JP4051847B2 - Fuel injection device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンに使用される燃料噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エンジンにおいて排気中の有害物質(例えば、NOx、HC、黒煙、微粒子)量を低減しつつ高出力かつ低燃費を実現するためには、噴射率をエンジン運転状態に応じて常に最適に制御する必要がある。この目的で、ノズル針弁リフトを燃料圧力により変化させ噴射率を可変にしようとする技術が提案されている。
【0003】
例えば、所定の針弁リフト間隔をおいて針弁を付勢するように2個のばねを構成した2段開弁圧ノズルが公知となっている。この技術によれば、針弁は燃料噴射ポンプから圧送される燃料圧力に従いリフトする。しかし、燃料噴射ポンプから燃料噴射装置に圧送される燃料圧力はエンジンの運転状態によって変動するので、エンジンの要求する最適な噴射率を全運転状態において実現するのは困難であった。
【0004】
そこで、特開平8−326619号公報に記載の燃料噴射装置のように、噴孔閉塞方向に針弁に燃料圧力を加える制御室を設けるものが知られている。ノズルの燃料溜まりに導入される燃料圧力により噴孔開放方向に受ける力と、制御室の燃料圧力から噴孔閉塞方向に受ける力と、スプリングから噴孔閉塞方向に受ける力との大小関係により針弁のリフトを制御している。エンジンの運転状態によって燃料圧力が変動しても制御室の圧力を制御することにより、針弁の開閉タイミングを高精度に制御しようとしている。また、この制御室の低圧通路側出口に設けた電磁力駆動式の制御弁のリフトを2段階に制御して制御室の燃料圧力を変化させることことにより、針弁を段階的にリフトさせ、所望の噴射率を得ようとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような従来の燃料噴射装置の構成では、針弁は制御室の圧力変化とスプリングと、燃料溜まりの燃料圧力との大小関係でリフトするので、制御弁が段階的にリフトしても針弁は制御弁と同様に段階的にリフトするとは限らない。さらに、温度変化等により電磁力が変化すると制御弁のリフト特性が変化し制御弁の開口面積特性が変化する。また、粘性等の燃料特性の変化により制御室の圧力変化が不安定になり、これに伴い針弁のリフト特性が変化して噴射率が不安定になることがある。また、制御弁の非常に小さいリフト量を制御するので、燃料噴射装置の固体間のばらつきを押さえることが難しく、高精度に安定した噴射制御は困難であった。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、エンジンの運転状態に応じて最適な噴射率を高精度に実現可能な燃料噴射装置を提供することを目的とする。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1、請求項2および請求項3に記載の燃料噴射装置によれば、弁部材が燃料溜まりの燃料圧力から噴孔開放方向に受ける力と、付勢手段により噴孔閉塞方向に受ける力と、第1制御室の燃料圧力から噴孔閉塞方向に受ける力と、第2制御室の燃料圧力から噴孔開放方向に受ける力との大小関係により弁部材のリフト量が制御されるような構成において、弁部材が第1制御室の燃料圧力から受ける力および第2制御室の燃料圧力から受ける力を段階的に変えることにより、針弁のリフトを段階的に制御するような構成を採用して、エンジンの運転条件全域において所望の噴射率を得られるようにしている。各制御室の低圧通路側出口に切替え手段を設けている。そして、切替え手段により各制御室の燃料圧力をそれぞれ高圧あるいは低圧に制御して、弁部材に対して噴孔閉塞方向に作用する力を段階的に変えている。これにより、弁部材に作用する四つの力、すなわち、燃料圧力から噴孔開放方向に受ける力、付勢手段から噴孔閉塞方向に受ける力、第1制御室の燃料圧力から噴孔閉塞方向に受ける力および第2制御室の燃料圧力から噴孔開放方向に受ける力の大小関係が段階的に変るので弁部材のリフト量を段階的に制御できると共に、弁部材の開閉タイミングを制御できる。弁部材のリフト量および開閉タイミングは、燃料噴射装置に導入される燃料圧力に係わらず、前述の弁部材に作用する四つの力、すなわち、燃料圧力から噴孔開放方向に受ける力、付勢手段から噴孔閉塞方向に受ける力、第1制御室の燃料圧力から噴孔閉塞方向に受ける力および第2制御室の燃料圧力から噴孔開放方向に受ける力の大小関係を変えることで制御できる。したがって、エンジンの全運転領域において所望の燃料噴射率を得ることができる。
【0008】
本発明の請求項1に記載の燃料噴射装置によれば、切替え手段は複数の弁体により構成され、電気的に駆動される弁体の移動量に応じて他の弁体と協動させることができるので複数の制御室の圧力を確実に制御可能である。また、電気的な力によって切替え手段を駆動するので、切替え手段の作動を高精度に制御し、燃料噴射率を高精度に制御できる。
【0009】
本発明の請求項4に記載の燃料噴射装置によれば、圧電素子によって切替え手段を駆動するので、切替え手段の動きを高精度に制御し、燃料噴射率を高精度に制御できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態による燃料噴射装置であるインジェクタ1を図1に示す。また、インジェクタ1の部分的拡大断面を図2に示す。なお、各図とも、同一構成部分には同一符号を付してある。
【0012】
インジェクタ1は図示しないエンジンのシリンダヘッドに挿入固定され、エンジンの各気筒内に燃料を直接噴射するように構成されている。燃料噴射ポンプから吐出された高圧燃料は図示しない燃料供給管を経由してインジェクタ1に供給される。燃料噴射ポンプは、エンジンの回転数、負荷、あるいは吸入空気量等に従い吐出圧力を調整する。
【0013】
インジェクタ1のハウジング11と弁ボディ(弁体)12とはチップパッキン13、第1バルブホルダ16、第2バルブホルダ17を挟みリテーニングナット14で締結されている。弁部材20は、噴孔12b側からニードル21、第1ピストン(第1伝達部材)22、第2ピストン(第2伝達部材)23により構成されている。
【0014】
図示しない燃料噴射ポンプから供給される高圧燃料は、ハウジング11に形成された燃料流入通路50、燃料通路51、第1バルブホルダ16に形成された燃料通路52、第2バルブホルダ17に形成された燃料通路53、チップパッキン13に形成された燃料通路54、弁ボディ12に形成された燃料通路55、燃料溜まり56からニードル21周囲の燃料通路57を経てニードル21と弁座12aとで形成する弁部2に至る。一方、弁ボディ12とニードル21との隙間からのリーク燃料は、チップパッキン13に形成された燃料通路60、第2バルブホルダ17に形成された燃料通路61、第1バルブホルダ16に形成された燃料通路62、ハウジング11に形成された燃料通路63を経由して、図示しない燃料タンクに排出される。
【0015】
ニードル21は弁ボディ12に往復移動自在に支持されている。ニードル21は、スプリング(付勢手段)15により弁ボディ12に形成した弁座12aに付勢されている。スプリング15はチップパッキン13に収容されている。
【0016】
チップパッキン13の反弁ボディ12側端部に凹部13aが設けられている。凹部13aには第2ピストン23が往復移動自在に保持されている。ここで、凹部13aは第2ピストン23によって弁ボディ12側部と反弁ボディ12側部とに二分され、弁ボディ12側部に第2制御室26が、反弁ボディ12側部に第1制御室25が形成されている。
【0017】
第2ピストン23には、弁ボディ12側端面23aに開口する有底孔部23bが設けられると共に、弁ボディ12側端面23aの外周部には段部23cが設けられている。また、第2ピストン23の孔部23bの底部23dには反弁ボディ12側端面23eに開口する直径が孔部23bより小さい孔23fが設けられている。
【0018】
第1ピストン22は、前記第2ピストンの孔部23bおよび前記チップパッキン13に往復移動自在に保持されると共に、その弁ボディ12側端部が前記ニードル21に当接している。
【0019】
第1制御室25は、絞り72および燃料通路73を介して制御弁37の周囲の燃料空間90に連通している。また、第1制御室内にはスプリング16が配置され、第2ピストン23を弁ボディ12側(図1の下方)に付勢している。
【0020】
第2制御室26は、燃料通路76および燃料通路77を介して制御弁38の周囲の燃料空間91に連通している。
【0021】
圧電素子30はコネクタ40に埋設されているピン41と電気的に接続している。圧電素子30に電圧が印加されると、圧電素子30が図1の下方に延びる。印加電圧が高くなると圧電素子の延び量が大きくなる。
【0022】
油圧ピストン31の一端は圧電素子30と当接しており、他端は皿ばね32と当接している。皿ばね32はばね座33と当接しており、油圧ピストン31を圧電素子30に向けて付勢している。油圧ピストン34はスプリング36により油圧ピストン31に向けて付勢されている。油圧ピストン34のロッド35は制御弁37と当接している。
【0023】
制御弁37は第1バルブホルダ16内に往復移動自在に収容されている。第1バルブホルダ16には制御弁37の弁座16aが設けられている。
【0024】
制御弁38は第2バルブホルダ17内に往復移動自在に収容されている。制御弁38には図2の上下方向に貫通孔38aが設けられている。スプリング39は制御弁38を第1バルブホルダ16の弁ボディ12側の端面16bに向けて付勢している。
【0025】
図2に示すように、制御弁37の周囲に形成されている燃料空間90は、制御弁37の位置に関わらず燃料通路78、燃料通路73および絞り72を介して第1制御室25と連通している。
【0026】
制御弁38の周囲に形成されている燃料空間91には、制御弁38の位置に関わらず燃料通路53から絞り70、燃料通路71を介し高圧燃料が供給されている。さらに、燃料空間91は燃料通路77、燃料通路76を介して第2制御室26に連通している。燃料通路77の燃料空間91側開口部77aは、制御弁38が第1バルブホルダ16の端面16bに当接している時は制御弁38により閉塞されている。
【0027】
ロッド35の周囲の燃料空間92は燃料通路79を介して低圧側の燃料通路63と連通している。
【0028】
次に、インジェクタ1の作動について説明する。
【0029】
(1)圧電素子30に電圧を印加していない状態では、油圧ピストン34は図2に示す位置にある。制御弁38はスプリング39の付勢力により第1バルブホルダ16の端面16bに当接している。燃料空間91には燃料通路53から高圧燃料が供給され、この高圧燃料は制御弁38の貫通孔38aを経由して制御弁37に達する。一方、制御弁37が第1バルブホルダ16の弁座16aから離れている場合、燃料空間90は燃料空間92を介して低圧側燃料通路63に連通しており低圧である。そのため、制御弁37は燃料空間91内の燃料圧力により図2の上方へ押上げられて第1バルブホルダ16の弁座16aに当接し、燃料空間90内圧力は燃料空間91と同様に高圧になる。この状態では、高圧燃料が燃料通路53、絞り70、燃料通路71、燃料空間91、貫通路38a、燃料空間90、燃料通路78、燃料通路73および絞り72を経由して第1制御室25に達し、第1ピストン22は燃料圧力により噴孔閉塞方向の力を受ける。第1ピストン22の受圧面積は、ニードル21が燃料溜まり56において燃料圧力により噴孔開放方向の力を受ける受圧面積よりも大きく設定されている。従って、ニードル21は弁座12aに着座し噴孔は閉塞されるので燃料は噴射されない。
【0030】
(2)圧電素子30に電圧を印加して圧電素子30が延びると、圧電素子30と共に油圧ピストン31が図1の下方に移動する。圧電素子30の延び量および油圧ピストン31の移動量をL、油圧ピストン31の断面積をAhl、油圧ピストン34の断面積をAhsとすると、油圧ピストン34は圧電素子30により図1の下方に(L×Ahl/Ahs)だけ移動するように駆動される。油圧ピストン34のロッド35は制御弁37に当接しているので、圧電素子30が図1の下方にL延びると、制御弁37も図1の下方に(L×Ahl/Ahs)だけ移動するように駆動される。
【0031】
以下に、圧電素子30に電圧を印加した場合の各部の作動について詳しく説明する。図3(A)〜(F)には圧電素子30への印加電圧とニードル21のリフト、および各部の圧力のタイムチャートを示す。図4には圧電素子30への印加電圧の切替え状態に応じた、インジェクタ1内における各燃料通路の連通状態を示す。図4において、aはニードル21のリフトがリフト量H1、bはニードル21のリフトがリフト量H2、cはニードル21のリフトがリフト量0(無噴射時)を示す。なお、下記の(a)、(b)、(c)は、図3における横軸(時間経過)の各タイミングの(a)、(b)、(c)に対応している。さらに、下記の(a)、(b)は、図4のa、bに対応している。
【0032】
(a)圧電素子30に電圧を印加することにより圧電素子30が延び、制御弁37が弁座16aから離座し、さらに制御弁37が制御弁38に当接して貫通部38aを閉塞し、さらに制御弁37と制御弁38が一体となって図1の下方に移動し燃料通路61の開口部61aは開放され、燃料通路61は燃料空間91と連通する。この状態において、第1制御室25は絞り72、燃料通路73、燃料通路78、燃料空間90、燃料空間92、燃料通路79を介して低圧側燃料通路63に連通するので第1制御室25の燃料圧力は低下する。第1ピストン22に燃料圧力により作用する噴孔閉塞方向の力が減少するので、ニードル21においては噴孔閉塞方向の力より噴孔開放方向の力が大きくなりニードル21がリフトして燃料が噴射される。第1ピストン22がリフト量H1だけリフトして第2ピストン23に当接する。この時点において、ニードル21に作用する噴孔閉塞方向の力は、第2ピストン23に作用する第1制御室25の燃料圧力による図1の下向きの力およびスプリング15による力である。一方、ニードル21に作用する噴孔開放方向の力は、第2ピストン23に作用する第2制御室26の燃料圧力による図1の上向きの力およびニードル21が燃料溜まり56における高圧燃料圧力により受ける力である。ここで、第2ピストン23に作用する第1制御室25の燃料圧力による図1の下向きの力が、第2ピストン23に作用する第2制御室26の燃料圧力による図1の上向きの力およびニードル21が燃料溜まり56における高圧燃料圧力により受ける力より大きくなるように、第2ピストン23の第1制御室25側受圧面積と第2ピストン23の第2制御室26側受圧面積を設定してあるので、ニードル21はリフト量H1だけリフトして停止する。
【0033】
(b)圧電素子30に印加する電圧を上記(a)よりも低下させ制御弁37の移動量(L×Ahl/Ahs)を小さくすると、制御弁37は、制御弁38に当接し、かつ制御弁38がバルブボディ16の端面16bに当接する位置に移動する。すると、第1制御室25は、燃料空間90、燃料空間92、燃料通路79を介して低圧側燃料通路63と連通するので第1制御室25内燃料圧力は低下する。一方、第2制御室26は、燃料通路77の燃料空間91側出口77aが制御弁38により閉塞されると共に高圧側燃料通路54より燃料通路75を介して高圧燃料が供給されるので、第2制御室26内燃料圧力は高圧になる。従って、第2ピストン23を上向きに押す力が大きくなり、第1ピストン22と離れて図1の上方へ移動する。すると、ニードル21の噴孔閉塞方向に作用する力が上記(a)の場合より低下しニードル21はさらにリフトする。ニードル21は、ニードル21の段部21aがチップパッキン13の弁ボディ12側端部13aに当接するまでリフト量H2だけリフトする。
【0034】
(c)燃料噴射中に圧電素子30に印加する電圧を変更することにより、図3(c)に示すように、燃料噴射中に噴射率を変更することができる。
【0035】
(3)所定時間が経過し圧電素子30への通電を遮断すると、圧電素子30は図1に示す状態まで収縮する。すると、油圧ピストン34がスプリング36の付勢力により図1の上方に移動する。この時、燃料空間91は高圧側燃料通路53から絞り73、燃料通路71を介して供給される高圧燃料により高圧になっているので、制御弁37は、制御弁38の貫通孔38aから受ける燃料圧力により上昇しバルブホルダ16の弁座16aに着座する。すると、燃料空間90内燃料圧力も高圧になる。従って、第1制御室25は絞り72、燃料通路73、燃料通路78、燃料空間90、燃料空間91、燃料通路71、絞り70を介して高圧側燃料通路53に連通しする。このため、第1制御室25内燃料圧力は高圧となり第1ピストン22およびニードル21が噴孔閉塞方向に付勢され、ニードル21が噴孔を閉塞し燃料噴射が終了する。また、第1制御室25内燃料圧力および第2制御室26内燃料圧力は共に高圧となり、第2ピストン23に作用する噴孔閉塞方向および噴孔開放方向の力は等しくなる。従って、第2ピストン23はスプリング24の付勢力により噴孔閉塞方向に移動して初期位置に復帰する。
【0036】
以上説明した本発明の実施の形態においては、圧電素子に電圧を段階的に印加することにより、燃料圧力の高低にかかわらず自由に、ニードル21のリフト量を段階的に高精度に制御できる。従って、任意の噴射率を高精度に実現できる。
【0037】
また、本実施の形態においては、圧電素子30の伸縮により制御弁37および制御弁38を駆動しているので、コイルに通電して発生する磁力により制御弁を駆動する場合に比べ、インジェクタ1の弁部2の開閉応答性が向上できる。従って、燃料噴射時期および燃料噴射量を高精度に制御できる。
【0038】
また、本実施の形態においては、ニードル21に当接している第1ピストン22は、第2ピストンに摺動自在に保持されている。このため、インジェクタ1の軸方向長さを短縮して小型化することができる。
【0039】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態による燃料噴射装置であるインジェクタ1を図5に示す。また、インジェクタ1の部分的拡大断面を図6に示す。なお、第1の実施形態と実質的に同一構成部分には同一番号を付し説明を省略する。
【0040】
本発明の第2の実施形態においては、第1ピストン22と第2ピストン23との間に第1制御室25を配置し、第2ピストン23の第1制御室25と反対側に第2制御室26が形成されている。本構成にすることにより、第1ピストン22と第2ピストン23の受圧面積差を大きくすることができるため、ニードル21のリフト量の制御が確実に実施可能となる。
【0041】
次に、インジェクタ1の作動について説明する。図7(A)〜(F)には圧電素子30への印加電圧とニードル21のリフト、および各部の圧力のタイムチャートを示す。
【0042】
(1)圧電素子30に電圧を印加していない状態では、油圧ピストン34は図6に示す位置にある。制御弁38はスプリング39の付勢力により第1バルブホルダ16の端面16bに当接している。燃料空間91には燃料通路53から高圧燃料が供給され、この高圧燃料は制御弁38の貫通孔38aを経由して制御弁37に達する。一方、制御弁37が第1バルブホルダ16の弁座16aから離れている場合、燃料空間90は燃料空間92を介して低圧側燃料通路63に連通しており低圧である。そのため、制御弁37は燃料空間91内の燃料圧力により図2の上方へ押上げられて第1バルブホルダ16の弁座16aに着座し燃料空間90内圧力は燃料空間91と同様に高圧になる。この状態では、高圧燃料が燃料通路53、絞り70、燃料通路71、燃料空間91、貫通路38a、燃料空間90、燃料通路78、燃料通路73、絞り72および燃料通路82を経由して第1制御室25に達し、第1ピストン22は燃料圧力により噴孔閉塞方向の力を受ける。第1ピストン22の受圧面積は、ニードル21が燃料溜まり56において噴孔開放方向の力を受ける受圧面積よりも大きく設定されている。従って、ニードル21は弁座12aに着座し噴孔は閉塞されるので燃料は噴射されない。
【0043】
(2)次に、圧電素子30に電圧を印加した場合の各部の作動について説明する。下記の(a)、(b)、(c)は、図7における横軸(時間経過)の各タイミングの(a)、(b)、(c)に対応している。
【0044】
(a)圧電素子30に電圧を印加すると圧電素子30が延び、制御弁37は弁座16aから離座し、さらに制御弁37は制御弁38に当接して制御弁38の貫通孔38aが閉塞される。すると、燃料空間90は、高圧燃料の供給が断たれると共に燃料空間92および燃料通路79を介して低圧側の燃料通路63に連通する。このため、第1制御室25も低圧側の燃料通路63と連通するので第1制御室25内燃料圧力は低下する。従って、第1ピストン22に燃料圧力により作用する噴孔閉塞方向の力が減少するので、ニードル21においては、噴孔閉塞方向の力より噴孔開放方向の力が大きくなり、ニードル21がリフトして燃料が噴射される。第1ピストン22がリフト量H1だけリフトして第2ピストン23に当接する。ところで、第2制御室26は、燃料通路77の燃料空間91側出口77aが制御弁38により閉塞されると共に、高圧燃料通路54よりオリフィス74および燃料通路75を経由して高圧燃料が供給されるので、第2制御室26内燃料圧力は高圧である。第2ピストンに燃料圧力により作用する噴孔閉塞方向の力は、ニードル21に作用する噴孔開放方向の力より大きいため、ニードル21はリフト量H1だけリフトして停止する。
【0045】
(b)上記(a)の場合よりも高い電圧を圧電素子30に印加すると、制御弁37は制御弁38に当接して貫通部38aを閉塞し、さらに制御弁37と制御弁38が一体となって図6の下方に移動する。すると、燃料通路77の制御弁38側開口部77aが開放され、第2制御室26はオリフィス81および燃料通路77を経由して燃料空間90と連通する。従って、第1制御室25と第2制御室26は燃料空間90、燃料空間92および燃料通路79を介して低圧側の燃料通路63と連通するので、第1制御室25および第2制御室26内燃料圧力は低下する。すると、ニードル21に噴孔閉塞方向に作用する力が上記(a)よりも低下しニードル21はリフト量H2までリフトして停止する。
【0046】
(c)燃料噴射中に圧電素子30に印加する電圧を変更することによりニードル21のリフトを変更することができる。つまり、噴射率を変更することができる。
【0047】
(3)所定時間が経過し圧電素子30への通電を遮断すると、圧電素子30は図5に示す状態まで収縮する。すると、油圧ピストン34がスプリング36の付勢力により図5の上方に移動する。この時、燃料空間91には高圧側燃料通路53から絞り73、燃料通路71を介して高圧燃料が供給されている。制御弁37は、制御弁38の貫通孔38aから受ける燃料圧力により上昇しバルブホルダ16の弁座16aに着座する。すると、燃料空間90内燃料圧力も高圧になる。従って、第1制御室25は燃料通路82、絞り72、燃料通路73、燃料通路78、燃料空間90、燃料空間91、燃料通路71および絞り70を経由して高圧側燃料通路53に連通し、第1制御室25内燃料圧力は高圧となる。このため、第1ピストン22に作用する噴孔閉塞方向の力が大きくなり、ニードル21が噴孔閉塞方向に付勢され弁座12aに着座して燃料噴射が終了する。また、燃料通路77の制御弁38側開口部77aが制御弁38により閉塞されるので第2制御室26内燃料圧力は高圧となる。この時、第2ピストン23に燃料圧力により作用する噴孔閉塞方向および噴孔開放方向の力は等しくなる。従って、第2ピストン23はスプリング24の付勢力により噴孔閉塞方向に移動して初期位置に復帰する。
【0048】
第2の実施形態の構成によれば、ニードル21のリフト量をH1で停止させる場合において、第2ピストン23に作用する噴孔閉塞方向の力を大きくすることができるので、確実にリフト量を制御することが可能になる。
【0049】
また、第2の実施形態では、第2ピストン23および第1ピストン22共に全断面積が受圧面積となるので、上記の確実な作動に必要な第2ピストン23と第1ピストン22の受圧面積差を設定した場合、第2ピストン23と第1ピストン22の直径差を小さくできるので、インジェクタ1の外径を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態によるインジェクタの全体断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態によるインジェクタの部分拡大断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の段階的ニードルリフトを実現するタイムチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態によるインジェクタの模式的断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態によるインジェクタの全体断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態によるインジェクタの部分拡大断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態の段階的ニードルリフトを実現するタイムチャートである。
【符号の説明】
1 インジェクタ
2 弁部
11 ハウジング
12 弁ボディ
12a 弁座
12b 噴孔
13 チップパッキン
15 スプリング
21 ニードル
22 第1ピストン
23 第2ピストン
24 スプリング
25 第1制御室
26 第2制御室
30 圧電素子
31 油圧ピストン
34 油圧ピストン
37 制御弁
38 制御弁[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a fuel injection device used for an engine.
[0002]
[Prior art]
In order to achieve high output and low fuel consumption while reducing the amount of harmful substances (eg, NOx, HC, black smoke, fine particles) in the exhaust gas in the engine, the injection rate is always optimally controlled according to the engine operating conditions. There is a need. For this purpose, a technique has been proposed in which the nozzle needle valve lift is changed by the fuel pressure to make the injection rate variable.
[0003]
For example, a two-stage valve opening pressure nozzle configured with two springs so as to bias a needle valve at a predetermined needle valve lift interval is known. According to this technique, the needle valve lifts according to the fuel pressure pumped from the fuel injection pump. However, since the fuel pressure pumped from the fuel injection pump to the fuel injection device varies depending on the operating state of the engine, it has been difficult to achieve the optimum injection rate required by the engine in all operating states.
[0004]
Therefore, there is known a fuel injection device described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-326619 that includes a control chamber that applies fuel pressure to the needle valve in the direction of closing the nozzle hole. The needle is determined by the magnitude relationship between the force received in the nozzle opening direction by the fuel pressure introduced into the fuel reservoir of the nozzle, the force received from the fuel pressure in the control chamber in the nozzle hole closing direction, and the force received from the spring in the nozzle hole closing direction. The valve lift is controlled. Even if the fuel pressure fluctuates depending on the operating state of the engine, the control valve pressure is controlled to control the opening / closing timing of the needle valve with high accuracy. In addition, the needle valve is lifted stepwise by controlling the lift of the electromagnetically driven control valve provided at the low pressure passage side outlet of the control chamber in two steps to change the fuel pressure in the control chamber, The desired injection rate is being obtained.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the configuration of the conventional fuel injection device as described above, the needle valve lifts in accordance with the magnitude relationship between the pressure change in the control chamber, the spring, and the fuel pressure in the fuel reservoir, so that the control valve lifts in stages. However, the needle valve is not always lifted in stages like the control valve. Further, when the electromagnetic force changes due to a temperature change or the like, the lift characteristic of the control valve changes and the opening area characteristic of the control valve changes. In addition, a change in the pressure in the control chamber may become unstable due to a change in fuel characteristics such as viscosity, and the lift characteristics of the needle valve may change accordingly, resulting in an unstable injection rate. In addition, since a very small lift amount of the control valve is controlled, it is difficult to suppress variations among the fuel injection devices, and it is difficult to perform stable injection control with high accuracy.
[0006]
The present invention has been made to solve such a problem, and an object of the present invention is to provide a fuel injection device capable of realizing an optimum injection rate with high accuracy in accordance with the operating state of the engine.
[0007]
In order to achieve the above object, according to the fuel injection device of
[0008]
Claims of the
[0009]
Claims of the invention 4 According to the fuel injection device described in (1), since the switching means is driven by the piezoelectric element, the movement of the switching means can be controlled with high accuracy, and the fuel injection rate can be controlled with high accuracy.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0011]
(First embodiment)
FIG. 1 shows an
[0012]
The
[0013]
The
[0014]
High-pressure fuel supplied from a fuel injection pump (not shown) is formed in the
[0015]
The
[0016]
A recess 13 a is provided at the end of the tip packing 13 on the side opposite to the
[0017]
The
[0018]
The
[0019]
The
[0020]
The
[0021]
The
[0022]
One end of the
[0023]
The
[0024]
The
[0025]
As shown in FIG. 2, the
[0026]
High pressure fuel is supplied to the
[0027]
A
[0028]
Next, the operation of the
[0029]
(1) In a state where no voltage is applied to the
[0030]
(2) When a voltage is applied to the
[0031]
Hereinafter, the operation of each part when a voltage is applied to the
[0032]
(A) When a voltage is applied to the
[0033]
(B) When the voltage applied to the
[0034]
(C) By changing the voltage applied to the
[0035]
(3) When the energization to the
[0036]
In the embodiment of the present invention described above, by applying a voltage stepwise to the piezoelectric element, the lift amount of the
[0037]
Further, in the present embodiment, since the
[0038]
In the present embodiment, the
[0039]
(Second Embodiment)
FIG. 5 shows an
[0040]
In the second embodiment of the present invention, the
[0041]
Next, the operation of the
[0042]
(1) In a state where no voltage is applied to the
[0043]
(2) Next, the operation of each part when a voltage is applied to the
[0044]
(A) When a voltage is applied to the
[0045]
(B) When a voltage higher than that in the case of (a) is applied to the
[0046]
(C) The lift of the
[0047]
(3) When the energization to the
[0048]
According to the configuration of the second embodiment, when the lift amount of the
[0049]
In the second embodiment, since the entire cross-sectional area of both the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an overall cross-sectional view of an injector according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a partially enlarged sectional view of the injector according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a time chart for realizing stepwise needle lift according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a schematic cross-sectional view of an injector according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 5 is an overall sectional view of an injector according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a partially enlarged cross-sectional view of an injector according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a time chart for realizing stepwise needle lift according to the second embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Injector
2 Valve
11 Housing
12 Valve body
12a Valve seat
12b nozzle hole
13 Chip packing
15 Spring
21 Needle
22 First piston
23 Second piston
24 Spring
25 First control room
26 Second control room
30 Piezoelectric elements
31 Hydraulic piston
34 Hydraulic piston
37 Control valve
38 Control valve
Claims (4)
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