JP4081800B2 - Sealing device - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、摺動面を備えたシール部材とこのシール部材に当接する付勢部材とを備える密封装置に関し、そのシール性を向上させる技術である。
【0002】
【従来の技術】
従来より、高圧の密封流体(作動油や燃料等)が作用する装置の駆動力伝達部等において、例えばハウジングの軸孔内周面と該軸孔に挿通される軸の外周面(軸孔に対する回転軸やシリンダに対するピストン)との間の環状隙間からの密封流体の漏れを防止するために密封装置が備えられている。
【0003】
図9は、このような密封装置100A,100B,100Cの断面概略構成(図9(a),(c),(e))と,使用形態を説明する断面構成説明図(図9(b),(d),(f))である。
【0004】
各密封装置100A,100B,100Cは、外周側に配置される樹脂材料(例えばPTFE等)による樹脂リング111,112,113と、これら樹脂リングの内周側に当接して拡張力を与えるゴム状弾性体によるOリング114,115,116の2つの構成部材を備えている。
【0005】
図9(b),(d),(f)において、ハウジング101の軸孔101aと軸102は同軸的に配置されており、軸102は目的に合わせて停止/回転動/揺動/往復動等の動作がなされる。そして、軸102の外周面102aには断面矩形状の環状溝102bが設けられ、密封装置100A,100B,100Cが装着されている。
【0006】
密封装置100Aと100Bは断面矩形状の樹脂リング111,112を備え、樹脂リング111,112の外周面111a,112a(樹脂リングを円筒形状にみたてた場合その外周壁面)がハウジング101の軸孔101aとの摺動面となっている。
【0007】
また、密封装置100Cは、装着状態において矢印A101方向からの流体の進入をより防止可能とする片側シールとして機能させるために、樹脂リング113の断面形状を左右非対称としている。
【0008】
具体的には、外周面を矢印A101方向に向けて縮径させた傾斜面部113aと、傾斜面部113aよりも若干小径の平行面部113bとを軸方向に接続させた外周輪郭を有する断面形状である(図8の断面形状は外周輪郭の特徴を際立たせており、実際の傾斜面部113aと平行面部113bとの間隔は図に示されたものよりも小さく設定されることもある)。
【0009】
従って、このような構成の密封装置100A,100B,100Cは、樹脂リングとOリングを組み合わせることにより、弾性の低い樹脂リングに拡張力を与え、対向摺動面(図8ではハウジング101の軸孔101a)に対し所定の圧力で当接させてシール性を発揮させると共に、かつ樹脂材料の特性から摺動性/耐摩耗性に優れたものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
また近年においては、ディーゼルエンジンやガソリンエンジン等において低燃費や高出力等の性能向上を図る為に、シリンダ内に高圧力の燃料を直接噴射して燃焼させる筒内直接噴射方式のものが開発されている。
【0011】
そして、このような筒内直接噴射方式のエンジンでは、燃料を高圧力に加圧するための高圧燃料ポンプが必要であり、この高圧燃料ポンプに使用される密封装置にもより高圧なシール性が要求されている。
【0012】
しかしながら、密封装置100A,100Bにおいては、樹脂リング111,112がOリング114,115により略軸方向略中央部に一番大きな拡張力を受けることから、その外周面111a,112aにおける面圧分布PD100A,PD100Bは、中央部に向かって序々に面圧が高くなる一つの山形形状となっており、面圧の低い軸方向端部より両方向より流体が進入し易くなり、高圧シール性を低下させている。
【0013】
一方、密封装置100Cでは、耐圧を発揮させる側(図において左側)に急な立ち上がりを有する面圧分布PD100Cが形成されることになり、矢印A101方向のシール性に対しては十分であるが、反対側(図において右側)からは流体が進入し易くなり、シール性を低下させている。
【0014】
また、密封装置100Cでは、外周壁面が平面(円筒壁面)ではないので、密封装置100A,100Bに比較して製作性が劣り、また傾斜面部113aの摩耗によって面圧分布が変化しシール性や寿命の低下につながることも懸念されていた。
【0015】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、良好なシール性を発揮する面圧分布を形成可能とすること、両方向にシール性を発揮させること等を図り、かつ簡易な構成で密封装置のシール性を向上させることにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にあっては、2対向面により形成される環状隙間のいずれか一方の面に形成された環状溝に嵌め込まれ、前記環状隙間において2つの流体が混合されないようにシールすべく他方の面に当接する摺動面を備えたシール部材と、このシール部材に当接して前記他方の面へと付勢する付勢部材とを備えた密封装置において、前記シール部材の摺動面の他方の面に対する面圧のうち、軸方向中央部で発生する面圧よりも軸方向両端側で発生する面圧の方が大きくなるようにすべく、前記シール部材と付勢部材は、軸方向に離れた位置に配置された対となる環状当接部により当接し、前記シール部材の摺動面の軸方向両端部に前記他方の面から離間するテーパ部を備え、前記テーパ部の他方の面から離間する起点位置を、前記シール部材と付勢部材との環状当接部の付勢中心よりも内側に位置させることを特徴とする。
【0021】
これにより、シール部材の摺動面の他方の面に対する面圧分布は、軸方向に離れた位置で面圧の高くなる少なくとも2つの山を有するものとなり、両方向に対して複数段のシールを行なうことが可能となる。また、このテーパ部によって、密封装置が軸方向に摺動する際の姿勢を安定させると共に、シール部材の摺動面に形成される面圧分布の山形状を、軸方向外側に急な立ち上がりを有するものとし、軸方向外側に向かい一方向にシール性を高め、よりシール性が向上する。また、摺動面を凹むように撓ませる方向の応力を与えることができ、シール部材の摺動面の軸方向両端部により高い面圧を付与することができる。
【0022】
前記シール部材は、付勢部材との対向面における軸方向中央部に凹溝を備えたことも好適である。
【0023】
これによって、付勢部材はシール部材の軸方向両端部を付勢して軸方向に離れた位置で面圧の高くなる2つの山を有する面圧分布が形成される。
【0024】
また、前記付勢部材は、シール部材との対向面における軸方向中央部に凹溝を備えたことも好適である。
【0025】
これによっても、付勢部材はシール部材の軸方向両端部を付勢して軸方向に離れた位置で面圧の高くなる2つの山を有する面圧分布が形成される。
【0026】
前記付勢部材は、矩形断面形状のOリングであることも好適である。従って、Oリングがつぶされ変形した際の弾性復帰力による付勢をシール部材の軸方向両端部に効果的に行なうことができる。
【0027】
また、前記シール部材は、付勢部材との対向面における軸方向中央部に突条を備え、前記付勢部材は、前記突条により分割された環状溝の2領域に配置されることも好適である。
【0028】
これによっても、付勢部材はシール部材の軸方向両端部を付勢して軸方向に離れた位置で面圧の高くなる2つの山を有する面圧分布が形成される。尚、付勢部材は、2本のOリングでも良いし、あるいは突条部に対する部位が薄くなっている1本で2つの突部を有するOリングでも良い。
【0029】
また、前記シール部材は、付勢部材との対向面に軸方向に離れて2つの凹溝を備え、
前記付勢部材は、前記凹溝のそれぞれに配置されることも好適である。
【0030】
これによっても、付勢部材はシール部材の軸方向両端部を付勢して軸方向に離れた位置で面圧の高くなる2つの山を有する面圧分布が形成される。
【0031】
また、前記環状溝は、溝底部の軸方向中央部に突条を備え、前記付勢部材は、前記突条により分割された環状溝の2領域に配置されることも好適である。
【0032】
これによっても、付勢部材はシール部材の軸方向両端部を付勢して軸方向に離れた位置で面圧の高くなる2つの山を有する面圧分布が形成される。
【0039】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は本発明を適用した第1の実施の形態における密封装置1の構成を説明する図である。図1においては、密封装置1が軸102に設けた環状溝102bに嵌め込まれ、2対向面としてのハウジング101の軸孔101aと軸102の外周面102aの間の環状隙間106をシールしている状態を説明する要部の断面構成説明図(軸102を軸方向に切断した図)である。
【0040】
シール部材としての樹脂リング2は、PTFE等の耐摩耗及び摺動性に優れた樹脂材料で形成され、概略矩形断面形状を呈した環状部材であり、その外周面をハウジング101の軸孔101aに当接・摺動する摺動面2aとしている。
【0041】
樹脂リング2の摺動面2aは、軸方向の略中央部の逃げ部2bと、逃げ部2bから両端側に向かって突出した傾斜面2c,2dから構成されている。従って、軸方向に離れた位置に1対の環状突部2e,2fが形成され、その最外周部(摺動面2aと両端面の角部)が軸孔101aに対して最も接近することになる。
【0042】
3は環状溝102bに配置され、樹脂リング2の内周面側に当接して樹脂リング2を付勢する付勢部材としてのOリングである。
【0043】
次に、密封装置1が環状溝102bに嵌め込まれ、使用される際に発揮されるシール作用を説明する。
【0044】
樹脂リング2は、Oリング3が径方向につぶれる際の反作用として発生する拡張力により、その摺動面2aが軸孔101aに対して付勢され当接する。そして環状突部2e,2fにおいて、その最外周部近傍(すなわち樹脂リング2の軸方向両端部近傍)をピークとする2つの山を有する面圧分布PD1,PD2が形成される。
【0045】
この面圧分布PD1,PD2の山の形状は、傾斜面2c,2dが軸方向内側にあることから軸方向外側に急な立ち上がりを有して両方向(図において矢印A3,A4方向から進入しようとする流体に対して)に高いシール性を発揮し、例えばこの密封装置1を介してハウジング101内部で2つの流体を混合させずに分離状態とすることもできる。
【0046】
従って、簡易な構成で摺動面2aに両方向にシール性を発揮する面圧分布を形成することができ、密封装置のシール性の向上を図ることができる。
【0047】
尚、この実施の形態では、環状隙間106を密封するために密封装置1も環状としていたが、2対向面が平面の場合にも環状の曲率を大きく設定し、環状の一部を利用したものとみなすことで、適用することが可能である。
【0048】
また、実際の環状突部2e,2fの逃げ部2bからの立ち上がり寸法や傾斜面2c,2dの傾斜角度は、密封流体の種類や使用環境に応じて適宜決定されるもので、図1に示されたようなはっきりした輪郭を伴わない場合もあるが、本発明を適用することにより軸方向両端部近傍をピークとする2つの山を有する面圧分布PD1,PD2が形成されることになる。
【0049】
(実施の形態2及び参考例)第2の実施の形態及び参考例として、上記第1の実施の形態で説明された樹脂リング2の、その他の形態例を図2に示す。図2(a)実施の形態2に係る樹脂リング単体の断面図であり、図2(b)は参考例に係る樹脂リング単体の断面図である。
【0050】
図2(a)において、樹脂リング2Aの摺動面2aは軸方向に円弧状となる凹面をなしており、軸方向の両端部が環状突部2e,2fとして機能している。
【0051】
図2(b)において、樹脂リング2Bは、樹脂リング2の環状突部2e,2fの外側にテーパ部2g,2hを付加したものである。このテーパ部2g,2hにより、密封流体による摺動面2aの潤滑性を向上させ、密封装置が軸方向に摺動する際の姿勢を安定させる。
【0052】
従って、密封流体を完全にシールしてしまった場合等にみられるビビリの防止や、摩耗防止を図ることができる。
【0053】
(実施の形態3)
図3は本発明を適用した第3の実施の形態における密封装置11の構成を説明する図である。
【0054】
図3(a)においては、密封装置11が軸102に設けた環状溝102bに嵌め込まれ、2対向面としてのハウジング101の軸孔101aと軸102の外周面102aの間の環状隙間106をシールしている状態を説明する要部の断面構成説明図(軸102を軸方向に切断した図)である。図3(b)は、樹脂リング12の断面形状を示す図である。
【0055】
シール部材としての樹脂リング12は、PTFE等の耐摩耗及び摺動性に優れた樹脂材料で形成され、概略矩形断面形状を呈した環状部材であり、その外周面側にハウジング101の軸孔101aに当接・摺動する摺動面12a(樹脂リング12円筒とみたてた場合にその外側面)を有している。
【0056】
摺動面12aの軸方向両端部には、軸孔101aから軸方向両側に向かって離間するテーパ部12b,12cが備えられている。
【0057】
一方、樹脂リング12の内周面側には、軸方向略中央部に凹溝12dが形成され、この凹溝12eにより内周面が軸方向に2分割され、その両端部がOリング13と当接する環状当接部12f,12gとなるように構成されている。
【0058】
Oリング13はフリーの状態では矩形断面形状を呈しており、環状溝102bに嵌め込まれ、径方向につぶれる際の反作用として発生する拡張力により、樹脂リング12の環状当接部12f,12gに対して当接・付勢する。
【0059】
尚、Oリング13は、樹脂リング12の凹溝12dを付勢しない限り、円形断面形状等のその他の断面形状のものを採用することもなんら問題ないが、矩形断面形状とすることにより、樹脂リング12の環状当接部12f,12gに対して集中する効果的な付勢を行なうことができる。
【0060】
次に、密封装置11が環状溝102bに嵌め込まれ、使用される際に発揮されるシール作用を説明する。
【0061】
樹脂リング12は、Oリング13の付勢力を環状当接部12f,12gで受けることになり、樹脂リング12の軸方向に離れた2つの位置で付勢され、摺動面12aの軸方向両端部をピークとする2つの山を有する面圧分布PD3,PD4が形成される。
【0062】
さらに、この面圧分布PD3,PD4の山の形状は、テーパ部12b,12cが軸方向外側にあることから軸方向外側に急な立ち上がりを有して両方向(図において矢印A5,A6方向から進入しようとする流体に対して)に高いシール性を発揮する。
【0063】
テーパ部12b,12cが摺動面12aから離間する起点位置(寸法H1により規定)は、環状当接部12f,12gの寸法H2に対してH1<H2の範囲で設定することが望ましいが、特に、環状当接部12f,12gに対するOリング13の付勢中心(環状当接部12f,12gの寸法H2により規定)にほぼ合わせることも好適である。
【0064】
これにより、面圧分布PD3,PD4の山形状は、軸方向内側が緩やかで軸方向外側に急な立ち上がりを有するものものとし、軸方向外側に向かい一方向にシール性を高め、よりシール性が向上する。
【0065】
また、上記起点位置を、環状当接部12f,12gに対するOリング13の付勢中心よりも内側に位置させることにより、Oリング13の付勢力が摺動面12aを凹むように撓ませる方向の応力を与え、摺動面12aの軸方向両端部により高い面圧を付与することができる。
【0066】
(実施の形態4)
図4に第4の実施の形態を示す。この実施の形態の密封装置21では、樹脂リング22の内周面側には凹溝は形成されておらず、平滑面となっている。樹脂リング22の外周面側の構成は、第3の実施の形態の樹脂リング12と同様であり、摺動面22aとテーパ部22b,22cを備えている。
【0067】
Oリング23は、樹脂リング22との対向面(この実施の形態では外周面)における軸方向略中央部に凹溝23aが形成され、断面凹字状となっている。
【0068】
そして、この凹溝23aにより外周面が軸方向に2分割され、その両端部が樹脂リング22と当接する環状当接部23b,23cとなるように構成されている。
【0069】
次に、密封装置21が環状溝102bに嵌め込まれ、使用される際に発揮されるシール作用を説明する。
【0070】
樹脂リング22は、Oリング23の環状当接部23b,23cより付勢力を受けることになり、樹脂リング22の軸方向に離れた2つの位置で付勢され、摺動面22aの軸方向両端部をピークとする2つの山を有する面圧分布PD5,PD6が形成される。
【0071】
さらに、この面圧分布PD5,PD6の山の形状は、テーパ部22b,22cが軸方向外側にあることから軸方向外側に急な立ち上がりを有して両方向(図において矢印A7,A8方向から進入しようとする流体に対して)に高いシール性を発揮する。
【0072】
この実施の形態のように、樹脂リングとOリングの環状当接部をOリング23により形成することも可能である。
【0073】
(実施の形態5)
図5に第5の実施の形態を示す。この実施の形態の密封装置31では、樹脂リング32の内周面側に特徴的な構成を有している。
【0074】
樹脂リング32の外周面側の構成は、第4の実施の形態の樹脂リング22と同様であり、摺動面32aとテーパ部32b,32cを備えている。
【0075】
樹脂リング32の内周面側の構成は、軸方向略中央部に突条32dを備え、軸方向の両端部のフランジ部32e,32fとにより形成される凹溝32g,32hにOリング33a,33bが嵌め込まれている。
【0076】
従って、樹脂リング32は、軸方向に離れた2つのOリング33a,33bにより付勢力を受けることになり、摺動面32aの軸方向両端部をピークとする2つの山を有する面圧分布PD7,PD8が形成される。
【0077】
さらに、この面圧分布PD7,PD8の山の形状は、テーパ部32b,32cが軸方向外側にあることから軸方向外側に急な立ち上がりを有して両方向(図において矢印A9,A10方向から進入しようとする流体に対して)に高いシール性を発揮する。
【0078】
また、図5(b)に示されるように、樹脂リング32のテーパ部32b,32cの範囲H3を凹溝32g,32hの範囲H4内とすることも好適であり、この実施の形態では1/2程度に設定されている。
【0079】
このような関係とすることにより、摺動面32aの軸方向両端部により高い面圧を発生させることが可能となる。
【0080】
図6は第5の実施の形態の変形例であり、樹脂リング32Bには樹脂リング32に備えられていたフランジ部32e,32fが存在しない。このような形態の樹脂リング32Bにおいても、樹脂リング32と同様の効果が得られる。
【0081】
(実施の形態6)
図7に第6の実施の形態を示す。この実施の形態の密封装置41は、第5の実施の形態と同じく、2本のOリング43a,43bを軸方向に離して樹脂リング42を付勢する構成である。
【0082】
この実施の形態では、2本のOリング43a,43bを軸方向に離すために、環状溝102bの軸方向略中央部に突条102cが設けられている。
【0083】
従って、樹脂リング42は、軸方向に離れた2つのOリング43a,43bにより付勢力を受けることになり、摺動面42aの軸方向両端部をピークとする2つの山を有する面圧分布PD9,PD10が形成される。
【0084】
さらに、この面圧分布PD9,PD10の山の形状は、テーパ部42b,42cが軸方向外側にあることから軸方向外側に急な立ち上がりを有して両方向(図において矢印A11,A12方向から進入しようとする流体に対して)に高いシール性を発揮する。
【0085】
また、図7(b)に示されるように、樹脂リング42のテーパ部42b,42cの範囲H5を突条102cにより分割された環状溝102bの幅H6内とすることも好適であり、この実施の形態では1/2程度に設定されている。
【0086】
このような関係とすることにより、摺動面42aの軸方向両端部により高い面圧を発生させることが可能となる。
【0087】
(実施の形態7)
図8に第7の実施の形態を示す。この実施の形態の密封装置51は、第6の実施の形態と同じ構成であるが、軸方向に離れた2つのOリング43a,43bの付勢中心位置(矢印A13,A14)が、樹脂リング42のテーパ部42b,42cの摺動面42aからの離間開始位置、即ち摺動面42aの両端部の位置(矢印A15,A16)よりも外側としている(H7の距離だけ離れている)。
【0088】
これにより、摺動面42aを凹むように撓ませる方向の応力(矢印A17,A18の曲げモーメント)を与えることができ、樹脂リング42のの摺動面42aの軸方向両端部により高い面圧を付与することができる。
【0089】
【発明の効果】
上記に説明されたように、本発明を適用した密封装置によると、シール部材の摺動面の他方の面に対する面圧が環状突部において高くなり、軸方向に離れて少なくとも2つの山を有する面圧分布が形成され、両方向に対して複数段のシールを行なうことが可能となり、密封装置のシール性を向上させることができる。
【0090】
環状突部が傾斜面を有することで、軸方向外側に向かい一方向にシール性の高い面圧分布が形成され、よりシール性を向上させることができる。
【0091】
また、シール部材と付勢部材が、軸方向に離れた位置に配置された対となる環状当接部により当接することにより、軸方向に離れた位置で面圧の高くなる少なくとも2つの山を有するものとなり、両方向に対して複数段のシールを行なうことが可能となり、密封装置のシール性を向上させることができる。
【0092】
シール部材の摺動面の軸方向両端部に前記他方の面から離間するテーパ部を備えることにより、密封装置が軸方向に摺動する際の姿勢を安定させると共に、シール部材の摺動面に形成される面圧分布の山形状を、軸方向外側に急な立ち上がりを有するものとし、軸方向外側に向かい一方向にシール性を高め、よりシール性を向上させる。
【0093】
テーパ部の他方の面から離間する起点位置を、前記シール部材と付勢部材との環状当接部の付勢中心にほぼ合わせることにより、面圧分布の山形状は、軸方向内側が緩やかで軸方向外側に急な立ち上がりを有するものものとし、軸方向外側に向かい一方向にシール性を高め、よりシール性が向上する。
【0094】
テーパ部の他方の面から離間する起点位置を、前記シール部材と付勢部材との環状当接部の付勢中心よりも内側に位置させることにより、摺動面を凹むように撓ませる方向の応力を与えることができ、シール部材の摺動面の軸方向両端部により高い面圧を付与することができ、よりシール性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1の実施の形態に係る密封装置の断面構成説明図。
【図2】図2は第2の実施の形態及び参考例に係る密封装置の構成部材の図。
【図3】図3は第3の実施の形態に係る密封装置の断面構成説明図。
【図4】図4は第4の実施の形態に係る密封装置の断面構成説明図。
【図5】図5は第5の実施の形態に係る密封装置の断面構成説明図。
【図6】図6は第5の実施の形態に係る密封装置の断面構成説明図。
【図7】図7は第6の実施の形態に係る密封装置の断面構成説明図。
【図8】図8は第7の実施の形態に係る密封装置の断面構成説明図。
【図9】図9は従来の密封装置とその摺動面の面圧分布特性を示す図。
【符号の説明】
1 密封装置
2 樹脂リング(シール部材)
2a 摺動面
2b 逃げ部
2c,2d 傾斜面
2e,2f 環状突部
3 Oリング
101 ハウジング
101a 軸孔
102 軸
102a 外周面
102b 環状溝
106 環状隙間
PD1,PD2 面圧分布
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a sealing device including a sealing member having a sliding surface and an urging member that comes into contact with the sealing member, and is a technique for improving the sealing performance.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, in a driving force transmission portion of a device on which a high-pressure sealing fluid (hydraulic oil, fuel, etc.) acts, for example, an inner peripheral surface of a shaft hole of a housing and an outer peripheral surface of a shaft inserted through the shaft hole A sealing device is provided to prevent leakage of sealing fluid from an annular gap between the rotating shaft and the piston with respect to the cylinder.
[0003]
FIG. 9 is a schematic cross-sectional configuration (FIGS. 9A, 9C, and 9E) of such sealing devices 100A, 100B, and 100C, and a cross-sectional configuration explanatory diagram that illustrates the usage mode (FIG. 9B). , (D), (f)).
[0004]
Each of the sealing devices 100A, 100B, and 100C includes resin rings 111, 112, and 113 made of a resin material (for example, PTFE) disposed on the outer peripheral side, and a rubber-like shape that abuts on the inner peripheral side of these resin rings and gives expansion force Two structural members, ie, O-rings 114, 115 and 116 made of an elastic material are provided.
[0005]
9 (b), (d), and (f), the shaft hole 101a and the shaft 102 of the housing 101 are coaxially arranged, and the shaft 102 is stopped / rotated / oscillated / reciprocated according to the purpose. Etc. are performed. An annular groove 102b having a rectangular cross section is provided on the outer peripheral surface 102a of the shaft 102, and sealing devices 100A, 100B, and 100C are mounted.
[0006]
The sealing devices 100A and 100B include resin rings 111 and 112 having a rectangular cross section, and the outer peripheral surfaces 111a and 112a of the resin rings 111 and 112 (the outer peripheral wall surfaces of the resin rings when viewed in a cylindrical shape) are shaft holes of the housing 101. It is a sliding surface with 101a.
[0007]
In addition, in the sealing device 100C, the cross-sectional shape of the resin ring 113 is asymmetrical in order to function as a one-side seal that can further prevent fluid from entering from the direction of the arrow A101 in the mounted state.
[0008]
Specifically, it has a cross-sectional shape having an outer peripheral contour in which an inclined surface portion 113a whose outer peripheral surface is reduced in diameter in the direction of arrow A101 and a parallel surface portion 113b having a slightly smaller diameter than the inclined surface portion 113a are connected in the axial direction. (The cross-sectional shape of FIG. 8 highlights the features of the outer peripheral contour, and the actual interval between the inclined surface portion 113a and the parallel surface portion 113b may be set smaller than that shown in the figure).
[0009]
Therefore, the sealing devices 100A, 100B, and 100C having such a configuration give the expansion force to the resin ring having low elasticity by combining the resin ring and the O-ring, and the opposing sliding surface (in FIG. 8, the shaft hole of the housing 101). 101a) is brought into contact with a predetermined pressure to exert a sealing property, and is excellent in slidability / abrasion resistance from the characteristics of the resin material.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
In recent years, in-cylinder direct injection systems have been developed in which high-pressure fuel is directly injected into the cylinder and burned in order to improve performance such as low fuel consumption and high output in diesel engines and gasoline engines. ing.
[0011]
In such an in-cylinder direct injection engine, a high-pressure fuel pump for pressurizing the fuel to a high pressure is required, and a sealing device used for the high-pressure fuel pump is required to have a higher pressure sealing performance. Has been.
[0012]
However, in the sealing devices 100A and 100B, since the resin rings 111 and 112 receive the largest expansion force at the substantially central portions in the substantially axial direction by the O-rings 114 and 115, the surface pressure distribution PD100A on the outer peripheral surfaces 111a and 112a. , PD100B has a single chevron shape where the surface pressure gradually increases toward the center, and fluid can enter more easily in both directions from the axial end where the surface pressure is low, reducing the high-pressure sealability. Yes.
[0013]
On the other hand, in the sealing device 100C, a surface pressure distribution PD100C having a steep rise on the side that exerts a pressure resistance (left side in the figure) is formed, which is sufficient for the sealing performance in the direction of the arrow A101. The fluid easily enters from the opposite side (right side in the figure), and the sealing performance is lowered.
[0014]
Further, in the sealing device 100C, since the outer peripheral wall surface is not a flat surface (cylindrical wall surface), the manufacturability is inferior to that of the sealing devices 100A and 100B, and the surface pressure distribution changes due to the wear of the inclined surface portion 113a. There was also concern that this could lead to a decline.
[0015]
The present invention has been made in order to solve the above-described problems of the prior art, and the object is to make it possible to form a surface pressure distribution that exhibits good sealing performance and to exhibit sealing performance in both directions. In other words, the sealing performance of the sealing device is improved with a simple configuration.
[0020]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, in the present invention, it is fitted into an annular groove formed in one of the annular gaps formed by two opposing surfaces so that the two fluids are not mixed in the annular gap. A sealing device comprising a sealing member having a sliding surface that abuts against the other surface for sealing, and a biasing member that abuts against the sealing member and biases toward the other surface, wherein the sealing member In order to make the surface pressure generated at both ends in the axial direction larger than the surface pressure generated at the central portion in the axial direction of the surface pressure of the sliding surface with respect to the other surface, The member abuts by a pair of annular abutting portions disposed at positions separated in the axial direction, and includes tapered portions spaced from the other surface at both axial ends of the sliding surface of the seal member, Starting position away from the other surface of the taper , Characterized thereby positioned inside the biasing center of the annular contact portion between the sealing member and the biasing member.
[0021]
As a result, the surface pressure distribution with respect to the other surface of the sliding surface of the seal member has at least two peaks where the surface pressure increases at a position separated in the axial direction, and a plurality of stages of sealing are performed in both directions. It becomes possible. The tapered portion stabilizes the posture of the sealing device when it slides in the axial direction, and the peak shape of the surface pressure distribution formed on the sliding surface of the seal member rises sharply outward in the axial direction. The sealability is improved in one direction toward the outside in the axial direction, and the sealability is further improved. Moreover, the stress of the direction which bends so that a sliding surface may be dented can be given, and a high surface pressure can be provided to the axial direction both ends of the sliding surface of a sealing member.
[0022]
The sealing member, it is also preferable provided with a groove in the axial direction Mukonaka central portion in the opposed surfaces of the biasing member.
[0023]
Thereby, the urging member urges both ends of the seal member in the axial direction to form a surface pressure distribution having two peaks where the surface pressure increases at a position separated in the axial direction.
[0024]
Further, the urging member, it is also preferable provided with a groove in the axial direction Mukonaka central portion in the opposing face of the seal member.
[0025]
Also by this, the urging member urges both ends of the seal member in the axial direction, and a surface pressure distribution having two peaks where the surface pressure becomes high at a position separated in the axial direction is formed.
[0026]
It is also preferable that the urging member is an O-ring having a rectangular cross section. Therefore, the urging | biasing by the elastic return force when an O-ring is crushed and deform | transformed can be effectively performed to the axial direction both ends of a sealing member.
[0027]
Further, the sealing member is provided with a protrusion in the axial direction Mukonaka central portion in the opposed surfaces of the biasing member, the biasing member may be disposed in the second region of the divided annular groove by the projection Is also suitable.
[0028]
Also by this, the urging member urges both ends of the seal member in the axial direction, and a surface pressure distribution having two peaks where the surface pressure becomes high at a position separated in the axial direction is formed. The urging member may be two O-rings, or may be an O-ring having two protrusions in a single portion with a thin portion with respect to the protrusions.
[0029]
In addition, the seal member includes two concave grooves that are separated from each other in the axial direction on a surface facing the biasing member,
It is also preferable that the urging member is disposed in each of the concave grooves.
[0030]
Also by this, the urging member urges both ends of the seal member in the axial direction, and a surface pressure distribution having two peaks where the surface pressure becomes high at a position separated in the axial direction is formed.
[0031]
Further, the annular groove is provided with a protrusion in the axial direction Mukonaka central portion of the groove bottom portion, the biasing member, it is preferable to be arranged in the second region of the divided annular groove by the rib.
[0032]
Also by this, the urging member urges both ends of the seal member in the axial direction, and a surface pressure distribution having two peaks where the surface pressure becomes high at a position separated in the axial direction is formed.
[0039]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
(Embodiment 1)
FIG. 1 is a diagram for explaining the configuration of a sealing device 1 according to a first embodiment to which the present invention is applied. In FIG. 1, the sealing device 1 is fitted in an annular groove 102 b provided in the shaft 102, and seals the annular gap 106 between the shaft hole 101 a of the housing 101 and the outer peripheral surface 102 a of the shaft 102 as two opposing surfaces. It is sectional structure explanatory drawing (the figure which cut | disconnected the axis | shaft 102 to the axial direction) of the principal part explaining a state.
[0040]
The resin ring 2 as a sealing member is an annular member formed of a resin material having excellent wear resistance and sliding properties such as PTFE and having a substantially rectangular cross-sectional shape. The outer peripheral surface of the resin ring 2 serves as a shaft hole 101 a of the housing 101. A sliding surface 2a that contacts and slides is used.
[0041]
The sliding surface 2a of the resin ring 2 is composed of a substantially central relief portion 2b in the axial direction and inclined surfaces 2c and 2d projecting from the relief portion 2b toward both ends. Accordingly, a pair of annular protrusions 2e and 2f are formed at positions separated from each other in the axial direction, and the outermost peripheral portion (the sliding surface 2a and the corners of both end surfaces) is closest to the shaft hole 101a. Become.
[0042]
Reference numeral 3 denotes an O-ring as an urging member that is disposed in the annular groove 102b and urges the resin ring 2 in contact with the inner peripheral surface side of the resin ring 2.
[0043]
Next, the sealing action exerted when the sealing device 1 is fitted into the annular groove 102b and used will be described.
[0044]
The sliding surface 2a of the resin ring 2 is urged against and abutted against the shaft hole 101a by an expansion force generated as a reaction when the O-ring 3 is crushed in the radial direction. Then, in the annular protrusions 2e and 2f, surface pressure distributions PD1 and PD2 having two peaks having a peak in the vicinity of the outermost peripheral portion (that is, in the vicinity of both end portions in the axial direction of the resin ring 2) are formed.
[0045]
Since the inclined surfaces 2c and 2d are on the inner side in the axial direction, the peaks of the surface pressure distributions PD1 and PD2 have a steep rise on the outer side in the axial direction and try to enter from both directions (in the direction of arrows A3 and A4 in the figure). It is also possible to achieve a high sealing performance against the fluid to be separated, for example, without separating the two fluids inside the housing 101 via the sealing device 1.
[0046]
Therefore, it is possible to form a surface pressure distribution that exhibits sealing performance in both directions on the sliding surface 2a with a simple configuration, and to improve the sealing performance of the sealing device.
[0047]
In this embodiment, the sealing device 1 is also annular in order to seal the annular gap 106. However, even when the two opposing surfaces are flat, the annular curvature is set large and a part of the annular is used. Can be applied.
[0048]
Further, the rising dimension of the actual annular protrusions 2e and 2f from the escape portion 2b and the inclination angle of the inclined surfaces 2c and 2d are appropriately determined according to the type of sealing fluid and the usage environment, and are shown in FIG. Although there is a case where the contour is not as clear as described above, by applying the present invention, the surface pressure distributions PD1 and PD2 having two peaks having peaks near both ends in the axial direction are formed.
[0049]
(Embodiment 2 and Reference Example ) FIG. 2 shows another embodiment of the resin ring 2 described in the first embodiment as a second embodiment and reference example . 2 (a) is Ri sectional view der the resin ring itself according to the second embodiment, FIG. 2 (b) Ru der sectional view of a resin ring itself according to the reference example.
[0050]
In FIG. 2A, the sliding surface 2a of the resin ring 2A has a concave surface that is arcuate in the axial direction, and both end portions in the axial direction function as the annular protrusions 2e and 2f.
[0051]
In FIG. 2B, the resin ring 2 </ b> B is obtained by adding tapered portions 2 g and 2 h to the outside of the annular protrusions 2 e and 2 f of the resin ring 2. The tapered portions 2g and 2h improve the lubricity of the sliding surface 2a by the sealing fluid and stabilize the posture when the sealing device slides in the axial direction.
[0052]
Therefore, it is possible to prevent chatter and wear that are seen when the sealing fluid is completely sealed.
[0053]
(Embodiment 3)
FIG. 3 is a view for explaining the configuration of the sealing device 11 according to the third embodiment to which the present invention is applied.
[0054]
In FIG. 3A, the sealing device 11 is fitted into an annular groove 102b provided in the shaft 102, and the annular gap 106 between the shaft hole 101a of the housing 101 and the outer peripheral surface 102a as the two opposing surfaces is sealed. FIG. 3 is a cross-sectional configuration explanatory diagram (a diagram in which a shaft 102 is cut in the axial direction) of a main part for explaining a state in which it is in operation; FIG. 3B is a diagram illustrating a cross-sectional shape of the resin ring 12.
[0055]
The resin ring 12 as a seal member is an annular member formed of a resin material having excellent wear resistance and slidability, such as PTFE, and having a substantially rectangular cross-sectional shape. Has a sliding surface 12a (the outer surface of the resin ring 12 when viewed as a cylinder).
[0056]
At both ends in the axial direction of the sliding surface 12a, tapered portions 12b and 12c are provided that are separated from the axial hole 101a toward both sides in the axial direction.
[0057]
On the other hand, on the inner peripheral surface side of the resin ring 12, a concave groove 12d is formed at a substantially central portion in the axial direction, and the inner peripheral surface is divided into two in the axial direction by the concave groove 12e. It is comprised so that it may become annular contact parts 12f and 12g which contact.
[0058]
The O-ring 13 has a rectangular cross-sectional shape in a free state, is fitted into the annular groove 102b, and is applied to the annular contact portions 12f and 12g of the resin ring 12 by an expansion force generated as a reaction when crushed in the radial direction. To contact and energize.
[0059]
The O-ring 13 may have any other cross-sectional shape such as a circular cross-sectional shape as long as the concave groove 12d of the resin ring 12 is not urged. It is possible to perform effective biasing concentrated on the annular contact portions 12f and 12g of the ring 12.
[0060]
Next, the sealing action exerted when the sealing device 11 is fitted into the annular groove 102b and used will be described.
[0061]
The resin ring 12 receives the urging force of the O-ring 13 at the annular contact portions 12f and 12g, and is urged at two positions separated in the axial direction of the resin ring 12, and both ends of the sliding surface 12a in the axial direction. Surface pressure distributions PD3 and PD4 having two peaks with a peak at the part are formed.
[0062]
Further, the shape of the peaks of the surface pressure distributions PD3 and PD4 has a steep rise in the axially outer side because the tapered portions 12b and 12c are on the outer side in the axial direction, and enters from both directions (in the directions of arrows A5 and A6 in the figure). High sealing performance)
[0063]
The starting position (specified by dimension H1) at which the taper portions 12b and 12c are separated from the sliding surface 12a is preferably set within the range of H1 <H2 with respect to the dimension H2 of the annular contact portions 12f and 12g. It is also preferable to substantially match the urging center of the O-ring 13 with respect to the annular contact portions 12f and 12g (defined by the dimension H2 of the annular contact portions 12f and 12g).
[0064]
As a result, the mountain shape of the surface pressure distribution PD3, PD4 is assumed to have a gentle rise on the inner side in the axial direction and a steep rise toward the outer side in the axial direction. improves.
[0065]
Further, by positioning the starting position on the inner side of the urging center of the O-ring 13 with respect to the annular contact portions 12f and 12g, the urging force of the O-ring 13 is deflected so as to dent the sliding surface 12a. Stress can be applied, and a higher surface pressure can be applied to both axial ends of the sliding surface 12a.
[0066]
(Embodiment 4)
FIG. 4 shows a fourth embodiment. In the sealing device 21 of this embodiment, no concave groove is formed on the inner peripheral surface side of the resin ring 22, and it is a smooth surface. The configuration on the outer peripheral surface side of the resin ring 22 is the same as that of the resin ring 12 of the third embodiment, and includes a sliding surface 22a and tapered portions 22b and 22c.
[0067]
The O-ring 23 has a concave groove 23a formed in a substantially central portion in the axial direction on the surface facing the resin ring 22 (in this embodiment, the outer peripheral surface), and has a concave shape in cross section.
[0068]
The outer circumferential surface is divided into two in the axial direction by the concave groove 23 a, and both end portions thereof are configured to be annular contact portions 23 b and 23 c that contact the resin ring 22.
[0069]
Next, the sealing action exerted when the sealing device 21 is fitted in the annular groove 102b and used will be described.
[0070]
The resin ring 22 receives an urging force from the annular contact portions 23b and 23c of the O-ring 23, and is urged at two positions separated in the axial direction of the resin ring 22, and both ends of the sliding surface 22a in the axial direction. Surface pressure distributions PD5 and PD6 having two peaks with a peak at the part are formed.
[0071]
Furthermore, the shape of the peaks of the surface pressure distributions PD5 and PD6 is such that the taper portions 22b and 22c are on the outer side in the axial direction, so that they suddenly rise outward in the axial direction and enter from both directions (in the directions of arrows A7 and A8 in the figure) High sealing performance)
[0072]
As in this embodiment, the annular contact portion between the resin ring and the O-ring can be formed by the O-ring 23.
[0073]
(Embodiment 5)
FIG. 5 shows a fifth embodiment. The sealing device 31 of this embodiment has a characteristic configuration on the inner peripheral surface side of the resin ring 32.
[0074]
The configuration on the outer peripheral surface side of the resin ring 32 is the same as that of the resin ring 22 of the fourth embodiment, and includes a sliding surface 32a and tapered portions 32b and 32c.
[0075]
The configuration on the inner peripheral surface side of the resin ring 32 includes a protrusion 32d at a substantially central portion in the axial direction, and O-rings 33a and 32h formed in concave grooves 32g and 32h formed by flange portions 32e and 32f at both axial ends. 33b is fitted.
[0076]
Accordingly, the resin ring 32 receives an urging force by the two O-rings 33a and 33b that are separated in the axial direction, and the surface pressure distribution PD7 having two peaks that peak at both ends in the axial direction of the sliding surface 32a. , PD8 is formed.
[0077]
Furthermore, the shape of the crests of the surface pressure distributions PD7 and PD8 is such that the taper portions 32b and 32c are on the outside in the axial direction, so that they suddenly rise on the outside in the axial direction and enter from both directions (in the directions of arrows A9 and A10 in the figure). High sealing performance)
[0078]
Further, as shown in FIG. 5B, it is also preferable that the range H3 of the taper portions 32b and 32c of the resin ring 32 is within the range H4 of the concave grooves 32g and 32h. It is set to about 2.
[0079]
With such a relationship, it is possible to generate a high surface pressure at both axial ends of the sliding surface 32a.
[0080]
FIG. 6 is a modification of the fifth embodiment, and the resin ring 32B does not have the flange portions 32e and 32f provided in the resin ring 32. FIG. In the resin ring 32B having such a configuration, the same effect as that of the resin ring 32 can be obtained.
[0081]
(Embodiment 6)
FIG. 7 shows a sixth embodiment. As in the fifth embodiment, the sealing device 41 of this embodiment is configured to bias the resin ring 42 by separating the two O-rings 43a and 43b in the axial direction.
[0082]
In this embodiment, in order to separate the two O-rings 43a and 43b in the axial direction, a protrusion 102c is provided at the substantially central portion in the axial direction of the annular groove 102b.
[0083]
Accordingly, the resin ring 42 receives an urging force by the two O-rings 43a and 43b that are separated in the axial direction, and the surface pressure distribution PD9 having two peaks that peak at both ends in the axial direction of the sliding surface 42a. , PD10 is formed.
[0084]
Furthermore, the shape of the crests of the surface pressure distributions PD9 and PD10 is such that the taper portions 42b and 42c are on the outside in the axial direction, so that they suddenly rise on the outside in the axial direction and enter from both directions (in the directions of arrows A11 and A12 in the figure). High sealing performance)
[0085]
Further, as shown in FIG. 7B, it is also preferable that the range H5 of the taper portions 42b and 42c of the resin ring 42 is within the width H6 of the annular groove 102b divided by the protrusion 102c. Is set to about ½.
[0086]
With such a relationship, it is possible to generate a high surface pressure at both axial ends of the sliding surface 42a.
[0087]
(Embodiment 7)
FIG. 8 shows a seventh embodiment. The sealing device 51 of this embodiment has the same configuration as that of the sixth embodiment, but the biasing center positions (arrows A13 and A14) of the two O-rings 43a and 43b separated in the axial direction are resin rings. 42, the taper portions 42b and 42c are separated from the sliding surface 42a, that is, they are outside the positions (arrows A15 and A16) at both ends of the sliding surface 42a (separated by a distance H7).
[0088]
Thereby, stress (bending moment of arrows A17 and A18) in a direction in which the sliding surface 42a is bent so as to be dented can be applied, and a higher surface pressure is applied to both axial ends of the sliding surface 42a of the resin ring 42. Can be granted.
[0089]
【The invention's effect】
As described above, according to the sealing device to which the present invention is applied, the surface pressure with respect to the other surface of the sliding surface of the seal member is increased in the annular protrusion, and has at least two peaks separated in the axial direction. A surface pressure distribution is formed, and a plurality of stages of sealing can be performed in both directions, and the sealing performance of the sealing device can be improved.
[0090]
Since the annular protrusion has an inclined surface, a surface pressure distribution having a high sealing property is formed in one direction toward the outside in the axial direction, and the sealing property can be further improved.
[0091]
In addition, the seal member and the biasing member are brought into contact with each other by a pair of annular contact portions disposed at positions separated in the axial direction, so that at least two peaks having a high surface pressure at positions separated in the axial direction are formed. Therefore, it becomes possible to perform a plurality of stages of sealing in both directions, and the sealing performance of the sealing device can be improved.
[0092]
By providing tapered portions spaced from the other surface at both axial ends of the sliding surface of the seal member, the posture when the sealing device slides in the axial direction is stabilized and the sliding surface of the seal member is provided. The formed mountain shape of the surface pressure distribution has a steep rise on the outside in the axial direction, enhances the sealing performance in one direction toward the outside in the axial direction, and further improves the sealing performance.
[0093]
By aligning the starting position away from the other surface of the taper portion with the urging center of the annular contact portion between the sealing member and the urging member, the mountain shape of the surface pressure distribution is gentle on the inner side in the axial direction. It has a steep rise on the outside in the axial direction, enhances the sealing performance in one direction toward the outside in the axial direction, and further improves the sealing performance.
[0094]
The starting position of the taper portion that is separated from the other surface is positioned on the inner side of the urging center of the annular contact portion between the seal member and the urging member, so that the sliding surface is bent in a concave direction. Stress can be applied, high surface pressure can be applied to both axial ends of the sliding surface of the seal member, and the sealing performance is further improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional configuration explanatory view of a sealing device according to a first embodiment.
FIG. 2 is a diagram of components of a sealing device according to a second embodiment and a reference example .
FIG. 3 is a cross-sectional configuration explanatory view of a sealing device according to a third embodiment.
FIG. 4 is a cross-sectional configuration explanatory view of a sealing device according to a fourth embodiment.
FIG. 5 is a cross-sectional configuration explanatory view of a sealing device according to a fifth embodiment.
FIG. 6 is a cross-sectional configuration explanatory view of a sealing device according to a fifth embodiment.
FIG. 7 is a cross-sectional configuration explanatory view of a sealing device according to a sixth embodiment.
FIG. 8 is a cross-sectional configuration explanatory view of a sealing device according to a seventh embodiment.
FIG. 9 is a diagram showing a surface pressure distribution characteristic of a conventional sealing device and its sliding surface.
[Explanation of symbols]
1 Sealing device 2 Resin ring (seal member)
2a Sliding surface 2b Escape portion 2c, 2d Inclined surface 2e, 2f Annular protrusion 3 O-ring 101 Housing 101a Axis hole 102 Axis 102a Outer surface 102b Annular groove 106 Annular gap PD1, PD2 Surface pressure distribution

Claims (7)

2対向面により形成される環状隙間のいずれか一方の面に形成された環状溝に嵌め込まれ、前記環状隙間において2つの流体が混合されないようにシールすべく他方の面に当接する摺動面を備えたシール部材と、このシール部材に当接して前記他方の面へと付勢する付勢部材とを備えた密封装置において、
前記シール部材の摺動面の他方の面に対する面圧のうち、軸方向中央部で発生する面圧よりも軸方向両端側で発生する面圧の方が大きくなるようにすべく、前記シール部材と付勢部材は、軸方向に離れた位置に配置された対となる環状当接部により当接し、前記シール部材の摺動面の軸方向両端部に前記他方の面から離間するテーパ部を備え、前記テーパ部の他方の面から離間する起点位置を、前記シール部材と付勢部材との環状当接部の付勢中心よりも内側に位置させることを特徴とする密封装置。
(2) A sliding surface that is fitted into an annular groove formed on one surface of the annular gap formed by the two opposing surfaces and contacts the other surface to seal the two fluids so as not to be mixed in the annular gap. In a sealing device comprising: a sealing member provided; and a biasing member that abuts against the sealing member and biases the other surface.
Of the surface pressure against the other surface of the sliding surface of the seal member, the surface pressure generated at both ends in the axial direction is larger than the surface pressure generated at the central portion in the axial direction. And the biasing member are contacted by a pair of annular contact portions disposed at positions separated in the axial direction, and tapered portions spaced from the other surface are provided at both axial ends of the sliding surface of the seal member. A sealing device characterized in that a starting position that is separated from the other surface of the tapered portion is positioned inside a biasing center of an annular contact portion between the seal member and the biasing member.
前記シール部材は、付勢部材との対向面における軸方向中央部に凹溝を備えたことを特徴とする請求項に記載の密封装置。The sealing device according to claim 1 , wherein the seal member includes a concave groove in a central portion in an axial direction on a surface facing the biasing member. 前記付勢部材は、シール部材との対向面における軸方向中央部に凹溝を備えたことを特徴とする請求項に記載の密封装置。The sealing device according to claim 1 , wherein the urging member includes a concave groove in a central portion in an axial direction on a surface facing the seal member. 前記付勢部材は、矩形断面形状のOリングであることを特徴とする請求項に記載の密封装置。The sealing device according to claim 2 , wherein the urging member is an O-ring having a rectangular cross section. 前記シール部材は、付勢部材との対向面における軸方向中央部に突条を備え、前記付勢部材は、前記突条により分割された環状溝の2領域に配置されることを特徴とする請求項に記載の密封装置。The seal member includes a protrusion at an axially central portion on a surface facing the biasing member, and the biasing member is disposed in two regions of the annular groove divided by the protrusion. The sealing device according to claim 1 . 前記シール部材は、付勢部材との対向面に軸方向に離れて2つの凹溝を備え、前記付勢部材は、前記凹溝のそれぞれに配置されることを特徴とする請求項に記載の密封装置。The seal member is spaced axially facing surfaces of the biasing member comprises two grooves, said biasing member, according to claim 1, characterized in that disposed in each of said grooves Sealing device. 前記環状溝は、溝底部の軸方向中央部に突条を備え、前記付勢部材は、前記突条により分割された環状溝の2領域に配置されることを特徴とする請求項に記載の密封装置。Said annular groove is provided with a protrusion in the axial center portion of the groove bottom portion, said biasing member, according to claim 1, characterized in that it is arranged in two areas of the divided annular groove by the projection Sealing device.
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