JP2001324498A - エマルジョンの評価方法及び評価装置 - Google Patents

エマルジョンの評価方法及び評価装置

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JP2001324498A JP2000140843A JP2000140843A JP2001324498A JP 2001324498 A JP2001324498 A JP 2001324498A JP 2000140843 A JP2000140843 A JP 2000140843A JP 2000140843 A JP2000140843 A JP 2000140843A JP 2001324498 A JP2001324498 A JP 2001324498A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超重質油乳化燃料、熱媒体や乳剤等の各種エ
マルジョン流体等におけるエマルジョンの劣化現象を短
時間かつリアルタイムで、しかも簡便に把握することが
でき、その結果、火力発電プラント等の各種設備におけ
る超重質油乳化燃料等のエマルジョンの劣化現象を予測
することができるエマルジョンの評価方法及び評価装置
を提供する。 【解決手段】 本発明のエマルジョンの評価方法は、エ
マルジョンの物性の経時変化を評価する方法であって、
エマルジョンに剪断力を付与しつつ攪拌し、その後、こ
のエマルジョンの物性を測定し、この測定値に基づきエ
マルジョンの物性の経時変化の度合いを評価することを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エマルジョンの評
価方法及び評価装置に係り、特に、石油精製の際の残渣
であるタール、アスファルト等の高粘性の石油成分を含
む超重質油乳化燃料、熱媒体や乳剤等の各種エマルジョ
ン流体等におけるエマルジョンの劣化現象を短時間で把
握し予測し得るエマルジョンの評価方法及び評価装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、将来における燃料事情の悪化、特
に石油の逼迫に備えるために、火力発電プラント等の各
種設備においても、燃料の多様化を進める必要があり、
最近では、石炭をスラリー中に分散させたCOM、CW
M等のスラリー燃料に加え、原油中に約30%も含まれ
るアスファルト等の超重質油を燃料化した超重質油乳化
燃料が注目されている。
【0003】この超重質油乳化燃料は、常温では固体状
の超重質油を改質して流動性を持たせるようにしたもの
で、例えば、タール、アスファルト等の高粘性の石油成
分である粘度が10000cp以上、API比重が10
程度の超重質油に、水及び界面活性剤を加え、その後軟
化点以上の温度で機械攪拌を行うことにより剪断力で微
粒化し、界面活性剤により水中油滴型(O/W型)エマ
ルジョンとしたもので、水中油滴型(O/W型)乳化燃
料とも称されている。この超重質油乳化燃料は、油滴が
低粘度の水によりとり囲まれていることから、温度が軟
化点から常温まで低下しても流動性が維持されるという
特徴を有する。また、この油滴は球形であるから、超重
質油を高濃度としても流動性が維持され、CWM等と比
べても燃料成分の高濃度化が可能である。
【0004】この超重質油乳化燃料は、分離・凝集し易
く、いわゆるエマルジョン劣化が生じるおそれがある。
そこで、例えば、火力発電プラント等においては、超重
質油乳化燃料にエマルジョン劣化が原因のトラブルが発
生した場合、この燃料から試料をサンプリングし、この
試料を分析することでその劣化要因を探る方法が採られ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の試料をサンプリングし分析する方法では、燃料にエ
マルジョン劣化が生じた場合に、この劣化要因を探るこ
とはできるものの、劣化が生じていないエマルジョンに
対して劣化を予測することが困難であるという問題点が
あった。
【0006】また、この方法は、大規模な試験装置を必
要とするために、多大な費用と労力を要し、しかもサン
プリングから分析までに長時間を要し、分析結果が正確
性に欠けるという問題点があった。例えば、火力発電プ
ラント等においては、超重質油乳化燃料にエマルジョン
劣化が原因のトラブルが発生した場合、試料の分析に時
間がかかるためにトラブルに対する対応も遅れ、迅速に
対処することは難しい。
【0007】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、超重質油乳化燃料、熱媒体や乳剤等の各種
エマルジョン流体等におけるエマルジョンの劣化現象を
リアルタイムかつ短時間で、しかも簡便に把握すること
ができ、その結果、火力発電プラント等の各種設備にお
ける超重質油乳化燃料等のエマルジョンの劣化現象を予
測することができるエマルジョンの評価方法及び評価装
置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次の様なエマルジョンの評価方法及び評価
装置を提供する。すなわち、請求項1記載のエマルジョ
ンの評価方法は、エマルジョンの物性の経時変化を評価
する方法であって、前記エマルジョンに剪断力を付与し
つつ攪拌し、その後、このエマルジョンの物性を測定
し、この測定値に基づき前記エマルジョンの物性の経時
変化の度合いを評価することを特徴とする。
【0009】請求項2記載のエマルジョンの評価方法
は、請求項1記載のエマルジョンの評価方法において、
前記エマルジョンは、水中油滴型エマルジョンであるこ
とを特徴とする。
【0010】請求項3記載のエマルジョンの評価方法
は、請求項2記載のエマルジョンの評価方法において、
前記水中油滴型エマルジョンは、タール、アスファルト
等の高粘性の石油成分を含むことを特徴とする。
【0011】本発明のエマルジョンの評価方法では、エ
マルジョンに剪断力を付与しつつ攪拌することにより、
該エマルジョンが強制攪拌され、エマルジョンの経時変
化が加速される。その後、このエマルジョンのレオグラ
ム、粒径分布等の物性の変化を測定する。これにより、
エマルジョンの物性の経時変化の度合いを、リアルタイ
ムかつ短時間で、しかも簡便に把握する。
【0012】請求項4記載のエマルジョンの評価装置
は、エマルジョンの物性の経時変化を評価する装置であ
って、前記エマルジョンを貯留する容器と、該容器内の
エマルジョンに剪断力を付与しつつ攪拌する攪拌手段と
を備え、該攪拌手段は、軸の先端部に設けられた羽根
と、該羽根を収容する凹部が形成された基体と、該基体
及び軸を支持する支持部とを備え、前記羽根は、前記軸
の回転に伴って前記エマルジョンに剪断力を付与するよ
うに前記凹部の内面の少なくとも一部に近接配置されて
いることを特徴とする。
【0013】このエマルジョンの評価装置では、エマル
ジョンは、前記羽根をその軸の回りに回転させること
で、前記羽根と前記凹部の内面との間の狭いギャップを
高速で通過し、この間に高エネルギーで高剪断力が付与
され、エマルジョンの経時変化が加速される。その後、
このエマルジョンのレオグラム、粒径分布等の物性の変
化を測定する。これにより、エマルジョンの物性の経時
変化を、リアルタイムかつ短時間で、しかも簡便に把握
することが可能になる。
【0014】請求項5記載のエマルジョンの評価装置
は、請求項4記載のエマルジョンの評価装置において、
前記容器に、前記エマルジョンの物性を測定する測定手
段を設けてなることを特徴とする。この装置では、測定
手段を用いてエマルジョンの物性をリアルタイムで測定
することにより、エマルジョンの物性の経時変化を迅速
に把握することが可能になる。
【0015】請求項6記載のエマルジョンの評価装置
は、請求項4または5記載のエマルジョンの評価装置に
おいて、前記容器に、収容されるエマルジョンを加熱す
る加熱手段を設けてなることを特徴とする。この装置で
は、加熱手段を用いて前記容器に収容されるエマルジョ
ンを加熱することにより、高剪断攪拌、加温、経時をパ
ラメータとするエマルジョンの物性の経時変化を加速す
る。
【0016】請求項7記載のエマルジョンの評価装置
は、請求項4、5または6記載のエマルジョンの評価装
置において、前記容器は、各種プラント等のエマルジョ
ンを流動させる配管に接続されて該配管内のエマルジョ
ンの物性の経時変化を逐次評価することを特徴とする。
この装置では、各種プラント等の配管内を流動するエマ
ルジョンの物性の経時変化を逐次測定することで、この
配管内のエマルジョンの物性の経時変化を、リアルタイ
ムでしかも迅速に測定することが可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のエマルジョンの評価方法
及び評価装置の一実施形態について、図面に基づき説明
する。図1は、本発明の一実施形態の水中油滴型エマル
ジョンの評価装置を示す概略構成図であり、水中油滴型
エマルジョンとして火力発電プラント等に用いられる超
重質油乳化燃料を用いたもので、火力発電プラント等の
超重質油乳化燃料用配管に組み込まれた例である。
【0018】図1において、符号1は超重質油乳化燃料
用配管、2はこの配管1の測定点に接続されて該測定点
から自動サンプリングにより試料を導入する劣化加速処
理系、3は超重質油乳化燃料の濃度を自動制御する濃度
制御系、4は超重質油乳化燃料の粒径分布等の物性を任
意の時間間隔で自動的に測定する測定系(測定手段)で
ある。
【0019】超重質油乳化燃料としては、例えば、ター
ル、アスファルト等の高粘性の石油成分である粘度が1
0000cp以上、API比重が10程度の超重質油
に、水及び非イオン系の界面活性剤を所定量加え、その
後軟化点以上の温度、例えば80℃で剪断力を付与しつ
つ攪拌する高速剪断攪拌を行うことにより微粒化し、非
イオン系の界面活性剤により水中油滴型(O/W型)エ
マルジョンとしたものが好適に用いられる。
【0020】劣化加速処理系2は、超重質油乳化燃料1
1に剪断力を付与しつつ攪拌することでエマルジョン劣
化を加速する装置であり、超重質油乳化燃料11を貯留
する有底円筒状の容器12と、容器12内の超重質油乳
化燃料11に剪断力を付与しつつ攪拌する高速剪断攪拌
機(攪拌手段)13と、容器12の外側に設けられて超
重質油乳化燃料11を所望の温度、例えば80℃に加熱
・保持するヒーター(加熱手段)14と、高速剪断攪拌
機13を駆動する電動機15と、タイマー16と、サン
プラー17とにより構成されている。
【0021】濃度制御系3は、超重質油乳化燃料11を
所望の濃度にコントロールする装置であり、超重質油乳
化燃料11を希釈液21により所望の濃度に希釈する希
釈槽22と、希釈槽22内の液を攪拌するマグネチック
スターラー等の攪拌機23と、希釈液21を貯留しかつ
希釈槽22内に定量供給する容器24とにより構成され
ている。
【0022】測定系4は、所望の濃度に希釈された超重
質油乳化燃料11aの粒径分布を測定する粒径分布測定
機31と、測定されたデータを処理するコンピュータ3
2とにより構成されている。このコンピュータ32は、
粒径測定データを処理するのみではなく、各バルブの開
閉、ポンプ、モータの入出力信号等を処理することがで
き、本システム全体を総合的に制御する。
【0023】粒径分布測定機31は、例えば、レーザ光
散乱式粒径測定装置と称されるもので、希釈された超重
質油乳化燃料11aを流動・充填するセル33と、セル
33に所定の波長のレーザ光を照射する光源34と、セ
ル33を透過したレーザ光を検出する受光素子35とに
より構成されている。
【0024】この測定系4では、粒径分布測定機31を
他の物性を測定する測定装置と置き換えれば、その物性
を測定することができる。例えば、粗粒量を測定したい
場合には湿式篩等を、水中固形分を測定したい場合には
遠心分離器等を、粒径分布測定機31と置き換えればよ
い。
【0025】高速剪断攪拌機13は、タービンミキサ
ー、あるいはホモミキサーと称されるもので、図2〜図
4に示すように、垂直に配置された軸41の下端部に、
軸41の周りに等間隔に略3角形の板状の羽根42が複
数枚(図3では6枚)設けられている。また、円板状の
基体43の下端部には、これらの羽根42を収容する略
円錐状の凹部44が形成され、この凹部44の一部は、
その周方向に等間隔かつ軸心方向に向かって突出する内
面44aとされている。
【0026】この内面44aと羽根42の外縁部とのギ
ャップ(間隔)は、羽根42が軸41と共に回転するに
伴って超重質油乳化燃料11に剪断力を付与するよう
に、極力狭くなるように設定されている。例えば、0.
5〜1mm等である。そして、軸41は同軸的に配置さ
れた支持部45によりその軸心の周りに回転自在に支持
され、基体43は支持部45に固定されている。
【0027】この装置では、超重質油乳化燃料11は、
羽根42を軸41と共にその周りに回転させることで、
羽根42と凹部44の内面44aとの間のギャップを高
速で通過するが、この間に高エネルギーで高剪断力が付
与され、超重質油乳化燃料11の物性の経時変化が加速
される。このように、超重質油乳化燃料11に劣化加速
処理を施すことで、極めて短時間で超重質油乳化燃料1
1の物性に経時変化を生じさせることができる。
【0028】その後、この超重質油乳化燃料11のレオ
グラム、粒径分布等の物性の変化を測定する。これによ
り、超重質油乳化燃料の物性の経時変化を、リアルタイ
ムかつ短時間で、しかも簡便に把握することが可能にな
る。
【0029】次に、超重質油乳化燃料の劣化処理時間と
物性量との関係について図に基づき説明する。ここで
は、超重質油乳化燃料の温度を80℃、羽根42の回転
数を8000rpm(ずり速度 約2000-sec)とし
た。図5は、超重質油乳化燃料の劣化加速処理時間と平
均粒径及び粗粒量との関係を示す図、図6は、超重質油
乳化燃料の劣化加速処理時間と粘度及び水中固形分との
関係を示す図である。
【0030】これらの図によれば、処理開始直後(0〜
5分)のわずかな粗粒子化の進行(図5)により、粘度
低下を引き起こす(図6)ことが分かる。また、処理時
間が10分以上では、粒子の凝集・合一が進行し、粘度
上昇を引き起こしている(図6)ことが分かる。
【0031】図7は、超重質油乳化燃料の劣化加速処理
に伴う粒径分布の推移を示す図であり、劣化加速処理時
間は、0分(未処理)、10分、20分、40分、60
分、90分、120分の7通りとしている。この劣化加
速処理では、エマルジョン劣化の指標として重要視され
る粒径分布は、ごく少量(約1ml)の試料で迅速に測
定することができるという利点があり、極小規模の劣化
加速処理で半バッチ的に測定を行うことができるため、
迅速かつ簡便なデータ取得が可能である。
【0032】図8〜図15は、超重質油乳化燃料の劣化
加速処理に伴うレオグラムの推移を示す図であり、劣化
加速処理時間は、0分(未処理)、5分、10分、20
分、40分、60分、90分、120分の8通りとして
いる。これらの図によれば、60分処理以降のレオグラ
ム(図13〜図15)は、高ずり域で不規則にばらつい
ており、エマルジョンの物性としては非常に不安定な状
態であり、かろうじて分散性(水中油滴型エマルジョ
ン)を維持している。
【0033】図16は、超重質油乳化燃料の劣化加速処
理におけるパラメータを温度及び回転数(剪断力)とし
た場合のそれぞれの処理時間と平均粒径との関係を示す
図であり、図17は、超重質油乳化燃料の劣化加速処理
におけるパラメータを温度及び回転数(剪断力)とした
場合のそれぞれの処理時間と粗粒量との関係を示す図で
ある。
【0034】これらの図によれば、粗粒子化現象が温
度、回転数(剪断力)に比例して促進されることが分か
る。また、その促進の程度も読みとることができる。以
上説明したように、高剪断攪拌処理を施したサンプルを
詳細に分析することにより、その劣化の度合いを知るこ
とができる。
【0035】以上説明したように、本実施形態の超重質
油乳化燃料の評価方法によれば、超重質油乳化燃料に剪
断力を付与しつつ攪拌し、その後、この超重質油乳化燃
料の物性を測定し、この測定値に基づき超重質油乳化燃
料の物性の経時変化の度合いを評価するので、超重質油
乳化燃料の物性の経時変化を加速することで、物性が未
知の超重質油乳化燃料について、その劣化現象を極めて
短時間でしかも正確にに把握することができる。
【0036】また、本実施形態の超重質油乳化燃料の評
価装置によれば、劣化加速処理系2を、超重質油乳化燃
料11を貯留する有底円筒状の容器12と、容器12内
の超重質油乳化燃料11に剪断力を付与しつつ攪拌する
高速剪断攪拌機13とを備えた構成としたので、超重質
油乳化燃料11は高速剪断攪拌機13により高剪断力が
付与され、超重質油乳化燃料11の経時変化が加速さ
れ、超重質油乳化燃料11の物性の経時変化を、リアル
タイムかつ短時間で、しかも簡便に把握することができ
る。
【0037】また、容器12の外側に、超重質油乳化燃
料11を所望の温度に加熱・保持するためのヒーター1
4を設けたので、このヒーター14により容器12内に
収容される超重質油乳化燃料11を所望の温度に加熱・
保持することができ、高剪断攪拌、加温、経時をパラメ
ータとする超重質油乳化燃料11の物性の経時変化を加
速させることができる。
【0038】また、超重質油乳化燃料の劣化加速処理に
おけるパラメータを、実際の装置を想定した値に設定す
ることで、その実際の装置における劣化現象を想定する
ことができ、実際の装置のハンドリング条件、あるいは
運用条件の設定に有用なデータを取得することができ
る。
【0039】以上、本発明の超重質油乳化燃料の評価方
法及び評価装置の一実施形態について図面に基づき説明
してきたが、具体的な構成は上記実施形態に限定される
ものではなく、適宜変更可能である。例えば、高速剪断
攪拌機13は、超重質油乳化燃料11に剪断力を付与し
つつ攪拌する構成であればよく、図2〜図4に示す形状
に限定されないのはもちろんである。
【0040】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の請求項1〜
3記載のエマルジョンの評価方法によれば、前記エマル
ジョンに剪断力を付与しつつ攪拌し、その後、このエマ
ルジョンの物性を測定し、この測定値に基づき前記エマ
ルジョンの物性の経時変化の度合いを評価するので、エ
マルジョンを強制攪拌することで該エマルジョンの経時
変化を加速することができる。したがって、エマルジョ
ンの物性の経時変化の度合いを、極めて短時間で、かつ
リアルタイムで、しかも簡便に把握することができる。
【0041】請求項4記載のエマルジョンの評価装置に
よれば、エマルジョンを貯留する容器と、該容器内のエ
マルジョンに剪断力を付与しつつ攪拌する攪拌手段とを
備え、該攪拌手段は、軸の先端部に設けられた羽根と、
該羽根を収容する凹部が形成された基体と、該基体及び
軸を支持する支持部とを備え、前記羽根を、前記軸の回
転に伴って前記エマルジョンに剪断力を付与するように
前記凹部の内面の少なくとも一部に近接配置したので、
エマルジョンが前記羽根と前記凹部の内面との間の狭い
ギャップを高速で通過する間に高エネルギーで高剪断力
を付与し、エマルジョンの物性の経時変化を加速するこ
とができる。したがって、エマルジョンの物性の経時変
化を、極めて短時間で、かつリアルタイムで、しかも簡
便に把握することができる。
【0042】請求項5記載のエマルジョンの評価装置に
よれば、前記容器に、前記エマルジョンの物性を測定す
る測定手段を設けたので、この測定手段を用いてエマル
ジョンの物性をリアルタイムで測定することができ、エ
マルジョンの物性の経時変化を迅速に把握することがで
きる。
【0043】請求項6記載のエマルジョンの評価装置に
よれば、前記容器に、収容されるエマルジョンを加熱す
る加熱手段を設けたので、高剪断攪拌、加温、経時をパ
ラメータとするエマルジョンの物性の経時変化を加速す
ることができ、その結果、極めて短時間でエマルジョン
の物性の経時変化を知ることができる。
【0044】請求項7記載のエマルジョンの評価装置に
よれば、前記容器は、各種プラント等のエマルジョンを
流動させる配管に接続されて該配管内のエマルジョンの
物性の経時変化を逐次評価することとしたので、各種プ
ラント等の配管内を流動するエマルジョンの物性の経時
変化を逐次測定することができ、この配管内のエマルジ
ョンの物性の経時変化を、リアルタイムでしかも迅速に
測定することができる。
【0045】以上により、超重質油乳化燃料、熱媒体や
乳剤等の各種エマルジョン流体等におけるエマルジョン
の劣化現象をリアルタイムかつ短時間で、しかも簡便に
把握することができ、その結果、火力発電プラント等の
各種設備における超重質油乳化燃料等のエマルジョンの
劣化現象を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の水中油滴型エマルジョ
ンの評価装置を示す概略構成図である。
【図2】 本発明の一実施形態の水中油滴型エマルジョ
ンの評価装置の高速剪断攪拌機を示す断面図である。
【図3】 本発明の一実施形態の水中油滴型エマルジョ
ンの評価装置の高速剪断攪拌機の羽根部分を示す下面図
である。
【図4】 本発明の一実施形態の水中油滴型エマルジョ
ンの評価装置の高速剪断攪拌機の下端部を示す断面図で
ある。
【図5】 超重質油乳化燃料の劣化加速処理時間と平均
粒径及び粗粒量との関係を示す図である。
【図6】 超重質油乳化燃料の劣化加速処理時間と粘度
及び水中固形分との関係を示す図である。
【図7】 超重質油乳化燃料の劣化加速処理に伴う粒径
分布の推移を示す図である。
【図8】 超重質油乳化燃料の劣化加速処理が未処理の
場合のレオグラムを示す図である。
【図9】 超重質油乳化燃料の劣化加速処理時間が5分
の場合のレオグラムを示す図である。
【図10】 超重質油乳化燃料の劣化加速処理時間が1
0分の場合のレオグラムを示す図である。
【図11】 超重質油乳化燃料の劣化加速処理時間が2
0分の場合のレオグラムを示す図である。
【図12】 超重質油乳化燃料の劣化加速処理時間が4
0分の場合のレオグラムを示す図である。
【図13】 超重質油乳化燃料の劣化加速処理時間が6
0分の場合のレオグラムを示す図である。
【図14】 超重質油乳化燃料の劣化加速処理時間が9
0分の場合のレオグラムを示す図である。
【図15】 超重質油乳化燃料の劣化加速処理時間が1
20分の場合のレオグラムを示す図である。
【図16】 超重質油乳化燃料の劣化加速処理における
パラメータを温度及び回転数とした場合の処理時間と平
均粒径との関係を示す図である。
【図17】 超重質油乳化燃料の劣化加速処理における
パラメータを温度及び回転数とした場合の処理時間と粗
粒量との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 超重質油乳化燃料用配管 2 劣化加速処理系 3 濃度制御系 4 測定系(測定手段) 11 超重質油乳化燃料 11a 希釈された超重質油乳化燃料 12 容器 13 高速剪断攪拌機(攪拌手段) 14 ヒーター(加熱手段) 15 電動機 16 タイマー 17 サンプラー 21 希釈液 22 希釈槽 23 攪拌機 24 容器 31 粒径分布測定機 32 コンピュータ 33 セル 34 光源 35 受光素子 41 軸 42 羽根 43 基体 44 凹部 44a 内面 45 支持部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エマルジョンの物性の経時変化を評価す
    る方法であって、 前記エマルジョンに剪断力を付与しつつ攪拌し、その
    後、このエマルジョンの物性を測定し、この測定値に基
    づき前記エマルジョンの物性の経時変化の度合いを評価
    することを特徴とするエマルジョンの評価方法。
  2. 【請求項2】 前記エマルジョンは、水中油滴型エマル
    ジョンであることを特徴とする請求項1記載のエマルジ
    ョンの評価方法。
  3. 【請求項3】 前記水中油滴型エマルジョンは、ター
    ル、アスファルト等の高粘性の石油成分を含むことを特
    徴とする請求項2記載のエマルジョンの評価方法。
  4. 【請求項4】 エマルジョンの物性の経時変化を評価す
    る装置であって、 前記エマルジョンを貯留する容器と、該容器内のエマル
    ジョンに剪断力を付与しつつ攪拌する攪拌手段とを備
    え、 該攪拌手段は、軸の先端部に設けられた羽根と、該羽根
    を収容する凹部が形成された基体と、該基体及び軸を支
    持する支持部とを備え、 前記羽根は、前記軸の回転に伴って前記エマルジョンに
    剪断力を付与するように前記凹部の内面の少なくとも一
    部に近接配置されていることを特徴とするエマルジョン
    の評価装置。
  5. 【請求項5】 前記容器に、前記エマルジョンの物性を
    測定する測定手段を設けてなることを特徴とする請求項
    4記載のエマルジョンの評価装置。
  6. 【請求項6】 前記容器に、収容されるエマルジョンを
    加熱する加熱手段を設けてなることを特徴とする請求項
    4または5記載のエマルジョンの評価装置。
  7. 【請求項7】 前記容器は、各種プラント等のエマルジ
    ョンを流動させる配管に接続されて該配管内のエマルジ
    ョンの物性の経時変化を逐次評価することを特徴とする
    請求項4、5または6記載のエマルジョンの評価装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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