JP4071015B2 - カップリング反応触媒及びカップリング化合物の製造方法 - Google Patents

カップリング反応触媒及びカップリング化合物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘック反応などのカップリング反応に有用な触媒(又は触媒系)と、この触媒を用いてカップリング化合物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機合成の分野において、遷移金属触媒は、多くの医薬品、機能性物質などの鍵中間体の製造法への利用が提案されている。例えば、アルケン類とハロゲン化物とのヘック反応に関し、J.Organomet.Chem., 1999,576,23-41では、パラジウム触媒による有機ハロゲン化合物とオレフィン化合物との反応により、新たなオレフィン類が生成する反応が報告されている。上記ヘック反応では、通常、パラジウム触媒とアミン類などの塩基との共存下でカップリング反応が行われる。
【0003】
しかし、従来の多くの方法では、反応条件として100℃を超える高温が必要である。そのため、上記反応を工業的に実施するには、エネルギーを大量に消費し、環境に対する負荷が高く、安全性も問題となる。また、一般に、高温下での有機反応は、選択性が低く、かつ触媒の活性も低下しやすいだけでなく、高価な貴金属触媒の回収操作も煩雑である。
【0004】
なお、Chem. Commun., 2000, 1895-1896には、アリールハライドとヘキサメチルジシランとを反応させてトリメチルシリルアリール化合物を生成させる反応において、パラジウム触媒の配位子としてジフェニルホスフィノフェノラートが有用であることが報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、触媒活性の高いカップリング反応触媒と、この触媒を用い、安全かつ経済的に有利に不飽和化合物を製造できる方法を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、強力なσ−ドナー能と高いπ−アクセプター能を有する配位子を有し、カップリング反応を高い選択率で効率よく行うことができるカップリング反応触媒と、この触媒を用いたカップリング化合物(カップリング反応生成物)の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記目的を達成するため鋭意検討した結果、遷移金属触媒の存在下、アルケン類とハロゲン化物とのカップリング反応において、反応系に特定の配位子を共存させると、遷移金属触媒の活性を著しく向上させ、より穏和な条件下で効率的に有機化合物を生成できることを見いだし、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明のカップリング反応触媒は、遷移金属化合物(A)及び配位子(B)で構成されており、ハロゲン原子、スルホニルオキシ基又はスルホニルハライド基、ジアゾニウム基、カルボニルハライド基から選択された脱離基を有する有機化合物と、オレフィン系化合物とをカップリング反応させる。前記遷移金属化合物(A)がパラジウム化合物及びニッケル化合物から選択された金属化合物であり、前記配位子(B)、遷移金属化合物(A)に対する配位性基と、少なくとも1つの負電荷を有する有機基又は前記負電荷を生成可能な有機基(フェノール性ヒドロキシル基又はこのヒドロキシル基に対応するアルコラート)とを有する。前記配位子(B)の配位性基は、周期表第5B族元素を含んでいてもよい。前記配位子(B)において、通常、負電荷を有する又は生成可能な有機基と配位性基は共役位置に結合している。すなわち、配位子(B)において、負電荷を有する有機基と配位性基とは、直接結合するか、又は共役位置に結合していてもよい。このような配位子としては、例えば、芳香族性化合物などが挙げられる。より具体的には、本発明の触媒において、前記遷移金属化合物(A)はパラジウム化合物であってもよく、前記配位子(B)は、例えば、窒素原子、リン原子から選択された少なくとも1つの元素で構成された配位性基を有し、かつ芳香族性アルコラートを形成可能な芳香族化合物(フェノール性ヒドロキシル基を有する化合物)であってもよい。
【0009】
本発明のカップリング反応触媒は、前記遷移金属化合物(A)及び配位子(B)に加えて、さらに塩基で構成された触媒(又は触媒系)であってもよい。前記塩基は、配位子(B)の負電荷(アニオン)を生成可能な無機塩基であってもよい。
【0010】
本発明の方法では、前記カップリング反応触媒の存在下、所定の脱離基を有する化合物と、オレフィン系化合物とをカップリング反応させ、カップリング化合物を製造する。この方法では、脱離基として、ハロゲン原子、スルホニルオキシ基又はスルホニルハライド基、ジアゾニウム基、カルボニルハライド基などが利用できる。本発明の方法を利用して、芳香族ハロゲン化物と反応剤(アルケン類など)とを反応させてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のカップリング反応触媒は、遷移金属化合物(又は遷移金属触媒)(A)と、この遷移金属化合物に対して配位可能な配位子(B)とで構成されている。
【0012】
[(A)遷移金属化合物又は遷移金属触媒]
遷移金属化合物(又は遷移金属触媒)を構成する遷移金属元素としては、周期律表の第3A〜7A族元素,8族元素,1B族元素、例えば、周期表第3A族元素(Sc、Y及び希土類元素)、周期表第4A族元素(Ti、Zr、Hf)、周期表第5A族元素(V、Nb、Ta)、周期表第6A族元素(Cr、Mo、W)、周期表第7A族元素(Mn、Tc、Re)、周期表第8族元素(Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt)、周期表第1B族元素(Cu、Ag、Au)が例示できる。
【0013】
これらの遷移金属元素のうち、周期表4A族元素〜周期表7A族元素、周期表8族元素及び周期表1B元素から選択された少なくとも一種、特に、周期表8族元素(鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金)及び周期表1B族元素(銅、銀、金)から選択された少なくとも一種の元素が好ましい。さらに好ましい遷移金属元素は、周期表8族元素のうち、ニッケル、パラジウム及び白金(IUPAC無機化学命名法改訂版(1989年)の周期表において第10族元素に分類されている元素)、特にパラジウムである。
【0014】
前記元素の酸化数は、特に制限されず、元素の種類に応じて、例えば、0、+1、+2、+3、+4などであってもよい。
【0015】
前記遷移金属化合物は、金属単体であってもよいが、通常、遷移金属元素を含む化合物である。遷移金属元素の化合物は、例えば、無機酸塩(例えば、硝酸塩、硫酸塩、リン酸、過ハロゲン酸塩、塩化水素酸、臭化水素酸などのハロゲン化水素酸塩など)、有機酸塩(例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのスルホン酸塩、ホスホン酸塩、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸塩など)、ハロゲン化物(例えば、塩化物、臭化物、ヨウ化物など)、錯体(又は錯塩)などが含まれる。また、遷移金属化合物(又は遷移金属触媒)としては、これら金属化合物を、担体(活性炭、シリカ、アルミナ、チタニアなどの担体)に固定した固体触媒であってもよい。さらには、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケルなどの金属酸化物であってもよい。
【0016】
前記錯体を構成する配位子は、例えば、OH(ヒドロキソ)、C1-4アルコキシ基、Cl-4アシル基、C1-4アルコキシ−カルボニル基、アセチルアセトナト、シクロアルカジエン(シクロペンタジエニル基、シクロオクタジエニル基、シクロオクタジエンなど)、ベンジリデン基、ベンジリデンアセトン、ベンジリデンアセチルアセトナト、ベンジリデンアセトフェノン、ハロゲン原子、CO、CN、酸素原子、H2O(アコ)、ホスフィン(例えば、トリフェニルホスフィンなどのトリアリールホスフィン)、ホスファイト(例えば、トリフェニルホスファイトなどのトリアリールホスファイト)、NH3(アンミン)、NO、NO2(ニトロ)、NO3(ニトラト)、窒素含有化合物(エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェナントロリン、ビピリジルなど)などが挙げられる。錯体又は錯塩において、同種又は異種の配位子は一種又は二種以上配位してもよい。
【0017】
遷移金属化合物は、錯塩であってもよい無機酸塩や有機酸塩、ハロゲン化物、錯体として使用する場合が多い。より具体的には、錯体又は錯塩としては、例えば、酢酸パラジウム(II)、パラジウム(II)アセチルアセトナト、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(O)などのパラジウム錯体又は錯塩、およびこれらに対応する前記周期表第8族金属源のうち、第8族金属元素の化合物、特に錯体又は錯塩を用いる場合が多い。
【0018】
[(B)配位子]
配位子(B)は、遷移金属化合物(又は遷移金属触媒)(A)に対する配位性基(又は配位可能な部位)と、少なくとも1つの負電荷を有する有機基又は前記負電荷を生成可能な有機基とを有している。このような配位子は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、配位子(B)は、前記遷移金属化合物(遷移金属触媒)(A)と関連して反応系でカップリング触媒を構成すればよく、前記遷移金属触媒(A)に対して遊離の形態で反応系に存在していてもよく、遷移金属触媒(A)に対して配位した錯体として反応系に存在していてもよい。さらに、配位子(B)はキレート型配位子であってもよい。
【0019】
前記配位性基としては、遷移金属化合物(又は遷移金属触媒)(A)に対して配位可能である限り特に制限されず、例えば、前記錯体又は錯塩の配位子に対応する原子又は有機基、例えば、ヒドロキシル基、C1-4アルコキシ基、Cl-4アシル基、C1-4アルコキシ−カルボニル基、アセチルアセトナト基、ベンジリデンアセチルアセトナト基、シクロアルカジエニル基(シクロペンタジエニル基、シクロオクタジエニル基など)、ベンジリデン基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基又は置換アミノ基(ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ基などのC1-6アルキルアミノ基)、窒素含有複素環基(少なくとも1つの窒素原子をヘテロ原子として含む5又は6員複素環基、例えば、ピロリル基、イミダゾリル基などの5員環基、ピリジル基、ビピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基などの6員環基、フェナントロリニル基などの縮合複素環基など)、ホスフィノ基(例えば、メチルホスフィノ、ジメチルホスフィノ、ジエチルホスフィノ、ジブチルホスフィノ基などのC1-6アルキルホスフィノ基、メチルフェニルホスフィノ、ブチルフェニルホスフィノ基などのモノC1-6アルキル−モノC6-12アリールホスフィノ基、フェニルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、ジトリルホスフィノ基などのC6-12アリールホスフィノ基など)、これらのホスフィノ基に対応するアルシノ(arsino)基、スチビノ(stibino)基、ビスマチノ(bismuthino)基などが例示できる。
【0020】
好ましい配位性基は、通常、周期表第5B族元素、例えば、窒素原子、リン原子、ヒ素、アンチモン、ビスマスから選択された少なくとも1つの元素、特に窒素原子及びリン原子から選択された少なくとも一種の元素で構成されている。このような配位性基としては、前記シアノ基、ニトロ基、アミノ基又は置換アミノ基、窒素含有複素環基、ホスフィノ基や、これらのホスフィノ基に対応するアルシノ(arsino)基、スチビノ(stibino)基、ビスマチノ(bismuthino)基などが例示できる。
【0021】
前記配位子(B)の有機基は、反応系において負電荷を生成すればよく、通常、カルボキシル基やスルホン酸基よりも弱酸性であって、しかも負電荷を生成する有機基(アニオン性基又は解離してアニオン性基を生成可能な基)である。このような有機基としては、例えば、ヒドロキシル基(特にフェノール性ヒドロキシル基)、このヒドロキシル基に対応するアルコラート(オキシド)(特にフェノラート、ナフトラートなどのフェノール性ヒドロキシル基から生成するアルコラート)、メルカプト基(特にフェノール性メルカプト基)、このメルカプト基に対応するチオラート(スルフィド)、負電荷(アニオン)を生成可能な有機基、例えば、アシルアミド基(アセトアミド基などのC1-6アルキル−カルボニルアミド基、ベンゾイルアミド基などのC6-12アリール−カルボニルアミド基、メタンスルホニルアミド基、エタンスルホニルアミド基、トリフルオロメチルスルホニルアミド基などのC1-6アルカンスルホニルアミド基、p−トルエンスルホニルアミド基などのC6-12アリールスルホニルアミド基など)などが例示できる。配位子は、これらの有機基を単独で又は組み合わせて有していてもよい。なお、負電荷(アニオン)は、プロトンが部分的又は完全にカチオン種と置換した塩の形態であってもよい。
【0022】
配位子(B)は、非芳香族性化合物であってもよく、芳香族性化合物であってもよい。触媒活性を高めるためには、芳香族性化合物、特に負電荷を有する又は負電荷を生成する有機基(アニオン性基)に対して共役構造を形成する化合物であるのが好ましい。芳香族性化合物は、炭化水素環式芳香族化合物であってもよく、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択された少なくとも一種のヘテロ原子を環の構成原子として有する複素環式芳香族化合物であってもよい。
【0023】
配位性基が酸解離指数に影響を及ぼさないと仮定したとき、配位子(B)は、通常、炭酸(酸解離指数pKa=6.35)よりも弱酸性であり、例えば、イオン強度0.1mol/dm3において、解離段数に拘わらず、水溶液中の酸解離指数pKaは6.8〜15、好ましくは7.5〜12程度である。このような酸解離指数を有する配位子(B)(配位性基を備えていない化合物として)は、「改訂3版 化学便覧 基礎編II」(丸善(株)昭和63年1月25日発行)などを参照できる。
【0024】
このような配位子(B)は、例えば、式 (cd)m−Ar−(A)n(式中、Arは芳香族性環を示し、cdは前記配位性基、Aは負電荷を有する有機基又は負電荷を生成可能な有機基(アニオン性基)を示し、m及びnはそれぞれ1以上の整数を示す)で表すことができる。
【0025】
前記芳香族性環としては、ベンゼン環、ナフタレン環などのC6-12アレーン環、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択された少なくとも一種のヘテロ原子を環の構成原子として有する5又は6員複素環、芳香族性又は非芳香族性5又は6員複素環と炭化水素環(ベンゼン環など)との縮合複素環などが例示できる。複素環としては、例えば、チオフェンなどの硫黄含有複素環、フラン、ベンゾフランなどの酸素含有複素環、ピロール、イミダゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、フェナジン、フェナントロリンなどの窒素含有複素環などが例示できる。
【0026】
前記式において、m=1〜3(特に1〜2)、n=1〜3(特に1〜2)、m+n=2〜6(好ましくは2〜4)程度である。
【0027】
さらに、芳香族性環において、配位性基に対する有機基の置換位置は特に制限されず、例えば、5員環又は6員環(例えば、ベンゼン環)では、o−位、m−位、p−位のいずれであってもよいが、m−位、特にp−位であるのが好ましい。また、ナフタレン環では、3−位,4−位,5−位,6−位(特に4−位及び/又は5−位)であってもよい。
【0028】
前記有機基を有する配位子(B)の代表的な化合物としては、芳香族性アルコラートを形成又は生成可能な芳香族化合物(フェノール性ヒドロキシル基を有する化合物)、例えば、フェノール類[例えば、一価フェノール類(フェノール、クレゾール、キシレノールなどのアルキルフェノール類、ハロゲン化フェノール類、ニトロフェノール類、アミノフェノール類、フェノールスルホン酸類)、二価フェノール類(カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、オルシンなど)、三価フェノール類(ピロガロール、オキシヒドロキノン、フロログルシンなど)など]、ナフトール類などが例示できる。
【0029】
前記配位子(B)としては、配位性基としてホスフィノ基を例にとって説明すると、例えば、トリス(ヒドロキシアリール)ホスフィン類、例えば、トリス(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィン、トリス(m−ヒドロキシフェニル)ホスフィンなど;ビス(ヒドロキシフェニル)アリールホスフィン類、例えば、ビス(p−ヒドロキシフェニル)フェニルホスフィン、ビス(m−ヒドロキシフェニル)フェニルホスフィンなど;ビス(ヒドロキシフェニル)アルキルホスフィン類、例えば、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メチルホスフィン、ビス(m−ヒドロキシフェニル)エチルホスフィンなどのビス(ヒドロキシC6-12アリール)C1-10アルキルホスフィンなど;ジアリールホスフィノフェノール類、例えば、m−ヒドロキシフェニル(ジフェニル)ホスフィン、p−ヒドロキシフェニル(ジフェニル)ホスフィン、p−ヒドロキシフェニル(ジトリル)ホスフィン、p−ヒドロキシフェニルビス(ニトロフェニル)ホスフィン、p−ヒドロキシフェニルビス(クロロフェニル)ホスフィン、4−ジフェニルホスフィノ−1−ナフトール、5−ジフェニルホスフィノ−1−ナフトール、6−ジフェニルホスフィノ−1−ナフトール、5−ジフェニルホスフィノ−2−ナフトール、6−ジフェニルホスフィノ−1−ナフトールなど;ジアルキルホスフィノフェノール類、例えば、m−ヒドロキシフェニル(ジメチル)ホスフィン、p−ヒドロキシフェニル(ジメチル)ホスフィン、p−ヒドロキシフェニル(ジエチル)ホスフィン、p−ヒドロキシフェニル(ジブチル)ホスフィン、p−ヒドロキシフェニル(ジ−t−ブチル)ホスフィンなどのヒドロキシフェニル(ジC1-6アルキル)ホスフィン、これらに対応するナフトール類などが例示できる。配位子は、前記ホスフィノ基に代えて前記他の配位性基(例えば、シアノ基、ニトロ基、アミノ基又は置換アミノ基、ピリジル基などの窒素原子を有する配位性基)を有する化合物であってもよい。
【0030】
配位子(B)の使用量は、遷移金属化合物(A)の活性を高めるための有効量、例えば、前記遷移金属化合物(A)1モルに対して0.01モル以上(例えば、0.01〜50モル、好ましくは0.05〜20モル、さらに好ましくは0.1〜10モル程度であり、通常、0.5〜5モル(例えば、1〜3モル)程度である場合が多い。
【0031】
[塩基]
本発明の触媒は、反応により酸成分が副生する場合、反応系から脱酸成分を除去するため塩基と併用するのが好ましい。さらに、触媒の活性を高めるため、前記遷移金属化合物と配位子と塩基とで触媒系を構成するのが好ましい。脱酸成分や触媒系を構成する塩基としては、有機塩基(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのトリアルキルアミン類、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノールなどのアルカノールアミン類、N,N−ジメチルアミノシクロヘキサンなどの脂環族アミン類、N,N−ジメチルアミノベンゼンなどの芳香族アミン類、ピリジン、モルホリン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[3.3.0]オクタン、1,4−ジアザビシクロ[4.2.0]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン、1,5−ジアザビシクロ[5.3.0]デカン、1,5−ジアザシクロ[3.3.0.02,6]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナン−5−エン、ヘキサメチレンテトラミンなどの環状アミン類)、無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、炭酸カルシウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩など)などの他、塩基を生成可能な成分[例えば、金属アルコキシド(ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドなど)、弱酸と強アルカリとの塩(例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの有機カルボン酸のアルカリ金属塩など)など]が例示できる。これらの塩基は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。有機塩基は、通常、第三級アミンとして使用される。
【0032】
好ましい塩基は、無機塩基又は無機塩基を生成可能な成分、特に配位子(B)のアニオン性基を生成可能な無機塩基である。このような無機塩基には、フェノラート、ナフトラートなどのアルコラート(特にフェノール性アルコラート)などを生成可能なアルカリ金属化合物(特に水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物)が好ましく、アルカリ金属化合物を生成可能なアルカリ金属アルコキシドや有機カルボン酸のアルカリ金属塩も有用である。
【0033】
塩基は必ずしも必要ではないが、塩基を使用する場合、塩基の使用量は、反応に悪影響を及ぼさない限り広い範囲から選択できる。配位子(B)の有機基から負電荷を生成させる場合、配位子(B)に対する塩基の割合は、例えば、配位子(B)の有機基1モルに対して、通常、0.5〜1000モル、好ましくは1〜500モル、さらに好ましくは1〜100モル(例えば、1〜50モル)程度の範囲から選択できる。さらに、塩基の使用量は、反応成分の種類に応じて選択でき、反応成分に対して過剰量であってもよい。特に、塩基が反応温度で液体であれば、塩基を溶媒として用いたり、過剰量の塩基を用いてもよい。例えば、有機化合物の脱離により酸成分が副生する場合、通常、有機化合物1モルに対して1モル以上(例えば、1〜50モル、好ましくは1〜20モル、さらに好ましくは1〜10モル、特に1〜5モル程度)である。また、前記酸成分が副生する反応系において、配位子(B)の有機基から負電荷を生成させる場合、塩基は、酸成分の中和と有機基からの負電荷の生成という2つの機能を果たす。そのため、このような反応系では、通常、有機化合物1モルに対して1モル以上(例えば、1〜1000モル、好ましくは1〜500モル、さらに好ましくは1〜100モル程度)である。
【0034】
なお、反応系(水相と有機相との二相分離系溶媒を用いる反応系など)によっては、前記塩基とともに相間移動触媒(オニウム塩、例えば、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリドなどのテトラアルキルアンモニウムハライド、フッ化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウムなどのハロテトラアルキルアンモニウム;ホスホニウム塩など)を用いてもよく、前記塩基に代えて前記相間移動触媒を用いてもよい。また、反応速度を高めるため銀塩(無機酸塩(硝酸銀、硫酸銀、炭酸銀など)、有機酸塩など)を反応系に共存させてもよい。さらに、無機塩(例えば、ハロゲン化リチウム(塩化リチウム、臭化リチウムなど)のリチウム塩など)を反応系に共存させてもよい。これらの成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0035】
[カップリング化合物の製造方法]
本発明では、前記カップリング反応触媒又は触媒系の存在下、脱離基Lを有する化合物(有機化合物)Ra−Lと、反応剤(不飽和化合物など)H−Rbとをカップリング反応させ、脱離基Lの脱離に伴って、カップリング化合物Ra−Rbを製造する。なお、カップリング反応にはクロスカップリング反応も包含する。
【0036】
[(C)有機化合物Ra−L]
有機化合物の脱離基Lとしては、カップリング反応により脱離可能である限り特に制限されず、例えば、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)、スルホニルオキシ基(ベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基などのトシル基OTsなどのアレーンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基OMs、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基(トリフラート基)OTf、トリクロロメタンスルホニルオキシ基、エタンスルホニルオキシ基などのアルカンスルホニルオキシ基など)又はスルホニルハライド基(スルホニルクロリド、スルホニルブロミド基など)、ジアゾニウム基、カルボニルハライド基(カルボニルクロリド基など)などが例示できる。有機化合物はこれらの脱離基を単独で又は同種又は異種の複数の脱離基を有していてもよい。これらの脱離基のうち、通常、ハロゲン原子(特に臭素原子又はヨウ素原子)、アレーンスルホニルオキシ基(OTsなど)、アルカンスルホニルオキシ基(OMs、OTfなど)などが利用される。
【0037】
このような脱離基Lを有する有機化合物Ra−Lは、カップリング反応による目的化合物に応じて選択でき、特に限定されない。有機化合物としては、例えば、ハロゲン化物(ハロアルカン類、ハロアルケン類、ハロシクロアルカン類、ハロアレーン類、ハロゲン化アリールアルカン類、ハロ複素環化合物など)、スルホン酸又はその誘導体(ビニルトリフラート、アリルトリフラートなどのC2-10アルケニルトリフラート; シクロヘキセニルトリフラートなどのC4-10アルケニルトリフラートなど)、芳香族ジアゾニウム塩(塩化ベンゼンジアゾニウム、塩化ナフタレンジアゾニウム、p−アミノアゾベンゼン、アゾキシベンゼン、ヒドラゾベンゼンなど)、有機酸ハライド類(アセチルクロリド、プロピオニルクロリド、ブチリルクロリド、バレリルクロリド、ラクトイルクロリド、マロイルクロリドなどの置換基を有していてもよいアルキルカルボニルハライド;アクリロイルクロリド、メタクリロイルクロリド、クロトノイルクロリドなどのアルケニルカルボニルハライド;ベンゾイルクロリド、クロロベンゾイルクロリド、トルオイルクロリド、サリチロイルクロリド、アニソイルクロリド、バニロイルクロリド、ナフトイルクロリド、フタロイルクロリドなどのアリールカルボニルハライド;シンナモイルクロリドなどのアラルキルカルボニルハライド;フロイルクロリド、テノイルクロリド、ニコチノイルクロリド、イソニコチノイルクロリドなどのヘテロ環式カルボニルハライドなど)などが例示できる。
【0038】
好ましい有機化合物はハロゲン化物である。前記ハロアルカン類としては、ブロモメタン、ブロモエタン、メチレンブロミド、エチレンジブロミドなどの臭化アルカン類、これらに対応するヨウ化アルカン類が例示できる。ハロアルケン類としては、例えば、臭化ビニル、臭化ビニリデン、テトラブロモエチレン、臭化アリル、臭化プロペニル、臭化クロチルなどの臭化C2-10アルケン類、α−ブロモスチレン、ブロモフェニルエチレンなどの臭化芳香族ビニル類、これらに対応するヨウ化物が例示できる。ハロシクロアルカン類としては、ブロモシクロヘキサン、ブロモシクロオクタンなどのブロモC3-10シクロアルカン類、ブロモイソボルニル、ブロモノルボルナン、ブロモノルボルネン、ブロモアダマンタンなどの橋架け環式ブロモシクロアルカン類、これらに対応するヨードシクロアルカン類、橋架け環式ヨードシクロアルカン類などが例示できる。
【0039】
ハロアレーン類としては、例えば、ブロモベンゼン、ブロモナフタレン、ブロモトルエン、ブロモトリクロロメチルベンゼン、ブロモトリフルオロメチルベンゼン、ブロモキシレン、ブロモフェノール、ブロモアニソール、ブロモニトロベンゼン、ブロモアニリン、モノ−又はジ−アルキルアミノブロモベンゼン、ブロモ安息香酸、ブロモベンゼンスルホン酸、ブロモベンズアルデヒドなどの置換基を有していてもよい臭化アレーン類、これらに対応するヨウ化アレーン類などが例示できる。ハロゲン化アリールアルカン類としては、ベンジルブロミド、フェネチルブロミドなどが例示できる。ハロ複素環化合物としては、ブロモチオフェン、ブロモフラン、ブロモベンゾフラン、ブロモピロール、ブロモイミダゾール、ブロモピリジン、ブロモピリミジン、ブロモインドール、ブロモキノリン、ブロモイソキノリン、ブロモフタラジン、ブロモカルバゾール、ブロモアクリジン、ブロモフェナントロリンなどの5又は6員複素環(及びベンゼン環などの炭化水素環との縮合複素環)を有する化合物の臭素化物、これらの臭素化物に対応するヨウ化物などが例示できる。
【0040】
脱離基を有するこれらの有機化合物のうち、通常、芳香族ハロゲン化物(例えば、ハロアレーン類)を用いる場合が多い。
【0041】
[(D)反応剤]
反応剤H−Rbは、前記脱離基の脱離とともに有機化合物Ra−Lとカップリング可能である限り特に制限されない。このような反応剤としては、脱離基との反応部位に炭素−水素(H−C)結合を有する化合物(例えば、不飽和化合物、有機金属化合物、活性メチレン基又はメチン基を有する化合物など)、求核性HX基(式中、Xはヘテロ原子を示す)を有する化合物などが例示できる。
【0042】
(i)不飽和化合物
不飽和炭化水素類は、分子中に少なくとも1つの炭素−炭素不飽和結合(炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合)を有する限り、種々のオレフィン系化合物(アルケン類又はその誘導体)及びアセチレン系化合物(アルキン類又はその誘導体)が使用できる。代表的な不飽和炭化水素類は、例えば、下記式(1)で表すことができる。
【0043】
【化1】
Figure 0004071015
【0044】
(式中、R1,R2,R3,R4は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基を示し、これらの基は置換基を有していてもよく、R3とR4とは互いに直接結合して炭素−炭素三重結合を形成していてもよい)
1,R2,R3,R4で表されるハロゲン原子には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子が含まれる。アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル基などのC1-20アルキル基(好ましくはC1-10アルキル基、特にC1-6アルキル基)が例示できる。アルケニル基には、ビニル、プロペニル、イソプロペニル、アリル、ブテニル基などのC2-20アルケニル基(好ましくはC2-10アルケニル基、特にC2-6アルキレン基)が例示できる。アリール基には、フェニル、ナフチル基などのC6-14アリール基が含まれ、アラルキル基には、ベンジル、フェネチル基などのC6-10アリール−C1-4アルキル基が含まれる。
【0045】
置換基R1〜R4は、通常、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(例えば、C1-10アルキル基、特にC1-6アルキル基)、アルケニル基(例えば、C2-6アルケニル基、特にC2-4アルケニル基)、アリール基(例えば、C6-10アリール基)である。前記式(2)において、R3とR4とは互いに直接結合して炭素−炭素三重結合を形成し、アルキン類又はその誘導体を形成してもよい。
【0046】
1〜R4はその種類に応じて置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)、アルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル基などの前記例示のC1-20アルキル基、好ましくはC1-10アルキル基、特にC1-6アルキル基)、アルケニル基(ビニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル基などの前記例示のC2-10アルケニル基、好ましくはC2-6アルケニル基)、アリール基(フェニル基などの前記例示のC6-14アリール基)、アラルキル基(ベンジル、フェネチル基などのC6-10アリール−C1-4アルキル基)、ヒドロキシル基、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、ブトキシ、t−ブトキシ基などのC1-6アルコキシ基)、上記アルコキシ基に対応するC1-6チオアルコキシ基、アリールオキシ基(フェノキシ基など)、カルボニル基(又はケト基)、アシル基(アセチル、プロピオニル基などの脂肪族C1-6アシル基、ベンゾイル基などの芳香族アシル基など)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル基などのC1-6アルコキシ−カルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル基など)、アミノ基、N−置換アミノ基(メチルアミノ、ブチルアミノ基などのN−モノC1-4アルキルアミノ基、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ基などのN,N−ジC1-4アルキルアミノ基、アセチルアミノ基などのアシルアミノ基など)、ニトロ基,シアノ基などが例示できる。
【0047】
(a)オレフィン系化合物
不飽和炭化水素類のうちオレフィン系化合物は、分子中に少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する化合物であればよく、エノン類も含まれる。オレフィン系化合物としては、例えば、α−オレフィン類(エチレン、プロピレン、1−ブテンなどのα−C2-10オレフィン、スチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレンなどの芳香族ビニル化合物など)、内部に炭素−炭素二重結合を有する化合物(2−ブテン、3−ヘキセン、4−オクテンなどのC4-10オレフィン、スチルベンなどの芳香族ビニル化合物など)、分子内に2以上の二重結合を有するC5-20アルカジエン類(1,4−デカジエン、ジヒドロミルセン、ミルセンなど)、二重結合を共役位置に有するC5-20アルカジエン類(1,3−ブタジエン、イソプレン、4,6−デカジエンなど)、環状化合物(シクロペンテン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキセン、1,3−シクロヘキサジエン、1,8−シクロペンタデカジエンなどの環状オレフィン類、ボルネン、ノルボルネン、リモネンなどの橋架け環式オレフィン類など)などが例示できる。
【0048】
オレフィン系化合物には、分子中に炭素−炭素二重結合と炭素−炭素三重結合とを含むエンイン化合物(2−メチル−1−ヘキセン−3−イン、2−メチル−1−オクテン−3−インなど)も含まれ、炭素−炭素三重結合は、炭素−炭素二重結合に対して共役位置に位置していてもよい。さらに、オレフィン系化合物には、酸素含有官能基を有する化合物〔ヒドロキシル基を有する化合物(アリルアルコールなど)、カルボキシル基を有する化合物又はその誘導体(アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸C1-20アルキルエステル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどのアクリル酸ヒドロキシアルキル、グリシジルアクリレートなど)、これらのアクリル酸エステルに対応するメタクリル酸エステル、アクロレイン、フマル酸、マレイン酸、マレイン酸ジエステルなど)、アルコキシ基を有する化合物(エトキシエチレンなど)、カルボニル基を有する化合物(3−ブテン−2−オン、シクロペンテノン、シクロヘキセノン、イソホロン、ジケテン、ケテン、フラン、ベンゾフラン、ヌートカトン、ベンゾキノンなど)など〕、窒素含有官能基を有する化合物[アミノ基を有する化合物(アリルアミンなど)、アクリロニトリル、ピロールなど]、ハロゲン含有化合物(アリルクロリド、3,3,3−トリフルオロ−1−プロピレンなど)、リン、スズ、ホウ素、ケイ素などのヘテロ原子を含む化合物(アリルトリホスフォニウムブロマイドなどのホスホニウム塩、アリルスズなどのスズ化合物、アリルボランなどのホウ素化合物、(トリメチルシリル)エチレンなどのケイ素化合物など)なども含まれる。さらには、アレン系化合物(1,2−プロパジエンなど)も含まれる。
【0049】
(b)アセチレン系化合物
不飽和炭化水素類のうちアセチレン系化合物は、分子内に少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む化合物であれば特に制限されない。アセチレン系化合物(アセチレン類)としては、例えば、α−C2-20アセチレン類(アセチレン、メチルアセチレン、1−ブチンなどの1−アルキン類(C2-16アセチレンなど)、特にC2-10アセチレン)、内部に炭素−炭素三重結合を有するC2-20アセチレン類(2−ブチン、3−ヘキシン、4−オクチン、トランなどのC2-16アセチレン、特にC2-10アセチレン)、分子内に2以上の三重結合を有するC5-20アルカジイン類(1,4−デカジインなどのC5-16アルカジイン、特にC5-10アルカジイン)、三重結合を共役位置に有するC5-20アルカジイン類(4,6−デカジインなどのC5-16アルカジイン、特にC5-10アルカジイン)、環状化合物(1,8−シクロペンタデカジインなどのC4-16シクロアルキン又はシクロアルカジイン、特にC5-10シクロアルキン又はシクロアルカジイン)などが例示できる。
【0050】
アセチレン系化合物は、分子中に炭素−炭素三重結合と炭素−炭素二重結合とを含むエンイン化合物(例えば、2−メチル−1−ヘキセン−3−イン、2−メチル−1−オクテン−3−インなどのC5-16アルカエンイン類、特にC5-10アルカエンイン類)も含まれ、炭素−炭素二重結合は、炭素−炭素三重結合に対して共役位置に位置していてもよい。さらに、アセチレン系化合物には、酸素含有官能基を有する化合物〔例えば、ヒドロキシル基を有する化合物(プロパルギルアルコールなど)、カルボニル基を有する化合物(3−ブチン−2−オンなど)、カルボキシル基を有する化合物又はその誘導体(アセチレンジカルボン酸、アセチレンジカルボン酸ジエステルなど)、アルコキシ基を有する化合物(エトキシアセチレンなど)など〕、ハロゲン含有化合物〔プロパギルクロリド、3,3,3−トリフルオロ−1−プロピンなど〕、リン、スズ、ホウ素、ケイ素などのヘテロ原子を含む化合物〔プロパギルトリフェニルホスフォニウムブロマイドなどのホスホニウム塩、アルキニルスズなどのスズ化合物、アルキニルボランなどのホウ素化合物、(トリメチルシリル)アセチレンなどのケイ素化合物など〕なども含まれる。
【0051】
なお、1,2−プロパジエンなどのアレン系化合物を反応系中でアセチレン系化合物に異性化させて反応に用いることもできる。また、ベンザイン類を系中で発生させても用いることができる。
【0052】
(ii)有機金属化合物
有機金属化合物は炭素原子と金属原子とが結合している限り特に制限されず種々の化合物が使用できる。代表的な有機金属化合物には、周期表第1B族元素を含む化合物(銅化合物など)、周期表第2B族元素を含む化合物(亜鉛化合物など)、周期表第3B族元素を含む化合物(ホウ素化合物、アルミニウム化合物、タリウム化合物など)、周期表第4B族元素を含む化合物(ケイ素化合物、スズ化合物など)、周期表第5B族元素を含む化合物(ビスマス化合物など)、周期表第8族元素を含む化合物、周期表第1A族元素を含む化合物(リチウム化合物、カリウム化合物、鉛化合物など)、周期表第2A族元素を含む化合物(ベリリウム化合物、カルシウム化合物、グリニャール試薬であってもよいマグネシウム化合物など)、周期表第3A族元素を含む化合物(ランタン化合物、サマリウム化合物など)、周期表第4A族元素を含む化合物(チタン化合物、ジルコニウム化合物など)が例示できる。
【0053】
周期表第1B族元素を含む化合物としては、例えば、フェニル銅(I)、ジプロペニル銅(I)酸リチウムなどのアルケニル銅、フェニルアセチレン銅、フェニルアセチレン銅などの銅アセチリドなどが例示できる。周期表第1B族元素を含む化合物には、上記銅化合物に対応する有機第1B族金属化合物も含まれる。
【0054】
周期表第2B族元素を含む化合物としては、有機亜鉛化合物(ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛などのアルキル亜鉛、ジフェニル亜鉛、ジトリル亜鉛などのアリール亜鉛など)、これらの化合物に対応する有機金属化合物が例示できる。
【0055】
周期表第3B族元素を含む化合物のうち、ホウ素化合物としては、例えば、トリアルキルボラン(トリメチルボラン、トリエチルボラン、トリブチルボランなどのトリC1-6アルキルボランなど)、トリアルケニルボラン(トリビニルボラン、トリプロペニルボラン、トリアリルボランなどのトリC2-6アルケニルボランなど)、トリアリールボラン(アルキル基、メトキシ基などの置換基を有していてもよいトリC6-10アリールボラン、例えば、トリフェニルボラン、トリトルイルボランなど)、トリアラルキルボラン(トリベンジルボラン、トリフェネチルボランなど)、モノアルキルジアリールボラン(モノC1-6アルキルジC6-10アリールボランなど)、ジアルキルモノアリールボラン(ジC1-6アルキルモノC6-10アリールボランなど)、ボロン酸(ボロン酸、フェニルボロン酸などのアリールボロン酸、エチルボロン酸などのアルキルボロン酸)又はその誘導体(ボロン酸エステル、ボロン酸無水物など)、ホウ素原子上に水素原子を有する化合物(ジシクロヘキシルボラン、(Ipc)2BH(ジイソピノカンフェニルボラン)、9−BBN(9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン、IpcBH2(モノイソカンフェニルボラン)など)、ホウ素原子上にハロゲン原子を有する化合物(B−ブロモ−9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン、ジシクロヘキシルクロロボランなど)などが含まれる。
【0056】
有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルケニルジアルキルアルミニウム、アルキニルジアルキルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウムなどのアリールアルミニウム、ジアリールアルミニウムハライドなどが例示できる。有機タリウム化合物としては、上記アルミニウム化合物に対応する化合物が例示できる。さらに、周期表第3B族元素含有化合物には、上記化合物に対応する有機3B族金属化合物も含まれる。
【0057】
周期表第4B族元素を含む化合物のうち、有機ケイ素化合物としては、例えば、アルキルシラン類(例えば、テトラメチルシラン、トリメチルエチルシラン、テトラエチルシランなどのC1-6アルキルシラン類、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシランなどのC1-6アルキルハロシラン類)、アルケニルシラン類(ビニルシラン、2−プロペニルシラン、アリルシランなどのC2-6アルケニルシラン類など)、アルキニルシラン類(2−プロピニルシランなどのC2-6アルキニルシラン類など)、アリールアルキルシラン類(フェニルメチルシラン、フェニルジメチルクロロシランなど)、アリールシラン類(ジフェニルシラン、トリクロロフェニルシラン、ジフェニルジクロロシランなどのアリールハロシラン類)、シラノール類、アシルシラン類、その他の有機ケイ素化合物などが例示できる。
【0058】
有機スズ化合物としては、アルキルスズ(ジアルキルスズ、テトラアルキルスズ、テトラオクチルなどのC1-10アルキルスズ類)、アルケニルスズ(ビニルスズ、アリルスズなどのC2-10アルケニルスズ類)、アリールスズ(ジアリールスズ、テトラアリールスズなどのC6-10アリールスズ類)、アルキルアリールスズ(トリブチルフェニルスタナンなどのC1-6アルキルC6-10アリールスズ類)、α−ヘテロ原子置換スズ化合物、これらのハロゲン化物や水酸化物などが例示できる。
【0059】
有機スズ化合物としては、例えば、ジアルキルチンハライド[例えば、ジメチルスズジクロリド、ジエチルスズジクロリド、ジブチルスズジクロリドなどのジC1-10アルキルチンジクロリド]、トリアルキルチンハライド[例えば、トリメチルチンクロリド、トリエチルチンクロリド、トリブチルチンクロリドなどのトリC1-10アルキルチンクロリド]、テトラアルキルスズ[例えば、テトラメチルスズ、テトラエチルスズ、テトラブチルスズなどのテトラC1-10アルキルスズ]、ジアリールチンジハライド[ジフェニルチンジクロリドなど]、トリアリールチンハライド[トリフェニルチンクロリドなど]、テトラアリールスズ[テトラフェニルスズなど]、アルキルアリールスズ[メチルフェニルスズ、ジメチルフェニルスズ、ブチルジフェニルスズ、メチルトリフェニルスズなど]などが例示できる。なお、これらのアリール基には前記置換基(ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基など)が置換していてもよい。
【0060】
さらに、有機スズ化合物には、スズ原子に水素原子を有する化合物(例えば、ジブチル(エチニル)チンハイドライドなどのジC1-10アルキル(C2-10アルキニル)チンハイドライドなど)、スズ原子にハロゲン原子を有する化合物(例えば、ジブチル(エチニル)チンクロリドなどのジC1-10アルキル(C2-10アルキニル)チンハライド)なども含まれる。さらに、有機スズ化合物には、後述するアセチレン系化合物のうちα−アセチレン類や官能基を有するアセチレン類の水素原子がスズ原子で置換した化合物も含む。さらに、有機スズ化合物としては、例えば、トリアルキル(アルキニル)スズ[例えば、トリメチル(エチニル)スズ、トリメチル(プロピニル)スズ、トリメチル(オクチニル)スズ、トリブチル(エチニル)スズ、トリブチル(プロピニル)スズ、トリブチル(オクチニル)スズなどのトリC1-10アルキル(C2-16アルキニル)スズ、好ましくはトリC1-6アルキル(C2-10アルキニル)スズ、さらに好ましくはトリC1-4アルキル(C2-10アルキニル)スズ]、トリアルキル(アリールアルキニル)スズ[例えば、トリメチル(フェニルエチニル)スズ、トリブチル(フェニルエチニル)スズなどのトリC1-10アルキル(C6-10アリール−C2-16アルキニル)スズ、好ましくはトリC1-6アルキル(フェニル−C2-10アルキニル)スズ、さらに好ましくはトリC1-4アルキル(フェニル−C2-10アルキニル)スズ]、ジアルキルジ(アルキニル)スズ[例えば、ジブチルジ(エチニル)スズ、ジブチルジ(プロピニル)スズ、ジブチルジ(オクチニル)スズなどのジC1-10アルキルジ(C2-16アルキニル)スズ、好ましくはジC1-6アルキルジ(C2-10アルキニル)スズ]、ジアルキルジ(アリールアルキニル)スズ[例えば、ジブチルジ(フェニルエチニル)スズなどのジC1-10アルキルジ(C6-14アリール−C2-16アルキニル)スズ、好ましくはジC1-6アルキルジ(フェニル−C2-10アルキニル)スズ]、アルキルトリ(アルキニル)スズ[ブチルトリ(エチニル)スズ、ブチルトリ(プロピニル)スズ、ブチルトリ(オクチニル)スズなどのC1-10アルキルトリ(C2-16アルキニル)スズ、好ましくはC1-6アルキルトリ(C2-10アルキニル)スズ〕、アルキルトリ(アリールアルキニル)スズ[例えば、ブチルトリ(フェニルエチニル)スズなどのC1-10アルキルトリ(C6-14アリール−C2-16アルキニル)スズ、好ましくはC1-6アルキルトリ(フェニル−C2-10アルキニル)スズ]、テトラアルキニルスズ[テトラエチニルスズ、テトラプロピニルスズ、テトラオクチニルスズなどのテトラCC2-16アルキニルスズ、好ましくはテトラC2-10アルキニルスズ〕、テトラ(アリールアルキニル)スズ[例えば、テトラフェニルエチニルスズなどのテトラ(C6-14アリール−C2-16アルキニル)スズ、好ましくはテトラ(フェニル−C2-10アルキニル)スズ)]なども例示できる。なお、これらのアリール基には置換基(ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基など)が置換していてもよい。周期表第4B族元素を含む化合物には、上記化合物に対応する有機4B族金属化合物も含まれる。
【0061】
周期表第1A族元素を含む化合物のうち、有機リチウム化合物としては、メチルリチウム、ブチルリチウム(n−ブチルリチウム,s−ブチルリチウム,t−ブチルリチウムなど)などのアルキルリチウム、アルケニルリチウム、フェニルリチウムなどのアリールリチウムなどが例示でき、有機カリウム化合物としては、カリウムブトキシド、トリフェニルメチルカリウムなどが例示できる。鉛化合物としては、アルキル鉛(トリブチル鉛などトリアルキル鉛、テトラエチル鉛などのテトラアルキル鉛など)、三酢酸アリール鉛(三酢酸フェニル鉛など)、三酢酸アルケニル鉛(三酢酸スチリル鉛など)などが例示できる。周期表第1A族元素を含む化合物には、上記化合物に対応する有機1A族金属化合物も含まれる。
【0062】
周期表第2A族元素を含む化合物のうち、有機マグネシウム化合物としては、グリニャール試薬、例えば、アルキルマグネシウムハライド(メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムブロミドなどのC1-20アルキルマグネシウムハライドなど)、アルケニルマグネシウムハライド(ビニルマグネシウムブロミド、プロペニルマグネシウムブロミドなどのC2-16アルケニルマグネシウムハライドなど)、シクロアルキルマグネシウムハライド(シクロヘキシルマグネシウムブロミドなどのC4-10シクロアルキルマグネシウムハライドなど)、アリールマグネシウムハライド(フェニルマグネシウムブロミド、ナフチルマグネシウムブロミド、トリルフェニルマグネシウムブロミド、トリメチルフェニルマグネシウムブロミドなどのC6-18アリールマグネシウムハライドなど)、アラルキルマグネシウムハライド(ベンジルマグネシウムブロミドなどのC6-10アリールC1-4アルキルマグネシウムハライドなど)、その他のグリニャール試薬などが例示できる。周期表第2A族元素を含む化合物としては、ベリリウム化合物(例えば、ジフェニルベリリウムなど)、カルシウム化合物(例えば、ヨウ化フェニルカルシウムなど)などの有機2A族金属化合物も含まれる。
【0063】
周期表第3A族元素を含む化合物としては、ランタン化合物(例えば、テトラフェニルランタン(III)リチウム塩など)、サマリウム化合物(例えば、テトラ(t−ブチル)リチウムサマリウム(III)・THF付加物など)やこれらに対応する有機3A族金属化合物などが例示できる。
【0064】
周期表第4A族元素を含む化合物としては、チタン化合物(ジクロロジメチルチタン(IV)、トリクロロメチルチタン、メチルトリイソプロポキシチタンなどのアルキルチタン、アリルチタン化合物、クロチルチタン化合物などのアラルキルチタン化合物、プロパルギルチタン化合物などのアルキニルチタン化合物、(トリメチル)ペンタメチルシクロペンタジエニルチタン、テトラベンジルチタンなどのアラルキルチタン化合物など)、これらのチタン化合物に対応する有機4A族金属化合物[例えば、ジルコニウム化合物(例えば、テトラアリルジルコニウム(IV)、フェニルトリブトキシジルコニウム(IV)など)など]が例示できる。
【0065】
(iii)活性メチレン基又はメチン基を有する化合物
上記化合物としては、例えば、電子吸引性基(例えば、スルホニル基、カルボニル基、ニトロ基など)の隣接α位に水素原子(メチレン基又はメチン基)を有する化合物(特に複数のカルボニル基間にメチレン基又はメチン基を有する化合物)、例えば、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル(アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルなど)、マロン酸エステル(マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチルなど)、トリアセチルメタンなどのβ−ケト酸又はその誘導体;フェニルアセトン、ジベンゾイルメタンなどのアリールケトン;アセトン、メチルエチルケトンなどのアルキルケトン;アセトフェノン、プロピオフェノンなどのアルキルアリールケトン;メチルビニルケトン、ブチルビニルケトンなどのビニルケトン類などが例示できる。
【0066】
(iv)求核性HX基(式中、Xはヘテロ原子を示す)を有する化合物
前記式において、ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子及びリン原子から選択された少なくとも一種の異種原子が含まれる。このような化合物としては、例えば、活性水素原子を有するアミン類(メチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミンなどのアルキルアミン類、エタノールアミンなどのアルカノールアミン類、シクロヘキシルアミンなどのシクロアルキルアミン類、アニリン、トルイジン、ニトロアニリン、フェニレンジアミンなどのアリールアミン類、ベンジルアミン、フェニルエチルアミンなどのアラルキルアミン類、ピロリジン、ピペリジン、アミノピリミジン、インドールなどの複素環化合物など)、イミン類(アルキルイミン(ヘキサンイミン、エチリデンメチルアミンなど)などの脂肪族イミン類、芳香族イミン類など)、アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルキルアルコール類、シクロヘキサノールなどのシクロアルキルアルコール類、ベンジルアルコールなどのアラルキルアルコール類など)、前記アルコール類に対応するチオール類、ホスフィン類(ジメチルホスフィン、エチルホスフィン、ジエチルホスフィン、ジブチルホスフィンなどのモノ又はジアルキルホスフィン類、ジシクロヘキシルホスフィンなどのシクロアルキルホスフィン類、フェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、ジトリルホスフィンなどのアリールホスフィン類など)などが例示できる。
【0067】
これらの反応剤のうち、通常、不飽和炭化水素類又はその誘導体(特にアルケン類又はその誘導体)を利用する場合が多い。
【0068】
前記遷移金属化合物(又は遷移金属触媒)の割合は、少なくとも触媒量であればよく、例えば、有機化合物1モルに対して0.000001〜1モル、好ましくは0.0001〜0.5モル、さらに好ましくは0.0005〜0.2モル程度であり、0.001〜0.1モル倍程度である場合が多い。
【0069】
反応剤の割合は、例えば、有機化合物1モル(特に脱離基1モル)に対して0.0001〜1000モル、好ましくは0.001〜100モル、さらに好ましくは0.005〜10モル程度であり、0.2〜5モル(例えば、0.5〜3モル、特に0.8〜2モル)倍程度である場合が多い。
【0070】
上記反応は、溶媒の非存在下又は存在下で行うことができる。例えば、溶媒を用いる溶液反応系、溶媒を用いない無溶媒反応系、気相流通反応などを利用して反応させることができる。溶液反応系は反応温度の制御などが容易である。なお、反応系の溶媒は、水溶液(均一又は不均一水溶液)であってもよく、複数の溶媒の混合溶媒であってもよい。さらに、反応系の溶媒は、水相と有機相との二相系溶媒であってもよい。このような二相系溶媒では、前記塩基などとして、水相で塩基を生成可能な成分(アルカリ金属アルコキシド、有機カルボン酸アルカリ金属塩など)も有効に利用できる。
【0071】
溶媒は、反応に不活性である限り特に制限はなく、例えば、エーテル類(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラハイドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなど)、脂肪族炭化水素類(ノルマルヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタンなど)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などの塩素含有炭化水素類、トリフルオロメチルベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、パーフルオロオクタン、パーフルオロシクロヘキサンなどのフッ素含有炭化水素類)、硫黄含有溶媒(ジメチルスルホキサイド、スルフォランなど)などが挙げられる。また、常温常圧で液体でなくても、反応系で液体である成分(例えば、超臨界状態で液体成分、例えば、二酸化炭素、エタン、フルオロカーボンなどの超臨界流体)も利用できる。さらに、以下の窒素含有溶媒であってもよい。
【0072】
窒素含有溶媒としては、分子内に窒素原子を有する化合物なら特に制限はない。例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノールなどのアミン類、ピリジン、α−ピコリン、N−メチルピロリドンなどの含窒素複素環化合物、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノンなどのアミド類、N、N−ジメチルプロピレンウレアなどの尿素類、ヘキサメチルホスホラミドなどのリン酸アミド類、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類などが含まれる。
【0073】
溶媒の使用量は、反応操作を損なわない限り特に制限されず、例えば、有機化合物1重量部に対して0〜10000重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは0〜50重量部程度である。
【0074】
反応温度は、例えば、−100〜300℃、好ましくは−50〜200℃、さらに好ましくは0〜150℃程度であり、通常、50〜150℃程度である。反応時間は、例えば、経済性などを考慮して適当に選択できる。
【0075】
反応系の雰囲気は、支燃性の気体(酸素など)の濃度範囲を安全な範囲内にする以外に特に制限はなく、反応系でガス状雰囲気を形成可能な成分、例えば、炭化水素類(メタン、エタンなど)、窒素化合物(アンモニア、二酸化窒素、一酸化窒素、シアン化水素など)、硫黄化合物(硫化水素、二硫化炭素、二酸化硫黄など)、一酸化炭素や二酸化炭素などであってもよい。好ましい雰囲気は、不活性ガス(アルゴン、ヘリウムなどの希ガスや窒素ガスなど)である。反応圧力は、反応成分の種類などに応じて選択でき、例えば、反応温度において、反応器内の合計圧力として、例えば、0.0001〜100MPa、好ましくは0.00l〜10MPa、さらに好ましくは0.01〜1MPaである。
【0076】
本発明は、カップリング反応により前記カップリング反応生成物を高い選択率で効率よく生成できる。そのため、本発明は種々のカップリング反応、例えば、芳香族ハロゲン化物とアルケン類との反応によるオレフィン類の製造などに利用できる。
【0077】
【発明の効果】
本発明では、遷移金属化合物と特定の配位子とを組み合わせるため、カップリング反応触媒の触媒活性を大きく向上できる。そのため、脱離基を有する有機化合物と反応剤とのカップリング反応により、安全かつ経済的に有利に目的化合物を製造できる。さらに、前記触媒又は触媒系を用いるので、高い選択率で効率よく目的化合物を製造できる。
【0078】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0079】
実施例1
20mLのガラス製反応容器に、酢酸パラジウム(II)(0.90mg,4.0μmol)、p−ジフェニルホスフィノフェノール(2.2mg,7.9μmol)、臭化テトラブチルアンモニウム(2.6mg,8.1μmol)、及びトルエン(1mL)を入れ、この混合物に水酸化ナトリウム(19.2mg,480μmol)と水(1mL)との溶液、4−ブロモ(トリフルオロメチル)ベンゼン(90mg,400μmol)、及びスチレン(45.8mg,440μmol)を加え、窒素雰囲気下100℃で6時間攪拌したところ、(E)−4−(トリフルオロメチル)スチルベンが収率100%で生成していた。収率は、4−ブロモ(トリフルオロメチル)ベンゼン基準のモル%で、ジメトキシベンゼンを内部標準物質として用いるガスクロマトグラフィー分析によって測定した。
【0080】
実施例2
p−ヒドロキシフェニル(ジフェニル)ホスフィンに代えて、m−ヒドロキシフェニル(ジフェニル)ホスフィンを用いる以外、実施例1と同様に反応させ、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、(E)−4−(トリフルオロメチル)スチルベンが収率26%で得られた。
【0081】
実施例3
20mLのガラス製反応容器に、酢酸パラジウム(II)(0.90mg,4.0μmol)、p−ジフェニルホスフィノフェノール(2.2mg,7.9μmol)、臭化テトラブチルアンモニウム(2.6mg,8.1μmol)、酢酸ナトリウム(39.4mg,480μmol)、及びN,N−ジメチルアセトアミド(2mL)を入れ、この混合物に4−ブロモ(トリフルオロメチル)ベンゼン(90mg,400μmol)、及びスチレン(45.8mg,440μmol)を加え、窒素雰囲気下100℃で6時間攪拌したところ、(E)−4−(トリフルオロメチル)スチルベンが収率88%で生成していた。
【0082】
実施例4
4−ブロモ(トリフルオロメチル)ベンゼンに代えて、3’−ブロモアセトフェノンを用いたことと、反応時間が11時間であること以外は、実施例1と同じ方法で反応を行ったところ、対応する生成物(E)−3−アセチルスチルベンが76%の収率で生成していた。
【0083】
比較例1
p−ヒドロキシフェニル(ジフェニル)ホスフィンを用いることなく、実施例1と同様に反応を行ったところ、目的化合物はほとんど得られなかった。すなわち、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、(E)−4−(トリフルオロメチル)スチルベンの収率は1%であった。
【0084】
比較例2
p−ヒドロキシフェニル(ジフェニル)ホスフィン(2mol%)に代えて、トリフェニルホスフィン(2mol%)を用いる以外、実施例1と同様に反応を行ったところ、生成物はほとんど得られなかった。すなわち、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、(E)−4−(トリフルオロメチル)スチルベンの収率は1%以下であった。

Claims (7)

  1. 遷移金属化合物(A)及び配位子(B)で構成され、ハロゲン原子、スルホニルオキシ基又はスルホニルハライド基、ジアゾニウム基、カルボニルハライド基から選択された脱離基を有する有機化合物と、オレフィン系化合物とをカップリング反応させるカップリング反応触媒であって、前記遷移金属化合物(A)がパラジウム化合物及びニッケル化合物から選択された金属化合物であり、前記配位子(B)が、遷移金属化合物(A)に対する配位性基と、フェノール性ヒドロキシル基又はこのヒドロキシル基に対応するアルコラートとを有する芳香族性化合物であるカップリング反応触媒。
  2. 配位子(B)の配位性基が、周期表第5B族元素を含む請求項1記載のカップリング反応触媒。
  3. 遷移金属化合物(A)がパラジウム化合物であり、配位子(B)が、窒素原子及びリン原子から選択された少なくとも1つの元素で構成された配位性基を有し、かつ芳香族性アルコラートを形成可能な芳香族化合物である請求項1又は2記載のカップリング反応触媒。
  4. さらに塩基で構成されている請求項1〜3のいずれかに記載のカップリング反応触媒。
  5. 塩基が、配位子(B)の負電荷を生成可能な無機塩基である請求項記載のカップリング反応触媒。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のカップリング反応触媒の存在下、ハロゲン原子、スルホニルオキシ基又はスルホニルハライド基、ジアゾニウム基、カルボニルハライド基から選択された脱離基を有する有機化合物と、オレフィン系化合物とをカップリング反応させ、カップリング化合物を製造する方法。
  7. 芳香族ハロゲン化物とアルケン類とを反応させる請求項記載の製造方法。
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