JP4078533B2 - スノーボード用レール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スノーボードで滑走するためのスノーボード用レールに関する。
【0002】
【従来の技術】
スキー場においてスノーボードで滑走するために、ゲレンデかハーフパイプと呼ばれる断面U字型のコースが使用される。
【0003】
スノーボーダーは、雪上だけでなく障害物をコースに見立てて、その障害物を滑る場合がある。その1つとして、米国などの一部のスノーボーダーがパイプで形成されたレール上を滑走する競技をおこなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
レールは、金属製の円柱パイプを使用するため、レールとスノーボードとの接触面が極端に狭い。バランスを取るのが難しく、上級者でなければレール上を滑走するのは難しい。
【0005】
また、スキー場にレールを設置するときに、金属製のパイプであれば、相当な重さになり、持ち運びに苦労する。
【0006】
本発明の目的は、コース設営が簡単にでき、初心者でも滑走ができるスノーボード用レールを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のスノーボード用レールの要旨は、スノーボードが滑走する滑走用レールと、該滑走用レールを上縁に支える主レールと、を含むことにある。主レールの上端に設けられた滑走用レールをスノーボーダーが滑走することができる。
【0008】
また、本発明は、前記主レールが樹脂で形成されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記主レールに滑走用レールを複数本並列に配置したことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記主レールに溝が設けられ、該溝に滑走用レールがはめ込まれていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記主レールの高さを調節する手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係るスノーボード用レールの実施の形態について、図面を使用して説明する。
【0013】
図1に示すように、スノーボード用レール10は、主レール12と滑走用レール14が含まれる。主レール12は、樹脂で形成されている。樹脂で形成されているため、スノーボード用レール10の設営地までの持ち運びが楽である。樹脂は、アクリル樹脂などである。また、樹脂としては、発泡樹脂(発泡ウレタン)などを含み、人が乗っても大丈夫なものを使用する。
【0014】
主レール12の断面は、円弧状になっている。円弧は半円の一部であり、円弧のカーブは従来の円柱パイプと比較して緩やかになっている。例えば、曲率半径は、30cmから1mである。
【0015】
主レール12の上端には滑走用レール14が設けられる。つまり、主レール12によって滑走用レール14を支えている。滑走用レール14は鋼材で構成される。これは、樹脂と比較して、鋼材の方がスノーボードとの摩擦が少なく、滑走に適しているからである。また、スノーボードのエッジで樹脂を削ってしまい、主レール12が傷つけられるためである。さらに、鋼材の滑走用レール14によってスノーボード用レール10の強度を上げている。
【0016】
鋼材は、錆びにくいもの、または、防錆処理を施されたものが好ましい。例えば、ステンレスを使用したり、鋼材に亜鉛めっきを施す。これは、スノーボード用レール10が、スキー場などの屋外に設営され、雪によって濡れるためである。滑走用レール14が錆びてしまうと、スノーボードとレール14との摩擦が大きくなり、滑走ができなくなるためである。
【0017】
滑走用レール14は、主レール12の上端に加えて、他の位置に設けても良い。例えば、図2に示すように、主レール12の上面に平行して設ける。スノーボード用レール10が側方へカーブする位置で、上縁以外の位置に設けられた滑走用レール14上を滑走することができる。
【0018】
主レール12に溝16が設けられ、その溝16に滑走用レール14がはめ込まれている。主レール12と滑走用レール14とを面一にすることによって、滑りやすくなっている。溝16の形状は、滑走用レール14の形状に合わせる。主レール12と滑走用レール14との隙間をなくす。溝16は、主レール12を樹脂成形するときに設けてもよいし、主レール12の形成後、溝を掘って設けてもよい。また、樹脂成形するときに溝16を設ける場合、滑走用レール14も一体に成型してもよい。
【0019】
溝16の形状は、溝16の開放面よりも底面を広くすることによって、滑走用レール14が主レール12よりはずれるのを防止する。または、開放面と底面の広さを同じにしても良い。滑走用レール14にねじ穴、溝16に穴を設け、ボルトによって主レール12と滑走用レール14とを固定してもよい。
【0020】
主レール12は、雪面から任意の高さに設ける。スノーボード用レール10は、主レール12を任意の高さに設けるための手段を含む。その手段は、図3に示すように、主レール12に取り付けられる支持手段18を含む。支持手段18は、パイプ状体22の一端にコの字型の部材20が設けられたものである。主レール12の両端に溝を設け、コの字型の部材20の端部がその溝にはまりこむようにする。したがって、コの字型の部材20が主レール12からはみ出すことはなく、スノーボード用レール10から転落時に、コの字型の部材20に引っかかってけがをすることはない。
【0021】
コの字型の部材20の両端には穴が設けられている。主レール12の円弧の端部に穴を設けておく。両方の穴を一致させ、ボルトとナットで固定することによって、支持手段18と主レール12とを固定する。
【0022】
支持手段18を設置するための設置手段24を含む。設置手段24は、中が空洞のパイプ状体で構成する。設置手段24は、地面に突き刺したり埋め込んだりするため、一端を円錐形状にする。他端は、開放にする。また、他端付近に穴28を設ける。支持手段18のパイプ状体にも穴26を設ける。両方の穴26,28を一致させ、ボルトとナットで固定することによって、支持手段18と設置手段24とを固定する。支持手段18の穴26を複数にすることによって、自由に主レール12の高さをかえることができる。すなわち、支持手段18と設置手段24とによって、主レール12の高さを調節する手段となっている。
【0023】
設置手段24は、杭とほぼ同じ形状になっているため、ハンマーなどで打ち付けることによって、地面に突き刺すことができる。また、図4に示すように、パイプ状体の一端の円錐に螺旋状体30を設け、他端に棒状体32を設けても良い。一端がドリル形状になっている。棒状体32を持って、パイプ状体を地面に押し込みながら回転させることによって、パイプ状体を地面に突き刺すことができる。
【0024】
支持手段18および設置手段24は、主レール12などを支えるため、鋼材で構成するのが好ましい。鋼材は、錆びにくいものまたは防錆処理を施されたものである。
【0025】
主レール12および滑走用レール14を複数つなぎ合わせることによって、スノーボード用レール10は連続して滑走できる距離が長くなる。主レール12の端部に穴を設ける。図5に示すように、両端に穴を有する板状の継ぎ手金具34を用意する。主レール12の穴と継ぎ手金具34の穴とを一致させ、ボルト36とナットによって主レール12と継ぎ手金具34とを固定する。主レール12同士を隙間無くつなぎ合わせることによって、スノーボードでスムーズに滑走することができる。また、継ぎ手金具34によって主レール12同士を固定しているので、長期の使用による主レール12同士のずれが発生する恐れはない。
【0026】
主レール12に継ぎ手金具34がはまりこむ凹部を設ける。凹部の中に継ぎ手金具34が入るため、主レール12に対して継ぎ手金具34が出っ張ることはない。したがって、スノーボード用レール10から転落時に継ぎ手金具34に引っかかって負傷することはない。なお、ボルト36の頭には樹脂のカバーをする。または、継ぎ手金具34とボルト36を一体に形成し、ボルト36の頭が継ぎ手金具34から突出しないようにする。
【0027】
スノーボード用レール10の設置は、スキー場に設置手段24を配置する。設置手段24の一端が円錐になっているため、他端をハンマーでたたいて地面に突き刺す。地面に突き刺さった設置手段24に支持手段18を挿入する。設置手段24および支持手段18の穴26,28をあわせてボルトとナットで固定し、支持手段18の高さを調節する。支持手段18と主レール12との穴をあわせてボルトとナットで固定することによって、スノーボード用レール10の設置が完了する。なお、滑走用レール14は、予め主レール12に固定しておく。長距離のスノーボード用レール10を設置する場合、主レール12同士が接続されるようにして、上記の工程を繰り返す。
【0028】
以上のようなスノーボード用レール10を使用することによって、主レール12の断面がカーブの緩い円弧になっているため、スノーボードと滑走用レール14との接触面が広く、初心者でも滑走が可能である。また、主レール12を樹脂で構成することによって、持ち運びが楽であり、スノーボード用レール10の設置が容易にできる。
【0029】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されることはない。例えば、主レール12の断面の形状は円弧状に限定されない。例えば、図6(a),(b)に示すように、楕円形や多角形でも良い。円形や半円形以外で、スノーボードと滑走用レール14との接触面が広くなるものを主レール12として使用する。したがって、初心者でも滑走することができる。多角形の場合、平面上をスノーボードで滑走する。また、角を丸めておくことによって、けがを防止する。
【0030】
また、スノーボード用レール10を並列に並べて設置しても良い。2本の滑走用レール14上をスノーボードで滑走するので、バランス感覚を必要としない簡易なコース設計ができる。
【0031】
主レール12は継ぎ手金具34で接続したが、図7に示すように、重ね合わせても良い。上になる方の主レール12の端部をテーパー状にしておく。主レール12同士の段差を軽減し、滑走しやすくしている。また、主レール12を重ね合わせているだけであるので、スノーボード用レール10の設置の際に、支持手段18や設置手段24の設置位置が所定位置よりずれても、主レール12を設置することができる。主レール12の端部付近に複数の穴を設け、その穴のあうところでボルトとナットを使って、主レール同士を固定してもよい。
【0032】
支持手段18の任意の位置に角度を調節するための機構を設けても良い。図8のような球体のボール40、そのボール40の半分から2/3の表面を覆う半球形の殻部材42を設ける。ボール40および殻部材42はパイプ状体38の一端に設けられている。2つの殻部材42が対をなしており、ねじ(図示せず)によって連続されている。ねじをゆるめると、殻部材42はボール40から弛み、パイプ状体38同士の角度を自由に変えられる。ねじを締めると、殻部材42でボール40を締め付けるので、ボール40が固定される。殻部材42をゆるめてパイプ状体38同士の角度を所望の角度にし、その後、殻部材42でボール40を締め付けることによって、ボール40が固定され、パイプ状体38同士の角度を固定することができる。
【0033】
図8では、パイプ状体38に殻部材42とボール40を設けたが、図3に示す、パイプ状体22とコの字型の部材20に殻部材42とボール40を設けてもよい。
【0034】
図8に示す以外に、他の機構によって、角度を調節してもよい。図9に示すように、殻部材42をパイプ状体38で覆う。殻部材42同士の隙間をパイプ状体38と一体に形成する。パイプ状体38に穴を設け、その穴にボルト44を通し、ボルト44とナット46でパイプ状体38を締め付ける。殻部材42がボール40を締め付けることになり、殻部材42とボール40を固定することができる。
【0035】
また、図10(a),(b)に示すように、パイプ状体38の端部の半円形状体50を用いて角度を調節してもよい。半円形状体50の中心に穴を設け、その穴にボルト52を通し、ボルト52とナット51で2枚の半円形状体50を締め付けることによって、2本のパイプ状体38の角度を固定することができる。ボルト52をゆるめると、自由に角度を調節することができる。
【0036】
半円形状体50の代わりにパイプ状体38の端部に円盤を設け、円盤同士を締め付けたりゆるめたりして、角度を調節する構成であってもよい。
【0037】
ボールや円盤による角度調節機構によって、支持部材の角度が自由に調整できるが、この角度調節機構の数は、1個に限定されない。パイプ状体とコの字型の部材の間や、パイプ状体を分割して設ける。スノーボード用レール10のコース設計にあわせて、角度調節機構の数を変更する。
【0038】
主レール12および滑走用レール14は、直線以外に側方に向けてカーブさせたものでも良い。
【0039】
スノーボード用レール10はスキー場に設置されるため、スノーボーダーやスキーヤーがスノーボード用レール10に衝突しても安全なように、支持手段18にクッションを巻き付けても良い。また、このクッションは、スノーボーダーがスノーボード用レール10からの転落時にけがを防止する役目も果たす。その他、スノーボード用レール10において、ボルトなどの出っ張りに対して、樹脂のカバーを設けて、けがの防止を行う。
【0040】
設置手段24と支持手段18が別々になっていたが、一体に形成しても良い。高さの調節は、地面に埋め込む深さによって調節する。また、一体に形成された部材の長さを複数用意することもできる。
【0041】
主レール12は、支持手段18などによって、設置されるが、他の態様でもよい。図11に示すように、箱48の角に主レール12を配置してもよい。箱48の材質は、鉄、樹脂、木材など限定されない。箱48の幅や高さは任意である。スノーボードの滑走方向は限定されない。支持手段18などと異なり、箱48を置くだけで設置できるため、設置が簡単である。また、滑走用レール14だけを滑るのではないので、初心者でも簡単に滑走できる。
【0042】
箱48の両端の高さを変えたり、ひねったりしてもよい。箱48を並べたとき、コースをカーブさせることができる。自由なコース設計が可能となる。
【0043】
主レール12を支持手段18や設置手段24なしに、直接ゲレンデに置いてもよい。初心者が初めに練習するためのコースとなる。また、主レール12の高さを50cm以上にすることによって、主レール12だけで図11とほぼ同じ構成になる。この場合の主レール12は、図1,2,6などに示すように、円弧、楕円、多角形などの形状である。主レール12が大きくなるため、初心者でも簡単に滑ることができる。また、主レール12が大きくなっているため、滑走方向は限定されず、主レール12を斜めに乗り越えたりすることも可能になる。この場合、主レール12の一部(円弧状の場合、円弧の一端)を地面や圧雪した雪に埋めて、固定してもよいし、地面や圧雪した雪の上に直接置いてもよい。
【0044】
スノーボード用レール10は高さがあるため、滑走用レール14に飛び乗るための台を設けてもよい。台の形状は、雪面からスノーボード用レール10まで徐々に高くなるような形状である。
【0045】
設置手段を地面に埋め込む以外に、圧雪した雪に埋め込んでもよい。雪深い場所で有効である。また、主レール12に木材を用いてもよい。
【0046】
その他、本発明は、主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
【0047】
【発明の効果】
本発明に係るスノーボード用レールは、スノーボードが滑走する滑走用レールと、該滑走用レールを上縁に支える主レールとから構成されているので、この主レールを直接ゲレンデに置くだけで簡単にスノーボード用レールを構成することができ、コース設営を簡単に行なうことができる。
【0048】
また、主レールを樹脂で形成したスノーボード用レールによれば、設置のための持ち運びが楽である。
【0049】
また、主レールの上端以外にも滑走用レールを設けたスノーボード用レールによれば、主レールがカーブする位置でも、上端以外に設けられた滑走用レール上を滑走することができる。
【0050】
また、主レールに溝が設けられ、その溝に滑走用レールがはめ込まれたスノーボード用レールによれば、主レールと滑走用レールとの間に段差が無く、スノーボードでスムーズに滑走できる。
【0051】
また、主レールの高さを調節する手段を設けたスノーボード用レールによれば、スノーボード用レールのコース設計が自由に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスノーボード用レールの斜視図である。
【図2】 滑走用レールを複数設けた図である。
【図3】 スノーボード用レールに主レールを支持するための手段を設けた図である。
【図4】 設置手段の他の態様を示す図である。
【図5】 主レールを接続した場合の接続部分の図である。
【図6】 主レールの他の態様を示した図であり、(a)は楕円形であり、(b)は多角形の主レールの図である。
【図7】 主レールの他の接続方法を示す図である。
【図8】 支持手段に角度を調節するための機構を設けた場合の図である。
【図9】 図8の殻部材をパイプ状体と一体に形成した場合の図である。
【図10】 角度調節機構に円盤を用いた図であり、(a)は円盤を正面から見た図であり、(b)は(a)の側面図である。
【図11】 主レールの支持に箱を用いた図である。
【符号の説明】
10:スノーボード用レール
12:主レール
14:滑走用レール
16:溝
18:支持手段
20:コの字型の部材
22,38:パイプ状体
24:設置手段
26,28:穴
30:螺旋状体
32:棒状体
34:板状体
36,44,52:ボルト
40:ボール
42:殻部材
46,51:ナット
48:箱
50:半円形状体

Claims (2)

  1. スノーボードで滑走するためのスノーボード用レールであって、樹脂で形成され、断面が円弧状であり、該円弧状の上端に溝を有する主レールと、該主レールの溝にはめ込まれた鋼材よりなる滑走用レールと、を含み、該主レールと滑走用レールとが面一となったスノーボード用レール。
  2. 前記主レールの高さを調節する手段を設けた請求項1に記載するスノーボード用レール。
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