JP4082152B2 - 通信装置、および通信方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、無線ネットワークに用いて好適な通信装置、および通信方法に関するもので、特に、初期接続時間の短縮にかかわる。
【0002】
【従来の技術】
近年、オフィスや家庭で、無線通信LAN(Local Area Network)ネットワークサービスが盛んに利用されている。また、駅や空港、ファーストフードのチェーン店など、市街地の特定の場所で利用できる無線LANネットワークサービスが開始されている。このような無線LANJネットワークサービスでは、アクセスポイントと呼ばれる無線局が配置される。無線LANネットワークサービスを利用する場合には、携帯型のパーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistant)等の情報無線端末に、無線インターフェースカードが装着される。無線インターフェースカードが装着された情報無線端末とアクセスポイントとの間が無線で繋がれる。これにより、携帯型のパーソナルコンピュータやPDAを無線端末を使って、インターネットに高速アクセスすることが可能となる。
【0003】
無線LANネットワークサービスは、データリンク層(OSI(Open System Interconnection)参照モデルの第2層)のプロトコルとしてIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11、IEEE802.15.3、HIPERLAN2等が用いられ、ネットワーク層(OSI参照モデルの第3層)のプロトコルとしてIPv4(Internet Protocol version 4)やIPv6(Internet Protocol version 6)が用いられている。通常、このような構造の無線LANネットワークシステムに接続する場合、下層の階層から上層の階層に、接続処理が順に行われる。
【0004】
すなわち、従来の無線LANネットワークシステムでは、無線端末がアクセスポイントと接続する際に、図24にフローチャートで示すように、データリンク層の認証(ステップS101)や無線通信システムに参入するための処理(ステップS102)が行われ、データリンク層の接続が完了される。データリンク層の接続が完了したら、ネットワーク層の接続情報要求が出され(ステップS103)、ネットワーク層の接続情報が受信され(ステップS104)、ネットワーク層の接続が設定される(ステップS105)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の無線LANネットワーク通信システムでは、データリンク層の無線通信接続のための一連の手続きを行った後に、インターネットと接続するためのネットワーク層の接続が開始される。したがって、無線通信システムに接続するための処理が完了するまでは、上位層の設定であるインターネット接続設定は一切行うことができない。このため、無線端末においてインターネット接続要求が発生してから実際に接続されるまでに多くの時間がかかり、ユーザにストレスを与えるという問題がある。
【0006】
したがって、この発明の目的は、無線通信システムに接続するための処理と、その上位層の接続処理とを並行して行うことができ、初期設定時間を短縮できるようにした通信装置、および通信方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、ネットワークに接続する複数の通信装置の一つであって、リンク層における接続処理を行うリンク層処理部と、リンク層の上位に存在する層における接続処理を行う上位層処理部と、上位層における接続処理情報を管理する上位層接続情報管理部とを備え、上位層における接続処理情報をリンク層における制御情報として送信することにより、該制御情報を受信した通信装置において、リンク層における接続処理と上位層における接続処理とを平行して行うことを可能とした、ことを特徴とする通信装置である。
【0008】
この発明は、ネットワークに接続する複数の通信装置の一つであって、リンク層における接続処理を行うリンク層処理部と、リンク層の上位に存在する層における接続処理を行う上位層処理部と、上位層における接続処理情報を管理する上位層接続情報管理部と、を備える通信装置において、上位層における接続処理情報を送信するか否かを判断する手順と、上位層における接続処理情報を送信する場合は、接続処理情報を送信するタイミングを決定する手順と、上位層における接続処理情報をリンク層における制御情報として送信する手順と、を有し、該制御情報を受信した通信装置において、リンク層における接続処理と上位層における接続処理とを平行して行うことを可能とした、ことを特徴とする通信方法である。
【0009】
この発明は、ネットワークに接続する複数の通信装置の一つであって、リンク層における接続処理を行うリンク層処理部と、リンク層の上位に存在する層における接続処理を行う上位層処理部と、上位層における接続処理情報を管理する上位層接続情報管理部と、リンク層における制御情報として、上位層における接続処理情報を受信し、該上位層における接続処理情報に基づいて、リンク層における接続処理と上位層における接続処理とを平行して行う、ことを特徴とする通信装置である。
【0011】
この発明が適用された無線通信ネットワークシステムでは、上位層の接続処理のための情報がビーコンや、ビーコンから所定のタイミングのデータ中に含めて送信される。この上位層の接続処理のための情報を用いることで、データリンク層の無線接続のための処理と、ネットワーク層のインターネットに接続するための処理とを並行して行うことができる。これにより、初期アクセス時間を短縮することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、この発明が適用された無線LANネットワークサービスの概要を示すものである。図1において、アクセスポイントAP1は、ルータ機能を有した無線局であり、無線端末TM1との間で無線通信を行う。アクセスポイントAP1は、ルータ部20を介して、それ自身の有線インターフェースで有線ネットワークにつながれ、インターネットNET1に接続される。
【0013】
図1に示すように、無線端末TM1は、無線端末部10と無線部11とから構成される。無線部11は、RF(Radio Frequency)部12と、変復調部13と、MAC(Media Access Controller)層処理部14と、上位層処理部15と、上位層接続情報設定部16と、インターフェース部17とを備えている。これらRF部12と、変復調部13と、MAC層処理部14と、上位層接続情報設定部16と、インターフェース部17は、コントローラ18により制御される。
【0014】
無線端末部10は、携帯型のパーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistant)により構成される。無線端末部10からの送信データは、インターフェース部17を介して、上位層処理部15に送られる。上位層処理部15は、ネットワーク層のパケットの処理を行うものである。上位層処理部15の出力がMAC層処理部14に送られる。MAC層処理部14は、データリンク層のパケットの処理を行うものである。MAC層処理部14の出力が変復調部13に供給される。変復調部13で、このデータが変調される。変復調部13の出力がRF部12に送られる。RF部12で、送信データが所定の搬送波周波数に変換され、アクセスポイントAP1に向けて、アンテナ19から出力される。
【0015】
ここで、ネットワーク層やデータリンク層は、OSI(Open System Interconnection)参照モデルに基づくものである。OSI参照モデルは、物理層、データリンク層、ネットワーク層、トランスポート層、セッション層、プレゼンテーション層、アプリケーション層の7層からなる階層構造で、ネットワークが示されている。
【0016】
アクセスポイントAP1からの電波を受信する場合には、受信信号がアンテナ19からRF部12に送られる。RF部12の受信出力が変復調部13に供給される。変復調部13で、受信信号からデータが復調される。この受信データは、MAC層処理部14に供給される。MAC層処理部14で、受信パケットから所望のデータが取り出される。この受信データは、上位層処理部15に送られる。上位層処理部15の出力がインターフェース部17を介して無線端末部10に送られる。
【0017】
また、後に説明するように、この発明が適用されたシステムでは、データリンク層の接続処理と、ネットワーク層の接続処理とを並行して行える。このような処理を実現するために、上位層処理部15に対して、上位層接続情報設定部16が設けられる。ここで上位層とは、データリンク層に対して上位層となるネットワーク層を指している。上位層処理部15は、IPv4やIPv6のネットワーク層の接続処理を行うものである。
【0018】
すなわち、アクセスポイントAP1からは、上位層の接続処理に必要な情報がビーコンで周期的に送信されている。無線端末TM1では、アクセスポイントAP1からのビーコンが予め受信される。そして、上位層接続情報設定部16には、上位層(ネットワーク層)の接続処理に必要な情報が受信したビーコンの情報に基づいて予め設定される。
【0019】
アクセスポイントAP1は、ルータ部20と、無線部21とから構成される。無線部21は、RF部22と、変復調部23と、MAC層処理部24と、上位層処理部25と、上位層接続情報挿入部26と、インターフェース部27とを備えている。これらRF部22と、変復調部23と、MAC層処理部24と、上位層処理部25と、上位層接続情報挿入部26と、インターフェース部27は、コントローラ28により制御される。
【0020】
ルータ部20を介してネットワークから送られてきた送信データは、インターフェース部27を介して、上位層処理部25に送られる。上位層処理部25の出力がMAC層処理部24に送られる。MAC層処理部24の出力が変復調部23に供給される。変復調部23で、このデータが変調される。変復調部23の出力がRF部22に送られる。RF部22で、送信データが所望の搬送波周波数に変換され、アンテナ29から、無線端末TM1に向けて出力される。
【0021】
無線端末TM1からの信号を受信する場合には、受信信号がアンテナ29からRF部22に送られる。RF部22の受信出力が変復調部23に供給される。変復調部23で、受信信号からデータが復調される。この受信データは、MAC層処理部24に供給される。MAC層処理部24の出力が上位層処理部25に供給される。上位層処理部25の出力がインターフェース部27を介して、ルータ部20に送られる。
【0022】
また、無線部21には、上位層接続情報挿入部26が設けられる。上位層接続情報挿入部26は、上位層の接続処理に必要な情報をビーコンで周期的に送信するものである。
【0023】
このように、アクセスポイントAP1側の無線部21には、上位層の接続処理に必要な情報をビーコンで周期的に送信する上位層接続情報挿入部26が設けられ、無線端末TM1の無線部11には、アクセスポイントAP1からのビーコンを予め受信し、上位層の接続処理に必要な情報が受信したビーコンの情報に基づいて予め設定される上位層接続情報設定部16が設けられている。これにより、データリンク層の接続処理と、それより上位層にあるネットワーク層の接続処理とを並行して行うことができる。
【0024】
MAC層の無線通信処理としては、IEEE802.11、IEEE802.15のフォーマットが用いられ、アクセス制御としては、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access With Collision Avoidance)やSlotted-ALOHA、TDMA(Time Division Multiple Access)制御が用いられるが、これに限定されるものではない。変調方式としては、例えば、一次変調として、PSK(Phase Shift Keying)やFSK(Frequency Shift Keying)(DBPSK、DQPSK、2GFSK、4GFSK)、二次変調として直接スペクトラム拡散や周波数ホッピングが用いられる。なお、これに限定されるものではなく、例えばOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)を用いるようにしても良い。勿論、PSKやFSKの変復調だけようにしても良い。搬送波周波数としては、例えば、2.4GHz帯が用いられる。勿論、他の周波数を用いても良い。
【0025】
上述のように、データリンク層とネットワーク層の並行接続処理の一例について説明する。ここでは、データリンク層として、IEEE802.11を用い、ネットワーク層として、IPv6(Internet Protocol version 6)を用いるものとする。
【0026】
IPv6では、ユーザがネットワークに接続するために特別な設定を行わずに、接続処理が行えるプラグアンドプレイの機能が提供されている。これは、IPv6アドレス自動設定(IPv6 Stateless Address Autoconfiguration)と呼ばれている。IPv6 アドレス自動設定について簡単に説明する。
【0027】
IPv6のアドレスは、128ビットのアドレスを有しており、この128ビットのIPv6アドレスは、64ビットずつ二つの部分に分かれている。前半部はプレフィックスと呼ばれ、後半部はインターフェースIDと呼ばれている。プレフィックスは、ホストが接続しているネットワークやサブネットを示す識別子である。一方、インターフェースIDは、接続しているネットワークの中でそのホストを識別できるように、一意性が保証されるものとされている。インターフェースIDの部分は、乱数或いは例えばIEEEで標準化されたEUI-64と呼ばれるアドレス生成手法を用いて作られる。EUI-64は、既に一意性が保証されている48ビットのMACアドレス等から生成できるアドレスである。
【0028】
IPv6 アドレス自動設定では、あるIPv6サブネット上のIPv6ルータは、そのサブネットのネットワークプレフィックスなどIPv6ネットワークに接続するために必要な情報を格納したルータ広告(Router Advertisement)メッセージを、そのサブネットに定期的に送信(ブロードキャスト)する。そのサブネットに接続したホストは、そのルータ広告メッセージを受信し、受信したルータ広告メッセージに格納された情報を元に、IPv6アドレスやデフォルトルータの設定などを行う。
【0029】
IPv6アドレスの設定方法としては、IPv6アドレスの上位64ビット部分に、ルータ広告メッセージに格納されているネットワークプレフィックスの値を格納し、下位64ビット部分に、ホスト自身が生成したインターフェースIDを格納する。
【0030】
インターフェースIDの生成方法としては、ランダムな値を生成したり、上述のように、ホストのインターフェースのMACアドレスをEUI64形式に変換した値を利用したりする方法などがある。
【0031】
ホストはIPv6アドレスを作成後、そのアドレスが同じサブネット上で既に使われていないかを確認するために、DAD(Duplicated Address Detection)を行う。具体的には、ホストが作成したIPv6アドレスを格納した近隣要請(Neighbor Solicitation)メッセージをサブネット上に送信(ブロードキャスト)し、その近隣要請メッセージを受信したサブネット上のホストのうち、近隣要請メッセージに格納されているIPv6アドレスを既に使っているホストは、アドレスが重複していることを示すために、近隣広告(Neighbor Advertisement)メッセージを返答する。近隣要請メッセージを送信したホストは一定時間近隣要請メッセージに対する近隣広告メッセージを受信しない場合は、設定したIPv6アドレスは重複していないと判断し、以後そのIPv6アドレスを利用することができる。
【0032】
また、ホストは、ルータからの定期的なルータ広告メッセージを受信するだけでなく、明示的に近隣要請(Neighbor Solicitation)メッセージを送信することでルータにルータ広告メッセージの送信を促すことができる。近隣要請メッセージを受信したルータは、ルータ広告メッセージの定期的な送信間隔に関係なく、ルータ広告メッセージを送信する。
【0033】
ルータ要請メッセージ、ルータ広告メッセージ、近隣要請メッセージ、近隣広告メッセージは、インターネットプロトコルレベルの制御情報やエラーに関する情報などを通知するためのプロトコルであるICMP(Internet Control Message Protocol)v6の一種であり、そのメッセージフォーマットは、それぞれ、図2、図3、図4、図5に示す通りである。
【0034】
図2はルータ要請メッセージを示している。
ホストは、ルータからのルータ広告メッセージを要請するために、このメッセージをリンクに送信する。
(IPヘッダ)
送信元IPアドレス:送信するインターフェースに割り当てられたユニキャストアドレス或いは未指定アドレス
宛先IPアドレス:リンクローカル全ルータマルチキャストアドレス
ホップリミット:255
認証ヘッダ(AH; Authentication Header):必要なら設定
(NDPヘッダ)
Type:133
Code:0
Options:送信元ノードのリンクレイヤのアドレス(例MZCアドレス)
【0035】
図3はルータ広告メッセージを示している。
ルータは、ルータ広告メッセージを定期的に或いはルータ要請メッセージの受信時に送信する。ルータ広告メッセージには、ホストがネットワークに接続するために必要な種々の情報を入れることができる。
(IPヘッダ)
送信元アドレス:送信するインターフェースに割り当てられたリンクローカルユニキャストアドレス
宛先アドレス:ルータ要請メッセージを送信したノードのユニキャストアドレスか、あるリンクローカル全ノードマルチキャストアドレス
ホップリミット:255
認証ヘッダ(AH; Authentication Header): 必要なら設定
(NDPヘッダ)
Type:134
Code:0
Cur Hop Limit:8ビットの整数値。ホストが設定すべきホップリミットの値(Defaultの値)を示している。ゼロ("0")のときには、ルータはこの値を指定しないことを意味している。
M "Managed address configuration"フラグ.
M=1;ステートフルアドレス目動割り当て(i.e.DHCPv6)を使用
M=O;ステートレスアドレス自動割り当てを使用
O "other stateful configuration"フラグ
O=1;アドレス以外をステートフル自動設定
O=0;アドレス以外をステートレス自動設定
Reserved すべて"0"
Router Lifetime:16ビットの整数値。デフォルトルータに関する情報の有効期限(Lifetime)を秒を単位で指定している(1秒から65,535秒まで)。最大値は、18.2時間である。"0"は、自分はデフォルトルータにはならないことを意味している。
Reachable Time:32ビットの整数値。近隣ノードとして存在するということを確認したことの有効期限をミリ秒を単位で示している。"0"は、この有効期限をルータは指定しないことを意味する。
Retrans Timer:32ビットの整数値。Neighbor Solicitation(近隣要請)メッセージの再送間隔を、ミリ秒を単位で示している。"0"は、この有効期限をルータは指定しないことを意味する。
Options
1)ルータ広告メッセージを送信したルータのリンクレイヤアドレス
2)MTUサイズ
3)ネットワークプレフィックス情報
【0036】
図4は、近隣要請メッセージを示している。
(lPヘッダ)
送信元IPアドレス:送信するインターフェースに割り当てられたユニキャストアドレス。なお、重複アドレスの検知が行われるときには、未指定アドレスに設定される。
宛先IPアドレス:要請ノード(Solicited-node)のマルチキャストアドレス、或いは、目的のノードのアドレス(Target Address)
ホップリミット:255
認証ヘッダ(AH;Authentication Header):必要なら設定
(NDPヘッダ)
Type:135
Code:0
Reserved:すべて"0"にセット
Target Address:目的のノードのユニキャストIPアドレス
Possible options:送信ノードのリンクレイヤアドレス
【0037】
図5は近隣広告(Neighbor Advertisement)メッセージを示している。
近隣要請メッセージを受信したノードは、その応答として、近隣広告メッセージを送信する。非要請広告(Unsolicited Advertisement)のときには、ノードは速やかに広告メッセージを送信する。リンク上の近隣ノードに対して、更新された情報を速やかに通知したい場合に、非要請広告メッセージ(Unsolicited Advertisement)が使用される。
(IPヘッダ)
送信元IPアドレス:近隣広告メッセージを送信するノードのユニキャストアドレス
宛先IPアドレス:要請広告(Solicited Advertisement)のときには、近隣要請(Neighbor Solicitation)メッセージを送信したノードのユニキャストアドレス。非要請広告(Unsolicited Advertisement)のときには、リンクローカル全ノードマルチキャストアドレス
ホップリミット:255
認証ヘッダ(AH; Authentication Header) 必要なら設定
(NDPヘッダ)
Type:136
Code:0
R ルータフラグ
"1"のときは送信者がルータ。ルータがホストに変化した場合を検出するために用いられる
S 要請(Solicited)フラグ
"1"のときは、本メッセージが、近隣要請メッセージ(Neighbor Solicitation)への応答であることを示す。
O 上書き(override)フラグ。
"1"のときには、リンクレイヤアドレスのキャッシュをアップデートする。"0"のときには、キャッシュはそのままにする。
Reserved:すべて、"0"にセットする(29ビット)
Target Address:
1)Solicited Advertisement
近隣要請(Neighbor Solicitation)メッセージを送信したノードのユニキャストアドレス
2)Unsolicited Advertisement
近隣広告(Neighbor Advertisement)メッセージを送信するノードの新しいリンクレイヤアドレス情報
Possible options 送信ノードのリンクレイヤアドレス
【0038】
一方、データリンク層としてIEEE802.11を使った場合の接続処理は、まず、無線通信システムの存在が検出されると、無線端末は自らをそのシステムに登録する処理を行う。まず、無線通信システムが無線端末認証(authentication)を行っている場合には認証処理を行う。その後に、無線通信システムに参入(association)するための処理を行う。
【0039】
ここで、データリンク層としてIEEE802.11を用い、ネットワーク層としてIPv6を用いて、データリンク層の接続処理とネットワーク層の接続処理を並行させて行うことを考える。上述のように、IPv6 アドレス自動設定では、受信したルータ広告に格納された情報を元に、IPv6アドレスやデフォルトルータの設定などを行っている。したがって、ルータ広告メッセージに関する情報、より具体的には、ルータ広告メッセージに格納されているネットワークプレフィックスの値とデフォルトルータの情報が予め獲得されていれば、ネットワーク層の接続処理が行える。
【0040】
そこで、この例では、図1におけるアクセスポイントAP1から、ネットワークプレフィックスの値とデフォルトルータの情報をビーコンにより送信させるようにしている。ビーコンは、通常、アクセスポイントが自らの存在を示すために定期的に発信するものであり、不特定の無線端末で受信することができる。したがって、ビーコンの情報は、アクセスポイントAP1からの電波が受信できれば、得ることができる。
【0041】
このアクセスポイントAP1からのビーコンを受信し、ビーコンの情報から、ネットワークプレフィックスの値とデフォルトルータの情報を得てネットワーク層の接続処理を行うようにすれば、データリンク層の接続処理とネットワーク層の接続処理を並行させて行うことができる。
【0042】
ここでは、IPv6 アドレス自動設定で必要な情報を、IEEE802.11のビーコンに埋め込むことにより、データリンク層の接続処理とネットワーク層の接続処理を並行させて行う例について説明する。
【0043】
まず、アクセスポイントのアクセスポイントAP1からは定期的に送信されるビーコンには、IPv6 アドレス自動設定に必要な情報として、以下の2つが埋め込まれる。
(1)ルータ広告メッセージの内容(IPv6 アドレスの作成に用いられる)
(2)アクセスポイントの無線LANネットワークインターフェースに割り当てられたIPv6 Link-Local Address(デフォルトルータ設定に用いられる)
【0044】
この2つの情報が埋め込まれたビーコンがアクセスポイントAP1からを定期的に送信される。
【0045】
無線端末TM1がアクセスポイントAP1に対して接続を行う場合には、予めアクセスポイントAP1からのビーコンが受信される。このビーコンで送られてくる情報を使って、データリンク層の接続処理とネットワーク層の接続処理が並行して行われる。ただし、DAD処理は、実際に無線接続が接続が完了しなければ実行することができないため、DAD処理のみ無線接続完了後に行われる。
【0046】
より、具体的には、IEEE802.11におけるビーコンフレームは、図6に示すようになっており、(T-L-V)形式(Type Length Value)による容易な拡張が可能である。そこで、この2つの情報を格納するために、新規に2つの独自インフォメーションエレメントが導入される。
【0047】
図6に示すように、まず、アクセスポイントの無線LANネットワークインターフェースに割り当てられたIPv6 Link-Loca Addressを格納するためのインフォメーションエレメントとして、Link-Local Address elementが導入され、ルータ広告メッセージの内容を格納するためのインフォメーションエレメントとして、RA elementが導入される。
【0048】
Link-Local Address elementは、図7に示すように、エレメントIDと、エレメント長と、予約フィールドと、Link-Local Addressの情報が設けられる。Link-Local Addressは、デフォルトルータを設定するためのものである。
【0049】
Type(element ID):element ID番号である。Link-Local Address elementの場合には"80"。
Length:elementの長さ、Link-Local Address elementの場合には"18"である。
Reserved:予約フィールド
Link-Local Address:アクセスポイントの無線LANネットワークインターフェースに割り当てられたIPv6 Link-Local Address(移動ホストがデフォルトルータを設定するために利用される)
【0050】
RA elementは、図8に示すように、エレメントIDと、エレメント長と、予約フィールドと、ルータ広告メッセージの情報が設けられる。
【0051】
Type(element ID):element ID番号、RA elementの場合には"81"である。
Length :elementの長さ、RA elementの場合には可変長である。
Reserved:予約フィールド
それ以外のフィールド:ルータ広告メッセージの一部を格納する。(移動ホストがIPv6 Addressを設定するために利用される)
【0052】
なお、これら独自のインフォメーションエレメントを処理できない無線端末が、それらが格納されたビーコンを受信した場合は、単に独自インフォメーションエレメントは無視され、残りのエレメントを利用してIEEE802.11の仕様に基づいた無線接続を行い、IEEE802.11による無線接続処理完了後、アクセスポイントと認証や無線通信システムに参入するための処理が行われることにより、IPv6アドレス自動設定が行われる。
【0053】
なお、ビーコンに埋め込まれたIPv6アドレス自動設定情報を使って処理を行うことができない一般の無線端末が、通常どおりのやりとりを用いて、IPv6アドレス自動設定を行うことができるように、アクセスポイントAP1は、通常のルータ広告メッセージも定期的に送信しておくものとする。
【0054】
以上のように、この例では、アクセスポイントAP1のビーコンには、上位層(データリンク層)の情報が含められている。このアクセスポイントAP1からのビーコンを受信し、ビーコンの情報から、ネットワークプレフィックスの値とデフォルトルータの情報を得てネットワーク層の接続処理を行うようにすれば、データリンク層の接続処理とネットワーク層の接続処理を並行させて行うことができる。
【0055】
すなわち、図9にフローチャートで示すように、アクセスポイントからのビーコンが受信されると(ステップS1)、このビーコンの情報からネットワーク層の接続情報が受信される(ステップS2)。このネットワーク層の情報を使って、ネットワーク層の接続処理が行われる(ステップS3)。これと並行して、データリンク層の認証(ステップS4)や無線通信システムに参入するための処理(ステップS5)が行われる。
【0056】
上述の例では、ネットワーク層としてIPv6の例について説明したが、IPv4を使うようにしても良い。この場合、DNS(Domain Name Service)サーバのIPアドレスやWWW(World Wide Web)プロキシの設定情報をビーコンで送信することが考えられる。
【0057】
また、リンク層としては、IEEE802.15.3を使うことが考えられる。lEEE802.15.3のタイムフレーム構成は、図10に示すようにすることが提案されている。IEEE802.15.3はビーコンは、コネクションアクセスピリオドと、コネクションフリーアクセスピリオドから構成される。マルチプルアクセス方式については、コネクションアクセスピリオドにおいてはCSMA/CA若しくはSlotted-ALOHAが用いられ、コネクションフリーピリオドにおいてはTDMAが用いられる。
【0058】
図11にIEEE802.15.3のビーコンの構成を示す。ビーコンは、プリアンブル、パケットヘッダ、制御情報から構成され、制御情報はさらに、タイプ、データ長、データからなるデータを複数格納する形で構成される。
【0059】
IEEE802.15.3においてはビーコンの内部にアプリケーション用のデータを送信することが可能となる。この部分に、上位層接続情報が挿入できる。
【0060】
なお、上述のように、ビーコンと上位層の接続に必用な情報を同時に送信するという処理は、全てのビーコンの処理において行う必要は無い。図12に示すように、上位層接続情報の入ったビーコンBC1を間欠的に送信し、他のビーコンBC0は上位層接続情報の入っていないビーコンとするのが実用的である。すなわち、ビーコンは毎回送信されるが、上位層接続用制御情報の入ったビーコンBC1は、N回の送信につき1回送信される。
【0061】
図13は、このように、ビーコンの内部に上位層接続データを挿入する場合のアクセスポイントAP1側の処理を示すフローチャートである。
【0062】
図13において、ビーコンが生成されると(ステップS11)、そのビーコンに、上位層の接続情報を挿入するかどうかが判定される(ステップS12)。上位層の接続情報を挿入する場合には、上位層接続情報の挿入処理が行われ(ステップS13)、その後、所定のタイミングにおいて、上位層接続情報が挿入されたビーコンが送出される(ステップS14)。ステップS12で、上位層の接続情報を挿入しないと判断された場合には、ビーコンに上位層の接続情報を挿入しないで、その後、所定のタイミングにおいてビーコンが送出される(ステップS14)。
【0063】
図14は、このときの無線端末TM1側の処理を示すフローチャートである。ビーコンの内部には、上述のように、上位層接続情報が挿入されている。図14において、ビーコンが受信されたら(ステップS21)、ビーコン内に上位層接続情報が存在するか否かが判定される(ステップS22)。ビーコン内に上位層接続情報が存在する場合には、それを用いて上位層の接続設定が行われる(ステップS23)。
【0064】
ところで、例えば、lEEE802.15.3、IEEE802.11においては、無線端末は省電力モードになることが可能である。ところが、省電力モードになると、ビーコンが常に受信できなくなる場合がある。
【0065】
よって、省電力モードにおいては、ビーコンを送信するアクセスポイントでは、無線端末がビーコンを受信するタイミングにおいて上位層の情報をビーコンに挿入することが好ましい。これにより、上位層の情報に変更が生じた場合において、省電力モードの無線端末が速やかに設定の変更を行うことが可能となる。
【0066】
図15は、省電力モードが設定できるようにした無線端末TM11及びアクセスポイントAP11の構成を示すものである。無線端末TM11は、無線端末部110と無線部111とから構成される。無線部111は、RF部112と、変復調部113と、MAC層処理部114と、上位層処理部115と、上位層接続情報設定部116と、インターフェース部117と、タイミング制御部119を備えている。これらRF部112と、変復調部113と、MAC層処理部114と、上位層接続情報設定部116と、インターフェース部117と、タイミング制御部119は、コントローラ118により制御される。
【0067】
無線端末部110は、携帯型のパーソナルコンピュータやPDAにより構成される。無線端末部110からの送信データは、インターフェース部117を介して、上位層処理部115に送られる。上位層処理部115は、ネットワーク層のパケットの処理を行うものである。上位層処理部115の出力がMAC層処理部114に送られる。MAC層処理部114は、データリンク層のパケットの処理を行うものである。MAC層処理部114の出力が変復調部113に供給される。変復調部113で、このデータが変調される。変復調部113の出力がRF部112に送られる。RF部112で、送信データが所定の搬送波周波数に変換され、アクセスポイントAP11に向けて、アンテナ109から出力される。
【0068】
アクセスポイントAP11からの電波を受信する場合には、受信信号がアンテナ109からRF部112に送られる。RF部112の受信出力が変復調部113に供給される。変復調部113で、受信信号からデータが復調される。この受信データは、MAC層処理部114に供給される。MAC層処理部114で、受信パケットから所望のデータが取り出される。この受信データは、上位層処理部115に送られる。上位層処理部115の出力がインターフェース部117を介して無線端末部110に送られる。
【0069】
また、データリンク層の接続処理と、ネットワーク層の接続処理とを並行して行えるような処理を実現するために、上位層処理部115に対して、上位層接続情報設定部116が設けられる。上位層処理部115は、IPv4やIPv6のネットワーク層の接続処理を行うものである。
【0070】
アクセスポイントAP1からは、上位層の接続処理に必要な情報がビーコン中に送信されている。そして、上位層接続情報設定部116には、上位層(ネットワーク層)の接続処理に必要な情報が受信したデータの情報に基づいて予め設定される。省電力のタイミングと、ビーコンの受信タイミングとを合わせるために、タイミング制御部119が設けられる。このタイミング制御部119は、省電力設定部108により設定される。
【0071】
アクセスポイントAP11は、ルータ部120と、無線部121とから構成される。無線部121は、RF部122と、変復調部123と、MAC層処理部124と、上位層処理部125と、上位層接続情報挿入部126と、インターフェース部127と、タイミング制御部129を備えている。これらRF部122と、変復調部123と、MAC層処理部124と、上位層処理部125と、上位層接続情報挿入部126と、インターフェース部127と、タイミング制御部129は、コントローラ128により制御される。
【0072】
ルータ部120を介してネットワークから送られてきた送信データは、インターフェース部127を介して、上位層処理部125に送られる。上位層処理部125の出力がMAC層処理部124に送られる。MAC層処理部124の出力が変復調部123に供給される。変復調部123で、このデータが変調される。変復調部123の出力がRF部122に送られる。RF部122で、送信データが所望の搬送波周波数に変換され、アンテナ130から、無線端末TM11に向けて出力される。
【0073】
無線端末TM11からの信号を受信する場合には、受信信号がアンテナ130からRF部122に送られる。RF部122の受信出力が変復調部123に供給される。変復調部123で、受信信号からデータが復調される。この受信データは、MAC層処理部124に供給される。MAC層処理部124の出力が上位層処理部125に供給される。上位層処理部125の出力がインターフェース部127を介して、ルータ部120に送られる。
【0074】
また、無線部121には、上位層接続情報挿入部126が設けられる。上位層接続情報挿入部126は、上位層の接続処理に必要な情報をビーコン中に送信するものである。この上位層接続情報挿入部126からのビーコンの発生タイミングは、タイミング制御部129により、省電力無線端末起動タイミング保存部131に設定されているタイミングに応じて設定される。この省電力無線端末起動タイミング保存部131に保存されるタイミングを、無線端末TM11側の省電力設定部108のタイミングに応じて設定することで、無線端末TM11が起動している間に、ビーコンが受信できるようになる。
【0075】
図16及び図17は、省電力モードの無線端末と制御情報の挿入位置の関係について示す。図16及び図17に示すように、ビーコンを受信する無線端末TM11、TM12、TM13において省電力制御を行っていて受信するビーコンが特定されている場合には、上位層の接続情報が含められるビーコンBC1を、各無線端末が起動するタイミングに合わせて送信することを考慮する。図16は省電力制御を行っている無線端末TM11、TM13が同時にビーコンを受信する場合である。図17は省電力制御を行っている無線端末TM11とTM13とがビーコンを受信するタイミングが異なる場合である。
【0076】
ところで、上述までの説明では、上位層接続情報は、ビーコン内に挿入するとしていた。しかしながら、上位層接続情報は、ビーコン内そのものに挿入する必要はない。データ中に上位層接続情報を入れておくようにしても良い。
【0077】
例えば、図18に示すように、IEEE802.15.3では、ビーコンの後から所定のタイミングで、上位層接続情報が入ったデータが送信されるとした場合、ビーコンには、この上位層接続情報が入ったデータの時間位置又はチャンネルを示すポインタPTが設けられる。ビーコンを受信することにより、上位層接続情報が入ったデータが送信されてくる時間又はチャンネルがわかり、その時間又はチャンネルのデータを受信することにより、上位層接続情報を得ることができる。
【0078】
図19は、このように、ビーコンから所定のタイミングのデータに上位層接続データを挿入する場合のアクセスポイントAP21及び無線端末TM21の構成を示すものである。
【0079】
図19に示すように、無線端末TM21は、無線端末部210と無線部211とから構成される。無線部211は、RF部212と、変復調部213と、MAC層処理部214と、上位層処理部215と、上位層接続情報設定部216と、インターフェース部217と、タイミング制御部219を備えている。これらRF部212と、変復調部213と、MAC層処理部214と、上位層接続情報設定部216と、インターフェース部217と、タイミング制御部219は、コントローラ218により制御される。
【0080】
無線端末部210は、携帯型のパーソナルコンピュータやPDAにより構成される。無線端末部210からの送信データは、インターフェース部217を介して、上位層処理部215に送られる。上位層処理部215は、ネットワーク層のパケットの処理を行うものである。上位層処理部215の出力がMAC層処理部214に送られる。MAC層処理部214は、データリンク層のパケットの処理を行うものである。MAC層処理部214の出力が変復調部213に供給される。変復調部213で、このデータが変調される。変復調部213の出力がRF部212に送られる。RF部212で、送信データが所定の搬送波周波数に変換され、アクセスポイントAP21に向けて、アンテナ209から出力される。
【0081】
アクセスポイントAP21からの電波を受信する場合には、受信信号がアンテナ209からRF部212に送られる。RF部212の受信出力が変復調部213に供給される。変復調部213で、受信信号からデータが復調される。この受信データは、MAC層処理部214に供給される。MAC層処理部214で、受信パケットから所望のデータが取り出される。この受信データは、上位層処理部215に送られる。上位層処理部215の出力がインターフェース部217を介して無線端末部210に送られる。
【0082】
また、データリンク層の接続処理と、ネットワーク層の接続処理とを並行して行えるような処理を実現するために、上位層処理部215に対して、上位層接続情報設定部216が設けられる。上位層処理部215は、IPv4やIPv6のネットワーク層の接続処理を行うものである。
【0083】
アクセスポイントAP1からは、上位層の接続処理に必要な情報がビーコンから所定のタイミングのデータ中に送信されている。そして、上位層接続情報設定部216には、上位層(ネットワーク層)の接続処理に必要な情報が受信したデータの情報に基づいて予め設定される。ビーコンの中のポインタから所定のタイミングのデータを抽出するために、タイミング制御部219が設けられる。
【0084】
アクセスポイントAP21は、ルータ部220と、無線部221とから構成される。無線部221は、RF部222と、変復調部223と、MAC層処理部224と、上位層処理部225と、上位層接続情報挿入部226と、インターフェース部227と、タイミング制御部229を備えている。これらRF部222と、変復調部223と、MAC層処理部224と、上位層処理部225と、上位層接続情報挿入部226と、インターフェース部227と、タイミング制御部229は、コントローラ228により制御される。
【0085】
ルータ部220を介してネットワークから送られてきた送信データは、インターフェース部227を介して、上位層処理部225に送られる。上位層処理部225の出力がMAC層処理部224に送られる。MAC層処理部224の出力が変復調部223に供給される。変復調部223で、このデータが変調される。変復調部223の出力がRF部222に送られる。RF部222で、送信データが所望の搬送波周波数に変換され、アンテナ230から、無線端末TM21に向けて出力される。
【0086】
無線端末TM21からの信号を受信する場合には、受信信号がアンテナ230からRF部222に送られる。RF部222の受信出力が変復調部223に供給される。変復調部223で、受信信号からデータが復調される。この受信データは、MAC層処理部224に供給される。MAC層処理部224の出力が上位層処理部225に供給される。上位層処理部225の出力がインターフェース部227を介して、ルータ部220に送られる。
【0087】
また、無線部221には、上位層接続情報挿入部226が設けられる。上位層接続情報挿入部226は、上位層の接続処理に必要な情報をビーコンから所定のタイミングのデータ中に送信するものである。
【0088】
図20は、このように、ビーコンから所定のタイミングのデータに上位層接続データを挿入する場合のアクセスポイントAP1側の処理を示すフローチャートである。
【0089】
図20において、ビーコンが生成されると(ステップS31)、上位層の接続情報を送信するかどうかが判定される(ステップS32)。上位層の接続情報を送信する場合には、送信するタイムスロットが決定され(ステップS33)、そのタイムスロットの情報に、上位層の接続情報が挿入される(ステップS34)。そして、ビーコンが送信され(ステップS35)、送信のタイミングを待って(ステップS36)、所定のタイムスロットに上位層の接続情報が送信されて(ステップS37)、処理が終了される。
【0090】
図21は、上述のように、ビーコンから所定のタイミングスロットのデータに、上位層接続情報を挿入した場合の無線端末TM1側の処理を示すフローチャートである。
【0091】
図21において、ビーコンが受信されたら(ステップS41)、所定のタイミングの後に送られてくるデータ中に、上位層接続情報が存在するか否かが判定される(ステップS42)。上位層接続情報が存在する場合には、上位層接続情報の受信タイミングが抽出され(ステップS43)、そのタイミングで示される所定の受信タイミングだけ待ち(ステップS44)、データ中の上位層接続情報が受信される(ステップS45)。
【0092】
なお、lEEE802.11は、IEEE802.15.3と異なる点が存在し、コネクションピリオドとコネクションフリーピリオドの順序が逆である。マルチプルアクセス方式としては、コネクションションアクセスピリオドにおいてはCSMA、コネクションフリーピリオドにおいてはポーリングが用いられる。よって、例えば、ビーコンの直後の時間帯において制御情報を送信し、各無線端末はそのタイムスロットにおいて上位層の情報が報知されていることを知っているため、それを必ず受信する、という構成をとることが考えられる。
【0093】
例えば、図22に示すように、ビーコンの直後の時間帯において制御情報を送信し、各無線端末はそのタイムスロットにおいて上位層の情報が報知されていることを知っているため、それを必ず受信する、という構成をとることによって本発明を実装することが可能である。ここで、ビーコンとデータとの間の時間間隔は、優先度をもった時間間隔を示し、この時間間隔を用いて送信することにより、制御情報の送信を、他のパケットより優先度を高くして行うことが可能になる。
【0094】
図23において、ビーコンが生成されると(ステップS52)、そのビーコンが所定のタイミングで送信される(ステップS53)。それから所定のタイミングを待ち、上位層の接続情報を送信するかどうかが判定される(ステップS55)。上位層の接続情報を送信する場合には、上位層の接続情報が送信される(ステップS56)。
【0095】
この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明が適用された無線通信ネットワークシステムでは、上位層の接続処理のための情報がビーコンや、ビーコンから所定のタイミングのデータ中に含めて送信される。この上位層の接続処理のための情報を用いることで、データリンク層の無線接続のための処理と、ネットワーク層のインターネットに接続するための処理とを並行して行うことができる。これにより、初期アクセス時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用されたアクセスポイント及び無線端末の構成の一例を示すブロックである。
【図2】 IPv6のメッセージの説明に用いる略線図である。
【図3】 IPv6のメッセージの説明に用いる略線図である。
【図4】 IPv6のメッセージの説明に用いる略線図である。
【図5】 IPv6のメッセージの説明に用いる略線図である。
【図6】ビーコンの構成の説明に用いる略線図である。
【図7】ビーコンの構成の説明に用いる略線図である。
【図8】ビーコンの構成の説明に用いる略線図である。
【図9】この発明が適用された接続処理の説明に用いるフローチャートである。
【図10】無線接続の説明に用いる略線図である。
【図11】上位層の接続情報の挿入の説明に用いる略線図である。
【図12】ビーコンの説明に用いる略線図である。
【図13】ビーコンにより上位層の接続情報を挿入する場合の説明に用いるフローチャートである。
【図14】ビーコンにより挿入された上位層の接続情報を受信する処理の説明に用いるフローチャートである。
【図15】この発明が適用されたアクセスポイント及び無線端末の構成の他の例を示すブロックである。
【図16】省電力処理の説明に用いる略線図である。
【図17】省電力処理の説明に用いる略線図である。
【図18】上位層の接続情報の挿入の説明に用いる略線図である。
【図19】この発明が適用されたアクセスポイント及び無線端末の構成の他の例を示すブロックである。
【図20】所定のデータに上位層の接続情報を挿入する場合の説明に用いるフローチャートである。
【図21】所定のデータに挿入された上位層の接続情報を受信する処理の説明に用いるフローチャートである。
【図22】ビーコンから所定のタイミングに上位層の接続情報を挿入する場合の説明に用いる略線図である。
【図23】ビーコンから所定のタイミングに上位層の接続情報を挿入する場合の説明に用いるフローチャートである。
【図24】従来の接続処理の説明に用いるフローチャートである。
【符号の説明】
10・・・無線端末部、13、23・・・変復調部、14、24・・・MAC層処理部、15・・・上位層処理部、16・・・上位層接続情報設定部、20・・・ルータ部、25・・・上位層処理部、26・・・上位層接続情報挿入部
Claims (14)
- ネットワークに接続する複数の通信装置の一つであって、
リンク層における接続処理を行うリンク層処理部と、
前記リンク層の上位に存在する層における接続処理を行う上位層処理部と、
上位層における接続処理情報を管理する上位層接続情報管理部とを備え、
前記上位層における接続処理情報をリンク層における制御情報として送信することにより、該制御情報を受信した通信装置において、前記リンク層における接続処理と前記上位層における接続処理とを平行して行うことを可能とした、
ことを特徴とする通信装置。 - 前記通信装置は、前記上位層における接続処理情報をビーコンにより送信することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
- 前記通信装置は、前記上位層における接続処理情報を含むビーコンを間欠的に送信することを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
- 前記通信装置は、情報を受信する通信装置が受信動作を行うタイミングと、前記上位層における接続処理情報を送信するタイミングを調整するタイミング制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
- 前記通信装置は、前記上位層における接続処理情報をビーコン送信時を基準として決定される所定のタイミングで送信することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
- 前記ビーコン送信時を基準として決定される所定のタイミングは、ビーコンの送信直後のタイミングであることを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
- 前記ビーコン送信時を基準として決定される所定のタイミングは、ビーコンに含まれるポインタ情報によって指示されるタイミングであることを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
- 前記上位層処理部にて扱うプロトコルは、IPv6プロトコルであり、前記上位層における接続処理情報は、ネットワークプレフィックス値及びデフォルトルータに関する情報であることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
- ネットワークに接続する複数の通信装置の一つであって、
リンク層における接続処理を行うリンク層処理部と、
前記リンク層の上位に存在する層における接続処理を行う上位層処理部と、
上位層における接続処理情報を管理する上位層接続情報管理部と、
を備える通信装置において、
前記上位層における接続処理情報を送信するか否かを判断する手順と、
前記上位層における接続処理情報を送信する場合は、前記接続処理情報を送信するタイミングを決定する手順と、
前記上位層における接続処理情報をリンク層における制御情報として送信する手順と、
を有し、
該制御情報を受信した通信装置において、前記リンク層における接続処理と前記上位層における接続処理とを平行して行うことを可能とした、
ことを特徴とする通信方法。 - 前記上位層における接続処理情報を送信するタイミングは、ビーコン送信時を基準として決定される所定のタイミングであることを特徴とする請求項9に記載の通信方法。
- ネットワークに接続する複数の通信装置の一つであって、
リンク層における接続処理を行うリンク層処理部と、
前記リンク層の上位に存在する層における接続処理を行う上位層処理部と、
上位層における接続処理情報を管理する上位層接続情報管理部と、
リンク層における制御情報として、前記上位層における接続処理情報を受信し、該上位層における接続処理情報に基づいて、前記リンク層における接続処理と前記上位層における接続処理とを平行して行う、
ことを特徴とする通信装置。 - 前記通信装置は、前記上位層における接続処理情報を含むビーコンを受信することを特徴とする請求項11に記載の通信装置。
- 前記通信装置は、前記上位層における接続処理情報をビーコン受信時を基準として決定される所定のタイミングで受信することを特徴とする請求項11に記載の通信装置。
- 前記ビーコン送信時を基準として決定される所定のタイミングは、ビーコンの受信直後のタイミングであることを特徴とする請求項13に記載の通信装置。
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