JP4066899B2 - 密封装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オイルと燃料等の2液流体を隔ててシールする密封装置に関し、特には自動車ガソリンエンジン用筒内直接噴射装置の高圧燃料ポンプ、即ち直噴用ガソリンエンジンのポンプに使用する密封装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
直噴用ガソリンエンジンのポンプのシリンダ内で往復動するプランジャが配置された部分には、ガソリン(燃料)とエンジンオイル(オイル)の2液流体が存在し、その2液流体を分離してシールするために密封装置が設置されている。
【0003】
従来は、図5に示すように、エンジンオイルをエンジンオイル側Eにシールするオイルシール102と、ガソリンをガソリン側Gにシールするオイルシール103と、の2つのオイルシール102,103を隣接配置して密封装置101を構成していた(特許文献1参照)。
【0004】
近年は、密封装置のガソリン側Gの圧力条件が高圧となっており、図5のようにガソリン側Gを密封するシールがオイルシールでは耐圧性が不足する。このため、ガソリン側Gには耐圧性のある高剛性のシールを配置する必要がある。
【0005】
そこで、図6に示すように、圧力条件が低圧のエンジンオイル側Eに配置された従来と同様のオイルシール202に隣接して、圧力条件が高圧のガソリン側Gをシールする耐圧性のある耐圧性部材(樹脂部材等)204と耐圧性部材を押圧する付勢部材(ゴム状弾性部材等)205とからなるシール(以下では高剛性シールと称す)203を配置して密封装置201を構成した。
【0006】
【特許文献1】
特開2003−21241号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図6に示す高剛性シール203を用いた密封装置201を小スペース内に設置できるように小型化する場合には、次の問題があった。
【0008】
(1)オイルシール202の金属環206の内径先端とプランジャ207表面との間の距離A、高剛性シール203のガソリン側Gで高剛性シール203の位置を規制するように内側に突出したシリンダ208内周とプランジャ207表面との間の距離Bが設計の都合上縮小できない場合には、図7(a),(b)に示すようにガソリン側Gからの印加圧Pやシール間の蓄圧P’によって、高剛性シール203の耐圧性部材204ははみ出しを生じる。
【0009】
(2)高剛性シール203の配置されるスペースの径方向距離Tや軸方向距離Hの比率が、シリンダ208やプランジャ207の相手部材構造により制約されるため、高剛性シールの設計が困難となる。
【0010】
(3)エンジンオイル側Eのオイルシール202を環状隙間に圧入固定した際のオイルシール202の圧入代(軸方向の圧入深さ)のバラツキによって、高剛性シール203の配置されるスペースの軸方向距離Hがばらつくので、高剛性シール203の設計が困難となる。
【0011】
本発明は上記従来技術に鑑みてなされたもので、その目的は、高圧に対応し、且つ、良好なシール性を発揮し、設計容易な密封装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する本発明は、直噴用ガソリンエンジンのポンプに用いられ、往復移動するプランジャと前記プランジャ周りを囲むシリンダとの間に形成される環状隙間をオイル側と高圧となる燃料側とに隔てて密封する密封装置であって、前記シリンダ内周に固定される剛性部材と該剛性部材に取り付けられて前記プランジャ表面に摺動自在に密封接触するシールリップとを有し、オイル側を密封するオイル側シール部と、該オイル側シール部の燃料側に隣接配置され、前記プランジャ表面に対向する面に第1環状溝が形成された保持部材と、前記プランジャ表面に摺動自在に密封接触する樹脂リングと該樹脂リングを前記プランジャ表面に付勢する付勢部材とから構成され、前記保持部材の前記第1環状溝内に配置され、燃料側を密封する燃料側シール部と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
したがって、保持部材の第1環状溝内に燃料側シール部が保持されるので、オイル側シール部の剛性部材内径先端とプランジャ表面との間の距離、燃料側シール部の燃料側で燃料側シール部の位置を規制するように内側に突出したシリンダ内周とプランジャ表面との間の距離が設計の都合上縮小できない場合であっても、保持部材の径方向長さを適切に設定することで、燃料側シール部のはみ出しを防止することができる。
【0014】
燃料側シール部が保持される保持部材の第1環状溝は一定形状であるので、燃料側シール部は第1環状溝に配置できる設計であれば良く、燃料側シール部の設計が容易であり、設計の自由度を広げることができる。
【0015】
前記保持部材には、前記シリンダ内周に対向する面に第2環状溝が形成され、密封装置は、前記第2環状溝内に配置されるシールリングを有することが好適である。
【0016】
この構成によると、保持部材とシリンダ内周との間の漏れをシールリングで防止でき、良好な密封性を発揮することができる。
【0017】
直噴用ガソリンエンジンのポンプに用いられ、往復移動するプランジャと前記プランジャ周りを囲むシリンダとの間に形成される環状隙間をオイル側と高圧となる燃料側とに隔てて密封する密封装置であって、前記シリンダ内周に固定される剛性部材と該剛性部材に取り付けられて前記プランジャ表面に摺動自在に密封接触するシールリップとを有し、オイル側を密封するオイル側シール部と、前記プランジャ表面に摺動自在に密封接触するシールリップ部及び前記シリンダ内周に対向する面に形成された環状溝が設けられて前記オイル側シール部の燃料側に隣接配置され、かつ前記シリンダ内周に固定される樹脂シール体と、該樹脂シール体に組み込まれて前記樹脂シール体のシールリップ部を前記プランジャ表面に付勢する付勢部材と前記樹脂シール体の環状溝に配置されるシールリングとから構成され、燃料側を密封する燃料側シール部と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
したがって、燃料側シール部ではシリンダ内周からプランジャ表面までの径方向長さを有する樹脂シール体のシールリップ部でシールを行うので、オイル側シール部の剛性部材内径先端とプランジャ表面との間の距離、燃料側シール部の燃料側で燃料側シール部の位置を規制するように内側に突出したシリンダ内周とプランジャ表面との間の距離が設計の都合上縮小できない場合であっても、樹脂シール対体の径方向長さを適切に設定することで、燃料側シール部のはみ出しを防止することができる。
【0019】
樹脂シール体がシリンダ内周からプランジャ表面までの径方向長さを有しており、樹脂シール体だけで燃料側シール部の形状が定まるので、樹脂シール体を設置スペース内に配置できる設計であれば良く、樹脂シール体の設計が容易であり、設計の自由度を広げることができる。
【0020】
前記オイル側シール部の前記剛性部材は、金属製であり、前記シリンダ内周に金属嵌合することが好適である。
【0021】
この構成では、オイル側シール部がシリンダ内周に金属嵌合によって強固に固定されるので、密封装置の燃料側が高圧であるために受ける印加圧力で密封装置がオイル側に離脱することを防止できる。
【0022】
前記オイル側シール部の前記剛性部材は、前記シリンダ内周に固定される軸方向部と該軸方向部の燃料側端から前記プランジャ方向へ延びる内向きフランジ部とを有し、該内向きフランジ部の前記プランジャ側の先端を前記プランジャ表面に近づけたことが好適である。
【0023】
この構成では、オイル側シール部が保持部材又は樹脂シール体を受ける部分が増加し、燃料側の高圧に対する耐圧性が向上する。
【0024】
前記オイル側シール部の前記剛性部材は、前記シリンダ内周に固定される軸方向部と該軸方向部の燃料側端から前記プランジャ方向へ延びる内向きフランジ部とを有し、該内向きフランジ部は径方向に一直線に延びており、前記オイル側シール部の燃料側に隣接配置される部材の前記内向きフランジ部に接触する接触面も径方向に一直線に延びていることが好適である。
【0025】
この構成では、内向きフランジ部と隣接配置される保持部材又は樹脂シール体の接触面が両方とも径方向に一直線に延びているため、オイル側シール部が保持部材や樹脂シール体を受ける接触面績が大きくなり、燃料側の高圧に対して安定した耐圧性を発揮する。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。
【0027】
(第1実施形態)
図1は第1実施形態に係る密封装置を示す半断面図である。図1における密封装置1は、自動車ガソリンエンジン用筒内直接噴射装置の高圧燃料ポンプ、即ち直噴用ガソリンエンジンのポンプに用いられ、オイル室内のエンジンオイル(オイル)と、シリンダ内のガソリン(燃料)と、を隔絶する。
【0028】
即ち、密封装置1は、シリンダ30内周とシリンダ30内で往復動するプランジャ40表面との間の環状隙間に配置され、この環状隙間を、オイル室に通じるエンジンオイルが存在するエンジンオイル側Eとシリンダ30内の高圧となるガソリンが存在するガソリン側Gとに隔てて密封する。
【0029】
密封装置1は、エンジンオイル側Eを密封するオイルシール(第1シール部)2と、ガソリン側Gを密封する高剛性シール(第2シール部)3と、高剛性シール3を保持するホルダ(保持部材)4と、を備える。
【0030】
オイルシール2は、断面L字状の環状をした金属製の金属環(剛性部材)5と、金属環5に一体成形されたシールリップ(第1シール部材)6と、によって構成される。
【0031】
金属環5は、シリンダ30内周にそって軸方向へ延びる軸方向部5aと、軸方向部5aのガソリン側G端からプランジャ40方向へ内向きに延びる内向きフランジ部5bと、からなり、軸方向部5aがシリンダ30内周に金属嵌合し、オイルシール2が固定される。このように金属環5がシリンダ30内周に金属嵌合することによって、オイルシール2が強固に固定されるので、密封装置1のガソリン側Gが高圧であるために受ける印加圧力で密封装置1がエンジンオイル側Eに離脱してしまうことが防止できる。金属環5には、金属嵌合による強固な固定が可能なように、SUS等の材質が用いられる。
【0032】
内向きフランジ部5bは径方向に一直線に延びている。内向きフランジ部5bのプランジャ40側の内径先端は、プランジャ40表面に近づけられて、内径先端とプランジャ40表面との間の隙間が極力狭くなるように設定される。このため、内向きフランジ部5bが長く、内向きフランジ部5bで隣接するホルダ4を受ける部分が増加し、ガソリン側Gの高圧に対する耐圧性が向上する。
【0033】
シールリップ6は、内向きフランジ部5bのエンジンオイル側Eに根本が固定されている。シールリップ6は、根本からエンジンオイル側Eかつプランジャ40へ延び、エンジンオイル側Eに向かうにつれて縮径される。シールリップ6の内周先端は、プランジャ40表面に摺動自在に密封接触する。シールリップ6は、エンジンオイルを密封できる、フッ素系ゴムに代表されるゴム状弾性体製や樹脂製で形成される。
【0034】
ホルダ4は、オイルシール2のガソリン側Gに隣接配置される。ホルダ4がオイルシール2に隣接するので、密封装置1の軸方向の小型化が図れる。ホルダ4の外径は、シリンダ30内周の径とほぼ等しく、ホルダ4が圧入固定されてホルダ4外径がシリンダ30内周に接触している。
【0035】
ホルダ4は、断面矩形の環状であり、プランジャ40表面に対向する内周面に環状溝(第1環状溝)7が形成されている。環状溝7は、高剛性シール3を配置するスペースであり、一周にわたって断面凹形状となっている。
【0036】
ホルダ4のエンジンオイル側壁面4aは、オイルシール2の金属環5の内向きフランジ部5bに接触する面であり、径方向に一直線に延びている。よって、同様に径方向に一直線に延びる内向きフランジ部5bがホルダ4を受ける接触面積が大きくなり、ガソリン側Gの高圧に対してがたつかず姿勢が安定し、安定した耐圧性を発揮する。
【0037】
ホルダ4は、変形しない高剛性の材料を用いることがよく、耐久性等を考慮してSUSが好適に用いられる。
【0038】
高剛性シール3は、ホルダ4の環状溝7内に配置される。高剛性シール3は、内径側の樹脂リング(第2シール部材)8と、樹脂リング8の外径側の背面と環状溝7の溝底との間に配置されるOリング(第1付勢部材)9と、からなる。
【0039】
樹脂リング8は、Oリング9によって外径側の背面を押圧されて、プランジャ40表面に摺動自在に密封接触する。樹脂リング8は、耐圧性を有する高剛性の材料を用いることが望ましく、高剛性かつ低摩擦性を有するPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)が好適に用いられる。
【0040】
Oリング9は、樹脂リング8よりも一回り大きく、収縮力で内径側の樹脂リング8をプランジャ40表面に付勢する。Oリング9は、例えばPTFE製の樹脂リングのクリープ特性を補う弾性体材料を用いることが望ましく、耐クリープ性や耐ガソリン性に優れる特殊フッ素系ゴム状弾性体材料が好適に用いられる。
【0041】
高剛性シール3が、ホルダ4の環状溝7内に配置されているので、ホルダ4(特にホルダ4の径方向長さ)の設計によって高剛性シール3の樹脂リング8のはみ出し隙間を小さくでき、樹脂リング8のはみ出しを防止できる。
【0042】
以上の本実施形態の密封装置1では、ホルダ4の環状溝7内に高剛性シール3が保持されるので、オイルシール2の金属環5の内向きフランジ部5bの内径先端とプランジャ40表面との間の距離、高剛性シール3のガソリン側Gで高剛性シール3の位置を規制するように内側に突出したシリンダ30内周とプランジャ40表面との間の距離が設計の都合上縮小できない場合であっても、ホルダ4の径方向長さを適切に設定することで、高剛性シール3のはみ出しを防止することができる。
【0043】
高剛性シール3が保持されるホルダ4の環状溝7は一定形状であるので、高剛性シール3は環状溝7に配置できる設計であれば良く、高剛性シール3の設計が容易であり、設計の自由度を広げることができる。
【0044】
(第2実施形態)
次に第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態では第1実施形態と異なる点を説明し、その他第1実施形態と同構成については同符号を付して説明を省略する。第2実施形態に係る密封装置を示す半断面図を図2に示す。第1実施形態の密封装置であると、
(1)ホルダ4のシリンダ30内周への圧入時にシリンダ30を傷つけてしまうおそれがある。
(2)ホルダ4をシリンダ30内周へ強い力で押し込む圧入工程が必要となり、工程数が増加するし、圧入のための機材も必要となってしまう。
(3)第1実施形態の密封装置1ではホルダ4外周とシリンダ30内周とが接触した部分からガソリンの漏れを生じるおそれがある。
といった問題があったため、第2実施形態の密封装置1では、外径がシリンダ30内周の径よりも小さいホルダ4の外周にOリング11を配置する構成として問題を解消した。
【0045】
すなわち、ホルダ4の外径を、シリンダ30内周の径よりも小さく、ある程度の隙間S1を空けることで、ホルダ4は強い力で圧入せずともシリンダ30内へ挿入できるようにした。よって、ホルダ4の圧入が必要無く、圧入時にホルダ4でシリンダ30内周を傷つけることはない。また。ホルダ4の圧入工程も必要なく、圧入のための機材も必要ない。
【0046】
また、ホルダ4のシリンダ30内周に対向する面に環状溝(第2環状溝)10を形成し、環状溝10には、シール性に優れるフッ素系ゴム等のゴム状弾性体製のOリング(第1シールリング)11が配置し、Oリング11にて、ホルダ4外周とシリンダ30内周の間を密封する。よって、ホルダ4外周とシリンダ30内周との間からガソリンが漏れることはない。尚、本実施形態ではOリング11を用いたが、密封可能であれば形状は限定されないので、例えばDリング、Xリング、Uパッキン等も用いることができる。
【0047】
以上の本実施形態の密封装置1では、ホルダ4の環状溝7内に高剛性シール3が保持されるので、オイルシール2の金属環5の内向きフランジ部5bの内径先端とプランジャ40表面との間の距離、高剛性シール3のガソリン側Gで高剛性シール3の位置を規制するように内側に突出したシリンダ30内周とプランジャ40表面との間の距離が設計の都合上縮小できない場合であっても、ホルダ4の径方向長さを適切に設定することで、樹脂リング8のはみ出し隙間及びホルダ4外周とシリンダ30内周との隙間を狭くでき、高剛性シール3のはみ出しを防止することができる。
【0048】
(第3実施形態)
次に第3実施形態を説明する。なお、第3実施形態では第1実施形態と異なる点を説明し、その他第1実施形態と同構成については同符号を付して説明を省略する。第3実施形態の密封装置1は、第2実施形態の密封装置1に対して、ガソリン側Gのシールのプランジャ40に対する密封性を向上させると共に低フリクション化を図ることを目的として、ガソリン側Gに、ホルダ4を用いず、樹脂シール体13が大部分を占める高剛性シール12を用いる構成とした。
【0049】
図3は第3実施形態に係る密封装置を示す半断面図である。図3において、密封装置1は、エンジンオイル側Eを密封するオイルシール(第1シール部)2と、ガソリン側Gを密封する高剛性シール(第3シール部)12と、を備える。
【0050】
オイルシール2の金属環5における内向きフランジ部5bは、第1実施形態と同様に長く、内向きフランジ部5bで隣接する樹脂シール体13を受ける部分が増加しており、ガソリン側Gの高圧に対する耐圧性が向上する。
【0051】
高剛性シール12は、オイルシール2のガソリン側Gに隣接配置される。高剛性シール12は、高剛性シール12の大部分を占める樹脂シール体(第3シール部材)13と、樹脂シール体13に組み込まれるコイルスプリング(第2付勢部材)14と、樹脂シール体13の外周とシリンダ30内周との間を密封するOリング(第2シールリング)15と、から構成される。
【0052】
樹脂シール体13がオイルシール2に隣接するので、密封装置1の軸方向の小型化が図れる。樹脂シール体13は、耐圧性を有する高剛性の材料を用いることが望ましく、高剛性かつ低摩擦性を有するPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)が好適に用いられる。
【0053】
樹脂シール体13は、断面矩形の環状であり、プランジャ40表面に対向する内周側にシールリップ部16が形成されている。シールリップ部16は、コイルスプリング14によって外径側の背面を押圧されて、プランジャ40表面に摺動自在に密封接触する。
【0054】
樹脂シール体13のシールリップ部16は、樹脂シール体13のガソリン側壁面から掘り込まれた横溝17が外径側の背面に設けられている。シールリップ部16は、横溝17が背面に存在することによって、樹脂シール体13のエンジンオイル側Eからガソリン側Gかつプランジャ40表面へ延びる断面楔形状となっており、先端部に形成された角をプランジャ40表面に接触させる。
【0055】
横溝17には、シールリップ部16に緊迫力を付与するコイルスプリング14が配置されている。尚、本実施形態ではコイルスプリング14を用いたが、樹脂シール体13のシールリップ部16を付勢できる部材であれば限定されないので、例えば図4に示すように断面V字状に折り曲げられた板バネ21やその他Oリング等も用いることができる。
【0056】
また、樹脂シール体13のシリンダ30内周に対向する面に環状溝(第3環状溝)18が形成されている。環状溝18には、シール性に優れるフッ素系ゴム等のゴム状弾性体製のOリング15が配置されている。Oリング15は、樹脂シール体13外周とシリンダ30内周の間を密封する。よって、樹脂シール体13外周とシリンダ30内周との間からガソリンが漏れることはない。尚、本実施形態ではOリング15を用いたが、密封可能であれば形状は限定されないので、例えばDリング、Xリング、Uパッキン等も用いることができる。
【0057】
樹脂シール体13の環状溝18の隣のエンジンオイル側外径19は、シリンダ30内周の径よりも大きく、つぶし代を有しており、樹脂シール体13がシリンダ30内周に嵌合される。よって、樹脂シール体13は、嵌合によって固定されることで、姿勢が安定し、シリンダ30内でガタツクことが防止できる。
【0058】
樹脂シール体13の環状溝18の隣のガソリン側外径20は、シリンダ30内周の径よりも小さく、ある程度の隙間S2が空いており、ガソリン側Gの高圧を環状溝18へ導入できるようになっている。よって、ガソリン側Gの高圧が環状溝18内に配置されたOリング15に作用し、Oリング15は高圧を受けて環状溝18内のエンジンオイル側Eに寄せられ押し付けられてシール性を向上する。
【0059】
樹脂シール体13のエンジンオイル側壁面13aは、オイルシール2の金属環5の内向きフランジ部5bに接触する面であり、径方向に一直線に延びている。よって、同様に径方向に一直線に延びる内向きフランジ部5bが樹脂シール体13を受ける接触面積が大きくなり、ガソリン側Gの高圧に対してがたつかず姿勢が安定し、安定した耐圧性を発揮する。
【0060】
以上の本実施形態の密封装置1では、高剛性シール12においてシリンダ30内周からプランジャ40表面までの径方向長さを有する樹脂シール体13のシールリップ部16でシールを行うので、オイルシール2の金属環5の内向きフランジ部5bの内径先端とプランジャ40表面との間の距離、高剛性シール12のガソリン側Gで高剛性シール12の位置を規制するように内側に突出したシリンダ30内周とプランジャ40表面との間の距離が設計の都合上縮小できない場合であっても、樹脂シール体13の径方向長さを適切に設定することで、高剛性シール12のはみ出しを防止することができる。
【0061】
樹脂シール体13がシリンダ30内周からプランジャ40表面までの径方向長さを有しており、樹脂シール体13だけで高剛性シール12の形状が定まるので、樹脂シール体13を設置スペース内に配置できる設計であれば良く、樹脂シール体13の設計が容易であり、設計の自由度を広げることができる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、高圧に対応し、且つ、良好なシール性を発揮し、設計容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る密封装置を示す半断面図である。
【図2】第2実施形態に係る密封装置を示す半断面図である。
【図3】第3実施形態に係る密封装置を示す半断面図である。
【図4】第3実施形態に係る密封装置の他の例を示す半断面図である。
【図5】従来の密封装置を示す半断面図である。
【図6】従来の高圧に対応した密封装置を示す半断面図である。
【図7】従来の高圧に対応した密封装置の課題を示す半断面図である。
【符号の説明】
1 密封装置
2 オイルシール
3 高剛性シール
4 ホルダ
4a エンジンオイル側壁面
5 金属環
5a 軸方向部
5b フランジ部
6 シールリップ
7 環状溝
8 樹脂リング
9 Oリング
10 環状溝
11 Oリング
12 高剛性シール
13 樹脂シール体
13a エンジンオイル側壁面
14 コイルスプリング
15 Oリング
16 シールリップ部
17 横溝
18 環状溝
19 エンジンオイル側外径
20 ガソリン側外径
21 板バネ
30 シリンダ
40 プランジャ

Claims (6)

  1. 直噴用ガソリンエンジンのポンプに用いられ、往復移動するプランジャと前記プランジャ周りを囲むシリンダとの間に形成される環状隙間をオイル側と高圧となる燃料側とに隔てて密封する密封装置であって、
    前記シリンダ内周に固定される剛性部材と該剛性部材に取り付けられて前記プランジャ表面に摺動自在に密封接触するシールリップとを有し、オイル側を密封するオイル側シール部と、
    オイル側シール部の燃料側に隣接配置され、前記プランジャ表面に対向する面に第1環状溝が形成された保持部材と、
    前記プランジャ表面に摺動自在に密封接触する樹脂リングと該樹脂リングを前記プランジャ表面に付勢する付勢部材とから構成され、前記保持部材の前記第1環状溝内に配置され、燃料側を密封する燃料側シール部と、を備えたことを特徴とする密封装置。
  2. 前記保持部材には、前記シリンダ内周に対向する面に第2環状溝が形成され、密封装置は、前記第2環状溝内に配置されるシールリングを有することを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
  3. 直噴用ガソリンエンジンのポンプに用いられ、往復移動するプランジャと前記プランジャ周りを囲むシリンダとの間に形成される環状隙間をオイル側と高圧となる燃料側とに隔てて密封する密封装置であって、
    前記シリンダ内周に固定される剛性部材と該剛性部材に取り付けられて前記プランジャ表面に摺動自在に密封接触するシールリップとを有し、オイル側を密封するオイル側シール部と、
    前記プランジャ表面に摺動自在に密封接触するシールリップ部及び前記シリンダ内周に対向する面に形成された環状溝が設けられて前記オイル側シール部の燃料側に隣接配置され、かつ前記シリンダ内周に固定される樹脂シール体と、該樹脂シール体に組み込まれて前記樹脂シール体のシールリップ部を前記プランジャ表面に付勢する付勢部材と前記樹脂シール体の環状溝に配置されるシールリングとから構成され、燃料側を密封する燃料側シール部と、を備えたことを特徴とする密封装置。
  4. 前記オイル側シール部の前記剛性部材は、金属製であり、前記シリンダ内周に金属嵌合することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の密封装置。
  5. 前記オイル側シール部の前記剛性部材は、前記シリンダ内周に固定される軸方向部と該軸方向部の燃料側端から前記プランジャ方向へ延びる内向きフランジ部とを有し、該内向きフランジ部の前記プランジャ側の先端を前記プランジャ表面に近づけたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の密封装置。
  6. 前記オイル側シール部の前記剛性部材は、前記シリンダ内周に固定される軸方向部と該軸方向部の燃料側端から前記プランジャ方向へ延びる内向きフランジ部とを有し、該内向きフランジ部は径方向に一直線に延びており、前記オイル側シール部の燃料側に隣接配置される部材の前記内向きフランジ部に接触する接触面も径方向に一直線に延びていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の密封装置。
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