JP4053458B2 - Agricultural vinyl chloride resin film - Google Patents

Description

（式中、Ｍは２価の金属を、ｊ、ｋ、ｍおよびｎは８以上の整数を表わす）
【００１１】
で示される高級アルコールリン酸エステル金属塩、ヒンダートアミン系化合物を０．０５〜０．２重量部、およびトリキシレニルホスフェートまたは次式（ＩＩ）：
【００１２】
【化７】

【００１３】
で示されるリン酸エステルを２〜４重量部含有する塩化ビニル系樹脂組成物をフィルム化して得られることを特徴とする、農業用塩化ビニル系樹脂フィルムである。
【００１４】
すなわち本発明の基本的な特徴は、塩化ビニル系樹脂に対する可塑剤として、フェノールのアルキル硫酸エステル化合物を使用した農業用塩化ビニル系樹脂フィルムである。
【００１５】
より具体的には、本発明は塩化ビニル系樹脂に対し、可塑剤としてフェノールのアルキル硫酸エステル化合物を使用することを特徴とし、その上で、
（ａ）上記式（Ｉ）で示される高級アルコールリン酸エステル金属塩、ヒンダートアミン系化合物、およびトリキシレニルホスフェート（ＴＸＰ）を含有する塩化ビニル系樹脂組成物をフィルム化して得られることを特徴とする農業用塩化ビニル樹脂系フィルム、および、
（ｂ）上記式（Ｉ）で示される高級アルコールリン酸エステル金属塩、ヒンダートアミン系化合物、および式（ＩＩ）で示されるリン酸エステルを含有する塩化ビニル系樹脂組成物をフィルム化して得られることを特徴とする農業用塩化ビニル樹脂系フィルムである。
【００１６】
さらに本発明は、上記で提供される塩化ビニル系樹脂組成物にさらに防曇剤を添加し、フィルム化して得られることを特徴とする防曇性の農業用塩化ビニル樹脂系フィルムである。
【００１７】
【発明の実施の形態】
本発明で使用される塩化ビニル系樹脂としては、ポリ塩化ビニルのほか、塩化ビニルと他のモノマー、例えばエチレン、プロピレン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、マレイン酸、フマール酸、アクリロニトリル、アルキルビニルエーテル等との共重合樹脂、あるいはこれらの樹脂の混合物等を挙げることができる。
【００１８】
かかる塩化ビニル系樹脂に対する柔軟性を付与するために、本発明において添加される可塑剤であるフェノールのアルキル硫酸エステル化合物としては、例えば、以下の化合物を挙げることができる。
【化８】

Ｒ^１およびＲ^２はアルキル基を表わす。
【００１９】
可塑剤である上記のフェノールのアルキル硫酸エステル化合物の添加量は、塩化ビニル系樹脂１００重量部に対して４０〜６０重量部添加するのがよい。４０重量部未満であると柔軟性が確保できずフィルムへの耐寒性が悪くなり、また６０重量部を超える場合には、逆に柔らかなものとなりすぎ、またベタツキ性が悪くなり、好ましいものではない。
【００２０】
従来から塩化ビニル系樹脂に対する柔軟性を付与するために配合される可塑剤としては、ＤＯＰに代表されるフタル酸エステル化合物が使用されていた。しかしながら、このフタル酸エステル化合物を可塑剤として使用し、そこに防曇剤を含有させた場合には、水滴の流れによる防曇剤の流失が比較的生じ易く、防曇効果の持続性が確保できなかった。これに対し、フェノールのアルキル硫酸エステル化合物を可塑剤として使用した本発明にあっては、防曇剤の持続効果が特に優れたものであることが判明した。
【００２１】
本発明で使用される式（Ｉ）で示される高級アルコールリン酸エステル金属塩は、塩化ビニルフィルムに対して耐候性・耐汚れ性を付与するために配合されるものである。かかる式（Ｉ）の高級アルコールリン酸エステル金属塩におけるＭで示される２価の金属としては、Ｚｎ^２＋、Ｂａ^２＋、Ｃａ^２＋等を例示することができる。したがって、式（Ｉ）で示される高級アルコールリン酸エステル金属の具体例としては、例えば以下の化合物を例示することができる。
【００２２】
【化９】

【００２３】
当該高級アルコールリン酸エステル金属塩の添加量は、塩化ビニル系樹脂１００重量部あたり０．０１〜１重量部、好ましくは０．０５〜０．５重量部の範囲である。添加量が上記未満であると耐候性が劣り、また１重量部を超えるとフィルム加工時に熱変色が生じ好ましいものではない。
【００２４】
また、ヒンダートアミン系化合物は、フィルムに対する光安定化剤とし、耐候性を確保するために配合される。そのような光安定化剤であるヒンダートアミン系化合物としては、一般に使用されているものを用いることができ、その１種または２種以上組み合わせて使用することができる。
【００２５】
そのようなヒンダートアミン系化合物としては、以下のものを例示することができる。２，２，６，６−テトラメチル−４−ピペリジルステアレート、１，２，２，６，６−ペンタメチル−４−ピペリジルステアレート、２，２，６，６−テトラメチル−４−ピペリジルベンゾエート、Ｎ−（２，２，６，６−テトラメチル−４−ピペリジル）ドデシルコハク酸イミド、１−［（３，５−ジ−ｔｅｒｔ−ブチル−４−ヒドロキシフェニル）プロピオニルオキシエチル］−２，２，６，６−テトラメチル−４−ピペリジル（３，５−ジ−ｔｅｒｔ−ブチル−４−ヒドロキシフェニル）プロピオネート、ビス（２，２，６，６−テトラメチル−４−ピペリジル）セバケート、ビス（１，２，２，６，６−ペンタメチル−４−ピペリジル）セバケート、ビス（１，２，２，６，６−ペンタメチル−４−ピペリジル）−２−ブチル−２−（３，５−ジ−ｔｅｒｔ−ブチル−４−ヒドロキシベンジル）マロネート、Ｎ，Ｎ’−ビス（２，２，６，６−テトラメチル−４−ピペリジル）ヘキサメチレンジアミン、テトラ（２，２，６，６−テトラメチル−４−ピペリジル）ブタンテトラカルボキシレート、ビス（２，２，６，６−テトラメチル−４−ピペリジル）ジ（トリデシル）ブタンテトラカルボキシレート、ビス（１，２，２，６，６−ペンタメチル−４−ピペリジル）ジ（トリデシル）ブタンテトラカルボキシレート、３，９−ビス｛１，１−ジメチル−２−［トリス（２，２，６，６−テトラメチル−４−ピペリジルオキシカルボニルオキシ）ブチルカルボニルオキシ］エチル｝−２，４，８，１０−テトラオキシサスピロ［５，５］ウンデカン、３，９−ビス｛１，１−ジメチル−２−［トリス（１，２，２，６，６−ペンタメチル−４−ピペリジルオキシカルボニルオキシ）ブチルカルボニルオキシ］エチル｝−２，４，８，１０−テトラオキシサスピロ［５，５］ウンデカン、１，５，８，１２−テトラキス｛４，６−ビス［Ｎ−（２，２，６，６−テトラメチル−４−ピペリジル）ブチルアミノ］−１，３，５−トリアジン−２−イル｝−１，５，８，１２−テトラアザドデカン、１−（２−ヒドロキシエチル）−２，２，６，６−テトラメチル−４−ピペリジノール／コハク酸ジメチル縮合物、２−ｔｅｒｔ−オクチルアミノ−４，６−ジクロロ−ｓ−トリアジン／Ｎ，Ｎ’−ビス（２，２，６，６−テトラメチル−４−ピペリジル）ヘキサメチレンジアミン／ジブロモエタン縮合化合物等のヒンダートアミン系化合物等が挙げられる。
【００２６】
上記のヒンダートアミン系化合物の添加量は、塩化ビニル系樹脂１００重量部に対して０．０５〜０．２重量部配合するのがよい。０．０５重量部未満であると、目的とする耐候性を得ることができず、また０．２重量部を超えて添加してもそれ以上の効果の増強は認められず、かえって不経済である。
【００２７】
また、本発明で使用されるトリキシレニルホスフェート（ＴＸＰ）、あるいは式（ＩＩ）で示されるリン酸エステルは、また耐候性を付与するために配合されるものである。この可塑剤と上記した高級アルコールリン酸エステル金属塩を併用することにより、優れた耐候性、耐汚れ性が発揮されると共に、フィルム中に含有される防曇剤の水滴による流失を防止するのである。かかる化合物の添加量は、塩化ビニル系樹脂１００重量部に対して２〜４重量部配合するのがよい。２重量部未満であると、フィルムに含有させた防曇剤の消失を招き、防曇剤をフィルム中に持続的に保持するという所望の効果が得られず、また４重量部を超えて添加しても、それ以上の効果を得ることができず、かえって不経済となる。
【００２８】
本発明が提供する塩化ビニル樹脂フィルムにおいては、樹脂組成物としてエポキシ基を含有するアクリル系化合物を含有させるのが好ましい。かかるエポキシ基含有のアクリル系化合物は、上記した高級アルコールリン酸エステル金属塩、ヒンダートアミン系化合物ならびにリン酸エステル化合物と併用されることにより、得られる農業用フィルムに相乗的な耐候性、耐汚れ性の効果を付与するものである。
【００２９】
かかるエポキシ基を含有するアクリル系化合物としては、種々の化合物を使用することができる。そのなかでも、好ましくは、少なくとも下記に示す化合物（ＩＩＩ）あるいは化合物（ＩＶ）で示されるモノマーの１種以上を含むモノマー成分を重合させて得られる単独重合体又は共重合体である。
【００３０】
また、エポキシ基含有アクリル系化合物が、共重合体である場合には、少なくとも化合物（ＩＩＩ）、化合物（ＩＶ）のどちらか一方を含む共重合体であって、他のアクリル系モノマーとの共重合体でもよい。
【００３１】
さらに、エポキシ基含有アクリル系化合物は、分子量が２５０以上のものが好ましい。
【００３２】
【化１０】

【００３３】
上記したエポキシ基含有アクリル系化合物の原料となり得るその他のアクリル系モノマーとしては、具体的には、ヒドロキシメチルアクリレート、２−ヒドロキシエチルアクリレート、２−ヒドロキシプロピルアクリレート、３−ヒドロキシプロピルアクリレート、２−ヒドロキシブチルアクリレート、４−ヒドロキシブチルアクリレート、２−ヒドロキシペンチルアクリレート、６−ヒドロキシヘキシルアクリレート等のヒドロキシアクリル酸エステル；ヒドロキシメチルメタクリレート、２−ヒドロキシエチルメタクリレート、２−ヒドロキシプロピルメタクリレート、３−ヒドロキシプロピルメタクリレート、２−ヒドロキシブチルメタクリレート、４−ヒドロキシブチルメタクリレート、２−ヒドロキシペンチルメタクリレート、６−ヒドロキシヘキシルメタクリレート等のヒドロキシメタクリル酸エステル；アクリル酸、メタクリル酸等のα，β−不飽和カルボン酸；メチルアクリレート、エチルアクリレート、ｎ−プロピルアクリレート、ｉ−プロピルアクリレート、ｎ−ブチルアクリレート、ｉ−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、２−エチルヘキシルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、トリデシルアクリレート、ステアリルアクリレート等のアクリル酸エステル；メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ｎ−プロピルメタクリレート、ｉ−プロピルメタクリレート、ｎ−ブチルメタクリレート、ｉ−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、２−エチルヘキシルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート等のメタクリル酸エステル；スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアクリロアミド、Ｎ−ブトキシメタクリロアミド等を挙げることができる。
【００３４】
以上の基本的構成を有する本発明で提供される農業用塩化ビニル樹脂フィルムを形成する樹脂組成物中には、防曇剤が配合され、その結果得られる農業用塩化ビニルフィルムには防曇性が付与される。
【００３５】
そのような防曇剤としては、種々のものを挙げることができる。具体的には、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸・二塩基酸エステル、ソルビトール脂肪酸・二塩基酸エステル、ジグリセリン脂肪酸・二塩基酸エステル等の多価アルコールと脂肪酸とのエステルや多価アルコールと脂肪酸および二塩基酸とのエステル、あるいはこれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドが付加された化合物等が挙げられる。
【００３６】
上記の防曇剤は、１種または２種以上を組み合わせて使用することができ、その添加量は、塩化ビニル系樹脂１００重量部に対し、０．５〜６重量部程度使用するのが好ましい。
【００３７】
また含フッ素化合物を防霧剤として使用することもできる。かかる含フッ素化合物は、一分子中に含フッ素基と、水酸基またはアルキレンオキサイド基の少なくとも１種を有する化合物である。
【００３８】
そのような含フッ素基としては、パーフルオロアルキル基（Ｃ_nＦ_2n+1基）、パーフルオロアルコキシ基（Ｃ_nＦ_2n+1Ｏ基）、ポリフルオロアルキル基（Ｈ_mＣ_nＦ_2n+1-m基）、パーフルオロアルケニル基（Ｃ_nＦ_2n-1基）、ポリフルオロアルケニル基（Ｈ_mＣ_nＦ_2n-1-m基）等が挙げられる〔式中、ｍは１〜３、ｎは３〜２０の整数を表わす〕。
【００３９】
また、アルキレンオキサイド基としては、（Ｃ₂Ｈ₄Ｏ）_n、（Ｃ₃Ｈ₆Ｏ）_n等が挙げられる〔式中ｎは、１〜３０の整数を表わす〕。
また、アルキレンオキサイド基としては、（Ｃ₂Ｈ₄Ｏ）_n、（Ｃ₃Ｈ₆Ｏ）_n等が挙げられる〔式中ｎは、１〜３０の整数を表わす〕。
【００４０】
このような含フッ素化合物として具体的には、次式（１）から（１３）に示すものが挙げられるが、なにもこれらに限定されるものではない。
【００４１】
【化１１】

【００４２】
この含フッ素化合物の添加量は、塩化ビニル系樹脂１００重量部に対し０．０１〜１重量部程度であり、好ましくは０．０５〜０．５重量部である。
【００４３】
なお、本発明の樹脂組成物中には、必要に応じて、可塑剤、安定剤、滑剤または粘着防止剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、無機質充填剤等の各種添加剤を添加することもできる。
【００４４】
上記の可塑剤として具体的には、ジ−ｎ−オクチルフタレート、ジ−２−エチルヘキシルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジラウリルフタレート、ジデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジトリデシルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤；ジオクチルアジペート、ジトリノニルアジペート、ジイソデシルアジペート等のアジピン酸エステル系可塑剤；トリキシリルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリス（イソプロピルフェニル）ホスフェート、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリエチルフェニルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤；ポリエステル系可塑剤；セバチン酸エステル系可塑剤；トリメリット酸エステル系可塑剤；エポキシ化大豆油等のエポキシ系可塑剤等が使用できる。これらの可塑剤は、単独で使用してもよいし、また２種以上混合して使用してもよい。
【００４５】
添加される安定剤としては、金属石鹸、有機ホスファイト系安定剤などの通常使用される安定剤を使用することができる。そのような金属石鹸としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、リシノール酸バリウム、ラウリン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、オクトイン酸亜鉛等が挙げられる。
【００４６】
また、有機ホスファイト系安定剤としては、ジフェニルデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス（ノニルフェニル）ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス（２−エチルヘキシル）ホスファイト、トリステアリルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト等が挙げられる。
【００４７】
上記の安定剤は、１種または２種以上を組み合わせて使用することができ、その添加量は、塩化ビニル系樹脂１００重量部に対して、０．５〜１０重量部、好ましくは１〜５重量部程度である。
【００４８】
滑剤または粘着防止剤としては、ステアリン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸系滑剤；ステアリン酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸アミド系滑剤；ブチルパルミテート、ブチルステアレート等のエステル系滑剤；バリウムイソデシルホスフェート、カルシウムオクタデシルホスフェート等の有機リン酸金属塩系滑剤；ポリエチレンワックス；流動パラフィン等が挙げられる。上記の滑剤または粘着防止剤は、１種または２種以上組み合わせて使用することができる。
【００４９】
紫外線吸収剤としては、一般に使用されているベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸エステル系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤が挙げられ、その１種または２種以上組み合わせて使用することができる。
【００５０】
具体的な紫外線吸収剤として、２，４−ジヒドロキシベンゾフェノン、２−ヒドロキシ−４−メトキシベンゾフェノン、２−ヒドロキシ−４−エトキシベンゾフェノン、２−ヒドロキシ−４−オクトキシベンゾフェノン、５，５’−メチレンビス（２−ヒドロキシ−４−メトキシベンゾフェノン）等の２−ヒドロキシベンゾフェノン類;２−（２’−ヒドロキシ−５’−メチルフェニル）ベンゾトリアゾール、２−（２’−ヒドロキシ−３’，５’−ジ−ｔｅｒｔ−ブチルフェニル−５’−クロロベンゾトリアゾール、２−（２’−ヒドロキシ−３’−ｔｅｒｔ−ブチル−５’−メチルフェニル）−５−クロロベンゾトリアゾール、２−（２’−ヒドロキシ−５’−ｔｅｒｔ−オクチルフェニル）ベンゾトリアゾール、２−（２’−ヒドロキシ−３’，５’−ジクミルフェニル）ベンゾトリアゾール、２，２’−メチレンビス（４−ｔｅｒｔ−オクチル−６−ベンゾトリアゾール）フェノール等の２−（２’−ヒドロキシフェニル）ベンゾトリアゾール類。
【００５１】
さらに、フェニルサリチレート、レゾルシノールモノベンゾエート、２，４−ジ−ｔｅｒｔ−ブチルフェニル−３’，５’−ジ−ｔｅｒｔ−ブチル−４’−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−３，５−ジ−ｔｅｒｔ−ブチル−４−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類；２−エトキシ−４’−ドデシルオキザニリド等のオキザニリド類；エチル−α−シアノ−β，β−ジフェニルアクリレート、メチル−２−シアノ−３−メチル−３−（ｐ−メトキシフェニル）アクリレート等のシアノアクリレート類が挙げられる。
【００５２】
無機質充填剤としては、炭酸マグネシウム、マグネシウム珪酸塩、酸化珪素、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト類の少なくとも一種以上を用いることができる。なお、上記した無機質充填剤は、フィルムの透明性を確保するために、粒径が２０μｍ以下のものが好ましい。
【００５３】
以上のような構成に基づく本発明で使用する塩化ビニル系樹脂組成物を用いて農業用塩化ビニル系樹脂フィルムとするには、従来から汎用されているカレンダー法、押出法、インフレーション法等の公知の手段でフィルム化すればよい。なおフィルム化するときの温度等の加工条件は、従来のポリ塩化ビニルフィルムを製造する場合と同様でよい。
【００５４】
以上のようにして得られる本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルムは、従来の農業用ポリ塩化ビニルフィルムと同様に、展張した際に外側となる面に、防塵性を付与する目的で、溶剤型、水系型、あるいは紫外線硬化型の塗料による被膜を形成してもよい。
【００５５】
溶剤型塗料としては、例えばアクリル樹脂系、塩化ビニル系樹脂系、セルロース樹脂系、フッ素樹脂系、ポリアミド樹脂系、ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系、シリコーン樹脂系などが挙げられる。
【００５６】
水系型塗料としては、例えばアクリル樹脂系、ポリエステル樹脂系、ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系等が使用できる。
【００５７】
紫外線硬化型塗料としては、アクリル樹脂系、アクリル変性ウレタン樹脂系、アクリル変性エポキシ樹脂系、メルカプト誘導体系、エポキシ樹脂系等が使用できる。
【００５８】
【実施例】
以下に具体的な実施例を挙げ、本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
【００５９】
〔実施例１〜６、比較例１〜６〕
低温時流滴性に優れた防曇剤と、低温時流滴性が劣る防曇剤の両者を併用して使用し、下記表１および表２に示す配合（重量部）からなる塩化ビニル系樹脂組成物を、ヘンシェルにて攪拌後、テストロールにて０．１ｍｍ厚のフィルムを作成した。また、同時にテストロールにて加工性を評価した。次いで、このフィルムを短冊状にカットし、ウエルダーにて各サンプルを中継ぎ加工し、農業用ハウスに展張して、低温時での水滴流れ性と、流れの持続性、および耐候性を評価した。
低温時の水滴流れ性は、冬期にハウスの両端を開放し、フィルムを乾燥させた後、ハウスの両端を閉めて、水滴が流れ始めるまでの時間により評価し、また、流れの持続性は、夏期経過後のハウスの冬期におけるフィルム面への水滴の付着により評価した。
耐候性については、海浜地区（千葉県）の小型ハウスにフィルムを展張し、パイプ部の劣化を、３月〜１２月自然状態に暴露させ、評価した。
【００６０】
【表１】

【００６１】
【表２】

【００６２】
＊１：メザモールＡＳＥＰ（三洋貿易社より）
＊２：ＦＰ−５００（旭電化社製）
＊３：エピコート８２８（シェル化学社製）：平均分子量３５５
＊４：２−ハイドロキシ−４−ｎ−オクトキシベンゾフェノン
＊５：キマソープ９４４（チバ・スペシャリティー・ケミカル社製）
＊６：ＬＢＴ１８３０（堺化学社製）
＊７：ソルビタンモノステアレート（ＥＯ１．５モル付加）
＊８：ソルビタンモノパルミテート
【００６３】
＊９：低温流滴性の評価は、以下のとおりである。
外気温８℃にて、ハウスの両端を開放して、展張したフィルムを乾燥させた後、ハウスの両端を閉めて、２時間後（６℃）での水滴の流れを観察した。
○：水滴の流れが開始されている。
×：水滴の流れがまだ開始されていない。
【００６４】
＊１０：持続性の評価は、以下のとおりである。
冬期の１月に、ハウスにフィルムを展張し、その後１１ヶ月自然の状態に放置し、１１月におけるハウスフィルム面の水滴の付着状況を観察した。
○：水滴の付着少ない（２０％程度である）。
□：水滴の付着が半分程度である（５０％程度である）
△：水滴の付着が多い（３／４程度が付着している）。
×：水滴が前面に付着している。
【００６５】
＊１１：加工性の評価は、以下のとおりである。
〔試験方法〕
８インチテストロール、１８０℃にて３０分間混練し、その着色度、ロール剥離性について、５段階にて評価した。
〔評価基準〕
◎：着色変化がなく、剥離性良好
○：若干の変色がみられるが、剥離性良好
□：若干の変色がみられ、若干剥離しにくい
△：変色があり、剥離しにくい
×：変色が激しく、剥離しない
【００６６】
＊１２：耐候性の評価は、以下のとおりである。
〔試験方法〕
海浜地区（千葉県）に小型農業用ハウスを設置し、ハウスにフィルムを展張し、３月〜１２月自然の状態に暴露し、パイプ部の劣化を３段階にて評価した。
〔評価基準〕
○：パイプ部に変色が無く、クラックの発生も無い
△：パイプ部が若干変色しているが、クラックの発生は無い
×：パイプ部にクラックの発生が認められる
【００６７】
表中に示したように、本発明の農業用塩化ビニルフィルムについて加工性、耐候性を評価したが、本発明の実施例に基づく農業用塩化ビニルフィルムは、加工性について問題のないものであり、また、ハウス展張後１０ヵ月後における目視で、フィルムの汚れは少ないものであり、さらにフィルムにクラックの認められず、良好なものであった。
【００６８】
【発明の効果】
以上記述したように、本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルムは、従来の可塑剤として配合していたフタル酸エステル系可塑剤に替え、フェノールのアルキル硫酸エステル化合物を使用したことにより、フィルムへの加工性、耐候性を損なうことなく、長期間防曇性能を持続させることが可能となった。
【００６９】
また、本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルムは、特定の高級アルコールリン酸エステル金属塩、ヒンダートアミン系化合物を配合させ、その上で、トリキシレニルホスフェートあるいは特定の構造式を有する有機リン酸エステル化合物を可塑剤として含有するものであり、これらの配合化合物の相乗作用により、本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルムに優れた防曇性を付与するものである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an agricultural vinyl chloride resin film, and more particularly to an agricultural vinyl chloride resin film that can impart excellent antifogging properties without degrading the processability of the film.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, polyvinyl chloride is used as a house covering material for agricultural tunnel houses, simple greenhouses, etc. because it is inexpensive, has good transparency, has excellent heat retention and strength, and is easy to process into a film. Agricultural films made of vinyl chloride resin typified by resin are widely used. Among them, vinyl chloride resin films having antifogging properties are widely used to prevent water droplets from adhering to the house covering material due to changes in the outside air temperature.
[0003]
As a characteristic of such an anti-fogging film, moisture generated by soil or crops adheres to the film surface as water droplets due to the difference from the outside air temperature, and flows along the film surface without dropping, thereby preventing the anti-fogging property. Is to secure. However, the antifogging agent contained in the antifogging film escapes from the film due to the flow of water droplets or rain for a long time, and its effect is gradually lost. A situation occurs that occurs. In addition, the antifogging agent contained has different functions depending on the temperature, and an antifogging agent having an effect of preventing a drop of water drops even at a low temperature and an antifogging agent having an inferior effect of preventing the drops of water drop at a low temperature. is there. The former antifogging agent is relatively easy to be washed away from the film, while the latter antifogging agent is not easily washed away.
[0004]
Therefore, by appropriately selecting and combining these two types of anti-fogging agents, it is possible to prevent water drops from dropping at low temperatures and to prevent water drops from falling due to the loss of the anti-fogging agent. At present, no antifogging vinyl chloride resin film has been obtained.
[0005]
As a reason, it has been found that there is a problem with the plasticizer itself contained in order to ensure the flexibility of the film. That is, conventionally, in order to ensure processability for vinyl chloride resins, di-n-octyl phthalate, di-2-ethylhexyl phthalate, diisononyl phthalate, dibutyl phthalate, butyl benzyl phthalate, dilauryl phthalate, didecyl phthalate, diun Phthalate ester plasticizers such as decyl phthalate and ditridecyl phthalate, among them di-n-octyl phthalate (DOP), have been widely used. However, in the vinyl chloride resin film containing the phthalate ester plasticizer represented by DOP, it is relatively difficult to suppress the loss of the antifogging agent due to the flow of water droplets over a long period of time. Even when both an anti-fogging agent having an effect of preventing water droplets from dropping and an anti-fogging agent having no effect of dropping water droplets are blended, an anti-fogging film having the desired effect cannot be obtained. .
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, in view of the present situation, the present invention, after blending both an antifogging agent having an effect of preventing water droplets falling at low temperatures and an antifogging agent not having an effect of preventing water droplets falling, suppresses the loss of the antifogging agent, It is an object of the present invention to provide a vinyl chloride resin film that can exhibit a desired effect of preventing water droplets from dropping for a long time.
[0007]
As a result of intensive investigations by the inventor in order to solve such problems, the plasticizer contained in order to ensure flexibility with respect to the vinyl chloride resin is replaced with a phthalate ester plasticizer which has been mainly used so far. When a phenol alkyl sulfate ester compound is used as a plasticizer, it can be processed well into a vinyl chloride resin film containing antifogging agents having different effects depending on the temperature difference, and as a result, the antifogging effect. It has been newly found that a vinyl chloride resin film for agriculture that can sustain the above can be obtained.
[0008]
Furthermore, in order to ensure weather resistance / stain resistance to the film, a specific higher alcohol phosphate metal salt, and a hindered amine compound as a light stabilizer are blended, and then trixylenyl phosphate or a specific When an organic phosphate ester compound having a structural formula is used as a plasticizer, it has been found that the antifogging vinyl chloride resin film has extremely good durability, and the present invention has been completed.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The present invention, which has been made to solve the above problems, uses a phenol alkyl sulfate ester compound as a plasticizer with respect to 100 parts by weight of a vinyl chloride resin, and further has the following formula (I):
[0010]
[Chemical 6]

(In the formula, M represents a divalent metal, and j, k, m, and n represent an integer of 8 or more.)
[0011]
And 0.05 to 0.2 parts by weight of a hindered amine compound, and trixylenyl phosphate or the following formula (II):
[0012]
[Chemical 7]

[0013]
A vinyl chloride resin film for agriculture, which is obtained by filming a vinyl chloride resin composition containing 2 to 4 parts by weight of a phosphoric acid ester represented by formula (1).
[0014]
That is, the basic feature of the present invention is an agricultural vinyl chloride resin film using a phenolic alkyl sulfate compound as a plasticizer for vinyl chloride resin.
[0015]
More specifically, the present invention is characterized by using an alkyl sulfate ester compound of phenol as a plasticizer for a vinyl chloride resin,
(A) A vinyl chloride resin composition containing a higher alcohol phosphate metal salt represented by the above formula (I), a hindered amine compound, and trixylenyl phosphate (TXP) is obtained as a film. Agricultural vinyl chloride resin-based film, and
(B) obtained by forming a film of a vinyl chloride resin composition containing a higher alcohol phosphate metal salt represented by the above formula (I), a hindered amine compound, and a phosphate ester represented by the formula (II) An agricultural vinyl chloride resin film characterized in that
[0016]
Furthermore, the present invention is an antifogging agricultural vinyl chloride resin film obtained by adding an antifogging agent to the vinyl chloride resin composition provided above to form a film.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
As the vinyl chloride resin used in the present invention, in addition to polyvinyl chloride, vinyl chloride and other monomers such as ethylene, propylene, vinyl acetate, vinylidene chloride, acrylic acid, acrylic ester, methacrylic acid, methacrylic ester , A copolymer resin with maleic acid, fumaric acid, acrylonitrile, alkyl vinyl ether, etc., or a mixture of these resins.
[0018]
In order to impart flexibility to the vinyl chloride resin, examples of the alkylsulfuric acid ester compound of phenol, which is a plasticizer added in the present invention, include the following compounds.
[Chemical 8]

R ¹ And R ² Represents an alkyl group.
[0019]
The addition amount of the above alkyl sulfate compound of phenol as a plasticizer is preferably 40 to 60 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the vinyl chloride resin. If it is less than 40 parts by weight, the flexibility cannot be secured and the cold resistance to the film is deteriorated, and if it exceeds 60 parts by weight, it becomes too soft and the stickiness becomes worse. Absent.
[0020]
Conventionally, a phthalate compound represented by DOP has been used as a plasticizer to be added to give flexibility to a vinyl chloride resin. However, when this phthalate ester compound is used as a plasticizer and it contains an antifogging agent, the antifogging agent is likely to be lost due to the flow of water droplets, ensuring the long-lasting antifogging effect. could not. In contrast, in the present invention using a phenol alkyl sulfate ester compound as a plasticizer, it has been found that the antifogging agent has a particularly excellent sustained effect.
[0021]
The higher alcohol phosphate metal salt represented by the formula (I) used in the present invention is blended for imparting weather resistance and stain resistance to the vinyl chloride film. The divalent metal represented by M in the higher alcohol phosphate metal salt of the formula (I) is Zn. ²⁺ , Ba ²⁺ , Ca ²⁺ Etc. can be illustrated. Accordingly, specific examples of the higher alcohol phosphate metal represented by the formula (I) include the following compounds.
[0022]
[Chemical 9]

[0023]
The addition amount of the higher alcohol phosphate metal salt is 0.01 to 1 part by weight, preferably 0.05 to 0.5 part by weight per 100 parts by weight of the vinyl chloride resin. When the addition amount is less than the above, the weather resistance is poor, and when it exceeds 1 part by weight, thermal discoloration occurs during film processing, which is not preferable.
[0024]
Further, the hindered amine compound is used as a light stabilizer for the film, and is blended to ensure weather resistance. As the hindered amine compound which is such a light stabilizer, those generally used can be used, and one or two or more of them can be used in combination.
[0025]
The following can be illustrated as such a hindered amine type compound. 2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl stearate, 1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl stearate, 2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl benzoate N- (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) dodecylsuccinimide, 1-[(3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionyloxyethyl] -2, 2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate, bis (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) sebacate, bis (1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl) sebacate, bis (1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl) -2-butyl-2- 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzyl) malonate, N, N′-bis (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) hexamethylenediamine, tetra (2,2,6) , 6-Tetramethyl-4-piperidyl) butanetetracarboxylate, bis (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) di (tridecyl) butanetetracarboxylate, bis (1,2,2,6) , 6-Pentamethyl-4-piperidyl) di (tridecyl) butanetetracarboxylate, 3,9-bis {1,1-dimethyl-2- [tris (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyloxy) Carbonyloxy) butylcarbonyloxy] ethyl} -2,4,8,10-tetraoxysaspiro [5,5] undecane, 3,9-bis {1,1- Methyl-2- [tris (1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyloxycarbonyloxy) butylcarbonyloxy] ethyl} -2,4,8,10-tetraoxysaspiro [5,5] Undecane, 1,5,8,12-tetrakis {4,6-bis [N- (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) butylamino] -1,3,5-triazine-2- Yl} -1,5,8,12-tetraazadodecane, 1- (2-hydroxyethyl) -2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidinol / dimethyl succinate condensate, 2-tert-octyl Hinders such as amino-4,6-dichloro-s-triazine / N, N′-bis (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) hexamethylenediamine / dibromoethane condensed compounds Min-based compounds, and the like.
[0026]
The amount of the hindered amine compound added is preferably 0.05 to 0.2 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the vinyl chloride resin. If it is less than 0.05 parts by weight, the desired weather resistance cannot be obtained, and even if added in excess of 0.2 parts by weight, no further enhancement of the effect is observed, which is uneconomical. is there.
[0027]
Moreover, the trixylenyl phosphate (TXP) used by this invention or the phosphate ester shown by a formula (II) is mix | blended in order to provide weather resistance. By using this plasticizer in combination with the above-described higher alcohol phosphate metal salt, excellent weather resistance and stain resistance are exhibited, and the antifogging agent contained in the film is prevented from being washed away by water droplets. is there. The amount of the compound added is preferably 2 to 4 parts by weight based on 100 parts by weight of the vinyl chloride resin. If the amount is less than 2 parts by weight, the antifogging agent contained in the film will disappear, and the desired effect of continuously retaining the antifogging agent in the film cannot be obtained, and the amount added exceeds 4 parts by weight. Even so, it is not possible to obtain a further effect, which is uneconomical.
[0028]
In the vinyl chloride resin film provided by the present invention, it is preferable to contain an acrylic compound containing an epoxy group as the resin composition. Such an epoxy group-containing acrylic compound is used in combination with the above-described higher alcohol phosphate metal salt, hindered amine compound and phosphate ester compound, thereby synergistic weather resistance and resistance to the resulting agricultural film. It imparts a soiling effect.
[0029]
Various compounds can be used as the acrylic compound containing such an epoxy group. Among these, a homopolymer or a copolymer obtained by polymerizing a monomer component containing at least one of the monomers represented by the following compound (III) or compound (IV) is preferable.
[0030]
Further, when the epoxy group-containing acrylic compound is a copolymer, it is a copolymer containing at least one of the compound (III) and the compound (IV), and is a copolymer with other acrylic monomers. It may be a polymer.
[0031]
Furthermore, the epoxy group-containing acrylic compound preferably has a molecular weight of 250 or more.
[0032]
[Chemical Formula 10]

[0033]
Specific examples of other acrylic monomers that can be used as a raw material for the above-mentioned epoxy group-containing acrylic compound include hydroxymethyl acrylate, 2-hydroxyethyl acrylate, 2-hydroxypropyl acrylate, 3-hydroxypropyl acrylate, 2-hydroxy Hydroxyacrylic acid esters such as butyl acrylate, 4-hydroxybutyl acrylate, 2-hydroxypentyl acrylate, 6-hydroxyhexyl acrylate; hydroxymethyl methacrylate, 2-hydroxyethyl methacrylate, 2-hydroxypropyl methacrylate, 3-hydroxypropyl methacrylate, 2 -Hydroxybutyl methacrylate, 4-hydroxybutyl methacrylate, 2-hydroxypentyl methacrylate, 6 Hydroxymethacrylic acid esters such as hydroxyhexyl methacrylate; α, β-unsaturated carboxylic acids such as acrylic acid and methacrylic acid; methyl acrylate, ethyl acrylate, n-propyl acrylate, i-propyl acrylate, n-butyl acrylate, i-butyl Acrylate esters such as acrylate, cyclohexyl acrylate, 2-ethylhexyl acrylate, decyl acrylate, dodecyl acrylate, tridecyl acrylate, stearyl acrylate; methyl methacrylate, ethyl methacrylate, n-propyl methacrylate, i-propyl methacrylate, n-butyl methacrylate, i -Butyl methacrylate, cyclohexyl methacrylate, 2-ethylhexyl methacrylate, decyl methacrylate DOO, dodecyl methacrylate, tridecyl methacrylate, methacrylic acid esters such as stearyl methacrylate; styrene, acrylonitrile, methacrylonitrile, vinyl acetate, vinyl propionate, can be cited Jiakuriroamido, the N- -but Kishime Tactile Lilo amide.
[0034]
The resin composition forming the agricultural vinyl chloride resin film provided in the present invention having the above basic composition is blended with an antifogging agent, and the resulting agricultural vinyl chloride film has antifogging properties. Is granted.
[0035]
As such an antifogging agent, various things can be mentioned. Specifically, for example, sorbitan fatty acid ester, sorbitol fatty acid ester, glycerin fatty acid ester, diglycerin fatty acid ester, sorbitan fatty acid / dibasic acid ester, sorbitol fatty acid / dibasic acid ester, diglycerin fatty acid / dibasic acid ester, etc. Examples include esters of polyhydric alcohols and fatty acids, esters of polyhydric alcohols, fatty acids, and dibasic acids, and compounds in which alkylene oxides such as ethylene oxide, propylene oxide, and butylene oxide are added.
[0036]
The above antifogging agent can be used alone or in combination of two or more, and the addition amount is preferably about 0.5 to 6 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the vinyl chloride resin. .
[0037]
Moreover, a fluorine-containing compound can also be used as an antifogging agent. Such a fluorine-containing compound is a compound having, in one molecule, at least one of a fluorine-containing group and a hydroxyl group or an alkylene oxide group.
[0038]
As such a fluorine-containing group, a perfluoroalkyl group (C _n F _{2n + 1} Group), perfluoroalkoxy group (C _n F _{2n + 1} O group), polyfluoroalkyl group (H _m C _n F _{2n + 1-m} Group), perfluoroalkenyl group (C _n F _2n-1 Group), polyfluoroalkenyl group (H _m C _n F _2n-1-m Group, etc.] [wherein m represents an integer of 1 to 3 and n represents an integer of 3 to 20].
[0039]
As the alkylene oxide group, (C ₂ H _Four O) _n , (C _Three H ₆ O) _n [Wherein n represents an integer of 1 to 30].
As the alkylene oxide group, (C ₂ H _Four O) _n , (C _Three H ₆ O) _n [Wherein n represents an integer of 1 to 30].
[0040]
Specific examples of such a fluorine-containing compound include those represented by the following formulas (1) to (13), but are not limited thereto.
[0041]
Embedded image

[0042]
The addition amount of the fluorine-containing compound is about 0.01 to 1 part by weight, preferably 0.05 to 0.5 part by weight with respect to 100 parts by weight of the vinyl chloride resin.
[0043]
In the resin composition of the present invention, various additives such as a plasticizer, a stabilizer, a lubricant or an anti-adhesive agent, an ultraviolet absorber, an antioxidant, and an inorganic filler may be added as necessary. it can.
[0044]
Specific examples of the plasticizer include di-n-octyl phthalate, di-2-ethylhexyl phthalate, diisononyl phthalate, dibutyl phthalate, butyl benzyl phthalate, dilauryl phthalate, didecyl phthalate, diundecyl phthalate, and ditridecyl phthalate. Phthalate plasticizers; adipate plasticizers such as dioctyl adipate, ditrinonyl adipate, diisodecyl adipate; trixyl phosphate, tricresyl phosphate, tris (isopropylphenyl) phosphate, tributyl phosphate, triethyl phosphate, triphenyl Phosphate ester plasticizers such as phosphate and triethylphenyl phosphate; polyester plasticizers; sebate ester plasticizers; trimelli DOO ester plasticizers, epoxy plasticizers such as epoxidized soybean oil can be used. These plasticizers may be used alone or in combination of two or more.
[0045]
As the stabilizer to be added, commonly used stabilizers such as metal soaps and organic phosphite stabilizers can be used. Examples of such metal soaps include zinc stearate, barium stearate, calcium stearate, barium ricinoleate, calcium laurate, calcium oleate, and zinc octoate.
[0046]
Organic phosphite stabilizers include diphenyl decyl phosphite, triphenyl phosphite, tris (nonylphenyl) phosphite, tridecyl phosphite, tris (2-ethylhexyl) phosphite, tristearyl phosphite, octyl diphenyl. A phosphite etc. are mentioned.
[0047]
Said stabilizer can be used 1 type or in combination of 2 or more types, The addition amount is 0.5-10 weight part with respect to 100 weight part of vinyl chloride resin, Preferably it is 1-5. About parts by weight.
[0048]
Examples of the lubricant or anti-sticking agent include fatty acid-based lubricants such as stearic acid, isostearic acid, and palmitic acid; fatty acid amide-based lubricants such as stearic acid amide, methylene bisstearamide, and ethylene bisstearamide; butyl palmitate, butyl stearate Examples thereof include ester lubricants such as rate; organophosphate metal salt lubricants such as barium isodecyl phosphate and calcium octadecyl phosphate; polyethylene wax; liquid paraffin. The above lubricants or anti-sticking agents can be used alone or in combination.
[0049]
Examples of the ultraviolet absorber include commonly used ultraviolet absorbers such as benzophenone-based, benzotriazole-based, salicylic acid ester-based, and cyanoacrylate-based, and these can be used alone or in combination.
[0050]
Specific ultraviolet absorbers include 2,4-dihydroxybenzophenone, 2-hydroxy-4-methoxybenzophenone, 2-hydroxy-4-ethoxybenzophenone, 2-hydroxy-4-octoxybenzophenone, 5,5′-methylenebis ( 2-hydroxybenzophenones such as 2-hydroxy-4-methoxybenzophenone); 2- (2′-hydroxy-5′-methylphenyl) benzotriazole, 2- (2′-hydroxy-3 ′, 5′-di-) tert-butylphenyl-5'-chlorobenzotriazole, 2- (2'-hydroxy-3'-tert-butyl-5'-methylphenyl) -5-chlorobenzotriazole, 2- (2'-hydroxy-5 ' -Tert-octylphenyl) benzotriazole, 2- (2'-hydroxy-3 ', 5'-dicumi 2- (2′-hydroxyphenyl) benzotriazoles such as (Ruphenyl) benzotriazole and 2,2′-methylenebis (4-tert-octyl-6-benzotriazole) phenol.
[0051]
Further, phenyl salicylate, resorcinol monobenzoate, 2,4-di-tert-butylphenyl-3 ′, 5′-di-tert-butyl-4′-hydroxybenzoate, hexadecyl-3,5-di-tert- Benzoates such as butyl-4-hydroxybenzoate; oxanilides such as 2-ethoxy-4′-dodecyloxanilide; ethyl-α-cyano-β, β-diphenylacrylate, methyl-2-cyano-3-methyl- And cyanoacrylates such as 3- (p-methoxyphenyl) acrylate.
[0052]
As the inorganic filler, at least one of magnesium carbonate, magnesium silicate, silicon oxide, aluminum oxide, aluminum hydroxide, magnesium hydroxide, and hydrotalcites can be used. In addition, as for the above-mentioned inorganic filler, in order to ensure the transparency of a film, a thing with a particle size of 20 micrometers or less is preferable.
[0053]
In order to produce an agricultural vinyl chloride resin film using the vinyl chloride resin composition used in the present invention based on the configuration as described above, publicly known calendar methods, extrusion methods, inflation methods, etc. The film may be formed by the means described above. The processing conditions such as the temperature when forming the film may be the same as in the case of producing a conventional polyvinyl chloride film.
[0054]
The agricultural vinyl chloride resin film of the present invention obtained as described above is a solvent for the purpose of imparting dust resistance to the outer surface when stretched, like the conventional agricultural polyvinyl chloride film. You may form the film by a type | mold, a water-system type | mold, or a ultraviolet curing type coating material.
[0055]
Examples of the solvent-type paint include acrylic resin, vinyl chloride resin, cellulose resin, fluororesin, polyamide resin, urethane resin, epoxy resin, and silicone resin.
[0056]
Examples of water-based paints that can be used include acrylic resin, polyester resin, urethane resin, and epoxy resin.
[0057]
As the ultraviolet curable coating, acrylic resin, acrylic modified urethane resin, acrylic modified epoxy resin, mercapto derivative, epoxy resin and the like can be used.
[0058]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to specific examples. However, the present invention is not limited to the examples shown below.
[0059]
[Examples 1-6, Comparative Examples 1-6]
A vinyl chloride resin composition comprising the combination (parts by weight) shown in Table 1 and Table 2 below, using both an antifogging agent having excellent flowability at low temperature and an antifogging agent having poor flowability at low temperature. After stirring the product with Henschel, a film having a thickness of 0.1 mm was prepared with a test roll. At the same time, workability was evaluated with a test roll. Next, this film was cut into strips, each sample was subjected to intermediate processing with a welder, and spread on an agricultural house to evaluate the flowability of water droplets at low temperatures, the sustainability of the flow, and the weather resistance.
Water flowability at low temperature is evaluated by the time from opening the ends of the house in the winter, drying the film, closing both ends of the house, and the water droplets starting to flow. Evaluation was based on the adhesion of water droplets to the film surface in the winter of the house after the summer.
The weather resistance was evaluated by spreading a film in a small house in the beach area (Chiba Prefecture) and exposing the deterioration of the pipe part to the natural state from March to December.
[0060]
[Table 1]

[0061]
[Table 2]

[0062]
* 1: Mezamor ASEP (from Sanyo Trading)
* 2: FP-500 (Asahi Denka)
* 3: Epicoat 828 (manufactured by Shell Chemical Co., Ltd.): Average molecular weight 355
* 4: 2-Hydroxy-4-n-octoxybenzophenone
* 5: Kima Soap 944 (Ciba Specialty Chemicals)
* 6: LBT1830 (manufactured by Sakai Chemical Co., Ltd.)
* 7: Sorbitan monostearate (1.5 mol of EO added)
* 8: Sorbitan monopalmitate
[0063]
* 9: Evaluation of low temperature droplet property is as follows.
At an outside air temperature of 8 ° C., both ends of the house were opened and the spread film was dried, then both ends of the house were closed, and the flow of water droplets after 2 hours (6 ° C.) was observed.
○: Flow of water droplets has started.
X: The flow of water droplets has not yet started.
[0064]
* 10: Evaluation of sustainability is as follows.
In January of the winter season, the film was spread on the house, and then left to stand in a natural state for 11 months, and the state of water droplet adhesion on the house film surface in November was observed.
○: Little water droplets adhere (about 20%).
□: Water droplet adhesion is about half (about 50%)
(Triangle | delta): There are many adhesions of a water drop (about 3/4 adheres).
X: Water droplets are attached to the front surface.
[0065]
* 11: Evaluation of workability is as follows.
〔Test method〕
The mixture was kneaded at 8 inches test roll and 180 ° C. for 30 minutes, and the coloring degree and roll peelability were evaluated in 5 stages.
〔Evaluation criteria〕
A: No change in color and good peelability
○: Some discoloration is observed, but good peelability
□: Slight discoloration is observed and slightly peeled off
Δ: Discolored and difficult to peel
×: Severe discoloration and does not peel
[0066]
* 12: The evaluation of weather resistance is as follows.
〔Test method〕
A small agricultural house was installed in the beach area (Chiba Prefecture), a film was spread on the house, exposed to the natural state from March to December, and the deterioration of the pipe part was evaluated in three stages.
〔Evaluation criteria〕
○: There is no discoloration in the pipe and no cracks are generated.
Δ: The pipe part is slightly discolored, but no cracks are generated.
X: Cracks are observed in the pipe
[0067]
As shown in the table, the processability and weather resistance of the agricultural vinyl chloride film of the present invention were evaluated, but the agricultural vinyl chloride film based on the examples of the present invention has no problem with processability. Further, the film was less soiled visually after 10 months from the extension of the house, and the film was good with no cracks observed.
[0068]
【The invention's effect】
As described above, the vinyl chloride resin film for agricultural use of the present invention is converted into a film by using a phenolic alkyl sulfate compound instead of the phthalate ester plasticizer compounded as a conventional plasticizer. The anti-fogging performance can be maintained for a long time without impairing the workability and weather resistance of the film.
[0069]
In addition, the agricultural vinyl chloride resin film of the present invention contains a specific higher alcohol phosphate metal salt and a hindered amine compound, and further, trixylenyl phosphate or an organic phosphorus having a specific structural formula. An acid ester compound is contained as a plasticizer, and the antifogging property is imparted to the agricultural vinyl chloride resin film of the present invention by the synergistic action of these compounding compounds.

Claims (4)

For 100 parts by weight of the vinyl chloride resin, a phenol alkyl sulfate ester compound is used as a plasticizer, and the following formula (I):

(In the formula, M represents a divalent metal, and j, k, m, and n represent an integer of 8 or more.)
And 0.05 to 0.2 parts by weight of a hindered amine compound, and trixylenyl phosphate or the following formula (II):

An agricultural vinyl chloride resin film obtained by filming a vinyl chloride resin composition containing 2 to 4 parts by weight of a phosphoric acid ester represented by formula (1). For 100 parts by weight of the vinyl chloride resin, a phenol alkyl sulfate ester compound is used as a plasticizer, and the following formula (I):

(In the formula, M represents a divalent metal, and j, k, m, and n represent an integer of 8 or more.)
A vinyl chloride resin composition containing 0.05 to 0.2 parts by weight of a higher alcohol phosphate metal salt, hindered amine compound, and 2 to 4 parts by weight of trixylenyl phosphate represented by Agricultural vinyl chloride resin film characterized by being obtained. For 100 parts by weight of the vinyl chloride resin, a phenol alkyl sulfate ester compound is used as a plasticizer, and the following formula (I):

(In the formula, M represents a divalent metal, and j, k, m, and n represent an integer of 8 or more.)
0.05 to 0.2 parts by weight of a higher alcohol phosphate metal salt represented by the formula (II):

An agricultural vinyl chloride resin film obtained by filming a vinyl chloride resin composition containing 2 to 4 parts by weight of a phosphoric acid ester represented by formula (1). The agricultural vinyl chloride resin film according to claim 1, 2 or 3, further comprising an antifogging agent.