JP4078315B2 - ひずみ計測装置及び計測方法 - Google Patents
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Description
また、例えばコンクリート構造物のように構造体の肉厚が厚く、表面だけでは変形状態を把握できない場合がある。
このような場合、センサを内部に埋設する必要があるが、ひずみゲージ等を埋め込むために、構造物を破壊する必要がある、という問題がある。
さらに、複合材で構成される航空機のように構造物の表面にセンサを設置できない場合がある。
Vac=λ R ×fac/(2n)…(I)
ここで、Vacは音速、λ R は電磁波の波長、facは音波の周波数、nは電磁波の屈折率である。
Vac=λ R ×fac/(2n)…(I)
ここで、Vacは音速、λ R は電磁波の波長、facは音波の周波数、nは電磁波の屈折率である。
本発明による第1の実施の形態に係るひずみ計測装置について、図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施の形態に係るひずみ計測装置を示す概念図である。
図1に示すように、本実施の形態に係るひずみ計測装置10は、被計測対象物11に音波を12入射する音波発生装置13と、被計測対象物11に電磁波14を入射する電磁波発生装置15と、反射電磁波16を受信する電磁波の受信器17と、受信した信号18を処理する信号処理装置19とを具備してなるものである。
そして、入射した電磁波14の反射の有無から、音波の音速(Vac)を次の式(I)から算出する。
ここで、Vacは音波の音速、λRは電磁波の波長、facは音波の周波数、nは電磁波の屈折率である。
ρ=(K+4/3G)/Vac2 …(II)
ここで、Kは体積弾性率、Gはずれ弾性率、ρは密度である。
ε=(ρ−ρ0)/ρ0 …(III)
この結果、被計測対象物11に、従来のように光ファイバ等を用いたひずみ計測装置を埋め込むことがなくなり、いわゆる被接触でひずみを計測することができる。
本発明による第2の実施の形態に係るひずみ計測装置について、図面を参照して説明する。
図2は、第2の実施の形態に係るひずみ計測装置を示す概念図である。なお、第1の実施の形態の計測装置10と同一部材については同一符号を付してその説明は省略する。
図2に示すように、本実施の形態に係る計測装置10は、第1実施の形態の音波発生装置13と電磁波発生装置15とを同軸に位置するようにし、反射電磁波16の戻り時間を計測する時間計測装置20を設けたものである。
音波12と電磁波14とを同軸で入射し、反射して戻る反射電磁波16の戻り時間を時間計測装置20で計測し、次の式(IV)から、反射位置を算出することで、ひずみの分布を求める。
ここで、Lは反射点の位置、cは電磁波の速度、tは戻り時間である。
すなわち、被計測物11中を伝播する電磁波の一部が音波との干渉により、反射信号が得られる。この反射はある波長で干渉が生じ、反射電磁波として戻ってくる。反射電磁波16は、反射点での状態(ひずみ)の情報を反射波長として有している。
この結果、戻り時間と各時刻での反射波長を取得することにより、ひずみの分布を得ることができる。
本発明による第3の実施の形態に係るひずみ計測装置について、図面を参照して説明する。図3は、第3の実施の形態に係るひずみ計測装置を示す概念図である。なお、第1及び第2の実施の形態の計測装置10と同一部材については同一符号を付してその説明は省略する。
図3に示すように、本実施の形態においては、音波発生装置13から入射する音波12をパルス状としたものである。なお、音波発生装置13と電磁波発生装置15との同期をとるために、タイミング装置21を設けている。
音波と電磁波の反射時間差は次のようにする。
tac=L/cac
tr=L/cr
Δt=tac−tr
ここで、tacは音波の伝播時間、Lは計測対象位置までの距離、cacは音速、trは電磁波の伝播時間、crは電磁波の速度、Δtは反射時間差である。
なお、電磁波14についても同様にパルス状とするようにしてもよい。
本発明による第4の実施の形態に係るひずみ計測装置について、図面を参照して説明する。図4は、第4の実施の形態に係るひずみ計測装置を示す概念図である。なお、第1乃至第3の実施の形態の計測装置10と同一部材については同一符号を付してその説明は省略する。
図4に示すように、本実施の形態においては、音波発生装置13から入射する音波12が指向性を有する音波を用いるようにしたものである。
本発明による第5の実施の形態に係るひずみ計測装置について、図面を参照して説明する。図5は、第5の実施の形態に係るひずみ計測装置を示す概念図である。なお、第1乃至第4の実施の形態の計測装置10と同一部材については同一符号を付してその説明は省略する。
図5に示すように、本実施の形態においては、反射電磁波16の受信信号に対して、音速によるドップラーシフトの波長変化を考慮したフィルタ22を用いるようにしたものである。
本実施の形態では、音波の受信器17と信号処理装置19との間にフィルタ22を配するようにしてので、受信する信号の帯域を制限することとし、これにより入射した電磁波の被計測物11の境界などによる乱反射の影響を除去するようにしている。
本発明による第6の実施の形態に係るひずみ計測装置について、図面を参照して説明する。図7は、第6の実施の形態に係るひずみ計測装置を示す概念図である。
図7に示すように、本実施の形態においては、被計測物11の表面を金属箔51で覆うようにすると共に、被計測物11の内部に細径の導線52を予め埋設したものである。
この結果、高周波リード線33からの電磁波の指向性が向上するようになる。
前記細線52は数10μm以下、特に好ましくは数μmとすれば、埋設による凹凸の影響が生じないので好ましい。
本発明による第7の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図9は、本発明のひずみ計測装置を風車のひずみに用いた概念図である。
図9に示すように、風車60の内部空間のリブ61にひずみ計測装置10を設置し、風車60の羽根62の構造の変形を計測している。ひずみ計測装置10からの信号はリード線63により信号処理装置19に送られ、ここで構造の変化を測定する。
また、本発明によるひずみ計測装置は風車の羽根のひずみを計測するのみならず、例えばコンクリート構造物のひずみの計測、FRP等の複合材の変形計測に適用することができる。
本実施例で用いた計測装置は、図3に示すように、被計測物11に音波発生装置13と電磁波発生装置15とを同軸とし、パルス状の音波12を入射した。また、被計測例えば物11の材料はGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)を用いた。ここで、例えばひずみの無い材料(GFRP)の音速Vac0=3200m/sとし、ひずみの発生範囲が0〜1%とすると、音速とひずみの関係が次の式(1)に従う場合、音波の音速(Vac)の範囲は、3200m/s〜3216m/sと予想される。
Vac=Vac0/√(1−ε)・・・(1)
被計測物11の領域について、電磁波を連続投入し、空間分解能を考慮して、たとえばt=0.1msec(パルスの長さ320mm)のパルス状の音波を、周波数を変化させながら入射する。
t=L/Vac+L/Vr・・・(2)
ここで、例えば、t=1.5×10-3(sec)、Vac=3200(m/sec)、Vr=2.0×108(m/sec)とすると、反射波は、L=4.8mm弱の地点(4.7999232mm)の位置から戻ったものである。
図11では、反射のある部分を太線で示している。点線は、各軸の相関を分かりやすくするためのものである。たとえば、横方向の点線は、f1とf2の周波数であることを示し、奥行き方向(Z方向)の点線は、周波数f1とf2で信号が変化している領域が時間t1とt2で対応していることを示している。
1)先ず、計測を開始すると、音波の周波数facをf0〜f3で繰り返す(S1)。これは、周波数facをセットし、音波を出力する(S1−1)。次に、電磁波パルスを出力する(S1−2)。これを、電磁波の発射から材料の終端まで繰り返す(S1−3)。この繰り返しの際、反射電磁波を時間の関数として受信する(S1−3−1)。
2)反射波の信号を時間から距離に換算する(S−2)。
3)各位置における反射波のスペクトルR(fac)から、反射波の中心波長C(L)を得る(S−3)。
4)あらかじめ得た中心波長とひずみの関係から、各位置のひずみを算出する(S−4)。
ここで、材料が変形していない場合、音波の周波数は変化していないので図11の周波数f1で実線の太線のように反射信号が戻ってくることが確認できる。
一方、ひずみが発生している区間では、f1では実線の細線で示すように反射信号が確認できない。
図13及び図14では、横軸に周波数を、縦軸に受信強度を示す。こららの図面に示すように、時刻taとtbの位置の時間軸をみるとスペクトルの形状をしている。
この関数を距離L(時刻tから換算したもの)における、反射波の強度分布の周波数特性として、R(L、fac)とする。
次に、この中心周波数を距離Lにおける反射波の中心周波数として、C(L)とする。例えば、時刻taの位置は、Laで、この中心周波数はC(La)である。
最後に、各位置の中心周波数をひずみに換算する。
この換算には、図15に示すように、あらかじめ別途試験により取得しておいた「音波の周波数とその周波数で電波を反射する材料のひずみ」の関係を利用する。例えば、距離Laのひずみは、C(La)の周波数で鉛直に上がり(点線)、上記関係を示す線(図の太線)の交点から、横(点線)のひずみ値ε(La)が対応する。
上述した手順を繰り返すことで、図15の関係から、各位置におけるひずみ分布が求められる。
11 被計測対象物
12 音波
13 音波発生装置
14 電磁波
15 電磁波発生装置
16 反射電磁波
17 電磁波の受信器
18 信号
19 信号処理装置
20 時間計測装置
21 タイミング装置
22 フィルタ
Claims (9)
- 被計測対象物に音波を入射する音波発生装置と、
被計測対象物に電磁波を入射する電磁波発生装置と、
反射電磁波を受信する受信器と、
受信した信号を処理する信号処理装置とを具備してなり、
音波の周波数を変化させて、反射電磁波の得られる音波の反射条件を満たすことにより、反射電磁波の有無を求め、下記式Iから音波の音速(Vac)を求め、該求めた音速からひずみの有無を推定する
ことを特徴とするひずみ計測装置。
Vac=λ R ×fac/(2n)…(I)
ここで、Vacは音速、λ R は電磁波の波長、facは音波の周波数、nは電磁波の屈折率である。 - 請求項1において、
前記反射電磁が得られる音波の中心周波数を利用してひずみを求めることを特徴とするひずみ計測装置。 - 請求項1又は2において、
高周波リード線を介して電磁波が被計測対象物に入射されてなると共に、該高周波リード線に接続する細径の導線が被計測対象物内に埋め込まれてなることを特徴とするひずみ計測装置。 - 請求項3において、
被対象物を金属箔で覆ってなることを特徴とするひずみ計測装置。 - 請求項3において、
前記細径の導線が2本並行に埋め込まれてなることを特徴とするひずみ計測装置。 - 請求項1乃至5のいずれか一つにおいて、
前記被計測対象物が固定側に対して回転自在に支持された回転体であることを特徴とする回転体のひずみ計測装置。 - 請求項6において、
前記回転体が風力発電用風車の羽根であることを特徴とする回転体のひずみ計測装置。 - 被計測対象物に音波と電磁波とを入射し、
音波の周波数を変化させて、反射電磁波の得られる音波の反射条件を満たすことにより、反射電磁波の有無を求め、下記式Iから音波の音速(Vac)を求め、該求めた音速からひずみの有無を推定する
ることを特徴とするひずみ計測方法。
Vac=λ R ×fac/(2n)…(I)
ここで、Vacは音速、λ R は電磁波の波長、facは音波の周波数、nは電磁波の屈折率である。 - 請求項8において、
前記反射電磁が得られる音波の中心周波数を利用してひずみを求めることを特徴とするひずみ計測方法。
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