JP4050808B2 - 静脈血リザーバ及び心臓切開血リザーバからなる体外回路用複合装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外科手術で使用するための装置に関する。更に詳細には、本発明は、静脈血リザーバ及び心臓切開リザーバの両方を持つ、体外回路で使用するための装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
多くの外科手術は、体外回路を通して患者の血液を循環させることを必要とする。特に、多くの心臓切開外科手術は、患者の心臓を停止させ、様々な生物学的機能（即ち、血液循環及び酸素化）を、体外回路に含まれる様々な装置で機械的に行うことを必要とする。ポンプや血液を流すチューブの他に、酸素供給器、熱交換器、及び血液溜めリザーバを含む装置を使用する。これらの装置の各々は、手術室内の人によって、又は室外の監視制御ステーションに居る人によって監視され、管理される。
【０００３】
こうした手術で使用される別の種類の血液溜めリザーバは、静脈リザーバである。静脈リザーバは、血液、代表的には、患者から静脈を通して取り出された実質的に酸素化された血液用の容器として役立つ。この血液は、患者に再循環して戻す前に更に処理が加えられる。かくして、静脈リザーバは、代表的には、血液が最初に体外回路に進入するときに血液を集めるのに役立つ。静脈リザーバを使用することによって、オペレータは、血液の流量、血圧、血液の容積、及び外科手術中に患者を維持するのに必要な関連したパラメータを制御できる。
【０００４】
このような手術で使用される第２の種類の血液溜めリザーバは、心臓切開リザーバである。心臓切開リザーバは、手術場所から集められた血液を収容するために使用される。心臓切開リザーバ内に集められた血液は、凝結塊等の望ましからぬ汚染物を濾過によって取り除いた後、患者に再注入できる。
【０００５】
多くの場合、オペレータが手術室内で利用できる空間が限られているため、静脈リザーバと心臓切開リザーバとを組み合わせて単一の構造にした装置が提案されている。このような装置では、静脈血用入口と手術場所からの血液用の入口とは互いに分けられている。装置に進入した血液は、濾過され、次いで共通のチャンバ内に集められる。
【０００６】
しかしながら、これらの装置には特定の欠点があることが知られている。例えば、血液と接触するこれらの装置の表面積が比較的大きい。その結果、血液は損傷を受けたり凝集したりし易い。更に、比較的通常の作動状態であっても、血液を逆流し、血液を逆方向に濾過する。これは、静脈血だけを集めている場合に特に問題である。というのは、逆流により血液が心臓切開フィルタ内に拘束され、そのため、酸素化及び患者への再循環に利用できる血液の容積が減少するためである。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の一つの目的は、静脈血リザーバ及び心臓切開リザーバの両方を持つ複合装置を提供することである。本発明の別の目的は、手術条件又は必要条件が許す場合に静脈血と心臓切開血とを随意に一体化できる装置を提供することである。本発明の更に別の目的は、血液と装置の大きな表面積との接触を最小にし、逆方向濾過の危険をなくす、複合静脈リザーバ−心臓切開リザーバを提供することである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明のこれらの及び他の目的は、静脈血リザーバ及び心臓切開リザーバを持つ複合装置によって達成される。この装置は、下リザーバを上リザーバから分離する隔壁を持つハウジングを含むことを特徴とする。下リザーバは、静脈リザーバとして使用されるようになっており、上リザーバは心臓切開リザーバとして使用されるようになっている。静脈リザーバには、血液入口コネクタ及び血液出口コネクタが設けられ、心臓切開リザーバには、血液入口コネクタ及び空気出口コネクタが設けられている。各血液入口コネクタは、装置に進入する血液を脱泡物質及びフィルタを通って流すように位置決めされている。更に、静脈リザーバを心臓切開リザーバから分離する隔壁には、少なくとも二つのダクトが設けられており、これらのダクトは、隔壁に形成された孔から上方に心臓切開リザーバ内に異なる高さに突出している。
【０００９】
【発明の実施の形態】
本発明の装置の一実施例を図１乃至図４に示す。図２及び図３に関し、及び明瞭化を図るため、図１のII−II平面に沿った装置の図が示してある。図２及び図３では、コラム１６が図１に示す位置に関して９０°回転させてある。これらの図面に関し、参照番号１は装置のハウジングに附してあり、参照番号２はハウジングが包囲する空間を静脈リザーバ３及び心臓切開リザーバ４に分割する隔壁に附してある。ハウジングは、好ましくは、オペレータが装置の内部を見ることができるように透明なポリマーで形成されている。医療の分野で有用な多くの透明ポリマーが当業者に周知である。
【００１０】
静脈リザーバ３には、５ａで終端する静脈血用の静脈入口コネクタ５が設けられている。静脈入口コネクタ５を通って静脈リザーバ３に進入した静脈血は分配チャンバ２２に進入し、ここで分配チャンバ２２に形成された複数のスロット状開口部２３を通って静脈リザーバの中央領域内にほぼ均等に外方に通過する。静脈リザーバの中央領域は、脱泡材製のほぼ円筒形の壁６によって構成されている。この脱泡材はフィルタ６ａによって包囲されており、血液は、静脈リザーバ３に進入するとき、このフィルタを通過しなければならない。血液は、静脈リザーバ３から静脈出口コネクタ７を通って出る。
【００１１】
一実施例では、脱泡材は、ポリウレタンフォーム等の多孔質ポリマー材料からなる。一つの好ましい実施例では、脱泡材は、２．５４cm（１インチ）あたり約５個乃至５０個の孔を持つ孔径を有し、更に好ましくは、２．５４cm（１インチ）あたり約２０個乃至３０個の孔を持つ孔径を有する。脱泡材は、随意であるが、医療上適当な消泡剤、例えばシリコーン消泡剤で処理してあるのがよい。フィルタは、好ましくは、目の大きさが約２０μｍ乃至５０μｍのポリエステル製のスクリーンである。
【００１２】
静脈リザーバ３の上部は、静脈リザーバ３を心臓切開リザーバ４から分離する隔壁２によって画成されている。心臓切開リザーバ４には、手術場所から到着した血液を受け入れるための心臓切開入口コネクタ８、及び空気出口コネクタ１０が設けられている。心臓切開入口コネクタ８を通って心臓切開リザーバ４に進入した血液は、先ず最初に、流れ分配器２４と出会う。この分配器２４は、血液を外方にほぼ均等に分配する。静脈リザーバに進入する血液と同様に、血液は、次に、脱泡材でできたほぼ円筒形の壁９と出会う。脱泡材はフィルタ９ａによって取り囲まれており、血液は、心臓切開リザーバ４に進入するときにこのフィルタを通過しなければならない。脱泡材は、上文中に説明したように、ポリウレタンフォーム等の多孔質ポリマー材料からなる。上文中に説明したように、脱泡材は、２．５４cm（１インチ）あたり約５個乃至５０個の孔を持つ孔径を有し、更に好ましくは、２．５４cm（１インチ）あたり約２０個乃至３０個の孔を持つ孔径を有する。フィルタは、好ましくは、目の大きさが約２０μｍ乃至５０μｍのポリエステル製のスクリーンである。
【００１３】
静脈リザーバと心臓切開リザーバとを分離する隔壁２は、代表的には、実質的に平らなプレートである。隔壁２は、装置の作動時に実質的に平らな配向に維持される。隔壁２には、複数の孔が設けられており、これにより、装置は以下に論じるように作動する。
【００１４】
図１乃至図３に示す一実施例では、隔壁２には孔１１及び１２が設けられ、これらの孔からダクト１３及び１４が延びている。これらのダクトは、好ましくは、隔壁２に対してほぼ直角に延びており、及び従って装置が適正な作動位置にあるとき、垂直配向に維持される。ダクト１３及び１４は、心臓切開リザーバ４内にほぼ同じ高さまで延びている。各ダクトの上縁部には、代表的には、複数の軸線方向ノッチ１５が設けられている。
【００１５】
軸線方向に移動自在のコラム１６が、好ましくは心臓切開リザーバ４の中央に位置決めされており、ハウジング１を通って上方に延びている。コラム１６は、第１通路１７及び第２通路１８を含む。第１通路１７では、下端１７ａが隔壁２の中央孔２０を通して静脈リザーバ３と連通しており、上端１７ｂが心臓切開リザーバ４と連通している。同様に、第２通路１８では、下端１８ａが心臓切開リザーバ４と連通しており、上端１８ｂがハウジングの外部と連通している。
【００１６】
コラム１６は、タブ１９に手動で作用を及ぼすことによって軸線方向に移動させることができる。このように、図１及び図２に示す下ストローク限度位置と図３に示す上ストローク限度位置との間でコラムを移動させることができる。下ストローク位置にあるとき、第１通路の下端１７ａは、好ましくは隔壁２の中央に設けられた中央孔２０に密封をなして挿入される。随意であるが、第１通路の下端１７ａの外側周囲に位置決めされたＯ−リング２５を使用することによって密封を高めることができる。シールは、係合時に、心臓切開リザーバ内の血液が静脈リザーバに進入しないようにする上で役立つ。シールが係合したとき、第１通路の上端１７ｂは、ダクト１３及び１４の上縁部よりも上の所定の高さに置かれる。別の態様において、コラム１６をその上ストローク位置に移動したとき、第１通路１７の下端１７ａが中央孔２０から抜け、これによってシールの係合を解除し、心臓切開リザーバ４内の血液を静脈リザーバ３に直接流入させる。コラム１６の位置に拘わらず、第２通路１８を通した流体連通にはほぼ影響がない。随意であるが、第２Ｏ−リング２７をコラム１６の上部分の外側周囲に設けることができる。第２Ｏ−リング２７は、コラムの上部分と、このコラムを通すハウジング１の部分との間を密封するのに役立つ。
【００１７】
コラム１６が下ストローク限度、即ち図１及び図２に示す位置にあるとき、静脈入口コネクタ５に流入する血液が静脈リザーバ３に進入する。静脈リザーバに進入する血液の量が静脈出口コネクタ７を通って出る量よりも多い場合には、静脈リザーバ３内の血液の液面高さが上昇する。血液の液面高さの上昇により、静脈リザーバを完全に充填できる。この点で、本発明の一つの利点が明らかになる。これは、血液がダクト１３及び１４並びに第１通路１７に進入できるために血液を余分に溜めることできるということである。このような余分の血液は、次いで、ダクト１３及び１４を通して心臓切開リザーバ４内に溢れるまでダクト及び通路内を上昇する。静脈リザーバ３と心臓切開リザーバ４とを一体化することによって、本装置は、必要なときにはいつでも、静脈リザーバだけの容量よりもはるかに多い所定量の静脈血を溜めることができる。
【００１８】
静脈リザーバと心臓切開リザーバとを一体化することによって、例えばカニューレをうまく挿入できなかったことによる空気及び他の気体による塞栓を、ダクト１３、１４及び第１通路１７を通すことによって、装置から解放でき、これを心臓切開リザーバ４の上部分に集めることができ、ここから空気出口コネクタ１０を通して引き出すことができる。
【００１９】
同様に、心臓切開リザーバ４の機能も高められる。特定的には、心臓切開入口コネクタ８を通って心臓切開リザーバ４に進入する血液は、このリザーバがほぼ充填されるまで、液面高さが徐々に上昇する。心臓切開リザーバが完全に充填されるのでなく、ひとたび血液が所定の液面高さに至った後、ダクト１３及び１４に進入し、これらのダクトを通って下方に流れ、静脈リザーバ３内に溜まる。このように、本装置は、静脈血又は心臓切開血のいずれかを余分に溜めることができるように形成されている。
【００２０】
過剰の心臓切開血が静脈リザーバに流入する場合でも、静脈血内に存在する空気及び他の気体による塞栓を装置から除去できる。通路１７の上端１７ｂは、血液がダクト１３及び１４を通って静脈リザーバに流入している場合でも、ダクト１３及び１４の上縁部よりも上方にあるように形成されているため、通路１７には血液が届いておらず、静脈リザーバから心臓切開リザーバ内へ、最終的には空気出口コネクタ１０を通してハウジングの外部へ空気を送ることができる。
【００２１】
コラム１６が図３に示すようにその上ストローク限度に位置決めされている場合には、心臓切開リザーバ４内に含まれる全ての血液が中央孔２０を通って下の静脈リザーバ３に流入する。このように、この形体では、中央孔２０は、コラム１６によって開閉できるドレンポートとして役立つ。最後に、心臓切開リザーバ４内に収容された血液が静脈リザーバ３内に収容された血液と混合することをオペレータが望まない場合があるということに着目すべきである。これは、例えば、望ましからぬ物質が心臓切開血液中に存在する場合に生じる。このような場合には、心臓切開リザーバ内に収容された血液は静脈リザーバ内の血液から効果的に隔離され、装置から通路１８を通して完全に除去される。
【００２２】
本発明の装置の利点は、厳密には、上文中に説明した利点に限定されない。例えば、図１乃至図４に示す装置の実施例では、装置の内面と接触する血液の量が最小にしてあり、これは、装置内に収容された血液の逆濾過（reverse filteration ）を行うことができるためである。更に、本発明の装置は、設計及び作動が比較的簡単であるため、オペレータによる制御操作に迅速に応答する。
【００２３】
勿論、上文中に説明した本発明は、多くの変形及び変更を行うことができ、これらの全てが本発明の範疇にある。
【００２４】
かくして、例えば、隔壁に設けられたダクトの数は、上文中に説明した形体と異なっていてもよい。
【００２５】
同様に、本発明は、使用された特定の材料にも使用された形状及び寸法にも限定されない。本発明の装置は、使用しようとする特定の用途の特定の必要条件に従って製作できる。
【００２６】
等価物について
本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明に対する様々な変形及び変更を行うことができるということは、当業者には明らかであろう。本発明は、例示の実施例及び本明細書中に説明した例によって不当に限定されるものではなく、このような例及び実施例は単なる例として提供されたものであって、本明細書の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【図１】長さ方向平面に沿った本発明の一実施例の断面図である。
【図２】図１のII−II平面に沿った拡大断面図である。
【図３】図２と同様であるが、作動モードが異なる、断面図である。
【図４】図１のIV−IV平面に沿った断面図である。
【符号の説明】
１ ハウジング ２ 隔壁
３ 静脈リザーバ ４ 心臓切開リザーバ
５ 静脈入口コネクタ ６ 壁
６ａ フィルタ ７ 静脈出口コネクタ
８ 心臓切開入口コネクタ ９ 壁
９ａ フィルタ １０ 空気出口コネクタ
１１、１２ 孔 １３、１４ ダクト
１５ 軸線方向ノッチ １６ コラム
１７ 第１通路 １８ 第２通路
１９ タブ ２０ 中央孔
２２ 分配チャンバ ２３ スロット状開口部
２４ 流れ分配器

Claims (20)

1. 複合血液リザーバにおいて、
   ａ）静脈血を受け入れてこれを収容するための第１リザーバと、
   ｂ）心臓切開血を受け入れてこれを収容するための第２リザーバとを有し、
   ｃ）前記第１リザーバ及び前記第２リザーバは、いずれかのリザーバが他方のリザーバ内に血液が溢れることができるように、流体連通し、前記第１リザーバは、前記第２リザーバから隔壁により分離されており、
   ｄ）一方のリザーバが他方のリザーバに血液が溢れているときにも、気体をリザーバ間で通すことができる通路を更に有し、前記通路は、下位置と上位置との間で移動自在であり、前記通路は、前記下位置に移動したとき、その下端が前記隔壁の孔と密封をなして嵌合し、第１リザーバと第２リザーバとの間を前記通路を通して連通させ、上位置に移動したとき、第１リザーバと第２リザーバとの間を前記孔を通して流体連通させることを特徴とする、複合血液リザーバ。
2. 前記第１リザーバは、前記第１リザーバが第１の所定容積の流体を収容するまで、前記第２リザーバ内に血液が溢れないように構成された、請求項１に記載の複合血液リザーバ。
3. 前記第２リザーバは、前記第２リザーバが第２の所定容積の流体を収容するまで、前記第１リザーバ内に血液が溢れないように構成された、請求項１に記載の複合血液リザーバ。
4. 複合血液リザーバにおいて、
   ａ）静脈血入口及び静脈血出口を持つ、静脈血を収容するための静脈リザーバと、
   ｂ）前記静脈リザーバの上に位置決めされており、心臓切開血入口及び気体出口を持つ、心臓切開血を収容するための心臓切開リザーバと、
   ｃ）前記静脈リザーバと前記心臓切開リザーバとの間を流体連通させることができる複数の孔が設けられた、前記静脈リザーバを前記心臓切開リザーバから分離するための隔壁と、
   ｄ）前記心臓切開リザーバ内に配置される上出口を持つ、少なくとも一つの孔から上方に延びる少なくとも一つのダクトと、
   ｅ）下端及び上端を持つ少なくとも一つの通路であって、この通路の前記下端は、前記隔壁の一つの孔と嵌合して前記通路と前記静脈リザーバとの間を流体連通し、前記上端は、前記少なくとも一つのダクトの前記上出口の高さよりも上の高さまで前記心臓切開リザーバ内に延びている、前記通路と、を有することを特徴とする、複合血液リザーバ。
5. 前記通路は、下位置と上位置との間で移動自在であり、前記通路は、前記下位置に移動したとき、その下端が前記隔壁の一つの孔と密封をなして嵌合し、前記通路と前記静脈リザーバとの間を流体連通し、前記上位置に移動したとき、前記心臓切開リザーバと前記静脈リザーバとの間を前記孔を通して流体連通させる、請求項４に記載の複合血液リザーバ。
6. 前記静脈血入口を通って前記静脈リザーバに進入した血液を脱泡物質及びフィルタに通す、請求項４に記載の複合血液リザーバ。
7. 前記心臓切開血入口を通って前記心臓切開リザーバに進入した血液を脱泡物質及びフィルタに通す、請求項４に記載の複合血液リザーバ。
8. 前記心臓切開リザーバから前記静脈リザーバに進入した血液を脱泡物質及びフィルタに通す、請求項４に記載の複合血液リザーバ。
9. 前記移動自在の通路は、オペレータが手動で作動できるコラム内に収容されている、請求項５に記載の複合血液リザーバ。
10. 前記コラムは、前記心臓切開リザーバと装置の外部との間を流体連通する第２通路を含む、請求項９に記載の複合血液リザーバ。
11. 前記隔壁は、実質的に平らなプレートからなる、請求項４に記載の複合血液リザーバ。
12. 前記隔壁は、装置の作動中、実質的に水平な配向に維持される、請求項１１に記載の複合血液リザーバ。
13. 複合血液リザーバにおいて、
    ａ）静脈血入口及び静脈血出口を持つ、静脈血を収容するための静脈リザーバと、
    ｂ）前記静脈リザーバの上に位置決めされており、心臓切開血入口及び気体出口を持つ、心臓切開血を収容するための心臓切開リザーバと、
    ｃ）前記静脈リザーバと前記心臓切開リザーバとの間を流体連通させることができる複数の孔が設けられた、前記静脈リザーバを前記心臓切開リザーバから分離するための隔壁と、
    ｄ）前記心臓切開リザーバ内に配置される上出口を持つ、少なくとも一つの孔から上方に延びる少なくとも一つのダクトと、
    ｅ）下端及び上端を持つ少なくとも一つの通路であって、前記隔壁に対して移動自在であり、下位置に移動したとき、その下端が前記隔壁の一つの孔と密封をなして嵌合し、前記通路と前記静脈リザーバとの間を流体連通し、前記上位置に移動したとき、前記心臓切開リザーバと前記静脈リザーバとの間を前記孔を通して流体連通させ、前記上端は、前記少なくとも一つのダクトの前記上出口の高さよりも上の高さまで前記心臓切開リザーバ内に延びている、前記通路と、を有することを特徴とする、複合血液リザーバ。
14. 前記静脈血入口を通して前記静脈リザーバに進入した血液を脱泡物質及びフィルタに通す、請求項１３に記載の複合血液リザーバ。
15. 前記心臓切開血入口を通して前記心臓切開リザーバに進入した血液を脱泡物質及びフィルタに通す、請求項１３に記載の複合血液リザーバ。
16. 前記心臓切開リザーバから前記静脈リザーバに進入した血液を脱泡物質及びフィルタに通す、請求項１３に記載の複合血液リザーバ。
17. 前記移動自在の通路は、オペレータが手動で作動できるコラム内に収容されている、請求項１３に記載の複合血液リザーバ。
18. 前記コラムは、前記心臓切開リザーバと装置の外部との間を流体連通する第２通路を含む、請求項１３に記載の複合血液リザーバ。
19. 前記隔壁は、実質的に平らなプレートからなる、請求項１３に記載の複合血液リザーバ。
20. 前記隔壁は、装置の作動中、実質的に水平な配向に維持される、請求項１９に記載の複合血液リザーバ。

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