JP4055120B2 - 布製鞄 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、伸縮性を有するソフトな生地を外側に使用した手触りの良好な布製鞄に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の布製鞄は、荷物を入れて運ぶという目的から、丈夫である必要があり、デニムやナイロンオックスフォ−ド地のような伸縮性のない固い生地を使用して作製されていた。
【0003】
そのため、生地が固く、手触りが良くないという問題点があった。この問題点を解決するために、ニットのようなソフトで伸縮性を有する生地を使用した布製鞄の要求があったが、このような生地で布製鞄を作ると、荷物の重量により生地が伸びてすぐに型崩れしてしまうという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこでこの発明では、上述した従来の問題点を解決し、鞄の表面に触ったときにソフトで気持ちの良い感触がし、しかも荷物を入れても型崩れがしない布製鞄を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項1記載の発明では、伸縮性を有する生地からなる外装袋1の内側に、伸縮性のない生地からなる内装袋2を縫い合わせて内部が密封された袋状に形成すると共に、外装袋1と内装袋2の間に発泡ビース3を封入し、さらに内装袋2の上部に内装袋2と連続して形成された提手4,4を設けた布製鞄とした。
【0006】
請求項2記載の発明では、伸縮性を有する生地からなる外装袋1の内側に、伸縮性のない生地からなる内装袋2を縫い合わせて内部が密封された袋状に形成すると共に、外装袋1と内装袋2の間に発泡ビース3を封入し、さらに内装袋2の上部に提手4,4を取り付けた布製鞄とした。
【0007】
請求項3記載の発明では、伸縮性を有する生地からなる外装袋1の内側に、伸縮性のない生地からなる内装袋2を縫い合わせて内部が密封された袋状に形成すると共に、外装袋1と内装袋2の間に発泡ビース3を封入し、さらに内装袋2の上部に肩紐を取り付けた布製鞄とした。
【0008】
請求項1〜請求項3に記載の布製鞄では、外装袋1が伸縮性を有する生地からなるものであるだけでなく、内部に発泡ビースを封入しており、発泡ビースの流動性により、触ったときの感触が縫いぐるみやクッションのようなソフトなものとなる。
【0009】
さらに、請求項1〜請求項3に記載の布製鞄では、荷物の重量は伸縮性のない生地からなる内装袋2で支えられており、外装袋1には荷物の重量が殆どかからないので、型崩れがしない。
【0010】
前記発泡ビース3は、発泡率25〜60倍、直径が0.5 〜1.0mm の球状のものを使用することが好ましい。
【0011】
このようにすれば、発泡ビース3の流動性及び感触が良好なものとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
この発明の布製鞄の実施の形態を、図1、図2、及び図3の図面を参照して説明する。
【0013】
尚、この実施例ではトートバッグにより説明するが、布製の鞄であれば種類はトートバッグに限定されるものではなく、どのような種類の布製鞄でも実施できる。
【0014】
図1は、この発明の布製鞄の実施例であるトートバッグの斜視図であり、図2は中央より切断した断面図である。
【0015】
このトートバッグは、伸縮性を有する生地からなる外装袋1の内側に、伸縮性のない生地からなる内装袋2を縫い合わせて内部が密封された袋状に形成し、さらに外装袋1と内装袋2の間に発泡ビース3を封入し、さらに内装袋2の上部に内装袋2と連続して形成された提手4,4を設けたものであり、提手4,4の中央には筒状に形成された革からなるグリップ5,5を取り付けている。外装袋1は内装袋2より幾分大きく形成されており、布製鞄に入れた荷物の重量は主に伸縮性のない生地からなる内装袋2で支えられるようになっており、外装袋1には荷物の重量が殆どかからないようになっている。
【0016】
外装袋1の側面に形成されたポケット6は、携帯電話用を入れるためのものである。
【0017】
以下、各構成部品について詳細に説明する。
【0018】
外装袋1を構成する伸縮性を有する生地には、ニット等の編成方法により伸縮性を持たせた手触りの良いものを使用することが好ましいが、スパンデックス等のストレッチ織物を使用しても良い。使用する糸の素材は、毛、綿、ポリエステル等任意に選択できる。
【0019】
内装袋2を構成する伸縮性のない生地には、デニムやナイロンオックスフォ−ド地など従来より鞄生地として使用されている強度のある生地から選択して使用される。
【0020】
発泡ビース3は、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの合成樹脂を発泡させて球形にしたものである。発泡ビース3は、発泡倍率が25〜60倍の範囲のものが適度な弾性を有し、柔らかさの観点から適しており、発泡倍率が25倍未満では弾性が少なくなって硬く感じられるようになり、また発泡倍率が60倍を越えると柔らかすぎてへたり易くなる。発泡ビース3の直径は、0.5 〜1.0mm のものが流動性及び感触の観点から適しており、直径が0.5mm 未満では固まりやすくなり流動性が悪くなるだけでなく、外装袋1や内装袋2の縫い目から漏れ出やすくなり、1.0mm を越えると内部の発泡ビース3の形状が外装袋1の外から触って判るようになり、触ったときの感触が悪くなる。
【0021】
この実施例では、提手4が内装袋2と連続して形成されている例を示したが、内装袋2に縫着する等して提手4を設けても良い。
【0022】
図3は、この発明の第2実施例を示す断面図であり、外装袋1の内側に薄いプラスチックシートや薄い布地等からなるシート7を入れた実施例である。
【0023】
このようにすれば、使用時に外装袋1に傷がついて孔が開いても、シート7により発泡ビース3が外部に飛び出さないようになる。このように発泡ビース3の漏れを防ぐための構成を追加して実施することもできる。
【0024】
以上が、この発明の布製鞄の構成の説明であり、次に使用時の態様について説明する。
【0025】
この布製鞄に荷物を収納し、提手4をもってさげると、荷物の重量は内装袋2で支えられ、外装袋1には荷物の重量は殆どかからない。そのため、外装袋1が伸びて布製鞄が型崩れすることがない。
【0026】
さらに、この発明の布製鞄は、外装袋1と発泡ビース3により、触ったときの感触が縫いぐるみやクッションのようなソフトなものとなっているので、膝の上に置いても気持ちの良いものとなっている。
【0027】
この発明の布製鞄には、外装袋1と内装袋2の間に発泡ビース3が入っているため、次の用途に使用できる。
▲1▼発泡ビース3のクッション性を利用し、外部からの衝撃を守るノートパソコン等の電子機器運搬用の布製鞄として使用できる。
▲2▼発泡ビース3は、断熱材としての効果もあるため、簡易な保温・保冷用の鞄(例えば、買物袋等)としても使用できる。
【0028】
以上が、この発明の実施例の説明であり、提手4を設けたトートバッグの例を示したが、提手4に代えて肩紐とし、肩掛け鞄としても実施することもできる。また、提手4を内装袋2と一体に形成した例を示したが、別体として内装袋2に取り付けることもできるし、提手4の形状も任意に変更して実施できる。
【0029】
またさらに、布製鞄の開口部に、チャックを取り付けて、内装袋2の開口部を開閉可能としても実施できる。
【0030】
【発明の効果】
この発明の布製鞄では、上述のように構成されており、外装袋1が伸縮性を有する生地からなるものであるだけでなく、内部に発泡ビースを封入しており、発泡ビースの流動性により、触ったときの感触が縫いぐるみやクッションのようなソフトなものになっているので、膝の上に置いたときに気持ちの良いものとなる。さらに、荷物の重量は伸縮性のない生地からなる内装袋2で支えられており、外装袋1には荷物の重量が殆どかからないので、型崩れがせず、丈夫なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の布製鞄の斜視図である。
【図2】この発明の布製鞄の断面図である。
【図3】この発明の第2実施例の布製鞄の断面図である。
【符号の説明】
1 外装袋
2 内装袋
3 発泡ビース
4 提手
5 グリップ
Claims (4)
- 伸縮性を有する生地からなる外装袋(1)の内側に、伸縮性のない生地からなる内装袋(2)を縫い合わせて内部が密封された袋状に形成すると共に、外装袋(1)と内装袋(2)の間に発泡ビース(3)を封入し、さらに内装袋(2)の上部に内装袋(2)と連続して形成された提手(4,4)を設けたことを特徴とする布製鞄。
- 伸縮性を有する生地からなる外装袋(1)の内側に、伸縮性のない生地からなる内装袋(2)を縫い合わせて内部が密封された袋状に形成すると共に、外装袋(1)と内装袋(2)の間に発泡ビース(3)を封入し、さらに内装袋(2)の上部に提手(4,4)を取り付けたことを特徴とする布製鞄。
- 伸縮性を有する生地からなる外装袋(1)の内側に、伸縮性のない生地からなる内装袋(2)を縫い合わせて内部が密封された袋状に形成すると共に、外装袋(1)と内装袋(2)の間に発泡ビース(3)を封入し、さらに内装袋(2)の上部に肩紐を取り付けたことを特徴とする布製鞄。
- 発泡ビース(3)が、発泡率25〜60倍、直径が0.5 〜1.0mm の球状のものであることを特徴とする請求項1,2又は3記載の布製鞄。
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