JP4059360B2 - Method for producing polyester for fiber, polyester polymerization catalyst for fiber used therefor, and method for producing polyester polymerization catalyst for fiber - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は成形加工性に優れる繊維用ポリエステルの製造方法及びそれに用いる繊維用ポリエステル重合触媒に関する。さらに詳しくは成形加工性及びポリマ色調に優れる繊維用ポリエステルの製造方法及びそれに用いる繊維用ポリエステル重合触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルは、その優れた性質のゆえに、繊維用、フィルム用、ボトル用をはじめ広く種々の分野で用いられている。なかでもポリエチレンテレフタレ−トは機械的強度、化学特性、寸法安定性などに優れ、好適に使用されている。
【0003】
一般にポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールから製造されるが、高分子量のポリマを製造する商業的なプロセスでは、重縮合触媒としてアンチモン化合物が広く用いられている。しかしながら、アンチモン化合物を含有するポリマは以下に述べるような幾つかの好ましくない特性を有している。
【0004】
例えば、アンチモン触媒を使用して得られたポリエステルを溶融紡糸して繊維とするときに、アンチモン触媒の残査が口金孔周りに堆積することが知られている。この堆積が進行するとフィラメントに欠点が生じる原因となるため、適時除去する必要が生じる。アンチモン触媒残査の堆積が生じるのは、アンチモンがポリマ中でアンチモングリコラートの形で存在しており、これが口金近傍で変成を受け、一部が気化、散逸した後、アンチモンを主体とする成分が口金に残るためであると考えられている。
【0005】
また、ポリマ中のアンチモン触媒残査は比較的大きな粒子状となりやすく、異物となって成形加工時のフィルターの濾圧上昇、紡糸の際の糸切れあるいは製膜時のフィルム破れの原因になるなどの好ましくない特性を有している。
【0006】
上記のような背景からアンチモン含有量が極めて少ないか、あるいは含有しないポリエステルが求められている。
【0007】
このような課題に対して、例えばUSP5,512,340やUSP5,596,069等では、塩化アルミニウムや水酸化塩化アルミニウムなどのアルミニウム化合物をコバルト化合物と併用して用いることが提案されている。しかしながら一般にアルミニウム化合物は、エチレングリコールなどのグリコールやポリエステルの反応系に溶解しにくく、そのまま重縮合触媒としてポリエステルの反応系に添加すると不溶性異物を形成し、該異物に起因した紡糸の糸切れやフィルム破れを発生し、結局、アンチモンの問題点を十分に回避できない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上記のアンチモン化合物を含有するポリエステルの欠点を解消した、アルミニウム化合物及びアルカリ化合物を添加してなる繊維用ポリエステルの製造方法及びそれに用いる繊維用ポリエステル重合触媒を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記した本発明の目的は、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体及びジオールまたはそのエステル形成性誘導体とのエステル化反応またはエステル交換反応により得られた生成物を重縮合せしめてポリエステルを製造する方法において、重縮合触媒として、アルミニウム化合物をあらかじめ、第4アンモニウム化合物を含有する水または有機溶媒に混合した後、該混合物として使用し、かつアンチモン化合物をアンチモン原子としてポリエステルに対して50ppm以下となるように添加することを特徴とする、繊維用ポリエステルの製造方法により達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のポリエステルはジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体及びジオールまたはそのエステル形成性誘導体から合成されるポリマであって、繊維用として用いることが可能なものであれば特に限定はない。
【0011】
このようなポリエステルとして具体的には、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ−ト、ポリエチレン−1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリプロピレンテレフタレートなどが挙げられる。本発明は、なかでも最も汎用的に用いられているポリエチレンテレフタレートまたは主としてポリエチレンテレフタレートからなるポリエステル共重合体において好適である。
【0012】
また、これらのポリエステルには、共重合成分としてアジピン酸、イソフタル酸、セバシン酸、フタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸などのジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリプロピレングリコールなどのジオキシ化合物、p−(β−オキシエトキシ)安息香酸などのオキシカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体などを共重合してもよい。
【0013】
本発明におけるアルミニウム化合物は、特に限定されない。具体的には、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウムなどの無機アルミニウム化合物、酢酸アルミニウム、安息香酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム等のカルボン酸塩、アルミニウムエチレート、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムトリ−n−ブチレート、アルミニウムトリ−sec−ブチレート、アルミニウムトリ−tert−ブチレート、モノ−sec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルコールの水酸基の水素をアルミニウム元素で置き換えた構造の化合物であるアルミニウムアルコレート、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセテート)、アルミニウムモノイソプロポキシモノオレオキシエチルアセトアセテート、アルミニウムアセチルアセトネート等のアルミニウムアルコレートのアルコキシ基の一部または全部をアルキルアセト酢酸エステルやアセチルアセトン等のキレート化剤で置換した化合物であるアルミニウムキレートが挙げられる。
【0014】
中でも比較的安価で、分子量が低くアルミニウム原子の含有比率の高い水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、酢酸アルミニウムが好ましく用いられる。
【0015】
さらには、水酸化アルミニウムまたは酢酸アルミニウムを用いると、ハロゲンを含有しないため得られるポリマの耐熱性や色調がより良好となり特に好ましい。尚、本発明の酢酸アルミニウムは、一般に市販されている、いわゆる塩基性酢酸アルミニウムであっても良い。
【0016】
本発明のアルミニウム化合物は、アルミニウム原子換算で得られるポリエステル化合物に対して重量で5〜500ppmとなるよう添加することが好ましい。添加量が5ppmより少ないと触媒活性が不十分で、結果として得られるポリマの分子量が低く成形物の強度が不十分となる。また500ppmを越える量添加すると、異物が生成しやすくなり、成形時の濾圧上昇が顕著になったり、ポリマ色調が悪化する場合がある。より好ましくは10〜200ppm、さらに好ましくは10〜100ppmである。
【0019】
本発明は第4アンモニウム化合物を用いると、得られるポリエステル組成物の色調が特に良好となり好ましい。
【0020】
本発明の第4アンモニウム化合物は、例えば次の式2で表される化合物を挙げることができる。
【0022】
【式2】
より具体的には、式2の化合物としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウム等を挙げることができる。
【0024】
本発明の第4アンモニウム化合物が、得られるポリエステル中での異物生成が特に少なくなり好ましい。さらに好ましくは、280℃以下の温度で揮発する化合物であると、最終的に得られるポリエステル中の残留量が少なくなり、該ポリエステルの色調がより良好となり好ましい。このような化合物としては水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウム、等の第4アンモニウム化合物が挙げられる。
【0025】
本発明の第4アンモニウム化合物の添加量は、得られるポリエステルに対して窒素原子換算で10〜1000ppmであることが好ましい。異物生成抑制の効果が十分に得られ、また得られるポリエステルの色調を良好にするため、添加量としては30〜800ppmがより好ましく、特に好ましくは50〜500ppmである。
【0026】
本発明のアルミニウム化合物は、ポリエステルの反応系にそのまま添加してもよいが、あらかじめ第4アンモニウム化合物を含有する水、有機溶媒または水及び有機溶媒の混合物に混合した後、反応系へ添加するとアルミニウム化合物のポリエステル中での異物生成がより抑制されるため好ましい。特に、第4アンモニウム化合物を水と混合し、水溶液とした後、該水溶液にアルミニウム化合物を混合すると、アルミニウム化合物が水溶液に均一分散あるいは溶解し、ポリエステル中での異物生成がより抑制されるため好ましい。また、このアルミニウム化合物を添加した水溶液をエチレングリコール等のポリエステルを形成するジオール成分で希釈したのち反応系に添加すると、急激な温度変化による局部的な濃縮等が起こりにくくなるため、好ましい。
【0027】
このようにアルミニウム化合物をあらかじめ第4アンモニウム化合物を含有する水、有機溶媒または水及び有機溶媒の混合物と混合する場合には、水、有機溶媒または水及び有機溶媒の混合物に対して第4アンモニウム化合物の濃度が0.5〜50重量%、より好ましくは1〜40重量%であると、その後に添加するアルミニウム化合物が分散あるいは溶解がより容易に進行するため好ましい。
【0028】
また、ポリエステルの反応系に添加する溶液としては、アルミニウム化合物をアルミニウム原子換算で0.05〜20重量%、第4アンモニウム化合物を窒素原子換算で0.05〜20重量%の濃度とすると、得られるポリエステル中の異物が特に少なく好ましい。
【0029】
本発明においては上記アルミニウム化合物と併せてコバルト化合物を用いると、重縮合反応がより速やかに進行し、また得られるポリエステルの色調がより改善されるため好ましい。
【0030】
本発明のコバルト化合物としては特に限定はないが、具体的には例えば、酢酸コバルト4水塩、硝酸コバルト、塩化コバルト、コバルトアセチルアセトネート、ナフテン酸コバルト等が挙げられる。
【0031】
該コバルト化合物の添加量は、アルミニウム原子とコバルト原子のモル比(Al/Co)で0.5〜20とすることが好ましい。該モル比範囲であると、重合活性の向上効果が高く、ポリマ色調の向上効果が大きく、また耐熱性も良好に維持できる。より好ましくは1〜15、さらに好ましくは2〜10である。
【0032】
また本発明のポリエステルの製造方法においては、アンチモン化合物を併用しても良いがアンチモン原子として添加量がポリマに対して50ppm以下であると、繊維の紡糸時の糸切れが良好となり好ましい。より好ましくは30ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下である。
【0033】
本発明のポリエステルの製造方法について、ポリエチレンテレフタレートの例で説明する。
【0034】
繊維に使用する高分子量ポリエチレンテレフタレートは通常、次のいずれかのプロセスで製造される。すなわち、(1)テレフタル酸とエチレングリコールを原料とし、直接エステル化反応によって低分子量のポリエチレンテレフタレートまたはオリゴマーを得、さらにその後の重縮合反応によって高分子量ポリマを得るプロセス、(2)ジメチルテレフタレート(DMT)とエチレングリコールを原料とし、エステル交換反応によって低分子量体を得、さらにその後の重縮合反応によって高分子量ポリマを得るプロセスである。ここでエステル化は無触媒でも反応は進行するが、エステル交換反応においては、通常、マンガン、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、リチウム等の化合物を触媒に用いて進行させ、またエステル交換反応が実質的に完結した後に、該反応に用いた触媒を不活性化する目的で、リン化合物を添加することが行われる。
【0035】
本発明の製造方法は、(1)または(2)の一連の反応の初期または前半で得られた低重合体に、本発明の特定のアルミニウム化合物および第4アンモニウム化合物を添加し、しかる後に、後半の重縮合反応を進行させ、高分子量のポリエチレンテレフタレートを得るというものである。
【0036】
また上記の反応は回分式、半回分式あるいは連続式等の形式で実施されるが、本発明の製造方法はそのいずれの形式にも適用し得る。
【0037】
【実施例】
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の物性値は以下に述べる方法で測定した。
【0038】
(1)ポリマの固有粘度[η]
オルソクロロフェノールを溶媒として25℃で測定した。
【0039】
(2)ポリマ中の金属含有量
蛍光X線により求めた。
【0040】
(3)ポリマの色調
スガ試験機(株)社製の色差計(SMカラーコンピュータ型式SM−3)を用いて、ハンター値(L、a、b値)として測定した。
【0041】
(4)ポリマのカルボキシル末端基量
Mauriceらの方法[Anal.Chim.Acta,22,p363(1960)]によった。
【0042】
(5)繊維の強伸度
東洋ボールドウイン(株)社製テンシロン引張り試験器により、試長250mm、引張り速度300mm/分でS−S曲線を求め強伸度を算出した。
【0043】
実施例1
あらかじめ水酸化テトラエチルアンモニウムを20wt%含有する水100部に水酸化アルミニウムを10部添加、攪拌し均一な水溶液を得た。さらに該水溶液をエチレングリコール90部で希釈し、水酸化テトラエチルアンモニウム、水及び水酸化アルミニウムを含有する均一なエチレングリコール液を調製した。
【0044】
一方、高純度テレフタル酸とエチレングリコールから常法に従って製造した、触媒を含有しないオリゴマーを250℃で溶融し、該溶融物に、先に調製した水酸化テトラエチルアンモニウム、水及び水酸化アルミニウムを含有するエチレングリコール液を最終的に得られるポリエステル組成物中でのアルミニウム原子の含有量が50ppmとなるように添加し、さらに酢酸コバルト4水塩をコバルト原子の含有量が20ppmとなるように添加した。その後、低重合体を30rpmで攪拌しながら、反応系を250℃から285℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を40Paまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。所定の攪拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし常圧に戻し重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングしてポリエステルのペレットを得た。
【0045】
得られたポリマの固有粘度は0.68、カルボキシル末端基量29当量/ton、ポリマの色調はL=59、a=0.6、b=5.0であった。また蛍光X線で分析し、アルミニウム原子成分含有量が50ppmであることを確認した。
【0046】
このように重合反応性、ポリマ特性とも良好なポリエステル組成物のペレットを得た。
【0047】
このペレットを乾燥した後、エクストルーダ型紡糸機に供給し、紡糸温度295℃で溶融紡糸した。このときフィルターとして絶対濾過精度10μmの金属不織布を使用し、口金は0.6mmφの丸孔を用いた。口金から吐出した糸を長さ30cm、内径25cmφ、温度300℃の加熱筒で徐冷後、チムニー冷却風を当てて冷却固化し、給油した後、引き取り速度550m/分で引き取った。この未延伸糸を延伸温度95℃で延伸糸の伸度が14〜15%となるように適宜延伸倍率を変更しながら延伸した後、熱処理温度220℃、リラックス率2.0%で熱処理し延伸糸を得た。
【0048】
溶融紡糸工程においては、紡糸時の濾圧上昇はほとんど認められず、また延伸時の糸切れもほとんどなく成形加工性の良好なポリマであった。
【0049】
実施例1〜10、比較例1〜3
金属化合物または第4アンモニウム化合物の量を変更する以外は実施例1と同様にしてポリマーを重合し、溶融紡糸を行った。結果を表1及び表2に示した。
【0050】
本発明の特許請求の範囲にあるものはポリマ物性及び溶融紡糸工程とも良好に推移したが、アルカリ化合物を用いないで重合したものや、三酸化アンチモン単独で重合したものは溶融紡糸工程において濾圧上昇が顕著となったり、糸切れが多く発生し成形加工性に劣るものであった。
【0051】
尚、製糸性において濾圧や糸切れは種々の要因によって引き起こされるが、ポリマ中の異物もその主原因の一つである。実施例において製糸工程で濾圧上昇がないか、ほとんど認められなかったものを良好とした。実施例6や7においては若干の濾圧上昇が認められるが、通常の濾過フィルター交換周期に影響を与えない程度であり、許容範囲内と判断された。また糸切れについても、実施例において糸切れが発生しないか、ほとんど発生しなかったものを良好とした。実施例6や7においては良好レベルの水準のバラツキ上限で推移したものであり、操業性の観点からは許容範囲内と判断された。
【0052】
【表1】
【表2】
【0053】
【発明の効果】
本発明のポリエステルの製造方法及びポリエステル重合触媒で得られるポリエステルは成形加工性に優れ、繊維の製造において口金汚れ、濾圧上昇、糸切れなどの問題が解消される。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a fiber polyester excellent in moldability and a fiber polyester polymerization catalyst used therefor. More specifically, the present invention relates to a method for producing a fiber polyester excellent in moldability and polymer color tone, and a fiber polyester polymerization catalyst used therefor.
[0002]
[Prior art]
Polyesters are widely used in various fields including fibers, films and bottles because of their excellent properties. Among these, polyethylene terephthalate is excellent in mechanical strength, chemical characteristics, dimensional stability and the like and is preferably used.
[0003]
In general, polyethylene terephthalate is produced from terephthalic acid or an ester-forming derivative thereof and ethylene glycol. However, in a commercial process for producing a high molecular weight polymer, an antimony compound is widely used as a polycondensation catalyst. However, polymers containing antimony compounds have several undesirable properties as described below.
[0004]
For example, when a polyester obtained by using an antimony catalyst is melt-spun into a fiber, it is known that a residue of the antimony catalyst is deposited around the mouthpiece hole. As this deposition progresses, it becomes a cause of defects in the filament, so that it needs to be removed in a timely manner. Antimony catalyst residue deposits occur when antimony is present in the polymer in the form of antimony glycolate, which is transformed near the base and partially vaporized and dissipated, and then antimony-based components Is considered to remain in the base.
[0005]
Also, the antimony catalyst residue in the polymer tends to become relatively large particles, and it becomes a foreign substance, resulting in increased filter filtration pressure during molding, thread breakage during spinning, or film breakage during film formation, etc. Have unfavorable properties.
[0006]
In view of the above background, there is a demand for polyesters that contain very little or no antimony.
[0007]
For example, USP 5,512,340 and USP 5,596,069 propose to use an aluminum compound such as aluminum chloride or aluminum hydroxide chloride in combination with a cobalt compound. However, in general, an aluminum compound is hardly dissolved in a reaction system of glycol such as ethylene glycol or polyester, and when added as it is to the reaction system of polyester as a polycondensation catalyst, an insoluble foreign matter is formed. The tears occur, and eventually the problems of antimony cannot be avoided sufficiently.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a method for producing a polyester for fibers obtained by adding an aluminum compound and an alkali compound, which eliminates the disadvantages of the polyester containing the antimony compound, and a polyester polymerization catalyst for fibers used therefor.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The object of the present invention is to produce a polyester by polycondensation of an esterification reaction or transesterification reaction with an aromatic dicarboxylic acid or its ester-forming derivative and a diol or its ester-forming derivative. In the method, as a polycondensation catalyst, an aluminum compound is mixed in advance with water or an organic solvent containing a quaternary ammonium compound , and then used as the mixture , and the antimony compound is used as an antimony atom to be 50 ppm or less with respect to the polyester. wherein the added pressure to Rukoto as is achieved by the method for producing a fiber for polyester.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The polyester of the present invention is a polymer synthesized from dicarboxylic acid or an ester-forming derivative thereof and diol or an ester-forming derivative thereof, and is not particularly limited as long as it can be used for fibers.
[0011]
Specific examples of such polyesters include polyethylene terephthalate, polytetramethylene terephthalate, polycyclohexylene dimethylene terephthalate, polyethylene-2,6-naphthalenedicarboxylate, polyethylene-1,2-bis (2-chloro Phenoxy) ethane-4,4′-dicarboxylate, polypropylene terephthalate and the like. The present invention is particularly suitable for the most commonly used polyethylene terephthalate or polyester copolymers mainly composed of polyethylene terephthalate.
[0012]
These polyesters include dicarboxylic acids such as adipic acid, isophthalic acid, sebacic acid, phthalic acid, 4,4′-diphenyldicarboxylic acid and ester-forming derivatives thereof, polyethylene glycol, diethylene glycol, hexamethylene as copolymerization components. Dioxy compounds such as glycol, neopentyl glycol and polypropylene glycol, oxycarboxylic acids such as p- (β-oxyethoxy) benzoic acid and ester-forming derivatives thereof may be copolymerized.
[0013]
The aluminum compound in the present invention is not particularly limited. Specifically, inorganic aluminum compounds such as aluminum hydroxide, aluminum chloride and aluminum hydroxide chloride, carboxylates such as aluminum acetate, aluminum benzoate, aluminum lactate, aluminum laurate and aluminum stearate, aluminum ethylate and aluminum A compound having a structure in which the hydrogen of the hydroxyl group of alcohol such as isopropylate, aluminum tri-n-butyrate, aluminum tri-sec-butyrate, aluminum tri-tert-butyrate, mono-sec-butoxyaluminum diisopropylate is replaced with aluminum element Aluminum alcoholate, ethyl acetoacetate aluminum diisopropylate, aluminum tris (ethyl acetoacetate), alkyl acetoacetate Part of the alkoxy group of aluminum alcoholate such as trialuminum diisopropylate, aluminum monoacetylacetate bis (ethylacetoacetate), aluminum tris (acetylacetate), aluminum monoisopropoxymonooroxyethylacetoacetate, aluminum acetylacetonate Or the aluminum chelate which is the compound which substituted all with chelating agents, such as alkyl acetoacetate ester and acetylacetone, is mentioned.
[0014]
Of these, aluminum hydroxide, aluminum chloride, aluminum hydroxide chloride, and aluminum acetate, which are relatively inexpensive and have a low molecular weight and a high aluminum atom content, are preferably used.
[0015]
Furthermore, it is particularly preferable to use aluminum hydroxide or aluminum acetate because it does not contain a halogen and the resulting polymer has better heat resistance and color tone. The aluminum acetate of the present invention may be so-called basic aluminum acetate that is generally commercially available.
[0016]
It is preferable to add the aluminum compound of this invention so that it may become 5-500 ppm by weight with respect to the polyester compound obtained in conversion of an aluminum atom. When the addition amount is less than 5 ppm, the catalytic activity is insufficient, and the resulting polymer has a low molecular weight and the molded product has insufficient strength. If the amount exceeds 500 ppm, foreign matter is likely to be generated, and the increase in filtration pressure during molding may be significant, or the polymer color tone may deteriorate. More preferably, it is 10-200 ppm, More preferably, it is 10-100 ppm.
[0019]
This onset Ming With quaternary ammonium compound, the color tone of the polyester composition obtained is preferably becomes particularly good.
[0020]
Examples of the quaternary ammonium compound of the present invention include compounds represented by the following formula 2.
[0022]
[Formula 2]
More specifically, examples of the compound of formula 2 include tetramethylammonium hydroxide, tetraethylammonium hydroxide, tetrapropylammonium hydroxide, tetrabutylammonium hydroxide, and trimethylbenzylammonium hydroxide.
[0024]
The quaternary ammonium compound of the present invention is preferable because the generation of foreign matters in the resulting polyester is particularly reduced. More preferably, it is a compound that volatilizes at a temperature of 280 ° C. or less, since the residual amount in the finally obtained polyester is reduced, and the color tone of the polyester is better. Such tetramethylammonium water oxidation as compounds, tetraethylammonium hydroxide, tetrapropylammonium hydroxide, tetrabutylammonium hydroxide, trimethylbenzylammonium hydroxide, quaternary ammonium compounds of the like.
[0025]
It is preferable that the addition amount of the quaternary ammonium compound of this invention is 10-1000 ppm in conversion of a nitrogen atom with respect to polyester obtained. The addition amount is more preferably 30 to 800 ppm, particularly preferably 50 to 500 ppm, in order to sufficiently obtain the effect of suppressing foreign matter generation and to improve the color tone of the obtained polyester.
[0026]
The aluminum compound of the present invention may be added as it is to the polyester reaction system, but when mixed with water, an organic solvent or a mixture of water and an organic solvent containing a quaternary ammonium compound in advance, the aluminum compound is added to the reaction system. This is preferable because the generation of foreign matter in the polyester of the compound is further suppressed. In particular, it is preferable to mix a quaternary ammonium compound with water to form an aqueous solution, and then mix an aluminum compound with the aqueous solution because the aluminum compound is uniformly dispersed or dissolved in the aqueous solution, and foreign matter formation in the polyester is further suppressed. . Further, it is preferable to dilute the aqueous solution to which this aluminum compound has been added with a diol component that forms a polyester such as ethylene glycol and then add it to the reaction system, since local concentration due to a rapid temperature change is less likely to occur.
[0027]
Water containing such aluminum compounds pre-quaternary ammonium compounds, when mixed with an organic solvent or a mixture of water and an organic solvent, water, quaternary ammonium compounds on the mixture of an organic solvent or water and an organic solvent When the concentration of is 0.5 to 50% by weight, more preferably 1 to 40% by weight, the aluminum compound added thereafter is preferably dispersed or dissolved more easily.
[0028]
As the solution added to the reaction system of the polyester, 0.05 to 20 wt% of the aluminum compound with an aluminum atom in terms, when the quaternary ammonium compound and the concentration of 0.05 to 20% by weight nitrogen atom terms, There are especially few foreign substances in the obtained polyester, and it is preferable.
[0029]
In the present invention, it is preferable to use a cobalt compound in combination with the above aluminum compound because the polycondensation reaction proceeds more rapidly and the color tone of the resulting polyester is further improved.
[0030]
The cobalt compound of the present invention is not particularly limited, and specific examples include cobalt acetate tetrahydrate, cobalt nitrate, cobalt chloride, cobalt acetylacetonate, and cobalt naphthenate.
[0031]
The addition amount of the cobalt compound is preferably 0.5 to 20 in terms of a molar ratio of aluminum atom to cobalt atom (Al / Co). Within this molar ratio range, the effect of improving the polymerization activity is high, the effect of improving the color tone of the polymer is large, and the heat resistance can be maintained well. More preferably, it is 1-15, More preferably, it is 2-10.
[0032]
In the process for producing a polyester of the present invention, the addition amount as may be used in combination with antimony compounds is antimony atoms is at 50ppm or less with respect to the polymer, Re yarn switching during spinning of the fibers is preferably becomes excellent. More preferably, it is 30 ppm or less, More preferably, it is 10 ppm or less.
[0033]
The method for producing the polyester of the present invention will be described using an example of polyethylene terephthalate.
[0034]
High molecular weight polyethylene terephthalate used in textiles are usually prepared by one of the following processes. (1) A process of obtaining low molecular weight polyethylene terephthalate or oligomer by direct esterification reaction using terephthalic acid and ethylene glycol as raw materials, and further obtaining a high molecular weight polymer by subsequent polycondensation reaction, (2) Dimethyl terephthalate (DMT) ) And ethylene glycol as raw materials, a low molecular weight product is obtained by transesterification, and a high molecular weight polymer is obtained by subsequent polycondensation reaction. Here, the reaction proceeds even without a catalyst. However, in the transesterification reaction, a compound such as manganese, calcium, magnesium, zinc, or lithium is usually used as a catalyst, and the transesterification reaction is substantially carried out. After completion, a phosphorus compound is added for the purpose of inactivating the catalyst used in the reaction.
[0035]
In the production method of the present invention, the specific aluminum compound and the quaternary ammonium compound of the present invention are added to the low polymer obtained in the initial stage or the first half of the series of reactions (1) or (2), and then, The latter polycondensation reaction proceeds to obtain high molecular weight polyethylene terephthalate.
[0036]
Moreover, although said reaction is implemented by formats, such as a batch type, a semibatch type, or a continuous type, the manufacturing method of this invention is applicable also to all the formats.
[0037]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples. In addition, the physical-property value in an Example was measured by the method described below.
[0038]
(1) Intrinsic viscosity of polymer [η]
Measurement was performed at 25 ° C. using orthochlorophenol as a solvent.
[0039]
(2) Metal content in polymer: Obtained by fluorescent X-ray.
[0040]
(3) Color Tone of Polymer Suga Test Instruments Co., Ltd. color difference meter (SM color computer model SM-3) was used to measure as Hunter values (L, a, b values).
[0041]
(4) Carboxyl terminal group amount of polymer The method of Maurice et al. [Anal. Chim. Acta, 22, p363 (1960)].
[0042]
(5) Strong elongation of fiber Using a Tensilon tensile tester manufactured by Toyo Baldwin Co., Ltd., an SS curve was obtained at a test length of 250 mm and a tensile speed of 300 mm / min, and the high elongation was calculated.
[0043]
Example 1
In advance, 10 parts of aluminum hydroxide was added to 100 parts of water containing 20% by weight of tetraethylammonium hydroxide and stirred to obtain a uniform aqueous solution. Further, the aqueous solution was diluted with 90 parts of ethylene glycol to prepare a uniform ethylene glycol liquid containing tetraethylammonium hydroxide, water and aluminum hydroxide.
[0044]
On the other hand, a catalyst-free oligomer produced from high-purity terephthalic acid and ethylene glycol according to a conventional method is melted at 250 ° C., and the melt contains tetraethylammonium hydroxide, water, and aluminum hydroxide prepared earlier. The ethylene glycol solution was added so that the aluminum atom content in the finally obtained polyester composition was 50 ppm, and cobalt acetate tetrahydrate was further added so that the cobalt atom content was 20 ppm. Thereafter, while stirring the low polymer at 30 rpm, the reaction system was gradually heated from 250 ° C. to 285 ° C. and the pressure was reduced to 40 Pa. The time to reach the final temperature and final pressure was both 60 minutes. When the predetermined stirring torque was reached, the reaction system was purged with nitrogen, returned to normal pressure, the polycondensation reaction was stopped, discharged into cold water in a strand form, and immediately cut to obtain polyester pellets.
[0045]
The obtained polymer had an intrinsic viscosity of 0.68, a carboxyl end group amount of 29 equivalents / ton, and the color tone of the polymer was L = 59, a = 0.6, and b = 5.0. Moreover, it analyzed by the fluorescent X ray and confirmed that aluminum atom component content was 50 ppm.
[0046]
Thus, polyester composition pellets having good polymerization reactivity and polymer properties were obtained.
[0047]
After drying this pellet, it was supplied to an extruder type spinning machine and melt-spun at a spinning temperature of 295 ° C. At this time, a metal nonwoven fabric having an absolute filtration accuracy of 10 μm was used as a filter, and a 0.6 mmφ round hole was used as the base. The yarn discharged from the die was gradually cooled with a heating cylinder having a length of 30 cm, an inner diameter of 25 cmφ, and a temperature of 300 ° C., then cooled and solidified by applying chimney cooling air, and then taken up at a take-up speed of 550 m / min. The undrawn yarn was drawn at a drawing temperature of 95 ° C. while appropriately changing the draw ratio so that the drawn yarn has an elongation of 14 to 15%, and then heat-treated at a heat treatment temperature of 220 ° C. and a relaxation rate of 2.0%. I got a thread.
[0048]
In the melt spinning process, almost no increase in filtration pressure was observed during spinning, and there was almost no yarn breakage during stretching, and the polymer had good moldability.
[0049]
Examples 1 to 1 0 , Comparative Examples 1 to 3
A polymer was polymerized and melt-spun in the same manner as in Example 1 except that the amount of the metal compound or quaternary ammonium compound was changed. The results are shown in Tables 1 and 2.
[0050]
In the claims of the present invention, both the polymer properties and the melt spinning process were good, but those polymerized without using an alkali compound and those polymerized with antimony trioxide alone were filtered in the melt spinning process. The rise was remarkable and many thread breaks occurred, resulting in inferior moldability.
[0051]
Incidentally, filtration pressure and thread breakage are caused by various factors in the yarn-making property, and foreign matters in the polymer are one of the main causes. In the examples, there was no increase in the filtration pressure in the yarn production process, or those that were hardly recognized were considered good. In Examples 6 and 7, although a slight increase in the filtration pressure was observed, it was determined to be within the allowable range because it did not affect the normal filtration filter replacement cycle. Regarding yarn breakage, those in which no or almost no yarn breakage occurred in the examples were considered good. In Examples 6 and 7, the upper limit of the variation of the good level was maintained, and it was determined to be within the allowable range from the viewpoint of operability.
[0052]
[Table 1]
[Table 2]
[0053]
【The invention's effect】
Polyesters obtained by the polyester production method and polyester polymerization catalyst of the present invention is excellent in molding processability, die contamination in the production of textiles, filtration pressure rise, problems such as yarn breakage are eliminated.
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