JP4077193B2 - 薬剤添加管理支援システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抄紙設備のスライム・コントロール剤の白水系添加に関する様々な管理を遠隔地にて支援できるようにし、抄紙設備の不具合、管理者負担、及び諸経費を削減することが可能な薬剤添加管理支援方法、薬剤添加管理支援システム、薬剤添加管理支援サーバ装置、及び遠隔監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特公平7−523や特公平6−41457では、紙パルプ工業分野における用水や、冷却用循環用水、紙用塗工液、水性塗料、化粧品などに対する殺菌剤ないし防菌剤に関する技術が開示されている。
【0003】
更に、特開平7−75787では、紙パルプ製造工程水、用水、排水中に発生するスライムによる障害を防止するために、溶存酸素量測定によって微生物の発生状況を把握し、スライム・コントロール剤の投入を管理するという技術が開示されている。このスライム・コントロール剤には殺菌剤が用いられている。なお、以下において該スライム・コントロール剤については、単に薬剤とも称するものとする。
【0004】
特開平11−153559では、紙パルプ・プロセス白水系や冷却水系などの各種工業用水系において、水中の硬度成分などによるスケールや、水中の微生物や有機栄養分によるスライムの付着状況を、把握するための技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、各種工業用水において、スライム発生を所定範囲に抑制するように、常時、適正にスライム・コントロールするためには、必要量のスライム・コントロール剤を、水温や薬剤品質その他に応じて適宜用水に添加する必要がある。スライム・コントロール剤には、紫外線や温度条件などによって経時的に殺菌効果が低下するものもある。添加量が不足すると、微生物が増殖してスライム発生が増大する。あるいは添加量が過剰になると、不要なコストが発生するだけでなく、添加すべきスライム・コントロール剤を補充する手間が増大する。
【0006】
このように、スライム・コントロール剤の添加においては、諸状況を把握して適正な管理をする必要があると共に、薬剤補充などの手間もかかる。しかしながら従来においては、このような問題点に着目されていなかった。
【0007】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、抄紙設備のスライム・コントロール剤の白水系添加に関する様々な管理を遠隔地にて支援できるようにし、抄紙設備の不具合、管理者負担、及び諸経費を削減することが可能な薬剤添加管理支援システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
まず、本願の第1発明の薬剤添加管理支援方法は、増殖する微生物によるスライム生成を抑制するために、スライム・コントロール剤を貯蔵タンクから抄紙白水系に添加する際に、所定の休止時間の間隔で動作し、前記添加を行なう薬剤添加装置の作動開始を、添加ポンプに流れる動力電流の大きさから検出し、該作動開始検出時において前記薬剤の少なくとも添加量を検出し、該検出の添加量のデータを遠隔地にある薬剤添加管理支援サーバ装置に伝達し、該伝達データに基づいて該薬剤添加管理支援サーバ装置において前記貯蔵タンクで薬剤がなくなるまでの時間を予測し、スライム・コントロール剤の補充に要する時間に基づいて決定し予め設定した補充猶予期間より、該予測時間が短くなった場合は、スライム・コントロール剤の補充を催促する通知を抄紙設備管理者側に送付することにより、前記課題を解決したものである。上記の所定休止時間は、本発明では特に限定されるものではなく、例えば薬剤の添加量や添加速度などと共に適切なスライム・コントロールが可能なように、例えば許容範囲に微生物の増殖が抑えられスライム発生が許容範囲に抑えられるように、予め定められたものである。又、上記の補充猶予期間は、本発明では特に限定されるものではなく、例えば薬剤が発注されてから実際に補充されるまでに要する期間などを配慮して、適切な設備運営が可能なように、予め定められたものである。
【0009】
又、前記薬剤添加管理支援方法において、前記作動開始検出時に、前記薬剤添加量検出と共に、前記貯蔵タンクの残量、薬剤品質、及び前記白水系の水質の内の少なくとも1つを検出し、これらの検出のデータを前記薬剤添加管理支援サーバ装置に伝達し、これらの伝達データに基づいて該薬剤添加管理支援サーバ装置において前記貯蔵タンクで有効品質の薬剤がなくなるまでの時間を予測し、スライム・コントロール剤の補充に要する時間に基づいて決定し予め設定した補充猶予期間より、該予測時間が短くなった場合は、スライム・コントロール剤の補充を催促する通知を、抄紙設備管理者側に送付することにより、抄紙設備管理者側は該通知により前記薬剤の補充を、的確にすることができる。
【0010】
更に、前記薬剤添加管理支援方法において、前記伝達データに基づいて該薬剤添加管理支援サーバ装置において、スライム生成が所定範囲に抑制可能な前記添加量及び前記休止時間を求め、これら添加量及び休止時間になるように抄紙関連設備を遠隔操作することにより、該薬剤添加管理支援サーバ装置から抄紙関連設備を遠隔操作でき、例えば1箇所の薬剤添加管理支援サーバ装置側から複数箇所にそれぞれある抄紙関連設備を一括操作することができる。
【0011】
次に、本願の第2発明の薬剤添加管理支援システムは、増殖する微生物によるスライム生成を抑制するために、スライム・コントロール剤を貯蔵タンクから抄紙白水系に添加する際に、所定の休止時間の間隔で動作し、前記添加を行なう薬剤添加装置の作動開始を、添加ポンプに流れる動力電流の大きさから検出し、該作動開始検出時において前記薬剤の添加量、前記貯蔵タンクの残量、薬剤品質、及び前記白水系の水質を検出し、これらの検出のデータを遠隔地にある薬剤添加管理支援サーバ装置に伝達する遠隔監視装置と、これらの伝達データに基づいて該薬剤添加管理支援サーバ装置において前記貯蔵タンクで有効品質の薬剤がなくなるまでの時間を予測し、スライム・コントロール剤の補充に要する時間に基づいて決定し予め設定した補充猶予期間より、該予測時間が短くなった場合は、スライム・コントロール剤の補充を催促する通知を抄紙設備管理者側に送付すると共に、スライム生成が抑制可能な前記添加量及び前記休止時間を求め、これら添加量及び休止時間になるように抄紙関連設備を遠隔操作する薬剤添加管理支援サーバ装置と、抄紙関連設備側において該遠隔操作のための機構及び制御装置を有する薬剤添加装置と、を備えることにより、前記課題を解決したものである。
【0012】
次に、本願の第3発明の薬剤添加管理支援サーバ装置は、増殖する微生物によるスライム生成を抑制するために、スライム・コントロール剤を貯蔵タンクから抄紙白水系に添加する際に、所定の休止時間の間隔で動作し、前記添加を行なう薬剤添加装置の作動開始を、添加ポンプに流れる動力電流の大きさから検出し、該作動開始検出時において前記薬剤の添加量、前記貯蔵タンクの残量、薬剤品質、及び前記白水系の水質を検出した結果の、遠隔地から伝達されるデータを受けて、これらデータを蓄積するため書き込むデータ受取り処理装置と、該蓄積の書き込み先の遠隔データ蓄積装置と、これらデータに基づいて、該薬剤添加管理支援サーバ装置において前記貯蔵タンクで有効品質の薬剤がなくなるまでの時間を予測する薬剤量持続時間予測装置と、スライム・コントロール剤の補充に要する時間に基づいて決定し予め設定した補充猶予期間より、該予測時間が短くなった場合は、スライム・コントロール剤の補充を催促する通知を抄紙設備管理者側に送付する薬剤補充レポート装置と、これらデータに基づいて、スライム生成が抑制可能な前記添加量及び前記休止時間を求め、これら添加量及び休止時間になるように抄紙関連設備を遠隔操作する抄紙関連設備制御量演算装置と、を有することにより、前記課題を解決したものである。
【0014】
又、前記遠隔監視装置において、前記薬剤添加管理支援サーバ装置側から送られる、少なくとも添加量データ及び休止時間データに基づいて、実際の前記薬剤添加量及び前記休止時間を制御する薬剤添加制御装置を備えるようにしたことにより、前記薬剤添加管理支援サーバ装置側から、これら薬剤添加量及び休止時間を制御できるようにすることができる。
【0015】
以下、本発明の作用について、簡単に説明する。
【0016】
本発明においては、増殖する微生物によるスライム生成を抑制するために、スライム・コントロール剤を貯蔵タンクから抄紙白水系に添加する際に、所定の休止時間の間隔で動作する薬剤添加装置の作動開始を検出する。そうして、該作動開始検出時において前記薬剤の少なくとも添加量を検出し、該検出の添加量のデータを、遠隔地にある薬剤添加管理支援サーバ装置に伝達する。従って、薬剤添加において、経時的に変化する諸データにあって、薬剤添加状況を把握するのに好適なタイミングにおけるデータが選択されて、薬剤添加管理支援サーバ装置側に伝達することができる。
【0017】
更に本発明においては、該伝達データに基づいて該薬剤添加管理支援サーバ装置において前記貯蔵タンクで薬剤がなくなるまでの時間を予測する。又、スライム・コントロール剤の補充に要する時間に基づいて決定し予め設定した補充猶予期間より、該予測時間が短くなった場合は、スライム・コントロール剤の補充を催促する通知を抄紙設備管理者側に送付する。
【0018】
上述の補充猶予期間については、本発明は具体的に限定するものではない。スライム・コントロール剤が近くで用意されている場合は、該薬剤の補充には時間がかからないので、該補充猶予期間は比較的短くなる。一方、該補充に際して、スライム・コントロール剤を新たに発注する場合は、該薬剤の補充には時間がかかるので、該補充猶予期間は比較的長くなる。このように補充猶予期間は、スライム・コントロール剤の補充に要する時間に基づいて決定し予め設定されたものであればよい。
【0019】
従って、本発明によれば、スライム・コントロール状況を遠隔地にて把握することができ、薬剤補充の管理を遠隔地にて支援することができる。このように本発明では、抄紙設備のスライム・コントロール剤の白水系添加に関する様々な管理を遠隔地にて支援できるようにし、抄紙設備の不具合、管理者負担、及び諸経費を削減することが可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図を用いて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明が適用された薬剤添加管理支援システムの実施形態の全体的な構成を示すブロック図である。
【0022】
この図において、本実施形態の中心になるのは、薬剤添加管理支援サーバ装置10であり、又関連して、販売管理サーバ装置11が設けられている。なお、薬剤添加管理支援サーバ装置10及び販売管理サーバ装置11を、単一のハードウェアによるサーバ装置において、一体構成してもよい。又、これら薬剤添加管理支援サーバ装置10や販売管理サーバ装置11は、一般的なサーバ装置としてのハードウェアやOS(Operating System)を用いて構築されている。
【0023】
これら薬剤添加管理支援サーバ装置10、及び販売管理サーバ装置11は、データ通信網1や携帯電話基地局17を経由して、遠隔監視装置5によって利用することができる。
【0024】
なお、データ通信網1は特に限定されるものではない。例えば、NTTその他の第一種通信事業者が提供する有線の公衆データ通信回線を利用するものでもよい。あるいは、データ通信の専用回線や、インターネットを利用してもよい。MODEM(modulator-demodulator)を用いて音声の電話回線を利用してもよい。ADSL(asymmetric digital subscriber line)などのXDSL(x digital subscriber line)や光ファイバ回線を利用したり、利用者端末装置5として携帯電話やPHS(簡易携帯電話:Personal Handy Phone)やPDAを利用したり、公衆電話回線として国際電話回線を利用したりするものでもよい。
【0025】
又、遠隔監視装置5は、携帯電話による通信を介さずに、このようなデータ通信網1に直接接続するようにしてもよい。携帯電話基地局17は、携帯電話の通信を有線の通信網に接続するものであるが、第二種通信事業者のいわゆるプロバイダとしての機能を併設してもよい。この場合データ通信網1はインターネットになる。例えば、NTT DoCoMo社の携帯電話での「iモード」やこれに類似するものでは、所定の経路でインターネットに接続されるので、これを利用してもよい。
【0026】
図2は、本実施形態で用いる遠隔監視装置5の構成を示すブロック図である。
【0027】
薬剤添加動作検出装置21と、添加薬剤流量検出装置22と、薬剤品質検出装置23と、薬剤残量検出装置24と、白水系水質検出装置25と、薬剤監視制御装置30と、薬剤添加制御装置42と、携帯電話50とを有している。又、薬剤監視制御装置30は、データ入力収集装置31と、データ転送処理装置32と、異常対応処理装置33と、設定値変更処理装置35と、ファクシミリ装置36と、携帯電話インタフェイス装置38とを有している。薬剤添加制御装置42は、添加流量設定装置44と、オン時間タイマ装置45と、オフ時間タイマ装置46とを有している。
【0028】
なお、以上に述べた各装置において、所定のハードウェアで動作するソフトウェア・プログラムによって実現されているものもある。
【0029】
なお、携帯電話50は前述したように、遠隔監視装置5、特に薬剤監視制御装置30と薬剤添加管理支援サーバ装置10との間でデータ通信をする際に、携帯電話の通信網を経由する場合に用いるものである。又、携帯電話インタフェイス装置38は、薬剤監視制御装置30内の諸装置が、携帯電話50を利用した通信をするためのインタフェイスである。
【0030】
ここで、本実施形態においては、このように携帯電話の通信網を用いずに、これに代えて他の通信網を用いることも可能である。このように他の通信網を用いる場合、携帯電話50や携帯電話インタフェイス装置38は採用する通信網に対応させたものを用いればよい。例えば、採用する通信網に合わせて、携帯電話50に代えて他のMODEMやTA(Terminal Adapter)などの機器を用いたり、又このような機器に適合させた携帯電話インタフェイス装置38に代わるインタフェイス装置を用いたりするようにすればよい。
【0031】
図3は、本実施形態における薬剤添加設備の構成を示すブロック図である。
【0032】
この図において、白水ピット84には符号L1の水位まで、抄紙用の白水が蓄えられている。この白水は、薬剤貯蔵タンク80に貯蔵されているスライム・コントロール剤を適宜添加して殺菌し、微生物の増殖を抑制し、スライム生成を抑制する必要がある。白水ピット84の白水のスライム生成状況は、白水中の水質検出器65により検出するようになっている。水質検出器65が出力する水質に応じた信号は、白水系水質検出装置25に入力されている。又、該白水系水質検出装置25からデータ入力収集装置31に、白水系の水質検出結果のデータが入力される。
【0033】
この図では、スライム・コントロール剤は、薬剤貯蔵タンク80において符号L2の水位まで貯蔵されている。該水位は、白水ピット84への薬剤添加に応じて漸次下降していき、再び薬剤を補充することで上昇する。該水位に応じた薬剤残量は、貯蔵されている薬剤中の残量検出器64により検出するようになっている。残量検出器64が出力する残量に応じた信号は、薬剤残量検出装置24に入力されている。又、該薬剤残量検出装置24からデータ入力収集装置31に、薬剤の残量検出結果のデータが入力される。
【0034】
又、貯蔵されている薬剤には、紫外線や温度条件その他により経時的に品質が低下して、殺菌性が低下ないしは喪失してスライム・コントロールできなくなるものがある。本実施形態では該薬剤中に、品質検出器63が設けられている。貯蔵されている薬剤の品質は、該薬剤中の品質検出器63により検出するようになっている。品質検出器63が出力する品質に応じた信号は、薬剤品質検出装置23に入力されている。又、該薬剤品質検出装置23からデータ入力収集装置31に、薬剤の品質検出結果のデータが入力される。
【0035】
薬剤貯蔵タンク80に貯蔵されている薬剤は、添加ポンプ82の添加動作によって白水ピット84中の白水に注がれ、添加される。該添加ポンプ82では流量設定機構60により、毎分の添加量で表される添加流量が設定できる。該流量設定機構60では、薬剤添加制御装置42の添加流量設定装置44にあるレジスタには、該添加流量の目標値が書き込まれる。該添加流量設定装置44は、添加ポンプ82の添加動作時の添加流量が該目標値になるように、流量設定機構60の機械機構を作動させ調整する。
【0036】
なお、実際の添加流量は、本実施形態においては流量計62によって実測している。該実測の添加流量を表す信号は、添加薬剤流量検出装置22に入力されている。又、該添加薬剤流量検出装置22からデータ入力収集装置31に、該実測添加流量のデータが入力される。
【0037】
又、添加ポンプ82が添加動作を開始した後の安定した添加動作中に、該実測添加流量の値がゼロであったり、正常範囲としての予め設定された格差以上に、該実測値が上述の目標値から外れたりしている場合は、添加ポンプ82など何らかの異常ありとデータ入力収集装置31において判断している。
【0038】
添加ポンプ82は、薬剤添加制御装置42にあるオン時間タイマ装置45中のレジスタに書き込まれたオン時間設定値だけ動作し、この後動作停止する。又、該動作停止後に、オフ時間タイマ装置46中のレジスタに書き込まれたオフ時間設定値だけ時間経過すると、オン時間タイマ装置45の動作がリセットされ、再び添加ポンプ82が動作する。このように添加ポンプ82は、上記のオン時間設定値だけ動作し、この後、オフ時間設定値だけ停止するという、オン及びオフの動作サイクルを繰り返す。本実施形態では該オンオフ動作サイクルにおいて、あるオン開始から次回のオン開始までの時間は、オフ時間タイマ装置46中のレジスタに書き込まれたオフ時間設定値となる。
【0039】
又、添加検出器61は、電流センサが用いられている。薬剤添加動作検出装置21は、該添加検出器61によって検出される添加ポンプ82に流れる動力電流の大きさから、添加ポンプ82が添加動作をしているか否かを検出する。添加動作中であるか否かの情報は、該薬剤添加動作検出装置21からデータ入力収集装置31に入力される。本実施形態においては、添加ポンプ82の添加動作開始をこのように添加検出器61の電流センサによって検出するようにしており、このような電流センサ利用の該添加検出器61は、既設で既に稼動実績がある添加ポンプ82に対して、後付け設置が比較的容易であるという特徴がある。
【0040】
これら図2及び図3において、上述したように、薬剤添加動作検出装置21、添加薬剤流量検出装置22、薬剤品質検出装置23、薬剤残量検出装置24、白水系水質検出装置25は、それぞれ該当の検出器による検出を行う。そして、これら検出により得られたデータは、これら装置からデータ入力収集装置31に入力される。該データ入力収集装置31は、薬剤添加動作検出装置21により添加ポンプ82の添加動作開始が検出された時に、これらデータを収集データ蓄積装置40に書き込み、蓄積する。
【0041】
本実施形態においては、このように添加動作開始が検出された時にのみ、データの蓄積をするので、蓄積するデータの数が絞られ、収集データ蓄積装置40の記憶容量を有効に活用することができる。
【0042】
なお、通常、添加検出器61によって、添加ポンプ82の動力電流により該添加ポンプ82の作動開始が検出された直後は、該添加ポンプ82などはまだ安定動作に至っていない場合もある。例えば、動力電流など種々の検出器による作動開始が検出された直後から、添加動作が安定動作になるまでに、所定時間を要する場合もある。このような場合は、検出器が添加動作開始を検出したから、該所定時間の経過後の時点を、本実施形態において上述のようにデータ蓄積その他をするタイミングとなる、添加動作開始時としてもよい。
【0043】
なお、収集データ蓄積装置40に蓄積などする、添加ポンプ82による添加量の数値としては、種々の数値を必要に応じて適宜採用できる。例えば、該添加量数値として、流量計62による流量を採用することもできる。あるいは、該添加量数値として、オン時間タイマ装置45により添加ポンプ82がオンとなっている時間における添加総量、即ち、〔(流量計62による流量)×(オン時間タイマ装置45のオン時間)〕を採用することもできる。あるいは、該添加量数値として、オフ時間タイマ装置46の設定時間間隔でオン時間タイマ装置45の設定時間だけ動作し、間欠動作する添加ポンプ82において、オン時及びオフ時を含めた単位時間当たり添加流量、即ち、〔{(流量計62による流量)×(オン時間タイマ装置45のオン時間)}/(オフ時間タイマ装置46のオフ時間)〕を採用することもできる。
【0044】
データ転送処理装置32は、薬剤添加管理支援サーバ装置10のデータ受取り処理装置72からデータ転送処理装置32へのポーリング動作時に、収集データ蓄積装置40に蓄積されたデータの内、必要なものを該データ受取り処理装置72に伝達する。例えば、前回のポーリング動作以降に蓄積された、新しいデータのみを伝達するようにしてもよい。伝達されたものは、該データ受取り処理装置72により遠隔データ蓄積装置70に蓄積される。
【0045】
異常対応処理装置33は、データ入力収集装置31から入力したデータに基づいて、薬剤添加に係る諸装置において、故障などの異常があるか否か判定する。又該異常対応処理装置33は、判定された異常の内容に応じた異常対応処理をする。例えば、異常ありと判定された場合に、異常対応処理装置33は、携帯電話インタフェイス装置38や携帯電話50を経由して薬剤添加管理支援サーバ装置10側の通信制御装置73を呼び出し、該薬剤添加管理支援サーバ装置10の異常処理装置75やデータ受取り処理装置72へ、判定された異常の内容について伝達する。あるいは、軽微な障害の異常と判定された場合は、該異常判定やその内容をまず収集データ蓄積装置40に保存しておき、ポーリング動作のデータ転送処理の際に、薬剤添加管理支援サーバ装置10側へと伝達するようにしてもよい。
【0046】
設定値変更処理装置35は、薬剤添加管理支援サーバ装置10の抄紙関連設備制御量演算装置74からの抄紙関連設備の遠隔操作時、該抄紙関連設備制御量演算装置74から送られる、添加流量設定装置44、オン時間タイマ装置45、及びオフ時間タイマ装置46それぞれが有する前述のレジスタに書き込むための、添加流量データ、オン時間データ、休止時間データを受ける。そして、設定値変更処理装置35は、これらデータを該当レジスタに書き込む。
【0047】
図4は、本実施形態の薬剤添加管理支援サーバ装置10の構成を示すブロック図である。
【0048】
図示されるように薬剤添加管理支援サーバ装置10は、遠隔データ蓄積装置70と、データ受取り処理装置72と、通信制御装置73と、抄紙関連設備制御量演算装置74と、異常処理装置75と、薬剤量持続予測装置76と、薬剤補充レポート装置77とを有している。
【0049】
なお、以上に述べた各装置において、所定のハードウェアで動作するソフトウェア・プログラムによって実現されているものもある。
【0050】
まず、通信制御装置73は、薬剤添加管理支援サーバ装置10において、遠隔監視装置5中の薬剤監視制御装置30や、販売管理サーバ装置11などとのデータの受渡しに関する処理をする。
【0051】
次に、データ受取り処理装置72は、薬剤監視制御装置30からデータを受ける。又、これらデータは該データ受取り処理装置72により、遠隔データ蓄積装置70に書き込まれ、蓄積される。
【0052】
本実施形態においては、増殖する微生物によるスライム生成を抑制するために、スライム・コントロール剤を貯蔵タンクから抄紙白水系に添加する際に、所定の休止時間の間隔で動作する薬剤添加装置の作動開始を検出し、該作動開始検出時において前記薬剤の添加量、前記貯蔵タンクの残量、薬剤品質、及び前記白水系の水質を検出した結果のデータが、まず薬剤監視制御装置30において、データ入力収集装置31により収集データ蓄積装置40に蓄積保存される。この後は、薬剤添加管理支援サーバ装置10のデータ受取り処理装置72からデータ転送処理装置32へのポーリング動作により、これらデータは該データ転送処理装置32によって収集データ蓄積装置40から読み出され、遠隔地の遠隔監視装置5側のデータ転送処理装置32からデータ受取り処理装置72に伝達され、遠隔データ蓄積装置70に蓄積される。
【0053】
次に、薬剤量持続予測装置76は、これらデータに基づいて、該薬剤添加管理支援サーバ装置10において前記貯蔵タンクで有効品質の薬剤がなくなるまでの時間を予測する。又、該薬剤量持続予測装置76では、スライム・コントロール剤の補充に要する時間に基づいて決定し予め設定した補充猶予期間より、該予測時間が短くなったか否か判定する。そうして、短くなったと判断した場合は、該判断や、これに関する情報を薬剤補充レポート装置77に渡し、薬剤補充を促すなどのレポート文書を作成させる。
【0054】
薬剤補充レポート装置77は、薬剤量持続予測装置76においてスライム・コントロール剤の補充に要する時間に基づいて決定し予め設定した補充猶予期間より、該予測時間が短くなったと判定された場合は、スライム・コントロール剤の補充を催促するレポート文書を作成する。又、該薬剤補充レポート装置77は、遠隔データ蓄積装置70に蓄積されている情報に基づいて、抄紙設備管理者などに有用なレポートを作成する。そして作成したものを、抄紙設備管理者側に通知する。
【0055】
なお、上述の補充猶予期間については、本発明は具体的に限定するものではない。スライム・コントロール剤が近くで用意されている場合は、該薬剤の補充には時間がかからないので、該補充猶予期間は比較的短くなる。一方、該補充に際して、スライム・コントロール剤を新たに発注する場合は、該薬剤の補充には時間がかかるので、該補充猶予期間は比較的長くなる。このように補充猶予期間は、スライム・コントロール剤の補充に要する時間に基づいて決定し予め設定されたものであればよい。
【0056】
該通知は、薬剤補充レポート装置77から遠隔監視装置5の携帯電話50に電子メールを送付したり、ファクシミリ装置36にファクシミリを送付したりすることによって行う。あるいは該通知は、薬剤補充レポート装置77から、一旦図1に示す販売管理サーバ装置11にレポート文書を送付してから、該販売管理サーバ装置11が他の情報と併せて、携帯電話50に電子メールを送付したり、ファクシミリ装置36にファクシミリを送付したり、郵送送付したりして、抄紙設備管理者側に通知するようにしてもよい。
【0057】
更に、遠隔監視装置5から送られ、データ受取り処理装置72に蓄えられているデータに基づいて、抄紙関連設備制御量演算装置74は、抄紙関連設備を適宜遠隔操作する。
【0058】
具体的には、まず、抄紙関連設備制御量演算装置74は、スライム生成が抑制可能な前記添加量及び前記休止時間を求める。該抄紙関連設備制御量演算装置74は、更に、該添加量になるような添加ポンプ82の添加流量、及び添加動作のオン時間を求める。そして、該抄紙関連設備制御量演算装置74は、求めたこれらのデータを遠隔監視装置5の設定値変更処理装置35や更には薬剤添加制御装置42に送る。又、該薬剤添加制御装置42における添加流量設定装置44、オン時間タイマ装置45、及びオフ時間タイマ装置46それぞれの前述したレジスタに、これら求めた添加流量、オン時間、休止時間のデータが書き込まれることにより、抄紙関連設備を遠隔操作する。
【0059】
異常処理装置75は、データ受取り処理装置72による前述のポーリング動作時に得られた、遠隔監視装置5側の異常事態に対処する処理をする。あるいは、異常対応処理装置33から送られてきた通知によって得られた、遠隔監視装置5側の異常事態に対処する処理をする。
【0060】
これらの対処処理としては、例えば、その異常事態の発生事実について、薬剤補充レポート装置77によりレポートとして遠隔監視装置5に通知する。あるいは、該異常事態の発生事実について一時的に遠隔データ蓄積装置70に保存しておき、この後に他の情報、例えば薬剤の補充情報と共に、遠隔データ蓄積装置70によりレポート文書として作成する。そして作成したものを、電子メールやファクシミリその他の形態で遠隔監視装置5側に通知し、抄紙設備管理者側に通知する。
【0061】
図5は、本実施形態における薬剤監視制御装置30の処理を示すフローチャートである。
【0062】
このフローチャートに示される処理は、遠隔監視装置5の薬剤監視制御装置30における処理を説明するためのものである。又、該処理は、この図のように1つのフローチャートで示されるような、必ずしも1つのプログラムによって実現されているものではない。
【0063】
この図において、まずステップ112ではデータ入力収集装置31が、薬剤添加動作検出装置21、添加薬剤流量検出装置22、薬剤品質検出装置23、薬剤残量検出装置24、白水系水質検出装置25から、種々のデータを入力する。更に該データ入力収集装置31は、これらのデータを収集データ蓄積装置40に書き込み、蓄積する。同時に、データ入力収集装置31は、これらのデータの内、必要なものを異常対応処理装置33に対して出力する。
【0064】
ステップ113では異常対応処理装置33は、データ入力収集装置31から入力したデータに基づいて、薬剤添加に係る諸装置において、故障などの異常があるか否か判定する。
【0065】
該データ入力収集装置31において異常と判定するものは、本実施形態では例えば次のようなものがある。
【0066】
▲1▼品質検出器63により薬剤貯蔵タンク80中の薬剤品質に問題が検出されている。(薬剤品質に実際に問題があったり、品質検出器63の不良の可能性)
【0067】
▲2▼残量検出器64により薬剤貯蔵タンク80中の薬剤残量がゼロないしは規定以下であると検出されている。(薬剤残量が実際に不足していたり、残量検出器64の不良の可能性)
【0068】
▲3▼水質検出器65により白水ピット84中の白水系の水質に問題が検出されている。(白水系の水質に実際に問題があったり、水質検出器65の不良の可能性)
【0069】
▲4▼オン時間タイマ装置45及びオフ時間タイマ装置46の状態その他から、添加ポンプ82が本来オンになって添加動作をしているべきであるにもかかわらず、添加検出器61から添加動作中であることが検出されない。(薬剤添加制御装置42や添加ポンプ82や添加検出器61の不良の可能性)
【0070】
▲5▼添加検出器61において添加動作中が検出されているにもかかわらず、流量計62では、添加される薬剤の流量がゼロになっている。例えば、添加ポンプ82が添加動作を開始した後の安定した添加動作中に、該実測添加流量の値がゼロである。(薬剤添加制御装置42や添加ポンプ82や添加検出器61や流量計62の不良の可能性)
【0071】
▲6▼又、添加ポンプ82が添加動作を開始した後の安定した添加動作中に、該実測添加流量の値が、正常範囲としての予め設定された格差以上に、流量計62による添加流量の実測値が、添加流量設定装置44に設定などされている目標値から外れたりしている場合は、添加ポンプ82など何らかの異常ありとデータ入力収集装置31において判断している。(薬剤添加制御装置42や添加ポンプ82や添加検出器61や流量計62の不良の可能性)
【0072】
ステップ113において異常ありと判定された場合は、ステップ114において、判定された異常の内容に応じた異常対応処理をする。
【0073】
例えば、異常ありと判定された場合に、異常対応処理装置33は、携帯電話インタフェイス装置38や携帯電話50を経由して薬剤添加管理支援サーバ装置10側の通信制御装置73を呼び出し、該薬剤添加管理支援サーバ装置10の異常処理装置75やデータ受取り処理装置72へ、判定された異常の内容について伝達する。例えば、上述の▲1▼〜▲6▼において、諸機器の故障や、薬剤貯蔵タンク80の薬剤がゼロなどの異常が判定された場合は、このように伝達する。
【0074】
あるいは、軽微な障害の異常と判定された場合は、該異常判定やその内容をまず収集データ蓄積装置40に保存しておき、後述するステップ121のデータ転送処理の際に、薬剤添加管理支援サーバ装置10側へと伝達するようにしてもよい。例えば、上述の▲1▼〜▲6▼において、薬剤貯蔵タンク80の薬剤残量が少なくなるなどの対応に時間的な余裕がある異常が判定された場合は、このように伝達する。
【0075】
ステップ116では、添加検出器61の検出に基づいて、データ入力収集装置31が添加ポンプ82の添加動作開始を判定する。添加動作開始と判定された場合は、続くステップ117において、該データ入力収集装置31は、この時点で該データ入力収集装置31に入力されている諸データや、この時の時刻を収集データ蓄積装置40に書き込み、蓄積する。
【0076】
通常、添加ポンプ82はオフ時間タイマ装置46に設定されているオフ時間間隔で動作する。従って、該オフ時間間隔で上述の添加動作開始が判定され、このような諸データの書き込み及び蓄積が行われることになる。
【0077】
次にステップ120では、データ転送処理装置32が薬剤添加管理支援サーバ装置10のポーリング動作による、携帯電話50及び携帯電話インタフェイス装置38経由の呼び出しがあったか否か判定する。呼び出しありと判定された場合は、続くステップ121において、データ転送処理装置32が収集データ蓄積装置40に蓄積されている情報で必要なものを、薬剤添加管理支援サーバ装置10側に送り出す。更に続いて、遠隔操作のために薬剤添加管理支援サーバ装置10側の抄紙関連設備制御量演算装置74が薬剤添加制御装置42に対してデータ設定をする場合は、遠隔監視装置5側の設定値変更処理装置35は、抄紙関連設備制御量演算装置74に応じて薬剤添加制御装置42の該当レジスタのデータを書き換える。
【0078】
前述のステップ120において呼び出しなしと判定された場合、あるいはステップ122の処理後、次にステップ112の前方に分岐し、該ステップ112以降の処理を再び実行する。
【0079】
上述の該ポーリング動作は、薬剤添加管理支援サーバ装置10のデータ受取り処理装置72が、すべての遠隔監視装置5に対して個別に一定周期で行ったり、遠隔操作のために薬剤添加制御装置42の該当レジスタに対してデータ設定をする際に行ったりする。該ポーリング動作では、データ受取り処理装置72は、まず、データ受取り処理装置72が個々の遠隔監視装置5の携帯電話50を呼び出す。そして、遠隔監視装置5のデータ転送処理装置32により、収集データ蓄積装置40に蓄積されている情報の内、前回のポーリング動作以降に蓄積された情報を、携帯電話インタフェイス装置38、携帯電話50、携帯電話基地局17、データ通信網1、通信制御装置73などを経由して読み出すというものである。
【0080】
図6は、本実施形態における薬剤添加管理支援サーバ装置10の処理を示すフローチャートである。
【0081】
このフローチャートに示される処理は、薬剤添加管理支援サーバ装置10における処理を説明するためのものである。又、該処理は、この図のように1つのフローチャートで示されるような、必ずしも1つのプログラムによって実現されているものではない。
【0082】
この図において、まずステップ131では、異常処理装置75は、ステップ113において異常ありと判定された場合は、ステップ114において、判定された異常の内容に応じた異常対応処理をする。
【0083】
例えば、異常ありと判定された場合に、薬剤添加管理支援サーバ装置10側の異常処理装置75は、携帯電話インタフェイス装置38や携帯電話50を経由し、又データ通信網1を経由し、薬剤添加管理支援サーバ装置10側の通信制御装置73が呼び出しがあるか否か判定する。呼び出しありと判定された場合、続くステップ132において異常処理装置75は、遠隔監視装置5側の異常対応処理装置33からの異常発生やその内容を示すデータを受け取る。そして伝達されたデータに基づいて異常処理装置75は、該当する異常対応処理を行う。
【0084】
次にステップ134では、データ受取り処理装置72がポーリング動作を行うべきか否か判定する。行うべきであると判定されるのは、すべての遠隔監視装置5に対して個別に一定周期で行うポーリング動作の時刻になった場合や、遠隔操作のために薬剤添加制御装置42の該当レジスタに対してデータ設定をする場合である。
【0085】
該ステップ134において、ポーリング動作を行うべきであると判定された場合、続くステップ135においてデータ受取り処理装置72は、通信制御装置73その他を経由してポーリング動作を行ない、該ポーリング動作によって遠隔監視装置5側から獲得したデータを遠隔データ蓄積装置70に書き込み蓄積する。
【0086】
次にステップ136では、薬剤量持続予測装置76は、今回獲得したデータに基づいて該当の抄紙設備の薬剤貯蔵タンク80における、貯蔵薬剤の持続時間を予測する。該予測は、該当抄紙設備の残量検出器64により検出される現時点の薬剤残量、薬剤添加制御装置42の該当レジスタにおいて設定されているオン時間及びオフ時間、流量計62により検出される実測添加流量と、次式に基づいている。又、求めた予測持続時間は、遠隔データ蓄積装置70に書き込み、蓄積する。
【0087】
Figure 0004077193
【0088】
次にステップ137では、抄紙関連設備制御量演算装置74は、必要に応じ、遠隔監視装置5側の薬剤添加制御装置42に関する遠隔操作処理をする。具体的には該抄紙関連設備制御量演算装置74は、該遠隔操作に際して、薬剤添加制御装置42の該当レジスタに書き込むデータを求める。
【0089】
次にステップ140では、薬剤補充レポート装置77は、レポート文書に関する処理を行う必要があるか否か判定する。
【0090】
必要ありと判定された場合、続くステップ141において、薬剤補充レポート装置77は、例えば図7に図示されるような、必要なレポート文書を作成する。そして、ステップ142において薬剤補充レポート装置77は、電子メールやファクシミリその他の形態で遠隔監視装置5側に通知し、抄紙設備管理者側に通知するべきレポート文書が存在する場合は、該通知を行う。
【0091】
図7は、本実施形態において作成し抄紙設備管理者側に送付するレポートの一例を示す線図である。
【0092】
この図のスライム・コントロール剤レポートは、個々の抄紙設備毎に、1日一回作成し、該当の抄紙設備管理者側に送付する。該レポートでは、該当の抄紙設備からデータ受取り処理装置72が獲得したデータに基づいた情報や、これらデータに基づいて解析された結果の情報が含まれている。例えば、このような解析結果による薬剤貯蔵タンク80の薬剤の予測持続時間に基づいて、該レポートの「本日のメッセージ」の項では、「補充発注をお奨めします」なるコメントが含まれている。
【0093】
前述のステップ140において処理不要と判定された場合、あるいはステップ142の処理後、次にステップ131の前方に分岐し、該ステップ131以降の処理を再び実行する。
【0094】
以上のように本実施形態によれば、抄紙設備のスライム・コントロール剤の白水系添加に関する様々な管理を遠隔地にて支援できるようにし、抄紙設備の不具合、管理者負担、及び諸経費を削減することが可能になる。
【0095】
【発明の効果】
本発明によれば、抄紙設備のスライム・コントロール剤の白水系添加に関する様々な管理を遠隔地にて支援できるようにし、抄紙設備の不具合、管理者負担、及び諸経費を削減することが可能になるという優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された薬剤添加管理支援システムの実施形態の全体的な構成を示すブロック図
【図2】上記実施形態で用いる遠隔監視装置の構成を示すブロック図
【図3】前記実施形態における薬剤添加設備の構成を示すブロック図
【図4】前記実施形態の薬剤添加管理支援サーバ装置10の構成を示すブロック図
【図5】前記実施形態における薬剤監視制御装置30の処理を示すフローチャート
【図6】前記実施形態における薬剤添加管理支援サーバ装置10の処理を示すフローチャート
【図7】前記実施形態において作成し抄紙設備管理者側に送付するレポートの一例を示す線図
【符号の説明】
1…データ通信網
5…遠隔監視装置
10…薬剤添加管理支援サーバ装置
11…販売管理サーバ装置
17…携帯電話基地局
21…薬剤添加動作検出装置
22…添加薬剤流量検出装置
23…薬剤品質検出装置
24…薬剤残量検出装置
25…白水系水質検出装置
30…薬剤監視制御装置
31…データ入力収集装置
32…データ転送処理装置
33…異常対応処理装置
35…設定値変更処理装置
36…ファクシミリ装置
38…携帯電話インタフェイス装置
40…収集データ蓄積装置
42…薬剤添加制御装置
44…添加流量設定装置
45…オン時間タイマ装置
46…オフ時間タイマ装置
50…携帯電話
60…流量設定機構
61…添加検出器
62…流量計
63…品質検出器
64…残量検出器
65…水質検出器
70…遠隔データ蓄積装置
72…データ受取り処理装置
73…通信制御装置
74…抄紙関連設備制御量演算装置
75…異常処理装置
76…薬剤量持続予測装置
77…薬剤補充レポート装置
80…薬剤貯蔵タンク
82…添加ポンプ
84…白水ピット

Claims (5)

  1. 増殖する微生物によるスライム生成を抑制するために、スライム・コントロール剤を貯蔵タンクから抄紙白水系に添加する際に、
    所定の休止時間の間隔で動作し、前記添加を行なう薬剤添加装置の作動開始を、添加ポンプに流れる動力電流の大きさから検出し、
    該作動開始検出時において前記薬剤の少なくとも添加量を検出し、
    該検出の添加量のデータを遠隔地にある薬剤添加管理支援サーバ装置に伝達し、
    該伝達データに基づいて該薬剤添加管理支援サーバ装置において前記貯蔵タンクで薬剤がなくなるまでの時間を予測し、
    スライム・コントロール剤の補充に要する時間に基づいて決定し予め設定した補充猶予期間より、該予測時間が短くなった場合は、スライム・コントロール剤の補充を催促する通知を抄紙設備管理者側に送付することを特徴とする薬剤添加管理支援方法。
  2. 請求項1の薬剤添加管理支援方法において、
    前記作動開始検出時に、前記薬剤添加量検出と共に、前記貯蔵タンクの残量、薬剤品質、及び前記白水系の水質の内の少なくとも1つを検出し、
    これらの検出のデータを前記薬剤添加管理支援サーバ装置に伝達し、
    これらの伝達データに基づいて該薬剤添加管理支援サーバ装置において前記貯蔵タンクで有効品質の薬剤がなくなるまでの時間を予測し、
    スライム・コントロール剤の補充に要する時間に基づいて決定し予め設定した補充猶予期間より、該予測時間が短くなった場合は、スライム・コントロール剤の補充を催促する通知を、抄紙設備管理者側に送付することを特徴とする薬剤添加管理支援方法。
  3. 請求項1又は2の薬剤添加管理支援方法において、
    前記伝達データに基づいて該薬剤添加管理支援サーバ装置において、スライム生成が所定範囲に抑制可能な前記添加量及び前記休止時間を求め、
    これら添加量及び休止時間になるように抄紙関連設備を遠隔操作することを特徴とする薬剤添加管理支援方法。
  4. 増殖する微生物によるスライム生成を抑制するために、スライム・コントロール剤を貯蔵タンクから抄紙白水系に添加する際に、所定の休止時間の間隔で動作し、前記添加を行なう薬剤添加装置の作動開始を、添加ポンプに流れる動力電流の大きさから検出し、該作動開始検出時において前記薬剤の添加量、前記貯蔵タンクの残量、薬剤品質、及び前記白水系の水質を検出し、これらの検出のデータを遠隔地にある薬剤添加管理支援サーバ装置に伝達する遠隔監視装置と、
    これらの伝達データに基づいて該薬剤添加管理支援サーバ装置において前記貯蔵タンクで有効品質の薬剤がなくなるまでの時間を予測し、スライム・コントロール剤の補充に要する時間に基づいて決定し予め設定した補充猶予期間より、該予測時間が短くなった場合は、スライム・コントロール剤の補充を催促する通知を抄紙設備管理者側に送付すると共に、スライム生成が抑制可能な前記添加量及び前記休止時間を求め、これら添加量及び休止時間になるように抄紙関連設備を遠隔操作する薬剤添加管理支援サーバ装置と、
    抄紙関連設備側において該遠隔操作のための機構及び制御装置を有する薬剤添加装置と、を備えることを特徴とする薬剤添加管理支援システム。
  5. 増殖する微生物によるスライム生成を抑制するために、スライム・コントロール剤を貯蔵タンクから抄紙白水系に添加する際に、所定の休止時間の間隔で動作し、前記添加を行なう薬剤添加装置の作動開始を、添加ポンプに流れる動力電流の大きさから検出し、該作動開始検出時において前記薬剤の添加量、前記貯蔵タンクの残量、薬剤品質、及び前記白水系の水質を検出した結果の、遠隔地から伝達されるデータを受けて、これらデータを蓄積するため書き込むデータ受取り処理装置と、
    該蓄積の書き込み先の遠隔データ蓄積装置と、
    これらデータに基づいて、該薬剤添加管理支援サーバ装置において前記貯蔵タンクで有効品質の薬剤がなくなるまでの時間を予測する薬剤量持続時間予測装置と、
    スライム・コントロール剤の補充に要する時間に基づいて決定し予め設定した補充猶予期間より、該予測時間が短くなった場合は、スライム・コントロール剤の補充を催促する通知を抄紙設備管理者側に送付する薬剤補充レポート装置と、
    これらデータに基づいて、スライム生成が抑制可能な前記添加量及び前記休止時間を求め、これら添加量及び休止時間になるように抄紙関連設備を遠隔操作する抄紙関連設備制御量演算装置と、を有することを特徴とする薬剤添加管理支援サーバ装置
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