JP4057282B2 - Pneumatic tire - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サイドウォール部に、その折れ曲がりを容易とする外凸の折れ曲がり部を設けることにより転がり抵抗を改善した空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】
タイヤの転がり抵抗は、粘弾性体であるゴムとタイヤコードとからなるタイヤが、たわみながら回転することによる抵抗であり、エネルギーロスを発生せしめ燃費性能を悪化させる。
【0003】
タイヤは、その部位によって様々な損失係数(tan δ)のゴムを用いており、またその体積も相違し、かつ発生する歪みも部位によって相違する。そして、これら各ゴムの損失係数、体積、歪みの兼ね合いで、タイヤの転がり抵抗が生じ、それぞれが大きければ、相乗効果で転がり抵抗への寄与が大きくなる。
【0004】
ここで、各部位別に転がり抵抗の寄与を解析した結果によると、従来のタイヤにおいては、トレッド部の寄与率は50%、サイドウォール部の寄与率は18%であることが判明している。
【0005】
このようにトレッド部は、タイヤ内で最も体積が大きく、又ウエットグリップ性との兼ね合い上損失係数の高いゴムが使われ易いため、転がり抵抗への寄与が非常に高くなっている。
【0006】
そこで、この転がり抵抗を低減させるために、従来、トレッド巾を狭くしたり、トレッドゲージ厚さを減じたり、さらには溝容積の増加などによってトレッドゴムの体積を低下させたり、又トレッドゴムに損失係数の低いものを使用することなどが行われているが、何れも操縦安定性の低下につながりやすく、特に損失係数の低いゴムを使用した場合には、ウエットグリップ性を損ねるという問題がある。
【0007】
このように、トレッド部において、その体積やゴム物性を変化させて転がり抵抗を低減させることは、他性能への影響が大きすぎる。
【0008】
そこで、本発明者は、トレッド部の歪みに着目し、この歪みを寄与の小さいサイドウォール部に振り替えることを提案した。即ち、荷重によるたわみを、損失係数の低いゴムが使用できるサイドウォール部に集中させることにより、トレッド部の歪みを逆に小さくすることができ、その結果、タイヤ全体の転がり抵抗を減少しうることを見い出し得た。
【0009】
即ち本発明は、サイドウォール部に低発熱性ゴムを用いるとともに、このサイドウォール部に、その折れ曲がりを容易とするための外凸の折曲がり部を設けることを基本として、トレッド部の歪みをサイドウォール部に振り替えることができ、転がり抵抗をトータル的に減少しうる空気入りタイヤの提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1の空気入りタイヤの発明は、接地域を有するトレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアで折り返すカーカスと、トレッド部の内方かつ前記カーカスの外側に配されるベルト層とを具え、
前記サイドウォール部をなすサイドウォールゴムを、その損失係数(tan δs)が前記トレッド部をなすトレッドゴムの損失係数(tan δt)よりも小さい低発熱性ゴムを用いて形成するとともに、
正規リムにリム組みしかつ10kPaの内圧を付加した基準低内圧状態におけるタイヤの子午断面において、
タイヤ軸方向線がサイドウォール部においてタイヤ外表面と交わる点間の長さWが最大値Wbとなる最大巾点Bから半径方向外方のサイドウォール上方領域、及び半径方向内方のサイドウォール下方領域は、外表面が外に向かって凸の略円弧状及び/又は略直線状の輪郭線を用いて形成され、
しかもこのサイドウォール上方領域及びサイドウォール下方領域は、前記低発熱性ゴムからなる範囲において、前記輪郭線が、前記サイドウォール部の折れ曲がりを容易とするための外凸の折曲がり部を形成する突出域をえ、
かつ前記カーカスは、各突出域の位置に、前記折曲がり部に準じて屈曲する外凸の屈曲部を有することを特徴としている。
【0011】
又請求項2の発明では、前記サイドウォール上方領域の突出域及びサイドウォール下方領域の突出域は、前記最大巾点Bと、前記リムのリムシートとリムフランジ内面との延長線が交わるリムヒール点を半径方向に通るリム巾線Lがトレッド部側においてタイヤの外表面と交わる上の外面点Aと、前記リム巾線Lがビード部側においてタイヤの外表面と交わる下の外面点Cとを通る基準円弧Jよりもタイヤ外側に突出するとともに、
サイドウォール上方領域の突出域は、前記上の外面点Aからのび前記基準円弧Jを外に越える上の輪郭線と、前記最大巾点Bからのび前記基準円弧Jを外に越える下の輪郭線ととにより前記折曲がり部を形成し、 かつサイドウォール下方領域の突出域は、前記下の外面点Cからのび前記基準円弧Jを外に越える下の輪郭線と、前記最大巾点Bからのび前記基準円弧Jを外に越える上の輪郭線ととにより前記折曲がり部を形成することを特徴としている。
【0012】
又請求項3の発明では、前記各突出域は、前記上の突出域20Uにおける折曲がり部21でのタイヤ全厚さT1Uと、前記最大巾点Bでのタイヤ全厚さT2との差|T1U−T2|、及び下の突出域20Lにおける折曲がり部21でのタイヤ全厚さT1Lと、最大巾点Bでの前記タイヤ全厚さT2との差|T1L−T2|を、5.0mm以下とすることを特徴としている。
【0013】
又請求項4の発明では、前記基準低圧状態の前記最大巾点Bから、200kPAの内圧を付加した基準状態において、タイヤ軸方向線がサイドウォール部においてタイヤ外表面と交わる点間の長さWが最大値Wbpとなる最大巾点Bpまでのタイヤ片側でのタイヤ軸方向の移動量Dは、以下の式を充足することを特徴としている。
3≦(D/V)×100
V={(Y−X)/Wbp}×(Wbp−Wr)
Y:基準状態でのタイヤ外径
X:リムヒール点での直径(リム径)
Wbp:基準状態でのタイヤ最大巾
Wr:リムヒール点間の距離(リム巾)
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。
図1は、本発明の空気入りタイヤが、正規リムNにリム組みされかつ10kPaの内圧が付加された基準低内圧状態の子午断面を示している。なお前記「正規リムN」とは、タイヤが基づいている規格によって定まるリムであって、JATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim"を意味する。
【0015】
図1において、空気入りタイヤ1は、接地域を有するトレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、トレッド部2の内方かつ前記カーカス6の外側に配されるベルト層7とを具える。
【0016】
前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ周方向に対して70〜90度の角度で配列した、少なくとも1枚、本例では1枚のカーカスプライ6Aから形成される。カーカスプライ6Aは、ビードコア5、5間を跨るプライ本体部6aの両端に、前記ビードコア5の廻りを折返されるプライ折返し部6bを具え、該プライ折返し部6bとプライ本体部6aとの間には、ビードコア5からタイヤ半径方向外側に向かって先細状にのびるビードエーペックスゴム8が配される。
【0017】
なお本例では、前記プライ折返し部6bが、ビードエーペックスゴム8を越えてタイヤの最大巾点Bの高さ位置近傍まで延在する場合を例示しており、これによってビード部4を補強しかつタイヤ横剛性を高めている。なお前記「最大巾点B」とは、タイヤ軸方向線Mがサイドウォール部3においてタイヤ外表面と交わる点間の長さWが最大値Wbとなる点を意味する。
【0018】
又前記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ周方向に対して10〜35度の角度で配列する少なくとも2枚、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bから形成される。該ベルトプライ7A、7Bは、各コードがプライ間相互で交差する所謂クロス構造をなし、これによってトレッド部2を高い剛性を有して補強する。
【0019】
なおベルト層7の外側に、高速耐久性、高速操縦安定性などを高める目的で、バンド層9を配することができる。このバンド層9は、バンドコードをタイヤ周方向とほぼ並行に配列したバンドプライからなり、少なくともベルト層7のタイヤ軸方向外端部分を被覆しその動きを拘束する。
【0020】
次に、本実施形態のタイヤ1は、前記サイドウォール部3をなすサイドウォールゴム3Gを、その損失係数(tan δs)が前記トレッド部2をなすトレッドゴム2Gの損失係数(tan δt)よりも小さい低発熱性ゴム10を用いて形成している。
【0021】
ここで、「サイドウォール部3」は、トレッド部2の外端であるトレッド端TUから、ビード部4が正規リムNから離反する離反点TLに至る領域として定義する。又前記「トレッド端TU」は、スクエアショルダの場合、サイドウォール部3の外表面とトレッド部2の外表面がエッジ状に交わる点であり、本例の如くラウンドショルダ等の場合には、サイドウォール部3の外表面とトレッド部2の外表面との各延長線が交わる点から下した半径方向線の、外表面との交点を意味する。
【0022】
又サイドウォールゴム3Gは、前記サイドウォール部3において、カーカス6の外側に配されるゴムであり、このうち前記サイドウォール部3の外表面の70%以上の範囲を前記低発熱性ゴム10で形成している。なお本例では、リムずれ防止用の硬質のクリンチゴム11とトレッドゴム2Gとの間を、前記低発熱性ゴム10で形成している。
【0023】
この低発熱性ゴム10の損失係数(tan δs)は、トレッドゴム2Gの損失係数(tan δt)よりも少なくとも小であることが、本発明の転がり抵抗低減効果のために必要であり、特にその差(tan δt−tan δs)を、0.01以上とするのが好ましく、さらには前記損失係数(tan δs)の値を、0.01〜0.20とするのも望ましい。前記差(tan δt−tan δs)が0.01未満、或いは、tan δsが0.20を越えると、転がり抵抗低減効果が十分に発揮されなくなる。又tan δsが0.01未満のとき、ゴムの加工性に不具合の恐れがあるため好ましくない。
【0024】
なおトレッドゴム2Gを、所謂キャップゴム層とベースゴム層との二層構造等とすることもでき、係る場合には、このゴム層のうち、低い側の損失係数をtan δtとして考える。なお損失係数は、岩本製作所(株)製の粘弾性スペクトロメーターを用い、温度70℃、周波数10Hz、動歪±2%の条件で測定した値である。
【0025】
次に、本実施形態のタイヤ1では、前記基準低内圧状態におけるタイヤの子午断面において、最大巾点Bから半径方向外方のサイドウォール上方領域3U、及び半径方向内方のサイドウォール下方領域3Lは、それぞれ外表面が外に向かって凸の略円弧状及び/又は略直線状の輪郭線Kを用いて形成される。
【0026】
そして、このサイドウォール上方領域3U及びサイドウォール下方領域3Lは、それぞれ前記低発熱性ゴムからなる範囲において、前記輪郭線Kが、前記サイドウォール部3の折れ曲がりを容易とするための外凸の折曲がり部21を形成する突出域20を具えることに、大きな特徴を有している。このとき、前記カーカス6は、各突出域20の位置に、前記折曲がり部21に準じて屈曲する屈曲部6Pを有している。このように、カーカス6は、図1〜図3に明示するように、該折曲がり部21において、それに連なる他の領域とは異なる曲がりの外凸の前記屈曲部6Pを形成していることは明らかであり、即ち「各突出域の位置に、前記折曲がり部に準じて屈曲する外凸の屈曲部を有する」とは、正規リムにリム組みしかつ10kPaの内圧を付加した基準低内圧状態におけるタイヤの子午断面における前記折曲がり部21において、それに連なるカーカス6の他の領域とは異なる曲がり形状をなし、かつ外凸に屈曲する前記屈曲部6Pを形成していることをいう。なお便宜上、サイドウォール上方領域3Uの突出域20を上の突出域20U、サイドウォール下方領域3Lの突出域20を下の突出域20Lという場合がある。
【0027】
本例では、特に、前記上下の突出域20U、20Lが、それぞれ前記最大巾点Bと、上下の外面点A、Cとを通る基準円弧Jよりもタイヤ外側に突出している場合を例示する。なお前記「上の外面点A」とは、前記リムNのリムシートとリムフランジ内面との延長線が交わる点を、リムヒール点NPとしたとき、このリムヒール点NPを半径方向に通るリム巾線Lが、トレッド部2側においてタイヤの外表面と交わる点を意味する。又前記「下の外面点C」とは、前記リム巾線Lがビード部4側においてタイヤの外表面と交わる点を意味する。なお前記上の外面点Aは、本例では前記トレッド端TUよりもタイヤ軸方向外側に位置する。
【0028】
そしてまた、図2に拡大して示すように、上の突出域20Uでは、その折曲がり部21は、前記上の外面点Aからのび前記基準円弧Jを外に越える上の輪郭線K1Uと、前記最大巾点Bからのび前記基準円弧Jを外に越える下の輪郭線K1Lとが屈曲状に交わる位置に形成される。
【0029】
又下の突出域20Lも同様に、その折曲がり部21は、図3に拡大して示すように、前記下の外面点Cからのび前記基準円弧Jを外に越える下の輪郭線K2Lと、前記最大巾点Bからのび前記基準円弧Jを外に越える上の輪郭線K2Uとが屈曲状に交わる位置に形成される。
【0030】
ここで、前記上、下の輪郭線K1U、K1L、K2U、K2Lは、曲率半径を、前記基準円弧Jの曲率半径R0の2.0倍以上とした大きな円弧線、及び/又は曲率半径を実質的に無限大とした略直線を用いて形成される。本例では、上、下の輪郭線K1U、K1L、K2U、K2Lを、曲率半径が約3.5×R0、若しくはそれ以上の直線に近い大きな円弧で形成し、タイヤ輪郭形状を矩形状に近づけた好ましい場合を例示している。
【0031】
又前記折曲がり部21は、前記上、下の輪郭線K1U、K1L、K2U、K2Lをエッジ状に交差させて形成しうる他、本例の如く、小円弧21Aで滑らかに連結してもよい。このとき、前記小円弧21Aの曲率半径は、好ましくは、前記基準円弧Jの曲率半径R0の、0.5倍以下、さらには0.45倍以下とするのが好ましい。
【0032】
このように、サイドウォール上方領域3U及びサイドウォール下方領域3Lのそれぞれに、折曲がり部21を有する突出域20を設けているため、この折曲がり部21を起点としてサイドウォール部3が屈曲変形しやすくなる。即ち、荷重によるたわみを、低発熱性ゴム10を用いたサイドウォール部3に集中させうるとともに、トレッド部2のたわみを減じることができる。その結果、タイヤ全体の転がり抵抗を低減することが可能となる。しかも、前記突出域20は、基準円弧Jよりもタイヤ外側に突出するため、タイヤの空気容積を大きくでき、負荷荷重によるたわみ全体の低減を図ることもできる。
【0033】
又このものは、トレッドゴム2Gの体積を減じたり、そのゴム特性を変えずにすむため、操縦安定性、耐摩耗性、ウエットグリップ性等を維持させることも可能となる。
【0034】
ここで、サイドウォール部3の変形をさらに容易とするために、前記折曲がり部21が前記基準円弧Jから最も突出する突出点を21Pとしたとき、上の突出域20Uでは、その突出点21Pの位置を、できるだけタイヤ半径方向外側かつタイヤ軸方向外側に位置させることが好ましい。特にこの前記突出点21Pを、図2、図5(A)、(B)の如く、前記上の外面点Aを通る前記基準円弧Jの接線SUよりもタイヤ外側に位置させるのがよい。なおベルト層7の影響をさけるため、突出点を21Pは、ベルト層7のタイヤ軸方向外端より半径方向内方に控えるのが良い。
【0035】
又下の突出域20Lでは、その突出点21Pの位置を、できるだけタイヤ半径方向内側かつタイヤ軸方向外側に位置させることが好ましい。特にこの突出点21Pを、図5(B)の如く、前記下の外面点Cを通る前記基準円弧Jの接線SLよりもタイヤ外側に位置させるのがよい。
【0036】
又同じ目的で、前記上の突出域20Uにおける折曲がり部21でのタイヤ全厚さT1Uと、前記最大巾点Bでのタイヤ全厚さT2との差|T1U−T2|、及び下の突出域20Lにおける折曲がり部21でのタイヤ全厚さT1Lと、最大巾点Bでの前記タイヤ全厚さT2との差|T1L−T2|を、それぞれ5.0mm以下に減じることも好ましい。このとき、前記タイヤ全厚さT1U、T1L、T2のうちの最大値Tmax と最小値Tmin との差Tmax −Tmin を、5.0mm以下に減じることも好ましい。
【0037】
これは、前記差|T1U−T2|、|T1L−T2|、Tmax −Tmin が5.0mmを越えると、使用内圧充填時に、サイドウォール部3の動きが制限され、変形が起こりにくくなるからであり、従って前記差は、それぞれ3.0mm以下がさらには好ましい。なお、0.5mm未満では耐外傷性に劣る。
【0038】
又ビードエーペックスゴム8の影響をできるだけ減じ、折曲がり部21での変形をしやすくさせるために、前記ビードエーペックスゴム8を、前記下の突出域20Lにおける突出点21Pの高さ位置よりもタイヤ半径方向内側で終端させるのがよい。
【0039】
なお上下の突出点21P、21Pの間のタイヤ半径方向の高さH1は、タイヤの断面高さHの0.30〜0.85倍が、変形をバランス良く行うために好ましく、0.30〜0.65倍が更に好ましい。
【0040】
又本発明者の研究の結果、インフレートの前後でタイヤ最大巾の変化が大きいタイヤは、荷重の負荷によってもサイドウォール部が変形しやすく、前記折曲がり部21との相乗効果によって、サイドウォール部に一層たわみを集中せしめ、転がり抵抗の向上効果がさらに期待できることが判明した。
【0041】
即ち、図4に示すように、前記基準低圧状態の前記最大巾点Bから、200kPAの内圧を付加した基準状態における最大巾点Bpまでのタイヤ片側でのタイヤ軸方向の移動量Dが、以下の式▲1▼を充足するとき、前記折曲がり部21との相乗効果によって、さらに大きな転がり抵抗の向上効果が発揮できる。なお「最大巾点Bp」とは、基準状態において、タイヤ軸方向線がサイドウォール部3においてタイヤ外表面と交わる点間の長さWが最大値Wbpとなる点である。
3≦(D/V)×100 −−−▲1▼
【0042】
又、式▲1▼の”V”は、前記移動量Dを規格化し、タイヤサイズに応じた値に補正するためのサイズファクターで有り、次式▲2▼によって設定される。
V={(Y−X)/Wbp}×(Wbp−Wr)
Y:基準状態でのタイヤ外径
X:リムヒール点での直径(リム径)
Wbp:基準状態でのタイヤ最大巾
Wr:リムヒール点間の距離(リム巾)
【0043】
前記値(D/V)×100が、3.0以上、さらには4.0以上、さらには5.0以上のとき、転がり抵抗の向上効果が高くなり、逆に3.0未満では向上効果が低くなる。
【0044】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【0045】
【実施例】
図1に示す構造をなしかつタイヤサイズが195/65R15の乗用車用ラジアルタイヤを表1の仕様に基づき試作するとともに、該試供タイヤの転がり抵抗を測定し、比較した。
【0046】
(1)転がり抵抗:
試供タイヤを、リム(15×5.5JJ)、内圧(200kPa)を充填して、転がり抵抗試験機のドラム上で荷重(4.5kN)、速度(80km/h)で走行させた時の転がり抵抗を測定し、比較例1(従来タイヤ)を100とした時の指数で表示した。指数は小さい方が良好である。
【0047】
【表1】

Figure 0004057282
【0048】
表の如く実施例のものは、転がり抵抗が改善されているのが確認できる。
【0049】
【発明の効果】
叙上の如く本発明は、サイドウォール部に低発熱性ゴムを用いるとともに、このサイドウォール部に、その折れ曲がりを容易とするための外凸の折曲がり部を設けているため、トレッド部の歪みを低発熱性ゴムのサイドウォール部に振り替えることができ、転がり抵抗をトータル的に減少しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤの一実施例を示す断面図である。
【図2】サイドウォール上方領域の輪郭形状を説明する線図である。
【図3】サイドウォール下方領域の輪郭形状を説明する線図である。
【図4】基準低内圧状態と基準状態との間の最大巾点の移動量を説明する線図である。
【図5】(A)、(B)は、表1で用いた実施例2、3のタイヤの断面図である。
【図6】表1で用いた比較例1のタイヤの断面図である。
【符号の説明】
2 トレッド部
2G トレッドゴム
3 サイドウォール部
3G サイドウォールゴム
3U サイドウォール上方領域
3L サイドウォール下方領域
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
7 ベルト層
10 低発熱性ゴム
20、20U、20L 突出域
21 折曲がり部
K 輪郭線
K1U、K2U 上の輪郭線
K1L、K2L 下の輪郭線
N 正規リム
NP リムヒール点[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a pneumatic tire in which rolling resistance is improved by providing an outwardly convex bent portion that facilitates bending at a sidewall portion.
[0002]
[Background Art and Problems to be Solved by the Invention]
The rolling resistance of a tire is a resistance caused by a tire made of rubber and a tire cord, which are viscoelastic bodies, rotating while being bent, causing energy loss and deteriorating fuel efficiency.
[0003]
The tire uses rubber having various loss factors (tan δ) depending on the part, the volume thereof is different, and the generated strain is also different depending on the part. The rolling resistance of the tire is generated in consideration of the loss coefficient, volume, and strain of each rubber. If each of these rubbers is large, the contribution to the rolling resistance is increased by a synergistic effect.
[0004]
Here, according to the result of analyzing the contribution of the rolling resistance for each part, it has been found that in the conventional tire, the contribution ratio of the tread portion is 50% and the contribution ratio of the sidewall portion is 18%.
[0005]
As described above, the tread portion has the largest volume in the tire, and rubber having a high loss factor is easily used in consideration of wet grip properties, and therefore, the contribution to the rolling resistance is very high.
[0006]
Therefore, in order to reduce this rolling resistance, conventionally, the tread width is reduced, the tread gauge thickness is reduced, the volume of the tread rubber is reduced by increasing the groove volume, etc., and the tread rubber is lost. Although a low coefficient is used, all of them tend to lead to a decrease in steering stability. In particular, when rubber with a low loss coefficient is used, there is a problem that wet grip properties are impaired.
[0007]
Thus, in the tread portion, changing the volume and rubber physical properties to reduce the rolling resistance has an excessive influence on other performance.
[0008]
Therefore, the present inventor has paid attention to the distortion of the tread portion and proposed to transfer this distortion to the sidewall portion having a small contribution. In other words, by concentrating the deflection due to the load on the side wall where rubber with a low loss coefficient can be used, the distortion of the tread can be reduced, and as a result, the rolling resistance of the entire tire can be reduced. I found out.
[0009]
That is, the present invention uses a low heat-generating rubber for the side wall part, and the side wall part is provided with an outwardly convex bent part for facilitating the bending. An object of the present invention is to provide a pneumatic tire that can be transferred to a wall portion and can reduce rolling resistance in total.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the invention of a pneumatic tire according to claim 1 of the present invention is directed to a carcass that turns from a tread portion having a contact area to a sidewall portion by a bead core of a bead portion, an inner portion of the tread portion, and the carcass. A belt layer arranged on the outside of the
The sidewall rubber forming the sidewall portion is formed using a low heat-generating rubber whose loss coefficient (tan δs) is smaller than the loss coefficient (tan δt) of the tread rubber forming the tread portion,
In the meridional section of the tire in a reference low internal pressure state in which a rim is assembled to a normal rim and an internal pressure of 10 kPa is applied,
The region above the sidewall in the radial direction from the maximum width point B at which the length W between the points where the tire axial direction line intersects the tire outer surface at the sidewall portion becomes the maximum value Wb, and the sidewall below in the radial direction The region is formed by using a substantially arc shape and / or a substantially straight outline whose outer surface is convex outward.
In addition, the sidewall upper region and the sidewall lower region, in the range made of the low heat-generating rubber, the protrusion forms an outwardly convex bent portion for facilitating the bending of the sidewall portion. Get the area,
In addition, the carcass has an outwardly convex bent portion that bends in accordance with the bent portion at the position of each protruding region.
[0011]
In the invention of claim 2, the protruding region in the upper region of the side wall and the protruding region in the lower region of the side wall have a maximum rim point B and a rim heel point where an extension line between the rim seat of the rim and the inner surface of the rim flange intersects. The rim width line L passing in the radial direction passes through the upper outer surface point A where it intersects the outer surface of the tire on the tread portion side, and the lower outer surface point C where the rim width line L intersects with the outer surface of the tire on the bead portion side. While projecting outside the tire from the reference arc J,
The protruding region of the upper side wall region includes an upper contour line extending from the upper outer surface point A and exceeding the reference arc J, and a lower contour line extending from the maximum width point B and beyond the reference arc J. And the protruding portion of the lower side wall region extends from the lower outer surface point C and extends from the lowermost contour point J to the outside and the maximum width point B. The bent portion is formed by the upper contour line extending beyond the reference arc J.
[0012]
Further, in the invention of claim 3, each of the projecting areas is different from the tire total thickness T1U at the bent portion 21 in the upper projecting area 20U and the tire total thickness T2 at the maximum width point B. T1U−T2 | and the difference | T1L−T2 | between the tire total thickness T1L at the bent portion 21 in the lower protruding region 20L and the tire total thickness T2 at the maximum width point B is 5.0 mm. It is characterized by the following.
[0013]
According to the invention of claim 4, the length W between the point where the tire axial direction line intersects the outer surface of the tire in the sidewall portion in the reference state where an internal pressure of 200 kPA is applied from the maximum width point B in the reference low pressure state. The amount D of movement in the tire axial direction on one side of the tire up to the maximum width point Bp at which the maximum value Wbp is obtained satisfies the following formula.
3 ≦ (D / V) × 100
V = {(Y−X) / Wbp} × (Wbp−Wr)
Y: Tire outer diameter in the standard state X: Diameter at the rim heel point (rim diameter)
Wbp: Maximum tire width in reference state Wr: Distance between rim heel points (rim width)
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings.
FIG. 1 shows a meridional section of a reference low internal pressure state in which a pneumatic tire of the present invention is assembled to a regular rim N and an internal pressure of 10 kPa is applied. The “regular rim N” is a rim determined by the standard on which the tire is based. For JATMA, it means a standard rim, for TRA it means “Design Rim”, and for ETRTO it means “Measuring Rim”. .
[0015]
In FIG. 1, a pneumatic tire 1 includes a carcass 6 extending from a tread portion 2 having a contact area to a bead core 5 of a bead portion 4 through a sidewall portion 3, an inner side of the tread portion 2, and an outer side of the carcass 6. And a belt layer 7 arranged.
[0016]
The carcass 6 is formed of at least one carcass ply 6A in this example, in which carcass cords are arranged at an angle of 70 to 90 degrees with respect to the tire circumferential direction. The carcass ply 6A includes a ply folding portion 6b that is folded around the bead core 5 at both ends of the ply main body portion 6a straddling between the bead cores 5 and 5. A bead apex rubber 8 that extends in a tapered shape from the bead core 5 toward the outer side in the tire radial direction is disposed.
[0017]
In this example, the case where the ply turn-up portion 6b extends beyond the bead apex rubber 8 to the vicinity of the height position of the maximum width point B of the tire is used to reinforce the bead portion 4 and Increases tire lateral rigidity. The “maximum width point B” means a point where the length W between the points where the tire axial direction line M intersects the tire outer surface in the sidewall portion 3 becomes the maximum value Wb.
[0018]
The belt layer 7 is formed of at least two belt plies 7A and 7B in this example, in which belt cords are arranged at an angle of 10 to 35 degrees with respect to the tire circumferential direction. The belt plies 7A and 7B have a so-called cross structure in which the cords cross each other between the plies, thereby reinforcing the tread portion 2 with high rigidity.
[0019]
A band layer 9 can be disposed outside the belt layer 7 for the purpose of improving high-speed durability, high-speed steering stability, and the like. The band layer 9 is made of a band ply in which band cords are arranged substantially in parallel with the tire circumferential direction, covers at least the outer end portion of the belt layer 7 in the tire axial direction, and restrains its movement.
[0020]
Next, in the tire 1 of the present embodiment, the sidewall rubber 3G forming the sidewall portion 3 has a loss coefficient (tan δs) greater than the loss coefficient (tan δt) of the tread rubber 2G forming the tread portion 2. It is formed using a small low heat-generating rubber 10.
[0021]
Here, the “sidewall portion 3” is defined as a region from the tread end TU that is the outer end of the tread portion 2 to a separation point TL where the bead portion 4 is separated from the normal rim N. The “tread end TU” is a point where the outer surface of the sidewall portion 3 and the outer surface of the tread portion 2 intersect in an edge shape in the case of a square shoulder. In the case of a round shoulder or the like as in this example, It means the intersection of the radial line drawn from the point where the extended lines of the outer surface of the wall part 3 and the outer surface of the tread part 2 intersect with the outer surface.
[0022]
Further, the sidewall rubber 3G is a rubber disposed on the outside of the carcass 6 in the sidewall portion 3, and among these, the range of 70% or more of the outer surface of the sidewall portion 3 is the low heat-generating rubber 10. Forming. In this example, the low exothermic rubber 10 is formed between the hard clinch rubber 11 for preventing rim displacement and the tread rubber 2G.
[0023]
The loss coefficient (tan δs) of the low heat-generating rubber 10 is required to be at least smaller than the loss coefficient (tan δt) of the tread rubber 2G for the rolling resistance reduction effect of the present invention, The difference (tan δt−tan δs) is preferably 0.01 or more, and the loss factor (tan δs) is preferably 0.01 to 0.20. When the difference (tan δt−tan δs) is less than 0.01 or tan δs exceeds 0.20, the rolling resistance reduction effect is not sufficiently exhibited. On the other hand, when tan δs is less than 0.01, there is a possibility that the processability of rubber may be inferior.
[0024]
The tread rubber 2G may have a so-called two-layer structure of a so-called cap rubber layer and a base rubber layer. In such a case, the lower loss coefficient of the rubber layer is considered as tan δt. The loss factor is a value measured using a viscoelastic spectrometer manufactured by Iwamoto Seisakusho under the conditions of a temperature of 70 ° C., a frequency of 10 Hz, and a dynamic strain of ± 2%.
[0025]
Next, in the tire 1 of the present embodiment, in the meridional section of the tire in the reference low internal pressure state, the sidewall upper region 3U radially outward from the maximum width point B and the sidewall lower region 3L radially inward. Are formed using a substantially circular arc and / or a substantially straight contour line K whose outer surface is convex outward.
[0026]
Further, the sidewall upper region 3U and the sidewall lower region 3L each have an outer convex fold for facilitating the bending of the sidewall portion 3 in the range made of the low heat-generating rubber. It has the big characteristic in providing the protrusion area | region 20 which forms the bending part 21. FIG. At this time, the carcass 6 has a bent portion 6P that bends in accordance with the bent portion 21 at the position of each protruding region 20. As described above, the carcass 6 forms, as shown in FIGS. 1 to 3, the bent portion 6 </ b> P having an outwardly convex bent portion 6 </ b> P different from other regions connected to the bent portion 21. It is clear, that is, “having an outer convex bent part that bends in accordance with the bent part at the position of each protruding area” means that the reference low internal pressure state in which a rim is assembled to a normal rim and an internal pressure of 10 kPa is applied In the bent part 21 in the meridional section of the tire, the bent part 6P is formed in a bent shape different from other regions of the carcass 6 connected to the bent part 6P and bent outwardly. For convenience, the protruding region 20 of the sidewall upper region 3U may be referred to as the upper protruding region 20U, and the protruding region 20 of the sidewall lower region 3L may be referred to as the lower protruding region 20L.
[0027]
In this example, in particular, the case where the upper and lower protruding areas 20U and 20L protrude outward from the reference arc J passing through the maximum width point B and the upper and lower outer surface points A and C, respectively. The “upper outer surface point A” is a rim width line L passing through the rim heel point NP in the radial direction when the point where the extension line between the rim seat of the rim N and the inner surface of the rim flange intersect is defined as the rim heel point NP. Means the point where the outer surface of the tire intersects on the tread portion 2 side. The “lower outer surface point C” means a point where the rim width line L intersects the outer surface of the tire on the bead portion 4 side. In the present example, the upper outer surface point A is located on the outer side in the tire axial direction from the tread end TU.
[0028]
In addition, as shown in FIG. 2 in an enlarged manner, in the upper projecting area 20U, the bent portion 21 extends from the upper outer surface point A and extends to the upper contour line K1U extending outside the reference arc J. A lower contour line K1L extending from the maximum width point B and beyond the reference arc J is formed at a position where it intersects in a bent shape.
[0029]
Similarly, the bent portion 21 of the lower protruding area 20L has a lower outline K2L extending from the lower outer surface point C and extending beyond the reference arc J, as shown in FIG. The upper contour line K2U extending from the maximum width point B and exceeding the reference arc J is formed at a position where it intersects in a bent shape.
[0030]
Here, the upper and lower outlines K1U, K1L, K2U, and K2L are substantially larger arc lines and / or curvature radii in which the curvature radius is 2.0 times or more the curvature radius R0 of the reference arc J. It is formed using a substantially straight line that is infinitely large. In this example, the upper and lower contour lines K1U, K1L, K2U, and K2L are formed by a large arc that is close to a straight line having a radius of curvature of about 3.5 × R0 or more, and the tire contour shape is close to a rectangular shape. The preferable case is illustrated.
[0031]
The bent portion 21 may be formed by intersecting the upper and lower contour lines K1U, K1L, K2U, K2L in an edge shape, and may be smoothly connected by a small arc 21A as in this example. . At this time, the curvature radius of the small arc 21A is preferably 0.5 times or less, more preferably 0.45 times or less of the curvature radius R0 of the reference arc J.
[0032]
Thus, since the protruding area 20 having the bent portion 21 is provided in each of the sidewall upper region 3U and the sidewall lower region 3L, the sidewall portion 3 is bent and deformed starting from the bent portion 21. It becomes easy. That is, the deflection due to the load can be concentrated on the sidewall portion 3 using the low heat-generating rubber 10 and the deflection of the tread portion 2 can be reduced. As a result, the rolling resistance of the entire tire can be reduced. And since the said protrusion area | region 20 protrudes on the tire outer side rather than the reference | standard circular arc J, the air volume of a tire can be enlarged and the reduction | decrease of the whole deflection | deviation by load load can also be aimed at.
[0033]
In addition, since it does not reduce the volume of the tread rubber 2G or change its rubber characteristics, it is possible to maintain steering stability, wear resistance, wet grip properties, and the like.
[0034]
Here, in order to further facilitate the deformation of the sidewall portion 3, when the bent point 21 protrudes most from the reference arc J is 21P, in the upper protruding region 20U, the protruding point 21P. Is preferably located as far as possible in the tire radial direction outside and in the tire axial direction outside. In particular, the protruding point 21P is preferably positioned on the outer side of the tire with respect to the tangent SU of the reference arc J passing through the upper outer surface point A, as shown in FIGS. 2, 5A, and 5B. In order to avoid the influence of the belt layer 7, it is preferable to keep the protruding point 21 </ b> P inward in the radial direction from the outer end in the tire axial direction of the belt layer 7.
[0035]
In the lower protrusion region 20L, it is preferable that the position of the protrusion point 21P be positioned as far as possible in the tire radial direction inner side and in the tire axial direction outer side. In particular, the protruding point 21P is preferably positioned outside the tire with respect to the tangent line SL of the reference arc J passing through the lower outer surface point C as shown in FIG.
[0036]
For the same purpose, the difference between the total tire thickness T1U at the bent portion 21 in the upper protruding area 20U and the total tire thickness T2 at the maximum width point B | T1U-T2 | and the lower protrusion It is also preferable to reduce the difference | T1L-T2 | between the total tire thickness T1L at the bent portion 21 in the region 20L and the total tire thickness T2 at the maximum width point B to 5.0 mm or less. At this time, it is also preferable to reduce the difference Tmax−Tmin between the maximum value Tmax and the minimum value Tmin among the tire total thicknesses T1U, T1L, T2 to 5.0 mm or less.
[0037]
This is because if the differences | T1U−T2 |, | T1L−T2 |, and Tmax−Tmin exceed 5.0 mm, the movement of the sidewall portion 3 is limited during internal pressure filling, and deformation is less likely to occur. Therefore, the difference is more preferably 3.0 mm or less. In addition, if it is less than 0.5 mm, it is inferior to external resistance.
[0038]
Further, in order to reduce the influence of the bead apex rubber 8 as much as possible and to facilitate the deformation at the bent portion 21, the bead apex rubber 8 is made to have a tire radius that is higher than the height position of the protruding point 21P in the lower protruding area 20L. It should be terminated inside the direction.
[0039]
The height H1 in the tire radial direction between the upper and lower protruding points 21P, 21P is preferably 0.30 to 0.85 times the cross-sectional height H of the tire in order to perform deformation in a well-balanced manner. 0.65 times is more preferable.
[0040]
Further, as a result of research by the present inventor, a tire having a large change in the maximum width of the tire before and after inflation is easily deformed by a load, and the side wall is caused by a synergistic effect with the bent portion 21. It has been found that the deflection can be further concentrated in the part, and the rolling resistance can be further improved.
[0041]
That is, as shown in FIG. 4, the movement amount D in the tire axial direction on the tire one side from the maximum width point B in the reference low pressure state to the maximum width point Bp in the reference state with an internal pressure of 200 kPA is as follows: When satisfying the formula (1), a greater effect of improving rolling resistance can be exhibited by the synergistic effect with the bent portion 21. The “maximum width point Bp” is a point where, in the reference state, the length W between the points where the tire axial direction line intersects the tire outer surface in the sidewall portion 3 becomes the maximum value Wbp.
3 ≦ (D / V) × 100 --- <1>
[0042]
Further, “V” in the equation (1) is a size factor for normalizing the movement amount D and correcting it to a value according to the tire size, and is set by the following equation (2).
V = {(Y−X) / Wbp} × (Wbp−Wr)
Y: Tire outer diameter in the standard state X: Diameter at the rim heel point (rim diameter)
Wbp: Maximum tire width in reference state Wr: Distance between rim heel points (rim width)
[0043]
When the value (D / V) × 100 is 3.0 or more, further 4.0 or more, and further 5.0 or more, the improvement effect of rolling resistance becomes high, and conversely if it is less than 3.0, the improvement effect. Becomes lower.
[0044]
As mentioned above, although especially preferable embodiment of this invention was explained in full detail, this invention is not limited to embodiment of illustration, It can deform | transform and implement in a various aspect.
[0045]
【Example】
A passenger car radial tire having the structure shown in FIG. 1 and having a tire size of 195 / 65R15 was made on the basis of the specifications shown in Table 1, and the rolling resistance of the sample tire was measured and compared.
[0046]
(1) Rolling resistance:
Rolling when a sample tire is filled with a rim (15 x 5.5 JJ) and internal pressure (200 kPa) and run on a drum of a rolling resistance tester at a load (4.5 kN) and speed (80 km / h) The resistance was measured and displayed as an index when Comparative Example 1 (conventional tire) was set to 100. A smaller index is better.
[0047]
[Table 1]
Figure 0004057282
[0048]
As shown in the table, it can be confirmed that the rolling resistance of the examples is improved.
[0049]
【The invention's effect】
As described above, the present invention uses a low heat-generating rubber for the side wall portion, and the side wall portion is provided with an outwardly convex bent portion for facilitating the bending. Can be transferred to the side wall portion of the low heat-generating rubber, and the rolling resistance can be reduced in total.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing an embodiment of a pneumatic tire according to the present invention.
FIG. 2 is a diagram illustrating a contour shape of a region above a sidewall.
FIG. 3 is a diagram for explaining a contour shape of a region below a sidewall.
FIG. 4 is a diagram for explaining a movement amount of a maximum width point between a reference low internal pressure state and a reference state.
5A and 5B are cross-sectional views of tires of Examples 2 and 3 used in Table 1. FIG.
6 is a cross-sectional view of a tire of Comparative Example 1 used in Table 1. FIG.
[Explanation of symbols]
2 Tread part 2G Tread rubber 3 Side wall part 3G Side wall rubber 3U Side wall upper area 3L Side wall lower area 4 Bead part 5 Bead core 6 Carcass 7 Belt layer 10 Low heat-generating rubber 20, 20U, 20L Protrusion area 21 Bent part K Contour lines K1U, K2U Contour lines K1L, K2L Contour lines N Normal rim NP Rim heel point

Claims (4)

接地域を有するトレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアで折り返すカーカスと、トレッド部の内方かつ前記カーカスの外側に配されるベルト層とを具え、
前記サイドウォール部をなすサイドウォールゴムを、その損失係数(tan δs)が前記トレッド部をなすトレッドゴムの損失係数(tan δt)よりも小さい低発熱性ゴムを用いて形成するとともに、
正規リムにリム組みしかつ10kPaの内圧を付加した基準低内圧状態におけるタイヤの子午断面において、
タイヤ軸方向線がサイドウォール部においてタイヤ外表面と交わる点間の長さWが最大値Wbとなる最大巾点Bから半径方向外方のサイドウォール上方領域、及び半径方向内方のサイドウォール下方領域は、外表面が外に向かって凸の略円弧状及び/又は略直線状の輪郭線を用いて形成され、
しかもこのサイドウォール上方領域及びサイドウォール下方領域は、前記低発熱性ゴムからなる範囲において、前記輪郭線が、前記サイドウォール部の折れ曲がりを容易とするための外凸の折曲がり部を形成する突出域を具え、
かつ前記カーカスは、各突出域の位置に、前記折曲がり部に準じて屈曲する外凸の屈曲部を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
A carcass that is turned from the tread portion having the contact area to the side wall portion by a bead core of the bead portion, and a belt layer disposed inside the tread portion and outside the carcass,
The sidewall rubber forming the sidewall portion is formed using a low heat-generating rubber whose loss coefficient (tan δs) is smaller than the loss coefficient (tan δt) of the tread rubber forming the tread portion,
In the meridional section of the tire in a reference low internal pressure state in which a rim is assembled to a normal rim and an internal pressure of 10 kPa is applied,
The region above the sidewall in the radial direction from the maximum width point B at which the length W between the points where the tire axial direction line intersects the tire outer surface at the sidewall portion becomes the maximum value Wb, and the sidewall below in the radial direction The region is formed by using a substantially arc shape and / or a substantially straight outline whose outer surface is convex outward.
In addition, the sidewall upper region and the sidewall lower region, in the range made of the low heat-generating rubber, the protrusion forms an outwardly convex bent portion for facilitating the bending of the sidewall portion. With area,
And the said carcass has the outward convex bending part bent according to the said bending part in the position of each protrusion area, The pneumatic tire characterized by the above-mentioned.
前記サイドウォール上方領域の突出域及びサイドウォール下方領域の突出域は、前記最大巾点Bと、前記リムのリムシートとリムフランジ内面との延長線が交わるリムヒール点を半径方向に通るリム巾線Lがトレッド部側においてタイヤの外表面と交わる上の外面点Aと、前記リム巾線Lがビード部側においてタイヤの外表面と交わる下の外面点Cとを通る基準円弧Jよりもタイヤ外側に突出するとともに、
サイドウォール上方領域の突出域は、前記上の外面点Aからのび前記基準円弧Jを外に越える上の輪郭線と、前記最大巾点Bからのび前記基準円弧Jを外に越える下の輪郭線ととにより前記折曲がり部を形成し、かつサイドウォール下方領域の突出域は、前記下の外面点Cからのび前記基準円弧Jを外に越える下の輪郭線と、前記最大巾点Bからのび前記基準円弧Jを外に越える上の輪郭線ととにより前記折曲がり部を形成することを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
The protruding region in the upper region of the side wall and the protruding region in the lower region of the side wall are the rim width line L passing in the radial direction through the maximum width point B and the rim heel point where the extension line between the rim seat of the rim and the inner surface of the rim flange intersects. On the tire outer side than the reference arc J passing through the upper outer surface point A that intersects the outer surface of the tire on the tread portion side and the lower outer surface point C where the rim width line L intersects the outer surface of the tire on the bead portion side. With protrusions
The protruding region of the upper side wall region includes an upper contour line extending from the upper outer surface point A and exceeding the reference arc J, and a lower contour line extending from the maximum width point B and beyond the reference arc J. And the projecting area of the lower region of the sidewall extends from the lower outer surface point C and extends downward from the reference arc J and from the maximum width point B. 2. The pneumatic tire according to claim 1, wherein the bent portion is formed by an upper contour line that extends outside the reference arc J. 3.
前記各突出域は、前記上の突出域20Uにおける折曲がり部21でのタイヤ全厚さT1Uと、前記最大巾点Bでのタイヤ全厚さT2との差|T1U−T2|、及び下の突出域20Lにおける折曲がり部21でのタイヤ全厚さT1Lと、最大巾点Bでの前記タイヤ全厚さT2との差|T1L−T2|を、5.0mm以下とすることを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。  Each of the protruding areas has a difference | T1U−T2 | between a tire total thickness T1U at the bent portion 21 in the upper protruding area 20U and a tire total thickness T2 at the maximum width point B, and The difference | T1L-T2 | between the tire total thickness T1L at the bent portion 21 in the protruding region 20L and the tire total thickness T2 at the maximum width point B is 5.0 mm or less. The pneumatic tire according to claim 1 or 2. 前記基準低圧状態の前記最大巾点Bから、200kPaの内圧を付加した基準状態において、タイヤ軸方向線がサイドウォール部においてタイヤ外表面と交わる点間の長さWが最大値Wbpとなる最大巾点Bpまでのタイヤ片側でのタイヤ軸方向の移動量Dは、以下の式を充足することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の空気入りタイヤ。
3≦(D/V)×100
V={(Y−X)/Wbp}×(Wbp−Wr)
Y:基準状態でのタイヤ外径
X:リムヒール点での直径(リム径)
Wbp:基準状態でのタイヤ最大巾
Wr:リムヒール点間の距離(リム巾)
The maximum width at which the length W between the points where the tire axial direction line intersects the outer surface of the tire in the sidewall portion becomes the maximum value Wbp in the reference state where an internal pressure of 200 kPa is applied from the maximum width point B in the reference low pressure state. The pneumatic tire according to any one of claims 1 to 3, wherein a movement amount D in the tire axial direction on one side of the tire up to the point Bp satisfies the following expression.
3 ≦ (D / V) × 100
V = {(Y−X) / Wbp} × (Wbp−Wr)
Y: Tire outer diameter in the standard state X: Diameter at the rim heel point (rim diameter)
Wbp: Maximum tire width in standard condition Wr: Distance between rim heel points (rim width)
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