JP4051176B2 - エポキシ樹脂の水性分散液 - Google Patents
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Description
本発明はエポキシ樹脂の水性分散液に関する。1側面では、本発明は改良された塗布性を提供するエポキシ樹脂の改良水性分散液とこのような分散液の製造方法に関する。
エポキシ樹脂の水性分散液は多年来公知である。しかし、塗料成分としてのこれらの分散液の性能はその対応する溶剤型分散液よりも劣ると考えられている。エポキシ成分を乳化性にするために、ノニルフェノールエトキシレート、アルキルフェノールを開始剤とするポリ(オキシエチレン)エタノール、アルキルフェノールを開始剤とするポリ(オキシプロピレン)ポリ(オキシエチレン)エタノール及び1個の内側ポリ(オキシプロピレン)ブロックと2個の外側ポリ(オキシエチレン)エタノールブロックを含むブロックコポリマー等の界面活性剤が使用されているが、これらの界面活性剤は表面界面に移動し易いことが知られており、塗膜性能に悪影響があると推測される。
更に、エポキシ樹脂の水性分散液が産業界で広く使用されるようになるにつれて、貯蔵安定性、均一性、小粒度、より高い逆転温度、粘度再現性及び分散液の移動し易さ等の取扱適性の改良が一層望ましくなる。従って、使用者に優しい改良された取扱適性をもつエポキシ樹脂の水性分散液がますます必要になっている。
【0002】
本発明によると、
a)水と、
b)1分子当たり0.8エポキシ基を上回る官能価をもつ少なくとも1種のエポキシ樹脂と、
c)エポキシ樹脂の0.1〜20重量%に相当し、構造:
【化6】
(式中、R1 は炭素原子数1〜15のアルキル、アリールもしくはアリールアルキル基又はその混合物であり、R2 は場合により非反応性酸素又は1構造当たり最大平均4個の第2級及び/又は第3級窒素原子を主鎖に含む炭素原子数2〜18の脂肪族、脂環式又は芳香族基であり、X及びYは独立して水素、メチル又はエチル基であり、但し、Xがメチル又はエチルであるならばYは水素であり、又はYがメチル又はエチルであるならばXは水素であり、n+m+oは40〜400の実数であり、n+oは樹脂乳化を生じるために有効な大きさの実数である)をもつアミドアミンと、1分子当たり0.8エポキシ基を上回る官能価をもつ少なくとも1種のエポキシ樹脂を少なくとも1:2、好ましくは1:6〜1:500のアミン対エポキシ当量比で反応させることにより製造される少なくとも1種のエポキシ官能性界面活性剤を含むエポキシ樹脂の水性分散液が提供される。(I)と(II)の重量比は100:0〜0:100であり、(I)と(III)の重量比は100:0〜0:100であり、(II)と(III)の重量比は100:0〜0:100である。
更に、これらのエポキシ樹脂分散液と水混和性硬化剤を含む硬化性エポキシ樹脂組成物も提供される。
【0003】
所定のエポキシ官能性界面活性剤を使用することにより、良好な貯蔵寿命と取扱適性をもつ一般に平均粒度1μm未満の有効な水性エポキシ樹脂分散液を形成できることが判明した。これらの分散液は安定しており、相当期間にわたって一定の粘度とエポキシ官能価を維持する。更に、これらの界面活性剤を使用したこれらの分散液はより高い逆転温度とより高い樹脂濃度で得られるため、製造時間を短縮し、取扱易さを増し、より高温の貯蔵安定性を達成できることが判明した。
【0004】
本発明で有用なエポキシ官能性界面活性剤は、(i)構造:
【化7】
(式中、R1 は炭素原子数1〜15のアルキル、アリール又はアリールアルキル基、好ましくはC1 −C4 アルキル又はノニルフェニル、最も好ましくはメチルであり、R2 は場合により非反応性酸素又は窒素原子を主鎖に含む炭素原子数2〜18の脂肪族、脂環式又は芳香族基であり、X及びYは独立して水素、メチル又はエチル基であり、但し、Xがメチル又はエチルであるならばYは水素であり、又はYがメチル又はエチルであるならばXは水素であり、n+m+oは40〜400の実数であり、mは0〜70、好ましくは0〜50の実数、最も好ましくは0であり、n+oは樹脂乳化を生じるために有効な大きさの少なくとも15の実数であり、(I)と(II)の重量比は100:0〜0:100であり、(I)と(III)の重量比は100:0〜0:100であり、(II)と(III)の重量比は100:0〜0:100である)をもつ少なくとも1種のアミドアミンと、(ii)1分子当たり0.8エポキシ基を上回る官能価をもつ少なくとも1種のエポキシ樹脂を反応させることにより製造することができる。エポキシ官能性アミドアミン界面活性剤は、好ましくは1,700から40,000まで、好ましくは20,000までの分子量をもつ。好適態様では、n+oとmの比は100:1〜55:45である。
【0005】
式(I)において、好ましくはmは0〜70の実数であり、nとoは独立して5〜395の実数である。式(II)において、好ましくはmは0〜70の実数であり、nは0〜395の実数であり、oは0〜400、より好ましくは20〜380の実数である。式(III)において、好ましくはmは0〜70の実数であり、nは0〜395の実数であり、oは0〜400、より好ましくは20〜380の実数である。上記式(I)、(II)及び(III)の全てにおいて、n+oは樹脂乳化を生じるために有効な大きさの実数でなければならず、一般に少なくとも15、好ましくは少なくとも35である。1好適態様では、mは0である。
【0006】
1態様では、界面活性剤は(I)と(II)の重量比を99:1〜1:99、好ましくは20:80〜80:20とした構造(I)及び(II)のアミドアミンと、少なくとも1種のエポキシ樹脂を反応させることにより製造することができる。別の態様では、界面活性剤は(II)と(III)の重量比を99:1〜1:99、好ましくは20:80〜80:20とした構造(II)及び(III)のアミドアミンと、少なくとも1種のエポキシ樹脂を反応させることにより製造することができる。更に別の態様では、界面活性剤は(I)と(III)の重量比を99:1〜1:99、好ましくは20:80〜80:20とした構造(I)及び(III)のアミドアミンと、少なくとも1種のエポキシ樹脂を反応させることにより製造することができる。更に、界面活性剤は(I)4〜98重量%、(II)1〜95重量%及び(III)1〜95重量%の量の構造(I)、(II)及び(III)のアミドアミンをエポキシ樹脂と反応させることにより製造することもできる。
【0007】
アミン基とエポキシ基を反応させるために有効な条件下でアミドアミンをエポキシ樹脂と接触させる。一般に、アミンとエポキシの当量比は少なくとも1:2、好ましくは1:6〜1:500、より好ましくは1:6〜1:30である。一般に、反応生成物を生成するために有効な時間にわたって周囲温度からアミン基とエポキシ基を反応させるために十分な高温までの温度、好ましくは50℃〜150℃で反応を実施する。反応混合物のアミン当量とエポキシ当量を測定することにより、反応の進行を監視し、所望生成物を生成するように設定することができる。一般に、添加したアミン当量に等しいエポキシ当量が消費されるまで、一般には1時間以上にわたって反応混合物を加熱する。
2種以上のエポキシ樹脂をアミドアミンと反応させてもよい。例えば、アミドアミンをまずモノエポキシ樹脂と反応させた後、ジエポキシ樹脂と反応させてもよい。別の例では、エポキシ樹脂をノボラックエポキシ樹脂及びジエポキシ樹脂と任意順序で段階的又は同時に反応させてもよい。
【0008】
所望により、界面活性剤は反応混合物から回収してもよいし、「現場」製造してもよい。所望エポキシ樹脂成分に界面活性剤を現場で提供するためには、アミドアミンを所望エポキシ樹脂成分と反応させればよい。現場法は、アミドアミンと反応させたエポキシ樹脂の残渣(疎水性部分)と分散させるバルクエポキシ樹脂が同一であるエポキシ官能性アミドアミン界面活性剤を提供するので好ましい。界面活性剤からの疎水性部分がバルクエポキシ樹脂のIRスペクトルと同一IRスペクトルをもつとき、エポキシ樹脂の残渣(疎水性部分)はバルクエポキシ樹脂と同一である。界面活性剤を回収する場合には、アミンとエポキシの当量比は1:30〜1:6が好ましい。
現場法では、エポキシ樹脂は未反応エポキシ樹脂成分と界面活性剤付加物を生じるために十分な量で存在すべきである。更に、鎖延長したエポキシ樹脂に界面活性剤を現場で提供するためには、鎖延長反応中に二価フェノールのジグリシジルエーテル等のジエポキシ樹脂と二価フェノールの混合物にアミドアミンを反応させてもよいし、鎖延長反応後に樹脂に反応させてもよい。鎖延長反応では、一般に鎖延長触媒の存在下にジエポキシ樹脂と二価フェノールを7.5:1〜1.1:1のモル比で反応させ、225〜3,500のエポキシ当量をもつ鎖延長エポキシ樹脂を生成する。一般に、エポキシ樹脂又はエポキシ樹脂とフェノール化合物の0.1〜15重量%に相当するアミドアミンを使用する。鎖延長生成物を分離するかそのままにしておくかを問わず、鎖延長反応後にアミドアミンを加えることが好ましい。
【0009】
好ましいアミドアミンは、式:
【化8】
(式中、R1 は炭素原子数1〜15のアルキル、アリール又はアリールアルキル基であり、X、Y、n、m及びoは上記と同義である)をもつ末端酸ポリアルキレングリコール含有化合物と、少なくとも1種のジアミンを6:1〜25:1のアミン対酸当量比で反応させることにより製造される。
【0010】
好ましいアミドアミンの1態様は、式:
【化9】
(式中、R1 は上記と同義、好ましくはメチルであり、kは40〜400の正の実数である)をもつ末端酸ポリアルキレングリコールメチルエーテルと、少なくとも1種のジアミンを6:1〜25:1のアミン対酸当量比で反応させることにより製造することができる。
【0011】
好ましいジアミンは式:
H2 N−R2 −NH2 (VIII)
(式中、R2 は上記と同義である)をもつ。利用可能なジアミンの例としては、例えばm−キシリレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1−エチル−1,3−プロパンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリオキシプロピレンジアミン、2,2(4),4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、2,4(6)−トルエンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン及び1,2−ジアミノシクロヘキサンが挙げられる。
末端酸ポリアルキレングリコール含有化合物は、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドもしくはブチレンオキシドのブロックコポリマー(「ポリアルキレングリコール」)のモノアルキルエーテルの酸化により製造することもできるし、ポリエチレングリコール又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドもしくはポリブチレンオキシドのブロックコポリマー(「ポリアルキレングリコール」)の少なくとも部分酸化により製造することもできる。
【0012】
ポリアルキレングリコールは一般に変動数n又はoのオキシエチレン単位及び/又はmのオキシプロピレン又はオキシブチレン単位をもつ化合物分布を含む。一般に、表記単位数は統計平均に最も近い自然数であり、分布のピークである。本明細書で使用する正の実数とは、整数と整数の分数を含む正の数である。
末端酸ポリアルキレングリコール含有化合物は、非限定的な例として米国特許第5,250,727号及び5,166,423号に記載されている方法等のポリアルキレングリコールの酸化により製造することができる。一般には、遊離基(例えば2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ)と無機酸(例えば硝酸)の存在下に酸素含有ガスをポリアルキレングリコールに加え、1分子当たり少なくとも1ヒドロキシル基までカルボン酸を生成するか、又は末端二酸ポリアルキレングリコールが所望される場合には実質的に全アルコール基をカルボン酸基に酸化する。末端酸ポリアルキレングリコール含有化合物は、ポリアルキレングリコールを塩基の存在下にクロロ酢酸及び/又はエステルと反応させるWilliamsonエーテル合成により製造することもできる。
【0013】
界面活性剤の製造に使用するエポキシ樹脂は、好ましくは1分子当たり平均>0.8エポキシ基、用途によっては1分子当たり好ましくは少なくとも1.5から好ましくは6.5エポキシ基までの1,2−エポキシ当量(官能価)をもつ任意反応性エポキシ樹脂とすることができる。エポキシ樹脂は飽和でも不飽和でもよいし、直鎖でも分枝鎖でもよいし、脂肪族、脂環式、芳香族又は複素環のいずれでもよく、カルボン酸との反応を実質的に妨げない置換基をもっていてもよい。このような置換基としては臭素又はフッ素が挙げられる。エポキシ樹脂はモノマーでもポリマーでもよいし、液体でも固体でもよいが、室温で液体又は低融点固体であることが好ましい。利用可能なエポキシ樹脂としては、少なくとも1.5個の芳香族ヒドロキシル基を含む化合物とエピクロヒドリンをアルカリ反応条件下で反応させることにより製造されるグリシジルエーテルが挙げられる。本発明で利用可能な他のエポキシ樹脂の例としては、モノエポキシ、二価化合物のジグリシジルエーテル、エポキシノボラック及び脂環式エポキシが挙げられる。一般に、エポキシ樹脂は変動数の反復単位をもつ化合物分布を含む。更に、エポキシ樹脂はエポキシ樹脂の混合物でもよい。このような態様の1例では、エポキシ樹脂はモノエポキシ樹脂と二及び/又は多官能性エポキシ樹脂、好ましくは0.7〜1.3の官能価をもつエポキシ樹脂と、少なくとも1.5、好ましくは少なくとも1.7、より好ましくは1.8〜2.5の官能価をもつエポキシ樹脂を含むことができる。混合物はアミドアミンに段階的又は同時に添加又は反応させることができる。
【0014】
好ましいエポキシ樹脂の非限定的な例としては、式:
【化10】
式中、
【化11】
式中、u=5−20。
【化12】
【0015】
(式中、rは0〜6の実数であり、R3 は直鎖又は分枝鎖C1 −C22アルキル基、アリールアルキル基、アルキルシラン又はハロゲン化アリールもしくはアルキル基であり、R4 は二価脂肪族、二価脂環式、二価アリール又は二価アリール脂肪族基であり、好ましくはR4 は8〜120個の炭素原子を含み、R5 は独立して水素又はC1 −C10アルキル基であり、R6 は場合によりエーテルもしくはエステル基を含む二価脂肪族基であるか、又はR7 もしくはR8 と一緒になって場合によりヘテロ原子を含むスピロ環を形成し、R7 及びR8 は独立して水素であるか、又はR7 もしくはR8 はR6 と一緒になって場合により酸素等のヘテロ原子を含むスピロ環を形成し、好ましくはR6 は1〜20個の炭素原子を含む)により表されるものを挙げることができる。脂肪族又は脂環式なる用語は、主鎖に酸素及び/又は硫黄原子をもつ化合物を含む。例えば、R4 は式:
【化13】
(式中、R9 及びR10は各々独立してアルキレン基である)をもつ二価脂環式基でもよいし、式:
【化14】
(式中、R11はアルキレン基である)をもつ二価アリール脂肪族基でもよい。
【0016】
好ましくは、エポキシ樹脂は二価フェノールのジグリシジルエーテル、水素化二価フェノールのジグリシジルエーテル、脂肪族グリシジルエーテル、エポキシノボラック又は脂環式エポキシ等の二官能性エポキシ樹脂である。
二価フェノールのジグリシジルエーテルは、例えばアルカリの存在下にエピハロヒドリンを二価フェノールと反応させることにより製造することができる。利用可能な二価フェノールの例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブタン、ビス(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)メタン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−アルキルフェニル)エタン等が挙げられる。利用可能な二価フェノールはフェノールとホルムアルデヒド等のアルデヒドの反応からも得られる(ビスフェノールF)。二価フェノールのジグリシジルエーテルとしては、米国特許第3,477,990号及び4,734,468号に記載されているような上記二価フェノールのジグリシジルエーテルとビスフェノールA等の二価フェノールの鎖延長生成物が挙げられる。
【0017】
水素化二価フェノールのジグリシジルエーテルは、例えば二価フェノールの水素化後にルイス酸触媒の存在下にエピハロヒドリンとグリシジル化反応させた後、水酸化ナトリウムとの反応によりグリシジルエーテルを形成することにより製造することができる。利用可能な二価フェノールの例は上記の通りである。
脂肪族グリシジルエーテルは、例えばルイス酸触媒の存在下にエピハロヒドリンを脂肪族ジオールと反応させた後に、水酸化ナトリウムとの反応によりハロヒドリン中間体をグリシジルエーテルに変換することにより製造することができる。好ましい脂肪族グリシジルエーテルの例としては、式:
【化15】
(式中、pは2〜12、好ましくは2〜6の整数であり、qは4〜24、好ましくは4〜12の整数である)に対応するものが挙げられる。
【0018】
利用可能な脂肪族グリシジルエーテルの例としては例えば、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ヘキサンジオール、ポリプロピレングリコール等のジオール及びグリコールのジグリシジルエーテルと、トリメチロールエタン及びトリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテルが挙げられる。
利用可能なモノエポキシの例としては、例えばフェノール、t−ブチルフェノール、クレゾール、ノニルフェノール及び脂肪族アルコールのグリシジルエーテルが挙げられる。他の利用可能なモノエポキシとしては、α−オレフィンとグリシドキシアルキルアルコキシシランから形成されるグリシジル化一酸及びエポキシドが挙げられる。
【0019】
エポキシノボラックはホルムアルデヒドとフェノールの縮合後に、アルカリの存在下にエピハロヒドリンの反応によるグリシジル化により製造することができる。フェノールとしては例えばフェノール、クレゾール、ノニルフェノール及びt−ブチルフェノールを利用することができる。好ましいエポキシノボラックの例としては、式:
【化16】
(式中、R5 は独立して水素又はC1 −C10アルキル基であり、rは0〜6の実数である)に対応するものが挙げられる。エポキシノボラックは一般に変動数rのグリシジル化フェノキシメチレン単位をもつ化合物分布を含む。一般に、表記単位数は統計平均に最も近い数であり、分布のピークである。
【0020】
脂環式エポキシは2個以上のオレフィン結合をもつシクロアルケン含有化合物を過酢酸でエポキシ化することにより製造することができる。好ましい脂環式エポキシの例としては、式:
【化17】
(式中、R6 は場合によりエーテルもしくはエステル基を含む二価脂肪族基であるか、又はR7 もしくはR8 と一緒になって場合によりヘテロ原子を含むスピロ環を形成し、R9 及びR10は独立して水素であるか、又はR7 もしくはR8 はR6 と一緒になって場合により酸素等のヘテロ原子を含むスピロ環を形成し、好ましくはR6 は1〜20個の炭素原子を含む)に対応するものが挙げられる。脂環式エポキシの例は、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、ジシクロ脂肪族ジエーテルジエポキシ[2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ−(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン]、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート及びビニルシクロヘキセンジオキシド[4−(1,2−エポキシエチル)−1,2−エポキシシクロヘキサン]である。脂環式エポキシとしては、式:
【0021】
【化18】
の化合物が挙げられる。
【0022】
好ましいエポキシ樹脂の市販例としては、例えばいずれもShell Chemical Companyから市販されているEPON樹脂DPL−862、828、826、825、1001、1002、EPONEX樹脂1510、HELOXY改質剤32、62、63、64、65、67、68、71、107、116、EPON樹脂DPS155、EPON樹脂HPT1050及びCARDURA樹脂E−10や、Union Carbideエポキシ樹脂ERL−4221、4289、4299、4234及び4206が挙げられる(EPONEX、HELOXY、EPON及びCARDURAは商標である)。
アミン基とエポキシ基を反応させてエポキシ官能性ポリエーテルを生成するために有効な条件下で親水性アミドアミンを疎水性エポキシ樹脂と接触させる。
エポキシ樹脂成分は1分子当たり>0.8エポキシ基、好ましくは1分子当たり少なくとも1.2エポキシ基から好ましくは1分子当たり最大6.5エポキシ基までの官能価をもつ任意エポキシ樹脂を利用することができる。これらのエポキシ樹脂としては界面活性剤の製造に利用可能であるとして上述したものが挙げられる。利用可能なエポキシ樹脂としては、平均1個を上回るヒドロキシル基を含む化合物とエピクロロヒドリンをアルカリ反応条件下で反応させることにより製造されるグリシジルエーテルが挙げられる。本発明で利用可能なエポキシ樹脂の例としては、上記エポキシ樹脂以外に、ポリカルボン酸のポリグリシジルエステルや、グリシジルメタクリレート含有アクリル樹脂が挙げられる。ポリカルボン酸のポリグリシジルエステルを後記に挙げる。
【0023】
塗料用途に有用な本発明の典型的水性分散液において、エポキシ樹脂成分(b)の量は分散液全体の20〜75重量%、好ましくは55〜65重量%である。一般に、水中油エマルションを生じるために有効な条件下で、a)水と、b)1分子当たり0.8エポキシ基を上回る官能価をもつエポキシ樹脂を、c)エポキシ樹脂の0.1〜、好ましくは0.5〜、より好ましくは1〜20、最も好ましくは6重量%までの少なくとも1種の上記エポキシ官能性アミドアミン界面活性剤の存在下に混合する。1種以上のエポキシ官能性アミドアミン界面活性剤を使用することができる。場合により、界面活性助剤を界面活性剤と併用してもよい。
分散液は更にアセトンを含むことが好ましい。より好ましくは、分散液はアセトンと少なくとも1種の不揮発性疎水性液体樹脂又は樹脂改質剤を含む。アセトンは好ましくは水性分散液全体の0.1〜、好ましくは0.5〜、より好ましくは1〜好ましくは5、より好ましくは3%までの量とする。不揮発性疎水性液体樹脂又は樹脂改質剤は好ましくは成分b)、c)及びd)ii)の合計量の0.1〜、好ましくは1〜10、好ましくは25%までの量とする。
【0024】
本発明は好ましくは2μm未満、より好ましくは1μm未満の平均粒度をもつ安定した水性分散液を提供することが判明した。
疎水性液体樹脂又は樹脂改質剤は純液であるか又はキシレンもしくはブタノール等の疎水性溶液であるかを問わず、室温で流動性の液体である任意不揮発性疎水性化合物とすることができる。ASTM D2369−93又はASTM D3960−93による定義を満たすときに物質は不揮発性である。塗料組成物では、疎水性液体樹脂又は樹脂改質剤は塗料組成物中の硬化剤(例えばアミン硬化剤)と混和性でなければならない(例えば耐腐食性又は高い光沢度等を損なわない)。好ましい疎水性液体樹脂又は樹脂改質剤としては例えば脂肪族モノグリシジルエーテル、ユリアホルムアルデヒド樹脂又は脂肪族モノグリシジルエステルが挙げられる。好ましい疎水性液体樹脂又は樹脂改質剤としては、例えばShell Chemicals Ltd.から市販されているHELOXY 7改質剤(アルキルC8 −C10グリシジルエーテル)、HELOXY 9改質剤(C10−C11アルキルグリシジルエーテル)や、BEETLE 216−10樹脂(BEETLEはCytec Industries Inc製アルキル化ユリアホルムアルデヒドハイソリッド溶液の商標である)が挙げられる。
【0025】
これらの分散液は分散させようとするエポキシ樹脂に界面活性剤と水を加えるか、又は界面活性剤を上述のように「現場」製造することにより製造することができる。これらの分散液はエポキシ樹脂をアミドアミン前駆物質と水に加えることにより製造することもできる。界面活性剤はアミドアミンとエポキシ樹脂を反応させるために有効な温度でアミドアミン前駆物質をエポキシ樹脂に加えるか、又は上述のような鎖延長反応の前もしくはその間に二官能性エポキシ樹脂と二価フェノールにアミドアミン前駆物質を加えることにより現場製造することができる。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物はエラストマー、安定剤、エクステンダー、可塑剤、顔料、顔料ペースト、酸化防止剤、均展剤又は増粘剤、脱泡剤及び/又は補助溶剤、湿潤剤、界面活性助剤、反応性希釈剤、充填剤、触媒等の他の添加剤を加えてもよい。水性分散液は反応性希釈剤としてモノエポキシド希釈剤を含むことができる。
【0026】
好ましいモノエポキシド希釈剤は非水混和性グリシジル化C8 −20脂肪族アルコール、C1 −18アルキルフェノールグリシジルエーテル又はグリシジル化VERSATIC酸を含むものである(VERSATICは商標である)。モノエポキシド成分は脂環式及び芳香族構造と、ハロゲン、硫黄、リン及び他の同様のヘテロ原子を含むことができる。反応性希釈剤は例えばエポキシ化不飽和炭化水素(例えばエポキシ化デセン及びシクロヘキセン)、一価アルコール(例えば2−エチルヘキサノール、ドデカノール及びエイコサノール)のグリシジルエーテル、モノカルボン酸(例えばヘキサン酸)のグリシジルエステル、グリシドアルデヒドのアセタール等を利用することができる。好ましい反応性希釈剤は一価C8-14脂肪族アルコールのグリシジルエーテルである。
有用な塗料組成物はアミン官能性エポキシ樹脂硬化剤を上記水性エポキシ樹脂分散液と混合することにより得ることができる。
エポキシ樹脂硬化剤は水溶液に分散したエポキシ樹脂を硬化(又は架橋)させるために有効な任意硬化剤を利用することができる。これらの硬化剤は一般に水混和性(即ち希釈性及び/又は分散性)である。分散液と併用可能な硬化剤としてはエポキシ樹脂と一般に併用されているものが挙げられ、例えば脂肪族、芳香脂肪族及び芳香族アミン、ポリアミド、アミドアミン及びエポキシ−アミン付加物である。これらの硬化剤はその製造に使用する出発材料の種類によって異なる水混和性レベルを示す。多くの場合には、水混和性又は乳化性を達成又は改良するために酢酸、プロピオン酸等による部分イオン化が必要である。
【0027】
室温以下の温度で硬化させるためには、一般に1:0.75〜1:1.5のエポキシ当量対アミン水素当量比を使用することが好ましい。利用可能なポリアルキレンアミン硬化剤は水溶性又は水分散性であり、1分子当たり3個以上の活性水素原子を含むもの(例えばジエチレンアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等)である。他の利用可能な硬化剤としては、例えば2,2,4−及び/又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1−エチル−1,3−プロパンジアミン、2,2(4),4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、2,4(6)−トルエンジアミン及び脂環式アミン(例えば1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−3,6−ジエチルシクロヘキサン、1,2−ジアミノ−4−エチルシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−3,6−ジエチルシクロヘキサン、1−シクロヘキシル−3,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、ノルボランジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルプロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3−アミノ−1−シクロヘキサンアミノプロパン、1,3−及び1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン)が挙げられる。芳香脂肪族アミンとしては、例えばm−及びp−キシリレンジアミン又はその水素化物のように脂肪族基上にアミノ基が存在するものを特に使用する。アミンは単独で使用してもよいし、混合物として使用してもよい。
【0028】
利用可能なアミン−エポキシド付加物は例えばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、m−キシリレンジアミン及び/又はビス(アミノメチル)シクロヘキサン等のジアミンと、例えば上記多価フェノールのポリグリシジルエーテル等の末端エポキシドの反応生成物である。
ポリアミドアミン硬化剤は例えばポリアミンを二量化脂肪酸等のポリカルボン酸と反応させることにより得ることができる。上記ポリアミン以外に、190〜2,000の分子量をもつ水溶性ポリオキシプロピレンジアミンや、ドイツ特許出願公開第2,332,177号及びヨーロッパ特許第0,000,605号に記載されているような易水分散性硬化剤も使用できる。改質アミン付加物を使用すると好ましい。塗料を完全に硬化させるために、これらの分散液から獲得可能な塗料を好ましくは50℃〜120℃の高温で30〜120分間加熱してもよい。
【0029】
高温硬化用途では、例えば700を上回る高い当量をもつエポキシ樹脂用硬化剤としてアミノプラスト樹脂を使用することができる。一般にエポキシ樹脂とアミノプラスト樹脂の合計重量の5〜、好ましくは10〜40、好ましくは30重量%までのアミノプラスト樹脂を使用する。利用可能なアミノプラスト樹脂は尿素及びメラミンとアルデヒドの反応生成物であり、場合によっては更にアルコールでエーテル化してもよい。アミノプラスト樹脂成分の例は尿素、エチレン尿素、チオ尿素、メラミン、ベンゾグアナミン及びアセトグアナミンである。アルデヒドの例としてはホルムアルデヒド、アセトアルデヒド及びプロピオンアルデヒドが挙げられる。アミノプラスト樹脂はアルキロール形態で使用してもよいが、炭素原子数1〜8の一価アルコールをエーテル化剤とするエーテル形態で使用することが好ましい。利用可能なアミノプラスト樹脂の例はメチロールユリア、ジメトキシメチロールユリア、ブチル化ポリマーユリアホルムアルデヒド樹脂、ヘキサメトキシメチルメラミン、メチル化ポリマーメラミンホルムアルデヒド樹脂及びブチル化ポリマーメラミンホルムアルデヒド樹脂である。
【0030】
水混和性硬化剤の市販例としては、EPI−CURE 8535、8536、8537、8290及び8292硬化剤(Shell Chemicals Ltd.市販品)、ANQUAMINE 401、CASAMID 360及び362硬化剤(Air Products)、EPILINK 381及びDP660硬化剤(Akzo Chemical Co.)、硬化剤HZ350、硬化剤92−113及び92−116(Ciba Geigy)、BECKOPOX EH659W、EH623W、VEH2133W硬化剤(Hoechst Celanese)並びにEPOTUF 37−680及び37−681硬化剤(Reichhold Chemical Co.)が挙げられる(EPICURE、ANQUAMINE、CASAMID、EPILINK、BECKOPOX及びEPOTUFは商標である)。
硬化性エポキシ樹脂組成物はエポキシ樹脂を硬化させるために有効な時間にわたって5℃〜、好ましくは20℃〜200℃まで、好ましくは175℃までの温度で硬化させることができる。
【0031】
本発明の水性分散液と上記硬化剤は例えば金属及びセメント構造等の支持体に塗布するペイント及び塗料の成分として利用することができる。このようなペイント及び塗料を製造するためには、これらの樹脂に一次エクステンダー及び防錆顔料と、場合により界面活性剤、消泡剤、レオロジー調節剤並びに表面損傷及びスリップ剤等の添加剤をブレンドする。これらの顔料及び添加剤の選択と量はペイントの所期用途に依存し、一般に当業者により認識される。
一次顔料の例としては、KRONOS 2160(Kronos,Inc.)やDu Pont製品TI−PURE R−960等のルチル形二酸化チタン、黄褐色二酸化チタン、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄及びカーボンブラックが挙げられる。エクステンダー顔料の例としては、10ES WOLLASTOKUP(NYCO Minerals,Inc.)等のメタケイ酸カルシウム、SPARMITE(Harcros Pigments,Inc.)等の硫酸バリウム及びASP 170(Englehard Corp.)等のケイ酸アルミニウムが挙げられる。防錆顔料の例としては、HALOX SW111(Halox Pigments)等のホスホケイ酸ストロンチウムカルシウム、K−WHITE 84(Tayca Corp.)等の亜鉛イオン改質三リン酸アルミニウム及びHEUCOPHOS ZPA(Heuco Tech,Ltc.)等の塩基性リン酸亜鉛アルミニウム水和物が挙げられる(KRONOS、TI−Pure、WOLLASTOKUP、NYCO、SPARMITE、ASP、HALOX、K−WHITE、HEUCOPHOS−ZPAは商標である)。
【0032】
水性エポキシペイント及び塗料に界面活性助剤を加えると、顔料と支持体の双方の湿潤を改良することができる。このような界面活性剤は一般に非イオン性であり、例えばTRITON X−100及びTRITON X−405(Union Carbide)、PLURONIC F−88(BASF)及びSURFYNOL 104(Air Products and Chemicals)が挙げられる(TRITON、PLURONIC、SURFYNOLは商標である)。
消泡剤及び脱泡剤はペイント又は塗料の製造中の発泡を抑制する。有用な脱泡剤としては、DREWPLUS L−475(Drew Industrial Div.)、DE FO PF−4濃厚液(Ultra Additives)及びBYK 033(BYK−Chemie)が挙げられる(DREWPLUS、DE FO−PF、BYKは商標である)。
【0033】
レオロジー剤は適正な塗布性を得るために使用する。水性エポキシ塗料に必要な所望増粘及び剪断減粘を提供する添加剤は、ヒドロキシエチルセルロース、有機改質ヘクトライトクレー及び協同増粘剤の3種がある。NATROSOL 250 MBR及びNATROSOL Plus(AQUALON)は改質ヒドロキシエチルセルロース系材料の例であり、BENTONE LT(RHEOX,Inc.)はヘクトライトクレーの代表例である。ACRYSOL QR−708(Rohm and Haas Co.)は多くの場合に有用な協同増粘剤である(NATROSOL、AQUALON、BENTONE、RHEOX、ACRYSOL−QRは商標である)。
表面損傷及びスリップ剤はスクラビング又は法定速度運転による初期耐摩耗性を改善する。この点ではポリジメチルシロキサン及びポリエチレンワックスを使用する。市販ワックスの1例はMICHEM LUBE 182(MICHELMAN,INC.)である(MICHEM LUBEは商標である)。
硬化性ペイント及び塗料組成物は刷毛、スプレー又はローラーにより支持体に塗布することができる。
本発明の水性分散液は接着剤及び繊維サイズ剤の成分としても使用できる。
【0034】
以下、実施態様により本発明の方法を説明するが、これらの態様は例証を目的とし、本発明を制限するものではない。
実施例A〜Nはエポキシ官能性アミドアミン界面活性剤を含む本発明のエポキシ樹脂分散液に関する。比較例A〜Cではカルボキシ化ポリエチレングリコール/エポキシ付加物を界面活性剤として使用し、比較例D及びEではJEFFAMINE系界面活性剤(JEFFAMINEは商標である)を使用し、本発明の水性分散液の形成と比較する。実施例Iと比較例は本発明のエポキシ樹脂分散液を使用したペイント処方に関する。
【0035】
EPON樹脂828(エポキシ当量187〜188の二価フェノールのジグリシジルエーテル)、EPON樹脂1001F(二価フェノールのジグリシジルエーテルをビスフェノールAで鎖延長することにより形成したエポキシ当量525〜550のエポキシ樹脂)、EPON樹脂1002(二価フェノールのジグリシジルエーテルをビスフェノールAで鎖延長することにより形成したエポキシ当量600〜700のエポキシ樹脂)、HELOXY改質剤64(ノニルフェノールグリシジルエーテル)、HELOXY改質剤62(オルトクレゾールグリシジルエーテル)、HELOXY改質剤7(アルキルC8 −C10グリシジルエーテル)、HELOXY改質剤9(C10−C11アルキルグリシジルエーテル)又は液体エポキシ希釈剤はShell Chemical Companyから入手した。DEN 438(176〜181のEEWをもつフェノールノボラックグリシジルエーテル)はDow Chemical Companyから入手した。ポリエチレングリコールモノメチルエーテルとポリエチレングリコールはAldrich Chemical Co.から入手した。2−メチル−1,5−ペンタンジアミン(DYTEX A)はDuPontから入手した。m−キシリレンジアミンはMitsubishi Gas Chemical Co.から入手した(DYTEXは商標である)。
【0036】
試験方法
I.粘度 粘度は、得られたエマルション又は分散液でBrookfield Engineering Laboratories製Brookfield Synchro Lectric Viscometerを使用して測定した。
II.粒度 エマルション及び分散液粒度の測定はBrookhaven Instruments Corporation製Brookhaven Bi−DCP Particle Sizerを使用して行った(BROOKHAVEN BI−DCPは商標である)。Dnは数平均粒度であり、Dwは重量平均粒度である。全粒度データはミクロン(μ)で報告する。
III.固形分百分率 全生成物の固形分百分率は生成物の0.5gサンプルをアルミニウム箔に塗布し、塗布した箔を強制通風炉に入れて120℃に10分間維持し、残留重量を総重量で割って100を掛けることにより塗膜の残留重量を決定することにより測定した。
IV.エポキシ当量 全生成物のエポキシ当量(WPE又はEEW)は、塩化メチレンを用いて共沸蒸留により秤量サンプルを乾燥した後、公知方法により残渣を滴定し、固形分百分率を補正して100%固形分のWPEを決定することにより測定した。
V.沈降 沈降は4オンスガラスジャーに入れたサンプルの促進沈降を経時的に観察することにより測定した。一般に1,000rpmでサンプルを遠心分離する。
【0037】
界面活性剤前駆物質の製造
実施例1
α−(2−カルボキシメチル)−ω−メトキシポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)の製造
撹拌機、熱電対、空気スパージ管、冷却器及び添加漏斗を取り付けた3000ml容四頚フラスコに約5000Mnのポリエチレングリコールモノメチルエーテル(Aldrich Chemical Co.)495.6g(0.099当量)、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ遊離基(Aldrich Chemical Co.,TEMPO,遊離基)15.4g(0.099当量)及びジクロロメタン1000gを加えた。混合物を加熱還流させた後、スパージ管を通して混合物に空気を導入した。次に、濃硝酸(15.4g)を15分間かけて加え、混合物を19時間還流下に維持した。次に、ロータリーエバポレーターにより揮発分を除去した。冷却すると、残渣は凝固した。これを粉砕し、2−プロパノールで洗浄し、40℃の真空炉で一定重量になるまで乾燥した。NMR分析により、ヒドロキシル官能基がカルボキシル官能基に変換したことを確認した。固形分の酸当量は5025であった。
【0038】
実施例2
実施例1からのアミドアミンの製造
CCl4 中62%NVの実施例1からのカルボン酸750gを43℃の分光分析グレードイソプロパノール1500gに溶かした。生成物を23〜25℃で一晩沈殿させた。沈殿をフィルターで集め、新たに室温イソプロパノール300gで洗浄した。フィルターケーキを室温で真空デシケーターに数日間入れ、378.4gの一定重量にした。この乾燥生成物の酸当量は約4696であった。
撹拌機、真空源及び窒素スパージ管を取り付けた1リットル容フラスコに乾燥生成物370gとDYTEK A91.3gを加えた。バッチを192℃まで加熱した後、3時間11分間還流下に維持した。バッチを84℃まで放冷させ、過剰のDYTEK Aを約5mmHgで減圧留去した。次にバッチを200℃まで加熱し、3時間15分間窒素をスパージした。この時点で活性アミン窒素当量を測定すると、5,642であった。このポリエチレングリコールアミドアミン生成物を実施例Aでそのまま使用し、エポキシ樹脂との現場反応後に水を加えることにより分散液を製造した。
【0039】
実施例3
a−(カルボキシメチル)−ω−(カルボキシメトキシ)ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)の製造
撹拌機、熱電対、空気スパージ管、冷却器及び添加漏斗を取り付けた2000ml容四頚フラスコに約8000Mnのポリエチレングリコール(Aldrich Chemical Co.)500g(0.125当量)、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ遊離基(Aldrich Chemical Co.,TEMPO,遊離基)19.5g(0.125当量)及びジクロロメタン1000gを加えた。混合物を加熱還流させた後、スパージ管を通して混合物に空気を導入した。次に、濃硝酸(7.8g)を15分間かけて加え、混合物を17時間還流下に維持した。その後、2−プロパノール550gを加え、混合物をしばらく撹拌した。次に、ロータリーエバポレーターにより揮発分を除去した。冷却すると、残渣510.9gが凝固した。固形分をイソプロパノールで洗浄した後、粉砕し、40℃の真空炉で484gの一定重量まで乾燥した。NMR分析により、ヒドロキシル官能基がカルボキシル官能基に完全に変換したことを確認した。固形分の酸当量は4168であった。
【0040】
実施例4
実施例3からのアミドアミンの製造
1リットル容四頚丸底フラスコに実施例3の生成物300g(0.1439当量酸)を加えた。次に、このフラスコに撹拌機、温度調節器、蒸留装置及び表面下ガス入口スパージ管を取り付けた。酸にDYTEK Aアミン(2−メチル−1,5−ペンタンジアミン)83.5g(2.874当量アミン水素)を加えた。内容物を190℃で5時間反応させた後、4.88cm真空を使用して過剰のアミンとアミド凝縮水を除去した。バッチに200℃で窒素を2時間35分間スパージすることにより、残留未反応アミン及び水を除去した。次に、アミドアミン化物をアルミニウムパンに注ぎ、凝固させた。得られた材料はアミン水素当量2032.5に相当する滴定可能な窒素量を示した。
【0041】
実施例5
α−(カルボキシメチル)−ω−(カルボキシメトキシ)ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)の製造
実施例1で使用したと同様の手順でモノメトキシポリエチレングリコール2000のカルボキシレート(Aldrich Chemicals Co.)を酸当量2,039のカルボキシレートに変換した。
実施例6
実施例5からのアミドアミンの製造
実施例2で使用したと同様の手順で、2,371の滴定可能な窒素当量をもつ実施例5のカルボキシレートのDYTEK Aアミドアミンを製造した。
実施例7
ポリ(エチレングリコール)4600のカルボキシレートを使用したアミドアミンの製造
実施例1に記載したと同様の方法で4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ遊離基を使用して平均分子量4,600のポリ(エチレングリコール)を対応する酸に酸化した。得られた材料は酸当量2735であった。この材料を次に酸1当量当たり第1級アミン10当量の割合でDYTEK Aアミンを使用してアミド化した。このアミドアミンを単離し、第1級アミン25%をCARDURA E−10エポキシ(Shell Chemicals Co.製グリシジル化ネオデカン酸)で封止した後、脱イオン水で約65%NVまで希釈した。
【0042】
実施例8
部分末端封止アミドアミンの製造
実施例1に記載したと同様の方法で4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ遊離基を使用して平均分子量4,600のポリ(エチレングリコール)を対応する酸に酸化した。得られた材料は酸当量2735であった。この材料を次に酸1当量当たり第1級アミン10当量の割合でDYTEK Aアミンを使用してアミド化した。このアミドアミンを単離し、第1級アミン25%をCARDURA E−10エポキシで封止した後、脱イオン水で約65%NVまで希釈した。
実施例9
ジエチレントリアミンからのアミドアミンの製造
上記実施例8に記載したと同様の方法で平均分子量4,600のポリ(エチレングリコール)をカルボン酸形態に酸化した。酸官能性出発材料は酸当量2847であった。次にジエチレントリアミン[111−40−0]10モルを使用してこの材料をアミド化した。過剰のアミンを留去し、得られたアミドアミンの滴定可能な窒素当量を測定すると、2416であった。このアミドアミン65gを脱イオン水35gに溶かした。この溶液にCARDURA E−10モノエポキシド2.0gを加えた。この混合物を2日間混合後に使用してエポキシ分散液を製造した。
【0043】
実施例10
トリエチレンテトラミンからのアミドアミンの製造
50%NaOH水溶液4.8gをブレンドしたPEG4600(230g)をトルエン100g中で脱水することにより、平均分子量4,600のポリ(エチレングリコール)(PEG4600)のナトリウム蓚酸塩を製造した。次に、このナトリウム蓚酸塩を臭化テトラブチルアンモニウム0.23gの存在下にクロロ酢酸メチルと100℃で3時間反応させた。トルエンを減圧留去した後、トリエチレンテトラミン[112−24−3]73gを加えた。これらの反応体を190℃に6時間維持し、過剰のアミンを230℃で減圧除去した。得られたアミドアミンの滴定可能な窒素当量を測定すると、2153であった。このアミドアミン65gを脱イオン水35gに溶かした。この水溶液を使用してエポキシ分散液を製造した。
【0044】
比較例1
エポキシ官能性界面活性剤の製造
Shell Chemical Co.製EPON樹脂828(80.9g,0.433当量)、実施例1のカルボン酸75.38g(0.015当量)及びヨウ化エチルトリフェニルホスホニウム(ETPPI)0.16gを窒素下に120℃で2.5時間反応させた後、混合物を単離した。生成物のエポキシ当量(EEW)を測定すると、378であった。
【0045】
界面活性剤と水性分散液の製造
実施例A
撹拌機と自動温度調節器を取り付けた2リットル容樹脂フラスコに、ARCOSOLV PE(Arco Chemical Co.製プロピレングリコールモノエチルエーテル)90.91g、EPON828(50.47g)、フレーク状EPON樹脂1001(563.75g)及びCARDURA E−10エポキシ希釈剤15.03gを順に加えた。このバッチを45分間かけて120℃までゆっくりと加熱した後、撹拌機を始動した。次に、バッチを100℃まで放冷させた。全EPON樹脂1001が溶けた後に、実施例2からのアミドアミン40.0gと脱イオン水26.7gをバッチに加えた。次に、バッチを20分間かけて93℃まで放冷させた。次に、脱イオン水81.6gを1分間かけて加えると、この間に温度は87℃まで低下した。この時点でバッチは逆転し、水中樹脂エマルションを形成していた。バッチを12時間65〜34℃に維持した。その後、バッチを1時間40分間かけて脱イオン水で58.8%NVで粘度1,840cPまで希釈した。この分散液の粒度は平均Dn0.741μ及び平均Dw1.271μであった。
【0046】
実施例B
単離EPON樹脂828/実施例2付加物界面活性剤を使用して製造したエポキシ樹脂分散液
実施例2からのカルボキシ化メトキシPEG5000のDYTEK A−アミドアミン付加物をEPON樹脂828に活性アミン水素1当量に対してエポキシ5当量の比で加えた。
エポキシ過剰のこの付加物を使用し、過剰EPON828混合物であるEPON樹脂828/DYTEK A−アミドアミン付加物42.4gをエポキシ当量504の溶融ビスフェノールAエポキシ樹脂357.81gに加えることによりエポキシ分散液を製造した。次に、116℃のこの溶融混合物にエチレングリコールモノプロピルエーテル溶剤32.4gを加えた。82℃のこの溶液に脱イオン水55.1gを10分間かけて加えた。この添加後にバッチは70℃であり、逆転して水中樹脂エマルションを形成していた。このエマルションを54分間混合した後、更に45.8gの水を12分間かけて加えた。バッチを78分間混合した後、よく混合しながらHELOXY 7モノエポキシド希釈剤7.27gを加えた。15分後に脱イオン水145.6gとエチレングリコールモノプロピルエーテル43.0gを順に加えて25分間かけてバッチを希釈した。これらの添加中にエマルションを42℃まで放冷させた。その後、更に15分間混合後にバッチを特性決定した。得られたエマルションの粒度はDn0.514μ及びDw0.653μであった。粘度は55%NVで1,636センチポアズであり、固形分のエポキシ当量は487であった。
【0047】
実施例C
「現場」製造した付加物界面活性剤を使用して製造したエポキシ樹脂分散液
上記実施例2の方法により製造したアミドアミンを使用し、上記実施例Bに記載したと同様の方法により分散液を製造した。COWLES型撹拌機を取り付けたリットル容樹脂フラスコでEPON樹脂828(285.8g)とビスフェノールA84.8gをヨウ化エチルトリフェニルホスホニウム触媒の存在下に約500EEWまで鎖延長した。この溶融樹脂にEASTMAN EP(Eastman Chemical Co.製エチレングリコールモノプロピルエーテル)32.8gを加えた。この溶液にアミドアミン29.4gを加えた。アミドアミンをエポキシと反応させた後、バッチをよく混合しながら68℃まで放冷させながら脱イオン水125.2gを132分間かけて加えた。この時点で樹脂は水中油エマルションを形成した。次に、バッチにEPON樹脂828(13.0g)と希釈剤としてHELOXY改質剤7(7.27g)を加えた。エマルションを36分間十分に混合した。次に、バッチを42分間かけて48℃まで放冷させながらバッチを脱イオン水128.4gとEASTMAN EP42.6gで希釈した。
得られた分散液は粒度Dn0.395μ及びDw0.572μであった。更に水を加えて50.7%NVに調整すると、このバッチの粘度は15,260センチポアズであった。
【0048】
実施例D
「現場」製造した付加物界面活性剤を使用して製造したエポキシ樹脂分散液
上記実施例2からのアミドアミンを使用し、重合中にアミドアミンにEPON樹脂828とビスフェノールAを加えた以外は実施例Cと同様の方法で同一重量の各成分を使用して分散液を製造した。目標EEWに達した後にバッチをEastman EPと適量の水で希釈してエマルションを形成した。次に、希釈剤として同一レベルのHELOXY改質剤7を加えた後、バッチをEASTMAN EPと脱イオン水で更に希釈し、実施例Cと同一の組成物を得た。この分散液は粒度Dn0.405μ及びDw0.623μであった。更に水を加えて52.0%に調整すると、分散液粘度は12,320センチポアズであった。
【0049】
実施例E
モノエポキシド/実施例2付加物界面活性剤を使用して製造したエポキシ樹脂分散液
実施例2に記載した手順に従って製造したアミドアミン150gにHELOXY改質剤64(ノニルフェノールグリシジルエーテル)18.1gを加えた。これらの材料を120℃で1時間付加反応させた。
上記実施例Bと同一方法により、実施例Bと同一のポリエチレングリコール界面活性剤濃度でこの界面活性剤を使用して分散液を製造した。得られたエマルションは粒度Dn0.698μ及びDw0.974μであった。粘度は54.7%NVで508センチポアズであった。
【0050】
実施例F
多官能性エポキシド/実施例A付加物界面活性剤を使用して製造したエポキシ樹脂分散液
上記実施例Bに記載した界面活性剤の反復からの界面活性剤を使用してDEN438(Dow Chemical Co.製グリシジル化フェノールノボラック)分散液を製造した。2リットル容樹脂フラスコでDEN438樹脂503.08gとEPON1002樹脂18.52gを溶融させた。このバッチに界面活性剤65.97gを加えた。材料を139℃まで加熱した後、125℃まで冷却し、この時点でバッチ温度を68℃まで放冷させながら脱イオン水126gを108分間かけて加えた。温度が68℃に達すると、バッチは逆転し、水中樹脂エマルションを形成した。バッチを25℃まで冷却しながら、よく混合しながら更に脱イオン水を加えて63.6%NVまで希釈した。このエマルションの粒度はDn0.523μ及びDw0.716μであった。不揮発性樹脂に基づくEEWは195であり、粘度は14,380センチポアズであった。エマルションは米国特許第4,122,067号の請求項12(実施例7)に記載されている界面活性剤を使用した同様のノボラックエポキシ樹脂の従来技術エマルションに比較して熱老化安定性に優れていた。米国特許第5,118,729号の実施例5に記載されているDEN438の分散液に比較すると、この実施例Fの分散液は2分の1以下の界面活性剤含量でありながら同等粒度であった。
【0051】
実施例G
エポキシ溶液に加えた実施例4の界面活性剤を使用して製造したエポキシ樹脂分散液
上記実施例Aに記載した装置を使用し、EPON樹脂828(294.3g)、ビスフェノールA85.85g及びヨウ化エチルトリフェニルホスホニウム触媒0.22gを使用してエポキシ樹脂を製造した。このエポキシをエポキシ当量463まで重合後に、グリコールエーテルEASTMAN EP57.24gをバッチに加えた直後に120℃で実施例4からのジアミドアミン界面活性剤25.06gを加えた。バッチを73℃まで放冷させた後、脱イオン水185.4gを3時間20分間かけて加えた。次に、バッチを58℃まで放冷させると、この時点で逆転し、水中樹脂エマルションを形成した。次に、バッチを一晩放置した。翌朝、バッチをよく混合しながら76℃まで加熱し、更に脱イオン水75.8gを加えた。次に、HELOXY7エポキシ希釈剤7.36gを加えた。バッチをこの温度で更に希釈し、EASTMAN EP19.08gを迅速に加えた。バッチを更に希釈し、周囲条件で非流動性の不揮発分45%のエマルションを得た。このエマルションの粒度を測定すると、Dn0.744μ及びDw1.032μであった。
【0052】
実施例H
単離EPON樹脂828/実施例4付加物界面活性剤を使用して製造したエポキシ樹脂分散液
1リットル容フラスコに実施例4からのアミドアミン200gとEPON樹脂828(91.8g)を加えた。これらの材料をよく混合しながら窒素雰囲気下に110℃まで加熱しながら反応させた。このバッチを110℃に4.5時間維持した後、エポキシ当量を測定すると、720であった。
実施例Bと同様に、鎖延長エポキシ樹脂からエポキシエマルションを形成した。この樹脂はEPON樹脂828(281.8g)、ビスフェノールA85.85g、ETPPI0.21g、上記界面活性剤37.5g、EASTMAN EPグリコールエーテル76.33g、HELOXY7エポキシ希釈剤7.36g及び脱イオン水336.1から構成した。67%NV及び72℃で水中樹脂エマルションが形成された。不揮発分50%ではこのエマルションは粘度が高過ぎて注下できなかった。得られた粒度はDn0.319μ及びDw0.985μであった。
【0053】
実施例I
単離EPON樹脂828/実施例6付加物界面活性剤を使用して製造したエポキシ樹脂分散液
同一装置及び同一重量を使用して、実施例Aと同様にエポキシ分散液を製造した。この分散液では実施例6からのアミドアミン(カルボキシ化メトキシPEG2000のDYTEK Aジアミドアミン)を実施例Aと同一重量で使用した。この分散液は脱イオン水152gを添加後に53℃で逆転した。逆転後のバッチを約2時間53〜34℃で混合した後、平均粒度はDn0.577μ及びDw0.742μであった。次に、更に脱イオン水を加えてバッチを57.9%NVで粘度12,500cPまで希釈した。
【0054】
実施例J
実施例8付加物界面活性剤を使用したエポキシ樹脂分散液
4リットル容樹脂フラスコで下記のようにビスフェノールAエポキシポリマーを製造及び分散させた。EPON樹脂828(液体エポキシ)1095.34gにビスフェノールA404.66gとヨウ化エチルトリフェニルホスホニウム触媒0.53gをブレンドした。このブレンドをエポキシ当量約650まで重合した。このエポキシポリマーにEPON樹脂828(210.58g)、CARDURA E−10(28.95g)及びARCOSOLV PEグリコールエーテル52.50gをブレンドした(ARCOSOLVは商標である)。このブレンドを約100℃まで放冷させた後、アセトン26.25gを加えた。次に、実施例8の界面活性剤溶液121.74gを加え、エポキシポリマーと100℃で1.5時間反応させた。次に、脱イオン水225gを加えることにより、界面活性剤を含むこのエポキシポリマーを分散させた。ポリマーは温和な混合下に乳化した。約1時間70〜80℃で混合後にポリマーエマルションは均一になった。次に、エマルションを脱イオン水875g、アセトン10g及び実施例8の界面活性剤溶液5.66gで希釈した。得られたエポキシ分散液の性質を測定した処、1)56.4%NV、2)エポキシ当量915、3)ブルックフィールド粘度3,600センチポアズ、及び平均粒度Dn0.499μであった。
【0055】
実施例K
実施例9(Detaアミドアミン)付加物界面活性剤を使用したエポキシ樹脂分散液
EPON樹脂1001(360.66g)を100℃でARCOSOLV PE55.77gに溶かした。この溶液に実施例9からの水溶液35.7gを加えた。実施例9の溶液をエポキシ溶液と40分間101〜93℃で混合後に、脱イオン水47.34gを4分間かけて加え、バッチを65℃まで放冷させた後によく混合しながら脱イオン水45gを1時間35分間かけて加えることによりエポキシ界面活性剤溶液を分散させた。この時点でバッチは水中樹脂分散液であった。バッチを更に1時間63〜66℃で混合した後、CARDURA E−10(7.43g)を分散液に加えた。更に1時間混合後に、脱イオン水を更に165g加えてバッチを希釈した。得られた安定分散液は平均粒度Dn0.526μ及びDw0.746μであった。分散液の%NVは54.0であり、周囲条件粘度は16,720センチポアズであり、樹脂エポキシ当量は564であった。
【0056】
実施例L
カルボキシ化PEG4600のTetaアミドアミンを使用したエポキシ樹脂分散液
実施例IでDeta界面活性剤を使用したと同様の方法で、実施例10からのTeta溶液36.05gを使用してEPON樹脂1001F360.66gをARCOSOLV PE55.77gに分散させた。得られたエポキシ分散液は平均粒度Dn1.68μ及びDw2.08μであった。周囲条件粘度は48.1%NVで18,200センチポアズであった。樹脂エポキシ当量を測定すると、585であった。
【0057】
実施例M
実施例8付加物界面活性剤を使用したエポキシ樹脂分散液
3リットル容樹脂フラスコにEPON樹脂828(532.76g)、ビスフェノールA196.82g及びヨウ化エチルトリフェニルホスホニウム0.27gを加えた。次に、この触媒添加エポキシを170〜191℃でエポキシ当量675まで鎖延長した。このバッチを149℃まで放冷させ、EPON樹脂828(80.53g)、ARCOSOLV PMグリコールエーテル24.55g及び上記実施例8に記載した界面活性剤溶液89.12gを順に加えた。バッチ溶液を2時間かけて104℃まで放冷させた後、よく混合しながら脱イオン水110.19gを10分間かけて加えた。次に、温度を90℃まで下げながら、バッチを更に30分間混合した。この間に樹脂は連続水相に乳化した。更に10分間混合後にエマルション粒度をCOULTER LS230粒度計で測定した。この時点で表面積平均粒度は1.026μであり、90%<2.502μ及び99%<4.753μであった。このエマルションにHELOXY 9液体エポキシ希釈剤16.35gとアセトン27.76gを76〜84℃で10分間かけて加えた。この添加から25分後に再び粒度を測定した処、表面積平均粒度0.621μ、90%<1.332μ及び99%<2.529μであった。バッチを(HELOXY9/アセトンの添加から)55分間76〜81℃で混合した後、表面積平均粒度は0.526μであり、90%<0.923μ及び99%<2.234μであった。次に、85℃まで温度を下げながら、脱イオン水を更に475g加えてバッチを希釈した。80メッシュポリエステルフィルターで濾過後にこのバッチの最終性質を25℃で測定した処、粘度42,000cp、57.4%NV及び表面積平均粒度0.411μ、90%<0.572μ及び99%<0.865μであった。
【0058】
実施例N
実施例8付加物界面活性剤を使用したエポキシ樹脂分散液
同一の本発明の方法を使用して実施例Mと同一組成を11ガロンまで規模拡大した。逆転後にHELOXY9液体エポキシ希釈剤とアセトンを添加した後に粒度は非常に迅速に低下し、逆転後17時間(N−1)に添加すると22時間で粒度0.73μに達し、逆転後1時間(N−2)に添加すると22時間で粒度0.52μに達した。粒度はCOULTER LS230粒度計で測定した。
【0059】
比較例A
エマルションの製造
EPON樹脂828(262.6g,1.405当量)、ビスフェノールA(81.6g,0.716当量)及びヨウ化エチルトリフェニルホスホニウム0.2gを1リットル容樹脂反応がまに加えた。反応がまを窒素でフラッシュした後に内容物を101℃まで昇温し、溶液が形成されるまで保温した。内容物を170℃までゆっくりと昇温し、生成物EEWが510に達するまで保温した。混合物を75℃まで冷却し、この間にEASTMAN EP51gを加えた。温度が75℃に達したら、比較例1で製造した界面活性剤55.6gを加えた。次に、脱イオン水98.4gの添加を開始し、混合物が油中水混合物から水中油混合物に逆転するまで混合物を放冷させた。逆転した混合物を60℃に1.5時間維持した後、HELOXY7希釈剤7.27gを加えた。次に、EASTMAN EP24.4gと脱イオン水147.6gを加えた。次にエマルションを単離し、特性決定した処、粘度1700cP、固形分56.7%、EEW482及び数平均粒度0.89μであった。
【0060】
比較例B
「現場」法によるエポキシエマルションの製造
EPON樹脂828(283.9g,1.52当量)と実施例1の手順に従って製造した5000MWの酸化ポリエチレングリコールモノメチルエーテル36.0g(0.0076当量)を1リットル容樹脂反応がまに加え、減圧下に43分間90℃まで昇温した。この後、ビスフェノールA80.1g(0.703当量)とヨウ化エチルトリフェニルホスホニウム0.27gを加えた。混合物を183℃のピーク温度までゆっくりと昇温すると、混合物は497のEEWを示した。75℃まで冷却しながら、EASTMAN EP51gを加えた後、脱イオン水98.4gをゆっくりと加え、冷却を続けた。50℃まで冷却したが、逆転が生じなかったので、更に水13.8gを加え、混合物を69℃まで再昇温した。更に水8.0gを加えると、逆転が生じた。50分間48〜70℃で撹拌後、更に水8.0gを加えた後、HELOXY7希釈剤7.27g、EASTMAN EP24.4g及び水118.1gを加えた。
最終生成物の性質を測定した処、粘度67,700cp、固形分57%、EEW480及び数平均粒度0.80μであった。
【0061】
比較例C
比較として、実施例1の生成物とEPON樹脂828の4/96(w/w)ブレンドを次のように処理したが、エマルションを形成できなかった。撹拌を停止すると、水相と有機相が分離した。実施例1の生成物を含むブレンドを60℃までしばらく加熱して混和させた後、周囲温度まで冷却した。逆転が生じるまで水をゆっくりと加えながらDISPERMAT撹拌機(DISPERMATはBYK GARDNER,Inc.の商標である)を使用して2000rpmで撹拌した。次いで、更に水を迅速に加え、組成物を固形分60%にした。撹拌を停止すると、水相と有機相が分離した。
【0062】
比較例D
合計NVの6%のJEFFAMINE ED2001を含むエポキシ分散液
撹拌機、窒素入口、真空源及び還流冷却器を取り付けた1リットル容樹脂フラスコにEPON樹脂828(294.25g,1.565当量)、ビスフェノールA81.75g(0.717当量)及びヨウ化エチルトリフェニルホスホニウム触媒を加えた。次に、バッチをエポキシ当量445まで重合した後、168℃から126℃まで放冷させた。次に、JEFFAMINE ED−2001(Texaco Chemical Co.)24.0gを加え、バッチを119〜132℃に1時間維持した。次に、エチレングリコールモノプロピルエーテル50.98gを加え、バッチをよく混合しながら68℃まで放冷させた。脱イオン水112.4gを1時間20分間かけてバッチに加えた。バッチ温度は51℃であった。バッチの水中樹脂分散液逆転を開始するためにはバッチを31℃まで冷却する必要があった。バッチを55℃まで昇温させながら、HELOXY 7エポキシ希釈剤7.27gを加え、2時間混合した。次に、脱イオン水134.2gとエチレングリコールモノプロピルエーテル24.4gを加え、分散液を粘度120cpまで希釈した。%NVを測定すると56.6%であり、粒度は平均Dn0.984μ、平均Dw1.484μであった。室温で1カ月間放置後にこの分散液の軟質沈降が認められた。
【0063】
比較例E
界面活性剤JEFFAMINE M2070−エポキシ付加物を加えたエポキシ分散液
JEFFAMINE M2070(Texaco Chemical Co.)0.145当量をEPON樹脂828(1.452当量)と110℃で3時間反応させることにより、JEFFAMINE M2070−EPON樹脂828付加物界面活性剤を製造した。実施例B及びHに記載したと非常によく似た方法で、EPON樹脂828(253.7g)、ビスフェノールA78.9g及びETPPI触媒0.20gを重合し、JEFFAMINE M2070−EPON樹脂828界面活性剤67.4gを加えた後、エチレングリコールモノプロピルエーテル51.6gで希釈した。75℃で逆転水中樹脂分散液を形成するためには、脱イオン水228.3gが必要であった。Heloxy 7エポキシ希釈剤7.27gを加えた。バッチを更に2時間混合したが、粒度平均は5μを上回った。
【0064】
【表1】
【0065】
ペイントの製造
実施例I及び比較例
2成分ペイント処方
Shell Chemical Company樹脂出発処方番号1805、標準刊行物SC:1893−94に要約されているように、二酸化チタンを硬化剤に分散したEPI−REZ樹脂3520/EPI−CURE硬化剤8536ペイントを製造した。Shell Chemical Company樹脂出発処方番号1804、標準刊行物SC:1892−94に要約されているように、顔料を硬化剤に分散したEPI−REZ樹脂5522/EPI−CURE硬化剤8290ペイントを製造した。1804型処方でCYCLO SOl63(CYCLOは商標である)の代わりにARCOSOLV PnPグリコールエーテル(ARCO Chemical Co.製1−エトキシ−2−プロパノール)を使用し、付加的Eastman EPを加えなかった以外は同一の一般指針に従い、実施例Bからのエポキシ樹脂分散液を使用してペイントを製造した。どのペイントにも滑剤は加えず、全ペイントに流動調節剤として0.5%FC431(3M製品)を加えた。
【0066】
実施例Bのエポキシ分散液を1:1の顔料対バインダー(DuPont製品R−960)比で処方すると、二酸化チタンペイントは耐メチルエチルケトン性に関してEPI−REZ樹脂3520系分散液と同等以上であり、光沢度百分率に関してEPI−REZ樹脂5522系分散液よりも良好であった。ペイント性質を表2にまとめる。
下記硬化剤Eを加えた実施例N−2エポキシ分散液に関するこの白色エナメルペイントの性能は、二酸化チタンを硬化剤に分散させ、酢酸、顔料湿潤剤及び脱泡剤を加えることにより得られた。酢酸は硬化剤の滴定可能な窒素合計当量当たり酢酸0.12当量のレベルで使用した。このペイント中の顔料対バインダー比は0.7:1.0であり、VOCは1.2lb/ガロンであり(1:1の重量比のアセトン及びジプロピレングリコールノルマルブチルエーテルと、実施例N−2エポキシ分散液によりペイントに導入された既存VOCから構成される)、エポキシ対アミン水素の合計当量比は1.1:1.0であった。
硬化剤Eは下記硬化剤分散液である。
【0067】
詳細な手順:
四頚丸底ガラスフラスコに水トラップ付き冷却器、窒素入口、樹脂溶液入口及びアミン入口を取り付けた。フラスコを窒素でフラッシュした。
アミン(トリエチレンテトラミン)(468.72g)を反応器に仕込み、93℃まで加熱した。93℃で、反応混合物の温度が121℃を越えないような速度でアミンに樹脂溶液EPON樹脂1001−X−75(670g)の配量添加を開始した。
添加の完了後、混合物を93℃に更に60分間維持した。過剰のアミンとキシレンを約140℃で約1.5mmHg下に留去した。反応生成物はアミン価約300mgKOH/gであった。次に、反応混合物を121℃まで冷却し、末端酸ポリアルキレングリコール界面活性剤(固体形態)80.63g(樹脂固形分重量の約3.2%の最終界面活性剤濃度に相当)をフラスコに仕込み、約200℃まで2時間加熱した。2時間反応後に反応混合物の酸価を測定した処、2mgKOH/gであり、反応が完了したことを示した。
次に、反応混合物を93℃まで冷却した後、最高温度が121℃を越えないような速度でHELOXY 62改質剤176.5g(アミン付加物上の第1級アミン当たりエポキシ約1当量に相当)を反応容器に加えた。添加の完了後に、反応混合物を93℃に60分間維持した。反応混合物を約78℃まで放冷させた。反応混合物が油中水エマルションから水中油エマルションに逆転するまで水を滴下した。合計量882.37gまで更に水を加え、45重量%の最終固形分濃度を得た。平均粒度は0.5μであった。
同様に表2から明らかなように、硬化剤分散液を加えた実施例N−2を使用したペイント性能は本発明の優れたペイント保護性能特性を示す。
【0068】
【表2】
【0069】
a AはShell Chemical Companyから市販されているE PI−REZ樹脂3520(EEW535のビスフェノールAのジグリシジ ルエーテルの水性エポキシ樹脂分散液)である。
BはShell Chemical Companyから市販されているE PI−REZ樹脂5522(EEW625のビスフェノールAのジグリシジ ルエーテルの水性改質エポキシ樹脂分散液)である。
CはShell Chemical Companyから市販されているE PI−CURE硬化剤8536(アミン水素当量324の脂肪族アミドアミ ン硬化剤)である。
DはShell Chemical Companyから市販されているE PI−CURE硬化剤8290(アミン水素当量163のアミン付加物ノボ ラック硬化剤)である。
【0070】
繊維サイズ剤の製造
実施例II
繊維サイズ剤処方
可変rpm Cowles型分散機を取り付けた1リットル容樹脂フラスコに、EPON樹脂828(248.6g)、ビスフェノールA94.4g及びヨウ化エチルトリフェニルホスホニウム0.21gを加えた。この樹脂を170℃でエポキシ当量693まで鎖延長した。次に、このバッチを106℃まで冷却し、実施例Bに記載したようなエポキシ官能性単離界面活性剤(1モルDYTEK A/カルボキシ化モノメトキシポリエチレングリコール5000と5モルEPON828の付加物)45.0gを加えた。このバッチを86℃まで放冷させ、バッチを77℃まで冷却しながら脱イオン水97gを53分間かけて加えた。分散機を200rpmに設定すると、バッチは不揮発分80%に達する直前に水中樹脂エマルションを形成した。バッチを75分間混合した後、バッチを77℃で400rpmで混合しながら10分間かけて脱イオン水で不揮発分75%まで希釈した。次に、バッチにCYMEL300メラミン12.0gを加えた(CYMELはCYTEC Industriesの商標である)。バッチを引き続き77〜78℃に維持して400rpmで混合しながら、この材料を13分間かけて加えた。次に、このバッチを400rpmで混合しながら52℃まで放冷させながら脱イオン水137.2gで希釈した。
【0071】
得られた分散液は粒度Dn0.964μ及びDw1.317μであった。得られた不揮発分は59.0%であり、50rpmのブルックフィールド6粘度は9,320cPであった。この分散液は貯蔵安定性が良好であった。7カ月後に粘度は10,220cPであり、測定可能なエポキシ当量は693であり、不揮発分は0.5%しか増加していなかった。120°Fで10週間後に粘度は4,800cPであり、測定可能なエポキシ当量は883であり、不揮発分は1.4%増加した。
本実施例は0.1〜3.0%イミダゾール又はジシアンジアミド触媒と架橋剤の存在下に200°F〜400°Fまで加熱することにより一般に架橋される熱硬化性繊維サイズ剤又は接着剤に用いる水性エポキシ樹脂を提供するのに本発明が有用であることを立証するものである。
Claims (14)
- a)水と、
b)1分子当たり0.8エポキシ基を上回る官能価をもつ少なくとも1種のエポキシ樹脂と、
c)エポキシ樹脂の0.1〜20重量%に相当し、構造:
- 式(I)においてmが0〜70の実数であり、nとoが独立して5〜395の実数であるか、式(II)においてmが0〜70の実数であり、nが0〜395の実数であり、oが0〜400の実数であるか、又は式(III)においてmが0〜70の実数であり、nが0〜395の実数であり、oが0〜400の実数であり、n+oが少なくとも35の値をもつ請求項1に記載の水性分散液。
- 少なくとも1種のエポキシ官能性界面活性剤が、(I)と(II)の重量比を20:80〜80:20とした構造(I)及び(II)のアミドアミンと少なくとも1種のエポキシ樹脂を反応させることにより製造されるか、少なくとも1種のエポキシ官能性界面活性剤が、(I)と(III)の重量比を20:80〜80:20とした構造(I)及び(III)のアミドアミンと少なくとも1種のエポキシ樹脂を反応させることにより製造されるか、又は少なくとも1種のエポキシ官能性界面活性剤が、(II)と(III)の重量比を20:80〜80:20とした構造(II)及び(III)のアミドアミンと少なくとも1種のエポキシ樹脂を反応させることにより製造される請求項1に記載の水性分散液。
- 少なくとも1種のエポキシ官能性界面活性剤が、各々m=0である構造(I)のアミドアミン、構造(II)のアミドアミン又は構造(III)のアミドアミンと少なくとも1種のエポキシ樹脂を反応させることにより製造される請求項1から3のいずれか一項に記載の水性分散液。
- (d)i)アセトンを含む溶剤を更に含む請求項1から5のいずれか一項に記載の水性分散液。
- アセトンが水性分散液全体の0.5〜5重量%の量で存在する請求項6に記載の水性分散液。
- 溶剤が更に成分(b)、(c)及び(d)ii)の合計量の1〜10重量%の量で存在するii)不揮発性疎水性液体樹脂又は樹脂改質剤を含む請求項6に記載の水性分散液。
- 不揮発性疎水性液体樹脂又は樹脂改質剤が脂肪族モノグリシジルエーテルユリアホルムアルデヒド樹脂又は脂肪族モノグリシジルエステルである請求項8に記載の水性分散液。
- (c)のエポキシ樹脂が0.8〜1.3の官能価をもつエポキシ樹脂と、少なくとも1.7の官能価をもつエポキシ樹脂の混合物を含む請求項1に記載の水性分散液。
- 請求項1から10のいずれか一項に記載の水性分散液と、エポキシ樹脂用水混和性硬化剤を含む硬化性エポキシ樹脂組成物。
- 水性分散液中の少なくとも1種のエポキシ官能性界面活性剤が、構造(II)のアミドアミンと構造(III)のアミドアミンの重量比を20:80〜80:20とした構造(II)及び(III)のアミドアミンと少なくとも1種のエポキシ樹脂を反応させることにより製造された該水性分散液と、エポキシ樹脂用水混和性硬化剤を含む請求項11に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
- 請求項11又は12に記載の組成物を硬化することにより得られる硬化組成物。
- 水中油エマルションを生じるために有効な条件下で、a)水と、b)1分子当たり0.8エポキシ基を上回る官能価をもつエポキシ樹脂を、c)エポキシ樹脂の0.1〜20重量%に相当し、構造:
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