JP4050993B2 - Optical recording medium, optical recording medium thickness measurement method, film thickness control method, and manufacturing method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、複数の記録層を有し、片面側からのレーザ光により再生・記録可能な光記録媒体、そして、その膜厚測定方法、膜厚制御方法及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、CD−R,CD−RW,MO等の各種光記録媒体は、大容量の情報を記憶でき、ランダムアクセスが容易であるために、コンピュータのような情報処理装置における外部記憶装置として広く認知され普及しつつある。さらに取り扱う情報量の増大により、記憶密度を高めることが望まれている。
【0003】
種々の光記録媒体の中でもCD−R,DVD−R,DVD+Rなど、有機色素を含む記録層(色素含有記録層ともいう)を有する光ディスクは比較的安価で、且つ、再生専用の光ディスクとの互換性を有するため、特に広く用いられている。
一例として、有機色素を含む記録層を有する光ディスクとして代表的なCD−Rなどの媒体は、透明ディスク基板上に色素含有記録層と反射層とをこの順に有し、これらの記録層や反射層を覆う保護層を有する積層構造であり、基板を通してレーザ光にて記録・再生を行なうものである。
【0004】
同じく代表的な片面型DVD−R(又は片面型DVD+R)は、第1の透明ディスク基板上に色素含有記録層、反射層、これらを覆う保護層をこの順に有し、さらに保護層の上に接着層を介して或いは介さずに、第2の透明ディスク基板上に反射層を形成したいわゆるダミーディスクを設けた積層構造であり、第1の透明ディスク基板を通してレーザ光にて記録・再生を行なうものである。ダミーディスクは透明ディスク基板のみであっても良いし、反射層以外の層を設けていても良い。
【0005】
これら光記録媒体の記録容量を更に大容量化するための1つの手段として、1枚の媒体に記録層を複数、例えば2層(デュアルレイヤ)設けることが挙げられる。また、この場合、2つの記録層を片面から記録・再生ができるようにすることが利便性の上で望まれており、例えば図7に示すような光記録媒体が開発されている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
すなわち、従来の光記録媒体は図7に示すように、第一の透光性基板50上に、記録用レーザ光の照射により光学的に情報が記録し得る有機色素からなる第一の情報記録層52と、再生用レーザ光の一部を透過し得る半透光性反射膜で構成された第一の反射層53と、前記記録用レーザ光及び再生用レーザ光に対して透光性を有する中間層51と、記録用レーザ光の照射により光学的に情報が記録し得る有機色素からなる第二の情報記録層52′と、再生用レーザ光を反射する第二の反射層53′と、第二の透光性基板50′とがこの順に積層されて構成されている。
【0007】
このような構成により、光記録媒体の片面側から第一の情報記録層52及び第二の情報記録層52′に情報を記録することが可能になり、再生時にも、いわゆるデュアルレイヤタイプの光記録媒体として片面側から信号を読み取ることが可能となっている。
【0008】
また、このような積層構造を有する光記録媒体の製造方法としては、例えば、第一の透光性基板50上に第一の情報記録層52,第一の反射層53,中間層51,第二の情報記録層52′,第二の反射層53′をこの順に形成し、最後に第二の透光性基板50′を接着することで製造する方法(タイプ1)と、第一の透光性基板50上に第一の情報記録層52,第一の反射層53をこの順に形成して第一の構成物を作製する一方、第二の透光性基板50′上に第二の反射層53′,第二の情報記録層52′をこの順に形成して第二の構成物を作製し、中間層51を介して第一の構成物の第一の反射層53と第2の構成物の第二の情報記録層52′とが対向するように貼り合わせることで製造する方法(タイプ2)とが考えられる。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−66622号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、光記録媒体において良好な特性を得るためには、膜厚を精密にコントロールすることが重要となる。特に、上述したように、片面側からのレーザ光により二つの記録層の記録・再生を行なう片面二層媒体において必須とされる第一の反射層53(上述の半透光性反射膜で構成された反射層。半透明反射層)は、透過率を制御することが重要であり、厳密な膜厚管理が必要とされる。
【0011】
例えば、半透明反射層53の膜厚がぶれると、第一の情報記録層52及び第二の情報記録層52′の両方の記録・再生に影響が生じ、ジッタを悪化させることになる。
具体的には、半透明反射層53の膜厚がぶれると、第一の情報記録層52に対する反射率が変わるので、記録時の記録パワーが変動し、ジッタが悪化する。同様に、再生時も再生パワーが変わり、さらにジッタが悪化する。
【0012】
また、第二の情報記録層52′に対する透過率も変わるので、上記と同様に記録パワーや再生パワーが変動し、ジッタが悪化する。さらに、この場合、レーザ光は、往き及び戻りの2回、半透明反射層53を通過することになるので、半透明反射層53の膜厚のぶれは、第二の情報記録層52′に対しては2倍の影響がある。
【0013】
なお、いわゆる反射層(半透明でない反射層。全反射層)は、入射光を反射さえすればよく、透過率や吸収率は考慮しなくても良いので、従来から半透明反射層53ほど厳密な膜厚管理は必要とされていない。
【0014】
また、膜厚を測定する方法は種々知られているが、反射法に比べて簡便且つ安価であるという点から、透過法を用いる場合が多い。
透過法は、一般的に、測定対象となる膜に光(例えば赤色レーザ,He−Neレーザ,He−Cdレーザ等。好ましくは可視光)を照射して透過光量を測定し、入射光量と透過光量の比から透過率を導き出し、膜厚を算出する方法である。ただし、透過法であっても、光を入射すると一部は反射するので、媒体の光吸収率が小さい場合には、反射光量を測定することによって、透過光量を間接的に測定することも可能である。
【0015】
しかしながら、上述したデュアルレイヤの光記録媒体(片面二層媒体)において、例えばタイプ1の製造方法により光記録媒体を製造する場合、第一の透光性基板50と半透明反射層53との間に第一の情報記録層52が介在しているので、透過法で半透明反射層53の膜厚を測定しようとしても第一の情報記録層52の影響があり、半透明反射層53の膜厚を正確に測定することが困難である。
また、タイプ2の製造方法により光記録媒体を製造する場合にも、上記と同様の理由で、半透明反射層53の膜厚を正確に測定することが困難である。
【0016】
さらに、このように、透明基板と半透明反射層との間に記録層等の他の層が設けられた光記録媒体では、半透明反射層の膜厚の測定が正確に行なえないので、この測定情報を塗布工程にフィードバックして次に製造される光記録媒体の半透明反射層の膜厚を制御することができない。
【0017】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、透明基板と半透明反射層との間に記録層等が設けられた光記録媒体において、透過法により前記半透明反射層の膜厚を容易に測定できるようにした、光記録媒体、光記録媒体の膜厚測定方法、膜厚制御方法及び製造方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の光記録媒体(請求項1)は、光透過性の基板と半透明反射層との間に他の層をそなえ、該半透明反射層の領域が、該他の層の領域よりも所定領域だけ広く形成されていることを特徴としている。
これにより、記録層等の他の層に邪魔されることなく半透明反射層の膜厚を透過法で測定できる。
【0019】
該他の層は、光学的に情報が記録され得る色素含有記録層を含んでいることが好ましい(請求項2)。
該所定領域において、該基板と該半透明反射層とが直接又は光透過性の層を介して接していることが好ましい(請求項3)。
該基板はディスク状であり、該所定領域は、該基板の内周側及び/又は外周側に設けられていることが好ましい(請求項4)。
【0020】
本発明の光記録媒体の膜厚測定方法(請求項5)は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光記録媒体の膜厚測定方法であって、透過法により該所定領域における該半透明反射層の膜厚を測定することを特徴としている。
本発明の光記録媒体の膜厚測定方法(請求項6)は、光透過性の基板と半透明反射層との間に他の層をそなえた光記録媒体の膜厚測定方法であって、予め半透明反射層の膜厚と透過光量との関係を求めておき、該他の層を形成した後、透過法により該基板及び該他の層の第1の透過光量を測定し、該半透明反射層を形成した後、透過法により該基板及び該他の層及び該半透明反射層の第2の透過光量を測定し、該第1の透過光量と該第2の透過光量との差から該半透明反射層の膜厚を求めることを特徴としている。
【0021】
本発明の光記録媒体の膜厚制御方法(請求項7)は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光記録媒体の膜厚制御方法であって、透過法により該所定領域における該半透明反射層の膜厚を測定し、この膜厚測定情報に基づいて、その後に形成される半透明反射層の膜厚を制御することを特徴としている。
本発明の光記録媒体の製造方法(請求項8)は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光記録媒体の製造方法であって、該基板上に、該他の層を形成し、該他の層上に、該他の層の領域よりも所定領域だけ広い領域に該半透明反射層を形成することを特徴としている。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下では、積層構造の異なる2つのタイプの光記録媒体について説明する。
〔1〕第1実施形態
(A−1)タイプ1の光記録媒体の構成
図1は本実施形態に係る光記録媒体(タイプ1)を示す模式的な断面図である。
【0023】
本実施形態に係るタイプ1の光記録媒体は、ディスク状の透明な(光透過性の)第1基板(第1の基板)1上に、色素を含む第1記録層(第1の色素含有記録層)2、半透明の反射層(以下、半透明反射層という)3、中間樹脂層(中間層)4、色素を含む第2記録層(第2の色素含有記録層)5、反射層6、接着層7、第2基板(第2の基板)8をこの順に有してなる。光ビームは第1基板1側から照射され、記録・再生が行われる。
【0024】
なお、本発明において「光透過性(又は透明)」とは、透過法による膜厚測定(これについては後述する)において用いられる光の波長に対する光透過性(λ1光透過性という)と、光記録媒体の記録・再生を行なう際に用いられる光の波長に対する光透過性(λ2光透過性という)との2つの光透過性を意味する。また、上記の膜厚測定光の波長及び記録再生光の波長について50%以上(好ましくは60%以上)の透過性があれば実質的に光透過性であるといえる。
【0025】
第1基板1、中間樹脂層4上にはそれぞれ凹凸が形成され、それぞれ記録トラックを構成する。記録トラックは凸部及び凹部のどちらでも良いが、一般には、第1基板1上の記録トラック11は、光の入射方向に対して凸部で構成され、中間樹脂層4上の記録トラック12も、光の入射方向に対して凸部で構成される場合が多い。この他に必要に応じ凹凸ピットを有することもある。特に断らない限り、本発明において凹凸は記録・再生に用いる光の入射方向に対して定義される。
【0026】
次に、各層について説明する。
(1)第1基板1について
第1基板1は、λ1光透過性及びλ2光透過性の両方の光透過性を有している必要があるほか複屈折率が小さいなど光学特性に優れることが望ましい。また射出成形が容易であるなど成形性に優れることが望ましい。さらに、吸湿性が小さいと反り等を低減することができ、望ましい。
【0027】
更に、光記録媒体がある程度の剛性を有するよう、形状安定性を備えるのが望ましい。但し第2基板8が十分な形状安定性を備えていれば、第1基板1は形状安定性が大きくなくても良い。
このような材料としては、例えばアクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂(特に非晶質ポリオレフィン)、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂からなるもの、ガラスからなるものを用いることができる。或いは、ガラス等の基体上に、光硬化樹脂等の放射線硬化樹脂からなる樹脂層を設けたもの等も使用できる。
【0028】
なお、光学特性、成形性などの高生産性、コスト、低吸湿性、形状安定性などの点からはポリカーボネートが好ましい。耐薬品性、低吸湿性などの点からは、非晶質ポリオレフィンが好ましい。また、高速応答性などの点からは、ガラス基板が好ましい。
第1基板1は薄い方が好ましく、通常厚さは2mm以下が好ましく、より好ましくは1mm以下である。対物レンズと記録層の距離が小さく、また、基板が薄いほどコマ収差が小さい傾向があり、記録密度を上げやすい。但し光学特性、吸湿性、成形性、形状安定性を十分得るためにはある程度の厚みが必要であり、通常10μm以上が好ましく、より好ましくは30μm以上である。
【0029】
本光記録媒体においては、第1記録層2及び第2記録層5の両方に良好に記録再生を行なうために、対物レンズと両記録層との距離を適宜調節することが望ましい。例えば、対物レンズの焦点が両記録層のほぼ中間地点となるようにすると、両記録層にアクセスしやすいので好ましい。
具体的に説明する。片面型DVD−Rシステムにおいては、基板厚さ0.6mmのときに対物レンズと記録層との距離が最適になるよう調節されている。
【0030】
従って本層構成において片面型DVD−R互換の場合は、第1基板1の厚さは、0.6mmから、中間樹脂層4の膜厚の2分の1を減じた厚さであることが最も好ましい。このとき、両記録層のほぼ中間地点が約0.6mmとなり、両記録層にフォーカスサーボがかけやすい。
なお、第2記録層5と半透明反射層3の間にバッファー層や保護層など他の層がある場合は、0.6mmから、それらの層と中間樹脂層4の膜厚の和の2分の1を減じた厚さであることが最も好ましい。
【0031】
第1基板1には凹凸が螺旋状又は同心円状に設けられ、溝及びランドを形成する。通常、このような溝及び/又はランドを記録トラックとして、第1記録層2に情報が記録・再生される。波長650nmのレーザを開口数0.6から0.65の対物レンズで集光して記録再生が行われるいわゆるDVD−Rディスクの場合、通常、第1記録層2は塗布形成されるので溝部で厚膜となり記録再生に適する。
【0032】
本光記録媒体においては第1基板1の溝部、即ち光の入射方向に対して凸部を記録トラック11とするのが好ましい。ここで、凹部、凸部はそれぞれ光の入射方向に対する凹部、凸部を言う。通常、溝幅は200〜500nm程度であり、溝深さは10〜250nm程度である。また記録トラックが螺旋状である場合、トラックピッチは0.1〜2.0μm程度であることが好ましい。この他に必要に応じ、ランドプリピット等の凹凸ピットを有してもよい。
【0033】
このような凹凸を有する基板は、コストの観点から、凹凸を持つスタンパから射出成形により製造するのが好ましい。ガラス等の基体上に光硬化樹脂等の放射線硬化樹脂からなる樹脂層を設ける場合は、樹脂層に記録トラックなどの凹凸を形成してもよい。
【0034】
(2)第1記録層2について
第1記録層2は、通常、片面型記録媒体(例えばCD−R,DVD−R,DVD+R)等に用いる記録層と同程度の感度である。
【0035】
また、良好な記録再生特性を実現するためには低発熱で高屈折率な色素を用いることが望ましい。
更に、第1記録層2と半透明反射層3との組合せにおいて、光の反射、透過及び吸収を適切な範囲とすることが望ましい。記録感度を高くし、かつ記録時の熱干渉を小さくできる。
【0036】
このような有機色素材料としては、大環状アザアヌレン系色素(フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、ポルフィリン色素など)、ピロメテン系色素、ポリメチン系色素(シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素など)、アントラキノン系色素、アズレニウム系色素、含金属アゾ系色素、含金属インドアニリン系色素などが挙げられる。
【0037】
上述の各種有機色素の中でも含金属アゾ系色素は、記録感度に優れ、かつ耐久性,耐光性に優れるため好ましい。特に下記一般式(I)又は(II)
【0038】
【化1】
【0039】
(環A1及びA2は、各々独立に置換基を有していてもよい含窒素芳香族複素環であり、環B1及びB2は、各々独立に置換基を有していてもよい芳香族環である。Xは、少なくとも2個のフッ素原子で置換されている炭素数1〜6のアルキル基である。)で表される化合物が好ましい。
本光記録媒体の記録層に使用される有機色素は、350〜900nm程度の可視光〜近赤外域に最大吸収波長λmaxを有し、青色〜近マイクロ波レーザでの記録に適する色素化合物が好ましい。通常CD−Rに用いられるような波長770〜830nm程度の近赤外レーザや、DVD−Rに用いられるような波長620〜690nm程度の赤色レーザ、あるいは波長410nmや515nmなどのいわゆるブルーレーザなどでの記録に適する色素がより好ましい。
【0040】
色素は一種でもよいし、同じ種類のものや異なる種類のものを二種以上混合して用いても良い。さらに、上記複数の波長の記録光に対し、各々での記録に適する色素を併用して、複数の波長域でのレーザ光による記録に対応する光記録媒体とすることもできる。
【0041】
また記録層は、記録層の安定や耐光性向上のために、一重項酸素クエンチャーとして遷移金属キレート化合物(例えば、アセチルアセトナートキレート、ビスフェニルジチオール、サリチルアルデヒドオキシム、ビスジチオ−α−ジケトン等)等や、記録感度向上のために金属系化合物等の記録感度向上剤を含有していても良い。ここで金属系化合物とは、遷移金属等の金属が原子、イオン、クラスター等の形で化合物に含まれるものを言い、例えばエチレンジアミン系錯体、アゾメチン系錯体、フェニルヒドロキシアミン系錯体、フェナントロリン系錯体、ジヒドロキシアゾベンゼン系錯体、ジオキシム系錯体、ニトロソアミノフェノール系錯体、ピリジルトリアジン系錯体、アセチルアセトナート系錯体、メタロセン系錯体、ポルフィリン系錯体のような有機金属化合物が挙げられる。金属原子としては特に限定されないが、遷移金属であることが好ましい。
【0042】
さらに本光記録媒体の記録層には、必要に応じて、バインダー、レベリング剤、消泡剤等を併用することもできる。好ましいバインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ケトン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリオレフィン等が挙げられる。
【0043】
記録層の膜厚は、記録方法などにより適した膜厚が異なるため、特に限定するものではないが、十分な変調度を得るためには通常5nm以上が好ましく、より好ましくは10nm以上であり、特に好ましくは20nm以上である。但し、本光記録媒体においては適度に光を透過させるためには厚すぎない必要があるため、通常3μm以下であり、好ましくは1μm以下、より好ましくは200nm以下である。記録層の膜厚は通常、溝部とランド部で異なるが、本光記録媒体において記録層の膜厚は基板の溝部における膜厚を言う。
【0044】
記録層の成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、ドクターブレード法、キャスト法、スピンコート法、浸漬法等一般に行われている薄膜形成法が挙げられるが、量産性、コスト面からはスピンコート法が好ましい。また厚みの均一な記録層が得られるという点からは、塗布法より真空蒸着法の方が好ましい。
スピンコート法による成膜の場合、回転数は10〜15000rpmが好ましく、スピンコートの後、加熱あるいは溶媒蒸気にあてる等の処理を行っても良い。
【0045】
ドクターブレード法、キャスト法、スピンコート法、浸漬法等の塗布方法により記録層を形成する場合の塗布溶媒としては、基板を侵さない溶媒であればよく、特に限定されない。例えば、ジアセトンアルコール、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン等のケトンアルコール系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;n−ヘキサン、n−オクタン等の鎖状炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、n−ブチルシクロヘキサン、tert−ブチルシクロヘキサン、シクロオクタン等の環状炭化水素系溶媒;テトラフルオロプロパノール、オクタフルオロペンタノール、ヘキサフルオロブタノール等のパーフルオロアルキルアルコール系溶媒;乳酸メチル、乳酸エチル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル等のヒドロキシカルボン酸エステル系溶媒等が挙げられる。
【0046】
真空蒸着法の場合は、例えば有機色素と、必要に応じて各種添加剤等の記録層成分を、真空容器内に設置されたるつぼに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10-2〜10-5Pa程度にまで排気した後、るつぼを加熱して記録層成分を蒸発させ、るつぼと向き合って置かれた基板上に蒸着させることにより、記録層を形成する。
【0047】
(3)半透明反射層3について
半透明反射層3は、ある程度の光透過率を持つ反射層である。つまり、記録再生光の吸収が小さく、光透過率が少なくとも40%以上あり、かつ適度な光反射率(通常、30%以上)がある。例えば、反射率の高い金属を薄く設けることにより適度な透過率を持たせることができる。また、ある程度の耐食性があることが望ましい。更に、半透明反射層3の上層(ここでは中間樹脂層4)の浸み出しにより第1記録層2が影響されないよう遮断性を持つことが望ましい。
【0048】
高透過率を確保するために、半透明反射層3の厚さは通常、50nm以下が好適である。より好適には30nm以下である。更に好ましくは25nm以下である。但し、第1記録層2が半透明反射層3の上層により影響されないために、ある程度の厚さが必要であり、通常3nm以上とする。より好ましくは5nm以上とする。
【0049】
半透明反射層3の材料としては、再生光の波長で反射率が適度に高いもの、例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta、Pd、Mg、Se、Hf、V、Nb、Ru、W、Mn、Re、Fe、Co、Rh、Ir、Zn、Cd、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi及び希土類金属などの金属及び半金属を単独あるいは合金にして用いることが可能である。この中でもAu、Al、Agは反射率が高く半透明反射層3の材料として適している。これらを主成分とする以外に他成分を含んでいても良い。
【0050】
なかでもAgを主成分としているものはコストが安い点、反射率が高い点から特に好ましい。ここで主成分とは含有率が50%以上のものをいう。
半透明反射層3は膜厚が薄く、膜の結晶粒が大きいと再生ノイズの原因となるため、結晶粒が小さい材料を用いるのが好ましい。純銀は結晶粒が大きい傾向があるためAgは合金として用いるのが好ましい。
【0051】
中でもAgを主成分とし、Ti、Zn、Cu、Pd、Au及び希土類金属よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を0.1〜15原子%含有することが好ましい。Ti、Zn、Cu、Pd、Au及び希土類金属のうち2種以上含む場合は、各々0.1〜15原子%でもかまわないが、それらの合計が0.1〜15原子%であることが好ましい。
【0052】
特に好ましい合金組成は、Agを主成分とし、Ti、Zn、Cu、Pd、Auよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を0.1〜15原子%含有し、かつ少なくとも1種の希土類元素を0.1〜15原子%含有するものである。希土類金属の中では、ネオジウムが特に好ましい。具体的には、AgPdCu、AgCuAu、AgCuAuNd、AgCuNdなどである。
【0053】
半透明反射層3としてはAuのみからなる層は結晶粒が小さく、耐食性に優れ好適である。ただし、Ag合金に比べて高価である。
また、半透明反射層3としてSiからなる層を用いることも可能である。
金属以外の材料で低屈折率薄膜と高屈折率薄膜を交互に積み重ねて多層膜を形成し、反射層として用いることも可能である。
【0054】
半透明反射層3を形成する方法としては、例えば、スパッタ法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられる。また、第1基板1と第1記録層2との間、及び又は、第1記録層2と半透明反射層3との間、に反射率の向上、記録特性の改善、密着性の向上等のために公知の無機系または有機系の中間層、接着層を設けることもできる。
【0055】
(4)中間樹脂層4について
中間樹脂層4は、λ1光透過性及びλ2光透過性の両方の光透過性を有している必要があるほか、凹凸により溝やピットが形成可能である必要がある。また接着力が高く、硬化接着時の収縮率が小さいと媒体の形状安定性が高く好ましい。そして、中間樹脂層4は、第2記録層5にダメージを与えない材料からなることが望ましい。但し、中間樹脂層4は通常、樹脂からなるため第2記録層5と相溶しやすく、これを防ぎダメージを抑えるために両層の間に後述のバッファー層を設けることが望ましい。
【0056】
さらに、中間樹脂層4は、半透明反射層3にダメージを与えない材料からなることが望ましい。但し、ダメージを抑えるために両層の間に後述のバッファー層を設けることもできる。
【0057】
本光記録媒体において、中間樹脂層4の膜厚は正確に制御することが好ましい。中間樹脂層4の膜厚は、通常5μm以上が好ましい。2層の記録層に別々にフォーカスサーボをかけるためには両記録層の間にある程度の距離がある必要がある。フォーカスサーボ機構にもよるが、通常5μm以上、好ましくは10μm以上が必要である。一般に、対物レンズの開口数が高いほどその距離は小さくてよい傾向がある。但しあまり厚いと2層の記録層にフォーカスサーボを合わせるのに時間を要し、また対物レンズの移動距離も長くなるため好ましくない。また硬化に時間を要し生産性が低下するなどの問題があるため、通常、100μm以下が好ましい。
【0058】
中間樹脂層4には凹凸が螺旋状又は同心円状に設けられ、溝及びランドを形成する。通常、このような溝及び/又はランドを記録トラックとして、第2記録層5に情報が記録・再生される。通常、第2記録層5は塗布形成されるので溝部で厚膜となり記録再生に適する。本光記録媒体においては中間樹脂層4の溝部、即ち光の入射方向に対して凸部を記録トラック12とするのが好ましい。ここで、凹部、凸部はそれぞれ光の入射方向に対する凹部、凸部を言う。通常、溝幅は200〜500nm程度であり、溝深さは10〜250nm程度である。また記録トラックが螺旋状である場合、トラックピッチは0.1〜2.0μm程度であることが好ましい。この他に必要に応じ、ランドプリピット等の凹凸ピットを有してもよい。
【0059】
このような凹凸は、コストの観点から、凹凸を持つ樹脂スタンパ等から光硬化性樹脂などの硬化性樹脂に転写、硬化させて製造するのが好ましい。以下、このような方法を2P法(Photo Polymerization法)と称することがある。
中間樹脂層4の材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂(遅延硬化型を含む)等を挙げることができる。
【0060】
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、これを塗布し、乾燥(加熱)することによって形成することができる。紫外線硬化性樹脂は、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後にこの塗布液を塗布し、紫外光を照射して硬化させることによって形成することができる。紫外線硬化性樹脂には様々な種類があり、λ1光透過性及びλ2光透過性を有していればいずれも用いうる。またそれらの材料を単独であるいは混合して用いても良いし、1層だけではなく多層膜にして用いても良い。
【0061】
塗布方法としては、記録層と同様にスピンコート法やキャスト法等の塗布法等の方法が用いられるが、この中でもスピンコート法が好ましい。或いは、粘度の高い樹脂はスクリーン印刷等によっても塗布形成できる。紫外線硬化性樹脂は、生産性を20〜40℃において液状であるものを用いると、溶媒を用いることなく塗布でき好ましい。また、粘度は20〜1000mPa・sとなるように調製するのが好ましい。
【0062】
さて、紫外線硬化性接着剤としては、ラジカル系紫外線硬化性接着剤とカチオン系紫外線硬化性接着剤があるが、いずれも使用可能である。
ラジカル系紫外線硬化性接着剤としては、公知の全ての組成物を用いることができ、紫外線硬化性化合物と光重合開始剤を必須成分として含む組成物が用いられる。紫外線硬化性化合物としては、単官能(メタ)アクリレートや多官能(メタ)アクリレートを重合性モノマー成分として用いることができる。これらは、各々、単独または2種類以上併用して用いることができる。ここで、本発明では、アクリレートとメタアクリレートとを併せて(メタ)アクリレートと称する。
【0063】
本光記録媒体に使用できる重合性モノマーとしては例えば以下のものが挙げられる。単官能(メタ)アクリレートとしては例えば、置換基としてメチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、ベンジル、メトキシエチル、ブトキシエチル、フェノキシエチル、ノニルフェノキシエチル、テトラヒドロフルフリル、グリシジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、ノニルフェノキシエチルテトラヒドロフルフリル,カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル、イソボルニル,ジシクロペンタニル,ジシクロペンテニル,ジシクロペンテニロキシエチル等の如き基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0064】
また、多官能(メタ)アクリレートとしては例えば、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジまたはトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキル化リン酸(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0065】
また、重合性モノマーと同時に併用できるものとしては、重合性オリゴマーとしてポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等がある。
更に、本光記録媒体に使用する光重合開始剤は、用いる重合性オリゴマーおよび/または重合性モノマーに代表される紫外線硬化性化合物が硬化できる公知のものがいずれも使用できる。光重合開始剤としては、分子開裂型または水素引き抜き型のものが本光記録媒体に好適である。
【0066】
このような例としては、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が好適に用いられ、さらにこれら以外の分子開裂型のものとして、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンおよび2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等を併用しても良いし、さらに水素引き抜き型光重合開始剤である、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルスルフィド等も併用できる。
【0067】
また光重合開始剤に対する増感剤として例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の、前述重合性成分と付加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。もちろん、上記光重合開始剤や増感剤は、紫外線硬化性化合物への溶解性に優れ、紫外線透過性を阻害しないものを選択して用いることが好ましい。
【0068】
また、カチオン系紫外線硬化性接着剤としては公知のすべての組成物を用いることができ、カチオン重合型の光開始剤を含むエポキシ樹脂がこれに該当する。カチオン重合型の光開始剤としては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩およびジアゾニウム塩等がある。
ヨードニウム塩の1例を示すと以下の通りである。ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェード、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウム テトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム テトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム テトラフルオロボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、などが挙げられる。
【0069】
エポキシ樹脂は、ビスフェノールA−エピクロールヒドリン型、脂環式エポキシ、長鎖脂肪族型、臭素化エポキシ樹脂、グリシジルエステル型、グリシジルエーテル型、複素環式系等種々のものがいずれであってもかまわない。
エポキシ樹脂としては、反射層にダメージを与えないよう、遊離したフリーの塩素および塩素イオン含有率が少ないものを用いるのが好ましい。塩素の量が1重量%以下が好ましく、より好ましくは0.5重量%以下である。
【0070】
カチオン型紫外線硬化性樹脂100重量部当たりのカチオン重合型光開始剤の割合は通常、0.1〜20重量部であり、好ましくは0.2〜5重量部である。なお、紫外線光源の波長域の近紫外領域や可視領域の波長をより有効に利用するため、公知の光増感剤を併用することができる。この際の光増感剤としては、例えばアントラセン、フェノチアジン、ベンジルメチルケタール、ベンゾフェノン、アセトフェノン等が挙げられる。
【0071】
また、紫外線硬化性接着剤には、必要に応じてさらにその他の添加剤として、熱重合禁止剤、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、ホスファイト等に代表される酸化防止剤、可塑剤およびエポキシシラン、メルカプトシラン、(メタ)アクリルシラン等に代表されるシランカップリング剤等を、各種特性を改良する目的で配合することもできる。これらは、紫外線硬化性化合物への溶解性に優れたもの、紫外線透過性を阻害しないものを選択して用いる。
【0072】
(5)第2記録層5について
第2記録層5は、通常、片面型記録媒体(CD−RやDVD−R)等に用いる記録層より高感度である。本光記録媒体においては、入射した光ビームのパワーが第1記録層2や半透明反射層3の存在等で減少するため、約半分程度のパワーで記録するために、特に感度が高い必要があるのである。
【0073】
また、良好な記録再生特性を実現するためには低発熱で高屈折率な色素であることが望ましい。
更に、第2記録層5と反射層6との組合せにおいて、光の反射及び吸収を適切な範囲とすることが望ましい。記録感度を高くし、かつ記録時の熱干渉を小さくできる。
【0074】
第2記録層5の材料、成膜方法等についてはほぼ第1記録層2と同様に説明されるため、異なる点のみ説明する。
第2記録層5の膜厚は、記録方法などにより適した膜厚が異なるため、特に限定するものではないが、十分な変調度を得るためには通常10nm以上が好ましく、より好ましくは30nm以上であり、特に好ましくは50nm以上である。但し、適度な反射率を得るためには厚すぎない必要があるため、通常3μm以下であり、好ましくは1μm以下、より好ましくは200nm以下である。
第1記録層2と第2記録層5とに用いる材料は同じでも良いし異なっていてもよい。
【0075】
(6)反射層6について
反射層6は、高反射率である必要がある。また、高耐久性であることが望ましい。
高反射率を確保するために、反射層6の厚さは通常、20nm以上が好適である。より好適には30nm以上である。更に好ましくは50nm以上である。但し、生産のタクトタイムを短くしコストを下げるためにはある程度薄いことが好ましく、通常400nm以下とする。より好ましくは300nm以下とする。
【0076】
反射層6の材料としては、再生光の波長で反射率の十分高いもの、例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta及びPdの金属を単独あるいは合金にして用いることが可能である。この中でもAu、Al、Agは反射率が高く反射層6の材料として適している。これらを主成分とする以外に他成分として下記のものを含んでいても良い。他成分の例としては、Mg、Se、Hf、V、Nb、Ru、W、Mn、Re、Fe、Co、Rh、Ir、Cu、Zn、Cd、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi及び希土類金属などの金属及び半金属を挙げることができる。
【0077】
中でもAgを主成分としているものはコストが安い点、高反射率が出やすい点、更に後で述べる印刷受容層を設ける場合には地色が白く美しいものが得られる点等から特に好ましい。ここで主成分とは含有率が50%以上のものをいう。
反射層6は高耐久性(高耐食性)を確保するため、Agは純銀よりも合金として用いるのが好ましい。
【0078】
中でもAgを主成分とし、Ti、Zn、Cu、Pd、Au及び希土類金属よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を0.1〜15原子%含有することが好ましい。Ti、Zn、Cu、Pd、Au及び希土類金属のうち2種以上含む場合は、各々0.1〜15原子%でもかまわないが、それらの合計が0.1〜15原子%であることが好ましい。
【0079】
特に好ましい合金組成は、Agを主成分とし、Ti、Zn、Cu、Pd、Auよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を0.1〜15原子%含有し、かつ少なくとも1種の希土類元素を0.1〜15原子%含有するものである。希土類金属の中では、ネオジウムが特に好ましい。具体的には、AgPdCu、AgCuAu、AgCuAuNd、AgCuNdなどである。
【0080】
反射層6としてはAuのみからなる層は高耐久性(高耐食性)が高く好適である。ただし、Ag合金に比べて高価である。
金属以外の材料で低屈折率薄膜と高屈折率薄膜を交互に積み重ねて多層膜を形成し、反射層6として用いることも可能である。
反射層6を形成する方法としては、例えば、スパッタ法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられる。また、反射層6の上下に反射率の向上、記録特性の改善、密着性の向上等のために公知の無機系または有機系の中間層、接着層を設けることもできる。
【0081】
(7)接着層7について
接着層7は、λ1光透過性及びλ2光透過性を有している必要はないが、接着力が高く、硬化接着時の収縮率が小さいと媒体の形状安定性が高く好ましい。
また、接着層7は反射層6にダメージを与えない材料からなることが望ましい。但し、ダメージを抑えるために両層の間に公知の無機系または有機系の保護層を設けることもできる。
【0082】
本光記録媒体において、接着層7の膜厚は、通常2μm以上が好ましい。所定の接着力を得るためにはある程度の膜厚が必要である。より好ましくは5μm以上である。但し光記録媒体をできるだけ薄くするために、また硬化に時間を要し生産性が低下するなどの問題があるため、通常、100μm以下が好ましい。
接着層7の材料は、中間樹脂層4の材料と同様のものが用いうるほか、感圧式両面テープ等も使用可能である。感圧式両面テープを反射層6と第2基板8との間に挟んで押圧することにより、接着層7を形成できる。
【0083】
(8)第2基板8について
第2基板8は、光記録媒体がある程度の剛性を有するよう、形状安定性を備えるのが望ましい。即ち機械的安定性が高く、剛性が大きいことが好ましい。また接着層7との接着性が高いことが望ましい。
上述のように第1基板1が十分な形状安定性を備えていない場合は、第2基板8は特に形状安定性が高い必要がある。この点で吸湿性が小さいことが望ましい。但し第2基板8は透明である必要はない(即ち、λ1光透過性及びλ2光透過性を有している必要はない)。また第2基板8は鏡面基板で良く、凹凸を形成する必要はないので射出成形による転写性は必ずしも良い必要はない。
【0084】
このような材料としては、第1基板1に用いうる材料と同じものが用い得るほか、例えば、Alを主成分とした例えばAl−Mg合金等のAl合金基板や、Mgを主成分とした例えばMg−Zn合金等のMg合金基板、シリコン、チタン、セラミックスのいずれかからなる基板やそれらを組み合わせた基板などを用いることができる。
【0085】
なお、成形性などの高生産性、コスト、低吸湿性、形状安定性などの点からはポリカーボネートが好ましい。耐薬品性、低吸湿性などの点からは、非晶質ポリオレフィンが好ましい。また、高速応答性などの点からは、ガラス基板が好ましい。
光記録媒体に十分な剛性を持たせるために、第2基板8はある程度厚いことが好ましく、厚さは0.3mm以上が好ましい。但し薄いほうが記録再生装置の薄型化に有利であり、好ましくは3mm以下である。より好ましくは1.5mm以下である。
【0086】
第2基板8は凹凸を持たない鏡面基板で良いが、生産しやすさの観点から、射出成型により製造するのが望ましい。
第1基板1と第2基板8の好ましい組合せの一例は、第1基板1と第2基板8とが同一材料からなり、厚さも同一である。剛性が同等でバランスが取れているので、環境変化に対しても媒体として変形しにくく好ましい。この場合、環境が変化したときの変形の程度や方向も両基板で同様であると好ましい。
【0087】
他の好ましい組合せの一例は、第1基板1が0.1mm程度と薄く、第2基板8が1.1mm程度と厚いものである。対物レンズが記録層に近づきやすく記録密度を上げやすいため好ましい。このとき第1基板1はシート状であってもよい。
【0088】
(9)その他の層について
上記積層構造において、必要に応じて任意の他の層を挟んでも良い。或いは媒体の最外面に任意の他の層を設けても良い。具体的には、半透明反射層3と中間樹脂層4との間、中間樹脂層4と第2記録層5との間、反射層6と接着層7との間、などに中間層としてのバッファー層を設けてもよい。
【0089】
バッファー層は2つの層の混和を防止し、相溶を防ぐものである。バッファー層が混和現象を防止する以外の他の機能を兼ねていても良い。また必要に応じてさらに他の中間層を挟んでも良い。
バッファー層の材料は、第2記録層5や中間樹脂層4と相溶せず、かつ、λ1光透過性及びλ2光透過性を有している必要があり、公知の無機物及び有機物が用いうる。特性面からは、好ましくは無機物が用いられる。例えば、(1)金属又は半導体、(2)金属又は半導体の酸化物、窒化物、硫化物、酸硫化物、フッ化物又は炭化物、もしくは(3)非晶質カーボン、などが用いられる。中でも、λ1光透過性及びλ2光透過性を有する誘電体からなる層や、ごく薄い金属層(合金を含む)が好ましい。
【0090】
具体的には、酸化珪素、特に二酸化珪素や、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化イットリウム等の酸化物;硫化亜鉛、硫化イットリウムなどの硫化物;窒化珪素などの窒化物;炭化珪素;酸化物とイオウとの混合物(酸硫化物);および後述の合金などが好適である。また、酸化珪素と硫化亜鉛との30:70〜90:10程度(重量比)の混合物も好適である。また、イオウと二酸化イットリウムと酸化亜鉛との混合物(Y2O2S−ZnO)も好適である。
【0091】
金属や合金としては、銀、又は銀を主成分とし更にチタン、亜鉛、銅、パラジウム、及び金よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を0.1〜15原子%含有するものが好適である。また、銀を主成分とし、少なくとも1種の希土類元素を0.1〜15原子%含有するものも好適である。この希土類としては、ネオジウム、プラセオジウム、セリウム等が好適である。
その他、バッファー層作製時に記録層の色素を溶解しないようなものであれば樹脂層でも構わない。特に、真空蒸着やCVD法で作製可能な高分子膜が有用である。
【0092】
バッファー層の厚さは2nm以上が好ましく、より好ましくは5nm以上である。バッファー層の厚さが過度に薄いと、上記の混和現象の防止が不十分となる虞がある。但し2000nm以下が好ましく、より好ましくは500nm以下である。バッファー層が過度に厚いと、混和防止には不必要であるばかりでなく、光の透過率を低下させる恐れもある。また無機物からなる層の場合には成膜に時間を要し生産性が低下したり、膜応力が高くなったりする虞があり200nm以下が好ましい。特に、金属の場合は光の透過率を過度に低下させるため、20nm以下程度が好ましい。
【0093】
また、記録層や反射層を保護するために保護層を設けても良い。保護層の材料としては、λ1光透過性及びλ2光透過性を有している必要があるが、記録層や反射層を外力から保護するものであれば特に限定されない。有機物質の材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等を挙げることができる。また、無機物質としては、酸化ケイ素、窒化ケイ素、MgF2、SnO2等が挙げられる。
【0094】
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、これを塗布、乾燥することによって形成することができる。紫外線硬化性樹脂は、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後にこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによって形成することができる。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレートなどのアクリレート系樹脂を用いることができる。これらの材料は単独であるいは混合して用いても良いし、1層だけではなく多層膜にして用いても良い。
【0095】
保護層の形成方法としては、記録層と同様にスピンコート法やキャスト法等の塗布法やスパッタ法や化学蒸着法等の方法が用いられるが、この中でもスピンコート法が好ましい。
保護層の膜厚は、一般に0.1〜100μmの範囲であるが、本光記録媒体においては、3〜50μmが好ましい。
【0096】
更に、上記光記録媒体には、必要に応じて、記録・再生光の入射面ではない面に、インクジェット、感熱転写等の各種プリンタ、或いは各種筆記具にて記入(印刷)が可能な印刷受容層を設けてもよい。
また、本層構成の応用例として、記録層を3層以上有する媒体も可能である。或いは、本層構成の光記録媒体を2枚、第1基板1を外側にして貼合わせて、記録層を4層有する、より大容量媒体とすることもできる。
【0097】
(A−2)タイプ1の光記録媒体の製造方法
次に、本実施形態に係るタイプ1の光記録媒体の製造方法について図2を用いて説明する。なお、図2は本製造方法を説明するための工程図である。
まず、図2(a)に示すように、表面に凹凸で溝及びランド、プリピットが形成された第1基板1を、スタンパをもとに射出成形または2P法等により作製する。
【0098】
次に、図2(b)に示すように、少なくとも有機色素を溶媒に溶解させた塗布液を第1基板1の凹凸を有する側の表面にスピンコート等により塗布し、第1記録層2を成膜する。なお、このとき、図2(b)に示すようにディスク(第1基板1)の内周側に第1記録層2を形成しない所定領域W1を設けるようにする。また、この所定領域W1を、第1基板1の内周端部から例えば0.1mm以上、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上である。但し、20mm以下、好ましくは18mm以下程度で形成するのが良い。
【0099】
この後、図2(c)に示すように、第1基板1の外周側を洗浄して第1記録層2を除去し、第1基板1が露出する所定領域W2を形成する。また、このときの所定領域W2を、第1基板1の外周端部から例えば0.1mm〜5mm、好ましくは1mm程度で形成するのが良い。この所定領域W1,W2は、後述する膜厚測定時において半透明反射層3の膜厚を容易に測定できるようにする目的で形成されている。
【0100】
第1記録層2を成膜した後、図2(d)に示すように、Ag合金などをスパッタまたは蒸着することにより、第1記録層2上、そして、第1基板1の所定領域W1,W2上にも半透明反射層3を成膜する。
その後、図2(e)に示すように、第1記録層2及び第1基板1の所定領域W1,W2に紫外線硬化性樹脂等をスピンコート等により塗布する。
【0101】
次に、型を用いて紫外線硬化性樹脂の表面に凹凸を形成する。型としては、生産性、コストなどの観点から、図2(f)に示すように、樹脂からなるスタンパ15を用いるのが好ましい。
樹脂スタンパ15は中間樹脂層4となるべき樹脂に対して十分な剥離性を有していれば良い。透明である必要はないが、成形性が良く、形状安定性が良いことが望ましい。生産性及びコストの観点から、望ましくは、樹脂スタンパ15は複数回の転写に使用可能であるのが望ましい。また、使用後のリサイクルが可能であることが望ましい。
【0102】
樹脂スタンパ15は、図2(f)に示すように樹脂基板16上に1層以上のセパレート層17を有しても良いし、樹脂基板16のみから構成してもよいが、後者のほうが生産性やコストの観点から好ましい。
まず、上述の樹脂スタンパ15とは凹凸が逆(ネガ)の金属製スタンパを用い、射出成形や2P法等により樹脂基板16を作製する。
【0103】
樹脂基板16は透明である必要はないが、成形性が良く、形状安定性が良いことが望ましい。このような材料としては、例えばアクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂(特に非晶質ポリオレフィン)、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂からなるものが挙げられる。
【0104】
また、樹脂基板16の厚さは、形状安定性及びハンドリングの容易さの点で、0.5mm以上とするのが望ましい。厚さの上限は特にないが、通常、3mm以下で十分である。
樹脂スタンパ15が樹脂基板16上に1層以上のセパレート層17を有する構成であれば、樹脂基板16はセパレート層17との密着性が高い樹脂である必要があり、その他成形性などの高生産性、コスト、低吸湿性、形状安定性などの点からポリカーボネートが好ましい。
【0105】
セパレート層17は中間樹脂層4を構成する樹脂との密着性が低く剥離性が高いことが望ましい。また、成膜されたときに樹脂基板16の凹凸を忠実に反映した凹凸が形成されることが望ましい。
セパレート層17の材料としては、中間樹脂層4の樹脂との剥離性の点から金属または合金が好ましく、通常、Ni、Ag、Au、Cu、Pt及びPdから選ばれる金属またはそれらの合金が用いられる。
【0106】
セパレート層17の厚さは、中間樹脂層4からの剥離性を確保するためにはある程度の膜厚が必要で、2nm以上とするのが好ましい。一方、基板の凹凸を忠実に反映するためには厚すぎないことが望ましく、通常、200nm以下が好ましい。
樹脂スタンパ15が樹脂基板16のみからなる構成であれば、樹脂基板16は中間樹脂層4を構成する樹脂との密着性が低く剥離性が高いことが望ましい。その他成形性などの高生産性、コスト、低吸湿性、形状安定性などの点から非晶質ポリオレフィンが好ましい。
【0107】
したがって、第1基板1上に紫外線硬化性樹脂等をスピンコート等により塗布した後、上述したような樹脂スタンパ15を載置し、紫外線硬化性樹脂に凹凸を転写する。このとき、紫外線硬化性樹脂の膜厚が所定範囲になるように調節しつつ行なう。
そして、この状態で第1基板1側から紫外線を照射するなどして紫外線硬化性樹脂を硬化させ、十分硬化したところで樹脂スタンパ15を剥離し、図2(g)に示すように、表面に凹凸を有する中間樹脂層4を形成する。或いは紫外線を媒体の側面から照射することもできる。いずれにせよ、この紫外線により第1記録層1がダメージを受けないようにする必要がある。
【0108】
続いて、図2(h)に示すように、少なくとも有機色素を溶媒に溶解させた塗布液をスピンコート等により中間樹脂層4表面に塗布し、第2記録層5を成膜する。
そして、図2(i)に示すように、Ag合金などをスパッタ、蒸着することにより第2記録層5上に反射層6を成膜する。
【0109】
その後、図2(j)に示すように、ポリカーボネートを射出成形して得られた第2基板8としての鏡面基板を、接着層7を介して反射層6に貼り合わせる。これにより、光記録媒体の製造が完了する。
なお、接着層7は、不透明でも、表面が多少粗くてもよく、遅延硬化型の接着剤を問題なく使用できる。反射層6上に接着剤をスクリーン印刷等で塗布し、紫外線を照射してから第2基板8を載置し押圧して接着層7を形成できる。或いは、反射層6と第2基板8との間に感圧式両面テープを挟んで押圧することにより、接着層7を形成することもできる。
【0110】
(A−3)タイプ1の光記録媒体の膜厚測定方法及び膜厚制御方法
本実施形態に係るタイプ1の光記録媒体では、公知の透過法を用いて半透明反射層3の膜厚を測定することができる。良質な特性を有する光記録媒体を製造するにあたって、特に半透明反射層3の膜厚制御をより正確に行なうことが重要である。
【0111】
上述したように、本実施形態に係る光記録媒体の製造方法では、半透明反射層3を、第1記録層2が成膜された領域よりも所定領域だけ広い領域に成膜している。
つまり、例えば図3(a)に示すように、半透明反射層3は、第1基板1の内周側において、第1記録層2上だけでなく、第1記録層2が成膜されていない第1基板1上にも形成されている。また、図3(b)に示すように、第1基板1の外周側においても、第1記録層2上だけでなく、第1記録層2が成膜されていない第1基板1上にも形成されている。
【0112】
なお、内周側及び外周側のそれぞれにおいて、第1基板1と半透明反射層3とが接触している所定領域をW1′及びW2′としたとき、W1′≦W1、W2′≦W2である。また、ここでは、半透明反射層3と第1基板1とが接触する所定領域W1′及びW2′を、所定領域W1及びW2よりも小さく形成しているが、半透明反射層3を内周端部及び外周端部まで(即ち、W1=W1′、W2=W2′となるように)形成してもよい。
【0113】
そして、半透明反射層3の膜厚を測定する場合、上記の所定領域W1′及びW2′において行なう。つまり、所定領域W1′及びW2′において、半透明反射層3上面側から或いは第1基板1下面側から光(例えば赤色レーザ,He−Neレーザ,He−Cdレーザ等。好ましくは可視光)を照射してその透過率の測定を行なえば、半透明反射層3と第1基板1との間には、λ1光透過性を有する第1基板1しか存在しておらず、第1記録層1等はなんら存在していないので、半透明反射層3のみの膜厚を容易且つ正確に測定することが可能である。
【0114】
このように、半透明反射層3の領域が、第1記録層2の領域よりも所定領域W1′,W2′だけ広く形成されることで、第1記録層2に邪魔されることがないので、半透明反射層3の膜厚を透過法で正確に測定できる。
これにより、半透明反射層23の膜厚を適正な厚さに厳密に管理することができるので、良好なジッタ特性を得ることができ、光記録媒体の記録や再生時のエラーをより低減することができる。つまり、良質な光記録媒体を製造することができる。
【0115】
なお、所定領域W1′,W2′において、半透明反射層3と第1基板1との間にバッファー層や保護層が存在していても、これらバッファー層や保護層はλ1光透過性を有しているので、上記と同様に半透明反射層3の膜厚を容易に測定することが可能である。
また、このような膜厚測定を、例えば第1基板1の直径方向の複数点において行ない、これらの測定値の平均を得ることで、より正確な膜厚を求めることもできる。
【0116】
さらに、第1記録層2の膜厚は、半透明反射層3の膜厚よりも厚いので、この第1記録層2の膜厚が影響しない位置、即ち、第1記録層2からできるだけ離れた位置(所定領域W1′内の内周側、所定領域W2′内の外周側)で膜厚測定を行なうことが好ましい。
なお、ここでは、第1基板1の内周側及び外周側の両方に所定領域W1′,W2′を設けるように構成したが、内周側のみ或いは外周側のみに設けるように構成しても良い。
【0117】
また、上記の膜厚測定は、本光記録媒体を製造する製造装置内(即ち製造過程)において図示省略の膜厚測定装置により自動的に行なわれ、このとき測定された膜厚情報は、半透明反射層3の膜厚を制御する膜厚制御装置(図示省略)にフィードバックされるようになっている。
例えば膜厚測定装置により半透明反射層3の膜厚が測定されると、この膜厚情報が膜厚制御装置に送信され、膜厚制御装置では、この膜厚情報に基づいて、半透明反射層3のスパッタや蒸着等の条件(例えばスパッタを用いた場合であれば、スパッタ時間、スパッタ電圧、第1基板1とAgターゲットとの距離など)が調節されて、次のディスクの半透明反射層3の膜厚が適切な膜厚になるように制御される。
【0118】
(B−1)タイプ2の光記録媒体の構成
図4は本実施形態に係る光記録媒体(タイプ2)を示す模式的な断面図である。
本実施形態に係るタイプ2の光記録媒体は、ディスク状の透明な(光透過性の)第1基板(第1の基板)21上に、色素を含む第1記録層(第1の色素含有記録層)22、半透明の反射層(以下、半透明反射層という)23、透明接着層24、バッファー層28、色素を含む第2記録層(第2の色素含有記録層)25、反射層26、ディスク状の透明な第2基板(第2の基板)27をこの順に有してなる。光ビームは第1基板21側から照射され、記録・再生が行われる。
【0119】
なお、本発明において「光透過性(又は透明)」とは、透過法による膜厚測定(これについては後述する)において用いられる光の波長に対する光透過性(λ1光透過性という)と、光記録媒体の記録・再生を行なう際に用いられる光の波長に対する光透過性(λ2光透過性という)との2つの光透過性を意味する。また、上記の膜厚測定光の波長及び記録再生光の波長について50%以上の透過性があれば実質的に光透過性であるといえる。
【0120】
第1基板21、第2基板27上にはそれぞれ凹凸が形成され、それぞれ記録トラックを構成する。記録トラックは凸部及び凹部のどちらでも良いが、第1基板21上の記録トラック31は、光の入射方向に対して凸部で構成されるのが好ましく、第2基板27上の記録トラック32は、光の入射方向に対して凹部で構成されるのが好ましい。この他に必要に応じ凹凸ピットを有することもある。特に断らない限り、本実施形態において凹凸は記録・再生に用いる光の入射方向に対して定義される。
【0121】
次に、各層について説明する。
本実施形態に係る第1基板21,第1記録層22,半透明反射層23,第2記録層25,反射層26はそれぞれ、第1実施形態に係る第1基板1,第1記録層2,半透明反射層3,第2記録層5,反射層6と略同様の構成である。
また、中間層としての透明接着層24は、少なくともλ2光透過性を有している必要がある。そして、凹凸により溝やピットを形成する必要がないという以外は、第1実施形態における中間樹脂層4の構成と略同様の構成である。なお、本光記録媒体では、上記の溝やピットは後述する第2基板27に形成されている。
【0122】
さらに、中間層としてのバッファー層28は、第1実施形態において説明したバッファー層と略同様の構成である。なお、このバッファー層は必要に応じて形成するようにしても良い。
第2基板27は、少なくともλ1光透過性を有している必要があるほか、光記録媒体がある程度の剛性を有するよう、形状安定性を備えるのが望ましい。即ち機械的安定性が高く、剛性が大きいことが好ましい。
【0123】
このような材料としては、例えばアクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂(特に非晶質ポリオレフィン)、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂からなるもの、ガラスからなるものを用いることができる。
【0124】
第2基板27には、凹凸が螺旋状又は同心円状に設けられ、溝及びランドを形成する。通常、このような溝及び/又はランドを記録トラックとして、第2記録層25に情報が記録・再生される。通常、第2記録層25は塗布形成されるので溝部で厚膜となり記録再生に適する。本光記録媒体においては第2基板27の溝部、即ち光の入射方向に対して凹部を記録トラック32とするのが好ましい。ここで、凹部、凸部はそれぞれ光の入射方向に対する凹部、凸部を言う。通常、溝幅は200〜500nm程度であり、溝深さは10〜250nm程度である。また記録トラックが螺旋状である場合、トラックピッチは0.1〜2.0μm程度であることが好ましい。この他に必要に応じ、ランドプリピット等の凹凸ピットを有してもよい。
【0125】
このような凹凸を有する第2基板27は、コストの観点から、凹凸を持つスタンパから樹脂を用いて射出成形により製造するのが好ましい。ガラス等の基体上に光硬化性樹脂等の放射線硬化性樹脂からなる樹脂層を設ける場合は、樹脂層に記録トラックなどの凹凸を形成してもよい。
また、記録層や反射層を保護するために、第1実施形態で説明した保護層を設けても良い。保護層の材料としては、λ1光透過性及びλ2光透過性を有している必要があるが、記録層や反射層を外力から保護するものであれば特に限定されない。
【0126】
(B−2)タイプ2の光記録媒体の製造方法
次に、本実施形態に係るタイプ2の光記録媒体の製造方法について図5を用いて説明する。なお、図5は本製造方法を説明するための工程図である。
本光記録媒体は、第1基板21上に、色素を含む第1記録層22,半透明反射層23をこの順に有する積層構造(第1の構成物)Aを作製し、また、第2基板27上に反射層26,色素を含む第2記録層25,バッファー層28をこの順に有する積層構造(第2の構成物)Bを作製した後、両積層構造A,Bを、互いに記録層22,25が内側にくるように(対向するように)して透明接着層24を介して貼り合わせることで製造される。
【0127】
まず、図5(a)に示すように、表面に凹凸で溝及びランド、プリピットが形成された第1基板21を、射出成形または2P法等により作製する。
次に、図5(b)に示すように、少なくとも有機色素を溶媒に溶解させた塗布液を第1基板21の凹凸を有する側の表面にスピンコート等により塗布し、第1記録層22を成膜する。なお、このとき、図5(b)に示すようにディスク(第1基板1)の内周側に第1記録層22を形成しない所定領域W10を設けるようにする。また、この所定領域W10を、第1基板21の内周端部から例えば0.1mm以上、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上である。但し、20mm以下、好ましくは18mm以下程度で形成するのが良い。
【0128】
さらに、第1基板21の外周側を洗浄して第1記録層22を除去し、第1基板21が露出する所定領域W20を形成する。また、このときの所定領域W20を、第1基板21の外周端部から例えば0.1mm〜5mm、好ましくは1mm程度で形成するのが良い。この所定領域W10,W20は、後述する膜厚測定時において半透明反射層23の膜厚を容易に測定できるようにする目的で形成されている。
【0129】
第1記録層22を成膜した後、図5(d)に示すように、Ag合金などをスパッタまたは蒸着することにより、第1記録層22上、そして、第1基板21の所定領域W10,W20上にも半透明反射層23を成膜し、積層構造Aとする。
一方、図5(d)に示すように、表面に凹凸で溝及びランド、ピットが形成された第2基板27を、射出成形または2P法等により作製する。
【0130】
そして、図5(e)に示すように、第2基板27の凹凸を有する側の表面に、Ag合金などをスパッタ又は蒸着することにより反射層26を成膜する。
その後、図5(f)に示すように、反射層26上に、少なくとも有機色素を溶媒に溶解させた塗布液をスピンコート等により塗布し、第2記録層25を成膜する。
【0131】
次いで、図5(g)に示すように、誘電体などをスパッタすることによりバッファー層28を成膜し、積層構造Bとする。
そして、図5(h)に示すように、積層構造A上に透明接着層24となる紫外線硬化性樹脂等の接着剤を塗布したのち積層構造Bを載置し、高速回転、押圧等により接着剤を全面に広げる。このとき、透明接着層24の膜厚が所定範囲になるように調節しつつ行なう。その後、第1基板21下面側から半透明反射層23を介して紫外線を照射し、硬化接着させることでタイプ2の光記録媒体を製造できる。或いは紫外線を媒体の側面から照射することもできる。いずれにせよ、この紫外線により第1記録層22がダメージを受けないように注意が必要である。
【0132】
また、積層構造A,B間に感圧式両面テープを挟んで押圧することにより、接着層を形成することもできる。或いは、遅延硬化型の接着剤を使用し、積層構造A上に接着剤をスクリーン印刷等で塗布し紫外線を照射してから積層構造Bを載置し押圧しても接着層を形成できる。但し、遅延硬化型接着剤は通常、不透明である場合が多い。
【0133】
(B−3)タイプ2の光記録媒体の膜厚測定方法及び膜厚制御方法
本実施形態に係るタイプ2の光記録媒体では、上述したタイプ1の光記録媒体と同様に、公知の透過法を用いて半透明反射層23の膜厚を測定することができる。
つまり、図3(a),(b)に示すように、半透明反射層23は、第1基板21の内周側及び外周側において、第1記録層22上だけでなく、第1記録層22が成膜されていない第1基板21上にも形成されている。
【0134】
なお、内周側及び外周側のそれぞれにおいて、第1基板21と半透明反射層23とが接触している所定領域をW10′及びW20′としたとき、W10′≦W10、W20′≦W20である。また、ここでは、半透明反射層23と第1基板21とが接触する所定領域W10′及びW20′を、所定領域W10及びW20よりも小さく形成しているが、半透明反射層23を内周端部及び外周端部まで(即ち、W10=W10′、W20=W20′となるように)形成してもよい。
【0135】
そして、半透明反射層23の膜厚を測定する場合、上記の所定領域W10′及びW20′において行なう。つまり、所定領域W10′及びW20′において、半透明反射層23上面側から或いは第1基板21下面側から光(例えば赤色レーザ,He−Neレーザ,He−Cdレーザ等。好ましくは可視光)を照射してその透過率の測定を行なえば、半透明反射層23と第1基板1との間には、λ1光透過性を有する第1基板21しか存在しておらず、第1記録層21等はなんら存在していないので、半透明反射層23のみの膜厚を容易且つ正確に測定することが可能である。
【0136】
このように、本実施形態に係るタイプ2の光記録媒体においても、半透明反射層23の領域が、第1記録層22の領域よりも所定領域W10′,W20′だけ広く形成されることで、第1記録層22に邪魔されることがないので、半透明反射層23の膜厚を透過法で正確に測定できる。
これにより、半透明反射層23の膜厚を適正な厚さに厳密に管理することができるので、良好なジッタ特性を得ることができ、光記録媒体の記録や再生時のエラーをより低減することができる。つまり、良質な光記録媒体を製造することができる。
【0137】
なお、所定領域W10′,W20′において、半透明反射層23と第1基板21との間にバッファー層や保護層が存在していても、これらバッファー層や保護層はλ1光透過性を有しているので、上記と同様に半透明反射層23の膜厚を容易に測定することが可能である。
また、このような膜厚測定を、例えば第1基板21の直径方向の複数点において行ない、これらの測定値の平均を得ることで、より正確な膜厚を求めることもできる。
【0138】
さらに、第1記録層22の膜厚は、半透明反射層23の膜厚よりも厚いので、この第1記録層22の膜厚が影響しない位置、即ち、第1記録層22からできるだけ離れた位置(所定領域W10′内の内周側、所定領域W20′内の外周側)で膜厚測定を行なうことが好ましい。
なお、ここでは、第1基板21の内周側及び外周側の両方に所定領域W10′,W20′を設けるように構成したが、内周側のみ或いは外周側のみに設けるように構成しても良い。
【0139】
また、この膜厚測定は、上述した膜厚測定装置により自動的に行なわれ、このとき測定された膜厚情報は、半透明反射層23の膜厚を制御する膜厚制御装置(図示省略)にフィードバックされるようになっている。
【0140】
〔2〕第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態に係る膜厚測定方法について説明する。なお、本膜厚測定方法は、タイプ1及びタイプ2の両方の光記録媒体で用いることができる。以下では、一例としてタイプ1の光記録媒体の場合について説明する。
【0141】
本実施形態では、まず、図6(a)に示すように、第1基板1上に第1記録層2を形成した後、透過法により第1基板1及び第1記録層2の透過光量(第1の透過光量)P1を測定する。なお、第1基板1はλ1光透過性を有するので、このとき測定される透過光量P1はほぼ第1記録層2の透過光量として扱うことができる。
【0142】
そして、第1記録層2上に半透明反射層3を形成した後、透過法により第1基板1,第1記録層2,半透明反射層3の透過光量(第2の透過光量)P2を測定する。なお、上記と同様に、第1基板1はλ1光透過性を有するので、このとき測定される透過光量P2をほぼ第1記録層2及び半透明反射層3の透過光量として扱うことができる。
【0143】
次に、このようにして得られた透過光量P1及び透過光量P2の差P3を求め、予め経験により求められた透過光量と膜厚との関係(マップ)から、半透明反射層3の膜厚を得る。
このように、本実施形態に係る膜厚測定方法では、第1実施形態のような所定領域W1,W2,W1′,W2′(タイプ1の光記録媒体)、あるいは、所定領域W10,W20,W10′,W20′(タイプ2の光記録媒体)を設ける構造にする必要はなく、第1記録層2の透過光量P1と、第1記録層2及び半透明反射層3の透過光量P2とから、半透明反射層3の膜厚を容易に求めることができる。
【0144】
また、このような測定を、ディスクの直径方向や円周方向の複数点において測定し、例えばこれらの測定値の平均をとることで、半透明反射層3のより正確な膜厚を求めることが可能である。
また、第1実施形態と同様に、上記の膜厚測定及び計算は、本光記録媒体を製造する製造装置内(即ち製造過程)において膜厚測定装置により自動的に行なわれ、この膜厚測定装置で測定された膜厚情報は、半透明反射層3の膜厚を制御する膜厚制御装置にフィードバックされる。
【0145】
さらに、本実施形態では、ディスク面内での半透明反射層3の膜厚分布もわかるため、この膜厚分布情報を膜厚制御装置にフィードバックし、半透明反射層3形成のためのスパッタ条件または蒸着条件を調節することで、より細かな膜厚制御を行なうことも可能となる。
例えば、スパッタを用いて半透明反射層3を形成する場合であって、ディスク面内での膜厚分布のムラが大きい場合には、スパッタ電圧を小さくしてスパッタ時間(スパッタしている時間)を長くするように制御する。或いは、ディスク面内での膜厚分布のムラが大きい場合に、スパッタリングガス(通常、Ar等)の流量を低減するように制御する。
【0146】
なお、本実施形態では、測定が容易であるという理由から、透過光量を測定することで膜厚を求める方法としたが、第1記録層2や半透明反射層の光吸収率がほぼ一定であると考えれば、これらの反射光量を測定することにより間接的に透過光量を求めることも可能である。
【0147】
〔3〕その他
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、半透明反射層3(23)の膜厚を測定する際、第1実施形態に係る膜厚測定方法と、第2実施形態に係る膜厚測定方法との両方を行なうようにしても良い。
【0148】
つまり、第1実施形態に係る製造方法を用い、ディスクの内周側及び外周側に所定領域を設け、この製造過程において、第1記録層2(22)を形成した後、透過法によりこの第1記録層2(22)の透過光量P1を測定しておき、第1記録層2(22)上に半透明反射層3(23)を形成した後、第1記録層2(22)及び半透明反射層3(23)の透過光量P2を測定し、半透明反射層3(23)だけの透過光量P3を計算することにより、半透明反射層3(23)の膜厚を求める。一方、ディスクの内周側及び外周側の所定領域W1′,W2′(W10′,W20′)において、透過法により半透明反射層3(23)の透過光量を測定することにより半透明反射層3(23)の膜厚を求める。
【0149】
このように、第1実施形態に係る膜厚測定方法により求められた膜厚情報と、第2実施形態に係る膜厚測定方法により求められた膜厚情報及び膜厚分布情報とから、より正確な半透明反射層3(23)の膜厚及び膜厚分布を得ることも可能となり、これらの情報を膜厚制御装置にフィードバックすることにより、より厳密な膜厚制御を行なうことが可能である。
【0150】
また、本発明の趣旨の範囲内で、光記録媒体の基板や各層の積層順序や製造法を変えても良い。また、上記の実施形態では、いわゆる基板面入射媒体を例に説明したが、膜面入射媒体であっても良い。
また、本発明は、記録層を3層以上有し半透明反射層を2層以上有し、片面から光を入射して記録再生するような媒体に適用し、この2層の半透明反射層の膜厚測定と膜厚制御に用いても良い。
【0151】
例えば、光透過性基板/第1記録層/第1半透明反射層/第1中間層/第2記録層/第2半透明反射層/第2中間層/第3記録層/反射層、といった層構成の光記録媒体においては、第1半透明反射層を第1記録層よりも広く形成するとともに、第2半透明反射層を第1記録層、第1半透明反射層、第2記録層よりも広く形成することで、両方の半透明反射層の膜厚を正確に測定することができる。
【0152】
あるいは、基板上に第1の記録層を形成したのち第1の透過光量を測定し、第1半透明反射層を形成したのち第2の透過光量を測定し、両者(第1の透過光量及び第2の透過光量)の差から第1半透明反射層の膜厚を求めるとともに、さらに第2記録層を形成したのち第3の透過光量を測定し、第2半透明反射層を形成したのち第4の透過光量を測定し、両者(第3の透過光量及び第4の透過光量)の差から第2半透明反射層の膜厚を求めることができる。
【0153】
また、上記の実施形態では、半透明反射層3(23)を1つだけそなえる光記録媒体の場合において、この半透明反射層3(23)の膜厚情報を、次に製造されるディスクの半透明反射層の膜厚制御に用いるようにしたが、同材質の半透明反射層を複数そなえる光記録媒体である場合には、最初に形成された半透明反射層の膜厚情報を、その後に形成される半透明反射層の膜厚制御に用いるようにしても良い。
【0154】
また、本発明の光記録媒体の膜厚測定方法は、相変化型媒体にも適用できるが、上記の実施形態でも説明したように、特に色素記録層を有する色素媒体に適用するとより効果が高い。
相変化型媒体では、色素媒体と同様に、半透明反射層の膜厚を厳密に管理したいという要望があるが、相変化型媒体は、通常、全ての層をスパッタリング等の真空プロセスで成膜するので、他の層の膜厚変動が小さく、本発明のような工夫が無くても、半透明反射層の膜厚を求めることが可能である。例えば、記録層,保護層,半透明反射層等の全ての層を形成した後に、全体の透過/反射光量を測定し、各層の屈折率等をもとに計算することで、間接的に半透明反射層の膜厚を求めることができる。
【0155】
一方、色素媒体では、色素記録層は、通常、塗布法、特にスピンコート法によって成膜される。このような塗布プロセスは真空プロセスに比べて簡便ではあるが、膜厚変動が生じやすい。従って、色素媒体では、上述したような相変化型媒体の膜厚測定方法で半透明反射層の膜厚を求めることは困難であり、本発明の膜厚測定方法がより必要とされる。
【0156】
また、本発明は、プロセス上、色素媒体の方が相変化型媒体よりも適用しやすい面もある。
例えば、本発明では、半透明反射層の領域を他の層の領域よりも広く形成するが、相変化型媒体では媒体の内周/外周をマスクして全ての層を一連の真空プロセスで成膜するので、半透明反射層だけを他の層よりも広く形成することや、成膜プロセスの途中で一旦取り出して透過光量を測定することは、通常行ないにくい。
【0157】
一方、色素媒体では、通常、色素記録層は塗布プロセスで、半透明反射層は真空プロセスで独立して成膜するので、半透明反射層だけを他の層よりも広く形成することが容易であるし、また、色素記録層形成と半透明反射層形成との間で透過光量を測定することも容易である。
【0158】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明の光記録媒体によれば、光透過性の基板と半透明反射層との間に他の層が設けられた積層構造であっても、半透明反射層の領域が他の層の領域よりも所定領域だけ広い領域に形成されており、この所定領域では基板と半透明反射層との間には何も介在しないので、この所定領域において透過法により半透明反射層の膜厚を容易に且つ正確に測定することができる。
【0159】
請求項2記載の本発明の光記録媒体によれば、光透過性の基板と半透明反射層との間に色素含有記録層が設けられた積層構造であっても、半透明反射層の領域が色素含有記録層の領域よりも所定領域だけ広い領域に形成されており、この所定領域では基板と半透明反射層との間には何も介在しないので、この所定領域において透過法により半透明反射層の膜厚を容易に且つ正確に測定することができる。
【0160】
請求項3記載の本発明の光記録媒体によれば、所定領域において、基板と半透明反射層とが直接又は光透過性の層を介して接しているので、この所定領域において、透過法により半透明反射層の膜厚を容易に且つ正確に測定することができる。
請求項4記載の本発明の光記録媒体によれば、所定領域が、基板の内周側及び/又は外周側に設けられているので、直径方向において複数点の膜厚測定を行なうことで、より正確な膜厚を求めることが可能である。
【0161】
請求項5記載の本発明の光記録媒体の膜厚測定方法によれば、所定領域において、透過法により半透明反射層の膜厚を容易に測定できる。
請求項6記載の本発明の光記録媒体の膜厚測定方法によれば、任意の位置の膜厚を測定することができるとともに、膜厚分布も求めることが可能である。
請求項7記載の本発明の光記録媒体の膜厚制御方法によれば、所定領域において透過法により半透明反射層の膜厚を測定し、この膜厚測定情報に基づいて、その後に形成される半透明反射層の膜厚を制御するので、より正確な膜厚制御が可能である。
【0162】
請求項8記載の本発明の光記録媒体の製造方法によれば、基板上に、他の層を形成し、他の層上に、他の層の領域よりも所定領域だけ広い領域に半透明反射層を形成するので、この所定領域において透過法により半透明反射層の膜厚を容易に且つ正確に測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るタイプ1の光記録媒体を示す模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るタイプ1の光記録媒体の製造方法を説明するための工程図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るタイプ1の光記録媒体の膜厚測定方法を説明するための図で、(a)はディスク内周側の膜厚測定、(b)はディスク外周側の膜厚測定を示す模式図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るタイプ2の光記録媒体を示す模式図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るタイプ2の光記録媒体の製造方法を説明するための工程図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るタイプ1の光記録媒体の膜厚測定方法を説明するための図で、(a)は第1基板及び第1記録層の透過光量測定、(b)は第1基板及び第1記録層及び半透明反射層の透過光量測定を示す模式図である。
【図7】従来の光記録媒体の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1,21 第1基板(第1の基板)
2,22 第1記録層(第1の色素含有記録層)
3,23 半透明反射層
4 中間樹脂層(中間層)
5,25 第2記録層(第2の色素含有記録層)
6,26 反射層
7 接着層
8,27 第2基板(第2の基板)
28 バッファー層(中間層)
11,12,31 凸部からなる記録トラック
24 透明接着層(中間層)
32 凹部からなる記録トラック
W1′,W2′,W10′,W20′ 所定領域[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention particularly relates to an optical recording medium that has a plurality of recording layers and can be reproduced and recorded by laser light from one side, and a film thickness measurement method, film thickness control method, and manufacturing method thereof.
[0002]
[Prior art]
Currently, various optical recording media such as CD-R, CD-RW, and MO can store a large amount of information and are easily accessible at random, so that they are widely recognized as external storage devices in information processing apparatuses such as computers. It is becoming popular. Furthermore, it is desired to increase the storage density by increasing the amount of information handled.
[0003]
Among various optical recording media, an optical disc having a recording layer containing an organic dye (also called a dye-containing recording layer) such as CD-R, DVD-R, and DVD + R is relatively inexpensive and compatible with a read-only optical disc. In particular, it is widely used.
As an example, a medium such as a CD-R that is typical as an optical disk having a recording layer containing an organic dye has a dye-containing recording layer and a reflective layer in this order on a transparent disk substrate. And a recording / reproducing operation using a laser beam through a substrate.
[0004]
Similarly, a typical single-sided DVD-R (or single-sided DVD + R) has a dye-containing recording layer, a reflective layer, and a protective layer covering them in this order on the first transparent disk substrate, and further on the protective layer. It has a laminated structure in which a so-called dummy disk in which a reflective layer is formed on a second transparent disk substrate is provided with or without an adhesive layer, and recording / reproduction is performed with laser light through the first transparent disk substrate. Is. The dummy disk may be only a transparent disk substrate, or a layer other than the reflective layer may be provided.
[0005]
One means for further increasing the recording capacity of these optical recording media is to provide a plurality of recording layers, for example, two layers (dual layers) on one medium. Further, in this case, it is desired for convenience to be able to record / reproduce two recording layers from one side. For example, an optical recording medium as shown in FIG. 7 has been developed (for example, a patent). Reference 1).
[0006]
That is, as shown in FIG. 7, the conventional optical recording medium is a first information recording composed of an organic dye capable of optically recording information on a first light-
[0007]
With this configuration, information can be recorded on the first
[0008]
As a method for manufacturing an optical recording medium having such a laminated structure, for example, a first
[0009]
[Patent Document 1]
JP 11-66622 A
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in order to obtain good characteristics in an optical recording medium, it is important to precisely control the film thickness. In particular, as described above, the first reflective layer 53 (consisting of the above-described semi-transparent reflective film) that is essential in a single-sided dual-layer medium that records and reproduces two recording layers by laser light from one side. In the reflective layer (translucent reflective layer), it is important to control the transmittance, and strict film thickness management is required.
[0011]
For example, when the film thickness of the translucent
Specifically, when the film thickness of the translucent
[0012]
Further, since the transmittance with respect to the second information recording layer 52 'is also changed, the recording power and the reproducing power are changed similarly to the above, and the jitter is deteriorated. Further, in this case, since the laser light passes through the
[0013]
The so-called reflective layer (non-translucent reflective layer; total reflective layer) only needs to reflect incident light and does not have to consider transmittance and absorptance. Thickness control is not required.
[0014]
Various methods for measuring the film thickness are known, but the transmission method is often used because it is simpler and cheaper than the reflection method.
In the transmission method, generally, a film to be measured is irradiated with light (for example, a red laser, a He—Ne laser, a He—Cd laser, etc., preferably visible light) to measure a transmitted light amount, and an incident light amount and a transmitted light are measured. This is a method of calculating the film thickness by deriving the transmittance from the light quantity ratio. However, even with the transmission method, part of the light is reflected when light is incident. Therefore, if the light absorption rate of the medium is small, the amount of transmitted light can be measured indirectly by measuring the amount of reflected light. It is.
[0015]
However, in the above-described dual-layer optical recording medium (single-sided dual-layer medium), when an optical recording medium is manufactured by, for example, the
Also, when an optical recording medium is manufactured by the
[0016]
Furthermore, in the optical recording medium in which another layer such as a recording layer is provided between the transparent substrate and the semitransparent reflective layer as described above, the film thickness of the semitransparent reflective layer cannot be accurately measured. The film thickness of the translucent reflective layer of the optical recording medium to be manufactured next cannot be controlled by feeding back the measurement information to the coating process.
[0017]
The present invention was devised in view of such problems, and in an optical recording medium in which a recording layer or the like is provided between a transparent substrate and a semitransparent reflective layer, the film thickness of the semitransparent reflective layer is determined by a transmission method. An object of the present invention is to provide an optical recording medium, a method for measuring the film thickness of the optical recording medium, a method for controlling the film thickness, and a method for manufacturing the optical recording medium.
[0018]
[Means for Solving the Problems]
Therefore, the optical recording medium of the present invention (Claim 1) includes another layer between the light-transmitting substrate and the semitransparent reflective layer, and the region of the semitransparent reflective layer is the same as that of the other layer. It is characterized in that it is formed by a predetermined area wider than the area.
Thereby, the film thickness of the translucent reflective layer can be measured by the transmission method without being obstructed by other layers such as a recording layer.
[0019]
The other layer preferably includes a dye-containing recording layer on which information can be optically recorded (claim 2).
In the predetermined region, it is preferable that the substrate and the translucent reflective layer are in contact with each other directly or through a light transmissive layer.
The substrate is disk-shaped, and the predetermined area is preferably provided on the inner peripheral side and / or the outer peripheral side of the substrate.
[0020]
An optical recording medium film thickness measuring method according to the present invention (Claim 5) is the optical recording medium film thickness measuring method according to any one of
The method for measuring the thickness of an optical recording medium according to the present invention (Claim 6) is a method for measuring the thickness of an optical recording medium comprising another layer between a light-transmitting substrate and a translucent reflective layer, The relationship between the film thickness of the translucent reflective layer and the amount of transmitted light is obtained in advance, and after forming the other layer, the first transmitted light amount of the substrate and the other layer is measured by a transmission method, After forming the transparent reflective layer, the second transmitted light amount of the substrate, the other layers, and the translucent reflective layer is measured by a transmission method, and the difference between the first transmitted light amount and the second transmitted light amount is measured. The thickness of the translucent reflective layer is obtained from the above.
[0021]
The method for controlling the film thickness of an optical recording medium according to the present invention (Claim 7) is the film thickness controlling method for an optical recording medium according to any one of
An optical recording medium manufacturing method of the present invention (Claim 8) is the optical recording medium manufacturing method according to any one of
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. In the following, two types of optical recording media having different laminated structures will be described.
[1] First embodiment
(A-1) Configuration of
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view showing an optical recording medium (type 1) according to this embodiment.
[0023]
The
[0024]
In the present invention, “light transmission (or transparency)” means light transmission (referred to as λ1 light transmission) with respect to the wavelength of light used in film thickness measurement by a transmission method (which will be described later), It means two light transmissivities, ie, a light transmissivity (referred to as λ2 light transmissivity) with respect to the wavelength of light used when recording / reproducing on a recording medium. Further, if there is a transmittance of 50% or more (preferably 60% or more) with respect to the wavelength of the film thickness measuring light and the wavelength of the recording / reproducing light, it can be said that it is substantially light transmissive.
[0025]
Concavities and convexities are formed on the
[0026]
Next, each layer will be described.
(1) About the
The
[0027]
Furthermore, it is desirable to provide shape stability so that the optical recording medium has a certain degree of rigidity. However, as long as the
Examples of such materials include those made of resins such as acrylic resins, methacrylic resins, polycarbonate resins, polyolefin resins (particularly amorphous polyolefins), polyester resins, polystyrene resins, epoxy resins, and the like. Can be used. Or what provided the resin layer which consists of radiation curable resins, such as photocurable resin, on base | substrates, such as glass, can be used.
[0028]
Polycarbonate is preferable from the viewpoints of high productivity such as optical characteristics and moldability, cost, low hygroscopicity, and shape stability. Amorphous polyolefin is preferred from the standpoint of chemical resistance and low hygroscopicity. Moreover, a glass substrate is preferable from the viewpoint of high-speed response.
The
[0029]
In the present optical recording medium, it is desirable to appropriately adjust the distance between the objective lens and both recording layers in order to perform good recording and reproduction on both the
This will be specifically described. In the single-sided DVD-R system, the distance between the objective lens and the recording layer is adjusted to be optimum when the substrate thickness is 0.6 mm.
[0030]
Therefore, in the case of single-layer DVD-R compatibility in this layer structure, the thickness of the
When there are other layers such as a buffer layer and a protective layer between the
[0031]
The
[0032]
In the present optical recording medium, it is preferable that the groove portion of the
[0033]
From the viewpoint of cost, the substrate having such irregularities is preferably manufactured by injection molding from a stamper having irregularities. When a resin layer made of a radiation curable resin such as a photocurable resin is provided on a substrate such as glass, irregularities such as recording tracks may be formed on the resin layer.
[0034]
(2) About the
The
[0035]
In order to realize good recording / reproducing characteristics, it is desirable to use a dye having low heat generation and high refractive index.
Further, in the combination of the
[0036]
Examples of such organic dye materials include macrocyclic azaannulene dyes (phthalocyanine dyes, naphthalocyanine dyes, porphyrin dyes, etc.), pyromethene dyes, polymethine dyes (cyanine dyes, merocyanine dyes, squarylium dyes, etc.), anthraquinone dyes, Examples include azulenium dyes, metal-containing azo dyes, and metal-containing indoaniline dyes.
[0037]
Among the above-mentioned various organic dyes, metal-containing azo dyes are preferable because of excellent recording sensitivity and durability and light resistance. In particular, the following general formula (I) or (II)
[0038]
[Chemical 1]
[0039]
(Ring A 1 And A 2 Are nitrogen-containing aromatic heterocycles each independently having a substituent, and ring B 1 And B 2 Are each independently an aromatic ring optionally having a substituent. X is a C1-C6 alkyl group substituted with at least two fluorine atoms. ) Is preferred.
The organic dye used in the recording layer of the present optical recording medium is preferably a dye compound having a maximum absorption wavelength λmax in the visible light to near infrared region of about 350 to 900 nm and suitable for recording with a blue to near microwave laser. . Usually, a near infrared laser having a wavelength of about 770 to 830 nm used for a CD-R, a red laser having a wavelength of about 620 to 690 nm used for a DVD-R, or a so-called blue laser having a wavelength of 410 nm or 515 nm, etc. More preferred are dyes suitable for recording.
[0040]
One kind of dye may be used, or two or more kinds of the same kind or different kinds may be used in combination. Furthermore, it is also possible to use an optical recording medium corresponding to recording with laser light in a plurality of wavelength regions by using a combination of dyes suitable for recording in each of the recording light with the plurality of wavelengths.
[0041]
In addition, the recording layer has a transition metal chelate compound (for example, acetylacetonate chelate, bisphenyldithiol, salicylaldehyde oxime, bisdithio-α-diketone, etc.) as a singlet oxygen quencher to improve the stability and light resistance of the recording layer. In order to improve the recording sensitivity, a recording sensitivity improving agent such as a metal compound may be contained. Here, the metal compound refers to a compound in which a metal such as a transition metal is contained in the compound in the form of atoms, ions, clusters, etc., for example, an ethylenediamine complex, an azomethine complex, a phenylhydroxyamine complex, a phenanthroline complex, Organic metal compounds such as dihydroxyazobenzene complex, dioxime complex, nitrosoaminophenol complex, pyridyltriazine complex, acetylacetonate complex, metallocene complex and porphyrin complex can be mentioned. Although it does not specifically limit as a metal atom, It is preferable that it is a transition metal.
[0042]
Furthermore, a binder, a leveling agent, an antifoaming agent and the like can be used in combination in the recording layer of the optical recording medium, if necessary. Preferable binders include polyvinyl alcohol, polyvinyl pyrrolidone, nitrocellulose, cellulose acetate, ketone resin, acrylic resin, polystyrene resin, urethane resin, polyvinyl butyral, polycarbonate, polyolefin and the like.
[0043]
The film thickness of the recording layer varies depending on the recording method and the like, and is not particularly limited. However, in order to obtain a sufficient degree of modulation, it is usually preferably 5 nm or more, more preferably 10 nm or more, Especially preferably, it is 20 nm or more. However, in the present optical recording medium, since it is not necessary to be too thick in order to transmit light moderately, it is usually 3 μm or less, preferably 1 μm or less, more preferably 200 nm or less. The film thickness of the recording layer is usually different between the groove part and the land part, but in this optical recording medium, the film thickness of the recording layer is the film thickness in the groove part of the substrate.
[0044]
Examples of the method for forming the recording layer include vacuum film forming methods, sputtering methods, doctor blade methods, cast methods, spin coating methods, dipping methods, and the like, but from the viewpoint of mass productivity and cost, A spin coating method is preferred. From the viewpoint that a recording layer having a uniform thickness can be obtained, the vacuum vapor deposition method is preferable to the coating method.
In the case of film formation by spin coating, the rotation speed is preferably 10 to 15000 rpm, and after spin coating, treatment such as heating or application to solvent vapor may be performed.
[0045]
The coating solvent for forming the recording layer by a coating method such as a doctor blade method, a casting method, a spin coating method, or a dipping method may be any solvent that does not attack the substrate and is not particularly limited. For example, ketone alcohol solvents such as diacetone alcohol and 3-hydroxy-3-methyl-2-butanone; cellosolv solvents such as methyl cellosolve and ethyl cellosolve; chain hydrocarbon solvents such as n-hexane and n-octane Cyclic hydrocarbon solvents such as cyclohexane, methylcyclohexane, ethylcyclohexane, dimethylcyclohexane, n-butylcyclohexane, tert-butylcyclohexane and cyclooctane; perfluoroalkyl alcohols such as tetrafluoropropanol, octafluoropentanol and hexafluorobutanol Examples of the solvent include hydroxycarboxylic acid ester solvents such as methyl lactate, ethyl lactate, and methyl 2-hydroxyisobutyrate.
[0046]
In the case of the vacuum vapor deposition method, for example, an organic dye and recording layer components such as various additives as necessary are put in a crucible installed in a vacuum vessel, and the inside of the vacuum vessel is filled with an appropriate vacuum pump. -2 -10 -Five After evacuating to about Pa, the crucible is heated to evaporate the recording layer components and vapor deposited on the substrate placed facing the crucible to form the recording layer.
[0047]
(3) About translucent
The translucent
[0048]
In order to ensure high transmittance, the thickness of the translucent
[0049]
As the material of the translucent
[0050]
Among these, those containing Ag as a main component are particularly preferable from the viewpoint of low cost and high reflectance. Here, the main component means one having a content of 50% or more.
The translucent
[0051]
Among these, it is preferable to contain 0.1 to 15 atomic% of at least one element selected from the group consisting of Ag, Ti, Zn, Cu, Pd, Au, and rare earth metals. When two or more of Ti, Zn, Cu, Pd, Au, and rare earth metal are included, each may be 0.1 to 15 atomic%, but the total of these is preferably 0.1 to 15 atomic%. .
[0052]
A particularly preferable alloy composition contains 0.1 to 15 atomic% of at least one element selected from the group consisting of Ti, Zn, Cu, Pd, and Au, containing Ag as a main component, and at least one rare earth element. Is contained in an amount of 0.1 to 15 atomic%. Of the rare earth metals, neodymium is particularly preferred. Specifically, AgPdCu, AgCuAu, AgCuAuNd, AgCuNd, and the like.
[0053]
As the translucent
It is also possible to use a layer made of Si as the translucent
It is also possible to form a multilayer film by alternately stacking a low refractive index thin film and a high refractive index thin film using a material other than metal, and use it as a reflective layer.
[0054]
Examples of the method for forming the translucent
[0055]
(4) About the intermediate resin layer 4
The intermediate resin layer 4 needs to have both light transmission properties of λ1 light transmission and λ2 light transmission, and it is necessary that grooves and pits can be formed by unevenness. Further, it is preferable that the adhesive strength is high and the shrinkage rate at the time of curing and bonding is small, the shape stability of the medium is high. The intermediate resin layer 4 is preferably made of a material that does not damage the
[0056]
Furthermore, the intermediate resin layer 4 is preferably made of a material that does not damage the translucent
[0057]
In the present optical recording medium, it is preferable to control the film thickness of the intermediate resin layer 4 accurately. The film thickness of the intermediate resin layer 4 is usually preferably 5 μm or more. In order to separately apply focus servo to the two recording layers, it is necessary to have a certain distance between the two recording layers. Although it depends on the focus servo mechanism, it is usually required to be 5 μm or more, preferably 10 μm or more. In general, the higher the numerical aperture of the objective lens, the smaller the distance tends to be. However, if it is too thick, it takes time to adjust the focus servo to the two recording layers, and the moving distance of the objective lens becomes long, which is not preferable. Moreover, since there are problems such as requiring time for curing and lowering productivity, the thickness is usually preferably 100 μm or less.
[0058]
The intermediate resin layer 4 is provided with irregularities in a spiral shape or concentric shape to form grooves and lands. Normally, information is recorded / reproduced in / from the
[0059]
From the viewpoint of cost, such irregularities are preferably produced by transferring and curing from a resin stamper having irregularities to a curable resin such as a photocurable resin. Hereinafter, such a method may be referred to as a 2P method (Photo Polymerization method).
Examples of the material of the intermediate resin layer 4 include a thermoplastic resin, a thermosetting resin, an electron beam curable resin, an ultraviolet curable resin (including a delayed curable type), and the like.
[0060]
A thermoplastic resin, a thermosetting resin, or the like can be formed by dissolving in an appropriate solvent to prepare a coating solution, coating it, and drying (heating). The ultraviolet curable resin can be formed by preparing a coating solution as it is or by dissolving it in a suitable solvent, and then applying the coating solution and curing it by irradiating with ultraviolet light. There are various types of ultraviolet curable resins, and any one can be used as long as it has λ1 light transmittance and λ2 light transmittance. These materials may be used alone or in combination, and may be used not only as a single layer but also as a multilayer film.
[0061]
As a coating method, a method such as a spin coating method or a casting method is used as in the recording layer, and among these, the spin coating method is preferable. Alternatively, a resin having a high viscosity can be formed by screen printing or the like. It is preferable to use an ultraviolet curable resin that is liquid at 20 to 40 ° C. because it can be applied without using a solvent. The viscosity is preferably adjusted to 20 to 1000 mPa · s.
[0062]
As the ultraviolet curable adhesive, there are a radical ultraviolet curable adhesive and a cationic ultraviolet curable adhesive, both of which can be used.
As the radical ultraviolet curable adhesive, all known compositions can be used, and a composition containing an ultraviolet curable compound and a photopolymerization initiator as essential components is used. As the ultraviolet curable compound, monofunctional (meth) acrylate or polyfunctional (meth) acrylate can be used as the polymerizable monomer component. These can be used alone or in combination of two or more. Here, in the present invention, acrylate and methacrylate are collectively referred to as (meth) acrylate.
[0063]
Examples of polymerizable monomers that can be used in the present optical recording medium include the following. Examples of the monofunctional (meth) acrylate include methyl, ethyl, propyl, butyl, amyl, 2-ethylhexyl, octyl, nonyl, dodecyl, hexadecyl, octadecyl, cyclohexyl, benzyl, methoxyethyl, butoxyethyl, phenoxyethyl, Nonylphenoxyethyl, tetrahydrofurfuryl, glycidyl, 2-hydroxyethyl, 2-hydroxypropyl, 3-chloro-2-hydroxypropyl, dimethylaminoethyl, diethylaminoethyl, nonylphenoxyethyl tetrahydrofurfuryl, caprolactone modified tetrahydrofurfuryl, isobornyl , (Meth) acrylate having a group such as dicyclopentanyl, dicyclopentenyl, dicyclopentenyloxyethyl and the like.
[0064]
Examples of the polyfunctional (meth) acrylate include 1,3-butylene glycol, 1,4-butanediol, 1,5-pentanediol, 3-methyl-1,5-pentanediol, and 1,6-hexanediol. Di (meth) such as neopentyl glycol, 1,8-octanediol, 1,9-nonanediol, tricyclodecane dimethanol, ethylene glycol, polyethylene glycol, propylene glycol, dipropylene glycol, tripropylene glycol, polypropylene glycol Di (meth) acrylate of diol obtained by adding 4 mol or more of ethylene oxide or propylene oxide to 1 mol of acrylate, di (meth) acrylate of tris (2-hydroxyethyl) isocyanurate, neopentyl glycol , Di (meth) acrylate of diol obtained by adding 2 mol of ethylene oxide or propylene oxide to 1 mol of bisphenol A, and triol obtained by adding 3 mol or more of ethylene oxide or propylene oxide to 1 mol of trimethylolpropane. Di or tri (meth) acrylate, di (meth) acrylate of diol obtained by adding 4 mol or more of ethylene oxide or propylene oxide to 1 mol of bisphenol A, trimethylolpropane tri (meth) acrylate, pentaerythritol tri (meth) Acrylate, poly (meth) acrylate of dipentaerythritol, ethylene oxide modified phosphoric acid (meth) acrylate, ethylene oxide modified alkylated phosphoric acid (meth) acrylate, etc. It is.
[0065]
Moreover, what can be used together with the polymerizable monomer includes polyester (meth) acrylate, polyether (meth) acrylate, epoxy (meth) acrylate, urethane (meth) acrylate and the like as polymerizable oligomers.
Furthermore, as the photopolymerization initiator used in the present optical recording medium, any known one that can cure an ultraviolet curable compound represented by a polymerizable oligomer and / or a polymerizable monomer can be used. As the photopolymerization initiator, a molecular cleavage type or a hydrogen abstraction type is suitable for the optical recording medium.
[0066]
Examples of such include benzoin isobutyl ether, 2,4-diethylthioxanthone, 2-isopropylthioxanthone, benzyl, 2,4,6-trimethylbenzoyldiphenylphosphine oxide, 2-benzyl-2-dimethylamino-1- ( 4-morpholinophenyl) -butan-1-one, bis (2,6-dimethoxybenzoyl) -2,4,4-trimethylpentylphosphine oxide, etc. are preferably used, and other molecular cleavage types 1-hydroxycyclohexyl phenyl ketone, benzoin ethyl ether, benzyldimethyl ketal, 2-hydroxy-2-methyl-1-phenylpropan-1-one, 1- (4-isopropylphenyl) -2-hydroxy-2-methyl Propan-1-one and -Methyl-1- (4-methylthiophenyl) -2-morpholinopropan-1-one or the like may be used in combination, and further a hydrogen abstraction type photopolymerization initiator, benzophenone, 4-phenylbenzophenone, isophthalphenone 4-benzoyl-4′-methyl-diphenyl sulfide and the like can be used in combination.
[0067]
Examples of sensitizers for photopolymerization initiators include trimethylamine, methyldimethanolamine, triethanolamine, p-diethylaminoacetophenone, ethyl p-dimethylaminobenzoate, isoamyl p-dimethylaminobenzoate, N, N-dimethylbenzyl. An amine that does not cause an addition reaction with the polymerizable component, such as an amine and 4,4′-bis (diethylamino) benzophenone, can also be used in combination. Of course, it is preferable to select and use the photopolymerization initiator and the sensitizer that are excellent in solubility in the ultraviolet curable compound and do not inhibit the ultraviolet transmittance.
[0068]
Further, as the cationic ultraviolet curable adhesive, all known compositions can be used, and an epoxy resin containing a cationic polymerization type photoinitiator corresponds to this. Examples of cationic polymerization type photoinitiators include sulfonium salts, iodonium salts, and diazonium salts.
An example of an iodonium salt is as follows. Diphenyliodonium hexafluorophosphate, diphenyliodonium hexafluoroantimonate, diphenyliodonium tetrafluoroborate, diphenyliodonium tetrakis (pentafluorophenyl) borate, bis (dodecylphenyl) iodonium hexafluorophosphate, bis (dodecylphenyl) iodonium hexafluoroantimonate Bis (dodecylphenyl) iodonium tetrafluoroborate, bis (dodecylphenyl) iodonium tetrakis (pentafluorophenyl) borate, 4-methylphenyl-4- (1-methylethyl) phenyliodonium hexafluorophosphate, 4-methylphenyl-4 -(1-Methylethyl) phenyliodonium hexafluoroa Chimoneto, 4-methylphenyl-4- (1-methylethyl) phenyl iodonium tetrafluoroborate, 4-methylphenyl-4- (1-methylethyl) phenyl iodonium tetrakis (pentafluorophenyl) borate, and the like.
[0069]
Epoxy resins include bisphenol A-epichlorohydrin type, alicyclic epoxy, long chain aliphatic type, brominated epoxy resin, glycidyl ester type, glycidyl ether type, heterocyclic type, etc. It doesn't matter.
As the epoxy resin, it is preferable to use an epoxy resin having a low free chlorine and chlorine ion content so as not to damage the reflective layer. The amount of chlorine is preferably 1% by weight or less, more preferably 0.5% by weight or less.
[0070]
The ratio of the cationic polymerization type photoinitiator per 100 parts by weight of the cationic ultraviolet curable resin is usually 0.1 to 20 parts by weight, preferably 0.2 to 5 parts by weight. In addition, in order to use the near-ultraviolet region and the visible region of the ultraviolet light source more effectively, a known photosensitizer can be used in combination. Examples of the photosensitizer at this time include anthracene, phenothiazine, benzylmethyl ketal, benzophenone, and acetophenone.
[0071]
In addition, UV curable adhesives include, as necessary, other additives such as thermal polymerization inhibitors, antioxidants typified by hindered phenols, hindered amines, phosphites, plasticizers and epoxy silanes, mercapto. Silane coupling agents represented by silane, (meth) acrylic silane and the like can also be blended for the purpose of improving various properties. These are selected from those having excellent solubility in ultraviolet curable compounds and those that do not impair ultraviolet transparency.
[0072]
(5) About the
The
[0073]
In order to realize good recording / reproducing characteristics, it is desirable that the dye has a low heat generation and a high refractive index.
Further, in the combination of the
[0074]
Since the material of the
The film thickness of the
The materials used for the
[0075]
(6) About the
The
In order to ensure high reflectivity, the thickness of the
[0076]
As the material of the
[0077]
Among them, those containing Ag as a main component are particularly preferred because they are low in cost, easily exhibit high reflectivity, and when a print receiving layer described later is provided, a white and beautiful ground color can be obtained. Here, the main component means one having a content of 50% or more.
In order to ensure high durability (high corrosion resistance), the
[0078]
Among these, it is preferable to contain 0.1 to 15 atomic% of at least one element selected from the group consisting of Ag, Ti, Zn, Cu, Pd, Au, and rare earth metals. When two or more of Ti, Zn, Cu, Pd, Au, and rare earth metal are included, each may be 0.1 to 15 atomic%, but the total of these is preferably 0.1 to 15 atomic%. .
[0079]
A particularly preferable alloy composition contains 0.1 to 15 atomic% of at least one element selected from the group consisting of Ti, Zn, Cu, Pd, and Au, containing Ag as a main component, and at least one rare earth element. Is contained in an amount of 0.1 to 15 atomic%. Of the rare earth metals, neodymium is particularly preferred. Specifically, AgPdCu, AgCuAu, AgCuAuNd, AgCuNd, and the like.
[0080]
As the
It is also possible to form a multilayer film by alternately stacking a low refractive index thin film and a high refractive index thin film using a material other than metal, and use it as the
Examples of the method for forming the
[0081]
(7) About
The
The
[0082]
In the present optical recording medium, the film thickness of the
The material of the
[0083]
(8) About the
The
As described above, when the
[0084]
As such a material, the same material as that which can be used for the
[0085]
Polycarbonate is preferred from the viewpoints of high productivity such as moldability, cost, low hygroscopicity, and shape stability. Amorphous polyolefin is preferred from the standpoint of chemical resistance and low hygroscopicity. Moreover, a glass substrate is preferable from the viewpoint of high-speed response.
In order to give the optical recording medium sufficient rigidity, the
[0086]
The
As an example of a preferable combination of the
[0087]
As an example of another preferable combination, the
[0088]
(9) Other layers
In the above laminated structure, any other layer may be sandwiched as necessary. Alternatively, any other layer may be provided on the outermost surface of the medium. Specifically, as an intermediate layer between the translucent
[0089]
The buffer layer prevents the two layers from mixing and prevents compatibility. The buffer layer may also serve other functions than preventing the mixing phenomenon. Further, another intermediate layer may be interposed as required.
The material of the buffer layer must be incompatible with the
[0090]
Specifically, silicon oxide, particularly silicon dioxide, oxides such as zinc oxide, cerium oxide, yttrium oxide; sulfides such as zinc sulfide and yttrium sulfide; nitrides such as silicon nitride; silicon carbide; oxide and sulfur A mixture thereof (oxysulfide); and alloys described later are suitable. Further, a mixture of about 30:70 to 90:10 (weight ratio) of silicon oxide and zinc sulfide is also suitable. A mixture of sulfur, yttrium dioxide and zinc oxide (Y 2 O 2 S-ZnO) is also suitable.
[0091]
As the metal or alloy, silver or one containing 0.1 to 15 atomic% of at least one element selected from the group consisting of titanium, zinc, copper, palladium, and gold, which is mainly composed of silver, is preferable. is there. Further, those containing silver as a main component and containing at least one rare earth element in an amount of 0.1 to 15 atomic% are also suitable. As this rare earth, neodymium, praseodymium, cerium and the like are suitable.
In addition, a resin layer may be used as long as it does not dissolve the dye in the recording layer when the buffer layer is produced. In particular, a polymer film that can be produced by vacuum deposition or CVD is useful.
[0092]
The thickness of the buffer layer is preferably 2 nm or more, more preferably 5 nm or more. If the thickness of the buffer layer is excessively thin, there is a possibility that the prevention of the above mixing phenomenon will be insufficient. However, it is preferably 2000 nm or less, more preferably 500 nm or less. If the buffer layer is excessively thick, it is not only necessary for preventing mixing but also may reduce light transmittance. In the case of a layer made of an inorganic material, it takes a long time to form a film, and the productivity may be lowered or the film stress may be increased. In particular, in the case of a metal, about 20 nm or less is preferable because the light transmittance is excessively lowered.
[0093]
A protective layer may be provided to protect the recording layer and the reflective layer. The material of the protective layer needs to have λ1 light transmittance and λ2 light transmittance, but is not particularly limited as long as it protects the recording layer and the reflective layer from external force. Examples of the material of the organic substance include a thermoplastic resin, a thermosetting resin, an electron beam curable resin, and an ultraviolet curable resin. Examples of inorganic substances include silicon oxide, silicon nitride, and MgF. 2 , SnO 2 Etc.
[0094]
A thermoplastic resin, a thermosetting resin, etc. can be formed by dissolving in an appropriate solvent to prepare a coating solution, and applying and drying the coating solution. The ultraviolet curable resin can be formed by preparing a coating solution as it is or by dissolving it in a suitable solvent, and then applying the coating solution and curing it by irradiation with UV light. As the ultraviolet curable resin, for example, acrylate resins such as urethane acrylate, epoxy acrylate, and polyester acrylate can be used. These materials may be used alone or in combination, and may be used not only as a single layer but also as a multilayer film.
[0095]
As a method for forming the protective layer, a coating method such as a spin coating method and a casting method, a sputtering method, a chemical vapor deposition method, and the like are used as in the recording layer. Among these, a spin coating method is preferable.
The thickness of the protective layer is generally in the range of 0.1 to 100 μm, but in the present optical recording medium, 3 to 50 μm is preferable.
[0096]
Furthermore, in the optical recording medium, if necessary, a print receiving layer that can be filled in (printed) on various surfaces other than the recording / reproducing light incident surface by various printers such as ink jet and thermal transfer, or various writing tools. May be provided.
Further, as an application example of this layer configuration, a medium having three or more recording layers is also possible. Alternatively, two optical recording media having a main layer structure and two
[0097]
(A-2)
Next, a method for manufacturing the
First, as shown in FIG. 2 (a), a
[0098]
Next, as shown in FIG. 2B, a coating solution in which at least an organic dye is dissolved in a solvent is applied to the surface of the
[0099]
Thereafter, as shown in FIG. 2C, the outer peripheral side of the
[0100]
After forming the
Thereafter, as shown in FIG. 2 (e), the predetermined area W of the
[0101]
Next, unevenness is formed on the surface of the ultraviolet curable resin using a mold. As the mold, it is preferable to use a
The
[0102]
The
First, a
[0103]
The
[0104]
The thickness of the
If the
[0105]
It is desirable that the
The material of the
[0106]
The thickness of the
If the
[0107]
Therefore, after applying an ultraviolet curable resin or the like on the
In this state, the ultraviolet curable resin is cured by irradiating ultraviolet rays from the
[0108]
Subsequently, as shown in FIG. 2 (h), a coating solution in which at least an organic dye is dissolved in a solvent is applied to the surface of the intermediate resin layer 4 by spin coating or the like to form a
Then, as shown in FIG. 2 (i), the
[0109]
Thereafter, as shown in FIG. 2 (j), a mirror substrate as the
The
[0110]
(A-3) Film thickness measuring method and film thickness control method of
In the
[0111]
As described above, in the method for manufacturing an optical recording medium according to the present embodiment, the translucent
That is, for example, as shown in FIG. 3A, the translucent
[0112]
A predetermined area where the
[0113]
And when measuring the film thickness of the translucent
[0114]
Thus, the area of the semitransparent
Thereby, since the film thickness of the translucent
[0115]
The predetermined area W 1 ', W 2 ′, Even if there is a buffer layer or a protective layer between the translucent
Further, such a film thickness measurement is performed, for example, at a plurality of points in the diameter direction of the
[0116]
Furthermore, since the film thickness of the
Here, the predetermined region W is provided on both the inner and outer peripheral sides of the
[0117]
Further, the above film thickness measurement is automatically performed by a film thickness measuring device (not shown) in the manufacturing apparatus for manufacturing the optical recording medium (that is, the manufacturing process). It is fed back to a film thickness control device (not shown) for controlling the film thickness of the transparent
For example, when the film thickness of the translucent
[0118]
(B-1) Configuration of
FIG. 4 is a schematic cross-sectional view showing the optical recording medium (type 2) according to this embodiment.
The
[0119]
In the present invention, “light transmission (or transparency)” means light transmission (referred to as λ1 light transmission) with respect to the wavelength of light used in film thickness measurement by a transmission method (which will be described later), It means two light transmissivities, ie, a light transmissivity (referred to as λ2 light transmissivity) with respect to the wavelength of light used when recording / reproducing on a recording medium. Further, if the wavelength of the film thickness measuring light and the wavelength of the recording / reproducing light are 50% or more, it can be said that the film is substantially light transmissive.
[0120]
Concavities and convexities are formed on the
[0121]
Next, each layer will be described.
The
Further, the transparent
[0122]
Furthermore, the
The
[0123]
Examples of such materials include those made of resins such as acrylic resins, methacrylic resins, polycarbonate resins, polyolefin resins (particularly amorphous polyolefins), polyester resins, polystyrene resins, epoxy resins, and the like. Can be used.
[0124]
Concavities and convexities are provided on the
[0125]
From the viewpoint of cost, the
Moreover, in order to protect the recording layer and the reflective layer, the protective layer described in the first embodiment may be provided. The material of the protective layer needs to have λ1 light transmittance and λ2 light transmittance, but is not particularly limited as long as it protects the recording layer and the reflective layer from external force.
[0126]
(B-2) Manufacturing method of
Next, a method for manufacturing a
In the present optical recording medium, a laminated structure (first constituent) A having a
[0127]
First, as shown in FIG. 5A, the
Next, as shown in FIG. 5B, a coating solution in which at least an organic dye is dissolved in a solvent is applied to the surface of the
[0128]
Further, the outer peripheral side of the
[0129]
After forming the
On the other hand, as shown in FIG. 5 (d), the
[0130]
Then, as shown in FIG. 5E, a
Thereafter, as shown in FIG. 5F, a coating solution in which at least an organic dye is dissolved in a solvent is applied on the
[0131]
Next, as shown in FIG. 5G, a
And as shown in FIG.5 (h), after apply | coating adhesives, such as ultraviolet curable resin used as the transparent
[0132]
Moreover, an adhesive layer can also be formed by pressing a pressure-sensitive double-sided tape between the laminated structures A and B. Alternatively, the adhesive layer can be formed by using a delayed-curing type adhesive, applying the adhesive on the laminated structure A by screen printing or the like, irradiating ultraviolet rays, and placing and pressing the laminated structure B. However, the delayed curable adhesive is usually opaque.
[0133]
(B-3)
In the
That is, as shown in FIGS. 3A and 3B, the translucent
[0134]
In each of the inner peripheral side and the outer peripheral side, a predetermined area where the
[0135]
And when measuring the film thickness of the translucent
[0136]
Thus, also in the
Thereby, since the film thickness of the translucent
[0137]
The predetermined area W Ten ', W 20 ′, Even if there is a buffer layer or a protective layer between the translucent
Further, such a film thickness measurement is performed at, for example, a plurality of points in the diameter direction of the
[0138]
Further, since the film thickness of the
Here, the predetermined area W is provided on both the inner and outer peripheral sides of the
[0139]
The film thickness measurement is automatically performed by the above-described film thickness measuring apparatus, and the film thickness information measured at this time is a film thickness control apparatus (not shown) for controlling the film thickness of the translucent
[0140]
[2] Second embodiment
Next, a film thickness measuring method according to the second embodiment of the present invention will be described. This film thickness measurement method can be used for both
[0141]
In this embodiment, first, as shown in FIG. 6A, after the
[0142]
Then, after the semitransparent
[0143]
Next, the transmitted light amount P thus obtained is 1 And transmitted light amount P 2 Difference P Three The film thickness of the translucent
Thus, in the film thickness measurement method according to the present embodiment, the predetermined region W as in the first embodiment. 1 , W 2 , W 1 ', W 2 ′ (
[0144]
Further, such a measurement is performed at a plurality of points in the diameter direction and the circumferential direction of the disk, and for example, by taking an average of these measured values, a more accurate film thickness of the translucent
Similarly to the first embodiment, the above-described film thickness measurement and calculation are automatically performed by the film thickness measuring apparatus in the manufacturing apparatus for manufacturing the optical recording medium (that is, the manufacturing process). The film thickness information measured by the apparatus is fed back to the film thickness control apparatus that controls the film thickness of the translucent
[0145]
Furthermore, in this embodiment, since the film thickness distribution of the translucent
For example, when the translucent
[0146]
In the present embodiment, because the measurement is easy, the film thickness is obtained by measuring the amount of transmitted light. However, the light absorption rate of the
[0147]
[3] Other
Although the embodiments of the present invention have been described above, the present invention is not limited to the above-described embodiments, and various modifications can be made without departing from the spirit of the present invention.
For example, when measuring the film thickness of the translucent reflective layer 3 (23), both the film thickness measuring method according to the first embodiment and the film thickness measuring method according to the second embodiment may be performed. .
[0148]
That is, the manufacturing method according to the first embodiment is used to provide predetermined areas on the inner and outer peripheral sides of the disc. In the manufacturing process, the first recording layer 2 (22) is formed, and then the first recording layer 2 (22) is formed by the transmission method. Transmitted light quantity P of one recording layer 2 (22) 1 After the semi-transparent reflective layer 3 (23) is formed on the first recording layer 2 (22), the transmitted light amount P of the first recording layer 2 (22) and the semi-transparent reflective layer 3 (23) is measured. 2 Is measured, and the transmitted light amount P of only the translucent reflective layer 3 (23) is measured. Three Is calculated to determine the film thickness of the translucent reflective layer 3 (23). On the other hand, the predetermined area W on the inner and outer peripheral sides of the disk 1 ', W 2 ′ (W Ten ', W 20 ′), The thickness of the translucent reflective layer 3 (23) is obtained by measuring the amount of light transmitted through the translucent reflective layer 3 (23) by the transmission method.
[0149]
As described above, the film thickness information obtained by the film thickness measurement method according to the first embodiment and the film thickness information and the film thickness distribution information obtained by the film thickness measurement method according to the second embodiment are more accurate. It is also possible to obtain the film thickness and film thickness distribution of the translucent reflective layer 3 (23), and it is possible to perform more precise film thickness control by feeding back this information to the film thickness controller. .
[0150]
Further, within the scope of the present invention, the order of the layers of the optical recording medium and the layers and the manufacturing method may be changed. In the above embodiment, a so-called substrate surface incident medium has been described as an example, but a film surface incident medium may be used.
In addition, the present invention is applied to a medium having three or more recording layers and two or more translucent reflective layers, and recording and reproducing light by entering light from one side. It may be used for film thickness measurement and film thickness control.
[0151]
For example, light transmissive substrate / first recording layer / first translucent reflective layer / first intermediate layer / second recording layer / second translucent reflective layer / second intermediate layer / third recording layer / reflective layer, etc. In the optical recording medium having a layer structure, the first translucent reflective layer is formed wider than the first recording layer, and the second translucent reflective layer is the first recording layer, the first translucent reflective layer, and the second recording layer. By forming it wider than this, the film thicknesses of both translucent reflective layers can be accurately measured.
[0152]
Alternatively, after forming the first recording layer on the substrate, the first transmitted light amount is measured, and after forming the first translucent reflective layer, the second transmitted light amount is measured. After determining the film thickness of the first translucent reflective layer from the difference in the second transmitted light amount), after forming the second recording layer and measuring the third transmitted light amount, after forming the second translucent reflective layer The fourth transmitted light amount is measured, and the film thickness of the second translucent reflective layer can be obtained from the difference between the two (third transmitted light amount and fourth transmitted light amount).
[0153]
Further, in the above embodiment, in the case of an optical recording medium having only one translucent reflective layer 3 (23), the film thickness information of the translucent reflective layer 3 (23) is obtained from the next manufactured disc. Although it was used to control the film thickness of the translucent reflective layer, if it is an optical recording medium having a plurality of translucent reflective layers of the same material, the film thickness information of the semitransparent reflective layer formed first is You may make it use for film thickness control of the translucent reflective layer formed in this.
[0154]
The method for measuring the film thickness of the optical recording medium of the present invention can also be applied to a phase change medium, but as described in the above embodiment, it is more effective when applied to a dye medium having a dye recording layer. .
In the phase change medium, like the dye medium, there is a demand to strictly control the film thickness of the translucent reflective layer. However, in the phase change medium, all layers are usually formed by a vacuum process such as sputtering. Therefore, the film thickness variation of the other layers is small, and the film thickness of the translucent reflective layer can be obtained without any contrivance as in the present invention. For example, after all the layers such as the recording layer, the protective layer, and the semitransparent reflective layer are formed, the total amount of transmitted / reflected light is measured, and calculation is performed based on the refractive index of each layer. The film thickness of the transparent reflective layer can be determined.
[0155]
On the other hand, in the dye medium, the dye recording layer is usually formed by a coating method, particularly a spin coating method. Such a coating process is simpler than the vacuum process, but the film thickness tends to fluctuate. Therefore, in the dye medium, it is difficult to obtain the film thickness of the translucent reflective layer by the film thickness measuring method of the phase change medium as described above, and the film thickness measuring method of the present invention is more required.
[0156]
In addition, the present invention has an aspect that the dye medium is easier to apply than the phase change medium in the process.
For example, in the present invention, the area of the semitransparent reflective layer is formed wider than the area of the other layers, but in the phase change type medium, the inner / outer circumference of the medium is masked and all layers are formed by a series of vacuum processes. Since the film is formed, it is usually difficult to form only the translucent reflective layer wider than the other layers, or to take out and measure the amount of transmitted light once during the film formation process.
[0157]
On the other hand, in the dye medium, since the dye recording layer is usually formed independently by a coating process and the semitransparent reflective layer is independently formed by a vacuum process, it is easy to form only the semitransparent reflective layer wider than other layers. In addition, it is easy to measure the amount of transmitted light between the formation of the dye recording layer and the formation of the translucent reflective layer.
[0158]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the optical recording medium of the present invention described in
[0159]
According to the optical recording medium of the present invention as set forth in
[0160]
According to the optical recording medium of the present invention described in
According to the optical recording medium of the present invention described in claim 4, since the predetermined region is provided on the inner peripheral side and / or the outer peripheral side of the substrate, by measuring the film thickness at a plurality of points in the diameter direction, It is possible to obtain a more accurate film thickness.
[0161]
According to the method for measuring the film thickness of the optical recording medium of the present invention described in
According to the film thickness measuring method of the optical recording medium of the present invention described in
According to the film thickness control method for an optical recording medium of the present invention as set forth in
[0162]
According to the method for manufacturing an optical recording medium of the present invention described in
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing a
FIGS. 2A and 2B are process diagrams for explaining a method of manufacturing a
FIGS. 3A and 3B are diagrams for explaining a method of measuring the thickness of a
FIG. 4 is a schematic diagram showing a
FIG. 5 is a process diagram for explaining the manufacturing method of the
6A and 6B are diagrams for explaining a method of measuring the thickness of a
FIG. 7 is a schematic diagram showing an example of a conventional optical recording medium.
[Explanation of symbols]
1,21 First substrate (first substrate)
2,22 First recording layer (first dye-containing recording layer)
3,23 Translucent reflective layer
4 Intermediate resin layer (intermediate layer)
5,25 Second recording layer (second dye-containing recording layer)
6,26 Reflective layer
7 Adhesive layer
8, 27 Second substrate (second substrate)
28 Buffer layer (intermediate layer)
11, 12, 31 Recording track consisting of convex portions
24 Transparent adhesive layer (intermediate layer)
32 Recording track consisting of recesses
W 1 ', W 2 ', W Ten ', W 20 ′ Predetermined area
Claims (8)
該半透明反射層の領域が、該他の層の領域よりも所定領域だけ広く形成されている
ことを特徴とする、光記録媒体。Provide another layer between the light-transmitting substrate and the translucent reflective layer,
An optical recording medium, wherein a region of the translucent reflective layer is formed by a predetermined region wider than a region of the other layer.
ことを特徴とする、請求項1記載の光記録媒体。The optical recording medium according to claim 1, wherein the other layer includes a dye-containing recording layer on which information can be optically recorded.
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の光記録媒体。3. The optical recording medium according to claim 1, wherein the substrate and the translucent reflective layer are in contact with each other directly or through a light-transmitting layer in the predetermined region.
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光記録媒体。4. The optical recording according to claim 1, wherein the substrate has a disk shape, and the predetermined area is provided on an inner peripheral side and / or an outer peripheral side of the substrate. Medium.
透過法により該所定領域における該半透明反射層の膜厚を測定する
ことを特徴とする、光記録媒体の膜厚測定方法。It is the film thickness measuring method of the optical recording medium of any one of Claims 1-4,
A method for measuring a film thickness of an optical recording medium, comprising measuring the film thickness of the translucent reflective layer in the predetermined region by a transmission method.
予め半透明反射層の膜厚と透過光量との関係を求めておき、
該他の層を形成した後、透過法により該基板及び該他の層の第1の透過光量を測定し、
該半透明反射層を形成した後、透過法により該基板及び該他の層及び該半透明反射層の第2の透過光量を測定し、
該第1の透過光量と該第2の透過光量との差から該半透明反射層の膜厚を求める
ことを特徴とする、光記録媒体の膜厚測定方法。A method for measuring a film thickness of an optical recording medium having another layer between a light-transmitting substrate and a translucent reflective layer,
Obtain the relationship between the film thickness of the translucent reflective layer and the amount of transmitted light in advance,
After forming the other layer, the first transmitted light amount of the substrate and the other layer is measured by a transmission method,
After forming the translucent reflective layer, the second transmitted light amount of the substrate and the other layers and the translucent reflective layer is measured by a transmission method,
A method for measuring a film thickness of an optical recording medium, comprising determining a film thickness of the translucent reflective layer from a difference between the first transmitted light quantity and the second transmitted light quantity.
透過法により該所定領域における該半透明反射層の膜厚を測定し、この膜厚測定情報に基づいて、その後に形成される半透明反射層の膜厚を制御する
ことを特徴とする、光記録媒体の膜厚制御方法。It is the film thickness control method of the optical recording medium of any one of Claims 1-4,
Measuring the film thickness of the semitransparent reflective layer in the predetermined region by a transmission method, and controlling the film thickness of the semitransparent reflective layer formed thereafter based on the film thickness measurement information; A method for controlling the film thickness of a recording medium.
該基板上に、該他の層を形成し、
該他の層上に、該他の層の領域よりも所定領域だけ広い領域に該半透明反射層を形成する
ことを特徴とする、光記録媒体の製造方法。A method for producing an optical recording medium according to any one of claims 1 to 4,
Forming the other layer on the substrate;
A method for producing an optical recording medium, comprising: forming the translucent reflective layer on a region wider than a region of the other layer by a predetermined region on the other layer.
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