JP4076918B2

JP4076918B2 - Gas injection nozzle for adjusting plating thickness

Info

Publication number: JP4076918B2
Application number: JP2003194527A
Authority: JP
Inventors: 浩行中溝; 真明沼田
Original assignee: Nisshin Steel Co Ltd
Current assignee: Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Priority date: 2003-07-09
Filing date: 2003-07-09
Publication date: 2008-04-16
Anticipated expiration: 2023-07-09
Also published as: JP2005029822A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続的に溶融めっきされた金属帯のめっき厚を調整するガス噴射ノズルに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、金属帯たとえば鋼帯に連続的に溶融めっきを施すときには、ガスワイピング法によってめっき付着量の制御が行われている。ガスワイピング法は、鋼帯に付着した過剰なめっき金属をガス噴射ノズルから噴射されるガスの圧力によって吹払する方法であり、これによってめっき付着量を予め定める値に制御することができるとともに、美麗な表面肌を得ることができる。このガスワイピング法を用いた場合、鋼帯の幅方向に延びるガス噴射ノズルの長さは、鋼帯の幅よりも長く構成されているので、鋼帯の存在しない部分については表裏のガスが緩衝して緩衝流が発生する。この緩衝流は、鋼帯の幅端部のワイピング効果を阻害するので、鋼帯の幅端部のめっき付着量が多くなる、いわゆるエッジオーバーコートという問題を引起こす。
【０００３】
エッジオーバーコートを防止する方法の一つに、ガス噴射ノズルのノズル孔にテーパを形成して、ノズル孔の両端部の間隔を中央部よりも大きくし、両端部における噴射ガス流量を増大するというものがある。この方法では、狭幅の鋼帯に適合するようにノズル孔にテーパを形成すると、広幅の鋼帯に対してはテーパが不適合であるので、幅中央部と幅端部とのめっき付着量差が大きくなり、幅方向の付着量分布が不均一になる。したがって、各鋼帯幅毎に適正なテーパを設計し、鋼帯幅に応じて適正なテーパを有するガス噴射ノズルに交換しなければならないけれども、ガス噴射ノズルの交換には長時間を要するので、操業を停止する必要があり、生産性が大幅に低下するという問題がある。
【０００４】
このような問題を解決する従来技術として、各鋼帯幅毎に適正なテーパを有するノズル孔調整片を予め作製し、ノズル本体にノズル孔調整片を着脱可能に装着させることのできるめっき厚調整用ガス噴射ノズルが提案されている（特許文献１参照）。
【０００５】
図５は、従来技術のめっき厚調整用ガス噴射ノズル１の側面図である。めっき厚調整用ガス噴射ノズル１は、溶融めっき金属、たとえば溶融亜鉛３の浴面上で浴中を通過してほぼ鉛直上方に搬送される金属帯、たとえば鋼帯４を臨んで設けられる。多くの場合、めっき厚調整用ガス噴射ノズル１は、鋼帯４に関して面対称の位置に一対が対向して設けられる。一対のめっき厚調整用ガス噴射ノズル１は、互いに同一に構成されるので、一方についてのみ説明し、他方については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【０００６】
めっき厚調整用ガス噴射ノズル１は、鋼帯４の表面にそのノズル孔５からガスを噴射し、鋼帯４にめっきされた過剰な溶融亜鉛３を吹払してめっき厚、すなわち亜鉛付着量を調整する。噴射されるガスには、空気、窒素および燃焼排ガスなどが用いられる。
【０００７】
めっき厚調整用ガス噴射ノズル１は、上ノズル本体６および下ノズル本体７を有するノズル本体８と、ノズル孔調整片２（以後、インサートと呼ぶことがある）と、楔片９とを含む。ノズル孔調整片２は、ノズル本体８の下ノズル本体７に対して鋼帯４の幅方向に移動させることによって着脱可能であり、ノズル孔調整片２を下ノズル本体７に挿入し、さらに楔片９を下ノズル本体７に挿入することによって、ノズル孔調整片２を下ノズル本体７に対して押圧し、装着固定することができる。逆に、楔片９を下ノズル本体７から離脱させ、下ノズル本体７に対するノズル孔調整片２の押圧状態を解放することによって、ノズル孔調整片２を下ノズル本体７から離脱させることができる。
【０００８】
図６は、各鋼帯幅毎に適正なテーパを有するノズル孔調整片２の正面図である。図６では、ノズル本体８に装着されたノズル孔調整片２を鋼帯４の位置を視点にして見た状態を示す。ノズル孔調整片２は、鋼帯４の幅方向中央部付近に互いに対向する一方の面１１と他方の面１２とが平行に形成される平行部１３と、平行部１３の鋼帯幅方向両側に平行部１３に連なり平行部１３から離反するのに伴って一方の面１１が他方の面１２に近接するように形成されるテーパ部１４とを有する。
【０００９】
このテーパ部１４が各鋼帯幅毎に適正になるような種々のテーパを有する、たとえば図６に示すようなノズル孔調整片２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄを予め作製しておき、製造するべき鋼帯幅毎に適正なテーパ勾配を有するノズル孔調整片２を選択して用いることによって、鋼帯幅に応じた適正なノズル孔５形状を得ることができる。
【００１０】
従来技術は、たとえばノズル孔調整片２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄのうちから、製造しようとする鋼帯幅に対応するように作製されたものを選択し、ノズル本体８から現行のノズル孔調整片を離脱させ、新たに選択したものを装着させることによって、操業を停止させることなく、鋼帯幅に応じてノズル孔調整片を交換することができ、ノズル孔５形状を最適形状に変更してエッジオーバーコートを防止することができるというものである。
【００１１】
【特許文献１】
特開平１１−２１７６６１号公報
【００１２】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献１に開示される技術には、以下のような種々の問題がある。ノズル孔調整片２は、ノズル本体８の下ノズル本体７に対してスライドさせるようにして着脱される。したがって、ノズル孔調整片２の下ノズル本体７に当接する前記他方の面１２および下ノズル本体７に係合する凹所を形成する位置決め面１５は、ノズル孔調整片２の着脱時、下ノズル本体７と摺動する。したがって、前記他方の面１２もしくは前記位置決め面１５またはこれらの面と互いに擦過される下ノズル本体７側の面に、すり疵やかき疵の発生することがある。
【００１３】
すり疵やかき疵が生じたとき、すり寄せまたはかき寄せられた屑は盛り上がり、当該面から突出した突出部を形成する。特に前記他方の面１２にこのような突出部が形成されたとき、ノズル孔調整片２が浮上がり、上ノズル本体６のノズル孔形成面に近接するように変位するので、ノズル孔５が局所的に狭くなり、ノズル孔５から噴射されるガスの動圧が低下する現象が発生する。
【００１４】
図７は、すり疵またはかき疵の発生に起因する動圧低下の状態を示す図である。図７中に実線で示すライン１６が、正常状態における鋼帯幅方向の動圧測定結果を示し、鋼帯幅方向のほぼ中央部付近において仮想線で示すライン１７の動圧測定結果が、すり疵に起因する局所的な動圧低下の状態を示す。このような動圧の低下が発生すると、鋼帯表面に付着しためっき金属を吹払する能力が低下するので、動圧の低下した部分に対応する鋼帯表面の部分に局所的にめっき付着量の多い部分が連続して形成され、線状オーバーコートと称する欠陥になる。
【００１５】
このようなノズル孔調整片２とノズル本体８との摺動によるすり疵やかき疵の発生を防止することを目的として、硬質クロム（Ｃｒ）めっきの施されることがある。硬質Ｃｒめっきは、めっき表面がビッカース硬さで８００〜９００以上を有するので、疵発生の防止や耐磨耗を目的として多用されている方法である。しかしながら、硬質Ｃｒめっきは電解（電気）めっきであるので、被めっき物が複雑な形状を有する場合、均一な厚みでめっきすることができないという問題がある。
【００１６】
図８は、Ｃｒめっき１８の施されたノズル孔調整片２の断面図である。電解めっきであるＣｒめっきにおいては、ノズル孔調整片２の凸部１９，２０，２１，２２，２３に電流が集中して流れるのでめっき厚みが厚くなり、凹部２４に流れる電流は少ないのでめっき厚みが薄くなる。そのめっき厚みのばらつきは、めっきの目標厚みがたとえば２０μｍであるとき、薄い部分ではほぼ零（０）であり、厚い部分では約４０μｍにもなる。このようにめっき厚みがばらつくとき、厚みの薄い部分では、すり疵やかき疵の防止効果がなく、また薄い部分と厚い部分との差異によって厚い部分が前述の突出部と同じ作用を及ぼし、線状オーバーコートの原因となる。したがって、Ｃｒめっきを施した後、めっき厚みの厚い部分を研磨することによって、めっき厚みが均一化されるように修正しているけれども、その修正研磨作業が手作業によって行われるので、正確に除去し修正することは不可能である。したがって、ノズル孔調整片２の製作時、最終めっき工程で加工精度が低下することもあった。
【００１７】
またノズル孔調整片２は、簡易な治具が用いられるけれども、作業者の人手によってノズル本体８に対して着脱されている。ノズル孔調整片２は、前述のように鋼帯幅を超える長さ、たとえば２ｍ程度の長さを有するので、往々にして着脱の取扱い時に作業場周辺の構造物や装置に対して衝撃的に接触し、損傷を受けることがある。
【００１８】
図９は、損傷を受けたノズル孔調整片２の事例を示す図である。図９（ａ）では、ノズル孔調整片２が楔片９と当接する面２５の下部を損傷した例を示し、図９（ｂ）は、損傷部分を拡大して示す図である。
【００１９】
ノズル孔調整片２が周辺の構造物や装置に対して衝撃的に接触したとき、ノズル孔調整片２の角部が損傷変形し易い。特に図９に示すノズル孔調整片２が楔片９と当接する面２５の下部が損傷変形し、へこみ部２６とへこんだ部分の質量が移動して盛上がる突出部２７とが形成されるとき、ノズル孔５から噴出されるガスの動圧に影響を及ぼす。
【００２０】
すなわち、ノズル孔調整片２がノズル本体８に装着され、次いで楔片９がノズル本体８とノズル孔調整片２との間に挿入されると、楔片９が突出部２７を局所的に強く押圧するので、ノズル孔調整片２の突出部２７が形成された部分に回転モーメントが発生し、ノズル孔調整片２が局所的に浮上がり上ノズル本体６のノズル孔形成面に近接するように変位するので、ノズル孔５が局所的に狭くなり、ノズル孔５から噴射されるガスの動圧が低下する。
【００２１】
図１０は、ノズル孔調整片２に形成された突出部２７に起因する動圧低下の状態を示す図である。図１０中に示すライン２８が、鋼帯幅方向の動圧測定結果を示し、鋼帯幅方向のほぼ中央部付近において図１０の紙面下方に向ってＶ字状に鋭く変化しているのが動圧低下部２９である。このような動圧の低下が発生すると、動圧低下部分に対応する鋼帯表面部分に線状オーバーコートが発生する。
【００２２】
またノズル孔調整片２は、前述のように平行部１３とテーパ１４とを有するように形成されるけれども、平行部１３からテーパ１４に移る角部である境界部を通過してノズル孔５から噴射されるガスの動圧が、平行部１３およびテーパ部１４の動圧に比して低下する現象がある。図１１は、従来のめっき厚調整用ガスノズル１における動圧測定結果を示す図である。図１１中に示すライン３０が動圧測定結果を示す。境界部に相当する部分の動圧３１ａ，３１ｂは、平行部１３に相当する部分の動圧３２およびテーパ部１４に相当する部分の動圧３３ａ，３３ｂに比較して低い。したがって、境界部に相当する動圧の低下した部分に対応する鋼帯表面の部分に線状オーバーコートが発生するという問題がある。
【００２３】
本発明の目的は、短時間でガス噴射ノズルのノズル孔形状を最適形状に変更することができ、かつ線状オーバーコートの発生を防止することのできるめっき厚調整用ガス噴射ノズルを提供することである。
【００２４】
【課題を解決するための手段】
本発明は、位置決め凸部または位置決め凹部のいずれか一方を有し、金属帯の幅方向に延びるノズル孔の一方の内面を形成するノズル本体と、前記ノズル本体の位置決め凸部または位置決め凹部のいずれか一方に当接する位置決め凹部または位置決め凸部を有し、ノズル本体に着脱可能に挿入され、ノズル孔の他方の内面を形成するノズル孔調整片と、ノズル孔調整片の位置決め凸部または位置決め凹部を、ノズル本体の位置決め凸部または位置決め凹部に押付ける押圧手段とを備え、溶融めっき金属の浴面上方で、浴中を通過して上方に搬送される金属帯の板面に、前記ノズル孔からガスを噴射して、金属帯にめっきされた過剰なめっき金属を吹払するめっき厚調整用ガス噴射ノズルにおいて、
ノズル孔調整片は、無電解めっきが施され、
前記押圧手段は、前記ノズル本体と前記ノズル孔調整片との間に着脱可能に挿入され、
ノズル本体にノズル孔調整片と押圧手段とを装着した状態で、ノズル孔調整片の押圧手段に当接する面には、
切欠部が形成されることを特徴とするめっき厚調整用ガス噴射ノズルである。
【００２５】
また本発明は、前記無電解めっきが、無電解ニッケルめっきであることを特徴とする。
【００２６】
本発明に従えば、ノズル本体に着脱自在に装着されるノズル孔調整片は、無電解めっき、好ましくは無電解ニッケルめっきが施される。無電解めっきは、電気を用いることなく、たとえば金属塩溶液中の金属イオンを置換、酸化、還元などの反応を利用して析出させてめっき層を形成するものである。したがって、ノズル孔調整片の形状に関らず、ノズル孔調整片の全表面にほぼ均一な厚みでめっき層を形成することができる。このことによって、めっき厚みの差異に起因するノズル孔調整片の局所的な変位や変形が防止されるので、ノズル孔から噴射されるガスの動圧の局所的な低下が防止され、その結果、線状オーバーコートの発生が防止される。
【００２７】
さらに無電解めっきとして、無電解ニッケルめっきを行なうとき、ニッケルめっき層の硬さが高いので、特にニッケルめっき層形成後にベーキング処理することによって一層硬さを高くすることができるので、ノズル孔調整片の着脱時におけるすり疵やかき疵の発生が防止され、これらの疵に起因するノズル孔から噴射されるガスの動圧の局所的な低下、すなわち線状オーバーコートの発生が防止される。
また、ノズル本体にノズル孔調整片と押圧手段とを装着した状態でノズル孔調整片の押圧手段に当接する面には、予め切欠部が形成される。このことによって、ノズル孔調整片２が周辺の構造物や装置に対して衝撃的に接触して最も損傷変形しやすい部位であるノズル孔調整片が押圧手段に当接する面の下部が、損傷変形した場合であっても、損傷変形で形成される突出部の突出高さが、切欠部の切欠深さの範囲内にとどまる。したがって、ノズル孔調整片が、押圧手段によって局所的に強く押圧されることがなくなるので、ノズル孔から噴射されるガスの動圧の局所的な低下が防止され、線状オーバーコートの発生が防止される。
【００３０】
また本発明は、前記ノズル孔調整片は、
金属帯の幅方向中央部付近に互いに対向する一方の面と他方の面とが平行に形成される平行部と、平行部の金属帯幅方向両側に平行部に連なり平行部から離反するのに伴って一方の面が他方の面に近接するように形成されるテーパ部とを有し、
平行部とテーパ部との境界部が、曲率を有するように曲面加工されていることを特徴とする。
【００３１】
本発明に従えば、ノズル孔調整片の平行部とテーパ部との境界部が、曲率を有するように曲面加工されるので、境界部に相当する部分のガスの動圧低下が防止され、線状オーバーコートの発生が防止される。
【００３２】
また本発明は、前記ノズル孔調整片には、ノズル本体に装着された状態でノズル本体と当接する面に、粉体状の潤滑剤が塗布されることを特徴とする。
【００３３】
また本発明は、前記粉体状の潤滑剤は、２硫化モリブデンおよび黒鉛より選択される１種または２種であることを特徴とする。
【００３４】
本発明に従えば、ノズル孔調整片には、ノズル本体に装着された状態でノズル本体と当接する面に、粉体状の潤滑剤、好ましくは２硫化モリブデンおよび黒鉛より選択される１種または２種が塗布されるので、ノズル孔調整片をノズル本体に着脱させるとき、当接面の摩擦力を極めて低く抑制して着脱させることができる。したがって、前記当接面におけるすり疵やかき疵の発生を抑制し、これらの疵に起因する線状オーバーコートの発生を防止することができる。
【００３５】
また潤滑剤は粉体状のものが用いられる。めっき厚調整用ガス噴射ノズルは、操業時、溶融めっき金属でめっきされたばかりのたとえば鋼帯からの輻射熱によって、４００℃ないしそれ以上の温度に加熱されるので、潤滑剤が液体やペーストでは、液体成分が熱によって気化し、気化成分が鋼帯表面のめっき層に品質上の悪影響を及ぼす。しかしながら、固体である粉体状潤滑剤であれば、耐熱性を備え、加熱された場合であっても、品質上有害な成分を発生することなく、健全なめっき鋼帯を製造することができる。
【００３６】
【発明の実施の形態】
図１は本発明の実施の一形態であるめっき厚調整用ガス噴射ノズル４０の構成を簡略化して示す側面図であり、図２は図１に示すめっき厚調整用ガス噴射ノズル４０に備わるノズル孔調整片４１の斜視図であり、図３はノズル孔調整片４１の断面図である。めっき厚調整用ガス噴射ノズル４０（以後、ガス噴射ノズル４０と略称する）は、大略ノズル本体４２と、ノズル孔調整片４１と、押圧手段４３と、整流棒４４と、シム７３とを含んで構成される。ガス噴射ノズル４０は、溶融めっき金属の浴面上方で、浴中を通過して上方に搬送される金属帯たとえば鋼帯の板面に、ガスを噴射して、鋼帯にめっきされた過剰なめっき金属を吹払し、めっき厚を調整することに用いられる。めっき厚調整のための溶融めっき金属、鋼帯およびガス噴射ノズル４０の全体構成は、前述の図５と同一であるので説明を省略する。
【００３７】
ノズル本体４２は、ノズル孔４５を境にして上下に分割されており、上ノズル本体４６と下ノズル本体４７とを含んで構成される。上ノズル本体４６は、図示を省略する鋼帯の幅方向（以後、幅方向と略称する）に延びる部材であり、その軸直角断面形状は大略的に嘴状である。上ノズル本体４６の先端部４８は、鋼帯を臨んで設けられており、先端部４８の第１下面４９は水平面にほぼ平行に形成されている。第１下面４９は、ノズル孔４５の一方の内面、すなわちノズル孔４５の上面を形成する。前記先端部４８付近の鋼帯を臨む外面５０は、鋼帯に近付くにつれて下方に傾斜し、その傾斜角度は、予め定める角度に設定される。
【００３８】
上ノズル本体４６には、前記第１下面４９に連なる溝５１と、ガス供給路５２とが形成されている。溝５１は、前記第１下面４９に連なるように形成され、幅方向に延びており、ガス供給室を形成する。ガス供給路５２は、上ノズル本体４６の後端面５３に形成されている切欠溝５４と、前記溝５１とを連通する連通孔であり、幅方向に間隔をあけて複数個形成されている。上ノズル本体４６の後端部５５の第２下面５６は、水平面にほぼ平行に形成されており、前記第１下面４９と同一面内に存在する。上ノズル本体４６の後端部５５には、上下方向に延びる第１ボルト挿通孔５７と、水平方向に延びる第２ボルト挿通孔５８とが形成されている。
【００３９】
下ノズル本体４７は、幅方向に延びる部材であり、その軸直角断面形状は大略的に嘴状である。下ノズル本体４７の先端部５９は、鋼帯を臨んで設けられており、先端部５９の上面である第１上面６０は水平面にほぼ平行に形成されている。第１上面６０は、ノズル孔調整片４１の位置決め面を形成するので、以後、第１位置決め面６０と呼ぶ。第１位置決め面６０には、幅方向に延びる浅溝６１が形成されている。
【００４０】
下ノズル本体４７の先端部５９には、略Ｖ字状の位置決め凸部６２が形成されており、前記先端部５９と下ノズル本体４７の後端部６３との中間には幅方向に延びる嵌合溝６４が形成されている。位置決め凸部６２は、嵌合溝６４内に突出しており、かつ幅方向に延びている。位置決め凸部６２は、前記第１位置決め面６０と、第２位置決め面６５とを有し、第２位置決め面６５は、鋼帯に近付くにつれて下方に傾斜している。第１位置決め面６０と、第２位置決め面６５とのなす角度は鋭角である。嵌合溝６４の先端部５９側第１側面６６は、鋼帯の板面に対してほぼ平行になるように形成されている。これに対して、後端部６３側の嵌合溝６４の第２側面６７は、鋼帯の板面に対して傾斜しており、その傾斜面は本実施の形態では鋼帯の幅方向一端部から他端部に向かうにつれて鋼帯の板面に近付くように形成されている。
【００４１】
嵌合溝６４の底面６８は、水平面にほぼ平行に形成されている。下ノズル本体４７の先端部５９の鋼帯を臨む外面６９は、鋼帯に近付くにつれて上方に傾斜し、その傾斜角度は予め定める角度に設定される。下ノズル本体４７の後端部６３には、上下方向に延びる第３ボルト挿通孔７０と、水平方向に延びる第４ボルト挿通孔７１とが幅方向に間隔をあけて複数個形成されている。第３ボルト挿通孔７０は、前記第１ボルト挿通孔５７と対応する位置に形成されている。下ノズル本体４７の後端部６３の第２上面７２は、水平面にほぼ平行に形成されている。
【００４２】
これらの上ノズル本体４６および上ノズル本体４７は、たとえば鋼製であり、鋼よりも軟質のたとえば黄銅などからなるシム７３を、上ノズル本体４６の第２下面５６と下ノズル本体４７の第２上面７２とに間挿し、第１ボルト挿通孔５７と第３ボルト挿通孔７０とにボルト７４を挿通しナット７５を螺合させることによって、一体的に固定される。このとき、上ノズル本体４６と下ノズル本体４７との間には、シム７３が介在するので、ボルト７４とナット７５との締付け力が接触面全域に均等に及ぶので、締付け後のがたつきが防止される。
【００４３】
ノズル孔調整片４１は、幅方向に延びる部材であり、その軸直角断面形状は大略的にＬ字状である。ノズル孔調整片４１の下部には、略Ｖ字状の位置決め凹部８１が形成されている。位置決め凹部８１は、前記第１位置決め面６０に当接する第３位置決め面８２と、前記第２位置決め面６５に当接する第４位置決め面８３と、谷底面８４とを有している。前記第３位置決め面８２は、ノズル孔調整片４１の先端部８５の第３下面であり、水平面にほぼ平行に形成されている。第４位置決め面８３は、鋼帯に近付くにつれて下方に傾斜している。第３位置決め面８２と、第４位置決め面８３とのなす角度は鋭角であって、かつ前記第１位置決め面６０と第２位置決め面６５とのなす角度と同一である。
【００４４】
したがって、ノズル孔調整片４１は、位置決め凹部８１および位置決め凸部６２の対応する各位置決め面を相互に当接させて幅方向に摺動させることができる。またこれによって、ノズル孔調整片４１を下ノズル本体４７に挿入して装着させることができ、逆にノズル孔調整片４１を下ノズル本体４７から離脱させることができる。さらに第１位置決め面６０に浅溝６１が形成されているので、第１位置決め面６０と第３位置決め面８２とを均一に接触させることができる。
【００４５】
ノズル孔調整片４１の先端部８５の第３上面８６は、前記装着時にノズル孔４５の他方の内面、すなわちノズル孔４５の下面を形成する。ノズル孔調整片４１の先端部８５の鋼帯を臨む外面８７は、鋼帯５に近付くにつれて上方に予め定める角度で傾斜し、前記下ノズル本体４７の外面６９とほぼ同一面内に存在する。ノズル孔調整片４１の後端部８８の第４上面８９は、前記第３上面８６よりも下方に段差をつけて形成されており、ガス供給室を形成する。前記第４上面８９および前記後端部８８の第４下面９０は、水平面にほぼ平行に形成されている。位置決め凹部８１の谷底面８４、第４位置決め面８３に連なる第３側面９１およびノズル孔調整片４１の後端部８８側第４側面９２は、ともに鋼帯の板面にほぼ平行に形成されている。
【００４６】
さらに第４側面９２の下部には、段差を有する切欠部９３が形成され、切欠部９３を構成する切欠面９４は、第４側面９２とほぼ平行に形成される。第４側面９２と切欠面９４との間に形成される段差の寸法は、特に限定されることはないけれども、好ましい範囲を例示すれば０．１〜０．５ｍｍである。
【００４７】
ノズル孔調整片４１にこのような切欠部９３を形成しておくことによって、ノズル孔調整片４１が周辺の構造物や装置に対して衝撃的に接触して、切欠面９４の下部が、損傷変形して突出部が形成された場合であっても、突出部の突出高さが、切欠部９３の切欠深さである段差寸法内にとどまるので、ノズル孔調整片４１が、後述する押圧手段４３によって局所的に強く押圧されることがなくなるので、ノズル孔４５から噴射されるガスの動圧の局所的な低下が防止される。
【００４８】
ノズル孔調整片４１は、たとえばノズル本体４２と同様に鋼製であり、前述のような形状に成形加工された後、無電解ニッケルめっきが施され、さらにめっき後、約４００℃で１ｈｒのベーキングと呼ぶ熱処理が施される。
【００４９】
無電解ニッケルめっきは、公知の方法が用いられてよい。たとえば、硫酸ニッケル、次亜リン酸ナトリウム、乳酸等を含む溶液を作成し、９０℃程度に加温した溶液中にノズル孔調整片４１を浸漬してニッケルめっきする。形成されるめっき層は、厳密にはニッケル（Ｎｉ）とリン（Ｐ）との合金めっきである。めっき層は、Ｎｉ−Ｐの析出状態で、ビッカース硬さ（ＨＶ）が５００〜５５０であり、前述のベーキング処理を行なうことによって、さらに硬化して、硬質Ｃｒめっきに匹敵する７００〜１０００ＨＶを有するようになる。なお、無電解ニッケルめっきは、ノズル孔調整片４１だけでなく、ノズル本体４２にも施されてよい。前述のように、ニッケルめっき層は、硬さが硬いので、ノズル孔調整片４１をノズル本体４２に着脱する際、ノズル孔調整片の第３および第４位置決め面８２，８３と、下ノズル本体４７の第１および第２位置決め面６０，６５とが、互いに擦過されても、すり疵やかき疵の発生が防止される。
【００５０】
さらに図３は、無電解ニッケルめっきされたノズル孔調整片４１の断面図である。無電解ニッケルめっきは、電気を用いることがなく化学的な析出現象を用いるので、ノズル孔調整片４１は、凸部や凹部の形成される複雑な形状を有するけれども、形状に関らずほぼ均一な層厚でニッケルめっき層９５が、形成される。たとえば、めっき層厚が１０〜２０μｍを目標にして無電解ニッケルめっきを施す場合、目標厚みに対するばらつきが±１．０μｍをはるかに下回る程度であり、極めて均一厚みのめっき層が得られる。したがって、めっき厚みの差異に起因するノズル孔調整片４１の局所的な変位や変形が防止されるので、ノズル孔４５から噴射されるガスの動圧の局所的な低下が防止され、線状オーバーコートの発生が防止される。また、均一な厚みのめっきが可能になるので、ノズル孔調整片４１製作時の加工精度が最終めっき工程で崩れることなく、製作管理が容易である。
【００５１】
押圧手段４３は、楔片４３である。楔片４３は、幅方向に延びる先細状の角形棒状体であり、ノズル孔調整片４１の第４側面９２に当接する第５側面１０１と、下ノズル本体４７の嵌合溝６４の第２側面６７に当接する第６側面１０２と、前記嵌合溝６４の底面６８に当接する第５下面１０３と、第５上面１０４とを有する。第５側面１０１は、鋼帯の板面にほぼ平行に形成されており、第５下面１０３および第５上面１０４は水平面にほぼ平行に形成されている。これに対して、第６側面１０２は幅方向一端部から他端部に向かうにつれて鋼帯に近付くように傾斜している。第５側面１０１と第６側面１０２とのなす角度は、前記嵌合溝６４の第２側面６７の板面に対する傾斜角と同一である。
【００５２】
したがって、楔片４３はノズル孔調整片４１の第４側面９２と、下ノズル本体４７の第２側面６７との間に着脱可能に挿入することができる。また、楔片４３を挿入して幅方向他端部に向けて押し込み、第５側面１０１、第６側面１０２および第５下面１０３をともに対応する当接面に接触する状態にすれば、楔片４３は楔効果によってノズル孔調整片４１に鋼帯の板面に垂直な方向の押圧力を付与することができる。この結果、ノズル孔調整片４１を下ノズル本体４７に前記位置決め凸部６２および位置決め凹部８１を介して確実に固定することができる。さらに楔片４３を幅方向に引抜けば前記押圧力を開放することができるので、ノズル孔調整片４１を下ノズル本体４７から容易に離脱させることができる。
【００５３】
ノズル孔調整片４１を下ノズル本体４７に着脱するに際しては、ノズル孔調整片４１の第３および第４位置決め面８２，８３に、粉体状の潤滑剤である２硫化モリブデンおよび黒鉛より選択される１種または２種を、予め塗布しておくことが好ましい。また粉体状の潤滑剤には、２硫化モリブデンがより好適に用いられる。第３および第４位置決め面８２，８３に、たとえば２硫化モリブデンを予め塗布しておくことによって、第３および第４位置決め面８２，８３と、下ノズル本体４７の第１および第２位置決め面６０，６５との、着脱時における摩擦力が著しく軽減されるので、すり疵やかき疵の発生が防止される。
【００５４】
図４は、本発明の実施の他の形態のガス噴射ノズルに備えられるノズル孔調整片１１０を鋼帯の板面側から見た正面図である。図４（ａ）は、ノズル孔調整片１１０の全体を示し、図４（ｂ）は、図４（ａ）のＡ部を拡大して示す。本実施の形態に用いられるノズル孔調整片１１０は、先の実施の形態のノズル孔調整片４１に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【００５５】
ノズル孔調整片１１０は、先の実施の形態のノズル孔調整片４１と同様に、幅方向中央部付近において互いに対向する第３位置決め面８２と第３上面８６すなわちノズル孔４５の下面とが平行に形成される平行部１１１と、平行部１１１の幅方向両側に平行部１１１に連なり平行部１１１から離反するのに伴って第３上面８６が第３位置決め面８２に近接するように形成されるテーパ部１１２とを有する。本実施の形態のノズル孔調整片１１０において注目すべきは、平行部１１１とテーパ部１１２との境界部１１３が、曲率を有するように曲面加工されていることである。
【００５６】
この境界部１１３に施される曲面加工は、たとえば、テーパ部１１２の勾配が（０．２５ｍｍ／１００ｍｍ）であるとき、その曲率半径（Ｒ）が、１００Ｒ以上、特に好ましくは１５０Ｒに施される。このことによって、ノズル孔４５の境界部１１３に相当する部位から噴出されるガスの動圧低下が顕著に抑制されるので、線状オーバーコートの発生が防止される。なお、動圧低下に効果を発現することのできる曲率半径（Ｒ）は、テーパ部１１２の勾配に応じて異なるけれども、これらは各種のテーパ勾配に対して種々に異なる曲率半径（Ｒ）の加工を施し、予め動圧を測定する試験を実施することによって、テーパ勾配毎の好適な曲率半径（Ｒ）を定めることができる。
【００５７】
（実施例）
以下本発明の実施例について説明する。本実施例では、日本工業規格（ＪＩＳ）Ｇ３３１４に規定される溶融アルミめっき鋼帯の製造に際し、従来例に示すガス噴射ノズル１と、本発明の実施の形態に示すガス噴射ノズルとを、それぞれ用いてめっき厚の調整を行なった。したがって、本実施例の試験鋼帯には、ＪＩＳに規定される範囲内で、種々の板厚、鋼帯幅およびめっき付着量のものが含まれる。
【００５８】
実施例１として、無電解ニッケルめっきを施し、楔片４３に対する当接面である第４側面９２の下部に切欠部９３を形成し、下ノズル本体４７との当接面に潤滑剤として２硫化モリブデンを塗布したノズル孔調整片４１を備えるガス噴射ノズル４０を用いた。実施例２として、テーパ部１１２と平行部１１３との境界部１１３に１５０Ｒの曲面加工を施したノズル孔調整片１１０を備えるガス噴射ノズルを用いた。なお実施例２では、境界部１１３に曲面加工を施した以外は、従来のガス噴射ノズル１と同一の構成を有するガス噴射ノズルを用いた。比較例として、前述の従来例に示すガス噴射ノズル１を用いた。
【００５９】
ガス噴射ノズルの性能評価は、異常鋼帯の発生率を求めることによって行なった。ここで、異常鋼帯の発生率とは、製造後の溶融亜鉛めっき鋼帯を目視検査し、各ガス噴射ノズルを用いた場合について、線状オーバーコートが発生したことによって品質不良と判定された鋼帯数と、試験期間中に製造した鋼帯数との比を、百分率で表したものである。
【００６０】
異常鋼帯の発生率は、実施例１および実施例２と比較例との対比を明瞭にするために、線状オーバーコートの発生原因別、すなわち境界部の動圧低下に起因するものと、ノズル孔調整片のすり疵、かき疵、あたり疵および／またはノズル本体のすり疵、かき疵に起因するものとの、原因別に異常鋼帯の発生率をとり、評価した。
【００６１】
試験結果を表１に示す。比較例では、境界部形状起因の動圧低下による異常鋼帯の発生率が４％であるけれども、実施例２では０％に改善された。また比較例では、すり疵やかき疵起因の動圧低下による異常鋼帯の発生率が１％であるけれども、実施例１では０％に改善された。このように、ノズル孔調整片に無電解ニッケルめっきを施し、切欠部を形成し、ノズル本体に対する着脱に備えて潤滑剤を塗布し、またノズル孔調整片の境界部に曲面加工を施すことが、ノズル孔から噴射されるガスの動圧の局所的低下を防止して線状オーバーコートの発生を防止することに極めて効果的であることを明らかにした。
【００６２】
【表１】

【００６３】
以上に述べたように、本実施の形態では、金属帯は、溶融アルミめっき鋼帯であるけれども、これに限定されることなく、溶融アルミ合金めっき鋼帯でもよく、溶融亜鉛めっき鋼帯でもよく、溶融亜鉛合金めっき鋼帯でもよく、また他の溶融金属がめっきされる鋼帯であってもよく、さらに鋼帯以外の金属帯であってもよい。
【００６４】
【発明の効果】
本発明によれば、ノズル本体に着脱自在に装着されるノズル孔調整片は、無電解めっき、好ましくは無電解ニッケルめっきが施される。無電解めっきは、電気を用いることなく、たとえば金属塩溶液中の金属イオンを置換、酸化、還元などの反応を利用して析出させてめっき層を形成するものである。したがって、ノズル孔調整片の形状に関らず、ノズル孔調整片の全表面にほぼ均一な厚みでめっき層を形成することができる。このことによって、めっき厚みの差異に起因するノズル孔調整片の局所的な変位や変形が防止されるので、ノズル孔から噴射されるガスの動圧の局所的な低下が防止され、その結果、線状オーバーコートの発生が防止される。
また、ノズル本体にノズル孔調整片と押圧手段とを装着した状態でノズル孔調整片の押圧手段に当接する面には、予め切欠部が形成される。このことによって、ノズル孔調整片２が周辺の構造物や装置に対して衝撃的に接触して最も損傷変形しやすい部位であるノズル孔調整片が押圧手段に当接する面の下部が、損傷変形した場合であっても、損傷変形で形成される突出部の突出高さが、切欠部の切欠深さの範囲内にとどまる。したがって、ノズル孔調整片が、押圧手段によって局所的に強く押圧されることがなくなるので、ノズル孔から噴射されるガスの動圧の局所的な低下が防止され、線状オーバーコートの発生が防止される。
【００６５】
さらに無電解めっきとして、無電解ニッケルめっきを行なうとき、ニッケルめっき層の硬さが高いので、特にニッケルめっき層形成後にベーキング処理することによって一層硬さを高くすることができるので、ノズル孔調整片の着脱時におけるすり疵やかき疵の発生が防止され、これらの疵に起因するノズル孔から噴射されるガスの動圧の局所的な低下、すなわち線状オーバーコートの発生が防止される。
【００６７】
また本発明によれば、ノズル孔調整片の平行部とテーパ部との境界部が、曲率を有するように曲面加工されるので、境界部に相当する部分のガスの動圧低下が防止され、線状オーバーコートの発生が防止される。
【００６８】
また本発明によれば、ノズル孔調整片には、ノズル本体に装着された状態でノズル本体と当接する面に、粉体状の潤滑剤、好ましくは２硫化モリブデンおよび黒鉛より選択される１種または２種が塗布されるので、ノズル孔調整片をノズル本体に着脱させるとき、当接面の摩擦力を極めて低く抑制して着脱させることができる。したがって、前記当接面におけるすり疵やかき疵の発生を抑制し、これらの疵に起因する線状オーバーコートの発生を防止することができる。
【００６９】
また潤滑剤は粉体状のものが用いられる。めっき厚調整用ガス噴射ノズルは、操業時、溶融めっき金属でめっきされたばかりのたとえば鋼帯からの輻射熱によって、４００℃ないしそれ以上の温度に加熱されるので、潤滑剤が液体やペーストでは、液体成分が熱によって気化し、気化成分が鋼帯表面のめっき層に品質上の悪影響を及ぼす。しかしながら、固体である粉体状潤滑剤であれば、耐熱性を備え、加熱された場合であっても、品質上有害な成分を発生することなく、健全なめっき鋼帯を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の一形態であるめっき厚調整用ガス噴射ノズル４０の構成を簡略化して示す側面図である。
【図２】図１に示すめっき厚調整用ガス噴射ノズル４０に備わるノズル孔調整片４１の斜視図である。
【図３】ノズル孔調整片４１の断面図である。
【図４】本発明の実施の他の形態のガス噴射ノズルに備えられるノズル孔調整片１１０を鋼帯の板面側から見た正面図である。
【図５】従来技術のめっき厚調整用ガス噴射ノズル１の側面図である。
【図６】各鋼帯幅毎に適正なテーパを有するノズル孔調整片２の正面図である。
【図７】すり疵またはかき疵の発生に起因する動圧低下の状態を示す図である。
【図８】Ｃｒめっき１７の施されたノズル孔調整片２の断面図である。
【図９】損傷を受けたノズル孔調整片２の事例を示す図である。
【図１０】ノズル孔調整片２に形成された突出部２７に起因する動圧低下の状態を示す図である。
【図１１】従来のめっき厚調整用ガスノズル１における動圧測定結果を示す図である。
【符号の説明】
４０めっき厚調整用ガス噴射ノズル
４１，１１０ノズル孔調整片
４２ノズル本体
４３楔片
４４整流棒
４５ノズル孔
４６上ノズル本体
４７下ノズル本体
６０第１位置決め面
６５第２位置決め面
８２第３位置決め面
８３第４位置決め面
９３切欠部
９５Ｎｉめっき層
１１１平行部
１１２テーパ部
１１３境界部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a gas injection nozzle that adjusts the plating thickness of a continuously hot-plated metal strip.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, when continuously hot-plating a metal strip such as a steel strip, the amount of plating is controlled by a gas wiping method. The gas wiping method is a method in which excess plating metal adhering to the steel strip is blown off by the pressure of the gas injected from the gas injection nozzle, whereby the plating adhesion amount can be controlled to a predetermined value, Beautiful surface skin can be obtained. When this gas wiping method is used, the length of the gas injection nozzle extending in the width direction of the steel strip is configured to be longer than the width of the steel strip. Thus, a buffer flow is generated. Since this buffer flow hinders the wiping effect at the width end of the steel strip, it causes a problem of so-called edge overcoat in which the amount of plating attached to the width end of the steel strip increases.
[0003]
One method of preventing edge overcoat is to form a taper in the nozzle hole of the gas injection nozzle so that the distance between both ends of the nozzle hole is larger than the central part and increase the flow rate of the injection gas at both ends. There is something. In this method, if the nozzle hole is tapered to fit the narrow steel strip, the taper is not suitable for the wide steel strip. Becomes larger, and the amount distribution in the width direction becomes non-uniform. Therefore, it is necessary to design an appropriate taper for each steel strip width and replace it with a gas injection nozzle having an appropriate taper according to the steel strip width, but it takes a long time to replace the gas injection nozzle. There is a problem that it is necessary to stop the operation and the productivity is greatly reduced.
[0004]
As a conventional technique for solving such a problem, a nozzle hole adjustment piece having an appropriate taper for each steel strip width is prepared in advance, and the plating thickness adjustment that allows the nozzle hole adjustment piece to be detachably attached to the nozzle body Gas injection nozzles have been proposed (see Patent Document 1).
[0005]
FIG. 5 is a side view of the gas injection nozzle 1 for plating thickness adjustment according to the prior art. The plating thickness adjusting gas injection nozzle 1 is provided facing a metal strip, for example, a steel strip 4, which passes through a bath on a bath surface of a molten plating metal, for example, molten zinc 3 and is transported substantially vertically upward. In many cases, the gas injection nozzle 1 for adjusting the plating thickness is provided in a pair so as to face each other in a plane-symmetric position with respect to the steel strip 4. Since the pair of plating thickness adjusting gas injection nozzles 1 are configured identically, only one of them will be described, and the other will be denoted by the same reference numeral and description thereof will be omitted.
[0006]
The plating thickness adjusting gas injection nozzle 1 injects gas from the nozzle hole 5 onto the surface of the steel strip 4 and blows off the excess molten zinc 3 plated on the steel strip 4 to obtain the plating thickness, that is, the zinc adhesion amount. Adjust. Air, nitrogen, combustion exhaust gas, and the like are used as the injected gas.
[0007]
The plating thickness adjusting gas injection nozzle 1 includes a nozzle body 8 having an upper nozzle body 6 and a lower nozzle body 7, a nozzle hole adjusting piece 2 (hereinafter sometimes referred to as an insert), and a wedge piece 9. The nozzle hole adjusting piece 2 can be attached and detached by moving it in the width direction of the steel strip 4 with respect to the lower nozzle body 7 of the nozzle body 8, and the nozzle hole adjusting piece 2 is inserted into the lower nozzle body 7 and further wedged. By inserting the piece 9 into the lower nozzle main body 7, the nozzle hole adjusting piece 2 can be pressed against the lower nozzle main body 7 to be mounted and fixed. Conversely, by releasing the wedge piece 9 from the lower nozzle body 7 and releasing the pressing state of the nozzle hole adjustment piece 2 against the lower nozzle body 7, the nozzle hole adjustment piece 2 can be released from the lower nozzle body 7. .
[0008]
FIG. 6 is a front view of the nozzle hole adjusting piece 2 having an appropriate taper for each steel strip width. FIG. 6 shows a state in which the nozzle hole adjusting piece 2 attached to the nozzle body 8 is viewed from the position of the steel strip 4. The nozzle hole adjusting piece 2 includes a parallel portion 13 in which one surface 11 and the other surface 12 facing each other in the vicinity of the central portion in the width direction of the steel strip 4 are formed in parallel, and both sides of the parallel portion 13 in the steel strip width direction. And a tapered portion 14 formed so that one surface 11 comes close to the other surface 12 as it is connected to the parallel portion 13 and separated from the parallel portion 13.
[0009]
For example, nozzle

hole adjusting pieces

2a, 2b, 2c, and 2d as shown in FIG. 6 should be prepared and manufactured in advance so that the tapered portion 14 has various tapers that are appropriate for each steel strip width. By selecting and using the nozzle hole adjusting piece 2 having an appropriate taper gradient for each steel strip width, an appropriate nozzle hole 5 shape corresponding to the steel strip width can be obtained.
[0010]
In the prior art, for example, the nozzle

hole adjusting pieces

2a, 2b, 2c, 2d are selected so as to correspond to the width of the steel strip to be manufactured, and the current nozzle hole adjusting pieces are selected from the nozzle body 8. The nozzle hole adjustment piece can be replaced according to the width of the steel strip without stopping the operation, and the shape of the nozzle hole 5 can be changed to the optimal shape by detaching and attaching the newly selected one. The edge overcoat can be prevented.
[0011]
[Patent Document 1]
JP-A-11-217661
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
However, the technique disclosed in Patent Document 1 has the following various problems. The nozzle hole adjusting piece 2 is attached and detached so as to slide with respect to the lower nozzle body 7 of the nozzle body 8. Therefore, the other surface 12 that contacts the lower nozzle body 7 of the nozzle hole adjusting piece 2 and the positioning surface 15 that forms a recess that engages with the lower nozzle body 7 are used when the nozzle hole adjusting piece 2 is attached and detached. Slides with the main body 7. Therefore, there is a case where creases or scratches are generated on the other surface 12 or the positioning surface 15 or on the surface of the lower nozzle body 7 which is abraded with these surfaces.
[0013]
When scouring or scraping occurs, the scraped or scraped swell rises to form a protruding portion protruding from the surface. In particular, when such a protruding portion is formed on the other surface 12, the nozzle hole adjusting piece 2 is lifted and displaced so as to be close to the nozzle hole forming surface of the upper nozzle body 6. And the phenomenon that the dynamic pressure of the gas injected from the nozzle hole 5 decreases occurs.
[0014]
FIG. 7 is a diagram showing a state in which the dynamic pressure is reduced due to the occurrence of scouring or scratching. In FIG. 7, a line 16 indicated by a solid line indicates a dynamic pressure measurement result in a steel strip width direction in a normal state, and a dynamic pressure measurement result of a line 17 indicated by a virtual line in the vicinity of a substantially central portion in the steel strip width direction indicates Shows the state of local dynamic pressure drop caused by wrinkles. When such a decrease in dynamic pressure occurs, the ability to blow off the plating metal adhering to the steel strip surface decreases, so the amount of plating applied locally to the portion of the steel strip surface corresponding to the portion where the dynamic pressure has decreased A portion having a large amount is formed continuously and becomes a defect called a linear overcoat.
[0015]
Hard chrome (Cr) plating may be applied for the purpose of preventing generation of scouring and scratching by sliding between the nozzle hole adjusting piece 2 and the nozzle body 8. Hard Cr plating is a method that is frequently used for the purpose of preventing wrinkle generation and wear resistance because the plating surface has a Vickers hardness of 800 to 900 or more. However, since hard Cr plating is electrolytic (electric) plating, there is a problem that when the object to be plated has a complicated shape, it cannot be plated with a uniform thickness.
[0016]
FIG. 8 is a cross-sectional view of the nozzle hole adjusting piece 2 to which the Cr plating 18 is applied. In Cr plating, which is electrolytic plating, the current concentrates and flows through the

convex portions

19, 20, 21, 22, and 23 of the nozzle hole adjusting piece 2, so that the plating thickness is thick, and the current that flows through the concave portion 24 is small. Becomes thinner. When the target thickness of plating is, for example, 20 μm, the variation in the plating thickness is almost zero (0) in the thin part and is about 40 μm in the thick part. Thus, when the plating thickness varies, the thin part has no effect of preventing scouring and scratching, and the thick part has the same effect as the above-mentioned protrusion due to the difference between the thin part and the thick part. Cause an overcoat. Therefore, after applying the Cr plating, it is corrected so that the plating thickness is uniformed by polishing the thick part of the plating thickness, but the correct polishing work is done manually, so it is removed accurately. It is impossible to correct it. Therefore, when the nozzle hole adjusting piece 2 is manufactured, the processing accuracy may be lowered in the final plating step.
[0017]
Further, the nozzle hole adjusting piece 2 is attached to and detached from the nozzle body 8 by an operator's hand although a simple jig is used. As described above, the nozzle hole adjusting piece 2 has a length exceeding the width of the steel strip, for example, about 2 m. Therefore, the nozzle hole adjusting piece 2 often comes into impact contact with the structure and equipment around the work place during the attachment / detachment handling. And may be damaged.
[0018]
FIG. 9 is a diagram showing an example of a damaged nozzle hole adjusting piece 2. FIG. 9A shows an example in which the nozzle hole adjusting piece 2 has damaged the lower portion of the surface 25 in contact with the wedge piece 9, and FIG. 9B is an enlarged view showing the damaged portion.
[0019]
When the nozzle hole adjusting piece 2 comes into impact contact with surrounding structures or devices, the corners of the nozzle hole adjusting piece 2 are easily damaged and deformed. Especially when the lower part of the surface 25 where the nozzle hole adjusting piece 2 shown in FIG. 9 abuts against the wedge piece 9 is damaged and deformed, and the protruding portion 27 that rises by moving the mass of the recessed portion 26 and the recessed portion is formed. It affects the dynamic pressure of the gas ejected from the nozzle hole 5.
[0020]
That is, when the nozzle hole adjusting piece 2 is mounted on the nozzle body 8 and then the wedge piece 9 is inserted between the nozzle body 8 and the nozzle hole adjusting piece 2, the wedge piece 9 locally strengthens the protruding portion 27. Since the pressure is applied, a rotational moment is generated in the portion of the nozzle hole adjusting piece 2 where the protruding portion 27 is formed, and the nozzle hole adjusting piece 2 is locally lifted so as to be close to the nozzle hole forming surface of the upper nozzle body 6. Due to the displacement, the nozzle hole 5 is locally narrowed, and the dynamic pressure of the gas injected from the nozzle hole 5 is reduced.
[0021]
FIG. 10 is a diagram illustrating a state in which the dynamic pressure is reduced due to the protrusion 27 formed in the nozzle hole adjusting piece 2. The line 28 shown in FIG. 10 shows the measurement result of the dynamic pressure in the steel strip width direction, and changes sharply in a V shape toward the lower side of the paper in FIG. This is the dynamic pressure reduction unit 29. When such a decrease in dynamic pressure occurs, a linear overcoat is generated on the surface of the steel strip corresponding to the dynamic pressure decrease portion.
[0022]
The nozzle hole adjusting piece 2 is formed so as to have the parallel portion 13 and the taper 14 as described above. However, the nozzle hole adjusting piece 2 passes from the nozzle hole 5 through the boundary portion which is a corner portion that moves from the parallel portion 13 to the taper 14. There is a phenomenon in which the dynamic pressure of the injected gas is lower than the dynamic pressure of the parallel portion 13 and the tapered portion 14. FIG. 11 is a diagram showing the dynamic pressure measurement result in the conventional plating thickness adjusting gas nozzle 1. A line 30 shown in FIG. 11 shows the dynamic pressure measurement result. The

dynamic pressures

31 a and 31 b corresponding to the boundary portions are lower than the dynamic pressure 32 corresponding to the parallel portion 13 and the

dynamic pressures

33 a and 33 b corresponding to the tapered portion 14. Therefore, there is a problem that a linear overcoat is generated on the surface portion of the steel strip corresponding to the portion where the dynamic pressure corresponding to the boundary portion is reduced.
[0023]
An object of the present invention is to provide a gas injection nozzle for adjusting a plating thickness that can change the nozzle hole shape of a gas injection nozzle to an optimum shape in a short time and can prevent the occurrence of a linear overcoat. It is.
[0024]
[Means for Solving the Problems]
  The present invention includes a nozzle body having either one of a positioning convex portion or a positioning concave portion and forming one inner surface of a nozzle hole extending in the width direction of the metal band, and either the positioning convex portion or the positioning concave portion of the nozzle body. A nozzle hole adjusting piece that has a positioning recess or positioning protrusion that abuts one of them, is detachably inserted into the nozzle body, and forms the other inner surface of the nozzle hole, and a positioning protrusion or positioning recess of the nozzle hole adjusting piece And a pressing means for pressing the nozzle body against the positioning convexity or positioning concave portion of the nozzle body, and the nozzle hole is formed on the plate surface of the metal strip that passes through the bath and is conveyed upward above the bath surface of the molten plating metal. In the gas injection nozzle for adjusting the plating thickness, in which gas is injected from the metal strip and the excess plating metal plated on the metal strip is blown away.
  The nozzle hole adjustment piece is electrolessly plated.,
  The pressing means is detachably inserted between the nozzle body and the nozzle hole adjusting piece,
  In a state where the nozzle hole adjusting piece and the pressing means are mounted on the nozzle body,
  Notch is formedThis is a gas injection nozzle for adjusting the plating thickness.
[0025]
Further, the present invention is characterized in that the electroless plating is electroless nickel plating.
[0026]
According to the present invention, the nozzle hole adjusting piece detachably attached to the nozzle body is subjected to electroless plating, preferably electroless nickel plating. In electroless plating, for example, metal ions in a metal salt solution are deposited by using a reaction such as substitution, oxidation, or reduction without using electricity to form a plating layer. Therefore, regardless of the shape of the nozzle hole adjusting piece, the plating layer can be formed on the entire surface of the nozzle hole adjusting piece with a substantially uniform thickness. This prevents local displacement and deformation of the nozzle hole adjusting piece due to the difference in plating thickness, thereby preventing local decrease in the dynamic pressure of the gas injected from the nozzle hole. Generation of a linear overcoat is prevented.
[0027]
  Furthermore, when electroless nickel plating is performed as electroless plating, the hardness of the nickel plating layer is high, and therefore the hardness can be further increased by baking treatment after the nickel plating layer is formed. Occurrence of scraps and shavings during the attachment and detachment of the nozzles is prevented, and a local decrease in the dynamic pressure of the gas injected from the nozzle holes due to these defects, that is, the occurrence of a linear overcoat is prevented.
  Further, a notch portion is formed in advance on the surface of the nozzle body that contacts the pressing means of the nozzle hole adjusting piece in a state where the nozzle hole adjusting piece and the pressing means are mounted. As a result, the lower part of the surface where the nozzle hole adjusting piece, which is the most easily damaged and deformed when the nozzle hole adjusting piece 2 comes into impact contact with the surrounding structure or device, comes into contact with the pressing means is damaged or deformed. Even in this case, the protrusion height of the protrusion formed by damage deformation remains within the range of the notch depth of the notch. Accordingly, since the nozzle hole adjusting piece is not locally pressed strongly by the pressing means, the local decrease in the dynamic pressure of the gas injected from the nozzle hole is prevented, and the occurrence of the linear overcoat is prevented. Is done.
[0030]
In the present invention, the nozzle hole adjusting piece is
A parallel part in which the one surface and the other surface facing each other are formed in parallel in the vicinity of the central part in the width direction of the metal band, and the parallel part is connected to the parallel part on both sides in the metal band width direction and separated from the parallel part. And has a tapered portion formed so that one surface is close to the other surface,
A boundary portion between the parallel portion and the tapered portion is processed to have a curved surface so as to have a curvature.
[0031]
According to the present invention, since the boundary portion between the parallel portion and the tapered portion of the nozzle hole adjusting piece is curved so as to have a curvature, a decrease in the dynamic pressure of the gas corresponding to the boundary portion is prevented, and the line Occurrence of the overcoat is prevented.
[0032]
In the invention, it is preferable that a powdery lubricant is applied to a surface of the nozzle hole adjusting piece that comes into contact with the nozzle body in a state of being mounted on the nozzle body.
[0033]
In the present invention, the powdery lubricant is one or two selected from molybdenum disulfide and graphite.
[0034]
According to the present invention, the nozzle hole adjusting piece is provided with a powdery lubricant, preferably one selected from molybdenum disulfide and graphite, on the surface in contact with the nozzle body when mounted on the nozzle body. Since the two types are applied, when the nozzle hole adjusting piece is attached to and detached from the nozzle body, it can be attached and detached while suppressing the frictional force of the contact surface to be extremely low. Therefore, it is possible to suppress the occurrence of scabs and scratches on the contact surface, and to prevent the occurrence of linear overcoat caused by these wrinkles.
[0035]
The lubricant is in powder form. The gas injection nozzle for adjusting the plating thickness is heated to a temperature of 400 ° C. or higher by radiant heat from, for example, a steel strip that has just been plated with a hot-dipped metal during operation. The component is vaporized by heat, and the vaporized component adversely affects the quality of the plating layer on the surface of the steel strip. However, if it is a solid powdery lubricant, it has heat resistance, and even when heated, a healthy plated steel strip can be produced without generating harmful components in quality. .
[0036]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 is a side view schematically showing the configuration of a plating thickness adjusting gas injection nozzle 40 according to an embodiment of the present invention, and FIG. 2 is a nozzle provided in the plating thickness adjusting gas injection nozzle 40 shown in FIG. FIG. 3 is a perspective view of the hole adjusting piece 41, and FIG. 3 is a cross-sectional view of the nozzle hole adjusting piece 41. The plating thickness adjusting gas injection nozzle 40 (hereinafter abbreviated as “gas injection nozzle 40”) includes a nozzle body 42, a nozzle hole adjusting piece 41, a pressing means 43, a rectifying rod 44, and a shim 73. Composed. The gas injection nozzle 40 injects gas onto a metal strip, for example, a plate surface of a steel strip, which passes through the bath and is transported upward above the bath surface of the molten plating metal, and is excessively plated on the steel strip. It is used to blow off the plating metal and adjust the plating thickness. The overall configuration of the hot dipped metal, the steel strip, and the gas injection nozzle 40 for adjusting the plating thickness is the same as that shown in FIG.
[0037]
The nozzle body 42 is divided into upper and lower parts with the nozzle hole 45 as a boundary, and includes an upper nozzle body 46 and a lower nozzle body 47. The upper nozzle body 46 is a member extending in the width direction of the steel strip (not shown) (hereinafter abbreviated as the width direction), and its axially perpendicular cross-sectional shape is generally bowl-shaped. The tip portion 48 of the upper nozzle body 46 is provided facing the steel strip, and the first lower surface 49 of the tip portion 48 is formed substantially parallel to the horizontal plane. The first lower surface 49 forms one inner surface of the nozzle hole 45, that is, the upper surface of the nozzle hole 45. The outer surface 50 facing the steel strip in the vicinity of the tip 48 is inclined downward as it approaches the steel strip, and the inclination angle is set to a predetermined angle.
[0038]
The upper nozzle body 46 is formed with a groove 51 and a gas supply path 52 that are continuous with the first lower surface 49. The groove 51 is formed so as to continue to the first lower surface 49 and extends in the width direction to form a gas supply chamber. The gas supply path 52 is a communication hole that connects the notch groove 54 formed in the rear end surface 53 of the upper nozzle body 46 and the groove 51, and a plurality of gas supply paths 52 are formed at intervals in the width direction. The second lower surface 56 of the rear end portion 55 of the upper nozzle main body 46 is formed substantially in parallel with the horizontal plane and exists in the same plane as the first lower surface 49. The rear end portion 55 of the upper nozzle body 46 is formed with a first bolt insertion hole 57 extending in the vertical direction and a second bolt insertion hole 58 extending in the horizontal direction.
[0039]
The lower nozzle body 47 is a member extending in the width direction, and the cross-sectional shape perpendicular to the axis is substantially bowl-shaped. A front end portion 59 of the lower nozzle body 47 is provided facing the steel strip, and a first upper surface 60 that is an upper surface of the front end portion 59 is formed substantially parallel to a horizontal plane. Since the first upper surface 60 forms the positioning surface of the nozzle hole adjusting piece 41, it is hereinafter referred to as the first positioning surface 60. A shallow groove 61 extending in the width direction is formed in the first positioning surface 60.
[0040]
A substantially V-shaped positioning convex portion 62 is formed at the front end portion 59 of the lower nozzle main body 47, and a fitting extending in the width direction is provided between the front end portion 59 and the rear end portion 63 of the lower nozzle main body 47. A joint groove 64 is formed. The positioning projection 62 protrudes into the fitting groove 64 and extends in the width direction. The positioning convex part 62 has the said 1st positioning surface 60 and the 2nd positioning surface 65, and the 2nd positioning surface 65 inclines below as it approaches a steel strip. The angle formed by the first positioning surface 60 and the second positioning surface 65 is an acute angle. The first side surface 66 on the front end 59 side of the fitting groove 64 is formed to be substantially parallel to the plate surface of the steel strip. On the other hand, the second side surface 67 of the fitting groove 64 on the rear end portion 63 side is inclined with respect to the plate surface of the steel strip, and the inclined surface is one end in the width direction of the steel strip in the present embodiment. It forms so that it may approach the plate | board surface of a steel strip as it goes to an other end part from a part.
[0041]
The bottom surface 68 of the fitting groove 64 is formed substantially parallel to the horizontal plane. The outer surface 69 facing the steel strip of the tip portion 59 of the lower nozzle body 47 is inclined upward as it approaches the steel strip, and the tilt angle is set to a predetermined angle. A plurality of third bolt insertion holes 70 extending in the vertical direction and fourth bolt insertion holes 71 extending in the horizontal direction are formed in the rear end portion 63 of the lower nozzle body 47 at intervals in the width direction. The third bolt insertion hole 70 is formed at a position corresponding to the first bolt insertion hole 57. The second upper surface 72 of the rear end portion 63 of the lower nozzle body 47 is formed substantially parallel to the horizontal plane.
[0042]
The upper nozzle body 46 and the upper nozzle body 47 are made of, for example, steel, and a shim 73 made of, for example, brass that is softer than steel is used as the second lower surface 56 of the upper nozzle body 46 and the second nozzle body 47. The bolts 74 are inserted into the upper surface 72, the bolts 74 are inserted into the first bolt insertion holes 57 and the third bolt insertion holes 70, and the nuts 75 are screwed together. At this time, since the shim 73 is interposed between the upper nozzle body 46 and the lower nozzle body 47, the tightening force of the bolt 74 and the nut 75 is evenly distributed over the entire contact surface. Is prevented.
[0043]
The nozzle hole adjusting piece 41 is a member extending in the width direction, and its axially perpendicular cross-sectional shape is substantially L-shaped. A substantially V-shaped positioning recess 81 is formed in the lower portion of the nozzle hole adjusting piece 41. The positioning recess 81 includes a third positioning surface 82 that contacts the first positioning surface 60, a fourth positioning surface 83 that contacts the second positioning surface 65, and a valley bottom surface 84. The third positioning surface 82 is a third lower surface of the distal end portion 85 of the nozzle hole adjusting piece 41 and is formed substantially parallel to the horizontal plane. The fourth positioning surface 83 is inclined downward as it approaches the steel strip. The angle formed by the third positioning surface 82 and the fourth positioning surface 83 is an acute angle and is the same as the angle formed by the first positioning surface 60 and the second positioning surface 65.
[0044]
Therefore, the nozzle hole adjusting piece 41 can be slid in the width direction by bringing the corresponding positioning surfaces of the positioning concave portion 81 and the positioning convex portion 62 into contact with each other. This also allows the nozzle hole adjustment piece 41 to be inserted and attached to the lower nozzle body 47, and conversely, the nozzle hole adjustment piece 41 can be detached from the lower nozzle body 47. Furthermore, since the shallow groove 61 is formed in the first positioning surface 60, the first positioning surface 60 and the third positioning surface 82 can be uniformly contacted.
[0045]
The third upper surface 86 of the tip end portion 85 of the nozzle hole adjusting piece 41 forms the other inner surface of the nozzle hole 45, that is, the lower surface of the nozzle hole 45 when mounted. The outer surface 87 facing the steel strip of the tip end portion 85 of the nozzle hole adjusting piece 41 is inclined upward at a predetermined angle as it approaches the steel strip 5 and is substantially in the same plane as the outer surface 69 of the lower nozzle body 47. The fourth upper surface 89 of the rear end portion 88 of the nozzle hole adjusting piece 41 is formed with a step below the third upper surface 86 to form a gas supply chamber. The fourth upper surface 89 and the fourth lower surface 90 of the rear end portion 88 are formed substantially parallel to a horizontal plane. The valley bottom surface 84 of the positioning recess 81, the third side surface 91 continuous to the fourth positioning surface 83, and the fourth side surface 92 on the rear end portion 88 side of the nozzle hole adjusting piece 41 are both formed substantially parallel to the plate surface of the steel strip. Yes.
[0046]
Further, a notch portion 93 having a step is formed in the lower portion of the fourth side surface 92, and the notch surface 94 constituting the notch portion 93 is formed substantially parallel to the fourth side surface 92. Although the dimension of the level | step difference formed between the 4th side surface 92 and the notch surface 94 is not specifically limited, If a preferable range is illustrated, it will be 0.1-0.5 mm.
[0047]
By forming such a notch 93 in the nozzle hole adjusting piece 41, the nozzle hole adjusting piece 41 comes into impact contact with surrounding structures and devices, and the lower part of the notch surface 94 is damaged. Even if the protrusion is formed by deformation, the protrusion height of the protrusion remains within the step size which is the notch depth of the notch 93. Since 43 is not strongly pressed locally by the nozzle 43, a local drop in the dynamic pressure of the gas injected from the nozzle hole 45 is prevented.
[0048]
The nozzle hole adjusting piece 41 is made of steel, for example, like the nozzle main body 42. After being formed into the above-described shape, the nozzle hole adjusting piece 41 is subjected to electroless nickel plating, and after baking, is baked at about 400 ° C. for 1 hour. The heat treatment called is performed.
[0049]
For electroless nickel plating, a known method may be used. For example, a solution containing nickel sulfate, sodium hypophosphite, lactic acid and the like is prepared, and the nozzle hole adjusting piece 41 is immersed in a solution heated to about 90 ° C. and nickel-plated. Strictly speaking, the formed plating layer is an alloy plating of nickel (Ni) and phosphorus (P). The plating layer is a Ni-P precipitation state, has a Vickers hardness (HV) of 500 to 550, and further hardens by performing the aforementioned baking treatment, and has 700 to 1000 HV comparable to hard Cr plating. It becomes like this. The electroless nickel plating may be applied not only to the nozzle hole adjusting piece 41 but also to the nozzle body 42. As described above, since the nickel plating layer is hard, when the nozzle hole adjusting piece 41 is attached to or detached from the nozzle main body 42, the third and fourth positioning surfaces 82 and 83 of the nozzle hole adjusting piece, the lower nozzle main body, and the like. Even if the first and second positioning surfaces 60 and 65 of 47 are rubbed against each other, generation of scouring and scratching is prevented.
[0050]
Further, FIG. 3 is a sectional view of the nozzle hole adjusting piece 41 plated with electroless nickel. Since electroless nickel plating uses chemical precipitation without using electricity, the nozzle hole adjusting piece 41 has a complicated shape in which convex portions and concave portions are formed, but is almost uniform regardless of the shape. The nickel plating layer 95 is formed with a sufficient layer thickness. For example, when electroless nickel plating is performed with a plating layer thickness of 10 to 20 μm as a target, a variation with respect to the target thickness is much less than ± 1.0 μm, and a plating layer having a very uniform thickness can be obtained. Accordingly, since local displacement and deformation of the nozzle hole adjusting piece 41 due to the difference in plating thickness are prevented, local decrease in the dynamic pressure of the gas injected from the nozzle hole 45 is prevented, and linear overshoot The generation of a coat is prevented. In addition, since plating with a uniform thickness is possible, manufacturing management is easy without the processing accuracy when the nozzle hole adjusting piece 41 is manufactured being lost in the final plating step.
[0051]
The pressing means 43 is a wedge piece 43. The wedge piece 43 is a tapered rectangular bar extending in the width direction, the fifth side face 101 contacting the fourth side face 92 of the nozzle hole adjusting piece 41, and the second side face of the fitting groove 64 of the lower nozzle body 47. 67, a fifth side surface 102 that contacts the bottom surface 68 of the fitting groove 64, and a fifth upper surface 104. The fifth side surface 101 is formed substantially parallel to the plate surface of the steel strip, and the fifth lower surface 103 and the fifth upper surface 104 are formed substantially parallel to the horizontal plane. On the other hand, the 6th side 102 inclines so that it may approach a steel strip as it goes to the other end part from the width direction one end part. The angle formed by the fifth side surface 101 and the sixth side surface 102 is the same as the inclination angle of the fitting groove 64 with respect to the plate surface of the second side surface 67.
[0052]
Therefore, the wedge piece 43 can be detachably inserted between the fourth side surface 92 of the nozzle hole adjusting piece 41 and the second side surface 67 of the lower nozzle body 47. Further, if the wedge piece 43 is inserted and pushed toward the other end in the width direction so that the fifth side surface 101, the sixth side surface 102, and the fifth lower surface 103 are in contact with the corresponding contact surfaces, the wedge piece No. 43 can apply a pressing force in a direction perpendicular to the plate surface of the steel strip to the nozzle hole adjusting piece 41 by the wedge effect. As a result, the nozzle hole adjusting piece 41 can be reliably fixed to the lower nozzle body 47 through the positioning convex portion 62 and the positioning concave portion 81. Further, if the wedge piece 43 is pulled out in the width direction, the pressing force can be released, so that the nozzle hole adjusting piece 41 can be easily detached from the lower nozzle body 47.
[0053]
When the nozzle hole adjusting piece 41 is attached to and detached from the lower nozzle body 47, the third and fourth positioning surfaces 82 and 83 of the nozzle hole adjusting piece 41 are selected from molybdenum disulfide and graphite that are powdery lubricants. It is preferable to apply 1 type or 2 types in advance. Also, molybdenum disulfide is more preferably used for the powdery lubricant. By applying, for example, molybdenum disulfide to the third and fourth positioning surfaces 82 and 83 in advance, the third and fourth positioning surfaces 82 and 83, and the first and second positioning surfaces 60 of the lower nozzle body 47. , 65, the frictional force at the time of attachment / detachment is remarkably reduced, so that the occurrence of scouring and shavings is prevented.
[0054]
FIG. 4 is a front view of a nozzle hole adjusting piece 110 provided in a gas injection nozzle according to another embodiment of the present invention as viewed from the plate surface side of the steel strip. FIG. 4A shows the entire nozzle hole adjusting piece 110, and FIG. 4B shows an enlarged view of part A of FIG. 4A. The nozzle hole adjustment piece 110 used in the present embodiment is similar to the nozzle hole adjustment piece 41 of the previous embodiment, and corresponding portions are denoted by the same reference numerals and description thereof is omitted.
[0055]
In the nozzle hole adjusting piece 110, the third positioning surface 82 and the third upper surface 86, that is, the lower surface of the nozzle hole 45 facing each other in the vicinity of the center in the width direction are parallel to the nozzle hole adjusting piece 41 in the previous embodiment. The third upper surface 86 is formed so as to be close to the third positioning surface 82 as the parallel portion 111 is formed on the both sides of the parallel portion 111 and the parallel portion 111 is separated from the parallel portion 111. And a tapered portion 112. What should be noted in the nozzle hole adjusting piece 110 of the present embodiment is that the boundary portion 113 between the parallel portion 111 and the tapered portion 112 is curved so as to have a curvature.
[0056]
For example, when the slope of the tapered portion 112 is (0.25 mm / 100 mm), the curvature radius (R) is 100 R or more, particularly preferably 150 R. . As a result, a decrease in the dynamic pressure of the gas ejected from the portion corresponding to the boundary portion 113 of the nozzle hole 45 is remarkably suppressed, so that the occurrence of a linear overcoat is prevented. In addition, although the curvature radius (R) which can express an effect in a dynamic pressure fall changes according to the gradient of the taper part 112, these process various curvature radius (R) with respect to various taper gradients. And a suitable radius of curvature (R) for each taper gradient can be determined by performing a test for measuring the dynamic pressure in advance.
[0057]
(Example)
Examples of the present invention will be described below. In this example, when manufacturing a hot-dip aluminized steel strip defined in Japanese Industrial Standard (JIS) G3314, the gas injection nozzle 1 shown in the conventional example and the gas injection nozzle shown in the embodiment of the present invention are respectively provided. The plating thickness was adjusted by using this. Accordingly, the test steel strips of this example include those having various plate thicknesses, steel strip widths, and plating adhesion amounts within the range specified by JIS.
[0058]
As Example 1, electroless nickel plating is performed, a notch 93 is formed in the lower portion of the fourth side surface 92 that is a contact surface with the wedge piece 43, and disulfide is used as a lubricant on the contact surface with the lower nozzle body 47. The gas injection nozzle 40 provided with the nozzle hole adjustment piece 41 which apply | coated molybdenum was used. As Example 2, a gas injection nozzle including a nozzle hole adjusting piece 110 in which a boundary portion 113 between the tapered portion 112 and the parallel portion 113 is subjected to 150R curved surface processing was used. In Example 2, a gas injection nozzle having the same configuration as the conventional gas injection nozzle 1 was used except that the boundary portion 113 was curved. As a comparative example, the gas injection nozzle 1 shown in the above-described conventional example was used.
[0059]
The performance evaluation of the gas injection nozzle was performed by determining the occurrence rate of abnormal steel strip. Here, the occurrence rate of abnormal steel strip was determined as poor quality due to the occurrence of a linear overcoat when visually inspecting the hot-dip galvanized steel strip after production and using each gas injection nozzle. The ratio between the number of steel strips and the number of steel strips produced during the test period is expressed as a percentage.
[0060]
In order to clarify the comparison between the example 1 and the example 2 and the comparative example, the occurrence rate of the abnormal steel strip is attributed to the cause of occurrence of the linear overcoat, that is, due to the decrease in the dynamic pressure at the boundary part, The occurrence rate of abnormal steel strips was evaluated according to the cause, such as scrapes, scrapes, and hits on the nozzle hole adjusting piece and / or scrapes on the nozzle body.
[0061]
The test results are shown in Table 1. In the comparative example, the occurrence rate of abnormal steel strip due to a decrease in dynamic pressure due to the boundary shape was 4%, but in Example 2, it was improved to 0%. Moreover, in the comparative example, although the incidence rate of the abnormal steel strip due to the decrease in the dynamic pressure caused by the ground cracks and the shavings was 1%, in Example 1, it was improved to 0%. Thus, electroless nickel plating is applied to the nozzle hole adjusting piece, a notch is formed, a lubricant is applied in preparation for attachment to and detachment from the nozzle body, and curved surface processing is applied to the boundary of the nozzle hole adjusting piece. It has been clarified that it is extremely effective in preventing the occurrence of linear overcoat by preventing the local decrease in the dynamic pressure of the gas injected from the nozzle hole.
[0062]
[Table 1]

[0063]
As described above, in the present embodiment, the metal strip is a hot dip galvanized steel strip, but is not limited to this, and may be a hot dip aluminum alloy galvanized steel strip or a hot dip galvanized steel strip. Further, it may be a hot-dip galvanized steel strip, a steel strip on which other molten metal is plated, or a metal strip other than the steel strip.
[0064]
【The invention's effect】
According to the present invention, the nozzle hole adjusting piece detachably attached to the nozzle body is subjected to electroless plating, preferably electroless nickel plating. In electroless plating, for example, metal ions in a metal salt solution are deposited by using a reaction such as substitution, oxidation, or reduction without using electricity to form a plating layer. Therefore, regardless of the shape of the nozzle hole adjusting piece, the plating layer can be formed on the entire surface of the nozzle hole adjusting piece with a substantially uniform thickness. This prevents local displacement and deformation of the nozzle hole adjusting piece due to the difference in plating thickness, thereby preventing local decrease in the dynamic pressure of the gas injected from the nozzle hole. Generation of a linear overcoat is prevented.
Further, a notch portion is formed in advance on the surface of the nozzle body that contacts the pressing means of the nozzle hole adjusting piece in a state where the nozzle hole adjusting piece and the pressing means are mounted. As a result, the lower part of the surface where the nozzle hole adjusting piece, which is the most easily damaged and deformed when the nozzle hole adjusting piece 2 comes into impact contact with the surrounding structure or device, comes into contact with the pressing means is damaged or deformed. Even in this case, the protrusion height of the protrusion formed by damage deformation remains within the range of the notch depth of the notch. Accordingly, since the nozzle hole adjusting piece is not locally pressed strongly by the pressing means, the local decrease in the dynamic pressure of the gas injected from the nozzle hole is prevented, and the occurrence of the linear overcoat is prevented. Is done.
[0065]
Furthermore, when electroless nickel plating is performed as electroless plating, the hardness of the nickel plating layer is high, and therefore the hardness can be further increased by baking treatment after the nickel plating layer is formed. Occurrence of scraps and shavings during the attachment and detachment of the nozzles is prevented, and a local decrease in the dynamic pressure of the gas injected from the nozzle holes due to these defects, that is, the occurrence of a linear overcoat is prevented.
[0067]
Further, according to the present invention, since the boundary portion between the parallel portion and the tapered portion of the nozzle hole adjusting piece is curved so as to have a curvature, a reduction in the dynamic pressure of the gas corresponding to the boundary portion is prevented, Generation of a linear overcoat is prevented.
[0068]
Further, according to the present invention, the nozzle hole adjusting piece has one surface selected from a powdery lubricant, preferably molybdenum disulfide and graphite, on the surface in contact with the nozzle body in a state of being mounted on the nozzle body. Alternatively, since two types are applied, when the nozzle hole adjusting piece is attached to or detached from the nozzle body, it can be attached or detached while suppressing the frictional force of the contact surface extremely low. Therefore, it is possible to suppress the occurrence of scabs and scratches on the contact surface, and to prevent the occurrence of linear overcoat caused by these wrinkles.
[0069]
The lubricant is in powder form. The gas injection nozzle for adjusting the plating thickness is heated to a temperature of 400 ° C. or higher by radiant heat from, for example, a steel strip that has just been plated with a hot-dipped metal during operation. The component is vaporized by heat, and the vaporized component adversely affects the quality of the plating layer on the surface of the steel strip. However, if it is a solid powdery lubricant, it has heat resistance, and even when heated, a healthy plated steel strip can be produced without generating harmful components in quality. .
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side view showing a simplified configuration of a plating thickness adjusting gas injection nozzle 40 according to an embodiment of the present invention.
2 is a perspective view of a nozzle hole adjusting piece 41 provided in the plating thickness adjusting gas injection nozzle 40 shown in FIG.
3 is a cross-sectional view of a nozzle hole adjusting piece 41. FIG.
FIG. 4 is a front view of a nozzle hole adjusting piece 110 provided in a gas injection nozzle according to another embodiment of the present invention as viewed from the plate surface side of a steel strip.
FIG. 5 is a side view of a gas injection nozzle 1 for adjusting plating thickness according to the prior art.
FIG. 6 is a front view of a nozzle hole adjusting piece 2 having an appropriate taper for each steel strip width.
FIG. 7 is a diagram showing a state in which the dynamic pressure is reduced due to the occurrence of scouring or scratching.
FIG. 8 is a cross-sectional view of a nozzle hole adjusting piece 2 to which Cr plating 17 is applied.
9 is a diagram showing an example of a damaged nozzle hole adjusting piece 2. FIG.
FIG. 10 is a diagram showing a state in which the dynamic pressure is reduced due to the protrusion 27 formed on the nozzle hole adjusting piece 2;
FIG. 11 is a diagram showing a result of measuring dynamic pressure in a conventional plating thickness adjusting gas nozzle 1;
[Explanation of symbols]
40 Gas injection nozzle for adjusting plating thickness
41,110 Nozzle hole adjustment piece
42 Nozzle body
43 Wedge pieces
44 Rectifier bar
45 Nozzle holes
46 Upper nozzle body
47 Lower nozzle body
60 First positioning surface
65 Second positioning surface
82 3rd positioning surface
83 4th positioning surface
93 Notch
95 Ni plating layer
111 Parallel part
112 Taper
113 border

Claims

A nozzle main body having either one of a positioning convex portion or a positioning concave portion and forming one inner surface of a nozzle hole extending in the width direction of the metal band, and one of the positioning convex portion and the positioning concave portion of the nozzle main body. A nozzle hole adjusting piece that has a positioning concave portion or positioning convex portion that is in contact with the nozzle body and is detachably inserted into the nozzle body and forms the other inner surface of the nozzle hole, and the positioning convex portion or positioning concave portion of the nozzle hole adjustment piece And a pressing means that presses against the positioning projections or positioning recesses, and injects the gas from the nozzle holes onto the plate surface of the metal strip that is transported upward through the bath above the bath surface of the molten plating metal Then, in the gas injection nozzle for adjusting the plating thickness to blow off the excessive plating metal plated on the metal strip,
The nozzle hole adjustment piece is electroless plated ,
The pressing means is detachably inserted between the nozzle body and the nozzle hole adjusting piece,
In a state where the nozzle hole adjusting piece and the pressing means are mounted on the nozzle body,
A gas injection nozzle for adjusting a plating thickness, wherein a notch is formed .

The electroless plating is
The gas injection nozzle for adjusting a plating thickness according to claim 1, wherein the nozzle is electroless nickel plating.

The nozzle hole adjusting piece is
A parallel part in which the one surface and the other surface facing each other are formed in parallel in the vicinity of the central part in the width direction of the metal band, and the parallel part is connected to the parallel part on both sides in the metal band width direction and separated from the parallel part. And has a tapered portion formed so that one surface is close to the other surface,
The gas injection nozzle for plating thickness adjustment according to claim 1 or 2 , wherein a boundary portion between the parallel portion and the taper portion is curved so as to have a curvature .

In the nozzle hole adjusting piece,
The gas injection nozzle for adjusting a plating thickness according to any one of claims 1 to 3 , wherein a powdery lubricant is applied to a surface of the nozzle body that is in contact with the nozzle body .

The powdery lubricant is
The gas injection nozzle for adjusting the plating thickness according to claim 4 , wherein the gas injection nozzle is one or two selected from molybdenum disulfide and graphite .