JP4082671B2

JP4082671B2 - Biaxially oriented polyester film

Info

Publication number: JP4082671B2
Application number: JP2003057177A
Authority: JP
Inventors: 義男目黒
Original assignee: 三菱化学ポリエステルフィルム株式会社
Priority date: 2003-03-04
Filing date: 2003-03-04
Publication date: 2008-04-30
Anticipated expiration: 2023-03-04
Also published as: JP2004263133A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二軸配向ポリエステルフィルムに関する。さらに詳しくは、本発明は、ゲル化ブツによる核なし異物が大幅に低減された、生産性、特に連続製膜性、フィルターライフに優れた二軸配向ポリエステルフィルムに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートに代表される二軸配向ポリエステルフィルムは、化学的に安定であり、物理的および機械的強度が高く、耐熱性、耐久性、耐薬品性、電気絶縁性に優れているので、磁気テープ、コンデンサー、電気絶縁材、包装材料および産業用成形加工品と幅広く使用されている。
通常ポリエステルフィルムの取り扱い性や巻き作業性を向上させるために、フィルム中に無機あるいは有機の不活性微粒子を含有させる（例えば、特許文献１参照）が、当該微粒子が起点となって、三次元編目構造をとった高融点化ＰＥＴである、いわゆるゲル化ブツが生成し、核なし異物となってフィルム中に存在し、フィルムの品質低下を招き、問題となっている。
【０００３】
特に電気および電子機器用や光学用途においては、フィルムの特性の中で、耐熱性の向上、フィルム表面に析出する低分子量物の低減、さらにフィルム中の異物低減等の要求がなされているが、近年フィルムに対する要求特性が一段と厳しいものとなってきている。耐熱性の向上、フィルム表面に析出する低分子量物の低減としては、種々の提案がなされている（例えば、特許文献２参照）。
耐熱性の向上、フィルム表面に析出する低分子量物の低減はある程度図られているが、異物、特にゲル化ブツによる核なし異物の低減には至っていないのが現状である。したがって、ゲル化ブツによる核なし異物の低減として、メルトラインのフィルターの強化が試みられているが、フィルター強化によりフィルターライフが短くなり、頻繁にフィルター交換が必要となるために生産性の低下を招くことになる。フィルターライフを長くするために、フィルターをマイルドにすると、フィルム中にゲル化ブツによる核なし異物が多くなり、フィルムの品質低下、延伸工程でフィルムの破断が多発する等の弊害が生じることとなる。
【０００４】
【特許文献１】
特開平７−１８１６３号公報
【特許文献２】
特開平６−２０００００号公報
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情を鑑みなされたものであり、その解決課題は、ゲル化ブツによる核なし異物を大幅に低減し、生産性、特に連続製膜性、フィルターライフを向上させ、かつ、フィルム品質を大幅に向上させた二軸延伸ポリエステルフィルムを提供することにある。
【０００６】
【発明を解決するための手段】
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、ある特定のシリカ粒子と抗酸化剤を同時に含有することより、これらの改良を効果的に達成し得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【０００７】
すなわち、本発明の要旨は、細孔容積が０．５〜２．０ｍｌ／ｇであり、平均粒径が０．１〜５．０μｍである湿式法シリカ粒子を０．０１〜１．０重量％、および抗酸化剤を０．０１〜０．５重量％含有する二軸配向ポリエステルフィルムであり、ゲル化ブツによる核なし異物の個数が１０個／ｍ^２以下であることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルムに存する。
【０００８】
【発明の実施形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフィルムを構成するポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸またはそのエステルとグリコールとを主たる出発原料として得られるポリエステルであり、繰り返し構造単位の８０％以上がエチレンテレフタレート単位またはエチレン−２，６−ナフタレート単位または１，４−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート単位を有するポリエステルが好適である。また、かかるポリエステルは他の第三成分が共重合されていてもよい。芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸および２，６−ナフタレンジカルボン酸以外に、例えば、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、４，４’−ジフェニルジカルボン酸、オキシカルボン酸（例えば、ｐ−オキシエトキシ安息香酸等）等を用いることができる。グリコール成分としては、エチレングリコール、１，４−シクロヘキサンジメタノール以外に、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上を用いることができる。いずれにしても、本発明のポリエステルとは繰り返し単位の８０％以上がエチレンテレフタレート単位またはエチレン−２，６−ナフタレン単位を有するポリエステルを指す。
【０００９】
かかるポリエステルの極限粘度は、通常０．４５以上、好ましくは０．５０〜１．０、さらに好ましくは０．５２〜０．８０の範囲である。極限粘度が０．４５未満ではフィルム製造時の生産性が低下したり、フィルムの機械的強度が低下したりするという問題が生じる。一方、ポリマーの溶融押し出し安定性の点から、極限粘度は１．０を超えないことが好ましい。
【００１０】
本発明のポリエステルフィルムは、かかるポリエステルを出発原料とする二軸に配向されたポリエステルフィルムを指すが、その製造方法としては公知の方法を取り得る。例えば、通常２７０〜３３０℃でシート状に溶融押し出しした後、４０〜８０℃で冷却固化し、無定形シートとした後、８０〜１３０℃で縦、横方向に面積倍率で４〜２０倍となるよう逐次二軸延伸あるいは同時二軸延伸し、１６０〜２５０℃で熱処理する方法（例えば特公昭３０−５６３９号公報記載の方法）を利用することができる。縦および横方向の延伸は、各一段で延伸してもよいし、必要に応じ、多段で延伸したり、多段延伸の間に配向緩和のため熱処理区間を設けたりすることもできる。また、二軸延伸後、次工程の熱処理工程に供する前に再度延伸してもよい。この再延伸は、縦横いずれの方向に行うこともできるし、また両方向に行ってもよい。
【００１１】
本発明の最大の特徴は、ポリエステルフィルムに配合する特定のシリカ粒子と抗酸化剤を同時に含有させる点にある。すなわち、細孔容積が０．５〜２．０ｍｌ／ｇ、平均粒径が０．１〜５．０μｍの範囲にある湿式法シリカ粒子と抗酸化剤のそれぞれの特定量を同時に含有させることにより、ゲル化ブツによる核なし異物を大幅に低減させ、核なし異物起因によるフィルム製造時のフィルム破断を減少させることが可能となる。
【００１２】
本発明において用いられる湿式法シリカ粒子は、一次粒子がシロキサン結合により三次元的なマトリックス構造を形成して、表面が多孔質化しており、かつ内部表面積も非常に大きな形態を有している。このような湿式法により製造されたシリカ粒子は、表面が多孔質化しているため表面積が大きく、樹脂および同時に含有する抗酸化剤との接触面積が広いために、粒子が起点となって三次元編目構造をとった高融点ＰＥＴいわゆるゲル化ブツの生成を抑制し、核なし異物を低減させることができる。
【００１３】
本発明で用いる湿式法シリカ粒子の平均粒径は、０．１〜５．０μｍの範囲であり、０．１μｍ未満の場合には、ゲル化ブツによる核なし異物の低減の効果はあるものの粒径が小さいために、フィルムの巻き作業性が劣り好ましくない。一方、５．０μｍを超える場合は、ゲル化ブツによる核なし異物より核有り異物が極めて多くなり、光学用途等におけるフィルムの品質低下を招く。
【００１４】
さらに、本発明における湿式法シリカ粒子の細孔容積は０．５〜２．０ｍｌ／ｇ、好ましくは０．６〜１．８ｍｌ／ｇの範囲であることが好ましい。細孔容積が０．５ｍｌ／ｇ未満の場合には、粒子の多孔質化が失われ、ゲル化ブツによる核なし異物の低減効果が失われる傾向となる。一方、２．０ｍｌ／ｇを超える場合は、解砕、凝集が起こりやすく、粒径の調整を行うことが困難となったり、核有り異物が増加したりする。
【００１５】
湿式法シリカ粒子のポリエステルフィルム中の含有量は、０．０１〜１．０重量％の範囲である。０．０１重量％未満の場合は、フィルムの滑り性が不十分であり、１．０重量％を超える場合は、透明性が低下するようになる。
【００１６】
本発明で用いる湿式法シリカ粒子を製膜原料のポリエステルに配合する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用し得る。例えば、粒子とポリエステルチップとを直接ブレンドすることもできるが、特にポリエステルの原料となるエチレングリコールに分散させエチレングリコールスラリーとしてポリエステル製造工程のいずれかの段階、好ましくはエステル化もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応開始前の段階で添加し、重縮合反応を行うことが好ましい。
【００１７】
本発明で用いる湿式法シリカ粒子の分散スラリーは、公知の方法で調整することができる。例えば、粒子とエチレングリコールとを攪拌翼の回転方向と平行に配置した複数個の剪断翼を持つ高速攪拌機、ホモミキサー、超音波分散機等を用いて分散調整することができる。分散スラリーは、スラリー中の粗大粒子および未分散の凝集粒子を除去する目的で、１０００メッシュ以上のフィルターで濾過処理することが望ましい。
【００１８】
本発明のポリエステルフィルムにおいて、湿式法シリカ粒子と同時に含有させる抗酸化剤は、例えば、フェノール系、リン系、チオエーテル系およびこれらの混合物から誘導されるものである。ポリエステルフィルム中に含有する抗酸化剤の添加濃度は０．０１〜０．５重量％の範囲であり、好ましくは０．０５〜０．３重量％の範囲である。抗酸化剤の含有量が０．０１重量％未満の場合は、ゲル化ブツによる核なし異物の低減効果が困難である。一方、０．５重量％を超える場合は、ゲル化ブツによる核なし異物の低減効果はあるが、フィルム表面に存在する抗酸化剤の量が多くなり、インク等の接着性が劣るので好ましくない。また、一種以上の抗酸化剤の混合物を用いてもよく、その場合、その総濃度は、上記範囲内であることが好ましい。
【００１９】
フェノール系抗酸化剤の例としては、トリス（３，５−ジ−ｔ−ブチル−４−ヒドロキシベンジル）イソシアヌレート、３，９−ビス［１，１−ジメチル−２−｛β−（３−ｔ−ブチル−４−ヒドロキシ−５−メチルフェニル）プロピオニルオキシ｝エチル］−２，４，８，１０−テトラオキサスピロ［５，５］ウンデカン、テトラキス［メチレン−３−（３’、５’−ジ−ｔ−ブチル−４’−ヒドロキシフェニル）プロピオネート］メタン、１，１，３−トリス（２−メチル−４−ヒドロキシ−５−ｔ−ブチルフェニル）ブタン、４，４’−ブチリデンビス（６−ｔ−ブチル−３−メチルフェノール）、オクタデシル３−（３’、５’−ジ−ｔ−ブチル−４’−ヒドロキシフェニル）プロピオネート、トリエチレングリコール−ビス［３−（３−ｔ−ブチル−５−メチル−４−ヒドロキシフェニル）プロピオネート］、１，６−ヘキサンジオール−ビス−［３−（３，５−ジ−ｔ−ブチル−４−ヒドロキシフェニル）プロピオネート］、ペンタエリトリトール−テトラキス［３−（３，５−ジ−ｔ−ブチル−４−ヒドロキシフェニル）プロピオネート］、２，２’−チオジエチレン−ビス−［３−（３，５−ジ−ｔ−ブチル−４−ヒドロキシフェニル）プロプオネート］、２，４−ビス−（ｎ−オクチルチオ）−６−（４−ヒドロキシ−３，５−ジ−ｔ−ブチラニル）−１，３，５−トリアジン、Ｎ、Ｎ’−ヘキサメチレン（３，５−ジ−ｔ−ブチル−４−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド）、３，５−ジ−ｔ−ブチル−４−ヒドロキシ−ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、１，３，５−トリメチル−２，４，６−トリス（３，５−ジ−ｔ−ブチル−４−ヒドロキシベンジル）ベンゼン、ビス（３，５−ジ−ｔ−ブチル−４−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル）カルシウムなどが挙げられる。
【００２０】
リン系抗酸化剤の例としては、リン酸、亜リン酸、リン酸メチル、リン酸エチル、リン酸トリエチル、リン酸フェニルなどおよびこれらのエステルが挙げられる。具体的には、リン−環状ネオペンタンテトライル−ビス（２，６−ジ−ｔ−ブチル−４−メチルフェニル）エステル、環状ネオペンタンテトライル−ビス（オクタデシル−ホスファイト）、ビス（２，４−ジ−ｔ−ブチルフェニル）ペンタエリトリト−ルジホスファイト、トリス（２，４−ジ−ｔ−ブチルフェニル）ホスファイト、４，４’−ブチリデン−ビス（３−メチル−６−ｔ−ブチルフェニル−ジ−トリデシル）ホスファイト、１，１，３−トリス（２−メチル−４−ジトリデシル−ホスファイト−５−ｔ−ブチルフェニル）ブタン、ジフェニル−イソオクチル−ホスファイト、ジメチル−イソデシル−ホスファイト、トリス−ノニルフェニル−ホスファイト、トリ（モノ＋ジノニルフェニル）ホスファイト、４，４’−イソプロピリデン−ジフェノール−アルキル（Ｃ_１２−Ｃ_１５）ホスファイトなどが挙げられる。
【００２１】
チオエーテル系抗酸化剤の例としては、ジトリデシル−チオ−ジ−プロピオネート、テトラキス［メチレン−３−（ラウリル−チオ）プロピオネート］メタン、ビス［２−メチル−４−｛３−ｎ−アルキル（Ｃ_１２またはＣ_１４）チオ−プロピオニルオキシ｝−５−ｔ−ブチルフェニル］スルフィドなどが挙げられる。
【００２２】
抗酸化剤の添加方法は、特に限定されるものではないが、押出機をポリマーが通過し終わるまでの任意の段階で行われる。例えば、▲１▼原料ポリエステルの重合時に、前記の湿式法シリカ粒子スラリーと同様に抗酸化剤スラリーとして添加する方法、▲２▼ポリエステルフィルムの製膜時に、押出機をポリマーが通過し終わるまでの任意の段階で添加する。例えば、押出機に添加口を設けておき、溶融または部分的に溶融状態のポリエステルに抗酸化剤を添加する方法が挙げられる。
【００２３】
また、本発明において、抗酸化剤を押し出し工程にて添加する場合は、抗酸化剤を粉末として添加してもよく、適当な溶媒中に分散させたスラリーとして添加してもよい。溶媒中に分散させて添加する場合、溶媒として水あるいは沸点２００℃以下の有機溶媒が好ましく、有機溶媒としてはエチレングリコールが特に好ましい。また、この場合、押し出し機は二軸押し出し機が好ましく、二軸押出機はベント口を一カ所以上有し、その中の少なくとも一カ所を減圧とすることが好ましい。つまり、押出工程内で溶媒を除去することが好ましい。
【００２４】
本発明のポリエステルフィルムは、ゲル化ブツによる核なし異物の個数が１０個／ｍ^２以下、好ましくは５個／ｍ^２以下、さらに好ましくは３個／ｍ^２以下である。ゲル化ブツによる核なし異物が１０個／ｍ^２を超えると、ポリエステルフィルムの製造時フィルムの破断多発やフィルターライフが短くなり、フィルター交換が頻発し生産性の低下を招き、特に光学用途としてはフィルム品質を悪くするために使用しづらい等の問題がある。
【００２５】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。なお、本発明における種々の物性および特性の測定方法、定義は下記のとおりである。また、実施例および比較例中、「部」とあるは「重量部」を示す。
【００２６】
（１）粒子の平均粒径
レザー回折散乱法（（株）堀場製作所製ＬＡ−９１０）によって求められる全粒子の５０重量％点にある粒子の等価球形直径をもって平均粒径とした。
【００２７】
（２）細孔容積
窒素吸脱着法で測定し、ＢＥＴ式で計算した。
【００２８】
（３）極限粘度
ポリマー１ｇをフェノール／テトラクロロエタン（５０／５０（重量比））の混合溶媒１００ｍｌ中に溶解させ、ウベローデ型粘度計を用いて３０℃で測定した。
【００２９】
（４）フィルターライフ（初期圧損）
２０μｍ以上の異物をカットする焼結金属濾過フィルターを用いて、溶融ポリマーの押し出し量がフィルターの単位面積あたり１０ｇ／ｃｍ^２・Ｈｒとなるように溶融押し出して、７２時間後のフィルター差圧ΔＰ（フィルターの入り口と出口圧力の差）をもってフィルターライフ（初期圧損）とした。
【００３０】
（５）核なし異物個数
２枚の偏光板をクロスニコルの状態にし、偏光板の間にポリエステルフィルムを入れた時に、目視により輝点をマーキングし、マーキング部を顕微鏡にて観察して、核の有無を確認してカウントした。なお、測定面積は１ｍ^２行った。
【００３１】
（６）製膜時のフィルム破断性
横延伸時、熱固定時にフィルムが破断する状況を次に示す３ランクにて判定評価した。
○：ほとんどフィルム破断を起こさず、生産性が良好
△：時折フィルム破断を生じ、生産性がやや劣る
×：頻繁にフィルム破断を生じ、生産性が劣る
【００３２】
（７）取り扱い作業性
フィルムの製造時巻き取り作業やフィルムの取り扱い作業性に関し、次の３ランクに分けた。
○：取り扱い性は良好で、スムースに作業できる
△：取り扱い性は概ね良好だが、ややスムースに欠ける
×：フィルム同士がブロッキング、シワが入ったりしやすく、取り扱い性が不良
【００３３】
（８）印刷インク接着性
東洋インキ製造（株）製セロカラー用印刷インクＣＣＳＴ３９藍を用い、乾燥後の塗膜厚さが、１．５μｍとなるようにフィルム表面に塗布し、８０℃で１分間熱風乾燥し、評価用フィルムを得る。評価用フィルムを室温２３℃、湿度５０％ＲＨにて２４時間調温調湿し、該フィルムのインク塗布面にニチバン（株）製セロテープ（登録商標）（１８ｍｍ幅）を気泡の入らぬように７ｃｍの長さに貼り、この上を３Ｋｇの手動式荷重ロールで一定の荷重を与える。フィルムを固定し、セロハンテープの一端を５００ｇの錘に接続し、錘が４５ｃｍの距離を自然落下後に、１８０°方向の剥離試験が開始する方法で評価する。接着性は、次の３段階で判定評価した。
○：セロハンテープ面に印刷インクが全く剥離しない
△：１０〜５０％の部分の印刷インキがセロテープ（登録商標）側に剥離する
×：６０％以上の部分の印刷インキがセロテープ（登録商標）側に剥離する
【００３４】
実施例１
［スラリーの調整］
細孔容積が１．６０ｍｌ／ｇ、平均粒径が２．４μｍの湿式法シリカ粒子１０部をエチレングリコール９０部に分散させた。次いでホモミキサー（特殊機化工製ＴＫホモミキサー）で１００００ｒｐｍ−６０分間分散し、１０００メッシュの金網フィルターで濾過し、エチレングリコールスラリーとした。
【００３５】
［ポリエステルＡの製造］
ジメチルテレフタレート１００部、エチレングリコール６０部および酢酸マグネシウム４水塩０．０９部を加熱昇温するとともにメタノールを留去してエステル交換反応を行い、反応開始から４時間を要して２３０℃まで昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで上記スラリーを３部を添加した後、エチルアシッドホスフェート０．０４部を添加し、さらに三酸化アンチモン０．０４部を加えて５時間重縮合反応を行い、極限粘度０．６５のポリエチレンテレフタレートをえた。
【００３６】
［ポリエステルフィルムの製造］
得られたポリエステルＡと粉体の抗酸化剤（ペンタエリトリトール−テトラキス［３−（３，５−ジ−ｔ−ブチル−４−ヒドロキシフェニル）プロピオネート］）を別個のホッパーに取り、ベント付き二軸スクリューの押し出し機に供給し、（抗酸化剤の添加量は、フィルム中で０．１重量％となるように定量フィーダにて供給した。）２８０℃、−１００ＫＰａのベント減圧下で溶融混練りし、スリット状ダイより２０℃の回転冷却ロール上にシート状に押し出し、静電印加冷却法を使用して回転冷却ロールにより急冷して無定形シートを得、次いで、当該無定形シートを縦方向に９０℃で３．５倍、横方向に１１０℃で３．７倍延伸し、２１０℃で３秒間熱処理を行い、厚さ１２μｍのポリエステルフィルムを得た。その特性は、下記表１に示すとおり、満足すべきものであった。
【００３７】
実施例２
実施例１において、ポリエステルＡの製造時に湿式法シリカ粒子スラリーと抗酸化剤スラリー（抗酸化剤の添加量は、フィルム中で０．１重量％となるように添加）を同時に添加して極限粘度０．６６のポリエステルＢを得た。得られたポリエステルのみをベント付き二軸スクリューの押し出し機に供給して厚さ１２μｍのポリエステルフィルムを得た。その特性は、表１に示すとおり、満足すべきものであった。
【００３８】
比較例１
実施例１において、ポリエステルＡのみを二軸スクリューの押し出し機に供給して実施例１と同様にして、厚さ１２μｍのポリエステルフィルムを得た。
【００３９】
比較例２
実施例１において、平均粒径が２．１μｍの乾式法シリカ粒子とする以外は、実施例１と同様にして厚み１２μｍのポリエステルフィルムを得た。
【００４０】
比較例３
実施例１において、細孔容積が０．４０ｍｌ／ｇ、平均粒径が２．２μｍの湿式法シリカ粒子とする以外は、実施例１と同様にして厚み１２μｍのポリエステルフィルムを得た。
【００４１】
比較例４
実施例１において、細孔容積が２．１０ｍｌ／ｇ、平均粒径が２．３μｍの湿式法シリカ粒子とする以外は、実施例１と同様にして厚み１２μｍのポリエステルフィルムを得た。
【００４２】
比較例５
実施例１において、細孔容積が１．５０ｍｌ／ｇ、平均粒径が０．０８μｍの湿式法シリカ粒子とする以外は、実施例１と同様にして厚み１２μｍのポリエステルフィルムを得た。
【００４３】
比較例６
実施例１において、細孔容積が１．５０ｍｌ／ｇ、平均粒径が５．１μｍの湿式法シリカ粒子とする以外は、実施例１と同様にして厚み１２μｍのポリエステルフィルムを得た。
【００４４】
比較例７
実施例１において、抗酸化剤の供給量を減らす（フィルム中で０．００９重量％となるように添加）以外は、実施例１と同様にして厚み１２μｍのポリエステルフィルムを得た。
【００４５】
比較例８
実施例１において、抗酸化剤の供給量を増やす（フィルム中で０．６重量％となるように添加）以外は、実施例１と同様にして厚み１２μｍのポリエステルフィルムを得た。
【００４６】
比較例９
実施例１において、湿式法シリカ粒子の添加量を０．００９重量％とする以外は、実施例１と同様にして厚み１２μｍポリエステルフィルムを得た。
【００４７】
比較例１０
実施例１において、湿式法シリカ粒子の添加量を１．１重量％とする以外は、実施例１と同様にして厚み１２μｍのポリエステルフィルムを得た。
以上、実施例および比較例で得られたフィルムの物性および生産性を下記表１および２にまとめて示す。
【００４８】
【表１】

【００４９】
【表２】

【００５０】
実施例１および２は、本発明の要件を満たしているため、ゲル化ブツによる核なし異物が大幅に低減し、生産性、特に連続製膜性、フィルターライフが大幅に向上されるものであった。これに対して、比較例１〜１０は、本発明の要件を満たしていないフィルムでゲル化ブツによる核なし異物の低減、フィルム生産性に劣るものであった。
【００５１】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明のフィルムは、ゲル化ブツによる核なし異物を低減し、生産性、特に連続製膜性、フィルターライフに優れるものであり、その工業的価値は高い。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a biaxially oriented polyester film. More specifically, the present invention relates to a biaxially oriented polyester film excellent in productivity, in particular, continuous film-forming property and filter life, in which core-free foreign matters due to gelled particles are greatly reduced.
[0002]
[Prior art]
Biaxially oriented polyester films represented by polyethylene terephthalate are chemically stable, have high physical and mechanical strength, and are excellent in heat resistance, durability, chemical resistance, and electrical insulation. Widely used in capacitors, electrical insulating materials, packaging materials and industrial molded products.
Usually, in order to improve the handling property and winding workability of the polyester film, inorganic or organic inert fine particles are contained in the film (see, for example, Patent Document 1). A so-called gelled surface, which is a high-melting-point PET having a structure, is generated and becomes a core-free foreign substance, which is present in the film, resulting in a deterioration in the quality of the film.
[0003]
Especially in electrical and electronic equipment and optical applications, among the properties of the film, there are demands for improving heat resistance, reducing low molecular weight substances deposited on the film surface, and reducing foreign matter in the film. In recent years, the required properties for films have become more severe. Various proposals have been made for improving heat resistance and reducing low molecular weight substances deposited on the film surface (see, for example, Patent Document 2).
Although improvement of heat resistance and reduction of low molecular weight substances deposited on the film surface have been achieved to some extent, the present situation is that reduction of foreign substances, particularly foreign substances without nuclei due to gelling, has not been achieved. Therefore, attempts have been made to reinforce the melt line filter as a means of reducing foreign particles without gelation, but the filter life has been shortened due to the filter strengthening, and the filter must be replaced frequently. Will be invited. If the filter is mild in order to lengthen the filter life, there will be more nucleation-free foreign matter in the film due to gelled particles, which will cause adverse effects such as film quality degradation and frequent film breakage during the stretching process. .
[0004]
[Patent Document 1]
JP 7-18163 A [Patent Document 2]
Japanese Patent Laid-Open No. 6-200000
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and its solution is to greatly reduce the core-free foreign matter caused by gelling, improve productivity, particularly continuous film formation, filter life, and film. The object is to provide a biaxially stretched polyester film with greatly improved quality.
[0006]
[Means for Solving the Invention]
As a result of intensive studies in view of the above problems, the present inventor has found that these improvements can be effectively achieved by simultaneously containing a specific silica particle and an antioxidant, thereby completing the present invention. It came to do.
[0007]
That is, the gist of the present invention is that 0.01 to 1.0 weight of wet-process silica particles having a pore volume of 0.5 to 2.0 ml / g and an average particle diameter of 0.1 to 5.0 μm. %, And 0.01 to 0.5% by weight of an antioxidant, and the number of foreign particles without nuclei due to gelling is 10 pieces / m ² or less. It exists in an axially oriented polyester film.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The polyester constituting the film of the present invention is a polyester obtained using aromatic dicarboxylic acid or its ester and glycol as main starting materials, and 80% or more of the repeating structural units are ethylene terephthalate units or ethylene-2,6- Polyesters having naphthalate units or 1,4-cyclohexanedimethylene terephthalate units are preferred. In addition, the polyester may be copolymerized with other third component. As an aromatic dicarboxylic acid component, in addition to terephthalic acid and 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, for example, isophthalic acid, phthalic acid, adipic acid, sebacic acid, 4,4′-diphenyldicarboxylic acid, oxycarboxylic acid (for example, p-oxyethoxybenzoic acid, etc.) can be used. As a glycol component, 1 type, or 2 or more types, such as diethylene glycol, triethylene glycol, propylene glycol, butanediol, neopentyl glycol other than ethylene glycol and 1, 4- cyclohexane dimethanol, can be used, for example. In any case, the polyester of the present invention refers to a polyester in which 80% or more of the repeating units have an ethylene terephthalate unit or an ethylene-2,6-naphthalene unit.
[0009]
The intrinsic viscosity of such a polyester is usually 0.45 or more, preferably 0.50 to 1.0, more preferably 0.52 to 0.80. When the intrinsic viscosity is less than 0.45, there arises a problem that the productivity at the time of film production is lowered or the mechanical strength of the film is lowered. On the other hand, from the viewpoint of the melt extrusion stability of the polymer, the intrinsic viscosity is preferably not more than 1.0.
[0010]
The polyester film of the present invention refers to a biaxially oriented polyester film using such a polyester as a starting material, and a known method can be used as a production method thereof. For example, it is usually melt-extruded into a sheet form at 270 to 330 ° C., then cooled and solidified at 40 to 80 ° C. to form an amorphous sheet, and then the area magnification is 4 to 20 times in the vertical and horizontal directions at 80 to 130 ° C. A method of sequential biaxial stretching or simultaneous biaxial stretching and heat treatment at 160 to 250 ° C. (for example, a method described in Japanese Patent Publication No. 30-5639) can be used. Stretching in the longitudinal and transverse directions may be performed in one step, and if necessary, stretching may be performed in multiple stages, or a heat treatment section may be provided for relaxation of orientation during the multistage stretching. Further, after biaxial stretching, the film may be stretched again before being subjected to the heat treatment step of the next step. This re-stretching can be performed in either the vertical or horizontal direction, or in both directions.
[0011]
The greatest feature of the present invention is that the specific silica particles and the antioxidant to be blended in the polyester film are contained at the same time. That is, by simultaneously containing specific amounts of wet method silica particles and antioxidants having a pore volume of 0.5 to 2.0 ml / g and an average particle size of 0.1 to 5.0 μm. Thus, it is possible to significantly reduce the core-free foreign matter caused by gelling, and to reduce film breakage during film production due to the core-free foreign matter.
[0012]
The wet-process silica particles used in the present invention have a form in which primary particles form a three-dimensional matrix structure by siloxane bonds, the surface is made porous, and the internal surface area is very large. Silica particles produced by such a wet method have a large surface area due to the porous surface, and a wide contact area with the resin and the antioxidant contained at the same time. Generation of high melting point PET having a stitch structure, that is, so-called gelled particles, can be suppressed, and coreless foreign matters can be reduced.
[0013]
The average particle size of the wet method silica particles used in the present invention is in the range of 0.1 to 5.0 μm. Since the diameter is small, the winding workability of the film is inferior, which is not preferable. On the other hand, when the thickness exceeds 5.0 μm, the number of foreign particles with nuclei is much larger than the foreign particles without nuclei due to gelation, which leads to deterioration of the film quality in optical applications.
[0014]
Furthermore, the pore volume of the wet process silica particles in the present invention is preferably in the range of 0.5 to 2.0 ml / g, preferably 0.6 to 1.8 ml / g. When the pore volume is less than 0.5 ml / g, the particles are not made porous, and the effect of reducing the non-nuclear foreign matter by the gelled powder tends to be lost. On the other hand, when it exceeds 2.0 ml / g, crushing and agglomeration are likely to occur, making it difficult to adjust the particle diameter and increasing the number of foreign particles with nuclei.
[0015]
The content of the wet process silica particles in the polyester film is in the range of 0.01 to 1.0% by weight. If it is less than 0.01% by weight, the slipperiness of the film is insufficient, and if it exceeds 1.0% by weight, the transparency is lowered.
[0016]
The method of blending the wet method silica particles used in the present invention with the polyester as the film forming raw material is not particularly limited, and a known method can be adopted. For example, particles and polyester chips can be directly blended, but in particular in any stage of the polyester production process as an ethylene glycol slurry dispersed in ethylene glycol as a raw material for polyester, preferably after completion of esterification or transesterification The polycondensation reaction is preferably carried out before the polycondensation reaction is started.
[0017]
The dispersion slurry of wet method silica particles used in the present invention can be prepared by a known method. For example, the dispersion can be adjusted using a high-speed stirrer, homomixer, ultrasonic disperser or the like having a plurality of shear blades in which particles and ethylene glycol are arranged in parallel with the rotation direction of the stirring blades. The dispersed slurry is desirably filtered with a filter of 1000 mesh or more for the purpose of removing coarse particles and undispersed aggregated particles in the slurry.
[0018]
In the polyester film of the present invention, the antioxidant contained simultaneously with the wet process silica particles is derived from, for example, phenolic, phosphorous, thioether, and mixtures thereof. The addition concentration of the antioxidant contained in the polyester film is in the range of 0.01 to 0.5% by weight, and preferably in the range of 0.05 to 0.3% by weight. When the content of the antioxidant is less than 0.01% by weight, it is difficult to reduce the coreless foreign matter by gelling. On the other hand, when it exceeds 0.5% by weight, there is an effect of reducing the foreign material without nuclei due to gelling, but the amount of the antioxidant present on the film surface is increased, and the adhesiveness of ink or the like is inferior. . Moreover, you may use the mixture of a 1 or more type of antioxidant, and it is preferable that the total density | concentration is in the said range in that case.
[0019]
Examples of phenolic antioxidants include tris (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzyl) isocyanurate, 3,9-bis [1,1-dimethyl-2- {β- (3- t-butyl-4-hydroxy-5-methylphenyl) propionyloxy} ethyl] -2,4,8,10-tetraoxaspiro [5,5] undecane, tetrakis [methylene-3- (3 ', 5'- Di-t-butyl-4′-hydroxyphenyl) propionate] methane, 1,1,3-tris (2-methyl-4-hydroxy-5-tert-butylphenyl) butane, 4,4′-butylidenebis (6- t-butyl-3-methylphenol), octadecyl 3- (3 ′, 5′-di-t-butyl-4′-hydroxyphenyl) propionate, triethylene glycol-bis [3- (3-t- Til-5-methyl-4-hydroxyphenyl) propionate], 1,6-hexanediol-bis- [3- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate], pentaerythritol-tetrakis [ 3- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate], 2,2′-thiodiethylene-bis- [3- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) Proponate], 2,4-bis- (n-octylthio) -6- (4-hydroxy-3,5-di-t-butyranyl) -1,3,5-triazine, N, N′-hexamethylene (3 , 5-di-tert-butyl-4-hydroxy-hydrocinnamamide), 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxy-benzylphosphonic acid diethyl ester, 1,3,5- Trimethyl-2,4,6-tris (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzyl) benzene, bis (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonic acid ethyl) calcium and the like Can be mentioned.
[0020]
Examples of phosphorus antioxidants include phosphoric acid, phosphorous acid, methyl phosphate, ethyl phosphate, triethyl phosphate, phenyl phosphate and the like and esters thereof. Specifically, phosphorus-cyclic neopentanetetrayl-bis (2,6-di-t-butyl-4-methylphenyl) ester, cyclic neopentanetetrayl-bis (octadecyl-phosphite), bis (2, 4-di-t-butylphenyl) pentaerythritol diphosphite, tris (2,4-di-t-butylphenyl) phosphite, 4,4'-butylidene-bis (3-methyl-6-t- Butylphenyl-di-tridecyl) phosphite, 1,1,3-tris (2-methyl-4-ditridecyl-phosphite-5-t-butylphenyl) butane, diphenyl-isooctyl-phosphite, dimethyl-isodecyl-phos Phyto, tris-nonylphenyl-phosphite, tri (mono + dinonylphenyl) phosphite, 4,4′-isopropyl Down - diphenol - alkyl _(C 12 _{-C 15)} such as phosphite.
[0021]
Examples of thioether antioxidants include ditridecyl-thio-di-propionate, tetrakis [methylene-3- (lauryl-thio) propionate] methane, bis [2-methyl-4- {3-n-alkyl (C ₁₂ or _{C 14)} thio - propionyloxy} -5-t-butylphenyl] such as sulfide and the like.
[0022]
The method for adding the antioxidant is not particularly limited, but is performed at an arbitrary stage until the polymer finishes passing through the extruder. For example, (1) a method of adding as an antioxidant slurry in the same manner as the wet method silica particle slurry at the time of polymerization of the raw material polyester, and (2) until the polymer finishes passing through the extruder at the time of forming the polyester film. Add at any stage. For example, there may be mentioned a method in which an addition port is provided in the extruder and an antioxidant is added to the molten or partially molten polyester.
[0023]
In the present invention, when an antioxidant is added in the extrusion step, the antioxidant may be added as a powder or may be added as a slurry dispersed in a suitable solvent. When the dispersion is added in a solvent, water or an organic solvent having a boiling point of 200 ° C. or lower is preferable as the solvent, and ethylene glycol is particularly preferable as the organic solvent. In this case, the extruder is preferably a twin-screw extruder, and the twin-screw extruder preferably has one or more vent ports, and at least one of them has a reduced pressure. That is, it is preferable to remove the solvent in the extrusion process.
[0024]
In the polyester film of the present invention, the number of coreless foreign matters due to gelling is 10 pieces / m ² or less, preferably 5 pieces / m ² or less, more preferably 3 pieces / m ² or less. If there are more than 10 cores / m ² of non-nucleated foreign matter due to gelling, the film will be broken frequently and the filter life will be shortened during the production of the polyester film, resulting in frequent filter replacement and reduced productivity. There is a problem that it is difficult to use to deteriorate film quality.
[0025]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention further in detail, this invention is not limited by a following example, unless the summary is exceeded. In addition, the measurement methods and definitions of various physical properties and characteristics in the present invention are as follows. In the examples and comparative examples, “parts” means “parts by weight”.
[0026]
(1) Average particle diameter of particles The average spherical particle diameter was defined as the equivalent spherical diameter of the particles at 50% by weight of the total particles determined by the laser diffraction scattering method (LA-910, manufactured by Horiba, Ltd.).
[0027]
(2) Measured by pore volume nitrogen adsorption / desorption method and calculated by BET equation.
[0028]
(3) 1 g of intrinsic viscosity polymer was dissolved in 100 ml of a mixed solvent of phenol / tetrachloroethane (50/50 (weight ratio)) and measured at 30 ° C. using an Ubbelohde viscometer.
[0029]
(4) Filter life (initial pressure loss)
Using a sintered metal filtration filter that cuts foreign matter of 20 μm or more, melt extrusion was performed so that the extruded amount of the molten polymer was 10 g / cm ² · Hr per unit area of the filter, and the filter differential pressure ΔP (72 hours later) The filter life (initial pressure loss) was defined as the difference between the inlet and outlet pressures of the filter.
[0030]
(5) When two polarizing plates with no nuclei are in a crossed Nicol state and a polyester film is placed between the polarizing plates, the bright spot is marked visually, and the marking part is observed with a microscope to check for the presence of nuclei. Confirmed and counted. The measurement area was 1 m ² .
[0031]
(6) Film breakability at the time of film formation The situation in which the film breaks at the time of transverse stretching and heat setting was determined and evaluated by the following three ranks.
○: Almost no film breakage and good productivity Δ: Occasionally film breakage and slightly inferior productivity ×: Frequent film breakage and inferior productivity [0032]
(7) Handling workability The film was divided into the following three ranks regarding the winding work during film production and the film handling workability.
○: Good handleability and smooth work △: Handleability is generally good, but it is slightly smooth ×: Films are easily blocked and wrinkled, and handleability is poor [0033]
(8) Printing ink adhesion Toyo Ink Manufacture Co., Ltd. made using cello-color printing ink CCST39 indigo, applied to the film surface so that the coating thickness after drying is 1.5 μm, and at 80 ° C. for 1 minute. Dry with hot air to obtain a film for evaluation. The film for evaluation was conditioned at room temperature 23 ° C. and humidity 50% RH for 24 hours, and Neroban Co., Ltd. cellotape (registered trademark) (18 mm width) was kept from entering air bubbles on the ink coating surface of the film. It is pasted to a length of 7 cm, and a constant load is given thereon by a 3 kg manual load roll. The film is fixed, one end of the cellophane tape is connected to a 500 g weight, and a distance of 45 cm is evaluated by a method in which a peel test in a 180 ° direction is started after a natural fall. Adhesiveness was determined and evaluated in the following three stages.
○: The printing ink does not peel at all on the cellophane tape surface. Δ: 10 to 50% of the printing ink peels off to the cello tape (registered trademark) side. ×: The printing ink of 60% or more portion of the cellophane tape (registered trademark) side. [0034]
Example 1
[Slurry adjustment]
10 parts of wet-process silica particles having a pore volume of 1.60 ml / g and an average particle diameter of 2.4 μm were dispersed in 90 parts of ethylene glycol. Next, the mixture was dispersed at 10,000 rpm for 60 minutes with a homomixer (TK homomixer manufactured by Tokki Kako) and filtered through a 1000 mesh wire mesh filter to obtain an ethylene glycol slurry.
[0035]
[Production of polyester A]
100 parts of dimethyl terephthalate, 60 parts of ethylene glycol and 0.09 part of magnesium acetate tetrahydrate are heated and heated, and methanol is distilled off to carry out a transesterification reaction. After 4 hours from the start of the reaction, the temperature rises to 230 ° C. Warm to substantially complete the transesterification reaction. Next, 3 parts of the slurry was added, 0.04 part of ethyl acid phosphate was added, 0.04 part of antimony trioxide was further added, and a polycondensation reaction was carried out for 5 hours to obtain polyethylene terephthalate having an intrinsic viscosity of 0.65. Yeah.
[0036]
[Production of polyester film]
The resulting polyester A and powdered antioxidant (pentaerythritol-tetrakis [3- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate]) are taken in separate hoppers and vented biaxial Supplied to a screw extruder (added amount of antioxidant was 0.1% by weight in the film with a quantitative feeder). Melt-kneaded at 280 ° C. and −100 KPa vented vacuum. The sheet is extruded from a slit die onto a rotary cooling roll at 20 ° C. and rapidly cooled by a rotary cooling roll using an electrostatic application cooling method to obtain an amorphous sheet. The film was stretched 3.5 times at 90 ° C. and 3.7 times in the transverse direction at 110 ° C., and heat treated at 210 ° C. for 3 seconds to obtain a polyester film having a thickness of 12 μm. The characteristics were satisfactory as shown in Table 1 below.
[0037]
Example 2
In Example 1, the wet viscosity silica particle slurry and the antioxidant slurry (the amount of the antioxidant added so as to be 0.1% by weight in the film) were added at the same time when the polyester A was produced, and the intrinsic viscosity was increased. A polyester B of 0.66 was obtained. Only the obtained polyester was supplied to a twin screw extruder with a vent to obtain a polyester film having a thickness of 12 μm. The characteristics were satisfactory as shown in Table 1.
[0038]
Comparative Example 1
In Example 1, only polyester A was supplied to the extruder of a biaxial screw, and it carried out similarly to Example 1, and obtained the 12-micrometer-thick polyester film.
[0039]
Comparative Example 2
A polyester film having a thickness of 12 μm was obtained in the same manner as in Example 1 except that dry silica particles having an average particle diameter of 2.1 μm were used in Example 1.
[0040]
Comparative Example 3
A polyester film having a thickness of 12 μm was obtained in the same manner as in Example 1 except that wet method silica particles having a pore volume of 0.40 ml / g and an average particle size of 2.2 μm were used.
[0041]
Comparative Example 4
A polyester film having a thickness of 12 μm was obtained in the same manner as in Example 1, except that wet method silica particles having a pore volume of 2.10 ml / g and an average particle size of 2.3 μm were used.
[0042]
Comparative Example 5
A polyester film having a thickness of 12 μm was obtained in the same manner as in Example 1 except that wet method silica particles having a pore volume of 1.50 ml / g and an average particle size of 0.08 μm were used.
[0043]
Comparative Example 6
A polyester film having a thickness of 12 μm was obtained in the same manner as in Example 1 except that wet method silica particles having a pore volume of 1.50 ml / g and an average particle size of 5.1 μm were used.
[0044]
Comparative Example 7
In Example 1, a polyester film having a thickness of 12 μm was obtained in the same manner as in Example 1 except that the amount of antioxidant supplied was reduced (added so as to be 0.009 wt% in the film).
[0045]
Comparative Example 8
In Example 1, a polyester film having a thickness of 12 μm was obtained in the same manner as in Example 1 except that the amount of antioxidant supplied was increased (added so as to be 0.6% by weight in the film).
[0046]
Comparative Example 9
In Example 1, a polyester film having a thickness of 12 μm was obtained in the same manner as in Example 1 except that the amount of the wet process silica particles added was 0.009% by weight.
[0047]
Comparative Example 10
In Example 1, a polyester film having a thickness of 12 μm was obtained in the same manner as in Example 1 except that the amount of the wet process silica particles added was 1.1% by weight.
The physical properties and productivity of the films obtained in Examples and Comparative Examples are summarized in Tables 1 and 2 below.
[0048]
[Table 1]

[0049]
[Table 2]

[0050]
Since Examples 1 and 2 satisfy the requirements of the present invention, the core-free foreign matter due to gelation is greatly reduced, and productivity, particularly continuous film-forming properties and filter life are greatly improved. It was. On the other hand, Comparative Examples 1 to 10 were films that did not satisfy the requirements of the present invention, and were inferior in reducing core-free foreign matter and film productivity due to gelling.
[0051]
【The invention's effect】
As described above in detail, the film of the present invention reduces coreless foreign matters due to gelation and is excellent in productivity, particularly continuous film-forming properties and filter life, and has high industrial value.

Claims

Wet silica particles having a pore volume of 0.5 to 2.0 ml / g and an average particle size of 0.1 to 5.0 μm are 0.01 to 1.0% by weight, and an antioxidant is 0%. A biaxially oriented polyester film containing 0.01 to 0.5% by weight, wherein the number of non-nucleated foreign matter due to gelling is 10 / m ² or less.