JP4066906B2 - Numerical control device and NC data creation device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、数値制御装置及びNCデータ作成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金型加工等の加工を行うための回転2軸を有する5軸加工機がある。この5軸加工機の構成としては、例えば、ベッドの上にA軸回転するチルトテーブルを搭載し、このチルトテーブル上にB軸回転する回転テーブルが搭載され、この回転テーブルの上の被加工物を載置するワークテーブルが配設されているものがある(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−179138号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、A軸中心及びB軸中心は、それぞれの回転角が0°のときのX軸及びY軸と一致すべきであるが、チルトテーブルや回転テーブル等の組付誤差及び加工誤差により、A軸中心及びB軸中心がそれぞれX軸及びY軸と一致せずに傾き誤差や位置誤差が生じている場合がある。ただし、これらの誤差は非常に微少であるために、従来は、これらの誤差による加工精度への影響は問題となることはなかった。しかし、近年では、より高い加工精度が求められることになり、これらの誤差による加工精度への影響を解消する必要が生じてきた。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、組付誤差及び加工誤差による回転軸の傾き誤差又は位置誤差を補正して加工精度を向上させることができる数値制御装置及びNCデータ作成装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
請求項1に係る数値制御装置は、回転角度に応じて回転軸周りにおける回転体のモーメントが変化する回転軸を有する加工機の数値制御装置である。そして、この数値制御装置は、NCデータ記憶手段と、加工原点記憶手段と、指令値算出手段と、制御手段とを備える。ここで、NCデータ記憶手段は、NCデータを記憶する手段である。加工原点記憶手段は、ワークの加工位置を定義するワーク座標系におけるワーク原点又は回転軸を有する加工機の絶対的位置を定義する機械座標系における機械原点である加工原点を記憶する手段である。指令値算出手段は、前記NCデータに基づき前記加工機の指令値を算出する手段である。制御手段は、前記加工原点及び前記指令値に基づき前記加工機を制御する手段である。
【0007】
そして、請求項1に係る数値制御装置の特徴的な構成は、さらに、回転軸誤差記憶手段と、指令回転角度記憶手段と、加工原点補正手段とを備えたことである。ここで、回転軸誤差記憶手段は、前記モーメントが変化することによる、前記回転軸の基準軸心上の基準位置に対する前記回転軸の実軸心上位置の位置誤差を前記回転軸の所定角度毎に記憶する手段である。指令回転角度記憶手段は、前記NCデータに基づき得られた前記回転軸の指令回転角度を記憶する手段である。加工原点補正手段は、前記回転軸誤差記憶手段に記憶された前記モーメント変化による前記所定角度毎の前記位置誤差及び前記指令回転角度記憶手段に記憶された前記指令回転角度に基づき前記加工原点を補正する手段である。
【0008】
ここで、回転軸の回転指令がある場合に、従来は指令回転角度のみに基づき加工原点を移動させていた。そのため、回転軸の軸心が基準軸心に対して回転軸誤差を有する場合には、実際の加工原点の位置と数値制御装置が記憶している加工原点の位置とが異なる場合があった。その結果、従来は、回転軸の動作に伴い加工精度が悪化するおそれがあった。しかし、本発明によれば、回転軸の基準軸心に対する回転軸誤差を考慮して加工原点を移動(補正)するので、実際の加工原点と数値制御装置が記憶している加工原点とを一致させることができる。その結果、回転軸の動作を行った場合であっても加工精度を良好にすることができる。
さらに、一般に、回転軸の回転により回転する回転体は、回転軸周りにアンバランスとなる場合がある。そのため、回転体を回転させた場合には、回転角度に応じて異なるモーメントが作用することがある。このように、回転角度に応じて異なるモーメントが作用した場合には、回転角度毎に回転軸心がずれることになる。すなわち、回転軸の実軸心上位置誤差は、回転角度に応じて異なることになる。そこで、本発明によれば、モーメント変化による所定角度毎における回転軸の実軸心上位置の位置誤差を考慮して加工原点を回転変換するため、回転軸周りにアンバランスがある場合であっても、より正確に実際の回転軸周りに加工原点を回転させることができる。すなわち、回転軸周りにアンバランスがある場合であっても、実際の加工原点と数値制御装置が記憶している加工原点とを回転角度に関わりなく確実に一致させることができる。
具体的には、本発明の数値制御装置における前記加工原点補正手段は、位置変換後加工原点算出手段と、回転変換後加工原点算出手段と、位置戻し変換後加工原点算出手段と、加工原点変更手段とを備えることとなる。ここで、位置変換後加工原点算出手段は、前記モーメント変化による前記所定角度毎の前記位置誤差及び前記指令回転角度に基づき、前記加工原点を位置変換した位置変換後加工原点を算出する手段である。回転変換後加工原点算出手段は、前記指令回転角度に基づき前記位置変換後加工原点を回転変換した回転変換後加工原点を算出する手段である。位置戻し変換後加工原点算出手段は、前記モーメント変化による前記所定角度毎の前記位置誤差及び前記指令回転角度に基づき、前記回転変換後加工原点を位置戻し変換した位置戻し変換後加工原点を算出する手段である。加工原点変更手段は、前記加工原点記憶手段に記憶された前記加工原点を前記位置戻し変換後加工原点に変更する手段である。
【0009】
請求項2に係る数値制御装置において、前記回転軸誤差記憶手段は、前記ワークの質量及び重心位置に応じて複数の前記位置誤差を前記所定角度毎に記憶し、前記加工原点補正手段は、前記ワークの質量及び重心位置に基づき、前記加工原点を補正することを特徴とする。
ここで、回転体のモーメントは、ワークの質量や取付位置によっても異なる。そこで、本発明の数値制御装置によれば、ワークの質量や取付位置(重心位置)に応じた加工原点の補正ができる。
【0010】
請求項3に係る数値制御装置において、前記回転軸誤差記憶手段は、さらに、前記回転軸の基準方向ベクトルに対する前記回転軸の実方向ベクトルの傾き誤差を記憶し、前記加工原点補正手段は、前記傾き誤差に基づき、前記加工原点を補正することを特徴とする。
具体的には、請求項3に係る数値制御装置における前記加工原点補正手段は、前記傾き誤差及び前記指令回転角度に基づき前記加工原点記憶手段に記憶された前記加工原点を回転変換した回転変換後加工原点を算出する回転変換後加工原点算出手段と、前記加工原点記憶手段に記憶された前記加工原点を前記回転変換後加工原点に変更する加工原点変更手段とを備えることとなる。
【0011】
ここで、傾き誤差について説明する。例えば、回転軸をA軸とした場合には、A軸軸心はX軸に一致するのが理想的である。しかし、組付誤差や加工誤差等により誤差を生じる場合がある。この誤差としては、傾き誤差と位置誤差とがある。ここで、傾き誤差とは、A軸の実際のベクトルであるA軸実方向ベクトルとX軸のベクトルであるX軸基準方向ベクトルとの傾きの誤差である。なお、傾き誤差は、例えば、直交三軸のうちの二軸を含むそれぞれの直交三平面とA軸実方向ベクトルとの傾き角度としてもよい。この場合、A軸の傾き誤差は、A軸とX−Y平面との傾き角度及びA軸とX−Z平面との傾き角度となる。また、傾き誤差とは、実方向ベクトルと基準方向ベクトルの内積としてもよい。
【0012】
つまり、本発明によれば、傾き誤差を考慮して加工原点を回転変換するため、傾き誤差を有する回転軸周りに加工原点を回転させることができる。すなわち、実際の加工原点と数値制御装置が記憶している加工原点とを一致させることができる。なお、従来は、数値制御装置内に記憶する加工原点は傾き誤差を考慮することなく回転変換させていたため、例えば、A軸周りに加工原点を回転させる場合には、数値制御装置内に記憶する加工原点は理想的なX軸周りに回転させていた。このため、A軸周りに回転した実際の加工原点と理想的なX軸周りに回転した数値制御装置が記憶している加工原点が一致していなかった。つまり、本発明によれば、従来のこのような問題を確実に解消することができる。
【0013】
請求項4に係る数値制御装置において、前記回転軸誤差記憶手段は、さらに、組付誤差又は加工誤差による、前記回転軸の基準軸心上の基準位置に対する前記回転軸の実軸心上位置の位置誤差を記憶し、前記加工原点補正手段は、前記組付誤差又は加工誤差による前記位置誤差に基づき、前記加工原点を補正することを特徴とする。
具体的には、請求項4に係る数値制御装置における前記加工原点補正手段は、以下の、位置変換後加工原点算出手段と、回転変換後加工原点算出手段と、位置戻し変換後加工原点算出手段と、加工原点変更手段とを備えることとなる。ここで、位置変換後加工原点算出手段は、前記組付誤差又は加工誤差による前記位置誤差に基づき、前記加工原点を位置変換した位置変換後加工原点を算出する手段である。回転変換後加工原点算出手段は、前記指令回転角度に基づき前記位置変換後加工原点を回転変換した回転変換後加工原点を算出する手段である。位置戻し変換後加工原点算出手段は、前記組付誤差または加工誤差による前記位置誤差に基づき前記回転変換後加工原点を位置戻し変換した位置戻し変換後加工原点を算出する手段である。加工原点変更手段は、前記加工原点記憶手段に記憶された前記加工原点を前記位置戻し変換後加工原点に変更する手段である。
【0014】
ここで、位置誤差について説明する。位置誤差とは、上述したように、回転軸の基準軸心上の基準位置に対する回転軸の実軸心上位置の誤差である。例えば、回転軸をA軸とした場合には、A軸軸心はX軸に一致するのが理想的である。従って、A軸の基準軸心とはX軸となる。そして、X軸上の基準位置は、例えば、X軸座標値が0の位置等とする。この場合、A軸の位置誤差とは、X軸座標値が0となるY−Z平面上とA軸との交差する位置となる。
【0018】
これまでは、加工原点を補正することにより、回転軸を有する加工機の回転軸誤差による加工精度への影響を解消したが、これに限られるものではない。例えば、数値制御装置において、NCデータを逐次補正するようにしてもよい。また、NCデータ作成装置において、加工機の回転軸誤差を考慮したNCデータを作成するようにしてもよい。
【0019】
すなわち、請求項5に係る数値制御装置は、NCデータを記憶するNCデータ記憶手段と、前記NCデータに基づき回転軸を有する加工機の指令値を算出する指令値算出手段と、前記指令値に基づき前記加工機を制御する制御手段と、を備え、回転角度に応じて回転軸周りにおける回転体のモーメントが変化する回転軸を有する加工機の数値制御装置において、さらに、回転軸誤差記憶手段と、指令回転角度記憶手段と、指令値補正手段とを備えたことを特徴とする。ここで、回転軸誤差記憶手段は、前記モーメントが変化することによる、前記回転軸の基準軸心上の基準位置に対する前記回転軸の実軸心上位置の位置誤差を前記回転軸の所定角度毎に記憶する手段である。指令回転角度記憶手段は、前記NCデータに基づき得られた前記回転軸の指令回転角度を記憶する手段である。指令値補正手段は、前記回転軸誤差記憶手段に記憶された前記所定角度毎の前記位置誤差及び前記指令回転角度記憶手段に記憶された前記指令回転角度に基づき前記指令値を補正する手段である。
【0020】
これにより、上述した数値制御装置と同様の効果を奏することができる。すなわち、本発明によれば、回転軸の基準軸心に対する回転軸誤差を考慮して指令値を補正するので、工具による実際の加工位置と数値制御装置による工具の指令値とを一致させることができる。その結果、回転軸の動作を行った場合であっても加工精度を良好にすることができる。また、上述の数値制御装置における他の特徴的な構成は、本発明の数値制御装置に同様に適用することもできる。これにより、上述した数値制御装置における他の効果と同様の効果を奏することができる。
【0021】
また、請求項6に係るNCデータ作成装置は、ワーク形状データを記憶する形状データ記憶手段と、前記ワークの加工に使用する回転軸を有する加工機の機械構成データを記憶する機械構成データ記憶手段と、前記形状データ及び前記機械構成データに基づき前記加工機を数値制御するためのNCデータを作成するNCデータ作成手段と、を備え、回転角度に応じて回転軸周りにおける回転体のモーメントが変化する回転軸を有する加工機のNCデータ作成装置において、前記NCデータ作成手段は、回転軸誤差記憶手段と、基本NCデータ作成手段と、指令回転角度記憶手段と、補正NCデータ作成手段とを備えたことを特徴とする。ここで、回転軸誤差記憶手段は、前記モーメントが変化することによる、前記回転軸の基準軸心上の基準位置に対する前記回転軸の実軸心上位置の位置誤差を前記回転軸の所定角度毎に記憶する手段である。基本NCデータ作成手段は、前記形状データ及び前記機械構成データに基づき前記NCデータの基本NCデータを作成する手段である。指令回転角度記憶手段は、前記基本NCデータに基づき得られた前記回転軸の指令回転角度を記憶する手段である。補正NCデータ作成手段は、前記回転軸誤差記憶手段に記憶された前記所定角度毎の前記位置誤差及び前記指令回転角度記憶手段に記憶された前記指令回転角度に基づき前記基本NCデータを補正した補正NCデータを作成する手段である。
【0022】
これにより、上述した数値制御装置と同様の効果を奏することができる。すなわち、本発明によれば、回転軸の基準軸心に対する回転軸誤差を考慮したNCデータ(補正NCデータ)を作成するので、このNCデータにより加工機を動作させた場合に、工具による実際の加工位置と数値制御装置による工具の指令値とを一致させることができる。その結果、回転軸の動作を行った場合であっても加工精度を良好にすることができる。また、上述の数値制御装置における他の特徴的な構成は、本発明のNCデータ作成装置に同様に適用することもできる。これにより、上述した数値制御装置における他の効果と同様の効果を奏することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。本実施形態において、回転軸を有する加工機は、5軸横型マシニングセンタを例に取り説明する。
【0024】
(5軸横型マシニングセンタの構成)
5軸横型マシニングセンタ1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、5軸横型マシニングセンタ1の外観を示す斜視図である。図1に示すように、5軸横型マシニングセンタ1は、ベッド2と、コラム3と、主軸頭4と、主軸5と、サドル6と、チルトテーブル7と、回転パレット8と、ワークテーブル9と、数値制御装置10(図9に示す)とから構成される。
【0025】
ベッド2は、略T字型に形成された基台21と、2つのZ軸ガイド22と、Z軸駆動用ボールねじ(図示せず)と、Z軸駆動用モータ23と、X軸ガイド(図示せず)と、2本のX軸駆動用ボールねじ(図示せず)と、2つのX軸駆動用モータ24を有する。Z軸ガイド22及びX軸ガイドは、基台21上にZ軸方向及びX軸方向にそれぞれ平行に配設されている。Z軸駆動用ボールねじは、Z軸ガイド22のほぼ中央に、Z軸ガイド22に平行に配設されている。2本のX軸駆動用ボールねじは、X軸ガイドのほぼ中央に、X軸ガイドに平行に配設されている。これらのZ軸駆動用ボールねじ及びX軸駆動用ボールねじには、それぞれの軸方向に移動可能なボールねじナットが取り付けられている。Z軸駆動用モータ23及びX軸駆動用モータ24は、それぞれZ軸駆動用ボールねじの端側及びX軸駆動用ボールねじの端側に配設され、それぞれZ軸駆動用ボールねじ及びX軸駆動用ボールねじを回転駆動する。
【0026】
コラム3は、ベッド2上に立設されている。具体的には、コラム3の下方側が、Z軸ガイド22に摺動可能に嵌合されると共に、Z軸駆動用ボールねじのボールねじナットに連結されている。すなわち、コラム3は、Z軸駆動用ボールねじの回転駆動に伴い、Z軸ガイド22に沿ってZ軸方向に摺動する。そして、コラム3は、Y軸ガイド(図示せず)と、2本のY軸駆動用ボールねじ(図示せず)と、2つのY軸駆動用モータ31とを有する。Y軸ガイドは、コラム3のほぼ中央にY軸方向に平行に配設されている。Y軸駆動用ボールねじは、Y軸ガイドのほぼ中央に、Y軸ガイドに平行に配設されている。このY軸駆動用ボールねじには、軸方向に移動可能なボールねじナットが取り付けられている。そして、Y軸駆動用モータ31は、Y軸駆動用ボールねじの端側に配設され、Y軸駆動用ボールねじを回転駆動する。
【0027】
主軸頭4は、コラム3の中央に配設されている。具体的には、主軸頭4は、Y軸ガイドに摺動可能に嵌合されると共に、Y軸駆動用ボールねじのボールねじナットに連結されている。すなわち、主軸頭4は、Y軸駆動用ボールねじの回転駆動に伴い、Y軸ガイドに沿ってY軸方向に摺動する。主軸5は、主軸頭4に回動可能に枢支されている。すなわち、主軸5は、Z軸周り(C軸)に回動可能となる。そして、主軸5の先端側には、工具が装着可能となっている。
【0028】
サドル6は、ベッド2上に配設されている。このサドル6は、後述するチルトテーブル7を支持する一対の支持部61をX軸方向両端側に有する。さらに、この支持部61の一方側には、チルトテーブル7を回転可能とするA軸回転用モータ(図示せず)が配設されている。さらに、サドル6の下方側が、X軸ガイドに摺動可能に嵌合されると共に、X軸駆動用ボールねじのボールねじナットに連結されている。すなわち、サドル6は、X軸駆動用ボールねじの回転駆動に伴い、X軸ガイドに沿ってX軸方向に摺動する。
【0029】
チルトテーブル7は、略コの字型形状からなり、両端側がサドル6の一対の支持部61に回転可能に軸支されている。このチルトテーブル7の回転軸は、X軸に平行な軸(A軸)となる。なお、チルトテーブル7は、サドル6の支持部61に配設されているA軸回転用モータの駆動により、A軸回転を行う。さらに、チルトテーブル7の下面側には、回転パレット8を回転可能とするB軸回転用モータ(図示せず)が配設されている。
【0030】
回転パレット8は、チルトテーブル7上に載置され、チルトテーブル7の載置面に垂直な方向に回転可能に支持されている。すなわち、チルトテーブル7が図1に示す状態の場合には、回転パレット8の回転軸は、Y軸に平行な軸(B軸)となる。なお、回転パレット8は、チルトテーブル7の下面側に配設されているB軸回転用モータの駆動により、B軸回転を行う。
【0031】
ワークテーブル9は、回転パレット8の上に配設され、ワーク(被加工物)を載置可能である。従って、ワークテーブル9は、主軸5に対して、回転パレット8のB軸回転によりB軸回転が可能となり、チルトテーブル7のA軸回転によりA軸回転が可能となる。なお、図1に示す状態が、A軸及びB軸の回転角0°と定義される。
【0032】
数値制御装置10は、入力されるNCデータに基づき、X軸駆動用モータ24、Y軸駆動用モータ31、Z軸駆動用モータ23、A軸回転用モータ、及び、B軸回転用モータを制御する。
【0033】
(回転軸が有する誤差について)
次に、5軸横型マシニングセンタ1の回転軸が有する誤差について図2を参照して説明する。5軸横型マシニングセンタ1の回転軸のうちチルトテーブル7が回転するA軸は、X軸と一致することが理想的な状態である。また、5軸横型マシニングセンタ1の回転軸のうち回転パレット8が回転するB軸は、図1に示す状態においては、Y軸と一致することが理想的な状態である。さらに、A軸とB軸とは、X軸及びZ軸の交点において交差することが理想的な状態である。
【0034】
ところが、チルトテーブル7を軸支するためのサドル6の一対の支持部61に形成された貫通孔の加工誤差、サドル6及びチルトテーブル7の組付誤差等により、A軸軸心がX軸と一致しない場合が生じる。すなわち、図2に示すように、A軸軸心がX軸に対して、傾き誤差を有する場合がある。ここで、A軸の傾き誤差は、X−Y平面に対する傾き誤差角度(A軸X−Y平面傾き誤差角度)αと、X−Z平面に対する傾き誤差角度(A軸X−Z平面傾き誤差角度)βとにより表すことができる。
【0035】
また、回転パレット8を回転支持するためのチルトテーブル7に形成された貫通孔の加工誤差、回転パレット8の組付誤差等により、B軸軸心が図1の状態においてY軸と一致しない場合が生じる。すなわち、図2に示すように、B軸軸心がY軸に対して、傾き誤差を有する場合がある。ここで、B軸の傾き誤差は、X−Y平面に対する傾き誤差角度(B軸X−Y平面傾き誤差角度)γと、Y−Z平面に対する傾き誤差角度(B軸Y−Z平面傾き誤差角度)θとにより表すことができる。
【0036】
また、上述したように、A軸とB軸とは、X軸及びZ軸の交点において交差することが理想的な状態である。しかし、サドル6及びチルトテーブル7及び回転パレット8等の加工誤差や組付誤差等により、図2に示すように、A軸とB軸とがX軸及びZ軸の交点において交差しない場合が生じる。ここで、X軸及びZ軸の交点を基準中心位置(基準位置)O1とする。そして、A軸及びB軸のX軸座標値及びZ軸座標値が同一となるA軸及びB軸の位置をA軸中心位置(実軸心上位置)O2及びB軸中心位置(実軸心上位置)O3とする。ここで、A軸中心位置O2及びB軸中心位置O3のX軸心誤差をΔXとし、A軸中心位置O2のY軸心誤差をΔYとし、A軸中心位置O2のZ軸心誤差をΔZとし、A軸中心位置O2とB軸中心位置O3のY軸座標値の差であるAB軸心誤差をΔHとすると、A軸中心位置O2の座標は(ΔX,ΔY,ΔZ)となり、B軸中心位置O3の座標は(ΔX,ΔH’,ΔZ)となる。ここで、X軸心誤差ΔX、Y軸心誤差ΔY、Z軸心誤差ΔZ、AB軸心誤差ΔHを位置誤差といい、B軸中心位置O3のY軸座標値ΔH’は、ΔH−ΔYとなる。
【0037】
(誤差算出方法)
次に、上述したそれぞれの傾き誤差及び位置誤差を算出する方法について説明する。誤差算出に際して、予め、図3に示すように、ワークテーブル9の上に基準球(被測定治具)11a,11bを取り付け、さらに、主軸5には工具に換えてタッチセンサ(位置測定センサ)12を装着しておく。
【0038】
(B軸誤差算出方法)
そして、B軸に関する誤差の算出方法について図4及び図5を参照して説明する。図4は、B軸誤差算出方法を示すフローチャートである。図5は、基準球11a,11bの中心位置の測定方法を説明する図である。なお、図5(a)は機械構成図であって、図5(b)はB軸誤差説明用の模式図であって、図5(c)は後述するA軸誤差説明用の模式図である。
【0039】
まず、図5(a)に示すように、A軸を90°回転する(ステップS1)。すなわち、ワークテーブル9を主軸5に対向した向きにする。これは、本実施形態の5軸横型マシニングセンタ1の機械構成上、B軸の全回転角度における測定を行うことを可能とするためである。続いて、現在のワークテーブル9の位置において、タッチセンサ12を基準球11aの表面のうち異なる3箇所以上、好ましくは5箇所以上に当接させる(ステップS2)。そして、数値制御装置10内の演算部(図示せず)にて、基準球11aのそれぞれの当接位置に基づき、基準球11aの中心位置(図5(b)の位置a)を算出する(ステップS3)。
【0040】
続いて、B軸回転角度ΔBが360°以上であるか否かを判断する(ステップS4)。ここでは、B軸回転角度ΔBは0°であるので、360°以上ではない。従って、この場合には(ステップS4:No)、B軸回転角度ΔBが90°となるまで、ワークテーブル9を回転させる(ステップS5)。続いて、B軸回転角度ΔBが90°の場合における基準球11aの表面のうち異なる3箇所以上にタッチセンサ12を当接させる(ステップS2)。そして、数値制御装置10内の演算部(図示せず)にて、基準球11aのそれぞれの当接位置に基づき、基準球11aの中心位置(図5(b)の位置b)を算出する(ステップS3)。このようにして、B軸回転角度ΔBが360°以上となるまで繰り返して、図5(b)の位置c,dについても同様に算出する。ここで、各B軸回転角度における基準球の中心位置a,b,c,dの座標を、それぞれ(Xa,Ya,Za),(Xb,Yb,Zb),(Xc,Yc,Zc),(Xd,Yd,Zd)とする。
【0041】
そして、B軸回転角度ΔBが360°以上となると(ステップS4:Yes)、B軸X−Y平面傾き誤差角度γを算出する(ステップS6)。ここで、B軸X−Y平面傾き誤差角度γの算出について図6を参照して説明する。ここで、図6(a)は、ワークテーブル9と基準球11aの中心位置を示すX−Y平面上の図である。図6(b)は、ワークテーブル9と基準球11aの中心位置を示すY−Z平面上の図である。図6(c)は、ワークテーブル9と基準球11aの中心位置を示すX−Z平面上の図である。
【0042】
まず、基準球11aの中心位置a,cに基づき、Y−Z平面上のB軸ベクトルB1(図6(b)に示す)を算出する。ここで、B軸ベクトルは、図5(b)に示すように、B軸軸心の方向を示すものである。すなわち、Y−Z平面上のB軸ベクトルB1とは、B軸軸心(B軸ベクトル)のY−Z成分となる。続いて、このY−Z平面上のB軸ベクトルB1に基づき、B軸X−Y平面傾き誤差角度γを算出する。すなわち、B軸X−Y平面傾き誤差角度γは、数1に示すように、測定値Ya,Yc,Za,Zcにより算出することができる。
【0043】
【数1】
【0044】
続いて、図4のフローチャートに戻り説明する。B軸X−Y平面傾き誤差角度γを算出した後は、B軸Y−Z平面傾き誤差角度θを算出する(ステップS7)。ここで、B軸Y−Z平面傾き誤差角度θの算出について図6を参照して説明する。まず、基準球11aの中心位置b,dに基づき、X−Z平面上のB軸ベクトルB2(図6(c)に示す)を算出する。ここで、B軸ベクトルは、上述したように、B軸軸心の方向を示すものである。すなわち、X−Z平面上のB軸ベクトルB2とは、B軸軸心(B軸ベクトル)のX−Z成分となる。続いて、このX−Z平面上のB軸ベクトルB2に基づき、B軸Y−Z平面傾き誤差角度θを算出する。すなわち、B軸Y−Z平面傾き誤差角度θは、数2に示すように、測定値Xb,Xd,Zb,Zdにより算出することができる。
【0045】
【数2】
【0046】
続いて、図4のフローチャートに戻り説明する。B軸傾き誤差角度γ,θを算出した後は、B軸に関する位置誤差ΔX,ΔH’を算出する(ステップS8)。ここで、B軸中心位置O3は、便宜上ワークテーブル9の上面に位置するものとする。すなわち、B軸に関する位置誤差ΔX及びΔH’は、図6(b)(c)に示す誤差となる。この場合、B軸に関する位置誤差ΔX及びΔH’は、数3により算出することができる。なお、ワークテーブル9の上面から基準球11aまでの距離をhとする。ここで、B軸に関する位置誤差ΔX及びΔH’の算出は、数3によれば、実質的には基準球11aの中心位置a〜dに基づき円弧近似を行っているものである。
【0047】
【数3】
【0048】
(A軸誤差算出方法)
次に、A軸に関する誤差の算出方法について図5及び図7を参照して説明する。図7は、A軸誤差算出方法を示すフローチャートである。まず、図5(a)に示すように、A軸を90°に位置決めする(ステップS11)。すなわち、ワークテーブル9を主軸5に対向した向きにする。続いて、現在のワークテーブル9の位置において、タッチセンサ12を基準球11aの表面のうち異なる3箇所以上、好ましくは5箇所以上に当接させる(ステップS12)。さらに、現在のワークテーブル9の位置において、タッチセンサ12を基準球11bの表面のうち異なる3箇所以上、好ましくは5箇所以上に当接させる(ステップS13)。続いて、数値制御装置10内の演算部(図示せず)にて、基準球11a,11bのそれぞれの当接位置に基づき、基準球11aの中心位置a1(図5(c)に示す)と、基準球11bの中心位置a2(図5(c)に示す)を算出する(ステップS14)。
【0049】
続いて、A軸回転角度ΔAが90°以上であるか否かを判断する(ステップS15)。ここでは、A軸回転角度ΔAは0°であるので、90°以上ではない。従って、この場合には(ステップS15:No)、A軸回転角度ΔAが30°となるまで、ワークテーブル9を回転させる(ステップS16)。続いて、A軸回転角度ΔAが30°の場合における基準球11a,11bの表面のうち異なる3箇所以上にタッチセンサ12を当接させる(ステップS12,S13)。続いて、数値制御装置10内の演算部(図示せず)にて、基準球11a,11bのそれぞれの当接位置に基づき、基準球11a,11bの中心位置b1,b2(図5(c)に示す)を算出する(ステップS14)。このようにして、A軸回転角度ΔAが90°以上となるまで繰り返して、図5(c)の位置c1,c2,d1,d2についても同様に算出する。
【0050】
そして、A軸回転角度ΔAが90°以上となると(ステップS15:Yes)、A軸ベクトルを算出する(ステップS17)。ここで、A軸ベクトル(実方向ベクトル)とは、図5(c)に示すように、A軸軸心の方向を示すものである。A軸ベクトルの算出は、具体的には、基準球11aのA軸各回転角度における中心位置a1〜d1に基づき中心位置a1〜d1を含む平面を求め、その平面の法線ベクトルを算出することにより行う。なお、この法線ベクトルがA軸ベクトルとなる。また、ここでは、基準球11aの中心位置a1〜d1のみに基づきA軸ベクトルを算出したが、基準球11bの中心位置a2〜d2のみに基づきA軸ベクトルを算出しても良い。
【0051】
続いて、A軸X−Y平面傾き誤差角度α及びA軸X−Z平面傾き誤差角度βを算出する(ステップS18)。ここで、A軸X−Y平面傾き誤差角度α及びA軸X−Z平面傾き誤差角度βは、A軸ベクトルから容易に算出することができるので、詳細は省略する。
【0052】
続いて、A軸に関する位置誤差ΔY及びΔZを算出する(ステップS19)。ここで、A軸に関する位置誤差ΔY及びΔZの算出は、A軸回転角度に応じて異なるモーメントがかかることを考慮しない場合の簡易的算出方法と、モーメントを考慮する場合の詳細算出方法とがある。そこで、以下に、それぞれの場合について説明する。
【0053】
(A軸位置誤差のモーメントを考慮した詳細算出方法)
まず、A軸に関する位置誤差ΔY及びΔZの詳細算出方法について図8を参照して説明する。この算出方法は、チルトテーブル7がA軸回転することにより、チルトテーブル7にかかるモーメントがA軸回転角度に応じて異なることにより、A軸に関する位置誤差ΔY及びΔZがA軸回転角度に応じて異なることを考慮した算出方法である。
【0054】
ここで、図8は、図5(c)のX軸方向から見た図であって、基準球11a及び11bの中心位置を模式的に示した図である。なお、図8に示す符号は、図5(c)と同一符号を付している。すなわち、基準球11aの中心位置はa1〜d1であって、基準球11bの中心位置はa2〜d2である。ここで、基準球11aの中心位置a1〜d1の座標は、それぞれ(Xa1,Ya1,Za1),・・・,(Xd1,Yd1,Zd1)とし、基準球11bの中心位置a2〜d2の座標は、それぞれ(Xa2,Ya2,Za2),・・・,(Xd2,Yd2,Zd2)とする。
【0055】
そして、A軸回転角度ΔAの角度に応じてA軸に関する位置誤差ΔY及びΔZを算出する。まずは、A軸回転角度ΔAが0°〜30°間におけるA軸に関する位置誤差を算出する。ここでは、Y軸座標値及びZ軸座標値のみを用いてA軸に関するΔY及びΔZを算出する。具体的には、基準球11aの中心位置a1の座標(Ya1,Za1)及び中心位置b1の座標(Yb1,Zb1)と、基準球11bの中心位置a2の座標(Ya2,Za2)及び中心位置b2の座標(Yb2,Zb2)とに基づき、円弧近似を行うことにより、中心位置Oa(ΔYa,ΔZa)を算出する。そして、この中心位置OaのY軸座標値がY軸方向の位置誤差ΔYであって、Z軸座標値がZ軸方向の位置誤差ΔZとなる。
【0056】
同様にして、A軸回転角度ΔAが30°〜60°間、60°〜90°間における中心位置Ob(ΔYb,ΔZb),Oc(ΔYc,ΔZc)を算出する。このようにして、A軸回転角度に応じた位置誤差ΔY及びΔZを算出する。
【0057】
(A軸位置誤差の簡易的算出方法)
次に、A軸に関する位置誤差ΔY及びΔZの簡易的算出方法について説明する。既に算出した基準球11aの中心位置a1〜d1に基づき円弧近似を行い、この円弧の中心位置を算出する。そして、算出した円弧の中心位置と、ステップS17にて算出したA軸ベクトルとに基づき、Y−Z平面上でかつA軸軸心上である位置座標(0,ΔY,ΔZ)を算出する。この位置座標(0,ΔY,ΔZ)のY軸座標値及びZ軸座標値が、A軸に関する位置誤差ΔY及びΔZとなる。なお、ここでは、基準球11aの中心位置のみに基づき円弧の中心位置を算出したが、基準球11bの中心位置のみに基づき円弧近似を行い、この円弧の中心位置を算出してもよい。また、A軸位置誤差の簡易的算出方法によりA軸位置誤差を算出する場合には、上述した基準球11bの表面位置の測定及びその中心位置の算出は行わなくてよい。
【0058】
(第1の数値制御装置)
次に、第1の数値制御装置10について図9及び図10を参照して説明する。図9は、第1の数値制御装置の構成を示す図である。図10は、A軸回転を示す図である。図9に示すように、数値制御装置10は、NCデータ記憶部101と、指令値算出部102と、制御部103と、回転角度算出部104と、回転角度記憶部105と、誤差記憶部106と、加工原点補正部107と、加工原点記憶部108とから構成される。
【0059】
NCデータ記憶部(NCデータ記憶手段)101は、CAM等により作成されたNCデータを入力して記憶する。ここで、NCデータは、工具先端位置の点群データ及び回転軸の回転角度が含まれている。指令値算出部(指令値算出手段)102は、NCデータ記憶部101に記憶されたNCデータに基づき、5軸横型マシニングセンタ1(図1に示す)の各駆動軸の位置及び回転角からなる指令値を算出する。そして、制御部(制御手段)103は、指令値算出部102により算出された指令値に基づき、各軸駆動用モータ23,24,31等を数値制御する。
【0060】
回転角度算出部(回転角度算出手段)104は、NCデータ記憶部101に記憶されたNCデータに基づき、5軸横型マシニングセンタ1のA軸及びB軸のそれぞれの回転角度を算出する。なお、このA軸及びB軸のそれぞれの回転角度は、割り出し加工を行う場合にはオペレータが自ら行う場合もある。回転角度記憶部(回転角度記憶手段)105は、回転角度算出部104により算出されたA軸及びB軸のそれぞれの回転角度を記憶する。具体的には、A軸回転における始点角度ψa1及び終点角度ψa2と、B軸回転における始点角度ψb1及び終点角度ψb2とを記憶する。
【0061】
誤差記憶部(誤差記憶手段)106は、上述した回転軸誤差を記憶する。すなわち、A軸傾き誤差、A軸位置誤差、B軸傾き誤差、及び、B軸位置誤差を記憶する。ここで、A軸傾き誤差は、A軸X−Y平面傾き誤差角度α及びA軸X−Z平面傾き誤差角度βである。A軸位置誤差は、A軸回転角度毎のA軸に関する位置誤差ΔY及びΔZである。B軸傾き誤差は、B軸X−Y平面傾き誤差角度γ及びB軸Y−Z平面傾き誤差角度θである。B軸位置誤差は、B軸に関する位置誤差ΔX及びΔH’である。
【0062】
ここで、A軸位置誤差について詳述する。A軸位置誤差は、A軸の回転角度毎にそれぞれ存在する。ここでは、図10に示すように、A軸回転角度がω1(=0°)、ω2(=30°)、ω3(=60°)、及び、ω4(=90°)におけるA軸位置誤差ΔY1及びΔZ1、・・・、ΔY4及びΔZ4を記憶する。そして、A軸回転角度が、ω1〜ω2間の角度範囲をA(1)とし、ω2〜ω3間の角度範囲をA(2)とし、ω3〜ω4間の角度範囲をA(3)とする。これら角度範囲A1〜A3についても、誤差記憶部106に記憶する。この記憶方式としては、A軸の特定回転角度毎にA軸の位置誤差を記憶するテーブル方式や、A軸の回転角度とA軸の位置誤差との関係を直線あるいは曲線で近似する関数を定義してその関数を記憶する方式等がある。なお、テーブル方式の場合には、A軸の回転角度を分割する分割角度が小さい程補正精度が向上する。
【0063】
加工原点記憶部(加工原点記憶手段)108は、加工原点を記憶する。ここで、加工原点とは、ワークの加工位置を定義するワーク座標系におけるワーク原点、又は、5軸横型マシニングセンタ1の絶対的位置を定義する機械座標系における機械原点の何れかをいう。加工原点補正部(加工原点補正手段)107は、NCデータ記憶部101に記憶されたNCデータ、回転角度記憶部105に記憶された回転角度、及び、誤差記憶部106に記憶された回転軸誤差に基づき、加工原点を補正する。
【0064】
(加工原点補正部の処理)
加工原点補正部107の処理について、図11〜図14を参照して説明する。図11〜図13は、A軸回転における加工原点補正部107の処理を示すフローチャートである。図14は、B軸回転における加工原点補正部107の処理を示すフローチャートである。以下、A軸回転とB軸回転とに分けて説明する。
【0065】
まず、A軸回転に基づく加工原点の補正について説明する。図11に示すように、回転角度記憶部105に記憶された始点角度ψa1及び終点角度ψa2を入力する(ステップS21)。続いて、始点角度ψa1の角度範囲A(m)を算出する(ステップS22)。例えば、始点角度ψa1が45°の場合には、図10から明らかなように、角度範囲はA(2)となり、この場合、mは2となる。続いて、終点角度ψa2の角度範囲A(n)と算出する(ステップS23)。例えば、終点角度ψa2が90°の場合には、図10から明らかなように、角度範囲はA(3)となり、この場合nは3となる。
【0066】
続いて、始点角度ψa1の角度範囲A(m)と終点角度ψa2の角度範囲A(n)とが一致するか否かを判定する(ステップS24)。ここで、それぞれの角度範囲A(m)、A(n)が一致する場合とは、例えば、始点角度ψa1及び終点角度ψa2が、0〜30°の範囲内にある場合等である。
【0067】
続いて、それぞれの角度範囲A(m)、A(n)が一致する場合には(ステップS24:Yes)、加工原点をA(m)の位置誤差ΔY(m)及びΔZ(m)だけ補正する(ステップS25)(位置変換後加工原点算出手段)。すなわち、現在の加工原点のY軸座標値及びZ軸座標値から、ΔY(m)及びΔZ(m)をそれぞれ減算した加工原点(位置変換後加工原点)を算出する。
【0068】
続いて、始点角度ψa1から終点角度ψa2までの回転角度(ψa2−ψa1)だけ、位置変換後加工原点を回転変換した加工原点(回転変換後加工原点)を算出する(ステップS26)(回転変換後加工原点算出手段)。この回転変換は、数4に示す回転変換行列式に基づき行われる。数4より明らかなように、A軸傾き誤差であるA軸X−Y平面傾き誤差角度α及びA軸X−Z平面傾き誤差角度βを考慮して、加工原点が回転変換されている。
【0069】
【数4】
【0070】
続いて、回転変換後加工原点をA(m)の位置誤差ΔY(m)及びΔZ(m)だけ戻し補正した加工原点を算出する(ステップS27)(位置戻し変換後加工原点算出手段)。すなわち、回転変換後加工原点のY軸座標値及びZ軸座標値から、−ΔY(m)及び−ΔZ(m)をそれぞれ減算した加工原点(位置戻し変換後加工原点)を算出する。続いて、加工原点記憶部108に記憶されている加工原点を上述のように算出された位置戻し変換後加工原点に変更する(ステップS28)(加工原点変更手段)。そして、この加工原点補正部107の処理は終了する。
【0071】
一方、ステップS24において、始点角度ψa1の角度範囲A(m)と終点角度ψa2の角度範囲A(n)が一致しない場合には(ステップS24:No)、回転方向を算出する(ステップS31)(図12参照)。回転方向とは、A軸正方向又はA軸負方向であるか否かである。これは、始点角度ψa1及び終点角度ψa2から算出することができる。続いて、回転方向が正方向であるか否かを判定する(ステップS32)。
【0072】
続いて、回転方向が正方向である場合には(ステップS32:Yes)、初期値設定のために、角度ω(m)を始点角度ψa1とする(ステップS33)。なお、ここでは、始点角度ψa1が45°で、終点角度ψa2が90°である場合を例にあげて説明する。すなわち、始点角度ψa1が45°であるので、mは2となる。続いて、加工原点をA(m)の位置誤差ΔY(m)及びΔZ(m)だけ補正する(ステップS34)(位置変換後加工原点算出手段)。すなわち、現在の加工原点のY軸座標値及びZ軸座標値から、ΔY(2)及びΔZ(2)をそれぞれ減算した加工原点(位置変換後加工原点)を算出する。
【0073】
続いて、角度ω(m)から角度ω(m+1)までの回転角度(ω(m+1)−ω(m))だけ、位置変換後加工原点を正回転方向に回転変換した加工原点を算出する(ステップS35)(回転変換後加工原点算出手段)。すなわち、始点角度ψa1である角度45°から角度60°(=ω(3))まで加工原点を回転変換することになる。なお、この回転変換は、上述した数4に示す回転変換行列式に基づき行われる。
【0074】
続いて、回転変換後加工原点をA(m)の位置誤差ΔY(m)及びΔZ(m)だけ戻し補正した加工原点を算出する(ステップS36)(位置戻し変換後加工原点算出手段)。すなわち、回転変換後加工原点のY軸座標値及びZ軸座標値から、−ΔY(2)及び−ΔZ(2)をそれぞれ減算した加工原点(位置戻し変換後加工原点)を算出する。
【0075】
続いて、m+1の値をmとする(ステップS37)。続いて、角度範囲A(m)、A(n)が一致するか否か判定する(ステップS38)。例えば、始点角度ψa1が45°であって、終点角度ψa2が90°の場合には、最初の角度範囲A(m)は角度範囲A(2)であって、角度範囲A(n)は角度範囲A(3)である。そして、ステップS37にて、mの値が1加算されているので、角度範囲A(m)及びA(n)は、共にA(3)となり一致することになる。
【0076】
続いて、それぞれの角度範囲A(m)、A(n)が一致する場合には(ステップS38:Yes)、加工原点をA(m)の位置誤差ΔY(m)及びΔZ(m)だけ補正する(ステップS39)(位置変換後加工原点算出手段)。すなわち、始点角度ψa1が45°の場合には、ここではmは3となるので、現在の加工原点のY軸座標値及びZ軸座標値から、ΔY(3)及びΔZ(3)をそれぞれ減算した加工原点(位置変換後加工原点)を算出する。一方、それぞれの角度範囲A(m)、A(n)が一致しない場合には(ステップS38:No)、角度範囲A(m)、A(n)が一致するまで、ステップS34に戻り処理を繰り返す。
【0077】
続いて、角度ω(m)から終点角度ψa2までの回転角度(ψa2−ω(m))だけ、位置変換後加工原点を正回転方向に回転変換した加工原点を算出する(ステップS40)(回転変換後加工原点算出手段)。すなわち、始点角度ψa1が45°の場合には、角度60°(=ω(3))から終点角度90°まで加工原点を回転変換することになる。なお、この回転変換は、上述した数4に示す回転変換行列式に基づき行われる。
【0078】
続いて、回転変換後加工原点をA(m)の位置誤差ΔY(m)及びΔZ(m)だけ戻し補正した加工原点を算出する(ステップS41)(位置戻し変換後加工原点算出手段)。すなわち、回転変換後加工原点のY軸座標値及びZ軸座標値から、−ΔY(3)及び−ΔZ(3)をそれぞれ減算した加工原点(位置戻し変換後加工原点)を算出する。
【0079】
続いて、加工原点記憶部108に記憶されている加工原点を上述のように算出された位置戻し変換後加工原点に変更して(ステップS28)(加工原点変更手段)、加工原点補正部107の処理は終了する。
【0080】
一方、回転方向が負方向である場合には(ステップS32:No)、初期値設定のために、角度ω(m)を始点角度ψa1とする(ステップS51)。なお、ここでは、始点角度ψa1が45°で、終点角度ψa2が0°である場合を例にあげて説明する。すなわち、始点角度ψa1が45°であるので、mは2となる。続いて、加工原点をA(m)の位置誤差ΔY(m)及びΔZ(m)だけ補正する(ステップS52)(位置変換後加工原点算出手段)。すなわち、現在の加工原点のY軸座標値及びZ軸座標値から、ΔY(2)及びΔZ(2)をそれぞれ減算した加工原点(位置変換後加工原点)を算出する。
【0081】
続いて、角度ω(m)から角度ω(m−1)までの回転角度(ω(m)−ω(m−1))だけ、位置変換後加工原点を負回転方向に回転変換した加工原点を算出する(ステップS53)(回転変換後加工原点算出手段)。すなわち、始点角度ψa1である角度45°から角度30°(=ω(2))まで加工原点を回転変換することになる。なお、この回転変換は、上述した数4に示す回転変換行列式に基づき行われる。
【0082】
続いて、回転変換後加工原点をA(m)の位置誤差ΔY(m)及びΔZ(m)だけ戻し補正した加工原点を算出する(ステップS54)(位置戻し変換後加工原点算出手段)。すなわち、回転変換後加工原点のY軸座標値及びZ軸座標値から、−ΔY(2)及び−ΔZ(2)をそれぞれ減算した加工原点(位置戻し変換後加工原点)を算出する。
【0083】
続いて、m−1の値をmとする(ステップS55)。続いて、角度範囲A(m)、A(n)が一致するか否か判定する(ステップS56)。例えば、始点角度ψa1が45°であって、終点角度ψa2が0°の場合には、最初の角度範囲A(m)は角度範囲A(2)であって、角度範囲A(n)は角度範囲A(1)である。そして、ステップS55にて、mの値が1減算されているので、角度範囲A(m)及びA(n)は、共にA(1)となり一致することになる。
【0084】
続いて、それぞれの角度範囲A(m)、A(n)が一致する場合には(ステップS56:Yes)、加工原点をA(m)の位置誤差ΔY(m)及びΔZ(m)だけ補正する(ステップS57)(位置変換後加工原点算出手段)。すなわち、始点角度ψa1が45°の場合には、ここではmは1となるので、現在の加工原点のY軸座標値及びZ軸座標値から、ΔY(1)及びΔZ(1)をそれぞれ減算した加工原点(位置変換後加工原点)を算出する。一方、それぞれの角度範囲A(m)、A(n)が一致しない場合には(ステップS56:No)、角度範囲A(m)、A(n)が一致するまで、ステップS52に戻り処理を繰り返す。
【0085】
続いて、角度ω(m)から終点角度ψa2までの回転角度(ω(m−1)−ψa2)だけ、位置変換後加工原点を負回転方向に回転変換した加工原点を算出する(ステップS58)(回転変換後加工原点算出手段)。すなわち、始点角度ψa1が45°の場合には、角度30°(=ω(2))から終点角度0°まで加工原点を回転変換することになる。なお、この回転変換は、上述した数4に示す回転変換行列式に基づき行われる。
【0086】
続いて、回転変換後加工原点をA(m)の位置誤差ΔY(m)及びΔZ(m)だけ戻し補正した加工原点を算出する(ステップS59)(位置戻し変換後加工原点算出手段)。すなわち、回転変換後加工原点のY軸座標値及びZ軸座標値から、−ΔY(1)及び−ΔZ(1)をそれぞれ減算した加工原点(位置戻し変換後加工原点)を算出する。
【0087】
続いて、加工原点記憶部108に記憶されている加工原点を上述のように算出された位置戻し変換後加工原点に変更して(ステップS28)(加工原点変更手段)、加工原点補正部107の処理は終了する。
【0088】
次に、B軸回転に基づく加工原点の補正について説明する。図14に示すように、回転角度記憶部105に記憶されたB軸の始点角度ψb1及び終点角度ψb2を入力する(ステップS61)。続いて、加工原点をB軸の位置誤差ΔX及びΔH’だけ補正する(ステップS62)(位置変換後加工原点算出手段)。すなわち、現在の加工原点のX軸座標値及びY軸座標値から、ΔX及びΔH’をそれぞれ減算した加工原点(位置変換後加工原点)を算出する。
【0089】
続いて、始点角度ψb1から終点角度ψb2までの回転角度(ψb2−ψb1)だけ、位置変換後加工原点を回転変換した加工原点(回転変換後加工原点)を算出する(ステップS63)(回転変換後加工原点算出手段)。この回転変換は、数5に示す回転変換行列式に基づき行われる。数5より明らかなように、B軸傾き誤差であるB軸X−Y平面傾き誤差角度γ及びB軸Y−Z平面傾き誤差角度θを考慮して、加工原点が回転変換されている。
【0090】
【数5】
【0091】
続いて、回転変換後加工原点をB軸の位置誤差ΔX及びΔH’だけ戻し補正した加工原点を算出する(ステップS64)(位置戻し変換後加工原点算出手段)。すなわち、回転変換後加工原点のX軸座標値及びY軸座標値から、−ΔX及び−ΔH’をそれぞれ減算した加工原点(位置戻し変換後加工原点)を算出する。続いて、加工原点記憶部108に記憶されている加工原点を上述のように算出された位置戻し変換後加工原点に変更する(ステップS65)(加工原点変更手段)。そして、この加工原点補正部107の処理は終了する。
【0092】
(第1の数値制御装置の変形態様)
上述した第1の数値制御装置10においては、回転軸誤差のうちのA軸位置誤差は、A軸の回転角度毎に一定の位置誤差としたが、これに限られるものではない。ここで、A軸位置誤差をA軸の回転角度毎に記憶しているのは、A軸が回転するにつれて、A軸に作用するモーメントが異なるからである。そして、このA軸に作用するモーメントは、テーブル上に載置されるワークの質量や取付位置によっても異なる。
【0093】
そこで、数値制御装置10の誤差記憶部106が記憶するA軸位置誤差は、ワーク質量及びワークの重心位置に応じて、A軸の回転角度毎のA軸位置誤差を複数記憶させておく。さらに、数値制御装置10は、ワーク質量及びワーク重心位置の入力部を設けておく。
【0094】
そして、加工原点補正部107は、NCデータ記憶部101に記憶されたNCデータと、回転角度記憶部105に記憶された回転角度と、誤差記憶部106に記憶された回転軸誤差と、ワーク質量及びワーク重心位置入力部に入力されたワーク質量及びワーク重心位置とに基づき、加工原点を補正するようにしてもよい。
【0095】
なお、ワーク質量及びワーク重心位置は、オペレータが直接入力するようにしてもよいし、数値制御装置10により算出するようにしてもよい。後者の場合は、例えば、A軸駆動用モータの駆動トルクを検出することにより、実質的にワーク質量及びワーク重心位置を検出することができる。
【0096】
(第2の数値制御装置)
次に、第2の数値制御装置10について図15を参照して説明する。図15は、第2の数値制御装置の構成を示す図である。図15に示すように、数値制御装置10は、NCデータ記憶部101と、指令値算出部112と、制御部113と、回転角度算出部104と、回転角度記憶部105と、誤差記憶部106と、指令値補正部117と、加工原点記憶部108とから構成される。なお、上述した第1の数値制御装置10と同一構成は、同一符号を付して説明を省略する。
【0097】
指令値算出部(指令値算出手段)112は、NCデータ記憶部101に記憶されたNCデータ及び後述する指令値補正部117の補正指令値に基づき、5軸横型マシニングセンタ1(図1に示す)の各駆動軸の位置及び回転角からなる指令値を算出する。そして、制御部(制御手段)113は、指令値算出部112により算出された指令値に基づき、各軸駆動用モータ23,24,31等を数値制御する。
【0098】
指令値補正部(指令値補正手段)117は、NCデータ記憶部101に記憶されたNCデータ、回転角度記憶部105に記憶された回転角度、及び、誤差記憶部106に記憶された回転軸誤差に基づき、5軸横型マシニングセンタ1の指令値を補正する補正指令値を算出する。この補正指令値は、各駆動軸の位置及び回転角からなる。
【0099】
ここで、補正指令値は、上述した第1の数値制御装置10における加工原点補正部107における補正処理と実質的に同一である。すなわち、第1の数値制御装置10の加工原点補正部107では加工原点を補正したが、第2の数値制御装置10における指令値補正部117では制御部113の指令値を補正している。つまり、加工原点は、一定としておき、指令値を変更することで、上述した第1の数値制御装置10と同様に、実際の加工位置と数値制御装置による工具の指令値とを一致させることができる。
【0100】
(NCデータ作成装置)
次に、NCデータ作成装置について図16を参照して説明する。図16は、NCデータ作成装置の構成を示す図である。図16に示すように、NCデータ作成装置は、形状データ記憶部121と、機械構成データ記憶部122と、NCデータ作成部123とから構成される。
【0101】
形状データ記憶部(形状データ記憶手段)121は、例えばCAD等により作成されたワーク形状データを記憶する。機械構成データ記憶部(機械構成データ記憶手段)122は、ワークの加工に使用する回転軸を有する加工機、ここでは、5軸横型マシニングセンタ1(図1に示す)の機械構成データを記憶する。例えば、テーブル9(図1に示す)がA軸及びB軸に回転する構成であること等を示すデータである。
【0102】
NCデータ作成部(NCデータ作成手段)123は、形状データ記憶部121に記憶されたワーク形状データ及び機械構成データ記憶部122に記憶された機械構成データに基づき、5軸横型マシニングセンタ1のNCデータを作成する。このNCデータ作成部123は、基本NCデータ作成部124と、回転角度算出部125と、回転角度記憶部126と、誤差記憶部127と、補正NCデータ作成部128とから構成される。
【0103】
基本NCデータ作成部(基本NCデータ作成手段)124は、形状データ記憶部121に記憶されたワーク形状データ及び機械構成データ記憶部122に記憶された機械構成データに基づき、5軸横型マシニングセンタ1のNCデータ(基本NCデータ)を作成する。この基本NCデータは、5軸横型マシニングセンタ1の回転軸が有する回転軸誤差を考慮しないNCデータである。
【0104】
回転角度算出部(指令回転角度算出手段)125は、基本NCデータ作成部124により作成された基本NCデータに基づき、5軸横型マシニングセンタ1のA軸及びB軸のそれぞれの回転角度を算出する。なお、このA軸及びB軸のそれぞれの回転角度は、割り出し加工を行う場合にはオペレータが自ら行う場合もある。回転角度記憶部(指令回転角度記憶手段)126は、回転角度算出部125により算出されたA軸及びB軸のそれぞれの回転角度を記憶する。具体的には、A軸回転における始点角度ψa1及び終点角度ψa2と、B軸回転における始点角度ψb1及び終点角度ψb2とを記憶する。
【0105】
誤差記憶部(誤差記憶手段)127は、上述した回転軸誤差を記憶する。すなわち、A軸傾き誤差、A軸位置誤差、B軸傾き誤差、及び、B軸位置誤差を記憶する。ここで、A軸傾き誤差は、A軸X−Y平面傾き誤差角度α及びA軸X−Z平面傾き誤差角度βである。A軸位置誤差は、A軸回転角度毎のA軸に関する位置誤差ΔY及びΔZである。B軸傾き誤差は、B軸X−Y平面傾き誤差角度γ及びB軸Y−Z平面傾き誤差角度θである。B軸位置誤差は、B軸に関する位置誤差ΔX及びΔH’である。
【0106】
補正NCデータ作成部(補正NCデータ作成手段)128は、回転角度記憶部126に記憶された回転角度と、誤差記憶部127に記憶された回転軸誤差とに基づき、基本NCデータ作成部124により作成された基本NCデータを補正した補正NCデータを作成する。ここで、補正NCデータ作成部128におけるNCデータの補正処理は、実質的に上述した第1の数値制御装置10における加工原点補正部107(図9に示す)と同一の処理である。すなわち、第1の数値制御装置10の加工原点補正部107では加工原点を補正したが、NCデータ作成装置における補正NCデータ作成部128では数値制御装置10に入力されるNCデータを補正している。つまり、加工原点は一定とし、NCデータを補正しておき、その補正されたNCデータに基づき数値制御装置を制御して加工を行うことにより、実際の加工位置と数値制御装置による工具の指令値とを一致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】5軸横型マシニングセンタの全体構成を示す図である。
【図2】回転軸が有する誤差を説明する図である。
【図3】誤差測定を説明する図である。
【図4】B軸誤差の算出方法を示すフローチャートである。
【図5】基準球の中心位置の測定方法を説明する図である。
【図6】B軸傾き誤差を説明する図である。
【図7】A軸誤差の算出方法を示すフローチャートである。
【図8】A軸位置誤差の算出方法を説明する図である。
【図9】第1の数値制御装置の構成を示す図である。
【図10】A軸回転を示す図である。
【図11】A軸回転における加工原点補正部の処理を示すフローチャートである。
【図12】A軸回転における加工原点補正部の処理を示すフローチャートである。
【図13】A軸回転における加工原点補正部の処理を示すフローチャートである。
【図14】B軸回転における加工原点補正部の処理を示すフローチャートである。
【図15】第2の数値制御装置の構成を示す図である。
【図16】NCデータ作成装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 ・・・ 5軸横型マシニングセンタ
2 ・・・ ベッド
3 ・・・ コラム
4 ・・・ 主軸頭
5 ・・・ 主軸
6 ・・・ サドル
7 ・・・ チルトテーブル
8 ・・・ 回転パレット
9 ・・・ ワークテーブル
10 ・・・ 数値制御装置
11 ・・・ 基準球
12 ・・・ タッチセンサ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a numerical control device and an NC data creation device.
[0002]
[Prior art]
There is a 5-axis processing machine having two rotating axes for performing processing such as mold processing. As a configuration of the 5-axis processing machine, for example, a tilt table that rotates A-axis is mounted on a bed, and a rotary table that rotates B-axis is mounted on the tilt table, and a workpiece on the rotary table is mounted. In some cases, a work table is placed (see Patent Document 1).
[0003]
[Patent Document 1]
JP-A-6-179138
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
Here, the center of the A axis and the center of the B axis should coincide with the X axis and the Y axis when the respective rotation angles are 0 °, but due to assembly errors and processing errors of the tilt table and the rotation table, In some cases, an A axis center and a B axis center do not coincide with the X axis and the Y axis, respectively, and an inclination error or a position error occurs. However, since these errors are very small, conventionally, the influence of these errors on the machining accuracy has not been a problem. However, in recent years, higher machining accuracy has been demanded, and it has become necessary to eliminate the influence of these errors on the machining accuracy.
[0005]
The present invention has been made in view of such circumstances, and a numerical control device and an NC that can improve machining accuracy by correcting tilt errors or position errors of a rotating shaft due to assembly errors and machining errors. An object is to provide a data creation device.
[0006]
[Means for Solving the Problems and Effects of the Invention]
A numerical control device according to
[0007]
The characteristic configuration of the numerical control device according to
[0008]
Here, when there is a rotation command for the rotation axis, the machining origin is conventionally moved based only on the command rotation angle. Therefore, when the axis of the rotation axis has a rotation axis error with respect to the reference axis, the actual machining origin position may differ from the machining origin position stored in the numerical controller. As a result, conventionally, there has been a risk that the machining accuracy deteriorates with the operation of the rotating shaft. However, according to the present invention, the machining origin is moved (corrected) in consideration of the rotation axis error of the rotation axis with respect to the reference axis, so that the actual machining origin matches the machining origin stored in the numerical controller. Can be made. As a result, the processing accuracy can be improved even when the rotary shaft is operated.
Further, in general, a rotating body that rotates due to rotation of a rotating shaft may become unbalanced around the rotating shaft. For this reason, when the rotating body is rotated, different moments may act depending on the rotation angle. In this way, when different moments are applied according to the rotation angle, the rotation axis is shifted for each rotation angle. That is, the position error on the actual axis of the rotation axis varies depending on the rotation angle. Therefore, according to the present invention, since the machining origin is rotationally converted in consideration of the position error of the actual axial center position of the rotating shaft at every predetermined angle due to the moment change, there is an unbalance around the rotating shaft. However, the processing origin can be rotated more accurately around the actual rotation axis. That is, even when there is an imbalance around the rotation axis, the actual machining origin and the machining origin stored in the numerical controller can be reliably matched regardless of the rotation angle.
Specifically, the machining origin correction means in the numerical control device of the present invention includes a post-position conversion machining origin calculation means, a post-rotation conversion machining origin calculation means, a post-position conversion post-conversion machining origin calculation means, and a machining origin change. Means. Here, the post-position conversion processing origin calculation means is means for calculating a post-position conversion processing origin obtained by converting the position of the processing origin based on the position error and the command rotation angle for each predetermined angle due to the moment change. . The rotation-converted machining origin calculation means is a means for calculating a rotation-converted machining origin obtained by rotationally converting the position-converted machining origin based on the command rotation angle. A post-return-converted processing origin calculation means calculates a post-reversion-converted processing origin obtained by converting the post-rotation-converted processing origin into a position based on the position error for each predetermined angle and the command rotation angle due to the moment change. Means. The machining origin changing means is means for changing the machining origin stored in the machining origin storage means to the post-position conversion-processed machining origin.
[0009]
A numerical control device according to claim 2The rotation axis error storage means stores a plurality of the position errors for each predetermined angle in accordance with the mass and the center of gravity position of the workpiece, and the machining origin correction means is based on the mass and the center of gravity position of the workpiece. The processing origin is corrected.
Here, the moment of the rotating body varies depending on the mass of the workpiece and the mounting position. Therefore, according to the numerical control device of the present invention, it is possible to correct the machining origin according to the mass of the workpiece and the mounting position (center of gravity position).
[0010]
4. The numerical control device according to
In particular,A numerical control device according to claim 3InThe machining origin correcting means is a rotationally converted machining origin calculating means for calculating a post-rotation converted machining origin obtained by rotationally converting the machining origin stored in the machining origin storage means based on the tilt error and the command rotation angle; Machining origin changing means for changing the machining origin stored in the machining origin storage means to the rotation converted machining origin.The Rukoto.
[0011]
Here, the tilt error will be described. For example, when the rotation axis is the A axis, it is ideal that the A axis axis coincides with the X axis. However, errors may occur due to assembly errors, processing errors, and the like. This error includes a tilt error and a position error. Here, the tilt error is a tilt error between an A-axis actual direction vector that is an actual A-axis vector and an X-axis reference direction vector that is an X-axis vector. The tilt error may be, for example, a tilt angle between each orthogonal three plane including two of the three orthogonal axes and the A-axis actual direction vector. In this case, the tilt error of the A axis is the tilt angle between the A axis and the XY plane and the tilt angle between the A axis and the XZ plane. The tilt error may be an inner product of the actual direction vector and the reference direction vector.
[0012]
That is, according to the present invention, since the machining origin is rotationally converted in consideration of the tilt error, the machining origin can be rotated around the rotation axis having the tilt error. That is, the actual machining origin and the machining origin stored in the numerical control device can be matched. Conventionally, since the machining origin stored in the numerical controller is rotationally converted without considering the tilt error, for example, when the machining origin is rotated around the A axis, it is stored in the numerical controller. The processing origin was rotated around the ideal X axis. For this reason, the actual machining origin rotated around the A axis does not match the machining origin stored in the numerical control device rotated around the ideal X axis. That is, according to the present invention, such a conventional problem can be reliably solved.
[0013]
5. The numerical control device according to
In particular,Numerical control device according to claim 4InThe processing origin correcting means isbelow,Processing post-conversion processing origin calculation means, post-rotation conversion processing origin calculation means, post-position conversion post-conversion processing origin calculation means, and processing origin change meansThe Rukoto.Here, the post-position conversion processing origin calculation means is means for calculating a post-position conversion processing origin obtained by converting the position of the processing origin based on the position error due to the assembly error or processing error. The processing origin calculation means after rotation conversion is,in frontIt is means for calculating a post-rotation-converted machining origin obtained by rotationally converting the post-position-conversion machining origin based on the command rotation angle. The processing origin calculation means after position return conversion isDue to the assembly error or processing errorIt is means for calculating a post-position conversion post-rotation processing origin obtained by converting the post-rotation-conversion processing origin based on the position error. The machining origin changing means is means for changing the machining origin stored in the machining origin storage means to the post-position conversion-processed machining origin.
[0014]
Here, the position error will be described. As described above, the position error is an error of the position on the actual axis of the rotating shaft with respect to the reference position on the reference axis of the rotating shaft. For example, when the rotation axis is the A axis, it is ideal that the A axis axis coincides with the X axis. Therefore, the reference axis of the A axis is the X axis. The reference position on the X-axis is, for example, a position where the X-axis coordinate value is 0. In this case, the position error of the A axis is a position where the A axis intersects the YZ plane where the X axis coordinate value is zero.
[0018]
Up to now, by correcting the machining origin, the influence on the machining accuracy due to the rotation axis error of the processing machine having a rotation axis has been eliminated, but this is not a limitation. For example, NC data may be corrected sequentially in a numerical controller. Further, the NC data creation device may create NC data in consideration of the rotation axis error of the processing machine.
[0019]
That is,Claim 5The numerical control device according to the present invention includes NC data storage means for storing NC data, command value calculation means for calculating a command value of a processing machine having a rotating shaft based on the NC data, and the processing machine based on the command value. Control means for controlling,The moment of the rotating body around the rotation axis changes according to the rotation angleThe numerical control apparatus for a processing machine having a rotating shaft further includes a rotating shaft error storage means, a command rotation angle storage means, and a command value correction means. Here, the rotation axis error storage means isThe position error of the actual axial center position of the rotating shaft with respect to the reference position on the reference axial center of the rotating shaft due to the change of the moment is determined for each predetermined angle of the rotating shaft.It is a means to memorize. The command rotation angle storage means is means for storing a command rotation angle of the rotation shaft obtained based on the NC data. The command value correction means isThe position error for each predetermined angle stored in the rotation axis error storage means and the command rotation angle storage meansMeans for correcting the command value based on the command rotation angle;
[0020]
Thereby, there can exist the same effect as the numerical control apparatus mentioned above. That is, according to the present invention, the command value is corrected in consideration of the rotation axis error with respect to the reference axis of the rotation shaft, so that the actual machining position by the tool and the command value of the tool by the numerical controller can be matched. it can. As a result, the processing accuracy can be improved even when the rotary shaft is operated. Further, the other characteristic configuration of the numerical control device described above can be similarly applied to the numerical control device of the present invention. Thereby, there can exist an effect similar to the other effect in the numerical control apparatus mentioned above.
[0021]
Also,Claim 6The NC data creation device according to the present invention includes a shape data storage means for storing workpiece shape data, a machine configuration data storage means for storing machine configuration data of a processing machine having a rotating shaft used for machining the workpiece, and the shape data. And NC data creating means for creating NC data for numerically controlling the processing machine based on the machine configuration data.The moment of the rotating body around the rotation axis changes according to the rotation angleIn the NC data creation device of a processing machine having a rotation axis, the NC data creation means includes a rotation axis error storage means, a basic NC data creation means, a command rotation angle storage means, and a correction NC data creation means. It is characterized by that. Here, the rotation axis error storage means isThe position error of the actual axial center position of the rotating shaft with respect to the reference position on the reference axial center of the rotating shaft due to the change of the moment is determined for each predetermined angle of the rotating shaft.It is a means to memorize. The basic NC data creating means is means for creating basic NC data of the NC data based on the shape data and the machine configuration data. The command rotation angle storage means is means for storing the command rotation angle of the rotation shaft obtained based on the basic NC data. The correction NC data creation means isThe position error for each predetermined angle stored in the rotation axis error storage means and the command rotation angle storage meansMeans for generating corrected NC data obtained by correcting the basic NC data based on the command rotation angle;
[0022]
Thereby, there can exist the same effect as the numerical control apparatus mentioned above. In other words, according to the present invention, NC data (corrected NC data) that takes into consideration the rotation axis error with respect to the reference axis of the rotation axis is created. Therefore, when the processing machine is operated with this NC data, It is possible to make the machining position coincide with the command value of the tool by the numerical control device. As a result, the processing accuracy can be improved even when the rotary shaft is operated. Further, the other characteristic configuration of the numerical control device described above can be similarly applied to the NC data creation device of the present invention. Thereby, there can exist an effect similar to the other effect in the numerical control apparatus mentioned above.
[0023]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, the present invention will be described in more detail with reference to embodiments. In the present embodiment, a processing machine having a rotating shaft will be described by taking a 5-axis horizontal machining center as an example.
[0024]
(Configuration of 5-axis horizontal machining center)
The configuration of the 5-axis
[0025]
The
[0026]
The
[0027]
The
[0028]
The
[0029]
The tilt table 7 has a substantially U-shape, and both end sides thereof are rotatably supported by a pair of
[0030]
The
[0031]
The work table 9 is disposed on the
[0032]
The numerical controller 10 controls the
[0033]
(About the error of the rotation axis)
Next, an error of the rotation axis of the 5-axis
[0034]
However, due to the machining error of the through holes formed in the pair of
[0035]
Further, when the B-axis axis does not coincide with the Y-axis in the state of FIG. 1 due to a processing error of a through-hole formed in the tilt table 7 for rotating and supporting the
[0036]
Further, as described above, it is ideal that the A axis and the B axis intersect at the intersection of the X axis and the Z axis. However, due to processing errors and assembly errors of the
[0037]
(Error calculation method)
Next, a method for calculating the above-described inclination error and position error will be described. When calculating the error, as shown in FIG. 3, reference spheres (measurement jigs) 11a and 11b are previously mounted on the work table 9, and a touch sensor (position measurement sensor) is used instead of the tool on the
[0038]
(B-axis error calculation method)
A method for calculating an error related to the B axis will be described with reference to FIGS. FIG. 4 is a flowchart showing a B-axis error calculation method. FIG. 5 is a diagram for explaining a method of measuring the center position of the
[0039]
First, as shown in FIG. 5A, the A axis is rotated by 90 ° (step S1). That is, the work table 9 is oriented to face the
[0040]
Subsequently, it is determined whether or not the B-axis rotation angle ΔB is 360 ° or more (step S4). Here, since the B-axis rotation angle ΔB is 0 °, it is not 360 ° or more. Therefore, in this case (step S4: No), the work table 9 is rotated until the B-axis rotation angle ΔB reaches 90 ° (step S5). Subsequently, the
[0041]
When the B-axis rotation angle ΔB becomes 360 ° or more (step S4: Yes), the B-axis XY plane tilt error angle γ is calculated (step S6). Here, calculation of the B-axis XY plane tilt error angle γ will be described with reference to FIG. Here, FIG. 6A is a diagram on the XY plane showing the center positions of the work table 9 and the
[0042]
First, based on the center positions a and c of the
[0043]
[Expression 1]
[0044]
Next, returning to the flowchart of FIG. After calculating the B-axis XY plane tilt error angle γ, the B-axis YZ plane tilt error angle θ is calculated (step S7). Here, calculation of the B-axis YZ plane tilt error angle θ will be described with reference to FIG. First, a B-axis vector B2 (shown in FIG. 6C) on the XZ plane is calculated based on the center positions b and d of the
[0045]
[Expression 2]
[0046]
Next, returning to the flowchart of FIG. After calculating the B-axis tilt error angles γ and θ, position errors ΔX and ΔH ′ with respect to the B-axis are calculated (step S8). Here, the B-axis center position O3 is assumed to be located on the upper surface of the work table 9 for convenience. That is, the position errors ΔX and ΔH ′ with respect to the B axis are the errors shown in FIGS. In this case, the position errors ΔX and ΔH ′ with respect to the B axis can be calculated by
[0047]
[Equation 3]
[0048]
(A-axis error calculation method)
Next, a method for calculating an error related to the A axis will be described with reference to FIGS. FIG. 7 is a flowchart showing an A-axis error calculation method. First, as shown in FIG. 5A, the A axis is positioned at 90 ° (step S11). That is, the work table 9 is oriented to face the
[0049]
Subsequently, it is determined whether or not the A-axis rotation angle ΔA is 90 ° or more (step S15). Here, since the A-axis rotation angle ΔA is 0 °, it is not 90 ° or more. Therefore, in this case (step S15: No), the work table 9 is rotated until the A-axis rotation angle ΔA reaches 30 ° (step S16). Subsequently, the
[0050]
When the A-axis rotation angle ΔA becomes 90 ° or more (step S15: Yes), an A-axis vector is calculated (step S17). Here, the A-axis vector (actual direction vector) indicates the direction of the A-axis axis as shown in FIG. Specifically, the A-axis vector is calculated by obtaining a plane including the center positions a1 to d1 based on the center positions a1 to d1 at each rotation angle of the A axis of the
[0051]
Subsequently, the A axis XY plane inclination error angle α and the A axis XZ plane inclination error angle β are calculated (step S18). Here, since the A-axis XY plane inclination error angle α and the A-axis XZ plane inclination error angle β can be easily calculated from the A-axis vector, the details are omitted.
[0052]
Subsequently, position errors ΔY and ΔZ related to the A axis are calculated (step S19). Here, the calculation of the position errors ΔY and ΔZ with respect to the A-axis includes a simple calculation method in the case where a different moment is applied depending on the A-axis rotation angle and a detailed calculation method in the case where the moment is considered. . Therefore, each case will be described below.
[0053]
(Detailed calculation method considering moment of A-axis position error)
First, a detailed calculation method of the position errors ΔY and ΔZ related to the A axis will be described with reference to FIG. In this calculation method, when the tilt table 7 rotates on the A axis, the moment applied to the tilt table 7 varies depending on the A axis rotation angle, so that the position errors ΔY and ΔZ related to the A axis depend on the A axis rotation angle. This is a calculation method that takes into account differences.
[0054]
Here, FIG. 8 is a view as seen from the X-axis direction of FIG. 5C and schematically shows the center positions of the
[0055]
Then, position errors ΔY and ΔZ related to the A axis are calculated according to the angle of the A axis rotation angle ΔA. First, a position error with respect to the A axis when the A axis rotation angle ΔA is between 0 ° and 30 ° is calculated. Here, ΔY and ΔZ related to the A-axis are calculated using only the Y-axis coordinate value and the Z-axis coordinate value. Specifically, the coordinates (Ya1, Za1) of the center position a1 and the coordinates (Yb1, Zb1) of the center position a1 of the
[0056]
Similarly, the center positions Ob (ΔYb, ΔZb) and Oc (ΔYc, ΔZc) when the A-axis rotation angle ΔA is between 30 ° and 60 ° and between 60 ° and 90 ° are calculated. In this way, the position errors ΔY and ΔZ corresponding to the A-axis rotation angle are calculated.
[0057]
(Simple calculation method of A-axis position error)
Next, a simple calculation method of the position errors ΔY and ΔZ related to the A axis will be described. Arc approximation is performed based on the already calculated center positions a1 to d1 of the
[0058]
(First numerical control device)
Next, the first numerical controller 10 will be described with reference to FIGS. FIG. 9 is a diagram showing a configuration of the first numerical control device. FIG. 10 is a diagram illustrating A-axis rotation. As shown in FIG. 9, the numerical controller 10 includes an NC
[0059]
An NC data storage unit (NC data storage means) 101 inputs and stores NC data created by CAM or the like. Here, the NC data includes point cloud data of the tool tip position and the rotation angle of the rotary shaft. The command value calculation unit (command value calculation means) 102 is based on the NC data stored in the NC
[0060]
A rotation angle calculation unit (rotation angle calculation unit) 104 calculates the rotation angles of the A axis and the B axis of the 5-axis
[0061]
The error storage unit (error storage unit) 106 stores the rotation axis error described above. That is, the A-axis tilt error, the A-axis position error, the B-axis tilt error, and the B-axis position error are stored. Here, the A-axis tilt error is an A-axis XY plane tilt error angle α and an A-axis XZ plane tilt error angle β. The A-axis position error is position errors ΔY and ΔZ related to the A-axis for each A-axis rotation angle. The B-axis tilt error is a B-axis XY plane tilt error angle γ and a B-axis YZ plane tilt error angle θ. B-axis position errors are position errors ΔX and ΔH ′ with respect to the B-axis.
[0062]
Here, the A-axis position error will be described in detail. An A-axis position error exists for each rotation angle of the A-axis. Here, as shown in FIG. 10, the A-axis position error ΔY1 when the A-axis rotation angle is ω1 (= 0 °), ω2 (= 30 °), ω3 (= 60 °), and ω4 (= 90 °). And ΔZ1,..., ΔY4 and ΔZ4 are stored. The A-axis rotation angle is defined as A (1) as the angular range between ω1 and ω2, A (2) as the angular range between ω2 and ω3, and A (3) as the angular range between ω3 and ω4. . These angle ranges A1 to A3 are also stored in the
[0063]
The processing origin storage unit (processing origin storage means) 108 stores the processing origin. Here, the machining origin refers to either the workpiece origin in the workpiece coordinate system that defines the machining position of the workpiece, or the machine origin in the machine coordinate system that defines the absolute position of the 5-axis
[0064]
(Processing of machining origin correction part)
Processing of the processing
[0065]
First, correction of the machining origin based on the A-axis rotation will be described. As shown in FIG. 11, the start point angle ψa1 and the end point angle ψa2 stored in the rotation
[0066]
Subsequently, it is determined whether or not the angle range A (m) of the start point angle ψa1 matches the angle range A (n) of the end point angle ψa2 (step S24). Here, the case where the respective angle ranges A (m) and A (n) match is, for example, the case where the start point angle ψa1 and the end point angle ψa2 are within a range of 0 to 30 °.
[0067]
Subsequently, when the respective angular ranges A (m) and A (n) match (step S24: Yes), the processing origin is corrected by position errors ΔY (m) and ΔZ (m) of A (m). (Step S25) (post-position conversion processing origin calculation means). That is, the machining origin (the machining origin after position conversion) is calculated by subtracting ΔY (m) and ΔZ (m) from the Y-axis coordinate value and the Z-axis coordinate value of the current machining origin.
[0068]
Subsequently, a processing origin (processing origin after rotation conversion) obtained by rotationally converting the processing origin after position conversion by the rotation angle (ψa2-ψa1) from the start point angle ψa1 to the end point angle ψa2 is calculated (step S26) (after rotation conversion). Machining origin calculation means). This rotation conversion is performed based on the rotation conversion determinant expressed by
[0069]
[Expression 4]
[0070]
Subsequently, a machining origin obtained by correcting and correcting the post-rotation machining origin by position errors ΔY (m) and ΔZ (m) of A (m) is calculated (step S27) (post-position conversion post-conversion machining origin calculation means). That is, the processing origin (processing origin after position return conversion) is calculated by subtracting −ΔY (m) and −ΔZ (m) from the Y-axis coordinate value and the Z-axis coordinate value of the processing origin after rotation conversion. Subsequently, the machining origin stored in the machining
[0071]
On the other hand, in step S24, when the angle range A (m) of the start point angle ψa1 and the angle range A (n) of the end point angle ψa2 do not match (step S24: No), the rotation direction is calculated (step S31) ( (See FIG. 12). A rotation direction is whether it is an A-axis positive direction or an A-axis negative direction. This can be calculated from the start point angle ψa1 and the end point angle ψa2. Subsequently, it is determined whether or not the rotation direction is the positive direction (step S32).
[0072]
Subsequently, when the rotation direction is the positive direction (step S32: Yes), the angle ω (m) is set as the start point angle ψa1 for setting the initial value (step S33). Here, a case where the start point angle ψa1 is 45 ° and the end point angle ψa2 is 90 ° will be described as an example. That is, since the starting point angle ψa1 is 45 °, m is 2. Subsequently, the machining origin is corrected by position errors ΔY (m) and ΔZ (m) of A (m) (Step S34) (post-position conversion machining origin calculation means). That is, the machining origin (the machining origin after position conversion) is calculated by subtracting ΔY (2) and ΔZ (2) from the Y-axis coordinate value and the Z-axis coordinate value of the current machining origin.
[0073]
Subsequently, a machining origin obtained by rotationally converting the post-position conversion machining origin in the positive rotation direction by the rotation angle (ω (m + 1) −ω (m)) from the angle ω (m) to the angle ω (m + 1) is calculated ( Step S35) (rotation converted post-processing origin calculation means). That is, the machining origin is rotationally converted from the angle 45 °, which is the starting point angle ψa1, to the angle 60 ° (= ω (3)). This rotation conversion is performed based on the rotation conversion determinant expressed by the above-described equation (4).
[0074]
Subsequently, a machining origin obtained by correcting and correcting the post-rotation-converted machining origin by position errors ΔY (m) and ΔZ (m) of A (m) is calculated (step S36) (post-position-converted machining origin calculation means). That is, the processing origin (the processing origin after position return conversion) is calculated by subtracting -ΔY (2) and -ΔZ (2) from the Y-axis coordinate value and the Z-axis coordinate value of the processing origin after rotation conversion.
[0075]
Subsequently, the value of m + 1 is set to m (step S37). Subsequently, it is determined whether or not the angle ranges A (m) and A (n) match (step S38). For example, when the start point angle ψa1 is 45 ° and the end point angle ψa2 is 90 °, the first angle range A (m) is the angle range A (2) and the angle range A (n) is the angle. The range is A (3). In step S37, since the value of m is incremented by 1, the angle ranges A (m) and A (n) are both A (3) and coincide with each other.
[0076]
Subsequently, when the respective angular ranges A (m) and A (n) match (step S38: Yes), the processing origin is corrected by position errors ΔY (m) and ΔZ (m) of A (m). (Step S39) (post-position conversion processing origin calculation means). That is, when the starting point angle ψa1 is 45 °, m is 3 here, so ΔY (3) and ΔZ (3) are subtracted from the Y-axis coordinate value and Z-axis coordinate value of the current machining origin, respectively. The processed origin (processed origin after position conversion) is calculated. On the other hand, if the angular ranges A (m) and A (n) do not match (step S38: No), the process returns to step S34 until the angular ranges A (m) and A (n) match. repeat.
[0077]
Subsequently, a processing origin is calculated by rotationally converting the post-position conversion processing origin in the normal rotation direction by the rotation angle (ψa2-ω (m)) from the angle ω (m) to the end point angle ψa2 (step S40) (rotation). Post-conversion machining origin calculation means). That is, when the start point angle ψa1 is 45 °, the machining origin is rotationally converted from the angle 60 ° (= ω (3)) to the end point angle 90 °. This rotation conversion is performed based on the rotation conversion determinant expressed by the above-described equation (4).
[0078]
Subsequently, a machining origin obtained by correcting and correcting the post-rotation-converted machining origin by position errors ΔY (m) and ΔZ (m) of A (m) is calculated (step S41) (post-position-converted machining origin calculation means). That is, the processing origin (processing origin after position return conversion) is calculated by subtracting −ΔY (3) and −ΔZ (3) from the Y-axis coordinate value and the Z-axis coordinate value of the processing origin after rotation conversion.
[0079]
Subsequently, the machining origin stored in the machining
[0080]
On the other hand, when the rotation direction is the negative direction (step S32: No), the angle ω (m) is set as the start point angle ψa1 for setting the initial value (step S51). Here, a case where the start point angle ψa1 is 45 ° and the end point angle ψa2 is 0 ° will be described as an example. That is, since the starting point angle ψa1 is 45 °, m is 2. Subsequently, the processing origin is corrected by position errors ΔY (m) and ΔZ (m) of A (m) (step S52) (post-position conversion processing origin calculation means). That is, the machining origin (the machining origin after position conversion) is calculated by subtracting ΔY (2) and ΔZ (2) from the Y-axis coordinate value and the Z-axis coordinate value of the current machining origin.
[0081]
Subsequently, the processing origin obtained by rotationally converting the post-position conversion processing origin in the negative rotation direction by the rotation angle (ω (m) −ω (m−1)) from the angle ω (m) to the angle ω (m−1). Is calculated (step S53) (rotation converted post-processing origin calculation means). That is, the machining origin is rotationally converted from the angle 45 °, which is the starting point angle ψa1, to the angle 30 ° (= ω (2)). This rotation conversion is performed based on the rotation conversion determinant expressed by the above-described equation (4).
[0082]
Subsequently, a machining origin obtained by correcting and correcting the post-rotation-converted machining origin by the position errors ΔY (m) and ΔZ (m) of A (m) is calculated (step S54) (post-position-converted machining origin calculation means). That is, the processing origin (the processing origin after position return conversion) is calculated by subtracting -ΔY (2) and -ΔZ (2) from the Y-axis coordinate value and the Z-axis coordinate value of the processing origin after rotation conversion.
[0083]
Subsequently, the value of m−1 is set to m (step S55). Subsequently, it is determined whether or not the angle ranges A (m) and A (n) match (step S56). For example, when the start point angle ψa1 is 45 ° and the end point angle ψa2 is 0 °, the first angle range A (m) is the angle range A (2) and the angle range A (n) is the angle. It is the range A (1). In step S55, since the value of m is decremented by 1, the angle ranges A (m) and A (n) are both A (1) and coincide with each other.
[0084]
Subsequently, when the respective angular ranges A (m) and A (n) match (step S56: Yes), the processing origin is corrected by position errors ΔY (m) and ΔZ (m) of A (m). (Step S57) (post-position conversion processing origin calculation means). That is, when the starting point angle ψa1 is 45 °, m is 1 here, so ΔY (1) and ΔZ (1) are subtracted from the Y-axis coordinate value and the Z-axis coordinate value of the current machining origin, respectively. The processed origin (processed origin after position conversion) is calculated. On the other hand, when the respective angular ranges A (m) and A (n) do not match (step S56: No), the process returns to step S52 until the angular ranges A (m) and A (n) match. repeat.
[0085]
Subsequently, a processing origin is calculated by rotationally converting the post-position conversion processing origin in the negative rotation direction by the rotation angle (ω (m−1) −ψa2) from the angle ω (m) to the end point angle ψa2 (step S58). (Processing origin calculation means after rotation conversion). That is, when the starting point angle ψa1 is 45 °, the machining origin is rotationally converted from the angle 30 ° (= ω (2)) to the end point angle 0 °. This rotation conversion is performed based on the rotation conversion determinant expressed by the above-described equation (4).
[0086]
Subsequently, a machining origin obtained by correcting and correcting the post-rotation-converted machining origin by the position errors ΔY (m) and ΔZ (m) of A (m) is calculated (step S59) (post-position-converted machining origin calculation means). That is, the processing origin (processing origin after position return conversion) is calculated by subtracting −ΔY (1) and −ΔZ (1) from the Y-axis coordinate value and the Z-axis coordinate value of the processing origin after rotation conversion.
[0087]
Subsequently, the machining origin stored in the machining
[0088]
Next, the correction of the machining origin based on the B-axis rotation will be described. As shown in FIG. 14, the B axis start point angle ψb1 and end point angle ψb2 stored in the rotation
[0089]
Subsequently, a processing origin (processing origin after rotation conversion) obtained by rotationally converting the processing origin after position conversion by the rotation angle (ψb2-ψb1) from the start point angle ψb1 to the end point angle ψb2 is calculated (step S63) (after rotation conversion). Machining origin calculation means). This rotation conversion is performed based on the rotation conversion determinant expressed by
[0090]
[Equation 5]
[0091]
Subsequently, a machining origin is calculated by correcting the rotation-converted machining origin by the B-axis position errors ΔX and ΔH ′ (step S64) (post-position-converted machining origin calculation means). That is, the machining origin (the machining origin after position return conversion) is calculated by subtracting −ΔX and −ΔH ′ from the X-axis coordinate value and the Y-axis coordinate value of the machining origin after rotation conversion. Subsequently, the machining origin stored in the machining
[0092]
(Modification of the first numerical controller)
In the first numerical control apparatus 10 described above, the A-axis position error among the rotation axis errors is a constant position error for each rotation angle of the A-axis, but is not limited thereto. Here, the reason why the A-axis position error is stored for each rotation angle of the A-axis is that the moment acting on the A-axis varies as the A-axis rotates. And the moment which acts on this A axis changes also with the mass and attachment position of the workpiece | work mounted on a table.
[0093]
Therefore, as the A-axis position error stored in the
[0094]
Then, the machining
[0095]
The workpiece mass and the workpiece gravity center position may be directly input by the operator or may be calculated by the numerical control device 10. In the latter case, for example, the workpiece mass and the workpiece gravity center position can be substantially detected by detecting the driving torque of the A-axis driving motor.
[0096]
(Second numerical control device)
Next, the second numerical controller 10 will be described with reference to FIG. FIG. 15 is a diagram illustrating the configuration of the second numerical control device. As shown in FIG. 15, the numerical controller 10 includes an NC
[0097]
The command value calculation unit (command value calculation means) 112 is a five-axis horizontal machining center 1 (shown in FIG. 1) based on NC data stored in the NC
[0098]
The command value correction unit (command value correction unit) 117 includes NC data stored in the NC
[0099]
Here, the correction command value is substantially the same as the correction processing in the machining
[0100]
(NC data creation device)
Next, the NC data creation device will be described with reference to FIG. FIG. 16 is a diagram showing the configuration of the NC data creation device. As shown in FIG. 16, the NC data creation device includes a shape
[0101]
The shape data storage unit (shape data storage means) 121 stores workpiece shape data created by, for example, CAD. The machine configuration data storage unit (machine configuration data storage means) 122 stores machine configuration data of a processing machine having a rotating shaft used for processing a workpiece, here, a 5-axis horizontal machining center 1 (shown in FIG. 1). For example, it is data indicating that the table 9 (shown in FIG. 1) is configured to rotate about the A axis and the B axis.
[0102]
The NC data creation unit (NC data creation means) 123 is based on the workpiece shape data stored in the shape
[0103]
The basic NC data creation unit (basic NC data creation means) 124 is based on the workpiece shape data stored in the shape
[0104]
The rotation angle calculation unit (command rotation angle calculation means) 125 calculates the rotation angles of the A axis and the B axis of the 5-axis
[0105]
The error storage unit (error storage means) 127 stores the rotation axis error described above. That is, the A-axis tilt error, the A-axis position error, the B-axis tilt error, and the B-axis position error are stored. Here, the A-axis tilt error is an A-axis XY plane tilt error angle α and an A-axis XZ plane tilt error angle β. The A-axis position error is position errors ΔY and ΔZ related to the A-axis for each A-axis rotation angle. The B-axis tilt error is a B-axis XY plane tilt error angle γ and a B-axis YZ plane tilt error angle θ. B-axis position errors are position errors ΔX and ΔH ′ with respect to the B-axis.
[0106]
Based on the rotation angle stored in the rotation
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing an overall configuration of a 5-axis horizontal machining center.
FIG. 2 is a diagram for explaining an error of a rotation axis.
FIG. 3 is a diagram for explaining error measurement;
FIG. 4 is a flowchart showing a method for calculating a B-axis error.
FIG. 5 is a diagram illustrating a method for measuring the center position of a reference sphere.
FIG. 6 is a diagram for explaining a B-axis tilt error.
FIG. 7 is a flowchart showing a method for calculating an A-axis error.
FIG. 8 is a diagram illustrating a method for calculating an A-axis position error.
FIG. 9 is a diagram showing a configuration of a first numerical controller.
FIG. 10 is a diagram showing A-axis rotation.
FIG. 11 is a flowchart showing processing of a machining origin correction unit in A-axis rotation.
FIG. 12 is a flowchart showing processing of a machining origin correction unit in A-axis rotation.
FIG. 13 is a flowchart showing processing of a machining origin correction unit in A-axis rotation.
FIG. 14 is a flowchart showing processing of a machining origin correction unit in B-axis rotation.
FIG. 15 is a diagram showing a configuration of a second numerical controller.
FIG. 16 is a diagram showing a configuration of an NC data creation device.
[Explanation of symbols]
1 ... 5-axis horizontal machining center
2 ... Bed
3 ... Column
4 ... Spindle head
5 ... Spindle
6 ・ ・ ・ Saddle
7 ... Tilt table
8 ・ ・ ・ Rotating pallet
9 ... Work table
10: Numerical control device
11 ・ ・ ・ Reference sphere
12 ・ ・ ・ Touch sensor
Claims (6)
ワークの加工位置を定義するワーク座標系におけるワーク原点又は回転軸を有する加工機の絶対的位置を定義する機械座標系における機械原点である加工原点を記憶する加工原点記憶手段と、
前記NCデータに基づき前記加工機の指令値を算出する指令値算出手段と、
前記加工原点及び前記指令値に基づき前記加工機を制御する制御手段と、
を備え、
回転角度に応じて回転軸周りにおける回転体のモーメントが変化する回転軸を有する加工機の数値制御装置において、
前記モーメントが変化することによる、前記回転軸の基準軸心上の基準位置に対する前記回転軸の実軸心上位置の位置誤差を前記回転軸の所定角度毎に記憶する回転軸誤差記憶手段と、
前記NCデータに基づき得られた前記回転軸の指令回転角度を記憶する指令回転角度記憶手段と、
前記回転軸誤差記憶手段に記憶された前記モーメント変化による前記所定角度毎の前記位置誤差及び前記指令回転角度記憶手段に記憶された前記指令回転角度に基づき、前記加工原点を補正する加工原点補正手段と、
を備えたことを特徴とする数値制御装置。NC data storage means for storing NC data;
A machining origin storage means for storing a machining origin that is a machine origin in a machine coordinate system that defines a workpiece origin in a workpiece coordinate system that defines a machining position of a workpiece or an absolute position of a machining machine having a rotation axis;
Command value calculating means for calculating a command value of the processing machine based on the NC data;
Control means for controlling the processing machine based on the processing origin and the command value;
Equipped with a,
In a numerical control device for a processing machine having a rotating shaft in which the moment of the rotating body changes around the rotating shaft according to the rotation angle ,
A rotation axis error storage means for storing a position error of a position on the actual axis of the rotation axis with respect to a reference position on the reference axis of the rotation axis due to the change of the moment for each predetermined angle of the rotation axis;
Command rotation angle storage means for storing a command rotation angle of the rotary shaft obtained based on the NC data;
Machining origin correction means for correcting the machining origin based on the position error for each predetermined angle due to the moment change stored in the rotation axis error storage means and the command rotation angle stored in the command rotation angle storage means. When,
A numerical control device comprising:
前記加工原点補正手段は、前記ワークの質量及び重心位置に基づき、前記加工原点を補正することを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。 The numerical control apparatus according to claim 1, wherein the machining origin correction unit corrects the machining origin based on a mass and a gravity center position of the workpiece.
前記加工原点補正手段は、前記傾き誤差に基づき、前記加工原点を補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の数値制御装置。The numerical control device according to claim 1, wherein the processing origin correction unit corrects the processing origin based on the tilt error.
前記加工原点補正手段は、前記組付誤差又は加工誤差による前記位置誤差に基づき、前記加工原点を補正することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の数値制御装置。The numerical control device according to claim 1, wherein the processing origin correction unit corrects the processing origin based on the assembly error or the position error due to a processing error.
前記NCデータに基づき回転軸を有する加工機の指令値を算出する指令値算出手段と、
前記指令値に基づき前記加工機を制御する制御手段と、
を備え、
回転角度に応じて回転軸周りにおける回転体のモーメントが変化する回転軸を有する加工機の数値制御装置において、
前記モーメントが変化することによる、前記回転軸の基準軸心上の基準位置に対する前記回転軸の実軸心上位置の位置誤差を前記回転軸の所定角度毎に記憶する回転軸誤差記憶手段と、
前記NCデータに基づき得られた前記回転軸の指令回転角度を記憶する指令回転角度記憶手段と、
前記回転軸誤差記憶手段に記憶された前記モーメント変化による前記所定角度毎の前記位置誤差及び前記指令回転角度記憶手段に記憶された前記指令回転角度に基づき、前記指令値を補正する指令値補正手段と、
を備えたことを特徴とする数値制御装置。NC data storage means for storing NC data;
Command value calculating means for calculating a command value of a processing machine having a rotating shaft based on the NC data;
Control means for controlling the processing machine based on the command value;
Equipped with a,
In a numerical control device for a processing machine having a rotating shaft in which the moment of the rotating body changes around the rotating shaft according to the rotation angle ,
A rotation axis error storage means for storing a position error of a position on the actual axis of the rotation axis with respect to a reference position on the reference axis of the rotation axis due to the change of the moment for each predetermined angle of the rotation axis;
Command rotation angle storage means for storing a command rotation angle of the rotary shaft obtained based on the NC data;
Command value correction means for correcting the command value based on the position error for each predetermined angle due to the moment change stored in the rotation axis error storage means and the command rotation angle stored in the command rotation angle storage means. When,
A numerical control device comprising:
前記ワークの加工に使用する回転軸を有する加工機の機械構成データを記憶する機械構成データ記憶手段と、
前記形状データ及び前記機械構成データに基づき前記加工機を数値制御するためのNCデータを作成するNCデータ作成手段と、
を備え、
回転角度に応じて回転軸周りにおける回転体のモーメントが変化する回転軸を有する加工機のNCデータ作成装置において、
前記NCデータ作成手段は、
前記モーメントが変化することによる、前記回転軸の基準軸心上の基準位置に対する前記回転軸の実軸心上位置の位置誤差を前記回転軸の所定角度毎に記憶する回転軸誤差記憶手段と、
前記形状データ及び前記機械構成データに基づき前記NCデータの基本NCデータを作成する基本NCデータ作成手段と、
前記基本NCデータに基づき得られた前記回転軸の指令回転角度を記憶する指令回転角度記憶手段と、
前記回転軸誤差記憶手段に記憶された前記モーメント変化による前記所定角度毎の前記位置誤差及び前記指令回転角度記憶手段に記憶された前記指令回転角度に基づき、前記基本NCデータを補正した補正NCデータを作成する補正NCデータ作成手段と、
を備えたことを特徴とするNCデータ作成装置。Shape data storage means for storing workpiece shape data;
Machine configuration data storage means for storing machine configuration data of a processing machine having a rotating shaft used for processing the workpiece;
NC data creating means for creating NC data for numerically controlling the processing machine based on the shape data and the machine configuration data;
Equipped with a,
In an NC data creation device for a processing machine having a rotating shaft in which the moment of the rotating body changes around the rotating shaft according to the rotation angle ,
The NC data creating means
A rotation axis error storage means for storing a position error of a position on the actual axis of the rotation axis with respect to a reference position on the reference axis of the rotation axis due to the change of the moment for each predetermined angle of the rotation axis;
Basic NC data creating means for creating basic NC data of the NC data based on the shape data and the machine configuration data;
Command rotation angle storage means for storing a command rotation angle of the rotary shaft obtained based on the basic NC data;
Corrected NC data obtained by correcting the basic NC data on the basis of the position error for each predetermined angle due to the moment change stored in the rotation axis error storage means and the command rotation angle stored in the command rotation angle storage means Correction NC data creation means for creating
An NC data creation device characterized by comprising:
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