次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機やスロットマシン等であってもよく、表示状態が変化可能な電気的可変表示装置を有し、その電気的可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に所定の遊技価値が付与可能となる遊技機であればすべて対象となる。
図1は、遊技機の一例のパチンコ遊技機の遊技盤面を示す正面図である。パチンコ遊技機には、遊技者が打球操作するための打球操作ハンドル(図示せず)が設けられており、この打球操作ハンドルを遊技者が操作することにより、パチンコ玉を1つずつ遊技盤12の前面に形成された遊技領域13内に打込むことができる。この遊技領域13内には、図柄等からなる複数種類の識別情報を可変表示して表示状態が変化可能な電気的可変表示装置1が設けられている。そして、遊技領域13内に打込まれたパチンコ玉が始動入賞口4内に入賞すれば、その始動入賞玉が始動入賞玉検出スイッチ4aにより検出されてその検出出力に基づいて、電気的可変表示装置10が可変開始された後停止制御される。その電気的可変表示装置の停止時の表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777)となれば、可変入賞球装置50の開閉板5aが開成して打玉が入賞可能な遊技者にとって有利な第1の状態となり大当り状態が発生する。
この可変入賞球装置50は、通常時は開閉板5aが閉成して打玉が入賞不可能な遊技者にとって不利な第2の状態となっているが、大当り状態が発生すればソレノイド8が励磁されて開閉板5aが開成して入賞開口5が開放された第1の状態となる。この可変入賞球装置50の第1の状態は、所定期間(たとえば30秒間)の経過あるいは所定個数(たとえば10個)の打玉の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立したことにより終了して第2の状態となる。その入賞開口5内に入賞したパチンコ玉が特定入賞玉検出スイッチ6,入賞玉検出スイッチ7により検出され、その検出個数は入賞個数表示器9により表示される。また、第1の状態となっている可変入賞球装置50内に入賞したパチンコ玉が予め定められた特定入賞領域(Vポケット)に入賞すれば、その特定入賞玉が特定入賞玉検出スイッチ6により検出され、その回の可変入賞球装置50の第1の状態が終了するのを待って再度可変入賞球装置50を第1の状態に駆動制御する繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御の上限回数はたとえば16回と定められている。
前記電気的可変表示装置1は、液晶表示装置2により構成されており、3行×3列の合計9個の可変表示部2a〜2i有している。そして、その9個の可変表示部が一斉に可変開始した後、まず2つの可変表示部2a,2bが停止し、次に4つの可変表示部2c〜2fが停止し、次に2つの可変表示部2g,2hが停止し、最後に真ん中の可変表示部2iが停止する。そして、横方向における上段,中段,下段の3本の当りラインと縦方向における左,中,右の3本の当りラインと斜め対角線上に2本の当りラインとの合計8本の当りラインが定められており、この8本の当りラインのうちのある当りライン上で、予め定められた特定の表示態様(たとえば777)となれば、大当り状態が発生する。さらに、この9個の可変表示部のすべてが後述するフルーツ図柄となった場合にも大当り状態が発生する。
電気的可変表示装置1が可変表示中に再度パチンコ玉が始動入賞口4に入賞すれば、その始動入賞が記憶されて電気的可変表示装置1が可変停止した後再度可変開始できる状態になるまで待ってその始動入賞記憶に基づいて電気的可変表示装置1が再度可変開始される。この始動入賞記憶の上限値はたとえば「4」に定められており、現時点における始動入賞個数が始動入賞個数表示器10により表示される。
遊技領域13内には、さらに通常入賞口3a〜3eが設けられているとともに、各種の装飾ランプや装飾LED14,15,16が設けられている。遊技領域13内に打込まれたパチンコ玉がいずれの入賞領域や可変入賞球装置にも入賞しなかった場合にはアウト玉としてアウト口11から回収される。
なお、電気的可変表示装置1は、液晶表示装置を用いたものに限らず、たとえばCRTや、ドットマトリクス,LED,エレクトロルミネセンス,7セグメントLED,蛍光表示管等を用いたものであってもよい。さらに当りラインは8本に限らず、5本あるいは1本であってもよい。さらに、たとえばボクシングの試合を映像表示するものであってもよく、遊技者側のボクサーが勝てば大当り状態となるように構成してもよい。すなわち、識別情報の可変表示はスクロール表示や切換表示に限らず、かつ表示結果が導出表示された後においても引続き可変表示され続けるものであってもよい。
可変入賞球装置50の第2の状態は、打玉が入賞可能ではあるが入賞困難なものであってもよい。
図2は、電気的可変表示装置1で可変表示される複数種類の図柄の配列からなる図柄列を示す説明図である。電気的可変表示装置1により可変表示される図柄列は3グループに分かれており、図2における一番左側に示された7やフルーツ図柄や星印マークからなる図柄列は、6個の可変表示部2a〜2fにより可変表示される図柄列である。中央に示された図柄列は、2個の可変表示部2g,2hにより可変表示される図柄列である。右側に示された図柄列は、中央の1つの可変表示部2iより可変表示される図柄列である。これら図柄列は、後述する表示図柄切換制御の場合を除いて、各可変表示部により上方の図柄から順次下方の図柄のものがスクロール表示され、各図柄列の一番下側に最後の図柄が可変表示された次には各図柄列の一番上の図柄(図面では7)が表示され、これら各図柄列が巡回して可変表示される。そして、各図柄表示部の可変表示が停止し、いずれかの当りライン上において777が揃うか、あるいはすべての可変表示部においてフルーツ図柄が表示された場合に、前述した大当りが発生する。なお、星印マークの図柄の場合には、たとえいずれかの当りライン上において3つ揃ったとしても大当りは発生しない。
図2の左側の00〜14はソフト上のシンボルナンバーのコードであり、各図柄に割り振られており、16進数で示されている。さらに、各図柄は、各可変表示部2a〜2iにおいて液晶表示装置のドットにより表示され、7やフルーツ図柄の場合には64ドット(1図柄)で表示され、星印マークの図柄はその1/2図柄からなる32ドットで表示される。ゆえに、図2の一番左側に示された図柄列の場合には、64×6+32×3=480ドットとなる。中央の図柄列と右側の図柄列との場合には、64×6+32×15=864ドットとなる。このように、はずれ図柄を小さくすることにより、当たり図柄がわかりやすくなるとともに、図柄例の1周期の長さ(ドット数)を短くできる効果がある。
図3は、電気的可変表示装置の各可変表示部によって表示される可変停止時の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合を示した表示画面図である。図3の一番左上に示された画面図では、各可変表示部2a〜2iにより「7」が表示結果として導出表示されている。この場合にはすべての可変表示部2a〜2iを枠で囲む表示が行なわれる。その下の表示画面図においては、横方向上段の当りライン上において「777」が揃った状態が示されている。そして、「777」がそろった可変表示部2a,2b,2gを枠で囲む表示が行なわれる。その下の表示画面図においては、縦方向左側の当りラインにおいて「777」が揃った状態とそれを枠で囲んだ状態が示されている。その下の表示画面図においては、左上から右下に向かう斜め方向に「777」が揃った状態とそれを枠で囲んだ状態が示されている。その下の表示画面図においては、横方向中段の当りラインにおいて「777」が揃った状態とそれを枠で囲んだ状態が示されている。図3の右上の表示画面図においては、縦方向中央の当りライン上において「777」が揃った状態とそれを枠で囲んだ状態が示されている。その下の表示画面図においては、左下から右上に向かう斜めの当りライン上において「777」が揃った状態とそれを枠で囲んだ状態が示されている。その下の表示画面図においては、横方向下段の当りライン上において「777」が揃った状態とそれを枠で囲んだ状態が示されている。その下の表示画面図においては、縦方向右側の当りライン上において「777」が揃った状態とそれを枠で囲んだ状態が示されている。その下の表示画面図においては、すべての可変表示部2a〜2iにおいてフルーツ図柄が揃った状態とすべての可変表示部2a〜2iを枠で囲んだ状態が示されている。
この図3には大当り状態が発生する特定の表示態様が10種類示されているが、この10種類の表示態様のいずれが揃ったとしても、前述したように可変入賞球装置50の第1の状態への駆動制御の態様は同じである。また、この図3に示された特定の表示態様の他の例としては、たとえば、横方向上段と左上から右下へ向かう斜め方向との2本の当りライン上において共に「777」が揃ったり、あるいは斜め対角線上の2本と横方向1本または縦方向1本の合計3本の当りライン上において「777」が揃う場合がある。このような場合においても、付与される遊技価値としての可変入賞球装置50の第1の状態への駆動制御の態様は同じである。
図3のたとえば右上端に示された表示画面図においては、可変表示部2aや2eに、星印マークの図柄が中央に示されており、その上下にフルーツ図柄の一部が示されている。これは、図2で説明したように、星印マークの図柄はいくら当りライン上に3つ揃ったとしても大当り状態にはならない外れ図柄であるために、電気的可変表示装置の表示結果が外れ図柄となった場合にこの星印マークの図柄を見た遊技者があまり不愉快に感じないようにするために極力ズーム縮小して表示した結果、この星印マークの外れ図柄の前後の図柄が1つの可変表示部2a,2eに一部入り込んでしまったのである。この前後の図柄の一部が1つの可変表示部に入り込んだ原因が、外れ図柄のズーム縮小表示であるために、この一部入り混んだ図柄の種類までは必ずしも遊技者が認識できる必要はない。たとえば、図2に示された左側の図柄表示列の上から4番目にはオレンジのフルーツ図柄がまるごと表示されており、一方、右側に示された図柄表示列の上から12番目にはスライスされたオレンジのフルーツ図柄が示されており、これらフルーツ図柄の下方の一部分がある可変表示部に入り込んだ形で示された場合には、まるごとオレンジのフルーツ図柄かスライスオレンジのフルーツ図柄かの区別はつかないのである。
一方、図3の表示画面図は、電気的可変表示装置1の可変停止時の表示結果を示したものであるが、可変表示中においては、前述したように、図2に示された図柄列が各可変表示部において順次スクロール表示されるために、各可変表示部2a〜2iにおいては、1つまたは2つまたは3つの図柄(図柄の一部を含む)が可変表示される状態となる。
図4は、電気的可変表示装置1の当りラインと図柄との配置関係を説明するための説明図である。電気的可変表示装置1は、前述したように、3行×3列の合計9個の可変表示部2a〜2iを有しており、それぞれの可変表示部により、図示するように、図柄1〜図柄9の9個の図柄が可変表示される。そして、横方向3行と縦方向3列と斜め対角線上に2本の合計8本の当りライン1〜8(図面丸枠数字1〜8)が定められており、この8本の当りライン1〜8のうちの少なくともいずれか1つの当りライン上において、「777」の図柄のぞろめが揃うか、あるいは、すべての可変表示部2a〜2iの表示結果がすべてフルーツ図柄である場合には、大当り状態が発生する。
図5は、大当りが発生する電気的可変表示装置1の表示結果の表示態様の種類を示した表を表わす図である。この図の左上に示された「C RND LINE」は、後述の当り図柄決定用のカウンタであり、0から順次カウントアップして上限である85までカウントアップした後再度0から繰返しカウントアップするものである。そして、所定のタイミングでこのC RND LINEの値が読出され、そのときの値は「C RND LINE」の下の列に示された複数の値の中のいずれかに該当すれば、その該当する欄の右に示された当りライン上に「777」が停止表示されるように制御される。たとえば、C RND LINEのカウント値が「24」であった場合には、図4に示した1の当りライン上に「777」が揃うように制御される。また、C RND LINEのカウント値が「85」であった場合には、図4に示した8の当りライン上に「777」が揃うように制御される。さらに、C RND LINEのカウント値が「7」であった場合には、すべての可変表示部2a〜2iにフルーツ図柄が表示されるように制御される。図5に示したように、電気的可変表示装置1の大当りが発生する表示結果は、9種類存在する。
図6は、パチンコ遊技機に用いられる制御回路を示すブロック図である。パチンコ遊技機の制御回路は、各種機器を制御するためのプログラムに従って遊技機制御を行なうための基本回路24と、始動入賞玉検出スイッチ4aと特定入賞玉検出スイッチ6と入賞玉検出スイッチ7とからの検出信号をメイン基本回路24に与えるためのスイッチ回路22と、メイン基本回路24の指令に従ってソレノイド8を駆動するソレノイド回路26と、メイン基本回路24から与えられるデータに従って、大当りが発生した旨を示す大当り情報や電気的可変表示装置1の可変表示に利用された始動入賞玉の個数を表わす有効始動情報をホストコンピュータであるホール用管理コンピュータ等に対して出力する情報出力回路28と、メイン基本回路24から与えられるデータに従って始動記憶数表示器10とV表示LED17と入賞個数表示器9と各種装飾用のランプやLED16とを駆動するためのLED回路23とを含む。さらに、制御回路には、基本回路24からの可変表示制御指令信号に従って電気的可変表示装置1を構成する液晶表示装置2に対し可変表示制御信号を与える液晶表示回路25が設けられている。また液晶表示装置2は、電気的可変表示装置1により表示される図柄データ等を記憶しているROM35と、RAM36と、液晶表示装置2の表示制御を司るサブCPU34とが設けられている。さらに、基本回路24には、制御用プログラム等を記憶しているROM31と、そのプログラムに従って制御動作を行なうためのCPU30と、RAM32と、I/Oポート33さらにはクロック発生回路(図示せず)とが設けられている。
メイン基本回路24には、電源投入時にメイン基本回路24をリセットするための初期リセット回路19と、メイン基本回路24に対し定期的(たとえば2msec毎)にリセットパルスを与え、所定のゲーム制御用プログラムを先頭から繰返し実行するための定期リセット回路20と、メイン基本回路24から与えられるアドレス信号をデコードし、メイン基本回路24内に含まれるROM31,RAM32,I/Oポート33等のいずれか1つを選択するための信号を出力するためのアドレスデコード回路18と、メイン基本回路24から与えられる音データに従ってスピーカ(図示せず)を駆動し、効果音等を発生させるための音発生,増幅回路21とが接続されている。さらに、パチンコ遊技機の制御回路には、AC24Vの交流電源に接続され、複数種類の直流の電圧を発生させる電源回路29が含まれている。
図7ないし図10は、時間の変化に伴う各可変表示部2a〜2iの制御の状態を示すタイミングチャートである。
パチンコ玉が始動入賞口4に入賞して始動入賞玉検出スイッチ4aにより検出されれば、図7の左上に示すように、その検出パルスがONとなって基本回路24に入力される。その検出パルスの立上がりのタイミングに従って、後述するように、基本回路24は、C RNDの値の抽出および格納を行なうとともに、C
RND ZU1〜ZU9の値の抽出を行なう。このC RNDは、後述するように、当りはずれ決定用のカウンタであり、0からカウントアップしてその上限である239までカウントアップし、その次に再度0からカウントアップし直すものである。C RND ZU1〜ZU9は、後述するように、はずれ図柄決定用のカウンタであり、ZU1〜ZU9の9種類のカウンタが設けられており、後述するようにZU1〜ZU6の6個のはずれ図柄用のカウンタの場合には、0からカウントアップしてその上限である8までカウントアップし、その次に再度0からカウントアップし直すものである。ZU7〜ZU9の3つのカウンタは、0からカウントアップしてその上限である20までカウントアップし、その次に再度0からカウントアップし直しものである。これらのC RND ZU1〜ZU9のカウント値が、図2に示したソフト上のシンボルに相当し、カウント値がそのままソフト上のシンボルとなりそのソフト上のシンボルに相当する図柄が該当する可変表示部2a〜2iで停止表示されるように制御される。
始動入賞玉検出パルスの立下がりのタイミング(立上がり時点より0.002秒後)で、既に格納されているC RNDの値の読出動作が行なわれるとともに、この読出された値が予め定められた大当りに該当する値「4」であった場合には、C RND LINEの値の抽出動作が行なわれる。
始動入賞玉検出パルスの立上がりから0.004〜0.022秒の後に、すべての可変表示部(特別図柄)2a〜2iが一斉に変動を開始する。そして、複数の可変表示部が停止時期を異ならせて停止制御されている最中に既に停止している可変表示部の表示結果が大当りが発生する予め定められた特定の識別情報となる条件を満たしている場合(以下リーチ状態という)が図8ないし図10に示されており、図7はリーチ状態が発生しない通常状態を示している。この通常状態の場合には、可変表示部(特別図柄)2a,2bが、可変表示開始後4.400秒(6600ドット変動するのに要する時間)変動した後、C RND ZU1,2あるいはC RND LINEの抽出値に従って事前決定された図柄(以下予定停止図柄という)の512ドット手前の図柄データがセットされてそのセットされた図柄データを表示する制御が行なわれる。そして、図7に示すように、0.700秒(512ドット変動するのに要する時間)だけ可変表示部2a,2bの変動を続行させた後その可変表示部2a,2bを停止させる。その結果、前述した予定停止図柄まで変動した状態で可変表示部2a,2bが停止することとなり、可変表示部2a,2bにより予定停止図柄が停止表示されることとなる。
このように、可変表示部2a,2bの可変表示が停止間近になった時点で予定停止図柄の少し手前の図柄を表示する図柄切換表示制御が行なわれる。
可変表示部2c〜2fの場合にも、可変開始してから5.100秒(7650ドット分変動するのに要する時間)変動した後、前述した表示図柄切換制御が行なわれ、その後0.700秒可変表示が続行されて停止される。可変表示部2e,2hも同様に、5.800秒(8700ドット分変動するのに要する時間)可変表示された後前述した表示図柄切換制御が行なわれる。可変表示部2iの場合も、6.500秒(9750ドット分変動するのに要する時間)可変表示された後前述した表示図柄切換制御が行なわれる。
このように、表示図柄切換制御を行なう理由は、各可変表示部が可変開始されてからそれぞれに定められた一定時間が経過した段階で停止されるのであるが、実際に停止する予定停止図柄は順次カウンタ(C RND ZU1〜ZU9)の抽出値次第でランダムに決定されるために、図柄切換表示制御を行なわない場合にはその決定された予定停止図柄のところまで可変表示させた後停止させざるを得ず、その予定停止図柄のところまで可変表示させるのに要する時間がランダムとなり、可変開始してから実際に停止するまでの可変表示時間がランダムとなってしまうのであり、そのような可変表示時間の不規則性を排除するために、途中で表示図柄切換制御を行なうのである。
図8は、可変表示部(特別図柄)2iの停止時の表示図柄次第では大当りが発生するというリーチ状態が生ずる場合の動作を示したタイミングチャートである。可変表示部2a〜2hについては、図7で説明した制御動作と同様である。そして、可変表示部2iについては、可変開始されてから6.500秒(9750ドット分変動するのに要する時間)可変表示した後、図柄切換表示制御が行なわれる。この表示図柄切換制御は、ソフト上のシンボル00の図柄すなわち図2に従えば「7」の図柄データがセットされてその図柄が表示される。その後、可変表示部2iの可変表示速度が徐々に遅くなって遊技者がはっきり視認できる程度の速度となり、そのゆっくりとした可変表示を比較的長い時間続行させた後、C
RND ZU9の抽出値に応じた図柄あるいは当りの場合には「7」やフルーツ図柄が可変表示された瞬間停止制御する。この表示図柄切換制御が行なわれてから実際に可変表示が停止するまでの時間は、予定停止図柄の種類次第で異なるのであり、7.958〜11.334秒(2272〜3088ドット分変動する時間)となる。
図9は、通常状態では同時に可変停止する2つの可変表示部2g,2hのうちの一方の可変表示部の停止図柄次第では大当りが発生するというリーチ状態の場合を示している。この図9の場合には、可変表示部2a〜2fの制御動作については図7と全く同様である。そして、可変表示部2g,2hにおいては、5.800秒(8700ドット分変動するのに要する時間)可変表示が行なわれた時点で表示図柄切換制御がなされ、ともにソフト上のシンボル00すなわち「7」の図柄データがセットされてその図柄が表示される。そして、徐々に可変表示速度が遅くなり、遊技者が十分に視認できる程度の速度となり、その後、リーチの対象となっていない可変表示部(たとえば2g)の方は、C RND ZU7の抽出値に従った予定停止図柄が可変表示された瞬間停止する。その図柄切換表示制御が行なわれてから実際に停止するまでの時間は、0.733〜4.109秒(544〜1360ドット分変動するのに要する時間)である。一方、リーチの対象となる図柄である可変表示部(たとえば2h)の方は、C RND ZU8の抽出値あるいは大当りのときにはC RND LINEの抽出値に従った「7」からなる予定停止図柄が可変表示された瞬間停止する。その表示図柄切換制御から実際に可変表示が停止するまでの時間は、可変表示部2gの場合よりも長い7.958〜11.334秒(2272〜3088ドット分変動するのに要する時間)である。可変表示部2iは、可変開始してから表示図柄切換制御が行なわれるまでの時間が13.758〜17.134秒(20637〜25701ドット分変動するのに要する時間)となっている。これは、可変表示部2g,2hのうちのリーチにかかわる可変表示部の停止時期(不規則)に表示図柄切換制御時期を合わせたためである。
図10は、2つの可変表示部(2gまたは2hのうち少なくとも一方と2i)との停止時の表示図柄次第では大当りが発生するという2箇所でリーチ状態が発生したいわゆるダブルリーチの場合の制御動作を示している。たとえば、図4に示す3と2との2本の当りライン上において同時にリーチ状態が発生した場合である。この場合には、可変表示部2a〜2fの可変表示制御に関しては図7と全く同じである。そして、可変表示部2g,2hについては、図9の可変表示制御と全く同じである。可変表示部2iについては、可変開始されてから13.758〜17.134秒(20637〜25701ドット分変動するのに要する時間)可変表示した後表示図柄切換制御が行なわれる。この表示図柄切換制御により、ソフト上のシンボル00すなわち「7」の図柄データがセットされてその図柄が表示される。そして、C RND ZU9の抽出値に従った図柄あるいは当りの場合にはC RND LINEの抽出値に従った「7」からなる予定停止図柄が可変表示された瞬間停止制御される。この表示図柄切換制御が行なわれてから実際に図柄が停止するまでの時間は、7.958〜11.334秒(2272〜3088ドット分変動するのに要する時間)である。
なお、図8に示した可変表示部2i,図9に示した可変表示部2g,2h,図10に示した可変表示部2g,2h,2iにおける表示図柄切換制御は、ソフト上のシンボル00すなわち「7」の図柄データをセットするのに代えて、ソフト上のシンボル00の8図柄手前の図柄データをセットし、その表示図柄切換制御が行なわれてから可変表示部の可変速度が徐々に遅くなってちょうど遊技者が視認できる程度の速度となったときにソフト上のシンボル00すなわち「7」の図柄が可変表示される状態となるように制御してもよい。後述するフローチャートに示したプログラム制御では、ソフト上のシンボル00よりも8図柄手前の図柄データをセットする図柄切換表示制御の例が示されている。
図11ないし図24は、基本回路24のROM31に記憶されているプログラムのフローチャートを示す図である。
図11(a)はメインプログラムのフローチャートであり、前述のようにたとえば2msec毎に1回実行される。この実行は、図6に示した定期リセット回路20が2msec毎に1回発生するリセットパルスに応答して開始される。まずステップS(単にSという)1により、スタックセット処理がなされ、S2によりRAMエラーがあったか否かの判断が行なわれる。この判断は、図6のRAM32の所定アドレスの内容を読出し、その値が所定の値と等しいか否かを調べることにより行なわれる。プログラムの暴走時や電源投入直後には、RAM32の格納データは不定であるため、この判断の答えはNOとなって制御はS3に進む。S3においては、RAM32の所定アドレスに初期データが書込まれる。そして前記定期リセット回路20からのリセット信号が入力されるのを待つリセット待ち状態となる。リセット信号が入力されると再度S1からの処理が行なわれ、以降このメインルーチンの実行時には、S2によりYESの判断がなされ、制御は直接S4に進む。
S4では、基本回路24から液晶表示回路25に表示用の指令データであるLCDデータを転送する処理が行なわれる。次にS5に進み、10カウントスイッチ入賞判定処理がなされ、可変入賞球装置内に入賞した入賞玉が10カウントスイッチに検出されてその検出信号が入力されたことが判定される。次にS6に進み、特定領域スイッチ入賞判定処理が行なわれ、可変入賞球装置内に入賞したパチンコ玉が特定入賞領域に入賞して特定入賞玉検出スイッチにより検出されたその検出出力があったことが判定される。次にS7に進み、始動口スイッチ入賞判定がなされ、パチンコ玉が始動入賞口4に入賞して始動入賞玉検出スイッチ4aにより検出された場合にその検出信号があったことが判定される。次にS8に進み、当りはずれ決定用乱数作成処理がなされ、S9により、表示用乱数作成1処理がなされる。次にS10に進み、LED出力処理がなされ、装飾用LED16を表示制御するための出力処理がなされる。次にS11に進み、LCD制御処理がなされる。このS11の処理により、図32に示した割込処理を行なうための指令信号である割込信号をOFFにする制御がなされる。
次に、S12に進み、スイッチ異常があったか否かの判断がなされ、後述するS16のスイッチ異常チェック処理に関し入賞玉検出スイッチの異常があった場合には直接S14に進むが、なかった場合にはS13に進み、プロセス処理が行なわれた後にS14に進む。このプロセス処理は、後述する図13(b)に示す処理であり、パチンコ遊技機を遊技状態に応じて所望の順序で制御するためのプロセスフラグに従ってそのプロセスフラグに該当する制御を選び出して実行するための処理である。次にS14により、音制御処理が行なわれ、スピーカから所定の音を発生させるための制御が行なわれる。次にS15に進み、ランプ,ソレノイド制御処理がなされ、装飾用ランプ16や可変入賞球装置を第1の状態に駆動するためのソレノイド26が制御され、S16に進み、スイッチ異常チェック処理がなされ、この処理の結果が前記S12により判定される。そしてS17に進み、S1ないしS16の処理が終了した後に残っているリセット待ち時間を利用して表示用乱数作成2処理が繰返し実行される。この繰返し実行の最中に、定期リセット回路20(図6参照)からのリセット信号が入力されてくれば再びS1の処理が実行される。
次に、図11(b)には、前記S8に示された当りはずれ決定用乱数作成処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートが示されている。まずS18により、当りはずれ決定用のカウンタであるC RNDを「1」加算する処理が成され、S19により、そのC RNDの値が240以上であるか否かの判断がなされ、240未満であればS9の表示用乱数作成1処理へ移行する。一方、C
RNDの値が240以上である場合にはS20に進み、C RNDの値がクリアされる。これにより、リセット信号が入力される毎すなわち2msec毎に1回C RNDの値が「1」加算され、その値が240に達すればクリアされて再び「0」から加算される状態となる。
次に、図11(c)には、前記S9に示した表示用乱数作成1処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートが示されている。まずS21により、はずれ図柄決定用のカウンタであるC RND ZU7を「1」加算する処理がなされ、S22により、その加算値が「21」以上になったか否かの判断がなされ、なっていない場合にはそのままS24に進むが、なっている場合にはS23に進み、C RND ZU7の値をクリアする処理がなされる。次にS24では、C
RND ZU8を「1」加算する処理がなされ、S25では、その加算値が「21」以上になったか否かの判断がなされ、なっていない場合にはそのままS27に進むが、なっている場合にはS26によりC RND ZU8の値をクリアする処理がなされる。次にS27では、C RND ZU9を「1」加算する処理がなされ、S28により、その加算値が「21」以上になっているか否かの判断がなされ、以上になっていない場合にはS10に進むが、以上になっている場合にはS29によりクリア処理がなされる。
図12は、前記S17に示した表示用乱数作成2処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まずS30により、当り図柄決定用のカウンタであるC RND LINEを「1」加算する処理がなされ、S31により、その加算値が「86」以上になったか否かの判断がなされ、以上になっていない場合にはS33に進むが、以上になっている場合にはS32によりそのC RND
LINEの値をクリアして0にする処理がなされる。これにより、C RND
LINEは、リセット待ち時間を利用してS17により繰返し「1」ずつ加算されて上限値である85まで加算され、それを超えた段階で再度0から加算されるようになる。
次にS33に進み、C RND ZU1を「8」加算する処理がなされ、S34により、その加算値が「9」以上になったか否かの判断がなされ、なっていない場合にはS42に進むが、なっている場合にはS35により、C RND ZU1の値を「9」減算する処理がなされてS36に進む。その結果、C RND
ZU1は、リセット待ち時間を利用して「8」ずつ加算され、その加算値が「9」以上となればその値から9を減算した値に更新され、その更新された値に対し再度「8」が加算される動作が繰返し実行される。
次にS36では、C RND ZU4を「1」加算する処理がなされ、その後S37によりその加算値が「9」以上であるか否かの判断がなされ、以上でない場合にはS42に進むが、以上の場合にはS38に進み、C RND ZU4の値をクリアする処理がなされる。その結果、C RND ZU4は、リセット待ち時間を利用して前記S17の処理が行なわれた結果C RND ZU1の値が「9」を超えるたびに「1」ずつ加算されてその上限値である「8」まで達し、それを超えると再度0から加算される状態となる。次にS39により、C RND ZU7に「1」が加算され、S40により、その加算値が「21」以上となったか否かの判断がなされ、以上でない場合にはS42に進むが、以上の場合にはS41に進みその値がクリアされて0となる。その結果、C RND ZU7は、前記C RND ZU4が「9」を超えるたびに「1」ずつ加算されるとともに前記S21により2msec毎に「1」ずつ加算されてその上限値である20まで加算され、それを超えると再度0から加算される状態となる。
次にS42では、C RND ZU2に対し「7」を加算する処理が行なわれ、S43により、その加算値が「9」以上であるか否かの判断がなされ、以上でない場合にはS46に進むが、以上となった場合にはS44により、その加算値から「9」を減算する処理が行なわれる。その結果、C RND ZU2は、リセット待ち時間を利用してS17の処理が行なわれるごとに「7」ずつ加算されて「9」を超えれば9を減算した値に更新され、その更新された値に対し再度「7」を加算する状態となる。次にS45では、C RND ZU5に対し「1」を加算する処理が行なわれ、S46によりその加算値が「9」以上となった否かの判断がなされ、なっていない場合にはS51に進むが、なっている場合にはS47によりその加算値をクリアする処理がなされる。その結果、C RND ZU5は、C RND ZU2の値が「9」以上となるたびに「1」ずつ加算されてその上限値である「8」まで加算され、それを超えるとクリアされて再度0から加算される状態となる。
次にS48により、C RND ZU8を「1」ずつ加算する処理が行なわれ、S49によりその加算値が「21」以上であるか否かの判断がなされ、以上でない場合にはS51に進むが、以上となった場合にはS50に進み、その加算値をクリアして0にする処理が行なわれる。その結果、C RND ZU8は、リセット待ち時間を利用してS17が実行されてC RND ZU5の値が「9」以上となるごとに「1」加算されるとともにS24により2msec毎に「1」ずつ加算されてその上限値である「20」まで加算され、それを超えるとクリアされて再度0から加算される状態となる。
S51では、C RND ZU3に対し「5」を加算する処理がなされ、S52により、その加算値が「9」以上となったか否かの判断がなされ、以上となっていない場合にはS30に戻るが、以上となっている場合にはS53に進み、その加算値から「9」を減算する処理がなされた後S54に進む。その結果、C
RND ZU3は、リセット待ち時間を利用してS17が実行されるごとに「5」ずつ加算されてその加算値が「9」を超える場合には9を減算した値に更新され、その更新された値に対し再度加算する状態となる。次に54では、C RND ZU6を「1」加算する処理がなされ、S55により、その加算値が「9」以上であるか否かの判断がなされ、以上でない場合にはS30に戻るが、以上の場合にはS56に進み、C RND ZU6をクリアして0にする処理がなされる。その結果、C RND ZU6は、リセット待ち時間を利用してS17が実行されるごとに「1」ずつ加算されてその上限値である「8」まで達し、それを超えると再度0から加算される状態となる。
次にS57に進み、C RND ZU9を「1」加算する処理がなされ、S58により、その加算値が「21」以上となったか否かの判断がなされ、以上となっていない場合にはS30に戻るが、以上となっている場合にはS59によりその加算値をクリアした後S30に戻る。その結果、C RND ZU9は、C
RND ZU6の値が「9」以上となるごとに「1」ずつ加算されるとともにS27により2msec毎に1回「1」ずつ加算されて、その上限値である「20」まで加算され、それを超えると再度0から加算される状態となる。
図13(a)は、前記S7に示した始動口スイッチ入賞判定処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まずS60により、始動口スイッチがON判定タイミングとなったか否かの判断がなされ、なっていない場合にはそのままサブルーチンプログラムが終了する。一方、始動入賞玉検出スイッチ(始動口スイッチ)4aからの検出信号が入力されてS60によりYESの判断がなされた場合にS61に進み、スイッチ異常があったか否かの判断がなされる。このスイッチ異常の判断は、各スイッチ4a,6,7について断線、ショート、玉詰り等が発生していないか否か、具体的にはI/Oポートからの入力状態が所定時間を越えてON状態になっていないか否かあるいは可変入賞球装置50の1回の開放において入賞個数「0」にならなかったか否か等に基づいて行なわれる。そして検出異常があった場合にはそのままサブルーチンプログラムが終了するが、ない場合にはS62に進み、始動入賞記憶カウンタの値が「4」よりも大きいか否かの判断がなされ、大きい場合にはそのままサブルーチンプログラムが終了する。この始動入賞記憶カウンタは、始動入賞口4に入賞した始動入賞玉の個数を記憶しておくためのカウンタであり、S64により「1」ずつ加算される。そして、そのカウンタの値が「4」以下である場合にはまだ記憶可能であるために、S63に進み、始動入賞記憶カウンタの値に対応するアドレスにC RNDの値を格納するとともに、S64により始動入賞記憶カウンタの値を「1」加算する処理が行なわれる。その結果、パチンコ玉が始動入賞するごとにその始動入賞に伴って抽出されたC RNDの抽出値が古い順に格納される。
図13(b)は前記S13に示されたプロセス処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まずS65により、プロセスフラグの値をアドレス変換し、S66により、その変換されたアドレスに制御をジャンプさせる動作が行なわれ、サブルーチンプログラムが終了する。このプロセスフラグの値は、後述するように、遊技状態に応じて要所要所のステップ箇所で値が加算されたり更新されたりし、そのプロセスフラグの値に対応するアドレス部分に記憶されている制御用プログラムに制御がジャンプするのである。その結果、遊技状態に応じた所望の制御順序に従ってパチンコ遊技機が制御される状態となる。このプロセスフラグの値とそれに応じた遊技機制御の内容が(b)に示されている。このプロセスフラグの値は16進数で示されており、たとえば、00Hの場合には通常処理がなされ、01Hの場合には乱数チェック処理がなされ、02Hの場合にはフルーツ図柄チェック処理がなされる。
図14(a)は、プロセスプラグが00Hのときに実行される通常処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まずS67により、始動入賞記憶カウンタが「0」であるか否かの判断がなされ、始動入賞玉が全く発生していない場合には「0」であるためにS68に進み、プロセスタイマが作動中であるか否かの判断がなされる。このプロセスタイマは、後述するS205またはS256によりセットされたタイマであり、そのプロセスタイマが終了した段階でS69によりデモ表示用図柄のセットが行なわれる。このデモ表示用の図柄とは、パチンコ玉が始動入賞口4aに入賞する以前において電気的可変表示装置1に表示されているデモンストレーションとしての表示であり、遊技には全く関係のない表示である。
一方、始動入賞記憶カウンタの値が「0」でない場合にはS70に進み、大当りフラグとライン大当り枠フラグとフルーツ大当り枠フラグとD COM6と開放回数カウンタと入賞個数カウンタとがクリアされる処理が行なわれる。この大当りフラグは、C RNDの抽出値が「4」であった場合に大当りが発生することが事前決定されてその大当りを発生することが事前決定された旨を記憶するためのフラグであり、後述するS76によりセットされる。ライン大当り枠フラグは、ある大当りライン上において「777」が揃うことが事前決定された場合にその大当りライン上に存在する可変表示部の表示領域を枠で囲んで遊技者に示すためのフラグであり、後述するS103によりセットされる。フルーツ大当り枠フラグは、すべての可変表示部2a〜2iにおいてフルーツ図柄が揃うことが事前決定された場合にすべての可変表示部を枠で囲んで遊技者に示すためのフラグであり、後述するS91によりセットされる。D COM6は、ライン大当り枠フラグデータとラインリーチ枠フラグデータとを記憶して液晶表示回路25側にコマンドデータとして出力するためのデータ記憶領域であり、後述するS83,S138,S145,S166,S169,S190,S218によりそれぞれのデータがセットされる。なお、ラインリーチ枠フラグとは、ある当りライン上においてリーチが成立する場合にそのリーチが成立するライン上の可変表示部の表示領域を枠で囲んで遊技者に示すためのフラグであり、後述するS95によりセットされる。開放回数カウンタとは、可変入賞球装置が繰返し第1の状態となる繰返し回数を計数するためのものであり、後述するS243により加算更新される。
次にS71により、C RND ZU1,2をD COM1にセットし、C
RND ZU3,4をD COM2にセットし、C RND ZU5,6をD
COM3にセットし、C RND ZU7をD COM7にセットし、C RND ZU8をD COM4にセットし、C RND ZU9をD COM5にセットする処理が行なわれる。このD COM1〜7は、各予定停止図柄のソフト上のシンボル(図柄)ナンバーである各C RND ZU1〜9の抽出値を記憶して液晶表示回路25に送信するための記憶領域である。次にS72により、プロセスフラグを「1」加算する処理が行なわれてサブルーチンプログラムが終了する。その結果、プロセスフラグの値は「01H」となり、次回の実行に際しては乱数チェック処理のサブルーチンプログラムが行なわれる。
乱数チェック処理のサブルーチンプログラムは図15(a)に示されている。まずS73により、表示プロセスフラグを「12H」にする処理が行なわれる。この表示プロセスフラグとは、電気的可変表示装置1を所望の順序に従って表示制御するためのフラグであり、図27(c)にその内容が示されている。表示プロセスフラグがセットされるとD COM Oに一旦記憶された後サブCPU34に送信され、サブCPU34では後述するように、送られてきた表示プロセスフラグの種類に従って電気的可変表示装置1の表示制御を行なう。なお、12Hの場合には全リール回転開始の制御が行なわれる。S74に進み、入賞記憶カウンタ0に対応するアドレスに格納されている乱数値を読出す処理が行なわれる。この入賞記憶カウンタは、パチンコ玉の始動入賞を古い始動入賞から順に記憶しているものであり、始動入賞ごとに抽出されたC RNDの値が古い順に記憶されている(S63参照)。そして一番古い記憶領域である入賞記憶カウンタ0に対応するアドレスに格納されているC RNDの抽出値(乱数値)が読出される。そしてその読出された値がS75により「4」に等しいか否かの判断が行なわれ、等しい場合には大当りを発生させることを事前に決定するS76以降の処理が行なわれ、等しくない場合にはS81以降の処理が行なわれて、はずれにすることが事前に決定される。乱数値=4と判断された場合にはS76により、大当りフラグがセットされ、次にS77によりC RND LINEの値を読出し、その値に応じて大当りラインを決定する処理が行なわれる。C RND LINEの値に応じた大当りラインは、図5のように定められており、この図5に従って大当りラインが決定される。次にS78に進み、フルーツ大当りとなるように決定されたか否かの判断がなされる。C RND LINEの値が、7,15,23,31,39,47,55の場合にはフルーツ大当りと決定され(図5参照)、その場合にはS79に進み、フルーツ図柄をセットする処理が行なわれる。一方、フルーツ大当りと決定されなかった場合には、S80に進み、決定された大当りラインに「7」が揃うようにD COM1〜5に「7」の図柄データをセットする処理が行なわれる。次にS81では、入賞記憶カウンタ0に対応するアドレスに格納されている乱数値をクリアする処理が行なわれる。次にS82に進み、プロセスフラグを「1」加算する処理が行なわれる。
S79に示されたフルーツ図柄セットのサブルーチンプログラムは図15(b)に示されている。S83により、D COM1〜3のD0,D4をともに1にし、D COM4,5,7のD0,D1をともに1にする処理が行なわれる。D
COMは8ビットで構成されており、図24に示すようにそれぞれのビットに予定停止図柄のナンバー等が記憶される。そして、図24の図柄1が可変表示部2a、図柄2が可変表示部2b、図柄3が可変表示部2c、図柄4が可変表示部2d、図柄5が可変表示部2e、図柄6が可変表示部2f、図柄7が可変表示部2g、図柄8が可変表示部2h、図柄9が可変表示部2iに対応している。S83のD0は、D COMの最下位ビットを意味し、D1は最下位ビットよりも1つ上の位のビットを意味し、D4は最下位ビットよりも4つ上の位のビットを意味している。S83の処理の結果、D COM1〜3のD0,D4が1になった結果、図柄1〜図柄6に記憶される図柄ナンバーが奇数に限定される状態となる。その結果、図2の一番左の図柄列に示されているように、ソフト上のシンボルナンバーが01,03,05,07の奇数番目の図柄データすなわちフルーツ図柄データが予定停止図柄となる。一方、D COM4,5,7のD0,D1が1にセットされた結果、図柄7〜9の停止図柄ナンバーが03,07,0B,0F,13のいずれかとなるために、図2に示すように、中央と右の図柄列に示すフルーツ図柄のいずれかが予定停止図柄とされる。
S82によりプロセスフラグが「1」加算された結果、プロセスフラグの値が「02H」となり、その結果、フルーツ図柄チェック処理のサブルーチンプログラムが実行されることになる。
フルーツ図柄チェック処理のサブルーチンプログラムは図15(c)に示されている。まずS84により、表示プロセスフラグを「12H」すなわち全リール回転開始にセットする処理か行なわれる。この表示プロセスフラグの値は、図24に示すように、D COM0に記憶されて液晶表示回路25に送信される。次にS85に進み、フルーツ大当り枠フラグがクリアされ、S86により、D COM1〜4,7の記憶データをチェックする処理が行なわれ、S87により、そのチェックの結果すべてフルーツ図柄となっているか否かの判断が行なわれる。D COM1〜4,7の記憶データのうちいずれか1つでもフルーツ図柄以外のデータが含まれている場合にはS92に進むが、すべてフルーツ図柄の場合にはS88に進み、フルーツリーチ枠フラグがセットされる。すなわち、電気的可変表示装置1の9個の可変表示部2a〜2iのうち最後に停止制御される中央の可変表示部2i以外の8個の可変表示部2a〜2hがすべてフルーツ図柄で停止される場合には、フルーツリーチ枠フラグがセットされ、可変表示部2a〜2hが停止制御された段階で各可変表示部2a〜2iを枠で囲んで表示するフルーツリーチ枠表示が行なわれる。次にS89に進み、D COM5をチェックし、S90により、そのチェックの結果フルーツ図柄であるか否かの判断がなされる。最後に可変停止制御される可変表示部2iの予定停止図柄を記憶しているD COM5のチェックの結果、その最後の可変表示部2iもフルーツ図柄で停止制御される場合にはS91に進み、フルーツ大当り枠フラグがセットされる。その結果、すべての可変表示部2a〜2iが停止した後においても引続きすべての可変表示部2a〜2iが枠で囲まれるフルーツ大当り枠表示が行なわれる。一方、S90によりNOの判断がなされた場合には直接S92に進む。S92では、プロセスフラグを「1」加算する処理が行なわれ、プロセスフラグの値が「03H」となる。その結果、図柄チェック1処理のサブルーチンプログラムが実行されることとなる。
図柄チェック1処理は、図14(b)に示されている。まずS93では、ライン大当り枠フラグがクリアされる。このライン大当り枠フラグは、ある当りライン上において「777」が揃う大当りが発生する場合にその7のぞろめが揃う当りライン上の可変表示部を四角い枠で囲むためのフラグであり、後述するS103によりセットされる。次にS94に進み、図4に示す当りライン1〜4上に存在する可変表示部の図柄をチェックする処理が行なわれる。次にS95に進み、ラインリーチ枠フラグをセットする処理が行なわれてサブルーチンプログラムが終了する。なお、ライン図柄チェック処理は、後述するS96においても行なわれ、その具体的な内容は図17(a)に示されている。
ライン図柄チェック処理のサブルーチンプログラムは、まずS100により、チェックライン数を「4」にセットする処理が行なわれ、S101により、チェックするライン上においてリーチ状態が成立するか否かをチェックする処理が行なわれ、次にS102に進み、チェックライン上に存在する可変表示部の予定停止図柄を記憶しているD COMが0か否かの判断が行なわれる。D COMが0ということは「7」に相当するソフト上のシンボルナンバーが記憶されているということであり(図2参照)、その場合にはS103に進み、対応するライン大当り枠フラグがセットされてS104に進む。一方、S102によりNOの判断がなされた場合には直接S104に進む。
S104では、図柄チェックデータアドレスを次のチェック対象となる当りライン上の予定停止図柄の記憶アドレスに更新する処理がなされるとともに、チェックライン数を「1」減算する処理がなされる。次にS105に進み、チェックライン数が「0」になったか否かの判断がなされ、なっていない場合にはS101に進み、ライン図柄のチェック処理が繰返し行なわれ、チェックライン数が「0」まで繰返される。そしてチェックライン数が「0」に達すればS106に進み、表示プロセスフラグを「12H」にセットし、プロセスフラグを「1」加算する処理がなされてサブルーチンプログラムが終了する。S107の加算処理の結果、プロセスフラグは「04H」となり、図柄チェック2処理のサブルーチンプログラムが実行されることとなる。
図柄チェック2処理のサブルーチンプログラムは図14(c)に示されている。まずS96により、当りライン5〜8上の可変表示部における予定停止図柄のデータをチェックする処理がなされる。このライン図柄チェック処理の具体的な内容は、図17(a)に示されている。次にS97に進み、D COM7,4がともに0であるか否かの判断がなされる。可変表示部2g,2hの予定停止図柄がともに「7」の場合にはS97によりYESの判断がなされてS99に進むが、いずれか一方でも「7」でない場合にはS98に進み、ライン8リーチ枠がクリアされた後S99に進む。ライン8リーチ枠とは、図4に示す当りライン8上にリーチ状態が発生する場合にそのリーチ状態が発生するライン上の可変表示部を枠で囲んで表示するためのものであり、後述するS99によりセットされる。このS98の処理の結果、ライン8上のリーチ枠表示は行なわれない状態となる。次にS99に進み、ラインリーチ枠フラグがセットされる処理が行なわれる。このS99によるフラグセットも、前記S101のチェックの結果に従って、各ラインについて、リーチが成立している場合には「1」がセットされ、リーチが成立していない場合には「0」がセットされる。この図柄チェック2処理が行なわれた結果、S107によりプロセスフラグが「1」加算されるために、プロセスフラグの値が「05H」となり、以下はずれ図柄セット処理のサブルーチンプログラムが実行される。
はずれ図柄セット処理のサブルーチンプログラムは図16に示されている。まずS108により、表示プロセスフラグを「12H」にセットする処理がなされ、S109により、プロセスタイマに2200をセットする処理がなされる。そしてS110に進み、大当りフラグがセットされているか否かの判断がなされ、大当りフラグがセットされている場合にはS128に進む。一方、大当りフラグがセットされていない場合にはS111に進み、フルーツリーチ枠フラグがセットされているか否かの判断がなされ、S88によりフルーツリーチ枠フラグがセットされている場合にはS112に進むが、セットされていない場合にはS115に進む。
S112では、D COM5をチェックし、そのチェック結果がフルーツ図柄であるか否かの判断がS113により行なわれる。D COM5は最後に停止制御される可変表示部2iの予定停止図柄を記憶している領域であり、その可変表示部2iもフルーツ図柄がセットされている場合には、このまま電気的可変表示装置1を停止制御したのではすべての可変表示部2a〜2iがフルーツ図柄となりフルーツ図柄による大当りが発生する状態となる。しかし、S111〜S127の処理は、S110によりNOの判断がなされた場合に行なわれる処理すなわち大当りを発生させないことが事前に決定されている場合に行なわれる処理であるために、S114によりD COM5をクリアする処理を行ない、強制的に可変表示部2iがフルーツ図柄にならないように制御する。
次にS115では、ラインリーチ枠フラグをチェックする処理がなされ、当りライン1,6においてリーチが成立しているか否かの判定がS116により行なわれ、いずれのラインにおいてもリーチが成立していない場合にはS120に進むが、1,6のラインのうち少なくとも一方にリーチが成立している場合にはS117に進む。当りライン1,6の少なくとも一方にリーチが成立している場合とは、図4を参照して、図柄1,2,3,5が停止している段階で、図柄1,3あるいは図柄2,5のうち少なくとも一方おいて「77」が成立している場合であり、その場合にS117により、D COM7が0すなわち「7」に相当する図柄ナンバーになっているか否かの判断がなされ、図柄7の予定停止図柄も「7」となっている場合にはそのまま停止制御したのでは当りライン1と6との少なくとも一方において「777」が成立する大当り状態の表示となってしまうために、前述と同様に強制的に大当りの表示結果とならないように制御する必要がある。そこで、S117により、図柄7の予定停止図柄も「7」となっている場合にS118により、D COM7に「1」を加算して図柄7の予定停止図柄を強制的にずらして「7」以外の図柄にする処理がなされる。そしてS119により、ライン8リーチ枠がクリアされる処理がなされてS120に進む。このS119の処理は、S118の処理の結果図柄7が「7」の図柄以外の図柄で停止する結果となるために、図柄7と図柄8とが同時に停止した段階で既に当りライン8上においてリーチが成立する可能性がなくなるために、この時点で当りライン8上におけるリーチ枠フラグをクリアするのである。
次にS120では、当りライン3,4上においてリーチが成立しているか否かの判断が行なわれ、リーチが成立していない場合にS124に進み、当りライン2,5,7,8上においてリーチが成立しているか否かの判断がなされ、リーチが成立していない場合にはS127に進む。一方、当りライン3,4上の少なくとも一方においてリーチが成立している場合にはS121に進み、D COM4が0すなわち「7」に相当する図柄データとなっているか否かの判断が行なわれる。D COM4は図4に示す図柄8の予定停止図柄を記憶している領域であり、図4に示す当りライン3,4の少なくとも一方にリーチ状態が成立して「77」の図柄が表示され、かつ、図柄8においても「7」の図柄が表示される予定の場合には、大当りの図柄の組合せが表示されてしまうことになるために、その場合にはS122に進み、D COM4のデータに対し「1」加算して図柄8の予定停止図柄を強制的にずらして「7」とならないように制御される。そして、図柄8が「7」とならないことになれば、当りライン8上においてリーチが成立する可能性がなくなるために、S123によりライン8リーチ枠がクリアされる。
次にS124では、当りライン2,5,7,8上においてリーチが成立するか否かの判断がなされ、その当りライン上のうちの少なくとも1つにおいてリーチが成立する場合にはS125に進み、D COM5が0すなわち「7」の図柄データとなっているか否かの判断がなされ、なっていない場合にはそのままS127に進む。一方、D COM5は図柄9の予定停止図柄を記憶している領域であり、この図柄9が「7」で停止される予定の場合には、図4に示す当りライン2,5,7,8のうちの少なくともいずれかにおいて「777」の大当りの図柄の組合せが成立してしまうために、その場合にはS126により、D COM5を「1」加算して強制的に「7」以外の予定停止図柄にずらせる制御が行なわれる。
次にS127に進み、ライン大当り枠フラグがクリアされ、フルーツ大当り枠フラグがクリアされる。すなわち、S110により大当りフラグがセットされていないと判断された場合には、電気的可変表示装置1の可変停止時の表示結果が大当りの表示態様とはならないために、S127により、大当りの図柄の組合せが成立した場合に行なわれるライン大当り枠表示とフルーツ大当り枠表示とが行なわれないように制御しているのである。次にS128に進み、プロセスフラグが「1」加算される。前記S18〜S59,S77〜S80,S83,S108〜S128により、前記電気的可変表示装置の表示結果を事前に決定する表示結果事前決定手段が構成されている。
S128によりプロセスフラグが「1」加算された結果、プロセスフラグの値は「06H」となり、図柄1〜9変動処理のサブルーチンプログラムが実行されることになる。
図柄1〜9変動処理のサブルーチンプログラムは図17(c)に示されている。まずS129には、表示プロセスフラグを「12H」にセットする処理がなされ、S130に進み、プロセスタイマが作動中であるか否かの判断が行なわれる。このプロセスタイマは前記S109によりセットされた時間であり、このプロセスタイマ作動中にはS131Aによりプロセスタイマを「1」減算する処理がなされてサブルーチンが終了する。その結果、2200×2msec=4.4秒となり、4.4秒経過すればS130によりNOの判断がなされてS131により、プロセスフラグを「1」加算する処理がなされてその値が「07H」となり、以降図柄1,2停止処理のサブルーチンプログラムが実行される。
図柄1,2停止処理サブルーチンプログラムは図17(b)に示されている。まずS132により、プロセスタイマが作動中であるか否かの判断がなされ、作動中でない場合にはS133に進み、プロセスタイマに350をセットする処理がなされ、S135により表示プロセスフラグを「22H」すなわちリール1,2停止開始(図27(c)参照)にセットする処理がなされる。そしてS136に進み、プロセスタイマが終了したか否かの判断がなされ、終了していない場合にはそのままサブルーチンプログラムが終了する。このサブルーチンプログラムの次回の実行に際しては、プロセスタイマに350がセットされているために、S132によりYESの判断がなされてS134に進み、プロセスタイマを「1」減算する処理がなされる。そしてS136によりNOの判断がなされてサブルーチンプログラムが終了する。S133によりプロセスタイマに350がセットされた後このサブルーチンプログラムが350回実行された段階すなわち0.7秒経過した段階で、プロセスタイマがちょうど0となるために、その段階でS136によりYESの判断がなされてS137に進み、図柄1,2が停止したことを表わす停止音データがセットされ、S138により、当りライン7のリーチ枠データをD COM6にセットする処理がなされ、S139により、プロセスフラグを「1」加算して「08H」の値にする処理がなされる。その結果、以降、図柄3〜6停止処理のサブルーチンプログラムが実行される。
図柄3〜6停止処理のサブルーチンプログラムは図18(b)に示されている。まずS140により、プロセスタイマが作動中であるか否かの判断がなされ、作動中でない場合にはS141に進み、プロセスタイマに350がセットされる処理がなされる。そしてS143により表示プロセスフラグを「32H」すなわちリール3〜6停止開始にセットする処理がなされ、S144によりNOの判断がなされてそのままサブルーチンプログラムが終了する。そして、このサブルーチンプログラムが350回実行されてその都度S142により「1」ずつプロセスタイマが減算されて0なった段階すなわち0.7秒経過した段階でS144によりYESの判断がなされてS145に進み、当りライン1〜6のリーチ枠データをD COM6にセットする処理がなされる。次にS146に進み、図柄3〜6の可変停止した旨を表わす停止音データがセットされ、S147により、プロセスフラグが「1」加算されて「09H」となり、以降、図柄7,8停止処理のサブルーチンプログラムが実行される。
図柄7,8停止処理のサブルーチンプログラムは図19に示されている。まずS148により、表示プロセスフラグを「42H」すなわちリール7,8停止開始(通常)にセットする処理がなされ、S149により、ラインリーチ枠フラグをチェックする処理がなされる。そして、S150により、当りライン1,3,4,6上にリーチが成立しているか否かの判断がなされ、それらいずれの当りライン上においてもリーチが成立していない場合にS151に進み、プロセスタイマが作動中であるか否かの判断がなされ、作動中でない場合にはS152によりプロセスタイマに350をセットする処理がなされてS165に進む。その結果、図7の通常時において表示図柄切換制御が行なわれてから0.700秒後に図柄の可変表示が停止したことを基本回路24が判断する。一方、当りライン1,3,4,6のうちの少なくともいずれかの当りライン上においてリーチが成立している場合にS154に進み、そのリーチが成立しているラインが1,6のうちの少なくとも一方か否かの判断がなされ、当りライン3,4のうちの少なくとも一方においてリーチが成立している場合にはS154によりNOの判断がなされてS159に進み、D COM4の値を2倍する処理がなされてS161に進む。このD COM4は図柄8の予定停止図柄のソフト上の図柄ナンバーを記憶している領域であるが、この2倍した値はS162のタイマ制御にのみ用いられ、電気的可変表示装置の停止図柄の制御には一切用いられない。
次に、当りライン1,6のうちの少なくとも一方においてリーチが成立する場合にはS155に進み、D COM7が「14H」であるか否かの判断がなされる。このD COM7は図柄7の予定停止図柄ナンバーを記憶している領域であり、この図柄7の予定停止図柄が14Hすなわち星印マークからなるはずれ図柄(図2参照)の場合には、S160に進み、D COM7の記憶データを2倍にする処理がなされる。この2倍にされたデータも前述と同様にS162によるタイマ制御にしか用いられない。
次に、S156により、当りライン3,4のうちの少なくとも一方にリーチが成立しているか否かの判断がなされ、成立している場合にはS157に進む。一方、当りライン1,6のうちの少なくとも一方においてリーチが成立しており、当りライン3,4の両方ともリーチが成立していない場合には、S160の処理がなされて、図柄7の予定停止図柄のソフト上のナンバーが2倍になる。
当りライン1,6のうちの少なくとも一方でリーチが成立しており、かつ、当りライン3,4のうちの少なくとも一方においてもリーチが成立している場合には、S157に進み、D COM4が「14H」になっているか否かの判断がなされ、図柄8の予定停止図柄が「14H」すなわち星印マークのはずれ図柄となっている場合にS159の処理がなされてD COM4の記憶データを2倍にする処理がなされる。一方、S157によりNOの判断がなされた場合にS158に進み、D COM4のデータとD COM7のデータとの大小関係が判別され、D COM4<D COM7の場合にはS159に進み、D COM4≧D
COM7である場合にはS160に進む。
次にS161に進み、プロセスタイマが作動中であるか否かの判断がなされ、作動中でない場合にはS162に進み、D COM4,7の値に応じたタイマデータをプロセスタイマにセットする処理がなされ、表示プロセスフラグを「62H」すなわちリール7,8停止開始(リーチ)にセットする処理がなされてS165に進む。前記S162によるセットされるタイマデータは、図8,図9あるいは図10に示したリーチ状態のときには、(7.958〜11.334)秒となる。次にS164に進み、表示プロセスフラグを「62H」すなわちリール7,8停止開始(リーチ)にセットし、S165により、プロセスタイマが終了したか否かの判断がなされ、この場合にはNOの判断がなされてそのままサブルーチンプログラムが終了する。
このサブルーチンプログラムを複数回実行してそのたびにS163によりプロセスタイマを「1」減算する処理がなされ、プロセスタイマが0になった時点でS165によりYESの判断がなされてS166に進む。S166では、当りライン1,3,4,6のリーチ枠データをクリアし、当りライン2,5,7,8のリーチ枠データをD COM6にセットする処理が行なわれる。すなわち、S165によりYESの判断がなされた時点で図柄7と図柄8が停止され、未だに可変表示をし続けている図柄は図柄9のみであるために、図柄9を除く当りラインにおけるリーチ枠データをクリアするとともに、次に、図柄9を含む当りラインのリーチ枠データをD COM6にセットする処理が行なわれるのである。次にS167に進み、フルーツリーチ枠フラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされている場合にはS168に進み、フルーツリーチ時のリーチ枠データをD COM6にセットする処理がなされる。一方、フルーツリーチ枠フラグがセットされていない場合にS169に進み、当りライン1,3,4,6の大当り枠データをD COM6にセットする処理がなされる。次にS170に進み、図柄7と図柄8とが停止した旨を表わす停止音データをセットし、S171により、プロセスフラグを「1」加算する処理がなされ、その値が「0AH」となる。その結果、以降、図柄9停止処理のサブルーチンプログラムが実行される。
図柄9停止処理のサブルーチンプログラムは図18(a)に示されている。まず、S172により、ライン大当り枠フラグをチェックし、S173では、そのチェックの結果、大当りライン1,3,4,6のうちの少なくともいずれかが大当りの組合せとなっているか否かの判断がなされ、なっていない場合にはS174に進み、フルーツリーチ枠フラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされていない場合にS175に進み、ラインリーチ枠フラグをチェックし、当りライン2,5,7,8のうちの少なくともいずれかにおいてリーチ状態が成立しているか否かの判断がなされる。
当りライン1,3,4,6のうちの少なくとも1つのライン上において大当りが発生する場合あるいはフルーツリーチ枠フラグがセットされておらず当りライン2,5,7,8のいずれにおいてもリーチが成立していない場合には、S177に進み、プロセスタイマが作動中であるか否かの判断がなされ、この場合に作動中でないためにS178に進み、プロセスタイマに350をセットする処理がなされ、S180により表示プロセスフラグを「02H」にセットする処理がなされてS185に進む。S185では、プロセスタイマが終了しているか否かの判断がなされ、この場合には終了していないためにそのままサブルーチンプログラムが終了する。一方、このサブルーチンプログラムが350回実行され、1回実行のたびにS179によりプロセスタイマが「1」減算され、プロセスタイマが0になった段階で初めてS185によりYESの判断がなされてS186に進み、プロセスフラグを「1」加算する処理がなされる。図柄9を含まない当りライン上の少なくとも1つにおいて大当りが発生する場合あるいは図柄9を含む当りライン上においてリーチが発生しない場合には、350×2msec=0.7秒経過した段階でプロセスタイマが終了して図柄9が停止される。その場合には、S187に進み、D COM6がクリアされてライン枠データ(リーチ,大当り)がクリアされ、次にS188に進み、フルーツ大当り枠フラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされていない場合にはそのままサブルーチンプログラムが終了するが、セットされている場合にS189に進み、ライン大当り枠フラグにフルーツ大当り時のデータをセットする処理がなされてサブルーチンプログラムが終了する。
一方、図柄9を含まない大当りラインのいずれにおいても大当りが発生せず、かつフルーツリーチ枠フラグがセットされているあるいは図柄9を含む当りライン上においてリーチが成立している場合には、S181に進み、プロセスタイマが作動中であるか否かの判断がなされ、この場合には作動中でないためにS182に進み、D COM5の値に応じたタイマデータがプロセスタイマにセットされる処理が行なわれる。このタイマデータは、図8,図10に示した(7.958〜11.334)秒である。そしてS184に進み、表示プロセスフラグを「52H」すなわちリール9停止開始(リーチ)にセットする処理がなされ、S185に進み、プロセスタイマが終了したか否かの判断がなされ、この場合にはプロセスタイマが終了していないためにそのままサブルーチンプログラムが終了する。一方、このサブルーチンプログラムを複数回実行して、1回の実行のたびにS183によりプロセスタイマが「1」ずつ減算され、プロセスタイマが0になった段階でS185によりYESの判断がなされてS186に進み、プロセスフラグを「1」加算する処理がなされる。その結果、S182によりセットされたプロセスタイマに相当する時間が経過した段階で図柄9が停止制御される。
S186によりプロセスフラグが「1」加算された結果、その値が「0BH」となり、以降大当りチェック処理のサブルーチンプログラムが実行される。
大当りチェック処理のサブルーチンプログラムは図20(a)に示されている。まずS190により、ライン大当り枠フラグデータをD COM6にセットする処理がなされ、S191により、枠点滅速度指定データをD COM7にセットする処理がなされ、S192により、プロセスタイマが作動中であるか否かの判断がなされる。この場合には、NOの判断がなされてS193に進み、プロセスタイマに350をセットする処理がなされ、S195では、表示プロセスフラグを「02H」にセットする処理がなされ、次にS196に進み、プロセスタイマが終了したか否かの判断がなされる。この場合にはNOの判断がなされてそのままサブルーチンプログラムが終了する。この大当りチェック処理のサブルーチンプログラムを1回実行する毎にS194によりプロセスタイマが「1」減算する処理が行なわれ、その結果、350回実行された段階でプロセスタイマが0となるために、その段階でS196によりYESの判断がなされてS197に進み、プロセスフラグを「1」加算する処理がなされ、さらにS198により、大当りフラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされていない場合にはそのままサブルーチンプログラムが終了するが、セットされている場合にはS199によりプロセスフラグをさらに「1」加算する処理がなされる。その結果、大当りフラグがセットされていない場合すなわちはずれが事前決定されている場合にはプロセスフラグの値が「0CH」となり、大当りフラグがセットされている場合には「0DH」となる。
その結果、大当りフラグがセットされていない場合には図20(b)に示すはずれ待ち処理のサブルーチンプログラムが実行され、大当りフラグがセットされている場合には図21に示す大入賞口開放前処理のサブルーチンプログラムが実行される。まずはずれ待ち処理のサブルーチンプログラムを説明する。S200により、プロセスタイマが作動中であるか否かの判断がなされ、作動中でない場合にはS201により、プロセスタイマに250をセットする処理がなされ、S203により、表示プロセスフラグを「02H」すなわち全リール停止、リール9停止開始(通常)にセットする処理がなされ、S204により、プロセスタイマが終了したか否かの判断がなされる。この場合にはNOの判断がなされてそのままサブルーチンプログラムが終了する。このはずれ待ち処理のサブルーチンプログラムを1回実行するたびにS202によりプロセスタイマが「1」ずつ減算され、その結果250回実行されてプロセスタイマの値が0となるために、S204によりYESの判断がなされてS205に進み、プロセスタイマに30000をセットする処理がなされ、S206によりプロセスフラグをクリアする処理がなされてプロセスフラグの値が「00H」となり、以降通常処理のサブルーチンプログラムが実行されることとなる。そして、S207に進み、C RND格納エリアをシフトするとともに、入賞記憶カウンタの値を「1」減算する処理がなされてサブルーチンプログラムが終了する。このはずれ待ち処理のサブルーチンプログラムが実行された後図14(a)に示す通常処理のサブルーチンプログラムが実行される際に、S205でセットされたプロセスタイマが終了するのを待ってS68によりNOの判断がなされてS69の処理がなされ、電気的可変表示装置1の表示状態がデモ表示用図柄に切換制御される。さらに、S207の処理の結果、C RND抽出値の記憶エリアが入賞記憶カウンタのカウント値「0」方向に1つずつシフトされ、その結果、入賞記憶カウンタ1に相当するエリアに格納されているC RND抽出値が入賞記憶カウンタ0に相当するエリアにシフトされて格納され、入賞記憶カウンタ2に相当するエリアに記憶されていたC
RND抽出値が入賞記憶カウンタ1に相当するエリアにシフトされて格納され、他のエリアにおける抽出値も同様に1ずつシフトされて格納される。
図21は、大入賞口開放前のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まずS208により、プロセスタイマが作動中であるか否かの判断がなされ、この場合にはプロセスタイマが作動中でないためにS209に進み、開放回数が1回目であるか否かの判断がなされる。可変入賞球装置50を第1の状態に繰返し継続制御する繰返し継続回数が1回目の場合にはS210に進み、開放回数1回目の表示プロセスデータをD COM0にセットし、対応する時間をプロセスタイマにセットする処理が行なわれる。この表示プロセスデータとは、表示プロセスフラグデータ,タイマデータ,ランプ,LED,音発生制御データのアドレスデータ等である。この表示プロセスデータとは、表示プロセスフラグデータ,ランプ,LED,音発生制御データのアドレスデータ等である。そしてS213によりプロセスタイマが終了したか否かの判断がなされ、この時点ではNOの判断がなされてそのままサブルーチンプログラムが終了となる。この大入賞口開放前処理のサブルーチンプログラムの次回の実行に際しては、S208によりYESの判断がなされてS212によるプロセスタイマを「1」減算する処理がなされる。そして、この大入賞口開放前処理を複数回繰返し実行してその度にS212による「1」の減算処理が行なわれた結果、プロセスタイマが0となった時点でS213によりYESの判断がなされてS214に進み、データが終了したか否かの判断がなされる。このデータは、大入賞口開放前(プロセスフラグ=ODH)に対応するデータエリアからS210あるいは後述するS211によりD COM0やプロセスタイマ等にセットされるデータであり、データエリアのデータが終了していない場合にはS215に進み、データエリアの次アドレスに記憶されている各データがセットされる。そして、対応するデータエリアのデータがすべて終了した段階でS214によりYESの判断がなされてS216に進み、特定領域入賞フラグがクリアされ、入賞個数カウンタがクリアされ、特定領域入賞タイマがクリアされる。そしてS217によりプロセスフラグが「1」加算され、その値が「0EH」となり、以降大入賞口開放処理のサブルーチンプログラムが実行される。なお、S216に示した、特定領域入賞フラグは、可変入賞球装置50の特定入賞領域(Vポケット)にパチンコ玉が入賞したことを記憶しておくためのフラグである。また入賞個数カウンタとは、第1の状態となっている可変入賞球装置50内に入賞した入賞玉の合計を計数するためのカウンタである。また特定領域入賞タイマとは、パチンコ玉が特定入賞領域(Vポケット)に入賞したことを電気的可変表示装置1により表示するための表示時間を計時するためのものであり、可変入賞球装置が第1の状態となっているときに最初に特定入賞領域に入賞したパチンコ玉に基づいてセットされる。
一方、可変入賞球装置50の開放回数が2回目以降である場合には、S211に進み、開放回数に応じたラウンドデータをD COM0にセットし、プロセスタイマに1000をセットする処理がなされてS213に進む。このラウンドデータとは、可変入賞球装置50を第1の状態に繰返す現時点での繰返し回数を電気的可変表示装置1により表示させるためのデータである。そしてS211によりセットされたプロセスタイマが終了したか否かがS213により判断され、終了したと判断された場合にはS214により、S211によりセットされたラウンドデータが終了したか否かの判断がなされるのである。
S217の処理の結果、プロセスフラグが「0EH」となるために、以降図22に示す大入賞口開放処理のサブルーチンプログラムが実行される。またS218により、ライン大当り枠フラグデータをD COM6にセットする処理がなされ、S219により、枠点滅速度指定データをD COM7にセットする処理がなされ、S220により、入賞個数カウンタが「10」以上であるか否かの判断がなされる。第1の状態となっている可変入賞球装置に入賞した入賞玉が「10」未満である場合には、S221に進み、プロセスタイマが作動中であるか否かの判断がなされる。この場合には作動中でないためにS222に進み、フルーツ大当り枠フラグがセットされているか否かの判断がなされ、前述したフルーツ大当り枠フラグがセットされている場合にはS223に進み、フルーツ大当り時の音,ランプ,表示プロセスデータがセットされてS228に進む。一方、フルーツ大当りフラグがセットされていない場合にはS224に進み、ライン大当り枠フラグをチェックし、S225により、当りライン1〜8がすべて大当りであるか否かの判断がなされ、すべて大当りの場合にはS226により、オール7大当り時の音,ランプ,表示プロセスデータがセットされてS228に進む。一方、当りライン1〜8のうちの少なくとも1本の当りライン上において大当りが発生していない場合にはS227に進み、通常大当り時の音,ランプ,表示プロセスデータがセットされてS228に進む。
S228では、S223,S226,S227のそれぞれに対応する時間をプロセスタイマにセットする処理がなされ、S229により、そのセットされたプロセスタイマが終了したか否かの判断がなされ、この場合には終了していないためにS232に進む。S232では、特定領域入賞タイマが終了したか否かの判断がなされ、終了していない場合にはS233に進み、特定領域入賞タイマを「1」減算し、S234により特定領域入賞データ(05H)をD COM0にセットする処理がなされ、その結果、後述するように、電気的可変表示装置1により特定入賞領域(Vポケット)にパチンコ玉が入賞した旨の表示がなされる。そしてこの表示は、特定領域入賞タイマが終了した段階でS230によりYESの判断がなされて終了する。
一方、この大入賞口開放処理のサブルーチンの次回の実行に際しては、S221により、YESの判断がなされ、S221′によりプロセスタイマを「1」減算する処理がなされる。この大入賞口開放処理を複数回実行してその度にS221′による減算処理がなされた結果プロセスタイマが0となった段階でS229によりYESの判断がなされてS230に進む。S230では、データが終了したか否かの判断がなされる。このデータは、大入賞口開放(プロセスフラグ=OEH)および大当りの種類に対応するデータエリアから前記S223,S226あるいはS227でセットされたデータであり、終了していない場合にはS231により次アドレスに記憶されている各データのセットがなされる。そして対応するデータエリアのデータがすべて終了した段階でS230によりYESの判断がなされてS235に進み、プロセスフラグを「1」加算する処理がなされ、S236により特定領域有効タイマがセットされる。この特定領域有効タイマは、可変入賞球装置50が第2の状態に切り替わった後においても所定期間だけ特定入賞玉検出スイッチからの検出信号を受け付けるようにするためのものであり、可変入賞球装置50が第2の状態になる間際に入賞したパチンコ玉が特定入賞領域(Vポケット)に入賞した場合にもその入賞を有効なものとして検出して特定入賞に基づく制御を有効に行なわんとするためのものである。一方、S235の処理の結果、プロセスフラグが「0FH」となり、以降図23に示す大入賞口開放後処理のサブルーチンプログラムが実行される。
まずS237により、入賞個数カウンタが「0」であるか否かの判断がなされる。そして「0」と判断された場合にはS238に進み、スイッチ異常フラグがセットされる。これは、可変入賞球装置50が第1の状態となっている期間中に1個のパチンコ玉すらその可変入賞球装置に入賞しなかった場合であり、そのようなことは通常あり得ないために入賞玉検出スイッチに異常が発生していることが想定され、それに対処するべくS238によりスイッチ異常フラグがセットされるのである。一方、入賞個数カウンタが「0」でない場合にはS239に進み、スイッチ異常フラグがクリアされ、S240により、特定領域有効タイマが終了したか否かの判断がなされ、終了していない場合にはS241により特定領域有効タイマを「1」減算する処理がなされ、S242により、特定領域入賞フラグがセットされているか否かの判断がなされる。そして、可変入賞球装置50内に入賞した入賞玉が特定入賞領域(Vポケット)に入賞していれば特定入賞フラグがセットされているために、S243に進み、プロセスフラグを「0DH」にセットし、開放回数カウンタを「10H」加算する処理がなされてサブルーチンプログラムが終了する。このS243の処理の結果、以降大入賞口開放前処理のサブルーチンプログラムが再度実行されることとなる。一方、S242により特定領域入賞フラグがセットされていないと判断された場合にはS244に進み、プロセスタイマが作動中であるか否かの判断がなされる。この場合には作動中でないためにS245に進み、D COM6がクリアされる。このD COM6はライン枠フラグデータ(リーチ,大当り)を記憶しておくためのものであり、このデータがクリアされる。次にS246に進み、ライン大当り枠フラグをチェックし、その結果、S247により、当りライン1〜8がすべて大当りであるか否かの判断がなされ、すべて大当りの場合にはS248に進み、フルーツ大当り枠フラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされていない場合にはS250に進み、オール7大当り終了時の音,ランプ,表示プロセスデータがセットされてS251に進む。一方、当りライン1〜8のうちの少なくとも1本の当りライン上において当りが成立していない場合あるいはフルーツ大当りフラグがセットされている場合にはS249に進み、通常大当り終了時の音,ランプ,表示プロセスデータがセットされてS251に進む。S251では、S250あるいはS249に対応する時間をプロセスタイマにセットする処理がなされてS253に進み、そのセットされたプロセスタイマが終了したか否かの判断がなされ、この場合にはNOの判断がなされ、そのままサブルーチンが終了する。
この大入賞口開放後処理のサブルーチンプログラムの次回の実行に際しては、S244によりYESの判断がなされてS252によりプロセスタイマを「1」減算する処理がなされ、このサブルーチンプログラムが複数回実行される毎にこのS252による減算処理が行なわれ、その結果プロセスタイマが0になった段階でS253によりYESの判断がなされてS254に進む。S254では、大入賞口開放後(プロセスフラグ=OFH)および大当りの種類に対応するデータエリアから前記S249あるいはS250によりセットされたデータがすべてが終了したか否かの判断がなされ、未だに終了していない場合にはS255により、次アドレスの各データがセットされる。そして対応するデータエリアのデータがすべて終了した段階でS254によりYESの判断がなされてS256に進み、プロセスタイマに30000をセットする処理がなされる。次にS257によりプロセスフラグをクリアする処理がなされ、プロセスフラグが「00H」となり、S258により、C RND格納エリアをシフトするとともに入賞記憶カウンタを「1」減算する処理がなされる。このS258の処理は、前記S207と同様の処理である。次にS259に進み、大当りフラグをクリアし、ライン大当り枠フラグをクリアし、フルーツ大当り枠フラグをクリアし、D COM6のデータをクリアし、開放回数カウンタをクリアし、入賞個数カウンタをクリアする処理がなされてサブルーチンプログラムが終了する。前記S257の処理の結果、以降図14(a)に示した通常処理のサブルーチンプログラムが実行される。
図24は、前記S4に示したLCDデータ転送処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まずS260によりLCDデータヘッダセットが行なわれる。このセットは、D COMHにセットされる。D COMHは8ビットからなり、上位4ビットにEHすなわち「1110」がセットされ、下位4ビットにFHすなわち「1111」がセットされる。そして、基本回路24から液晶表示回路25にD COMHないしD COMCを送信した場合に、液晶表示装置2によりD COMHにセットされているヘッダのデータ(EFH)が受信されれば、それを手掛かりにサブCPU34では以降D COM0ないしD
COMCが送信されてくることを認識する。次にS261に進み、LCDデータヘッダアドレスとLCDデータ転送カウンタの値から算出されるアドレス位置のコマンドデータを読出す処理がなされる。データ転送カウンタは、図24に示すように、LCDデータヘッダが記憶されるD COMHが「0」となっており、D COM0が「1」、D COM1が「2」、D COM2が「3」、…D
COMCが「9」となっている。そして、S261の処理では、D COMHに記憶されるLCDデータヘッダアドレスを起点として、LCDデータ転送カウンタの値から算出されるアドレス位置のコマンドデータを読出すのである。次にS262に進み、S261により読出されたコマンドデータをコマンド出力ポートにセットする処理がなされる。このS262による処理により、図32に示す割込処理のプログラムを実行するための割込信号も出力ポートにセットされる。
次にS263に進み、セットされたコマンドデータに前回までのチェックサムデータを加算し、今回のチェックサムデータとする処理がなされる。この前回までのチェックサムデータとは、今回のLCDデータ転送処理のサブルーチンプログラム実行以前の段階で既にS262によりセットされたコマンドデータとLCDデータヘッダのデータの合計の下位7ビットのデータと今回のLCDデータ転送処理のサブルーチンプログラムの実行に際しS262によりセットされたデータとを加算する処理が行なわれる。なおこの加算した後ビット7のデータをクリアする処理がなされる。次にS264に進み、LCDデータ転送カウンタを「1」加算する処理がなされ、S265に進み、LCDデータ転送カウンタが「10」未満であるか否かの判断がなされ、未満の場合にS267に進み、LCD電源コントロールを行ない、10カウントスイッチ入賞判定処理へ移行する。一方、LCDデータ転送カウンタが「10」に達した場合にはすべてのコマンドデータを1通り送信し終わったことになるために、S266により、チェックサムデータをクリアし、LCDデータ転送カウンタをクリアする処理がなされた後にS267に進む。なお、図24に示すチェックサムデータとは、データの受信側において正しいデータが送信されてきたか否かをチェックするためのものであり、後述するように、データの受信側であるサブCPU34側において送信されてきたデータをS263と同様の方法により加算し、その加算値と送信されてきたチェックサムデータとが一致するか否かを判別し、一致する場合にのみ適正なデータが送信されてきたことを判別するのである。
次に、液晶表示装置2の動作を説明するためのフローチャートを、図25ないし図32に従って説明する。
図25(a)は、電源投入時に行なわれる処理動作を示すフローチャートである。まずS301により、割込禁止処理がなされる。その結果、図32に示す割込処理のプログラムの実行が禁止される。次にS302に進み、スタックセットを行ない、S303に進み、RAMが正常であるか否かの判断がなされる。電源投入時やプログラムの暴走時においてはRAMの記憶データが不定であるためにRAMの所定アドレスに記憶されている値が所定の値とは食い違っているために、その場合にはS303によりNOの判断がなされてS304に進み、RAMの記憶データを初期化する処理がなされた後にS305に進む。一方、S304により初期化された後においては、S303による判断はYESとなり、直接S305に進むこととなる。
S305では、割込許可処理を行ない、図32に示す割込処理のプログラムが実行可能な状態となる。次にS306に進み、表示制御が行なわれてS301に戻る。
図25(b)はS306に示した表示制御のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まずS307により、表示プロセスフラグの値を判別する。これは、表示プロセスフラグの1桁目(16進数)が1〜7Hのいずれであるかについての判断を行なうものである。表示プロセスフラグの1桁目が0Hである場合にはS308の電気的可変表示装置1の画面をOFFモードにする処理が行なわれる。1Hである場合にはS309のデモ表示処理が行なわれる。2Hである場合にはS310の図柄表示処理が行なわれる。3Hである場合にはS311の大当り表示モードの処理が行なわれる。4Hである場合にはS312のラウンド表示モードの処理が行なわれる。5Hの場合にはS313のV入賞モードの処理が行なわれる。6Hの場合にはS314の大当り終了表示モードの処理が行なわれる。7Hの場合にはエラー表示モードの処理が行なわれる。
図25(c)は、S310に示した図柄表示モードのサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まずS316により、コマンドチェック処理が行なわれ、S317によりリール(可変表示部)制御処理が行なわれ、S318によりリーチ枠制御が行なわれてサブルーチンプログラムが終了する。
図26は、S316に示したコマンドチェック処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S319により、COM0のサブモードが現在のサブモードと一致するか否かの判断が行なわれる。このCOM0のサブモードとは、表示プロセスフラグの1桁目によって振り分けられる図柄表示モードの中身が、0〜6の7種類のサブモードに分かれており、そのサブモードのことを意味している。そしてCOM0の表示プロセスフラグデータが送信されてきた場合に、その送信されてきた表示プロセスフラグデータがサブCPUが現在行なっているサブモードと一致していない場合には、S320により、サブCPUが現在行なっているサブモードを送信されてきたCOM0のサブモードに変更する処理が行なわれる。次にS321に進み、COM1と下位4ビットすなわち図柄2の予定停止図柄ナンバーが9以上であるか否かの判断がなされ、9以上でない場合にはS323に進むが、9以上の場合にはS322により8に更新する処理がなされた後にS323に進む。この処理は、図2に示すように、図柄2すなわち可変表示部2bで表示される図柄が00〜08の9種類の図柄ナンバーしか存在しないために、送信されてきた予定停止図柄が09以上の図柄ナンバーであった場合には、すべて08の図柄ナンバーに更新するのである。そしてS323により、送信されてきた図柄2の図柄ナンバーあるいはS322で更新された図柄ナンバーをリール2すなわち可変表示部2bの予定停止図柄としてセットする処理が行なわれる。S324ないしS338も、前記S319ないしS323と同様の処理が行なわれている。図柄1ないし6についてソフト上の図柄ナンバーが00Hないし08Hしか存在しないにもかかわらずCOM1ないしCOM3の予定停止図柄ナンバーが09H以上となる理由は、前記S83によりD0とD4とを「1」にする処理が行なわれるためである。
一方、図柄7,8,9については、S339〜S347で同様の処理が行なわれている。COM4〜7の図柄ナンバーが図柄7ないし9に割り振られているソフト上の図柄ナンバーである(16進数では14H)を超える状態となる理由は、S83によりD COM4,5,7のD0とD1とを1にする処理が行なわれるためである。
図27(a)は、S317に示されるリール処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S348ないしS356によりそれぞれリール1ないしリール9の制御処理が行なわれる。
図27(b)は、図27(a)に示されたそれぞれのリール制御のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S357によりサブモードによる分岐処理が行なわれる。そしてS358によりリールステータスによる分岐処理が行なわれ、S359によりリール図柄更新処理が行なわれる。
図27(c)はS357に示されたサブモードによる分岐処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S360により、図柄表示モードが02Hないし62Hの7個のサブモードに分岐される。このサブモードに従って図27(d),(e),図28(a)〜(d)に示すそれぞれのサブルーチンプログラムに制御が分岐して実行される。一方、リールステータスは図29(a)に示すように0〜3の4種類あり、それぞれのステータスに従って、図29(b)〜(i),図30(a)のサブルーチンプログラムに制御が分岐して実行される。リールステータスの「停止」はリールすなわち可変表示部が停止している状態であり、「高速回転」は可変表示部が高速でスクロール表示している状態であり、「低速回転(通常)」は、可変表示部が低速で回転しているときであってリーチが発生しない通常状態(図7参照)の場合である。「低速回転(リーチ)」は、可変表示部が低速で回転している状態であってリーチが生ずる場合(図8,図9,図10参照)である。なお、「高速回転」から「低速回転」に移行するタイミングで、停止図柄コマンドデータに基づく停止図柄データセット処理(S387,S405)が行なわれるため、低速回転になった以降については停止図柄コマンドデータは受け付けられなくなる。
次に、サブモード02Hの全リール停止、リール9停止(通常)のサブルーチンプログラムを図27(d)に基づいて説明する。まずS361により、リールステータスが高速回転か否かの判断がなされ、高速回転でない場合にはそのままサブルーチンプログラムが終了する。高速回転の場合にはS362に進み、リールステータスを低速回転(通常)にセットする処理が行なわれる。
図27(e)は、サブモード12Hの全リール回転開始のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S363には、リールステータスが高速回転か否かの判断がなされ、高速回転である場合にはそのままサブルーチンプログラムが終了するが、高速回転でない場合にはS364に進み、リールステータスを高速回転にセットする処理がなされてサブルーチンプログラムが終了する。
図28(a)は、サブモード22Hのリール1、2停止開始のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S365は、リールNO.が3以上か否かの判断がなされ、可変表示部2c〜2iについての制御の場合にはS365によりYESの判断がなされて図27(e)に示した全リール回転開始のサブルーチンプログラムに移行する。一方、可変表示部2a,2bについての制御の場合にはS365によりNOの判断がなされて、図27(d)に示す全リール停止、リール9停止(通常)のサブルーチンプログラムに移行する。
図28(b)は、サブモード32Hのリール3〜6停止開始のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S366によりリールNO.が7以上であるか否かの判断がなされる。可変表示部2gないし2iについての制御の場合にはS366によりYESの判断がなされて図27(e)に示す全リール回転開始のサブルーチンプログラムに移行する。一方、可変表示部2a〜2fについての制御の場合にはS366によりNOの判断がなされて、図27(d)に示す全リール停止、リール9停止開始(通常)のサブルーチンプログラムに移行する。
図28(c)は、サブモード42Hのリール7、8停止開始(通常)のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S367によりリールNO.が9以上であるか否かの判断がなされ、可変表示部2iについての制御の場合にはS367によりYESの判断がなされて図27(e)に示す全リール回転開始のサブルーチンプログラムに移行する。一方、可変表示部2a〜2hの制御の場合には図27(d)に示す全リール停止、リール9停止開始(通常)のサブルーチンプログラムに移行する。
図28(d)は、サブモード52Hのリール9停止開始(リーチ)のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S373によりリールステータスが高速回転であるか否かの判断がなされ、高速回転でない場合にはそのままサブルーチンプログラムが終了するが、高速回転の場合にはS374に進み、リールNO.が7未満であるか否かの判断がなされる。リーチが成立している場合であっても、図柄1ないし図柄6については可変表示を低速で行なう等のリーチ制御は何ら行なわれないために、それらの図柄についてはS375によりリールステータスを低速回転(通常)にセットする処理がなされる。一方、リーチが成立した場合に可変表示速度を低速にする等のリーチ制御が行なわれる図柄7,8,9については、S376により、リールステータスを低速回転(リーチ)にセットする処理がなされる。
図28(e)は、サブモード62Hのリーチ7、8停止開始(リーチ)のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S368によりリールNO.が9以上であるか否かの判断がなされる。可変表示部2iの制御の場合には全リール回転開始時のサブルーチンプログラムに移行する。一方、可変表示部2a〜2hの制御の場合にはS369に進み、リールステータスが高速回転であるか否かの判断がなされ、高速回転でない場合にはサブルーチンプログラムが終了するが、高速回転である場合にはS372に進み、リールNO.が7未満であるか否かの判断がなされる。リールNO.が1ないし6のものについてはリーチが成立していても何らリーチ制御は行なわれないために、そのようなリールについてはS372に進み、リールステータスを低速回転(通常)にセットする処理が行なわれる。一方、リールNO.が8以上のものについてはS371に進み、リールステータスを低速回転(リーチ)にセットする処理が行なわれる。
図29は、リールステータスによる分岐処理を示すサブルーチンプログラムのフローチャートである。図29(b)はリールステータスが「停止」の場合であり、S378により可変表示部のスクロールの速さを示すスクロール値を「0」にして可変停止状態にするフローチャートである。(c)は、リールステータスが「高速」の場合であり、S379により、スクロール値を−19Hにして可変表示部の可変表示速度を高速にする処理が行なわれる。
(d)は、リールステータスが「低速回転(通常)」の場合であり、S380により、リールサブステータスが「0」であるか否かの判断がなされる。このリールサブステータスとは、図29(a)に示す4つのリールステータスの中身がさらに細かく細分類されており、その細分類を示すステータスである。このリールサブステータスが「0」の場合にはS387に進み、予定停止図柄のデータをセットする処理がなされ、S388により、スクロール値を「0」にして可変停止動作を行ない、S389によりリールサブステータスを「1」加算する処理が行なわれる。その結果、リールサブステータスは「1」になるためにS380によりNOの判断がなされてS381によりYESの判断がなされて、S390に進む。S390では、スクロール値を−20Hにして高速の可変表示状態にするとともに、S391により、リールサブステータスを「1」加算する処理が行なわれる。このS390,S391の処理を3回実行することによりS381によりNOの判断がなされ、S382によりYESの判断がなされて制御はS392に進む。S392では、リールサブステータスの値に基づきリールスローダウンデータテーブルを参照してスクロール値をセットする処理が行なわれる。このリールスローダウンデータテーブルは、可変表示部の可変表示速度を徐々に低速にするためのデータをテーブル形式で記憶しているものであり、ROM35に記憶されている。次にS393に進み、リールサブステータスを「1」加算する処理がなされる。このS392,S393を18回実行することにより、S382によりNOの判断がなされてS383によりYESの判断がなされて制御がS394に進む。S394では、スクロール値を−4Hにして低速回転の状態にし、S395により、リールサブステータスを「1」加算する処理が行なわれる。このS394,S395の処理が6回実行されることによりS383によりNOの判断がなされてS384によりYESの判断がなされて制御がS396に進む。
S396では、リールサブステータスの値に基づきリールストップデータテーブルを参照してスクロール値をセットする処理がなされ、S397により、リールサブステータスを「1」加算する処理が行なわれる。このリールストップデータテーブルとは、可変表示部のスクロール値をさらに低下させて可変停止させるためのデータをテーブル形式で記憶しているものであり、ROM35に記憶されている。このS396,S397の処理が20回実行されることによりS384によりNOの判断がなされてS385に進み、リールサブステータスをクリアする処理がなされ、リールサブステータスが「0」となる。またS386により、リールステータスを停止にセットする処理がなされる。
図30は、リールステータスが「低速回転(リーチ)」の場合のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。このフローチャートは前記図29(d)ないし(i)と類似するフローチャートであり、共通する部分については説明を省略し、相違点についてのみ述べる。リールサブステータスが4以上で28H未満の場合にはS410に進む。S410では、リールサブステータスの値に基づきリールスローダウンテーブルを参照してスクロール値をセットする処理が行なわれ、S411によりサブステータスを「1」加算する処理が行なわれる。そしてリールサブステータスが28Hになれば、S412に進み、スロー回転カウンタを「1」減算する処理がなされる。このスロー回転カウンタは、リーチの成立している当りライン上における可変表示部をゆっくりと比較的長い時間にわたって回転させ、予定停止図柄が表示された時点で停止制御するためのカウンタであり、後述するS420によりセットされる。そしてS413によりそのカウント値が「0」になったか否かの判断がなされ、未だになっていない場合にはS415に進み、スクロール値を−4Hにしてスロー回転状態を維持する。そしてS412が複数回実行されてスロー回転カウンタのカウント値が「0」となった時点でS414に進み、リールサブステータスを「1」加算する処理がなされた後にS415に進む。
S414の処理の結果、制御はS416に進む。このS416では、リールサブステータスの値に基づきリールストップデータテーブルを参照してスクロール値をセットする処理がなされ、S417によりリールサブステータスを「1」加算する処理がなされる。
図31は前記S387,S405に示された停止図柄データセット処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まずS418により、リーチ時であるか否かの判断がなされ、リーチ時でない通常状態の場合にはS419により、停止図柄の512ドット手前のデータがセットされる。7やフルーツ図柄の1図柄が64ドットであるために512ドット手前とは予定停止図柄の8図柄(7やフルーツ図柄における8図柄)手前のデータがセットされる状態となる。この結果、可変表示部の可変表示中において、S387により予定停止図柄の8図柄(7やフルーツ図柄の場合における8図柄)手前の図柄データがセットされて可変表示中の図柄をそのセットされた図柄に切換える制御が行なわれ、そのうち8図柄分可変表示を続行させた段階でS386により図柄の停止が行なわれる。
一方、リーチ時においてはS418によりYESの判断がなされてS420に進み、予定停止図柄NO.に基づきスロー回転カウンタをセットする処理が行なわれる。これは、予定停止図柄次第でリーチ時における可変表示部の可変表示時間が異なるために、その予定停止図柄に従った値をスロー回転カウンタにセットするのである。次にS421に進み、リールNO.が7か否かの判断がなされ、7の場合にはS423に進み、当りライン1,6の少なくとも一方においてリーチが成立しているか否かの判断がなされ(図4参照)、リーチが成立している場合にはS426に進み、「7」の図柄の512ドット手前のデータすなわち8図柄(7やフルーツ図柄における8図柄)手前のデータがセットされる。一方、S423によりNOの判断がなされた場合にはS425に進み、スロー回転カウンタを短く再設定してS426に進む。その結果、リールNO.7がリーチに関わっていない場合には、S425の処理により、リーチに関わっている場合よりも短い時間で停止制御される。
一方、リールNO.が8の場合にはS422によりYESの判断がなされてS424に進み、当りライン3,4のうちの少なくとも一方においてリーチが成立しているか否かの判断がなされ(図4参照)、リーチが成立している場合にはS426に進むが、リーチが成立していない場合にはS425により、スロー回転カウンタを短く再設定する処理がなされた後にS426に進む。その結果、リールNO.8がリーチに関わっていない場合にはリーチに関わっている場合よりも短い時間で停止制御される。そして、前記S405により「7」図柄の8図柄手前のデータがセットされた後徐々にスクロール速度が低速に制御されるために、スクロール速度が低速になって遊技者が十分可変表示状態を視認できる状態になった段階で「7」の図柄が可変表示部に現われてくる状態となる。そして、スロー回転カウンタの働きにより、予定停止図柄が表示された段階で可変表示部が停止されることになる。
前記S387,S405,S418〜S426により、前記電気的可変表示装置の表示結果が導出される以前の可変表示中において、前記電気的可変表示装置の表示内容を前記表示結果事前決定手段により決定された表示結果よりも所定段階手前の表示内容に選択的に切換える表示内容切換手段が構成されている。S386,S404により、前記所定段階手前の表示内容から前記表示結果事前決定手段で決定された表示結果になるまで前記電気的可変表示装置を可変表示させた後該表示結果を導出表示させる表示結果導出手段が構成されている。
図32は、サブCPU34が基本回路24からコマンドデータを取込むための割込処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まずS427により、送られてきたコマンドデータはヘッダであるか否かの判断がなされ、ヘッダである場合にはコマンド入力カウンタを「1」にセットし、S429により、コマンド予備エリアにコマンドデータをセットする処理がなされる。そしてS430により、チェックサムデータにヘッダデータをセットする処理がなされる。次に、送られてきたコマンドデータがヘッダでない場合にはS431に進み、コマンド入力カウンタが「0」であるか否かの判断がなされる。ヘッダデータが未だに送られてきていない場合にはS428の処理が行なわれていないためにコマンド入力カウンタの値は「0」となっているために、その場合には送られてきたデータを無視するべくS432以降の処理が行なわれない。一方、既にヘッダデータが送られてきている場合にはS431によりNOの判断がなされてS432に進み、コマンド予備エリアに送られてきたコマンドデータをセットする処理がなされる。そしてS433により、コマンドデータがチェックサムであるか否かの判断がなされ、チェックサムでない場合にはS434に進み、チェックサムデータにコマンドデータを加算する処理が行なわれ、S435には、コマンド入力カウンタを「1」加算する処理が行なわれる。このように、チェックサムデータ以外のコマンドデータが送られてくるたびにS434により、そのデータを加算するのである。この加算は、S430によるヘッダデータも含まれている。そして、送られてきたコマンドデータがチェックサムの場合にはS436に進み、チェックサムが一致するか否かの判断が行なわれる。これは、S434により加算したチェックサムデータと基本回路側で独自に送信データを加算した値のチェックサムデータとが一致するか否かを判別しているのであり、正常な場合には一致するためにS437に進み、コマンド予備エリアに記憶されているデータを正式な適切なデータとしてコマンドエリアにセットする処理がなされ、S438により、コマンド入力カウンタをクリアする処理がなされる。一方、チェックサムが一致しない場合にはS437の処理を行なうことなくS438に進む。ゆえに、チェックサムが一致しない場合には送信されてきたデータが破棄されることとなる。
以上の実施の形態の場合には、予定停止図柄がどのような図柄であっても可変表示部の可変開始から停止までの時間が一律に定まっているために、リーチ状態が発生しない場合の図柄1〜9の可変表示時間あるいは図柄1〜6に関する可変表示時間は常に一定となるので、基本回路24側の可変表示時間データの種類を少なくすることができ基本回路24が可変表示部の可変表示時間の管理を行ない易いという利点がある。
以上説明した実施の形態においては、はずれと事前決定された場合の各可変表示部2a〜2iの予定停止図柄を、C RND ZU1〜9のそれぞれの可変表示部に1対1で対応するカウンタの抽出値に基づいて決定していたが、それに代えて、図2に示す3つの図柄列に対応する3つのカウンタを用意し、その3つのカウンタの抽出値により3つの図柄の中からその抽出値に相当する図柄を決定するようにする。たとえば、図2に示す一番左の列の図柄列において予定停止図柄がたとえば「7」に決定された場合には、その決定された「7」をたとえば可変表示部2aに停止表示させ、可変表示部2bはたとえばその1つ下のブドウのフルーツ図柄を停止表示させ、可変表示部2cはさらにその1つ下の星印マークのはずれ図柄を停止表示させ、可変表示部2dはさらにその1つ下のオレンジのフルーツ図柄を停止表示させ、可変表示部2eはさらにその1つ下の星印マークのはずれ図柄を停止表示させ、可変表示部2fはさらにその1つ下のフルーツ図柄を停止表示させるようにしてもよい。また、中央の図柄列においても、1つのカウンタの抽出値に応じた図柄を予定停止図柄として決定し、たとえばその予定停止図柄が上から3つ目の星印マークのはずれ図柄であった場合には、その星印マークのはずれ図柄をたとえば可変表示部2gで表示させ、その1つ下のメロンのフルーツ図柄を可変表示部2hで停止表示させるようにしてもよい。このようにした場合には、予定停止図柄を事前決定するためのカウンタの数が減少し、マイクロコンピュータによる制御が行ないやすくなるという利点がある。
12 遊技盤、13 遊技領域、1 電気的可変表示装置、50 可変入賞球装置、2a〜2i 可変表示部、24 基本回路、30 CPU、31,35 ROM、32,36 RAM、33 I/Oポート、34 サブCPU、2 液晶表示装置。