JP4066046B2 - 医療用包帯製品で使用するニット基材、包帯製品およびその製造方法 - Google Patents

Description

本発明は一般的に整形外科医療の分野に関し、さらに特定すれば改良された医療用包帯製品と、縦編み（ワープニット）された双ニット布基材を含んだ材料のデザインと、そのような改良包帯製品の製造方法と、改良包帯製品の使用方法とに関する。

骨折等の身体部位の固定を必要とする怪我の治療で使用する医療用包帯は一般的には身体部位に巻き付けられた後に剛構造を提供するように硬化する物質で含浸された長形布または粗目布で形成される。この目的で使用される硬化物質は伝統的には石膏である。

従来の方法はギブスまたは副木を負傷した手足に押し当てるものであった。まず腕または脚部に綿布等の保護カバーを押し当て、適用直前に水に浸した石膏含浸織布でカバーを巻き付けるものであった。この方法は現在でも多用されているが、いくつかの欠点を有している。例えば、この方法は面倒であり、長い時間を要する。さらには、いくつもの部材が必要であり、相当な技術も要求される。

従来技術の弱点を補うために一体型副木が考案され、例えば米国特許第３９０００２４号、第３９２３０４９号および第４２３５２２８号等で開示されている。これら発明は石膏が含浸された複数の層を備えたパッド材料を提供する。このような一体型副木材料の利用はさほど面倒ではなく、適用時間も短縮される。しかし石膏の利用による本質的な弱点は解消されていない。石膏副木は重量に比して比較的に脆いため、仕上がった副木は重くて嵩張る。石膏副木は硬化が遅く、２４時間から７２時間かけて最強の状態となる。石膏は水中で砕けるので水泳やシャワーは困難である。それらによる湿潤が回避されたとしても長期の使用による発汗等で石膏は脆くなり、悪臭や痒みの問題も発生する。

ギブスや副木の重要な改良は米国特許第４４１１２６２号と第４５０２４７９号で開示されている。開示されている副木材料は包帯材料を含んでいる。包帯材料は湿気硬化性樹脂で含浸されたグラスファイバ等の複数のフレキシブルな布層で形成された基材を利用している。これら包帯材料は使用時まで防湿パッケージに収納されている。石膏と較べてこれら製品は非常に軽量であり、重量当りの強度が高く、多孔質とすることができ、通気にも優れている。しかし、単布層の基材で形成され、強度が高く、多層基材と遜色のない多量の湿気硬化性樹脂を含浸できる湿気硬化樹脂のものは開示されていない。

米国特許第４７７０２９９号と第５００３９７０号等は必要な量だけ利用でき、残りを密封状態で保管することができるロール状の包帯製品を開示している。類似した製品としては、１回用としてカット済みであり、防湿容器に収納された形態で販売されているものが存在する。これら製品は非常に有用ではあるものの、いずれも複数層の基材材料で形成されている。

従来の石膏ギブス並びに近年の湿気硬化性樹脂含浸副木の両方とも弱点を有している。石膏ギブスは嵩張り、重くて適用が困難である。湿気硬化性樹脂含浸包帯製品は軽量であって比較的に利用が容易ではあるが高価である。

本発明は石膏と湿気硬化性樹脂の利点を組み合わせたものであり、それらの弱点を克服している。この克服は軽量であって強度が増した樹脂含浸基材で形成された湿気硬化性樹脂材料を使用する一体型副木製品で達成される。複数の樹脂含浸基材層を使用する従来の樹脂製品とは異なり、本発明の樹脂製品は単層の縦編み布を利用する。このユニークな基材布は連続内縫いを採用している。この構造によって双ニット布となっており、軽量ではあるが多層基材の吸収性を維持する。基材に単層の双ニット布を使用することで他の剛質副木製品と比べて製造コストが低減される。例えば、従来の多層基材の製造には従業員による重合せ布層の配置が必要であり、手間がかかる。これら布層を分離させないためには基材全体を通して縫合処理が必要である。単層基材の使用によってそれらの手間を省くことができ、低コストでの製造が可能になる。

多層構造の回避によって従来技術による硬化基材の粗縁部も取り除かれる。解れた縁部は多層の従来包帯製品においては一般的であり、樹脂の最終硬化後に問題化する。この粗縁部は着用患者に不快感を与える。一方、本発明の基材は滑らかな縁部を提供する。この新規な構造によって、従来製品よりも軽量であって丈夫であり、廉価な湿気硬化性樹脂含浸医療用包帯製品が提供される。

本発明の１目的は、湿気に触れることで包帯材料を硬化させて剛質構造を提供することができ、充分な量の湿気硬化性樹脂を吸収することができる単層の双ニット布を含んだ医療用材料を有した医療用包帯製品の提供である。

本発明の別目的は、硬化前のフレキシビリティは損なわず、樹脂硬化後に包帯材料に対して増強された強度を提供するニット構造を有した樹脂含浸基材による医療用包帯材料を含んだ医療用包帯製品の提供である。

本発明の別目的は、望む長さで引き出すことができ、残りの材料の硬化を防止することができる医療用包帯材料の提供である。

本発明の別目的は、従来の石膏または湿気硬化性樹脂を使用する副木よりも軽量であって嵩張らず、重量に比して相対的に頑丈な樹脂含浸基材を含んだ医療用材料を利用する医療用包帯材料の提供である。

本発明の別目的は、単層の双ニット布で形成し、従来の多層湿気硬化性基材が硬化後に形成する粗縁部を形成させない基材を使用する医療用包帯材料を利用する医療用包帯製品の提供である。

本発明の別目的は、使用時にまで製品の硬化を防止する防湿パッケージにそれぞれ封入されたカット済み医療用包帯製品の提供である。

本発明の別目的は、多層基材を使用する従来の包帯製品よりも低コストで製造できる医療用包帯製品の提供である。

本発明のこれらおよび他の目的は、医療用に適した所定の長さを有した医療用包帯製品を提供する以下にて解説する好適実施例により達成される。その医療用包帯製品は湿気の侵入を防止するように密封できる防湿材料で形成された容器を含む。この医療用包帯材料はその容器に入れられて使用時まで密封される。この医療用包帯製品は三次元構造を提供する複数の相互連結ニット布を有した単体である一体型ニット布層で形成された基材を含んでいる。反応樹脂はこの基材中に含浸され、あるいは表面にコーティングされる。反応樹脂は無湿気状態では安定しており、湿気に触れると硬化して三次元の剛質構造を形成する。ソフトでフレキシブルな保護包装材が基材を包んでおり、使用時に基材と患者の皮膚との間のクッションの役目を果たす。

本発明の１好適実施例では、防湿材料はアルミホイル積層体であり、外側耐久層、中央アルミホイル層および内側熱溶着性プラスチック層を含んでいる。

本発明の別好適実施例では、保護包装材は不織布である。

本発明の別好適実施例では、保護包装材は不織ポリプロピレンシートであり、縦方向に真中で折られて基材を包む封筒型である。

本発明の別好適実施例では、反応性樹脂はポリイソシアネート、ポリオール、触媒および安定剤のブレンドで合成さたものである。

本発明の別好適実施例では、医療用包帯製品はロール状にて提供され、医療用に適した所定の長さで引き出される。この医療用包帯製品は防湿材で形成され、密封できる封筒型スリーブを含んでいる。長形包帯材料は実質的にスリーブと同一の長さであり、スリーブの縦方向でスリーブ内に配置され、使用時まで密封される。医療用包帯材料は三次元構造を提供する複数の相互連結されたニット布層を有した単体の一体型ニット布シートで形成された基材を含んでいる。反応性樹脂は基材に含浸またはコーティングされる。この反応性樹脂は無湿気状態では安定しており、湿気に触れて硬化し、基材の三次元構造と協調して三次元剛体構造を提供する。ソフトでフレキシブルな包装材は縦方向に基材を包み、使用時に基材と患者の皮膚との間にクッションを提供する。医療用包帯材料は包装材中に収容され、望む長さだけスリーブから排出される。スリーブは湿気の侵入を防止するために再密封される。

本発明の別好適実施例では、医療用包帯材料はスリーブ内に残る基材の硬化を防止するために所定の長さの包帯材料が排出された後にスリーブを再密封する再密封手段を含んでいる。

本発明の別好適実施例では、スリーブの再密封手段は閉じられたスリーブの折り端を密閉保持するテープ、締付けクランプおよびクリップから選択される。

本発明の別好適実施例では、スリーブと医療用包帯材料はコイル状で提供され、ロール形態の医療用包帯製品を提供する。

本発明の別好適実施例では、コイル状の医療用包帯製品はコイルを収容するディスペンサを含んでいる。

本発明の別好適実施例では、ディスペンサはコイルを収容する収容具を含んでいる。収容具は引出口を有している。引出口にコイルの先端が挿入され、スリーブと医療用包帯が必要量だけ引き出される。

本発明の医療用包帯製品の製造方法の１実施例は、長形の防湿スリーブと保護包装材に包まれた基材で形成された長形の医療用包帯材料とを提供するステップを含んでいる。基材は複数の相互連結されて三次元構造を提供する布層を有した単体の一体型ニット布シートで形成される。この方法はさらに、基材を反応性樹脂で含浸またはコーティングするステップを含んでいる。反応性樹脂は無湿気状態では安定しており、湿気に触れると硬化して剛質構造を提供する。医療用包帯材料は長形スリーブ内に収容される。長形医療用包帯材料は一般的にスリーブと同一の長さであり、単層状態にてスリーブ内に収容され、スリーブはシールされて使用時まで湿気の侵入が阻止される。

本発明の１好適実施例では、製造方法は防湿スリーブと、保護包装材に包まれる基材とを提供するステップを含んでいる。基材は複数の重なったニット布糸で構成された単体の一体型ニット布シートで形成され、三次元構造を提供する。製造方法はさらに、乾燥状態では安定しており、湿気と接触することで硬化して剛質構造を提供する反応性樹脂で基材を含浸またはコーティングするステップを含んでいる。コーティングまたは含浸された基材は保護包装材内に収容されて医療用包帯材料を提供する。一般的にスリーブと同一の長さである包帯材料はスリーブ内に単層で収容され、スリーブに沿って延びる。スリーブは密封され、湿気の侵入を防ぐ。

本発明の別好適実施例では、製造方法は所定の長さの包帯材料が使用された後にスリーブ内の残りの基材が硬化するのを防止するためにスリーブを再密封する手段を提供するステップを含んでいる。

本発明の別好適実施例では、製造方法はスリーブを医療用包帯材料と共に巻上げてコイル状にするステップを含んでいる。

本発明の別好適実施例では、製造方法はコイルをディスペンサ内に収容するステップを含んでいる。

本発明は別実施例では、ディスペンサは排出口を有して所定の長さの医療用包帯材料を排出させる箱体である。

本発明の方法の別実施例は医療用包帯製品の利用方法を示す。この利用方法は包装体と医療用包帯材料を提供するステップを含んでいる。医療用包帯材料は保護包装材内に収容される基材を含んでいる。基材は重ねられて三次元構造を提供する複数の布層で成る単体の一体型ニット布シートを含んでいる。反応性樹脂が基材に含浸またはコーティングされている。反応性樹脂は乾燥状態では安定しており、湿気と接触して硬化し、剛質構造を提供するものである。この利用方法は長形スリーブ内に長形医療用包帯材料を収納させ、スリーブを密閉して使用時まで湿気の侵入を防止し、使用直前にスリーブから医療用包帯材料を取り出して基材を水で湿らせて反応性樹脂を活性開始させ、医療用包帯材料を患者の対象部位に適用するステップをさらに含んでいる。

医療用包帯製品を利用する方法の１好適実施例は患者の対象部位に適用された医療用包帯材料を包帯で巻いて締め付け、湿気硬化性樹脂の硬化中に患者の身体に密着させておくステップを含んでいる。

本発明の目的の一部は前述した。他の目的と利点とは図面を利用した以下の詳細な説明で明らかとなろう。本発明の１実施例による医療用包帯製品１０は図１に示されている。

医療用包帯製品１０は２枚の積層シート１２と１３で形成された防湿パッケージ１１を含んでいる。積層シート１２と１３は重ね合わせられて縁部１４と１５に沿って熱溶着されている。図２と図３で示すように包帯製品１０は使用時までパッケージ１１内に乾燥状態で収納される医療用包帯２０を含んでいる。医療用包帯２０は基材２１を含んでいる。基材２１はポリプロピレンまたは他の適当な疎水性繊維のごときソフトでフレキシブルな不織布で形成された外側カバー２２内に収納されている。外側カバー２２内に基材２１を収納することで医療用包帯２０が使用された後に患者と基材２１との間にクッション性保護層が提供される。図８から図１２にかけて詳述するように、基材２１は単層である比較的に粗くニットされたグラスファイバのごとき素材の布で形成される。

パッケージ１１は外側層、中央層および内側層を含んでいる。外側層は好適には頑丈な保護プラスチックフィルムである。中央層は好適にはアルミホイルであり、パッケージ１１内に保存されている包帯２０を湿気から保護する防湿バリヤとして作用する。内側層は好適には防湿のためにパッケージ１１の内側を熱溶着シールすることができる熱特性を有したプラスチックフィルムで形成される。

図４には本発明の別実施例による医療用包帯製品３０が図示されている。包帯製品３０は、例えば２４フィート等の便利な長さで販売され、適当なディスペンサ３１内にコイル状に収納されている。ディスペンサ３１には排出スリット３２が下側縁部あたりに提供されており、そこを通して包帯製品３０の先端３３がＤ方向に排出される。

図５にて示される包帯製品３０は長形医療用包帯材料３５を含んでいる。包帯材料３５はホイルスリーブ３６内に乾燥状態で収容されている。スリーブ３６は２枚の積層された長形ホイルシート３６Ａと３６Ｂで形成される。シート３６Ａと３６Ｂは重ねられ、側縁３７Ａと３７Ｂに沿って熱溶着シールされており、開口端３８を有した筒状となっている。それぞれのシート３６Ａと３６Ｂは同一素材で提供され、パッケージ１１と同一の素材で成る。包帯材料３５は基材３９を含んでいる。基材３９は図５と図６で示すようにカバー１２と同じ素材で形成された筒状包装体４０に収容されている。包装体４０内に基材３９を収容することで包帯材料３５が使用される際に基材３９から患者の皮膚を保護するクッション性が付与される。以下で図７から図９を使用して詳細に説明するように基材３９は単層のニットされた比較的に粗いグラスファイバ等の布で形成される。これは基材２１の構造と同じである。基材２１または３９をポリエステルまたはポリプロピレンで提供することもできる。

図７から図９にかけては基材２１と３９の提供に適した構造が示されている。本発明の基材は好適には３本のガイドバーを使用する縦編機でニットされる。これらガイドバーは図７において前方ガイドバー、中央ガイドバーおよび後方ガイドバーとして縫製パターン図に図示されている。基材２１を代表で使用した図７は基材２１を提供する好適な縫製パターンを示している。ここでは３本の糸２１Ａ、２１Ｂおよび２１Ｃが使用されている。糸２１Ａは前方ガイドバー上に提供され、数字（０-２/２-４）で示すように連続線上で非隣接式に前後移動する。糸２１Ｂと２１Ｃもそれぞれ中央ガイドバーと後方ガイドバー上に提供され、数字（０-０/４-４/８-８/４-４）と（６-８/０２）で示すように同様な前後移動を行う。

糸２１Ａ、２１Ｂおよび２１Ｃはそれぞれ前方ガイドバー、中央ガイドバーおよび後方ガイドバー上で連続的にニットされ、適量の樹脂を吸収できる三次元構造を提供する。インチ当りの縫製数に限定はないが、好適な縫製数はインチ当り８本である。あるいは、１０ｃｍ当り３１.４９本である。好適な範囲はインチ当り４から３０本、あるいは１０ｃｍ当り３１.４９から４７.２４本である。好適なうね数はインチ当り１０であり、あるいは１０ｃｍ当り３９.３７であり、好適範囲はインチ当り６から１２あるいは１０ｃｍ当り２３.６２から４７.２４である。図８と図９は図７のニット処理完了後の基材の上下面の写真図である。

糸２１Ａ、２１Ｂおよび２１Ｃの提供に使用される好適な素材は出願人がＯＲＴＨＯＧＬＡＳＳパッド式副木材料で使用するグラスファイバである。特に、それぞれの糸２１Ａ、２１Ｂおよび２１Ｃは好適には１４０ＴexのマルチフィラメントＥＣ９ガラス糸で撚られたものである。好適範囲は６８Ｔexから１５６Ｔexであり、１３６Ｔexの平坦マルチフィラメントＥＣ９ガラス糸であり、好適範囲は６８Ｔexから１５６Ｔexである。布の幅は問わないが、便利なサイズは２.５ｃｍから１５.０ｃｍであり、２.５ｃｍずつ増加するサイズである。布の最終重量は好適には１,７５０ｇ/ｍ²であり、好適には８００ｇ/ｍ²から３,０００ｇ/ｍ²である。布の最終厚は好適には５.０ｍｍであり、好適範囲は２.０ｍｍから１０.０ｍｍである。

基材２１または３９の製造に使用される布に適した他の材料には、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化硼素の組成物であり、サーモスタチックインダストリ社がＮＥＸＴＥＬ４４０として販売する材料が含まれる。

基材２１と３９はそれぞれ反応性樹脂で含浸またはコーティングされる。反応性樹脂は乾燥状態では安定しており、湿気と接触して硬化して剛質構造を提供するものである。典型的な反応性樹脂は次のものである。

典型的反応性樹脂
イソネート ↓ １４３Ｌ または
モンデゥル ↓ ＣＤ または ポリイソシアネート ５０.０％
ルビネート ↓ ＸＩ１６８
プルラコール↓ Ｐ１０１０ ポリオール ４６.６％

ＤＣ-２００ シリコン 消泡剤 ０.３０％

塩化ベンゾイル 安定剤 ０.１０％

タンキャット↓ ＤＭ-７０ 触媒 ３.０％
合計 １００％
この反応性樹脂の完全なパラメータ、製造方法その他のデータは米国特許第４４１１２６２号にて記載されている。この反応性樹脂が含浸された後の基材２１または３９の重量は好適には３１４４ｇ/ｍであり、好適範囲は２４９０ｇ/ｍから４５３４ｇ/ｍである。硬化後の樹脂含浸基材２１または３９の最終重量は好適には３１６８ｇ/ｍであり、好適範囲は３０００ｇ/ｍから４６００ｇ/ｍである。

図１０と図１１には別例の医療用包帯製品６０が図示されている。包帯製品６０は防湿ホイルバッグ６１を含んでいる。バッグ６１内には望む長さのコイル状医療用包帯材料７０が収納されている。コイル状包帯材料７０は包帯材料２５と同じ部材を含み、同じ素材で提供されている。ホイルバッグ６１は前述のパッケージ１１とスリーブ３６と同じ積層ホイル材料で製造されている。図１１で示すように、バッグ６１は拡張された包装体６４を含んでおり、その内部に医療用包帯材料７０が収容される。バッグ６１はさらに長形のスリーブ６６を含んでいる。図１０で示すスリーブ６６は開口端６７を有しており、医療用包帯材料７０の先端７１を通している。バッグ６１は医療用包帯材料７０を比較的に密着して収納しており、包帯材料７０が開口端６７から排出されるときにバッグ６１内に湿気を侵入させない。スリーブ６８の開口端６７はクランプ７５等で密閉される。

図１２には包帯製品６０が適当なディスペンサ８０内に収容されている状態が図示されている。ディスペンサ８０は図４のディスペンサ３１と同様に排出スリット８２が提供されており、包帯製品６０のスリーブ６６の先端部６７を通している。

図１３と図１４には別例の密閉手段が図示されている。これはスリーブ６６の先端部６７の密閉に使用できる。必ずしも図１３にて示す密閉手段７６や図１４で示す密閉手段７７である必要はない。クランプ７５や密閉手段７６および型７７は図５で示す医療用包帯製品３０のスリーブ３６の開口端３８の密閉にも使用できる。

他のタイプの密閉機構でもスリーブ３６や６６の密閉に使用できる。例えば、スリーブ３６または６６の折り曲げられた先端部を保持するクリップでもよい。柔軟で便利なガスケットタイプの器具でも利用できる。そのような器具は充分に強力なバネ式のレバークランプまたはネジ式の器具でも構わず、スリーブ３６または６６への湿気の侵入を防止するものであればよい。スリーブ３６または６６を密閉する別の適した器具は対状態のバネ式ローラである。そのようなローラは押えられると多少後方にスライドするものである。その構造によって医療用包帯材料３５と７０はそれぞれのスリーブ３６または６６内に押し戻され、優れた密閉が提供される。別の密閉手段は医療用包帯材料３５と７０をそれぞれのスリーブ３６と６６内に充分に押し込み（約１インチ）、開口部３７と６７を熱溶着させるものである。

図１５から図１９では本発明の医療用包帯材料の適用法が図示されている。図１５で示すように医療用包帯材料３５はまず計測され、鋏またはナイフで切断される。適当な長さの材料３５が切断されるとスリーブ３６は直ちに密閉され、残りの包帯材料を乾燥状態に保つ。図１２と図１３を参照。

図１６で示すように樹脂の湿潤硬化は医療用包帯材料３５を水中に浸すことで活性化される。樹脂硬化は包帯材料３５に水を噴霧することでも可能である。余分な水分は絞ったり、タオルで拭き取る。図１７で示すように、硬化速度は遅いが空中の湿気によっても硬化させることは可能である。

図１８と図１９で示す副木は脹脛副木であり、患者の脹脛に沿って医療用包帯３５を成型することで提供される。図１８で示すように、適当な長さの湿潤処理された医療用包帯材料３５がまず患者の固定対象部位の形状に則して成型される。医療用包帯３５が成型されると、医療用包帯３５は図１９にて示すように通常の包帯で巻かれて患部に対して締め付けられる。

医療用包帯製品３０の医療用包帯材料３５は図１８と図１９で脹脛副木として示されているが、医療用包帯製品１０、３０あるいは６０はどのような患者の固定対象部位にも利用できよう。

以上、本発明の医療用包帯製品と湿気硬化性樹脂材料、それらの製造方法、および適用方法を説明した。本発明のスコープ内でのそれらの変更は可能である。

図１は本発明の１好適実施例による医療用包帯製品の斜視図である。 図２は図１の医療用包帯製品の切欠き斜視図である。 図３は図１の包帯材料の３-３線に沿った断面図である。 図４は本発明の別好適実施例による医療用包帯製品の斜視図である。 図５は図４の医療用包帯材料の一部を示す切欠き斜視図である。 図６は図５の包帯材料の６-６線に沿った断面図である。 図７は本発明の基材の形成に使用される縫製パターンを示す縫製パターン図である。 図８は本発明の基材の１例を示す写真であり、基材の表面が示されている。 図９は本発明の基材を示す写真であり、基材の裏面が示されている。 図１０は本発明の別実施例の医療用包帯製品の斜視図である。 図１１は図１０で示される医療用包帯製品の垂直断面図である。 図１２は箱型ディスペンサ内に収容された状態の図１０で示す医療用包帯製品の斜視図であり、スリーブの再密封手段の１好適実施例が示されている。 図１３は別例の密封手段を有した医療用包帯製品の１実施例を示す部分斜視図である。 図１４は図１３の医療用包帯製品の斜視図であり、再密封の別好適実施例が示されている。 図１５は本発明による医療用包帯材料の適用準備と適用方法とを図示する斜視図である。 図１６は本発明による医療用包帯材料の適用準備と適用方法とを図示する斜視図である。 図１７は本発明による医療用包帯材料の適用準備と適用方法とを図示する斜視図である。 図１８は本発明による医療用包帯材料の適用準備と適用方法とを図示する斜視図である。 図１９は本発明による医療用包帯材料の適用準備と適用方法とを図示する斜視図である。

Claims (20)

1. 医療用包帯製品であって、
   （ａ）湿気の侵入を防止するように密閉可能な防湿素材で形成された包装体と、
   （ｂ）使用時まで湿気と接触しないように該包装体内に収納されて密封される医療用包帯材料であって、
   （ｉ）複数の相互連結されたニット布を含んで三次元構造を提供している単体の一体型ニット布層を含んだ基材と、
   （ｉｉ）該基材に含浸またはコーティングされる反応性樹脂であって、乾燥状態では安定しており、湿気と接触して硬化し、剛質三次元構造体を提供する反応性樹脂と、
   （ｉｉｉ）前記基材を縦方向に包装し、前記医療用包帯材料の使用時に該基材と患者との間でクッション材を提供するソフトでフレキシブルな保護包装材と、
   を含んで構成される医療用包帯材料と、
   を含んで成ることを特徴とする医療用包帯製品。
2. 防湿素材は、外側保護層と、中央アルミホイル層と、熱溶着性内側プラスチック層とを含んだアルミホイル積層体であることを特徴とする請求項１記載の医療用包帯製品。
3. 基材を包装する保護包装材は不織布であることを特徴とする請求項１または２に記載の医療用包帯製品。
4. 保護包装材は不織ポリプロピレンシートであって、その縦軸に沿って折畳まれており、基材を収納する封筒状に提供されていることを特徴とする請求項１から３のいずれかに記載の医療用包帯製品。
5. 反応性樹脂はポリイソシアネート、ポリオール、触媒及び安定剤のブレンドであることを特徴とする請求項１から４のいずれかに記載の医療用包帯製品。
6. 所定の医療処置に使用する適した長さで排出するようにロール形態で提供される医療用包帯製品であって、
   （ａ）包装体は長形スリーブを含んでおり、
   （ｂ）医療用包帯材料は該長形スリーブと実質的に同じ長さであり、該長形スリーブに包装されて前記包装体に収納されており、該長形スリーブから望む長さで取り出され、該長形スリーブは該包装体内への湿気の侵入を防止するように再密閉できる、
   ことを特徴とする請求項１から５のいずれかに記載の医療用包帯製品。
7. 長形スリーブの再密閉は該長形スリーブの折り曲げられた先端を閉じた状態で保持することができるテープ、クランプまたはクリップで提供されることを特徴とする請求項６記載の医療用包帯製品。
8. 長形スリーブと、該長形スリーブに包装された医療用包帯材料はコイル状にされ、本医療用包帯製品をロール形態としていることを特徴とする請求項６または７に記載の医療用包帯製品。
9. ロール形態の医療用包帯材料を収納するディスペンサを含んで成ることを特徴とする請求項６から８のいずれかに記載の医療用包帯製品。
10. ディスペンサはロール形態の医療用包帯材料を収容する収容体を含んでおり、該収容体は排出スリットを有しており、長形スリーブの先端は該排出スリット内に挿入され、該長形スリーブと、該長形スリーブに包装された医療用包帯材料が必要に応じて引出されることを特徴とする請求項９記載の医療用包帯製品。
11. 医療用包帯製品の製造方法であって、
    （ａ）防湿スリーブと、保護包装材で包装された基材で成る医療用包帯材料とを提供するステップであって、該基材は三次元構造を提供する複数の相互連結された布を有した単体の一体型ニット布を含んでいることを特徴とするステップと、
    （ｂ）該基材に反応性樹脂を含浸またはコーティングするステップであって、該反応性樹脂は乾燥状態では安定しており、湿気に触れて硬化し、剛質三次元構造体を提供することを特徴とするステップと、
    （ｃ）前記スリーブで該スリーブと実質的に等しい長さの前記医療用包帯材料を包装させるステップと、
    （ｄ）該スリーブを密閉して湿気の侵入を防止するステップと、
    を含んで成ることを特徴とする製造方法。
12. 長形のスリーブと長形の医療用包帯材料を提供するステップを含んでいることを特徴とする請求項１１記載の製造方法。
13. 所定の長さの医療用包帯材料が排出された後にスリーブを再密閉するステップを含んでいることを特徴とする請求項１１または１２に記載の製造方法。
14. 医療用包帯材料を包装したスリーブをコイル状に巻上げるステップを含んでいることを特徴とする請求項１１から１３のいずれかに記載の製造方法。
15. コイル状のスリーブをディスペンサに収納するステップを含んでいることを特徴とする請求項１４記載の製造方法。
16. ディスペンサは望む長さの医療用包帯材料を排出させる排出スリットが提供された箱型ディスペンサであることを特徴とする請求項１５記載の製造方法。
17. 所定の適用に適した長さを有した医療用包帯製品であって、
    （ａ）湿気の侵入を防止するように密閉可能な防湿素材で形成された包装体と、
    （ｂ）使用時まで湿気と接触しないように該包装体で包装されて密封される医療用包帯材料であって、
    （ｉ）複数の相互連結されたニット布を含んで三次元構造を提供する単体の一体型ニット布層を含んだ基材と、
    （ｉｉ）該基材に含浸またはコーティングされる反応性樹脂であって、乾燥状態では安定しており、湿気と接触して硬化し、剛質三次元構造体を提供する反応性樹脂と、
    （ｉｉｉ）前記基材を縦方向に包装し、前記医療用包帯材料の使用時に該基材と患者との間でクッション材を提供するソフトでフレキシブルな保護包装材と、
    を含んで構成される医療用包帯材料と、
    を含んで成ることを特徴とする所定長の医療用包帯製品。
18. 所定の適用に適した長さで排出されるようになったロール形態の医療用包帯製品であって、
    （ａ）湿気の侵入を防止するように密閉可能な防湿素材で形成された長形スリーブと、
    （ｂ）使用時まで湿気と接触しないように該長形スリーブで包装されて密封される医療用包帯材料であって、
    （ｉ）複数の相互連結されたニット布を含んで三次元構造体を提供している単体の一体型ニット布シートを含んだ基材と、
    （ｉｉ）該基材に含浸またはコーティングされる反応性樹脂であって、乾燥状態では安定しており、湿気と接触して硬化し、剛質三次元構造体を提供する反応性樹脂と、
    （ｉｉｉ）前記基材を縦方向に包装し、前記医療用包帯材料の使用時に該基材と患者との間でクッション材を提供するソフトでフレキシブルな保護包装材と、
    を含んで構成される医療用包帯材料と、
    を含んで成り、
    前記医療用包帯材料は前記包装体内に収納された状態で前記長形スリーブから望む長さで取り出され、該長形スリーブは湿気の侵入を防止するために再密閉できることを特徴とするロール形態の医療用包帯製品。
19. 医療用包帯製品の製造方法であって、
    （ａ）防湿長形スリーブと、保護包装材で包装された基材で成る長形医療用包帯材料とを提供するステップであって、該基材は三次元構造を提供する複数の相互連結された布を有した単体の一体型ニット布シートを含んでいることを特徴とするステップと、
    （ｂ）該基材に反応性樹脂を含浸またはコーティングするステップであって、該反応性樹脂は乾燥状態では安定しており、湿気に触れて硬化し、剛質三次元構造体を提供することを特徴とするステップと、
    （ｃ）前記長形スリーブで該長形スリーブと実質的に等しい長さの前記長形医療用包帯材料を包装するステップと、
    （ｄ）該長形スリーブを密閉して湿気の侵入を防止するステップと、
    を含んで成ることを特徴とする製造方法。
20. 医療用包帯製品の製造方法であって、
    （ａ）防湿スリーブと、保護包装材で包装された基材を提供するステップであって、該基材は三次元構造を提供する複数の相互連結された布を有した単体の一体型ニット布シートを含んでいることを特徴とするステップと、
    （ｂ）該基材に反応性樹脂を含浸またはコーティングするステップであって、該反応性樹脂は乾燥状態では安定しており、湿気に触れて硬化し、剛質三次元構造体を提供することを特徴とするステップと、
    （ｃ）前記基材を前記保護包装材で包装し、医療用包帯材料を提供するステップと、
    （ｄ）前記スリーブで該スリーブと実質的に等しい長さの前記医療用包帯材料を包装するステップと、
    （ｅ）該スリーブを密閉して湿気の侵入を防止するステップと、
    を含んで成ることを特徴とする製造方法。

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