JP4082357B2 - ローラ中立位置を学習するディスク/ローラ型無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

ローラ中立位置を学習するディスク/ローラ型無段変速機の変速制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4082357B2
JP4082357B2 JP2004043288A JP2004043288A JP4082357B2 JP 4082357 B2 JP4082357 B2 JP 4082357B2 JP 2004043288 A JP2004043288 A JP 2004043288A JP 2004043288 A JP2004043288 A JP 2004043288A JP 4082357 B2 JP4082357 B2 JP 4082357B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller
pair
center axis
disk
respect
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004043288A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005233311A (ja
Inventor
正記 光安
直人 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2004043288A priority Critical patent/JP4082357B2/ja
Publication of JP2005233311A publication Critical patent/JP2005233311A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4082357B2 publication Critical patent/JP4082357B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Friction Gearing (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

本発明は、ディスク/ローラ型無段変速機の変速制御装置に係り、特にその変速制御上重要なローラ中立位置を学習により正確に把握することができるよう変速制御装置を改良することに係わる。
車輌用変速装置等に適した変速機の一つとして、中心軸線に沿って半径が変化する作動面を備えた一対のディスクが該中心軸線に沿って互いに整合した状態に対向して配置され、その間にローラが挾圧され、前記ローラがローラ支持手段によりその中心軸線が前記一対のディスクの中心軸線と交わる位置を中心に該一対のディスクに対し偏倚可能に支持され、前記ローラ支持手段により前記ローラが前記一対のディスクに対しローラ中心軸線がディスク中心軸線に対し偏倚する関係に移動されることにより生ずる前記一対のディスクに対する前記ローラの傾動姿勢の変化により該ローラを介して前記一対のディスク間に伝達される回転運動の速度比が変化するようになっているディスク/ローラ型無段変速機が知られている。かかるディスク/ローラ型無段変速機のディスク作動面は一般にトロイド面の一部として形成されるので、かかる無段変速機は通常トロイダル型無段変速機と称されている。
上記の如きディスク/ローラ型無段変速機に於いて、変速比を所望の値により正確に且より迅速に制御することができるためには、前記ローラ中心軸線が前記ディスク中心軸線と交わる位置に来るディスクに対するローラの中立位置の正確な把握が必要である。しかし、かかるローラ中立位置については、無段変速機の各製品毎に設計値からのずれがあり、またかかる無段変速機が車輌の駆動系に組み込まれて高負荷の下に作動すると、時間の経過に伴って初期状態からのずれが生ずるので、目標変速比に対する実変速比の偏差に基づいてそれを検出し、ローラ支持手段の変位制御に当って該偏差に対応する補正を組み入れることが行われており、またそのような補正の量を学習により求め、更に変速用アクチュエータに異常が生じたときには学習を中止して誤学習が行われることを防止することが、下記の特許文献1に記載されている。
特開平9−53696
しかし、ローラ中立位置に於ける各製品毎の設計値からのずれや経時的ずれを目標変速比に対する実変速比の偏差に基づいての補正するのでは、目標変速比に対する実変速比の偏差をもたらす他の原因の影響が含まれるので、他の原因の変動の如何によってはローラ中立位置に対する補正が適切に行われない虞れがある。
本発明は、ディスク/ローラ型無段変速機の変速制御に於ける上記の問題に鑑み、これを解決したディスク/ローラ型無段変速機の変速制御装置を提供することを課題としている。
かかる課題を解決するものとして、本発明は、中心軸線に沿って半径が変化する作動面を備えた一対のディスクが該中心軸線に沿って互いに整合した状態に対向して配置され、その間にローラが挾圧され、前記ローラがローラ支持手段によりその中心軸線が前記一対のディスクの中心軸線と交わる位置を中心に該一対のディスクに対し偏倚可能に支持され、前記ローラ支持手段により前記ローラが前記一対のディスクに対し前記ローラ中心軸線が前記ディスク中心軸線に対し偏倚する関係に移動されることにより生ずる前記一対のディスクに対する前記ローラの傾動姿勢の変化により該ローラを介して前記一対のディスク間に伝達される回転運動の速度比が変化するようになっているディスク/ローラ型無段変速機の変速制御装置にして、前記ローラ支持手段により前記ローラを前記一対のディスクに対し前記ローラ中心軸線が前記ディスク中心軸線と交わる位置を横切って第一の時点から第二の時点まで偏倚させ、前記第一および第二の時点に於ける前記ローラ中心軸線の偏倚方向に沿った位置と、前記第一および第二の時点に於ける前記速度比の変化率の値と、前記速度比の変化率の正負が反転する第三の時点とから前記一対のディスクに対する前記ローラの中立位置を検定する機能を有することを特徴とする変速制御装置を提案するものである。
前記ローラ支持手段により前記ローラを前記一対のディスクに対し前記ローラ中心軸線が前記ディスク中心軸線と交わる位置を横切って偏倚させることは、前記速度比を変更する制御の終了時に行われるようになっていてよい。
また、前記ローラ支持手段により前記ローラを前記一対のディスクに対し前記ローラ中心軸線が前記ディスク中心軸線と交わる位置を横切って偏倚させることは、横切り方向を反転させて2度行われるようになっていてよい。
上記の如く、中心軸線に沿って半径が変化する作動面を備えた一対のディスクが該中心軸線に沿って互いに整合した状態に対向して配置され、その間にローラが挾圧され、前記ローラがローラ支持手段によりその中心軸線が前記一対のディスクの中心軸線と交わる位置を中心に該一対のディスクに対し偏倚可能に支持され、前記ローラ支持手段により前記ローラが前記一対のディスクに対しローラ中心軸線がディスク中心軸線に対し偏倚する関係に移動されることにより生ずる前記一対のディスクに対する前記ローラの傾動姿勢の変化により該ローラを介して前記一対のディスク間に伝達される回転運動の速度比が変化するようになっているディスク/ローラ型無段変速機に於いて、その変速を制御する変速制御装置が、前記ローラ支持手段により前記ローラを前記一対のディスクに対し前記ローラ中心軸線が前記ディスク中心軸線と交わる位置を横切って第一の時点から第二の時点まで偏倚させ、前記第一および第二の時点に於ける前記ローラ中心軸線の偏倚方向に沿った位置と、前記第一および第二の時点に於ける前記速度比の変化率の値と、前記速度比の変化率の正負が反転する第三の時点とから前記一対のディスクに対する前記ローラの中立位置を検定する機能を有していれば、実変速比が目標変速比に安定したところでディスクに対するローラ中立位置を検定する場合には、ディスク中心に対するローラ中心の漸近制御に長時間を要することに比して、前記ローラ支持手段により前記ローラにそのようなローラ中立位置横切り偏倚を行わせ、その間に前記速度比の増減に反転が生じるローラ位置を検出することにより、真のローラ中立位置を迅速に把握し、その設計値からのずれや経時的ずれに対し制御上必要な補正を的確に行うことができる。
前記ローラ支持手段により前記ローラを前記一対のディスクに対しローラ中心軸線がディスク中心軸線と交わる位置を横切って偏倚させることが前記速度比を変更する制御の終了時に行われるようになっていれば、前記速度比変を変更する機会を捉え、速度比変更制御を実速度比がその目標値に漸近する態様に収束させる代わりに少なくとも一度だけ実速度比が目標値を僅かに行過ぎるまで変化する態様に行うことにより、変速の収束を然程遅らせることなく真のローラ中立位置を把握することができる。
また、上記の如く前記ローラ支持手段により前記ローラを前記一対のディスクに対しローラ中心軸線がディスク中心軸線と交わる位置を横切って偏倚させることが、特に横切り方向を反転させて2度行われるようになっていれば、ディスクとローラの係合姿勢が変速比の変化に応じて非対称であることに起因して、前記ローラが前記一対のディスクに対し一方の側からローラ中立位置を横切る場合と他方の側からローラ中立位置を横切る場合との間に、変速比の増減が反転する位置に多少の差があっても、それを考慮に入れ或は両者の差を均してローラ中立位置を把握することができる。
添付の図1は、本発明をディスク/ローラ型無段変速機による車輌駆動系に於いて実施する場合の例を示す概略図である。ディスク/ローラ型無段変速機は、車輌用駆動装置の場合に一般に行われているように、ディスク/ローラ型無段変速機の2組が、第1の組の出力側ディスクと第2の組の出力側ディスクとを同軸に背中合わせにした状態に配列され、これら第1および第2の組の出力側ディスクの両側に第1および第2の組の入力側ディスクが同軸に配列され、第1および第2の組の入力側ディスクが第1および第2の組の出力側ディスクを貫通する連結軸により互いにトルク伝達関係に連結された構造に構成されている。
即ち、図1に於いて、10a、10b、10c、10dが軸線に沿って半径が変化する作動面を備えたディスクであり、それらの作動面12a、12b、12c、12dが凹状のトロイド面として形成されている。ディスク10a、10b、10c、10dは共通の中心軸線Cdに整合して配列されている。ディスク10aと10bは一対のローラ14a、14bと共に1組のディスク/ローラ型無段変速機を構成し、ディスク10cと10dとは他の一対のローラ14c、14dと共に他の1組のディスク/ローラ型無段変速機を構成している。ディスク10a、10bとローラ14a、14bとにより構成されたディスク/ローラ型無段変速機に於いては、ディスク10aが入力側であり、ディスク10bが出力側である。
一方、ディスク10c、10dとローラ14c、14dとにより構成されたディスク/ローラ型無段変速機に於いては、ディスク10dが入力側であり、ディスク10cが出力側である。これら各組の出力側ディスク10bと10cとは中心軸線Cdに沿って同軸に背中合わせに配列され、図には示されていないスプライン等により歯車16とトルク伝達関係に連結され、歯車16は更に歯車18と噛み合い、これらの歯車がこのディスク/ローラ型無段変速機の出力部材を構成している。歯車16および18は図にて解図的に示されている軸受手段20、22により変速装置のハウジングより回転式に支持されている。
軸線Cdに沿って同軸に配列された入力側ディスク10aおよび10dは、出力側ディスク10bおよび10cを貫通する連結軸24により互いにトルク伝達関係に連結され、且つローディングカム式の押圧手段26により該連結軸を介して互いに中心軸線Cdに沿って引き寄せられる関係に組み合わされている。即ち、連結軸24の図に於ける右端はスプライン28およびナット30等によりディスク10aとトルク伝達関係に且つ軸線方向に相互に固定された関係に連結されているが、図で見て左端に於いては、ディスク10dは軸受32により連結軸24上に回転自在に支持されている。連結軸24は円板部材34と剛固に連結されている。ディスク10dと円板部材34の向かい合った周縁部にはそれぞれに環状カム36および38が形成されており、それらの間に周方向に沿って隔置された複数個のローラ40が設けられている。かかる構成により、連結軸24およびこれと剛固に連結された円板部材34とディスク10dの間にトルクが作用して円板部材34とディスク10dの間に極僅かでも相対回転が生ずると、ローラ40が環状カム36および38の斜面の間に噛み込まれ、ディスク10dは連結軸24とトルク伝達関係に連結されるとともに、連結軸24を通って作用する反作用の下にディスク10cとディスク10dの間およびディスク10aとディスク10bの間にローラ14c、14dおよびローラ14a、14bを挾圧する作用がえられる。
回転入力は入力軸42から円板部材44へ導入され、該円板部材の周縁部に設けられた爪46よりこれに噛み合う円板部材34の環状カム38とは反対の側に設けられた爪48を経て円板部材34へ伝わるようになっている。
入力軸42は遊星歯車装置50のサンギヤ52に連結されている。サンギヤ52の周りには複数のプラネタリピニオン54が噛み合わされており、それらはキャリア56により担持されている。キャリア56はブレーキ58によりハウジング60に対し選択的に固定されその回転を制動されるようになっている。プラネタリピニオン54の周りにはリングギヤ62が噛み合わされており、このリングギヤは回転フレーム64によりトルクコンバータ66の出力軸68に連結されている。回転フレーム64とサンギヤ52とはクラッチ70により選択的に連結されるようになっている。トルクコンバータ66はポンプ72、タービン74、ステータ76を有し、ポンプ72は回転フレーム78を介してエンジン80のクランク軸82と連結され、タービン74は緩衝継手84を経て出力軸68と連結され、ステータ76はワンウェイクラッチ86を介してハウジング60より支持されている。トルクコンバータ66は直結クラッチ88によりバイパスされるようになっている。
ローラ14a〜14dの各々は、ローラ14aについてB−B断面として示す如く、偏心軸90およびラジアル/スラスト軸受92を介してそれらの中心軸線Crの周りに回転可能にトラニオン94により支持されている。トラニオンはローラ14aと14bに対するものが一対とされ、またローラ14cと14dに対するものが一対とされて、ローラ支持部の上下の位置にてリンク96および98により相互に組み合わされており、これらのリンクとの係合部にて軸受100および102により縦中心軸線Ctの回りに回動可能に支持されている。偏心軸90の偏心部104は基部106の中心軸線Ceの周りに該中心軸線Ceに垂直で軸線Ctを含む平面に沿って回動可能である。トラニオンの下端は油圧アクチュエータ108のピストン110に連結されており、該ピストンの下方および上方に形成された油圧室112および114に圧油が給排されることにより上下方向に変位されるようになっている。油圧アクチュエータ108によるトラニオン94の上下の変位は、トラニオンの下端に連結された変位センサ116により検出されるようになっている。下方の油圧室112はおよび上方の油圧室114は、それぞれ油路UおよびDを経て、変速制御弁118のポート120および122と連結されている。
変速制御弁118は、ソレノイド124および126への通電の状況に応じて、いずれのソレノイドにも通電が行われていないときaの状態であり、ソレノイド124にのみ通電が行われたときはbの状態であり、ソレノイド126にのみ通電が行われたときにはcの状態にあるよう制御される4ポートのリニア制御弁である。変速制御弁118のポート128には油圧ポンプの如き圧油源130より圧油が供給されるようになっており、またポート132は油溜134へ向かう排油ポートである。
変速制御弁118のソレノイド124および126は電子式車輌運転制御装置136からの指令により選択的に通電されるようになっている。電子式車輌運転制御装置136はマイクロコンピュータを備えたこの技術の分野に於いては周知のものであり、種々の入力情報Iおよび変位センサ116からのトラニオン変位に関する情報に基づいて制御計算を行い、変速制御弁118のソレノイド124および126への通電の制御によりローラ14a,14b,14c,14dの各々を支持するトラニオンを上下させて変速制御を行い、外にエンジン80、直結クラッチ88、クラッチ70、ブレーキ58を制御するようになっている。
上記の如き構成を有するディスク/ローラ型無段変速機に於いて、今、エンジン80により入力側ディスク10aおよび10dが連結軸24と共に図1の左方から見て時計回り方向に駆動されるものとすると、ローラ14aおよび14bは連結軸24の位置から見てそれぞれ反時計回り方向に回転し、ローラ14cおよび14dは連結軸24の位置から見てそれぞれ時計回り方向に回転し、出力側ディスク10bおよび10cは図1の左方から見て反時計回り方向に回転する。また、図1に示す状態にて変速機が一定の変速比にて安定して作動しているものとすると、ローラ14a、14b、14c、14dはいずれもその中心軸線Crをディスク中心軸線Cdに交叉させた状態にあり、ローラ14a、14b、14c、14dがディスク10a、10b、10c、10dに対し図示の如き傾動姿勢にあることによって、各ローラと駆動側ディスクの係合点がディスク中心軸線Cdの周りになす半径は各ローラと被駆動側ディスクの係合点がディスク中心軸線Cdの周りになす半径よりも小さいので、変速機は入力回転数が出力回転数より大きく、変速比が1以上の減速状態にある。
かかる状態から更に変速比を上げるときには、各ローラを支持するトラニオンの油圧アクチュエータへの油圧の供給を操作し、ローラ1aおよび14cの中心軸線Crをディスクを中心軸線Cdに対し上方へ偏倚させ、ローラ1bおよび1dの中心軸線Crをディスクを中心軸線Cdに対し下方へ偏倚させることが一時的に行われる。逆に変速比を下げるときには、ローラ1aおよび1cの中心軸線Crをディスクを中心軸線Cdに対し下方へ偏倚させ、ローラ1bおよび1dの中心軸線Crをディスクを中心軸線Cdに対し上方へ偏倚させることが一時的に行われる。ローラ中心軸線がディスク中心軸線に対し偏倚されると、ローラにはディスクに対する偏向モーメントが作用し、ローラはディスクに対し偏向するので、所定のローラ偏向が得られたところで、ディスク中心軸線に対するローラ中心軸線の偏倚を零に戻せばよい。このとき、本発明によるローラ中立位置の検定が以下の要領にて行われてよい。
図2は、その作動態様を一つの実施の形態について示すフローチャートである。かかるフローチャートによる変速制御装置の作動は、電子式車輌運転制御装置136に制御プログラムをソフトウエア的に組み込むことにより行なわれる。また、かかるフローチャートによる制御演算は、電子式車輌運転制御装置のマイクロコンピュータにより数10〜100ミリセカンドの周期で繰り返される。
本発明による変速制御装置の作動は、電子式車輌運転制御装置136による車輌の総合的運転制御の一環として行われてよい。制御が開始されると、ステップ1に於いて、本発明によるローラ中立位置の検定を実行する条件が成立しているか否かが判断される。かかる条件としては、車輌が或る所定の単位距離走行した後であって、変速機による変速がここでの検定に適していると判断される変速比領域内の値へ向けて比較的緩やかに変速されるとき等とされてよく、更にそのような変速が或る所定の未完了度にて完了に近づいたときとされてよい。これは、図1に示す構造例に於けるローラ14aについて見ると、変速比を増大させるべくトラニオンによりローラ14aがディスク10aおよび10bに対し一度上方へ偏倚され、その後、所定の変速比増大が完了に近づき、ローラ14aをディスク10aおよび10bに対する元の中立位置へ戻す過程に於いて、ディスク10aおよび10bに対するローラ14aの偏倚が残り少なくなった状態(後述の図3に於ける時点tsでの状態)である。答がイエスであれば、制御はステップ2へ進む。
ステップ2に於いては、ローラ14aの軸線Ctに沿う方向の位置Xを引き続いて1フローサイクル毎に微小値ΔXずつ減じることが行われる。次いで、制御はステップ3へ進み、フラグFが1であるか否かが判断される。フラグFは毎回の制御の開始時に0にリセットとされているので、制御が後述のステップ5を通過して1にセットされるまでは0であり、当初ステップ3の答はノーであって、制御はステップ4へ進む。
ステップ4に於いては、変速比の変化率dγ/dtが或る小さな正の所定値pまで減小したか否かが判断される。答がノーである間、制御はステップ1へ戻り、検定条件が成立している間、ステップ2にてXをΔXずつ減じつつ、dγ/dtがpまで減小するのが待たれる。ローラ位置Xが中立位置に達すれば、dγ/dtは0になる筈であるが、dγ/dtが0となる時点を漸近的に捉えることには大きな誤差が伴うので、ここではΔXの値を適当な大きさに定めておくことにより、dγ/dtを或る程度の勾配をもって変化させ、それがpまで減小したところで、制御はステップ5へ進み、そのときのXの値と時点tがそれぞれXpおよびtpとして記憶される。そしてフラグFが1にセットされる。
その後、制御はステップ6へ進み、dγ/dtが或る小さな負の所定値mまで減小したか否かが判断される。答がノーである間、制御はステップ1へ戻り、検定条件が成立している間、ステップ2にて更にXをΔXずつ減じつつ、ステップ4および5をバイパスし、dγ/dtがmまで減小するのが待たれる。そしてdγ/dtがmまで減小したところで、制御はステップ7へ進み、そのときのXの値と時点tがそれぞれXmおよびtmとして記憶され、フラグFが0にリセットされる。
以上の経過に於けるp、m、Xp、tp、Xm、tmの関係は、これをグラフにて例示すれば、図3の通りである。ステップ2以下の制御は時点tsより始められる。Xp、tp、Xm、tmが得られたところで、制御はステップ8へ進み、Xp、tp、Xm、tmに基づいて、ディスクに対しローラの偏倚が零となるXの値Xcが以下の如く算出される。
tc=(p・tm−m・tp)/(p−m)
Xc=Xm+(Xp−Xm)x(tm−tc)/(tm−tp)
検定制御が開始されても、当初から検定条件が成立していないためステップ1の答がノーであるとき、或は検定制御の途中で検定条件が成立しなくなり、制御がステップ1へ戻ったとき答がノーとなったときには、制御はステップ9へ進み、Xp、Xm、tp、tm、Fが0にリセットされ、その回の検定制御は終わる。
ローラ中立位置検定のために変速の完了が遅れることを回避するためには、mの絶対値は、dγ/dtが0値を横切る瞬間を明確に検知できる限りにて可及的に小さくされるのが好ましいので、mの絶対値はpの値に比して小さく設定されてよいが、特にそれには及ばないときには、p=−mとしておけば、Xcは以下の如く簡単に算出される:
Xc=(Xp+Xm)/2
図2に示すローラ中立位置検定フローが時点tmにて一度終了すれば、その後先ず直ちに残るXmのXcからの偏倚を打ち消す変速制御を行い、その後当分の間、電子式車輌運転制御装置136による制御は検定されたXcの値に基づいて行われてよいが、制御は上記の検定に引き続いて、更にXをXmから始まって逆に適当な微小量ずつ増大させ、dγ/dtが0を横切って或る所定の正の値、好ましくはpよりは小さい適当な値Pcに達する時点tpcに於けるXpcを求め、XmとXpcよりdγ/dt=0となる時点tccに於けるXの値Xccを算出し、XcとXccとに基づいて、例えば最終検定位置を両者の平均値とする如き処理が行われても良い。
以上に於いては本発明を一つの実施の形態およびその変形例について詳細に説明したが、かかる実施の形態について本発明の範囲内にて種々の変更が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
本発明を実施するためディスク/ローラ型無段変速機を車輌の自動変速駆動系に適用した一例を示す概略図。 本発明による変速制御装置のローラ中立位置検定作動を一つの実施の形態について示すフローチャート。 図2のフローチャートに従ったローラ中立位置検定作動に於けるローラ位置と変速比変化率の変化の経過を示すグラフ。
符号の説明
10a,10b,10c,10d…ディスク、12a,12b,12c,12d…作動面、14a,14b,14c,14d…ローラ、16,18…歯車、20,22…軸受手段、24…連結軸、26…ローディングカム式の押圧手段、28…スプライン、30…ナット、32…軸受、34…円板部材、36,38…環状カム、40…ローラ、42…入力軸、44…ディスク、46,48…爪、50…遊星歯車装置、52…サンギヤ、54…プラネタリピニオン、56…キャリア、58…ブレーキ、60…ハウジング、62…リングギヤ、64…回転フレーム、66…トルクコンバータ、68…出力軸、70…クラッチ、72…ポンプ、74…タービン、76…ステータ、78…回転フレーム、80…エンジン、82…クランク軸、84…緩衝継手、86…ワンウェイクラッチ、88…直結クラッチ、90…偏心軸、92…ラジアル/スラスト軸受、94…トラニオン、96,98…リンク、100,102…軸受、104…偏心軸の偏心部、106…偏心軸の基部、108…油圧アクチュエータ、110…ピストン、112,114…油圧室、116…変位センサ、118…変速制御弁、120,122…ポート、124,126…ソレノイド、128…ポート、130…圧油源、132…ポート、134…油溜、136…電子式車輌運転制御装置

Claims (3)

  1. 中心軸線に沿って半径が変化する作動面を備えた一対のディスクが該中心軸線に沿って互いに整合した状態に対向して配置され、その間にローラが挾圧され、前記ローラがローラ支持手段によりその中心軸線が前記一対のディスクの中心軸線と交わる位置を中心に該一対のディスクに対し偏倚可能に支持され、前記ローラ支持手段により前記ローラが前記一対のディスクに対し前記ローラ中心軸線が前記ディスク中心軸線に対し偏倚する関係に移動されることにより生ずる前記一対のディスクに対する前記ローラの傾動姿勢の変化により該ローラを介して前記一対のディスク間に伝達される回転運動の速度比が変化するようになっているディスク/ローラ型無段変速機の変速制御装置にして、前記ローラ支持手段により前記ローラを前記一対のディスクに対し前記ローラ中心軸線が前記ディスク中心軸線と交わる位置を横切って第一の時点から第二の時点まで偏倚させ、前記第一および第二の時点に於ける前記ローラ中心軸線の偏倚方向に沿った位置と、前記第一および第二の時点に於ける前記速度比の変化率の値と、前記速度比の変化率の正負が反転する第三の時点とから前記一対のディスクに対する前記ローラの中立位置を検定する機能を有することを特徴とする変速制御装置。
  2. 前記ローラ支持手段により前記ローラを前記一対のディスクに対し前記ローラ中心軸線が前記ディスク中心軸線と交わる位置を横切って偏倚させることが前記速度比を変更する制御の終了時に行われるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の変速制御装置。
  3. 前記ローラ支持手段により前記ローラを前記一対のディスクに対し前記ローラ中心軸線が前記ディスク中心軸線と交わる位置を横切って偏倚させることが横切り方向を反転させて2度行われるようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載の変速制御装置。
JP2004043288A 2004-02-19 2004-02-19 ローラ中立位置を学習するディスク/ローラ型無段変速機の変速制御装置 Expired - Fee Related JP4082357B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004043288A JP4082357B2 (ja) 2004-02-19 2004-02-19 ローラ中立位置を学習するディスク/ローラ型無段変速機の変速制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004043288A JP4082357B2 (ja) 2004-02-19 2004-02-19 ローラ中立位置を学習するディスク/ローラ型無段変速機の変速制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005233311A JP2005233311A (ja) 2005-09-02
JP4082357B2 true JP4082357B2 (ja) 2008-04-30

Family

ID=35016483

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004043288A Expired - Fee Related JP4082357B2 (ja) 2004-02-19 2004-02-19 ローラ中立位置を学習するディスク/ローラ型無段変速機の変速制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4082357B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005233311A (ja) 2005-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6926379B2 (ja) 連続可変変速機
JP4370842B2 (ja) 無段変速装置
JPH11257479A (ja) トロイダル型無段変速機の制御装置
US6932739B2 (en) Continuously variable transmission apparatus
JP2003194207A (ja) トロイダル型無段変速装置
JPH1163203A (ja) 無段変速機の制御装置
JP4082357B2 (ja) ローラ中立位置を学習するディスク/ローラ型無段変速機の変速制御装置
JP5471876B2 (ja) 無段変速装置
JP4066920B2 (ja) トロイダル型無段変速機用試験装置
EP1092895A2 (en) Toroidal continuously-variable transmissions
JP2000314460A (ja) トロイダル型無段変速機
JP2003194208A (ja) トロイダル型無段変速機及び無段変速装置
JP3460676B2 (ja) 変速比無限大無段変速機の制御装置
JP2001107992A (ja) 無段変速機のための発進クラッチ制御装置
JP2004340180A (ja) トロイダル型無段変速機及びトロイダル型無段変速機用試験装置
JP4586433B2 (ja) トロイダル型無段変速機の変速制御装置
JP4496800B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP4273927B2 (ja) 無段変速装置
WO1998044279A1 (fr) Transmission toroidale continuement variable
JP4285195B2 (ja) 無段変速装置
JP2012237370A (ja) トロイダル式無段変速機
JP2005054864A (ja) センサ定常誤差中間補正式変速機の変速制御装置
JPH08233085A (ja) トロイダル型無段変速機の変速制御装置
JP5407399B2 (ja) 変速制御装置
JP2006009908A (ja) トロイダル型無段変速機の変速制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20060807

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070613

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070619

A521 Written amendment

Effective date: 20070810

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070904

A521 Written amendment

Effective date: 20071101

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20080122

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20080204

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees