JP4064601B2 - エマルジョンの評価方法及び評価装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エマルジョンの評価方法及び評価装置に係り、特に、石油精製の際の残渣であるタール、アスファルト等の高粘性の石油成分を含む超重質油乳化燃料、熱媒体や乳剤等の各種エマルジョン流体等におけるエマルジョンの劣化現象を短時間で把握し予測し得るエマルジョンの評価方法及び評価装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、将来における燃料事情の悪化、特に石油の逼迫に備えるために、火力発電プラント等の各種設備においても、燃料の多様化を進める必要があり、最近では、石炭をスラリー中に分散させたCOM、CWM等のスラリー燃料に加え、原油中に約30%も含まれるアスファルト等の超重質油を燃料化した超重質油乳化燃料が注目されている。
【0003】
この超重質油乳化燃料は、常温では固体状の超重質油を改質して流動性を持たせるようにしたもので、例えば、タール、アスファルト等の高粘性の石油成分である粘度が10000cp以上、API比重が10程度の超重質油に、水及び界面活性剤を加え、その後軟化点以上の温度で機械攪拌を行うことにより剪断力で微粒化し、界面活性剤により水中油滴型(O/W型)エマルジョンとしたもので、水中油滴型(O/W型)乳化燃料とも称されている。
この超重質油乳化燃料は、油滴が低粘度の水によりとり囲まれていることから、温度が軟化点から常温まで低下しても流動性が維持されるという特徴を有する。
また、この油滴は球形であるから、超重質油を高濃度としても流動性が維持され、CWM等と比べても燃料成分の高濃度化が可能である。
【0004】
この超重質油乳化燃料は、分離・凝集し易く、いわゆるエマルジョン劣化が生じるおそれがある。そこで、例えば、火力発電プラント等においては、超重質油乳化燃料にエマルジョン劣化が原因のトラブルが発生した場合、この燃料から試料をサンプリングし、この試料を分析することでその劣化要因を探る方法が採られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の試料をサンプリングし分析する方法では、燃料にエマルジョン劣化が生じた場合に、この劣化要因を探ることはできるものの、劣化が生じていないエマルジョンに対して劣化を予測することが困難であるという問題点があった。
【0006】
また、この方法は、大規模な試験装置を必要とするために、多大な費用と労力を要し、しかもサンプリングから分析までに長時間を要し、分析結果が正確性に欠けるという問題点があった。
例えば、火力発電プラント等においては、超重質油乳化燃料にエマルジョン劣化が原因のトラブルが発生した場合、試料の分析に時間がかかるためにトラブルに対する対応も遅れ、迅速に対処することは難しい。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、超重質油乳化燃料、熱媒体や乳剤等の各種エマルジョン流体等におけるエマルジョンの劣化現象をリアルタイムかつ短時間で、しかも簡便に把握することができ、その結果、火力発電プラント等の各種設備における超重質油乳化燃料等のエマルジョンの劣化現象を予測することができるエマルジョンの評価方法及び評価装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は次の様なエマルジョンの評価方法及び評価装置を提供する。
すなわち、請求項1記載のエマルジョンの評価方法は、エマルジョンの物性の経時変化を評価する方法であって、前記エマルジョンに剪断力を付与しつつ攪拌し、その後、このエマルジョンの物性を測定し、この測定値に基づき前記エマルジョンの物性の経時変化の度合いを評価することを特徴とする。
【0009】
請求項2記載のエマルジョンの評価方法は、請求項1記載のエマルジョンの評価方法において、前記エマルジョンは、水中油滴型エマルジョンであることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載のエマルジョンの評価方法は、請求項2記載のエマルジョンの評価方法において、前記水中油滴型エマルジョンは、タール、アスファルト等の高粘性の石油成分を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明のエマルジョンの評価方法では、エマルジョンに剪断力を付与しつつ攪拌することにより、該エマルジョンが強制攪拌され、エマルジョンの経時変化が加速される。その後、このエマルジョンのレオグラム、粒径分布等の物性の変化を測定する。これにより、エマルジョンの物性の経時変化の度合いを、リアルタイムかつ短時間で、しかも簡便に把握する。
【0012】
請求項4記載のエマルジョンの評価装置は、エマルジョンの物性の経時変化を評価する装置であって、前記エマルジョンを貯留する容器と、該容器内のエマルジョンに剪断力を付与しつつ攪拌する攪拌手段とを備え、該攪拌手段は、軸の先端部に設けられた羽根と、該羽根を収容する凹部が形成された基体と、該基体及び軸を支持する支持部とを備え、前記羽根は、前記軸の回転に伴って前記エマルジョンに剪断力を付与するように前記凹部の内面の少なくとも一部に近接配置されていることを特徴とする。
【0013】
このエマルジョンの評価装置では、エマルジョンは、前記羽根をその軸の回りに回転させることで、前記羽根と前記凹部の内面との間の狭いギャップを高速で通過し、この間に高エネルギーで高剪断力が付与され、エマルジョンの経時変化が加速される。その後、このエマルジョンのレオグラム、粒径分布等の物性の変化を測定する。これにより、エマルジョンの物性の経時変化を、リアルタイムかつ短時間で、しかも簡便に把握することが可能になる。
【0014】
請求項5記載のエマルジョンの評価装置は、請求項4記載のエマルジョンの評価装置において、前記容器に、前記エマルジョンの物性を測定する測定手段を設けてなることを特徴とする。
この装置では、測定手段を用いてエマルジョンの物性をリアルタイムで測定することにより、エマルジョンの物性の経時変化を迅速に把握することが可能になる。
【0015】
請求項6記載のエマルジョンの評価装置は、請求項4または5記載のエマルジョンの評価装置において、前記容器に、収容されるエマルジョンを加熱する加熱手段を設けてなることを特徴とする。
この装置では、加熱手段を用いて前記容器に収容されるエマルジョンを加熱することにより、高剪断攪拌、加温、経時をパラメータとするエマルジョンの物性の経時変化を加速する。
【0016】
請求項7記載のエマルジョンの評価装置は、請求項4、5または6記載のエマルジョンの評価装置において、前記容器は、各種プラント等のエマルジョンを流動させる配管に接続されて該配管内のエマルジョンの物性の経時変化を逐次評価することを特徴とする。
この装置では、各種プラント等の配管内を流動するエマルジョンの物性の経時変化を逐次測定することで、この配管内のエマルジョンの物性の経時変化を、リアルタイムでしかも迅速に測定することが可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のエマルジョンの評価方法及び評価装置の一実施形態について、図面に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施形態の水中油滴型エマルジョンの評価装置を示す概略構成図であり、水中油滴型エマルジョンとして火力発電プラント等に用いられる超重質油乳化燃料を用いたもので、火力発電プラント等の超重質油乳化燃料用配管に組み込まれた例である。
【0018】
図1において、符号1は超重質油乳化燃料用配管、2はこの配管1の測定点に接続されて該測定点から自動サンプリングにより試料を導入する劣化加速処理系、3は超重質油乳化燃料の濃度を自動制御する濃度制御系、4は超重質油乳化燃料の粒径分布等の物性を任意の時間間隔で自動的に測定する測定系(測定手段)である。
【0019】
超重質油乳化燃料としては、例えば、タール、アスファルト等の高粘性の石油成分である粘度が10000cp以上、API比重が10程度の超重質油に、水及び非イオン系の界面活性剤を所定量加え、その後軟化点以上の温度、例えば80℃で剪断力を付与しつつ攪拌する高速剪断攪拌を行うことにより微粒化し、非イオン系の界面活性剤により水中油滴型(O/W型)エマルジョンとしたものが好適に用いられる。
【0020】
劣化加速処理系2は、超重質油乳化燃料11に剪断力を付与しつつ攪拌することでエマルジョン劣化を加速する装置であり、超重質油乳化燃料11を貯留する有底円筒状の容器12と、容器12内の超重質油乳化燃料11に剪断力を付与しつつ攪拌する高速剪断攪拌機(攪拌手段)13と、容器12の外側に設けられて超重質油乳化燃料11を所望の温度、例えば80℃に加熱・保持するヒーター(加熱手段)14と、高速剪断攪拌機13を駆動する電動機15と、タイマー16と、サンプラー17とにより構成されている。
【0021】
濃度制御系3は、超重質油乳化燃料11を所望の濃度にコントロールする装置であり、超重質油乳化燃料11を希釈液21により所望の濃度に希釈する希釈槽22と、希釈槽22内の液を攪拌するマグネチックスターラー等の攪拌機23と、希釈液21を貯留しかつ希釈槽22内に定量供給する容器24とにより構成されている。
【0022】
測定系4は、所望の濃度に希釈された超重質油乳化燃料11aの粒径分布を測定する粒径分布測定機31と、測定されたデータを処理するコンピュータ32とにより構成されている。このコンピュータ32は、粒径測定データを処理するのみではなく、各バルブの開閉、ポンプ、モータの入出力信号等を処理することができ、本システム全体を総合的に制御する。
【0023】
粒径分布測定機31は、例えば、レーザ光散乱式粒径測定装置と称されるもので、希釈された超重質油乳化燃料11aを流動・充填するセル33と、セル33に所定の波長のレーザ光を照射する光源34と、セル33を透過したレーザ光を検出する受光素子35とにより構成されている。
【0024】
この測定系4では、粒径分布測定機31を他の物性を測定する測定装置と置き換えれば、その物性を測定することができる。例えば、粗粒量を測定したい場合には湿式篩等を、水中固形分を測定したい場合には遠心分離器等を、粒径分布測定機31と置き換えればよい。
【0025】
高速剪断攪拌機13は、タービンミキサー、あるいはホモミキサーと称されるもので、図2〜図4に示すように、垂直に配置された軸41の下端部に、軸41の周りに等間隔に略3角形の板状の羽根42が複数枚(図3では6枚)設けられている。
また、円板状の基体43の下端部には、これらの羽根42を収容する略円錐状の凹部44が形成され、この凹部44の一部は、その周方向に等間隔かつ軸心方向に向かって突出する内面44aとされている。
【0026】
この内面44aと羽根42の外縁部とのギャップ(間隔)は、羽根42が軸41と共に回転するに伴って超重質油乳化燃料11に剪断力を付与するように、極力狭くなるように設定されている。例えば、0.5〜1mm等である。そして、軸41は同軸的に配置された支持部45によりその軸心の周りに回転自在に支持され、基体43は支持部45に固定されている。
【0027】
この装置では、超重質油乳化燃料11は、羽根42を軸41と共にその周りに回転させることで、羽根42と凹部44の内面44aとの間のギャップを高速で通過するが、この間に高エネルギーで高剪断力が付与され、超重質油乳化燃料11の物性の経時変化が加速される。このように、超重質油乳化燃料11に劣化加速処理を施すことで、極めて短時間で超重質油乳化燃料11の物性に経時変化を生じさせることができる。
【0028】
その後、この超重質油乳化燃料11のレオグラム、粒径分布等の物性の変化を測定する。これにより、超重質油乳化燃料の物性の経時変化を、リアルタイムかつ短時間で、しかも簡便に把握することが可能になる。
【0029】
次に、超重質油乳化燃料の劣化処理時間と物性量との関係について図に基づき説明する。ここでは、超重質油乳化燃料の温度を80℃、羽根42の回転数を8000rpm(ずり速度 約2000-sec)とした。
図5は、超重質油乳化燃料の劣化加速処理時間と平均粒径及び粗粒量との関係を示す図、図6は、超重質油乳化燃料の劣化加速処理時間と粘度及び水中固形分との関係を示す図である。
【0030】
これらの図によれば、処理開始直後(0〜5分)のわずかな粗粒子化の進行(図5)により、粘度低下を引き起こす(図6)ことが分かる。また、処理時間が10分以上では、粒子の凝集・合一が進行し、粘度上昇を引き起こしている(図6)ことが分かる。
【0031】
図7は、超重質油乳化燃料の劣化加速処理に伴う粒径分布の推移を示す図であり、劣化加速処理時間は、0分(未処理)、10分、20分、40分、60分、90分、120分の7通りとしている。
この劣化加速処理では、エマルジョン劣化の指標として重要視される粒径分布は、ごく少量(約1ml)の試料で迅速に測定することができるという利点があり、極小規模の劣化加速処理で半バッチ的に測定を行うことができるため、迅速かつ簡便なデータ取得が可能である。
【0032】
図8〜図15は、超重質油乳化燃料の劣化加速処理に伴うレオグラムの推移を示す図であり、劣化加速処理時間は、0分(未処理)、5分、10分、20分、40分、60分、90分、120分の8通りとしている。
これらの図によれば、60分処理以降のレオグラム(図13〜図15)は、高ずり域で不規則にばらついており、エマルジョンの物性としては非常に不安定な状態であり、かろうじて分散性(水中油滴型エマルジョン)を維持している。
【0033】
図16は、超重質油乳化燃料の劣化加速処理におけるパラメータを温度及び回転数(剪断力)とした場合のそれぞれの処理時間と平均粒径との関係を示す図であり、図17は、超重質油乳化燃料の劣化加速処理におけるパラメータを温度及び回転数(剪断力)とした場合のそれぞれの処理時間と粗粒量との関係を示す図である。
【0034】
これらの図によれば、粗粒子化現象が温度、回転数(剪断力)に比例して促進されることが分かる。また、その促進の程度も読みとることができる。
以上説明したように、高剪断攪拌処理を施したサンプルを詳細に分析することにより、その劣化の度合いを知ることができる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態の超重質油乳化燃料の評価方法によれば、超重質油乳化燃料に剪断力を付与しつつ攪拌し、その後、この超重質油乳化燃料の物性を測定し、この測定値に基づき超重質油乳化燃料の物性の経時変化の度合いを評価するので、超重質油乳化燃料の物性の経時変化を加速することで、物性が未知の超重質油乳化燃料について、その劣化現象を極めて短時間でしかも正確にに把握することができる。
【0036】
また、本実施形態の超重質油乳化燃料の評価装置によれば、劣化加速処理系2を、超重質油乳化燃料11を貯留する有底円筒状の容器12と、容器12内の超重質油乳化燃料11に剪断力を付与しつつ攪拌する高速剪断攪拌機13とを備えた構成としたので、超重質油乳化燃料11は高速剪断攪拌機13により高剪断力が付与され、超重質油乳化燃料11の経時変化が加速され、超重質油乳化燃料11の物性の経時変化を、リアルタイムかつ短時間で、しかも簡便に把握することができる。
【0037】
また、容器12の外側に、超重質油乳化燃料11を所望の温度に加熱・保持するためのヒーター14を設けたので、このヒーター14により容器12内に収容される超重質油乳化燃料11を所望の温度に加熱・保持することができ、高剪断攪拌、加温、経時をパラメータとする超重質油乳化燃料11の物性の経時変化を加速させることができる。
【0038】
また、超重質油乳化燃料の劣化加速処理におけるパラメータを、実際の装置を想定した値に設定することで、その実際の装置における劣化現象を想定することができ、実際の装置のハンドリング条件、あるいは運用条件の設定に有用なデータを取得することができる。
【0039】
以上、本発明の超重質油乳化燃料の評価方法及び評価装置の一実施形態について図面に基づき説明してきたが、具体的な構成は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、高速剪断攪拌機13は、超重質油乳化燃料11に剪断力を付与しつつ攪拌する構成であればよく、図2〜図4に示す形状に限定されないのはもちろんである。
【0040】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明の請求項1〜3記載のエマルジョンの評価方法によれば、前記エマルジョンに剪断力を付与しつつ攪拌し、その後、このエマルジョンの物性を測定し、この測定値に基づき前記エマルジョンの物性の経時変化の度合いを評価するので、エマルジョンを強制攪拌することで該エマルジョンの経時変化を加速することができる。したがって、エマルジョンの物性の経時変化の度合いを、極めて短時間で、かつリアルタイムで、しかも簡便に把握することができる。
【0041】
請求項4記載のエマルジョンの評価装置によれば、エマルジョンを貯留する容器と、該容器内のエマルジョンに剪断力を付与しつつ攪拌する攪拌手段とを備え、該攪拌手段は、軸の先端部に設けられた羽根と、該羽根を収容する凹部が形成された基体と、該基体及び軸を支持する支持部とを備え、前記羽根を、前記軸の回転に伴って前記エマルジョンに剪断力を付与するように前記凹部の内面の少なくとも一部に近接配置したので、エマルジョンが前記羽根と前記凹部の内面との間の狭いギャップを高速で通過する間に高エネルギーで高剪断力を付与し、エマルジョンの物性の経時変化を加速することができる。したがって、エマルジョンの物性の経時変化を、極めて短時間で、かつリアルタイムで、しかも簡便に把握することができる。
【0042】
請求項5記載のエマルジョンの評価装置によれば、前記容器に、前記エマルジョンの物性を測定する測定手段を設けたので、この測定手段を用いてエマルジョンの物性をリアルタイムで測定することができ、エマルジョンの物性の経時変化を迅速に把握することができる。
【0043】
請求項6記載のエマルジョンの評価装置によれば、前記容器に、収容されるエマルジョンを加熱する加熱手段を設けたので、高剪断攪拌、加温、経時をパラメータとするエマルジョンの物性の経時変化を加速することができ、その結果、極めて短時間でエマルジョンの物性の経時変化を知ることができる。
【0044】
請求項7記載のエマルジョンの評価装置によれば、前記容器は、各種プラント等のエマルジョンを流動させる配管に接続されて該配管内のエマルジョンの物性の経時変化を逐次評価することとしたので、各種プラント等の配管内を流動するエマルジョンの物性の経時変化を逐次測定することができ、この配管内のエマルジョンの物性の経時変化を、リアルタイムでしかも迅速に測定することができる。
【0045】
以上により、超重質油乳化燃料、熱媒体や乳剤等の各種エマルジョン流体等におけるエマルジョンの劣化現象をリアルタイムかつ短時間で、しかも簡便に把握することができ、その結果、火力発電プラント等の各種設備における超重質油乳化燃料等のエマルジョンの劣化現象を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の水中油滴型エマルジョンの評価装置を示す概略構成図である。
【図2】 本発明の一実施形態の水中油滴型エマルジョンの評価装置の高速剪断攪拌機を示す断面図である。
【図3】 本発明の一実施形態の水中油滴型エマルジョンの評価装置の高速剪断攪拌機の羽根部分を示す下面図である。
【図4】 本発明の一実施形態の水中油滴型エマルジョンの評価装置の高速剪断攪拌機の下端部を示す断面図である。
【図5】 超重質油乳化燃料の劣化加速処理時間と平均粒径及び粗粒量との関係を示す図である。
【図6】 超重質油乳化燃料の劣化加速処理時間と粘度及び水中固形分との関係を示す図である。
【図7】 超重質油乳化燃料の劣化加速処理に伴う粒径分布の推移を示す図である。
【図8】 超重質油乳化燃料の劣化加速処理が未処理の場合のレオグラムを示す図である。
【図9】 超重質油乳化燃料の劣化加速処理時間が5分の場合のレオグラムを示す図である。
【図10】 超重質油乳化燃料の劣化加速処理時間が10分の場合のレオグラムを示す図である。
【図11】 超重質油乳化燃料の劣化加速処理時間が20分の場合のレオグラムを示す図である。
【図12】 超重質油乳化燃料の劣化加速処理時間が40分の場合のレオグラムを示す図である。
【図13】 超重質油乳化燃料の劣化加速処理時間が60分の場合のレオグラムを示す図である。
【図14】 超重質油乳化燃料の劣化加速処理時間が90分の場合のレオグラムを示す図である。
【図15】 超重質油乳化燃料の劣化加速処理時間が120分の場合のレオグラムを示す図である。
【図16】 超重質油乳化燃料の劣化加速処理におけるパラメータを温度及び回転数とした場合の処理時間と平均粒径との関係を示す図である。
【図17】 超重質油乳化燃料の劣化加速処理におけるパラメータを温度及び回転数とした場合の処理時間と粗粒量との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 超重質油乳化燃料用配管
2 劣化加速処理系
3 濃度制御系
4 測定系(測定手段)
11 超重質油乳化燃料
11a 希釈された超重質油乳化燃料
12 容器
13 高速剪断攪拌機(攪拌手段)
14 ヒーター(加熱手段)
15 電動機
16 タイマー
17 サンプラー
21 希釈液
22 希釈槽
23 攪拌機
24 容器
31 粒径分布測定機
32 コンピュータ
33 セル
34 光源
35 受光素子
41 軸
42 羽根
43 基体
44 凹部
44a 内面
45 支持部

Claims (7)

  1. エマルジョンの物性の経時変化を評価する方法であって、
    前記エマルジョンに剪断力を付与しつつ攪拌し、その後、このエマルジョンの物性を測定し、この測定値に基づき前記エマルジョンの物性の経時変化の度合いを評価することを特徴とするエマルジョンの評価方法。
  2. 前記エマルジョンは、水中油滴型エマルジョンであることを特徴とする請求項1記載のエマルジョンの評価方法。
  3. 前記水中油滴型エマルジョンは、タール、アスファルト等の高粘性の石油成分を含むことを特徴とする請求項2記載のエマルジョンの評価方法。
  4. エマルジョンの物性の経時変化を評価する装置であって、
    前記エマルジョンを貯留する容器と、該容器内のエマルジョンに剪断力を付与しつつ攪拌する攪拌手段とを備え、
    該攪拌手段は、軸の先端部に設けられた羽根と、該羽根を収容する凹部が形成された基体と、該基体及び軸を支持する支持部とを備え、
    前記羽根は、前記軸の回転に伴って前記エマルジョンに剪断力を付与するように前記凹部の内面の少なくとも一部に近接配置されていることを特徴とするエマルジョンの評価装置。
  5. 前記容器に、前記エマルジョンの物性を測定する測定手段を設けてなることを特徴とする請求項4記載のエマルジョンの評価装置。
  6. 前記容器に、収容されるエマルジョンを加熱する加熱手段を設けてなることを特徴とする請求項4または5記載のエマルジョンの評価装置。
  7. 前記容器は、各種プラント等のエマルジョンを流動させる配管に接続されて該配管内のエマルジョンの物性の経時変化を逐次評価することを特徴とする請求項4、5または6記載のエマルジョンの評価装置。
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