JP4083343B2 - 末梢血管の画像化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体の手指等を通っている末梢血管を画像化して示す装置に関し、特に詳細には、動脈と静脈とを明確に識別できるようにした末梢血管の画像化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
臨床においては、動脈と静脈の一方を他方と識別して画像化する要求が広く存在する。例えば、動脈硬化は一般に末梢部から起こるので、この末梢部の動脈内径像を静脈像と識別して画像化できれば、それは動脈硬化に対する診断情報として活用することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、生体の末梢血管を画像化して示す装置としては、X線血管造影撮影装置が広く知られている。通常のX線撮影装置では血管は撮影できないが、この装置では、造影剤を用いることによって血管像を得ている。またこの装置では、造影剤を動脈内に投与した後の経過時間に基づいて動脈と静脈とを識別するようにしている。すなわち、造影剤投与直後に撮影を行なうと動脈像が得られ、その後は、動脈と静脈の双方が写っている動静脈像、静脈像の順で撮影される。
【0004】
しかしこのX線血管造影撮影は、造影剤投与時に灼熱感が生じたり、造影剤投与のために動脈へカテーテルを刺入するなど侵襲性が高く、外来で簡単に行なうのは難しいという問題がある。
【0005】
さらに、IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics Vol.2,p1008,1996 に示されるように、光透視によって生体の部位を画像化する技術も提案されている。この画像化技術は、手指を計測対象としてそこに光を入射させ、生体内を多重散乱しながらも直進して透過して来た光を光ヘテロダイン検出法によって検出し、X線CT等で用いられる画像再構成方法を用いて指の断層像を得るというものである。しかし、この光透視技術による画像では、血管の存在を認識することはできていない。
【0006】
また、日本ME学会雑誌BME Vol.8,No.5,p41,1994 に示されるように、多数の発光ダイオードを光源として手掌部を照明し、手内部で散乱した光により浮かび上がった手背側の血管を、高感度TVカメラで動画として撮像する技術も提案されている。しかし、その場合に画像として写るのは皮下静脈あるいは比較的浅い領域の血管のみであり、また、動脈と静脈とを識別することも不可能である。さらにこの場合は、高感度TVカメラを用いているため、手掌部を透過しなかった照明光がカメラに直接的に入射すると、いわゆるブルーミングが生じて画質が劣化するという問題も認められる。
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、被検者に対する負荷が少なく、また造影剤を用いることなく、手足の表面から比較的深い位置にある末梢の動脈を明確に画像化でき、また、この動脈と静脈とを互いに明確に識別して画像化できる末梢血管の画像化装置を提供することを目的とする。
【0008】
本発明は、その上でさらに、上述のブルーミングも防止することができる末梢血管の画像化装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の末梢血管の画像化装置は、
近赤外波長域にある互いに異なる波長の複数種の照明光を発する照明光源と、
これらの照明光をそれぞれ、生体の末梢血管が通っている測定対象部分に入射させる入射光学系と、
この測定対象部分を透過した前記複数の照明光を受けて、該測定対象部分の像を各照明光毎に撮像する撮像手段と、
この撮像手段が出力する各照明光毎に得られた複数通りの出力信号を受け、前記測定対象部分中の同一位置に対応する同一画素に関する信号毎にそれらのうちの2つの信号値の比を求め、その比に基づいて各画素についての画像信号を形成する演算手段とからなることを特徴とするものである。
【0010】
なお、より詳しく、この本発明による第1の末梢血管の画像化装置において、上述の照明光源としては、血液中の酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの等吸収点波長と等しい波長の照明光と、それとは異なる波長の照明光とを発するものを用い、そして前記演算手段として、これらの照明光毎に得られた2通りの出力信号を受けてそこから前記2つの信号値の比を求め、その比を各画素についての画像信号とするものが用いられる。さらに上記入射光学系には、生体の測定対象部分の形状に合わせて照明光の空間強度分布を整形する手段が設けられる。
【0011】
また照明光源として、血液中の酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの等吸収点波長よりも長波長の照明光と、該等吸収点波長よりも短波長の照明光とを発するものを用い、そして演算手段として、これらの照明光毎に得られた2通りの出力信号を受けてそこから前記2つの信号値の比を求め、その比を各画素についての画像信号とするものを用いてもよい。本発明による第2の末梢血管の画像化装置は、そのような照明光源および演算手段が用いられたことを特徴とし、その他は基本的に上記第1の末梢血管の画像化装置と同様の構成を有するものである。
【0012】
さらには、照明光源として、前記等吸収点波長と等しい波長の照明光と、それよりも長波長の照明光と、それよりも短波長の照明光とを発するものを用い、演算手段としては、上記等吸収点波長と等しい波長の照明光と、それよりも長波長の照明光とについて得られた2通りの出力信号から前記2つの信号値の比を求めるとともに、前記等吸収点波長と等しい波長の照明光と、それよりも短波長の照明光とについて得られた2通りの出力信号から前記2つの信号値の比を求め、これら2つの比の差を各画素についての画像信号とするものを用いてもよい。本発明による第3の末梢血管の画像化装置は、そのような照明光源および演算手段が用いられたことを特徴とし、その他は基本的に上記第1の末梢血管の画像化装置と同様の構成を有するものである。
【0013】
一方、上記入射光学系には、生体の測定対象部分の形状に合わせて照明光の空間強度分布を整形する手段が設けられるのが望ましい。
【0015】
また撮像手段としては、CCD撮像素子からなるものを好適に用いることができる。その場合は、全受光領域が複数の部分領域に分割されたCCD撮像素子を用い、該撮像素子の露光時間を、その全受光領域のうち生体を撮像する部分領域に比べて、その他の部分領域の方が短くなるように設定しておくのが望ましい。
【0016】
さらに、本発明による末梢血管の画像化装置においては、照明光源としてパルス状に点滅を繰り返す照明光を発するものを用いた上で、撮像手段として、このような照明光の点灯時期に合わせて間欠的に撮像を行なうものを用いるのが望ましい。
【0017】
【発明の効果】
近赤外波長域の光に対する血液の吸収は、ヘモグロビンが支配的である。図2には、血液中の酸素化ヘモグロビン(OxyHb)および脱酸素化ヘモグロビン(DeoxyHb)の、近赤外波長域の光に対する吸収スペクトルを示す。ここに示される通り、酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの光吸収は、波長 805nmの光に対して互い等しく、この等吸収点波長よりも長波長領域では酸素化ヘモグロビンの光吸収が脱酸素化ヘモグロビンの光吸収を上回り、等吸収点波長よりも短波長領域ではその逆となる。
【0018】
撮像手段が検出する照明光の強度は、生体での吸収による光減衰に対応しており、この光減衰は血管部分での光路長(血管径)を反映している。そのため、脈動に応じて光路長が変動する動脈部分を撮像した場合、その画像は鮮明さが欠けるものとなる。
【0019】
そこで照明光源として、上記等吸収点波長と等しい波長の照明光と、それとは異なる波長の照明光とを発するものを用いた上で、各照明光毎に得られた2通りの出力信号から、同一画素に関する信号毎に信号値の比を求めてその比を各画素についての画像信号とすると、この画像信号は上記光路長の変化による成分がキャンセルされて、動脈の部分を鮮明に示すものとなる。
【0020】
一方、照明光源として上記等吸収点波長よりも長波長の照明光と、該等吸収点波長よりも短波長の照明光とを発するものを用いた上で、各照明光毎に得られた2通りの出力信号から、同一画素に関する信号毎に信号値の比を求めてその比を各画素についての画像信号とすると、この画像信号は動脈と静脈の濃度差を増幅して、それらをより明確に識別して示すものとなる。
【0021】
また、照明光の入射光学系に、生体の測定対象部分の形状に合わせて照明光の空間強度分布を整形する手段が設けられている場合は、照明光を生体の測定対象部分を照明するのに有効に利用可能となる。
【0022】
また、生体の測定対象部分を透過しないで撮像手段に向かって進行する照明光をカットする手段を設けておけば、撮像手段に強い照明光が直接入射することを防止できる。そうであれば、より鮮明な画像を撮像するために高感度の撮像手段を用いた場合でも、その撮像手段が強い照明光によって破壊されたり、あるいは前述のブルーミングを起こして画質劣化を招くことを防止できる。
【0023】
そして、このブルーミングを防止できれば、血管像の撮像に利用できる撮像手段のダイナミックレンジを広く確保できるので、動脈と静脈との間の僅かな吸光度の差を捉えて、それらをより明確に識別した血管画像を得ることができる。
【0024】
なお上記の照明光をカットする手段としては、例えば偏光板等を用いることができる。
【0025】
他方、照明光源として、パルス状に点滅を繰り返す照明光を発するものを用いた上で、撮像手段として、照明光の点灯時期に合わせて間欠的に撮像を行なうものを用いた場合は、より高S/Nの画像を撮像可能となる。すなわち、例えばCCD等の撮像手段において、暗電流に由来するノイズは露光時間に比例して大きくなるので、パルス状照明光の点灯時期に合わせて間欠的に撮像を行なえば、露光時間が短くなってノイズが低レベルに抑えられるようになる。
【0026】
さらに、生体に加えられる光のエネルギーはパワーと照射時間の積で与えられるから、パルス状の照明光を用いてその照射時間を短くすれば、相対的にパワーを大きく設定することができ、それにより、光の深達性を向上させることができる。
【0027】
一方、全受光領域が複数の部分領域に分割されたCCD撮像素子を用い、該撮像素子の露光時間を、その全受光領域のうち生体を撮像する部分領域に比べて、その他の部分領域の方が短くなるように設定しておけば、比較的高強度の光が入射しやすい後者の部分領域でCCDが飽和してしまうことを防止できる。
【0028】
また、パルス状に点滅を繰り返す照明光を発する照明光源を用いれば、照明光源の発熱が少なく抑えられるので、その冷却に要するコストを低減することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態による末梢血管の画像化装置を示す概略構成図である。この装置は、図2に示した酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの等吸収点波長と等しい波長λiso=805nmのレーザ光(照明光)10を発するTi:Al2 3 レーザ11と、上記等吸収点波長よりも長波長である波長λhigh=1064nmのレーザ光(照明光)12を発するNd:YAGレーザ13と、照明光12の光路を90°変えるミラー21と、図中の実線表示位置と破線位置とに選択的に設定され得る跳ね上げミラー14と、照明光10あるいは12の光路に入る状態に配置されたシリンドリカルレンズ15と、末梢血管が通っている測定対象部分である人体の手指16を透過した照明光10あるいは12を受光して、この手指16の像を撮像するCCDカメラ17とを有している。
【0030】
またCCDカメラ17の前方側の照明光光路には、偏光板18および拡大光学系19が配されている。そしてCCDカメラ17は、本発明における演算手段を構成するコンピュータ20に接続されている。
【0031】
以下、この装置による末梢血管の画像化について説明する。まず、跳ね上げミラー14が図中の破線位置に設定され、Ti:Al2 3 レーザ11が駆動される。Ti:Al2 3 レーザ11から発せられた波長λiso=805nmの照明光10は、入射光学系を構成するシリンドリカルレンズ15により、手指16の形状と合うように空間的強度分布が整形された上で、この手指16に照射される。照明光10にこのような整形を施すことにより、観察野を均一に照明することができる。
【0032】
手指16を透過して散乱した照明光10は偏光板18を通過した後、拡大光学系19を通過してCCDカメラ17に入射する。そこで、照明光10による像が拡大光学系19によって拡大された上でCCDカメラ17により撮像される。このときCCDカメラ17が出力する信号Iisoはコンピュータ20に入力される。この撮像が終了すると、Ti:Al2 3 レーザ11の駆動は停止される。
【0033】
次に跳ね上げミラー14が図中の実線位置に設定され、Nd:YAGレーザ13が駆動される。Nd:YAGレーザ13から発せられた波長λhigh=1064nmの照明光12は、上記と同様にシリンドリカルレンズ15を経て手指16に照射される。
【0034】
手指16を透過して散乱した照明光12は偏光板18を通過した後、拡大光学系19を通過してCCDカメラ17に入射する。そこで、照明光12による像が拡大光学系19によって拡大された上でCCDカメラ17により撮像される。このときCCDカメラ17が出力する信号Ihighもコンピュータ20に入力される。この撮像が終了すると、Nd:YAGレーザ13の駆動は停止される。
【0035】
コンピュータ20は、入力されたCCDカメラ17の出力信号Iiso、Ihighから、手指16中の同一位置に対応する同一画素に関する信号I(x,y)isoと信号I(x,y)high毎に、それらの信号値の比
R1 =I(x,y)high/I(x,y)iso
を求める。なおx,yはそれぞれ、画素の横方向位置と縦方向位置を示す。
【0036】
そしてコンピュータ20は、上記信号値の比R1 を各画素についての画像信号とし、この画像信号に基づいてモニター20aに手指16の画像を表示する。この画像においては、手指16を通っている動脈および静脈が表示される。これらの動脈および静脈は、そこで照明光10あるいは12が吸収されることにより、他の部分よりも暗く表示される。
【0037】
このように、CCDカメラ17が検出する照明光10あるいは12の強度は、手指16での吸収による光減衰に対応しており、この光減衰は血管部分での光路長(血管径)を反映している。そのため、脈動に応じて光路長が変動する動脈部分を撮像した場合、その画像は鮮明さが欠けるものとなる。
【0038】
そこで、上述のような信号値の比R1 を各画素に関する画像信号とすると、この画像信号は上記光路長の変化による成分がキャンセルされたものとなる。したがって、この画像信号に基づいてモニター20aに表示された画像は、動脈の部分を鮮明に示すものとなる。
【0039】
なお、Ti:Al2 3 レーザ11およびNd:YAGレーザ13は、シリンドリカルレンズ15に入射する照明光10あるいは12の直線偏光方向が矢印P方向となるように配置されている。それに対して偏光板18は、矢印Q方向に直線偏光した光のみを通過させるように配されている。したがって、手指16の表面近くを通過したり、この表面で反射するなどして、手指16を透過しないでCCDカメラ17に向かう照明光10あるいは12の多くは、この偏光板18でカットされる。そうであれば、より鮮明な画像を撮像するために高感度のCCDカメラ17を用いた場合でも、該CCDカメラ17が強い照明光10あるいは12によって破壊されたり、あるいは前述のブルーミングを起こして画質劣化を招くことを防止できる。
【0040】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態の装置は、基本的な構成は図1の装置と同様であるが、この場合は発振波長可変のTi:Al2 3 レーザ11から、前記等吸収点波長よりも短い波長λlow=750nmの照明光10が発せられる。そしてこの照明光10を照射した際、および前記等吸収点波長よりも長い波長λhigh=1064nmの照明光12を照射した際の手指16の画像が、それぞれCCDカメラ17によって撮像される。
【0041】
照明光10による画像を撮像したときのCCDカメラ17の出力信号Ilow 、および照明光12による画像を撮像したときのCCDカメラ17の出力信号Ihighはそれぞれコンピュータ20に入力される。コンピュータ20は、これらの出力信号Ilow およびIhighから、手指16中の同一位置に対応する同一画素に関する信号I(x,y)low と信号I(x,y)high毎に、それらの信号値の比
R2 =I(x,y)low /I(x,y)high
を求める。そしてコンピュータ20は、上記信号値の比R2 を各画素についての画像信号とし、この画像信号に基づいてモニター20aに手指16の画像を表示する。
【0042】
ここで、波長λhigh=1064nmの照明光12で撮像された像について考えると、図2から分かるように、この波長に対しては脱酸素化ヘモグロビンよりも酸素化ヘモグロビンの吸収がより大きいから、原理上は、静脈よりも動脈の方がより暗く表示されるはずである。しかし、酸素化ヘモグロビンは静脈血にも60%程度含まれていることにより、現実には静脈と動脈の識別は困難である。
【0043】
それに対して、上述した信号値の比R2 を各画素毎の画像信号とし、このような画像信号に基づいて手指16の部分の画像を再生すると、その画像は、動脈と静脈の濃度差(輝度差)が増幅されて、それらをより明確に識別して示すものとなる。
【0044】
なおこの実施形態では、前記等吸収点波長よりも短波長の照明光10として波長750nmの光が用いられているが、照明光10はそれに限らず、例えば波長650〜805nm程度の範囲の光を好適に用いることができる。一方、上記等吸収点波長よりも長波長の照明光12も、波長1064nmの光に限らず、例えば波長805〜1100nm程度の範囲の光を好適に用いることができる。
【0045】
次に、図3を参照して本発明の第3の実施形態について説明する。なおこの図3において、図1中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それらについての重複した説明は省略する(以下、同様)。
【0046】
この第3の実施形態の装置は、図1の装置と比較すると、さらにもう1つの照明光源として、波長λlow=750nmの照明光30を発するTi:Al2 3 レーザ31が設けられている点が基本的に異なるものである。
【0047】
この装置においては、まず跳ね上げミラー32を図中の破線表示位置に設定して、Ti:Al2 3 レーザ31が駆動される。そして、このTi:Al2 3 レーザ31から発せられた波長λlow=750nmの照明光30による手指16の画像が、CCDカメラ17によって撮像される。このときのCCDカメラ17の出力信号Ilow は、コンピュータ20に入力される。撮像後、Ti:Al2 3 レーザ31の駆動は停止される。
【0048】
次に、跳ね上げミラー32を図中の実線表示位置に設定し、また跳ね上げミラー14を図中の破線表示位置に設定した上で、Ti:Al2 3 レーザ11が駆動される。そして、このTi:Al2 3 レーザ11から発せられた波長λiso=805nmの照明光10による手指16の画像が、CCDカメラ17によって撮像される。このときのCCDカメラ17の出力信号Iiso は、コンピュータ20に入力される。撮像後、Ti:Al2 3 レーザ11の駆動は停止される。
【0049】
次に、跳ね上げミラー32を図中の実線表示位置に設定し、また跳ね上げミラー14を図中の実線表示位置に設定した上で、Nd:YAGレーザ13が駆動される。そして、このNd:YAGレーザ13から発せられた波長λhigh=1064nmの照明光12による手指16の画像が、CCDカメラ17によって撮像される。このときのCCDカメラ17の出力信号Ihighは、コンピュータ20に入力される。撮像後、Nd:YAGレーザ13の駆動は停止される。
【0050】
コンピュータ20は、入力された上記出力信号Ilow 、Iiso およびIhighから、手指16中の同一位置に対応する同一画素に関する信号I(x,y)low と信号I(x,y)iso と信号I(x,y)high毎に、信号値の比
R3 =I(x,y)low /I(x,y)iso および
R4 =I(x,y)high/I(x,y)iso
を求め、さらにそれらの差R5 =R4 −R3 を求める。
【0051】
そしてコンピュータ20は、上記信号値の差R5 を各画素についての画像信号とし、この画像信号に基づいてモニター20aに手指16の画像を表示する。このようにすれば、先に説明した第1および第2の実施形態でそれぞれ得られた効果、すなわち、動脈の部分を鮮明化する効果および、動脈と静脈とをより明確に識別する効果が共に得られるようになる。
【0052】
次に、図4を参照して本発明の第4の実施形態について説明する。この第4の実施形態の装置は、図1の装置と比較すると、コンピュータ20からTi:Al2 3 レーザ11およびNd:YAGレーザ13に同期信号Sが入力されて、これらのレーザ11および13がそれぞれパルス状に点滅を繰り返すように駆動される点、および、同様に同期信号Sが入力されるCCDカメラ17が、照明光10あるいは12の点灯時期に合わせて間欠的に撮像を行なう点が異なるものである。
【0053】
CCDカメラ17において、暗電流に由来するノイズは露光時間に比例して大きくなるので、パルス状照明光10あるいは12の点灯時期に合わせて間欠的に撮像を行なえば、露光時間が短くなってノイズが低レベルに抑えられるようになる。したがって本装置によれば、より高S/Nの画像を撮像可能となる。
【0054】
さらに、生体に加えられる光のエネルギーはパワーと照射時間の積で与えられるから、パルス状の照明光10あるいは12を用いてその照射時間を短くすれば、相対的にパワーを大きく設定することができ、それにより、光の深達性を向上させることができる。
【0055】
また、Ti:Al2 3 レーザ11およびNd:YAGレーザ13をパルス駆動させれば、該レーザ11および13の発熱が少なく抑えられるので、それらの冷却に要するコストを低減することができる。
【0056】
また本実施形態では、図5に示す通り、CCDカメラ17のCCD撮像素子40の全受光領域が、各々横方向に延びて互いに上下方向に並ぶ3つの部分領域40a、40bおよび40cに分割されている。そして各部分領域40a、40bおよび40cにはそれぞれ読み出し線41、42および43が接続され、露光時間を各領域毎に独自に設定することが可能となっている。
【0057】
この場合、図6に示すように手指の像16’を撮像する中央の部分領域40bの露光時間は比較的長く設定され、その他の部分領域40aおよび40cの露光時間は比較的短く設定されている。このようにしておけば、比較的高強度の光が入射しやすい部分領域40aおよび40cでCCDが飽和してしまうことを防止可能となる。
【0058】
以上説明したようにパルス状に点滅を繰り返す照明光を用い、この照明光の点灯時期に合わせて間欠的に撮像する構成は、その他、図3の構成などに対しても適用可能であり、その場合にも同様の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による末梢血管の画像化装置を示す概略構成図
【図2】酸素化ヘモグロビンおよび脱酸素化ヘモグロビンの吸収スペクトルを示すグラフ
【図3】本発明の第3実施形態による末梢血管の画像化装置を示す概略構成図
【図4】本発明の第4実施形態による末梢血管の画像化装置を示す概略構成図
【図5】上記第4実施形態の装置に用いられたCCD撮像素子を示す概略正面図
【図6】図5の撮像素子と、撮像される像との相対位置関係を示す概略図
【符号の説明】
10 レーザー光(照明光)
11 Ti:Al2 3 レーザ
12 レーザ光(照明光)
13 Nd:YAGレーザ
14 跳ね上げミラー
15 シリンドリカルレンズ
16 手指
17 CCDカメラ
18 偏光板
19 拡大光学系
20 コンピュータ
21 ミラー
30 レーザ光(照明光)
31 Ti:Al2 3 レーザ
32 跳ね上げミラー
40 CCD撮像素子
40a、40b、40c CCD撮像素子の部分領域
41、42、43 読み出し線

Claims (6)

  1. 近赤外波長域にある互いに異なる波長の複数種の照明光を発する照明光源と、
    これらの照明光をそれぞれ、生体の末梢血管が通っている測定対象部分に入射させる入射光学系と、
    前記測定対象部分を透過した前記複数の照明光を受けて、この測定対象部分の像を各照明光毎に撮像する撮像手段と、
    この撮像手段が出力する各照明光毎に得られた複数通りの出力信号を受け、前記測定対象部分中の同一位置に対応する同一画素に関する信号毎にそれらのうちの2つの信号値の比を求め、その比に基づいて各画素についての画像信号を形成する演算手段とからなる末梢血管の画像化装置であって、
    前記照明光源が、血液中の酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの等吸収点波長と等しい波長の照明光と、それとは異なる波長の照明光とを発するものであり、
    前記演算手段が、これらの照明光毎に得られた2通りの出力信号を受けてそこから前記2つの信号値の比を求め、その比を各画素についての画像信号とするものであり、
    前記入射光学系に、前記測定対象部分の形状に合わせて照明光の空間強度分布を整形する手段が設けられていることを特徴とする末梢血管の画像化装置。
  2. 近赤外波長域にある互いに異なる波長の複数種の照明光を発する照明光源と、
    これらの照明光をそれぞれ、生体の末梢血管が通っている測定対象部分に入射させる入射光学系と、
    前記測定対象部分を透過した前記複数の照明光を受けて、この測定対象部分の像を各照明光毎に撮像する撮像手段と、
    この撮像手段が出力する各照明光毎に得られた複数通りの出力信号を受け、前記測定対象部分中の同一位置に対応する同一画素に関する信号毎にそれらのうちの2つの信号値の比を求め、その比に基づいて各画素についての画像信号を形成する演算手段とからなる末梢血管の画像化装置であって、
    前記照明光源が、血液中の酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの等吸収点波長よりも長波長の照明光と、該等吸収点波長よりも短波長の照明光とを発するものであり、
    前記演算手段が、これらの照明光毎に得られた2通りの出力信号を受けてそこから前記2つの信号値の比を求め、その比を各画素についての画像信号とするものであり、
    前記入射光学系に、前記測定対象部分の形状に合わせて照明光の空間強度分布を整形する手段が設けられていることを特徴とする末梢血管の画像化装置。
  3. 近赤外波長域にある互いに異なる波長の複数種の照明光を発する照明光源と、
    これらの照明光をそれぞれ、生体の末梢血管が通っている測定対象部分に入射させる入射光学系と、
    前記測定対象部分を透過した前記複数の照明光を受けて、この測定対象部分の像を各照明光毎に撮像する撮像手段と、
    この撮像手段が出力する各照明光毎に得られた複数通りの出力信号を受け、前記測定対象部分中の同一位置に対応する同一画素に関する信号毎にそれらのうちの2つの信号値の比を求め、その比に基づいて各画素についての画像信号を形成する演算手段とからなる末梢血管の画像化装置であって、
    前記照明光源が、血液中の酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの等吸収点波長と等しい波長の照明光と、該等吸収点波長よりも長波長の照明光と、該等吸収点波長よりも短波長の照明光とを発するものであり、
    前記演算手段が、前記等吸収点波長と等しい波長の照明光と、前記等吸収点波長よりも長波長の照明光とについて得られた2通りの出力信号から前記2つの信号値の比を求めるとともに、前記等吸収点波長と等しい波長の照明光と、前記等吸収点波長よりも短波長の照明光とについて得られた2通りの出力信号から前記2つの信号値の比を求め、これら2つの比の差を各画素についての画像信号とするものであり、
    前記入射光学系に、前記測定対象部分の形状に合わせて照明光の空間強度分布を整形する手段が設けられていることを特徴とする末梢血管の画像化装置。
  4. 前記測定対象部分を透過しないで前記撮像手段に向かって進行する前記照明光をカットする手段が設けられていることを特徴とする請求項1からいずれか1項記載の末梢血管の画像化装置。
  5. 前記撮像手段が、その全受光領域が複数の部分領域に分割されたCCD撮像素子からなり、
    該CCD撮像素子の複数の部分領域のうち、生体を撮像する部分領域の露光時間と比べて、その他の部分領域の露光時間が短く設定されていることを特徴とする請求項1からいずれか1項記載の末梢血管の画像化装置。
  6. 前記照明光源がパルス状に点滅を繰り返す照明光を発するものであり、
    前記撮像手段が前記照明光の点灯時期に合わせて間欠的に撮像を行なうものであることを特徴とする請求項1からいずれか1項記載の末梢血管の画像化装置。
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