JP4062712B2 - 動画像符号化装置および動画像符号化方法 - Google Patents

動画像符号化装置および動画像符号化方法 Download PDF

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Description

本発明は、動画像のデータ量を圧縮・削減するための動画像符号化装置および動画像符号化方法に関するものである。
動画像には、720Pのようにフレームで構成されるものと、1080iのようにフィールドで構成されるものがあるが、本発明はフレームで構成されるものに適用してもフィールドで構成されるものに適用してもその目的を達成でき、同様の作用・効果を生じる。そこで、以下では、動画像を構成する1枚の画像を示すためにピクチャという用語を用いる。ピクチャはフレームとフィールドの両方を表すものとする。
MPEG−2やH.264(MPEG−4 AVCとも呼ばれる)、VC−1等の動画像符号化方式では、画面を16画素×16画素や8画素×8画素等のマクロブロック(以下、MBという。)に分割し、MB単位で動き検出、動き補償、DCTまたは整数変換等の周波数変換、量子化、可変長符号化等を行う。これらの動画像符号化方式では、符号化効率を向上させるために、符号化済みの周辺MBの結果をフィードバックし、符号化中のMB(以下、現MBという。)の処理内容を決める適応処理が行われる。
図33はMPEG−2の符号化器のブロック図を示す。MPEG−2では発生符号量が局所的に変動することを防ぐために、個々のMBの量子化パラメータを変更することによって発生符号量を制御する。これをレート制御92という。レート制御92では、可変長符号化91の結果発生した符号化済みMBの符号量に応じて現MBの量子化パラメータを変更する。例えば、左隣接MBの発生符号量が大きい場合、現MBの量子化パラメータを大きくし、現MBの発生符号量を減少させる。
図34はH.264の符号化器のブロック図を示す。H.264はMPEG−2に比べて2倍程度の効率で動画像を圧縮できる。この高い圧縮効率を実現するために、H.264では、動き補償100における参照ピクチャ数の増加、可変ブロックサイズ動き補償や4画素×4画素単位の周波数変換(以下、整数変換93という。)が採用されると共に、レート制御103に加えて以下の3つの適応処理が新たに導入された。ここで、可変ブロックサイズ動き補償とは、MBを8画素×16画素、8画素×8画素、4画素×4画素等のサブブロック(以下、SBという。)に分割し、SBごとに動き補償を行うことをいう。以下では、単にブロックというときには、MBとSBの両方を意味するものとする。
(1)予測誤差の符号量だけではなく、参照ピクチャの符号量と動きベクトルの符号量を考慮し、それらの合計符号量が最小となる参照ピクチャ、動きベクトル、およびブロックの組み合わせを選択する。動きベクトルについては、左隣接ブロック、上隣接ブロック、および右上隣接ブロックの動きベクトルから予測される予測動きベクトル(以下、PMVという。)を求め、PMVと現ブロックの動きベクトルの差分を符号化する。また、左隣接ブロック、上隣接ブロック、および右上隣接ブロックの動きベクトルは、空間ダイレクトモードの動きベクトルを求めるときにも参照される。
(2)隣接MBの再生画素から予測値を作成し、イントラ予測97を行う。輝度信号については4画素×4画素SB(以下、4×4SBという。)のイントラ予測モードと16×16画素ブロックのイントラ予測モードがある。輝度信号の4×4SBのイントラ予測モードでは、左隣接4×4SB、上隣接4×4SB、および右上隣接4×4SBの再生画素から現4×4SBのイントラ予測値を作成し、このイントラ予測値と現4×4SBの画素の差分を符号化する。この差分画素を整数変換・量子化・逆量子化・逆整数変換し、その結果にイントラ予測値を加算することにより再生画素が作成される。16×16画素ブロックのイントラ予測モードでは左隣接MBと上隣接MBの再生画素から現16×16画素ブロックのイントラ予測値を作成し、このイントラ予測値と現16×16画素ブロックの画素の差分を符号化する。
(3)4画素×4画素ブロックの境界にデブロッキングフィルタ98をかけ、ブロックノイズを除去する。
一方、ハードウェアの動画像符号化装置では、回路の稼働率を上げるためにMB単位のパイプライン(本特許請求の範囲および明細書では、マクロブロックパイプラインまたはMBパイプラインという。)が採用されるのが一般的である(例えば、非特許文献1のpp.126-128、図3参照)。また、ハードウェアの動画像符号化装置では、通常横方向のMBの並び(以下MB行という)内では左端MBから右端MBに向かって符号化される。そして、1つのMB行に含まれる右端のMBの符号化が終了すると、次にその下のMB行に属するMBが左端MBから右端MBに向かって符号化される。これがピクチャの最も上のMB行からピクチャの最も下のMB行まで繰り返される。図35は、従来のH.264の符号化器のMBパイプラインにおいて、MBがMBパイプラインの各ステージを流れていく様子を示したものである。n−1、n、およびn+1はあるMB行中の左からそれぞれn−1番目、n番目、n+1番目のMBを表す。また、MBサイクルとは、MBパイプラインの各ステージで1個のMBが処理されるために要する時間の単位をいい、各ステージでは1MBサイクルで1個のMBが処理される。
図35では、ステージ0で1MBサイクルかけて外部メモリから1個のMBの符号化に必要なデータを読み出す。ステージ1で1MBサイクルかけて1個のMBについて粗い精度の動き検出を行う。ステージ2で1MBサイクルかけてステージ1で検出された粗い精度の候補動きベクトルの周囲の狭い範囲で詳細な動き検出を行うと共に、イントラ予測を行う。ステージ3では1MBサイクルかけて1個のMBについて整数変換、量子化、逆量子化、および逆整数変換を行う。ステージ4では1MBサイクルかけて1個のMBについて可変長符号化と動き補償を行う。そして、ステージ5で1MBサイクルかけて1個のMBについてレート制御とデブロッキングフィルタを行い、ステージ6で1MBサイクルかけて1個のMB分の再生画素やビットストリームを外部メモリに書き込む。MBサイクルを1000サイクルと仮定すると、MBパイプラインを行わない場合には1個のMBの符号化処理に7000サイクルかかるのに対し、図35のMBパイプラインでは1000サイクルごとに1つのMBの符号化が終了する。
しかし、このMBパイプラインで左隣接MBの処理結果に応じた適応処理を行うためには、以下の4点の課題がある。
(1)図35に示すように、n−1番目のMBについてレート制御が終了したとき、既にn+1番目のMBまで量子化が終了している。従って、n−1番目のMBの発生符号量に応じて量子化パラメータを変更できるのは、n+2番目以降のMBである。すなわち、2MB分レート制御が遅れる。
(2)図35では動き検出をMBパイプライン2段で実行し、ステージ2で高精度の動きベクトル検出と同時にイントラ予測を実行している。高精度の動きベクトルが決定し、かつイントラ予測かインター予測かが決まらなければ正確なPMVは算出できないが、n−1番目のMBについて高精度の動きベクトルとイントラ予測かインター予測かが決まったときにはn番目のMBについてステージ1における粗い精度の動きベクトル検出は終了している。このため、図35のMBパイプラインでは、左隣接MBについては荒い精度の動きベクトル検出結果しか考慮して動きベクトルを選択することはできず、左隣接MBにおける高精度の動きベクトルおよびイントラ予測/インター予測判定結果を考慮して動きベクトルを選択することができない。加えて、H.264ではMBを分割した8画素×16画素、8画素×8画素、4画素×4画素等のSBでも動きベクトルの符号量を考慮して動きベクトル検出を行うことが望ましいが、図35のMBパイプラインでは左隣接SB、上隣接SB、および右上隣接SBの動きベクトルの符号量を考慮して動きベクトル検出を行うことは困難である。
(3)16画素×16画素ブロックイントラ予測モードは、左隣接16画素×16画素ブロックと上隣接16画素×16画素ブロックの画素値と現ブロックの画素値を評価して決定される。ここで、評価に使用する隣接16画素×16画素ブロックの画素は再生画素であることが望ましい。再生画素は、イントラ予測やインター予測で得られた予測誤差を整数変換、量子化、逆量子化および逆整数変換し、予測値を加算することにより求められる。しかし、図35のMBパイプラインではステージ3でn−1番目のMBの整数変換等が終わり、ステージ4の動き補償でn−1番目のMBの再生画素が作成されたときには、ステージ2におけるn番目のMBのイントラ予測は終了している。このため、n番目のMBについて16画素×16画素ブロックイントラ予測の予測モード判定を行うときには、その左に隣接したn−1番目のMBの再生画素を使用することはできない。このため、左に隣接したn−1番目の16画素×16画素ブロックの予測モード判定については再生画素ではなく、符号化中の現ピクチャの画素を使用せざるを得ない。同様に、H.264における4画素×4画素ブロックイントラ予測モードでは左隣接、上隣接、右上隣接の4画素×4画素ブロックの再生画素を使用して予測モードを決定することが望ましいが、図35のMBパイプラインでは不可能であり、次善の手段として符号化中の現ピクチャの画素を使用せざるを得ない。このため、図35のMBパイプラインにより決定されるイントラ予測モードは準最適なものとなる。
(4)イントラ予測値は、符号化装置と復号装置で同一のものを使用しなければならないため、再生画素から作成せざるを得ない。一方、PピクチャとBピクチャでは、左に隣接したn−1番目のMBがインター予測モードと判定された場合には、動き補償が終わるまで再生画素が得られない。しかし、図35のMBパイプラインでは、n−1番目のMBについてのステージ4における再生画素の生成と、n番目のMBについてのステージ3における整数変換等は同時に実行される。このため、PピクチャとBピクチャでは、n−1番目のMBの再生画素を用いて予測値を作成し、n番目のMBの整数変換等を行うことは困難である。
また、ピクチャのデータ量は膨大であるため、一般にピクチャは動画像符号化装置の外部のメモリに記憶される。図36は、従来の動画像符号化装置の構成を示すブロック図である(例えば、非特許文献2のp2009、図3参照)。動きベクトル検出器106は、内部メモリ104と動き検出回路105で構成される。従来の動きベクトル検出器106では動きベクトルが存在する可能性がある領域(以下、参照領域という。)を動きベクトル検出器106の外部メモリ4から動きベクトル検出器106の内部メモリ104にコピーし、内部メモリ104内の画素に対して動きベクトルを検出するための演算が行われる。図37は、隣接する2つのMB107、108の参照領域109、110の例を示す。MB108の参照領域110はMB107の参照領域109と大部分重なっており、重なっていない領域の幅はMBの横方向の画素数と一致する。参照領域110は参照領域109より右方向にMBの横方向の画素数分ずれているだけである。以下では、このずれている領域を更新領域111と呼ぶ。従来の動きベクトル検出器106はこの性質を利用して外部メモリ4と動きベクトル検出器106の内部メモリ104間の画素転送量を削減する。外部メモリ4から内部メモリ104へは更新領域111のみ転送し、MB108の動き検出を開始するとき、参照領域の原点を参照領域109の(0,0)から参照領域110の(0,0)’に付け替える。このように、更新領域111のみ読み込んで参照領域を更新することにより外部メモリ4から内部メモリ104への転送量を削減していた。すなわち、従来は参照領域の横方向の重なりを利用して外部メモリ4と内部メモリ104の間の画素転送量を削減していた。これにより、従来の1チップMPEG−2コーデックLSIは、200MHzで動作する32ビット幅のDDR−SDRAMを2個外付けすることで1080iの動画像を符号化することが可能となった(例えば、非特許文献3のpp.12-13参照)。
しかし、DCI(Digital Cinema Initiative)の定めたデジタルシネマ規格による1ピクチャの大きさは4096画素×2160画素であり、1080i(1920画素×1080画素)の4倍の画素数を有する。また、1080iの3倍を超える画素数のピクチャを1080iの2倍のレート(60枚/秒)で出力するCMOSセンサが開発されている(例えば、非特許文献4のsesion 27.1参照)。最新の技術を用いれば、デジタルシネマクラスの動画像を出力するビデオカメラも実現できると予測されるところ、従来の技術を用いたのでは動画像符号化LSIに256ビット幅の入力端子を設けるか、または外部メモリを800MHz程度の速度で動作させることが必要となるという問題がある。
渡辺浩巳,茶木英明,"H.264とMPEG-4に両対応 携帯機器向けコーデック・コアを開発 VGAの動画を36mAで符号化",日経エレクトロニクス,2004年9月27日号,no.883,pp123-133. 南俊宏,長沼次郎,"テレスコピック探索に適した動きベクトル検出器構成法の提案",信学論(D−2),vol.J87-D-2,no.11,pp.2007-2024,Nov.2004. 長沼次郎,岩崎裕江,新田高庸,中村健,吉留健,小倉充雄,中島靖之,田代豊,大西隆之,池田充郎,遠藤真,八島由幸,"1チップHDTV MPEG-2 CODEC LSI構成技術――VASA",NTT技術ジャーナル,vol.15,No.9,pp.12-15,2003年9月. S. Yoshihara, M.Kikuchi, Y. Ito, Y. Inada, S. Kuramochi, H.Wakabayashi, M. Okano, K. Koseki, H. Kuriyama, J. Inutsuka, A. Tajima,T. Nakajima, Y.Kudoh, F. Koga, Y. Kasagi,S. Watanabe, T. Nomoto, "A 1/1.8-inch 6.4MPixel 60frames/s CMOS Image Sensorwith Seamless Mode Change", ISSCC2006, session 27.1, Feb. 2006.
MBパイプライン構造の動画像符号化装置において、隣接ブロックの処理結果を符号化中のブロックの処理にフィードバック可能とする。
本発明の動画像符号化装置は、ピクチャの左端から右端まで横方向に連続して並んだマクロブロックの集まりであるマクロブロック行の中では、左端のマクロブロックから符号化を開始し、右に隣接したマクロブロックを順番に符号化する動画像符号化装置であって、
動画像符号化の処理が4以上の処理に分割され、当該分割された処理を行うステージが4ステージ以上含まれ、少なくても2つの連続した当該ステージにおいてマクロブロックが分割されたサブブロックの処理が行われるマクロブロックパイプラインを有し、
縦方向に連続する4行以上であって、ピクチャ全体に含まれる前記マクロブロック行の総行数よりも少ない行数の前記マクロブロック行をひとまとまりとして選択し、
前記ひとまとまりのマクロブロック行の中の最も上のマクロブロック行に含まれるマクロブロックを前記マクロブロックパイプラインに投入し、
前記ひとまとまりのマクロブロック行の中の上から2行目のマクロブロック行に含まれるマクロブロックから最も下のマクロブロック行に含まれるマクロブロックまで順番に、各マクロブロック行の上に隣接したマクロブロック行に含まれる直前投入マクロブロックが前記マクロブロックパイプラインに投入された後に、当該各マクロブロック行に含まれ、当該直前投入マクロブロックより左に位置し、かつ当該直前投入マクロブロックが右上隣接マクロブロックではないマクロブロックを、前記マクロブロックパイプラインに投入し、
前記少なくても2つの連続したステージであってサブブロックの処理が行われる各ステージにおいて、連続して前記マクロブロックパイプラインに投入される2個のマクロブロックに含まれるサブブロックを交互に処理する。
また、本発明の動画像符号化装置は、動画像符号化の処理が4以上の処理に分割され、当該分割された処理を行うステージが4ステージ以上含まれ、少なくても2つの連続した当該ステージにおいてマクロブロックが分割されたサブブロックの処理が行われるマクロブロックパイプラインと、
ピクチャの左端から右端まで横方向に連続して並んだマクロブロックの集まりであるマクロブロック行を、縦方向に連続する4行以上であって、ピクチャ全体に含まれる前記マクロブロック行の総行数よりも少ない行数をひとまとまりとして選択し、当該ひとまとまりのマクロブロック行の中の最も上のマクロブロック行に含まれるマクロブロックについては、左下隣接マクロブロックがまだ選択されていないマクロブロックを選択し、かつ、当該ひとまとまりのマクロブロック行の中の最も上以外のマクロブロック行に含まれるマクロブロックについては、右上隣接マクロブロックが既に選択されているマクロブロックを選択することによって、当該ひとまとまりのマクロブロック行に含まれるマクロブロックを1マクロブロック行当たり1個選択するマクロブロック選択部と、
前記マクロブロック選択部によって選択された個々のマクロブロックについて、前記ひとまとまりのマクロブロック行の中の最も上のマクロブロック行に含まれるマクロブロックから、最も下のマクロブロック行に含まれるマクロブロックまで順番に、個々のマクロブロックを符号化するために必要なデータを前記マクロブロックパイプラインに設定し、当該マクロブロックを前記マクロブロックパイプラインに投入する符号化データ設定部と
を有し、
前記少なくても2つの連続したステージであってサブブロックの処理が行われる各ステージにおいて、前記符号化データ設定部によって連続して前記マクロブロックパイプラインに投入される2個のマクロブロックに含まれるサブブロックを交互に処理し、
前記符号化データ設定部によって前記ひとまとまりのマクロブロック行の中の最も下のマクロブロック行に含まれるマクロブロックを符号化するために必要な前記データが前記マクロブロックパイプラインに設定されると、前記マクロブロック選択部が前記選択されている個々のマクロブロックごとにその右隣接マクロブロックを新たに選択する。
また、本発明の動画像符号化装置は、動画像符号化の処理が4以上の処理に分割され、当該分割された処理を行うステージが4ステージ以上含まれ、少なくても2つの連続した当該ステージにおいてマクロブロックが分割されたサブブロックの処理が行われるマクロブロックパイプラインと、
ピクチャの左端から右端まで横方向に連続して並んだマクロブロックの集まりであるマクロブロック行を、縦方向に連続する4行以上であって、ピクチャ全体に含まれる当該マクロブロック行の総行数よりも少ない行数をひとまとまりとして選択し、当該ひとまとまりのマクロブロック行の中の最も上のマクロブロック行に含まれるマクロブロックについては、左下隣接マクロブロックがまだ選択されていないマクロブロックを選択し、かつ、当該ひとまとまりのマクロブロック行の中の最も上以外のマクロブロック行に含まれるマクロブロックについては、右上隣接マクロブロックが既に選択されているマクロブロックを選択することによって、当該ひとまとまりのマクロブロック行に含まれるマクロブロックを1マクロブロック行当たり1個選択する第1の手段と、
前記第1の手段によって選択された個々のマクロブロックを、前記ひとまとまりのマクロブロック行の中の最も上のマクロブロック行に含まれるマクロブロックから、最も下のマクロブロック行に含まれるマクロブロックまで順番に、前記マクロブロックパイプラインに投入する第2の手段と、
前記少なくても2つの連続したステージであってサブブロックの処理が行われる各ステージにおいて、前記第2の手段によって連続して前記マクロブロックパイプラインに投入される2個のマクロブロックに含まれるサブブロックを交互に処理する第3の手段と
を有し、
前記第2の手段によって前記ひとまとまりのマクロブロック行の中の最も下のマクロブロック行に含まれるマクロブロックが前記マクロブロックパイプラインに投入されると、前記第1の手段が前記選択されている個々のマクロブロックごとにその右隣接マクロブロックを新たに選択する。
好ましくは、本発明の動画像符号化装置は、ピクチャの最も上の前記ひとまとまりのマクロブロック行から符号化を開始し、下に隣接した前記ひとまとまりのマクロブロック行を順番に符号化する。
また、本発明の動画像符号化装置は、ピクチャの左端から右端まで横方向に連続して並んだマクロブロックの集まりであるマクロブロック行を縦方向に隣接する2行ずつ組みにしてマクロブロック行の組を作成し、当該マクロブロック行の組に属する縦方向に隣接した2個のマクロブロックを組み合わせてマクロブロックペアを作成し、マクロブロックペアごとにフレーム符号化とフィールド符号化を選択して符号化を行い、前記マクロブロック行の組の中では、左端のマクロブロックペアから符号化を開始し、右に隣接したマクロブロックペアを順番に符号化する動画像符号化装置であって、
動画像符号化の処理が4以上の処理に分割され、当該分割された処理を行うステージが4ステージ以上含まれ、少なくても2つの連続した当該ステージにおいてマクロブロックが分割されたサブブロックの処理が行われるマクロブロックパイプラインを有し、
縦方向に連続する2組以上の前記マクロブロック行の組であって、ピクチャ全体に含まれる前記マクロブロック行の組の総数よりも少ない数の前記マクロブロック行の組をひとまとまりとして選択し、
前記ひとまとまりのマクロブロック行の組の中の最も上に位置するマクロブロック行の組に属するマクロブロックペアをフレーム符号化とフィールド符号化のいずれで符号化するか選択し、フレーム符号化を選択したときは当該マクロブロックペアに含まれる上フレームマクロブロックを前記マクロブロックパイプラインに投入し、フィールド符号化を選択したときは当該マクロブロックペアに含まれる片方のマクロブロックを前記マクロブロックパイプラインに投入し、
前記ひとまとまりのマクロブロック行の組の中の上から2番目のマクロブロック行の組から最も下に位置するマクロブロック行の組まで順番に、各マクロブロック行の組の上に隣接したマクロブロック行の組に属するマクロブロックペアに含まれる直前投入マクロブロックが前記マクロブロックパイプラインに投入された後に、当該各マクロブロック行の組に属し、当該直前投入マクロブロックを含むマクロブロックペアより左に位置し、かつ当該直前投入マクロブロックを含むマクロブロックペアが右上隣接マクロブロックペアではないマクロブロックペアをフレーム符号化とフィールド符号化のいずれで符号化するか選択し、フレーム符号化を選択したときは当該マクロブロックペアに含まれる上フレームマクロブロックを前記マクロブロックパイプラインに投入し、フィールド符号化を選択したときは当該マクロブロックペアに含まれる片方のマクロブロックを前記マクロブロックパイプラインに投入し、
前記ひとまとまりのマクロブロック行の組の中の最も下に位置するマクロブロック行の組に属するマクロブロックペアに含まれるマクロブロックが前記マクロブロックパイプラインに投入された後に、前記ひとまとまりのマクロブロック行の組みの中の最も上に位置するマクロブロック行の組から最も下に位置するマクロブロック行の組まで順番に、各マクロブロック行の組に属し、片方のマクロブロックのみ前記マクロブロックパイプラインに投入済みである前記マクロブロックペアに含まれる、まだ前記マクロブロックパイプラインに投入されていない他の片方のマクロブロックを前記マクロブロックパイプラインに投入し、
前記少なくても2つの連続したステージであってサブブロックの処理が行われる各ステージにおいて、連続して前記マクロブロックパイプラインに投入される2個のマクロブロックに含まれるサブブロックを交互に処理する。
好ましくは、本発明の動画像符号化装置は、ピクチャの最も上の前記ひとまとまりのマクロブロック行の組から符号化を開始し、下に隣接した前記ひとまとまりのマクロブロック行の組を順番に符号化する。
また、本発明の動画像符号化方法は、動画像符号化の処理が4以上の処理に分割され、当該分割された処理を行うステージが4ステージ以上含まれ、少なくても2つの連続した当該ステージにおいてマクロブロックが分割されたサブブロックの処理が行われるマクロブロックパイプラインを含み、ピクチャの左端から右端まで横方向に連続して並んだマクロブロックの集まりであるマクロブロック行の中では、左端のマクロブロックから符号化を開始し、右に隣接したマクロブロックを順番に符号化する動画像符号化装置における動画像符号化方法であって、
縦方向に連続する4行以上であって、ピクチャに含まれる前記マクロブロック行の総行数よりも少ない行数の前記マクロブロック行がひとまとまりとして選択される第1のステップと、
前記ひとまとまりのマクロブロック行の中の最も上のマクロブロック行に含まれるマクロブロックが前記マクロブロックパイプラインに投入される第2のステップと、
前記ひとまとまりのマクロブロック行の中の上から2行目のマクロブロック行に含まれるマクロブロックから最も下のマクロブロック行に含まれるマクロブロックまで順番に、各マクロブロック行の上に隣接したマクロブロック行に含まれる直前投入マクロブロックが前記マクロブロックパイプラインに投入された後に、当該各マクロブロック行に含まれ、当該直前投入マクロブロックより左に位置し、かつ当該直前投入マクロブロックが右上隣接マクロブロックではないマクロブロックが、前記マクロブロックパイプラインに投入される第3のステップと、
前記第2のステップと前記第3のステップが繰り返される第4のステップと、
前記少なくても2つの連続したステージであってサブブロックの処理が行われる各ステージにおいて、前記第4のステップによって連続して前記マクロブロックパイプラインに投入される2個のマクロブロックに含まれるサブブロックが交互に処理される第5のステップと
を有する。
また、本発明の動画像符号化方法は、動画像符号化の処理が4以上の処理に分割され、当該分割された処理を行うステージが4ステージ以上含まれ、少なくても2つの連続した当該ステージにおいてマクロブロックが分割されたサブブロックの処理が行われるマクロブロックパイプラインを含み、ピクチャの左端から右端まで横方向に連続して並んだマクロブロックの集まりであるマクロブロック行を縦方向に隣接する2行ずつ組みにしてマクロブロック行の組を作成し、当該マクロブロック行の組に属する縦方向に隣接した2個のマクロブロックを組み合わせてマクロブロックペアを作成し、マクロブロックペアごとにフレーム符号化とフィールド符号化を選択して符号化を行い、前記マクロブロック行の組の中では、左端のマクロブロックペアから符号化を開始し、右に隣接したマクロブロックペアを順番に符号化する動画像符号化装置における動画像符号化方法であって、
縦方向に連続する2組以上の前記マクロブロック行の組であって、ピクチャ全体に含まれる前記マクロブロック行の組の総数よりも少ない数の前記マクロブロック行の組がひとまとまりとして選択される第1のステップと、
前記ひとまとまりのマクロブロック行の組の中の最も上に位置するマクロブロック行の組に属するマクロブロックペアについてフレーム符号化とフィールド符号化のいずれで符号化されるか選択され、フレーム符号化が選択されたときは当該マクロブロックペアに含まれる上フレームマクロブロックが前記マクロブロックパイプラインに投入され、フィールド符号化が選択されたときは当該マクロブロックペアに含まれる片方のマクロブロックが前記マクロブロックパイプラインに投入される第2のステップと、
前記ひとまとまりのマクロブロック行の組の中の上から2番目のマクロブロック行の組から最も下に位置するマクロブロック行の組まで順番に、各マクロブロック行の組の上に隣接したマクロブロック行の組に属するマクロブロックペアに含まれる直前投入マクロブロックが前記マクロブロックパイプラインに投入された後に、当該各マクロブロック行の組に属し、当該直前投入マクロブロックを含むマクロブロックペアより左に位置し、かつ当該直前投入マクロブロックを含むマクロブロックペアが右上隣接マクロブロックペアではないマクロブロックペアについてフレーム符号化とフィールド符号化のいずれで符号化されるかが選択され、フレーム符号化が選択されたときは当該マクロブロックペアに含まれる上フレームマクロブロックが前記マクロブロックパイプラインに投入され、フィールド符号化が選択されたときは当該マクロブロックペアに含まれる片方のマクロブロックが前記マクロブロックパイプラインに投入される第3のステップと、
前記ひとまとまりのマクロブロック行の組の中の最も下に位置するマクロブロック行の組に属するマクロブロックペアに含まれるマクロブロックが前記マクロブロックパイプラインに投入された後に、前記ひとまとまりのマクロブロック行の組みの中の最も上に位置するマクロブロック行の組から最も下に位置するマクロブロック行の組まで順番に、各マクロブロック行の組に属し、片方のマクロブロックのみ前記マクロブロックパイプラインに投入済みである前記マクロブロックペアに含まれる、まだ前記マクロブロックパイプラインに投入されていない他の片方のマクロブロックが前記マクロブロックパイプラインに投入される第4のステップと、
前記第2のステップから前記第4のステップまでが繰り返される第5のステップと、
前記少なくても2つの連続したステージであってサブブロックの処理が行われる各ステージにおいて、前記第5のステップによって連続して前記マクロブロックパイプラインに投入される2個のマクロブロックに含まれるサブブロックが交互に処理される第6のステップと
を有する。
以上のように、本発明によれば、縦に連続するm(mは2以上の整数)のMB行をひとまとまりとして、これらひとまとまりのMB行から、1つのMB行当たり1個のMBを選択し、これら選択されたm個のMBを1個のMBパイプラインに連続して投入するので、左隣接MBの処理結果を(m−1)ステージまで現MBの処理にフィードバックできる。
また、マクロブロックペアごとにフレーム符号化とフィールド符号化を切り替えて符号化を行う場合に、縦に連続する2n(nは2以上の整数)行のMB行をひとまとまりとして、これらひとまとまりのMB行から、縦に連続する2行のMB行当たり1個のMBペアを選択し、最初に、これら選択されたn個のMBペアに含まれる片方のMBをMBパイプラインに連続して投入し、2回目に、これら選択されたn個のMBペアに含まれる他の片方のMBをMBパイプラインに連続して投入するので、最初に投入する片方のMBの処理結果を(n−1)ステージまで残りの片方のMBの処理にフィードバックすることができ、かつ、左隣接MBペアの処理結果を(n−1)ステージまで現MBペアの処理にフィードバックすることができる。
本発明では、縦に連続する複数のMB行をひとまとまりとして、これらひとまとまりのMB行から、1つのMB行当たり1個のMBを選択し、これら選択された複数のMBを1個のMBパイプラインに連続して投入する。
以下、本発明の実施の形態に係る動画像符号化装置および動画像符号化方法を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1はMBパイプラインに連続して投入されるMBの例を示した説明図である。図1のピクチャはa行からl行までの12のMB行からなり、各MB行は0番目から15番目までの16個のMBで構成される。図1のピクチャでは、最初にa−MB行、b−MB行、c−MB行、d−MB行に含まれるMBが1個のMBパイプラインで符号化され、次にe−MB行、f−MB行、g−MB行、h−MB行に含まれるMBが1個のMBパイプラインで符号化され、最後にi−MB行、j−MB行、k−MB行、l−MB行に含まれるMBが1個のMBパイプラインで符号化される。図1中のe行10列、f行8列、g行6列、h行4列のMBは1個のMBパイプラインに連続して投入されるMBの一例である。f行8列のMBはe行10列のMBから左方向に1MB離れている。同様にg行6列のMBはf行8列のMBから左方向に1MB離れており、h行4列のMBはg行6列のMBから左方向に1MB離れている。これらの4つのMBは相互に左隣接、上隣接、または右上隣接のいずれの隣接関係にもない。以下では、複数のブロックが相互に左隣接、上隣接、または右上隣接のいずれの隣接関係にもないことを、これらのブロックは隣接関係にないという。
図2は本発明が適用される動画像符号化装置のブロック図を示す。MB選択回路2は、図1に示すように、e−MB行、f−MB行、g−MB行、h−MB行をひとまとまりとし、e−MB行に属するMBについては、左下隣接MBがまだ選択されていないMBを選択し、かつ、f−MB行、g−MB行、およびh−MB行に属するMBについては、右上隣接MBが既に選択されているMBを選択することによって、e行10列、f行8列、g行6列、h行4列のMBを選択する。符号化データ設定回路3は、e行10列、f行8列、g行6列、h行4列のMBの順番で、各MBを符号化するために必要なデータをMBパイプライン1に設定する。MBを符号化するために必要なデータがMBパイプライン1に設定されると、そのMBはMBパイプライン1に投入される。h行4列のMBを符号化するために必要なデータがMBパイプライン1に設定され、h行4列のMBがMBパイプライン1に投入されると、MB選択回路2は、e行11列、f行9列、g行7列、h行5列のMBを新たに選択する。
図3は本発明が適用される動画像符号化方法の処理のフローチャートを示す。e−MB行、f−MB行、g−MB行、h−MB行をひとまとまりとし、e−MB行に属するMBについては、左下隣接MBがまだ選択されていないMBを選択し、かつ、f−MB行、g−MB行、およびh−MB行に属するMBについては、右上隣接MBが既に選択されているMBを選択することによって、e行10列、f行8列、g行6列、h行4列のMBを選択する(ステップS1)。次に、e行10列、f行8列、g行6列、h行4列のMBの順番で、各MBを符号化するために必要なデータをMBパイプライン1に設定し、順次MBパイプラインに投入する(ステップS2、ステップS3)。MBを符号化するために必要なデータがMBパイプライン1に設定されると、そのMBはMBパイプライン1に投入される。h行4列のMBを符号化するために必要なデータがMBパイプライン1に設定され、h行4列のMBがMBパイプライン1に投入されると、ステップS1に戻り(ステップS4)、e行11列、f行9列、g行7列、h行5列のMBを新たに選択する(ステップS1)。
これら4個のMBを1個のMBパイプライン1に連続して投入したときに、各MBがMBパイプライン1の各ステージを流れていく様子を図4に示す。ステージ0からステージ6の各処理内容は図32のものと同じである。また、図1のピクチャを構成する各MBがMBパイプライン1に投入され、ステージ0の処理が開始されるMBサイクル番号を図5に示す。図4に示すように、e行10列、f行8列、g行6列、h行4列の4個のMBは、MBサイクル番号がそれぞれ104、105、106、107のとき順番にステージ0に投入され、MBサイクル番号がそれぞれ110、111、112、113のとき順番にステージ6に達して符号化が終了する。このように、ひとまとまりの4つのMB行の中で、最も上のMB行に属するMB、上から2番目のMB行に属するMB、上から3番目のMB行に属するMB、上から4番目のMB行に属するMBの順番にMBパイプライン1に投入され、続いてそれらの右隣接MBが同様の順番でMBパイプライン1に投入される。
本発明によれば、本実施形態のようにひとまとまりとして符号化するMB行の数が4のとき、左隣接MBの処理結果を3ステージ分フィードバックし、現MBの処理に反映できる。このため、図4中に矢印で示すように、例えば、f行7列のMBの高精度の動き検出結果とイントラ予測結果をf行8列のMBの粗い精度の動き検出に反映できる。このように、従来の技術と異なり、左に隣接したMBの高精度の動き検出結果とイントラ予測結果を考慮して現MBの動きベクトルを選択することができる。また、同様に矢印で示すように、f行7列のMBの動き補償の結果をf行8列のMBのイントラ予測に反映できる。従って、従来の技術と異なり、左に隣接したMBの動き補償により求められた再生画素を用いて現MBのイントラ予測を行うことができる。更に、f行7列のMBのレート制御結果をf行8列のMBの量子化に反映できる。このように、左に隣接したMBのレート制御結果に応じて現MBの量子化パラメータを修正することができる。
ここで、本実施形態では下に隣接したMB行に含まれるMBが上のMB行中のMBから左方向に1MB離れている場合を示したが、1MB以上離れていれば良く、例えば2MB離れていても本発明の目的を達成することができ、同様の作用・効果を生じる。また、縦に連続する4つのMB行をひとまとまりとして、これら4つのMB行から、1つのMB行当たり1個のMBを選択し、これら選択された4個のMBを1個のMBパイプラインに連続して投入する例を示したが、ひとまとまりのMB行の数は2以上であれば良く、例えば縦に連続する8つのMB行をひとまとまりとして、これら8つのMB行から、1つのMB行当たり1個のMBを選択し、これら選択された8個のMBを1個のMBパイプラインに連続して投入しても本発明の目的を達成することができ、同様の作用・効果を生じる。ただし、ひとまとまりのMB行の数が2のときは、左隣接MBの処理結果を1ステージ分しか現MBの処理にフィードバックできないため、図4のステージ構成では左隣接MBの動き補償とレート制御の結果をそれぞれ現MBのイントラ予測と整数変換・量子化・逆量子化・逆整数変換にフィードバックできない。ひとまとまりのMB行の数が2のときは、図4に示したものとステージ構成を変更する必要がある。
(第2の実施形態)
図6は8画素×8画素の4つのSB(以下、8×8SBという。)に分割されたMBを示す。本実施形態では、4つの8×8SBについて動きベクトルのコストと予測誤差のコストの和が最小となる動きベクトルを検出する例について示す。一般に、PMVと動きベクトルの距離が遠いほど動きベクトルのコストは高いと評価される。このため、各8×8SBについて動き検出を始める前に、その8×8SBのPMVが決まっていなければならない。そして、例えば、左隣接8×8SB、上隣接8×8SB、右上隣接8×8SBの動きベクトルに基づいてPMVを決めるとすると、図6中の0、1、2、3の番号を付された順番に8×8SBごとの動きベクトルを検出しなければならないことになる。ただし、3番の8×8SBの動きベクトル検出時に右上隣接8×8SBの動きベクトルは存在しないため、3番の8×8SBのPMVは1番と2番の8×8SBの動きベクトルMV1とMV2に基づいて決められる。
図7はMBパイプラインに連続して投入されるMBの例を示した説明図である。図7のピクチャはa行から始まっており、r行の下方にもMB行が存在する。また、16列以降にもMBが存在する。本実施形態ではi−MB行、j−MB行、k−MB行、l−MB行、m−MB行、n−MB行、o−MB行、p−MB行をひとまとまりとして、これらひとまとまりのMB行から、i行15列、j行13列、k行11列、l行9列、m行7列、n行5列、o行3列、p行1列のMBを選択し、これら選択された8つのMBを1個のMBパイプラインに連続して投入する例を示す。
図8は8×8SBごとの動きベクトルを検出するために、8つのMB行に含まれるMBを1個のMBパイプラインに連続して投入したとき、各MBが各ステージを流れていく様子を示す。図9は本発明が適用される動きベクトル検出回路12のブロック図を示す。外部メモリ4には単画素精度の画像が記憶されている。ステージ0で外部メモリ4から画像を読み出す。その画像を2画素精度画像作成回路5で縮小して2画素精度の画像を作成し、2画素精度メモリ6に書き込む。ステージ1で2画素精度メモリ6から画像を読み出しながら、2画素精度動き検出回路7により2画素精度の候補動きベクトルを検出する。そして、ステージ2で候補ベクトルの周辺の領域を外部メモリ4から読み出して、単画素精度メモリ8に書き込む。ここで、一般に外部の大容量メモリは低速であるため、外部メモリ4から単画素精度メモリ8に転送するために1ステージ割り当てている。単画素精度メモリ8から2画素精度候補ベクトルの周辺の領域を読み出しながら、ステージ3で単画素精度動き検出回路9により動きベクトルを検出する。その後、ステージ4で単画素精度メモリ8から単画素精度画素を読み出して、1/4画素精度画像作成回路10で1/4画素精度の画像を作成しながら1/4画素精度動きベクトル検出回路11を用いて1/4画素精度動きベクトル検出を行う。単画素精度メモリ8からは単画素精度動き検出回路9と1/4画素精度画像作成回路10に単画素精度画像を供給することになるため、単画素精度メモリ8はダブルバッファ構成や2リード以上可能な多ポートメモリとする必要がある。なお、図8ではステージ4で単画素精度動きベクトルの周囲を直接探索して1/4画素精度動きベクトルを検出するとしたが、ステージ4で半画素精度動きベクトルを検出した後、ステージ5で半画素精度動きベクトルの周囲を探索して1/4画素精度動きベクトルを検出しても良い。また、ステージ3で単画素精度動きベクトル検出と半画素精度動きベクトル検出を行い、ステージ4で1/4画素精度動きベクトル検出を行っても良い。
ステージ1〜ステージ5ではMBサイクルを4つのSBサイクルに分割し、各SBサイクルで8×8SBごとの処理を行う。ここで、SBサイクルとは、1個のSBが処理されるために要する時間の単位をいい、SBごとの処理を行うとき、MBサイクルはSBサイクルに分割される。以下では、MBサイクルがSBサイクルに分割され、SBごとの処理を行うステージ群をSBパイプライン(またはサブブロックパイプライン)と呼ぶ。図8中のステージ1〜ステージ5がSBパイプラインである。図10はSBパイプラインの詳細な動作を示す。−0、−1、−2、−3はそれぞれ図6中の0、1、2、3の番号を付された8×8SBを意味する。例えば、i15−2はi行15列のMBに含まれる2番目の8×8SBを表す。図10では、ステージ5に空ステージを挿入し、例えばi15−0SBについてステージ4で検出された1/4画素精度動きベクトルをi15−1SBのステージ1における2画素精度動きベクトルのコスト計算に反映できるようにしている。このように、MBサイクルをSB数に等しい数のSBサイクルに分割したときは、(SB数+1)段のパイプラインとすることにより、同一のMB内における前の8×8SBの処理結果を次の8×8SBに反映させることができる。
なお、ステージ1〜ステージ5において8×8SBごとの動きベクトル検出回路と並列に動作するMBごとの動きベクトル検出回路を設けることが可能である。また、ステージ3〜5において、ステージ1において検出された8×8SBごとの候補ベクトルの周辺領域で8×8SBごとの動きベクトル検出と並列にMBごと、16画素×8画素SBごと、8画素×16画素SBごとの動きベクトルを検出することも可能である。
ステージ0〜5において動きベクトルが検出された後は、ステージ6で16×16イントラ予測モード、4×4イントラ予測モード、インター予測モード等の中から符号化効率の最も良くなる予測モードが選択される。ステージ7では整数変換、量子化、逆量子化、および逆整数変換が行われる。ステージ8では可変長符号化と動き補償が行われる。ステージ9ではレート制御とデブロッキングフィルタ処理が行われ、ステージ10では再生画素や符号化ビットストリームが外部メモリ4に書き込まれる。
(第3の実施形態)
本実施形態では、1/4画素精度動き検出回路11を2個設け、ステージ3とステージ4を結合して、1個の8×8SBの1/4画素精度動き検出を2SBサイクルかけて行う例を示す。ステージ3とステージ4以外は、第2の実施形態のMBパイプラインと同一のステージ構成である。図11はSBパイプラインの詳細な動作を示し、図12はこの動作を実現するための動き検出回路13のブロック図を示す。2つの1/4画素精度動き検出回路11を1SBサイクルずらして動作させることにより、個々の8×8SBの1/4画素精度動き検出を2SBサイクルかけて行うことができる。
(第4の実施形態)
本実施形態では、H.264における4画素×4画素イントラ予測(以下、4×4イントラ予測という。)に本発明を適用する例ついて説明する。図13は16個の4画素×4画素SB(以下、4×4SBという。)に分割されたMBを示す。4×4SBは図13中に付した0〜15の順番で符号化され、ビットストリームに変換される。例えば、3番の4×4SBについて4×4イントラ予測を行うときには、1番の4×4SBにおける下端4行の画素と2番の4×4SBの右端4列の画素が参照される。また、14番の4×4SBについて4×4イントラ予測を行うときには、12番と13番の4×4SBにおける下端の4行の画素と11番の4×4SBにおける右端4列の画素が参照される。これら隣接4×4SBに属する画素は再生画素を用いることが望ましい。
図14は、4×4イントラ予測のために、8つのMB行に含まれるMBを1個のMBパイプラインに連続して投入したとき、各MBが各ステージを流れていく様子を示す。ステージ4で隣接4×4SBの再生画素を用いて4×4イントラ予測を行い、ステージ5で予測誤差に対して整数変換・量子化・逆整数変換・逆量子化を行ってイントラ予測値を加算し、再生画素を生成する。ステージ4の4×4イントラ予測回路とステージ5の整数変換・量子化・逆整数変換・逆量子化回路は、第2の実施形態または第3の実施形態で示したステージ1〜ステージ5の動き検出回路と並列に動作する。
本実施形態では、ステージ4と5においてMBサイクルを16のSBサイクルに分割する。このため、SBパイプラインのステージ数に比べてSBの数が多く、(SB数+1)段のSBパイプラインとすると、空ステージが増加し、効率が悪い。図15はSBパイプラインの詳細な動作を示す。−0、−1、−2、……、−15はそれぞれ図13中の0、1、2、……、15の番号を付された4×4SBを意味する。例えば、i15−8はi行15列のMBに含まれる8番目の4×4SBを表す。図15に示すように、本実施形態では、2つのMBに含まれる4×4SBを交互に処理することにより、1つのMBを2MBサイクル、すなわち32SBサイクルかけて処理する。1つのMBに属する4×4SBを4×4イントラ予測しているとき、同時に別のMBに属する4×4SBを整数変換・量子化・逆整数変換・逆量子化する。MBサイクルごとに1つのMBの処理を開始し、別のMBの処理を終えるように動作させ、MBパイプラインの他ステージと整合を取る。ただし、このように動作させると、図15に示すように、ステージ4の4×4イントラ予測において、2MBサイクルごとに1SBサイクル、すなわち1/16MBサイクルだけMBサイクルとずれが発生する。そのため、図15では、ステージ3の有効期間を15/16MBサイクルとし、ステージ4における1/16MBサイクルのずれを吸収している。なお、ステージ3の処理が重く、無効期間を設けることができないときは、ステージ6の有効期間を15/16MBサイクルとし、1/16MBサイクルのずれを吸収しても良い。このように動作させることにより、4×4イントラ予測回路と整数変換・量子化・逆整数変換・逆量子化を行う回路に空を生じることなく、左隣接、上隣接、右上隣接の4×4SBに属する画素について再生画素を用いて4×4イントラ予測を行うことができる。
なお、SBパイプラインの前または後のステージの有効期間を短縮するのではなく、SBパイプラインの前または後に空ステージを挿入することによって、MBパイプラインのずれを吸収することもできる。
本実施形態では、図14に矢印で示すように、左隣接MBのレート制御結果を4×4イントラ予測に付随して行う量子化に反映することができる。
また、輝度信号の16画素×16画素イントラ予測や4:2:0フォーマットのときの色差信号の8画素×8画素イントラ予測はMBごとに処理される。このため、左隣接MBと上隣接MBに属する画素を参照できれば良い。この場合、ステージ8の動き補償で得られる再生画素を参照できるため、4×4イントラ予測のようにステージ5で整数変換・量子化・逆整数変換・逆量子化を行う必要はない。なお、ステージ6のイントラ・インター判定で4×4イントラ予測モードが選択された場合には、ステージ5の整数変換・量子化・逆整数変換・逆量子化で得られた再生画素を保存しておく構成としても、ステージ7で再度整数変換・量子化・逆整数変換・逆量子化を行う構成としても良い。
なお、4×4イントラ予測のモード判定を入力された画素によって行うことにすれば、ステージ5の整数変換・量子化・逆整数変換・逆量子化は省略することができる。ただし、再生画素を用いてモード判定した場合に比べ、画質は劣化する。
(第5の実施形態)
本実施形態では、第2の実施形態〜第4の実施形態とほぼ同一のステージ構成のMBパイプラインにおいて、図7におけるi−MB行、j−MB行、k−MB行、l−MB行をひとまとまりとして、これらひとまとまりのMB行から、i行15列、j行13列、k行11列、l行9列等のMBを選択し、これら選択された4個のMBを1個のMBパイプラインに連続して投入する例を示す。第2の実施形態〜第4の実施形態では8つのMB行をひとまとまりとして処理するため、各左隣接MBの処理結果を7ステージ分現MBの処理にフィードバックできるが、本実施形態では3ステージ分しかフィードバックできない。このため、左隣接MBの処理結果を現MBの処理に反映するとき、第2の実施形態〜第4の実施形態に比べて制限が生じる。
8×8SBごとの動きベクトルを検出するために、4つのMB行に含まれるMBを1個のMBパイプラインに連続して投入したとき、各MBがMBパイプラインの各ステージを流れていく様子を図16に示す。この場合、例えば、ステージ5でj行12列のMBのイントラ・インター判定が終了したとき、同時にステージ1においてj行13列のMBの2画素精度動き検出も終了する。このため、左隣接MBのイントラ・インター判定結果を現MBの2画素精度動き検出に反映できないという制限がある。ただし、図16中に矢印で示すように、左隣接MBのイントラ・インター判定結果はステージ2以降に反映できる。また、左上隣接MB、上隣接MB、右上隣接MB、左方向に1つ離れたMB等についてステージ5で確定したイントラ・インター判定結果はステージ1の2画素精度動き検出に反映できる。そこで、ステージ1においては、左上隣接MB、上隣接MB、右上隣接MB、左方向に1つ離れたMB等の動きベクトルを参照して仮のPMVを作成し、4つの8×8SB全てが共通にこの仮のPMVを参照して2画素精度動き検出を行う。そして、ステージ2ではステージ1で検出された2画素精度の候補動きベクトルの周辺領域を単画素精度メモリ8に設定し、ステージ3で真のPMVを作成し、ステージ3とステージ4で真のPMVを参照して単画素精度動き検出と1/4画素精度動き検出を行う。
図17はステージ3と4におけるSBパイプラインの詳細な動作を示す。ステージ3の単画素精度動き検出とステージ4の1/4画素精度動き検出では、2つのMBに含まれる8×8SBを交互に処理することにより、1つのMBを2MBサイクル、すなわち8SBサイクルかけて処理する。1個のMBに属する8×8SBについて単画素精度動き検出を行っているとき、同時に別のMBに属する8×8SBについて1/4画素精度動き検出を行う。MBサイクルごとに1個のMBの処理を開始し、別のMBの処理を終えるように動作させ、MBパイプラインの他ステージと整合を取る。そして、ステージ2の有効期間を3/4MBサイクルとし、ステージ4における1/4MBサイクルのずれを吸収する。この方法によれば、1つのMB内に含まれる4個の8×8SBについて0番から3番までシリアルに処理することができる。このため、単画素精度動き検出と1/4画素精度動き検出では隣接8×8SBの動きベクトルを考慮した真のPMVに基づいて動き検出を行うことができる。
ただし、本実施形態では、空間ダイレクトアドレスの評価が別途必要となる。ステージ1で仮のPMVに基づいて2画素精度動き検出が行われ、ステージ2ではステージ1で検出された候補動きベクトルの周辺領域が単画素精度メモリ8に設定される。ステージ1の仮のPMVとステージ3の真のPMVが異なる場合、ステージ3と4で動き検出する領域に空間ダイレクトアドレスに対応する位置のMBや8×8SB等が含まれない。そこで、ステージ3およびステージ4と並列に空間ダイレクトアドレスに対応する位置のMBや8×8SBのコストを評価する処理を行う必要がある。
4×4イントラ予測のために、4つのMB行に含まれるMBを1個のMBパイプラインに連続して投入したとき、各MBがMBパイプラインの各ステージを流れていく様子を図18に示す。また、図19はステージ3と4におけるSBパイプラインの詳細な動作を示す。ステージ4の4×4イントラ予測とステージ5の整数変換・量子化・逆量子化・逆整数変換では、第4の実施形態のSBパイプラインと同様の処理を行う。
ただし、本実施形態では左隣接MBの処理結果を3ステージ分しか現MBの処理にフィードバックできないため、動き補償をステージ7で行うと左隣接MBの再生画素を用いて4×4イントラ予測を行うことができない。そこで、動き補償をステージ6で行なわなければならないという制限がある。また、左隣接MBのステージ8のレート制御結果を反映できるのはステージ5以降であって、ステージ4の量子化には反映できない。しかし、ステージ7の可変長符号化によって大量のビットが発生し、ステージ8で量子化パラメータを大きくするというレート制御を行う必要が生じる場合がある。この場合には、ステージ5のイントラ・インター判定において4×4イントラ予測モードを選択しないようにするか、または4×4イントラ予測モードが選択されたときはステージ6で新しい量子化パラメータを用いて整数変換・量子化・逆量子化・逆整数変換をやり直す必要がある。
上記第1の実施形態〜第5の実施形態で示したように、本発明では、縦に連続する複数のMB行をひとまとまりとして、これらひとまとまりのMB行から、1つのMB行当たり1個のMBを選択し、これら選択された複数のMBを1個のMBパイプラインに連続して投入する。これらのMBは狭い画像領域にあるため、下に隣接したMB行に属するMBの符号化が終了するまで、そのMBの上隣接MBと右上隣接MBの再生画素や動きベクトル等を画像符号化装置内に保持することにしてもその保持に要する記憶回路の規模は小さい。この記憶回路を設けることにより、これら複数のMB行の一番上のMB行に含まれるMBを除いて、現MBの符号化のために上隣接MBと右上隣接MBの再生画素や動きベクトル等を供給するという問題を解消することができる。
なお、第1の実施形態〜第5の実施形態で示したMBパイプラインのステージ構成は一例であって、他のステージ構成とすることも可能である。そして、ステージ構成が変われば、ひとまとまりとして符号化する縦に連続する複数のMB行の数が同じであっても、動き検出やイントラ予測等における制約は変わる。
(第6の実施形態)
図20は、内部メモリを有する動画像符号化装置のブロック図である。動画像符号化装置23は、MBの符号化に必要な全てのデータを外部メモリ4から読み出してその内部メモリに記憶する。内部メモリは参照領域用メモリ14とバッファメモリ15の2種類ある。動き検出の時に参照される参照画像は参照領域用メモリ14に記憶され、参照領域用メモリ14から動き検出部16と動き補償部17に供給される。符号化のために必要なその他のデータはバッファメモリ15に記憶され、動き検出部16、動き補償部17、イントラ予測部18、整数変換・量子化・逆量子化・逆整数変換部19、可変長符号化部20、デブロッキングフィルタ部21はバッファメモリ15との間でデータを転送する。制御部22はイントラ・インター判定とレート制御を行う。制御部22はワイヤードロジックまたはマイクロプロセサで構成される。なお、図20では参照領域用メモリ14とバッファメモリ15を別々のものとして表わしたが、参照領域用アドレスとバッファ用アドレスが別れていれば1個の共通メモリであっても良い。
図21は、縦に連続する4つのMB行に含まれる4個のMBを1個のMBパイプラインで処理する場合の参照領域を示した説明図である。参照領域28、29、30、31はそれぞれMB24、25、26、27の動き検出のときに参照される領域である。参照領域28、29、30、31は大きく重なっており、縦に隣り合うMB行に属する2個のMBの参照領域において重なっていない部分の高さはMBの縦方向の画素数と一致する。この重なり部分は動きベクトルの検出範囲が広くなるほど大きくなる。本実施形態において参照領域28、29、30、31中の全画素は、参照領域用メモリ14に記憶される。従来技術と同様に、本実施形態でも右方向に隣接するMBの符号化を開始するとき、外部メモリ4から参照領域用メモリ14へ更新領域32、33、34、35のみ転送し、それまで符号化していた左隣接MBの参照領域28、29、30、31の原点から次に符号化する右隣りのMBのための新しい原点に付け替える。ただし、MB25のための更新領域33は、MB24の参照領域28に含まれていない部分のみである。同様に、MB26とMB27の更新領域34、35はそれぞれMB25とMB26の参照領域29、30に含まれていない部分のみである。従って、従来技術に比べて、外部メモリ4と参照領域用メモリ14の間の画素転送量を大幅に削減することができる。
図22は、参照領域用メモリに参照領域を記憶するもう一つの方法を示した説明図である。参照領域用メモリ14には、参照領域28、29、30、31を全て含む矩形の領域36を記憶する。この方法によれば、参照領域用メモリ14のアドレス生成が簡単になる。また、更新領域37もひとまとまりの矩形領域となるため、外部メモリ4から参照領域用メモリ14への画素の転送が簡単になる。
上記では、連続した4つのMB行に含まれる4つのMBを1個のMBパイプラインで同時に処理する場合を例として示したが、本実施形態に示す方法は連続した2以上のMB行であれば適用でき、例えば連続した8のMB行であっても良い。
なお、参照領域用メモリ14には単画素精度画像のみ記憶し、参照領域用メモリ14から読み出した単画素精度画像から動き検出部16と動き補償部17の内部で半画素精度画像や1/4画素精度画像を作成する構成とすることができる。この構成は、予め半画素精度画像や1/4画素精度画像を作成して外部メモリ4に記憶し、外部メモリ4から参照領域用メモリ14に半画素精度画像や1/4画素精度画像を転送する構成よりも外部メモリ4と参照領域用メモリ14の間の画素転送量を削減することができる。
また、2画素精度画像等の縮小画像を作成し、最初に縮小画像上で動き検出を行い、段階的に高精度画像で動き検出を行う階層的探索法がある。この探索法に対して本発明を適用する場合にも、参照領域用メモリ14には単画素精度画像のみを記憶しておき、動き検出部16と動き補償部17の内部で縮小画像を作成する構成とすることができる。この構成は、予め縮小画像を作成して外部メモリ4に記憶し、外部メモリ4から参照領域用メモリ14に縮小画像を転送する構成よりも外部メモリ4と参照領域用メモリ14の間の画素転送量を削減することができる。
その他、動き検出における演算量を削減する手法としてテレスコピック探索法が提案されている。テレスコピック探索法では、符号化対象画像と参照画像の中間の画像も必要となる。この場合には、中間の画像の中で動き検出に必要な領域に対しても本実施形態に示す更新方法を適用することができる。
また、輝度信号だけを本実施形態に示す方法で外部メモリ4から画像符号化装置23の内部メモリに転送しても良いし、輝度信号と色差信号の両方に本実施形態に示す方法を適用しても良い。なお、動き検出のときに色差信号を参照しない場合には、色差信号は参照領域用メモリ14とバッファメモリ15のどちらに記憶しても良い。
(第7の実施形態)
HDTV映像を符号化対象とする場合、良好な画質を得るために動きベクトルの範囲は横±200画素、縦±100画素程度必要である。この範囲の動きベクトルを検出するための演算量は膨大であり、動き検出のために多くのサイクル数を要する。しかし、MBパイプライン構造の動画像符号化装置では、MBサイクル当たりのサイクル数は全てのステージで共通である。動き検出のためのステージのみMBサイクル当たりのサイクル数を増加させることはできない。また、本発明を適用したMBパイプラインでは、処理結果をフィードバックできるステージ数に限界があるため、MBパイプラインのステージ数を増加させることは好ましくない。
図23は広い範囲で動きを検出できる動き検出装置38と、本発明が適用されたMBパイプラインを含む動画像符号化装置23の組み合わせを示す。動き検出装置38は、動きベクトルの符号化コストを考慮せず、予測誤差の符号化コストのみを考慮して動きベクトル候補を検出する。動画像符号化装置23は、動き検出装置38で検出された動きベクトル候補を受け取って、その動きベクトル候補の周辺領域について動きベクトルの符号化コストまで考慮して動き検出を行う。すなわち、広い範囲でPMVを参照せずに動きを検出し、検出された動きベクトル候補の周辺領域についてPMVを参照して再度動き検出を行う。受け取った動きベクトル候補の周辺領域における再度の動き検出は2画素精度動き検出や単画素精度動き検出等任意の精度の動き検出段階で行うことが可能である。動画像符号化装置23では、この動きベクトル候補の周辺領域に加えて、コスト最小の動きベクトルが存在する可能性が高い他の領域、例えばPMVの周辺領域でも同時に動き検出を行っても良い。動き検出装置38は、動画像符号化装置23のMBパイプラインと無関係に動作するため、多くのサイクル数をかけて動き検出を行うことができる。
また、動き検出装置38は、動画像符号化装置23で作成された再生画像ではなく、符号化されていない入力されたままの画像を対象として動き検出を行う構成とすることもできる。この構成とすることにより、動画像符号化装置23から動き検出装置38に再生画像を送る必要が無くなる。
なお、動き検出装置38と動画像符号化装置23を同一のLSI上に集積することも可能である。この場合、動画像符号化装置23に接続されている外部メモリ4を動き検出装置38と動画像符号化装置23の共有メモリとし、動き検出装置38は再生画像を対象として動き検出を行う構成としても良い。
また、MPEG−2からH.264へトランスコードするときのように、既に検出された動きベクトルを利用できるときには、動き検出装置38を用いず、検出済の動きベクトルを直接動画像符号化装置23に入力し、この検出済み動きベクトルの周辺領域について動きベクトルの符号化コストまで考慮して動き検出を行う構成とすることもできる。
(第8の実施形態)
H.264のMBAFF(Macroblock Adaptive Frame Field Coding)では、縦に隣接する2つのMBをペア(以下、MBペアという。)とし、16画素×32ラインごとにフィールド符号化とフレーム符号化を切り替えて符号化する。フィールド符号化とフレーム符号化のときのMBペアを図24に示す。図24(a)はフィールド符号化のときのMBペアである。32ラインの画素のうち、奇数ラインでトップフィールドMB72を構成し、偶数ラインでボトムフィールドMB73を構成する。また、図24(b)はフレーム符号化のときのMBペアである。32ラインのうち、上半分の16ラインで上フレームMB74を構成し、下半分の16ラインで下フレームMB75を構成する。トップフィールドMB72とボトムフィールドMB73はお互いに隣接MBの関係にないが、上フレームMB74は下フレームMB75に対して上隣接MBの関係にある。このため、フレーム符号化が選択された場合、下フレームMB75のPMVは上フレームMB74のイントラ/インター判定結果を考慮して決定しなければならないという制限がある。また、下フレームMB75のイントラ予測は上フレームMB74の再生画素を用いるため、上フレームMB74について動き補償が行われ、再生画素が作成されなければ、下フレームMB75についてイントラ予測を行うことができないという制限がある。
現MBペアと左隣接MBペアの両方ともフィールド符号化またはフレーム符号化が選択されている場合、現MBペアに含まれる各々のMBの左隣接MBはその左隣りに位置するMBのみである。しかし、現MBペアと左隣接MBペアのフィールド符号化/フレーム符号化の選択が異なる場合、左隣接MBペアに含まれる両方のMBが現MBペアに含まれる個々のMBの左隣接MBとなる。現MBペアはフィールド符号化が選択され、左隣接MBペアはフレーム符号化が選択された場合を図25(a)に示す。トップフィールドMB72の左隣接MBには左隣接MBペアに含まれる上フレームMBの奇数ライン76と下フレームMBの奇数ライン77が対応し、ボトムフィールドMB73の左隣接MBには、上フレームMBの偶数ラインと下フレームMBの偶数ラインが対応する。また、現MBペアはフレーム符号化が選択され、左隣接MBペアはフィールド符号化が選択された場合を図25(b)に示す。上フレームMB74の左隣接MBにはトップフィールドMBの上半分16ライン78とボトムフィールドMBの上半分16ライン79が対応し、下フレームMB75の左隣接MBにはトップフィールドMBの下半分16ラインとボトムフィールドMBの下半分16ラインが対応する。このため、左隣接MBペアに含まれる両方のMBについて動き補償が行われ、再生画素が算出されなければ、現MBペアについてイントラ予測を行うことができないという制限がある。
本実施形態では、MBAFFの場合に、縦に連続する8のMB行をひとまとまりとして、これらひとまとまりのMB行から、縦に連続する2つのMB行当たり1つのMBペアを選択し、これら選択された4個のMBペアを1個のMBパイプラインに投入する例を示す。図26は、MBパイプラインに投入されるMBペアの例を示した説明図である。ピクチャは図7のものと同一であるが、上述した通りMBAFFではMBペアがフィールド符号化されるかフレーム符号化されるかにより、2つのMBへのラインの割り当てが異なる。そこで、英字の大文字を用いてMBペアを構成するMBを示す。フィールド符号化のときは、I15、K13、M11、O9等はトップフィールドMB72であり、J15、L13、N11、P9等はボトムフィールドMB73である。また、フレーム符号化のときは、I15、K13、M11、O9等は上フレームMB74であり、J15、L13、N11、P9等は下フレームMB75である。
図27は、第8の実施形態に係る動画像符号化装置のブロック図である。MBペア選択回路81は、例えば、図26に示すようにi−MB行、j−MB行、k−MB行、l−MB行、m−MB行、n−MB行、o−MB行、p−MB行をひとまとまりとし、i−MB行とj−MB行に属するMBペアについては、左下隣接MBペアがまだ選択されていないMBペアを選択し、かつ、k−MB行とl−MB行、m−MB行とn−MB行、o−MB行とp−MB行に属するMBペアについては、右上隣接MBペアが既に選択されているMBペアを選択することによって、I15−J15、K13−L13、M11−N11、O9−P9のMBペアを選択する。フィールドMBペア/フレームMBペア構成回路82は、フィールド符号化が選択されたときは、MBペアの奇数ラインでトップフィールドMB72を構成し、MBペアの偶数ラインでボトムフィールドMB73を構成する。一方、フレーム符号化が選択されたときは、MBペアの上半分のラインで上フレームMB74を構成し、MBペアの下半分のラインで下フレームMB75を構成する。符号化データ設定回路83は、フィールド符号化が選択されたとき、最初に、I15−J15、K13−L13、M11−N11、O9−P9のMBペアに含まれる片方のMBについて、4MBサイクルかけて順番に、1MBサイクルごとに個々のMBを符号化するために必要なデータをMBパイプライン80に設定する。MBを符号化するために必要なデータがMBパイプライン80に設定されると、そのMBはMBパイプライン80に投入される。そして、2回目にI15−J15、K13−L13、M11−N11、O9−P9のMBペアに含まれる残りの片方のMBについて、4MBサイクルかけて順番に、1MBサイクルごとに個々のMBを符号化するために必要なデータをMBパイプライン80に設定する。MBを符号化するために必要なデータがMBパイプライン80に設定されると、そのMBはMBパイプライン80に投入される。また、フレーム符号化が選択されたとき、I15MB、K13MB、M11MB、O9MB、J15MB、L13MB、N11MB、P9MBの順番で、1MBサイクルごとに個々のMBを符号化するために必要なデータをMBパイプライン80に設定する。MBを符号化するために必要なデータがMBパイプライン80に設定されると、そのMBはMBパイプライン80に投入される。MBペア選択回路81によって選択された最後のMBを符号化するために必要なデータがMBパイプライン80に設定され、そのMBがMBパイプライン80に投入されると、MBペア選択回路81は、I16−J16、K14−L14、M12−N12、O10−P10のMBペアを新たに選択する。
図28は、第8の実施形態に係る動画像符号化方法の処理のフローチャートを示す図である。例えば、図26に示すようにi−MB行、j−MB行、k−MB行、l−MB行、m−MB行、n−MB行、o−MB行、p−MB行をひとまとまりとし、i−MB行とj−MB行に属するMBペアについては、左下隣接MBペアがまだ選択されていないMBペアを選択し、かつ、k−MB行とl−MB行、m−MB行とn−MB行、o−MB行とp−MB行に属するMBペアについては、右上隣接MBペアが既に選択されているMBペアを選択することによって、I15−J15、K13−L13、M11−N11、O9−P9のMBペアが選択される(ステップS14)。次に、フィールド符号化が選択されたときは、MBペアの奇数ラインでトップフィールドMB72が構成され、MBペアの偶数ラインでボトムフィールドMB73が構成される。一方、フレーム符号化が選択されたときは、MBペアの上半分のラインで上フレームMB74が構成され、MBペアの下半分のラインで下フレームMB75が構成される(ステップS15、ステップS16、ステップS23)。そして、フィールド符号化が選択されたとき、最初に、I15−J15、K13−L13、M11−N11、O9−P9のMBペアに含まれる片方のMBについて、4MBサイクルかけて順番に、1MBサイクルごとに個々のMBを符号化するために必要なデータがMBパイプライン80に設定される(ステップS17、ステップS18、ステップS19)。MBを符号化するために必要なデータがMBパイプライン80に設定されると、そのMBはMBパイプライン80に投入される。次に、I15−J15、K13−L13、M11−N11、O9−P9のMBペアに含まれる残りの片方のMBについて、4MBサイクルかけて順番に、1MBサイクルごとに個々のMBを符号化するために必要なデータがMBパイプライン80に設定される(ステップS20、ステップS21、ステップS22)。MBを符号化するために必要なデータがMBパイプライン80に設定されると、そのMBはMBパイプライン80に投入される。また、フレーム符号化が選択されたとき、I15MB、K13MB、M11MB、O9MB、J15MB、L13MB、N11MB、P9MBの順番で、1MBサイクルごとに個々のMBを符号化するために必要なデータがMBパイプライン80に設定される(ステップS24、ステップS25、ステップS26、ステップS27、ステップS28、ステップS29)。MBを符号化するために必要なデータがMBパイプライン80に設定されると、そのMBはMBパイプライン80に投入される。選択された最後のMBを符号化するために必要なデータがMBパイプライン80に設定され、そのMBがMBパイプライン80に投入されると、ステップS14に戻り(ステップS21、ステップS28)、I16−J16、K14−L14、M12−N12、O10−P10のMBペアが新たに選択される(ステップS14)。
図29は、8×8SBごとの動きベクトルを検出するために、8つのMB行に含まれるMBペアを1個のMBパイプラインに投入したとき、各MBペアがMBパイプラインの各ステージを流れていく様子を示す。ここで、フィールド画像は縦方向の画素数がフレーム画像の半分であるため、縮小画像を作成するために縦方向について2画素の画素値を平均すると、フィールド画像とフレーム画像では異なる縮小画像となる。一方、縦単画素/横2画素精度の縮小画像では、フレームの縮小画像から奇数ラインを抜き出すとトップフィールドの縮小画像となり、フレームの縮小画像から偶数ラインを抜き出すとボトムフィールドの縮小画像となる。このため、本実施形態では、図29に示すように、ステージ0で縦単画素/横2画素精度の参照領域をメモリに設定し、ステージ1では縦単画素/横2画素精度で動き検出を行う。
また、本実施形態では、I15、K13、M11、O9等のMBペアの片方のMBが4つ連続してMBパイプラインに投入された後、J15、L13、N11、P9等のMBペアの残りの片方のMBが4つ連続して投入される。このように、MBペアの片方のMBが連続してMBパイプラインに投入されるため、その順番で動きベクトルの参照領域を更新すると、更新領域が不連続となる。そこで、ステージ0で縦単画素/横2画素精度メモリを設定するときは、図22に示すように、8つのMB行の更新領域をひとまとまりの矩形領域として設定する。
また、フィールド符号化とフレーム符号化のいずれかを選択するには、フィールド符号化とフレーム符号化の各々についてイントラ予測とインター予測の両方を行い、予測誤差の小さい符号化モードと予測モードの組合せを選択することが望ましい。しかし、この方法は膨大な演算量を必要とする。一方、現MBペア内の画素のみで符号化モードを判定し、選択された方のみについてイントラ予測とインター予測を行う簡易的な選択法も考えられる。たとえば、32ライン全てについて隣接したライン間で差分絶対値和または差分自乗和を求め、また、1ラインごと、すなわち奇数ライン16本と偶数ライン16本の隣接ライン間で差分絶対値和または差分自乗和を求めて、32ライン全てについて求めた方が小さかったときはフレーム符号化、1ラインごとに求めた方が小さかったときはフィールド符号化とする等の方法である。最適な選択とはならない場合もあるが、演算量は少ない。本実施形態では、簡易的な選択法を用いることとし、ステージ0でフィールド/フレーム判定を行った後、選択された符号化モードについて、図29に示すようにステージ1〜4でインター予測を行い、また、それと並列してステージ3と4で4×4イントラ予測、16×16イントラ予測等を行う。
本実施形態では、第2の実施形態〜第4の実施形態と同様に縦に連続した8のMB行をひとまとまりとして処理する。しかし、上記段落0122で指摘したように、フレーム符号化が選択された場合、上フレームMB74は下フレームMB75に対して上隣接MBの関係にある。また、上記段落0123で指摘したように、現MBペアと左隣接MBペアのフィールド符号化/フレーム符号化の選択が異なる場合、左隣接MBペアに含まれる両方のMBが現MBペアに含まれる個々のMBの左隣接MBとなる。このため、上フレームMB74の処理結果を3ステージ分しか下フレームMB75の処理にフィードバックできず、また、左隣接MBペアの処理結果を3ステージ分しか現MBペアの処理にフィードバックできず、縦に連続した4つのMB行をひとまとまりとして処理する第5の実施形態と同様の制限が生じる。
具体的には、例えば、ステージ5でI15MBのイントラ・インター判定が終了したとき、同時にステージ1においてJ15MBの縦単画素/横2画素精度動き検出も終了する。このため上フレームMB74のイントラ・インター判定結果を下フレームMB75の縦単画素/横2画素精度動き検出に反映できないという制限がある。ただし、図29中に矢印で示すように、上フレームMB74のイントラ・インター判定結果はステージ2以降に反映できる。また、左隣接MBペア、上隣接MBペア、右上隣接MBペア等についてステージ5で確定したイントラ・インター判定結果はステージ1の縦単画素/横2画素精度動き検出に反映できる。そこで、ステージ1においては、左隣接MBペア、上隣接MBペア、右上隣接MBペア等の動きベクトルを参照して仮のPMVを作成し、下フレームMB75内の4つの8×8SB全てが共通にこの仮のPMVを参照して縦単画素/横2画素精度動き検出を行う。そして、ステージ2ではステージ1で検出された縦単画素/横2画素精度の候補動きベクトルの周辺領域を単画素精度メモリに設定し、ステージ3で真のPMVを作成し、ステージ3とステージ4で真のPMVを参照して単画素精度動き検出と1/4画素精度動き検出を行う。
図30はステージ3と4におけるSBパイプラインの詳細な動作を示す。1つのMB内に含まれる4つの8×8SBについて0番から3番までシリアルに処理される。このため、単画素精度動き検出と1/4画素精度動き検出では隣接8×8SBの動きベクトルを考慮した真のPMVに基づいて動き検出を行うことができる。
ただし、本実施形態では、空間ダイレクトアドレスの評価が別途必要となる。ステージ1で仮のPMVに基づいて縦単画素/横2画素精度動き検出が行われ、ステージ2ではステージ1で検出された候補動きベクトルの周辺領域が単画素精度メモリに設定される。ステージ1の仮のPMVとステージ3の真のPMVが異なる場合、ステージ3と4で動き検出する領域に空間ダイレクトアドレスに対応する位置のMBや8×8SB等が含まれない場合がある。そこで、ステージ3およびステージ4と並列に空間ダイレクトアドレスに対応する位置のMBや8×8SBのコストを評価する処理を行う必要がある。
4×4イントラ予測のために、8つのMB行に含まれるMBペアを1個のMBパイプラインに投入したとき、個々のMBペアがMBパイプラインの各ステージを流れていく様子を図31に示す。また、図32はステージ3と4におけるSBパイプラインの詳細な動作を示す。ここで、上記段落0122と段落0123で指摘した条件を満たすために、第5の実施形態と同様に動き補償はステージ6で行われる。すなわち、上フレームMB74について動き補償が行われた後に下フレームMB75についてイントラ予測が行われ、かつ、左隣接MBペアに含まれる両方のMBについて動き補償が行われた後に現MBペアについてイントラ予測が行われるという条件を満たすために、動き補償はステージ6で行われる。
また、ステージ7の可変長符号化による発生符号量の変動を調整するため、量子化パラメータを変更するというレート制御をステージ8で行う必要が生じる場合がある。この場合、第5の実施形態と同様に、ステージ5のイントラ・インター判定において4×4イントラ予測モードを選択しないようにするか、または4×4イントラ予測モードが選択されたときはステージ6で新しい量子化パラメータを用いて整数変換・量子化・逆量子化・逆整数変換をやり直す必要がある。
なお、本実施形態で示したMBパイプラインのステージ構成は一例であって、他のステージ構成とすることも可能である。そして、ステージ構成が変われば、ひとまとまりとして符号化する縦に連続する複数のMB行の数が同じであっても、動き検出やイントラ予測等における制約は変わる。
また、本実施形態に記載された発明と第6の実施形態と第7の実施形態に記載された発明を同時に動画像符号化装置に適用することも可能である。
MBパイプラインに連続して投入されるMBの例を示した説明図である。 本発明が適用される動画像符号化装置のブロック図である。 本発明が適用される動画像符号化方法の処理のフローチャートである。 図1に例示される4個のMBを1個のMBパイプラインに連続して投入したときに、各MBがMBパイプラインの各ステージを流れていく様子を示した説明図である。 図1のピクチャを構成する各MBがMBパイプラインに投入され、ステージ0の処理が開始されるMBサイクル番号を示した説明図である。 8画素×8画素の4つのSBに分割されたMBを示した説明図である。 MBパイプラインに連続して投入されるMBの例を示した説明図である。 8画素×8画素SBごとの動きベクトルを検出するために、8つのMB行に含まれるMBを1個のMBパイプラインに連続して投入したとき、各MBが各ステージを流れていく様子を示した説明図である。 本発明が適用される動きベクトル検出回路のブロック図である。 8画素×8画素SBごとの動きベクトルを検出するためのSBパイプラインの詳細な動作を示した説明図である。 8画素×8画素SBごとの動きベクトルを検出するためのSBパイプラインの詳細な動作を示した説明図である。 本発明が適用される動きベクトル検出回路のブロック図である。 16個の4画素×4画素SBに分割されたMBを示した説明図である。 4画素×4画素イントラ予測のために、8つのMB行に含まれるMBを1個のMBパイプラインに連続して投入したとき、各MBが各ステージを流れていく様子を示した説明図である。 4画素×4画素イントラ予測のためのSBパイプラインの詳細な動作を示した説明図である。 8×8SBごとの動きベクトルを検出するために、4つのMB行に含まれるMBを1個のMBパイプラインに連続して投入したとき、各MBがMBパイプラインの各ステージを流れていく様子を示した説明図である。 8画素×8画素SBごとの動きベクトルを検出するためのSBパイプラインの詳細な動作を示した説明図である。 4画素×4画素イントラ予測のために、4つのMB行に含まれるMBを1個のMBパイプラインに連続して投入したとき、各MBが各ステージを流れていく様子を示した説明図である。 4画素×4画素イントラ予測のためのSBパイプラインの詳細な動作を示した説明図である。 内部メモリを有する動画像符号化装置のブロック図である。 縦に連続する4つのMB行に含まれる4個のMBを1個のMBパイプラインで処理する場合の参照領域を示した説明図である。 参照領域用メモリに参照領域を記憶するもう一つの方法を示した説明図である。 広い範囲で動きを検出できる動き検出装置と、本発明が適用されたMBパイプラインを含む動画像符号化装置の組み合わせを示した説明図である。 フィールド符号化が選択されたときのMBペアとフレーム符号化が選択されたときのMBペアを示した説明図である。 現MBペアはフィールド符号化が選択され、左隣接MBペアはフレーム符号化が選択された場合の左隣接MBペアと、現MBペアはフレーム符号化が選択され、左隣接MBペアはフィールド符号化が選択された場合の左隣接MBペアを示した説明図である。 MBパイプラインに投入されるMBペアの例を示した説明図である。 第8の実施形態に係る動画像符号化装置のブロック図である。 第8の実施形態に係る動画像符号化方法の処理のフローチャートを示す図である。 8画素×8画素SBごとの動きベクトルを検出するために、8つのMB行に含まれるMBペアを1個のMBパイプラインに投入したとき、各MBペアが各ステージを流れていく様子を示した説明図である。 8画素×8画素SBごとの動きベクトルを検出するためのSBパイプラインの詳細な動作を示した説明図である。 4画素×4画素イントラ予測のために、8つのMB行に含まれるMBペアを1個のMBパイプラインに投入したとき、各MBペアがMBパイプラインの各ステージを流れていく様子を示した説明図である。 4画素×4画素イントラ予測のためのSBパイプラインの詳細な動作を示した説明図である。 MPEG−2の符号化器のブロック図である。 H.264の符号化器のブロック図である。 従来のH.264の符号化器のMBパイプラインにおいて、MBがMBパイプラインの各ステージを流れていく様子を示した説明図である。 従来の動画像符号化装置の構成を示したブロック図である。 隣接する2つのMBの参照領域の例を示した説明図である。
符号の説明
1、80…MBパイプライン、2…MB選択回路、3、83…符号化データ設定回路、14…参照領域用メモリ、15…バッファメモリ、20…可変長符号化部、23、40、41…動画像符号化装置、24、25、26、27…MB、28、29、30、31、36…参照領域、32、33、34、35、37…更新領域、28、29、30、34を全て含む矩形の領域、72…トップフィールドMB、73…ボトムフィールドMB、74…上フレームMB、75…下フレームMB、76…上フレームMB奇数ライン、77…下フレームMB奇数ライン、78…トップフィールドMB上半分16ライン、79…ボトムフィールドMB上半分16ライン、81…MBペア選択回路、82…フィールドMBペア/フレームMBペア構成回路

Claims (8)

  1. ピクチャの左端から右端まで横方向に連続して並んだマクロブロックの集まりであるマクロブロック行の中では、左端のマクロブロックから符号化を開始し、右に隣接したマクロブロックを順番に符号化する動画像符号化装置であって、
    動画像符号化の処理が4以上の処理に分割され、当該分割された処理を行うステージが4ステージ以上含まれ、少なくても2つの連続した当該ステージにおいてマクロブロックが分割されたサブブロックの処理が行われるマクロブロックパイプラインを有し、
    縦方向に連続する4行以上であって、ピクチャ全体に含まれる前記マクロブロック行の総行数よりも少ない行数の前記マクロブロック行をひとまとまりとして選択し、
    前記ひとまとまりのマクロブロック行の中の最も上のマクロブロック行に含まれるマクロブロックを前記マクロブロックパイプラインに投入し、
    前記ひとまとまりのマクロブロック行の中の上から2行目のマクロブロック行に含まれるマクロブロックから最も下のマクロブロック行に含まれるマクロブロックまで順番に、各マクロブロック行の上に隣接したマクロブロック行に含まれる直前投入マクロブロックが前記マクロブロックパイプラインに投入された後に、当該各マクロブロック行に含まれ、当該直前投入マクロブロックより左に位置し、かつ当該直前投入マクロブロックが右上隣接マクロブロックではないマクロブロックを、前記マクロブロックパイプラインに投入し、
    前記少なくても2つの連続したステージであってサブブロックの処理が行われる各ステージにおいて、連続して前記マクロブロックパイプラインに投入される2個のマクロブロックに含まれるサブブロックを交互に処理する
    動画像符号化装置。
  2. 動画像符号化の処理が4以上の処理に分割され、当該分割された処理を行うステージが4ステージ以上含まれ、少なくても2つの連続した当該ステージにおいてマクロブロックが分割されたサブブロックの処理が行われるマクロブロックパイプラインと、
    ピクチャの左端から右端まで横方向に連続して並んだマクロブロックの集まりであるマクロブロック行を、縦方向に連続する4行以上であって、ピクチャ全体に含まれる前記マクロブロック行の総行数よりも少ない行数をひとまとまりとして選択し、当該ひとまとまりのマクロブロック行の中の最も上のマクロブロック行に含まれるマクロブロックについては、左下隣接マクロブロックがまだ選択されていないマクロブロックを選択し、かつ、当該ひとまとまりのマクロブロック行の中の最も上以外のマクロブロック行に含まれるマクロブロックについては、右上隣接マクロブロックが既に選択されているマクロブロックを選択することによって、当該ひとまとまりのマクロブロック行に含まれるマクロブロックを1マクロブロック行当たり1個選択するマクロブロック選択部と、
    前記マクロブロック選択部によって選択された個々のマクロブロックについて、前記ひとまとまりのマクロブロック行の中の最も上のマクロブロック行に含まれるマクロブロックから、最も下のマクロブロック行に含まれるマクロブロックまで順番に、個々のマクロブロックを符号化するために必要なデータを前記マクロブロックパイプラインに設定し、当該マクロブロックを前記マクロブロックパイプラインに投入する符号化データ設定部と
    を有し、
    前記少なくても2つの連続したステージであってサブブロックの処理が行われる各ステージにおいて、前記符号化データ設定部によって連続して前記マクロブロックパイプラインに投入される2個のマクロブロックに含まれるサブブロックを交互に処理し、
    前記符号化データ設定部によって前記ひとまとまりのマクロブロック行の中の最も下のマクロブロック行に含まれるマクロブロックを符号化するために必要な前記データが前記マクロブロックパイプラインに設定されると、前記マクロブロック選択部が前記選択されている個々のマクロブロックごとにその右隣接マクロブロックを新たに選択する
    動画像符号化装置。
  3. 動画像符号化の処理が4以上の処理に分割され、当該分割された処理を行うステージが4ステージ以上含まれ、少なくても2つの連続した当該ステージにおいてマクロブロックが分割されたサブブロックの処理が行われるマクロブロックパイプラインと、
    ピクチャの左端から右端まで横方向に連続して並んだマクロブロックの集まりであるマクロブロック行を、縦方向に連続する4行以上であって、ピクチャ全体に含まれる当該マクロブロック行の総行数よりも少ない行数をひとまとまりとして選択し、当該ひとまとまりのマクロブロック行の中の最も上のマクロブロック行に含まれるマクロブロックについては、左下隣接マクロブロックがまだ選択されていないマクロブロックを選択し、かつ、当該ひとまとまりのマクロブロック行の中の最も上以外のマクロブロック行に含まれるマクロブロックについては、右上隣接マクロブロックが既に選択されているマクロブロックを選択することによって、当該ひとまとまりのマクロブロック行に含まれるマクロブロックを1マクロブロック行当たり1個選択する第1の手段と、
    前記第1の手段によって選択された個々のマクロブロックを、前記ひとまとまりのマクロブロック行の中の最も上のマクロブロック行に含まれるマクロブロックから、最も下のマクロブロック行に含まれるマクロブロックまで順番に、前記マクロブロックパイプラインに投入する第2の手段と、
    前記少なくても2つの連続したステージであってサブブロックの処理が行われる各ステージにおいて、前記第2の手段によって連続して前記マクロブロックパイプラインに投入される2個のマクロブロックに含まれるサブブロックを交互に処理する第3の手段と
    を有し、
    前記第2の手段によって前記ひとまとまりのマクロブロック行の中の最も下のマクロブロック行に含まれるマクロブロックが前記マクロブロックパイプラインに投入されると、前記第1の手段が前記選択されている個々のマクロブロックごとにその右隣接マクロブロックを新たに選択する
    動画像符号化装置。
  4. ピクチャの最も上の前記ひとまとまりのマクロブロック行から符号化を開始し、下に隣接した前記ひとまとまりのマクロブロック行を順番に符号化する請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の動画像符号化装置。
  5. ピクチャの左端から右端まで横方向に連続して並んだマクロブロックの集まりであるマクロブロック行を縦方向に隣接する2行ずつ組みにしてマクロブロック行の組を作成し、当該マクロブロック行の組に属する縦方向に隣接した2個のマクロブロックを組み合わせてマクロブロックペアを作成し、マクロブロックペアごとにフレーム符号化とフィールド符号化を選択して符号化を行い、前記マクロブロック行の組の中では、左端のマクロブロックペアから符号化を開始し、右に隣接したマクロブロックペアを順番に符号化する動画像符号化装置であって、
    動画像符号化の処理が4以上の処理に分割され、当該分割された処理を行うステージが4ステージ以上含まれ、少なくても2つの連続した当該ステージにおいてマクロブロックが分割されたサブブロックの処理が行われるマクロブロックパイプラインを有し、
    縦方向に連続する2組以上の前記マクロブロック行の組であって、ピクチャ全体に含まれる前記マクロブロック行の組の総数よりも少ない数の前記マクロブロック行の組をひとまとまりとして選択し、
    前記ひとまとまりのマクロブロック行の組の中の最も上に位置するマクロブロック行の組に属するマクロブロックペアをフレーム符号化とフィールド符号化のいずれで符号化するか選択し、フレーム符号化を選択したときは当該マクロブロックペアに含まれる上フレームマクロブロックを前記マクロブロックパイプラインに投入し、フィールド符号化を選択したときは当該マクロブロックペアに含まれる片方のマクロブロックを前記マクロブロックパイプラインに投入し、
    前記ひとまとまりのマクロブロック行の組の中の上から2番目のマクロブロック行の組から最も下に位置するマクロブロック行の組まで順番に、各マクロブロック行の組の上に隣接したマクロブロック行の組に属するマクロブロックペアに含まれる直前投入マクロブロックが前記マクロブロックパイプラインに投入された後に、当該各マクロブロック行の組に属し、当該直前投入マクロブロックを含むマクロブロックペアより左に位置し、かつ当該直前投入マクロブロックを含むマクロブロックペアが右上隣接マクロブロックペアではないマクロブロックペアをフレーム符号化とフィールド符号化のいずれで符号化するか選択し、フレーム符号化を選択したときは当該マクロブロックペアに含まれる上フレームマクロブロックを前記マクロブロックパイプラインに投入し、フィールド符号化を選択したときは当該マクロブロックペアに含まれる片方のマクロブロックを前記マクロブロックパイプラインに投入し、
    前記ひとまとまりのマクロブロック行の組の中の最も下に位置するマクロブロック行の組に属するマクロブロックペアに含まれるマクロブロックが前記マクロブロックパイプラインに投入された後に、前記ひとまとまりのマクロブロック行の組みの中の最も上に位置するマクロブロック行の組から最も下に位置するマクロブロック行の組まで順番に、各マクロブロック行の組に属し、片方のマクロブロックのみ前記マクロブロックパイプラインに投入済みである前記マクロブロックペアに含まれる、まだ前記マクロブロックパイプラインに投入されていない他の片方のマクロブロックを前記マクロブロックパイプラインに投入し、
    前記少なくても2つの連続したステージであってサブブロックの処理が行われる各ステージにおいて、連続して前記マクロブロックパイプラインに投入される2個のマクロブロックに含まれるサブブロックを交互に処理する
    動画像符号化装置。
  6. ピクチャの最も上の前記ひとまとまりのマクロブロック行の組から符号化を開始し、下に隣接した前記ひとまとまりのマクロブロック行の組を順番に符号化する請求項5に記載の動画像符号化装置。
  7. 動画像符号化の処理が4以上の処理に分割され、当該分割された処理を行うステージが4ステージ以上含まれ、少なくても2つの連続した当該ステージにおいてマクロブロックが分割されたサブブロックの処理が行われるマクロブロックパイプラインを含み、ピクチャの左端から右端まで横方向に連続して並んだマクロブロックの集まりであるマクロブロック行の中では、左端のマクロブロックから符号化を開始し、右に隣接したマクロブロックを順番に符号化する動画像符号化装置における動画像符号化方法であって、
    縦方向に連続する4行以上であって、ピクチャに含まれる前記マクロブロック行の総行数よりも少ない行数の前記マクロブロック行がひとまとまりとして選択される第1のステップと、
    前記ひとまとまりのマクロブロック行の中の最も上のマクロブロック行に含まれるマクロブロックが前記マクロブロックパイプラインに投入される第2のステップと、
    前記ひとまとまりのマクロブロック行の中の上から2行目のマクロブロック行に含まれるマクロブロックから最も下のマクロブロック行に含まれるマクロブロックまで順番に、各マクロブロック行の上に隣接したマクロブロック行に含まれる直前投入マクロブロックが前記マクロブロックパイプラインに投入された後に、当該各マクロブロック行に含まれ、当該直前投入マクロブロックより左に位置し、かつ当該直前投入マクロブロックが右上隣接マクロブロックではないマクロブロックが、前記マクロブロックパイプラインに投入される第3のステップと、
    前記第2のステップと前記第3のステップが繰り返される第4のステップと、
    前記少なくても2つの連続したステージであってサブブロックの処理が行われる各ステージにおいて、前記第4のステップによって連続して前記マクロブロックパイプラインに投入される2個のマクロブロックに含まれるサブブロックが交互に処理される第5のステップと
    を有する動画像符号化方法。
  8. 動画像符号化の処理が4以上の処理に分割され、当該分割された処理を行うステージが4ステージ以上含まれ、少なくても2つの連続した当該ステージにおいてマクロブロックが分割されたサブブロックの処理が行われるマクロブロックパイプラインを含み、ピクチャの左端から右端まで横方向に連続して並んだマクロブロックの集まりであるマクロブロック行を縦方向に隣接する2行ずつ組みにしてマクロブロック行の組を作成し、当該マクロブロック行の組に属する縦方向に隣接した2個のマクロブロックを組み合わせてマクロブロックペアを作成し、マクロブロックペアごとにフレーム符号化とフィールド符号化を選択して符号化を行い、前記マクロブロック行の組の中では、左端のマクロブロックペアから符号化を開始し、右に隣接したマクロブロックペアを順番に符号化する動画像符号化装置における動画像符号化方法であって、
    縦方向に連続する2組以上の前記マクロブロック行の組であって、ピクチャ全体に含まれる前記マクロブロック行の組の総数よりも少ない数の前記マクロブロック行の組がひとまとまりとして選択される第1のステップと、
    前記ひとまとまりのマクロブロック行の組の中の最も上に位置するマクロブロック行の組に属するマクロブロックペアについてフレーム符号化とフィールド符号化のいずれで符号化されるか選択され、フレーム符号化が選択されたときは当該マクロブロックペアに含まれる上フレームマクロブロックが前記マクロブロックパイプラインに投入され、フィールド符号化が選択されたときは当該マクロブロックペアに含まれる片方のマクロブロックが前記マクロブロックパイプラインに投入される第2のステップと、
    前記ひとまとまりのマクロブロック行の組の中の上から2番目のマクロブロック行の組から最も下に位置するマクロブロック行の組まで順番に、各マクロブロック行の組の上に隣接したマクロブロック行の組に属するマクロブロックペアに含まれる直前投入マクロブロックが前記マクロブロックパイプラインに投入された後に、当該各マクロブロック行の組に属し、当該直前投入マクロブロックを含むマクロブロックペアより左に位置し、かつ当該直前投入マクロブロックを含むマクロブロックペアが右上隣接マクロブロックペアではないマクロブロックペアについてフレーム符号化とフィールド符号化のいずれで符号化されるかが選択され、フレーム符号化が選択されたときは当該マクロブロックペアに含まれる上フレームマクロブロックが前記マクロブロックパイプラインに投入され、フィールド符号化が選択されたときは当該マクロブロックペアに含まれる片方のマクロブロックが前記マクロブロックパイプラインに投入される第3のステップと、
    前記ひとまとまりのマクロブロック行の組の中の最も下に位置するマクロブロック行の組に属するマクロブロックペアに含まれるマクロブロックが前記マクロブロックパイプラインに投入された後に、前記ひとまとまりのマクロブロック行の組みの中の最も上に位置するマクロブロック行の組から最も下に位置するマクロブロック行の組まで順番に、各マクロブロック行の組に属し、片方のマクロブロックのみ前記マクロブロックパイプラインに投入済みである前記マクロブロックペアに含まれる、まだ前記マクロブロックパイプラインに投入されていない他の片方のマクロブロックが前記マクロブロックパイプラインに投入される第4のステップと、
    前記第2のステップから前記第4のステップまでが繰り返される第5のステップと、
    前記少なくても2つの連続したステージであってサブブロックの処理が行われる各ステージにおいて、前記第5のステップによって連続して前記マクロブロックパイプラインに投入される2個のマクロブロックに含まれるサブブロックが交互に処理される第6のステップと
    を有する動画像符号化方法。
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