JP4064787B2 - 光加入者ネットワーク及び加入者宅光回線終端装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はFTTH(Fiber To The Home)/FTTB(Fiber To The Buildings)等の光加入収容システムを構築するための通信事業者や自営通信ネットワークに適用する光加入者ネットワーク及び光加入者ネットワークを構成する加入者宅光回線終端装置(ONU:Optical Network Unit) に関する。
【0002】
近年,光ファイバを用いて加入者の宅内への高速伝送が実現されつつあるが,多重化して双方向に同じ容量を伝送することが望まれている。
【0003】
【従来の技術】
図10は従来例の説明図である。図中,80〜82は光加入者ネットワークを構成し,80はネットワーク(網)側に設けられた多数の加入者を収容する局装置,81は光信号を伝送する光ファイバ,82は各加入者(ユーザ)宅に設けられた加入者宅光回線終端装置(Optical Network Unit:以下,ONUという)である。
【0004】
多数の加入者を収容する局装置80には光ファイバ81により複数の加入者のONU82と接続され,局装置80と複数の加入者(ユーザ)との間で共通の光ファイバ81内を光信号が多重化して双方向の伝送を行っている。
【0005】
このようにネットワーク側に設けられた局装置80とONU82との間を光ファイバを介して信号を多重化して伝送する場合,従来は主に次の▲1▼,▲2▼の方式が知られている。
【0006】
▲1▼同じ波長の光信号のフレームを構成する各時間(タイムスロット)を各加入者に割り当てて多重化するTDM(Time Division Multiplex :時分割多重)伝送方式を用いる。
【0007】
▲2▼異なる波長の複数の光信号を各加入者に割り当てて多重化するWDM(Wave Division Multiplex :波長分割多重) 伝送方式を用いる。
【0008】
また,上記図10に示すネットワークシステムにおいて,加入収容局から遠隔の複数の加入者宅光回線終端装置(ONU)への分岐点までの光ファイバを共用する場合に光スター・カプラを分岐点に配置し,光信号を受動的(電源を持たない)に分岐・合流して各加入者に分配するパッシブ・ダブル・スター(PDSと呼ばれる)伝送方式が利用されるようになっている。
【0009】
一方,加入者を収容するアクセスノード装置と加入者宅に設置されたユーザノード装置とを備え,アクセスノード装置とユーザノード装置との間を一心の光ファイバで双方向伝送する光アクセスシステムにおいて,ユーザノード装置に光源を設けることなく高速で且つ低コスト化を実現するため,アクセスノード装置に無変調光(CW光:Continuous Wave 光) の光源を設け,ユーザノード装置に対してこのCW光を送出し,ユーザノード装置でこのCW光を抽出し,周波数Δfの発振器の出力によりCW光を変調することで光信号の周波数(=波長)をCW光からΔfシフトさせ,そのΔfシフトされたCW光を上りデータで変調してアクセスノード装置に送り返し,アクセスノード装置では周波数Δfだけシフトされた上り信号のみを光フィルタで抽出してユーザノード装置からの信号を受信する方式により,ユーザノード装置側に光源を設ける必要を無くす技術がある(特許文献1参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−118538号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記の▲1▼,▲2▼として挙げた従来の2つの方式には次のような問題があった。
【0012】
▲1▼の時分割伝送では下り(ネットワーク側から各加入者の宅内装置へ向かう伝送)及び上り(各加入者宅内からネットワーク側へ向かう伝送)の何れの伝送についても,タイムスロットを各ユーザ(加入者宅)に割り当てるという時分割技術のため,1ユーザに割り当てられる伝送容量が狭くなる。
【0013】
▲2▼のWDM伝送では,下りの伝送では複数個の異なる波長の信号が各ユーザ宅に送られるので,技術的には全ユーザの情報が各ユーザ宅側で受信することができるため,セキュリティ上の問題がある。また,上りの伝送では,伝送容量の制約は無くなるが,各加入者宅光回線終端装置(Optical Network Unit:ONUと略称される)は,加入者毎に波長を変えて設定する必要がある。また,複数の波長に適用できるものであっても,その何れかを選択調整しなければならない。
【0014】
一方,上記の特許文献1の方式によれば,CW光をΔfシフトさせるために発振器と変調器を設け,CW光を電気信号に変換して変調器で発振器からのΔfの周波数で変調をし,更に電気信号を光信号に変換する必要があり,回路が複雑でありコストがかかるという問題があった。
【0015】
本発明は波長分割多重(WDM)により光ファイバ一芯を使って上り下りで同一伝送容量を確保して加入者宅光回線終端装置(ONU)側の波長選択調整を不要にすることができる光加入者ネットワークを提供することである。また,本発明の他の目的は前記の波長選択調整を不要とした同一構成の加入者宅光回線終端装置(ONU)を提供することである。また,本発明は同一構成の加入者宅光回線終端装置で光ファイバ一芯のPDS(パッシブダブルスター)を構築することも目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は加入者側における上り信号の生成にFWM(Four Wave Mixing:4光波混合) の原理を応用するものである。4光波混合(正確には縮退4光波混合)は,ある波長のプローブ光と所定の波長の励起光(ポンプ光)とを非線形媒体(所定の波長特性を有する光ファイバ等)に通すと,新たな波長の光波(アイドル波)が発生するというものである。
【0017】
図1は本発明の原理説明図であり,A.はFWMの原理を示し,B.は本発明の基本構成を示す。
【0018】
図1のA.には横軸が周波数,縦軸が信号(光)のレベルを表す。FWMとは,ある周波数fCh1 の光信号をプローブ光とし,これより高い周波数fCh2 の光信号をポンプ光(または励起光)として,2つの光信号を非線形媒体(光ファイバ等)に通すと,新たな周波数fCh3 の光波(これをアイドラ光と呼ばれる)が発生することである(4波を使用しないでも発生する)。この時発生するアイドラ光の周波数fCh3 は,fCh3 =2fCh2 −fCh1 の関係を有する。
【0019】
図1のB.において,1は加入者を収容する局に設けられた局装置,2は局装置1と加入者側の設けられ,カプラ及び波長フィルタからなるアレイ導波回折格子部(AWG部) 3間の光ファイバ,3は各加入者側への下りの光信号を分波(フィルタ)し,各ユーザからの上りの光信号を合波(カプラ)するアレイ導波回折格子(AWG:Arrayed Wave Guide) を含むアレイ導波回折格子部(AWG部で表示),4はアレイ導波回折格子部(AWG部)3から各加入者宅光回線終端装置(ONU)までの光ファイバ,5−1〜5−nは各ユーザに対応してそれぞれに設けられた加入者宅光回線終端装置(以下,単にONUという)である。
【0020】
局装置1から光ファイバ2へAWG部3に対し,複数のONU5−1〜5−nのそれぞれに向けたデータを含む複数の波長λ1 〜λn の下り信号(A光という)と共に,上り信号生成用の複数の波長λn+1 〜λ2nの信号(上記図1のA.のプローブ光に対応し,B1光という),及び波長λp の信号(上記図1のA.のポンプ光に対応,B2光という)の3種類の信号が下り方向に送信される。これらの下りの信号は,加入者側のケーブルを分岐する位置に設けられたAWG部3において,内部のフィルタ(図示省略)により各ユーザの加入者宅光回線終端装置(ONU)5−1〜5−nで必要な光波長のみを図1に示すように送信する。すなわち,ONU5−1には波長λ1 ,λn+1 及びλp が出力され,ONU5−2には波長λ2 ,λn+2 及びλp が出力され,……,ONU5−nには波長λn ,λ2n及びλp が出力される。波長λ1 〜λn により各ユーザへの下りのデータがそれぞれ送信される。ONU5−1〜5−nでは同じフィルタで下り信号(λ1 〜λn のA光)を取り出すと,それぞれ自ONU宛の波長の信号が取り出され,端末に出力する。また,各ONUでは入力した上り信号生成用の信号(λn+1 〜λ2nのB1光)を抜き出し,励起光(B2光)の信号とから上記したFWMの原理により各ユーザに対応した上り信号用の波長(λ2n+1〜λ3n)の信号(C光という)を発生し,この光信号からユーザに対応した上り信号の波長だけ選択して,その信号を当該ユーザの送信データで変調してONUから局装置1に向けてそれぞれの光ファイバ4に送信すると,AWG部3において各ユーザのONUから送信された光信号を合波して光ファイバ2から局装置1へ送信する。
【0021】
このように各加入者宅光回線終端装置(ONU)では,波長(周波数)を選択するための調整をする必要がなく,同一構成の加入者宅光回線終端装置でネットワークを構築することができ,あるユーザの信号が他のユーザ宅に伝送されることがなくなる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図2は本発明による光波長の構成パターンの例を示し,図中,横軸は周波数を表し,縦軸は光信号のレベルを表す。
【0023】
上記図1の局装置1からは,複数のONU(ユーザに対応)に向けて送信されるデータを含む複数の下り信号(A光)として周波数f1 ,f2 ,…fn (図1のB.の波長λ1 ,λ2 ,…λn に対応)を持つユーザ対応の周波数のチャネルCh1 ,Ch2 ,…Chn の光信号が送られると共に,各ONUにおいてFWM(上記図1のA.参照)の動作で上り用直流光として使用する周波数fn+1 〜f2n(波長λn+1 〜λ2nに対応)のプローブ光(B1光)及び同じくFWMで使用する各ONUに共通の周波数fp (図1のB.の波長λp に対応)の励起光(ポンプ光:B2光)の合計3種の信号光が送信される。なお,局装置1の実施例の構成は後述する図3に示す。
【0024】
また,各ONUで受信される一つのプローブ光(B光,図2のCh1で表示)と共通のポンプ光(P光,図2のCh2で表示)を用いて,上記図1のA.に示すFWMの原理により,ONUに対応する周波数f2n+1〜f3n(図1のB.のλ2n+1〜λ3nに対応)を持つの上り信号のアイドラ光(C光,図2のCh3で表示)が生成され,ONUの上りのデータにより変調されて送信される。ONUの実施例の構成は後述する図6に示す。
【0025】
図3は局装置(図1のB.の1)の実施例の構成を示す。図中,1は局装置,10は多数のONUとの間で下り,上りの光信号を送受信するフィルタを含むアレイ導波回折格子部(AWG部で表示),11Aは各ONUへ送られるデータを含む下り信号光のA光を出力するA光出力部,11Bは上り信号生成用のB1光と励起光のB2光を出力するB光出力部,11Cは上り信号のC光が入力するC光入力部,12は複数の各波長(周波数)の光信号を透過させるフィルタ,13は光受信器(ORで表示:Optical Receiver) ,14は各ONUからの信号を処理する信号処理部,15はポンプ光(励起光:波長λp )を発生するレーザダイオード(LDで表示),16はポンプ光を増幅する光増幅器(光AMPで表示),17はSC(Super Continum:超連続体)光源,18はSC光源から発生する多数の光信号を分波するカプラ,19はONUへ送信するデータ信号(下りデータ信号)を処理する信号処理部,20は下りデータ信号を含む光信号を送信する各波長別の光送信器(OSで表示:Optical Sender) である。
【0026】
図3の動作を説明すると,この局装置1では信号処理部19から,各ONUに送信するデータを含む異なる波長λ1 ,λ2 ,…λn の信号が,光送信器20から出力され,A光出力部11AからAWG部10を介してONU側に向けて光ファイバに出力される。また,ONUに送信される波長λp のポンプ光がLD15から発生し,光AMP16からB光出力部11B,AWG部10を介してONU側に向けて光ファイバに出力される。上り信号生成用の波長λn+1 〜λ2nのプローブ光は,公知のSC光源17を用いて発生させる。
【0027】
SC光源17は,同じ波長間隔で配置された数種類の光を発生するレーザの出力光を種として特殊な光ファイバを通すと,レーザの出力光に含まれる複数の波長の光が相互作用して異なる波長の光が連鎖的に発生し,爆発的に波長数が増大させる現象を利用した光源である。SC光源17から発生した多数の信号光はカプラ18で分岐して,B光出力部11Bの入力側に設けられた複数のフィルタ12で各波長λn+1 〜λ2nの信号だけを選択されて,ポンプ光と共にB光出力部11Bから光ファイバに出力される。
【0028】
各ONUから送信されたデータを含む上り信号は,AWG部10,C光入力部11Cを介して各ONUに対応する波長λ2n+1〜λ3nをそれぞれ透過する各フィルタ12を通って対応する光受信器13に達し,その出力は信号処理部14へ出力される。
【0029】
図4はAWG部(図1のB.の3)の実施例の構成である。図中,3はAWG(アレイ導波回折格子)部,30はAWGフィルタ,31A,31Bはそれぞれ下りのA光,B光(上り信号生成用(B1)光と励起(B2)光を含む)を分離するフィルタ,31Cは上りのC光を選択するフィルタ,32はそれぞれ個別の波長(周波数)の信号光だけ透過させるフィルタ,33は励起光(ポンプ光)を分岐するカプラ,34−1〜34−nは各ONU(ユーザ)へ送信信号光を出力すると共に各ONUから送られてくる信号光を受け取るカプラである。
【0030】
図5にAWG部でのフィルタ特性を示す。図5の(1) 〜(n) は各ユーザ1〜n用(各ONU用)に割り当てられた信号光(上りと下りを含む)の波長の分布を表し,横軸は波長,縦軸は各フィルタの阻止域(上側)と透過域(下側)を表す。
【0031】
図4の動作を図5を参照しながら説明する。局装置(図3)から送られた下り方向の信号から,A光用のフィルタ31Aと個別のフィルタ32により各ユーザ(各ONU)へのデータを含む各波長λ1 〜λn の信号光が分離され,各ユーザ(ONU)に対応して設けられたカプラ34−1〜34−nへ供給される。これらの信号光は図5の(1) 〜(n) の「A光」として示すブロックに対応する各波長λ1 〜λn の透過域として示す。
【0032】
局装置から送られた下り方向の信号の中から,B光(プローブ光)用のフィルタ31Bと個別のフィルタ32により,各ユーザへの波長λn+1 〜λ2nの信号光が分離され,各ユーザに対応するカプラ34−1〜34−nへ供給される。このB光の各波長の信号は,図5の(1) 〜(n) の「B光」として示すブロックに対応する各波長λn+1 〜λ2nの透過域として示す。
【0033】
また,局装置から送られた下り信号の中から,各ユーザに共通の信号光として励起光(ポンプ光)がB光用のフィルタ31Bとフィルタ32により波長λp が分離されてカプラ33から各ユーザのカプラ34−1〜34−nに供給される。この励起光は図5の(1) 〜(n) の「B光」として示すブロックの右端の波長λp の透過域として示す。
【0034】
次に各ユーザから送信されたデータを含む上り信号は,カプラ34−1〜34−nから各ユーザに対応する波長λ2n+1〜λ3nのフィルタ32を通って,上りのC光を選択するフィルタ31C,AWGフィルタ30から局側へ向けて光ファイバに出力される。この上りの各ユーザに対応する信号光は,図5の(1) 〜(n) の「C光」として示すブロックに対応する各波長λ2n+1〜λ3nの透過域として示す。
【0035】
図6はONU(図1のA.の5)の実施例の構成を示す。図中,5はONU,50は図4に示すアレイ導波回折格子部(AWG部)からの受信光(図1のONU5−nの場合,波長λn ,λ2n,λp の信号を受信)を後段へ伝達し,アレイ導波回折格子部へ波長λ2n+1の光信号を送信するサーキュレータ,51は受信光を分岐するカプラ,52は下りのデータを含むA光の全波長を通過させる第1のフィルタ,53はオプティカルレシーバ(光学受信部),54は受信した3つの波長の信号からB光の全波長(上り信号生成用B1光とポンプ光のB2光)を通過させる第2のフィルタ,55はFWMのために2つの信号の偏波面をそろえる偏波補償器,56はFWM(4光波混合) の原理により入力光と同じ波長(上り信号生成用とポンプ光)に対応する上り信号用の波長を発生させる非線形媒体であり,具体的にはSOA(半導体増幅器)を使用して4光波混合と光増幅が可能である。57は非線形媒体56で生成した波長(上り信号用)だけ透過させる第3のフィルタ,58は端末からの送信データにより波長λ2n+1の信号を変調する外部変調器である。6はONU5−nに収容された端末である。図3において,矢印を付した実線は光信号を表し,矢印を付した点線は電気信号を表す。
【0036】
なお,4光波混合を効率的に実施させるため,非線形媒体入力前に偏波面を一致させる偏波保持ファイバや光部品を使用すれば,偏波補償器55を省くことができる。
【0037】
図7はONUでのフィルタ特性を示す。図7の(1) 〜(3) は第1のフィルタ〜第3のフィルタの特性を表し,横軸は波長,縦軸は各フィルタの阻止域(上側)と透過域(下側)を表す。
【0038】
図6に示すONUの動作を図7を参照しながら説明する。なお,この説明では,ONUが図1に示すONU5−nであるものと想定する。上記図5に示すAWG部のカプラ34−nからユーザn(図6のONU)に向けて出力された下り信号(波長λn ,λ2n,λp )は,サーキュレーター50からカプラ51へ入力し,2つに分岐し一方は第1のフィルタ52へ入力する。この第1のフィルタ52の特性は図7 の(1) に示すようにA光の全ての信号を透過するもので,この特性は他の全てのユーザのONUの第1のフィルタ52に共通しており,ONU5−nの場合,下りのデータを含む波長λn が透過して,光受信器53へ入力して,その出力はユーザの端末6へ供給される。このように,各ONUでは,自ユーザで必要な波長だけが選択されることになる。
【0039】
カプラ51で分岐した他の信号は第2のフィルタ54へ入力する。第2のフィルタ54の特性は,図7の(2) に示すように全てのB光(上り信号生成用の波長λn+1 〜λ2nと励起光の波長λp )を透過させるもので,このONU5−nの場合,波長λ2nと波長λp の2つの波長のみ透過して偏波補償器55へ入力し,ここで偏波面を揃えて非線形媒体56へ入力する。この非線形媒体56におけるFWM(4光波混合)作用により新たな波長の信号光が生成され,生成した全ての上り信号用の波長を透過する第3のフィルタに入力する。この第3のフィルタ57の特定は図7の(3) に示され,このONU5−nの場合,波長λ2n+1が非線形媒体56で生成され,この波長の信号光が第3のフィルタを透過して,外部変調器58へ入力される。外部変調器58は,端末6からの送信データを含む上り信号が変調入力として供給され,波長λ2n+1の信号が変調入力により変調されてサーキュレーター50へ入力され,ここからネットワーク側への光ファイバへ送信信号として出力される。
【0040】
このように,各加入者宅光回線終端装置(ONU)で使用する光信号波長は,上り信号,下り信号,上り信号生成用の各信号が全て異なる。また,局装置から送信される光信号波長は,配下のONUで重ならないよう送信しているため,システム全体としても光一芯によりPDS(パッシブダブルスター)システムを構築することができる。
【0041】
上記の図3,図4及び図6に示す実施例の構成において,局装置からAWG部を介してONUが10個(10加入者)収容されている場合(1ユーザに1送受信波長)の各加入者1〜10が使用するA光,B光及びC光の具体的な光波長(周波数)の割り当ての具体例を図8に示す。
【0042】
この具体例は,ITU(国際電気通信連合)の100GHzの標準波長(Standard Wavelength)に対応した10加入者分(1ユーザ,1送受信波長)であり,図8においてCh1〜Ch10は10人の各加入者に割り当てられた波長(周波数)を表し,(1) はCh1〜Ch10のA光(下り信号用)を表し,上段は下り信号の光波長(nm:ナノメートル)を下段は上段の各波長に対応する周波数(GHz:ギガヘルツ)を表す。(2) はCh1〜Ch10のB1光(上り信号生成用)の波長(上段)と周波数(下段)を表す。(3) は各加入者に共通のB2(励起またはポンプ)光の波長(上段)と周波数(下段)を表す。(4) はCh1〜Ch10のC光(上り信号用)の波長(上段)と周波数(下段)を表す。
【0043】
図9は本発明を適用したスター型ネットワークの構成例である。図中,1は局装置,2は局装置1とカプラ7との間の光ファイバ,7は局装置1と2つのAWG部間の光信号を分岐・結合するカプラ,2−1と2−2はカプラ7と2つのAWG部間の光ファイバ,3−1,3−2はAWG部,4はAWG部と複数の各ONU間を結ぶ光ファイバ,5−1〜5−nはAWG部3−1に接続されたONU,5−(n+1)〜5−2nはAWG部3−2に接続されたONUである。
【0044】
この図9の構成例によれば,2つのAWG部を設けることにより,1つのAWG部を設けた場合に比べて2倍のONUを1つの局装置1に収容することができる。この場合,AWG部3−1と各ONU5−1〜5−nとの間を送受信されるA光(λ1 〜λn ),B1光(λn+1 〜λ2n),B2光(励起光:λp1),及びC光(λ2n+1〜λ3n)の波長(周波数)とAWG部3−2のA光(λ3n+1〜λ4n),B1光(λ4n+1〜λ5n),B2光(励起光:λp2)及びC光(λ5n+1〜λ6n)の波長(周波数)は互いに異なる値に設定され,これにより互いに干渉しない。
【0045】
(付記1) 局装置と複数の加入者宅光回線終端装置との間を波長分割多重の光信号で双方向通信を行う光加入者ネットワークにおいて,前記局装置は各加入者宅への送信データを含む第1の波長帯域に属する複数の波長の第1の光信号と,各加入者宅での上り信号生成用の第2の波長帯域に属する複数の波長の第2の光信号と,励起光用の特定波長の第3の光信号とを下り信号として送信する手段と他の波長帯域の複数の上り光信号を受信する手段とを備え,前記局装置からの下り信号を受け取って各加入者宅への光信号を分岐するアレイ導波回折格子部を備え,該アレイ導波回折格子部は前記第1の波長帯域の第1の光信号と前記第2の波長帯域の第2の光信号から各加入者宅に割り当てられた信号のみを透過させて,前記第3の光信号と共に各加入者宅への光ファイバへ出力する各フィルタを備え,前記各加入者宅光回線終端装置は,前記第1の波長帯域の信号を透過させる第1のフィルタと,前記第2の波長帯域の信号及び前記第3の光信号を透過させる第2のフィルタと,上り信号の波長を生成する手段とを備え,前記第1の波長帯域の信号から自装置宛の信号の受信を行い,前記上り波長を生成する手段は,非線形媒体と第3のフィルタとを備え,前記非線形媒体は前記自装置に割り当てられた波長の前記第2の光信号と前記第3の光信号を入力として4光波混合の原理により新たな波長の信号を発生し,前記発生した波長から前記第3のフィルタにより当該加入者宅に割り当てられた前記他の波長帯域の上り光信号を透過させることを特徴とする光加入者ネットワーク。
【0046】
(付記2) 付記1において,前記局装置は,入力光の複数の波長と異なる波長の光を連鎖的に発生する超連続体(SC)光源を備え,該超連続体光源の出力から前記上り信号生成用の異なる波長の複数の第2の信号光を生成することを特徴とする光加入者ネットワーク。
【0047】
(付記3) 付記1において,前記非線形媒体の前段に偏波補償器を設け,前記第2の信号と第3の信号を前記非線形媒体へ入力する前に偏波面を一致させることを特徴とする光加入者ネットワーク。
【0048】
(付記4) 付記1において,前記局装置は前記第1の波長帯域に属する複数の波長の第1の光信号と,前記第2の波長帯域に属する複数の波長の第2の光信号及び前記特定波長の第3の光信号の組み合わせからなる第1群の下り信号の他に,前記第1群の下り信号の波長と異なる同様の組み合わせからなる第2群の下り信号を光ファイバに送信し,前記局装置からの光信号を前記第1群の下り信号と第2群の下り信号とに分岐するカプラを備え,前記カプラにより分岐した第1群と第2群の下り信号を受け取る第1と第2のアレイ導波回折格子部を備え,各アレイ導波回折格子部からそれぞれ複数の光ファイバを介して複数の加入者宅光回線終端装置と接続することを特徴とする光加入者ネットワーク。
【0049】
(付記5) 上位装置と波長分割多重で双方向通信を行う光加入者ネットワークを構成する加入者宅光回線終端装置であって,上位装置から各加入者宅へ送信されるデータを含む第1の波長帯域に属する異なる複数の波長の中の一つの信号と,上り信号生成用の第2の波長帯域に属する異なる複数の波長の中の一つの信号及び励起光用の特定波長の第3の信号とからなる下りの信号の入力に対し,前記第1の波長帯域の信号を透過する第1のフィルタと,前記第2の波長帯域の信号を透過する第2のフィルタとを備え,前記第1のフィルタの出力から自装置宛のデータを受信し,前記第2のフィルタの出力から自装置用の上り信号生成用の信号と励起光用の信号を取り出して,非線形媒体に入力することで4光波混合の原理により上り信号の波長を生成することを特徴とする加入者宅光回線終端装置。
【0050】
(付記6) 付記5において,前記非線形媒体から出力された信号を第3のフィルタにより上り信号用の波長を透過した信号と,当該加入者宅から送信するデータとを入力とする外部変調器を備え,該外部変調器からの出力光を送信することを特徴とする加入者宅光回線終端装置。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば次のような効果を奏する。
【0053】
▲1▼全ユーザ(ONU)とも上り回線が下りと同一伝送容量を確保でき,制約を受けない。
【0054】
すなわち,上り/下りで別波長を使用することから,光の干渉を防ぐことが可能となり,光一芯で加入者収容部分の光線路を構築することができるため,上りと下りを別にする2芯使用時の約半分のコストで線路構築が可能となる。また,ユーザ毎及び上り/下りに別波長を使用するので,従来の時分割送信では伝送容量が1/nになっていた制約が無くなり,n倍の伝送容量を確保することができる。
【0055】
▲2▼各加入者に設置するONUを共通化(同じ構成)でき,低コスト化を実現することができる。
【0056】
すなわち,各加入者宅に設置するONUを共通化できるので,製品を1種類準備するだけで対応でき,大量生産でコスト低減の効果が大きくなる。製品種類はn個のONUを使用しても1種類で良く,従来の1/nになる。更に,故障時の対応等でも,1種類のONUで対応可能なため,運用面及び保守が容易となる。また,ONUの上り側光源は局装置のSC光源で一括発生させて供給するので,多波長対応ONUと比べて個々のONUに光源が不要で,設置作業時に各加入者宅で波長調整作業が不要等の効果があり,低コスト化が可能となる。
【0057】
▲3▼ユーザ情報のセキュリティが確保できる。
【0058】
従来技術では,ONU側で自通信分の信号のみを下位側に伝送するフィルタを持って対応していたが,本発明では個別の波長のフィルタはONUに必要ないことから機能の削減が可能となる。また,加入者宅まで他ユーザのデータは到達しないので,他ユーザにデータが盗聴されることがなく,暗号化をする必要がなく,セキュリティの確保が確実となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】本発明による光波長の構成パターン例を示す図である。
【図3】局装置の実施例の構成を示す図である。
【図4】AWG部の実施例の構成を示す図である。
【図5】AWG部でのフィルタの特性を示す図である。
【図6】ONUの実施例の構成を示す図である。
【図7】ONUでのフィルタ特性を示す図である。
【図8】A光,B光及びC光の具体的な光波長の割り当ての例を示す図である。
【図9】本発明を適用したスター型ネットワークの構成例を示す図である。
【図10】従来例の説明図である。
【符号の説明】
1 局装置
2 光ファイバ
3 アレイ導波回折格子部(AWG部)
4 光ファイバ
5−1〜5−n 加入者宅光回線終端装置(ONU)
Claims (4)
- 局装置と複数の加入者宅光回線終端装置との間を波長分割多重の光信号で双方向通信を行う光加入者ネットワークにおいて,
前記局装置は各加入者宅への送信データを含む第1の波長帯域に属する複数の波長の第1の光信号と,各加入者宅での上り信号生成用の第2の波長帯域に属する複数の波長の第2の光信号と,励起光用の特定波長の第3の光信号とを下り信号として送信する手段と他の波長帯域の複数の上り光信号を受信する手段とを備え,
前記局装置からの下り信号を受け取って各加入者宅への光信号を分岐するアレイ導波回折格子部を備え,該アレイ導波回折格子部は前記第1の波長帯域の第1の光信号と前記第2の波長帯域の第2の光信号から各加入者宅に割り当てられた信号のみを透過させて,前記第3の光信号と共に各加入者宅への光ファイバへ出力する各フィルタを備え,
前記各加入者宅光回線終端装置は,前記第1の波長帯域の信号を透過させる第1のフィルタと,前記第2の波長帯域の信号及び前記第3の光信号を透過させる第2のフィルタと,上り信号の波長を生成する手段とを備え,前記第1の波長帯域の信号から自装置宛の信号の受信を行い,
前記上り波長を生成する手段は,非線形媒体と第3のフィルタとを備え,前記非線形媒体は前記自装置に割り当てられた波長の前記第2の光信号と前記第3の光信号を入力として4光波混合の原理により新たな波長の信号を発生し,前記発生した波長から前記第3のフィルタにより当該加入者宅に割り当てられた前記他の波長帯域の上り光信号を透過させることを特徴とする光加入者ネットワーク。 - 請求項1において,
前記局装置は前記第1の波長帯域に属する複数の波長の第1の光信号と,前記第2の波長帯域に属する複数の波長の第2の光信号及び前記特定波長の第3の光信号の組み合わせからなる第1群の下り信号の他に,前記第1群の下り信号の波長と異なる同様の組み合わせからなる第2群の下り信号を光ファイバに送信し,
前記局装置からの光信号を前記第1群の下り信号と第2群の下り信号とに分岐するカプラを備え,前記カプラにより分岐した第1群と第2群の下り信号を受け取る第1と第2のアレイ導波回折格子部を備え,各アレイ導波回折格子からそれぞれ複数の光ファイバを介して複数の加入者宅光回線終端装置と接続することを特徴とする光加入者ネットワーク。 - 上位装置と波長分割多重で双方向通信を行う光加入者ネットワークを構成する加入者宅光回線終端装置であって,
上位装置から各加入者宅へ送信されるデータを含む第1の波長帯域に属する異なる複数の波長の中の一つの信号と,上り信号生成用の第2の波長帯域に属する異なる複数の波長の中の一つの信号及び励起光用の特定波長の第3の信号とからなる下りの信号の入力に対し,前記第1の波長帯域の信号を透過する第1のフィルタと,前記第2の波長帯域の信号を透過する第2のフィルタとを備え,
前記第1のフィルタの出力から自装置宛のデータを受信し,前記第2のフィルタの出力から自装置用の上り信号生成用の信号と励起光用の信号を取り出して,非線形媒体に入力することで4光波混合の原理により上り信号の波長を生成することを特徴とする加入者宅光回線終端装置。 - 請求項3において,
前記非線形媒体から出力された信号を第3のフィルタにより上り信号用の波長を透過した信号と,当該加入者宅から送信するデータとを入力とする外部変調器を備え,該外部変調器からの出力光を送信することを特徴とする加入者宅光回線終端装置。
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| JP2002323415A JP4064787B2 (ja) | 2002-11-07 | 2002-11-07 | 光加入者ネットワーク及び加入者宅光回線終端装置 |
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