JP4062794B2 - 航空機の防爆装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として航空機に利用され、燃料タンク内に窒素富化空気を導入して防爆するための防爆装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
OBIGGS(On Board Insert Gas Generating System)と称される航空機の防爆装置は、気体分離器によりエンジン抽気中の酸素濃度を減少させて窒素富化抽気とし、この窒素富化抽気を燃料タンク内に導いて燃料タンクでの発火爆発を防止するためのものであり、この気体分離器の性能を十分に発揮させるとともに故障等の防止のために、抽気中の塵や油霧、水霧等を除去するフィルタや、抽気の温度を調整するための温調機構等が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のこの種の防爆装置は、いくつかの点でその作動の確実性や安定性を妨げる要因を内包していた。
第1に、気体分離器の酸素分離機能を最も効率よく発揮させるべく設けられている温調機構が、従来、熱交換器とファンからなる冷却器、及び油槽付の電気ヒータから構成されている点が挙げられる。このようなものでは、装置全体の大型化あるいは重量増加を招くだけでなく、電源喪失により温度調整機能が完全に失われてしまう。
【0004】
第2に、従来のものが、気体分離器を通過する抽気の圧力と流量をほとんど変えられない構成である点が挙げられる。このようなものでは、例えば気体分離器中で塵等により若干の目詰まりを起こした場合など、気体分離器の機能に変化が生じた際に、その状態で最も酸素分離効率がよくなるように抽気の圧力と流量とを調整することができない。また、飛行条件によって窒素富化抽気の必要量が少ない場合でも、不必要に窒素富化抽気を生成し、燃費等に悪影響を与える場合もある。
【0005】
第3に、従来のものが、気体分離器と燃料タンクとの間に、何らフィルタを設けていない点が挙げられる。このようなものでは、作動停止中等、燃料タンクへの抽気の流れが止まっている時に、何らかの原因で燃料タンクから気体分離器に向かう気体流れが生じた際に、その気体中に含まれる油分や水分、あるいは塵等が直接気体分離器に導入され、機能を低下させる恐れがある。
【0006】
第4に、従来のものが、一般的に、気体分離器を通過した窒素富化抽気を燃料タンクに直接的に送るディマンド方式(Demand Type)を採用している点が挙げられる。通常上昇時には、外気圧の減少により燃料タンク内のガスが大気中に放出されるため、この放出分を補わなければならず、また、下降時には、燃料内に溶存している酸素が発生して燃料タンク内の酸素濃度が上昇するため、これを押出すために窒素富化抽気を燃料タンク内に導入する必要がある。また、略同一高度で巡航中でも、主として燃料が減った分の体積を補うべく窒素富化抽気を燃料タンク内に導入する必要がある。しかして、急上昇や急下降を含まない比較的安定した飛行であると、大量の窒素富化抽気を短時間で燃料タンク内に導入するという事態は生じないため、前述したディマンド方式で対応できる。しかしながら、例えば機体を急激に下降させた場合には、大量の窒素富化抽気を短時間で燃料タンク内に導入することが必要になり、大流量を供給できないディマンド方式では対応できない。係る場合には、別に窒素富化ガスを高圧充填したボンベを搭載しておき、このボンベから窒素富化ガスを供給するなどの手段がとられている。しかし、この方法によっても、急上昇急下降が繰り返されるような飛行スケジュールで、ボンベが空になった場合には十分な防爆を図ることができなくなり、一旦着陸してボンベを充填しなければならなくなる。
【0007】
本発明は、このような不都合を解消し、防爆装置の作動の安定性や確実性等を向上させることを主たる目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる目的を達成するために、エンジン抽気の少なくとも一部を燃料タンク内に導入するための流体経路と、この流体経路上に設けられ通過する抽気の酸素濃度を減少させるための気体分離器とを基本構成要件とし、加えて次のような構成を採用したものである。
【0009】
すなわち、請求項1に係る発明は、前記基本構成要件を具備する航空機の防爆装置であって、気体分離器に導入される抽気の温度を調整し得る温調機構を設けるとともに、この温調機構を、機内空気の温度、圧力、湿度を調整するための環境制御装置を利用して構成したことを特徴とする。
このようなものであれば、従来のように、熱交換器とファンからなる冷却器、及び油槽付の電気ヒータを設けずともよくなり、環境制御装置を有効利用して装置全体のコンパクト軽量化を図ることができる。特に環境制御装置により冷却され機内に送られる抽気と熱交換をおこなって、気体分離器に送る抽気の温度を調整するものであれば、電源喪失等が生じても温度調整機能を失うことなく、作動の確実性を向上させることができる。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記基本構成要件を具備する航空機の防爆装置であって、気体分離器を通過する抽気の酸素濃度を調整し得る酸素濃度調整機構を設けるとともに、この酸素濃度調整機構を、気体分離器を通過する抽気の流量及び圧力の少なくとも一方を変え得る流量・圧力制御手段と、気体分離器を通過した抽気の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段と、この酸素濃度検出手段により検出された酸素濃度が所要の濃度となるように、前記流量・圧力制御手段を駆動制御する制御手段とを具備するものとしたことを特徴とする。
【0011】
このようなものであれば、気体分離器を通過した後の抽気の酸素濃度を制御することができるので、部分的な目詰まり等で気体分離器を通過した抽気の酸素濃度が上昇しても、気体分離器を通過する抽気の流量及び圧力の少なくとも一方を変えて補正することができ、防爆装置の作動の安定性、確実性を向上させることができる。また、飛行状態によって窒素富化抽気の必要量は変化するが、これを最適なものとすることにより、従来無駄に発生させていた窒素富化抽気を削減し、飛行に係る燃費等を向上させることもできるようになる。
【0012】
請求項3に係る発明は、前記基本構成要件を具備する航空機の防爆装置であって、気体分離器と燃料タンクとの間に、通過する抽気の水滴、油滴、塵を少なくとも取り除くことができるフィルタ機構を設けたことを特徴とする。
このようなものであれば、抽気の流れが通常とは逆になっても、気体分離器に燃料タンク内の油霧や異物が入り込むことがなく、防爆装置の故障を減少させ、その作動確実性を向上させることができる。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の航空機の防爆装置であって、気体分離器を通過した抽気を常時燃料タンクに導くように構成するとともに、該抽気の一部を圧縮手段により圧縮して貯蔵部材に貯蔵し、必要に応じて前記貯蔵部材内に貯えられた圧縮抽気を燃料タンクに導入し得るように構成していることを特徴とする。
【0014】
このようなものであれば、急上昇急下降が繰り返されるような飛行スケジュールで貯蔵部材が空になった場合でも、通常飛行に戻れば、圧縮手段により貯蔵部材に抽気が圧縮充填されるので、着陸せずとも再び急上昇急下降時の十分な防爆を図ることができるようになる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
図1は、本実施例の防爆装置100(2点鎖線内に示す)の全体構成図を模式的に示したものである。係る防爆装置100は、主としてヘリコプタや戦闘機に搭載されるものであり、エンジン抽気を燃料タンク2に導くための流体経路1を具備し、この流体経路1上に、通過する抽気の酸素濃度を減少させる気体分離器3と、気体分離器3に導入する抽気の温度を調整可能な温調機構4と、気体分離器3を通過した抽気を所望の酸素濃度に調整可能な酸素濃度調整機構5と、抽気中の異物を排除するフィルタ機構6とを配設してなる。しかして、このものは、エンジン抽気中の酸素濃度を減少させ、窒素富化して燃料タンク2に導入し、防爆するという作用を主として営む。
【0016】
気体分離器3は、種々のタイプが知られているが、本実施例のものは、酸素のみを選択可能な分離膜を利用し、この分離膜に抽気を通過させることにより、酸素を分離し、窒素富化した抽気を出力するものである。本実施例の気体分離器3は、図2に示すように、その入口圧力が高いほど、また窒素富化された抽気の酸素濃度が高いほど通過流量が大きいという特性を有する。なお同図中、空気圧力とは気体分離器の入口での抽気の圧力を示し、発生率とは窒素富化抽気の発生流量を示す。また、回収率とは、導入される乾燥空気に対して、発生した窒素富化抽気の割合を示す。
【0017】
温調機構4は、気体分離器3の酸素除去効率が温度にも関係することから、気体分離器3に導く抽気の温度を前記酸素除去効率を最適にすべく制御するもので、冷却器41と、冷却器41の下流に設けたヒータ42と、ヒータ42の下流に設けた温度センサ43と、この温度センサ43により検出される温度を所定の温度にすべく、ヒータ42を通過する抽気量を制御する温度コントローラ44とを具備している。しかして、本実施例では、この温調機構4を、防爆装置100とは別に設けられ機内空気の温度、圧力、湿度を調整するための環境制御装置ECSを利用して構成している。詳述すると、冷却器41は、環境制御装置ECSにより冷却された抽気を機内Cに送り込む経路Dの途中に設けられたものであって、エンジン抽気を、前記環境制御装置ECSにより冷却された抽気との熱交換により冷却する。ヒータ42は、冷却器41を通過した抽気を、冷却前の抽気と熱交換することにより、再び暖めるものである。しかして、ヒータ42と並列して開閉弁45を具備するバイパス経路46が設けてあり、このバイパス経路46を流れる流量を開閉弁45を介して温度コントローラ44で自動調整することにより、ヒータ42を流れる流量を自動調整し、温調を行なうようにしている。
【0018】
酸素濃度調整機構5は、本実施例の気体分離器3が、図2に示すように、入口圧力と、その通過流量によって通過後の抽気の酸素濃度が変わる特性を有することを利用して、気体分離器3を通過した抽気の酸素濃度を制御できるようにしたものであり、気体分離器3の上流に配設した圧力制御弁51aと、気体分離器3の下流に配設した流量制御弁51bと、気体分離器3を通過した抽気の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段52と、気体分離器3の上流に配設した圧力センサ53と、制御手段たるコントローラ54とを具備する。圧力制御弁51aは、周知の如く、抽気の圧力を調整するためのものであって、コントローラ54からの圧力制御信号s1により駆動され得る。また、流量制御弁51bも周知の如く通過する気体流量を調整するためものであって、コントローラ54からの流量制御信号s2により駆動され得る。酸素濃度検出手段52は、気体分離器3の下流に設けられており、酸素濃度信号s3をコントローラ54に出力する。また、圧力センサ53は、圧力信号s4をコントローラ54に出力する。コントローラ54は、マイコン等の周知のもので、圧力制御信号s1と流量制御信号s2とを出力して圧力制御弁51a及び流量制御弁51bを自動制御することにより、酸素濃度信号s3により得られる酸素濃度を所要の酸素濃度にすることのできるものである。
【0019】
フィルタ機構6は、冷却器41とヒータ42との間に配設された前フィルタ部61と、気体分離器3の下流に配設された後フィルタ部62とから構成している。各フィルタ部61、62は、塵等の固形物を除去するための固形物除去フィルタ61a、62aと、活性炭を主成分とし油霧や水霧を除去するための油水フィルタ61b、62bとからなる。係るフィルタ機構6は、気体分離器3に異物が浸入してその機能低下を招くことがないようにするためのものであり、同等の機能を有するものであれば上述した以外の構成でも構わない。
【0020】
さらに本実施例では、気体分離器3を通過した抽気を燃料タンク2に導くために2つの経路7、8を並列的に設けている。すなわち、その一方である第1連通路7は、窒素富化された抽気を直接的に燃料タンク2に導くもので、他方である第2連通路8は、その途中に設けた圧縮手段たるコンプレッサ81と貯蔵部材たるボンベ82と開閉弁83とを介して、窒素富化された抽気を燃料タンク2に導くものである。この開閉弁83は、コントローラ84により開閉されるものであるが、通常は閉じられており、コンプレッサ81により圧縮された抽気がボンベ82に貯蔵されるように構成してある。
【0021】
しかして、このように構成した本実施例に係る防爆装置100は次のように作動する。
流体経路1に導入されたエンジン抽気は、冷却器41においてその温度を下げられて、前フィルタ部61に導入される。前フィルタ部61では、抽気内の塵や油水霧が除去される。
【0022】
そして、ヒータ42で適温(約40℃程度)にまで暖められ、気体分離器3に導入される。気体分離器3に導入される抽気の流量・圧力は、気体分離器3を通過後の抽気の酸素濃度が所定の濃度となるように酸素濃度調整機構5により調整される。この機能は、気体分離器3に目詰まり等が生じた際に酸素濃度を維持するため用いられる他、以下のような場合に作用する。すなわち、機体の上昇時等、窒素富化抽気が比較的多く必要な場合には、コントローラ54は流量制御弁51bを制御して気体分離器3を通過する抽気量を増加させるが、このようにした結果、酸素濃度が所定よりも高くなるため、コントローラ54は、圧力制御弁51aを駆動して気体分離器3の入口圧力を高くし、酸素濃度を下げ、所定濃度を維持する。また巡航時には窒素富化抽気をあまり必要としないうえ、入口圧力を高くすると燃費が悪くなるため、コントローラ54は、流量制御弁51bを駆動して窒素富化抽気の流量を小さくする。急降下時には窒素富化抽気が大量に必要であるが、ボンベ82から放出するので、流量は小さくてもよく、コントローラ54は、流量制御弁51bを駆動して流量を小さくする。
【0023】
気体分離器3を通過した窒素富化抽気は、通常上昇時、巡航時、通常下降時等の通常飛行時には、コントローラ84が開閉弁83を閉成しているので、第1連通路7を介して燃料タンク2に導かれる。すなわち、通常上昇時においては、上空へ行くほど燃料タンク2内の空気が大気に放出されていくので、その放出した分を補充するために窒素富化抽気が導かれ、巡航中は主に燃料の減少分を補充するため、窒素富化抽気が導かれる。また、通常下降時には、燃料内に溶存している酸素が発生して燃料タンク2内の酸素濃度が上昇するため、これを押出すために窒素富化抽気が燃料タンク2内に導かれる。
【0024】
一方、急降下時等には、コントローラ84が開閉弁83を開成し、短時間で燃料タンク2内に入り込んだ大量の酸素を含んだ空気を、一気に押出すために、ボンベ82内に圧縮充填した窒素富化抽気を、燃料タンク2内に導く。しかして、ボンベ82の中身を使い果たしても、その後通常飛行時に戻った際には、開閉弁83を閉成されるので、コンプレッサ81を介して、ボンベ82に窒素富化抽気の再補充が行なわれる。
【0025】
したがって本実施例によれば、気体分離器3に適温の抽気を導入するために、環境制御装置ECSを利用しているため、従来のように、熱交換器とファンからなる冷却器、及び油槽付の電気ヒータを設けずともよくなり、装置全体のコンパクト軽量化を図ることができるうえ、電源喪失等の事態が生じても、温調作用を維持することができるようになる。
【0026】
また、酸素濃度調整機構5により、気体分離器3を通過した抽気の酸素濃度を調整することができるので、分離膜の目詰まり等で酸素濃度が変化しても、その補正を行なうことができる。また、飛行状態によって窒素富化した抽気の必要量は変化するが、酸素濃度調整機構5が、気体分離器3を通過し、燃料タンク2に送られる抽気の流量、圧力を変化させ得るものであるため、これを最適なものとすることができ、従来無駄に発生させていた窒素富化抽気を削減し、飛行に係る燃費等を向上させることもできるようになる。さらに、酸素濃度検出手段52を用いているため、気体分離器3の異常や故障を検出することも可能になる。
【0027】
加えて、抽気の流れが通常とは逆になっても、後フィルタ部62により、気体分離器3に燃料タンク2内の油霧や異物が入り込むことを防止でき、気体分離器3の故障頻度の低下や性能維持が好適に行なえる。
また、急上昇急下降が繰り返されるような飛行スケジュールでボンベ82が空になった場合でも、通常飛行に戻れば、コンプレッサ81によりボンベ82に抽気が圧縮充填されるので、着陸せずとも再び急上昇急下降時の十分な防爆を図ることができるようになる。
【0028】
なお、本発明は、上記実施例に限られず種々の変形が可能である。例えば、酸素濃度調整機構は、気体分離器を通過する流量または圧力のいずれか一方のみを変え得るように構成したものでも構わない。
その他各部の具体的な構成は、上述した実施例に限定されるものでなく本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0029】
【発明の効果】
本発明は以上に説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち、請求項1に係る発明によれば、従来のように、熱交換器とファンからなる冷却器、及び油槽付の電気ヒータを設けずともよくなり、環境制御装置を有効利用して装置全体のコンパクト軽量化を図ることができる。特に環境制御装置により冷却され機内に送られる抽気により熱交換して、気体分離器に送る抽気の温度を調整するものであれば、電源喪失等が生じても温度調整機能を失うことなく、作動の確実性を向上させることができる。
【0030】
請求項2に係る発明によれば、酸素濃度調整機構により気体分離器を通過した後の抽気の酸素濃度を制御することができるので、部分的な目詰まり等で機能の落ちた気体分離器でも、気体分離器を通過する抽気の流量及び圧力の少なくとも一方を変えてその機能を上げ、防爆装置の作動の安定性、確実性を向上させることができる。また、飛行状態によって窒素富化した抽気の必要量は変化するが、これを最適なものとすることにより、従来無駄に発生させていた窒素富化抽気を削減し、燃費等を向上させることもできるようになる。加えて酸素濃度検出手段を用いているため、この検出結果により気体分離器の異常や故障を検出することも可能になる。
【0031】
請求項3に係る発明によれば、気体分離器と燃料タンクとの間にフィルタ機構を設けているので、抽気の流れが通常とは逆になっても、気体分離器に燃料タンク内の油霧や異物が入り込むことがなく、防爆装置の故障を減少させ、その作動確実性を向上させることができる。
請求項4に係る発明によれば、急上昇急下降が繰り返されるような飛行スケジュールで貯蔵部材が空になった場合でも、通常飛行に戻れば、圧縮手段により貯蔵部材に抽気が圧縮充填されるので、着陸せずとも再び急上昇急下降時の十分な防爆を図ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略縦断面図。
【図2】同実施例の作動を説明するための作動説明図。
【符号の説明】
1・・・流体経路
2・・・燃料タンク
3・・・気体分離器
4・・・温調機構
ECS・・・環境制御装置
5・・・酸素濃度調整機構
51・・・流量・圧力制御手段
52・・・酸素濃度検出手段
53・・・制御手段
6・・・フィルタ機構
7・・・第1連通路
8・・・第2連通路
81・・・圧縮手段(コンプレッサ)
82・・・貯蔵部材(ボンベ)
Claims (4)
- エンジン抽気の少なくとも一部を燃料タンク内に導入するための流体経路と、この流体経路上に設けられ通過する抽気の酸素濃度を減少させるための気体分離器とを具備するものであって、
気体分離器に導入される抽気の温度を調整し得る温調機構を設けるとともに、この温調機構を、機内空気の温度、圧力、湿度を調整するための環境制御装置を利用して構成しており、
前記温調機構が、エンジン抽気を前記環境制御装置により冷却された抽気との熱交換により冷却する冷却器と、冷却器を通過した抽気を冷却前の抽気との熱交換により再び暖めるヒータと、ヒータと並列して開閉弁を具備するバイパス経路と、バイパス経路を流れる流量を開閉弁を介して調整することによりヒータを流れる流量を調整して調温を行う温度コントローラとを具備することを特徴とする航空機の防爆装置。 - 気体分離器を通過する抽気の酸素濃度を調整し得る酸素濃度調整機構を設けるとともに、この酸素濃度調整機構を、気体分離器を通過する抽気の流量及び圧力の少なくとも一方を変え得る流量・圧力制御手段と、気体分離器を通過した抽気の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段と、この酸素濃度検出手段により検出された酸素濃度が所要の濃度となるように、前記流量・圧力制御手段を駆動制御する制御手段とを具備するものとしたことを特徴とする請求項1記載の航空機の防爆装置。
- 気体分離器と燃料タンクとの間に、通過する抽気の水滴、油滴、塵を少なくとも取り除くことができるフィルタ機構を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の航空機の防爆装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の航空機の防爆装置であって、気体分離器を通過した抽気を常時燃料タンクに導くように構成するとともに、該抽気の一部を圧縮手段により圧縮して貯蔵部材に貯蔵し、必要に応じて前記貯蔵部材内に貯えられた圧縮抽気を燃料タンクに導入し得るように構成していることを特徴とする航空機の防爆装置。
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