JP4082750B2 - Icソケット - Google Patents

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    • H01L2224/16Structure, shape, material or disposition of the bump connectors after the connecting process of an individual bump connector

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  • Connecting Device With Holders (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICデバイスを脱着可能に支持してICデバイスと外部回路との間を電気的に接続するICソケットに関し、特に、高周波信号伝送に有効に適応可能なICソケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
ICソケットは、例えばコンピュータ等の、ICデバイスの交換や増減設を行うことが予測される電子回路において、ICデバイスを脱着可能に支持するとともに、ソケット内に組み込まれたコンタクトを介してICデバイスと電子回路との間を電気的に接続するコネクタとして使用される。また、ICデバイスの導通試験を行う際にも、多数のICデバイスを適宜交換して搭載可能なICソケットが有利に使用されている。
【0003】
従来の典型的なICソケットは、ブロック状の電気絶縁性本体に設けた多数の貫通孔からなる受容部のそれぞれに、導電体であるコンタクトを配設して構成される。各コンタクトの一端は、受容部内でICソケットの一表面に近接して配置され、ICデバイスのリードに脱着可能にかつ電気的に接続される。他方、各コンタクトの他端は、ICソケットの他表面から外方へ突出して、例えばICソケットを搭載する電子装置又は試験装置の回路基板の導体接点部に半田付け等により電気的に接続される。
【0004】
近年、ICを搭載した電子機器の高機能化の要求に伴い、ICデバイスの動作速度は飛躍的に高速化しており、それに対応して例えばICソケット等のコネクタ類を含む伝送線路においても、信号伝播速度の高速化及び伝送信号の高周波数化への対策を施すことが求められている。一般に数十MHz を超えるような高周波数帯域の信号を伝送する場合、例えばICデバイスのリードとICソケットのコンタクトとの接続部等の線路接続部の前後における特性インピーダンス値の不一致や、隣接線路間でのクロストーク等の雑音の発生により、伝送信号の周波数特性が劣化する傾向がある。そこで高速型のICデバイスに対しては、ICソケットにおける特性インピーダンス値の整合及びクロストークの低減を図ることが要求されるのである。
【0005】
一般にICデバイスにおいて高周波対策を施す場合、ICデバイスの接地リードの本数を増やし、信号リードを取り囲む位置に接地リードを配置する方法が有効であることは知られている。このような高速型ICデバイスに対し、ICソケット側では、ICデバイスのリード配置に対応して受容部に受容されたコンタクトのうち、接地リードに接続されるコンタクト(以下、接地用コンタクトと称する)に確実に接地電位を付与することにより、ICソケット内部の信号線路(すなわち信号リードに接続されるコンタクト(以下、信号用コンタクトと称する))が接地電位の導体(すなわち接地用コンタクト)によって取り囲まれ、実質的な電磁シールド効果によりクロストークが低減されることになる。またこのような構造では、信号用コンタクトの周囲に配置される接地用コンタクトの個数や、信号用コンタクトと接地用コンタクトとの間の距離に応じて、ICソケットにおける信号線路の特性インピーダンス値が決定される。なおこのとき、従来の高周波用ICソケットでは、信号用コンタクトを接地電位のメッキ層等のシールド構造によって包囲する方法が併用されていた(例えば特開昭55−150297号公報、特開平6−260568号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ICデバイスにおいて、高周波対策として接地リードを増やすと、必然的に信号リード数が減って単位面積当りの信号伝送線路数が減少するので、ICデバイスの能力を有効に発揮させることが困難になる課題が生じる。このような課題は、今日のように電子機器の大容量伝送処理及び高密度実装の要求に伴いICデバイスのリードのさらなる多数化、狭ピッチ化が進められている状況下において、ICデバイスの能力向上を妨げるものとなる。
【0007】
また、狭ピッチ化されたリード配置を有するICデバイスにおいて、高周波対策として信号リードを幾分犠牲にして接地リードを増やした場合、リード配置に対応してICソケットに設置される信号用コンタクト及び接地用コンタクトの間隔も狭くなり、それに伴い、ICソケットを搭載する回路基板上の導体接点部の間隔が狭くなる。したがって回路基板上では、接地用コンタクトに包囲された信号用コンタクトに接続される導体パターンを接点部間の狭小な領域に配線しなければならず、配線が極めて困難となる課題が生じる。しかも、そのような狭小な領域に信号線路を配置した場合には、ICソケットでのクロストークが上記高周波対策により低減されたとしても、回路基板におけるクロストークが逆に増大する危惧がある。
【0008】
他方、前述した従来の高周波用ICソケットのように、信号用コンタクトを接地電位のメッキ層等のシールド構造によって包囲する方法は、シールド構造を形成するために、例えばICソケットの電気絶縁性本体にメッキ工程を施した後、信号用コンタクトとメッキ層との間に、機械的なメッキ層除去加工や絶縁物の塗布等による電気絶縁処理を施すことが必要となり、ICソケットの製造工程を煩雑にして製造コストを増大させる課題があった。
【0009】
また、一般に多数のリードを有するICデバイスでは、全ての信号リードが高周波対策を必要とする訳ではなく、しかも同一リード配置のICデバイスにおいても高周波対策を要する信号リードの位置が異なる場合がある。この場合、高周波対策を要する信号リードの周囲に集中的にシールド構造を配置することが、クロストーク低減の観点から有利であり、またそのようなシールド構造の配置を適宜調節することにより、ICソケットにおける信号線路の特性インピーダンス値を調整することが可能となる。しかしながら、従来のメッキ層等によるシールド構造は、ICソケットに画一的に設けられるので、多様な信号リード配置を有する異なるICデバイスに対し、ICソケットにおけるシールド構造の配置を調整して適正なクロストーク低減作用及び特性インピーダンス値整合作用を得ることは困難であった。
【0010】
したがって本発明の主目的は、伝送信号の高速化及び高周波数化に対応して、特性インピーダンス値の整合及びクロストークの低減を確実に達成でき、しかも低コストで製造可能な高周波対応型のICソケットを提供することにある。
本発明の他の目的は、狭ピッチ化されたリード配置を有するICデバイスに対して、回路基板上での配線間隔を狭小化させることなく、接地用コンタクトを信号用コンタクトの周囲に配置可能なICソケットを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、相互に独立して形成された複数の受容部を有する電気絶縁性の本体と、それら複数の受容部のうちで所望位置にある複数の第1受容部に受容され、ICデバイスの複数の信号リードにそれぞれ脱着可能に接続される複数の信号用コンタクトと、接地電位を保持してそれら複数の信号用コンタクトの間を電磁シールドするシールド手段とを具備したICソケットにおいて、シールド手段は、本体の複数の受容部のうちで第1受容部の各々の周辺にある複数の第2受容部に脱着可能に受容され、本体から独立して相互に電気的に連結される複数の導電要素と、それら複数の導電要素に接地電位を付与する接地手段とを具備することを特徴とするICソケットを提供する。
【0012】
本発明はさらに、上記のICソケットにおいて、接地手段は、複数の第2受容部に受容されて複数の導電要素にそれぞれ脱着可能に接続される複数の接地用コンタクトからなり、それら接地用コンタクトの少なくとも1つが、外部の接地電位に直接に接続されるICソケットを提供する。
【0013】
本発明はさらに、上記のICソケットにおいて、複数の接地用コンタクトが、外部の接地電位に直接に接続される第1接地用コンタクトと、導電要素を介して該第1接地用コンタクトに接続され、それにより外部の接地電位に間接に接続される第2接地用コンタクトとを具備するICソケットを提供する。
【0014】
本発明はさらに、上記のICソケットにおいて、接地用コンタクトの配置に対応する位置に複数の導電要素を立設した基部と、信号用コンタクトの配置に対応する位置に基部に設けられた複数の開口とを備えて、本体に脱着可能に取付けられる導電部材を具備するICソケットを提供する。
【0015】
本発明はさらに、上記のICソケットにおいて、本体が、下方部材と、隙間を介して下方部材に固定される上方部材と、下方部材と上方部材との間の隙間に移動可能に配置される中間部材とを具備し、複数の受容部の各々が、それら下方部材、上方部材及び中間部材の相互対応位置にそれぞれ設けられた下方貫通孔、上方貫通孔及び中間貫通孔の組合せからなり、信号用コンタクト及び接地用コンタクトが、それら複数の受容部のうちの複数の第1受容部及び第2受容部にそれぞれ受容されて、中間部材の移動により、それぞれICデバイスの信号リード及び導電要素に選択的に接続及び分離されるICソケットを提供する。
【0016】
上記のICソケットにおいては、信号用コンタクトと接地用コンタクトとが、互いに同一の寸法及び形状を有することが好ましい。
また、複数の信号リードと少なくとも1つの接地リードとを有するICデバイスに適用される上記のICソケットであって、信号用コンタクトから離隔して第1受容部に受容され、ICデバイスの接地リードに脱着可能に接続される少なくとも1つのリード用コンタクトをさらに備えるICソケットが提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明をその好適な実施の形態に基づき詳細に説明する。
図1〜図4は、本発明の実施形態によるICソケット10を示す。ICソケット10は、相互に独立して形成された複数の受容部12を有する本体14と、それら複数の受容部12のうちで所望位置にある複数の第1受容部16に受容され、ICデバイス18の複数のリード20にそれぞれ脱着可能に接続される複数のリード用コンタクト22と、接地電位を保持してそれら複数のリード用コンタクト22の間を実質的に電磁シールドするシールド手段とを備える。
【0018】
本体14は、外力に抗して少なくともICデバイス18を所定姿勢に支持し得る剛性を有した電気絶縁性の板状部材であり、ICデバイス18に対向する主表面24と、主表面24の反対側で主表面24に略平行に延びて回路基板26に対向する裏面28とを備える。第1受容部16は、主表面24及び裏面28に略直交して本体14に貫通形成される。好ましくは第1受容部16は、主表面24における開口が最大でかつ裏面28における開口が最小の段付円筒又は円錐台の形状を有し、それにより、第1受容部16へのリード20の挿入を容易にするとともに、第1受容部16に配置されたリード用コンタクト22を回路基板26に固着した後に本体14がリード用コンタクト22から脱離することを防止する。
【0019】
図示実施形態では、ICデバイス18はPGA(ピングリッドアレイ)と称するパッケージ構造を有し、行列状配置で突設された複数のリード20を有する。ICソケット10に搭載されるICデバイス18は、後述するように、複数のリード20の半数以上を信号リードとして形成し、残りを接地リードとして形成することができる。その場合、第1受容部16に受容されるリード用コンタクト22は、リード20に対応して半数以上が信号用コンタクトとなる。
【0020】
リード用コンタクト22は、電気信号の伝送が可能な導電体であり、第1受容部16内に収容されるソケット状の接触部30と、接触部30から延長されるピン状の脚部32とを備える。接触部30は、本体14の主表面24から容易に接近可能であり、ICデバイス18のリード20に脱着可能にかつ電気的に接続される。図示実施形態では有利なことに、接触部30に弾性変形可能な爪34が設けられ、リード20とリード用コンタクト22との正確な接触が得られるようになっている。リード用コンタクト22の脚部32は、本体14の裏面28から外方へ突出し、ICソケット10を回路基板26に搭載したときには、回路基板26のスルーホール36に挿通されて信号導体接点部38に半田付け等により電気的に接続される。
【0021】
図示実施形態では、シールド手段は、本体14に設けた複数の受容部12のうちで各第1受容部16の周辺所望位置にある複数の第2受容部40に受容される複数の接地用コンタクト42と、それら第2受容部40に挿入されて接地用コンタクト42にそれぞれ脱着可能に接続される複数の導電要素44を備えた導電部材46とから構成される。第2受容部40は第1受容部16と同一の形状を有し、第1受容部16に略平行に本体14に貫通形成される。また、第1受容部16及び第2受容部40の各々は本体14に千鳥状に配置され、したがって図1に示すように、全ての受容部12が第1受容部16又は第2受容部40を構成して本体14に行列状に配置される。
【0022】
接地用コンタクト42は、導電要素44に接地電位を付与する接地手段を構成する導電体であり、図示実施形態では、リード用コンタクト22と略同一の寸法及び形状を有する。接地用コンタクト42の接触部48は、本体14の主表面24から容易に接近可能に第2受容部40に受容され、導電要素44に脱着可能にかつ電気的に接続される。接地用コンタクト42の脚部50は、本体14の裏面28から外方へ突出し、ICソケット10を回路基板26に搭載したときに、回路基板26のスルーホール52に挿通されて接地導体接点部54に半田付け等により電気的に接続される。
【0023】
導電部材46の複数の導電要素44は、基部56を介して相互に電気的かつ機械的に連結される。導電要素44は、重力に抗して少なくとも自己形状を保持し得る剛性を有した導電体からなるピン状部材であり、基部56上で、本体14の第2受容部40に受容された接地用コンタクト42に接続可能な千鳥位置に略直立状に立設される。基部56は、好ましくは重力に抗して少なくとも自己形状を保持し得る剛性を有した導電体からなる薄板状部材であり、導電要素44を接地用コンタクト42に接続したときに本体14の主表面24上に配置される。すなわち基部56は、本体14とICデバイス18との間に介在される。
【0024】
導電部材46はさらに、複数の導電要素44に隣接して基部56に形成された複数の開口58を備える。各開口58は、基部56上で、ICソケット10の第1受容部16に受容されたリード用コンタクト22に重畳可能な千鳥位置に設けられる。各開口58は、各導電要素44を接地用コンタクト42に接続し、かつICデバイス18の各リード20を各リード用コンタクト22に接続したときに、開口58を画成する基部56の内縁に各リード20が接触せずに貫通可能な寸法及び形状を有する。
【0025】
ICソケット10の作用を、主に図3及び図4を参照して以下に説明する。まず、本体14の複数の第1受容部16にリード用コンタクト22を、かつ複数の第2受容部40に接地用コンタクト42を挿入配置し、各コンタクト22及び42の脚部32及び50を回路基板26の各スルーホール36及び52に挿入して信号導体接点部38及び接地導体接点部54にそれぞれ固定的に接続する。次いで、導電部材46の複数の導電要素44を接地用コンタクト42に挿入接続し、基部56を本体14の主表面24上に配置する。この状態で、全ての接地用コンタクト42及び導電要素44に接地電位が付与される。この接地電位は、基部56を介して等電位に維持される。
【0026】
次に、ICデバイス18の複数のリード20を、導電部材46の開口58に挿通してリード用コンタクト22に接続する。このとき、相互接続された各リード20及び各リード用コンタクト22は、相互接続された各導電要素44及び各接地用コンタクト42に対し、ICソケット10の本体14の長手方向及び横断方向に隣合う位置に配置される。したがって、複数のリード20の内の信号リードは、各々少なくとも4つの接地電位の導体(すなわち導電要素44及び接地用コンタクト42)によって取り囲まれる。その結果、信号リード及びそれに対応するリード用コンタクト22からなるICソケット10内の信号線路の間が、接地電位の導体によって実質的に電磁シールドされ、以てICソケット10における信号線路間クロストークが低減される。
【0027】
ここでICソケット10では、全ての第2受容部40に挿入される導電要素44を備えた導電部材46の代わりに、図5(a)に示すように、所望位置の第2受容部40に挿入される導電要素44′を備えた導電部材46′を用意することができる。すなわち導電部材46′は、ICデバイス18の複数のリード20のうちの特定の信号リードの周囲のみに、導電要素44′を配置するものである。或いは、基部56が本体12の主表面24の略全体に広がる導電部材46の代わりに、図5(b)に示すように、ICデバイス18の所望の信号リードの周辺のみに局部的に配置される基部56″を備えた導電部材46″を用意することもできる。この導電部材46″も、ICデバイス18の複数のリード20のうちの特定の信号リードの周囲のみに、導電要素44″を配置するものである。
【0028】
このように、ICソケット10によれば、多様な導電要素44、44′、44″、…の配置を有する異なる導電部材46、46′、46″、…を用意し、ICデバイス18の各信号リードにおける特性インピーダンス値や高周波対策の要否に応じて、適宜、導電部材46を交換使用することにより、ICソケット10の特定の信号伝送線路における特性インピーダンス値を、ICデバイス18及び回路基板26の各信号線路の特性インピーダンス値と整合させることが可能となる。なおこの場合、導電要素44が挿入されない第2受容部40には、接地用コンタクト42を配置しなくても良い。すなわち、導電部材46の導電要素44の配置に対応して、複数の受容部12のうちの導電要素44を受ける位置にのみ、接地用コンタクト42を受容する第2受容部40を設定できる。また、ICデバイス18のリード20の配置に対応して、複数の受容部12のうちのリード20を受ける位置にのみ、リード用コンタクト22を受容する第1受容部16を設定できることは言うまでもない。
【0029】
上記説明から分かるように、ICソケット10の導電要素44は、別の観点から見ればICデバイス18の補助的な接地リードとして作用する。一般に信号伝送の観点からは、ICデバイスに直接に接続されたリードのうちの少なくとも1本が接地リードであれば良い。しかしながら前述したように、高周波信号に対しては、信号リードを接地リードで取り囲むようなリード配置が望ましい。したがって従来、高速型のICデバイスを使用する際に、ICデバイスに接続可能なリード総数の半数近く又はそれ以上を接地リードに割当てる場合があった。その結果、信号リードの本数が減少し、電子機器の高密度実装化及び大容量伝送処理の要求に本来対応し得るICデバイスの能力を、有効に発揮させることが困難になっていた。
【0030】
これに対し、本発明のICソケットによれば、複数の導電要素がICデバイスの補助接地リードとして作用するので、ICデバイスに直接に接続される接地リードの本数を増やすことなく、すなわち信号リードの本数を減少させることなく、高周波対策をICデバイスに施すことが可能となる。例えば、ICデバイスが信号リードと接地リードとを1対1の割合で有する場合、本発明のICソケットを使用すれば、補助接地リードとして作用する導電要素により接地線路の数をさらに増加でき、一層確実な高周波対策を施すことができる。また、ICデバイスのリードの大部分が信号リードである場合、本発明のICソケットを使用すれば、補助接地リードとして作用する導電要素により高周波対策を施すことができるので、ICデバイスの能力を最大限に発揮させることができる。このような作用効果は、多数化及び狭ピッチ化されたリード配置を有するICデバイスに対し、特に有効に作用する。
【0031】
ところで、上記実施形態によるICソケット10では、ICデバイス18のリード20に対応した個数のリード用コンタクト22と、それらリード用コンタクト22を取り囲むことができる個数の接地用コンタクト42とが、いずれも回路基板26に接続される構成となっている。したがって回路基板26においては、ICデバイス18のリード配置よりもさらに高密度配置でスルーホール36、52が形成されるので、接地用コンタクト42に包囲されたリード用コンタクト22の内の信号用コンタクトに接続される信号導体パターンを、各スルーホール36、52の間の狭小な領域に配線しなければならず、配線が極めて困難になるとともに回路基板26における配線間クロストークが増加する危惧が生じる。
【0032】
こうした危惧を排除するために、本発明に係るICソケットは、導電要素に接続された接地用コンタクトの少なくとも1つが、外部の接地電位に直接に接続される構成とすることができる。図6〜図8は、そのような極めて有利な構成を有した本発明の他の実施形態によるICソケット60を示す。なお図6〜図8では、図1〜図4に示した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0033】
ICソケット60は、相互に独立して形成された複数の受容部12を有する本体14と、それら複数の受容部12のうちで所望位置にある複数の第1受容部16に受容され、ICデバイス18の複数のリード20にそれぞれ脱着可能に接続される複数のリード用コンタクト22と、接地電位を保持してそれら複数のリード用コンタクト22の間を実質的に電磁シールドするシールド手段とを備える。
【0034】
ICソケット60のシールド手段は、本体14に設けた複数の受容部12のうちで各第1受容部16の周辺所望位置にある複数の第2受容部40に受容される複数の第1接地用コンタクト62及び第2接地用コンタクト64と、それら第2受容部40に挿入されて第1接地用コンタクト62又は第2接地用コンタクト64にそれぞれ脱着可能に接続される複数の導電要素44を備えた導電部材46とから構成される。
【0035】
第1接地用コンタクト62は、ICソケット10の接地用コンタクト42と同様に、リード用コンタクト22と略同一の寸法及び形状を有し、導電要素44に脱着可能にかつ電気的に接続される接触部66と、回路基板26のスルーホール52に挿通されて接地導体接点部54に半田付け等により電気的に接続される脚部68とを備える。第2接地用コンタクト64は、第1接地用コンタクト62の接触部66と略同一形状の接触部70を備える。ただし第2接地用コンタクト64は、回路基板26の接地導体に電気的に接続される脚部を備えない。
【0036】
ICソケット60を使用する際には、本体14の複数の第2受容部40に第1接地用コンタクト62及び第2接地用コンタクト64を所望個数ずつ所望位置に振り分けて配置する。この状態で、リード用コンタクト22及び第1接地用コンタクト62の脚部32及び68を回路基板26の各スルーホール36及び52に挿入して信号導体接点部38及び接地導体接点部54にそれぞれ固定的に接続する。次いで、導電部材46の複数の導電要素44を第1接地用コンタクト62及び第2接地用コンタクト64に挿入接続し、基部56を本体14の主表面24上に配置する。このとき、複数の導電要素44が基部56を介して電気的に相互連結されているので、全ての第1接地用コンタクト62及び第2接地用コンタクト64並びにそれらに接続された導電要素44に等接地電位が付与される。
【0037】
次に、ICデバイス18の複数のリード20を、導電部材46の開口58に挿通してリード用コンタクト22に接続する。このとき、相互接続された各リード20及び各リード用コンタクト22は、相互接続された各導電要素44及び各第1接地用コンタクト62又は各第2接地用コンタクト64に対し、ICソケット60の本体14の長手方向及び横断方向に隣合う位置に配置される。ここで第2接地用コンタクト64は、第2受容部40の壁に接触する径を有するとともに第2受容部40の本体裏面28側開口の近傍まで延びるので、信号線路に対する充分なシールド作用を発揮する。
【0038】
このようにして、信号リード及びそれに対応するリード用コンタクト22からなるICソケット60内の信号線路の間が、各々少なくとも4つの接地電位の導体(すなわち導電要素44及び第1接地用コンタクト62又は第2接地用コンタクト64)によって実質的に電磁シールドされ、以てICソケット60における信号線路間クロストークが低減される。またICソケット60では、ICソケット10と同様に、多様な導電要素44の配置を有する異なる導電部材46を用意し、ICデバイス18の各信号リードにおける特性インピーダンス値や高周波対策の要否に応じて、適宜、導電部材46を交換使用することにより、ICソケット10の特定の信号伝送線路における特性インピーダンス値を、ICデバイス18及び回路基板26の各信号線路の特性インピーダンス値と整合させることが可能となる。
【0039】
さらにICソケット60によれば、回路基板26に接続されない第2接地用コンタクト64を、所望位置の第2受容部40に配置できるので、回路基板26に形成される接地導体用スルーホール52の個数を削減することが可能となる。したがって、リード用コンタクト22のうちの信号用コンタクトに接続される信号導体パターンを、回路基板26上に充分な間隔で配置された各スルーホール36、52間の領域に配線でき、信号導体パターンの形成が極めて容易になるとともに、回路基板26における配線間クロストークを抑制することが可能となる。
【0040】
ICソケット60において、第1接地用コンタクト62と第2接地用コンタクト64とは、導電部材46を介して電気的に接続されているので、回路基板26の接地導体接点部54に接続される第1接地用コンタクト62は少なくとも1つあればよい。しかしながら、ICソケット60におけるクロストーク低減作用に関しては、信号用コンタクトに並行する長さが長い第1接地用コンタクト62の方が、並行長さの短い第2接地用コンタクト64よりも有効に作用する。したがって、回路基板26上での信号配線パターンとICソケット60におけるクロストーク低減作用との兼ね合いにより、第1接地用コンタクト62と第2接地用コンタクト64との分布が適宜決定される。
【0041】
図9は、ICソケット60におけるリード用コンタクト22、第1接地用コンタクト62及び第2接地用コンタクト64の様々な配置例を示す。なお、理解を容易にするために、図示のリード用コンタクト22は全て信号用コンタクトであるとする。図9(a)及び(b)は、上述したような千鳥配置のリード用コンタクト22を有する場合を示し、各リード用コンタクト22の長手方向及び横断方向に隣合う各位置に、第1接地用コンタクト62及び第2接地用コンタクト64が適宜分配して配置される。図9(a)の配置例では、リード用コンタクト22と両接地用コンタクト62、64との個数割合は略1対1であり、第1接地用コンタクト62と第2接地用コンタクト64との個数割合は略1対1である。リード用コンタクト22に接続される信号導体パターンは、回路基板上で第2接地用コンタクト64に対応する充分な広さの領域に配線できる。
【0042】
図9(b)の配置例では、リード用コンタクト22と両接地用コンタクト62、64との個数割合は略1対1であるが、接地用コンタクトの大部分が第2接地用コンタクト64となっている。したがって、リード用コンタクト22に接続される信号導体パターンは、回路基板上で第2接地用コンタクト64に対応する極めて広い領域に自在に配線できる。ただし図9(a)の配置例と比較すると、第1接地用コンタクト62が少ないので、ICソケット60におけるクロストーク低減作用は若干劣ることが予想される。
【0043】
図9(c)及び(d)は、リード用コンタクト22を行列状に配置した例を示す。この場合、各リード用コンタクト22の長手方向、横断方向及び斜め方向に隣合う各位置に、第1接地用コンタクト62及び第2接地用コンタクト64が適宜分配して配置されるので、図9(a)及び(b)の配置例よりもICソケット60におけるクロストーク低減作用は優れている。図9(c)の配置例では、リード用コンタクト22と両接地用コンタクト62、64との個数割合は略1対3であり、第1接地用コンタクト62と第2接地用コンタクト64との個数割合は略1対1である。リード用コンタクト22に接続される信号導体パターンは、回路基板上で第2接地用コンタクト64に対応する充分な広さの領域に配線できる。
【0044】
図9(d)の配置例では、リード用コンタクト22と両接地用コンタクト62、64との個数割合は略1対3であるが、接地用コンタクトの大部分が第2接地用コンタクト64となっている。したがって、リード用コンタクト22に接続される信号導体パターンは、回路基板上で第2接地用コンタクト64に対応する極めて広い領域に自在に配線できる。ただし図9(c)の配置例と比較すると、第1接地用コンタクト62が少ないので、ICソケット60におけるクロストーク低減作用は若干劣ることが予想される。
【0045】
図10〜図13は、本発明のさらに他の実施形態によるICソケット80を示す。なお図10〜図13では、図1〜図8に示した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。ICソケット80は、例えば米国特許第 3,763,459号に開示されるようないわゆる無挿抜力(ZIF)型のソケットに、接地電位を保持して複数の信号用コンタクトの間を実質的に電磁シールドするシールド手段を設けたものである。
【0046】
ICソケット80の本体は、回路基板26に対向配置される下方部材82と、隙間を介して下方部材82に固定され、ICデバイス18に対向配置される上方部材84と、下方部材82と上方部材84との間に摺動可能に介在される中間部材86とから構成される。さらにICソケット80には、中間部材86を下方部材82と上方部材84との間で所定方向へ移動させるカム部材88が、下方部材82と上方部材84との間に回動可能に設置される。
【0047】
下方部材82、上方部材84及び中間部材86の相互対応位置には、それぞれ複数の下方貫通孔90、上方貫通孔92及び中間貫通孔94が行列配置で設けられ、それら下方貫通孔90と上方貫通孔92と中間貫通孔94との組合せにより、ICソケット80の本体の複数の受容部の各々が構成される。このような組合せ構造の複数の受容部のうちで所望位置にある複数の第1受容部96に、ICデバイス18の複数のリード20にそれぞれ脱着可能に接続される複数のリード用コンタクト98が受容される。
【0048】
リード用コンタクト98は、電気信号の伝送が可能な導電体であり、第1受容部96の主に上方貫通孔92及び中間貫通孔94に収容される二股状の接触部100と、接触部100から延長されるピン状の脚部102とを備える。接触部100は、上方部材84の上方貫通孔92を介して容易に接近可能であり、ICデバイス18のリード20に脱着可能にかつ電気的に接続される。リード用コンタクト98の脚部102は、下方部材82の下方貫通孔90を介して外方へ突出し、ICソケット80を回路基板26に搭載したときには、回路基板26のスルーホール36に挿通されて信号導体接点部38に半田付け等により電気的に接続される。
【0049】
リード用コンタクト98の二股状の接触部100は、無負荷状態では図13(a)に示すように末端が開いた状態に置かれ、相互接近方向への押圧力を加えることにより弾性変形して図13(b)に示すように末端が閉じられる。この押圧力は、カム部材88を図11及び図13で反時計方向へ回動させ、中間部材86を図11及び図13で左方向へ移動させることにより、中間貫通孔94の壁面から接触部100に加えられる。したがってICソケット80では、リード用コンタクト98の接触部100を開いた状態で、挿入力を要さずにICデバイス18のリード20を第1受容部96に配置でき、次いでカム部材88を操作して中間部材86を移動させることにより、接触部100を閉じてリード用コンタクト98とリード20との正確な接触を得ることができる。
【0050】
ICソケット80のシールド手段は、組合せ構造の複数の受容部のうちで各第1受容部96の周辺所望位置にある複数の第2受容部104に受容される複数の第1接地用コンタクト106及び第2接地用コンタクト108と、それら第1接地用コンタクト106又は第2接地用コンタクト108にそれぞれ脱着可能に接続される複数の導電要素44を備えた導電部材46とから構成される。第2受容部104は第1受容部96と同一の形状を有し、第1受容部96に略平行に、下方部材82、上方部材84及び中間部材86からなるソケット本体に貫通形成される。また、第1受容部96及び第2受容部104の各々はソケット本体に千鳥状に配置され、したがって図10に示すように、全ての受容部が第1受容部96又は第2受容部104を構成してソケット本体に行列状に配置される。
【0051】
第1接地用コンタクト106は、リード用コンタクト98と略同一の寸法及び形状を有し、導電要素44に脱着可能にかつ電気的に接続される二股状の接触部110と、回路基板26のスルーホール52に挿通されて接地導体接点部54に半田付け等により電気的に接続される脚部112とを備える。第2接地用コンタクト108は、第1接地用コンタクト106の接触部110と略同一形状の接触部114を備える。ただし第2接地用コンタクト108は、回路基板26の接地導体に電気的に接続される脚部を備えない。
【0052】
ICソケット80を使用する際には、図11(a)及び図12に示すように中間部材86を下方部材82と上方部材84との間で図の右端位置に配置し、その状態で複数の第2受容部104に第1接地用コンタクト106及び第2接地用コンタクト108を所望個数ずつ所望位置に振り分けて配置する。このとき、各接地用コンタクト106、108の接触部110、114は開いた状態に置かれる。この状態で、リード用コンタクト98及び第1接地用コンタクト106の脚部102及び112を回路基板26の各スルーホール36及び52に挿入して信号導体接点部38及び接地導体接点部54にそれぞれ固定的に接続する。次いで、導電部材46の複数の導電要素44を第1接地用コンタクト106及び第2接地用コンタクト108の接触部110、114に挿入し、基部56を上方部材84上に配置する。
【0053】
次に、ICデバイス18の複数のリード20を、導電部材46の開口58に挿通して、リード用コンタクト98の接触部100に挿入する。その状態で、カム部材88を操作して中間部材86を移動させ、各コンタクトの接触部100、110、114を閉じて、各接地用コンタクト106、108と各導電要素44、及び各リード用コンタクト98と各リード20との正確な接触を得る。これにより、全ての第1接地用コンタクト106及び第2接地用コンタクト108並びにそれらに接続された導電要素44に等接地電位が付与される。また、相互接続された各リード20及び各リード用コンタクト98は、相互接続された各導電要素44及び各第1接地用コンタクト106又は各第2接地用コンタクト108に対し、ICソケット80の本体14の長手方向及び横断方向に隣合う位置に配置される。
【0054】
このようにして、ICソケット60と同様に、信号リード及びそれに対応するリード用コンタクト98からなるICソケット80内の信号線路の間が、各々少なくとも4つの接地電位の導体(すなわち導電要素44及び第1接地用コンタクト106又は第2接地用コンタクト108)によって実質的に電磁シールドされ、以てICソケット80における信号線路間クロストークが低減される。またICソケット80では、ICソケット10と同様に、多様な導電要素44の配置を有する異なる導電部材46を用意し、ICデバイス18の各信号リードにおける特性インピーダンス値や高周波対策の要否に応じて、適宜、導電部材46を交換使用することにより、ICソケット80の特定の信号伝送線路における特性インピーダンス値を、ICデバイス18及び回路基板26の各信号線路の特性インピーダンス値と整合させることが可能となる。
【0055】
さらにICソケット80によれば、ICソケット60と同様に、回路基板26に接続されない第2接地用コンタクト108を、所望位置の第2受容部104に配置できるので、回路基板26に形成される接地導体用スルーホール52の個数を削減することが可能となる。したがって、リード用コンタクト98のうちの信号用コンタクトに接続される信号導体パターンを、回路基板26上に充分な間隔で配置された各スルーホール36、52間の領域に配線でき、信号導体パターンの形成が極めて容易になるとともに、回路基板26における配線間クロストークを抑制することが可能となる。
【0056】
本発明に係るICソケットは、上記以外の様々な構成を有することができる。例えば上記各実施形態において、第1受容部16、96と第2受容部40、104とは、互いに異なる形状及び寸法を有していてもよい。この場合、リード用コンタクト22、98と接地用コンタクト42及び第1接地用コンタクト106とは、互いに異なる形状及び寸法を有することになる。しかしながら、複数の受容部の所望位置に第1受容部及び第2受容部を設定できるようにするために、両受容部は同一形状であることが望ましい。
【0057】
また、ICソケット60において、図14に示すように、少なくとも1つの第1接地用コンタクト62を残して、他の所望の第1及び第2接地用コンタクト62、64を省略することもできる。この場合、第1及び第2接地用コンタクト62、64を配置しない第2受容部40には、導電部材46の導電要素44のみが受容され、それら導電要素44は、第1接地用コンタクト62に接続された導電要素44及び基部56を介して、等接地電位に保持される。このような構成においても、等接地電位を有する導電要素44が、信号リード及びリード用コンタクト22からなる信号線路を電磁シールドする。この電磁シールド効果は、導電要素44の長さ及び幅(径)が第2接地用コンタクト64に比べて小さいので、ICソケット60における電磁シールド効果に比べて若干劣ることが予測される。しかし、導電要素44の長さ及び幅を第2接地用コンタクト64に相当する寸法まで拡大することにより、ICソケット60と同等の電磁シールド効果を得ることができる。なおこのような変更は、ICソケット10、80においても行うことができる。
【0058】
このように本発明によれば、ICデバイスの特定の信号リードを包囲する接地用コンタクトの位置及び個数を選択することによっても、ICソケットにおける特定の信号線路の特性インピーダンス値を適宜調整できることが理解されよう。さらにこの場合、接地用コンタクトを配しない第2受容部に受容される導電要素の寸法を調節することにより、特性インピーダンス値をさらに調整できる。
【0059】
さらに、上記各実施形態では、複数の導電要素に接地電位を付与する接地手段として接地用コンタクトを使用したが、本発明はこれに限ることなく、例えば本体外部に延びて外部の接地電位に脱着可能に接続される接地用ワイヤを、導電要素(又は導電部材の基部)に取付ける構成としてもよい。この場合、導電要素に接続される全ての接地用コンタクトを省略でき、回路基板上の信号導体パターンの形成を一層容易にすることができる。
【0060】
本発明に係るICソケットは、上記したようなPGA構造のICデバイスのみならず、各コンタクトの配置を適宜変更することにより、例えばDIP(デュアルインラインパッケージ)、SIP(シングルインラインパッケージ)、ZIP(ジグザグインラインパッケージ)、SOI(スモールアウトラインIリードパッケージ)、QFI(クワッドフラットIリードパッケージ)等のパッケージ構造を有するICデバイスに適用できる。
【0061】
本発明に係るICソケットは、様々な材料から形成できる。例えば上記各実施形態において、本体14、下方部材82、上方部材84、中間部材86及びカム部材88は、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PEI(ポリエーテルイミド)、PES(ポリエーテルスルホン)等の、耐熱性及び機械的強度に優れた樹脂材料から形成されることが好ましい。また、リード用コンタクト22、98、接地用コンタクト42、第1接地用コンタクト106及び第2接地用コンタクト108は、ベリリウム銅や燐青銅等のばね性を有する金属材料からなることが好ましい。それらコンタクトの少なくとも接点部分には、ニッケル下地の金メッキを施すことが望ましい。さらに、導電部材46は、黄銅や燐青銅等の金属材料に、少なくとも導電要素44の部分にニッケル下地の金メッキを施したものからなることが望ましい。
【0062】
本発明に係るICソケットは、様々な方法で製造できる。例えば上記各実施形態において、本体14、下方部材82、上方部材84及び中間部材86は、樹脂材料から射出成型により形成できる。また導電部材46は、板金材料から打抜き、曲げ加工等により作製できる。複数の導電要素44は、基部56の一部を折り曲げることにより作製できるが、基部56に別体の導電要素44を固着することもできる。なお、リード用コンタクト22、98と接地用コンタクト42、第1接地用コンタクト62、及び第1接地用コンタクト106とが同一形状を有する場合に、基部56から打抜き及び折り曲げにより形成された導電要素44は、ICデバイスのリードと略同一の、一辺が0.2mm〜0.5mmの矩形断面を有することが望ましい。この場合、基部56は同様に0.2mm〜0.5mmの厚みを有するが、ICソケット内における信号線路の長さを極力短くするためには例えば1mm以下の可及的に薄い厚みを有することが望ましい。また、基部56に別体の導電要素44を固着する場合は、導電要素44は円柱形状を有することもできる。
【0063】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、伝送信号の高速化及び高周波数化に対応して、ICデバイスの能力を最大限に引き出しつつ、特性インピーダンス値の整合及びクロストークの低減を確実に達成でき、しかも低コストで製造可能な高周波対応型のICソケットが提供される。したがって本発明は、電子機器の高機能化の促進に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態によるICソケットの分解斜視図である。
【図2】図1のICソケットを組立てた状態で示す斜視図である。
【図3】図1のICソケットを回路基板に搭載し、かつ導電部材及びICデバイスを本体から分離した状態で示す部分断面図である。
【図4】図3に対応した部分断面図であり、図1のICソケットを回路基板に搭載し、かつ導電部材及びICデバイスを本体に取付けた状態で示す。
【図5】(a)図1のICソケットの変形例を示す部分断面図、及び(b)図1のICソケットの他の変形例を示す部分断面図、である。
【図6】本発明の他の実施形態によるICソケットの分解斜視図である。
【図7】図6のICソケットを回路基板に搭載し、かつ導電部材及びICデバイスを本体から分離した状態で示す部分断面図である。
【図8】図7に対応した部分断面図であり、図6のICソケットを回路基板に搭載し、かつ導電部材及びICデバイスを本体に取付けた状態で示す。
【図9】図6のICソケットにおける各コンタクトの配置例を概略的に示す図で、(a)千鳥状配置のリード用コンタクトと、略同数の第1接地用コンタクト及び第2接地用コンタクトとを配置した例、(b)千鳥状配置のリード用コンタクトと、多数の第2接地用コンタクト及び少数の第1接地用コンタクトとを配置した例、(c)行列状配置のリード用コンタクトと、略同数の第1接地用コンタクト及び第2接地用コンタクトとを配置した例、及び(d)行列状配置のリード用コンタクトと、多数の第2接地用コンタクト及び少数の第1接地用コンタクトとを配置した例、を示す。
【図10】本発明のさらに他の実施形態によるICソケットの分解斜視図である。
【図11】図10のICソケットを組立てた状態で示す斜視図で、(a)コンタクト開放時、及び(b)コンタクト閉鎖時、の各状態を示す。
【図12】図10のICソケットを回路基板に搭載し、かつ導電部材及びICデバイスを本体から分離した状態で示す部分断面図である。
【図13】図12に対応した部分断面図であり、図10のICソケットを回路基板に搭載し、かつ導電部材及びICデバイスを本体に取付けた状態で示す図で、(a)コンタクト開放時、及び(b)コンタクト閉鎖時、の各状態を示す。
【図14】図6のICソケットの変形例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
10、60、80…ICソケット
12…受容部
14…本体
16…第1受容部
18…ICデバイス
20…リード
22…リード用コンタクト
26…回路基板
40…第2受容部
42…接地用コンタクト
44…導電要素
46…導電部材
56…基部
58…開口
62…第1接地用コンタクト
64…第2接地用コンタクト

Claims (7)

  1. 相互に独立して形成された複数の受容部を有する電気絶縁性の本体と、それら複数の受容部のうちで所望位置にある複数の第1受容部に受容され、ICデバイスの複数の信号リードにそれぞれ脱着可能に接続される複数の信号用コンタクトと、接地電位を保持してそれら複数の信号用コンタクトの間を電磁シールドするシールド手段とを具備したICソケットにおいて、
    前記シールド手段は、
    前記本体の前記複数の受容部のうちで前記第1受容部の各々の周辺にある複数の第2受容部に脱着可能に受容され、前記本体から独立して相互に電気的に連結される複数の導電要素と、
    それら複数の導電要素に接地電位を付与する接地手段とを具備すること、
    を特徴とするICソケット。
  2. 前記接地手段は、前記複数の第2受容部に受容されて前記複数の導電要素にそれぞれ脱着可能に接続される複数の接地用コンタクトからなり、それら接地用コンタクトの少なくとも1つが、外部の接地電位に直接に接続される請求項1に記載のICソケット。
  3. 前記複数の接地用コンタクトが、外部の接地電位に直接に接続される第1接地用コンタクトと、前記導電要素を介して該第1接地用コンタクトに接続され、それにより外部の接地電位に間接に接続される第2接地用コンタクトとを具備する請求項2に記載のICソケット。
  4. 前記接地用コンタクトの配置に対応する位置に前記複数の導電要素を立設した基部と、前記信号用コンタクトの配置に対応する位置に該基部に設けられた複数の開口とを備えて、前記本体に脱着可能に取付けられる導電部材を具備する請求項2又は3に記載のICソケット。
  5. 前記本体が、下方部材と、隙間を介して該下方部材に固定される上方部材と、該下方部材と該上方部材との間の該隙間に移動可能に配置される中間部材とを具備し、前記複数の受容部の各々が、それら下方部材、上方部材及び中間部材の相互対応位置にそれぞれ設けられた下方貫通孔、上方貫通孔及び中間貫通孔の組合せからなり、前記信号用コンタクト及び前記接地用コンタクトが、それら複数の受容部のうちの前記複数の第1受容部及び第2受容部にそれぞれ受容されて、前記中間部材の移動により、それぞれICデバイスの信号リード及び前記導電要素に選択的に接続及び分離される請求項2〜4のいずれか1項に記載のICソケット。
  6. 前記信号用コンタクトと前記接地用コンタクトとが、互いに同一の寸法及び形状を有する請求項2〜5のいずれか1項に記載のICソケット。
  7. 複数の信号リードと少なくとも1つの接地リードとを有するICデバイスに適用される、請求項1〜6のいずれか1項に記載のICソケットであって、前記信号用コンタクトから離隔して前記第1受容部に受容され、ICデバイスの接地リードに脱着可能に接続される少なくとも1つのリード用コンタクトをさらに備えるICソケット。
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