JP4058674B2 - 符号化装置および符号化方法、プログラム、並びに記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、符号化装置および符号化方法、プログラム、並びに記録媒体に関し、特に、IDCTミスマッチによる画像の劣化を防ぐことができるようにした、符号化装置および符号化方法、プログラム、並びに記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、映像データおよび音声データを圧縮して情報量を減らす方法として、種々の圧縮符号化方法が提案されており、その代表的なものにMPEG2(Moving Picture Experts Group Phase 2)がある。
【0003】
MPEGビデオ規格においては、量子化についての直接的な規定は一切記述されておらず、逆量子化についてのみ、その詳細な規定がなされている。したがって、実際に量子化を行う場合には、逆量子化の規定に含まれるいくつかのパラメータを変化させ、その自由度の範囲内で、量子化特性を制御することにより、視覚特性を反映させ、高画質の画像データを得ることができる符号化を行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
MPEGにはIDCT(逆離散コサイン変換)ミスマッチ問題が存在することが良く知られている。ここでIDCTミスマッチについて説明する。IDCTは実数演算で定義され、その演算方式、演算精度の異なる様々なものが存在している。したがって、エンコーダとデコーダとのそれぞれにおいて使用されているIDCTの演算方式、あるいは、演算精度が異なる場合があり、エンコーダとデコーダとのそれぞれにおいてIDCT演算結果が必ずしも同一とはならないためにミスマッチが生じる。これによりエンコーダのビデオメモリにあるローカルデコード画と、デコーダのビデオメモリにあるデコード画とが異なるものとなってしまい、その誤差を含む参照画を用いた予測を繰り返すことにより誤差が蓄積され、ビデオ出力において視覚的に問題となることがある。
【0005】
このIDCTミスマッチによる画像の劣化などの影響を軽減するため、MPEGにおいては演算精度や非イントラマクロブロックの繰り返し回数を規定したり、ブロック係数値操作によるIDCTミスマッチ対策を導入するなどしている。しかしながら、それらを満たしたシステムにおいても視覚的に大きく問題となる場合がある。
【0006】
以下に、静止画を量子化スケールが1(以下、q_scale=1と記述する)(q_scale_type=1:非線形量子化)となるようなビットレートで、イントラスライスによるローディレイ(Low Delay)エンコード(リフレッシュサイクルは27フレーム)を行った場合のDCTブロックデータによる数値(実機によるデータ)の具体例を示す。
【0007】
エンコーダとデコーダとのそれぞれにおいて、逆量子化部に入力される輝度のブロックデータ1を図1に示す。逆量子化部に入力される輝度のブロックデータ1は、ここでは、8×8のブロックデータであり、例えば、図中、座標で示せば、(1,3)に対応する位置が、−1の値であり、同様に、(3,3)および(5,1)に対応する位置が、1の値であり、それ以外は、0の値であるものとする。
【0008】
図1のブロックデータ1を逆量子化した場合の逆量子化後のデータ2(q_scale=1、q_matrixは16固定)を図2に示す。図2に示される逆量子化後のデータ2は、逆量子化部に入力される輝度のブロックデータ1と等しいデータである。
【0009】
これを異なる3つの方式(いずれの方式もMPEGの規定を満たしている)でIDCTした結果を、図3乃至図5に示す。
【0010】
図3に示される方式AによるIDCT結果データ3によると、8×8の画素の輝度のブロックデータのうち、中央部分の4画素のみが1の値であり、残りの値が0となっている。図4に示される方式BによるIDCT結果データ4によると、8×8の画素の輝度のブロックデータのうち、中央に近い(4,4)の位置の1画素のみが1の値であり、残りの値が0となっている。そして、図5に示される方式CによるIDCT結果データ5によると、IDCT結果が全てゼロになっている。
【0011】
このように、方式A乃至方式Cのいずれを用いるかによってIDCT結果が異なることがわかる。
【0012】
例えば、方式CのIDCTをエンコーダに、方式AのIDCTをデコーダに使用している場合、方式Cでは、IDCT結果が全てゼロになっているため、エンコーダのローカルデコード画が更新されず、静止画において毎ピクチャ同じ差分データをコーディングすることになるが、一方、方式Aでは、方式Cと比較して、ブロック中央の4画素で異なるIDCT結果となるため、同じ差分をエンコーダから送り続けられることによって、IDCTの差が蓄積されていくことになる。従って、イントラが現われるまでは、4画素で、毎ピクチャ1レベルずつ輝度が増加していくため、リフレッシュサイクル27フレームのイントラスライスにおいて、対応する画素が、27フレーム周期の白い画素点滅として見えてしまうことになる。
【0013】
以上説明したように、MPEGの規定を満たしているIDCT方式を用いているにもかかわらず、IDCTミスマッチにより、画質に多大な影響を及ぼす可能性がある。しかしながら、エンコーダ、デコーダ双方において、どのような方式のIDCTを用いているかを知ることは困難であり、また、あらゆるストリームを受信しなければならないデコーダ側で対応することは、非現実的であることから、エンコーダ側でなんらかの対策を施すことにより画質劣化を防ぐ必要がある。
【0014】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、デコーダ側のIDCTの方式に関わらず、エンコーダ側の処理によって、IDCTミスマッチによる画像の劣化を軽減することができるようにするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の符号化装置は、量子化インデックスを決定する決定手段と、決定手段により決定された量子化インデックスを基に、量子化を実行する量子化手段と、量子化手段により量子化された量子化係数データを符号化する符号化手段とを備え、決定手段は、非線形量子化において、リフレッシュサイクルより短い周期で、量子化スケールの最小値を2に変更するように、量子化インデックスを決定することを特徴とする。
【0016】
決定手段には、イントラマクロブロックを除いて、量子化スケールの最小値を2に変更させるようにすることができる。
【0019】
本発明の符号化方法は、量子化インデックスを決定する決定ステップと、決定ステップの処理により決定された量子化インデックスを基に、量子化を実行する量子化ステップと、量子化ステップの処理により量子化された量子化係数データを符号化する符号化ステップとを含み、決定ステップの処理では、非線形量子化において、リフレッシュサイクルより短い周期で、量子化スケールの最小値を2に変更するように、量子化インデックスを決定することを特徴とする。
【0020】
本発明の記録媒体に記録されているプログラムは、量子化インデックスを決定する決定ステップと、決定ステップの処理により決定された量子化インデックスを基に、量子化を実行する量子化ステップと、量子化ステップの処理により量子化された量子化係数データを符号化する符号化ステップとを含み、決定ステップの処理では、非線形量子化において、リフレッシュサイクルより短い周期で、量子化スケールの最小値を2に変更するように、量子化インデックスを決定することを特徴とする。
【0021】
本発明のプログラムは、量子化インデックスを決定する決定ステップと、決定ステップの処理により決定された量子化インデックスを基に、量子化を実行する量子化ステップと、量子化ステップの処理により量子化された量子化係数データを符号化する符号化ステップとを含み、決定ステップの処理では、非線形量子化において、リフレッシュサイクルより短い周期で、量子化スケールの最小値を2に変更するように、量子化インデックスを決定することを特徴とする処理をコンピュータに実行させる。
【0022】
本発明の符号化装置および符号化方法、並びにプログラムにおいては、量子化インデックスが決定され、決定された量子化インデックスを基に、量子化が実行され、量子化された量子化係数データが符号化され、非線形量子化において、リフレッシュサイクルより短い周期で、量子化スケールの最小値が2に変更されるように、量子化インデックスが決定される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0024】
図6は、本発明を適応したエンコーダ11の構成を示すブロック図である。
【0025】
画像並び替え処理部21は、入力された非圧縮映像データを符号化順に並べ替える。
【0026】
演算処理部22は、動き補償部33から供給される動き補償情報を基に、供給された映像データに対して動き補償を行い、DCT処理部23に対して出力する。DCT処理部23は、演算処理部22から入力された映像データに対して、マクロブロック単位に離散コサイン変換(DCT)処理を施し、時間領域のデータから周波数領域のデータに変換して、量子化部24に対して出力する。
【0027】
量子化部24は、DCT処理部23から入力された周波数領域のデータを、レート制御部27から供給される量子化インデックスQで量子化し、量子化データとしてVLC(Variable Length Code;可変長符号化)部25および逆量子化部28に対して出力する。
【0028】
VLC部25は、量子化部24から入力された量子化係数データに対し、所定の変換テーブルに基づく可変長符号化処理を行い、その結果得られる可変長符号化データをバッファ26に出力する。
【0029】
バッファ26は、入力された符号化データをバッファリングし、符号化ビットストリームとして、順次、出力する。
【0030】
逆量子化部28は、量子化部24から入力された量子化データを逆量子化し、逆量子化データとしてIDCT処理部29に対して出力する。
【0031】
IDCT処理部29は、逆量子化部28から入力された逆量子化データに対して逆DCT処理を行い、演算処理部30に対して出力する。
【0032】
演算処理部30は、動き補償部33の出力データ、およびIDCT処理部29の出力データを加算し、ビデオメモリ31に対して出力する。動き補償部33は、ビデオメモリ31の出力データに対して、動き検出部32から入力される動きベクトルに基づいて動き補償処理を行い、演算処理部30、および演算処理部22に対して出力する。
【0033】
動き検出部32は、圧縮対象となるピクチャ(入力ピクチャ)の注目マクロブロックと、参照されるピクチャ(参照ピクチャ)との間の差分値の絶対値和あるいは自乗値和が最小となるようなマクロブロックを探し、動きベクトルを求めて、動き補償部33に出力する。
【0034】
レート制御部27は、量子化部24において実行される量子化処理に必要な係数である量子化インデックスQを決定する。
【0035】
レート制御部27は、例えば、符号化難易度や、その他のパラメータに基づいて、量子化インデックスQを生成し、量子化部24に対して出力する。量子化インデックスQの算出方法は、いずれの方法が用いられていても良く、量子化インデックスQの算出に利用するパラメータも、その方法により、様々なパラメータが利用される。
【0036】
図7は、図6を用いて説明したエンコーダ11により符号化された符号化データを復号するデコーダ51の構成を示すブロック図である。
【0037】
デコーダ51に入力された符号化ストリームは、バッファ61に入力されてバッファリングされ、VLD(Variable Length Decode;可変長復号)部62で復号され、逆量子化部63に出力される。
【0038】
逆量子化部63は、VLD部62から入力された量子化データを逆量子化し、逆量子化データとしてIDCT処理部64に対して出力する。
【0039】
IDCT処理部64は、逆量子化部63から入力される逆量子化データに対して逆DCT処理を行い、演算処理部65に対して出力する。
【0040】
演算処理部65は、動き補償部67の出力データを基に、IDCT処理部64の出力データを動き補償し、ビデオメモリ66および画像並び替え処理部68に対して出力する。
【0041】
動き補償部67は、ビデオメモリ66から供給されるデータに基づいて動き補償処理を行い、演算処理部65に対して出力する。
【0042】
そして、画像並び替え処理部68は、エンコーダ11の画像並び替え処理部21において、符号化順に並べ替えられたデータを、元の順番に並び替えて、ビデオ出力として出力する。
【0043】
図6を用いて説明したエンコーダ11のIDCT処理部29と、図7を用いて説明したデコーダ51のIDCT処理部64において実行されるIDCTの演算方式、および、演算精度が異なる場合、IDCT演算結果が必ずしも同一とはならないためにミスマッチが生じる。
【0044】
IDCTミスマッチのために発生する画素レベルずれによる顕著な画質劣化を確認できる要因としては、IDCTの演算精度による差が出る微少な係数が符号化されること、絵柄が簡単であったりビットレートが高かったりするために、q_scale=1となり、微少な係数が残ること、静止画のような同じ画素でのレベルずれが蓄積されること、あるいは、イントラが現われる周期が長いほど画素レベルずれによる画質劣化の度合いが大きいことがあげられる。
【0045】
以上の各要因を踏まえると、IDCTミスマッチにより発生する問題を解決するためには、q_scaleを調整して微少な係数が残らないようにすることと、イントラが現われる周期を更に短くすることの2点がポイントとなる。
【0046】
従って、q_scale_type=1においてq_scaleの最小値が1とならないように、最小値を2にクリップすることにより、画素ずれの要因となるような微少な係数がなくなる効果が期待できる。
【0047】
次に、図8のフローチャートを参照して、q_scale変更処理1について説明する。この処理は、1ピクチャのエンコード処理につき、ピクチャに存在するマクロブロックの数だけ、繰り返される処理である。
【0048】
ステップS1において、エンコーダ11のレート制御部27は、q_scale=1であるか否かを判断する。ステップS1において、q_scale=1ではないと判断された場合、処理は、ステップS3に進む。
【0049】
ステップS1において、q_scale=1であると判断された場合、ステップS2において、レート制御部27は、q_scale=2とする。
【0050】
ステップS1において、q_scale=1ではないと判断された場合、もしくは、ステップS2の処理の終了後、ステップS3において、レート制御部27は、全てのマクロブロックの処理が終了したか否かを判断する。
【0051】
ステップS3において、全てのマクロブロックの処理が終了していないと判断された場合、処理は、ステップS1に戻り、それ以降の処理が繰り返される。ステップS3において、全てのマクロブロックの処理が終了したと判断された場合、処理が終了される。
【0052】
このような処理により、q_scaleの最小値が1とならないので、画素ずれの要因となるような微少な係数がなくなり、画素ずれの要因を減少させることが可能となる。
【0053】
しかしながら、図8を用いて説明した処理のように、全てのマクロブロックにおいて、q_scaleの最小値を2としてしまうと、最小値が1の時と比べてS/Nが悪くなるなどの弊害を生じる。その弊害を小さくするために、画素ずれの蓄積には関係のないイントラマクロブロックについては、q_scaleの最小値を1のままとするようにしてもよい。
【0054】
次に、図9のフローチャートを参照して、q_scale変更処理2について説明する。この処理は、1ピクチャのエンコード処理につき、ピクチャに存在するマクロブロックの数だけ、繰り返される処理である。
【0055】
ステップS11において、レート制御部27は、処理中のマクロブロックは、イントラマクロブロックであるか否かを判断する。ステップS11において、イントラマクロブロックであると判断された場合、処理は、ステップS14に進む。ステップS11において、イントラマクロブロックではないと判断された場合、ステップS12およびステップS13において、図8のステップS1およびステップS2と同様の処理が実行される。
【0056】
ステップS11において、イントラマクロブロックであると判断された場合、ステップS12において、q_scale=1ではないと判断された場合、もしくは、ステップS13の処理の終了後、ステップS14において、レート制御部27は、全てのマクロブロックの処理が終了したか否かを判断する。
【0057】
ステップS14において、全てのマクロブロックの処理が終了していないと判断された場合、処理は、ステップS11に戻り、それ以降の処理が繰り返される。ステップS14において、全てのマクロブロックの処理が終了したと判断された場合、処理が終了される。
【0058】
このような処理により、画素ずれの要因となるような微少な係数がなくなり、更に、S/N比を向上させることができるようになる。
【0059】
図8および図9を用いて説明した処理に対して、更に、S/N比を向上させるために、q_scaleの最小値を2で固定とする処理を、画素ずれ蓄積が目立たない程度の周期でのみ行うようにしてもよい。ここで、画素ずれ蓄積が目立たない程度の周期とは、その画像の種類により異なる。しかしながら、例えば、5ピクチャ周期など、少なくとも、リフレッシュレートよりも短い周期でq_scaleの最小値を2で固定する処理を行うようにすることにより、S/N比を悪化させずに、所定の周期で発生する白い画素点滅などが画像に与える影響を軽減することができる。
【0060】
次に、図10のフローチャートを参照して、q_scale変更処理3について説明する。この処理は、1ピクチャ単位で繰り返される処理である。
【0061】
ステップS31において、レート制御部27は、画像ずれ蓄積が目立たない程度のピクチャ周期N(例えば、N=5など)を算出して、i=1とする。
【0062】
ステップS32において、レート制御部27は、i=Nであるか否かを判断する。
【0063】
ステップS32において、i=Nではないと判断された場合、ステップS33において、レート制御部27は、i=i+1として、処理は、ステップS38に進む。
【0064】
ステップS32において、i=Nであると判断された場合、ステップS34およびステップS35において、図8のステップS1およびステップS2と同様の処理が実行される。
【0065】
ステップS34において、q_scale=1ではないと判断された場合、もしくは、ステップS35の処理の終了後、ステップS36において、レート制御部27は、処理中のピクチャ内の全てのマクロブロックの処理が終了したか否かを判断する。
【0066】
ステップS36において、全てのマクロブロックの処理が終了していないと判断された場合、処理は、ステップS34に戻り、それ以降の処理が繰り返される。ステップS36において、全てのマクロブロックの処理が終了したと判断された場合、ステップS37において、レート制御部27は、iの値を初期化して、i=1とする。
【0067】
ステップS33、もしくは、ステップS37の処理の終了後、ステップS38において、レート制御部27は、全てのピクチャの処理が終了したか否かを判断する。
【0068】
ステップS38において、全てのピクチャの処理が終了していないと判断された場合、処理は、ステップS32に戻り、それ以降の処理が繰り返される。ステップS38において、全てのピクチャの処理が終了したと判断された場合、処理が終了される。
【0069】
以上説明した処理により、図8を用いて説明したq_scale変更処理1が奏することができる効果に加えて、更に、S/N比の向上が期待できる。
【0070】
同様にして、画像ずれ蓄積が目立たない程度のピクチャ周期N毎に、図9を用いて説明したq_scale変更処理2と同様の処理を行うようにすることができる。
【0071】
次に、図11のフローチャートを参照して、q_scale変更処理4について説明する。この処理も、1ピクチャ単位で繰り返される処理である。
【0072】
ステップS51乃至ステップS53において、図10のステップS31乃至ステップS33と同様の処理が繰り返される。
【0073】
すなわち、ステップS51において、レート制御部27は、画像ずれ蓄積が目立たない程度のピクチャ周期Nを算出して、i=1とし、ステップS52において、レート制御部27は、i=Nであるか否かを判断し、i=Nではないと判断された場合、ステップS53において、レート制御部27は、i=i+1として、処理は、ステップS59に進む。
【0074】
ステップS52において、i=Nであると判断された場合、ステップS54乃至ステップS56において、図9のステップS11乃至ステップS13と同様の処理が実行される。
【0075】
ステップS54において、イントラマクロブロックであると判断された場合、ステップS55において、q_scale=1ではないと判断された場合、もしくは、ステップS56の処理の終了後、ステップS57において、レート制御部27は、処理中のピクチャ内の全てのマクロブロックの処理が終了したか否かを判断する。
【0076】
ステップS57において、全てのマクロブロックの処理が終了していないと判断された場合、処理は、ステップS54に戻り、それ以降の処理が繰り返される。ステップS57において、全てのマクロブロックの処理が終了したと判断された場合、ステップS58において、レート制御部27は、iの値を初期化して、i=1とする。
【0077】
ステップS53、もしくは、ステップS58の処理の終了後、ステップS59において、レート制御部27は、全てのピクチャの処理が終了したか否かを判断する。
【0078】
ステップS59において、全てのピクチャの処理が終了していないと判断された場合、処理は、ステップS52に戻り、それ以降の処理が繰り返される。ステップS59において、全てのピクチャの処理が終了したと判断された場合、処理が終了される。
【0079】
以上説明した処理により、図9を用いて説明したq_scale変更処理2が奏することができる効果に加えて、更に、S/N比の向上が期待できる。
【0080】
ここでは、リフレッシュサイクルが27フレームであるローディレイエンコードを行う場合を例として説明したが、本発明は、例えば、15フレームを、フレーム内符号化画像(以下、Iピクチャと称する)、フレーム間順方向予測符号化画像(以下、Pピクチャと称する)、もしくは、双方向予測符号化画像(以下、Bピクチャと称する)の3つの画像タイプのうちのいずれの画像タイプとして処理するかを指定し、指定されたフレーム画像の画像タイプ(Iピクチャ、Pピクチャ、あるいは、Bピクチャ)に応じて、フレーム画像を符号化するような場合にも適用可能である。
【0081】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるが、ソフトウエアにより実行させることもできる。この場合、例えば、エンコーダ11は、図12に示されるようなパーソナルコンピュータ101により構成される。
【0082】
図12において、CPU111は、ROM112に記憶されているプログラム、または記憶部118からRAM113にロードされたプログラムに従って、各種の処理を実行する。RAM113にはまた、CPU111が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0083】
CPU111、ROM112、およびRAM113は、バス114を介して相互に接続されている。このバス114にはまた、入出力インタフェース115も接続されている。
【0084】
入出力インタフェース115には、キーボード、マウスなどよりなる入力部116、ディスプレイやスピーカなどよりなる出力部117、ハードディスクなどより構成される記憶部118、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部119が接続されている。通信部119は、インターネットを含むネットワークを介しての通信処理を行う。
【0085】
入出力インタフェース115にはまた、必要に応じてドライブ120が接続され、磁気ディスク131、光ディスク132、光磁気ディスク133、あるいは、半導体メモリ134などが適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部118にインストールされる。
【0086】
一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0087】
この記録媒体は、図12に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを供給するために配布される、プログラムが記憶されている磁気ディスク131(フロッピディスクを含む)、光ディスク132(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク133(MD(Mini-Disk)(商標)を含む)、もしくは半導体メモリ134などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに供給される、プログラムが記憶されているROM112や、記憶部118に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0088】
なお、本明細書において、記録媒体に記憶されるプログラムを記述するステップは、含む順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、画像データをエンコードすることができる。
また、本発明によれば、リフレッシュサイクルより短い周期で、非線形量子化の量子化スケールの最小値を2に変更するようにしたので、画素ずれの要因となるような微少な係数がなくなり、画素ずれの要因を減少させることができる。
【0090】
また、イントラマクロブロック以外で、量子化スケールの最小値を2に変更することができるようにしたので、イントラマクロブロックにおいては、量子化スケール=1のままにすることができるため、S/N比を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】IDCTミスマッチについて説明するための、逆量子化部に入力される輝度のブロックデータの例を示す図である。
【図2】IDCTミスマッチについて説明するための、逆量子化後のデータの例を示す図である。
【図3】IDCTミスマッチについて説明するための、方式AでIDCTした結果の例を示す図である。
【図4】IDCTミスマッチについて説明するための、方式BでIDCTした結果の例を示す図である。
【図5】IDCTミスマッチについて説明するための、方式CでIDCTした結果の例を示す図である。
【図6】本発明を適用したエンコーダの構成を示すブロック図である。
【図7】デコーダの構成を示すブロック図である。
【図8】 q_scale変更処理1について説明するフローチャートである。
【図9】 q_scale変更処理2について説明するフローチャートである。
【図10】 q_scale変更処理3について説明するフローチャートである。
【図11】 q_scale変更処理4について説明するフローチャートである。
【図12】パーソナルコンピュータの構成について説明する図である。
【符号の説明】
11 エンコーダ, 21 画像並び替え処理部, 22 演算処理部, 23 DCT処理部, 24 量子化部, 24 VLC部, 26 バッファ,27 レート制御部, 28 逆量子化部, 29 IDCT処理部, 51
デコーダ, 64 IDCT処理部
Claims (5)
- フレーム画像を符号化する符号化装置において、
量子化インデックスを決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された前記量子化インデックスを基に、量子化を実行する量子化手段と、
前記量子化手段により量子化された量子化係数データを符号化する符号化手段と
を備え、
前記決定手段は、非線形量子化において、リフレッシュサイクルより短い周期で、量子化スケールの最小値を2に変更するように、前記量子化インデックスを決定する
ことを特徴とする符号化装置。 - 前記決定手段は、イントラマクロブロックを除いて、前記量子化スケールの最小値を2に変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。 - フレーム画像を符号化する符号化装置の符号化方法において、
量子化インデックスを決定する決定ステップと、
前記決定ステップの処理により決定された前記量子化インデックスを基に、量子化を実行する量子化ステップと、
前記量子化ステップの処理により量子化された量子化係数データを符号化する符号化ステップと
を含み、
前記決定ステップの処理では、リフレッシュサイクルより短い周期で、非線形量子化において、量子化スケールの最小値を2に変更するように、前記量子化インデックスを決定する
ことを特徴とする符号化方法。 - フレーム画像を符号化する符号化装置用のプログラムであって、
量子化インデックスを決定する決定ステップと、
前記決定ステップの処理により決定された前記量子化インデックスを基に、量子化を実行する量子化ステップと、
前記量子化ステップの処理により量子化された量子化係数データを符号化する符号化ステップと
を含み、
前記決定ステップの処理では、リフレッシュサイクルより短い周期で、非線形量子化において、量子化スケールの最小値を2に変更するように、前記量子化インデックスを決定する
ことを特徴とする処理を、前記符号化装置に実行させるためのプログラムが記録されている記録媒体。 - フレーム画像を符号化する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
量子化インデックスを決定する決定ステップと、
前記決定ステップの処理により決定された前記量子化インデックスを基に、量子化を実行する量子化ステップと、
前記量子化ステップの処理により量子化された量子化係数データを符号化する符号化ステップと
を含み、
前記決定ステップの処理では、非線形量子化において、リフレッシュサイクルより短い周期で、量子化スケールの最小値を2に変更するように、前記量子化インデックスを決定する
ことを特徴とする処理を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
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