規定された枚数だけ作成し、写真プリントが「プリント受取方法」で規定された受取方法で顧客に受け取られるように、作成した写真プリントを所定の宛先へ配送する。これにより、顧客は、自身が撮影した画像の写真プリントを、指定した注文内容に合致する条件(サイズ・枚数・受取方法)で受け取ることができる。
【0067】
一方、顧客からの注文の種別が注文B又は注文Cの場合には、ステップ150の判定が否定されてステップ154へ移行し、顧客から受信した撮影日時情報に基づいて、注文処理装置12のHDD40に設けられている画像DB内に、顧客からの注文対象の画像である可能性のある画像が存在しているかを否かを判定する。本比較例において、注文処理装置12のHDD40の画像DBには、注文B又は注文Cの注文対象となる可能性のある画像が全て記憶されていてもよいし、一部が記憶されていてもよい。
【0068】
すなわち、テレビ放送局22のHDD26の画像DBに記憶されている動画像のデータ(オリジナル画像データ)及びその放送日時を、通信網14経由でPC24からダウンロードして(商品情報が付加されているデータについては商品情報も同時にダウンロードされる)HDD40の画像DBに記憶させることを、全てのテレビ放送局22に対して定期的に行うように注文処理装置12を構成した場合、注文処理装置12のHDD40の画像DBには、注文B又は注文Cの注文対象となる可能性のある画像のデータが全て記憶されることになる。なお、この態様においては、先のステップ154の判定は無条件で肯定されることになる。
【0069】
本比較例では、テレビ受像機32に表示された画像を撮影すると、直ちに注文処理装置12に対して注文B又は注文Cの注文が為されるので、画像DBには放送してから比較的短期間(例えば数時間〜1日程度)だけデータを保存しておくのみで顧客からの注文に応えることができる。従って、上記態様のように全てのテレビ放送局22からデータを収集して注文処理装置12のHDD40の画像DBに記憶させる場合にも、該画像DBを記憶するために膨大な記憶容量のHDD40が必要となることはない。
【0070】
また、各テレビ放送局22が放送した映像(動画像)のうち、注文B又は注文Cの注文対象となる可能性の高い時間帯(例えば視聴率が比較的高い時間帯や、注文Cの対象となる商品販売の映像を放送している時間帯等)に放送された映像(動画像)のデータ及びその放送日時のみを(商品情報が付加されているデータについては商品情報も)全てのテレビ放送局22から収集してHDD40の画像DBに記憶させるように注文処理装置12を構成した場合、注文処理装置12のHDD40の画像DBには、注文B又は注文Cの注文対象となる可能性のある画像のうちの一部の画像のデータが記憶されることになる。
【0071】
なお、本発明は注文処理装置12のHDD40に画像DBを設けることに限定されるものではなく、注文B又は注文Cの注文対象となる可能性のある画像のデータを、注文処理装置12のHDD40に全く記憶させなくてもよいことは言うまでもない。
【0072】
ステップ154の判定が肯定された場合はステップ158へ移行し、携帯機器46の計時機能(詳しくは時計機能)が認識している時刻と実際の時刻にずれが生じている可能性も考慮し、注文処理装置12のHDD40の画像DBから、顧客から受信した撮影日時情報が表す撮影日時及びその前後の時間帯(例えば前後数秒〜前後数十秒程度)に各テレビ放送局22から放送(配信)された画像のデータを抽出し、RAM12C又はHDD40の記憶領域内に設けた所定のワーク領域に記憶させ、ステップ168へ移行する。
【0073】
一方、ステップ154の判定が否定された場合はステップ160へ移行し、特定のテレビ放送局22のPC24に対し、顧客から受信した撮影日時情報を通信網14を介して送信し、送信した撮影日時情報が表す撮影日時及びその前後の時間帯に当該テレビ放送局22から放送(配信)された画像のデータを転送するよう要請する。次のステップ162ではデータの転送を要請したテレビ放送局22から画像データを受信したか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。
【0074】
画像データの転送を要請されると、特定テレビ放送局22のPC24は、注文処理装置12から受信した撮影日時情報が表す撮影日時及びその前後の時間帯に自テレビ放送局22から放送(配信)された画像のデータをHDD26の画像DBから抽出し、抽出した画像データを通信網14を介して注文処理装置12へ送信する。この画像データが注文処理装置12で受信されると、先のステップ162の判定が肯定されてステップ164へ移行し、特定のテレビ放送局22のPC24から受信した画像データをRAM12C又はHDD40のワーク領域に記憶させる。
【0075】
次のステップ166では、全てのテレビ放送局22より画像データを受信したか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ160に戻り、ステップ166の判定が肯定される迄ステップ160〜ステップ166を繰り返す。これにより、全てのテレビ放送局22から放送された映像(動画像)のうち、顧客から受信した撮影日時情報が表す撮影日時及びその前後の時間帯に放送された画像(顧客が視聴していたテレビ受像機32に表示されていた可能性のある画像)のデータが各々収集・記憶されることになる。
【0076】
ステップ168では、RAM12C又はHDD40のワーク領域に記憶した全ての画像データについて、顧客から受信した撮影画像データとのパターンマッチングを行って類似度を各々演算し、撮影画像データとの類似度が最大の画像データを抽出する。なお、顧客から複数の撮影画像データを受信した場合は、1回目の撮影によって得られた撮影画像データ、すなわちテレビ受像機32の表示画面の全面が撮像範囲内に入るように撮影されることで得られた撮影画像データを用いて類似度の演算を行う。
【0077】
類似度の演算は、例えば以下のようにして行うことができる。すなわち、まず類似度演算対象の一対の画像(撮影画像データが表す画像と、ワーク領域に記憶した各画像データのうちの何れか1つの画像データが表す画像:以下、画像A,画像Bと称する)に対し、画素の間引きや解像度変換により縦方向及び横方向の画素数の正規化を行う。
【0078】
次に、撮影に用いた機器(本比較例では携帯機器46)の露出制御性能によっては、撮影画像データが表す画像の濃度レベルや階調が本来の画像とずれる可能性があることを考慮し、濃度レベル及びダイナミックレンジの正規化を行う。濃度レベル及びダイナミックレンジの正規化は、画像A,画像Bの各画素毎の画素値(濃度値又は輝度値)を以下の演算式に従って変換することで実現できる。
a'C(i,j)=k・(aC(i,j)−mean(AC))/(max(AC)−min(AC))
b'C(i,j)=k・(bC(i,j)−mean(BC))/(max(BC)−min(BC))
但し、Cは色成分(R,G,B)の何れかを表し、kは係数、a(i,j)は画像Aの座標(i,j)の画素値、b(i,j)は画像Bの座標(i,j)の画素値、mean(X),max(X),min(X)は画像Xの画素値の平均値、最大値、最小値を各々表している。
【0079】
続いて、濃度レベル及びダイナミックレンジの正規化を経た画像A,画像Bに対し、次式により残差Dを演算する。
【0080】
【数1】
【0081】
上記の残差Dは、画像Aと画像Bの類似性が高くなるに従って値が小さくなる。ここでは、残差Dを各色成分(R,G,B)毎に求めて積算する。
【0082】
そして、積算値Dから以下の演算式によって類似度Yを求める。
Y=1/D 又は Y=−D
従って類似度Yは画像Aと画像Bの類似性が高くなるに従って大きな値となる。画像Aと画像Bの相対位置を画像の縦方向及び横方向について独立に±n画素ずらしながら、上記の類似度の演算(画素数の正規化、濃度レベル及びダイナミックレンジの正規化、残差Dの演算、及び類似度Yの演算)を繰り返すことで、画像Aと画像Bの類似度Yの最大値を探索する。そして、得られた類似度Yの最大値を、画像Aと画像Bの類似度Yとして採用することができる。
【0083】
また、類似度の演算は、上記の演算方法に限られるものではなく、公知の種々の演算方法を採用可能であり、例えば特開2001−84274号公報に記載されているように、シーンの中のエッジや図形形状に着目して類似度を演算する方法を採用してもよい。この演算方法は、画像中のエッジ情報に着目して類似度を演算するための濃度レベルやダイナミックレンジの正規化が不要になるという利点を有する。
【0084】
次のステップ170では、類似度最大の画像データにおける類似度が所定値以上か否か判定する。
【0085】
上記のステップ170の判定が否定される場合としては、例えば、顧客によって撮影された画像がテレビ受像機の画面を正しく捉えていない場合(サイズや位置ずれが許容範囲を超えている場合)、撮影画像に極端な露出不良やピントずれが生じている場合、携帯機器46への日時の設定誤りにより受信した撮影日時情報が表す撮影日時が実際の撮影日時と相違している場合、顧客の操作ミス等によりテレビ受像機に表示された画像以外を被写体とする画像を受信した場合等が挙げられる。上記のような場合には、注文受付処理を継続することは困難であるので、ステップ170の判定が否定されるとステップ172へ移行し、該当する画像が存在しないことを通知する情報を顧客(携帯機器46)へ送信し、注文受付処理を終了する。
【0086】
一方、ステップ170の判定が肯定された場合にはステップ174へ移行し、顧客から複数の撮影画像データを受信したか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ178へ移行する。また、判定が肯定された場合には、1回目の撮影で撮影された画像(類似度最大の画像データが表す画像)に注文対象の候補画像が複数存在しているので、ステップ176において、類似度最大の画像データから個々の注文対象の候補画像に対応するデータ(候補画像データ)を各々抽出し、抽出した候補画像データの倍率を、再撮影によって得られた撮影画像データ(注文対象の画像のみが撮像範囲内に入るように撮影されることで得られた画像データ)の倍率と一致させた後に、個々の候補画像データについて再撮影によって得られた撮影画像データとの類似度を各々演算する。そして、再撮影によって得られた撮影画像データとの類似度が最大の候補画像データを抽出する。
【0087】
次のステップ178では、顧客からの注文の種別が注文Bか否か判定する。判定が肯定された場合にはステップ180へ移行し、前述のステップ152と同様にして、今回のプリント注文の発注に最適なプリント仕上げ業者16を選定し、ステップ168又はステップ176で抽出した画像データ(注文対象の画像のオリジナル画像データ)、顧客情報及び注文情報を、選定したプリント仕上げ業者16のPC18へ通信網14を介して送信することで、顧客からのプリント注文(注文B)を発注する。
【0088】
通信網14を介してPC18により上記の情報を受信したプリント仕上げ業者16は、受信した注文対象の画像のオリジナル画像データを用いて、受信した注文情報のうちの「プリントサイズ」で規定されたサイズの写真プリントを、受信した注文情報のうちの「プリント枚数」で規定された枚数だけ作成し、写真プリントが「プリント受取方法」で規定された受取方法で顧客に受け取られるように、作成した写真プリントを所定の宛先へ配送する。
【0089】
これにより、顧客は、自身が撮影した画像のオリジナル画像データを用いて作成された写真プリントを、指定した注文内容に合致する条件(サイズ・枚数・受取方法)で受け取ることができる。なお、携帯機器46での撮影によって得られる撮影画像データは、表示手段の画像表示能力や撮影条件等の影響で低画質であることが多いが、テレビ放送局22の画像DBに記憶されているオリジナル画像データは高解像度かつ高品質の画像データであるので、注文Bのプリント注文を行うことで、顧客は高品質の写真プリントを得ることができる。
【0090】
一方、ステップ178の判定が否定された場合には、顧客からの注文の種別が注文Cであるので、注文対象の画像データには商品情報が付加されている。このため、ステップ182において、注文対象の画像データに付加された商品情報に含まれている商品取扱業者のIDに基づいて、顧客からの注文対象の商品を取り扱っている商品取扱業者28を認識し、ステップ168又はステップ176で抽出した画像データ(注文対象の画像データ)、顧客情報、注文情報及び商品情報を、認識した商品取扱業者28のPC30へ通信網14を介して送信することで、顧客からの商品注文(注文C)を発注する。
【0091】
通信網14を介してPC30により上記の情報を受信した商品取扱業者28は、受信した商品情報に含まれている商品IDに対応する商品を、受信した注文情報のうちの「注文個数」で規定された個数だけ梱包し、梱包した商品が「商品受取方法」で規定された受取方法で顧客に受け取られるように、梱包した商品を所定の宛先へ配送する。これにより、顧客は、注文した商品を、指定した注文内容に合致する条件(個数・受取方法)で受け取ることができる。
【0092】
〔第2比較例〕
次に本発明の第2比較例について説明する。なお、本第2比較例は第1比較例と同一の構成であるので、各部分に同一の符号を付して構成の説明を省略し、以下、本第2比較例の作用を説明する。
【0093】
本第2比較例において、各テレビ放送局22は、放送(配信)する映像信号が表す動画像の各フレームの画像のうち、注文Bによるプリント注文が可能な複数の画像(HDD26の画像DBにオリジナル画像データを記憶している画像)、及び注文Cによる商品注文が可能な商品(商品取扱業者28が取り扱っている商品)を被写体とする複数の画像に、例として図4(D)に示すように、所定の識別情報を表す識別コード70(例えばバーコード)を予め付加している。
【0095】
これにより、受信側では、テレビ受像機32で視聴している映像が、注文Bによるプリント注文が可能な画像(HDD26の画像DBにオリジナル画像データを記憶している画像)、又は注文Cによる商品注文が可能な商品(商品取扱業者28が取り扱っている商品)の画像を表示する場面となったときに、テレビ受像機32の表示画面には識別コード70が同時に表示されることになる。
【0096】
本第2比較例においても、顧客が携帯機器46の撮像部54によって任意の被写体を撮影する際に、第1実施形態と同様の画像撮影処理が携帯機器46で実行され、まずは携帯機器46の表示部50に図3(E)に示す処理選択画面が表示されるが、この処理選択画面でもメッセージを表示することで顧客に通知しているように、撮影画像に対する処理として第3の処理(注文B)又は第4の処理(注文C)を選択した場合には、図3(E)の処理選択画面でもメッセージを表示することで顧客に通知しているように、顧客は、注文Bによるプリント注文又は注文Cによる商品注文の対象画像及び識別コード70がテレビ受像機32に表示されている状態で、注文対象の画像とその画像に付加されている識別コード70のみが撮像部54による撮像範囲内に入るように、携帯機器46の向き及びテレビ受像機32の表示面との距離を調節して撮影を行う。
【0097】
従って、本第2比較例において、注文Bによるプリント注文時や注文Cによる商品注文時には、注文対象の画像とその画像に付加されている識別コード70のみが存在する画像を表す撮影画像データが携帯機器46から注文処理装置12へ送信されることになる。
【0098】
次に図6のフローチャートを参照し、本第2比較例に係る注文処理装置12によって実行される注文受付処理を説明する。ステップ200では顧客から受信した注文情報に含まれる注文種別情報に基づき、顧客からの注文の種別が注文Aか否か判定する。判定が肯定された場合にはステップ202へ移行し、第1比較例で説明した注文受付処理(図5)のステップ152と同様に、プリント仕上げ業者16を選定し、選定したプリント仕上げ業者16のPC18へ撮影画像データ、顧客情報及び注文情報を送信することで顧客からのプリント注文(注文A)を発注する。
【0099】
一方、顧客からの注文の種別が注文B又は注文Cの場合には、ステップ200の判定が否定されてステップ204へ移行し、顧客から受信した撮影画像データから識別コードに相当する領域のデータを抽出する。次のステップ206では、ステップ204で抽出した領域のデータに基づき、識別コードとしてコード化された識別情報の内容を認識する。また、ステップ208では顧客からの注文の種別が注文Bか否か判定する。
【0100】
ステップ208の判定が肯定された場合はステップ210へ移行する。顧客からの注文種別が注文Bである場合、撮影画像データが表す画像にはプリント注文可能な画像とその画像に付加された識別コードが含まれている。そして、この識別コードが表す識別情報はプリント注文が可能な個々の画像を識別するための情報であり、この情報には画像データを所持しているテレビ放送局22を識別する情報が含まれている。このためステップ210では、ステップ206における識別情報の認識結果に基づき、撮像画像データが表す画像(注文対象の画像)のオリジナル画像データを所持しているテレビ放送局22を認識する。
【0101】
またステップ212では、ステップ210で認識したテレビ放送局22のPC24に対してステップ206で認識した識別情報を送信し、該識別情報によって特定される画像のデータを転送するよう要請することで、認識したテレビ放送局22のPC24に対し、識別情報によって特定される画像のデータをHDD26の画像DBから抽出させて注文処理装置12へ送信させ、この画像データを受信することで注文対象の画像のオリジナル画像データを取得する。
【0102】
そしてステップ214では、今回のプリント注文の発注に最適なプリント仕上げ業者16を選定し、ステップ212で取得した画像データ(注文対象の画像のオリジナル画像データ)、顧客情報及び注文情報を、選定したプリント仕上げ業者16のPC18へ送信することで、顧客からのプリント注文(注文B)を発注する。これにより、顧客は、プリント仕上げ業者16によって注文対象の画像のオリジナル画像データを用いて作成された写真プリントを、顧客自身が指定した注文内容に合致する条件(サイズ・枚数・受取方法)で受け取ることができる。
【0103】
また、ステップ208の判定が否定された場合はステップ216へ移行する。顧客からの注文種別が注文Cである場合、撮影画像データが表す画像には商品注文が可能な商品を被写体とする画像とその画像に付加された識別コードが含まれており、この識別コードは、対応する画像における被写体である商品の商品情報を表している。このためステップ216では、ステップ206における識別情報(商品情報)の認識結果に基づき、撮像画像データが表す画像(注文対象の画像)を取り扱っている商品取扱業者28を認識する。
【0104】
そしてステップ218では、ステップ206で認識した識別情報(商品情報)、顧客情報及び注文情報を、ステップ216で認識した商品取扱業者28のPC30へ送信することで、顧客からの商品注文(注文C)を発注する。これにより、顧客は、商品取扱業者28によって梱包・配送された商品を、顧客自身が指定した注文内容に合致する条件(個数・受取方法)で受け取ることができる。
【0105】
なお、上記では表示手段としてテレビ受像機を例に説明したが、表示手段は、例えば電子看板、電子ペーパ、映画を上映するための上映設備、インターネット等のコンピュータ・ネットワークを介して受信した情報を表示する機能を備えた情報処理機器(例えばコンピュータや携帯電話機等)における表示部であってもよい。以下、本発明の実施形態として、表示手段が電子看板又は上映設備である場合について説明する。
【0106】
例えば電子看板は複数箇所に設置されると共に、個々の電子看板に表示される画像は個々の電子看板の管理者によって管理されるので、顧客が表示画像を撮影した可能性のある電子看板が多数存在することも考慮すると、顧客が表示画像を撮影した電子看板を特定することなく、撮影画像データが表す画像(注文対象の画像)を撮影日時情報のみから絞り込むことは困難である。また、上映設備についても、現在多数箇所に存在している映画館に各々配設されていると共に、個々の上映設備で上映される映像(動画像)は上映設備(映画館)の管理者によって管理されるので、上記と同様に、顧客が表示画像を撮影した上映設備(又は映画館)を特定することなく、撮影画像データが表す画像(注文対象の画像)を撮影日時情報のみから絞り込むことは困難である。
【0107】
このため、表示画像に識別コード等が付加されていない態様において、顧客により、注文B又は注文Cを行うことを目的にして、電子看板に表示されている画像又は上映設備によって上映されている映像(動画像)が撮影される場合には、例えば携帯機器46に、複数個のGPS衛星からの信号を受信することで現在位置を認識する機能(GPS(Global Positioning Systems)機能)を搭載しておき、画像撮影処理(図2)のステップ110において、GPS機能を利用して現在位置(撮影位置)を表す撮影位置情報も取得し、取得した撮影位置情報も注文処理装置12へ送信するように携帯機器46を構成し、注文処理装置12は、受信した撮影位置情報に基づいて画像が撮影された表示手段(電子掲示板又は上映設備(或いは映画館))を特定し、更に撮影日時情報も用いることで、撮影画像データが表す画像(注文対象の画像)を絞り込むことが好ましい。これにより、表示手段として電子看板や上映設備を適用した場合にも、注文対象の画像を容易に識別することができる。上記態様において、通信制御装置42は本発明に係る取得手段として機能し、上記の絞り込みは本発明に係る識別手段(より詳しくは請求項2に記載の識別手段)に対応している。なお、表示手段に表示される画像の切り替え周期が比較的長い(例えば数時間〜数日以上)等の場合には、撮影日時情報を用いることなく、撮影場所情報のみを用いて撮影画像データが表す画像(注文対象の画像)を絞り込むことも可能である。
【0108】
本発明の比較例を更に説明する。例えばコンピュータや携帯電話機等の情報処理機器の表示部に表示された画像(インターネット等を介して受信した画像)については、撮影画像データが表す画像(注文対象の画像)を撮影日時や撮影場所から絞り込むことは困難である。このため、例えば表示手段に表示される画像に、第2比較例で説明した識別コードを付加しておけば、注文処理装置12が撮影画像データが表す画像から識別コードを抽出することで、注文対象の画像のオリジナル画像データを取得することができる。また、撮影画像データが表す画像に、該画像の所在地(例えばURL等)を表す文字画像が含まれている場合には、注文処理装置12が撮影画像データが表す画像から抽出した前記文字画像に対して文字認識を行って画像の所在地を認識することで、注文対象の画像のオリジナル画像データを取得することができる。また、表示手段に表示される画像に、該画像の被写体としての商品を取り扱っている企業の名称を表す文字画像、或いは前記企業のロゴを表す画像を付加しておけば、注文処理装置12が撮影画像データが表す画像から抽出した前記文字画像又はロゴを表す画像を文字認識又は解析し、前記商品取扱企業を認識することで、注文対象の画像のオリジナル画像データを取得することができる。
【0109】
また、第1比較例では、撮影画像データとの類似度が最大かつ所定値以上の画像データを注文対象の画像のデータと判断していたが、これに限定されるものではなく、類似度の降順に複数の画像のデータを携帯機器46へ送信することで、前記複数の画像を携帯機器46の表示部50に各々表示させ、注文対象の画像を顧客に選択させるようにしてもよい。
【0110】
また、上記では本発明に係る撮影装置として、撮影手段が搭載されると共にデータ通信を行う機能を備えた既存の携帯電話機に画像撮影プログラムがインストールされて構成された携帯機器46を例に説明したが、これに限定されるものではなく、撮影手段が搭載されると共にデータ通信を行う機能を備えたPDAやウェアラブル・コンピュータ、モバイル・コンピュータ等で構成することも可能である。また、例えばbluetoothやその他の通信方法により通信を行うことが可能なデジタルスチルカメラと携帯電話機のペアを、本発明に係る撮影装置として用いることも可能である。
【0111】
また、PDAは表示部にタッチセンサが設けられていることが一般的であるので、撮影装置としてPDAを用いる態様においては、注文対象の候補画像が撮影画像に複数存在している場合に、例として図3(C)に示すように、顧客が注文対象の画像を手書きで指定する(図3(C)の例では注文対象の画像を囲む線を描画する)ことにより、第2比較例で説明した識別コード70が注文対象の画像に付加されていない場合にも、第1比較例で説明した再撮影を行うことなく注文対象の画像を指定することが可能となる。
【0112】
また、上記では注文の一例として、撮影された画像のオリジナル画像データを用いたプリント作成の注文(注文B)、撮影された画像における被写体としての商品の注文(注文C)を説明したが、撮影された画像のオリジナル画像データ(静止画像のデータに限らず、動画像のデータであってもよい)そのものの注文も可能としてもよい。この場合、注文された画像データの顧客への引渡しは、CD−R、MO、ZIP、DVD等の記録媒体に記録して引き渡すようにしてもよいし、顧客がサーバ等からダウンロードすることで引き渡すようにしてもよい。
【0113】
更に、撮影された画像のオリジナル画像データを用いたプリント作成の注文(注文B)、撮影された画像における被写体としての商品の注文(注文C)以外に、撮影された画像(注文対象の画像)に関連するコンテンツ(商品)の注文(注文Dと称する)を可能としてもよい。具体的には、例えば注文対象の画像が、テレビ受像機32等の表示手段に表示された映像(例えば映画やドラマ、ゲーム等)を視聴している顧客により、視聴している映像の1シーンが撮影されることで得られる画像である場合には、注文対象の画像に関連するコンテンツとしては、前記映画やドラマが記録されたビデオテープ又はDVD、ゲームソフトが記録されたCD−ROM、前記映像の音楽が収録されたCD、前記映像(映画やドラマ等)の原作の書籍等が挙げられ、これらを注文可能とすることができる。また、例えば注文対象の画像が、テレビ受像機32等の表示手段に表示された特定商品の広告を視聴している顧客により、前記広告の1シーンが撮影されることで得られる画像である場合には、注文対象の画像に関連するコンテンツとしては、前記広告によって宣伝している特定商品、広告の音楽が収録されたCD等が挙げられ、これらを注文可能とすることができる。
【0114】
上記の注文Dを可能とするためには、画像DBに記憶されている動画像のデータのうち、注文可能な関連商品(コンテンツ)が存在する画像のデータに、関連商品を識別するための商品情報を対応付けて記憶しておき、撮影時には例として図7(A)に示すように、撮影された画像(注文対象の画像)に関連するコンテンツ(商品)を注文する第5の処理(注文D)も選択肢として表示された処理選択画面を携帯機器46の表示部50に表示させ、注文Dが選択された場合には、例として図7(B)に示すように、注文可能な複数種のコンテンツの名称が選択肢として表示されたコンテンツ選択画面を表示部50に表示させ、注文対象のコンテンツの種別を顧客に選択させることにより実現できる。これにより、注文処理装置12は顧客によるコンテンツ種別の選択結果に基づいて、注文対象のコンテンツに対応する商品情報を判断することで、注文対象のコンテンツを識別することができる。上記態様も本発明の実施形態の1つである。
【0115】
また、上記では顧客が表示手段に表示された画像を撮影することでプリント作成や商品の注文を行う例を説明したが、これに限定されるものではなく、店舗等に展示されている注文対象の商品を顧客が撮影することで、撮影画像の被写体としての商品の注文を行うようにしてもよい。具体的には、店舗側では、展示している各商品の情報を、通信網14に接続されたサーバ・コンピュータの記憶装置に各々記憶している。商品の情報としては、例えば商品名や単価、在庫状況、撮影画像から被写体としての商品を認識するための商品認識情報(例えば商品を撮影した画像のデータ、或いは商品の特徴(形状、色、濃度等)を表す情報)が挙げられる。なお、撮影画像から商品を判断するための情報は、商品の製造元や管理センタ等に保管されていてもよい。また、展示する商品にICタグを付加すると共に、陳列棚にICタグセンサを設置し、このICタグセンサをサーバ・コンピュータに接続すれば、陳列棚に展示されている商品をサーバ・コンピュータがリアルタイムに把握することも可能となる。
【0116】
店舗の陳列棚に展示されている商品の中に、注文を所望する商品が存在していることを見出した顧客は、該注文対象の商品を携帯機器46の撮像部54によって撮影し、撮影によって得られた撮影画像データを注文処理装置12へ送信することで、撮影画像データが表す撮影画像における被写体としての商品の注文を行う。なお、注文処理装置12へ送信される撮影画像データには、撮影場所を表す撮影場所情報が付加される。撮影場所情報は店舗名であってもよく、この場合は操作部52を介して顧客に店舗名を入力させることで撮影場所情報を生成・付加することができる。また、前述のGPS機能が携帯機器46に搭載されている場合には、このGPS機能を利用して撮影場所情報を自動生成することも可能である。
【0117】
撮影画像における被写体としての商品が顧客から注文されると、注文処理装置12では、撮影画像データと共に受信した顧客から撮影場所情報に基づいて、注文対象の商品を展示している店舗を特定し、特定した店舗のサーバ・コンピュータと通信を行うことで、特定した店舗に展示されている各商品を把握する。そして、把握した各商品の商品認識情報を店舗のサーバ・コンピュータ又は各商品の製造元又は管理センタから取得し、取得した商品認識情報を顧客から受信した撮影画像データを照合する(具体的には、商品認識情報が商品を撮影した画像のデータであれば類似度Y等の演算を行うことで照合し、商品認識情報が商品の特徴を表す情報であれば、撮影画像における被写体としての商品の特徴が、商品認識情報が表す商品の特徴とどの程度合致しているかを判断することで照合する)に基づいて、撮影画像における被写体としての商品を認識(識別)し、認識した商品を発注する処理を行う。これにより、店舗等に展示されている商品を撮影することで、当該商品を顧客が注文することが可能となる。
【0118】
また、撮影画像における被写体としての商品の識別を、上記のように商品認識情報に基づいて行うことに代えて、店舗側で、展示している各商品の近傍に、各商品を識別するための識別情報をバーコード等の形態で表示する識別プレートを配置しておくようにしてもよい。この場合、展示されている特定商品を注文する顧客は、特定商品と該特定商品の近傍に配置された識別プレートが撮影範囲に入るように撮影を行い、注文処理装置12では、受信した撮影画像データが表す撮影画像における識別プレートに相当する画像部を抽出し、抽出した画像部に基づいて識別プレートが表示している識別情報を認識し、認識した識別情報に基づいて撮影画像における被写体としての商品を識別することができる。
【0119】
また、店舗側で実際に商品を展示することなく、商品を撮影した画像を印刷したポスタ等の紙媒体を展示するようにしてもよい。この態様においても、ポスタにICタグを付加すると共に、ポスタの展示位置近傍にICタグセンサを設置し、このICタグセンサをサーバ・コンピュータに接続すれば、ポスタにより展示されている商品をサーバ・コンピュータが把握・管理することが可能となる。また、撮影画像における被写体としての商品の識別を容易に行えるようにするために、前述の識別プレートをポスタに付加するようにしてもよい。
【0120】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明に係る注文処理装置は、電子看板に表示された画像又は上映設備によって上映されている動画像が、GPS機能を備えた撮影装置を用いて顧客により撮影され、撮影された画像のオリジナル画像データを用いたプリント作成が顧客により注文される場合に、撮影によって生成された撮影画像データを、顧客からの注文における注文内容を表す注文情報、及び、撮影装置のGPS機能によって取得された顧客による撮影場所を表す撮影場所情報と共に撮影装置から取得し、取得した撮影場所情報に基づいて顧客が画像の撮影を行った電子看板又は上映設備を特定し、電子看板又は上映設備を特定した結果に基づいて、オリジナル画像データを記憶する記憶手段から、注文対象の画像である可能性のあるオリジナル画像データを抽出し、抽出したオリジナル画像データ及び撮影画像データに対して画素数、濃度レベル及びダイナミックレンジの正規化を行った上で、オリジナル画像データの画素毎の残差の積算値を演算して撮影画像データとの類似度を演算し、演算した類似度に基づいて前記撮影された注文対象の画像を識別し、識別した注文対象のオリジナル画像データ、取得した注文情報をプリント仕上げ業者のコンピュータへ送信するので、顧客が注文を容易に行える環境を実現できる、という優れた効果を有する。
【0121】
請求項2記載の発明に係る注文処理装置は、電子看板に表示された画像又は上映設備によって上映されている動画像が、GPS機能を備えた撮影装置を用いて顧客により撮影され、撮影された画像における被写体としての商品が顧客により注文される場合に、撮影によって生成された撮影画像データを、顧客からの注文における注文内容を表す注文情報、及び、撮影装置のGPS機能によって取得された顧客による撮影場所を表す撮影場所情報と共に撮影装置から取得し、取得した撮影場所情報に基づいて顧客が画像の撮影を行った電子看板又は上映設備を特定し、電子看板又は上映設備を特定した結果に基づいて、商品取扱業者のIDを含む商品情報が付加されたオリジナル画像データを記憶する記憶手段から、注文対象の画像である可能性のあるオリジナル画像データを抽出し、抽出したオリジナル画像データ及び撮影画像データに対して画素数、濃度レベル及びダイナミックレンジの正規化を行った上で、オリジナル画像データの画素毎の残差の積算値を演算して撮影画像データとの類似度を演算し、演算した類似度に基づいて撮影された注文対象の画像データを識別し、識別した注文対象の画像データに付加されている商品情報を取得し、取得した商品情報に基づいて注文対象の商品を取り扱っている商品取扱業者を認識し、取得した商品情報及び注文情報を商品取扱業者のコンピュータへ送信するので、顧客が注文を容易に行える環境を実現できる、という優れた効果を有する。
【0122】
請求項3記載の発明に係る注文処理装置は、電子看板に表示された画像又は上映設備によって上映されている動画像が、GPS機能を備えた撮影装置を用いて顧客により撮影され、撮影された画像に関連する商品が顧客により注文される場合に、撮影によって生成された撮影画像データを、顧客からの注文における注文内容を表す注文情報、及び、撮影装置のGPS機能によって取得された顧客による撮影場所を表す撮影場所情報と共に撮影装置から取得し、取得した撮影場所情報に基づいて顧客が画像の撮影を行った電子看板又は上映設備を特定し、電子看板又は上映設備を特定した結果に基づいて、商品取扱業者のIDを含む商品情報が付加されたオリジナル画像データを記憶する記憶手段から、注文対象の画像である可能性のあるオリジナル画像データを抽出し、抽出したオリジナル画像データ及び撮影画像データに対して画素数、濃度レベル及びダイナミックレンジの正規化を行った上で、オリジナル画像データの画素毎の残差の積算値を演算して撮影画像データとの類似度を演算し、演算した類似度に基づいて撮影された注文対象の画像データを識別し、識別した注文対象の画像データに付加されている商品情報を取得し、取得した商品情報に基づいて注文対象の商品を取り扱っている商品取扱業者を認識し、取得した商品情報及び注文情報を商品取扱業者のコンピュータへ送信するので、顧客が注文を容易に行える環境を実現できる、という優れた効果を有する。
【0123】
請求項4記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れかに記載の発明において、顧客による撮影日時を表す撮影日時情報も撮影装置から取得し、電子看板又は上映設備を特定した結果と、取得した撮影日時情報に基づいて、注文対象の画像である可能性のあるオリジナル画像データを記憶手段から抽出するので、上記効果に加え、撮影画像データに対応するオリジナル画像データの識別における負荷の更なる低減、処理時間の更なる短縮を実現することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態及び比較例に係る注文処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】 携帯機器で実行される画像撮影処理の内容を示すフローチャートである。
【図3】 携帯機器の表示部に表示される各種画面の一例を示すイメージ図である。
【図4】 画像撮影処理によって撮影される画像の一例を示すイメージ図である。
【図5】 第1比較例に係る注文受付処理の内容を示すフローチャートである。
【図6】 第2比較例に係る注文受付処理の内容を示すフローチャートである。
【図7】 携帯機器の表示部に表示される各種画面の他の例を示すイメージ図である。
【符号の説明】
10 注文処理システム
12 注文処理装置
16 プリント仕上げ業者
22 テレビ放送局
28 商品取扱業者
32 テレビ受像機
46 携帯機器
48 制御部
54 撮像部
56 記憶部
Claims (4)
- 電子看板に表示された画像又は上映設備によって上映されている動画像が、GPS機能を備えた撮影装置を用いて顧客により撮影され、撮影された画像のオリジナル画像データを用いたプリント作成が顧客により注文される場合に、前記撮影装置と通信を行うことで、前記撮影によって生成された撮影画像データを、前記顧客からの注文における注文内容としての注文枚数、プリントサイズ、プリント受取方法を表す注文情報、及び、前記撮影装置のGPS機能によって取得された顧客による撮影場所を表す撮影場所情報と共に前記撮影装置から取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段によって取得された撮影場所情報に基づいて顧客が画像の撮影を行った電子看板又は上映設備を特定し、電子看板又は上映設備を特定した結果に基づいて、オリジナル画像データを記憶する記憶手段から、前記撮影された注文対象の画像である可能性のあるオリジナル画像データを抽出し、抽出したオリジナル画像データ及び前記撮影画像データに対して画素数、濃度レベル及びダイナミックレンジの正規化を行った上で、前記オリジナル画像データの画素毎の残差の積算値を演算して前記撮影画像データとの類似度を演算し、演算した類似度に基づいて前記撮影された注文対象の画像を識別する第1識別手段と、
前記第1識別手段によって識別された注文対象のオリジナル画像データ、前記第1取得手段によって取得された注文情報を、通信回線を介して接続されたプリント作成を行うプリント仕上げ業者のコンピュータへ送信する第1送信手段と、
を含む注文処理装置。 - 電子看板に表示された画像又は上映設備によって上映されている動画像が、GPS機能を備えた撮影装置を用いて顧客により撮影され、撮影された画像における被写体としての商品が顧客により注文される場合に、前記撮影装置と通信を行うことで、前記撮影によって生成された撮影画像データを、前記顧客からの注文における注文内容としての注文個数、商品の受取方法を表す注文情報、及び、前記撮影装置のGPS機能によって取得された顧客による撮影場所を表す撮影場所情報と共に前記撮影装置から取得する第2取得手段と、
前記第2取得手段によって取得された撮影場所情報に基づいて顧客が画像の撮影を行った電子看板又は上映設備を特定し、電子看板又は上映設備を特定した結果に基づいて、商品取扱業者のIDを含む商品情報が付加されたオリジナル画像データを記憶する記憶手段から、前記撮影された注文対象の画像である可能性のあるオリジナル画像データを抽出し、抽出したオリジナル画像データ及び前記撮影画像データに対して画素数、濃度レベル及びダイナミックレンジの正規化を行った上で、前記オリジナル画像データの画素毎の残差の積算値を演算して前記撮影画像データとの類似度を演算し、演算した類似度に基づいて前記撮影された注文対象の画像データを識別し、識別した注文対象の画像データに付加されている商品情報を取得し、取得した商品情報に基づいて注文対象の商品を取り扱っている商品取扱業者を認識する第2識別手段と、
前記第2識別手段によって取得された商品情報、前記第2取得手段によって取得された注文情報を、通信回線を介して接続され、前記第2識別手段によって認識された商品取扱業者のコンピュータへ送信する第2送信手段と、
を含む注文処理装置。 - 電子看板に表示された画像又は上映設備によって上映されている動画像が、GPS機能を備えた撮影装置を用いて顧客により撮影され、撮影された画像に関連する商品が顧客により注文される場合に、前記撮影装置と通信を行うことで、前記撮影によって生成された撮影画像データを、前記顧客からの注文における注文内容としての注文対象の商品の種別、注文個数、商品の受取方法を表す注文情報、及び、前記撮影装置のGPS機能によって取得された顧客による撮影場所を表す撮影場所情報と共に前記撮影装置から取得する第3 取得手段と、
前記第3取得手段によって取得された撮影場所情報に基づいて顧客が画像の撮影を行った電子看板又は上映設備を特定し、電子看板又は上映設備を特定した結果に基づいて、商品取扱業者のIDを含む商品情報が付加されたオリジナル画像データを記憶する記憶手段から、前記撮影された注文対象の画像である可能性のあるオリジナル画像データを抽出し、抽出したオリジナル画像データ及び前記撮影画像データに対して画素数、濃度レベル及びダイナミックレンジの正規化を行った上で、前記オリジナル画像データの画素毎の残差の積算値を演算して前記撮影画像データとの類似度を演算し、演算した類似度に基づいて前記撮影された注文対象の画像データを識別し、識別した注文対象の画像データに付加されている商品情報を取得し、取得した商品情報に基づいて注文対象の商品を取り扱っている商品取扱業者を認識する第3識別手段と、
前記第3識別手段によって取得された商品情報、前記第3取得手段によって取得された注文情報を、通信回線を介して接続され、前記第3識別手段によって認識された商品取扱業者のコンピュータへ送信する第3送信手段と、
を含む注文処理装置。 - 前記第1取得手段〜前記第3取得手段の何れかは、前記撮影装置と通信を行うことで、顧客による撮影日時を表す撮影日時情報も前記撮影装置から取得し、
前記第1識別手段〜前記第3識別手段の何れかは、前記電子看板又は上映設備を特定した結果と、前記第1取得手段〜前記第3取得手段の何れかによって取得された撮影日時情報に基づいて、前記撮影された注文対象の画像である可能性のあるオリジナル画像データを前記記憶手段から抽出することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項記載の注文処理装置。
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