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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体を読み取る装置に関するものであり、特に指紋を読み取る指紋読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、被験者の指先の微細な凹凸により指紋の形状を読み取る2次元画像の読取装置として、指紋読取装置が知られている。この指紋読取装置は、指先の指紋を読み取るフォトセンサ部と、該フォトセンサ部の近傍に配置されるとともにフォトセンサ部を駆動させる駆動信号を供給するドライバ回路部とを有するフォトセンサデバイスを備えている。
このような指紋読取装置の中には、指先の指紋を読み取る際に、指先をフォトセンサ部に接触させ、このフォトセンサ部において、指紋を形成する皮膚の凹凸が光学的に認識され、指紋が読み取られるようになっているものや指の凹凸に応じた静電容量の変化を読み取るものがある。
ここで、人間の指はしばしば帯電した状態にあり、指をある物体に接触させた際、指に帯電している数千ボルト程度の静電気が一瞬にして放電することがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
指紋読取装置のドライバ回路部は、高密度実装するために同一基板上に前述のフォトセンサ部と電気的に接続しているとともにフォトセンサ部に近接して配置している場合があり、このような指紋読取装置に指が接触する際に、指とドライバ回路部との間の距離が短くなり、ドライバ回路部上に絶縁膜を覆っていてもこの絶縁膜を介しドライバ回路部に静電気の電圧が印加され、誤作動・損傷する可能性があった。
また、ドライバ回路部は多数のトランジスタで構成されているが、このようなトランジスタの半導体層にアモルファスシリコンやポリシリコンを適用することが提案されているが、アモルファスシリコン及びポリシリコンは可視光に対し、励起する性質を有している。一方、ドライバ回路部の最上層の絶縁膜は、一般に光透過性の材質から構成されているため、ドライバ回路部が強い外光にさらされた場合に、トランジスタの半導体層に電子−正孔対が生成し、これらのキャリアのためにドライバ回路部が誤作動する可能性があった。
【0004】
そこで、本発明は、ドライバ回路部を静電気及び外光から保護し、ドライバ回路部の損傷・誤作動を防ぐことができる指紋読取装置を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、例えば図1に示すように、光学的に被検体を読み取るフォトセンサ部(10)と、該フォトセンサ部を駆動させる駆動信号を供給するドライバ回路部(トップゲートドライバ11,ボトムゲートドライバ12,ドレインドライバ13)とを有するフォトセンサデバイス(C)を備える読取装置(指紋読取装置A)であって、前記ドライバ回路部の表面の少なくとも一部に、前記センサ部の表面から連続して配置され、静電気を放電するための透明の導電性膜(透明導電体51)が設けられていることを特徴とする。
【0006】
請求項1記載の発明によれば、静電気が帯電した状態の指先がドライバ回路部に接触しても、接触時の静電気がドライバ回路部内に放電されることは無くシールドするので、従って、ドライバ回路部が誤作動・損傷することを防ぐことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の指紋読取装置に係る実施の形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、指紋読取装置Aは、指紋を定義づける指先での隆起した凸部と凸部間に配置する線状の凹部とを光学的に読み取る装置であって、指先を所定の位置に保持する指先保持部Bと、指先の指紋を読み取るフォトセンサデバイスCとを備えている。図2は、図1のX−X線断面図である。
【0010】
指先保持部Bは、内周が指先にフィットするような形状に形成され、後述するフォトセンサデバイスCのセンサやドライバ11〜13の半導体層を励起する励起光に対し不透明な部材であって、フォトセンサデバイスCの表面に載置されるような状態で取り付けられている。
指先保持部Bにおいて、指先の腹が接触する部分には、指先の腹程度の大きさに開口された楕円形状の開口部1が形成されている。そして、開口部1の開口した部分に、フォトセンサデバイスCの後述するフォトセンサ部が配置されるように、指先保持部BがフォトセンサデバイスC上に配置されて取り付けられている。
また、指先保持部Bは、導電性材料から構成されるとともに、指先保持部Bから連続した配線2を介して、接地されている。従って、被験者が指先を指先保持部Bに接触しても、指先に帯電した静電気によるフォトセンサデバイスCの誤作動・損傷を防ぐことができる。
【0011】
フォトセンサデバイスCは、図1、2に示すように、透明絶縁性基板20上に設けられた、光学的に指紋を読み取るフォトセンサ部10と、指先保持部Bの下方に配置された、該フォトセンサ部10を駆動させる駆動信号を供給する各種ドライバ回路部(トップゲートドライバ11,ボトムゲートドライバ12,ドレインドライバ13)と、バックライト37及び導光板32とを有する。
【0012】
フォトセンサ部10は、図1に示すように、前述した指先保持部Bの開口部1の開口した部分に露出した状態で、配置されている。
また、フォトセンサ部10は、図1に示すように、マトリクス状に配置された複数のダブルゲートトランジスタ10a(以下、DG−TFT10aという)により構成されている。
トップゲートドライバ11,ボトムゲートドライバ12,ドレインドライバ13の上方には不透明な指先保持部Bが配置されているために、上方から照射される紫外線や各ドライバのトランジスタを励起する波長帯の光を含む外光が直接各ドライバ11〜13に入射されることを抑えるので、励起光による各ドライバ11〜13のトランジスタへの誤動作や、紫外線による劣化を防止することができる。
【0013】
図3及び図4に示すように、各DG−TFT10aは、ボトムゲート電極21と、ボトムゲート絶縁膜22と、半導体層23と、ブロック絶縁膜24a,24bと、不純物層25a,25b,26と、ソース電極27a,27bと、ドレイン電極28と、トップゲート絶縁膜29と、トップゲート電極30と、保護絶縁膜31とを備える。
【0014】
ボトムゲート電極22は、絶縁性基板20上に形成されている。絶縁性基板20は、可視光に対して透過性を有するとともに絶縁性を有する。ボトムゲート電極21及び絶縁性基板20を被覆するようにして、ボトムゲート絶縁膜22がボトムゲート電極21及び絶縁性基板20上に設けられている。ボトムゲート電極21に対向するようにして、半導体層23がボトムゲート絶縁膜22上に設けられている。この半導体層23はアモルファスシリコン又はポリシリコン等からなり、この半導体層23に対して可視光が入射されると、半導体層23には電子−正孔対が発生するようになっている。
【0015】
半導体層23には、ブロック絶縁膜24a,24bが、互いに離れて並列に配設されている。不純物層25aは半導体層23のチャネル長方向の一端部に設けられており、他端部に不純物層25bが設けられている。ブロック絶縁膜24aとブロック絶縁膜24bとの間において、不純物層26が半導体層23の中央上に設けられており、この不純物層26は不純物層25a、25bから離れている。そして、不純物層25a,25b,26及びブロック絶縁膜24a,24bによって、半導体層23は覆われるようになっている。平面視して、不純物層25aの一部はブロック絶縁膜24a上の一部に重なっており、不純物層25bはブロック絶縁膜24b上の一部に重なっている。また、不純物層25a,25b,26は、n型の不純物イオンがドープされたアモルファスシリコンからなる。
【0016】
不純物層25a上にソース電極27aが設けられており、不純物層25b上にソース電極27bが設けられており、不純物層26上にドレイン電極28が設けられている。平面視して、ソース電極27aはブロック絶縁膜24a上の一部に重なっており、ソース電極27bはブロック絶縁膜24b上の一部に重なっており、ドレイン電極28はブロック絶縁膜24a,24b上の一部に重なっている。また、ソース電極27a,27b、ドレイン電極28は互いに離れている。トップゲート絶縁膜29は、ボトムゲート絶縁膜22、ブロック絶縁膜24a,24b、ソース電極27a,27b及びドレイン電極28を覆うように形成されている。トップゲート絶縁膜29上には、半導体層23に対向配置されたトップゲート電極30が設けられている。トップゲート絶縁膜29及びトップゲート電極30上に、保護絶縁膜31が設けられている。
【0017】
以上のDG−TFT10aは、次のような第一及び第二のダブルゲート型フォトセンサが絶縁性基板20上に並列に配置されてなる構成となっている。すなわち、第一のダブルゲート型フォトセンサは、半導体層23、ブロック絶縁膜24a、ソース電極27a、ドレイン電極28、トップゲート絶縁膜29及びトップゲート電極30で構成される光キャリア蓄積部と、半導体層23、ソース電極27a、ドレイン電極28、ボトムゲート絶縁膜22及びボトムゲート電極21で構成されるMOSトランジスタとを備えており、半導体層23は、光キャリア蓄積部の光生成領域及びMOSトランジスタのチャネル領域として機能している。一方、第二のダブルゲート型フォトセンサは、半導体層23、ブロック絶縁膜24b、ソース電極27b、ドレイン電極28、トップゲート絶縁膜29及びトップゲート電極30で構成される光キャリア蓄積部と、半導体層23、ソース電極27b、ドレイン電極28、ボトムゲート絶縁膜22、ボトムゲート電極21で構成されるMOSトランジスタとを備えており、半導体層23は、光キャリア蓄積部の光生成領域及びMOSトランジスタのチャネル領域として機能している。
【0018】
そして、DG−TFT10aにおいて、図1及び図3に示すように、トップゲート電極30はトップゲートライン(以下、TGLという)に、ボトムゲート電極21はボトムゲートライン(以下、BGLという)に、ドレイン電極28はドレインライン(以下、DLという)に、ソース電極27a,27bは接地されたグラウンドライン(以下、GLという)にそれぞれ接続されている。
【0019】
なお、図1〜4において、ブロック絶縁膜24a,24b、トップゲート絶縁膜29、トップゲート電極30上に設けられた保護絶縁膜31は、窒化シリコン等の透光性の絶縁膜からなり、また、トップゲート電極30及びTGLはITO(Indium-Tin-Oxide)等の透光性の導電性材料からなり、ともに可視光に対し高い透過率を示す。一方、ソース電極27a,27b、ドレイン電極28、ボトムゲート電極21及びBGLは、クロム、クロム合金、アルミ、アルミ合金等から選択された可視光の透過を遮断する材質により構成されている。
なお、保護絶縁膜31は、図1に示す指先支持部Bの開口部1から露出し、指先の凸部が接触する箇所となる。
【0020】
また、図2及び図4に示すように、絶縁性基板20の下方には、平面形状の導光板32及び導光板32の周囲に配置されたバックライト37とから構成され、導光板32はバックライト37が配置された側面及び上面を除き、反射部材で覆われ、バックライト37は、コントローラ14に従いDG−TFT10aが励起する波長域の光を導光板32に照射する。
【0021】
上述したフォトセンサ部10は、指先保持部Bの開口部1及びその周辺にマトリクス状にDG−TFT10aが配置される状態になっている。
そして、指紋照合時に帯電した指先が指先保持部Bに接触し保持されると、指先を介して放電されるとともに、指の容量による電圧変化又は電流変化を後述するコントローラ14が検知し、フォトセンス、すなわち指紋読取処理するためにバックライト37を発光するとともに制御信号Tcntをトップゲートドライバ11に、制御信号Bcntをボトムゲートドライバ12に、制御信号Dcntをドレインドライバ13に、送信する。コントローラ14は、指特有のキャパシタによる電気的変位を読み取り制御信号Tcnt、制御信号Bcnt、制御信号Dcntを出力することが可能であるのみならず指以外の指とは異なるキャパシタの被検体が接触した場合の電気的変位を読み取り、被検体が指でないことを認証して制御信号Tcnt、制御信号Bcnt、制御信号Dcntを出力しないようにすることが可能である。
【0022】
ここで、図1に示すように、トップゲートドライバ11は、フォトセンサ部10のTGLに接続され、駆動信号を各TGLに順次選択的に出力するシフトレジスタであって、コントローラ14から出力される制御信号群Tcntに応じて、複数のTGLに適宜リセット電圧(+25〔V〕)又はキャリア蓄積電圧(−15〔V〕)を印加するものである。
ボトムゲートドライバ12は、フォトセンサ部10のBGLに接続され、駆動信号を各BGLに順次選択的に出力するシフトレジスタであって、コントローラ14から出力される制御信号群Bcntに応じて複数のBGLに適宜チャネル形成用電圧(+10〔V〕)又はチャネル非形成用電圧(±0〔V〕)を印加するものである。
ドレインドライバ13は、フォトセンサ部10のDLに接続され、コントローラ14から出力される制御信号群Dcntに応じて全てのDLに基準電圧(+10〔V〕)を印加することで、電荷をプリチャージさせる。そして、ドレインドライバ13は、プリチャージ後の所定期間において、各ダブルゲートトランジスタ10aでの入射された光量に応じて変位するDL電圧又は各DG−TFT10aのソース−ドレイン間を流れるドレイン電流を検知し、データ信号DATAとしてコントローラ14に出力するものである。
【0023】
コントローラ14は、制御信号群Tcnt,Bcntによってそれぞれトップゲートドライバ11,ボトムゲートドライバ12を制御して、両ドライバから行毎に所定のタイミングで所定レベルの信号を出力させる。これにより、フォトセンサ部10の各行を順次リセット状態、フォトセンス状態、読み出し状態とさせる。コントローラ14は、また、制御信号群Dcntによりドレインドライバ13にDLの電位変化を読み出させ、データ信号DATAとして順次取り込んでいくものである。
【0024】
次に、フォトセンスについて詳細に説明すると、フォトセンサ部10を構成するDG−TFT10aはトップゲート電極30に印加されている電圧が+25〔V〕で、ボトムゲート電極21に印加されている電圧が±0〔V〕であると、トップゲート電極30と半導体層23との間に配置される窒化シリコンからなるトップゲート絶縁膜29と半導体層23とに蓄積されている正孔が吐出され、リセット状態とされる。DG−TFT10aは、ソース電極27a,27bとドレイン電極28間が±0〔V〕、トップゲート電極30に印加されている電圧が−15〔V〕、ボトムゲート電極30に印加されている電圧が±0〔V〕の場合、半導体層23への光の入射によって発生した電子−正孔対のうちの正孔が半導体層23及びトップゲート絶縁膜29に蓄積されるフォトセンス状態となる。この所定期間に蓄積される正孔の量は光量に依存している。
【0025】
フォトセンス状態において、バックライト32がDG−TFT10aに向け光を照射するが、このままではDG−TFT10aの半導体層23の下方に位置するボトムゲート電極21が遮光するので、半導体層23には充分なキャリアが生成されない。このとき、DG−TFT10a上方の保護絶縁膜31上に指先を載置すると、指紋の紋様に沿った指先の凹部の直下にあたる半導体層23には、保護絶縁膜31等で反射された光があまり入射されない。
【0026】
このように光の入射量が少なくて充分な量の正孔が半導体層23に蓄積されずに、トップゲート電極30に印加されている電圧が−15〔V〕で、ボトムゲート電極に印加されている電圧が+10〔V〕となると、トップゲート電極30の電界により半導体層内に空乏層が広がり、nチャネルがピンチオフされ、半導体層23が高抵抗となる。一方、フォトセンス状態において、指先の凸部の直下にあたるDG−TFT10aの半導体層23には、保護絶縁膜31等で反射された光が入射されるとともに、充分な量の正孔が半導体層内に蓄積された状態で、このような電圧が印加された場合は、蓄積されている正孔がトップゲート電極30に引き寄せられて保持されることにより、この正孔の電荷がトップゲート電極30の電界を緩和するので、半導体層23のボトムゲート電極21側にnチャネルが形成され、半導体層23が低抵抗となる。これらの読み出し状態における半導体層23の抵抗値の違いが、DLの電位の変化となって現れる。
【0027】
さらに上述したフォトセンスに関して、フォトセンサ部10を構成するDG−TFT10aの駆動原理について、図5(a)〜(f)の模式図を参照して説明する。
【0028】
DG−TFT10aの半導体層23のチャネル形成領域は、不純物層25a、26間及び不純物層25b、26間のブロック絶縁膜24a,24bの下に発生するため、チャネル長はブロック絶縁膜24a,24bのチャネル長方向の長さに等しい。したがって、図5(a)に示すように、ボトムゲート電極21(BG)に印加されている電圧が±0〔V〕であるときは、トップゲート電極30(TG)に印加されている電圧が+25〔V〕であっても、ソース、ドレイン電極27a,27b,28の直下の半導体層23では、トップゲート電極30(TG)に印加されている電圧でなく、ソース、ドレイン電極27a,27b,28の印加電圧に、より強く影響されるので半導体層23にはチャネル長方向に連続したnチャネルが形成されず、ドレイン電極28(D)に+10〔V〕の電圧が印加されても、ドレイン電極28(D)とソース電極27a,27b(S)との間に電流は流れない。また、この状態では、後述するように半導体層23及び半導体層23のチャネル領域直上のブロック絶縁膜24a,24bに蓄積された正孔が同じ極性のトップゲート電極30(TG)の電圧により反発し、吐出される。以下、この状態をリセット状態という。
【0029】
図5(b)に示すように、トップゲート電極30(TG)に印加されている電圧が−15〔V〕であり、ボトムゲート電極21(BG)に印加されている電圧が±0〔V〕であるときは、半導体層23にはnチャネルが形成されず、ドレイン電極28(D)に+10〔V〕の電圧が印加されても、ドレイン電極28(D)とソース電極27a,27b(S)との間に電流は流れない。
【0030】
このように、半導体層23のチャネル領域の両端とトップゲート電極30(TG)との間にそれぞれドレイン電極28(D)とソース電極27a,27b(S)が配置されているため、チャネル領域の両端は、ドレイン電極28(D)とソース電極27a,27b(S)との電界に影響されるため、トップゲート電極30(TG)のみの電界では連続したチャネルを形成することができない。従って、ボトムゲート電極21(BG)に印加されている電圧が±0〔V〕である場合には、トップゲート電極30(TG)に印加されている電圧の如何に関わらず、半導体層23にチャネルが形成されることはない。
【0031】
図5(c)に示すように、トップゲート電極30(TG)に印加されている電圧が+25〔V〕であり、ボトムゲート電極21(BG)に印加されている電圧が+10(V)であるときは、半導体層23のボトムゲート電極21(BG)側にnチャネルが形成される。これにより、半導体層23が低抵抗化し、ドレイン電極28に+10〔V〕の電圧が印加されると、ドレイン電極28(D)とソース電極27a,27b(S)との間に電流が流れる。
【0032】
図5(d)に示すように、後述するように半導体層23内に十分な量の正孔が蓄積されず、トップゲート電極30(TG)に印加されている電圧が−15〔V〕であると、ボトムゲート電極21(BG)に印加されている電圧が+10〔V〕であっても、半導体層23の内部に空乏層が広がり、nチャネルがピンチオフされて、半導体層23が高抵抗化する。このため、ドレイン電極28に+10〔V〕の電圧が印加されても、ドレイン電極28(D)とソース電極27a,27b(S)との間に電流が流れない。以下、この状態を第1の読み出し状態という。
【0033】
半導体層23には入射された励起光の光量に応じて電子−正孔対が生じる。このとき図5(e)に示すように、トップゲート電極30(TG)に印加されている電圧が−15〔V〕であり、ボトムゲート電極21(BG)に印加されている電圧が±0〔V〕であると、電子−正孔対のうち正極性の正孔が半導体層23及び半導体層23のチャネル領域直上のブロック絶縁膜24a,24bに蓄積される。以下、上述したリセット状態となり、後述する読み出し状態となるまでにおけるこの状態をフォトセンス状態という。なお、こうしてトップゲート電極30(TG)の電界に応じて半導体層23内に蓄積された正孔は、リセット状態となるまで半導体層23から吐出されることはない。
【0034】
図5(f)に示すように、トップゲート電極30(TG)に印加されている電圧が−15〔V〕であり、ボトムゲート電極21(BG)に印加されている電圧が+10(V)であっても、半導体層23内に正孔が蓄積されている場合には、蓄積されている正孔が負電圧の印加されているトップゲート電極30(TG)に引き寄せられて保持され、トップゲート電極30(TG)に印加されている負電圧が半導体層23に及ぼす影響を緩和する方向に働く。このため、半導体層23のボトムゲート電極21(BG)側にnチャネルが形成され、半導体層23が低抵抗化して、ドレイン電極28に+10(V)の電圧が供給されると、ドレイン電極28(D)とソース電極27a,27b(S)との間に電流が流れる。以下、この状態を第2の読み出し状態という。
【0035】
ここで、トップゲートドライバ11,ボトムゲートドライバ12,ドレインドライバ13を備えるドライバ回路部は、基本構成として複数のTFT(Thin Film Transistor)を備えている。各TFTは、いずれもnチャネルMOS型の電界効果トランジスタで構成され、ゲート絶縁膜に窒化シリコンを用い、半導体層にアモルファスシリコンを用いている。上記各TFTは、DG−TFT10aとともに同じ製造プロセス中に製造され、概ねDG−TFT10aと同じ構造である。
具体的には、図4に示すDG−TFT10aの断面構造を参照して説明すると、上述したドライバ回路部は、トップゲート電極30が積層されていないトランジスタ群34(図2参照)を備えている。トランジスタ群34の各トランジスタは、基本構造は概ね同じであるが後述するようにその機能により寸法、形状が異なるように設計されている。
そして、ドライバ回路部に備えられるトランジスタ群34の最上層に配置された保護絶縁膜31を覆うように、指先保持部Bが設けられている。ここで保護絶縁膜31はドライバ回路部の最上面を平坦化するとともに静電気等から保護するような厚さに堆積されている。この指先保持部Bは、不透明な導電体から構成されるとともに、接地された状態となっている。
【0036】
ここで、上述したトップゲートドライバ11及びボトムゲートドライバ12(図1参照)について、詳細に説明する。なお、トップゲートドライバ11及びボトムゲートドライバ12は、図6に示すシフトレジスタが適用されたものである。フォトセンサ部10に配設されたDG−TFT10aの行数(TGL、BGLの数)をnとすると、トップゲートドライバ11及びボトムゲートドライバ12は、図6に示すように、ゲート信号を出力するn個の段RS(1)〜RS(n)と、段RS(n)等を制御するためのダミー段RS(n+1)及びダミー段RS(n+2)とから構成される。なお、図6に示すシフトレジスタは、nが2以上の偶数である場合の構成を示すものである。また、段RS(1)は一段目、段RS(2)は二段目、…、段RS(n)はn段目、段RS(n+1)はn+1段目、段RS(n+2)はn+2段目をそれぞれ示すものである。
【0037】
一番目の段RS(1)には、コントローラ14からのスタート信号Dstが入力される。図6に示すシフトレジスタがトップゲートドライバ11である場合、スタート信号Dstのハイレベルは+25〔V〕であり、スタート信号Dstのローレベルは−15〔V〕である。一方、図6に示すシフトレジスタがボトムゲートドライバ12である場合、スタート信号Dstのハイレベルは+10〔V〕であり、スタート信号Dstのローレベルは−15〔V〕である。
【0038】
また、二番目以降の段RS(2)〜段RS(n)には、それぞれの前段RS(1)〜段RS(n−1)からの出力信号OUT(1)〜OUT(n−1)が入力信号として入力される。図6に示すシフトレジスタがトップゲートドライバ11である場合、各段の出力信号OUT(1)〜出力信号OUT(n)が、対応する1〜n行目のTGLに出力される。一方、図6に示すシフトレジスタがボトムゲートドライバ12である場合、各段の出力信号OUT(1)〜出力信号OUT(n)が、対応する1〜n行目のBGLに出力される。
【0039】
さらに、段RS(n+2)以外の段RS(1)〜段RS(n+1)には、それぞれの後段RS(2)〜段RS(n+2)からの出力信号OUT(2)〜OUT(n+2)がリセット信号として入力される。段RS(n+2)には、コントローラ14からのリセット信号Dentが入力される。図6に示すシフトレジスタがトップゲートドライバ11である場合、リセット信号Dentのハイレベルは+25〔V〕であり、リセット信号Dentのローレベルは−15〔V〕である。一方、図6に示すシフトレジスタがボトムゲートドライバ12である場合、リセット信号Dentのハイレベルは+10〔V〕であり、リセット信号Dentのローレベルは−15〔V〕である。
【0040】
各段RS(k)(kは1〜n+2の任意の整数)には、コントローラ14から基準電圧Vssが印加される。図6に示すシフトレジスタがトップゲートドライバ11である場合、基準電圧Vssのレベルは−15〔V〕である。一方、図6に示すシフトレジスタがボトムゲートドライバ12である場合、基準電圧Vssのレベルは±0〔V〕である。
また各段RS(k)には、コントローラ14から定電圧Vddが印加される。図6に示すシフトレジスタがトップゲートドライバ11である場合、定電圧Vddのレベルは+25〔V〕である。一方、図6に示すシフトレジスタがボトムゲートドライバ12である場合、定電圧Vddのレベルは+10〔V〕である。
【0041】
奇数番目の段RS(k)には、コントローラ14からのクロック信号CK1が入力される。また、偶数番目の段RS(k)には、クロック信号CK2が入力される。クロック信号CK1,CK2はそれぞれ、シフトレジスタの出力信号をシフトしていくタイムスロットのうちの所定期間、タイムスロット毎に交互にハイレベルとなる。すなわち、一のタイムスロットのうちの所定の間クロック信号CK1がハイレベルとなった場合、そのタイムスロットの間ではクロック信号CK2がローレベルとなり、次のタイムスロットの間ではクロック信号CK1がローレベルであるとともに所定期間の間クロック信号CK2がハイレベルとなる。
【0042】
図6に示すシフトレジスタがトップゲートドライバ11である場合、クロック信号CK1,CK2は、ハイレベルが+25〔V〕、ローレベルが−15〔V〕である。一方、図6に示すシフトレジスタがボトムゲートドライバ12である場合、ハイレベルが+10〔V〕、ローレベルが±0〔V〕である。
【0043】
そして、図6に示すように、トップゲートドライバ11及びボトムゲートドライバ12を構成する上述したシフトレジスタの各段RS(k)は、基本構成として、トランジスタ群34である六つのTFT41〜46を備えている。なお、TFT41〜46は、いずれもnチャネルMOS型の電界効果トランジスタであり、ゲート絶縁膜に窒化シリコンが用いられ、半導体層にアモルファスシリコンが用いられている。
【0044】
図6及び図7に示すように、一番目の段RS(1)のゲート電極及びドレイン電極には、スタート信号Dstが入力されている。一番目の段RS(1)以外の各段RS(k)のTFT41のゲート電極及びドレイン電極は、前段RS(k−1)のTFT45のソース電極に接続され、TFT41のソース電極は、TFT44のゲート電極、TFT42のドレイン電極及びTFT43のゲート電極に接続されている。各段RS(k)のTFT41のソース電極、TFT44のゲート電極、TFT42のドレイン電極、TFT43のゲート電極に接続される配線には、この配線自体に関係するTFT41〜44の寄生容量やこの配線自体によって、電荷を蓄積するための容量Ca(k)が形成される。
【0045】
TFT43のドレイン電極は、TFT46のソース電極及びTFT45のゲート電極に接続され、TFT42のソース電極及びTFT43のソース電極には基準電圧Vssが印加されている。そして、TFT46のゲート電極及びドレイン電極には、定電圧Vddが印加されている。
また、奇数段のTFT44のドレイン電極にはクロック信号CK1が入力され、偶数段のTFT44のドレイン電極にはクロック信号CK2が入力されている。各段のTFT44のソース電極は、TFT45のドレイン電極に接続され、TFT45のソース電極には、基準電圧Vssが印加されている。TFT42のゲート電極には、次段からの出力信号OUT(k+1)が入力されている。
【0046】
次に、各段RS(k)に備えられているTFT41〜46の機能を説明する。
TFT41のゲート電極及びドレイン電極には、前段RS(k−1)からの出力信号OUT(k−1)が入力されているか(この場合、kは2〜n+2)、或いは、コントローラ14からスタート信号Dstが入力されている(この場合、kは1)。出力信号OUT(k−1)又はスタート信号Dstがハイレベルになった場合に、TFT41はオン状態となり、ドレイン電極からソース電極に電流が流れ、TFT41はハイレベルの出力信号OUT(k−1)またはスタート信号Dstをソース電極に出力するようになっている。
ここで、TFT42がオフ状態である場合には、TFT41のソース電極から出力されたハイレベルの出力信号OUT(k−1)またはスタート信号Dstにより、容量Ca(k)が蓄積されるようになっている。一方、出力信号OUT(k−1)又はスタート信号Dstがローレベルになった場合に、TFT41はオフ状態となり、TFT41のドレイン電極〜ソース電極に電流が流れないようになっている。
【0047】
TFT46のゲート電極及びドレイン電極には、定電圧Vddが印加されている。これにより、TFT46は常にオン状態となっており、TFT46のドレイン電極〜ソース電極に電流が流れ、TFT46は略定電圧Vddレベルの信号をソース電極に出力するようになっている。TFT46は、定電圧Vddを分圧する負荷としての機能を有する。
【0048】
TFT43は、容量Ca(k)に電荷が蓄積されていないときにオフ状態となり、TFT46から出力された定電圧Vddレベルの信号によって容量Cb(k)が蓄積するようになっている。一方、TFT43は、容量Ca(k)に電荷が蓄積されているときにオン状態となり、TFT43のドレイン電極〜ソース電極に電流が流れることにより、TFT43は容量Cb(k)に蓄積された電荷を排出するようになっている。
【0049】
TFT45は、容量Cb(k)に電荷が蓄積されていないときにオフ状態となり、容量Cb(k)に電荷が蓄積されているときにオン状態となる。TFT44は、容量Ca(k)に電荷が蓄積されているときにオン状態となり、容量Ca(k)に電荷が蓄積されていないときにオフ状態となる。従って、TFT45がオフ状態のときにはTFT44はオン状態となり、TFT45がオン状態のときにはTFT44はオフ状態となるようになっている。
【0050】
TFT45のソース電極には、基準電圧Vssが印加されている。オン状態となったTFT45は、基準電圧Vssレベル(ローレベル)の信号を、ドレイン電極から当該段RS(k)の出力信号OUT(k)として出力するようになっている。オフ状態となったTFT45は、TFT44のソース電極から出力された信号のレベルを当該段RS(k)の出力信号OUT(k)として出力するようになっている。
【0051】
TFT44のドレイン電極には、クロック信号CK1又はCK2が入力されている。TFT44がオフ状態である場合には、TFT44は、ドレイン電極に入力されたクロック信号CK1又はCK2の出力を遮断するようになっている。
TFT44がオン状態である場合に、TFT44は、ローレベルのクロック信号CK1又はCK2をソース電極に出力するようになっている。ここで、TFT44がオン状態である場合には、TFT45がオフ状態であるから、ローレベルのクロック信号CK1又はCK2が当該段RS(k)の出力信号OUT(k)として出力される。
一方、TFT44がオン状態である場合に、ハイレベルのクロック信号CK1又はCK2がドレイン電極に入力されると、ゲート電極及びソース電極並びにそれらの間のゲート絶縁膜からなる寄生容量に電荷が蓄積される。すなわち、ブートストラップ効果によって、容量Ca(k)の電位が上昇して、容量Ca(k)の電位がゲート飽和電圧にまで達すると、TFT44のソース−ドレイン電流が飽和するようになっている。これにより、オン状態のTFT44は、ハイレベルのクロック信号CK1又はCK2と略同電位となる信号を、ソース電極に出力するようになっている。ここで、TFT44がオン状態である場合には、TFT45がオフ状態であるから、ハイレベルのクロック信号CK1又はCK2が、当該段RS(k)の出力信号OUT(k)として出力される。
【0052】
TFT42のゲート電極には、次の段RS(k+1)(この場合、kは1〜n+1)の出力信号OUT(k+1)が入力される。TFT42は、ゲート電極に入力される出力信号OUT(k+1)がハイレベルの場合にオン状態となり、容量Ca(k)に蓄積された電荷を排出するようになっている。
【0053】
なお、ダミー段RS(n+2)のTFT42においては、リセット信号Dendが、コントローラ14からTFT42のゲート電極に入力されるが、次の走査での三番目の出力信号OUT(3)を代用してもよい。
【0054】
次に、上述したトップゲートドライバ11及びボトムゲートドライバ12の動作について図8を参照して説明する。図中、1つのT分の期間が一選択期間である。なお、トップゲートドライバ11とボトムゲートドライバ12とは、実質的には信号の入力タイミングと基準電圧Vssのレベルが異なり、これに合わせて出力信号の出力タイミングとレベルとが異なるだけなので、ボトムゲートドライバ12については、トップゲートドライバ11と異なる部分だけを説明することとする。
【0055】
図8に示すように、タイミングT0において、ハイレベル(+25〔V〕)のスタート信号Dstがコントローラ14から一番目の段RS(1)に入力される。スタート信号Dstは、一水平期間が終了するタイミングT1までの所定期間においてハイレベルのままとなっている。
【0056】
タイミングT0では、TFT41がオン状態となり、TFT41のドレイン電極に入力されたハイレベルの入力信号(スタート信号Dst)がソース電極から出力される。TFT42がオフ状態となっているため、TFT41のソース電極から出力されたハイレベルの入力信号によって、容量Ca(1)に電荷が蓄積される。容量Ca(1)に電荷が蓄積されることによって、容量Ca(1)の電位が上昇し、TFT43,44がそれぞれオン状態となる。そして、ハイレベルのスタート信号Dstが入力されている期間はオン状態のTFT44のドレイン電極にローレベル(−15〔V〕)のクロック信号CK1が入力され、このローレベルのクロック信号CK1が当該段RS(1)の出力信号OUT(1)として出力される。
【0057】
タイミングT0後タイミングT1の前に、スタート信号Dstがローレベルとなり、TFT43,44がオフ状態となる。なお、この場合、容量Ca(1)には電荷が蓄積されている。TFT44がオフ状態となることによって、TFT46のソース電極に定電圧Vddレベル(+25〔V〕)の信号が出力され、容量Cb(1)に電荷が蓄積される。容量Cb(1)に電荷が蓄積されることによって、TFT45がオン状態となり、これにより、基準電圧Vssレベル(−15〔V〕)の信号が当該段RS(1)の出力信号OUT(1)として出力される。
【0058】
次に、タイミングT1でクロック信号CK1がハイレベル(+25〔V〕)になる。すると、TFT44のゲート電極及びソース電極並びにそれらの間のゲート絶縁膜からなる寄生容量がチャージアップされる。すなわち、容量Ca(1)がチャージアップされ、ブートストラップ効果によって容量Ca(1)の電位がゲート飽和電圧に達すると、TFT44のドレイン電極とソース電極との間に流れる電流が飽和する。これにより、当該段RS(1)から出力される出力信号OUT(1)は、クロック信号CK1と略同電位の+25〔V〕となり、ハイレベルである。なお、クロック信号CK1がハイレベルである期間は、TFT44の寄生容量がチャージアップされることにより、容量Ca(1)の電位も略+45〔V〕にまで達する。
【0059】
次に、タイミングT1後タイミングT2の前に、クロック信号CK1がローレベル(−15〔V〕)になる。これにより、出力信号OUT(1)のレベルも略−15〔V〕となる。また、TFT44の寄生容量へチャージされた電荷が放出され、容量Ca(1)の電位が低下する。
【0060】
また、タイミングT1からT2までの所定期間、一番目の段RS(1)から出力されているハイレベルの出力信号OUT(1)は、二番目の段RS(2)のTFT41のゲート電極及びドレイン電極に入力されている。これにより、一番目の段RS(1)にハイレベルのスタート信号Dstが入力された場合と同様に、二番目の段RS(2)の容量Ca(2)に電荷が蓄積される。タイミングT1からT2までの一部の間、二番目の段RS(2)においては、TFT44がオン状態、TFT45がオフ状態となる。そして、ハイレベルの入力信号(出力信号OUT(1))が入力されている期間は、オン状態のTFT44のドレイン電極にローレベル(−15〔V〕)のクロック信号CK2が入力され、このローレベルのクロック信号CK2が当該段RS(2)の出力信号OUT(2)として出力される。
【0061】
次に、タイミングT2になると、クロック信号CK2がハイレベル(+25〔V〕)になる。すると、段RS(2)のTFT44のゲート電極及びソース電極並びにそれらの間のゲート絶縁膜からなる寄生容量がチャージアップされる。すなわち、容量Ca(2)がチャージアップされ、ブートストラップ効果によって容量Ca(2)の電位がゲート飽和電圧に達すると、TFT44のドレイン電極とソース電極との間に流れる電流が飽和する。これにより、当該段RS(2)から出力される出力信号OUT(2)は、クロック信号CK2と略同電位の+25〔V〕となり、ハイレベルである。なお、クロック信号CK2がハイレベルである期間は、TFT44の寄生容量がチャージアップされることにより、容量Ca(2)の電位も略+45〔V〕にまで達する。
【0062】
また、タイミングT2後タイミングT3前において、ハイレベルの出力信号OUT(2)が、一番目の段RS(1)のTFT42のゲート電極に入力される。これにより、段RS(1)の容量Ca(1)の電位は基準電圧Vssとなる。
【0063】
次に、タイミングT2後タイミングT3の前に、クロック信号CK2がローレベル(−15〔V〕)になる。これにより、出力信号OUT(2)のレベルも略−15〔V〕となる。また、TFT44の寄生容量へチャージされた電荷が放出され、容量Ca(2)の電位が低下する。
【0064】
以下同様に、次のタイミングT1までの間で、一走査期間Q以内に、各段の出力信号OUT(1)〜OUT(n)が順次ハイレベルとなる。すなわち、ハイレベルの出力信号の出力される段が順次次の段にシフトしていくようになっている。ハイレベルの出力信号OUT(1)〜OUT(n)は、次段にシフトされても逓減することがない。そして、一走査期間Q後に再びスタート信号Dstがハイレベルとなり、以降の段RS(1)〜段RS(n)で上述の動作が繰り返されるようになっている。
【0065】
なお、TGLの最終段RS(n)において、ハイレベルの出力信号OUT(n)が次段のダミーRS(n+1)に出力された後も、容量Ca(n)の電位はハイレベルのままである。そして、ハイレベルの出力信号OUT(n)が次段RS(n+1)に出力されると、ダミー段RS(n+1)の出力信号OUT(n+1)により、最終段RS(n)のTFT42がオン状態となり、容量Ca(n)の電位は基準電圧Vssになる。同様に、ダミー段RS(n+2)の出力信号OUT(n+2)により、ダミー段RS(n+1)のTFT42がオン状態となり、容量Ca(n+1)の電位は基準電圧Vssになる。そして、ハイレベルのリセット信号Dentがダミー段RS(n+2)のTFT42に入力されることにより、ダミー段RS(n+2)の電位は、ハイレベルから基準電圧Vssになる。
【0066】
また、ボトムゲートドライバ12の動作は、トップゲートドライバ11の動作とほぼ同じであるが、コントローラ14から入力されるクロック信号CK1,CK2のハイレベルが+10〔V〕であるため、各段RS(k)(この場合、kは1〜n)の出力信号out(k)のハイレベルはほぼ+10〔V〕であり、この際の容量Ca(k)のレベルは+18〔V〕程度である。ボトムゲートドライバ12のクロック信号CK1,CK2がハイレベルとなっている期間は、トップゲートドライバ11のクロック信号CK1,CK2がハイレベルとなっている期間より短い。
【0067】
なお、上記のシフトレジスタを適用したトップゲートドライバ11及びボトムゲートドライバ12は、コントローラ14からの制御信号群Tcnt,Bcntに従って、TGL,BGLを順次選択して所定の電圧を印加するものである。この制御信号群Tcnt,Bcntに、上記したクロック信号CK1,CK2、スタート信号Dst、リセット信号Dend、定電圧Vdd及び基準電圧Vssが含まれる。
【0068】
次に、指紋読取装置Aにおいて、被験者の指紋を読み取る際の動作を説明する。
被験者は、まず、図1に示すように、指先が指先保持部Bにフィットするように、指先を指先保持部Bに接触させる。このとき、指先が電荷を帯びた状態でも、フォトセンサ部10に接触する前に、指先保持部Bはアースに接続されているので、静電気によりフォトセンサデバイスCが損傷したり、誤作動したりすることはない。
また指先が指先保持部Bに接触すると、指のキャパシタが加わることにより指先保持部Bで変位する電圧又は電流をコントローラ14が検知する。そして、コントローラ14は、フォトセンスを開始するように制御信号群Tcnt,Bcnt,Dcntをそれぞれトップゲートドライバ11、ボトムゲートドライバ12,ドレインドライバ13に供給するとともに、バックライト37に発光信号を供給する。
これに応じてバックライト37が発光し、トップゲートドライバ11、ボトムゲートドライバ12,ドレインドライバ13は、フォトセンサ部10の各DG−TFT10aに適宜信号を出力し、行毎にフォトセンスする。
【0069】
ここで、図1を参照して、フォトセンスについて説明すると、バックライト37から照射される照射光は、ボトムゲート電極21により、直接、半導体層23には入射されず、保護絶縁膜31に向かって進行する。
指先の凸部は、保護絶縁膜31に接触しており、指先に当たった照射光は乱反射し、凸部の直下に配置されたDG−TFT10aの半導体層23に入射され、半導体層23で光量に応じて電子−正孔対が生成される。
一方、指先の凹部は、保護絶縁膜31に接触していないので乱反射が起こらず、その直下のDG−TFT10aの半導体層23に、充分なキャリアが生成される程の光が入射されることはない。
【0070】
DG−TFT10aは、生成された電子−正孔対のうちの正孔を、トップゲート電極30に印加されたキャリア蓄積電圧(−15〔V〕)により、半導体層23及びトップゲート絶縁膜29に蓄積させ、この正孔による電荷がキャリア蓄積電圧の影響を緩和させる。
一定時間経過後、ボトムゲート電極21の電位は、チャネル非形成電圧(0〔V〕)からチャネル形成電圧(+10〔V〕)に変わると、蓄積された正孔の量が多い程、言い換えると、入射された光の量が多い程、DG−TFT10aでドレイン電流値が大きくなり、DLの電位の変位も大きくなる。
そして、ドレインドライバ13は、DLの電位を行毎に読み取り、データ信号DATAに変換してコントローラ14に出力し、その結果、被験者の指紋パターンが読み取られるようになっている。
【0071】
上述した指紋パターンを読み取る動作において、フォトセンサ部10に備えられているDG−TFT10aの具体的な動作について、図9(a)〜(i)に示す模式図を参照して説明する。なお、以下の説明において、1Tの期間は、図8に示す1T分の一選択期間と同じ長さを有するものとする。また、説明を簡単にするため、フォトセンサ部10に配置されているDG−TFT10aのうち、最初の三行のみを考えることとする。
【0072】
まず、タイミングT1からT2までの1Tの期間において、図9(a)に示すように、トップゲートドライバ11は、一行目のTGLに+25〔V〕を印加し、二、三行目(他の全行)のTGLに−15〔V〕を印加する。すなわち、トップゲートドライバ11の段RS(1)からハイレベルの出力信号が出力され、段RS(2),RS(3)からローレベルの出力信号が出力される。一方、ボトムゲートドライバ12は、すべてのBGLに0〔V〕を印加する。すなわち、ボトムゲートドライバ12の段RS(1)〜RS(3)からローレベルの出力信号が出力される。この期間において、一行目のDG−TFT10aがリセット状態(図5(a)参照)となり、二、三行目のDG−TFT10aが前の垂直期間での読み出し状態を終了した状態(フォトセンスに影響しない状態)となる。
【0073】
次に、タイミングT2からT3までの1Tの期間において、図9(b)に示すように、ハイレベルの出力信号がトップゲートドライバ11の段RS(2)にシフトして、トップゲートドライバ11は、二行目のTGLに+25〔V〕を印加し、他のTGLに−15〔V〕を印加する。一方、ボトムゲートドライバ12は、すべてのBGLに0〔V〕を印加する。この期間において、一行目のDG−TFT10aがフォトセンス状態(図5(e)参照)となり、二行目のDG−TFT10aがリセット状態(図5(a)参照)となり、三行目のDG−TFT10aが前の垂直期間での読み出し状態を終了した状態(フォトセンスに影響しない状態)となる。
【0074】
次に、タイミングT3からT4までの1Tの期間において、図9(c)に示すように、ハイレベルの出力信号がトップゲートドライバ11の段RS(3)にシフトして、トップゲートドライバ4は、三行目のTGLに+25〔V〕を印加し、他のTGLに−15〔V〕を印加する。一方、ボトムゲートドライバ12は、すべてのBGLに0〔V〕を印加する。この期間において、一、二行目のDG−TFT10aがフォトセンス状態(図5(e)参照)となり、三行目のDG−TFT10aがリセット状態(図5(a)参照)となる。
【0075】
次に、タイミングT4からT4.5までの0.5Tの期間において、図9(d)に示すように、トップゲートドライバ11は、すべてのTGLに−15〔V〕を印加する。一方、ボトムゲートドライバ12は、すべてのBGLに0〔V〕を印加する。また、ドレインドライバ13は、すべてのDLに+10〔V〕を印加する。この期間において、すべての行のDG−TFT10aがフォトセンス状態(図5(e)参照)となる。
【0076】
次に、タイミングT4.5からT5までの0.5Tの期間において、図9(e)に示すように、トップゲートドライバ11は、すべてのTGLに−15〔V〕を印加する。一方、ボトムゲートドライバ5は、一行目のBGLに+10〔V〕を印加し、他のBGLに0〔V〕を印加する。すなわち、ボトムゲートドライバ12の段RS(1)からハイレベルの出力信号が出力され、段RS(2),RS(3)からローレベルの出力信号が出力される。この期間において、一行目のDG−TFT10aが第一または第二の読み出し状態(図5(d)又は(f)参照)となり、二、三行目のDG−TFT10aがフォトセンス状態(図5(e)参照)のままとなる。
【0077】
ここで、一行目のDG−TFT10aでは、フォトセンス状態となっていたタイミングT2からT4.5までの期間で十分な光が半導体層23に照射されていると、第二の読み出し状態(図5(f)参照)となって半導体層23内にnチャネルが形成されるため、対応するDL上の電荷がディスチャージされる。一方、タイミングT2からT4.5までの期間で十分な光が半導体層23に照射されていないと、第一の読み出し状態(図5(d)参照)となって半導体層23内のnチャネルがピンチオフされるため、対応するDL上の電荷はディスチャージされない。ドレインドライバ13は、タイミングT4.5からT5までの期間で各DL上の電位を読み出して、データ信号DATAに変換し、一行目のDG−TFT10aが検出したデータとしてコントローラ14に供給する。
【0078】
次に、タイミングT5からT5.5までの0.5Tの期間において、図9(f)に示すように、トップゲートドライバ11は、すべてのTGLに−15〔V〕を印加する。一方、ボトムゲートドライバ12は、すべてのBGLに0〔V〕を印加する。また、ドレインドライバ13は、すべてのDLに+10〔V〕を印加する。この期間において、一行目のDG−TFT10aが読み出しを終了した状態となり、二、三行目のDG−TFT10aがフォトセンス状態(図5(e)参照)となる。なお、タイミングT5からT5.5の間では、ボトムゲートドライバ12の段RS(1)のハイレベルの出力信号が段RS(2)に入力されるが、段RS(2)に入力されるクロック信号CK2がハイレベルになっていないため、二行目のBGLが0〔V〕に印加されている。
【0079】
次に、タイミングT5.5からT6までの0.5Tの期間において、図9(g)に示すように、トップゲートドライバ11は、すべてのTGLに−15〔V〕を印加する。一方、ハイレベルの出力信号がボトムゲートドライバ12の段RS(2)にシフトして、ボトムゲートドライバ12は、二行目のBGLに+10〔V〕を印加し、他のBGLに0〔V〕を印加する。この期間において、一行目のDG−TFT10aが読み出しを終了した状態となり、二行目のDG−TFT10aが第一または第二の読み出し状態(図5(d)または(f)参照)となり、三行目のDG−TFT10aがフォトセンス状態(図5(e)参照)となる。
【0080】
ここで、二行目のDG−TFT10aでは、フォトセンス状態となっていたタイミングT3からT5.5までの期間で十分な光が半導体層23に照射されていると、第二の読み出し状態(図5(f)参照)となって半導体層23内にnチャネルが形成されるため、対応するDL上の電荷がディスチャージされる。一方、タイミングT3からT5.5までの期間で十分な光が半導体層23に照射されていないと、第一の読み出し状態(図5(d)参照)となって半導体層23内のnチャネルがピンチオフされるため、対応するDL上の電荷はディスチャージされない。ドレインドライバ13は、タイミングT5.5からT6までの期間で各DL上の電位を読み出して、データ信号DATAに変換し、二行目のDG−TFT10aが検出したデータとしてコントローラ14に供給する。
【0081】
次に、タイミングT6からT6.5までの0.5Tの期間において、図9(h)に示すように、トップゲートドライバ11は、すべてのTGLに−15〔V〕を印加する。一方、ボトムゲートドライバ12は、すべてのBGLに0〔V〕を印加する。また、ドレインドライバ13は、すべてのDLに+10〔V〕を印加する。この期間において、一、二行目のDG−TFT10aが読み出しを終了した状態となり、三行目のDG−TFT10aがフォトセンス状態(図5(e)参照)となる。
【0082】
次に、タイミングT6.5からT7までの0.5Tの期間において、図9(i)に示すように、トップゲートドライバ11は、すべてのTGLに−15〔V〕を印加する。一方、ハイレベルの出力信号がボトムゲートドライバ12の段RS(3)にシフトして、ボトムゲートドライバ12は、三行目のBGLに+10〔V〕を印加し、他のBGLに0〔V〕を印加する。この期間において、一、二行目のDG−TFT10aが読み出しを終了した状態となり、三行目のDG−TFT10aが第一または第二の読み出し状態(図5(d)または(f)参照)となる。
【0083】
ここで、三行目のダブルゲートトランジスタ7では、フォトセンス状態となっていたタイミングT4からT6.5までの期間で十分な光が半導体層23に照射されていると、第二の読み出し状態(図5(f)参照)となって半導体層23内にnチャネルが形成されるため、対応するDL上の電荷がディスチャージされる。一方、タイミングT4からT6.5までの期間で十分な光が半導体層23に照射されていないと、第一の読み出し状態(図5(d)参照)となって半導体層23内のnチャネルがピンチオフされるため、対応するDL上の電荷はディスチャージされない。ドレインドライバ13は、タイミングT6.5からT7までの期間で各DL上の電位を読み出して、データ信号DATAに変換し、三行目のDG−TFT10aが検出したデータとしてコントローラ14に供給する。
【0084】
こうしてドレインドライバ13から行毎に供給されたデータ信号DATAに対して、コントローラ14が所定の処理を行うことで、被験者の指先の指紋パターンが読み取られるようになっている。
【0085】
以上、本実施の形態に係る指紋読取装置Aによれば、ドライバ回路部はトップゲートドライバ11,ボトムゲートドライバ12,ドレインドライバ13を備え、これらの各ドライバはトランジスタ群34を備え、トップゲートドライバ11,ボトムゲートドライバ12,ドレインドライバ13の上方に、指先保持部Bが設けられている。そして、この指先保持部Bは接地された状態となっているので、帯電した状態の指先がドライバ回路部に接触しても、接触時の静電気がドライバ回路部内に放電されることは無く、従って、ドライバ回路部が誤作動・損傷することを防ぐことができ、またトランジスタ群34の励起光並びに紫外線に対し不透明なので、励起光による誤作動や紫外線による劣化を抑制することができる。
【0086】
また上記実施の形態では、指先保持部Bにより被験者の指に帯電した静電気を放電させたが、図10及び図11に示すように、指先保持部Bの代替として透明導電体51を、フォトセンサデバイスC上並びにトップゲートドライバ11,ボトムゲートドライバ12,ドレインドライバ13上に設けてもよい。透明電極51はITOで形成されており、接地されている。
そして、フォトセンサ部10でフォトセンスする際に指が直接透明電極51に接触すると、透明電極51から静電気を放電してダブルゲートトランジスタ10aの静電気破壊を抑制し、同時にコントローラ14が、指のキャパシタが加わることにより指先保持部Bでわずかに変位する電圧又は電流を検知し、フォトセンスを開始するように制御信号群Tcnt,Bcnt,Dcntをそれぞれトップゲートドライバ11、ボトムゲートドライバ12,ドレインドライバ13に供給するとともに、バックライト37に発光信号を供給する。
このとき、指がトップゲートドライバ11,ボトムゲートドライバ12,ドレインドライバ13の上方まではみ出して載置してしまったとしても、透明導電体51が介在しているので、指の静電気がトップゲートドライバ11,ボトムゲートドライバ12,ドレインドライバ13に印加されることはない。また指以外の静電気が帯電したものが各ドライバ11〜13の上方に接触しても同様に透明電極51から放電することができる。
【0087】
上記各実施の形態では、指先保持部B又は透明導電体51により被検体が帯電した静電気を放電し、各ドライバを保護したが、図12に示すように、フォトセンサデバイスC並びにトップゲートドライバ11,ボトムゲートドライバ12,ドレインドライバ13での保護絶縁膜31上にITO等からなる透明導電体51を形成し、さらにトップゲートドライバ11,ボトムゲートドライバ12,ドレインドライバ13での透明導電体51上に指先保持部Bを設けてもよい。ここで指先保持部Bは導電体でなく、半導体又は絶縁体であってもよい。
フォトセンスのために指が直接透明電極51に接触すると、透明電極51及び/又は指先保持部Bから静電気を放電してダブルゲートトランジスタ10aの静電気破壊を抑制し、同時にコントローラ14が、指のキャパシタが加わることにより指先保持部Bでわずかに変位する電圧又は電流を検知し、フォトセンスを開始するように制御信号群Tcnt,Bcnt,Dcntをそれぞれトップゲートドライバ11、ボトムゲートドライバ12,ドレインドライバ13に供給するとともに、バックライト37に発光信号を供給する。
【0088】
また図13に示すように、ITO等から構成される透明導電体52を、トップゲート電極30,TGLの形成工程で一括して形成してもよい。透明導電体52は接地されているので、トップゲートドライバ11、ボトムゲートドライバ12,ドレインドライバ13上方の保護絶縁膜31上に静電気を帯電したものが接触しても、透明導電体52から放電することができる。
【0089】
なお上記各実施の形態では光学的なセンサに関する読取装置について説明したが、これに限らず指の凹凸の差による容量の差により指紋を検知するセンサにおいても同様の効果をもたらすことができる。この場合、トップゲートドライバ11、ボトムゲートドライバ12,ドレインドライバ13の代わりに、マトリクス状に設けられた複数の容量検出型センサからの電位を読み取る駆動回路が設けられればよい。
【0090】
上記各実施の形態では、指先保持部B、透明導電体51,52は接地されていたが、基準電位を接地電位とし、定期的に上及び/又は下に振れる微弱な波形信号が印加されるようにして、コントローラ14が、指の接触による波形信号の乱れを検知して、フォトセンスを開始するように制御信号群Tcnt,Bcnt,Dcntを出力するとともに、バックライト37に発光信号を出力するようにしてもよい。
【0091】
上記各実施の形態に用いられる読取装置は、携帯電話等の情報端末、パーソナルコンピュータに付属して未登録者のアクセス制限するため、またドアや出入り口に配置することで予め登録されていない者の侵入防止を行うため、の個人認証デバイスに適用することができる。
【0092】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、静電気によるドライバ回路部の誤作動・損傷を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る指紋読取装置のフォトセンサデバイスの回路構成を示す図である。
【図2】図1におけるX−X断面を示す断面図である。
【図3】前記指紋読取装置に設けられたフォトセンサ部のダブルゲートトランジスタの具体的な態様を示す平面図である。
【図4】前記ダブルゲートトランジスタの具体的な態様を示す図であり、図3におけるZ−Z断面を示す断面図である。
【図5】前記フォトセンサ部を構成するダブルゲートトランジスタの駆動原理を説明するための模式図である。
【図6】前記ドライバ回路部を構成するトップゲートドライバ又はボトムゲートドライバの全体構成を示す図である。
【図7】前記トップゲートドライバ又はボトムゲートドライバの各段の回路構成を示す図である。
【図8】前記トップゲートドライバ又はボトムゲートドライバの動作を示すタイミングチャートである。
【図9】前記指紋読取装置において、被験者の指紋読取動作を説明するための模式図である。
【図10】他の実施の形態に係る指紋読取装置を示す図である。
【図11】図10におけるY−Y断面を示す断面図である。
【図12】さらに他の実施の形態に係る指紋読取装置を示す断面図である。
【図13】さらに他の実施の形態に係る指紋読取装置を示す断面図である。
【符号の説明】
A 指紋読取装置
B 指先保持部
C フォトセンサデバイス
10 フォトセンサ部
11 トップゲートドライバ(ドライバ回路部)
12 ボトムゲートドライバ(ドライバ回路部)
13 ドレインドライバ(ドライバ回路部)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an apparatus for reading a subject, and more particularly to a fingerprint reading apparatus for reading a fingerprint.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, a fingerprint reading device is known as a two-dimensional image reading device that reads the shape of a fingerprint using minute unevenness of a subject's fingertip. The fingerprint reader includes a photosensor device having a photosensor unit that reads a fingerprint of a fingertip, and a driver circuit unit that is disposed in the vicinity of the photosensor unit and supplies a drive signal that drives the photosensor unit. Yes.
In such a fingerprint reader, when reading the fingerprint of the fingertip, the fingertip is brought into contact with the photosensor unit, and the unevenness of the skin forming the fingerprint is optically recognized in the photosensor unit, and the fingerprint is detected. There are some that can be read and others that read changes in capacitance according to the unevenness of the fingers.
Here, human fingers are often in a charged state, and when the finger is brought into contact with an object, static electricity of about several thousand volts charged on the finger may be instantaneously discharged.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
The driver circuit unit of the fingerprint reader may be electrically connected to the above-described photosensor unit and disposed close to the photosensor unit on the same substrate for high-density mounting. When a finger comes in contact with a fingerprint reader, the distance between the finger and the driver circuit is shortened, and even if the driver circuit is covered with an insulating film, an electrostatic voltage is applied to the driver circuit through the insulating film. Could be applied, resulting in malfunction or damage.
The driver circuit portion is composed of a large number of transistors, and it has been proposed to apply amorphous silicon or polysilicon to the semiconductor layer of such a transistor. However, amorphous silicon and polysilicon are resistant to visible light. , Has the property of exciting. On the other hand, the uppermost insulating film of the driver circuit portion is generally made of a light-transmitting material. Therefore, when the driver circuit portion is exposed to strong external light, an electron-hole pair is formed on the semiconductor layer of the transistor. And the driver circuit portion may malfunction due to these carriers.
[0004]
Therefore, the present invention provides a fingerprint reading device that protects a driver circuit unit from static electricity and external light and can prevent damage and malfunction of the driver circuit unit.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The invention described in
[0006]
According to the first aspect of the present invention, even when a fingertip charged with static electricity comes into contact with the driver circuit portion, the static electricity at the time of contact is not discharged into the driver circuit portion but shields it. It is possible to prevent malfunction or damage of the part.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the fingerprint reader according to the present invention will be described below with reference to the drawings. As shown in FIG. 1, a fingerprint reader A is an apparatus that optically reads a raised convex portion at a fingertip that defines a fingerprint and a linear concave portion disposed between the convex portions. A fingertip holding unit B that holds the fingertip and a photosensor device C that reads the fingerprint of the fingertip are provided. 2 is a cross-sectional view taken along line XX of FIG.
[0010]
The fingertip holding part B is formed in a shape such that the inner periphery fits the fingertip, and is a member that is opaque to the excitation light that excites the semiconductor layers of the sensors and
In the fingertip holding part B, an
The fingertip holding part B is made of a conductive material and is grounded via the
[0011]
As shown in FIGS. 1 and 2, the photosensor device C is provided on the
[0012]
As shown in FIG. 1, the
In addition, as shown in FIG. 1, the
Since the opaque fingertip holding part B is arranged above the
[0013]
As shown in FIGS. 3 and 4, each DG-
[0014]
The
[0015]
In the
[0016]
A
[0017]
The DG-
[0018]
In the DG-
[0019]
1-4, the
Note that the protective insulating
[0020]
2 and 4, a planar
[0021]
The
When the fingertip charged during fingerprint collation is held in contact with the fingertip holder B, the fingertip is discharged and the controller 14 (to be described later) detects a change in voltage or current due to the capacitance of the finger. That is, the
[0022]
Here, as shown in FIG. 1, the
The
The
[0023]
The
[0024]
Next, the photo-sensing will be described in detail. In the DG-
[0025]
In the photo-sensitive state, the
[0026]
In this way, a sufficient amount of holes with a small amount of incident light is not accumulated in the
[0027]
Further, with regard to the above-described photo sensing, the driving principle of the DG-
[0028]
Since the channel formation region of the
[0029]
As shown in FIG. 5B, the voltage applied to the top gate electrode 30 (TG) is −15 [V], and the voltage applied to the bottom gate electrode 21 (BG) is ± 0 [V]. ], The n-channel is not formed in the
[0030]
As described above, since the drain electrode 28 (D) and the
[0031]
As shown in FIG. 5C, the voltage applied to the top gate electrode 30 (TG) is +25 [V], and the voltage applied to the bottom gate electrode 21 (BG) is +10 (V). In some cases, an n-channel is formed on the bottom gate electrode 21 (BG) side of the
[0032]
As shown in FIG. 5D, a sufficient amount of holes are not accumulated in the
[0033]
Electron-hole pairs are generated in the
[0034]
As shown in FIG. 5F, the voltage applied to the top gate electrode 30 (TG) is −15 [V], and the voltage applied to the bottom gate electrode 21 (BG) is +10 (V). Even when holes are accumulated in the
[0035]
Here, the driver circuit unit including the
Specifically, with reference to the cross-sectional structure of the DG-
A fingertip holding part B is provided so as to cover the protective insulating
[0036]
Here, the above-described
[0037]
The start signal Dst from the
[0038]
The second and subsequent stages RS (2) to RS (n) include output signals OUT (1) to OUT (n-1) from the respective preceding stages RS (1) to RS (n-1). Is input as an input signal. When the shift register shown in FIG. 6 is the
[0039]
Further, in the stages RS (1) to RS (n + 1) other than the stage RS (n + 2), output signals OUT (2) to OUT (n + 2) from the subsequent stages RS (2) to RS (n + 2) respectively. It is input as a reset signal. The reset signal Dent from the
[0040]
A reference voltage Vss is applied from the
A constant voltage Vdd is applied from the
[0041]
The clock signal CK1 from the
[0042]
When the shift register shown in FIG. 6 is the
[0043]
As shown in FIG. 6, each stage RS (k) of the above-described shift register that constitutes the
[0044]
As shown in FIGS. 6 and 7, the start signal Dst is input to the gate electrode and the drain electrode of the first stage RS (1). The gate electrode and drain electrode of the
[0045]
The drain electrode of the
The
[0046]
Next, functions of the
Whether the output signal OUT (k−1) from the previous stage RS (k−1) is input to the gate electrode and the drain electrode of the TFT 41 (in this case, k is 2 to n + 2) or the start signal from the
Here, when the
[0047]
A constant voltage Vdd is applied to the gate electrode and the drain electrode of the
[0048]
The
[0049]
The
[0050]
A reference voltage Vss is applied to the source electrode of the
[0051]
The
When the
On the other hand, when the
[0052]
The output signal OUT (k + 1) of the next stage RS (k + 1) (in this case, k is 1 to n + 1) is input to the gate electrode of the
[0053]
Note that in the
[0054]
Next, operations of the
[0055]
As shown in FIG. 8, at timing T0, a high level (+25 [V]) start signal Dst is input from the
[0056]
At timing T0, the
[0057]
After timing T0 and before timing T1, the start signal Dst becomes low level, and the
[0058]
Next, at timing T1, the clock signal CK1 becomes high level (+25 [V]). Then, the parasitic capacitance composed of the gate electrode and the source electrode of the
[0059]
Next, before the timing T2 after the timing T1, the clock signal CK1 becomes a low level (−15 [V]). As a result, the level of the output signal OUT (1) also becomes approximately −15 [V]. In addition, the charge charged to the parasitic capacitance of the
[0060]
The high-level output signal OUT (1) output from the first stage RS (1) for a predetermined period from the timing T1 to T2 is the gate electrode and drain of the
[0061]
Next, at timing T2, the clock signal CK2 becomes high level (+25 [V]). Then, the parasitic capacitance composed of the gate electrode and the source electrode of the
[0062]
Further, before the timing T3 after the timing T2, the high-level output signal OUT (2) is input to the gate electrode of the
[0063]
Next, before the timing T3 after the timing T2, the clock signal CK2 becomes low level (−15 [V]). As a result, the level of the output signal OUT (2) also becomes approximately −15 [V]. In addition, the electric charge charged to the parasitic capacitance of the
[0064]
Similarly, the output signals OUT (1) to OUT (n) of each stage sequentially become high level within one scanning period Q until the next timing T1. That is, the stage where the high level output signal is output is sequentially shifted to the next stage. The high level output signals OUT (1) to OUT (n) do not decrease even if they are shifted to the next stage. Then, after one scanning period Q, the start signal Dst becomes high level again, and the above-described operation is repeated in the subsequent stages RS (1) to RS (n).
[0065]
In the final stage RS (n) of the TGL, the potential of the capacitor Ca (n) remains high even after the high level output signal OUT (n) is output to the next stage dummy RS (n + 1). is there. When the high level output signal OUT (n) is output to the next stage RS (n + 1), the
[0066]
The operation of the
[0067]
The
[0068]
Next, the operation at the time of reading the subject's fingerprint in the fingerprint reader A will be described.
First, as shown in FIG. 1, the subject brings the fingertip into contact with the fingertip holding part B so that the fingertip fits the fingertip holding part B. At this time, even when the fingertip is charged, since the fingertip holding portion B is connected to the ground before contacting the
When the fingertip comes into contact with the fingertip holding unit B, the
In response to this, the
[0069]
Here, with reference to FIG. 1, a description will be given of the photo-sensing. Irradiation light emitted from the
The convex part of the fingertip is in contact with the protective insulating
On the other hand, since the concave portion of the fingertip is not in contact with the protective insulating
[0070]
The DG-
When the potential of the
The
[0071]
A specific operation of the DG-
[0072]
First, in the period of 1T from timing T1 to T2, as shown in FIG. 9A, the
[0073]
Next, in the 1T period from timing T2 to T3, as shown in FIG. 9B, the high level output signal is shifted to the stage RS (2) of the
[0074]
Next, in a 1T period from timing T3 to T4, as shown in FIG. 9C, the high level output signal is shifted to the stage RS (3) of the
[0075]
Next, in the period of 0.5T from timing T4 to T4.5, as shown in FIG. 9D, the
[0076]
Next, in a period of 0.5T from timing T4.5 to T5, as shown in FIG. 9E, the
[0077]
Here, in the DG-
[0078]
Next, in the period of 0.5T from timing T5 to T5.5, as shown in FIG. 9F, the
[0079]
Next, in a period of 0.5T from timing T5.5 to T6, the
[0080]
Here, in the DG-
[0081]
Next, in a period of 0.5T from timing T6 to T6.5, the
[0082]
Next, in a period of 0.5T from timing T6.5 to T7, as shown in FIG. 9 (i), the
[0083]
Here, in the double-gate transistors 7 in the third row, if the
[0084]
Thus, the
[0085]
As described above, according to the fingerprint reader A according to the present embodiment, the driver circuit unit includes the
[0086]
In the above embodiment, static electricity charged on the subject's finger is discharged by the fingertip holding part B. However, as shown in FIGS. 10 and 11, the
If the finger directly contacts the
At this time, even if the finger protrudes above the
[0087]
In each of the above embodiments, static electricity charged by the subject is discharged by the fingertip holding part B or the
When a finger directly touches the
[0088]
As shown in FIG. 13, the
[0089]
In the above-described embodiments, the reading device related to the optical sensor has been described. However, the present invention is not limited to this, and the same effect can be achieved in a sensor that detects a fingerprint based on a difference in capacitance due to a difference in unevenness of a finger. In this case, instead of the
[0090]
In each of the above embodiments, the fingertip holder B and the
[0091]
The reader used in each of the above embodiments is attached to an information terminal such as a mobile phone or a personal computer to restrict access of unregistered persons, and is placed at a door or doorway for those who are not registered in advance. It can be applied to a personal authentication device for preventing intrusion.
[0092]
【The invention's effect】
According to the first aspect of the present invention, malfunction / damage of the driver circuit portion due to static electricity can be prevented.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram illustrating a circuit configuration of a photosensor device of a fingerprint reading apparatus according to an embodiment.
2 is a cross-sectional view showing an XX cross section in FIG. 1. FIG.
FIG. 3 is a plan view showing a specific mode of a double gate transistor of a photo sensor unit provided in the fingerprint reading device.
4 is a view showing a specific mode of the double gate transistor, and is a cross-sectional view showing a ZZ cross section in FIG. 3; FIG.
FIG. 5 is a schematic diagram for explaining a driving principle of a double gate transistor constituting the photosensor unit.
FIG. 6 is a diagram showing an overall configuration of a top gate driver or a bottom gate driver constituting the driver circuit unit.
FIG. 7 is a diagram illustrating a circuit configuration of each stage of the top gate driver or the bottom gate driver.
FIG. 8 is a timing chart showing the operation of the top gate driver or the bottom gate driver.
FIG. 9 is a schematic diagram for explaining a fingerprint reading operation of a subject in the fingerprint reading device.
FIG. 10 is a diagram illustrating a fingerprint reading apparatus according to another embodiment.
11 is a cross-sectional view showing a YY cross section in FIG. 10;
FIG. 12 is a cross-sectional view showing a fingerprint reading apparatus according to still another embodiment.
FIG. 13 is a cross-sectional view showing a fingerprint reading apparatus according to still another embodiment.
[Explanation of symbols]
A fingerprint reader
B Fingertip holder
C photo sensor device
10 Photo sensor
11 Top gate driver (driver circuit part)
12 Bottom gate driver (driver circuit)
13 Drain driver (driver circuit)
Claims (5)
前記ドライバ回路部の表面の少なくとも一部に、前記フォトセンサ部の表面から連続して配置され、被検体に帯電された静電気を放電するための透明の導電性膜が設けられていることを特徴とする読取装置。A reading device comprising: a photosensor section for reading a subject, a photosensor device having a said photosensor unit driver circuit portion for supplying a driving signal for driving the,
Characterized in that at least a portion of a surface of said driver circuit section, arranged in series from the surface of the photosensor, a transparent conductive film to discharge the static electricity charged to the subject is provided The reading device.
前記フォトセンサデバイスは、ダブルゲートトランジスタを有することを特徴とする読取装置。The reading device according to claim 1.
The photosensor device includes a double gate transistor.
前記ドライバ回路部は、前記ダブルゲートトランジスタを駆動するトップゲートドライバ及びボトムゲートドライバであることを特徴とする読取装置。The reading device according to claim 2.
The reading circuit according to claim 1, wherein the driver circuit unit includes a top gate driver and a bottom gate driver for driving the double gate transistor.
前記トップゲートドライバ及びボトムゲートドライバは、前記ダブルゲートトランジスタの製造プロセスの少なくとも一部と同一プロセスで製造されることを特徴とする読取装置。The reading device according to claim 3.
The reader is characterized in that the top gate driver and the bottom gate driver are manufactured by the same process as at least a part of the manufacturing process of the double gate transistor.
前記導電性膜上に前記被検体を保持する保持手段が設けられていることを特徴とする読取装置。The reading device according to claim 1.
A reading apparatus, wherein holding means for holding the subject is provided on the conductive film.
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