JP4056430B2 - 医療用酸素濃縮装置および酸素濃度測定方法 - Google Patents

医療用酸素濃縮装置および酸素濃度測定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波により、サンプルガスの濃度を測定する装置に関するものである。さらに詳細には、例えば医療目的で使用される酸素濃縮器から送り出されたサンプルガス中の酸素濃度の測定に適する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、慢性閉塞性肺疾患や肺結核後遺症等の呼吸器疾患患者が増加する傾向にあるが、その最も効果的な治療法の一つとして酸素吸入法があり、空気中から酸素濃縮気体を直接分離する酸素濃縮装置が開発され、使用時の利便性、保守管理の容易さから酸素吸入法のための治療器として次第に普及してきている。また、呼吸器疾患を持たない健常人に対しても、健康維持またはリフレッシュ用途として酸素吸入法が広まりつつあり、酸素濃縮装置が利用されている。
【0003】
かかる酸素濃縮装置としては、(1)酸素選択透過膜を用いた膜分離型酸素濃縮装置、(2)窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を用いた吸着型酸素濃縮装置、または、(3)酸素イオンを選択的に透過する固体電解質膜を利用し、電気化学的に酸素を生成する装置、などがあるが、吸着型酸素濃縮装置が最も一般的である。吸着型酸素濃縮装置としては、空気圧縮装置を用いた圧力変動吸着型酸素濃縮装置があり、通常、窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を充填した吸着筒に、コンプレッサで圧縮した圧縮空気を導入して加圧状態で窒素を吸着させることにより酸素濃縮気体を得る吸着工程と、吸着筒の内圧を減少させて窒素を脱着させ吸着剤の再生を行う脱着工程を交互に行うことにより酸素濃縮気体を使用者に供給する酸素濃縮装置である。
【0004】
このような酸素濃縮装置には供給する酸素濃縮空気の酸素濃度をモニタリングする酸素濃度センサが搭載され、ジルコニア式酸素濃度センサの他、超音波式酸素濃度センサが使用される。
【0005】
サンプルガス中を伝播する超音波の伝播速度は、サンプルガスの濃度、温度の関数として表されることが広く知られている。サンプルガスの平均分子量をM、温度をT[K]とすれば、サンプルガス中の超音波伝播速度C[m/sec]は、次式で表される。
【0006】
【数1】
Figure 0004056430
【0007】
ここで、k、Rは定数(k:定積モル比熱と定圧モル比熱の比、R:気体定数)である。すなわち、サンプルガス中の超音波伝播速度C[m/sec]とサンプルガスの温度T[K]が測定できれば、サンプルガスの平均分子量Mを決定できる。該サンプルガスが、例えば酸素と窒素の2分子からなるガスであれば、k = 1.4となることが知られている。該サンプルガスの平均分子量Mは、酸素の分子量を32、窒素の分子量を28として、例えば酸素100×P[%](0≦P≦1)と窒素100×(1−P)[%]の場合においては、M = 32 P+28 (1−P)と記述することができ、測定された平均分子量Mから酸素濃度Pを決定できる。
【0008】
超音波反射式ガス濃度測定装置の特徴として、サンプルガスの流量に関わらずサンプルガスの濃度を測定することが可能である。すなわち、サンプルガスの流速が0でのサンプルガス中の超音波伝播速度がC[m/sec]であれば、超音波振動子から超音波反射板に向かう方向へのサンプルガスの流速がV[m/sec]であったとき,超音波振動子から超音波反射板に向かう超音波伝播速度はC+Vとなり、超音波反射板にて反射された超音波が該超音波振動子に戻る方向への超音波伝播速度はC‐Vとなる。超音波反射式の装置にて測定される超音波の伝播速度は、往復する超音波の平均速度となるため、サンプルガスの流速Vはキャンセルされて、サンプルガスの流速が0でのサンプルガス中の超音波伝播速度Cが測定されることになる。
【0009】
該原理を利用し、サンプルガス中を伝播する超音波の伝播速度もしくは伝播時間からサンプルガスの濃度を測定する方法及び装置に関しては、種々の提案が行われている。たとえば、特開平6−213877号公報には、サンプルガスが通る配管中に超音波振動子2つを対向させて配置し、該超音波振動子間を伝播する超音波の伝播時間を計測することによってサンプルガスの濃度及び流量を測定する装置が記載されている。また、特開平7−209265号公報や特開平8−233718号公報には、超音波振動子1つを使用した音波反射方式でセンシングエリア内を伝播する超音波の伝播速度もしくは伝播時間を測定することにより、サンプルガスの濃度を測定する装置が記載されている。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−213877号公報
【特許文献2】
特開平7−209265号公報
【特許文献3】
特開平8−233718号公報
【特許文献4】
特開平9−318644号公報
【特許文献5】
特開昭60−138422号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このような超音波の伝播速度を用いてサンプルガスの濃度を正確に測定する方法および装置においては、超音波の伝播時間を正確に検出しなければならない。しかしながら、超音波の受信波形には常にノイズ成分が含まれており、超音波を受信した瞬間の時間を直接検出することは非常に困難であり、一般的に複雑な信号処理手法や、複雑なハ−ドウェアを搭載することにより、超音波伝播時間を推定する方法が用いられている。たとえば、特開平9−318644号公報には、受信された超音波波形を積分し、その積分出力が基準値に達したのちにおける受信波のゼロクロス時間を流速測定のための超音波伝播時間とする方法が記載されている。該方法により、受信波形の振幅が多少変動したとしてもゼロクロスのタイミングが変動しないため、受信波の到達時間に比較的近い位置でのゼロクロス時間を獲得できるが、残念ながら獲得されるゼロクロス時間は真の超音波伝播時間ではなく、とりわけ濃度測定においては真の超音波伝播時間と検出されたゼロクロス時間との差異が測定誤差に大きく影響する。また、たとえば特開昭60−138422号公報には、受信波形の包絡線波形から算出された近似式に基づいて包絡線波形の立ち上がり時間を検出し、真の超音波伝播時間とする方法が記載されている。しかしながら、包絡線波形から超音波伝播時間を推定する方法においては、包絡線波形を得るために受信波形をサンプリングするためのハ−ドウェアを必要とし、また、包絡線を計算するために複雑な信号処理を必要とするため、安価で小型の装置を作成することが困難であった。
【0012】
本発明は、複雑な信号処理やハ−ドウェアを必要とせずにサンプルガスの濃度を測定する方法、および、必要最小限の部品のみを用いることで安価かつ小型の超音波反射式ガス濃度測定装置およびそれを搭載した酸素濃縮装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる目的を達成するために鋭意研究した結果、サンプルガスの流れる配管中に、対向させて配置した超音波振動子と超音波反射板、および、受信超音波のゼロクロス時間検出回路、温度センサを具備する超音波反射式ガス濃度測定方法および装置において、サンプルガスの取り得る濃度範囲、および、温度範囲から、サンプルガス中を伝播する超音波の音速の取り得る範囲を事前に知ることで、好適な超音波振動子と超音波反射板との間の距離を設定すれば、サンプルガス温度とゼロクロス時間のみを検出することで、受信超音波の波形情報を獲得することなく、静止サンプルガス中における超音波伝播時間を正確に検出でき、サンプルガスの濃度を測定することができることを見出したものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に実施例を示す。本実施例においては、酸素と窒素の2分子からなるサンプルガスの、酸素濃度を測定する方法および装置に関して示す。さらに、本実施例では、サンプルガスの酸素濃度範囲が0[%O2]〜100[%O2]であり、また、サンプルガスの温度範囲は、5[℃]〜35[℃]である場合に関して示す。また、本実施例では、中心周波数が40[kHz]の超音波振動子を使用する。本発明によって測定できるサンプルガスは、本実施例に示す酸素と窒素からなるサンプルガスだけに限定されるものではなく、他の分子によって構成されるガスに対しても容易に適用できる。また、サンプルガスの取り得る濃度範囲、温度範囲も本実施例における範囲に限定されるものではなく、他の範囲においても容易に適用できる。さらに、超音波振動子の中心周波数も40[kHz]に限定されるものではなく、他の中心周波数を持つ超音波振動子に対しても容易に適用できる。
【0015】
超音波反射式酸素濃度測定手段の構成は図1に示すとおりである。サンプルガスの流れる配管1の中に超音波振動子2と超音波反射板10を対向させて配置し、該超音波振動子2の送受信を切り替える切り替え器4、該超音波振動子2に超音波送信パルスを伝えるドライバ5、超音波受信波形のゼロクロス時間を検出するゼロクロス時間検出回路6、サンプルガスの濃度を算出するためのマイクロコンピュ−タ7、及び、配管1の中にサンプルガスの温度を測定する温度センサ3を備える。
【0016】
超音波の送受信により、受信超音波のゼロクロス時間を検出する方法は各種提案されている。最も簡便な方法は、ゼロクロスコンパレ−タを搭載し、コンパレ−タ出力の立ち上がりエッジ、もしくは、立ち下りエッジを検出するものである。図2に超音波受信波形の一例を示す。超音波の受信波形には各種ノイズ成分が含まれるため、正確にゼロクロス時間を検出するためには、受信振幅が十分大きくなったところにてゼロクロスコンパレ−タの出力を獲得することが望ましい。すなわち、獲得されるゼロクロス時間は受信超音波の第一波目ではなく、それ以降の例えば第3波目や、第4波目にて得られることになる。
【0017】
図3に、本実施例でのゼロクロス時間検出回路6におけるゼロクロス時間検出方法を示す。ゼロクロス検出回路6には、ノイズレベルよりも十分大きい電圧値にて受信波形の存在を検出するためのトリガコンパレ−タ、および、トリガコンパレ−タの出力が発生した時間(図3中のトリガ検出位置)以降のゼロクロス時間を検出できるゼロクロスコンパレ−タを含む。獲得するゼロクロス時間は1点ではなく、連続した数点を取ることが望ましい。連続した数点のゼロクロス時間を獲得することによって、事前に超音波の受信周波数が不明な場合においても、該ゼロクロス時間の間隔から、受信周波数を計算できるためである。本実施例においては、連続した3点のゼロクロス時間(図3中のZc1、Zc2、Zc3)を獲得することとした。
【0018】
受信超音波のゼロクロス間隔は、常に中心周波数から計算される1周期分の時間間隔となるはずである。中心周波数40[kHz]の超音波振動子を用いる場合の1周期分の時間は、1/40000[sec]=25[μsec]となる。すなわち、ゼロクロス検出回路6にて得られた先頭のゼロクロス時間は超音波受信時間そのものではないが、該ゼロクロス時間から25[μsec]の整数倍を巻き戻した時間のいずれかに真の超音波受信時間が存在することになる。
【0019】
すなわち、獲得されたゼロクロス時間が第何波目以降のゼロクロス時間であるか不明であっても、先述の超音波伝播時間の取り得る範囲内に、該ゼロクロス時間から1周期の整数倍だけ巻き戻して得られる時間が常に1つだけ存在する振動子間距離Lを設定することで、容易に真の超音波伝播時間を推定できることになる。
【0020】
以下、超音波振動子と超音波反射板との間の距離を好適に設定する方法に関して示す。
サンプルガスの濃度範囲が既知であれば、各温度での流速ゼロにおけるサンプルガス中を伝播する音速の範囲は、式1を用いて容易に計算できる。酸素の分子量を32、窒素の分子量を28とすれば、例えば、温度20℃の場合において、酸素濃度0%の場合の音速は式1より、349.1[m/sec]となり、酸素濃度100%の場合の音速は、326.6[m/sec]と計算される。すなわち、サンプルガスの酸素濃度が変化した場合において、20℃におけるサンプルガス中の音速は、常に326.6[m/sec]〜349.1[m/sec]の範囲に収まることになり、該範囲の両端を音速の上限、下限とする。
【0021】
サンプルガス温度の取り得る範囲である5℃〜35℃において計算される、温度と音速の関係をグラフ化したものを、図4に示す。図4にて明らかなように、音速Cの上限、下限は温度Tの関数として表すことができ、温度Tにおける音速の上限をCmax(T)、下限をCmin(T)とする。
【0022】
次に、好適にしたい超音波振動子2と超音波反射板10との間の距離をLs[m]とする。音速の取り得る範囲が先述の通りあらかじめ分かっているため、超音波伝播時間の取り得る範囲は、Lsを用いて表すことができる。すなわち超音波伝播時間の取り得る範囲は、2Ls/Cmax(T)[sec] 〜 2Ls/Cmin(T)[sec]である。
【0023】
該超音波伝播時間の取り得る範囲に、ゼロクロス時間検出回路6にて得られる該ゼロクロス時間から1周期の整数倍だけ巻き戻して得られる時間が常に1つだけにするためには、伝播時間の取り得る範囲が超音波の1周期分の時間未満であれば良い(図5)。超音波の周波数をfr[Hz]とすれば、1周期の時間は1/fr[sec]となる。すなわち、下記式2を常に満たすLsを選定すれば良い。
【0024】
【数2】
Figure 0004056430
【0025】
“2Ls / Cmin(T) − 2Ls / Cmax(T)”の値を最大にする温度Tは、本実施例においてはサンプルガスの温度範囲下限の5℃である。5℃におけるCmax(5℃)、Cmin(5℃)はそれぞれ、Cmax(5℃)=340.1[m/sec]、Cmin(5℃)=318.1[m/sec]となる。さらに、本実施例における超音波の周波数frは、fr=40[kHz]=40000[Hz]であるため、式3を満たす振動子間距離Lsは、Ls<6.1[cm]となり、およそ6[cm]未満の距離となるように超音波振動子2と超音波反射板10を設置すれば良いことになる。本実施例においては、超音波振動子2と超音波反射板10の間の距離として、5[cm]を採用した。
【0026】
以下、本実施例におけるサンプルガスの酸素濃度測定方法に関して述べる。サンプルガス投入中において、マイクロコンピュ−タ7より超音波の送信パルスをドライバ5に送り、送受信切り替え器4を通して超音波振動子2にパルス電圧が印加され、超音波が送信される。超音波送信後、超音波反射板10によって反射された超音波を該超音波振動子2にて受信できるよう、送受信切り替え器4にて該超音波振動子2を受信可能状態にする。その後、超音波反射板10にて反射して該超音波振動子2によって受信された超音波は、送受信切り替え器4を介して、ゼロクロス検出回路6に入力され、得られたゼロクロス時間3つ(Zc1、Zc2、Zc3)をマイクロコンピュ−タ7に送る。
【0027】
続いて、マイクロコンピュ−タ7は、超音波振動子と超音波反射板との間の距離をLs[m]とし(本実施例においては、Ls=0.05[m])、温度センサ3の出力T℃を読み取り、サンプルガスの温度T℃に応じた超音波伝播時間の範囲2Ls/Cmax(T)[sec]〜2Ls/Cmin(T)[sec]を計算する。さらに、該ゼロクロス時間から該超音波伝播時間の範囲に入るまで、受信超音波の1周期分の時間=25[μsec]の整数倍を巻き戻していき、超音波伝播時間ts[sec]を確定する(図5)。この結果より、静止したサンプルガス中の超音波伝播速度Cs[m/sec]は次式3にて求めることができる。
【0028】
【数3】
Figure 0004056430
【0029】
ここで、酸素の分子量をMO2、窒素の分子量をMN2、温度センサ出力のT[℃]を単位変換してTs[K]とし、求めたい酸素濃度をPsとして式1を変形すると、次式4が得られる。
【0030】
【数4】
Figure 0004056430
【0031】
式4より、サンプルガスの酸素濃度は100×Ps[%]として測定できる。もしくは、サンプルガスの酸素濃度は、サンプルガス中の超音波伝播速度と、酸素100%、窒素100%のガス中の超音波伝播速度の比として求めることも可能である。すなわち、式1を用いれば温度Ts[K]における酸素100%中の超音波伝播速度CO2[m/sec]、窒素100%中の超音波伝播速度CN2[m/sec]は容易に求めることができ、サンプルガス中の超音波伝播速度Cs[m/sec]を使い、以下の式5によっても、Psを計算できる。
【0032】
【数5】
Figure 0004056430
【0033】
上記の計算は、マイクロコンピュ−タ7にて実施され、濃度測定結果は表示器8に表示される。
【0034】
上記超音波反射式酸素濃度測定手段を医療用酸素濃縮装置に組み込んだ構成を図6に示す。かかる酸素濃縮装置は圧力変動吸着方式の2塔式酸素濃縮装置であり、コンプレッサ12により加圧空気を吸着塔11に供給し、酸素よりも窒素を選択的に吸着するゼオライト13X吸着剤で窒素を吸着させ、酸素を取り出すものである。酸素濃縮空気は製品タンク16に一旦貯溜された後、調圧弁17、流量設定器21を経て超音波式酸素濃度測定手段18に供給され、酸素濃度を検知する。かかる実施態様例は2塔式酸素濃縮装置であるが、1塔式、多塔式、圧力変動吸着式や酸素富化膜を用いた膜式、固体電解質膜を用いるものなど、各種酸素濃縮器に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波反射式酸素濃度測定手段の構成を示す概略図。
【図2】超音波受信波形の一例。
【図3】ゼロクロス時間検出回路によるゼロクロス時間検出方法の例。
【図4】温度と音速の関係。
【図5】静止したサンプルガス中の超音波伝播時間を求める例。
【図6】本発明の医療用酸素濃縮装置の概略構成図。
【符号の説明】
1 配管
2 超音波振動子
3 温度センサ
4 送受信切り替え器
5 ドライバ
6 ゼロクロス検出回路
7 マイクロコンピュ−タ
8 表示器
9 不揮発性メモリ
10 超音波反射板
11 吸着筒
12 コンプレッサ
13 フィルタ
14 切り替え弁
15 逆止弁
16 製品タンク
17 調圧弁
18 超音波式酸素濃度測定手段
19 製品フィルタ
21 流量測定器

Claims (14)

  1. 空気中から酸素を分離する酸素濃縮手段と、酸素濃縮手段の下流の酸素濃縮空気が流れる配管中に対向させて配置した超音波を送受信する超音波振動子および反射板と、受信超音波のゼロクロス時間検出手段とを備えた酸素濃縮装置において、該ゼロクロス時間検出手段が酸素濃縮空気中で送受信された超音波の受信波形からゼロクロス時間を検出し、真の超音波伝播時間の取り得る範囲を導き出し、該超音波伝播時間の取り得る範囲に入るまで該ゼロクロス時間から受信超音波の1周期分の時間を整数倍巻き戻すことによって真の超音波伝播時間を演算することを特徴とする医療用酸素濃縮装置。
  2. 該真の超音波伝播時間のとりうる範囲を、酸素濃縮空気の濃度範囲および温度範囲から導き出すことを特徴とする請求項1に記載の酸素濃縮装置。
  3. 該超音波振動子と該超音波反射板の間の距離が、酸素濃縮空気の酸素濃度範囲および温度範囲に基づいて、酸素濃縮空気中で超音波の送受信を実施した際に得られる真の超音波伝播時間の取り得る範囲の幅が受信超音波の1周期分の時間未満になる距離に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の医療用酸素濃縮装置。
  4. 酸素濃縮空気が流れる該配管中に、酸素濃縮空気の温度を測定する温度センサを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の酸素濃縮装置。
  5. 該超音波振動子と該超音波反射板の間の距離(L)が、次式を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の医療用酸素濃縮装置。
    2L/Cmin(Tmin) − 2L/Cmax(Tmin) < 1/fr
    但し、
    min(Tmin):酸素濃縮空気の温度下限値(Tmin℃)において、酸素濃縮空気の濃度範囲から計算される静止ガス中を伝播する超音波の理論的音速範囲の下限値[m/sec]
    max(Tmin):酸素濃縮空気の温度下限値(Tmin℃)において、酸素濃縮空気の濃度範囲から計算される静止ガス中を伝播する超音波の理論的音速範囲の上限値[m/sec]
    fr:酸素濃縮空気中を伝播する超音波の受信周波数[Hz]
  6. サンプルガスが流れる配管中に対向させて配置した超音波を送受信する超音波振動子および反射板と、受信超音波のゼロクロス時間検出手段とを備えたガス濃度測定装置において、該ゼロクロス時間検出手段がサンプルガス中で送受信された超音波の受信波形からゼロクロス時間を検出し、真の超音波伝播時間の取り得る範囲を導き出し、該超音波伝播時間の取り得る範囲に入るまで該ゼロクロス時間から受信超音波の1周期分の時間を整数倍巻き戻すことによって真の超音波伝播時間を演算する手段であることを特徴とする超音波反射式ガス濃度測定装置。
  7. 該真の超音波伝播時間のとりうる範囲を、酸素濃縮空気の濃度範囲および温度範囲から導き出すことを特徴とする請求項6に記載の超音波反射式ガス濃度測定装置。
  8. 該超音波振動子と該超音波反射板の間の距離が、酸素濃縮空気の酸素濃度範囲および温度範囲に基づいて、サンプルガス中で超音波の送受信を実施した際に得られる真の超音波伝播時間の取り得る範囲の幅が受信超音波の1周期分の時間未満になる距離に設定されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の超音波反射式ガス濃度測定装置。
  9. サンプルガスが流れる該配管中に、サンプルガスの温度を測定する温度センサを備えたことを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の超音波反射式ガス濃度測定装置。
  10. 該超音波振動子と該超音波反射板の間の距離(L)が、次式を満たすことを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載の超音波反射式ガス濃度測定装置。
    2L/Cmin(Tmin) − 2L/Cmax(Tmin) < 1/fr
    但し、
    min(Tmin):サンプルガスの温度下限値(Tmin℃)において、サンプルガスの濃度範囲から計算される静止サンプルガス中を伝播する超音波の理論的音速範囲の下限値[m/sec]
    max(Tmin):サンプルガスの温度下限値(Tmin℃)において、サンプルガスの濃度範囲から計算される静止サンプルガス中を伝播する超音波の理論的音速範囲の上限値[m/sec]
    fr:サンプルガス中を伝播する超音波の受信周波数[Hz]
  11. サンプルガス中で送受信された超音波の受信波形からゼロクロス時間を検出するステップ、真の超音波伝播時間の取り得る範囲を導き出すステップ、該超音波伝播時間の取り得る範囲に入るまで該ゼロクロス時間から受信超音波の1周期分の時間を整数倍巻き戻すことにより真の超音波伝播時間を演算するステップ、該真の超音波伝播時間からサンプルガスの濃度を演算するステップを有することを特徴とする超音波ガス濃度測定方法。
  12. 該真の超音波伝播時間のとりうる範囲を、酸素濃縮空気の濃度範囲および温度範囲から導き出すことを特徴とする請求項11に記載の超音波ガス濃度測定方法。
  13. 超音波を送受信する超音波振動子と該超音波反射板の間の距離が、酸素濃縮空気の酸素濃度範囲および温度範囲に基づいて、サンプルガス中で超音波の送受信を実施した際に得られる真の超音波伝播時間の取り得る範囲の幅が受信超音波の1周期分の時間未満になる距離に設定されていることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の超音波ガス濃度測定方法。
  14. 該超音波振動子と該超音波反射板の間の距離(L)が、次式を満たす距離を選定することを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の超音波ガス濃度測定方法。
    2L/Cmin(Tmin) − 2L/Cmax(Tmin) < 1/fr
    但し、
    min(Tmin):サンプルガスの温度下限値(Tmin℃)において、サンプルガスの濃度範囲から計算される静止サンプルガス中を伝播する超音波の理論的音速範囲の下限値[m/sec]
    max(Tmin):サンプルガスの温度下限値(Tmin℃)において、サンプルガスの濃度範囲から計算される静止サンプルガス中を伝播する超音波の理論的音速範囲の上限値[m/sec]
    fr:サンプルガス中を伝播する超音波の受信周波数[Hz]
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