JP4063845B2 - 2次元コード送信方法、システム、及び携帯端末 - Google Patents
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Description
本発明は、携帯電話機などの携帯端末に対して、通信により、2次元コードをその表示部において画面上に表示するための2次元コード送信方法及びシステムと、そのような送信方法において用いられる携帯端末と、に関する。
従来、商品のコード番号などを機械読み取り可能な形態で商品に付するために、従来から、JANコード、ITF、UCC/EAN128などの(1次元)バーコードが広く用いられている。バーコードでは、太さの異なる少なくとも2種類のバーを1次元方向に多数本配列されており、バーコードにおける地紋部分とバー部分との光の反射の差をバーコードリーダによって光学的に走査し、検出することによって、そのバーコードに対応した数字列や文字列を取得することができる。しかしながら、通常のバーコードでは、1次元方向におけるバーの並びのみに基づいて情報を表しているため、それほど多くの情報量を表すことができない。そこで、横方向である長さの概念に縦方向である高さの概念を加え、水平及び垂直の両方向を用いて情報を表すことにより、小面積でより多くの情報を格納できるようにした2次元コードが注目を浴びるようになってきた。2次元コードによれば、面積効率の点で、1次元のバーコードに比べ、数十倍から数百倍の情報量を格納することができる。
ところで、近年、携帯電話機を利用した様々なサービスが提供されている。それらの中には、最近の携帯電話機が、インターネットに接続したり画像データをダウンロードする機能を有するとともに、例えば、120画素(ピクセル)×160画素や、240画素×320画素といったビットマップ表示が可能な比較的大きなディスプレイ(表示部)を有することを利用したものもある。そのようなサービスには、例えば、インターネットへの接続が可能な携帯電話機に対し、商品購入などに際して用いられるクーポン券を配信して携帯電話機のディスプレイ上に表示させ、利用者がそのクーポン券が表示された携帯電話機を提示することで割引を受けることができるようにするものがある。このサービスでは、クーポン券として、上述した2次元コードを用いるのが一般的である。利用者は、携帯電話機を用いて、そのサービスを提供する企業のサーバにアクセスし、そのサーバからクーポン券の画像データを携帯電話機にダウンロードし、クーポン券を使用しようとする店舗において、ダウンロードしたクーポン券を携帯電話機のディスプレイ上に表示させる。そして、その店舗のバーコードリーダ(あるいは2次元コード用の光学式リーダ)によって2次元コードであるクーポン券を読取らせ、POS(point of sales)レジスタと連動させることによって、その店舗での商品購入の際に割引をうけることができる。このような電子的にクーポン券を提供する電子クーポン券提供システムとしては、例えば、日本国特許公開:特開2003−248774に記載されたものがある。
特開2003−248774号公報
しかしながら、2次元コードを利用した上述の電子クーポン券提供システムでは、クーポン券を発行する企業のサーバにおいて2次元コードを発生し、利用者は、インターネットを経由してそのサーバにアクセスし、その2次元コードの画像データをサーバから自己の携帯電話機にダウンロードする仕組みとなっている。
携帯電話機のディスプレイ上に表示されたものが2次元コードであると視認できることや、リーダで読取る際の読み取りエラーを防ぐために、ディスプレイ上の例えば5画素×5画素の領域を2次元コードにおける1ドット(あるいは1セル)に割当てている。したがって、2次元コードとして携帯電話機にダウンロードされる画像ファイルは、ある程度のデータサイズを有している。受信したデータ量に対して従量に応じた課金を行っている携帯電話サービスにおいては、2次元コード画像ファイルをダウンロードするごとにある程度のデータ量を受信するため、利用者にとって通信料負担が発生する。もちろん、入力データからそれに対応する2次元コードを生成するための符号化アルゴリズムは既知であるから、その符号化アルゴリズムを用いて、携帯電話機側で2次元コードを発生させることも考えられる。しかしながら、2次元コード生成の符号化アルゴリズムでは、リーダが適切に読取れるように入力データからドット群に生成するとともにCRC(cyclic redundancy code)などの誤り訂正符号の計算なども行っており、携帯電話機上で実行されるアプリケーションプログラムとしてこのような符号化アルゴリズムを実行することは、計算量やプログラムサイズの点で、現実的でない。
また、クーポン券を発行している企業のサーバにおいても、ユーザの携帯電話からのアクセスが増加した場合には、生成した2次元コードを画像ファイルに変換するために相当の負担がかかることになる。したがってサーバを運営する企業としても、負荷分散等の措置のためにウェブサーバの台数を増やさなければならず、設備投資を強いられることになる。
本発明の目的は、2次元コードを携帯電話機などの携帯端末へ送信する際に、携帯端末側に過大な処理を要求することなく送信すべきデータ量を軽減させることができる2次元コードの送信方法、送信システム及び携帯端末を提供することにある。
本発明の2次元コード送信方法は、ネットワークを介してサーバから携帯端末へ2次元コードを送信する2次元コード送信方法であって、サーバにおいて、2次元コードから演算によって文字列データを生成する段階と、文字列データをサーバから携帯端末に送信する段階と、携帯端末において、演算の逆演算によって、文字列データを2次元コードに変換する段階と、を有する。
本発明の2次元コード送信システムは、ネットワークを介して2次元コードを送信するサーバを備え、サーバは、情報源データから前記2次元コードを生成する2次元コード生成手段と、2次元コードから演算によって文字列データを生成する文字列生成演算手段と、を有する。
本発明の携帯端末は、受信した文字列データを逆演算によって2次元コードに復元する文字列逆演算手段と、表示手段と、表示手段上に復元された2次元コードを表示する表示処理手段と、を有する
本発明では、サーバ側から2次元コードを画像ファイルとして送信するのではなく、2次元コードの画像データを演算により文字列データに変換し、その文字列データを送信する。受信する携帯端末側では、サーバ側での演算の逆演算を行うことにより、元の画像データに復元され、2次元コードとなる。復元された2次元コードは、携帯端末の表示部へ表示させ、2次元コードリーダで読み取ることができる。本発明によれば、従来の画像データを送信する時よりも送信データ量が大幅に削減される。したがって、データを受信する利用者においては、受信するデータ量に応じた課金をされるようなインターネット接続型携帯端末を使用している場合であれば、課金を少なくすることができる。2次元コードを配信する側においても、サーバへの負荷が少なくなる。
本発明では、サーバ側から2次元コードを画像ファイルとして送信するのではなく、2次元コードの画像データを演算により文字列データに変換し、その文字列データを送信する。受信する携帯端末側では、サーバ側での演算の逆演算を行うことにより、元の画像データに復元され、2次元コードとなる。復元された2次元コードは、携帯端末の表示部へ表示させ、2次元コードリーダで読み取ることができる。本発明によれば、従来の画像データを送信する時よりも送信データ量が大幅に削減される。したがって、データを受信する利用者においては、受信するデータ量に応じた課金をされるようなインターネット接続型携帯端末を使用している場合であれば、課金を少なくすることができる。2次元コードを配信する側においても、サーバへの負荷が少なくなる。
[図1]図1は、本発明の実施の一形態の2次元コード送信システムの構成を示すブロック図である。
[図2A]図2Aは、図1のシステムにおけるサーバ側での処理を説明するフローチャートである。
[図2B]図2Bは、それぞれ、図1のシステムにおける携帯端末側での処理を説明するフローチャートである。
[図3]図3は、2次元コードの一例を示す図である。
[図4A]図4Aは、2次元コードから文字列データを生成する処理を示すフローチャートである。
[図4B]図4Bは、送信用テンプレートを示す図である。
[図5]図5は、文字列データから2次元コードに復元する処理を示すフローチャートである。
[図2A]図2Aは、図1のシステムにおけるサーバ側での処理を説明するフローチャートである。
[図2B]図2Bは、それぞれ、図1のシステムにおける携帯端末側での処理を説明するフローチャートである。
[図3]図3は、2次元コードの一例を示す図である。
[図4A]図4Aは、2次元コードから文字列データを生成する処理を示すフローチャートである。
[図4B]図4Bは、送信用テンプレートを示す図である。
[図5]図5は、文字列データから2次元コードに復元する処理を示すフローチャートである。
図1に示す本発明の実施の一形態の2次元コード送信システムは、クーポン券などの2次元コードを発行する企業側のサーバと、2次元コードが配信される携帯電話機などの携帯端末8とから構成されている。これらのサーバと携帯端末8は、インターネット6及び携帯電話網7を介して接続している。なお、インターネット6には、公衆回線、専用線を包括する一般的なネットワークが含まれており、インターネット6及び携帯電話網7は、不図示のゲートウェイを介して相互に接続し、これによって携帯端末8がインターネット6に接続できるようになっている。
このシステムでは、サーバ側から携帯端末8に2次元コードを送信する際に、2次元コードを画像データとして扱った画像ファイルを送信するのではなく、2次元コードから簡単な演算で算出されるとともに逆演算によって簡単に2次元コードを復元できる文字列データを送信する。後述する例では、文字列データは、0から9までの数字と、“,”(カンマ)と、AからFまでの英字の合計17種類の文字から構成されるものである。
サーバには、クーポン券のデータなどを格納した情報源データベース1と、入力データを2次元コードに変換し、さらにその2次元コードを送信用の文字列データに変換する2次元コード処理サーバ2と、インターネット6に接続し携帯端末8側からのウェブアクセスを受け付けるウェブサーバ5とが設けられている。2次元コードサーバ2は、ウェブサーバ5のバックエンドサーバとして機能するものであり、情報源データベース1から取得したデータを入力データとして、この入力データに対応する2次元コードを生成する2次元コード生成部3と、生成した2次元コードを後述する手順にしたがって文字列データに変換する文字列生成演算部4と、を備えている。
携帯端末8は、携帯電話網7からの無線信号を受信する無線信号受信部9と、受信した無線信号をベースバンドへ復調し、携帯端末8内のコンピュータプログラムが解析可能な信号へ変換するベースバンド処理部10と、ベースバンド処理部10を経て入力される、ウェブサーバ5よりダウンロードした文字列データを元の2次元コードに復元する文字列逆演算部11と、液晶表示パネルなどからなる表示部13と、復元された2次元コードを表示部13へ表示させる2次元コード画像表示処理部12と、を備えている。ここには図示していないが、携帯端末8には、電話番号やインターネット上のアドレスを入力するためのキーパッドなども設けられている。
次に、このシステムにおいてサーバ側から携帯端末8に対して2次元コードを送信する手順について説明する。
2次元コードの種類としては、現在、代表的なものとしてQRコード、マキシコード(Maxi Code)、データマトリクス(DataMatrix)、PDF417などが存在するが、以下の説明では、2次元コードとしてQRコードが用いられるものとする。QRコードは、日本標準規格(JIS)X0510、及びこれと同等のISO規格であるISO/IEC18004に規定されている。もちろん本発明は、QRコード以外の2次元コードを用いる場合であっても、好ましく適用できるものである。
最初に、サーバ側での処理を図2Aを用いて説明する。
2次元コード処理サーバ2は、情報源データベース1に格納されているクーポン券などの情報を入力データとして受け取り、ステップ201において、2次元コード生成部3においてその入力データを2次元コードであるQRコードに変換する。その後、ステップ202において、2次元コード処理サーバ2の文字列生成演算部4は、作成したQRコードを文字列データに変換する。文字列データへの変換の詳細は後述するが、簡単に言えば、2次元コードを各行ごとにドットの並びをビット列とみなし、適当なビット数ごとにそのビット列を文字コードとみなして対応する文字を選択し、そのようにして選択された文字をつなげることによって、文字列データが生成する。その後、文字列データに変換されたクーポン券などの情報は、ウェブサーバ5に格納される。
携帯端末8からのウェブアクセスが携帯電話網7とインターネット6を介してウェブサーバ5に受け付けられ、ステップ203において、携帯端末8よりダウンロード要求があった場合には、ウェブサーバ5は、ステップ204において、その要求された情報に対応する文字列データを携帯端末8へ送信する。この文字列データは、インターネット6及び携帯電話網7を介して携帯端末8に到達する。
次に、携帯端末8での処理を図2Bを用いて説明する。
携帯端末8は、ステップ205において、ウェブサーバ5ヘダウンロード要求を出して、ステップ206においてウェブサーバ5より送信OKを受信したら、ステップ207において、インターネット6および携帯電話網7を介して文字列データを受信する。なお、文字列データなどの情報信号は、携帯電話網7においては、一旦、携帯電話用の無線信号となって送信されるが、携帯端末8で受信したときに、無線信号受信部9及びベースバンド処理部10を介して、携帯端末8内で処理可能な情報信号、すなわち文字列データヘ復調されている。受信した文字列データは、文字列逆演算部11において、ステップ208において、文字列データからQRコードへ復元される。復元されたQRコードは、ステップ209において、2次元コード画像表示処理部12によって、表示部13上に表示される。
《2次元コードの文字列データ化》
次に、本実施形態における2次元コードを文字列データに変換する処理を説明する。
次に、本実施形態における2次元コードを文字列データに変換する処理を説明する。
QRコードは、小正方形の領域であるドットを縦横同数個配列して構成された正方形の2次元コードであり、ドットごとに2値の色彩(例えば、黒及びブランク(白))を付することによって、情報を格納するものである。ドットのことは、セルとも呼ばれる。QRコードには、各辺を何ドットで構成するかによってバージョンが定められている。最小のQRコードは21ドット×21ドットの大きさであり、それから各辺ごとに4ドットずつ増やすことによって、最大177ドット×177ドットの大きさのものまでが定められている。
QRコードの収納できる文字数としては、数字のみであれば最大で7,089文字、英文字、数字、記号では最大4,296文字、バイナリ(8ビット)では最大2,953文字、漢字、カナでは最大1,817文字である。
図3は、QRコードの一例を示している。図示されるQRコード300は、縦25ドット、横25ドットの正方形のものであり、最近の一般的な携帯電話機の液晶表示パネルにおいて、その画面全体の大きさの約80%の大きさで表示された場合に、2次元コードリーダが読み取るのに適したドット数のものである。なお図3において、左上に示されたものが、実際に表示あるいは印刷されるQRコードを示しており、このようなQRコードを拡大したものが、中央から右下にかけて示されている。拡大図には、各ドットの位置と内容を説明するために、垂直方向と水平方向の細線が記載されているが、実際のQRコードにはそのような細線が含まれることはない。
携帯端末8の表示部13上に表示すべきQRコードをサーバから携帯端末8へ送信する場合に、従来は画像ファイルデータとして送っていたものを、本実施形態では次に説明する演算方法により文字列データに変換して送信している。以下、図3、図4A及び図4Bを用いて、2次元コードから文字列データへの変換のための演算方法について、詳細に説明する。ここでは、2次元コードが図3に示したパターンを有する25ドット×25ドットのQRコード300であるとする。
図3に示したようなQRコード300を受け取ると、2次元コード処理サーバ2の文字列生成演算部2は、ステップ401において、QRコード300の最上段301すなわち図示一番上の行において、その行の左端から、順次、黒であるドットを“1”として認識し、ブランク(白)であるドットを“0”であると認識して、“1”と“0”からなるビット列を生成する。図示したQRコード300の最上段では、左から、
「黒黒黒黒黒黒黒白黒白黒白黒黒白白黒白黒黒黒黒黒黒黒」
とドットが並んでいるので、得られるビット列は、25ビット長であって、
「1111111010101100101111111」
となる。次に、2段目302の処理に入り、同様にビット列を生成すると、
「1000001011000100001000001」
となる。ステップ402において最終段であるかどうかを確認して最終段でなければステップ401に処理を繰り返すことにより、することにより、最終段304に至るまで、各行ごとにビット列を生成する。なお、このように生成された各行のビット列を列方向に配列することによって、2次元コードにおける黒ドット部分とブランクドット部分とを解析した行列(マトリクス)として扱うことができる。
「黒黒黒黒黒黒黒白黒白黒白黒黒白白黒白黒黒黒黒黒黒黒」
とドットが並んでいるので、得られるビット列は、25ビット長であって、
「1111111010101100101111111」
となる。次に、2段目302の処理に入り、同様にビット列を生成すると、
「1000001011000100001000001」
となる。ステップ402において最終段であるかどうかを確認して最終段でなければステップ401に処理を繰り返すことにより、することにより、最終段304に至るまで、各行ごとにビット列を生成する。なお、このように生成された各行のビット列を列方向に配列することによって、2次元コードにおける黒ドット部分とブランクドット部分とを解析した行列(マトリクス)として扱うことができる。
最終段304のビット列の生成が終了すると、次に、ステップ403において、ステップ401〜402で生成された“0”と“1”からなる、各行のビット列(長さはそれぞれ25ビット)について、左から4ビット単位で区切り、最後尾に“0”を3ビットを付加し、QRコード300の行ごとの28ビットのビット列を生成する。例えば1段目については、
「1111 1110 1010 1100 1011 1111 1000」
というビット列が得られる。そして、このビット列は2進数表示されているが、これをステップ404において16進数に変換すると、
「1111 1110 1010 1100 1011 1111 1000」から
「FEACBF8」となり、1段分の文字列データが生成する。
「1111 1110 1010 1100 1011 1111 1000」
というビット列が得られる。そして、このビット列は2進数表示されているが、これをステップ404において16進数に変換すると、
「1111 1110 1010 1100 1011 1111 1000」から
「FEACBF8」となり、1段分の文字列データが生成する。
ステップ405において最終段であることかどうかを確認して最終段でなければステップ403〜404の処理を繰り返す。そして、QRコードにおける各行のドットを文字列データに変換する処理が最終段まで完了すると、文字列生成演算部4は、ステップ406において、ウェブサーバ5へ格納する送信用のデータにするため、生成した各行の文字列データを図4Bに示す送信用テンプレートに適用させる。
図4Bに示した送信用テンプレートに前述の1段目のデータを当てはめると、
「25,25,FEACBF882C4208」
となる。ステップ407において最終段であることかどうかを確認して最終段でなければステップ406の処理を繰り返す。このように送信用テンプレートに適用する処理を最上段301から最終段304まで行い、処理が完了すると、QRコード300は、最終的な送信用の文字列データに変換されることになり、その送信用の文字列データは、ステップ408において、ウェブサーバ5に格納される。これで、文字列生成演算部4での処理が終了する。
「25,25,FEACBF882C4208」
となる。ステップ407において最終段であることかどうかを確認して最終段でなければステップ406の処理を繰り返す。このように送信用テンプレートに適用する処理を最上段301から最終段304まで行い、処理が完了すると、QRコード300は、最終的な送信用の文字列データに変換されることになり、その送信用の文字列データは、ステップ408において、ウェブサーバ5に格納される。これで、文字列生成演算部4での処理が終了する。
図3に示したQRコードを上述のようにして文字列データに変換した場合、最終的な送信用の文字列データは、
「25,25,FEACBF882C4208BAC72E8BA7E2E8BAC02E8825E208FEAABF8002F0009FE94B86CE9BE82EFD3C8ED9BEA8BECB3906C6128827FD4B829928B807A7FA800DF8A8FEB6AE8828C890BAA9F98BAE16B8BA2B7988240B38FEEEA48」
となる。この送信用の文字列データは、明らかに、0から9までの数字と、“,”と、AからFまでの英字の合計17種類の文字から構成されている。また、各文字がそれぞれ1バイトで表されるとすると、文字列データ全体のデータ量は、2+1+2+1+(7×25)=531バイトとなる。
「25,25,FEACBF882C4208BAC72E8BA7E2E8BAC02E8825E208FEAABF8002F0009FE94B86CE9BE82EFD3C8ED9BEA8BECB3906C6128827FD4B829928B807A7FA800DF8A8FEB6AE8828C890BAA9F98BAE16B8BA2B7988240B38FEEEA48」
となる。この送信用の文字列データは、明らかに、0から9までの数字と、“,”と、AからFまでの英字の合計17種類の文字から構成されている。また、各文字がそれぞれ1バイトで表されるとすると、文字列データ全体のデータ量は、2+1+2+1+(7×25)=531バイトとなる。
これに対し、携帯端末8の表示部13上に適切な大きさで表示されるように、図3に示したQRコード300を画像ファイルとして送信する場合には、画像ファイル形式として通常よく用いられるGIF(Graphics Interchange Format)形式を用いたときには、そのデータ量は約1050バイトとなる。したがって、本実施形態によれば、画像ファイルを送信する場合に比べ、サーバから携帯端末8側に送信されるデータ量を約50%とすることができる。
《携帯端末側での処理》
上述のようにして生成された文字列データを受信すると、携帯端末8は上述の処理の逆演算を行ってもとのQRコードのマトリックスを生成し、得られたQRコードを表示部13上に画面表示する。以下、図5を用いて、携帯端末8における処理について、詳細に説明する。
上述のようにして生成された文字列データを受信すると、携帯端末8は上述の処理の逆演算を行ってもとのQRコードのマトリックスを生成し、得られたQRコードを表示部13上に画面表示する。以下、図5を用いて、携帯端末8における処理について、詳細に説明する。
携帯端末8の文字列逆演算部11は、ステップ501においてウェブサーバ5から送られてきた文字列データを受信すると、ステップ502において、文字列データの解析を行う。本実施形態の例では、縦25ドット、横25ドットのQRコードであるので、まず縦横の大きさを認識し、次にQRコードに相当する部分のデータの抽出を行う。QRコードには各辺のドット(セル)の数が異なる複数のバージョンが存在するが、文字列コードの先頭部分に、上述したように縦横のドット数が格納されているので、それを検出することによって、縦横の大きさすなわちドット数を認識することができる。
抽出されたデータは、16進数を文字(“0”〜“9”,“A”〜“D”)によって表現したものであるため、文字列逆演算部11は、ステップ503において、この抽出されたデータをバイナリコードへ変換する。QRコードの1行のドット数から、QRコードでの1行に相当する文字列データが何文字で構成されているかが分かるので、QRコードでの各行ごとに文字列データをバイナリコードへ変換する。ステップ504において、この処理が、QRコードにおける最上段から最終段まで繰り返されたかを判断し、最終段まで処理が終えている場合には、ステップ505に進み、バイナリコードに変換された各ビット列から末尾3ビットを削除して25ビットのビット列データを生成する。この処理をQRコードの各行ごとに行い、ステップ506において、最終段まで処理を行ったかどうかを確認する。
QRコードの各行に対応するビット列データが出揃ったら、次に、2次元コード表示処理部12は、ステップ507において、ビット列における“1”を黒ドット、“0”をブランク(白)ドットとして画像を生成し、ステップ508において、その画像をQRコードとして表示部13上に表示する。
このようにして、サーバ側の2次元コード生成部3で生成したQRコードなどによる2次元コードが携帯端末8の表示部13に表示されるから、携帯端末8を2次元コードリーダの前にかざすことなどによって、その2次元コードが2次元コードリーダによって読取られる。2次元コードがクーポン券を表している場合には、例えばPOSレジスタに接続している2次元コードリーダによって読取られることによって、サーバ側からクーポン券に関する情報がPOSレジスタ側に送信され、これにより、利用者は、商品購入に際して割引などを受けることができるようになる。
以上の説明では、縦25ドット、横25ドットという比較的小さなQRコードを一例として用いているが、本発明によれば、ドットサイズがより大きなQRコードの場合には、画像データを送信する場合に比べてデータの低減率はより高くなり、したがってより高い効果が得られる。
このように本発明は、利用者にとってもクーポン券などを2次元コードとして発行する企業サーバにとっても最適な2次元コードの送信方法を提供する。
本発明に基づく上述した2次元コード送信システムにおいて、サーバは、それを実現するためのコンピュータプログラムを、汎用のコンピュータに読み込ませ、そのプログラムを実行させることによっても実現できる。サーバを実現するためのプログラムは、磁気テープやCD−ROMなどの記録媒体によって、あるいはネットワークを介して、コンピュータに読み込まれる。
同様に、本発明に基づく携帯端末8は、携帯電話網に接続する機能を有する汎用の携帯型コンピュータやPDA(personal digital assistant)に、上述した処理を実行するためのプログラムを読み込ませ、そのプログラムを実行させることによっても実現できる。
なお、携帯端末8としてインターネット接続機能を有する携帯電話機が使用される場合、携帯電話機の機種ごとに使用するCPUやOS(オペレーティングシステム)、表示のためのハードウェア構成が異なっているのが一般的である。そこで、文字列データの受信から2次元コードの表示までを実行するためのアプリケーションプログラムは、携帯電話機や携帯端末のプラットフォームに依存しない、例えば、Java(登録商標)などプログラム言語で作成することが好ましい。最近の携帯電話機では、機種によらず、Java(登録商標)アプリケーションを実行できる環境となっているので、上述した処理を実行するプログラムをそのようなプログラム言語を用いて記述することによって、機種の違いを乗り越えて、本実施形態の方法で2次元コードを送信し、表示部上に表示させることが可能になる。
このように、携帯端末に搭載されるプログラムは、文字列データから2次元コードへの復元の演算が比較的簡易なアルゴリズムのものであるためにプログラムサイズを小さくすることができ、携帯端末本体のソフトウェアのOSおよびプラットホームに依存しないプログラム言語で記述することができる。したがって、本発明は高い汎用性を示すとともに、処理においては携帯端末のCPUにかかる負荷が少なくてすむという利点を有する。
Claims (6)
- ネットワークを介してサーバから携帯端末へ2次元コードを送信する2次元コード送信方法であって、
前記サーバにおいて、前記2次元コードから演算によって文字列データを生成する段階と、
前記文字列データを前記サーバから前記携帯端末に送信する段階と、
前記携帯端末において、前記演算の逆演算によって、前記文字列データを前記2次元コードに変換する段階と、
を有し、
前記2次元コードは、それぞれが第1の値と第2の値のいずれかを表すドットの集合であり、
前記演算は、前記2次元コードの行ごとに、前記ドットの値に対応したビット列を生成する段階と、生成したビット列に基づいて文字列を生成する段階と、前記2次元コードの全ての行についその前記文字列を連結して前記文字列データを生成する段階と、を有する、2次元コード送信方法。 - 前記2次元コードがQRコードである、請求項1に記載の方法。
- ネットワークを介して2次元コードを送信するサーバを備え、
前記サーバは、情報源データから前記2次元コードを生成する2次元コード生成手段と、前記2次元コードから演算によって文字列データを生成する文字列生成演算手段と、を有し、
前記2次元コードは、それぞれが第1の値と第2の値のいずれかを表すドットの集合であり、
前記文字列生成演算手段は、前記2次元コードの行ごとに、前記ドットの値に対応したビット列を生成し、生成したビット列に基づいて文字列を生成し、前記2次元コードの全ての行についての前記文字列を連結することによって前記文字列データを生成する、2次元コード送信システム。 - 前記ネットワークを介して前記2次元コードを受信する携帯端末をさらに有し、
前記携帯端末は、受信した前記文字列データを前記演算の逆演算によって前記2次元コードに復元する文字列逆演算手段と、表示手段と、前記表示手段に前記復元された2次元コードを表示する表示処理手段と、を有する、請求項3に記載の2次元コード送信システム。 - 受信した文字列データを逆演算によって前記2次元コードに復元する文字列逆演算手段と、
表示手段と、
前記表示手段上に前記復元された2次元コードを表示する表示処理手段と、を有し、
前記2次元コードは、それぞれが第1の値と第2の値のいずれかを表すドットの集合であり、
前記逆演算は、前記2次元コードの行ごとに、前記ドットの値に対応したビット列を生成し、生成したビット列に基づいて文字列を生成し、前記2次元コードの全ての行についての前記文字列を連結して前記文字列データを生成する演算の逆演算である、携帯端末。 - 表示部を有する携帯端末上で実行されるプログラムであって、
前記携帯端末を、
受信した文字列データを逆演算によって2次元コードに復元する文字列逆演算手段、
前記表示部に前記復元された2次元コードを表示する表示処理手段、
として機能させ、
前記2次元コードは、それぞれが第1の値と第2の値のいずれかを表すドットの集合であり、
前記逆演算は、前記2次元コードの行ごとに、前記ドットの値に対応したビット列を生成し、生成したビット列に基づいて文字列を生成し、前記2次元コードの全ての行についての前記文字列を連結して前記文字列データを生成する演算の逆演算である、
前記携帯端末のプラットフォームに依存しないプログラム言語で記述されたプログラム。
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