JP4076764B2 - Gas compressor - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーエアコンシステム等に用いられるベーンロータリー型の気体圧縮機に関し、特に、そのベーン跳ね現象を防止することにより起動性の向上を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】
この種従来のベーンロータリー型の気体圧縮機を図1及び図2に基づき説明すると、従来、この型の気体圧縮機は、吸入ポート10を介してエアコンシステムの低圧側配管(図示省略)に連通しているが、気体圧縮機の停止後に、吸入ポート10を介して気体圧縮機とエアコンシステムの低圧側配管とが連通していると、気体圧縮機の内部において、高圧室9の冷媒がシリンダ7内、低圧室8、吸入ポート10を順に経てエアコンシステムの低圧側配管へ逆流し、その逆流する冷媒の流れによりシリンダ7内のロータ12が逆回転し、ロータ12の逆回転による摺動音が発生するという騒音の問題が生じる。
【0003】
そこで、この種従来の気体圧縮機においては、停止直後に生じる冷媒の逆流を阻止することで、上記のような騒音問題を解決するために、吸入ポート10に逆止弁50を設置している。
【0004】
ところで、上記のような従来の気体圧縮機の場合、その起動時はロータ12の回転による遠心力だけでベーン17が飛び出し、しかも、そのベーン17の先端部には圧縮室18内で圧縮された冷媒の圧力と低圧室8の圧力とが作用するため、これらの圧力によりベーン17がロータ12の外周面側へ押し戻されてシリンダ7の内周面から離れてしまう、いわゆる“ベーン跳ね現象”が生じる可能性がある。ベーン跳ね現象が生じると、圧縮した冷媒がベーン17の先端部側から低圧側へ漏洩してしまい、圧縮効率が低下する。
【0005】
そこで、上記のような従来の気体圧縮機においては、圧縮後の冷媒が吐出される高圧室9の圧力を利用してベーン背圧Pvを得るとともに、このベーン背圧Pvをベーン背圧空間28からベーン17の底部へ供給するという構成を採用している。
【0006】
しかしながら、上記のような従来の気体圧縮機にあっては、その起動時からロータ12が低速で回転するいわゆる低速運転のときに、ベーン跳ね現象がいつまで経っても消滅せず継続的に発生するという問題点を有している。これは次のような原因によるものと考えられる。
【0007】
すなわち、低速運転の場合、ベーン17に作用する遠心力が小さいため、圧縮室18内で圧縮された冷媒の圧力と低圧室8の圧力とによりベーン17が容易にロータ12の外周面側へ押し戻され、ベーン17先端部側からの冷媒の漏れ量が多くなる。その結果、繰り返し圧縮が行われても冷媒の圧力は上昇せず、これに伴い圧縮後の冷媒が吐出される高圧室9の圧力も上昇し難いことから、所定のベーン背圧Pvを得ることができず、ベーン17の飛び出し力が弱いため、上記のようなベーン跳ね現象が継続的に生じるものと考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ベーン跳ね現象を防止した起動性のよい気体圧縮機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、エアコンシステムの低圧側から吸入ポートの逆止弁を介して冷媒が導入される低圧室と、上記低圧室に導入された冷媒を吸気し圧縮する圧縮機構部とを備え、上記圧縮機構部は、内周楕円状のシリンダと、上記シリンダの内側に回転可能に横架されたロータと、上記ロータの外周面に形成されたベーン溝と、上記ベーン溝内に摺動可能に設置されたベーンと、上記ベーンの底部にベーン背圧を供給するベーン背圧空間とを有し、上記シリンダの内周面と上記ロータの外周面との間に、上記複数のベーンにより仕切られてなる圧縮室が形成され、上記ロータの回転に伴う上記ベーンの移動により上記圧縮室の容積が増加する際に、上記シリンダの内側に連通する吸入口を介して上記低圧室から上記圧縮室側へ冷媒が吸気されてなり、上記逆止弁の下流側に位置する低圧室の圧力をPfh、上記逆止弁の上流側の圧力をPsとした場合に、上記逆止弁を閉の状態に維持するバネは、Ps−Pfh>1[kgf/cm]となるようにPfhが低下するまで上記逆止弁を閉の状態に維持できるバネ力を有することを特徴とするものである。
【0012】
本発明では、気体圧縮機の起動時のようにベーン背圧よりも低圧室の圧力の方が高いとき、上記逆止弁の閉動作効果により、低圧室内の圧力がベーン背圧またはそれ以下に低下するように作動する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る気体圧縮機の実施形態について図1ないし図3を基に詳細に説明する。
【0014】
本実施形態の気体圧縮機は、図1に示したように外装ケーシング1の内側に圧縮機構部2を収納した構造を採用している。
【0015】
上記外装ケーシング1は、一端開口型のコンプレッサケース3と、このコンプレッサケース3の開口端に取り付けられたフロントヘッド4とにより形成されている。
【0016】
圧縮機構部2は、フロントサイドブロック5とその後方に位置するリアサイドブロック6との間に内周楕円状のシリンダ7を介挿した構造であり、フロントサイドブロック5は、シリンダ7のフロント側端面に取り付けられるとともに、フロントヘッド4の内側面と対向するように配置されている。また、リアサイドブロック6はシリンダ7のリア側端面に取り付けられるとともに、コンプレッサケース3の内側面と対向するように配置されている。
【0017】
さらに、フロントサイドブロック5はフロントヘッド4との間に低圧室8を形成し、リアサイドブロック6はコンプレッサケース3の内側面との間に高圧室9を形成するように構成されている。
【0018】
低圧室8は、フロントヘッド4に設けた吸入ポート10を介して図示しないエアコンシステムの低圧側配管に接続され、高圧室9は、コンプレッサケース3の吐出ポート11を介して同エアコンシステムの高圧側配管に接続される構造となっている。
【0019】
シリンダ7内にはロータ12が配設されており、このロータ12は、その軸心に一体に設けたロータ軸13とこれを支持するフロントおよびリアサイドブロック5、6の軸受け14、15とにより、シリンダ7内に回転可能に横架されている。
【0020】
図2に示したように、ロータ12にはその径方向にベーン溝16が5つ切込み形成され、これらのベーン溝16にはベーン17が1つずつ摺動可能に装着されており、各ベーン17は、いずれもロータ12の外周面からシリンダ7の内周面に向って出没自在に設けられている。
【0021】
さらに、上記シリンダ7の内周面とロータ12の外周面との間には、上記のような複数のベーン17、17…により仕切り形成されてなる圧縮室18が設けられ、この圧縮室18は、ロータ12の回転に伴うベーンの移動により容積の大小変化を繰り返し、この容積変化により低圧室8の冷媒を吸気し圧縮する。
【0022】
すなわち、圧縮室18の容積変化が生じると、その容積増加時に、低圧室8内からシリンダ7等の吸入通路19とフロントおよびリアサイドブロック5、6の吸入口20を介して圧縮室18に冷媒が吸入される。そして、圧縮室18の容積が減少し始めると、その容積減少効果により圧縮室18内の冷媒が圧縮され始める。その後、圧縮室18の容積が最小付近に近づくと、圧縮された高圧冷媒の圧力により、シリンダ7楕円短径部付近に位置するシリンダ吐出孔21のリードバルブ22が開く。これにより、圧縮室18内の高圧冷媒は、シリンダ吐出孔21からシリンダ外部の吐出チャンバ23とリアサイドブロック6の高圧ガス通路24を経て高圧室9に吐出する。
【0023】
上記のように低圧室8から圧縮室18内に吸気される冷媒中には、エアコンシステム内を循環するオイルが通常数%含まれており、このオイル含有冷媒が上記のように圧縮室18内で圧縮されるので、吐出チャンバ23側へ吐出した高圧冷媒中にもオイルがミストの状態で含まれており、このような高圧冷媒中のオイル成分は高圧ガス通路24の高圧室側開口端に設けた油分離器25により分離捕獲され、かつ、高圧室9底部のオイル溜まり26に滴下し貯留される。
【0024】
上記オイル溜まり26には、高圧室9内へ吐出した高圧冷媒の圧力が作用しており、このような吐出圧力の作用するオイル溜まり26のオイルは、フロントおよびリアサイドブロック5、6やシリンダ7の油穴27、軸受け14、15のクリアランスを通過し、最終的にベーン17底部に連通するベーン背圧空間28へ圧送される。
【0025】
本実施形態の場合、ベーン背圧空間28は、フロントおよびリアサイドブロック5、6のシリンダ対向面に形成されたサライ溝29と、これに連通するベーン溝16の底部空間とにより構成されている。そして、このようなベーン背圧空間28に圧送されたオイルの圧力がベーン背圧Pvとしてベーン17の底部に作用し、このベーン背圧Pvにより、ベーン17はロータ12の外周面側からシリンダ7の内周面に向って押し上げ付勢される。
【0026】
ところで、本実施形態の気体圧縮機においても、図1に示したように、吸入ポート10には逆止弁50が設置されており、次に、この逆止弁50の構成について説明する。
【0027】
逆止弁50は、図3に示したように、バルブケース51、ストッパ52、弁体53およびバネ54等の部品から構成されており、バルブケース51は吸入ポート10内に挿入装着され、ストッパ52はバルブケース51の上部に設置されている。弁体53はバルブケース51内にスライド可能に装着され、バネ54は弁体53を常時ストッパ52下面の弁座部55側に向って付勢するように構成されている。
【0028】
弁体53がバネ54の力に抗してスライドすることにより、この逆止弁50は開となるように構成されている。すなわち、バルブケース51の側面には開口部56が形成されており、この開口部56の形成位置まで弁体53がバネ54の力に抗してスライドすると、この逆止弁50は開の状態となり、バルブケース51側面の開口部56を介して吸入ポート10と低圧室8が連通する。
【0029】
また、この逆止弁50はバネ54の力によって閉の状態が維持される構造となっている。すなわち、バネ54の力で弁体53がストッパ52下部の弁座部55側に付勢されて密着すると、その弁体53の先端縁部と弁座部55との間にシール部57が形成され、この逆止弁50は閉の状態となり、上記のような開口部56を介する吸入ポート10と低圧室8の連通は遮断される。
【0030】
ところで、本実施形態の気体圧縮機においても、これを起動すると、ロータ12が回転し、このロータ12の回転による遠心力でロータ12の外周面からシリンダ7の内周面に向ってベーン17、17…が飛び出すことにより、シリンダ7内側の圧縮室18において冷媒の圧縮が開始される。この際、圧縮される冷媒は低圧室8から圧縮室18側へ吸気されるので、圧縮開始時から低圧室8の圧力は低下する。その結果、逆止弁50の下流側に位置する低圧室8の圧力Pfhと逆止弁50の上流側の圧力Psとの差圧は徐々に大きくなり、その差圧が逆止弁50のバネ54力を上回ると、逆止弁50の弁体53は弁座部55から離れ、この逆止弁50は開の状態となる。
【0031】
ここで、上記のような気体圧縮機の起動直後におけるベーン17の飛び出し性を考察すると、ベーン背圧空間28内の圧力、すなわちベーン背圧をPv、逆止弁50の下流側に位置する低圧室8内の圧力をPfh、逆止弁50の上流側の圧力をPsとすれば、Pfh≒Pvとなったときに、ベーン17は飛び出しやすいことが実験により判明した。また、気体圧縮機の起動時はPfh−Pv=1[kgf/cm]であることも実験により判明している。
【0032】
したがって、気体圧縮機を起動直後におけるベーン17の飛び出し性の向上を図るにはPfh≒Pvとなればよく、このようなPfh≒Pvという状態を気体圧縮機の起動直後に得るには、起動後直ちにPfhが1[kgf/cm]だけ低下すればよく、また、それだけPfhを低下させる手段としては、Pfhが1[kgf/cm]だけ低下するまでの間、吸入ポート10の逆止弁50を閉の状態に設定することにより、エアコンシステムの低圧側から吸入ポート10の逆止弁50を介して低圧室8側へ導入される冷媒の流れを阻止するという構成を採用すればよい。
【0033】
そこで、本実施形態の気体圧縮機においては、その起動直後におけるベーン17の飛び出し性の向上を図るべく、逆止弁50のバネ54の構成として、Ps−Pfh>1[kgf/cm]となるようにPfhが低下するまで逆止弁50を閉の状態に設定できるバネ力を採用するものとした。
【0034】
これにより、本実施形態の気体圧縮機を起動すると、逆止弁50が閉じている間に、Pfhは1[kgf/cm]以上低下し、Pfh≒Pvとなるので、ベーン17は飛び出しやすくなる。
【0035】
要するに、本実施形態の場合、圧縮室18側への冷媒の吸気により低圧室8内の圧力Pfhが低下しベーン背圧Pvと略等しくなるか、あるいは、ベーン背圧Pvよりも低圧室8内の圧力Pfhの方が低くなるまで、逆止弁50は閉の状態に設定される。
【0036】
したがって、本実施形態の気体圧縮機によると、その起動時はベーン背圧Pvよりも低圧室8内の圧力Pfhの方が高くなっているが、このとき上記のような逆止弁50の閉動作効果により、低圧室8内の圧力はベーン背圧Pvまたはそれ以下に低下するので、起動時からロータ12が低速で回転する低速運転の場合であっても、ロータ12の回転による遠心力のみで十分にベーン17を飛び出させることができ、ベーン17の飛び出し力が強くなり、いわゆるベーン跳ね現象を効果的に防止することができる。
【0037】
なお、上記実施形態では、気体圧縮機の起動直後におけるベーン17の飛び出し性の向上を図るために、起動直後にPfhを1[kgf/cm]以上低下させる手段として、逆止弁50のバネ54の力を調整したが、これに代えて、逆止弁50の弁体53のシール構造を変更することにより、気体圧縮機の起動直後においてPfhを1[kgf/cm]以上低下させるように構成することもできる。
【0038】
具体的には、上記実施形態においては、弁体53の先端縁部と弁座部55との間にシール部57が構成されるシール構造を採用していたが、これに代えて、図4に示したように、弁体53の外周面全体とバルブケース51の内周面との間にシール部57が構成されるシール構造を採用してもよい。
【0039】
この図4のシール構造の場合、弁体53のスライド時にバルブケース51との間で摺動抵抗が発生し、これが弁体53のスライド動作に対する抵抗となるため、弁体53が弁座部55から離れて開口部56の形成位置までスライドするに要する時間、すなわち逆止弁50が開の状態となるまでにかかる時間は、上記実施形態のシール構造と比ベて長くなり、このように時間をかけて逆止弁50が開となる間に、Pfhは1[kgf/cm]以上低下する。なお、逆止弁50が開くまでに約1秒程度あれば、Pfhを1[kgf/cm]まで低下させることができる。
【0040】
また、上記のように時間をかけて逆止弁50が開くように構成する手段としては、たとえば、弁座部55から開口部56までの距離、すなわち弁体53のスライドストロークを長くしてもよい。
【0041】
【発明の効果】
本発明に係る気体圧縮機にあっては、上記の如く、圧縮室側への冷媒の吸気により低圧室内の圧力が低下しベーン背圧と略等しくなるか、あるいはベーン背圧よりも低圧室内の圧力の方が低くなるまで、逆止弁は閉の状態に設定される構成を採用したものである。このため、この種気体圧縮機の起動時のようにベーン背圧よりも低圧室の圧力の方が高いときに、低圧室内の圧力がベーン背圧またはそれ以下に低下するので、起動時からロータが低速で回転する低速運転の場合であっても、ロータの回転による遠心力のみで十分にベーンを飛び出させることができ、ベーンの飛び出し力が強くなり、ベーン跳ね現象を防止した起動性のよい気体圧縮機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベーンロータリー型の気体圧縮機の基本構成を示した断面図。
【図2】図2のA−A線断面図。
【図3】逆止弁の拡大図とその分解図。
【図4】本発明の他の実施形態の説明図。
【符号の説明】
1 外装ケーシング
2 圧縮機構部
3 コンプレッサケース
4 フロントヘッド
5 フロントサイドブロック
6 リアサイドブロック
7 シリンダ
8 低圧室
9 高圧室
10 吸入ポート
11 吐出ポート
12 ロータ
13 ロータ軸
14、15 軸受け
16 ベーン溝
17 ベーン
18 圧縮室
19 吸入通路
20 吸入口
21 シリンダ吐出孔
22 リードバルブ
23 吐出チャンバ
24 高圧ガス通路
25 油分離器
26 オイル溜まり
27 油穴
28 ベーン背圧空間
29 サライ溝
50 逆止弁
51 バルブケース
52 ストッパ
53 弁体
54 バネ
55 弁座部
56 開口部
57 シール部
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a vane rotary type gas compressor used in a car air conditioner system and the like, and in particular, improves the startability by preventing the vane splash phenomenon.
[0002]
[Prior art]
This type of conventional vane rotary type gas compressor will be described with reference to FIGS. 1 and 2. Conventionally, this type of gas compressor communicates with a low-pressure side pipe (not shown) of an air conditioner system via a suction port 10. However, after the gas compressor is stopped, if the gas compressor and the low-pressure side pipe of the air conditioner system are communicated with each other via the suction port 10, the refrigerant in the high-pressure chamber 9 is transferred to the cylinder inside the gas compressor. 7, the low pressure chamber 8, and the suction port 10, and then backflow to the low pressure side piping of the air conditioner system. The reverse flow of the refrigerant causes the rotor 12 in the cylinder 7 to reversely rotate, and the sliding sound due to the reverse rotation of the rotor 12. The problem of noise occurs.
[0003]
Therefore, in this type of conventional gas compressor, a check valve 50 is installed in the suction port 10 in order to solve the above-described noise problem by preventing the reverse flow of the refrigerant that occurs immediately after stopping. .
[0004]
By the way, in the case of the conventional gas compressor as described above, the vane 17 pops out only by the centrifugal force due to the rotation of the rotor 12 at the time of starting, and the tip of the vane 17 is compressed in the compression chamber 18. Since the pressure of the refrigerant and the pressure of the low pressure chamber 8 act, the so-called “vane jumping phenomenon” in which the vane 17 is pushed back to the outer peripheral surface side of the rotor 12 by the pressure and separated from the inner peripheral surface of the cylinder 7. It can happen. When the vane splash phenomenon occurs, the compressed refrigerant leaks from the tip end side of the vane 17 to the low pressure side, and the compression efficiency decreases.
[0005]
Therefore, in the conventional gas compressor as described above, the vane back pressure Pv is obtained by using the pressure of the high pressure chamber 9 from which the compressed refrigerant is discharged, and this vane back pressure Pv is used as the vane back pressure space 28. To the bottom of the vane 17 is adopted.
[0006]
However, in the conventional gas compressor as described above, during the so-called low-speed operation in which the rotor 12 rotates at a low speed from the start-up, the vane jump phenomenon is continuously generated without disappearing. Has the problem. This is considered due to the following causes.
[0007]
That is, since the centrifugal force acting on the vane 17 is small during low speed operation, the vane 17 is easily pushed back to the outer peripheral surface side of the rotor 12 by the pressure of the refrigerant compressed in the compression chamber 18 and the pressure of the low pressure chamber 8. As a result, the amount of refrigerant leaked from the tip of the vane 17 increases. As a result, even if compression is repeatedly performed, the pressure of the refrigerant does not increase, and accordingly, the pressure in the high-pressure chamber 9 from which the compressed refrigerant is discharged is also difficult to increase, so that a predetermined vane back pressure Pv is obtained. It is considered that the vane jumping phenomenon as described above occurs continuously because the jumping force of the vane 17 is weak.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made to solve the above-mentioned problems, and an object of the present invention is to provide a gas compressor with good startability that prevents the vane splash phenomenon.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
To achieve the above object, the present invention provides a low-pressure chamber into which refrigerant is introduced from a low-pressure side of an air-conditioning system via a check valve of an intake port, and a compression for sucking and compressing the refrigerant introduced into the low-pressure chamber. The compression mechanism portion includes an inner circumferential elliptical cylinder, a rotor that is rotatably mounted inside the cylinder, a vane groove formed on the outer circumferential surface of the rotor, and the vane. A vane slidably installed in the groove, and a vane back pressure space for supplying vane back pressure to the bottom of the vane, between the inner peripheral surface of the cylinder and the outer peripheral surface of the rotor, A compression chamber formed by the plurality of vanes is formed, and when the volume of the compression chamber increases due to the movement of the vane accompanying the rotation of the rotor, the suction chamber communicates with the inside of the cylinder through the suction port. From the low pressure chamber to the compression chamber When the pressure of the low pressure chamber located downstream of the check valve is Pfh and the pressure upstream of the check valve is Ps, the check valve is closed. The spring to be maintained has a spring force capable of maintaining the check valve in a closed state until Pfh is lowered so that Ps−Pfh> 1 [kgf / cm 2 ].
[0012]
In the present invention, when higher in pressure in the low-pressure chamber than the vane back pressure such as during startup of the gas compressor, the closing effect of the check valve, the pressure in the low pressure chamber vane back pressure or below Operates to decrease.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of a gas compressor according to the present invention will be described in detail with reference to FIGS. 1 to 3.
[0014]
The gas compressor of this embodiment employs a structure in which a compression mechanism portion 2 is housed inside the outer casing 1 as shown in FIG.
[0015]
The outer casing 1 is formed by a compressor case 3 having an opening at one end and a front head 4 attached to the opening end of the compressor case 3.
[0016]
The compression mechanism section 2 has a structure in which an inner peripheral elliptic cylinder 7 is interposed between a front side block 5 and a rear side block 6 located behind the front side block 5. The front side block 5 is a front side end surface of the cylinder 7. And is disposed so as to face the inner surface of the front head 4. The rear side block 6 is attached to the rear side end face of the cylinder 7 and is disposed so as to face the inner side face of the compressor case 3.
[0017]
Further, the front side block 5 is configured to form a low pressure chamber 8 with the front head 4, and the rear side block 6 is configured to form a high pressure chamber 9 with the inner surface of the compressor case 3.
[0018]
The low pressure chamber 8 is connected to a low pressure side pipe of an air conditioner system (not shown) via a suction port 10 provided in the front head 4, and the high pressure chamber 9 is connected to a high pressure side of the air conditioner system via a discharge port 11 of the compressor case 3. It is structured to be connected to piping.
[0019]
A rotor 12 is disposed in the cylinder 7, and the rotor 12 is constituted by a rotor shaft 13 provided integrally with the shaft center and bearings 14 and 15 of the front and rear side blocks 5 and 6 that support the rotor shaft 13. The cylinder 7 is horizontally mounted so as to be rotatable.
[0020]
As shown in FIG. 2, five vane grooves 16 are formed in the rotor 12 in the radial direction, and one vane 17 is slidably mounted in each of the vane grooves 16. 17 is provided so as to be able to protrude from the outer peripheral surface of the rotor 12 toward the inner peripheral surface of the cylinder 7.
[0021]
Further, a compression chamber 18 is provided between the inner peripheral surface of the cylinder 7 and the outer peripheral surface of the rotor 12, and is partitioned by a plurality of vanes 17, 17... The volume changes repeatedly due to the movement of the vane accompanying the rotation of the rotor 12, and the refrigerant in the low-pressure chamber 8 is sucked and compressed by this volume change.
[0022]
That is, when the volume of the compression chamber 18 changes, when the volume increases, the refrigerant flows into the compression chamber 18 from the low pressure chamber 8 through the suction passage 19 such as the cylinder 7 and the suction ports 20 of the front and rear side blocks 5 and 6. Inhaled. When the volume of the compression chamber 18 starts to decrease, the refrigerant in the compression chamber 18 starts to be compressed due to the volume reduction effect. Thereafter, when the volume of the compression chamber 18 approaches the minimum, the reed valve 22 of the cylinder discharge hole 21 located near the elliptical short diameter portion of the cylinder 7 is opened by the pressure of the compressed high-pressure refrigerant. Thereby, the high-pressure refrigerant in the compression chamber 18 is discharged from the cylinder discharge hole 21 to the high-pressure chamber 9 through the discharge chamber 23 outside the cylinder and the high-pressure gas passage 24 of the rear side block 6.
[0023]
As described above, the refrigerant sucked into the compression chamber 18 from the low pressure chamber 8 usually contains several percent of oil circulating in the air conditioner system, and this oil-containing refrigerant is contained in the compression chamber 18 as described above. Therefore, oil is also contained in a mist state in the high-pressure refrigerant discharged to the discharge chamber 23 side, and the oil component in such high-pressure refrigerant is at the high-pressure chamber side opening end of the high-pressure gas passage 24. It is separated and captured by the provided oil separator 25 and is dropped and stored in the oil reservoir 26 at the bottom of the high-pressure chamber 9.
[0024]
The oil reservoir 26 is acted on by the pressure of the high-pressure refrigerant discharged into the high-pressure chamber 9, and the oil in the oil reservoir 26 on which such discharge pressure acts acts on the front and rear side blocks 5, 6 and the cylinder 7. The oil passes through the clearance of the oil hole 27 and the bearings 14 and 15 and is finally sent to the vane back pressure space 28 communicating with the bottom of the vane 17.
[0025]
In the case of the present embodiment, the vane back pressure space 28 is configured by a Sarai groove 29 formed on the cylinder facing surface of the front and rear side blocks 5 and 6 and a bottom space of the vane groove 16 communicating with the same. The pressure of the oil pumped into the vane back pressure space 28 acts on the bottom of the vane 17 as the vane back pressure Pv, and the vane 17 is moved from the outer peripheral surface side of the rotor 12 to the cylinder 7 by the vane back pressure Pv. It is pushed up and urged toward the inner peripheral surface.
[0026]
By the way, also in the gas compressor of this embodiment, as shown in FIG. 1, the check valve 50 is installed in the suction port 10, Next, the structure of this check valve 50 is demonstrated.
[0027]
As shown in FIG. 3, the check valve 50 is composed of parts such as a valve case 51, a stopper 52, a valve body 53, and a spring 54, and the valve case 51 is inserted into the intake port 10 and attached thereto. 52 is installed in the upper part of the valve case 51. The valve body 53 is slidably mounted in the valve case 51, and the spring 54 is configured to constantly urge the valve body 53 toward the valve seat 55 on the lower surface of the stopper 52.
[0028]
The check valve 50 is configured to be opened when the valve body 53 slides against the force of the spring 54. That is, an opening 56 is formed on the side surface of the valve case 51. When the valve body 53 slides against the force of the spring 54 to the position where the opening 56 is formed, the check valve 50 is opened. Thus, the suction port 10 and the low pressure chamber 8 communicate with each other through the opening 56 on the side surface of the valve case 51.
[0029]
The check valve 50 has a structure in which the closed state is maintained by the force of the spring 54. That is, when the valve body 53 is urged and brought into close contact with the valve seat 55 at the bottom of the stopper 52 by the force of the spring 54, a seal portion 57 is formed between the leading edge of the valve body 53 and the valve seat 55. Then, the check valve 50 is closed, and the communication between the suction port 10 and the low pressure chamber 8 through the opening 56 is blocked.
[0030]
By the way, also in the gas compressor of this embodiment, when this is started, the rotor 12 rotates, and the vane 17 from the outer peripheral surface of the rotor 12 toward the inner peripheral surface of the cylinder 7 by centrifugal force due to the rotation of the rotor 12. 17... Jumps out, and refrigerant compression is started in the compression chamber 18 inside the cylinder 7. At this time, since the refrigerant to be compressed is sucked from the low-pressure chamber 8 to the compression chamber 18 side, the pressure in the low-pressure chamber 8 decreases from the start of compression. As a result, the differential pressure between the pressure Pfh of the low pressure chamber 8 located downstream of the check valve 50 and the pressure Ps upstream of the check valve 50 gradually increases, and the differential pressure is the spring of the check valve 50. When the force exceeds 54, the valve body 53 of the check valve 50 is separated from the valve seat portion 55, and the check valve 50 is opened.
[0031]
Here, considering the pop-out performance of the vane 17 immediately after the start of the gas compressor as described above, the pressure in the vane back pressure space 28, that is, the vane back pressure is Pv, and the low pressure located downstream of the check valve 50. Experiments have shown that if the pressure in the chamber 8 is Pfh and the pressure on the upstream side of the check valve 50 is Ps, the vane 17 is likely to jump out when Pfh≈Pv. Further, it has been experimentally found that Pfh−Pv = 1 [kgf / cm 2 ] when the gas compressor is started.
[0032]
Therefore, in order to improve the pop-out performance of the vane 17 immediately after starting the gas compressor, Pfh≈Pv may be satisfied. To obtain such a state of Pfh≈Pv immediately after starting the gas compressor, It is sufficient that Pfh is immediately reduced by 1 [kgf / cm 2 ], and as a means for reducing Pfh by that amount, the check valve of the suction port 10 is used until Pfh is reduced by 1 [kgf / cm 2 ]. A configuration may be employed in which the flow of the refrigerant introduced from the low pressure side of the air conditioning system to the low pressure chamber 8 side through the check valve 50 of the suction port 10 is set by setting 50 to the closed state.
[0033]
Therefore, in the gas compressor of the present embodiment, the structure of the spring 54 of the check valve 50 is Ps−Pfh> 1 [kgf / cm 2 ] in order to improve the pop-out performance of the vane 17 immediately after the start-up. Thus, a spring force capable of setting the check valve 50 in a closed state until Pfh decreases is adopted.
[0034]
As a result, when the gas compressor of the present embodiment is started, while the check valve 50 is closed, Pfh decreases by 1 [kgf / cm 2 ] or more and Pfh≈Pv. Become.
[0035]
In short, in the case of the present embodiment, the pressure Pfh in the low pressure chamber 8 is reduced by the intake of the refrigerant to the compression chamber 18 side and becomes substantially equal to the vane back pressure Pv, or in the low pressure chamber 8 lower than the vane back pressure Pv. Until the pressure Pfh becomes lower, the check valve 50 is set in a closed state.
[0036]
Therefore, according to the gas compressor of the present embodiment, the pressure Pfh in the low pressure chamber 8 is higher than the vane back pressure Pv at the time of activation, and at this time, the check valve 50 is closed as described above. Due to the operation effect, the pressure in the low pressure chamber 8 is reduced to the vane back pressure Pv or lower. Therefore, even in the case of low speed operation in which the rotor 12 rotates at a low speed from the start, only the centrifugal force due to the rotation of the rotor 12 is obtained. Thus, the vane 17 can be made to jump out sufficiently, and the jumping force of the vane 17 becomes strong, so that the so-called vane jumping phenomenon can be effectively prevented.
[0037]
In the above embodiment, the spring of the check valve 50 is used as means for reducing Pfh by 1 [kgf / cm 2 ] or more immediately after startup in order to improve the pop-out performance of the vane 17 immediately after startup of the gas compressor. However, instead of this, the seal structure of the valve body 53 of the check valve 50 is changed to reduce Pfh by 1 [kgf / cm 2 ] or more immediately after the start of the gas compressor. It can also be configured.
[0038]
Specifically, in the above embodiment, a seal structure in which the seal portion 57 is configured between the tip edge portion of the valve body 53 and the valve seat portion 55 is employed. As shown in FIG. 5, a seal structure in which a seal portion 57 is formed between the entire outer peripheral surface of the valve body 53 and the inner peripheral surface of the valve case 51 may be employed.
[0039]
In the case of the seal structure of FIG. 4, sliding resistance is generated between the valve body 53 and the valve case 51 when the valve body 53 is slid. The time required to slide to the position where the opening 56 is formed, that is, the time required for the check valve 50 to be in an open state is longer than the seal structure of the above embodiment. , Pfh decreases by 1 [kgf / cm 2 ] or more while the check valve 50 is opened. In addition, Pfh can be reduced to 1 [kgf / cm 2 ] if about 1 second is required until the check valve 50 is opened.
[0040]
Further, as a means for configuring the check valve 50 to open over time as described above, for example, even if the distance from the valve seat 55 to the opening 56, that is, the slide stroke of the valve body 53 is increased. Good.
[0041]
【The invention's effect】
In the gas compressor according to the present invention, as described above, the pressure in the low pressure chamber decreases due to the intake of the refrigerant to the compression chamber side and becomes substantially equal to the vane back pressure, or the pressure in the low pressure chamber is lower than the vane back pressure. The check valve employs a configuration in which the check valve is set to a closed state until the pressure becomes lower. For this reason, when the pressure in the low-pressure chamber is higher than the vane back pressure as in this type of gas compressor startup, the pressure in the low-pressure chamber decreases to the vane back pressure or lower. Even in the case of low-speed operation where the rotor rotates at a low speed, the vane can be sufficiently ejected only by the centrifugal force due to the rotation of the rotor, the vane ejecting force becomes stronger, and the vane jump phenomenon is prevented and the startability is good A gas compressor can be provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a basic configuration of a vane rotary type gas compressor.
FIG. 2 is a cross-sectional view taken along line AA in FIG.
FIG. 3 is an enlarged view of a check valve and an exploded view thereof.
FIG. 4 is an explanatory diagram of another embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Exterior casing 2 Compression mechanism part 3 Compressor case 4 Front head 5 Front side block 6 Rear side block 7 Cylinder 8 Low pressure chamber 9 High pressure chamber 10 Intake port 11 Discharge port 12 Rotor 13 Rotor shafts 14, 15 Bearing 16 Vane groove 17 Vane 18 Compression Chamber 19 Suction passage 20 Suction port 21 Cylinder discharge hole 22 Reed valve 23 Discharge chamber 24 High pressure gas passage 25 Oil separator 26 Oil reservoir 27 Oil hole 28 Vane back pressure space 29 Salai groove 50 Check valve 51 Valve case 52 Stopper 53 Valve Body 54 Spring 55 Valve seat part 56 Opening part 57 Sealing part

Claims (1)

エアコンシステムの低圧側から吸入ポートの逆止弁を介して冷媒が導入される低圧室と、上記低圧室に導入された冷媒を吸気し圧縮する圧縮機構部とを備え、
上記圧縮機構部は、
内周楕円状のシリンダと、
上記シリンダの内側に回転可能に横架されたロータと、
上記ロータの外周面に形成されたベーン溝と、
上記ベーン溝内に摺動可能に設置されたベーンと、
上記ベーンの底部にベーン背圧を供給するベーン背圧空間とを有し、
上記シリンダの内周面と上記ロータの外周面との間に、上記複数のベーンにより仕切られてなる圧縮室が形成され、
上記ロータの回転に伴う上記ベーンの移動により上記圧縮室の容積が増加する際に、上記シリンダの内側に連通する吸入口を介して上記低圧室から上記圧縮室側へ冷媒が吸気されてなり、
上記逆止弁の下流側に位置する低圧室の圧力をPfh、上記逆止弁の上流側の圧力をPsとした場合に、上記逆止弁を閉の状態に維持するバネは、Ps−Pfh>1[kgf/cm]となるようにPfhが低下するまで上記逆止弁を閉の状態に維持できるバネ力を有すること
を特徴とする気体圧縮機。
A low-pressure chamber into which refrigerant is introduced from the low-pressure side of the air-conditioning system via a check valve of the suction port, and a compression mechanism that sucks and compresses the refrigerant introduced into the low-pressure chamber,
The compression mechanism is
An inner circumferential elliptical cylinder;
A rotor laid horizontally on the inside of the cylinder,
A vane groove formed on the outer peripheral surface of the rotor;
A vane slidably installed in the vane groove;
A vane back pressure space for supplying vane back pressure to the bottom of the vane,
A compression chamber formed by the plurality of vanes is formed between the inner peripheral surface of the cylinder and the outer peripheral surface of the rotor,
When the volume of the compression chamber increases due to the movement of the vane accompanying the rotation of the rotor, the refrigerant is sucked from the low pressure chamber to the compression chamber side through the suction port communicating with the inside of the cylinder.
When the pressure in the low pressure chamber located downstream of the check valve is Pfh and the pressure upstream of the check valve is Ps, the spring that keeps the check valve closed is Ps-Pfh A gas compressor characterized by having a spring force capable of maintaining the check valve in a closed state until Pfh is lowered so that> 1 [kgf / cm 2 ].
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