JP4081490B2 - ポジ型感光性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポジ型感光性組成物に関し、より詳しくは、波長700〜1,100nmのレーザー光に露光感応して該感応部がアルカリ現像液に可溶になる赤外波長域レーザー感応性を有するアルカリ可溶性のポジ型感光性組成物に関する。本発明のポジ型感光性組成物は、フォトファブリケーションにおいて有効に用いることができ、特に、印刷版、電子部品、精密機器部品、偽造防止用関連部材等の製造に適用されるフォトファブリケーションの分野に好適に使用される。
従来の古いポジ型感光性平版印刷版は、ノボラック樹脂と白色光に感光する物質であるo−キノンジアジド化合物を含んでおり、下記の(I)式に示すように、o−キノンジアジド化合物の光分解(化学変化)によりArndt−Eistert型の転位を起こしてケテン構造になり、水の存在下で5員環カルボン酸を生じること、及び下記の(II)式に示すように、露光部の感光層上部のケテンが感光層下部のナフトキノンジアジドと反応してラクトンを形成し、これがアルカリ水溶液による現像時にラクトン環が開いてカルボン酸ナトリウムとなり、また共存するノボラックもアルカリ可溶性であるので一緒に溶出し、一方、未露光部の感光層は現像時のアルカリによって共存するノボラックと下記式(III)のようにカップリング反応を起こし、アルカリ難溶性となってレジスト画像として残ることが知られている(非特許文献1参照。)。このように、o−キノンジアジド化合物を含んでいると、現像ラチチュードを大きく得られる。
Figure 0004081490
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なお、本願明細書において、現像における膜厚の変化なく(膜減りが少なく)、網点の面積が所定の現像時間で変化がなく、残渣(残り)が突然でるということがない状況で、安定して製版ができる状態を現像のラチチュードが有るという。
これに対し、製版が白色灯下でも行えるようにするため、化学変化以外の変化を利用するポジ型感光性組成物が発明され、赤外波長領域のレーザー光によりポジ画像を焼付け露光部の現像液に対する溶解度を増大させてポジ画像を形成する方法が考え出され、オフセット製版やフレキソ製版で実施されている(例えば、特許文献1〜10等参照。)。
上記の各文献に記載されたポジ型感光性平版印刷版は、赤外吸収色素等の赤外光を吸収して熱に変換する物質とノボラック樹脂等のアルカリ可溶性樹脂とを主な感光層成分とし、赤外レーザー光露光で発生した熱によって、樹脂のコンフォメーション変化等の物理変化を起こして現像液に対する溶解度を増大させるものである。
しかしながら、o−キノンジアジド化合物を含まずに、赤外波長領域のレーザー光によりポジ画像を焼付けて樹脂のコンフォメーション変化等の物理変化を起こして溶解性の増大を図るポジ型感光性平版印刷版は、現状においては塗膜後にバーニング(加熱操作)が必要であり、バーニングを行なってもなお露光部と未露光部との溶解速度差が小さく、感度、現像ラチチュード等の印刷版の基本性能が劣等であり、現像処理枚数を増やしたときの現像処理安定性を満足させるのが困難な事情下にある。
上記に対し、グラビア製版においては全く事情を相違している。グラビア製版・印刷が最も普及している日本においては、従来、塗膜形成後非加熱で現像ができるポジ型のサーマルレジストを用いてグラビア製版が行なえる、グラビア製版方法は全く実施されていないし、特許文献、実験文献も全くない。
従来において、腐食法/レーザ製版法による被製版ロールのグラビア製版工程は、例えば、搬入−脱脂−水洗−酸洗い−水洗−バラード処理−水洗−バラード銅メッキ−水洗−砥石研磨−水洗−感光剤コート−酸化防止剤コート−赤外線レーザ露光装置による画像焼付−現像−水洗−食刻−水洗−レジスト剥離−水洗−クロムメッキ−水洗−研磨−水洗−搬出の工程となっている。腐食法/レーザ製版法による被製版ロールのグラビア製版工程が開示されている技術文献としては、特許文献11〜29を挙げることが出来る。
上記の文献に記載されているグラビア製版工程は、いずれもネガ型感光性組成物からなる感光膜を塗膜しており、ポジ型感光性組成物からなる感光膜を塗膜するものではない。従来のエッチング法では、被製版ロールにネガ型の感光膜を塗布し塗布膜を室温で乾固してネガ型感光膜とし、アルゴンイオンレーザーにより焼付けを行なっており、被製版ロールにポジ型感光膜を形成して赤外波長のレーザー光によりポジ型感光剤画像を焼付けることは行なわれていない。
カナダのクレオサイテックス社の高出力半導体レーザーヘッドは、赤外波長域のレーザーを放射するもので、オフセット印刷機に搭載されポジ型感光性組成物への照射が行なわれ良好な現像を行ない得るものであり世界的に実用されている。
アルゴンイオンレーザー光のビーム径と波長700〜1,100nmのレーザー光のビーム径が同じ大きさであるならば、レーザーの解像度は、ネガ型よりもポジ型の方が高解像度になりかつ処理時間が大幅に短縮できる。
さらに、ポジ型感光性組成物の感光膜を赤外波長域のレーザーでポジ画像を焼き付ける方が、ネガ型感光性組成物の感光膜をアルゴンイオンレーザーでネガ画像を焼き付けるよりもパターンの切れが良い。これは、ポジ型感光性組成物とネガ型感光性組成物との組成の相違によるパターンの切れの差と考えられる。
従来において、ポジ型感光性組成物がオフセット製版やフレキソ製版で使用されているのにグラビア製版では使用されて来なかった理由は、ネガ型感光剤がグラビア製版に使用できたからである。ネガ型感光剤は、紫外線を照射して露光部分の樹脂の重合度を固めるものであるので被塗布面の材質がなんであっても現像ラチチュードを必要十分に確保することができる。
他方、グラビア印刷ロールの硫酸銅メッキとの関係において満足し得る現像ラチチュードを有するポジ型感光性組成物が全く存在しなかった。特に、塗布後にバーニングを行なわない感光性組成物が全く存在しなかったからである。オフセット製版やフレキソ製版で使用されているポジ型感光性組成物をグラビア用の被製版ロールに塗膜しても成膜できる条件が殆どない。多くの場合、グラビア用の被製版ロールへのポジ型感光性組成物の塗膜はアルカリ現像液で全面的に流れてしまう。塗布後にバーニングを行なっても同様である。
赤外波長域のレーザー光を高出力できる半導体レーザーやYAGレーザー等を用いポジ型感光膜を用いる高解像度のグラビア製版システムは、アルゴンイオンレーザーを用いる場合に比べて、装置の小型化、製版作業時の環境光、解像度、パターンの切れ等の面から、その実現が強く望まれている。
特開平10−268512号公報 特開平11−194504号公報 特開平11−223936号公報 特開平11−84657号公報 特開平11−174681号公報 特開平11−231515号公報 国際公開第97/39894号 国際公開第98/42507号 特開2002−189293号公報 特開2002−189294号公報 特願平10−193551号公報 特願平10−193552号公報 特開2000−062342号公報 特開2000−062343号公報 特開2000−062344号公報 特開2001−179923号公報 特開2001−179924号公報 特開2001−187440号公報 特開2001−187441号公報 特開2001−191475号公報 特開2001−191476号公報 特開2001−260304号公報 特開2002−127369号公報 特開2002−187249号公報 特開2002−187250号公報 特開2002−200728号公報 特開2002−200729号公報 特開2002−307640号公報 特開2002−307641号公報 特公平07−109511号公報 特開2004−133025号公報 特公昭47−25470号公報 特公昭48−85679号公報 特公昭51−21572号公報 永松元太郎、乾英夫著「感光性組成物」講談社出版、1978年9月1日、p.104−122
本発明者は、上述した事情に鑑み、グラビア印刷ロールの硫酸銅メッキとの関係において塗布後にバーニングを行なわないで必要十分な現像ラチチュードを有するポジ型感光性組成物の開発に着手した。
そして、グラビア印刷ロールの製版方法の一つとしてのエッチング法について、ノボラック樹脂とシアニン色素を配合したポジ型感光性組成物の原液を作り、この原液を溶剤で薄めたポジ型感光剤をグラビア用被製版ロールの硫酸銅メッキ面に塗布形成した。ポジ型感光剤の塗布には、特許文献30に係る感光膜塗布装置(株式会社シンク・ラボラトリー製)を用いた。そして、クレオサイテックス社の高出力半導体レーザーヘッドを搭載した赤外線レーザ露光装置(株式会社シンク・ラボラトリー製)により赤外波長域のレーザーを照射してポジ画像を焼き付けてから現像するテストしたところ、感光膜が全面的に離脱し満足なレジスト画像が一つも得られなかった。
特許文献30に係る感光膜塗布装置による成膜について評価したところ、塗布ロールがタンク内の感光剤に浸漬して被塗布面に対して感光剤を何度も塗りこんでいる接触塗布方式のスパイラルスキャン方式であり、空気を感光膜中に練り込んでいることが考えられ、しかもタンクがオープンな構造であるためタンクに貯留する感光剤中の溶剤が蒸散して蒸発潜熱を奪い塗布ロールが冷えて白化現象を伴う塗布になってしまうことが分り、又、溶剤濃度を絶えず減少し粘度が次第に上昇し均一な膜厚で塗膜することができないことが分った。その結果、特許文献30に係る感光膜塗布装置によりネガ型感光剤の塗布・成膜が適切に行なわれても、ポジ型感光剤膜については極めて不適であると結論した。
そこで、特許文献30に係る感光膜塗布装置に変えて、タンク内の感光剤中の溶剤が蒸散することがない密閉状態でしかも被製版ロールに対して非接触で塗布することができ、白化現象を伴う塗布が回避できる感光膜塗布装置を開発した。
該感光膜塗布装置の概略の構成を説明すると、ポジ型感光剤を被製版ロールに塗布して造膜する方法として、縦管である感光剤流出管の上端を、水平に両端チャックされ回転される被製版ロールの一端下面に近接させ、感光剤を感光剤流出管の上端より僅かに盛り上がって溢れ出るように供給し感光剤流出管を被製版ロールの一端から他端まで移動することによりスパイラルスキャン方式で塗布液を被製版ロールに塗布し、塗布膜が自然乾燥するまでロールの回転を続行するものである。
そこで、研究を続行したところ、ポジ型感光性組成物の硫酸銅メッキ面に対する強い密着が得られず、現像すると、画線部と非画線部との区別なくアルカリ現像液でたちまち流れてしまうことが続いた。このため、塗膜後に膜面を高温に加熱操作するバーニングを行い密着力を付与することが回避できないと考えられた。
バーニングを行なう必要があると考えたのは、ポジ型感光性組成物の硫酸銅メッキ面に対する密着性が極めて乏しいことに起因して造膜されない状態が生じているものと考えられ、造膜後にバーニングを行なうと、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性有機高分子物質の水素結合を強めて密着性を高められると考えられたからである。
当面は、バーニングを行うことにして研究を続行したところ、前記作成したノボラック樹脂とシアニン色素を配合したポジ型感光性組成物を被製版ロールに塗布し膜面温度が60℃になるように30分間バーニングを行なってからレーザー露光して現像したところ現像が不良となった。
そこで、膜面温度が130℃になるように30分間バーニングを行なったところ、それでも非画線部も含め全面的に離脱する現像不良が起きた。バーニングを行なってもなお現像不良が起きるのは、ポジ型感光性組成物の硫酸銅メッキに対する密着性が低過ぎることが原因であると結論付けた。
そこで、ポジ型感光性組成物に密着力を高める助剤としてシランカップリング剤を入れて感光膜の密着力の増大を図った結果、露光・現像がやや良好に行なえるようになった。具体的には、例えば200φmmの被製版ロールを25r.p.mの低速度で回転させてポジ型感光剤を塗布し、液垂れが生じないように回転を続行して自然乾燥条件下で5分経過させて液垂れが起こらなくなる状態に溶剤が気化した乾燥度合いの感光膜をセットし、その後に、130℃で30分間バーニングしたときの溶剤残留濃度は2%未満であり、レーザーにより画像を焼き付けることができて現像ができた。
しかしながら、膜に対する密着性が最良とは言えず露光・現像がやや良好の域から越えなかった。又、膜面温度を130℃にすると、バーニングとその後の冷却に100分以上の時間を要し、多量の熱エネルギーを必要とし、ランニングコストが高くつき、これでは実用性に乏しいことが分かった。又、膜面温度を130℃にすると、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性有機高分子物質の水素結合が強まって現像しにくくなるとともに、シアニン色素に変性を来して感度低下することがパターンの切れの悪さから感得された。
そして、レジスト画像について良く観察すると、ピンホールが多く発生していることが分った。ネガレジスト画像ではこのようなピンホールの発生はなかった。これについては、砥石による精密研磨の後の水洗いだけでは被製版ロールに付着している研磨粉を完全に洗い流せないこと、製版室を高度のクリーンルームにしないと被製版ロールの搬送中に粉塵が被製版ロールに付着すること、及び、ポジレジスト画像がネガレジスト画像よりも造膜条件に極めて敏感であることが考えられた。そこで、種々検討した結果、被製版ロールに感光剤を塗布する前にワイピングクロスで十分に拭浄したところ、ピンホールの発生を抑えることが出来た。
次に、グラビア用被製版ロールは、ロール基材がアルミニウムのものと鉄製のものとがあり、その上、ロール径が相違しているとともにロール径が相違すると肉厚が全て異なってくるので、比熱容量の相違によりヒーターで同じ時間だけ加熱しても熱がロール基材へ伝わり膜面温度が常に130℃に加熱されるものではなく様々に異なった温度に加熱されるバラツキが生じるので、温度を下げて比熱容量の問題を無くすことが重要であると考えた。溶剤濃度を大幅に低減するためのバーニングは、溶剤離れが良い組成を選択することにより膜面温度を130℃よりもはるかに低い温度にして行なっても達成できると考えた。
加熱時間を短くしていくテストを行い、膜面のバーニング温度を80℃〜100℃に下げて50分間バーニングしたところ、溶剤濃度が6%以下になったことを確認したが、現像不良という結果になった。原因として、上記のシランカップリング剤では、必要十分な密着力が得られないと結論付けた。
次いで、密着剤としてシランカップリング剤に代えて硬化促進剤であるイミダゾール(イミダゾールシラン含む)を入れて見たが、シランカップリング剤の場合と特に変わりはなく、膜面のバーニング温度もシランカップリング剤の場合と同じであった。
引き続いて、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性有機高分子物質と、画像露光光源の赤外線を吸収して熱に変換する光熱変換物質からなるポジ型感光性組成物の原液に対して各種密着剤を代えて添加して室温25℃にて硫酸銅メッキロールに感光膜を形成し上記の赤外線レーザ露光装置(株式会社シンク・ラボラトリー製)によりテスト画像を露光して現像する実験を行なったところ、チタン有機化合物を添加したポジ型感光性組成物の感光膜については、バーニング温度を著しく低下させることができた(特許文献31参照。)。
チタン有機化合物を添加したポジ型感光性組成物の感光膜の場合は、バーニング温度が46℃でも良好に成膜できて、感度が良好になり現像が容易に行なえた。しかし、バーニング処理を行なわないテストでは、良好な成膜ができず現像不良となった。
バーニング温度を50℃付近に低下させることができても、バーニングを必要とすることは、バーニング後に冷却を行うことが必要であること、バーニング及びその後の冷却に時間とエネルギーがかかること、装置ラインがバーニング装置の分だけ長くなり、設備費とランニングコストが高くなることが不利となる。やはり、バーニングを不要とすることが解決しなければならない課題であると考えた。
バーニングを行なうと、ロールは薄板材と異なり、熱負荷が大きく必要な温度に加熱するのに30〜60分かかり、また室温になるまで冷却するのに50〜100分以上かかり、しかも、これらの時間はロールの大きさにより相違するから均一な制御ができない。又、バーニングを行なうことは、シアニン色素に変性を来して感度低下してパターンの切れの悪くなるとともに現像時にレジストが薄くなり輪郭が後退しピンホールが生じる一因になっている。従って、バーニングを必要としないポジ型感光膜の開発が強く要望されている。
多数回のテストを繰り返した結果、成膜したときのMEK,IPA,PM等の合計の溶剤残留濃度が高いとレーザーにより画像を焼き付けられないこと(露光部分の感光膜形成樹脂の分子の主鎖又は側鎖の部分を切断してアルカリ可溶性が一層高まる低分子にするとともに感光層飛散を適切に生じさせた状態の潜像を形成できないこと)が判明した。
硫酸銅メッキ板に上記したチタン有機化合物を添加したポジ型感光剤を塗布し、室温25℃で送風を行なわない自然乾燥条件で15分経過させたときの溶剤残留濃度は11%、25時間経過させたときの溶剤残留濃度は9%であった。45r.p.mで回転する被製版ロールにポジ型感光剤を塗布し10分間経過後に測定した結果では溶剤残留濃度は7%までしか下がらないことが分った。従って、ポジ型感光剤に密着力を強める助剤を含ませた改質を行なってバーニングを必要としないポジ型感光膜の原液を作り直して、その結果を露光・現像により確認するには、これと並行して溶剤残留濃度を大幅に低減できる技術を先に案出する必要があることが判明した。
そこで、本発明者は、ここで初めて、バーニングを必要としないポジ型感光膜の実用化を開発テーマとし、成膜後バーニングに依らない他の手段により短時間かつ容易に溶剤残留濃度を大幅に低減できる成膜乾燥技術の開発と、密着力を強める助剤の添加によりポジ型感光膜自体の密着性を大きく向上できて現像ラチチュードが大きいポジ型感光膜の開発とを概念的に区別して、前者の課題から先に解決するべく研究を続行した。
塗布膜から溶剤が揮発することについて考えた。塗布膜は空気に触れて表面から乾燥し硬さを増し組織が締っていくので、時間が経過し表面が乾燥すればするほど内層に存する溶剤の拡散性が低下するものと考えられる。他方、塗布膜から溶剤が揮発する度合いは、雰囲気の圧力により相違し、負圧にすると塗布膜から溶剤が揮発する度合いが大きく残留溶剤を効果的に低減できると考えられる。しかし、真空ポンプを用いて真空にしたチャンバ内に成膜したロールを置くことは出来ない。ここで、本発明者は、塗布膜が液垂れしなくなった後、被製版ロールを高速回転させて見たところ、短時間で溶剤残留濃度を3%以下まで下げられることを見出した。
この知見に基づいて、被製版ロールを特許文献30に係る感光膜塗布装置に水平に両端支持して所要の低速度で回転させ、テスト感光液をスパイラルスキャン方式・非接触塗布方式で均一に塗布しその後回転を続行して液垂れが起こらなくなる状態に溶剤が気化した乾燥度合いの感光膜をセットし、引き続いて、バーニングを行なわなくても極めて短時間に溶剤濃度を大幅に低減できる技術として、該被製版ロールを所要の高速度で所要時間回転させて膜中の残留溶剤に遠心力を作用させ膜表面を空気と摩擦させることにより膜中の残留溶剤を空気中へ拡散離脱させてレーザーによる画像焼付性が発現し得る低い溶剤残留濃度の成膜を得る技術を確立した。
200φmmの試験ロールに感光液を均一に塗布し塗布終了から5分間25r.p.mで回転を続行した後回転停止し、5分間待って、液垂れについて観察し、肉眼で液垂れが生じなかったことを確認して、試験ロールを100r.p.mで20分間回転して停止し、感光膜中の溶剤残留濃度を測定したところ、2.3%であった。
しかるに、バーニングを行なわなくても極めて短時間に溶剤濃度を大幅に低減できる技術を開発したことで、種々の密着力を強める助剤を添加しポジ型感光剤について、露光・現像を行なって現像ラチチュードを有するか否か、研究を続行した。
その結果、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性有機高分子物質と、画像露光光源の赤外線を吸収して熱に変換する光熱変換物質からなるポジ型感光性組成物の原液に、セルロース誘導体とチタンアルコキシド、チタンアシレート、又はチタンキレートの少なくともいずれか一のチタン有機化合物を含ませてテストした結果、バーニング処理を行なうと現像が不良になり、バーニング処理を行なわないと現像が優良になり、最良のレジストパターンが得られた。このとき室温は25〜27℃、湿度は50〜55%前後であった。
しかしながら、日中の最高気温が16℃位で湿度が21〜23%と極めて低い日にテストしたところ、現像を行なうと感光膜が全面的に離脱してしまった。ポジ型感光剤は、一般的に60%以上の高湿度のときに白化現象を生じて造膜できないという湿度依存性があることが知られている。しかし、上記の結果により、気温が低くて湿度が極めて低いときにもポジ型感光剤の密着力が発現しないということが判明した。なお、なぜ白化現象を生じて造膜できないものであるかについては解明できなかった。
そこで、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性有機高分子物質に替わるベースとなる現像ラチチュードを有する樹脂に付いて探索した。フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性有機高分子物質に替えて、スチレン/無水マレイン酸共重合体をアルコールでエステル化されたスチレン/マレイン酸半エステル樹脂を使用し、画像露光光源の赤外線を吸収して熱に変換する光熱変換物質を含んでなるポジ型感光性組成物を作り、ロールに成膜し露光・現像するテストを次々に行なった結果、現像ラチチュードが大きく得られた。
詳述すると、実験室内の室温を25℃、湿度については感光膜塗布装置のケーシング内を25%、30%、55%、60%に変えた条件として、硫酸銅メッキされた200φmmの被製版ロールを感光膜塗布装置に両端支持させて25r.p.mで回転してワイピングクロスで拭浄し後追いするように上記のポジ型感光剤を塗布し、塗布完了後も液垂れが生じないように回転を続行して自然乾燥条件下で5分経過させて成膜した後に100r.p.mで10分間回転して残留溶剤を低減してから回転停止した。
感光膜塗布装置から取り出した被製版ロールは、いずれも光沢があり非常に強い密着性を有する極めて硬質な感光膜を塗布形成した被検ロールを得られた。レジストの膜厚は3.5〜3.8μmであった。溶剤残留濃度を測定したところ、いずれの試験ロールも2.3%前後であった。そして、上記の赤外線レーザ露光装置(株式会社シンク・ラボラトリー製)により赤外波長域のレーザーでテスト画像を露光(画線部を露光)し、次いでアルカリ現像したところ非画線部も溶出する膜減りが生じたがいずれの場合でもアルカリ現像液に60〜70秒浸漬した時点で極めてシャープで残渣がないレジストパターンが得られた。そして、現像後時間が経過して自然乾燥したレジストパターンは極めて硬質であることが確認できた。現像後のレジストの膜厚は1.8〜2.5μmであった。膜減りによるピンホールの発生はなかった。以上により、本発明を完成するに至った。
本発明は、波長700〜1,100nmのレーザー光に露光感応して該感応部がアルカリ現像液に可溶になるポジ型感光性組成物に関し、1)塗布作業室内の湿度が25〜60%の範囲において塗布するときに被塗布対象に塗布してその後のバーニングが不要でアルミニウムに対して必要十分な密着性が得られるのは勿論のこと、特にアルミニウムに比べて遥かに強い密着力が必要な銅又は硫酸銅メッキに対して必要十分な密着性が得られる、2)60〜70秒位の適切な時間で残渣が発生しない良好なアルカリ現像が行なえて、現像液のアルカリ強度が低くても現像が可能であるため、現像中の作業及び廃液処理等が容易である、3)バーニング処理を行なわないことで高感度が保たれレジスト画像のエッジが露光の照射パターンの通りにシャープな輪郭で切れる極めて良好な現像が行なえる、4)現像後の膜減りが少なく膜減りに起因するピンホールの発生が少ない極めて良好な現像が行なえる、5)レジスト画像に光沢があり、そのまま印刷に供しても数千枚刷れる程の耐刷性のあるレジスト画像が得られ、感光膜形成後現像前の取り扱いにおける耐キズ性が向上する、6)レーザーによる画像焼付及び現像のラチチュードが秀逸なポジ型感光性組成物を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明のポジ型感光性組成物は、(A)分子中に少なくとも1つのカルボキシル基を有する高分子物質、(B)画像露光光源の赤外線を吸収して熱に変換する光熱変換物質、及び(C)溶解阻止剤を含有し、前記溶解阻止剤(C)が、後述する化学式(2)で示される化合物であることを特徴とする。
前記高分子物質(A)が、カルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基を少なくとも1つ有する不飽和化合物(a1)より得られる重合体、並びに前記不飽和化合物(a1)及び該不飽和化合物と共重合可能な化合物(a2)より得られる共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の高分子物質であることが好ましい。
前記不飽和合物(a1)が、マレイン酸、(メタ)アクリル酸及びそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることが好適である。本発明において、アクリルとメタクリルを併せて(メタ)アクリルと称する。
前記高分子物質(A)が、マレイン酸重合体、(メタ)アクリル酸重合体、スチレン/マレイン酸系共重合体及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の共重合体であることが好ましい。
前記高分子物質(A)が、スチレン/無水マレイン酸系共重合体に水酸基を有する化合物を反応させて得られるスチレン/マレイン酸系共重合体であることが好ましい。前記水酸基を有する化合物が、アルコールであることが好適である。
前記高分子物質(A)が、下記一般式(1)で示される共重合体であることが好ましい。
Figure 0004081490
[式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子もしくは置換又は非置換のアルキル基を示し、aは1〜3の整数、bは6〜8の整数である。]
前記溶解阻止剤(C)、下記化学式(2)で示される化合物である。
Figure 0004081490
前記光熱変換物質(B)が、下記一般式(3)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 0004081490
[式()中、R〜Rは各々独立して、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のアルコキシル基を示し、Xはハロゲン原子、ClO、BF、p−CHSO、又はPFを示す。]
前記光熱変換物質(B)が、下記一般式(4)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 0004081490
[式(4)中、R〜R12は各々独立して、水素原子、メトキシ基、−N(CH、又は−N(Cを示し、YはC−B(C、p−CHSO、又はCFSOを示す。]
本発明のポジ型感光性組成物に、(D)光酸発生剤をさらに含有することが好適である。前記光酸発生剤(D)が、下記式(5)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 0004081490
本発明のポジ型感光性組成物に、(E)(1)ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、(2)ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、(3)ビニルピロリドン/ビニルカプロラクタム/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、(4)ポリ酢酸ビニル、(5)ポリビニルブチラール、(6)ポリビニルホルマール、(7)テルペンフェノール樹脂、(8)アルキルフェノール樹脂、(9)メラミン/ホルムアルデヒド樹脂、及び(10)ケトン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂をさらに含有することが好適である。
本発明のポジ型感光性組成物に、(F)トリアリールメタン系染料をさらに含有することが好ましい。
本発明のフォトファブリケーション方法は、本発明のポジ型感光性組成物を用いることを特徴とする。該フォトファブリケーション方法を、印刷版、電子部品、精密機器部品、及び偽造防止用関連部材等を製造する為に適用することが好ましい。
本発明の製版方法は、本発明のポジ型感光性組成物を用いることを特徴とする。本発明の製版方法により、凹版(グラビア)、平版、凸版、孔版等の印刷版を作成することができる。
本発明のポジ型感光性組成物を感光液として用いたグラビア版の一般的な製版工程は次の通りである。
1.シリンダーに感光液塗布(ドライ膜厚2−5μmが好ましい。ピンホールを無くすため膜は厚い方が良いが、薄い方が使用量が少ない分コストは安くなる。)→2.乾燥(タッチドライまで15分→終了まで15〜20分)→3.露光(光源:半導体レーザー830nm、220mJ/cm)→4.現像(60〜90秒/25℃)→5.水洗(スプレー30秒)→6.エッチング(深度10〜30μm、腐食 塩化第二銅水溶液、銅換算60g/L)→7.レジスト剥離(アルカリ剥離)→8.水洗→9.Crメッキ(水に対してクロム酸250g/L,硫酸2.5g/L)→10.水洗→11.印刷。
本発明のポジ型感光性組成物を感光液として用いた平版(PS版)の一般的な製版工程は次の通りである。
1.CTP(PS版)(アルミ研摩→感光液塗布→乾燥)→2.露光(光源:半導体レーザー830nm、220mJ/cm)→3.現像→4.印刷。
本発明のポジ型感光性組成物は、赤外波長域のレーザー光に露光感応して該感応部が現像液に可溶になる赤外波長域レーザー感応性を有するアルカリ可溶性のポジ型感光性組成物であり、以下のような優れた効果を有する。
(1)アルミニウムや銅のみならず、光沢のある鏡面状のメッキ銅のような密着性の悪い被塗布対象に対しても、バーニングを行わずに必要十分な密着性を得ることができる。また、バーニングを行わずに、従来のバーニングを行った場合と同等の光沢のある感光膜を得ることができる。
(2)湿度25〜60%の条件においても必要十分な密着性が得られる。
(3)適切な時間で残渣が発生しない良好なアルカリ現像が行なえる。感光層成分が露光により実質的に化学変化を起こさないにもかかわらず、耐刷性、感度、現像ラチチュード等の印刷版の基本性能を全て満足させることができる。また、カルボキシル基を有する高分子物質を用いており、現像液のアルカリ強度が低くても現像できる。現像液のpHが10〜12の間で現像ができるため、空気中の炭酸ガスの溶解が少ない分アルカリ現像液の経時による低下が少ない。一方、フェノール樹脂系の現像液は炭酸ガスの影響により、建浴後すぐPHの低下があり、バッファーソルーション(緩衝溶液)にしないと連続して現像が出ない、せいぜい2〜3日でアルカリ濃度の低下がおきる。そういう状況ではpH13.0以上の現像液で現像するフェノール樹脂タイプに比べ、アルカリの濃度低下に対する管理が容易である。また、アルカリ主剤の選択の幅が広がると同時にアルカリ廃液の強度が低いため、廃液処理が楽である。建浴:現像液原液から現像槽で水で希釈し現像液をつくることをいう。
(4)感光層中の光熱変換物質によって過剰な熱が発生する高い露光エネルギーよりも低い露光エネルギーで画像露光を行なっても現像ラチチュードを広く取れるので感光層飛散が生ずる度合いが低く抑制されるから、感光層飛散(アブレーション)し、露光装置の光学系を汚染するという問題が生じない。
(5)バーニング処理を行なわないことで高感度が保たれレジスト画像のエッジが露光の照射パターンの通りにシャープな輪郭で切れる極めて良好な現像が行なえる。また、端面部分もバーニングによる熱容量のバラツキがない分、現像後の均一な膜厚を保持できる。
(6)レジスト画像に膜減りが少なく、光沢があり、そのまま腐食してもピンホールの発生がなくグラビア製版ができる。また、印刷等に供して数千枚以上刷れる程の耐刷性のあるレジスト画像が得られ、感光膜乾燥後の現像前の取り扱いにおけるピンホールの発生を回避でき、又は耐擦爪傷性が向上する。
(7)レーザーによる画像焼付に対する変化率が少なく、且つ現像のラチチュードが秀逸である。
(8)現像後の膜減りが少ないため、ピンホールの発生が少ない。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、これらの実施の形態は例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
本発明のポジ型感光性組成物は、(A)分子中に少なくとも1つのカルボキシル基を有する高分子物質、(B)画像露光光源の赤外線を吸収して熱に変換する光熱変換物質、及び(C)溶解阻止剤を必須成分として含有するものであり、必要に応じて、(D)光酸発生剤、(E)(1)ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、(2)ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、(3)ビニルピロリドン/ビニルカプロラクタム/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、(4)ポリ酢酸ビニル、(5)ポリビニルブチラール、(6)ポリビニルホルマール、(7)テルペンフェノール樹脂、(8)アルキルフェノール樹脂、(9)メラミン/ホルムアルデヒド樹脂、及び(10)ケトン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂、及び(F)トリアリールメタン系染料をさらに配合することが好ましい。
前記高分子物質(A)としては、分子中に少なくとも1つのカルボキシル基を有する高分子物質であれば、特に限定されないが、カルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基を少なくとも1つ有する不飽和化合物(a1)の重合体や、前記不飽和化合物(a1)と該不飽和化合物と共重合可能な化合物(a2)の共重合体が好適な例として挙げられる。前記高分子物質(A)は、カルボキシル基を酸価が30〜500、特に、200〜250になるように含むことが好ましい。重量平均分子量としては1,500〜100,000が好適で好ましく、7,000〜10,000前後のものが更に好ましい。
前記不飽和合物(a1)としては、マレイン酸、(メタ)アクリル酸、フマール酸、イタコン酸、及びそれらの誘導体等が好ましく、これらを単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
マレイン酸及びその誘導体(マレイン酸系単量体と称する。)としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノエステル(例えば、マレイン酸モノメチル,マレイン酸モノエチル,マレイン酸モノ−n−プロピル,マレイン酸モノイソプロピル,マレイン酸モノ−n−ブチル,マレイン酸モノイソブチル及びマレイン酸モノ−tert−ブチル等)、マレイン酸ジエステル等が好適な例として挙げられる。
(メタ)アクリル酸及びその誘導体[(メタ)アクリル系単量体と称する。]としては、例えば、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸エステル(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)が好適な例として挙げられる。
前記不飽和化合物(a1)と共重合可能な化合物(a2)としては、不飽和二重結合を有する化合物が好ましく、スチレン、α−メチルスチレン、m又はp−メトキシスチレン、p−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシメチル−4−ヒドロキシ−スチレン等のスチレンとその誘導体(スチレン系単量体と称する。)が特に好ましい。これらを単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
前記高分子物質(A)としては、前記マレイン酸系単量体の重合体やマレイン酸系単量体を主成分とする共重合体、前記(メタ)アクリル系単量体の重合体や(メタ)アクリル系単量体を主成分とする共重合体、マレイン酸系単量体及び(メタ)アクリル系単量体とスチレン系単量体等の他の単量体との共重合体、マレイン酸系単量体とスチレン系単量体とを共重合して得られるスチレン/マレイン酸系共重合体(以下、共重合体(b1)と称する。)、アクリル系単量体とスチレン系単量体との共重合体、これら重合体の誘導体、又はそれらの変性物が好ましく、マレイン酸重合体、(メタ)アクリル酸重合体、下記一般式(6)及び/又は(7)で示される構造と下記一般式(8)で示される構造とを有する共重合体、又は(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとスチレン系単量体との共重合体がより好ましく、下記一般式(1)で示される共重合体であることがさらに好ましい。
Figure 0004081490
式(6)において、R13及びR14は、それぞれ独立して水素原子又は1価の置換基を示し、水素原子、低級アルキル基又は反応性二重結合を有する基が好ましい。
Figure 0004081490
Figure 0004081490
式(8)において、R15及びR16はそれぞれ独立して水素原子又は1価の置換基を示し、水素原子又はメチル基が好ましい、R17は水素原子又は1価の置換基を示し、水素原子、水酸基、アルキル基又はアルコキシル基が好ましい、R18は水素原子又は1価の置換基を示し、水素原子又はヒドロキシアルキル基が好ましい。
Figure 0004081490
式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は1価の置換基であり、水素原子、もしくは置換又は非置換のアルキル基が好ましく、水素原子、低級アルキル基又はアルコキシアルキル基がより好ましい、R及びRが複数存在する場合、それらは同じであっても異なっていてもよい。R及びRの少なくとも1つが水素原子であることが好ましい、aは0又は1以上の整数であり、1〜3が好ましい、bは1以上の整数であり、6〜8が好ましい。
前記スチレン/マレイン酸系共重合体の製造方法は特に限定されず、公知の方法に準じて行うことができるが、スチレン/無水マレイン酸系共重合体(即ち、スチレン系単量体と、無水マレイン酸との共重合物)に水酸基を有する化合物を反応させてエステル化させて得ることが好適である。
前記水酸基を有する化合物としては、特に限定はないが、イソプロパノール、n−プロパノール、イソプロパノール/シクロヘキサノール、ブチルアルコール、イソオクタノール、エチレングリコール等のアルコール,エチレングリコールブチルエーテル等のエチレングリコールエーテル,ジエチレングリコールエチルエーテル等のジエチレングリコールエーテルなどが挙げられる。
また、前記高分子物質(A)として、前記共重合体(b1)を、反応性二重結合を有する化合物で変性したもの[以下、共重合体(b2)と称する。]を用いてもよい。この場合の式(6)及び(7)で示される構造と式(8)で示される構造の比率が約1であることが好ましい。上記共重合体(b2)としては、具体的には、共重合体(b1)中の酸無水物基又はカルボキシ基に、反応性二重結合を有する化合物を反応させることにより製造することができる。この場合アルカリ現像を行うために必要なカルボキシル基が共重合体中に残っていることが必要である。
前記反応性二重結合を有する化合物としては、炭素−炭素二重結合を有する化合物が好ましく、具体的には、不飽和アルコール(例えば、アリルアルコール、2−ブテン−1−2−オール、フルフリルアルコール、オレイルアルコール、シンナミルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド等),アルキル(メタ)アクリレート(例えば、メチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート等),オキシラン環及び反応性二重結合をそれぞれ1個有するエポキシ化合物(例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、α−エチルグリシジルアクリレート、クロトニルグリシジルエーテル、イタコン酸モノアルキルモノグリシジルエステル等)等が好適な例として挙げられる。
また、上記共重合体(b2)として、不飽和アルコールにより反応性二重結合を導入されたものに、さらに反応性二重結合濃度を大きくするために、前記したオキシラン環及び反応性二重結合をそれぞれ1個有するエポキシ化合物を反応させ、さらに反応性二重結合濃度を大きくしたものを用いてもよい。
上記共重合体(b1)及び(b2)の製造方法は特に限定されず、公知の方法(例えば、特許文献32〜34等参照。)に準じて行なうことができる。スチレン/マレイン酸系重合体以外のカルボキシ基を有する高分子物質も上記と同様に反応性二重結合を導入することができる。高分子物質への反応性二重結合の付与は、硬化度の増加及び耐刷性の向上の点から好ましい。
本発明のポジ型感光性組成物における高分子物質(A)の含有割合は、特に限定されないが、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分及び(F)成分の固形分総量に対して、80〜98重量%であるのが好ましく、90〜95重量%であるのが更に好ましい。これら高分子物質(A)は、単独で使用しても良く、2種以上併用しても良い。
前記光熱変換物質(B)としては、吸収した光を熱に変換し得る化合物であれば特に限定はないが、波長700〜1,100nmの赤外線領域の一部又は全部に吸収帯を有する有機又は無機の顔料や染料、有機色素、金属、金属酸化物、金属炭化物、金属硼化物等が挙げられ、前記波長域の光を効率良く吸収し、且つ紫外線領域の光は殆ど吸収しないか又は吸収しても実質的に感応しない光吸収色素が好ましく、下記一般式(3)又は(4)で示される化合物やその誘導体が好適に用いられる。
Figure 0004081490
[式(3)中、R〜Rは各々独立して、水素原子、低級アルキル基(炭素数1〜3のアルキル基が好ましい)、又は低級アルコキシル基(炭素数1〜3のアルコキシル基が好ましい)を示す。Xは対アニオンを示し、Xとしてはハロゲン原子、ClO、BF、p−CHSO、又はPF等が挙げられる。]
Figure 0004081490
[式(4)中、R〜R12は各々独立して、水素原子、メトキシ基、−N(CH、又は−N(Cを示し、Yは対アニオンを示し、YとしてはC−B(C、p−CHSO、又はCFSO等が挙げられる。]
上記一般式(4)で示される化合物としては、最大吸収波長が近赤外線領域にある下記化学式(9)〜(12)で示される近赤外線吸収色素がより好ましい。
Figure 0004081490
Figure 0004081490
Figure 0004081490
Figure 0004081490
また、他の光吸収色素としては、例えば、特許文献6に記載されているような窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子等を含む複素環等がポリメチン(−CH=)nで結合された、広義の所謂シアニン系色素が代表的なものとして挙げられ、具体的には、例えば、キノリン系(所謂、シアニン系)、インドール系(所謂、インドシアニン系)、ベンゾチアゾール系(所謂、チオシアニン系)、イミノシクロヘキサジエン系(所謂、ポリメチン系)、ピリリウム系、チアピリリウム系、スクアリリウム系、クロコニウム系、アズレニウム系等が挙げられ、中で、キノリン系、インドール系、ベンゾチアゾール系、イミノシクロヘキサジエン系、ピリリウム系、又はチアピリリウム系が好ましい。特に、フタロシアニンやシアニンが好ましい。
前記光熱変換物質(B)は、波長700〜1,100nmの赤外波長領域の一部又は全部に吸収帯を有し該赤外波長領域のレーザー光を吸収して熱分解する特性を有し、前記カルボキシル基を有する高分子物質(A)の分子の熱切断によるアルカリ可溶性の低分子化・アブレーションに関与する。
光熱変換物質の添加量の多少は、露光で発生する熱の過多と不足に関係し、又、赤外レーザー光の強弱は、露光部分に存在する有機高分子物質の熱分解の過多と不足に関係するので適切な量に設定される。本発明のポジ型感光性組成物における光熱変換物質(B)の含有割合は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分及び(F)成分の固形分総量に対して、0.1〜10重量%であるのが好ましく、1〜4重量%であるのが更に好ましい。
前記溶解阻止剤(C)は、露光部と非露光部のアルカリ現像液に対する溶解性の時間差を増大させる目的で配合され、高分子物質(A)と水素結合を形成して該高分子物質の溶解性を低下させる機能を有し、かつ、赤外領域の光を殆ど吸収せず、赤外領域の光で分解されないものが用いられる。
前記溶解阻止剤(C)として、下記式(2)で示される化合物(4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール)を用いることが好ましい。
Figure 0004081490
また、溶解阻止剤(C)として、公知の溶解阻止剤を用いることもできる。具体的には、スルホン酸エステル、燐酸エステル、芳香族カルボン酸エステル、芳香族ジスルホン、カルボン酸無水物、芳香族ケトン、芳香族アルデヒド、芳香族アミン、芳香族エーテル等や、ラクトン骨格、チオラクトン骨格、N,N−ジアリールアミド骨格、又はジアリールメチルイミノ骨格を有する酸発色性色素、ラクトン骨格、チオラクトン骨格、又はスルホラクトン骨格を有する塩基発色性色素、非イオン性界面活性剤等が挙げられ、これらの中では、ラクトン骨格を有する酸発色性色素が好ましい。
本発明のポジ型感光性組成物における溶解阻止剤(C)の含有割合は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分及び(F)成分の固形分総量に対して、0.5〜8重量%であるのが好ましく、1〜5重量%がより好ましい。これら溶解阻止剤は単独で使用しても良く、2種以上併用してもよい。
前記光酸発生剤(D)は、光により酸を発生する物質であり、増感剤として作用する。前記光酸発生剤(D)としては、例えば、ジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、芳香族スルホン酸エステル、トリアジン化合物、ジアゾジスルホン系化合物等が挙げられ、下記一般式(13)〜(47)で示される化合物が好ましく、下記式(5)で示される化合物が特に好ましい。
Figure 0004081490
Figure 0004081490
式(13)中、R19及びR20は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基又はアルコキシル基を示し、水素原子、メチル基、tert−ブチル基、メチルプロピル基、又はメトキシ基が好ましい。Zは対アニオンを示し、ZとしてはPF、CFSO、CSO、SbF、BF等の無機酸アニオン、p−トルエンスルホン酸、樟脳−β−スルホン酸等の有機酸アニオン等が挙げられる。
Figure 0004081490
式(14)中、R21は、水素原子、アルキル基、アルコキシル基又は−SC基を示し、水素原子、メチル基、tert−ブチル基、メチルプロピル基、又はメトキシ基が好ましい。Zは式(13)と同様である。
Figure 0004081490
Figure 0004081490
式(16)中、R22は、1価の有機基であり、トリクロロメチル基、フェニル基、p−メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、p−CHSC基、p−クロロフェニル基、メトキシスチリル基、ジメトキシスチリル基、トリメトキシスチリル基、プロポキシスチリル基、ブトキシスチリル基、ペンチルオキシスチリル基、p−メトキシ−m−クロロスチリル基、4’−メトキシ−1’−ナフチル基等が挙げられる。
Figure 0004081490
Figure 0004081490
Figure 0004081490
Figure 0004081490
Figure 0004081490
式(21)中、R23は、水素原子又は1価の有機基であり、水素原子、tert−ブチル基等が挙げられる。
Figure 0004081490
Figure 0004081490
Figure 0004081490
式(24)中、R24及びR25は、それぞれ独立して水素原子又は1価の有機基であり、水素原子、メチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
Figure 0004081490
式(25)中、R26及びR27は、それぞれ独立して水素原子又は1価の置換基であり、水素原子、塩素原子、メチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。R28及びR29は、それぞれ独立して水素原子又はメチル基である。
Figure 0004081490
Figure 0004081490
Figure 0004081490
Figure 0004081490
Figure 0004081490
Figure 0004081490
式(31)中、Zは式(13)と同様である。
Figure 0004081490
式(32)中、Zは式(13)と同様である。Aは水素原子又は水酸基である。
Figure 0004081490
式(33)中、Zは式(13)と同様である。
Figure 0004081490
式(34)中、R30は、水素原子又は−SCH基を示す。
Figure 0004081490
Figure 0004081490
式(36)中、R31〜R33はそれぞれ独立して1価の有機基であり、メチル基又はエチル基等のアルキル基が好ましい。
Figure 0004081490
式(37)中、R34及びR35は、それぞれ独立して水素原子又はNO基を示す。
Figure 0004081490
式(38)中、R36は水素原子又はNO基を示す。
Figure 0004081490
式(39)中、R37はメチル基、CF基,フェニル基又はp−メチルフェニル基を示す。
Figure 0004081490
Figure 0004081490
式(41)中、R37は式(39)と同様である。
Figure 0004081490
Figure 0004081490
式(43)中、R37は式(39)と同様である。
Figure 0004081490
Figure 0004081490
Figure 0004081490
Figure 0004081490
式(47)中、Zは式(13)と同様である。
光酸発生剤としては、具体的には、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)のIRGACUREシリーズ、みどり化学株式会社の製品名:BDE,Anisil,BBI−102,TAZ−101,TAZ−104,TAZ−106,TAZ−110,BC等の光酸発生剤を広く使用できる。又、和光純薬工業株式会社のジアゾジスルホン系、トリフェニルスルホニウム系の光酸発生剤を使用できる。
本発明のポジ型感光性組成物における光酸発生剤(D)の含有割合は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分及び(F)成分の固形分総量に対して、0.5〜10重量%であるのが好ましく、1〜5重量%がより好ましい。これら光酸発生剤は単独で使用しても良く、2種以上併用してもよい。また、他の増感剤と組み合わせて使用しても良い。
前記樹脂(E)は、(1)ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、(2)ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、(3)ビニルピロリドン/ビニルカプロラクタム/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、(4)ポリ酢酸ビニル、(5)ポリビニルブチラール、(6)ポリビニルホルマール、(7)テルペンフェノール樹脂、(8)アルキルフェノール樹脂、(9)メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、及び(10)ケトン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のアルカリ可溶性樹脂であり、密着性改良剤として機能する。
前記(1)ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー(以下、PVP/VAコポリマーと称する。)は、ビニルピロリドンと酢酸ビニルを共重合させて得られる熱可塑性樹脂であり、下記一般式(48)で示される構造を有する。
Figure 0004081490
式(48)中、n、mは各々1以上の整数である。PVP/VAコポリマー中のビニルピロリドンと酢酸ビニルの割合は特に限定されないが、ビニルピロリドンと酢酸ビニルの割合が70/30から30/70であるものが好ましく、50/50がより好ましい。
PVP/VAコポリマーの製造方法は特に限定されないが、ビニルピロリドンと酢酸ビニルをフリーラジカル重合させて得られるリニアなランダムコポリマーが好ましい。PVP/VAコポリマーの分子量も特に限定されないが、10,00〜60,000が好ましく、20,000〜50,000が更に好ましい。
前記(2)ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマーは、下記一般式(49)で示される構造を有する。
Figure 0004081490
式(49)中、n、mは各々1以上の整数である。
前記(3)ビニルピロリドン/ビニルカプロラクタム/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマーは、ビニルピロリドンとビニルカプロラクタムとジメチルエチルメタクリレートの共重合体であり、下記一般式(50)で示される構造を有する。
Figure 0004081490
式(50)中、n、m、lは各々1以上の整数である。
前記(4)ポリ酢酸ビニルは、酢酸ビニルの単独重合体又は酢酸ビニルを主成分とする共重合体であり、下記一般式(51)で示される構造を有する。
Figure 0004081490
式(51)中、nは1以上の整数である。ポリ酢酸ビニルとしては、例えば、電気化学工業株式会社のサクノールSN−09T(商品名)が好適に使用される。
前記(5)ポリビニルブチラール(略称PVB)は、ポリビニルアルコールにブチルアルデヒドを反応させるブチラール化により得られる樹脂であり、下記一般式(52)で示される構造を有する。
Figure 0004081490
式(52)中、n、m、lは各々1以上の整数である。ポリビニルブチラールとしては、具体的には、電気化学工業株式会社の製品、デンカブチラール5000Aと6000EP,積水化学工業株式会社の製品、低重合度タイプのBL−1、BL−2、BL−2、BL−S、BX−L、中重合度タイプのBM−1、BM−2、BM−5、BM−S、高重合度タイプのBH−3、BH−S、BX−1、BX−2、BX−5、BX−55等が好適な例として挙げられ、多種類の溶剤に溶解性を有するBL−S、BM−S、BH−Sの使用が特に好ましい。
前記(6)ポリビニルホルマール(PVFM)は、下記一般式(53)で示される構造を有する電気絶縁性が良好な樹脂である。
Figure 0004081490
式(53)中、n、m、lは各々1以上の整数である。ポリビニルホルマールの製造方法は特に限定されないが、例えば、ポリ酢酸ビニルを酢酸に溶解させ、ホルムアルデヒドと硫酸を加えてケン化反応とホルマール化反応とを同時に行わせ、この反応液に希硫酸を加えポリビニルホルマールを沈殿させ、溶媒回収、洗浄、乾燥工程を経て製品が得られる。
前記(7)テルペンフェノール樹脂としては、従来公知のものを広く使用可能である。具体的には、タマノル803L及び901(荒川化学工業株式会社製の商品名)が好適な例として挙げられる。
前記(8)アルキルフェノール樹脂としては、従来公知のものを広く使用可能である。具体的には、タマノル520S,521,526,586及び572S(荒川化学工業株式会社製の商品名)が好適な例として挙げられる。
前記(9)メラミン−ホルムアルデヒド樹脂は、メラミンとホルムアルデヒドの付加縮合反応によって得られる樹脂であり、公知のメラミン−ホルムアルデヒド樹脂を広く使用することができる。具体的には、例えば、ハリマ化成株式会社のバンセリンSM−960(商品名)を使用することが好ましい。
前記(10)ケトン樹脂としては、公知のケトン樹脂を用いることができ、特に限定されない。例えば、ケトン類とホルムアルデヒドとを公知の方法で反応させて得ることができる。ケトン類としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等が挙げられ、特に、シクロヘキサノンとアセトフェノンが好ましい。ケトン樹脂としては、下記式(54)で示されるシクロヘキサノン系ケトン樹脂、及び下記式(55)で示される構造を有するアセトフェノン系ケトン樹脂が好ましい。
Figure 0004081490
Figure 0004081490
式(54)及び式(55)において、m、nはそれぞれ1以上の整数である。
本発明のポジ型感光性組成物における樹脂(E)の含有割合は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分及び(F)成分の固形分総量に対して、1〜40重量%であるのが好ましく、5〜30重量%がより好ましい。
前記(F)トリアリールメタン系染料としては、従来公知のトリアリールメタン系の着色染料を広く使用できるが、具体的には、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ビクトリアブルーB、オイルブルー613(オリエント化学工業(株)製の商品名)及びこれらの誘導体が好ましい。これらトリアリールメタン系色素は単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
着色染料を用いることにより、現像によりパターンができた際に感光膜の表面のピンホール、ゴミ等がはっきり認識でき修正液(オペーク)で塗込み作業がし易いという効果がある。染料の濃度が高いほど見やすく好ましい。なお、半導体産業では修正出来ないため、クリーンルームで製造を行っているが、印刷業界、電子部品関連では失敗品を再生させるため、修正を行う。
本発明のポジ型感光性組成物における染料(F)の含有割合は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分及び(F)成分の固形分総量に対して、0.1〜10重量%であるのが好ましく、1〜4重量%がより好ましい。
本発明のポリ型感光性組成物は、上記した成分に加えて、必要に応じて、他の顔料又は染料等の着色剤、増感剤、現像促進剤、密着性改質剤、塗布性改良剤等の各種添加剤を配合してもよい。現像促進剤は、例えば、ジカルボン酸又はアミン類又はグリコール類を微量添加することが好ましい。
本発明のポジ型感光性組成物は、通常、溶媒に溶解した溶液として使用される。溶媒の使用割合は、感光性組成物の固形分総量に対して、通常、重量比で1〜20倍程度の範囲である。
溶媒としては、使用成分に対して十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与えるものであれば特に制限はなく、セロソルブ系溶媒、プロピレングリコール系溶媒、エステル系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、高極性溶媒を使用できる。セロソルブ系溶媒としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等が挙げられる。プロピレングリコール系溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。エステル系溶媒としては、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等が挙げられる。アルコール系溶媒としては、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール等が挙げられる。高極性溶媒としては、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン系溶媒やジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。その他、酢酸、あるいはこれらの混合溶媒、更にはこれらに芳香族炭化水素を添加したもの等が挙げられる。
本発明のポジ型感光性組成物は、通常、前記各成分をセロソルブ系溶媒、プロピレングリコール系溶媒等の溶媒に溶解した溶液として支持体表面であるグラビア印刷用の被製版ロールの銅メッキ面又は硫酸銅メッキ面に塗布し自然乾燥した後、高速回転して被製版ロールの表面で風を切り感光膜内における遠心力による質量作用と表面近傍が若干の負圧状態になることで溶剤残留濃度を6%以下に低減することにより、支持体表面に感光性組成物層が形成されたポジ型感光膜とされる。
塗布方法として、メニスカスコート、ファウンティンコート、ディップコート、回転塗布、ロール塗布、ワイヤーバー塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、及びカーテン塗布等を用いることができる。塗布膜の厚さは1〜6μmの範囲とすることが好ましく、さらに3〜5μmとするのが好ましい。
ポジ型感光性組成物層を画像露光する光源としては、波長700〜1,100mmの赤外レーザー光線を発生する半導体レーザーやYAGレーザーが好ましい。他に、ルビーレーザー、LED等の固体レーザーを用いることが出来る。レーザー光源の光強度としては、2.0×10mJ/s・cm以上とすることが好ましく、1.0×10mJ/s・cm以上とすることが特に好ましい。
本発明のポジ型感光性組成物を用いて形成した感光膜に対して用いる現像液としては、無機アルカリ(例えば、Na、Kの塩等)、又は有機アルカリ(例えば、TMAH(Tetra Methyl Ammonium Hydroxide)、又はコリン等)などの無機又は有機のアルカリからなる現像剤が好ましい。
現像は、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等により、通常、15〜45℃程度の温度、好ましくは22〜32℃で行なう。
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
(実施例1)
表1に示す配合物質及び配合割合によりポジ型感光性組成物を調製し、テスト感光液とした。
Figure 0004081490
表1中の各成分は下記の通りである。
樹脂A1:SMA 1440(SARTOMER社製,スチレン/無水マレイン酸共重合体のブチルセロソルブによる部分エステル化物)。
赤外線吸収色素B1:前記式(3)で示される赤外線吸収色素
溶解阻止剤1:TrisP−PA(本州化学工業(株)製、前記式(2)で示される化合物)。
光酸発生剤1:IRGACURE 250(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、前記式(5)で示される化合物)
樹脂E1:PVP/VAコポリマー(分子量46,000、ガラス転移点96℃のビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体、ビニルピロリドン/酢酸ビニル50/50)
着色色素F1:オイルブルー613(オリエント化学工業(株)製、Color Index(C.I.)No.42595)
PM:プロピレングリコールモノメチルエーテル
IPA:イソプロピルアルコール
MEK:メチルエチルケトン
得られたテスト感光液を用いて下記の実験を行った。なお、実験室内は25℃、表2に示す湿度条件下で実験を行った。ロール母材が鉄であり硫酸銅メッキされ鏡面研磨された200φmmの被製版ロールを、ファウンテンコーティング装置(除湿装置と加湿装置が付設されていて湿度を所望にコントロールできる装置)で両端チャックして25r.p.mで回転し、ワイピングクロスで十分に拭浄した。なお、該ファウンテンコーティング装置は、ポジ型感光性組成物中の溶剤がコーティング中に蒸発して溶剤の割合が変化することを回避するものである。
その後、上端からテスト感光液が涌き出るパイプを被製版ロールの一端に約500μmのギャップを有するように位置させ、テスト感光液をコーティングに必要な量だけ湧き出させるようにして、該パイプを被製版ロールの一端から他端まで移動してスパイラルスキャン方式でテスト感光液を均一に塗布し、塗布終了から5分間25r.p.mで回転を続行した後回転停止した。
5分間待って、液垂れについて観察したところ、肉眼で液垂れが生じたことが観察できなかった。そして、膜厚測定をしたところ、ロールの下面部分と上面部分とで差異はなかった。もって、液垂れが生じなく状態に乾固した感光膜をセットできたことを確認した。
引き続いて、試験ロールを100r.p.mで20分間回転して停止し、感光膜中の溶剤残留濃度を測定したところ、2.9%であった。
続いて、試験ロールをクレオサイテックス社の高出力半導体レーザーヘッドを搭載した露光装置(株式会社シンク・ラボラトリー製)に取付けて該試験ロールに赤外波長域のレーザーを照射してポジ画像を焼き付け、次いで、試験ロールを現像装置に取付けて回転して現像槽を上昇させて残渣がなくなるまで現像を行い、その後水洗した。なお、現像液はKOH4.2%(25℃)を用いた。得られたレジスト画像を顕微鏡により評価した。結果を表2に示す。
Figure 0004081490
表2中の評価方法は下記の通りである。
1)エッジの解像性
図1に示した解像力テストパターンを用いて、市松模様、グレーチングの7.9μmの線のエッジがシャープかどうかを測定した。表中◎は良好な結果であり解像性が合格、×は画像なしで製版できず解像性が不合格。
2)現像ラチチュード
大日本印刷株式会社製のセル蔵(網点の開孔率自動測定のできる装置)を用いて測定を行った。現像の回数を多くしたテスト(本実施例では3回)により、7.9μm×7.9μmの露光により、セル面積計算で60−75μmに入っている場合は、印刷濃度の許容範囲に入っている為、良好であり、表中◎で示した。印刷許容範囲外の場合を表中×で示した。
3)密着性
tesa test:DIN EN ISO 2409 tesaテープによる碁盤目密着性テストで100マスが全て残る場合を◎、20%未満の範囲で剥離される場合を○、20%以上剥離する場合を×とした。
4)感度
露光量をふり画像パターンに再現性が近いもので感度を決定。露光機はクレオ社のサーマルイメージングヘッドを用いた。
5)現像
残渣がなくなるまでの現像時間を測定した。
6)残膜率
塗膜の厚みを測定する装置であるFILMETRICS Thin Film Analyzer F20(Filmetrics Co製)を用いて、現像前の膜厚、現像後の膜厚を測定し、残膜率を算出した。
7)画像
オリジナル画像に再現性が近いかどうかを評価した。◎:非常に良好、×:非常に悪い、−:現像で画像が無くなる。
感光液テストパターンと計測個所を図1に示す。図1中の計測個所に対するチェック項目及び測定方法を表3に示す。
Figure 0004081490
表2に示した如く、実施例1のポジ型感光性組成物は、25℃の室温、湿度35〜55%の条件下で、70秒位で残渣がないシャープなパターンが得られる良好な現像が行なえた。現像ラチチュードも良好であった。
なお、硫酸銅メッキ面の代わりに銅面又はアルミニウム面を用いた場合についても実験を行ったがいずれも実施例1と同様、良好な結果が得られた。アルミニウム面の場合、特に広い現像ラチチュードが得られた。
(実施例2〜6)
表4に示した如く組成物中の成分(B)及び成分(F)を変更した以外は実施例1−2と同様に実験を行った。なお、測定条件は湿度45%の条件下で行ったものである。結果を併せて表4に示す。
Figure 0004081490
表4中、色素B2〜B6及び色素F2〜F4は下記の通りである。なお、成分(B)及び(F)の配合量はそれぞれ成分(A)の配合量を100重量部としたときの重量部を示したものである。
色素B2:IR−B(昭和電工(株)製、前記式(9)で示される赤外線吸収色素)
色素B3:IR−T(昭和電工(株)製、前記式(10)で示される赤外線吸収色素)
色素B4:IR−2MF(昭和電工(株)製、前記式(11)で示される赤外線吸収色素)
色素B5:IR−13F(昭和電工(株)製、前記式(12)で示される赤外線吸収色素)
色素B6:NK−2014((株)林原生物化学研究所製、下記式(56)で示される赤外線吸収色素)
Figure 0004081490
色素F2:アイゼンメチルバイオレットBBスペシャル(保土谷化学工業(株)製、C.I.Basic Violet 1,No.42535)
色素F3:アイゼンクリスタルバイオレット(保土谷化学工業(株)製、C.I.Basic Violet 3,No.42555)
色素F4:アイゼンビクトリアブルーBH(保土谷化学工業(株)製、C.I.Basic Blue 26,No.44045)
(実施例7〜15)
表5に示した如く組成物中の成分(A)を変更した以外は実施例1−2と同様に実験を行った。結果を併せて表5に示す。
Figure 0004081490
表5中、成分(A)の配合量は実施例1と同様であり、樹脂A2〜A10は下記の通りである。
樹脂A2:SMA 17352(SARTOMER社製,スチレン/無水マレイン酸共重合体のイソプロパノール/シクロヘキサノールによる部分エステル化物)。
樹脂A3:SMA 2624(SARTOMER社製,スチレン/無水マレイン酸共重合体のn−プロパノールによる部分エステル化物)。
樹脂A4:SMA 3840(SARTOMER社製,スチレン/無水マレイン酸共重合体のイソオクタノールによる部分エステル化物)。
樹脂A5:オキシラックSH−101(日本触媒化学工業(株)製、スチレン/マレイン酸半エステル共重合体)。
樹脂A6:アクリル酸、メタクリル酸メチル、及びスチレンの共重合体(酸価98、重量平均分子量21000、ベースモノマー比 アクリル酸:メタクリル酸メチル:スチレン=1:1:1)。
樹脂A7:マレイン酸重合体(酸価300、重量平均分子量10000)
樹脂A8:アクリル酸重合体(酸価100、重量平均分子量25000)
樹脂A9:オキシラックSH−101誘導体(グリシジルメタクリレート付加したスチレン/マレイン酸系共重合体、酸価80)
樹脂A10:グリシジルメタクリレート付加させた樹脂A6
(実施例16〜25)
成分(E)として樹脂E1の代わりに表6に示す各樹脂を用いた以外は実施例1−2と同様に実験を行った。結果を併せて表6に示す。
Figure 0004081490
表6中、樹脂E2〜E11は下記の通りである。
樹脂E2:GAFQUAT 734(ISP社製、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー)
樹脂E3:GAFFIX VC−713(ISP社製、ビニルピロリドン/ビニルカプロラクタム/ジメチルアミノエチルメタクリレートターポリマー)
樹脂E4:サクノールSN−09T(電気化学工業(株)製、ポリ酢酸ビニル)
樹脂E5:デンカブチラール#3000(電気化学工業(株)製、ポリビニルブチラール)
樹脂E6:ビニレック−Kタイプ(チッソ社製、ポリビニルホルマール)
樹脂E7:タマノル803L(荒川化学工業(株)製、テルペンフェノール樹脂)
樹脂E8:タマノル520S(荒川化学工業(株)製、アルキルフェノール樹脂)
樹脂E9:バンセリンSM−960(ハリマ化成(株)製、メラミン/ホルムアルデヒド樹脂)
樹脂E10:ハイラック111(日立化成(株)製、シクロヘキサン樹脂)
樹脂E11:ハイラック110H(日立化成(株)製、アセトフェノン樹脂)
(実施例2
成分(D)を配合しなかった以外は実施例1−2と同様に実験を行った。結果を表7に示す。
(実施例2
成分(E)を配合しなかった以外は実施例1−2と同様に実験を行った。結果を表7に示す。
Figure 0004081490
(比較例1〜3)
表8に示した如くポジ型感光性組成物の配合を変更した以外は実施例1−2と同様に実験を行った。結果を表9に示す。
Figure 0004081490
表8中、赤外線吸収色素B1及び溶剤は表1と同じであり、他の成分は下記の通りである。
ノボラック樹脂:PR−NMD−100(住友ベークライト社製)
チタン有機化合物:松本工業製薬(株)製のオルガチックスTA−10(チタンアルコキシド)
イミダゾールシラン:下記式(57)の構造を有するシランカップリング剤。但し、式(57)中、R41〜R44はそれぞれアルキル基、nは1〜3の整数である。
Figure 0004081490
Figure 0004081490
表9に示した如く、比較例1〜3はいずれも現像後、画像が無くなり、現像ラチチュードが全く得られなかった。
本発明のポジ型感光性組成物は、グラビア印刷用の被製版ロールの硫酸銅メッキ面にポジ型感光膜を形成するのに好ましいが、これに限定されるものではなく、アルミニウム、亜鉛、鋼等の金属板、アルミニウム、亜鉛、銅、鉄、クロム、ニッケル等をメッキ又は蒸着した金属板、樹脂を塗布した紙、アルミニウム等の金属箔を貼着した紙、プラスチックフィルム、親水化処理したプラスチックフィルム、及びガラス板等に適用しても低温での密着性が良好であり、高感度が得られる。
従って、感光性平版印刷版、簡易校正印刷用プルーフ、配線板やグラビア用銅エッチングレジスト、フラットディスプレイ製造に用いられるカラーフィルター用レジスト、LSI製造用フォトレジスト等に好適に使用できる。
実施例1で用いた感光液テストパターンと計測個所を示す図面であり、(a)はテストパターン、(b)は(a)の丸印部分の拡大図である。

Claims (16)

  1. (A)分子中に少なくとも1つのカルボキシル基を有する高分子物質、
    (B)画像露光光源の赤外線を吸収して熱に変換する光熱変換物質、及び
    (C)溶解阻止剤を含有し、
    前記溶解阻止剤(C)が、下記化学式(2)で示される化合物であることを特徴とするポジ型感光性組成物。
    Figure 0004081490
  2. 前記高分子物質(A)が、カルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基を少なくとも1つ有する不飽和化合物(a1)より得られる重合体、並びに前記不飽和化合物(a1)及び該不飽和化合物と共重合可能な化合物(a2)より得られる共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の高分子化合物であることを特徴とする請求1記載のポジ型感光性組成物。
  3. 前記不飽和化合物(a1)が、マレイン酸、(メタ)アクリル酸及びそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求2記載のポジ型感光性組成物。
  4. 前記高分子物質(A)が、マレイン酸重合体、(メタ)アクリル酸重合体、スチレン/マレイン酸系共重合体及びそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の重合体であることを特徴とする請求1〜3のいずれか1項記載のポジ型感光性組成物。
  5. 前記高分子物質(A)が、スチレン/無水マレイン酸系共重合体に水酸基を有する化合物を反応させて得られるスチレン/マレイン酸系共重合体であることを特徴とする請求4記載のポジ型感光性組成物。
  6. 前記水酸基を有する化合物が、アルコールであることを特徴とする請求項5記載のポジ型感光性組成物。
  7. 前記高分子物質(A)が、下記一般式(1)で示される重合体であることを特徴とする請求1〜のいずれか1項記載のポジ型感光性組成物。
    Figure 0004081490
    [式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子もしくは置換又は非置換のアルキル基を示し、aは1〜3の整数、bは6〜8の整数である。]
  8. 前記光熱変換物質(B)が、下記一般式(3)で示される化合物であることを特徴とする請求1〜のいずれか1項記載のポジ型感光性組成物。
    Figure 0004081490
    [式(3)中、R〜Rは各々独立して、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のアルコキシル基を示し、Xはハロゲン原子、ClO、BF、p−CHSO、又はPFを示す。]
  9. 前記光熱変換物質(B)が、下記一般式(4)で示される化合物であることを特徴とする請求1〜のいずれか1項記載のポジ型感光性組成物。
    Figure 0004081490
    [式(4)中、R〜R12は各々独立して、水素原子、メトキシ基、−N(CH、又は−N(Cを示し、YはC−B(C、p−CHSO、又はCFSOを示す。]
  10. (D)光酸発生剤をさらに含有することを特徴とする請求1〜のいずれか1項記載のポジ型感光性組成物。
  11. 前記光酸発生剤(D)が、下記式(5)で示される化合物であることを特徴とする請求記載のポジ型感光性組成物。
    Figure 0004081490
  12. (E)(1)ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、(2)ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、(3)ビニルピロリドン/ビニルカプロラクタム/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、(4)ポリ酢酸ビニル、(5)ポリビニルブチラール、(6)ポリビニルホルマール、(7)テルペンフェノール樹脂、(8)アルキルフェノール樹脂、(9)メラミン/ホルムアルデヒド樹脂、及び(10)ケトン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂をさらに含有することを特徴とする請求1〜1のいずれか1項記載のポジ型感光性組成物。
  13. (F)トリアリールメタン系染料をさらに含有することを特徴とする請求1〜1のいずれか1項記載のポジ型感光性組成物。
  14. 請求1〜1のいずれか1項記載のポジ型感光性組成物を用いることを特徴とするフォトファブリケーション方法。
  15. 印刷版、電子部品、精密機器部品、又は偽造防止用関連部材を製造するために適用されることを特徴とする請求記載のフォトファブリケーション方法。
  16. 請求1〜1のいずれか1項記載のポジ型感光性組成物を用いた製版方法。
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