JP4079485B2 - 硫酸処理精製アロフェン土及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体、液体のような流体を接触処理するための処理剤として有用な硫酸処理精製したアロフェン土に関する。
【0002】
【従来の技術】
堆積火山灰由来の風化生成物である火山灰土壌の表層部分は、非晶質粘度鉱物であるアロフェンを主成分とし、これに比較的多量の腐植(フミン酸群及びフルボ酸群等)を併せ含む黒色土壌であり、「暗土」や「黒音地」と称されることもある。本明細書ではこれを天然産腐植質アロフェン土、あるいは腐植質アロフェン土、あるいは単にアロフェン土と称する。
【0003】
腐植質アロフェン土が吸着、吸収、交換、緩衝作用等の物理化学的に興味ある挙動を示すことは、従来土壌学の分野で知られていた。またそのような物理的化学的性質を利用して水処理、排水処理、空気脱臭処理等を行なうことも提案されてきており、例えば特公昭64−6838号公報明細書には、火山噴出物を原料とし、その主成分がアロフェンとフミン酸である黒音地を、火山灰及び活性炭(両者は黒音地の吸着性能等を一層強化補足するために配合される。)と共に、大小様々な多数の細孔を有する多孔質の火山礫(軽石)からなる母体に結着剤で一体に混合結着した塊状の水浄化剤が記載されている。
【0004】
また、特開平8−71414号公報明細書には、天然産腐植質アロフェン土を有効主成分として含み、これを接合剤を用いて固型化または被覆とした流体(水、空気等)の処理剤が開示されている。
【0005】
しかしながら天然産腐植質アロフェン土を、風乾、その他の乾燥手段により水分を低減し、解砕粉化し、夾雑物(礫や外来異物、例えば植物根等)を排除する程度の軽妙な精製を施した状態で、湖沼、河川の水処理に用いた場合に、いくつかの不都合な現象が生ずることがある。例えば、そのような天然産腐植質アロフェン土を水に混入し、撹拌すると水面に白色ないし薄黄褐色の泡が発生する。この泡は安定であり長時間にわたって消滅せず水の表面を覆った状態となり、脱臭効率の低減や浄化処理速度の低減が認められる。被処理原水に植物プランクトン「アオコ」が含まれている場合には、そのような天然産腐植質アロフェン土で処理すると、目的に反して、処理後の水に「アオコ」の旺盛な発生、生育が見られることがある。また天然産腐植質アロフェン土で処理した水には、そのアロフェン土除去後でも、いわゆる「ヘドロ」の発生が見られることが多い。従って、一般的には天然産腐植質アロフェン土は水処理のためには不適当であると考えられる。
【0006】
そこで本発明者等は、前記の如きアロフェン土の本来の有用な物理化学的特性に鑑み、アロフェン土を水処理のために有効に利用可能とすべく鋭意研究検討を重ねた。その一環として天然産腐植質アロフェン土が水処理に使用されるときに上記の如き不都合な結果をもたらす理由を探究するため、国内の多くの火山帯からの天然産のアロフェン土を微視的に観察し、分析したところ、多くの場合にアロフェン土には土壌中の腐葉土とそれから由来する栄養分が存在することが確認され、さらには土壌微生物の生活菌体、胞子、それらの死骸;動物の排泄物;植物の種子、花粉等;の「有機質」が見出された。従って天然産アロフェン土中に存在するこれらの「有機質」が水処理に際して、複合的に作用して水中の植物性プランクトン及び微生物に対して生育のための栄養源(炭素)及びエネルギー源(窒素)を提供し、またそれらの生育、繁殖のために良好な環境ないし条件を与えていることが推定された。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者等は、天然産の腐植質アロフェン土に含まれるそれらの内在及び外来の有機質の含量を低減することによって、水処理用途に満足に使用できるようにすることを着想し、腐植質アロフェン土に含有される有機質を効率的にかつ経済的に低減ないし除去する方法を広く探究し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かくして、天然産腐植質アロフェン土を硫酸で処理し、その含有有機質を低減させた精製アロフェン土を提供する。
【0009】
さらに本発明は、上記硫酸処理精製アロフェン土を製造するに際して:
(イ)天然産腐植質アロフェン土を準備し、
(ロ)水で予備洗浄して含有有機質の少なくとも一部を洗い出し、またはそのような予備洗浄を行なうことなく、
(ハ)0.05%以上の濃度のH2SO4を存在させるような量の硫酸を添加し、水性スラリーとし、強く撹拌して暗褐色から暗黒色への変色を生じさせ、1時間以上放置し、
(ニ)次いでこの硫酸処理した水性スラリー混合物を洗液がほぼ中性pHとなるまで水ですすぎ洗いし、
(ホ)脱水及び/または乾燥する、
諸工程を含む精製アロフェン土の製造方法を提供する。
【0010】
さらに本発明は上記の硫酸処理して精製したアロフェン土を単味で、あるいは他の成分、好ましくはゼオライトと組合せて含むことを特徴とする流体処理剤をも提供する。この流体処理剤は、目的に応じて粉状体の形、あるいは適当な有機系または無機系バインダーを用いて固型化した粒状、塊状、その他の種々の形状として提供され、あるいは適当なビヒクルに懸濁した形、及びそれから基材(紙、濾材等)に塗着した被覆物または層の形で提供されうる。この明細書において「流体」とは気体及び液体を包含するものである。本発明の流体処理剤を用いての処理の対象とする「気体」の代表的な例は、空気である。種々の生活及び作業環境空間における脱臭及び/またはガス吸収の目的、場合によっては調湿の目的等に使用できる。また液体の例は、上下水道、工業用水及び排水、湖沼水、河川水、庭園、公園及びゴルフ場等の池及び流水、ならびに有機溶剤等である。
【0011】
本発明の硫酸処理精製アロフェン土は、アオコのような植物プランクトンやその他の水性藻類等を含む水の処理にすぐれた適性を示すのみならず、原料の未処理天然産アロフェン土と比較して吸着性及び吸収性の特性も著しく改善向上していることが見出された。
【0012】
本発明による硫酸処理の概要を以下に例示説明する。
【0013】
採取した天然産腐植質アロフェン土を、風乾、その他の乾燥手段によりその水分を低減させ、解砕粉化し、含有されている礫や植物根等の外来固型物等の夾雑物をフルイ等で除去した粉体を準備する(以下「Q」と称することがある)。このものには、前述の「有機質」が含まれている。
【0014】
このQ粉体を適量(例えば32l、重量として約23〜24kg)採り、撹拌機付きの適当な大きさ(例えば70l)の容器に入れ、適量の水(例えば21〜23l)を加注して撹拌機で撹拌してゼリー状とする(撹拌時間は数分、例えば1〜2分間)。次いで追加量(例えば25〜35l)の水を注入し撹拌を数分間(例えば1〜5分間)継続する。撹拌を停止して混合物を静置してアロフェン土を沈降させる。この静置時間は少なくとも約15分、であり、作業能率の面からは20〜30分であるが、それ以上例えば1時間またはそれ以上であってもよい。原料Q中に含まれている有機質の一部が撹拌中に水相へ移行し、次いで静置中に水面上に形成される泡の薄膜中に可成り濃厚化されて存在することが認められる。この泡は「アク」と称され、安定であり、静置する限り可成りの時間にわたり消えることはない。
【0015】
静置後にデカンテーションにより上記のような有機質担持泡(アク)を浮かべている上澄液部をそのアクと共に流し去る。この時に大量の水が除去された後の混合物中の水とQとの容量比(計算上)は水24l/Q(粉体として)30l前後であり、濃厚なスラリー状である。さらにこのスラリー状混合物に適量の水(例えば前記のように30l)を加え撹拌し、静置し、アク(表面浮上有機質担持気泡)を上澄液と共に流去させる。この再洗はさらに繰り返して実施することもできる。以上は原料の予備洗浄工程であり、一般には実施するのが好ましいが、後続の硫酸処理工程が充分に行なわれるならば、この予備洗浄工程は省略することもできる。さらには、例えば原料Qにおける有機質含量が著しく低い場合には、上記予備洗浄工程を行なわなくてもよい。
【0016】
予備洗浄工程で有機質を少なくとも部分的に除去されたアロフェン土のスラリーは、次いで、ストレーナ(例えばJIS標準840μまたはそれ以上の網装着)に掛けて、細かい夾雑固型分等を除去するのが好ましい。このストレーナ掛けは、後続の適宜な段階で別にまたはさらに加えて行なうこともできる。
【0017】
次に上記の予備洗浄工程からのアロフェン土スラリー(または前記のように予備洗浄を受けないアロフェン土)は、硫酸処理工程に付される。この場合のアロフェン土/水混合比はアロフェン土(乾燥粉体として)3容に対し水2〜5容(好ましくは2〜2.5容)程度である。このような混合物に対して硫酸を、存在する水に対して0.05重量%以上のH2SO4、好ましくは0.1〜0.3重量%H2SO4となるように量で添加する。このH2SO4濃度範囲は作業効率上及び精製品の性能の面から好ましい。濃度がこれより低いと処理時間が長くなり、また濃度がこれより高いと余り経済的でない。次いでこの混合物をよく撹拌し(好ましくは酸素が導入されて気泡ができるように)、硫酸とアロフェン土とが良好に接触して、最初の暗褐色から次第に暗黒色への変色が生じるようにする(撹拌時間は普通3〜5分程度である)。この変色が生じたならば、混合物を少なくとも1時間、通常は1〜6時間(常温時)放置する(この撹拌〜放置段階における水性スラリーのpHは6以下の酸性値であり、通常は5〜6付近である)。この放置の間に硫酸とアロフェン土との接触及び反応によって有機質が実質的にアロフェン土から脱離し、駆逐されることが確認された。またアロフェン土がある種の化学的な変性を受ける。この放置中には時々撹拌を行なってもよい。
【0018】
次いで上記の硫酸処理を受けた混合物を水ですすぎ洗いする。このすすぎ洗いの程度は、洗液のpHが中性の値(約7)となるまでである。
【0019】
最後にこのすすぎ洗いされた混合物を脱水及び/または乾燥して精製製品とする。アロフェン土の個々の粒子が極めて微細であるため、この脱水は工業的には、デカンテーション法、遠心分離法、サイフォン法、遠心濾過法等を選択し、単独または適切に組合せて実施するのが好ましい。また静置時間を長くして、アロフェン土粒子の沈降をできる限り完全に行なわせることも後続の脱水の効率化には好ましい。製品の用途に応じて、製品は完全に乾燥されていなくても良いことは明らかであろう。
【0020】
例えば、本発明の精製アロフェン土を顆粒や成形品とするとき、バインダーとして水性樹脂エマルジョンを用いる場合である。
【0021】
本発明の硫酸処理精製アロフェン土は、粉体として、顆粒状またはその他の成形品として、あるいは他の吸着剤等と組合せた複合物(そのまま、または顆粒状もしくはその他の成形品)として流体処理(例えば水処理、空気脱臭処理等)に用いられて、すぐれた効果を示す。特に湖沼の水質汚染による淡水赤潮の発生原因とされ、また取水のカビ臭の原因とされるアオコの除去に有効である。本発明の精製アロフェン土は急性毒性(マウス使用:経口)を示さないことが公的試験機関の試験によって確認されている。
【0022】
さら本発明による水処理剤は鉛及びガドミウムの重金属イオンを効率よく吸収除去する。
【0023】
【実施例】
以下本発明の硫酸処理精製アロフェン土の製造例、それを用いての硫酸処理剤の製造ならびに湿式及び乾式使用例を示す。
【0024】
【実施例1】
硫酸処理による精製
天然腐植質アロフェン土を風乾、解砕、夾雑物除去した粉末(Q;見掛比重約0.71〜0.75)32容に精製水22容を添加し、撹拌機で2分間撹拌してゼリー状となし、さらに精製水30容を添加し、2分間撹拌した後、30分間静置して、アロフェン土固相と濁水液相とに分離させた。このときに水相の表面には、大小無数の気泡(これらの気泡には多くの有機質が担持されており、いわゆる「アク」と称される状態にあった)が形成され、残存していた。このような気泡を水相と共にデカンテーション法で流去し、水/Q(乾粉体として)の比がほぼ24/30(容)の混合物を得た。この流動性混合物をJIS標準840μ網付きストレーナに掛けて砂等の夾雑固型分を除去した。ストレーナ掛け後の流動性混合物に再び30容の精製水を加え2分間撹拌した後6時間静置して、固相と液相とを可及的に分離させ、デカンテーション法で上澄液相を流去させた。
【0025】
以上のように予備洗浄した、濃厚な水性スラリーの状態にあるQ(水/Q容積比は前記と同じくほぼ24/30)を次いで硫酸での処理に付した。濃度62.5%の1級試薬級硫酸を、上記スラリーの水分に対し0.2%H2SO4となる量で、上記スラリーに添加し、酸素(空気)がスラリー中に導入されるように気泡を立てながらスラリー全体を良く撹拌して硫黄とQとを接触させた。このときスラリーは最初は暗褐色であったが暗黒色に変化した。pHはアロフェン土(Q)の緩衝作用のためかほぼ5〜6の値であった。次いで3時間放置した。
【0026】
上記硫酸処理したスラリーに30容の精製水を加え撹拌、洗浄し、静置して、上澄液(pH6.4)をデカンテーションで棄て、この洗浄操作をさらに2回繰り返した。最後の上澄液(洗液)のpHは6.95であった。
【0027】
上記水洗後のスラリーを遠心分離法で脱水し、次いで乾燥、解砕して、本発明による硫酸処理精製アロフェン土を得た(以下、これをSと称することがある)。
【0028】
【実施例2】
重金属イオン含有水の処理
実施例1で使用したQ(本発明外)及び実施例1で得たS(本発明)を、それぞれ内径100mmの透明プラスチック製円筒内に層厚350mmに充填して濾過装置とした。
【0029】
東京都朝霞水処理実験所の水処理プラントの沈殿槽から採取した水に鉛イオン(0.057mg/l)、カドミウムイオン(0.018mg/l)及び六価クロムイオン(0.099mg/l)を添加し、上記のそれぞれの濾過装置に150m/日の濾過速度で流通させて、それぞれのイオンの除去率を測定した。
結果は表1の通りであった。
【0030】
【表1】
【0031】
本発明による硫酸処理精製アロフェン土(S)は、鉛及びカドミウムイオンのの除去において天然産アロフェン土(Q)よりも著しくすぐれている。六価クロムイオンの除去についてはS及びQ共に効果を示さない。
【0032】
【実施例3】
実施例2と同様なS及びQをそれぞれ充填した濾過装置を用いて、実施例2と同じ原水(ただし金属イオンを添加せず)を濾過し、原水中のアンモニア性窒素の除去効果を調べた。なお実施例2のような原水(水処理プラントの沈殿池水)は、一般に高温時(夏期)にはアンモニア性窒素の含量が低い傾向を示すので、この実施例では冬期のアンモニア性窒素が高い原水を異なる時間帯に採取して2回実施した。
結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】
本発明による硫酸処理によってアロフェン土のアンモニア性窒素吸収性能が著しく改善される。
【0035】
【実施例4】
A. 本発明により実施例1で調製した硫酸処理精製アロフェン土粉末(前記S)を、バインダーとして酢酸ビニル水性エマルジョン(コニシ株式会社製:酢酸ビニル41重量%及び水59重量%)接着剤を15倍に水で希釈したものを用いて造粒した。この造粒操作の際の水分量はSの重量に対し35%であった。この造粒品の粒径はほぼ5〜2mmの範囲(4〜8メッシュ)に仕上げた。
【0036】
B. 上記操作AにおけるSの代りに、Sにゼオライト(日東ゼオライト#2号:商標、1.9〜0.8mm径)を30%混合したものを用いて、同様な寸法の造粒品を得た。
【0037】
C. 比較のために実施例1で用いた原料Qを上記操作AにおいてSの代りに用いて同様に造粒品を得た。
【0038】
D. 比較のために市販の3種の活性炭脱臭剤I(塩基性)、II(酸性)及びIII(中性)を準備した。粒度はいずれも4〜8メッシュであった。
【0039】
〈アンモニア吸着性能試験〉
上記A、B、Cの造粒品及びDの活性炭を用いてアンモニア吸着性能試験を行なった。
【0040】
試験装置は図1に示すように、空気吹込(気泡)管(1)及び空気調整弁(2)を備え、アンモニア水を収容したガス発生槽(3)でアンモニアガスを発生させ、ポンプ(P)を介して順次に、ガス貯留室(4)、流量計(5)を経て、3段の容器I、II、IIIを直列配置してなる吸着塔(6)を通過させるようになっており、吸着塔の上流側及び下流側にマノメータ静圧計(7及び8)を備えていた。試験中には吸着塔(6)の前後の試料採取位置(図示せず)で流動ガスのサンプリングを行ない検知管でアンモニアガス濃度を測定した。ガス発生槽(3)には水1l当り10mlのアンモニアNH4(OH)を含むアンモニア水を収容した。吸着塔(6)は下から、I、II、IIIの区画容器(それぞれ10×10×5cm)を直列に積み重ねて構成し、各区画容器間にはガス流動メッシュを備えていた。吸着塔の総容量は1500cm3であった。前記の試料A(嵩比重=0.728)を904g、試料B(嵩比重=0.768)を1,152g、そして試料C(嵩比重=0.814)を1,211gをそれぞれ区画容器I、II、IIIに均等に充填するようにした。試料D(市販活性炭;嵩比重=0.494)については、アンモニアのアルカリ性に鑑み塩基性活性炭を区画容器I、酸性活性炭を区画容器II、そして中性活性炭を区画容器IIIにそれぞれ229gずつ充填した。
【0041】
試験中のガス流量は20l/分付近に維持し、吸着塔内での平均流速を3cm/秒、平均ガス接触時間を5秒とした。試験中、ときどき吸着塔の入口及び出口におけるアンモニア濃度を測定し、両者の差から吸着率を算出した。
【0042】
結果を図2〜5に吸着率の経時変化のグラフとして表わす。図2は試料A(本発明による硫酸処理精製アロフェン土造粒品)、図3は試料B(本発明による硫酸処理精製アロフェン土にゼオライトを35%添加した混合物の造粒品)、図4は(本発明による硫酸処理を受けない原料の天然産腐植質アロフェン土の造粒品:本発明外)、図5は(市販の活性炭)についてのアンモニア吸着率経時変化のグラフをそれぞれ示している。これらのグラフの比較から本発明による精製アロフェン土のすぐれた脱臭性能及び吸着容量(製品の寿命)が明らかである(図2、3)。
【0043】
【実施例5】
500mlの無色透明ビンに実施例1で原料として用いた天然産腐植質アロフェン土(Q;本発明外)を5グラム、別の同じビンに実施例1で得た硫酸処理精製アロフェン土(S;本発明)を5グラム入れた。淡水性植物プランクトンの繁殖で淡緑色に懸濁している沼の水をそれぞれのビンに400ml入れ、1分間激しく振とう撹拌した後、静置しアロフェン土を沈降させ、15時間後に原水と比較観察したところ、上記Sで処理した水からはアオコがアロフェン土と共に沈澱して、透明度が著しく上昇していたが、上記Qで処理した水のアオコはそのまま懸濁しており、透明度は原水と同等であった。さらに両者を1週間屋外放置したところS処理水は透明度を維持したが、Q処理水では汚濁度が高くなり、底の沈降アロフェン土層の上に暗色モヤ状堆積物が生じていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】脱臭試験装置のフローシート。
【図2】硫酸処理精製アロフェン土のアンモニア吸着率経時変化のグラフ。
【図3】硫酸処理精製アロフェン土/ゼオライト混合物のアンモニア吸着率経時変化のグラフ。
【図4】天然産腐植質アロフェン土のアンモニア吸着率経時変化のグラフ。
【図5】活性炭のアンモニア吸着率経時変化のグラフ。
【符号の説明】
3 ガス発生槽
4 ガス貯留室
6 吸着塔
Claims (5)
- (イ)天然産腐食質アロフェン土に硫酸を添加し、暗褐色から暗黒色への変色を生じさせ、
(ロ)次いでこの硫酸処理したアロフェン土を洗液がほぼ中性pHとなるまで水ですすぎ洗いする、諸工程を含む精製アロフェン土の製造方法。 - (イ)天然産腐食質アロフェン土を準備し、
(ロ)水で予備洗浄して含有有機質の少なくとも一部を洗い出して除き、またはそのような予備洗浄を行なうことなく、
(ハ)0.05%以上の濃度のH2SO4を存在させるような量の硫酸を添加し、水性スラリーとし、強く撹拌して暗褐色から暗黒色への変色を生じさせ、1時間以上放置し、
(ニ)次いでこの硫酸処理した水性スラリー混合物を洗液がほぼ中性pHとなるまで水ですすぎ洗いし、
(ホ)脱水及び/または乾燥する、諸工程を含む請求項1に記載の製造方法。 - 前記工程(ハ)において0.05%以上0.3%以下の濃度のH 2 SO 4 を存在させるような量の硫酸を添加する、請求項2に記載の製造方法。
- 請求項1から3のいずれかに記載の方法で製造された精製アロフェン土を含むことを特徴とする流体処理剤。
- さらにゼオライトを含むことを特徴とする請求項4に記載の流体処理剤。
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