JP4050517B2 - Electrochemical reaction control method and electrochemical reaction apparatus - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気化学反応制御方法および電気化学反応装置に関し、さらに詳しくは、環境ホルモン等を含有した排水、埋立て排水、し尿、家畜等の糞尿、食品加工廃液や工場廃液などの排水に水溶された物質を除去して浄化させるようにしたり、各種電解質を含む水溶液から物質を抽出したりすることが出来るようにする電気化学反応制御方法および電気化学反応装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電気化学反応装置としては、処理対象の水溶液を貯水する反応槽と、前記反応槽内に設置した陽極部材と、陰極部材とを有し、陽極部材と陰極部材との間に直流電圧、交流電圧または所定周波数の高周波電圧を印加して水溶液の電気化学反応を制御する装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
電気化学反応では、電解させる成分によって異なる印加電圧が必要である。そのため、従来の電気化学反応装置では、目的とする反応に適した電位に電極電圧を設定すると数[V]程度以内となるため、反応速度が遅く実用的にはならない。
【0004】
また、一般に、排水処理等で対象とする水溶液中には、色々な成分が含有している。そのため、反応速度を高めるために従来の電気化学反応装置で、陰極部材と陽極部材との間に高電圧を印加した場合には、色々な反応物を生成させてしまい、目的とする生成物だけを生成させることができない。
【0005】
また、従来の電気化学反応装置では、反応量を高めるためには、電極面積を非常に大きくするか、または、印加電圧を高く設定して反応速度を高めるしかない。しかしながら、電極面積を大きくした場合には、イニシャルコストが嵩んでしまう。また、電極電圧を高くした場合には、投入した電力の大半が過電圧として熱エネルギーとして消費されてしまい、効率が非常に悪く、経済的に成り立ちにくいだけでなく、目的とする反応生成物以外の生成物も大量に生成されてしまう。
【0006】
そこで、本発明は、上記事項に鑑みてなされたものであって、目的とする生成物だけを安価にかつ効率的に生成させることが出来る電気化学反応制御方法および電気化学反応装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
図16および図17は、一般の電気化学反応の概念を説明する図である。図16に示すように、一般に、電気化学反応は、電極部材と水溶液との界面における反応を伴う電子移動過程と、水溶液側から電極部材までに反応物質が輸送されてくる物質輸送過程とから構成されている。
【0008】
図17に示すように、陽極について見れば、電源から正電圧が印加されると、水溶液中に存在するマイナスイオンが陽極近傍に集まり、陽極における正電荷の薄い層と、水溶液中のマイナスイオンによる負電荷の薄い層が向き合った電気二重層が形成され、水溶液中の電界が中和される。印加される正電圧の値が数[V]程度の小さい値の場合には、電極表面近傍に形成される電気二重層により、水溶液内部には、ほとんど電界が掛からない。
【0009】
そのまま、電圧を掛け続けると電極表面では、電気化学反応により、電子移動が起こって反応前駆体物質濃度が減少し、その分、電荷の不均衡が生じる(電子移動過程)。その電荷の不均衡を補うために、新たなる反応前駆体が水溶液中から供給されてくる(物質輸送過程)。この場合、電極電圧としては、電気化学反応に必要な電圧より少し高い値を設置しておけば、電気化学反応を起すことができ、投入電力分を電気化学反応に寄与させることが出来る。しかし、電極電圧(過電圧分)が小さいと、水溶液中に印加される電界強度は小さく新たなる反応前駆体を供給する物質輸送過程における駆動力は小さく、中々反応は進まない。
【0010】
一方、水溶液中の反応前駆体であるイオンを外部電界により強制的に駆動するためには、電気二重層で打ち消される電界以上の高電圧を印加する必要がある。しかし、この場合には、電気化学反応で必要な電圧数[V]程度(例えば、水分解では1.2[V])に対し、それ以上の印加電圧分は過電圧となりジュール熱として消費されるため投入電力エネルギーが無駄になってしまう。
【0011】
そこで、本発明者等は、電気化学反応における物質輸送過程と電子移動過程とを独立に制御する方法を見出し、上述の目的を達成出来る発明に至った。
【0012】
ここで、電気化学反応制御方法は、処理対象の水溶液を貯水する反応槽内に設置した陽極部材と陰極部材との間に、正パルス高電圧成分と直流正電圧成分とを重ね合わせた電気信号を電力増幅して印加し、前記正パルス高電圧成分の電気信号の印加によって、前記陽極部材と前記陰極部材と水溶液との界面に電気二重層を形成させていき、前記直流正電圧成分の電気信号の印加によって、前記陽極部材界面近傍と前記陰極部材界面近傍の水溶液を電気化学反応させることが出来る。
【0013】
この構成によれば、正パルス高電圧成分のパルス幅分だけの電圧が陽極部材および陰極部材間に印加された時間幅の間に、反応槽内の水溶液の陰イオンを陽極部材表面に引き寄せ水溶液との界面に電気二重層を形成させ、その直後に、引き寄せられた陰イオンと陽極部材との界面で電気化学反応を起すことが出来る直流正電圧を印加することによって、引き寄せた陰イオンを電気化学反応させることが出来るようになる。従って、過電圧による供給電力の無駄を低減して希望する物質生成をより効率的に行なうことが出来るようになる。
【0014】
つまり、正パルス高電圧成分の電気信号が印加されているときには、反応槽内の水溶液中では、イオンが移動して電気二重層を形成していく。この電気二重槽の形成途中では、水溶液内部の電気シールドが不十分であるため、電極表面よりも離れた水溶液内部まで電界が十分に掛かり、反応前駆体としてのイオンの物質移動を促進させる。従って、正パルス高電圧成分の電気信号を印加することによって、水溶液内部に電界を発生させ効率よく反応前駆体となるイオンを電極表面に引き寄せ、さらに、正パルス高電圧として供給された電力は、電気二重層の静電容量分の電荷として電極表面側に蓄積させることが出来る。
【0015】
なお、正パルス高電圧成分の電気信号により電極表面に集められた反応前駆体としてのイオンが、正パルス高電圧成分を印加した後に水溶液中に濃度拡散し、減少してしまう前に、次の正パルス高電圧を印加するのが好ましい。また、電気二重層が形成されるまでの時間は、正パルス高電圧成分の電圧値とパルス幅に依存する。そのため、電圧値を決めればパルス幅としては、電気二重層が形成され電気的に充電が完了されるまでの時間で十分である。もっともエネルギー的には無駄になるため好ましくはないが、高い電圧で電気二重層を形成させるまでの時間よりもパルス幅を長くしてもよい。
【0016】
また、正パルス高電圧成分の電圧値は、10[V]以上が好ましい。この電圧値は、高くするほどイオン移動度が大きくなるため、電気二重層形成時間を短縮出来ると共に、電気二重層を構成するイオンを高濃度に出来る。しかしながら、高い電圧値では、印加後に電気化学反応に寄与できないものは、水溶液側に濃度拡散してしまい無駄になってしまう。そのため、正パルス高電圧成分の電気信号で引き寄せられた反応前駆体としてのイオンが、直流電圧印加時に、出来るだけ反応消費されるように、電圧値、パルス幅およびパルス間隔を処理溶液性状に合わせ設定するのが望ましい。
【0017】
一方、直流正電圧成分の電気信号は、正パルス高電圧成分の電気信号の印加後に、前記正パルス高電圧成分の電気信号で引き寄せられたイオンが、濃度拡散により水溶液中に拡散し、電気二重層を形成していた電極の電荷が解放されてしまうのを防止すると共に電気化学反応に寄与させる。つまり、回路的には、正パルス高電圧成分の電気信号の印加後に陽極部材と陰極部材との間を結ぶ電源側に流れる逆電流を阻止する直流電圧分を印加しておくことによって、電極板に溜まった電荷が電源側に逆電流として流れず、水溶液側の電気化学反応に寄与させることが出来る。
【0018】
すなわち、本発明の電気化学反応制御方法では、電気二重層が形成される時間だけの正パルス高電圧成分の電気信号を印加して、反応前駆体となるイオンを電極表面近傍に濃縮させ、正パルス高電圧成分の電気信号印加後に、目的とする反応生成に適した電気化学的電位以上の直流電圧成分の電気信号を電極に印加する。そのため、正パルス高電圧成分の電気信号印加時に電気二重層として電極表面側に貯められた電荷を、電極表面側に保持し、電気化学反応に寄与させることが出来る。
【0019】
この直流電圧成分の電気信号印加時は、正パルス高電圧成分の電気信号印加時に電極に溜まった電荷による逆電流を抑え、この間の電源側からの電流供給は殆んどなく、非常に効率よく電力を電気化学反応に寄与させることが出来る。なお、電源からの供給電力は、電圧×電流である。直流正電圧成分のみの場合は、電源からの電流はゼロに近い値に調整出来るため、この間の電力供給はほとんど無い状態に出来る。
【0020】
そのため、本発明の電気化学反応制御方法によれば、正パルス高電圧成分の電気信号による電力供給だけが必要であるため、少ない電力消費で、効率よく電気化学反応を行わせることが出来るようになる。
【0021】
本発明による電気化学反応制御方法は、処理対象の水溶液を貯水する反応槽内に設置した陽極部材と陰極部材との間に、正パルス高電圧成分と直流正電圧成分とを重ね合わせた電気信号を電力増幅して印加し、前記正パルス高電圧成分の電気信号の印加によって、前記陽極部材と前記陰極部材と、前記陽極部材と前記陰極部材との間に配置したフローティング電極部材と、水溶液との界面に電気二重層を形成させていき、前記直流正電圧成分の電気信号の印加によって、前記陽極部材界面近傍と前記陰極部材界面近傍と前記フローティング電極部材界面近傍の水溶液を電気化学反応させることを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、正パルス高電圧成分のパルス幅分だけの電圧が陽極部材および陰極部材間に印加されたときにだけ、水溶液の陰イオンを陽極部材表面、およびフローティング電極部材の陰極部材側表面に、水溶液中の陽イオンを陰極部材表面、およびフローティング電極部材の陽極部材側表面に引き寄せ水溶液との界面に電気二重層を形成させ、その直後に、直流正電圧を印加することによって、電気二重層を形成した状態で、電気化学反応させることが出来るようになる。
【0023】
特に、フローティング電極部材は陽極部材と陰極部材との間に配置して電気的に浮遊した状態で設置する場合には、正パルス高電圧成分の電気信号の印加時には、フローティング電極部材の両面に電気二重層が形成されるため、フローティング電極部材を配置しない場合に比べて、回路的にみた電気二重層による静電容量が大きくなり蓄えられる電荷量が増大する。その結果、正パルス高電圧成分の電気信号印加後に印加する直流正電圧成分の電気信号の電圧値を、陽極部材と陰極部材だけの場合に比べ高く設定することが出来る。
【0024】
また、フローティング電極部材の電圧は、電極材料、陽極部材に印加される直流正電圧成分値により決められるため、これらを考慮して直流正電圧成分の電気信号の電圧値を所定の値に設定すればよい。このように設定することにより、フローティング電極部材と陽極部材との間にある水溶液に対して、フローティング電極部材の電圧と、陽極部材の電圧との間で電気化学反応を制御することが出来る。
【0025】
つぎの発明による電気化学反応制御方法は、さらに、前記フローティング電極部材と前記陰極部材との間の電圧波形を計測し、前記正パルス高電圧成分前後の直流正電圧成分のみの電気信号が印加されている時の前記フローティング電極部材と前記陰極部材との間の電圧を所定値となるように印加する電気信号の前記直流正電圧成分値を可変するようにしたことを特徴とする。
【0026】
この構成によれば、フローティング電極部材の電圧波形を計測して、直流正電圧成分の電圧値を可変することによって、正パルス高電圧成分前後の電圧を所定値となるように印加する電気信号を設定することが出来る。そのため、所定の電圧値で多く電気化学反応するイオンをターゲットにして、直流正電圧成分を設定することによって、他のイオンに優先して目的とするイオンを電気化学反応させることが出来る。たとえば、環境ホルモンを含有する排水に対して、分解に適した活性種を効率良く生成する電圧値に直流正電圧成分を設定することによって、環境ホルモンを容易に分解除去することが出来るようになる。
【0027】
つぎの発明による電気化学反応制御方法は、さらに、前記フローティング電極部材と前記陰極部材との間に印加する電圧値を設定し、前記フローティング電極部材と前記陰極部材との間に設定された電圧値を印加するようにしたことを特徴とする。
【0028】
この構成によれば、前記フローティング電極部材と前記陰極部材との間に設定された電圧値を印加するようにしたことによって、前記フローティング電極部材の界面近傍での電気化学反応を制御することが出来るようになる。
【0029】
つぎの発明による電気化学反応制御方法は、さらに、電力増幅された電気信号の電流波形を計測し、前記正パルス高電圧成分前後の前記直流正電圧成分のみの電気信号が印加されている時の電流値をゼロに近い値になるように印加する電気信号の前記直流正電圧成分値を可変させていくことを特徴とする。
【0030】
この構成によれば、電流値が0のところでは電力消費がなく、たとえば、数mAなどのように0に近い値であっても電力消費はかなり少なく抑えられ電気化学反応のコストを低減することが出来る。
【0031】
つぎの発明による電気化学反応制御方法は、前記正パルス高電圧成分が、前記電気二重層が形成されるパルス幅およびピーク電圧を有し、または、前記電気二重層が形成されるのに十分な時間である100ミリ秒以下のパルス幅を有するようにするのが好ましい。
【0032】
この構成によれば、水溶液内部に電界を発生させて効率よく反応前駆体となるイオンを電極表面に引き寄せ、さらに、電気二重層の静電容量分の電荷を電極に蓄積させることが出来る。
【0033】
電極に電圧が印加されてからの電気二重層の形成は、水溶液中のイオンの移動に伴って起こるため、電気二重層が形成されるまでの時間は、対象とする水溶液のpH、導電率、イオン種、濃度に依存し、マイクロ秒〜数十ミリ秒となることが実験で確かめられている。また、この時間内では、電気二重層による電気シールドが不十分であるため、水溶液内部まで電界が掛かり、反応前駆体の物質移動を促進させることが出来る。
【0034】
従って、電気二重層が形成されるまでの時間幅であるマイクロ秒〜数十ミリ秒のパルス高電圧を印加すれば、水溶液内部に電界を発生させ効率よく反応前駆体となるイオンを電極表面に引き寄せ、さらに、電気二重層の静電容量分の電荷を電極に蓄積させることが出来る。
【0035】
なお、前記直流正電圧成分は、2つの前記正パルス高電圧成分間に印加され、電極部材と水溶液との界面近傍に集められた反応前駆体が、前記界面近傍から水溶液中に濃度拡散によって減少するのを防止すると共に電気化学反応するのに必要な電圧とする。また、前記正パルス高電圧成分と前記直流正電圧成分との重ね合わせは、各成分の関数波形同士を重ね合わせて発生させたり、各成分を交互に出力することによって発生させたりするようにしてもよい。さらに、前記陽極部材の電圧、または、前記フローティング電極部材の電圧が、前記直流正電圧成分によって、目的とする反応生成に適した電気化学的電位を少なくとも有するのが好ましい。
【0036】
つぎの発明による電気化学反応制御方法は、Mgイオン、ZnイオンまたはCaイオンの少なくとも一つを処理対象の水溶液に注入させて電気化学反応させるようにしたことを特徴とする。
【0037】
この構成によれば、Mgイオン、ZnイオンまたはCaイオンの少なくとも一つを処理対象の水溶液中に共存させることが出来るため、これらのイオンによって反応生成が促進され、さらに生成した酸化体(酸化活性種)も安定して維持させることが出来る。
【0038】
つぎの発明による電気化学反応制御方法は、Mg、ZnまたはCaの少なくとも一つを含有した鉱石、またはこれらの元素を含有した化合物を反応槽内に投入して、Mgイオン、ZnイオンまたはCaイオンの少なくとも一つを処理対象の水溶液中に溶出させるようにしたことを特徴とする。なお、鉱石としては、医王石(学名:石英閃緑玲岩)、麦飯石(学名:石英斑岩)、トルマリン(学名:電気石)、宙石(学名:三波変成岩)等でよい。
【0039】
この構成によれば、Mgイオン、ZnイオンまたはCaイオンの少なくとも一つを処理対象の水溶液中に、溶出していくことによって共存させることが出来るため、これらのイオンによって反応生成が促進され、さらに生成した酸化体(酸化活性種)も安定して維持させることが出来る。
【0040】
さらに、つぎの電気化学反応装置は、処理対象の水溶液を貯水する反応槽と、前記反応槽内に設置する陽極部材と、前記反応槽内に設置する陰極部材と、正パルス高電圧成分と直流正電圧成分とを重ね合わせた電気信号を発生する関数発生器と、前記陽極部材と前記陰極部材との間に、前記電気信号を電力増幅して印加する電力増幅器と、を有し、前記正パルス高電圧成分の電気信号の印加によって、前記陽極部材と前記陰極部材と水溶液との界面に電気二重層を形成させていき、前記直流正電圧成分の電気信号の印加によって、前記陽極部材近傍と前記陰極部材近傍の水溶液を電気化学反応させることを特徴とする。
【0041】
この構成によれば、正パルス高電圧成分のパルス時間幅の間だけ、印加された正パルス高電圧により、反応槽内の水溶液の陰イオンを陽極部材表面に引き寄せ、水溶液との界面に電気二重層が形成され、その直後に、直流正電圧を印加することによって引き寄せた陰イオンが水溶液中に濃度拡散によって減少していく前に、電気化学反応させることが出来るようになる。従って、過電圧による供給電力の無駄を低減して希望する物質生成をより効率的に行なうことが出来るようになる。
【0042】
つぎの発明による電気化学反応装置は、処理対象の水溶液を貯水する反応槽と、前記反応槽内に設置する陽極部材と、前記反応槽内に設置する陰極部材と、前記陽極部材と前記陰極部材との間に配置したフローティング電極部材と、正パルス高電圧成分と直流正電圧成分とを重ね合わせた電気信号を発生する関数発生器と、前記陽極部材と前記陰極部材との間に、前記電気信号を電力増幅して印加する電力増幅器と、を有し、前記正パルス高電圧成分の電気信号の印加によって、前記陽極部材と前記陰極部材と前記フローティング電極部材と水溶液との界面に電気二重層を形成させていき、前記直流正電圧成分の電気信号の印加によって、前記陽極部材界面近傍と前記陰極部材界面近傍と前記フローティング電極部材界面近傍の水溶液が電気化学反応されることを特徴とする。
【0043】
この構成によれば、正パルス高電圧成分のパルス幅分だけの電圧が陽極部材および陰極部材間に印加されたときにだけ、水溶液の陰イオンを陽極部材表面、およびフローティング電極部材の陰極部材側表面に、水溶液中の陽イオンを陰極部材表面、およびフローティング電極部材の陽極部材側表面に引き寄せ水溶液との界面に電気二重層を形成させ、その直後に、直流正電圧を印加することによって、電気二重層を形成した状態で、電気化学反応させることが出来るようになる。
【0044】
特に、フローティング電極部材は陽極部材と陰極部材との間に配置して電気的に浮遊した状態で設置するため、正パルス高電圧成分の電気信号の印加時には、フローティング電極部材の両面に電気二重層が形成され、フローティング電極部材を配置しない場合に比べて、回路的にみた電気二重層による静電容量が大きくなり、蓄えられる電荷量が増大する。その結果、正パルス高電圧成分の電気信号印加後に印加する直流正電圧成分の電気信号の電圧値を、陽極部材と陰極部材だけの場合に比べ高く設定することが出来る。
【0045】
つぎの発明による電気化学反応装置は、さらに、前記フローティング電極部材と前記陰極部材との間の電圧波形を計測する電圧波形計測器を有し、前記関数発生器は、前記正パルス高電圧成分前後の前記直流正電圧成分のみの電気信号が印加されている時の前記フローティング電極部材と前記陰極部材との間の電圧を所定値となるように印加する前記直流正電圧成分値を可変させて前記電気信号を発生することを特徴とする。
【0046】
この構成によれば、フローティング電極部材の電圧波形を計測して、直流正電圧成分の電圧値を可変することによって、正パルス高電圧成分前後の電圧を所定値となるように印加する電気信号を設定することが出来る。そのため、所定の電圧値で多く電気化学反応するイオンをターゲットにして、直流正電圧成分を設定することによって、他のイオンに優先して目的とするイオンを電気化学反応させることが出来る。たとえば、環境ホルモンを含有する排水に対して、分解に適した活性種を効率良く生成する電圧値に直流正電圧成分を設定することによって、環境ホルモンを容易に分解除去することが出来るようになる。
【0047】
つぎの発明による電気化学反応装置は、さらに、前記フローティング電極部材と前記陰極部材との間に印加する電圧値を設定し、前記フローティング電極部材と前記陰極部材との間に設定された電圧値を印加する電圧発生器と、前記フローティング電極部材と前記電圧発生器との間に接続した高抵抗器とを有することを特徴とする。
【0048】
この構成によれば、前記フローティング電極部材と前記陰極部材との間に設定された電圧値を印加するようにしたことによって、前記フローティング電極部材の界面近傍での電気化学反応を制御することが出来るようになる。
【0049】
つぎの発明による電気化学反応装置は、電力増幅された電気信号の電流波形を計測する電流波形計測器を有し、前記関数発生器は、正パルス高電圧成分前後の直流正電圧成分のみの電気信号が印加されている時の電流値をゼロに近い値になるように直流正電圧成分値を可変させて前記電気信号を発生することを特徴とする。
【0050】
この構成によれば、電流値が0のところでは電力消費がなく、電流値が少なくとも0でなくても、たとえば、数mAなどのように0に近い値であっても電力消費はかなり少なく抑えられ、電気化学反応のために与える電力量を少なくすることができ、電気化学反応のコストを低減することが出来る。
【0051】
つぎの発明による電気化学反応装置は、前記関数発生器が、電極部材と水溶液界面に電気二重層が形成されるパルス幅およびピーク電圧を有する前記正パルス高電圧成分を発生し、または、前記電気二重層が形成されるのに十分な時間である100ミリ秒以下のパルス幅となる前記正パルス高電圧成分を発生するようにする。
【0052】
この構成によれば、電気二重層が形成されるまでの時間幅であるマイクロ秒〜数十ミリ秒の間だけ正パルス高電圧を印加することによって、水溶液内部に電界を発生させ効率よく反応前駆体となるイオンを電極表面に引き寄せ、さらに、電気二重層の静電容量分の電荷を電極に蓄積させることが出来る。その後、印加される直流正電圧成分によって電気化学反応が引き起こされる時間には、高電圧が印加されないため、電力消費を抑えることが出来る。
【0053】
つぎの発明による電気化学反応装置は、前記陰極部材と前記フローティング電極部材との間から反応槽内へ水溶液を流入する陰極側流入手段と、流入された水溶液が前記フローティング電極部材と前記陽極部材との間を通って反応槽外へ流出する陽極側流出手段と、を有することを特徴とする。
【0054】
この構成によれば、反応場となっている陽極部材とフローティング電極部材との間の水溶液を強制的に循環させるため、反応効率が上がる。
【0055】
つぎの発明による電気化学反応装置は、前記陽極部材と前記フローティング電極部材との間から反応槽内へ水溶液を流入する陽極側流入手段と、流入された水溶液が前記フローティング電極部材と前記陰極部材との間を通って反応槽外へ流出する陰極側流出手段と、を有することを特徴とする。
【0056】
この構成によれば、反応場となっている陽極部材とフローティング電極部材との間の水溶液を強制的に循環させるため、反応効率が上がる。
【0057】
つぎの発明による電気化学反応装置は、前記フローティング電極部材が、前記陽極部材と前記陰極部材の中間位置よりも前記陽極部材側に配置させることを特徴とする。
【0058】
この構成によれば、陽極部材とフローティング電極部材間の電界強度をフローティング電極部材と陰極部材間の電界強度より高めることが出来る。そのため、フローティング電極部材と陰極部材間での反応を抑制しつつ、陽極部材とフローティング電極部材間の反応を積極的に進めることが出来るようになる。
【0059】
なお、本発明の電気化学反応装置は、前記陽極部材と、前記陰極部材とを平板形状とし、互いを平行に配置したり、前記陽極部材と、前記陰極部材とを筒形状とし、前記陰極部材を中心部に配置し、前記陽極部材を外周側に断面同心状に配置して、互いを軸対称に配置したりしてもよい。
【0060】
また、本発明の電気化学反応装置は、前記陽極部材と、前記陰極部材と、前記フローティング電極部材とを平板形状とし、互いを平行に配置したり、前記陽極部材と、前記陰極部材と、前記フローティング電極部材とを筒型形状とし、前記陰極部材を中心部に配置し、前記陰極部材の外周側に断面同心状にフローティング電極部材を配置し、さらに、前記フローティング電極部材の外周側に断面同心状に前記陽極部材を配置して、互いを軸対称に配置したりしてもよい。
【0061】
なお、各電極部材は、平板形状に配置するよりも、筒型形状に配置するのが好ましい。筒型形状にすることにより、外周部に位置する陽極部材とフローティング電極部材との領域体積を、フローティング電極部材と陰極部材との領域体積に比べて大きくすることが出来、陽極部材とフローティング電極部材との間での電気化学反応を起こさせる領域の体積を大きくすることが出来るからである。また、筒型形状は、断面の形状が円、楕円などの形状でもよい。
【0062】
つぎの発明による電気化学反応装置は、前記陽極部材に液循環孔を設けたことを特徴とする。特に、前記液循環孔は、前記陽極部材をメッシュ構造とするのが好ましい。
【0063】
この構成によれば、反応場となっている陽極部材とフローティング電極部材の間にある水溶液循環を容易にすることが出来るため、反応効率が上がる。
【0064】
なお、前記関数発生器は、前記関数発生器は、2つの前記正パルス高電圧成分間に、電極部材と水溶液との界面近傍に集められた反応前駆体が前記界面近傍から水溶液中に濃度拡散させて減少するのを防止すると共に電気化学反応させる電圧値を前記直流正電圧成分として印加するのが好ましい。また、前記関数発生器は、前記正パルス高電圧成分と前記直流正電圧成分との関数波形同士を重ね合わせて前記電気信号を発生させたり、前記正パルス高電圧成分と前記直流正電圧成分の各成分を交互に出力することによって前記電気信号を発生させたりするように、前記正パルス高電圧成分と前記直流正電圧成分との重ね合わせるようにしてもよい。さらに、前記関数発生器は、前記陽極部材の電圧、または、前記フローティング電極部材の電圧が、前記直流正電圧によって、目的とする反応生成に適した電気化学的電位になるように前記電気信号を発生させるのが好ましい。
【0065】
つぎの発明による電気化学反応装置は、さらに、Mgイオン、ZnイオンまたはCaイオンの少なくとも一つを処理対象の水溶液中に注入するイオン注入手段を有することを特徴とする。
【0066】
この構成によれば、Mgイオン、ZnイオンまたはCaイオンの少なくとも一つを処理対象の水溶液中に共存させることが出来るため、これらのイオンによって反応生成が促進され、さらに生成した酸化体(酸化活性種)も安定して維持さることが出来る。
【0067】
つぎの発明による電気化学反応装置は、さらに、Mg、ZnまたはCaの少なくとも一つを含有した鉱石、またはこれらの元素を含有した化合物を反応槽内に投入して、Mgイオン、ZnイオンまたはCaイオンの少なくとも一つを処理対象の水溶液中に溶出させる投入手段を有することを特徴とする。なお、鉱石としては、医王石(学名:石英閃緑玲岩)、麦飯石(学名:石英斑岩)、トルマリン(学名:電気石)、宙石(学名:三波変成岩)等でよい。
【0068】
この構成によれば、Mgイオン、ZnイオンまたはCaイオンの少なくとも一つを処理対象の水溶液中に、溶出していくことによって共存させることが出来るため、これらのイオンによって反応生成が促進され、さらに生成した酸化体(酸化活性種)も安定して維持させることが出来る。
【0069】
また、本発明による電気化学反応装置は、前記陽極部材および前記フローティング電極部材を白金で形成した導体または白金めっきを施した導体とし、前記陰極部材を銅タングステンで形成した導体としてもよい。また、本発明による電気化学反応装置は、前記陽極部材を白金で形成した導体または白金めっきを施した導体とし、前記フローティング電極部材をチタンで形成した導体とし、前記陰極部材を銅タングステンで形成した導体としてもよい。
【0070】
さらに、本発明による電気化学反応装置は、前記陽極部材および前記フローティング電極部材導体を白金で形成した導体または白金めっきを施した導体とし、前記陰極部材をチタンで形成した導体としてもよい。また、本発明による電気化学反応装置は、前記陽極部材をチタンで形成した導体とし、前記フローティング電極部材を白金で形成した導体または白金めっきを施した導体とし、前記陰極部材を銅タングステンで形成した導体としてもよい。なお、前記白金めっきは、チタン板に施すようにしてもよい。
【0071】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の電気化学反応装置の概念を説明する図である。100は、電気化学反応装置である。この電気化学反応装置100は、反応槽1内に、処理対象の水溶液2(以下「処理液」という。)を貯水し、この処理液2に浸るように平板形状の陰極部材3と陽極部材4とを平行に対面配置した構造にしてある。また、この電気化学反応装置100には、前記陰極部材3と前記陽極部材4との間に電圧を印加するために、関数発生器5および電力増幅器6が設けられている。
【0072】
なお、電力増幅器6としては、入力された電圧信号を一定倍率で増幅し、負荷に応じた電流を供給するものと、入力された電圧信号に対し、電流のみを負荷に応じて増幅するものがあるがどちらを使用しても良い。ここでは、説明を正確にするために、電圧値は関数発生器5で与えられ、電力増幅器6は、電圧値は関数発生器5の出力値とし、電流のみを負荷に応じて増幅する装置を使用することとして以下説明する。
【0073】
前記関数発生器5は、正パルス高電圧成分および直流正電圧成分をそれぞれ生成して互いを重ね合わせた電気信号を前記電力増幅器6に出力する。なお、前記正パルス高電圧成分の電圧値と直流正電圧成分の電圧値は、電気化学反応させるのに必要な所定の値であり、オペレータが設定する。また、前記電力増幅器6は、前記関数発生器5から出力される前記電気信号に対し電流増幅し前記陰極部材3と前記陽極部材4との間に印加させる。そのため、前記陰極部材3は、前記電力増幅器6のマイナス端子に接続されている。前記陽極部材4は、前記電力増幅器6のプラス端子に接続されている。
【0074】
図2は、正パルス高電圧成分と直流正電圧成分との重ね合わせ電気信号波形を説明する図である。図3は、正パルス高電圧成分のみの電気信号波形を説明する図である。図2の(a)に示すように、正パルス高電圧成分と直流正電圧成分とを重ね合わせた電気信号波形は、直流正電圧成分の分だけ、図3の(a)に示す正パルス高電圧成分のみの電気信号よりも上側に移動したグラフとなっている。なお、正パルス高電圧成分は、所定のパルス幅が必要である。
【0075】
このパルス幅は、電気二重層が形成される時間だけの幅があればよい。この電気二重層が形成される時間は、陰極部材3および陽極部材4間に電圧が印加されているときに、処理液2中のイオンが移動していく場合の処理液2のpH、導電率、イオン種、濃度に依存する。具体的には、マイクロ秒〜数十ミリ秒となることが実験で確かめられている。この時間内では、電気二重層による電気シールドが不十分であるため、処理液2内部まで電界が掛かり、反応前駆体としてのイオンの物質移動を促進させることが出来る。つまり、上述したパルス幅であれば、処理液2内部に電界を発生させ効率よく反応前駆体としてのイオンを電極部材表面に引き寄せ、さらに、このとき印加された正パルス高電圧による電力は、電気二重層の静電容量分の電荷として電極に蓄積させるのに十分な時間である。
【0076】
なお、正電圧パルス成分のピーク電圧は、高くするほどイオン移動度が大きくなるため、電気二重層形成時間を短縮出来ると共に、電気二重層を構成するイオンを高濃度に出来るため、10[V]以上に設定するのが好ましい。しかしながら、あまりに高い電圧値では、印加後に電気化学反応に寄与できないものは、水溶液側に濃度拡散してしまい無駄になってしまうため、正パルス高電圧成分の電気信号で引き寄せられた反応前駆体が、直流正電圧成分の電気信号印加時に、出来るだけ反応消費されるように、電圧値、パルス幅およびパルス間隔を処理溶液に合わせ設定するのが望ましい。
【0077】
一方、直流正電圧成分のみの電気信号のとき、つまり、次の正パルス高電圧が印加されるまでの時間帯では、直流電圧成分の電圧値によって目的とするイオンが電気化学反応するのに十分な電圧が掛けられているため、電気二重層によって陽極部材4の表面側に引き寄せられたイオンを電気化学反応させることになる。このとき、直流電圧成分の電気信号は、前記正パルス高電圧成分の電気信号で引き寄せられたイオンが、濃度拡散により処理液2中に拡散し、電気二重層を形成していた電極の電荷が解放されてしまうのを防止する。つまり、回路的には、正パルス高電圧成分の電気信号の印加後に陽極部材4と陰極部材3との間を結ぶ電源側に流れる逆電流を阻止する直流電圧分を印加することになる。従って、陽極部材4に溜まった電荷が電源側に逆電流として流れないため、直流正電圧成分の電気信号は、処理液2側の電気化学反応に寄与することになる。
【0078】
つまり、図3の(b)に示すように、正パルス高電圧成分のみの電流波形では、正パルス高電圧停止時の電流値が負となって、逆電流が流れている。しかし、図2の(b)に示すように、正パルス高電圧成分と直流正電圧成分とを重ね合わせた場合の電流波形は、直流正電圧成分によって、正パルス高電圧停止時の電流値が0となるように制御することになる。
【0079】
上記実施の形態1の電気化学反応装置によれば、正パルス高電圧成分のパルス幅分だけの電圧が陽極部材および陰極部材間に印加されたときにだけ、反応槽内の水溶液の陰イオンを陽極部材表面に引き寄せると共に、その間の電力は電気二重層を形成することによる電荷として蓄える。その直後に直流正電圧を印加することによって、引き寄せたイオンを陽極部材表面側で、電気化学反応させることが出来るようになる。従って、この電気化学反応装置では、正パルス高電圧成分の電気信号の印加時に電力消費するように構成することが出来るため(図2の(b)に示すように、電流=0となるように設定)、電気化学反応を低コストで実施することが出来るようになる。
【0080】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2の電気化学反応装置の概念を説明する図である。200は、電気化学反応装置である。この電気化学反応装置200は、反応槽1内に、処理対象の水溶液2(以下「処理液」という。)を貯水し、この処理液2に浸るように平板形状の陰極部材3と陽極部材4とフローティング電極部材7とを平行に対面配置した構造にしてある。また、この電気化学反応装置200には、前記陰極部材3と前記陽極部材4との間に電圧を印加するために、関数発生器5および電力増幅器6が設けられている。
【0081】
前記関数発生器5は、正パルス高電圧成分および直流正電圧成分をそれぞれ生成して互いを重ね合わせた電気信号を前記電力増幅器6に出力する。なお、前記正パルス高電圧成分の電圧値と直流正電圧成分の電圧値は、電気化学反応させるのに必要な所定の値であり、オペレータが設定する。また、前記電力増幅器6は、前記関数発生器5から出力される前記電気信号に対して電流増幅して前記陰極部材3と前記陽極部材4との間に印加させる。そのため、前記陰極部材3は、前記電力増幅器6のマイナス端子に接続されている。前記陽極部材4は、前記電力増幅器6のプラス端子に接続されている。
【0082】
また、前記フローティング電極部材7は、電力供給の電源側つまり電力増幅器6には接続されておらず、電気的に浮いた状態になっている。このフローティング電極部材7は、陽極部材4と陰極部材3間に電圧が印加されると、両面に電気二重層を形成することになる。つまり、フローティング電極部材7の陽極部材4側の面および陰極部材3側の面の両面側に電気二重層が形成される。従って、フローティング電極部材7は、陽極部材4との間に静電容量を有し、また、陰極部材3との間にも静電容量を有することになる。
【0083】
そして、図に示すように、陽極部材4側で電気化学反応をさせることを目的とする場合には、フローティング電極部材7は、陽極部材4と陰極部材3の中間位置よりも陽極部材4側に配置するのが好ましい。
【0084】
このようにフローティング電極部材7を配置させることによって、フローティング電極部材7を配置しない前記電気化学反応装置100の場合に比べて、回路的にみた電気二重層による静電容量を増加させることが出来、蓄えられる電荷量が増大する。その結果、正パルス高電圧成分の電気信号印加後に印加する直流正電圧成分の電気信号の電圧値を、陽極部材と陰極部材だけの場合に比べ高く設定することが出来る。
【0085】
また、フローティング電極部材7の電圧は、電極材料、陽極部材との間に印加される直流正電圧成分値により決められるため、これらを考慮して直流正電圧成分の電気信号の電圧値を所定の値に設定すればよい。このように設定することにより、フローティング電極部材と陽極部材との間にある水溶液に対して、フローティング電極部材の電圧と、陽極部材の電圧との間で電気化学反応を制御することが出来る。
【0086】
上記実施の形態2の電気化学反応装置によれば、正パルス高電圧成分のパルス幅分だけの電圧が陽極部材および陰極部材間に印加されたときにだけ、反応槽内の水溶液のイオンを陽極部材表面に引き寄せ、直流正電圧を印加することによって引き寄せたイオンを陽極部材表面側に集めて電気二重層を形成した状態で、電気化学反応させることが出来るようになる。特に、フローティング電極部材が、電気二重層による静電容量に蓄えられる電荷量を増加させるため、正パルス高電圧成分の電気信号印加後に印加する直流正電圧成分の電気信号の電圧値を、陽極部材と陰極部材だけの場合に比べ高く設定することができ、電気化学反応に高い電圧が必要な物質に対しても少ない電力で反応させることが出来る。従って、この電気化学反応装置では、正パルス高電圧成分の電気信号の印加時に電力消費するように構成することが出来るため、電気化学反応を低コストで実施することが出来るようになる。
【0087】
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3の電気化学反応装置の概念を説明する図である。300は、電気化学反応装置である。この電気化学反応装置300は、反応槽11内に、処理対象の水溶液2(以下「処理液」という。)を貯水し、この処理液2に浸るように円筒型形状の陰極部材13と陽極部材14とフローティング電極部材17とを同心円状に軸対象に配置した構造にしてある。特に、フローティング電極部材17は、反応槽11の軸上に配置した陰極部材13と、反応槽11のすぐ内側に配置した陽極部材14との間に配置されている。なお、図5では、電極部材を一つの円筒型電極として図示してあるが、数分割に電極部材を分割して設置した構造としても構わない。また、反応槽11は、円筒型形状の場合を図示してあるが、反応槽11の形に関しては、円筒型に限定されるものではなく直方型であっても構わない。
【0088】
各径は、大きい順に、反応槽11、陽極部材14、フローティング電極部材17、陰極部材13となっている。また、この電気化学反応装置300には、前記陰極部材13および前記陽極部材14に電圧を印加するために、関数発生器5および電力増幅器6が設けられている。
【0089】
前記関数発生器5は、正パルス高電圧成分および直流正電圧成分をそれぞれ生成して互いを重ね合わせた電気信号を前記電力増幅器6に出力する。なお、前記正パルス高電圧成分の電圧値と直流正電圧成分の電圧値は、電気化学反応させるのに必要な所定の値であり、オペレータが設定する。また、前記電力増幅器6は、前記関数発生器5から出力される前記電気信号に対し電流増幅して前記陰極部材13と前記陽極部材14との間に印加させる。そのため、前記陰極部材13は、前記電力増幅器6のマイナス端子に接続されている。前記陽極部材14は、前記電力増幅器6のプラス端子に接続されている。
【0090】
また、前記フローティング電極部材17は、電力供給の電源側つまり電力増幅器6には接続されておらず、電気的に浮いた状態になっている。このフローティング電極部材17は、陽極部材14と陰極部材13間に電圧が印加されると、両面に電気二重層を形成することになる。つまり、フローティング電極部材17の陽極部材14側の面および陰極部材13側の面の両面側に電気二重層が形成される。従って、フローティング電極部材17は、陽極部材14との間に静電容量を有し、また、陰極部材13との間にも静電容量を有することになる。
【0091】
なお、陽極部材14側で電気化学反応をさせることを目的とする場合には、フローティング電極部材17の径は、陽極部材14と陰極部材13の中間位置(径)よりも大きくして、陽極部材14側に配置するのが好ましい。このようにフローティング電極部材17を配置させることによって、フローティング電極部材17を配置しない前記電気化学反応装置100の場合に比べて、回路的にみた電気二重層による静電容量に蓄えられる電荷量が増大する。その結果、正パルス高電圧成分の電気信号印加後に印加する直流正電圧成分の電気信号の電圧値を、陽極部材と陰極部材だけの場合に比べ高く設定することが出来る。
【0092】
また、フローティング電極部材17の電圧は、電極材料、陽極電圧に印加される直流正電圧成分値により決められるため、これらを考慮して直流正電圧成分の電気信号の電圧値を所定の値に設定すればよい。このように設定することにより、フローティング電極部材と陽極部材との間にある水溶液に対して、フローティング電極部材の電圧と、陽極部材の電圧との間で電気化学反応を制御することが出来る。
【0093】
また、この電気化学反応装置300では、陰極部材13、陽極部材14、フローティング電極部材17を円筒型形状としたため、上述した平板形状の陰極部材3、陽極部材4、フローティング電極部材7の場合に比べて、陽極部材とフローティング電極部材との間隔と、フローティング電極部材と陰極部材との間隔の比が同じ場合でも、外周部に位置する陽極部材とフローティング部材との電気化学反応の起きる反応場の体積を大きくすることが出来る。
【0094】
上記実施の形態3の電気化学反応装置によれば、正パルス高電圧成分のパルス幅分だけの電圧が陽極部材および陰極部材間に印加されたときにだけ、反応槽内の水溶液のイオンを陽極部材表面に引き寄せ、直流正電圧を印加することによって引き寄せたイオンを陽極部材表面側に集めて電気二重層を形成した状態で、電気化学反応させることが出来るようになる。
【0095】
特に、フローティング電極部材が、電気二重層による静電容量に蓄えられる電荷量を増加させるため、正パルス高電圧成分の電気信号印加後に印加する直流正電圧成分の電気信号の電圧値を、陽極部材と陰極部材だけの場合に比べ高く設定することができ、電気化学反応に高い電圧が必要な物質に対しても少ない電力で反応させることが出来る。また、各電極の形状を円筒型形状としたため、平板形状の場合に比べて反応場の体積を大きくすることができ、効率よく電気化学反応を行わせることが出来るようになる。従って、この電気化学反応装置では、正パルス高電圧成分の電気信号の印加時に電力消費するように構成することが出来るため、電気化学反応を低コストで実施することが出来るようになる。
【0096】
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4の電気化学反応装置の概念を説明する図である。400は、電気化学反応装置である。この電気化学反応装置400は、反応槽1内に、処理対象の水溶液2(以下「処理液」という。)を貯水し、この処理液2に浸るように平板形状の陰極部材3と陽極部材4とフローティング電極部材7とを平行に対面配置した構造にしてある。また、この電気化学反応装置400には、前記陰極部材3および前記陽極部材4に電圧を印加するために、関数発生器5および電力増幅器6が設けられている。さらに、この電気化学反応装置400には、入力インピーダンスが高い電圧波形計測器8(例えばオシロスコープ)を設けてある。この電圧波形計測器8は、フローティング電極部材7の陰極部材3に対する電圧波形を計測する。
【0097】
前記関数発生器5は、正パルス高電圧成分および直流正電圧成分をそれぞれ生成して互いを重ね合わせた電気信号を前記電力増幅器6に出力する。なお、前記正パルス高電圧成分の電圧値と直流正電圧成分の電圧値は、電気化学反応させるのに必要な所定の値であり、オペレータが設定する。また、前記電力増幅器6は、前記関数発生器5から出力される前記電気信号に対して電流増幅して前記陰極部材3と前記陽極部材4との間に印加させる。そのため、前記陰極部材3は、前記電力増幅器6のマイナス端子に接続されている。前記陽極部材4は、前記電力増幅器6のプラス端子に接続されている。
【0098】
また、この関数発生器5は、正電圧パルス成分前後の直流正電圧成分のみの電気信号が印加されている時のフローティング電極部材の電圧を所定値となるように印加する電気信号の直流正電圧成分値を可変する可変手段を有し、パルス高電圧印加後の直流正電圧成分のみ印加している時間帯のフローティング電極部材7の電圧を所定値にする電気信号を発生する。
【0099】
また、前記フローティング電極部材7は、電源側つまり電力増幅器6には接続されておらず、電気的に浮いた状態になっている。このフローティング電極部材7は、陽極部材4と陰極部材3間に電圧が印加されると、両面に電気二重層を形成することになる。つまり、フローティング電極部材7の陽極部材4側の面および陰極部材3側の面の両面側に電気二重層が形成される。従って、フローティング電極部材7は、陽極部材4との間に静電容量を有し、また、陰極部材3との間にも静電容量を有することになる。
【0100】
フローティング電極部材7の電圧は、電極材料、陽極電圧に印加される直流正電圧成分値により決められるため、これらを考慮して直流正電圧成分の電気信号の電圧値を所定の値に設定すればよい。このように設定することにより、フローティング電極部材7と陽極部材4との間にある水溶液に対して、フローティング電極部材7の電圧と、陽極部材4の電圧との間で電気化学反応を制御することが出来る。また、電圧波形計測器8がフローティング電極部材7の電圧波形を計測すると、その計測結果に基づいて、関数発生器5が、直流正電圧成分の電圧値を可変することが出来るため、正パルス高電圧成分前後の電圧を所定値となるように印加する電気信号を設定することが出来る。
【0101】
なお、実施の形態3の円筒型電極部材構造型に適用しても良い。つまり、フローティング電極部材7の陰極部材3に対する電圧波形を計測する電圧波形計測器8を設け、本実施の形態4と同様に、電圧を制御するようにしてもよい。
【0102】
上記実施の形態4の電気化学反応装置によれば、正パルス高電圧成分のパルス幅分だけの電圧が陽極部材および陰極部材間に印加されたときにだけ、反応槽内の水溶液のイオンを陽極部材表面に引き寄せ、直流正電圧を印加することによって引き寄せたイオンを陽極部材表面側に集めて電気二重層を形成した状態で、電気化学反応させることが出来るようになる。特に、フローティング電極部材が、電気二重層による静電容量に蓄えられる電荷量を増加させるため、正パルス高電圧成分の電気信号印加後に印加する直流正電圧成分の電気信号の電圧値を、陽極部材と陰極部材だけの場合に比べ高く設定することができ、電気化学反応に高い電圧が必要な物質に対しても少ない電力で反応させることが出来る。
【0103】
また、フローティング電極部材7の電圧波形に基づいて、直流正電圧成分の電圧値を可変することが出来るため、正パルス高電圧成分前後の電圧を所定値となるように印加する電気信号を設定することが出来る。そのため、所定の電圧値で多く電気化学反応するイオンをターゲットにして、直流正電圧成分を設定することによって、他のイオンに優先して目的とするイオンを電気化学反応させることが出来る。たとえば、環境ホルモンを含有する排水に対して、分解に適した活性種を効率良く生成する電圧値に直流正電圧成分を設定することによって、環境ホルモンを容易に分解除去することが出来るようになる。従って、この電気化学反応装置では、フローティング電極部材の電位を反応に適した電位になるように、直流正電圧成分を設定することによって正確に調整出来るようになる。
【0104】
(実施の形態5)
図7は、本発明の実施の形態5の電気化学反応装置の概念を説明する図である。500は、電気化学反応装置である。この電気化学反応装置500は、反応槽1内に、処理対象の水溶液2(以下「処理液」という。)を貯水し、この処理液2に浸るように平板形状の陰極部材3と陽極部材4とフローティング電極部材7とを平行に配置した構造にしてある。また、この電気化学反応装置500には、前記陰極部材3および前記陽極部材4に電圧を印加するために、関数発生器5および電力増幅器6が設けられている。さらに、この電気化学反応装置500には、電力増幅器6から供給される電流値の電流波形を計測する電流波形計測器9を設けてある。
【0105】
前記関数発生器5は、正パルス高電圧成分および直流正電圧成分をそれぞれ生成して互いを重ね合わせた電気信号を前記電力増幅器6に出力する。なお、前記正パルス高電圧成分の電圧値と直流正電圧成分の電圧値は、電気化学反応させるのに必要な所定の値であり、オペレータが設定する。また、前記電力増幅器6は、前記関数発生器5から出力される前記電気信号に対し電流増幅して前記陰極部材3と前記陽極部材4との間に印加させる。
【0106】
そのため、前記陰極部材3は、前記電力増幅器6のマイナス端子に接続されている。前記陽極部材4は、前記電力増幅器6のプラス端子に接続されている。また、この関数発生器5は、正パルス高電圧成分前後の直流正電圧成分のみの電気信号が印加されている時の電流値を0となるように印加する電気信号の直流正電圧成分値を可変する電流可変手段を有し、パルス高電圧印加後の直流正電圧成分のみ印加している時間帯の回路に流れる電流値がゼロ近傍になるようにする電気信号を発生する。
【0107】
また、フローティング電極部材7の電圧は、電極材料、陽極部材との間に印加される直流正電圧成分値により決められるため、これらを考慮して直流正電圧成分の電気信号の電圧値を所定の値に設定すればよい。このように設定することにより、フローティング電極部材7と陽極部材4との間にある水溶液に対して、フローティング電極部材7の電圧と、陽極部材4の電圧との間で電気化学反応を制御することが出来る。また、電流波形計測器9が電力増幅器6および陰極部材3間の電流波形を計測すると、その計測結果に基づいて、関数発生器5が、正パルス高電圧成分前後の直流正電圧成分のみの電気信号が印加されている時の電流値を0となるように、直流正電圧成分の電気信号を発生する。このとき、電流値が0のところでは電力消費がないため、電気化学反応のために与える電力量を少なくすることができ、電気化学反応のコストを低減することが出来る。なお、電流波形計測器9は、陰極部材3と電力増幅器6との間に設置した場合を説明したが、回路に流れる電流を計測出来る個所で有るならばどこでも良く陽極部材4と電力増幅器6との間に設置してもよい。
【0108】
なお、実施の形態3の円筒型電極部材構造型に適用しても良い。つまり、電力増幅器6から供給される電流値の電流波形を計測する電流波形計測器9を設け、本実施の形態5と同様に、電流を制御するようにしてもよい。
【0109】
上記実施の形態5の電気化学反応装置によれば、正パルス高電圧成分のパルス幅分だけの電圧が陽極部材および陰極部材間に印加されたときにだけ、反応槽内の水溶液のイオンを陽極部材表面に引き寄せ、直流正電圧を印加することによって引き寄せたイオンを陽極部材表面側に集めて電気二重層を形成した状態で、電気化学反応させることが出来るようになる。
【0110】
特に、フローティング電極部材が、電気二重層による静電容量に蓄えられる電荷量を増加させるため、正パルス高電圧成分の電気信号印加後に印加する直流正電圧成分の電気信号の電圧値を、陽極部材と陰極部材だけの場合に比べ高く設定することができ、電気化学反応に高い電圧が必要な物質に対しても少ない電力で反応させることが出来る。また、電流値が0のところでは電力消費がないため、電流波形によって制御すると、電気化学反応のために与える電力量を少なくすることができ、電気化学反応のコストを低減することが出来る。従って、この電気化学反応装置では、正パルス高電圧成分の電気信号の印加時に電力消費するように構成することが出来るため、電気化学反応を低コストで実施することが出来るようになる。
【0111】
つぎに、実験例1〜4を説明する。図8は、本発明の電気化学反応装置の実験例1を示すグラフである。この実験例1は、前記実施の形態2の構成において、つぎの条件下とする。反応槽1は、断面:55[mm]×115[mm]の箱型容器とする。処理液2は、塩化ナトリウムを添加し導電率0.3[S/m]程度にした水溶液とする。陰極部材3、陽極部材4およびフローティング電極部材7は、100[mm]×100[mm]のチタン板に白金めっきを施したものとする。また、陽極部材4と陰極部材3との間は40[mm]とし、その間にフローティング電極部材7を挿入した。
【0112】
図8の(a)に、フローティング電極―陰極間電圧/時間のグラフを示す。図8の(b)に、陽極―フローティング電極間電圧/時間のグラフを示す。なお、電圧40[V]の正パルス高電圧を、パルス幅を変えて印加し、直流正電圧成分として4[V]を重畳させた場合である。
【0113】
曲線αは、パルス幅1[μsec]である。曲線βは、パルス幅2[μsec]である。曲線γは、パルス幅4[μsec]である。つまり、(a)(b)のいずれの場合においても、フローティング電極部材7の電圧が、パルス幅1[μsec]以上になると平坦になる。本計測では、電気二重層における形成時間を直接計測するものではないが、フローティング電極部材電位が安定してきていることは、フローティング電極部材両面での電気二重層が形成され、電位が安定してきた結果と推察出来る。従って、本実験系では正パルス高電圧としては、正パルス高電圧値が40[V]であれば、パルス幅1[μsec]程度が好ましいことがわかる。なお、正パルス高電圧値が変われば必要なパルス幅も変わり、また、電極材料、形状、および処理液の導電率、pH、イオン種、濃度等によっても影響されるため、処理液ごとに設定値を定めるのが好ましい。
【0114】
図9は、本発明の電気化学反応装置の実験例2を示すグラフである。このグラフは、正パルス高電圧成分が、ピーク電圧値40[V]、パルス幅1[μsec]、周波数50[KHz]で印加し、直流正電圧成分が、電圧値4[V]で印加した場合の回路電流測定結果を示す。
【0115】
曲線αが示すように、直流正電圧成分として4[V]を印加することにより、パルス高電圧印加以外は、回路電流をゼロにできていることが分かる。この場合、フローティング電極部材電圧は、図8からも分かるように、約2[V]である。そのため、例えば、フローティング電極部材位置を陽極部材から1[cm]、陰極部材から3[cm]の位置に設置すれば、正パルス電圧印加以外の時間帯における電界強度は、陽極部材―フローティング電極部材間の電界強度:E=(4[V]−2[V])/1[cm]=2[V/cm],フローティング電極部材−陰極部材間の電界強度:E=2[V]/3[cm]=0.7[V/cm]となる。従って、電気化学反応時における電界強度では、フローティング電極部材−陰極部材間に比べ、陽極部材―フローティング電極部材間を高く保持させることが出来る。その結果、フローティング電極部材−陰極部材間に比べ、陽極部材―フローティング電極部材間では、正パルス高電圧で引き寄せられた反応前駆体の処理液側への拡散を抑制しつつ電気化学反応を引き起こすことが出来る。なお、フローティング電極部材を陽極部材により近づけて配置すると、その差はさらに顕著になる。
【0116】
次に、本処理法による処理液側の反応生成物による影響を計測した結果を説明する。図10は、本発明の電気化学反応装置の実験例3を示すグラフである。図10の(a)は、陽極部材をチタン白金めっき板、フローティング電極部材をチタン白金めっき板、陰極部材を銅タングステン板とし、40[V]の正パルス高電圧をパルス幅1[μsec]、50[KHz]で印加し、直流正電圧成分として4[V]を印加した実験結果を示すグラフである。図10の(b)は、陽極部材をチタン白金めっき板、フローティング電極部材をチタン板、陰極部材を銅タングステン板とし、同じく40[V]のパルス高電圧をパルス幅1[μsec]、50[KHz]で印加し、直流正電圧成分として4[V]を印加した実験結果を示すグラフである。処理液の酸化還元電位は、Ag−AgCl型で測定した。なお、曲線αは酸化還元電位、曲線βはpHを示す。
【0117】
どちらの場合も、短時間でpHへの影響を抑え、酸化還元電位(Ag−Cl)のみを高くすることが出来る。すなわち、処理液中に酸化体を大量に生成することが出来る。本実験では、食塩水を使用して行なっているため、溶液中には塩素イオンが存在している。そのため、通常の直流による電気分解では陽極では、式1の反応により塩素ガスが発生してしまうが、本実験では塩素臭はしない。
【0118】
2Cl-=Cl2(gas)+2e-
水溶液中の標準電極電位:1.3583[V] (式1)
本実験での処理液中には、マイナスイオンとして、Cl−イオンとOH−イオンが存在するが、この2つのイオンでは水溶液中の当量イオン伝導度が下記の通り異なるため、正パルス高電圧が印加された場合、OH−イオンの方が、3倍近く早く電極表面に近づくことが出来る。
【0119】
従って、本方式では、OH−イオンが関与する電気化学反応が促進されている物と考えられ、その一つとして陽極表面で下記反応により2[V]近傍でOHラジカルを形成する。
【0120】
OH-=OH+e-
水溶液中の標準電極電位:1.985[V] (式2)
従って、この実験例によれば、正パルス高電圧で処理液中のOH-イオンを他の例えばCl-イオン等よりも優先的に陽極部材、および、フローティング電極部材の陰極部材側に集め、陽極部材、および、フローティング電極部材のパルス高電圧印加時以外の時間帯における電位をOHラジカル等の酸化活性種が形成される標準電極電位よりも高く設置することによって、選択的に反応を起すことが出来る。
【0121】
次に、本発明の電気化学反応装置を使用して、環境汚染物質の分解性能を把握するために、有機塩素化合物処理を検討していく上での模擬物質の一つであるジクロロフェノールを水溶液中に溶解させ、除去性能を把握する実験を行った。
【0122】
(1)実施の形態1の構造で、電極構造は、陽極部材としてチタン白金めっき板を用い、陰極部材として銅タングステン板を用いた。また、印加電圧は、正パルス高電圧40[V]、パルス幅を1[μsec]、50[KHz]とした。さらに、直流正電圧成分は、2[V]とした。その結果、処理液中のジクロロフェノールは、11.44[mg/L] → 10分処理、3.93[mg/L]となった。
【0123】
(2)実施の形態2の構造で、電極構造は、陽極部材をチタン白金めっき板とし、フローティング電極部材をチタン白金めっき板とし、陰極部材を銅タングステン板とした。また、40[V]の正パルス高電圧をパルス幅1[μsec]、50[KHz]で印加し、直流正電圧成分として4[V]を印加した。その結果、ジクロロフェノールは、15.9[mg/L] → 10分処理:3.41[mg/L]となった。
【0124】
以上から、ジクロロフェノール等の有機塩素化合物が容易に処理出来ることがわかる。また、フローティング電極部材を用いることにより、より効率的な処理が可能である。なお、同様に、有機物やアンモニア等の酸化分解処理にも適用することが出来、環境ホルモン処理だけでなく、有機物やアンモニアと等を含有した排水処理、埋立て排水処理、し尿処理、家畜等の糞尿処理、食品加工廃液、工場廃液等を対象にした排水処理方法として使用することが出来る。
【0125】
図11は、本発明の電気化学反応装置の実験例4を示すグラフである。この実験例4は、電極材質の相違による差異を示すものである。図11の(a)(b)に示す場合は、pH(曲線β)への影響を抑え、処理時間と共に、処理液の酸化還元電位(曲線α)を還元側にすることが出来る。なお、電極構造は、(a)の場合が、陽極部材をチタン板とし、フローティング電極部材をチタン白金めっき板とし、陰極部材を銅タングステン板とした。(b)の場合は、電極構造は、陽極部材をチタン白金めっき板とし、フローティング電極部材をチタン白金めっき板とし、陰極部材をチタン板とした。
【0126】
いずれの場合も、pHへの影響を抑え、酸化還元電位を下げることができている。すなわち、酸化体生成に比べ、還元体の生成を効率よく進めることが出来る。従って、本発明の電気化学反応装置を用いれば、電極材料を選定することにより、水溶液中のpHの変動を抑えて、水溶液反応に必要な酸化体、および還元体を制御よく生成することができ、各種の電気化学反応を適用した分野に使用することが出来る。
【0127】
図12は、本発明の電気化学反応装置の陽極部材の変形例を説明する図である。(a)は変形例1、(b)は変形例2である。なお、前記実施の形態1,2,4,5の陽極部材4について説明する。前記実施の形態3の筒型形状の陽極部材14を、陽極部材41や陽極部材42と同様に孔41c,42aを設けるようにしてもよい。(a)に示すように、前記陽極部材41は、枠体41a,41bを交叉させて組み立てて、孔41cを設けたメッシュ構造になっている。(b)に示すように、前記陽極部材42は、孔42aを穿った構造になっている。
【0128】
この変形例1,2によれば、陽極部材に孔を設けたため、反応場となっている陽極部材とフローティング電極部材との間の水溶液を陽極部材の孔を通して排出することが出来るため、反応場の水溶液を容易に交換することができ、反応効率が上がる。なお、この変形例1,2では、上記実施の形態2で説明した平板形状の陽極部材の場合で説明したが、上記実施の形態3の円筒型形状の陽極部材にも同様に適用することができる。たとえば、円筒の側面をメッシュ構造にしても変形例1,2と同様の効果を奏する。
【0129】
(実施の形態6)
本実施の形態6の電気化学反応装置は、反応槽への流入液を、陰極部材とフローティング電極部材間から注入し、反応槽内で陰極部材とフローティング電極部材間を通った液が、フローティング電極部材と陽極部材間へ流れ込み、反応槽外へ流出させる構造とした循環処理を可能としたものである。なお、反応槽への流入液を、陽極部材とフローティング電極部材間から注入し、反応槽内で陽極部材とフローティング電極部材間を通った液が、フローティング電極部材と陰極部材間へ流れ込み、反応槽外へ流出させる構造としてもよい。なお、円筒型電極構造の場合も同様に処理液を強制的に循環させる構造とすることが出来る。以下、図面を参照して説明する。
【0130】
図13は、本発明の実施の形態6の電気化学反応装置の概念を説明する図である。600は、電気化学反応装置である。この電気化学反応装置600は、反応槽1内に、処理対象の水溶液2(以下「処理液」という。)を貯水し、この処理液2に浸るように平板形状の陰極部材3と陽極部材4とフローティング電極部材7とを平行に対面配置した構造にしてある。また、この電気化学反応装置600には、前記陰極部材3に対し前記陽極部材4に電圧を印加するために、関数発生器5および電力増幅器6が設けられている。以上の構成および機能は、前記実施の形態2と同様である。
【0131】
さらに、反応槽1に給水する給水路61と、反応槽1から排水する排水路62に特徴がある。給水路61は、陽極部材4とフローティング電極部材7との間に給水し、排水路62は、陰極部材3とフローティング電極部材7との間の処理液2を排水するようになっている。また、陽極部材4とフローティング電極部材7との間の処理液2が、陰極部材3とフローティング電極部材7との間に向けて流入から排出まで反応槽1内を循環して流れるようになっている。
【0132】
なお、給水路と排水路とを逆にしてもよい。このときは、給水路は、陰極部材3とフローティング電極部材7との間に給水し、排水路は、陽極部材4とフローティング電極部材7との間の処理液2を排水し、また、陽極部材3とフローティング電極部材7との間の処理液2が、陽極部材4とフローティング電極部材7との間に向けて流入から排出まで反応槽1内を循環して流れるようにしてもよい。
【0133】
従って、上記実施の形態6の電気化学反応装置によれば、反応場となっている陽極部材の近傍の水溶液を強制的に循環させるため、反応効率が上がる。
【0134】
(実施の形態7)
この実施の形態7は、前記実施の形態1〜6の場合に、処理液中にMgイオン、またはZnイオン、またはCaイオンが共存した場合の特徴を示している。ここでは、効果を確認する実験のために、Mgイオンに対しては、MgCl2,Znイオンに対しては、ZnCl2,Caイオンに対しては、CaCl2を代表物質として添加した場合について示している。Mgイオン、またはZnイオン、またはCaイオンを共存させるために添加される物質は、MgCl2,ZnCl2,CaCl2に限定される物ではなく、MgZnまたはCa元素が含有されているものであれば構わない。
【0135】
図14は、本発明の電気化学反応装置の実験例を示すグラフである。処理液中にMgCl2,ZnCl2,CaCl2を各々10[mmol]添加し、共存するイオンの影響を確認した。なお、電極構造は、陽極部材をチタン白金めっき板とし、フローティング電極部材をチタン白金めっき板とし、陰極部材を銅タングステン板とした。また、電解は、印加電圧として正パルス高電圧40[V]、パルス幅を1[μsec]、50[KHz]、直流正電圧成分を4[V]で3分間処理し、その後電解を停止して、処理液の酸化還元電位の時間変化を、処理液を攪拌しながら計測した。
【0136】
曲線αの無添加の場合よりも、曲線βのCaCl2、曲線γのMgCl2、曲線δのZnCl2の方が、電解停止後の酸化還元電位の落ちが小さく長時間維持されていることが分かる。従って、処理液中にMgイオン、Znイオン、Caイオンを共存させることにより、反応生成が促進され、さらに生成した酸化体(酸化活性種)も安定して維持させることが出来る効果を奏する。また、Mg、ZnまたはCaを含む鉱石やこれらの元素を含有する化合物を処理液中に投入しておき、各イオンが少しずつ溶け出すようにしてもよい。
【0137】
(実施の形態8)
図15は、本発明の実施の形態8の電気化学反応装置の概念を説明する図である。700は、電気化学反応装置である。この電気化学反応装置700は、反応槽1内に、処理対象の水溶液2(以下「処理液」という。)を貯水し、この処理液2に浸るように平板形状の陰極部材3と陽極部材4とフローティング電極部材7とを平行に対面配置した構造にしてある。また、この電気化学反応装置700には、前記陰極部材3と前記陽極部材4との間に電圧を印加するために、関数発生器5および電力増幅器6が設けられている。
【0138】
前記関数発生器5は、正パルス高電圧成分および直流正電圧成分をそれぞれ生成して互いを重ね合わせた電気信号を前記電力増幅器6に出力する。なお、前記正パルス高電圧成分の電圧値と直流正電圧成分の電圧値は、電気化学反応させるのに必要な所定の値であり、オペレータが設定する。また、前記電力増幅器6は、前記関数発生器5から出力される前記電気信号に対して電流増幅して前記陰極部材3と前記陽極部材4との間に印加させる。そのため、前記陰極部材3は、前記電力増幅器6のマイナス端子に接続されている。前記陽極部材4は、前記電力増幅器6のプラス端子に接続されている。
【0139】
また、前記フローティング電極部材7は、陽極部材4と陰極部材3間に電圧が印加されると、両面に電気二重層を形成することになる。つまり、フローティング電極部材7の陽極部材4側の面および陰極部材3側の面の両面側に電気二重層が形成される。従って、フローティング電極部材7は、陽極部材4との間に静電容量を有し、また、陰極部材3との間にも静電容量を有することになる。そして、図に示すように、陽極部材4側で電気化学反応をさせることを目的とする場合には、フローティング電極部材7は、陽極部材4と陰極部材3の中間位置よりも陽極部材4側に配置するのが好ましい。
【0140】
さらに、この電気化学反応装置700には、フローティング電極部材7の電圧設定を行う電圧発生器20が設けられている。この電圧発生器20は、プラス端子側に接続した高抵抗器21を介してフローティング電極部材7に接続され、また、マイナス端子側には、陰極部材3と電力増幅器6のマイナス端子との接続線に接続されている。この電圧発生器20は、フローティング電極部材7と陰極部材3との間に設定電圧のみを印加する。しかし、前記電圧発生器20は、前記高抵抗器21に接続されているため、この高抵抗器21を通じてフローティング電極部材7へは電流を流さず、電圧のみ設定出来る。
【0141】
前記電圧発生器20では、フローティング電極部材7の電圧を設定電圧になるように直接的に外部から調整するため、陽極導体4に印加される直流正電圧によってフローティング電極部材7の電圧を間接的に制御するよりも高い精度で電圧を制御することが出来るようになる。このようにフローティング電極部材7の電圧を直接制御すれば、フローティング電極部材7の界面での電気化学反応は、正パルス高電圧による電気二重層の形成時に蓄積される電荷を利用するため、正確に制御出来るようになる。また、たとえ電極材料によるフローティング電極部材7の電圧の変動またはフローティング電極部材7と陽極部材4との間に印加される直流正電圧成分値によるフローティング電極部材7の電圧の変動があっても、外部から調整できるため、高い精度で電気化学反応を制御することが出来る。
【0142】
上記実施の形態8の電気化学反応装置によれば、正パルス高電圧成分のパルス幅分だけの電圧が陽極部材および陰極部材間に印加されたときにだけ、反応槽内の水溶液のイオンを陽極部材表面に引き寄せ、直流正電圧を印加することによって引き寄せたイオンを陽極部材表面側に集めて電気二重層を形成した状態で、電気化学反応させることが出来るようになる。特に、フローティング電極部材が、電気二重層による静電容量に蓄えられる電荷量を増加させるため、正パルス高電圧成分の電気信号印加後に印加する直流正電圧成分の電気信号の電圧値を、陽極部材と陰極部材だけの場合に比べ高く設定することができ、電気化学反応に高い電圧が必要な物質に対しても少ない電力で反応させることが出来る。従って、この電気化学反応装置では、正パルス高電圧成分の電気信号の印加時に電力消費するように構成することが出来るため、電気化学反応を低コストで実施することが出来るようになる。
【0143】
さらに、上記実施の形態8の電気化学反応装置によれば、前記電圧発生器20によって電圧設定を行うようにしたため、フローティング電極部材7の電圧を外部から精度高く電圧を制御することが出来る。そのため、上記実施の形態8の電気化学反応装置によれば、上述の各実施の形態の場合に比べて電気化学反応の制御が容易になる。なお、この実施の形態8では、上記実施の形態2で説明した平板形状の陽極部材、陰極部材およびフローティング電極部材の場合で説明したが、上記実施の形態3の円筒型形状の陽極部材、陰極部材およびフローティング電極部材の場合にも同様に適用しても同様の効果を奏する。
【0144】
なお、上記実施の形態1で説明した電気化学反応装置100に、上記実施の形態5の電流波形計測器9を設け、電流値によって正パルス電圧成分前後の直流正電圧成分のみの電気信号が印加されている時の電流値をゼロに近い値になるように印加するようにしてもよい。また、上記実施の形態3で説明した電気化学反応装置300に、上記実施の形態8で説明した電圧発生器20を設け、フローティング電極部材17の電圧を外部から設定出来るようにしてもよい。また、上記実施の形態1,2,3,4,5,6,8のそれぞれの電気化学反応装置100,200,300,400,500,600,700に対して、実験例1〜4および実施の形態7の実験を行っても同様の効果を奏する。
【0146】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による電気化学反応制御方法によれば、処理対象の水溶液を貯水する反応槽内に設置した陽極部材と陰極部材との間に、正パルス高電圧成分と直流正電圧成分とを重ね合わせた電気信号を電力増幅して印加し、前記正パルス高電圧成分の電気信号の印加によって、前記陽極部材と前記陰極部材と、前記陽極部材と前記陰極部材との間に配置したフローティング電極部材と、水溶液との界面に電気二重層を形成させていき、前記直流正電圧成分の電気信号の印加によって、前記陽極部材界面近傍と前記陰極部材界面近傍と前記フローティング電極部材界面近傍の水溶液を電気化学反応させるようにしたため、正パルス高電圧成分のパルス幅分だけの電圧が陽極部材および陰極部材間に印加されたときにだけ、水溶液中の陰イオンを陽極部材表面、およびフローティング電極部材の陰極部材側表面に、水溶液中の陽イオンを陰極部材表面、およびフローティング電極部材の陽極部材側表面に引き寄せ水溶液との界面に電気二重層を形成させ、その直後に、直流正電圧を印加することによって、電気二重層を形成した状態で、電気化学反応させることが出来る効果を奏する。
【0147】
特に、フローティング電極部材は陽極部材と陰極部材との間に配置して電気的に浮遊した状態で設置するため、正パルス高電圧成分の電気信号の印加時には、フローティング電極部材の両面に電気二重層が形成されるため、フローティング電極部材を配置しない場合に比べて、回路的にみた電気二重層による静電容量に蓄えられる電荷量が増大する。その結果、正パルス高電圧成分の電気信号印加後に印加する直流正電圧成分の電気信号の電圧値を、陽極部材と陰極部材だけの場合に比べ高く設定することが出来る効果を奏する。
【0148】
つぎの発明による電気化学反応制御方法によれば、さらに、前記フローティング電極部材と前記陰極部材との間の電圧波形を計測し、前記正パルス高電圧成分前後の直流正電圧成分のみの電気信号が印加されている時の前記フローティング電極部材と前記陰極部材との間の電圧を所定値となるように印加する電気信号の前記直流正電圧成分値を可変するようにしたため、フローティング電極部材の電圧波形を計測して、直流正電圧成分の電圧値を可変することによって、正パルス高電圧成分前後の電圧を所定値となるように電気信号を設定することが出来る効果を奏する。そのため、所定の電圧値で多く電気化学反応するイオンをターゲットにして、直流正電圧成分を設定することによって、他のイオンに優先して目的とするイオンを電気化学反応させることが出来る効果を奏する。たとえば、環境ホルモンを含有する排水に対して、分解に適した活性種を効率良く生成する電圧値に直流正電圧成分を設定することによって、環境ホルモンを容易に分解除去することが出来る効果を奏する。
【0149】
つぎの発明による電気化学反応制御方法によれば、さらに、前記フローティング電極部材と前記陰極部材との間に印加する電圧値を設定し、前記フローティング電極部材と前記陰極部材との間に設定された電圧値を印加するようにしたため、前記フローティング電極部材と前記陰極部材との間に設定された電圧値を印加するようにしたことによって、前記フローティング電極部材の界面近傍での電気化学反応を制御することが出来る効果を奏する。
【0150】
つぎの発明による電気化学反応制御方法によれば、さらに、電力増幅された電気信号の電流波形を計測し、前記正パルス高電圧成分前後の前記直流正電圧成分のみの電気信号が印加されている時の電流値をゼロに近い値になるように印加する電気信号の前記直流正電圧成分値を可変させていくようにしたため、電流値が0のところでは電力消費がなく、たとえば、数mAなどのように0に近い値であっても電力消費はかなり少なく抑えられ電気化学反応のコストを低減することが出来る効果を奏する。
【0151】
つぎの発明による電気化学反応制御方法によれば、前記正パルス高電圧成分は、前記電気二重層が形成されるパルス幅およびピーク電圧を有し、または、前記電気二重層が形成されるのに十分な時間である100ミリ秒以下のパルス幅を有するようにしたため、水溶液内部に電界を発生させて効率よく反応前駆体となるイオンを電極表面に引き寄せ、さらに、電気二重層の静電容量分の電荷を電極に蓄積させることが出来る効果を奏する。
【0152】
なお、前記直流正電圧成分は、2つの前記正パルス高電圧成分間に印加され、電極部材と水溶液との界面近傍に集められた反応前駆体が、前記界面近傍から水溶液中に濃度拡散によって減少するのを防止すると共に電気化学反応するのに必要な電圧とする。また、前記正パルス高電圧成分と前記直流正電圧成分との重ね合わせは、各成分の関数波形同士を重ね合わせて発生させたり、各成分を交互に出力することによって発生させたりするようにしてもよい。さらに、前記陽極部材の電圧、または、前記フローティング電極部材の電圧が、前記直流正電圧成分によって、目的とする反応生成に適した電気化学的電位を少なくとも有するのが好ましい。
【0153】
つぎの発明による電気化学反応制御方法によれば、Mgイオン、ZnイオンまたはCaイオンの少なくとも一つを処理対象の水溶液に注入させて電気化学反応させるようにしたため、Mgイオン、ZnイオンまたはCaイオンの少なくとも一つを処理対象の水溶液中に共存させることが出来るため、これらのイオンによって反応生成が促進され、さらに生成した酸化体(酸化活性種)も安定して維持さることが出来る効果を奏する。
【0154】
つぎの発明による電気化学反応制御方法によれば、Mg、ZnまたはCaの少なくとも一つを含有した鉱石、またはこれらの元素が含有している化合物を反応槽内に投入して、Mgイオン、ZnイオンまたはCaイオンの少なくとも一つを処理対象の水溶液中に溶出させるようにしたため、Mgイオン、ZnイオンまたはCaイオンの少なくとも一つを処理対象の水溶液中に共存させることが出来るため、これらのイオンによって反応生成が促進され、さらに生成した酸化体(酸化活性種)も安定して維持させることが出来る効果を奏する。
【0156】
つぎの発明による電気化学反応装置によれば、処理対象の水溶液を貯水する反応槽と、前記反応槽内に設置する陽極部材と、前記反応槽内に設置する陰極部材と、前記陽極部材と前記陰極部材との間に配置したフローティング電極部材と、正パルス高電圧成分と直流正電圧成分とを重ね合わせた電気信号を発生する関数発生器と、前記陽極部材と前記陰極部材との間に、前記電気信号を電力増幅して印加する電力増幅器と、を有し、前記正パルス高電圧成分の電気信号の印加によって、前記陽極部材と前記陰極部材と前記フローティング電極部材と水溶液との界面に電気二重層を形成させていき、前記直流正電圧成分の電気信号の印加によって、前記陽極部材界面近傍と前記陰極部材界面近傍と前記フローティング電極部材界面近傍の水溶液が電気化学反応されるようにしたため、正パルス高電圧成分のパルス幅分だけの電圧が陽極部材および陰極部材間に印加されたときにだけ、水溶液の陰イオンを陽極部材表面、およびフローティング電極部材の陰極部材側表面に、水溶液中の陽イオンを陰極部材表面、およびフローティング電極部材の陽極部材側表面に引き寄せ水溶液との界面に電気二重層を形成させ、その直後に、直流正電圧を印加することによって、電気二重層を形成した状態で、電気化学反応させることが出来る効果を奏する。
【0157】
特に、フローティング電極部材は陽極部材と陰極部材との間に配置して電気的に浮遊した状態で設置するため、正パルス高電圧成分の電気信号の印加時には、フローティング電極部材の両面に電気二重層が形成され、フローティング電極部材を配置しない場合に比べて、回路的にみた電気二重層による静電容量が大きくなり、蓄えられる電荷量が増大する。その結果、正パルス高電圧成分の電気信号印加後に印加する直流正電圧成分の電気信号の電圧値を、陽極部材と陰極部材だけの場合に比べ高く設定することが出来る効果を奏する。
【0158】
つぎの発明による電気化学反応装置によれば、さらに、前記フローティング電極部材と前記陰極部材との間の電圧波形を計測する電圧波形計測器を有し、前記関数発生器は、前記正パルス高電圧成分前後の前記直流正電圧成分のみの電気信号が印加されている時の前記フローティング電極部材と前記陰極部材との間の電圧を所定値となるように印加する前記直流正電圧成分値を可変させて前記電気信号を発生するようにしたようにしたため、フローティング電極部材の電圧波形を計測して、直流正電圧成分の電圧値を可変することによって、正パルス高電圧成分前後の電圧を所定値となるように印加する電気信号を設定することが出来る効果を奏する。そのため、所定の電圧値で多く電気化学反応するイオンをターゲットにして、直流正電圧成分を設定することによって、他のイオンに優先して目的とするイオンを電気化学反応させることが出来る効果を奏する。たとえば、環境ホルモンを含有する排水に対して、分解に適した活性種を効率良く生成する電圧値に直流正電圧成分を設定することによって、環境ホルモンを容易に分解除去することが出来る効果を奏する。
【0159】
つぎの発明による電気化学反応装置によれば、さらに、前記フローティング電極部材と前記陰極部材との間に印加する電圧値を設定し、前記フローティング電極部材と前記陰極部材との間に設定された電圧値を印加する電圧発生器と、前記フローティング電極部材と前記電圧発生器との間に接続した高抵抗器とを有するようにしたため、前記フローティング電極部材と前記陰極部材との間に設定された電圧値を印加するようにしたことによって、前記フローティング電極部材の界面近傍での電気化学反応を制御することが出来る効果を奏する。
【0160】
つぎの発明による電気化学反応装置によれば、電力増幅された電気信号の電流波形を計測する電流波形計測器を有し、前記関数発生器は、正パルス高電圧成分前後の直流正電圧成分のみの電気信号が印加されている時の電流値をゼロに近い値になるように直流正電圧成分値を可変させて前記電気信号を発生するようにしたため、電流値が0のところでは電力消費がなく、電流値が少なくとも0でなくても、たとえば、数mAなどのように0に近い値であっても電力消費はかなり少なく抑えられ、電気化学反応のために与える電力量を少なくすることができ、電気化学反応のコストを低減することが出来る効果を奏する。
【0161】
つぎの発明による電気化学反応装置によれば、前記関数発生器は、電極部材と水溶液界面に電気二重層が形成されるパルス幅およびピーク電圧を有する前記正パルス高電圧成分を発生し、または、前記電気二重層が形成されるのに十分な時間である100ミリ秒以下のパルス幅となる前記正パルス高電圧成分を発生するようにするため、電気二重層が形成されるまでの時間幅であるマイクロ秒〜数十ミリ秒の間だけパルス高電圧を印加することによって、水溶液内部に電界を発生させ効率よく反応前駆体となるイオンを電極表面に引き寄せ、さらに、電気二重層の静電容量分の電荷を電極に蓄積させることが出来る。その後、印加される直流正電圧成分によって電気化学反応が引き起こされる時間には、高電圧が印加されないため、電力消費を抑えることが出来る効果を奏する。
【0162】
つぎの発明による電気化学反応装置によれば、前記陰極部材と前記フローティング電極部材との間から反応槽内へ水溶液を流入する陰極側流入手段と、流入された水溶液が前記フローティング電極部材と前記陽極部材との間を通って反応槽外へ流出する陽極側流出手段と、を有するようにしたため、反応場となっている陽極部材とフローティング電極部材との間の水溶液を強制的に循環させるため、反応効率を上げる効果を奏する。
【0163】
つぎの発明による電気化学反応装置によれば、前記陽極部材と前記フローティング電極部材との間から反応槽内へ水溶液を流入する陽極側流入手段と、流入された水溶液が前記フローティング電極部材と前記陰極部材との間を通って反応槽外へ流出する陰極側流出手段と、を有するようにしたため、反応場となっている陽極部材とフローティング電極部材との間の水溶液を強制的に循環させるため、反応効率を上げる効果を奏する。
【0164】
つぎの発明による電気化学反応装置によれば、前記フローティング電極部材が、前記陽極部材と前記陰極部材の中間位置よりも前記陽極部材側に配置させるようにしたため、陽極部材とフローティング電極部材間の電界強度をフローティング電極部材と陰極部材間の電界強度より高めることが出来る効果を奏する。そのため、フローティング電極部材と陰極部材間での反応を抑制しつつ、陽極部材とフローティング電極部材間の反応を積極的に進めることが出来る効果を奏する。
【0165】
なお、本発明の電気化学反応装置によれば、前記陽極部材と、前記陰極部材とを平板形状とし、互いを平行に配置したり、前記陽極部材と、前記陰極部材とを筒形状とし、前記陰極部材を中心部に配置し、前記陽極部材を外周側に断面同心状に配置して、互いを軸対称に配置したりしてもよい。
【0166】
また、本発明の電気化学反応装置によれば、前記陽極部材と、前記陰極部材と、前記フローティング電極部材とを平板形状とし、互いを平行に配置したり、前記陽極部材と、前記陰極部材と、前記フローティング電極部材とを筒型形状とし、前記陰極部材を中心部に配置し、前記陰極部材の外周側に断面同心状にフローティング電極部材を配置し、さらに、前記フローティング電極部材の外周側に断面同心状に前記陽極部材を配置して、互いを軸対称に配置したりしてもよい。
【0167】
なお、各電極部材は、平板形状に配置するよりも、筒型形状に配置するのが好ましい。筒型形状にすることにより、外周部に位置する陽極部材とフローティング電極部材との領域体積を、フローティング電極部材と陰極部材との領域体積に比べて大きくすることが出来、陽極部材とフローティング電極部材との間での電気化学反応を起こさせる領域の体積を大きくすることが出来る効果を奏するからである。また、筒型形状は、断面の形状が円、楕円などの形状でもよい。
【0168】
つぎの発明による電気化学反応装置によれば、前記陽極部材に液循環孔を設けたようにしたため、反応場となっている陽極部材とフローティング電極部材の間にある水溶液循環を容易にすることが出来る効果を奏するため、反応効率が上がる。特に、前記液循環孔は、前記陽極部材をメッシュ構造とするのが好ましい。
【0169】
なお、前記関数発生器は、前記関数発生器は、2つの前記正パルス高電圧成分間に、電極部材と水溶液との界面近傍に集められた反応前駆体が前記界面近傍から水溶液中に濃度拡散させて減少するのを防止すると共に電気化学反応させる電圧値を前記直流正電圧成分として印加するのが好ましい。また、前記関数発生器は、前記正パルス高電圧成分と前記直流正電圧成分との関数波形同士を重ね合わせて前記電気信号を発生させたり、前記正パルス高電圧成分と前記直流正電圧成分の各成分を交互に出力することによって前記電気信号を発生させたりして、前記正パルス高電圧成分と前記直流正電圧成分とを重ね合わせるようにしてもよい。さらに、前記関数発生器は、前記陽極部材の電圧、または、前記フローティング電極部材の電圧が、前記直流正電圧によって、目的とする反応生成に適した電気化学的電位になるように前記電気信号を発生させるのが好ましい。
【0170】
つぎの発明による電気化学反応装置によれば、さらに、Mgイオン、ZnイオンまたはCaイオンの少なくとも一つを処理対象の水溶液中に注入するイオン注入手段を有するようにしたため、Mgイオン、ZnイオンまたはCaイオンの少なくとも一つを処理対象の水溶液中に共存させることが出来る効果を奏するため、これらのイオンによって反応生成が促進され、さらに生成した酸化体(酸化活性種)も安定して維持させることが出来る効果を奏する。
【0171】
つぎの発明による電気化学反応装置によれば、さらに、Mg、ZnまたはCaの少なくとも一つを含有した鉱石、またはこれらの元素を含有した化合物を反応槽内に投入して、Mgイオン、ZnイオンまたはCaイオンの少なくとも一つを処理対象の水溶液中に添加させる投入手段を有するようにしたため、Mgイオン、ZnイオンまたはCaイオンの少なくとも一つを処理対象の水溶液中に、溶出していくことによって共存させることが出来る効果を奏するため、これらのイオンによって反応生成が促進され、さらに生成した酸化体(酸化活性種)も安定して維持させることが出来る効果を奏する。
【0172】
また、本発明による電気化学反応装置によれば、前記陽極部材および前記フローティング電極部材を白金で形成した導体または白金めっきを施した導体とし、前記陰極部材を銅タングステンで形成した導体としてもよい。また、本発明による電気化学反応装置によれば、前記陽極部材を白金で形成した導体または白金めっきを施した導体とし、前記フローティング電極部材をチタンで形成した導体とし、前記陰極部材を銅タングステンで形成した導体としてもよい。
【0173】
さらに、本発明による電気化学反応装置によれば、前記陽極部材および前記フローティング電極部材導体を白金で形成した導体または白金めっきを施した導体とし、前記陰極部材をチタンで形成した導体としてもよい。また、本発明による電気化学反応装置によれば、前記陽極部材をチタンで形成した導体とし、前記フローティング電極部材を白金で形成した導体または白金めっきを施した導体とし、前記陰極部材を銅タングステンで形成した導体としてもよい。なお、前記白金めっきは、チタン板に施すようにしてもよい。
【0174】
従って、本発明によれば、目的とする生成物だけを安価にかつ効率的に分解除去させることが可能な電気化学反応制御方法および電気化学反応装置を提供することが出来る効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の電気化学反応装置の概念を説明する図である。
【図2】正パルス高電圧成分と直流正電圧成分との重ね合わせ電気信号波形を説明する図である。
【図3】正パルス高電圧成分のみの電気信号波形を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態2の電気化学反応装置の概念を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態3の電気化学反応装置の概念を説明する図である。
【図6】本発明の実施の形態4の電気化学反応装置の概念を説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態5の電気化学反応装置の概念を説明する図である。
【図8】本発明の電気化学反応装置の実験例1を示すグラフである。
【図9】本発明の電気化学反応装置の実験例2を示すグラフである。
【図10】本発明の電気化学反応装置の実験例3を示すグラフである。
【図11】本発明の電気化学反応装置の実験例4を示すグラフである。
【図12】本発明の電気化学反応装置の陽極部材の変形例を説明する図である。
【図13】本発明の実施の形態6の電気化学反応装置の概念を説明する図である。
【図14】本発明の電気化学反応装置の実験例を示すグラフである。
【図15】本発明の実施の形態8の電気化学反応装置の概念を説明する図である。
【図16】一般の電気化学反応の概念を説明する図である。
【図17】一般の電気化学反応の概念を説明する図である。
【符号の説明】
1 反応槽
2 処理液
3 陰極部材
4 陽極部材
5 関数発生器
6 電力増幅器
7 フローティング電極部材
100,200,300,400,500,600,700 電気化学反応装置[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an electrochemical reaction control method and an electrochemical reaction device, and more particularly, is water-soluble in wastewater such as wastewater containing environmental hormones, landfill wastewater, human waste, livestock excrement, food processing wastewater and factory wastewater. The present invention relates to an electrochemical reaction control method and an electrochemical reaction apparatus that can remove and purify the formed substances or extract substances from aqueous solutions containing various electrolytes.
[0002]
[Prior art]
As a conventional electrochemical reaction apparatus, it has a reaction tank for storing an aqueous solution to be treated, an anode member installed in the reaction tank, and a cathode member, and a DC voltage between the anode member and the cathode member, An apparatus that controls an electrochemical reaction of an aqueous solution by applying an AC voltage or a high-frequency voltage having a predetermined frequency is known.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
In the electrochemical reaction, different applied voltages are required depending on the components to be electrolyzed. Therefore, in the conventional electrochemical reaction apparatus, if the electrode voltage is set to a potential suitable for the intended reaction, it becomes within several [V], so that the reaction rate is slow and not practical.
[0004]
In general, various components are contained in an aqueous solution targeted for wastewater treatment or the like. Therefore, when a high voltage is applied between the cathode member and the anode member in a conventional electrochemical reaction apparatus in order to increase the reaction rate, various reactants are generated, and only the target product is produced. Cannot be generated.
[0005]
Further, in the conventional electrochemical reaction apparatus, in order to increase the reaction amount, there is no choice but to increase the electrode area very much or set the applied voltage high to increase the reaction rate. However, when the electrode area is increased, the initial cost increases. In addition, when the electrode voltage is increased, most of the input power is consumed as thermal energy as overvoltage, which is not only very inefficient and difficult to make economically, but also other than the intended reaction product. A large amount of product is also produced.
[0006]
Accordingly, the present invention has been made in view of the above-described matters, and provides an electrochemical reaction control method and an electrochemical reaction apparatus capable of producing only the target product at low cost and efficiently. With the goal.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
16 and 17 are diagrams for explaining the concept of a general electrochemical reaction. As shown in FIG. 16, in general, an electrochemical reaction is composed of an electron transfer process involving a reaction at the interface between an electrode member and an aqueous solution, and a material transport process in which the reactant is transported from the aqueous solution side to the electrode member. Has been.
[0008]
As shown in FIG. 17, regarding the anode, when a positive voltage is applied from the power source, negative ions present in the aqueous solution gather in the vicinity of the anode, and due to the thin layer of positive charge at the anode and the negative ions in the aqueous solution. An electric double layer in which thin layers with negative charges face each other is formed, and the electric field in the aqueous solution is neutralized. When the value of the applied positive voltage is a small value of about several [V], an electric field is hardly applied inside the aqueous solution due to the electric double layer formed in the vicinity of the electrode surface.
[0009]
If the voltage is continuously applied as it is, electron transfer occurs on the electrode surface due to electrochemical reaction and the concentration of the reaction precursor material decreases, and accordingly, a charge imbalance occurs (electron transfer process). In order to compensate for the charge imbalance, a new reaction precursor is supplied from the aqueous solution (mass transport process). In this case, if a value slightly higher than the voltage required for the electrochemical reaction is set as the electrode voltage, the electrochemical reaction can be caused, and the input power can be contributed to the electrochemical reaction. However, when the electrode voltage (overvoltage) is small, the electric field strength applied to the aqueous solution is small, and the driving force in the mass transport process for supplying a new reaction precursor is small, so that the reaction does not proceed moderately.
[0010]
On the other hand, in order to forcibly drive ions, which are reaction precursors in an aqueous solution, by an external electric field, it is necessary to apply a high voltage higher than the electric field canceled by the electric double layer. However, in this case, the applied voltage higher than the number of voltages [V] required for the electrochemical reaction (for example, 1.2 [V] in water splitting) becomes an overvoltage and consumed as Joule heat. Therefore, the input power energy is wasted.
[0011]
Therefore, the present inventors have found a method for independently controlling the mass transport process and the electron transfer process in the electrochemical reaction, and have come to the invention capable of achieving the above object.
[0012]
here,In the electrochemical reaction control method, an electric signal obtained by superimposing a positive pulse high voltage component and a DC positive voltage component between an anode member and a cathode member installed in a reaction tank for storing an aqueous solution to be treated is power amplified. And applying an electric signal of the positive pulse high voltage component to form an electric double layer at the interface between the anode member, the cathode member and the aqueous solution, and applying the electric signal of the DC positive voltage component An electrochemical reaction of the aqueous solution in the vicinity of the anode member interface and the cathode member interface byI can do it.
[0013]
According to this configuration, the anion of the aqueous solution in the reaction vessel is attracted to the surface of the anode member during the time width in which a voltage corresponding to the pulse width of the positive pulse high voltage component is applied between the anode member and the cathode member. An electric double layer is formed at the interface with the anode, and immediately after that, by applying a positive DC voltage that can cause an electrochemical reaction at the interface between the attracted anion and the anode member, It becomes possible to make it react chemically. Accordingly, it is possible to reduce the waste of supplied power due to overvoltage and to generate a desired substance more efficiently.
[0014]
That is, when an electric signal of a positive pulse high voltage component is applied, ions move in the aqueous solution in the reaction vessel to form an electric double layer. During the formation of the electric double tank, since the electric shield inside the aqueous solution is insufficient, an electric field is sufficiently applied to the inside of the aqueous solution far from the electrode surface, and the mass transfer of ions as a reaction precursor is promoted. Therefore, by applying an electric signal of a positive pulse high voltage component, an electric field is generated inside the aqueous solution to efficiently attract ions serving as reaction precursors to the electrode surface, and the power supplied as a positive pulse high voltage is: It can be accumulated on the electrode surface side as a charge corresponding to the capacitance of the electric double layer.
[0015]
It should be noted that the ions as reaction precursors collected on the electrode surface by the electrical signal of the positive pulse high voltage component are diffused in the aqueous solution after the positive pulse high voltage component is applied and reduced before It is preferable to apply a positive pulse high voltage. The time until the electric double layer is formed depends on the voltage value and pulse width of the positive pulse high voltage component. Therefore, if the voltage value is determined, the time required until the electric double layer is formed and the electric charging is completed is sufficient as the pulse width. Although it is not preferable because it is wasted in terms of energy, the pulse width may be made longer than the time until the electric double layer is formed at a high voltage.
[0016]
The voltage value of the positive pulse high voltage component is preferably 10 [V] or more. Since the ion mobility increases as the voltage value increases, the time for forming the electric double layer can be shortened, and the ions constituting the electric double layer can be made high in concentration. However, at a high voltage value, those that cannot contribute to the electrochemical reaction after application are wasted and diffused to the aqueous solution side. Therefore, the voltage value, pulse width, and pulse interval are matched to the properties of the treatment solution so that the reaction precursor ions attracted by the electrical signal of the positive pulse high voltage component are consumed as much as possible when a DC voltage is applied. It is desirable to set.
[0017]
On the other hand, the electrical signal of the DC positive voltage component is such that after application of the electrical signal of the positive pulse high voltage component, ions attracted by the electrical signal of the positive pulse high voltage component diffuse into the aqueous solution by concentration diffusion, and This prevents the charge of the electrode forming the multilayer from being released and contributes to the electrochemical reaction. That is, in terms of circuit, by applying a DC voltage component that blocks a reverse current flowing to the power source side connecting the anode member and the cathode member after application of an electric signal of a positive pulse high voltage component, the electrode plate Thus, the electric charge accumulated in the water does not flow as a reverse current to the power supply side, and can contribute to the electrochemical reaction on the aqueous solution side.
[0018]
That is, in the electrochemical reaction control method of the present invention, an electric signal having a positive pulse high voltage component for a time during which the electric double layer is formed is applied to concentrate ions serving as reaction precursors near the electrode surface. After applying the electric signal of the pulse high voltage component, an electric signal of a DC voltage component equal to or higher than the electrochemical potential suitable for the target reaction generation is applied to the electrode. Therefore, the charge stored on the electrode surface side as an electric double layer when an electric signal of a positive pulse high voltage component is applied can be held on the electrode surface side and contribute to the electrochemical reaction.
[0019]
When applying an electrical signal of this DC voltage component, the reverse current due to the charge accumulated on the electrode when applying an electrical signal of a positive pulse high voltage component is suppressed, and there is almost no current supply from the power source side during this time, so it is very efficient Electric power can contribute to the electrochemical reaction. The power supplied from the power source is voltage × current. In the case of only the DC positive voltage component, the current from the power source can be adjusted to a value close to zero, so that there is almost no power supply during this period.
[0020]
Therefore, according to the electrochemical reaction control method of the present invention, it is only necessary to supply power by an electric signal of a positive pulse high voltage component, so that an electrochemical reaction can be performed efficiently with low power consumption. Become.
[0021]
BookThe electrochemical reaction control method according to the present invention provides an electrical signal in which a positive pulse high voltage component and a DC positive voltage component are superimposed between an anode member and a cathode member installed in a reaction tank for storing an aqueous solution to be treated. Applying power amplification and applying the electrical signal of the positive pulse high voltage component, the anode member, the cathode member, a floating electrode member disposed between the anode member and the cathode member, and an aqueous solution An electric double layer is formed at the interface, and by applying an electrical signal of the DC positive voltage component, the aqueous solution in the vicinity of the anode member interface, the cathode member interface, and the floating electrode member interface is allowed to undergo an electrochemical reaction. Features.
[0022]
According to this configuration, only when the voltage corresponding to the pulse width of the positive pulse high voltage component is applied between the anode member and the cathode member, the anion of the aqueous solution is transferred to the anode member surface and the cathode member side of the floating electrode member. By attracting cations in the aqueous solution to the surface of the cathode member and the anode member side surface of the floating electrode member on the surface, an electric double layer is formed at the interface with the aqueous solution, and immediately after that, a positive DC voltage is applied. An electrochemical reaction can be performed in a state where a double layer is formed.
[0023]
In particular, when the floating electrode member is arranged between the anode member and the cathode member and is installed in an electrically floating state, when an electric signal of a positive pulse high voltage component is applied, the floating electrode member is electrically connected to both sides of the floating electrode member. Since the double layer is formed, the capacitance of the electric double layer in terms of the circuit is increased and the amount of stored charge is increased as compared with the case where the floating electrode member is not disposed. As a result, the voltage value of the electrical signal of the direct current positive voltage component applied after application of the electrical signal of the positive pulse high voltage component can be set higher than in the case of only the anode member and the cathode member.
[0024]
Further, since the voltage of the floating electrode member is determined by the DC positive voltage component value applied to the electrode material and the anode member, the voltage value of the electric signal of the DC positive voltage component should be set to a predetermined value in consideration of these. That's fine. By setting in this way, an electrochemical reaction can be controlled between the voltage of the floating electrode member and the voltage of the anode member with respect to the aqueous solution between the floating electrode member and the anode member.
[0025]
The electrochemical reaction control method according to the next invention further measures a voltage waveform between the floating electrode member and the cathode member, and an electric signal of only a DC positive voltage component before and after the positive pulse high voltage component is applied. The DC positive voltage component value of the electric signal applied so that the voltage between the floating electrode member and the cathode member at a time becomes a predetermined value is varied.
[0026]
According to this configuration, by measuring the voltage waveform of the floating electrode member and varying the voltage value of the DC positive voltage component, the electrical signal applied so that the voltage before and after the positive pulse high voltage component becomes a predetermined value is generated. It can be set. For this reason, by setting a DC positive voltage component targeting ions that undergo many electrochemical reactions at a predetermined voltage value, the target ions can be electrochemically reacted in preference to other ions. For example, by setting a DC positive voltage component to a voltage value that efficiently generates active species suitable for decomposition with respect to wastewater containing environmental hormones, environmental hormones can be easily decomposed and removed. .
[0027]
The electrochemical reaction control method according to the next invention further sets a voltage value applied between the floating electrode member and the cathode member, and sets a voltage value set between the floating electrode member and the cathode member. Is applied.
[0028]
According to this configuration, an electrochemical reaction in the vicinity of the interface of the floating electrode member can be controlled by applying a voltage value set between the floating electrode member and the cathode member. It becomes like this.
[0029]
The electrochemical reaction control method according to the next invention further measures the current waveform of the electric signal after power amplification, and the electric signal of only the DC positive voltage component before and after the positive pulse high voltage component is applied. The DC positive voltage component value of the electric signal to be applied is varied so that the current value becomes a value close to zero.
[0030]
According to this configuration, there is no power consumption when the current value is 0. For example, even when the current value is close to 0, such as several mA, the power consumption is considerably reduced and the cost of the electrochemical reaction is reduced. I can do it.
[0031]
In the electrochemical reaction control method according to the next invention, the positive pulse high-voltage component has a pulse width and a peak voltage at which the electric double layer is formed, or is sufficient for the electric double layer to be formed. It is preferable to have a pulse width of 100 milliseconds or less, which is the time.
[0032]
According to this configuration, an electric field can be generated inside the aqueous solution to efficiently attract ions serving as reaction precursors to the electrode surface, and further, charges corresponding to the capacitance of the electric double layer can be accumulated in the electrode.
[0033]
Since the formation of the electric double layer after the voltage is applied to the electrode occurs with the movement of ions in the aqueous solution, the time until the electric double layer is formed depends on the pH, conductivity, Depending on the ion species and concentration, it has been confirmed by experiments that the time is from microseconds to several tens of milliseconds. Moreover, since the electric shield by the electric double layer is insufficient within this time, an electric field is applied to the inside of the aqueous solution, and the mass transfer of the reaction precursor can be promoted.
[0034]
Therefore, if a pulse high voltage of microseconds to several tens of milliseconds, which is a time width until the electric double layer is formed, is applied, an electric field is generated inside the aqueous solution and ions serving as reaction precursors are efficiently applied to the electrode surface. In addition, charges corresponding to the electrostatic capacity of the electric double layer can be accumulated in the electrode.
[0035]
The DC positive voltage component is applied between the two positive pulse high voltage components, and the reaction precursor collected near the interface between the electrode member and the aqueous solution is reduced by concentration diffusion from the vicinity of the interface into the aqueous solution. And a voltage necessary for an electrochemical reaction. Further, the superposition of the positive pulse high voltage component and the DC positive voltage component is generated by superimposing the function waveforms of the respective components or by alternately outputting the respective components. Also good. Furthermore, it is preferable that the voltage of the anode member or the voltage of the floating electrode member has at least an electrochemical potential suitable for the intended reaction generation by the DC positive voltage component.
[0036]
The electrochemical reaction control method according to the next invention is characterized in that at least one of Mg ions, Zn ions or Ca ions is injected into an aqueous solution to be treated to cause an electrochemical reaction.
[0037]
According to this configuration, since at least one of Mg ion, Zn ion, or Ca ion can coexist in the aqueous solution to be treated, reaction generation is promoted by these ions, and the generated oxidant (oxidation activity) Seeds) can also be maintained stably.
[0038]
In the electrochemical reaction control method according to the next invention, an ore containing at least one of Mg, Zn or Ca, or a compound containing these elements is put into a reaction vessel, and Mg ions, Zn ions or Ca ions are introduced. It is characterized in that at least one of the above is eluted in the aqueous solution to be treated. The ore may be Ioishi (scientific name: quartz diorite), Mugi-ishi (scientific name: quartz porphyry), tourmaline (scientific name: tourmaline), Soraishi (scientific name: Sanba metamorphic rock), and the like.
[0039]
According to this configuration, since at least one of Mg ions, Zn ions, or Ca ions can coexist in the aqueous solution to be treated, reaction generation is promoted by these ions. The produced oxidant (oxidation active species) can also be stably maintained.
[0040]
further,Next electricityThe chemical reaction apparatus comprises a reaction tank for storing an aqueous solution to be treated, an anode member installed in the reaction tank, a cathode member installed in the reaction tank, a positive pulse high voltage component, and a DC positive voltage component. A function generator that generates a superimposed electrical signal; and a power amplifier that amplifies and applies the electrical signal between the anode member and the cathode member, the positive pulse high-voltage component By applying an electric signal, an electric double layer is formed at the interface between the anode member, the cathode member and the aqueous solution, and by applying an electric signal of the DC positive voltage component, the vicinity of the anode member and the vicinity of the cathode member are formed. An aqueous solution is electrochemically reacted.
[0041]
According to this configuration, the anions of the aqueous solution in the reaction tank are attracted to the surface of the anode member by the applied positive pulse high voltage only during the pulse time width of the positive pulse high voltage component, and the electric ions are A multilayer is formed, and immediately after that, an anion attracted by applying a positive DC voltage can be electrochemically reacted before it is reduced in the aqueous solution by concentration diffusion. Accordingly, it is possible to reduce the waste of supplied power due to overvoltage and to generate a desired substance more efficiently.
[0042]
The electrochemical reaction apparatus according to the next invention includes a reaction tank for storing an aqueous solution to be treated, an anode member installed in the reaction tank, a cathode member installed in the reaction tank, the anode member, and the cathode member. Between the floating electrode member arranged between the positive electrode high voltage component and the DC positive voltage component to generate an electric signal, and between the anode member and the cathode member. A power amplifier that amplifies and applies a signal to the electric double layer at the interface between the anode member, the cathode member, the floating electrode member, and the aqueous solution by applying an electric signal of the positive pulse high voltage component By applying the electrical signal of the DC positive voltage component, the aqueous solution in the vicinity of the anode member interface, the cathode member interface, and the floating electrode member interface is electrically Characterized in that it is Manabu reaction.
[0043]
According to this configuration, only when the voltage corresponding to the pulse width of the positive pulse high voltage component is applied between the anode member and the cathode member, the anion of the aqueous solution is transferred to the anode member surface and the cathode member side of the floating electrode member. By attracting cations in the aqueous solution to the surface of the cathode member and the anode member side surface of the floating electrode member on the surface, an electric double layer is formed at the interface with the aqueous solution, and immediately after that, a positive DC voltage is applied. An electrochemical reaction can be performed in a state where a double layer is formed.
[0044]
In particular, since the floating electrode member is disposed between the anode member and the cathode member so as to be electrically floating, an electric double layer is formed on both sides of the floating electrode member when an electric signal of a positive pulse high voltage component is applied. As compared with the case where the floating electrode member is not disposed, the electrostatic capacity of the electric double layer in terms of the circuit is increased, and the amount of stored charge is increased. As a result, the voltage value of the electrical signal of the direct current positive voltage component applied after application of the electrical signal of the positive pulse high voltage component can be set higher than in the case of only the anode member and the cathode member.
[0045]
The electrochemical reaction apparatus according to the next invention further includes a voltage waveform measuring instrument for measuring a voltage waveform between the floating electrode member and the cathode member, and the function generator is arranged before and after the positive pulse high voltage component. The DC positive voltage component value applied so that the voltage between the floating electrode member and the cathode member when the electric signal of only the DC positive voltage component is applied becomes a predetermined value is varied. An electrical signal is generated.
[0046]
According to this configuration, by measuring the voltage waveform of the floating electrode member and varying the voltage value of the DC positive voltage component, the electrical signal applied so that the voltage before and after the positive pulse high voltage component becomes a predetermined value is generated. It can be set. For this reason, by setting a DC positive voltage component targeting ions that undergo many electrochemical reactions at a predetermined voltage value, the target ions can be electrochemically reacted in preference to other ions. For example, by setting a DC positive voltage component to a voltage value that efficiently generates active species suitable for decomposition with respect to wastewater containing environmental hormones, environmental hormones can be easily decomposed and removed. .
[0047]
The electrochemical reaction apparatus according to the next invention further sets a voltage value applied between the floating electrode member and the cathode member, and sets a voltage value set between the floating electrode member and the cathode member. It has a voltage generator to be applied, and a high resistor connected between the floating electrode member and the voltage generator.
[0048]
According to this configuration, an electrochemical reaction in the vicinity of the interface of the floating electrode member can be controlled by applying a voltage value set between the floating electrode member and the cathode member. It becomes like this.
[0049]
An electrochemical reaction apparatus according to the next invention has a current waveform measuring instrument for measuring a current waveform of an electric signal whose power has been amplified, and the function generator has an electric current of only a DC positive voltage component before and after a positive pulse high voltage component. The electrical signal is generated by varying a DC positive voltage component value so that a current value when a signal is applied becomes a value close to zero.
[0050]
According to this configuration, there is no power consumption when the current value is 0, and even if the current value is not at least 0, even if the current value is close to 0, such as several mA, the power consumption is considerably reduced. In addition, the amount of electric power applied for the electrochemical reaction can be reduced, and the cost of the electrochemical reaction can be reduced.
[0051]
In the electrochemical reaction apparatus according to the next invention, the function generator generates the positive pulse high voltage component having a pulse width and a peak voltage at which an electric double layer is formed at an electrode member and an aqueous solution interface, or the electric generator The positive pulse high voltage component having a pulse width of 100 milliseconds or less, which is a sufficient time for forming the double layer, is generated.
[0052]
According to this configuration, an electric field is generated inside the aqueous solution by applying a positive pulse high voltage only for microseconds to several tens of milliseconds, which is a time width until the electric double layer is formed, and the reaction precursor is efficiently generated. It is possible to attract ions serving as a body to the surface of the electrode, and further, charge corresponding to the capacitance of the electric double layer can be accumulated in the electrode. Thereafter, during the time when the electrochemical reaction is caused by the applied DC positive voltage component, the high voltage is not applied, so that the power consumption can be suppressed.
[0053]
The electrochemical reaction apparatus according to the next invention includes a cathode-side inflow means for introducing an aqueous solution into the reaction vessel from between the cathode member and the floating electrode member, and the introduced aqueous solution includes the floating electrode member and the anode member. And anode-side outflow means for outflowing out of the reaction tank.
[0054]
According to this configuration, since the aqueous solution between the anode member and the floating electrode member serving as a reaction field is forcibly circulated, the reaction efficiency is increased.
[0055]
The electrochemical reaction apparatus according to the next invention includes anode-side inflow means for introducing an aqueous solution into the reaction vessel from between the anode member and the floating electrode member, and the introduced aqueous solution includes the floating electrode member and the cathode member. And cathode-side outflow means for outflowing out of the reaction tank.
[0056]
According to this configuration, since the aqueous solution between the anode member and the floating electrode member serving as a reaction field is forcibly circulated, the reaction efficiency is increased.
[0057]
The electrochemical reaction apparatus according to the next invention is characterized in that the floating electrode member is disposed closer to the anode member than an intermediate position between the anode member and the cathode member.
[0058]
According to this configuration, the electric field strength between the anode member and the floating electrode member can be made higher than the electric field strength between the floating electrode member and the cathode member. Therefore, the reaction between the anode member and the floating electrode member can be actively advanced while suppressing the reaction between the floating electrode member and the cathode member.
[0059]
In the electrochemical reaction device of the present invention, the anode member and the cathode member are formed in a flat plate shape, arranged in parallel with each other, or the anode member and the cathode member are formed in a cylindrical shape, and the cathode member May be arranged at the center, the anode members may be arranged concentrically in cross section on the outer peripheral side, and may be arranged axisymmetrically with each other.
[0060]
Further, the electrochemical reaction device of the present invention has a flat plate shape of the anode member, the cathode member, and the floating electrode member, and is arranged in parallel with each other, or the anode member, the cathode member, and the The floating electrode member has a cylindrical shape, the cathode member is disposed in the center, the floating electrode member is disposed concentrically on the outer peripheral side of the cathode member, and is further concentric in cross section on the outer peripheral side of the floating electrode member Alternatively, the anode members may be arranged in a shape and arranged symmetrically with respect to each other.
[0061]
Each electrode member is preferably arranged in a cylindrical shape rather than in a flat plate shape. By adopting the cylindrical shape, the area volume of the anode member and the floating electrode member located on the outer peripheral portion can be made larger than the area volume of the floating electrode member and the cathode member. This is because it is possible to increase the volume of the region that causes the electrochemical reaction between the two. In addition, the cylindrical shape may have a cross-sectional shape such as a circle or an ellipse.
[0062]
The electrochemical reaction apparatus according to the next invention is characterized in that a liquid circulation hole is provided in the anode member. In particular, the liquid circulation hole preferably has a mesh structure for the anode member.
[0063]
According to this configuration, it is possible to facilitate circulation of the aqueous solution between the anode member serving as a reaction field and the floating electrode member, so that the reaction efficiency is increased.
[0064]
The function generator is configured such that the reaction precursor collected in the vicinity of the interface between the electrode member and the aqueous solution is diffused from the vicinity of the interface into the aqueous solution between the two positive pulse high voltage components. Therefore, it is preferable to apply a voltage value for preventing the decrease and causing an electrochemical reaction as the DC positive voltage component. The function generator may generate the electrical signal by superimposing the function waveforms of the positive pulse high voltage component and the direct current positive voltage component, or the positive pulse high voltage component and the direct current positive voltage component. The positive pulse high voltage component and the DC positive voltage component may be superimposed so that the electrical signal is generated by alternately outputting each component. Further, the function generator is configured to output the electric signal so that the voltage of the anode member or the voltage of the floating electrode member becomes an electrochemical potential suitable for target reaction generation by the DC positive voltage. Preferably it is generated.
[0065]
The electrochemical reaction apparatus according to the next invention is further characterized by having ion implantation means for injecting at least one of Mg ions, Zn ions or Ca ions into the aqueous solution to be treated.
[0066]
According to this configuration, since at least one of Mg ion, Zn ion, or Ca ion can coexist in the aqueous solution to be treated, reaction generation is promoted by these ions, and the generated oxidant (oxidation activity) Seeds) can also be maintained stably.
[0067]
In the electrochemical reaction apparatus according to the next invention, an ore containing at least one of Mg, Zn, or Ca, or a compound containing these elements is introduced into the reaction vessel, and Mg ions, Zn ions, or Ca are added. It has a charging means for eluting at least one of ions into an aqueous solution to be treated. The ore may be Ioishi (scientific name: quartz diorite), Mugi-ishi (scientific name: quartz porphyry), tourmaline (scientific name: tourmaline), Soraishi (scientific name: Sanba metamorphic rock), and the like.
[0068]
According to this configuration, since at least one of Mg ions, Zn ions, or Ca ions can coexist in the aqueous solution to be treated, reaction generation is promoted by these ions. The produced oxidant (oxidation active species) can also be stably maintained.
[0069]
In the electrochemical reaction device according to the present invention, the anode member and the floating electrode member may be a conductor formed of platinum or a conductor plated with platinum, and the cathode member may be a conductor formed of copper tungsten. In the electrochemical reaction device according to the present invention, the anode member is a conductor formed of platinum or a conductor plated with platinum, the floating electrode member is a conductor formed of titanium, and the cathode member is formed of copper tungsten. It is good also as a conductor.
[0070]
Furthermore, in the electrochemical reaction apparatus according to the present invention, the anode member and the floating electrode member conductor may be a conductor formed of platinum or a conductor plated with platinum, and the cathode member may be a conductor formed of titanium. In the electrochemical reaction device according to the present invention, the anode member is a conductor formed of titanium, the floating electrode member is a conductor formed of platinum or a conductor plated with platinum, and the cathode member is formed of copper tungsten. It is good also as a conductor. The platinum plating may be applied to a titanium plate.
[0071]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to the drawings. In addition, this invention is not limited by this embodiment.
(Embodiment 1)
Figure 1, RealIt is a figure explaining the concept of the electrochemical reaction apparatus of
[0072]
The
[0073]
The
[0074]
FIG. 2 is a diagram for explaining a superimposed electric signal waveform of a positive pulse high voltage component and a DC positive voltage component. FIG. 3 is a diagram for explaining an electric signal waveform of only a positive pulse high voltage component. As shown in FIG. 2A, the electrical signal waveform obtained by superimposing the positive pulse high voltage component and the DC positive voltage component is the positive pulse height shown in FIG. It is a graph moved to the upper side of the electric signal of only the voltage component. The positive pulse high voltage component needs a predetermined pulse width.
[0075]
This pulse width only needs to have a width corresponding to the time during which the electric double layer is formed. The time during which the electric double layer is formed is the pH and conductivity of the
[0076]
In addition, since the ion mobility increases as the peak voltage of the positive voltage pulse component increases, the electric double layer formation time can be shortened, and the ions constituting the electric double layer can be increased in concentration. It is preferable to set the above. However, at a voltage value that is too high, those that cannot contribute to the electrochemical reaction after application are wasted and diffused to the aqueous solution side, so that the reaction precursor attracted by the electrical signal of the positive pulse high voltage component is not used. It is desirable to set the voltage value, pulse width, and pulse interval according to the treatment solution so that the reaction is consumed as much as possible when an electric signal of a DC positive voltage component is applied.
[0077]
On the other hand, in the case of an electrical signal having only a DC positive voltage component, that is, in the time period until the next positive pulse high voltage is applied, the voltage value of the DC voltage component is sufficient for the target ion to undergo an electrochemical reaction. Therefore, the ions attracted to the surface side of the
[0078]
That is, as shown in FIG. 3B, in the current waveform of only the positive pulse high voltage component, the current value when the positive pulse high voltage is stopped is negative and a reverse current flows. However, as shown in FIG. 2B, the current waveform when the positive pulse high voltage component and the DC positive voltage component are superimposed has a current value when the positive pulse high voltage is stopped due to the DC positive voltage component. It will be controlled to be zero.
[0079]
According to the electrochemical reaction device of
[0080]
(Embodiment 2)
FIG. 4 is a diagram illustrating the concept of the electrochemical reaction device according to the second embodiment of the present invention.
[0081]
The
[0082]
The floating
[0083]
As shown in the figure, when the purpose is to cause an electrochemical reaction on the
[0084]
By arranging the floating
[0085]
Further, since the voltage of the floating
[0086]
According to the electrochemical reaction device of the second embodiment, the ions of the aqueous solution in the reaction vessel are anodeed only when a voltage corresponding to the pulse width of the positive pulse high voltage component is applied between the anode member and the cathode member. By attracting to the surface of the member and applying a positive DC voltage, the attracted ions are collected on the surface of the anode member to form an electric double layer, and an electrochemical reaction can be performed. In particular, since the floating electrode member increases the amount of charge stored in the electrostatic capacitance of the electric double layer, the voltage value of the electric signal of the DC positive voltage component applied after the application of the electric signal of the positive pulse high voltage component is changed to the anode member. In comparison with the case of using only the cathode member, it can be made to react with a substance requiring a high voltage for an electrochemical reaction with a small amount of electric power. Therefore, this electrochemical reaction device can be configured to consume power when an electric signal of a positive pulse high voltage component is applied, so that the electrochemical reaction can be carried out at a low cost.
[0087]
(Embodiment 3)
FIG. 5 is a diagram illustrating the concept of the electrochemical reaction device according to
[0088]
The diameters of the
[0089]
The
[0090]
The floating
[0091]
When the purpose is to cause an electrochemical reaction on the
[0092]
Further, since the voltage of the floating
[0093]
Moreover, in this
[0094]
According to the electrochemical reaction apparatus of the third embodiment, the ions in the aqueous solution in the reaction vessel are anodeed only when a voltage corresponding to the pulse width of the positive pulse high voltage component is applied between the anode member and the cathode member. By attracting to the surface of the member and applying a positive DC voltage, the attracted ions are collected on the surface of the anode member to form an electric double layer, and an electrochemical reaction can be performed.
[0095]
In particular, since the floating electrode member increases the amount of charge stored in the electrostatic capacitance of the electric double layer, the voltage value of the electric signal of the DC positive voltage component applied after the application of the electric signal of the positive pulse high voltage component is changed to the anode member. In comparison with the case of using only the cathode member, it can be made to react with a substance requiring a high voltage for an electrochemical reaction with a small amount of electric power. Further, since each electrode has a cylindrical shape, the volume of the reaction field can be increased as compared with a flat plate shape, and an electrochemical reaction can be performed efficiently. Therefore, this electrochemical reaction device can be configured to consume power when an electric signal of a positive pulse high voltage component is applied, so that the electrochemical reaction can be carried out at a low cost.
[0096]
(Embodiment 4)
FIG. 6 is a diagram for explaining the concept of the electrochemical reaction device according to
[0097]
The
[0098]
The
[0099]
The floating
[0100]
Since the voltage of the floating
[0101]
In addition, you may apply to the cylindrical electrode member structure type | mold of
[0102]
According to the electrochemical reaction apparatus of the fourth embodiment, the ions of the aqueous solution in the reaction vessel are anodeed only when a voltage corresponding to the pulse width of the positive pulse high voltage component is applied between the anode member and the cathode member. By attracting to the surface of the member and applying a positive DC voltage, the attracted ions are collected on the surface of the anode member to form an electric double layer, and an electrochemical reaction can be performed. In particular, since the floating electrode member increases the amount of charge stored in the electrostatic capacitance of the electric double layer, the voltage value of the electric signal of the DC positive voltage component applied after the application of the electric signal of the positive pulse high voltage component is changed to the anode member. In comparison with the case of using only the cathode member, it can be made to react with a substance requiring a high voltage for an electrochemical reaction with a small amount of electric power.
[0103]
Further, since the voltage value of the DC positive voltage component can be varied based on the voltage waveform of the floating
[0104]
(Embodiment 5)
FIG. 7 is a diagram illustrating the concept of the electrochemical reaction device according to the fifth embodiment of the present invention.
[0105]
The
[0106]
Therefore, the
[0107]
Further, since the voltage of the floating
[0108]
In addition, you may apply to the cylindrical electrode member structure type | mold of
[0109]
According to the electrochemical reaction device of the fifth embodiment, the ions of the aqueous solution in the reaction vessel are anodeed only when a voltage corresponding to the pulse width of the positive pulse high voltage component is applied between the anode member and the cathode member. By attracting to the surface of the member and applying a positive DC voltage, the attracted ions are collected on the surface of the anode member to form an electric double layer, and an electrochemical reaction can be performed.
[0110]
In particular, since the floating electrode member increases the amount of charge stored in the electrostatic capacitance of the electric double layer, the voltage value of the electric signal of the DC positive voltage component applied after the application of the electric signal of the positive pulse high voltage component is changed to the anode member. In comparison with the case of using only the cathode member, it can be made to react with a substance requiring a high voltage for an electrochemical reaction with a small amount of electric power. In addition, since there is no power consumption when the current value is 0, the amount of power given for the electrochemical reaction can be reduced by controlling the current waveform, and the cost of the electrochemical reaction can be reduced. Therefore, this electrochemical reaction device can be configured to consume power when an electric signal of a positive pulse high voltage component is applied, so that the electrochemical reaction can be carried out at a low cost.
[0111]
Next, Experimental Examples 1 to 4 will be described. FIG. 8 is a graph showing Example 1 of the electrochemical reaction device of the present invention. This experimental example 1 is under the following conditions in the configuration of the second embodiment. The
[0112]
FIG. 8A shows a graph of floating electrode-cathode voltage / time. FIG. 8B shows a graph of voltage / time between the anode and the floating electrode. In this case, a positive pulse high voltage of 40 [V] is applied while changing the pulse width, and 4 [V] is superimposed as a DC positive voltage component.
[0113]
The curve α has a pulse width of 1 [μsec]. The curve β has a pulse width of 2 [μsec]. The curve γ has a pulse width of 4 [μsec]. That is, in both cases (a) and (b), the voltage of the floating
[0114]
FIG. 9 is a graph showing Experimental Example 2 of the electrochemical reaction device of the present invention. In this graph, a positive pulse high voltage component was applied at a peak voltage value of 40 [V], a pulse width of 1 [μsec], and a frequency of 50 [KHz], and a direct current positive voltage component was applied at a voltage value of 4 [V]. The circuit current measurement result is shown.
[0115]
As shown by the curve α, it can be seen that by applying 4 [V] as the DC positive voltage component, the circuit current can be made zero except for the pulse high voltage application. In this case, the floating electrode member voltage is about 2 [V] as can be seen from FIG. Therefore, for example, if the floating electrode member is placed at a position of 1 [cm] from the anode member and 3 [cm] from the cathode member, the electric field strength in the time zone other than the application of the positive pulse voltage is the anode member-floating electrode member. Electric field strength between: E = (4 [V] -2 [V]) / 1 [cm] = 2 [V / cm], electric field strength between floating electrode member and cathode member: E = 2 [V] / 3 [cm] = 0.7 [V / cm]. Therefore, in the electric field strength during the electrochemical reaction, the gap between the anode member and the floating electrode member can be maintained higher than that between the floating electrode member and the cathode member. As a result, compared with the floating electrode member-cathode member, between the anode member and the floating electrode member, an electrochemical reaction is caused while suppressing diffusion of the reaction precursor attracted by the positive pulse high voltage to the treatment liquid side. I can do it. When the floating electrode member is arranged closer to the anode member, the difference becomes more remarkable.
[0116]
Next, the result of measuring the influence of the reaction product on the treatment liquid side by this treatment method will be described. FIG. 10 is a graph showing Experimental Example 3 of the electrochemical reaction device of the present invention. FIG. 10A shows a titanium platinum plated plate as the anode member, a titanium platinum plated plate as the floating electrode member, a copper tungsten plate as the cathode member, and a positive pulse high voltage of 40 [V] with a pulse width of 1 [μsec], It is a graph which shows the experimental result which applied at 50 [KHz] and applied 4 [V] as a direct-current positive voltage component. In FIG. 10B, the anode member is a titanium platinum plated plate, the floating electrode member is a titanium plate, the cathode member is a copper tungsten plate, and a pulse high voltage of 40 [V] is applied to a pulse width of 1 [μsec], 50 [ It is a graph which shows the experimental result which applied by 4 KHz] and applied 4 [V] as a DC positive voltage component. The oxidation-reduction potential of the treatment liquid was measured with an Ag-AgCl type. Curve α represents the redox potential, and curve β represents pH.
[0117]
In either case, the influence on pH can be suppressed in a short time, and only the oxidation-reduction potential (Ag-Cl) can be increased. That is, a large amount of oxidant can be generated in the treatment liquid. In this experiment, since saline solution is used, chlorine ions are present in the solution. Therefore, in normal electrolysis by direct current, chlorine gas is generated at the anode by the reaction of
[0118]
2Cl-= Cl2(Gas) + 2e-
Standard electrode potential in aqueous solution: 1.3583 [V] (Formula 1)
In the treatment liquid in this experiment, Cl- ions and OH- ions exist as negative ions, but the equivalent ion conductivity in the aqueous solution is different between these two ions as follows. When applied, OH- ions can approach the electrode surface nearly three times faster.
[0119]
Therefore, in this method, it is considered that an electrochemical reaction involving OH- ions is promoted, and as one of them, an OH radical is formed in the vicinity of 2 [V] by the following reaction on the anode surface.
[0120]
OH-= OH + e-
Standard electrode potential in aqueous solution: 1.985 [V] (Formula 2)
Therefore, according to this experimental example, OH in the treatment liquid at a positive pulse high voltage.-Ions are replaced with other, for example Cl-Oxidation active species, such as OH radicals, collected in the anode member and the cathode member side of the floating electrode member preferentially over ions, etc., and the potential in the time zone other than when the pulse high voltage is applied to the anode member and floating electrode member The reaction can be selectively caused by setting it higher than the standard electrode potential at which is formed.
[0121]
Next, using the electrochemical reaction apparatus of the present invention, in order to grasp the decomposition performance of environmental pollutants, dichlorophenol, which is one of the simulated substances in examining the treatment with organic chlorine compounds, is an aqueous solution. An experiment was conducted to dissolve it and grasp the removal performance.
[0122]
(1) In the structure of the first embodiment, the electrode structure uses a titanium platinum plated plate as an anode member and a copper tungsten plate as a cathode member. The applied voltage was a positive pulse high voltage of 40 [V], the pulse width was 1 [μsec], and 50 [KHz]. Furthermore, the DC positive voltage component was 2 [V]. As a result, dichlorophenol in the treatment liquid became 11.44 [mg / L] → 10 minutes treatment, 3.93 [mg / L].
[0123]
(2) In the structure of the second embodiment, the electrode structure is such that the anode member is a titanium platinum plated plate, the floating electrode member is a titanium platinum plated plate, and the cathode member is a copper tungsten plate. Further, a positive pulse high voltage of 40 [V] was applied with a pulse width of 1 [μsec] and 50 [KHz], and 4 [V] was applied as a DC positive voltage component. As a result, dichlorophenol was 15.9 [mg / L] → 10 minutes treatment: 3.41 [mg / L].
[0124]
From the above, it can be seen that organochlorine compounds such as dichlorophenol can be easily treated. In addition, more efficient processing is possible by using the floating electrode member. Similarly, it can be applied to oxidative decomposition treatment of organic matter, ammonia, etc., not only environmental hormone treatment, but also wastewater treatment, landfill wastewater treatment, human waste treatment, livestock treatment, etc. containing organic matter, ammonia, etc. It can be used as a wastewater treatment method for manure treatment, food processing waste liquid, factory waste liquid and the like.
[0125]
FIG. 11 is a graph showing Experimental Example 4 of the electrochemical reaction device of the present invention. This Experimental Example 4 shows the difference due to the difference in electrode material. In the cases shown in FIGS. 11A and 11B, the influence on the pH (curve β) can be suppressed, and the oxidation-reduction potential (curve α) of the treatment liquid can be set to the reduction side along with the treatment time. In the case of the electrode structure (a), the anode member was a titanium plate, the floating electrode member was a titanium platinum plated plate, and the cathode member was a copper tungsten plate. In the case of (b), in the electrode structure, the anode member was a titanium platinum plated plate, the floating electrode member was a titanium platinum plated plate, and the cathode member was a titanium plate.
[0126]
In either case, the effect on pH can be suppressed and the redox potential can be lowered. That is, the production of the reductant can be promoted more efficiently than the production of the oxidant. Therefore, by using the electrochemical reaction device of the present invention, it is possible to control the generation of an oxidant and a reductant necessary for an aqueous solution reaction by suppressing the fluctuation of pH in the aqueous solution by selecting an electrode material. It can be used in fields where various electrochemical reactions are applied.
[0127]
FIG. 12 is a view for explaining a modification of the anode member of the electrochemical reaction device of the present invention. (A) is
[0128]
According to the first and second modified examples, since the anode member is provided with the hole, the aqueous solution between the anode member and the floating electrode member serving as the reaction field can be discharged through the hole of the anode member. The aqueous solution can be easily exchanged, and the reaction efficiency is increased. In the first and second modifications, the case of the flat plate-shaped anode member described in the second embodiment has been described. However, the present invention can be similarly applied to the cylindrical anode member of the third embodiment. it can. For example, even if the side surface of the cylinder has a mesh structure, the same effects as those of the first and second modifications are obtained.
[0129]
(Embodiment 6)
In the electrochemical reaction apparatus of the sixth embodiment, the inflow liquid into the reaction tank is injected from between the cathode member and the floating electrode member, and the liquid passing between the cathode member and the floating electrode member in the reaction tank is the floating electrode. The circulation process is structured such that it flows between the member and the anode member and flows out of the reaction vessel. The inflow liquid to the reaction tank is injected from between the anode member and the floating electrode member, and the liquid that has passed between the anode member and the floating electrode member in the reaction tank flows between the floating electrode member and the cathode member. It is good also as a structure made to flow out. Similarly, in the case of a cylindrical electrode structure, a structure in which the treatment liquid is forcedly circulated can be employed. Hereinafter, description will be given with reference to the drawings.
[0130]
FIG. 13 is a diagram for explaining the concept of the electrochemical reaction device according to the sixth embodiment of the present invention.
[0131]
Further, there are features in a
[0132]
The water supply channel and the drainage channel may be reversed. At this time, the water supply channel supplies water between the
[0133]
Therefore, according to the electrochemical reaction device of the sixth embodiment, the aqueous solution in the vicinity of the anode member serving as the reaction field is forcibly circulated, so that the reaction efficiency is increased.
[0134]
(Embodiment 7)
This
[0135]
FIG. 14 is a graph showing an experimental example of the electrochemical reaction device of the present invention. MgCl in the processing solution2, ZnCl2, CaCl210 [mmol] was added, and the influence of coexisting ions was confirmed. In the electrode structure, the anode member was a titanium platinum plated plate, the floating electrode member was a titanium platinum plated plate, and the cathode member was a copper tungsten plate. In addition, the electrolysis is performed by applying a positive pulse high voltage of 40 [V] as an applied voltage, a pulse width of 1 [μsec], 50 [KHz], and a DC positive voltage component of 4 [V] for 3 minutes, and then the electrolysis is stopped. Then, the time change of the oxidation-reduction potential of the treatment liquid was measured while stirring the treatment liquid.
[0136]
CaCl in curve β than in the case of no addition of curve α2, MgCl of curve γ2, ZnCl of curve δ2It can be seen that the decrease in the oxidation-reduction potential after the electrolysis was stopped is maintained for a long time. Therefore, by causing Mg ions, Zn ions, and Ca ions to coexist in the treatment liquid, the reaction generation is promoted, and the generated oxidant (oxidation active species) can be stably maintained. Alternatively, an ore containing Mg, Zn or Ca or a compound containing these elements may be introduced into the treatment liquid so that each ion is dissolved little by little.
[0137]
(Embodiment 8)
FIG. 15 is a diagram for explaining the concept of the electrochemical reaction device according to the eighth embodiment of the present invention.
[0138]
The
[0139]
Further, when a voltage is applied between the
[0140]
Further, the
[0141]
In the
[0142]
According to the electrochemical reaction apparatus of the eighth embodiment, the ions of the aqueous solution in the reaction tank are anodeed only when a voltage corresponding to the pulse width of the positive pulse high voltage component is applied between the anode member and the cathode member. By attracting to the surface of the member and applying a positive DC voltage, the attracted ions are collected on the surface of the anode member to form an electric double layer, and an electrochemical reaction can be performed. In particular, since the floating electrode member increases the amount of charge stored in the electrostatic capacitance of the electric double layer, the voltage value of the electric signal of the DC positive voltage component applied after the application of the electric signal of the positive pulse high voltage component is changed to the anode member. In comparison with the case of using only the cathode member, it can be made to react with a substance requiring a high voltage for an electrochemical reaction with a small amount of electric power. Therefore, this electrochemical reaction device can be configured to consume power when an electric signal of a positive pulse high voltage component is applied, so that the electrochemical reaction can be carried out at a low cost.
[0143]
Furthermore, according to the electrochemical reaction device of the eighth embodiment, since the voltage is set by the
[0144]
The
[0146]
【The invention's effect】
As explained above, according to the electrochemical reaction control method of the present invention,An electric signal obtained by superimposing a positive pulse high voltage component and a DC positive voltage component is applied between the anode member and the cathode member installed in the reaction tank for storing the aqueous solution to be treated, and the positive signal is applied. By applying an electric signal of a pulse high voltage component, an electric double layer is formed at the interface between the anode member, the cathode member, the floating electrode member disposed between the anode member and the cathode member, and the aqueous solution. Since the aqueous solution in the vicinity of the anode member interface, in the vicinity of the cathode member interface, and in the vicinity of the floating electrode member interface is subjected to an electrochemical reaction by applying an electric signal of the DC positive voltage component, a pulse of a positive pulse high voltage component Only when a voltage corresponding to the width is applied between the anode member and the cathode member, the anion in the aqueous solution is transferred to the anode member surface and the cathode of the floating electrode member. By attracting cations in the aqueous solution to the cathode member surface and the anode member side surface of the floating electrode member on the material side surface, forming an electric double layer at the interface with the aqueous solution, and immediately after that applying a DC positive voltage In the state where the electric double layer is formed, there is an effect that an electrochemical reaction can be performed.
[0147]
In particular, since the floating electrode member is disposed between the anode member and the cathode member so as to be electrically floating, an electric double layer is formed on both sides of the floating electrode member when an electric signal of a positive pulse high voltage component is applied. Therefore, the amount of electric charge stored in the electrostatic capacitance due to the electric double layer in terms of circuit increases as compared with the case where no floating electrode member is arranged. As a result, there is an effect that the voltage value of the DC positive voltage component electric signal applied after application of the positive pulse high voltage component electric signal can be set higher than in the case of only the anode member and the cathode member.
[0148]
According to the electrochemical reaction control method according to the next invention, the voltage waveform between the floating electrode member and the cathode member is further measured, and an electric signal of only a DC positive voltage component before and after the positive pulse high voltage component is obtained. Since the DC positive voltage component value of the electric signal applied so that the voltage between the floating electrode member and the cathode member when applied is a predetermined value is variable, the voltage waveform of the floating electrode member By measuring the above and varying the voltage value of the DC positive voltage component, there is an effect that the electric signal can be set so that the voltage before and after the positive pulse high voltage component becomes a predetermined value. Therefore, by setting a DC positive voltage component targeting ions that undergo many electrochemical reactions at a predetermined voltage value, the target ions can be electrochemically reacted in preference to other ions. . For example, it is possible to easily decompose and remove environmental hormones by setting a DC positive voltage component to a voltage value that efficiently generates active species suitable for decomposition with respect to wastewater containing environmental hormones. .
[0149]
According to the electrochemical reaction control method of the next invention, a voltage value to be applied between the floating electrode member and the cathode member is further set, and is set between the floating electrode member and the cathode member. Since a voltage value is applied, a voltage value set between the floating electrode member and the cathode member is applied, thereby controlling an electrochemical reaction in the vicinity of the interface of the floating electrode member. There is an effect that can be.
[0150]
According to the electrochemical reaction control method according to the next invention, the current waveform of the electric signal amplified further is measured, and the electric signal of only the DC positive voltage component before and after the positive pulse high voltage component is applied. Since the DC positive voltage component value of the electric signal to be applied is varied so that the current value at the time becomes close to zero, there is no power consumption when the current value is 0, for example, several mA, etc. Thus, even if the value is close to 0, the power consumption is considerably reduced, and the cost of the electrochemical reaction can be reduced.
[0151]
According to the electrochemical reaction control method of the next invention, the positive pulse high voltage component has a pulse width and a peak voltage at which the electric double layer is formed, or the electric double layer is formed. Since it has a pulse width of 100 milliseconds or less, which is a sufficient time, an electric field is generated inside the aqueous solution to efficiently attract ions as reaction precursors to the electrode surface, and further, the electrostatic capacity component of the electric double layer There is an effect that the electric charge can be accumulated in the electrode.
[0152]
The DC positive voltage component is applied between the two positive pulse high voltage components, and the reaction precursor collected near the interface between the electrode member and the aqueous solution is reduced by concentration diffusion from the vicinity of the interface into the aqueous solution. And a voltage necessary for an electrochemical reaction. Further, the superposition of the positive pulse high voltage component and the DC positive voltage component is generated by superimposing the function waveforms of the respective components or by alternately outputting the respective components. Also good. Furthermore, it is preferable that the voltage of the anode member or the voltage of the floating electrode member has at least an electrochemical potential suitable for the intended reaction generation by the DC positive voltage component.
[0153]
According to the electrochemical reaction control method of the next invention, at least one of Mg ions, Zn ions, or Ca ions is injected into the aqueous solution to be treated to cause an electrochemical reaction. Since at least one of these can coexist in the aqueous solution to be treated, reaction generation is promoted by these ions, and the produced oxidant (oxidation active species) can be stably maintained. .
[0154]
According to the electrochemical reaction control method of the next invention, an ore containing at least one of Mg, Zn or Ca, or a compound containing these elements is put into a reaction vessel, and Mg ions, Zn Since at least one of ions or Ca ions is eluted in the aqueous solution to be treated, at least one of Mg ions, Zn ions or Ca ions can coexist in the aqueous solution to be treated. As a result, reaction generation is promoted, and the produced oxidant (oxidation active species) can be stably maintained.
[0156]
According to the electrochemical reaction apparatus of the next invention, a reaction tank for storing the aqueous solution to be treated, an anode member installed in the reaction tank, a cathode member installed in the reaction tank, the anode member, and the A floating electrode member disposed between the cathode member, a function generator for generating an electrical signal in which a positive pulse high voltage component and a DC positive voltage component are superimposed, and between the anode member and the cathode member, A power amplifier for amplifying and applying the electric signal, and applying an electric signal of the positive pulse high voltage component to the interface between the anode member, the cathode member, the floating electrode member, and the aqueous solution. An aqueous solution in the vicinity of the anode member interface, the cathode member interface, and the floating electrode member interface is formed by forming a double layer and applying an electric signal of the DC positive voltage component. Since the electrochemical reaction is performed, the negative ions of the aqueous solution are transferred to the anode member surface and the floating electrode member only when a voltage corresponding to the pulse width of the positive pulse high voltage component is applied between the anode member and the cathode member. At the cathode member side surface, cations in the aqueous solution are attracted to the cathode member surface and the anode member side surface of the floating electrode member to form an electric double layer at the interface with the aqueous solution, and immediately after that, a positive DC voltage is applied. Thus, there is an effect that an electrochemical reaction can be performed in a state where the electric double layer is formed.
[0157]
In particular, since the floating electrode member is disposed between the anode member and the cathode member so as to be electrically floating, an electric double layer is formed on both sides of the floating electrode member when an electric signal of a positive pulse high voltage component is applied. As compared with the case where the floating electrode member is not disposed, the electrostatic capacity of the electric double layer in terms of the circuit is increased, and the amount of stored charge is increased. As a result, there is an effect that the voltage value of the DC positive voltage component electric signal applied after application of the positive pulse high voltage component electric signal can be set higher than in the case of only the anode member and the cathode member.
[0158]
According to the electrochemical reaction device of the next invention, it further includes a voltage waveform measuring instrument for measuring a voltage waveform between the floating electrode member and the cathode member, and the function generator includes the positive pulse high voltage. The DC positive voltage component value applied so that the voltage between the floating electrode member and the cathode member when the electric signal of only the DC positive voltage component before and after the component is applied becomes a predetermined value is varied. Therefore, the voltage before and after the positive pulse high voltage component is set to a predetermined value by measuring the voltage waveform of the floating electrode member and varying the voltage value of the DC positive voltage component. There is an effect that it is possible to set an electric signal to be applied. Therefore, by setting a DC positive voltage component targeting ions that undergo many electrochemical reactions at a predetermined voltage value, the target ions can be electrochemically reacted in preference to other ions. . For example, it is possible to easily decompose and remove environmental hormones by setting a DC positive voltage component to a voltage value that efficiently generates active species suitable for decomposition with respect to wastewater containing environmental hormones. .
[0159]
According to the electrochemical reaction device of the next invention, a voltage value to be applied between the floating electrode member and the cathode member is further set, and a voltage set between the floating electrode member and the cathode member is set. Since a voltage generator for applying a value and a high resistor connected between the floating electrode member and the voltage generator are provided, the voltage set between the floating electrode member and the cathode member By applying the value, there is an effect that an electrochemical reaction in the vicinity of the interface of the floating electrode member can be controlled.
[0160]
According to the electrochemical reaction apparatus according to the next invention, it has a current waveform measuring instrument for measuring the current waveform of the electric signal whose power has been amplified, and the function generator has only a DC positive voltage component before and after the positive pulse high voltage component. Since the electric signal is generated by changing the DC positive voltage component value so that the current value when the electric signal is applied is close to zero, the power consumption is reduced when the current value is zero. Even if the current value is not at least 0, for example, even if the current value is close to 0, such as several mA, the power consumption can be considerably reduced, and the amount of power given for the electrochemical reaction can be reduced. This can produce an effect of reducing the cost of the electrochemical reaction.
[0161]
According to the electrochemical reaction apparatus according to the next invention, the function generator generates the positive pulse high voltage component having a pulse width and a peak voltage at which an electric double layer is formed at the interface between the electrode member and the aqueous solution, or In order to generate the positive pulse high voltage component having a pulse width of 100 milliseconds or less, which is a sufficient time for forming the electric double layer, the time width until the electric double layer is formed is By applying a pulse high voltage only for a certain microseconds to several tens of milliseconds, an electric field is generated inside the aqueous solution to efficiently attract the ions that are the reaction precursors to the electrode surface, and the capacitance of the electric double layer Can be accumulated in the electrode. Thereafter, a high voltage is not applied during the time when an electrochemical reaction is caused by the applied DC positive voltage component, so that it is possible to suppress power consumption.
[0162]
According to the electrochemical reaction apparatus of the next invention, the cathode side inflow means for introducing the aqueous solution into the reaction vessel from between the cathode member and the floating electrode member, and the introduced aqueous solution is the floating electrode member and the anode. An anode-side outflow means that flows out of the reaction tank through between the members, and forcibly circulating the aqueous solution between the anode member serving as the reaction field and the floating electrode member, It has the effect of increasing the reaction efficiency.
[0163]
According to the electrochemical reaction apparatus of the next invention, the anode side inflow means for flowing the aqueous solution into the reaction vessel from between the anode member and the floating electrode member, and the introduced aqueous solution is the floating electrode member and the cathode Cathode-side outflow means that flows out of the reaction tank through between the members, so as to forcibly circulate the aqueous solution between the anode member serving as the reaction field and the floating electrode member, It has the effect of increasing the reaction efficiency.
[0164]
According to the electrochemical reaction apparatus of the next invention, the floating electrode member is arranged closer to the anode member than the intermediate position between the anode member and the cathode member, so that the electric field between the anode member and the floating electrode member is There is an effect that the strength can be higher than the electric field strength between the floating electrode member and the cathode member. Therefore, there is an effect that the reaction between the anode member and the floating electrode member can be actively advanced while suppressing the reaction between the floating electrode member and the cathode member.
[0165]
In addition, according to the electrochemical reaction device of the present invention, the anode member and the cathode member are formed in a flat plate shape, arranged in parallel to each other, or the anode member and the cathode member are formed in a cylindrical shape, The cathode member may be disposed in the center, the anode member may be disposed concentrically in cross section on the outer peripheral side, and may be disposed axially symmetrical with each other.
[0166]
Further, according to the electrochemical reaction device of the present invention, the anode member, the cathode member, and the floating electrode member are formed in a flat plate shape and arranged in parallel with each other, or the anode member and the cathode member The floating electrode member has a cylindrical shape, the cathode member is arranged at the center, the floating electrode member is arranged concentrically on the outer circumference side of the cathode member, and further on the outer circumference side of the floating electrode member The anode members may be arranged concentrically in section and arranged symmetrically with each other.
[0167]
Each electrode member is preferably arranged in a cylindrical shape rather than in a flat plate shape. By adopting the cylindrical shape, the area volume of the anode member and the floating electrode member located on the outer peripheral portion can be made larger than the area volume of the floating electrode member and the cathode member. This is because there is an effect that the volume of the region causing the electrochemical reaction between the two can be increased. In addition, the cylindrical shape may have a cross-sectional shape such as a circle or an ellipse.
[0168]
According to the electrochemical reaction apparatus of the next invention, since the liquid circulation hole is provided in the anode member, the aqueous solution circulation between the anode member serving as the reaction field and the floating electrode member can be facilitated. The reaction efficiency increases because of the effects that can be achieved. In particular, the liquid circulation hole preferably has a mesh structure for the anode member.
[0169]
The function generator is configured such that the reaction precursor collected in the vicinity of the interface between the electrode member and the aqueous solution is diffused from the vicinity of the interface into the aqueous solution between the two positive pulse high voltage components. Therefore, it is preferable to apply a voltage value for preventing the decrease and causing an electrochemical reaction as the DC positive voltage component. The function generator may generate the electrical signal by superimposing the function waveforms of the positive pulse high voltage component and the direct current positive voltage component, or the positive pulse high voltage component and the direct current positive voltage component. The positive pulse high voltage component and the DC positive voltage component may be superimposed by generating the electrical signal by alternately outputting each component. Further, the function generator is configured to output the electric signal so that the voltage of the anode member or the voltage of the floating electrode member becomes an electrochemical potential suitable for target reaction generation by the DC positive voltage. Preferably it is generated.
[0170]
According to the electrochemical reaction apparatus of the next invention, the ion implantation means for injecting at least one of Mg ions, Zn ions or Ca ions into the aqueous solution to be treated is provided. In order to exert the effect of allowing at least one of Ca ions to coexist in the aqueous solution to be treated, reaction generation is promoted by these ions, and the generated oxidant (oxidation active species) is also stably maintained. There is an effect that can be.
[0171]
According to the electrochemical reaction apparatus of the next invention, an ore containing at least one of Mg, Zn or Ca, or a compound containing these elements is put into the reaction vessel, and Mg ions and Zn ions are added. Alternatively, since there is a charging means for adding at least one of Ca ions into the aqueous solution to be treated, at least one of Mg ions, Zn ions or Ca ions is eluted into the aqueous solution to be treated. In order to produce the effect of being able to coexist, reaction generation is promoted by these ions, and further, the produced oxidant (oxidation active species) can be stably maintained.
[0172]
According to the electrochemical reaction device of the present invention, the anode member and the floating electrode member may be a conductor formed of platinum or a conductor plated with platinum, and the cathode member may be a conductor formed of copper tungsten. According to the electrochemical reaction apparatus of the present invention, the anode member is a conductor formed of platinum or a conductor plated with platinum, the floating electrode member is a conductor formed of titanium, and the cathode member is copper tungsten. It is good also as the formed conductor.
[0173]
Furthermore, according to the electrochemical reaction apparatus of the present invention, the anode member and the floating electrode member conductor may be a conductor formed of platinum or a conductor plated with platinum, and the cathode member may be a conductor formed of titanium. According to the electrochemical reaction apparatus of the present invention, the anode member is a conductor formed of titanium, the floating electrode member is a conductor formed of platinum or a conductor plated with platinum, and the cathode member is copper tungsten. It is good also as the formed conductor. The platinum plating may be applied to a titanium plate.
[0174]
Therefore, according to the present invention, there is an effect that it is possible to provide an electrochemical reaction control method and an electrochemical reaction apparatus that can decompose and remove only the target product at low cost and efficiently.
[Brief description of the drawings]
[Figure 1]FruitIt is a figure explaining the concept of the electrochemical reaction apparatus of
FIG. 2 is a diagram for explaining a superimposed electric signal waveform of a positive pulse high voltage component and a DC positive voltage component.
FIG. 3 is a diagram for explaining an electric signal waveform of only a positive pulse high voltage component.
FIG. 4 is a diagram illustrating the concept of an electrochemical reaction device according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a diagram illustrating the concept of an electrochemical reaction device according to
FIG. 6 is a diagram illustrating the concept of an electrochemical reaction device according to a fourth embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a diagram illustrating the concept of an electrochemical reaction device according to a fifth embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a graph showing Example 1 of the electrochemical reaction device of the present invention.
FIG. 9 is a graph showing Experimental Example 2 of the electrochemical reaction device of the present invention.
FIG. 10 is a graph showing Experimental Example 3 of the electrochemical reaction device of the present invention.
FIG. 11 is a graph showing Experimental Example 4 of the electrochemical reaction device of the present invention.
FIG. 12 is a view for explaining a modification of the anode member of the electrochemical reaction device of the present invention.
FIG. 13 is a diagram illustrating the concept of an electrochemical reaction device according to a sixth embodiment of the present invention.
FIG. 14 is a graph showing an experimental example of the electrochemical reaction device of the present invention.
FIG. 15 is a diagram illustrating the concept of an electrochemical reaction device according to an eighth embodiment of the present invention.
FIG. 16 is a diagram illustrating the concept of a general electrochemical reaction.
FIG. 17 is a diagram illustrating the concept of a general electrochemical reaction.
[Explanation of symbols]
1 reaction tank
2 Treatment liquid
3 Cathode member
4 Anode member
5 Function generator
6 Power amplifier
7 Floating electrode material
100, 200, 300, 400, 500, 600, 700 Electrochemical reactor
Claims (38)
前記正パルス高電圧成分の電気信号の印加によって、前記陽極部材と前記陰極部材と、前記陽極部材と前記陰極部材との間に配置したフローティング電極部材と、水溶液との界面に電気二重層を形成させていき、前記直流正電圧成分の電気信号の印加によって、前記陽極部材界面近傍と前記陰極部材界面近傍と前記フローティング電極部材界面近傍の水溶液を電気化学反応させることを特徴とする電気化学反応制御方法。An electric signal obtained by superimposing a positive pulse high voltage component and a direct current positive voltage component is applied between the anode member and the cathode member installed in the reaction tank for storing the aqueous solution to be treated, and is applied.
By applying an electrical signal of the positive pulse high voltage component, an electric double layer is formed at the interface between the anode member, the cathode member, the floating electrode member disposed between the anode member and the cathode member, and the aqueous solution. Electrochemical reaction control characterized by causing an aqueous solution in the vicinity of the anode member interface, in the vicinity of the cathode member interface, and in the vicinity of the floating electrode member interface by applying an electrical signal of the DC positive voltage component. Method.
前記正パルス高電圧成分前後の直流正電圧成分のみの電気信号が印加されている時の前記フローティング電極部材と前記陰極部材との間の電圧を所定値となるように印加する電気信号の前記直流正電圧成分値を可変するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の電気化学反応制御方法。Furthermore, the voltage waveform between the floating electrode member and the cathode member is measured,
The direct current of the electrical signal that is applied so that the voltage between the floating electrode member and the cathode member becomes a predetermined value when an electrical signal of only a direct current positive voltage component before and after the positive pulse high voltage component is applied. 2. The electrochemical reaction control method according to claim 1, wherein the positive voltage component value is variable.
前記フローティング電極部材と前記陰極部材との間に設定された電圧値を印加するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の電気化学反応制御方法。Furthermore, a voltage value to be applied between the floating electrode member and the cathode member is set,
2. The electrochemical reaction control method according to claim 1, wherein a voltage value set between the floating electrode member and the cathode member is applied.
前記正パルス高電圧成分前後の前記直流正電圧成分のみの電気信号が印加されている時の電流値をゼロに近い値になるように印加する電気信号の前記直流正電圧成分値を可変させていくことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の電気化学反応制御方法。In addition, measure the current waveform of the electric signal amplified power,
The DC positive voltage component value of the applied electric signal is varied so that the current value when the electric signal of only the DC positive voltage component before and after the positive pulse high voltage component is applied is a value close to zero. The electrochemical reaction control method according to any one of claims 1 to 3, wherein:
前記反応槽内に設置する陽極部材と、
前記反応槽内に設置する陰極部材と、
前記陽極部材と前記陰極部材との間に配置したフローティング電極部材と、
正パルス高電圧成分と直流正電圧成分とを重ね合わせた電気信号を発生する関数発生器と、
前記陽極部材と前記陰極部材との間に、前記電気信号を電力増幅して印加する電力増幅器と、を有し、
前記正パルス高電圧成分の電気信号の印加によって、前記陽極部材と前記陰極部材と前記フローティング電極部材と水溶液との界面に電気二重層を形成させていき、前記直流正電圧成分の電気信号の印加によって、前記陽極部材界面近傍と前記陰極部材界面近傍と前記フローティング電極部材界面近傍の水溶液が電気化学反応されることを特徴とする電気化学反応装置。A reaction tank for storing the aqueous solution to be treated;
An anode member installed in the reaction vessel;
A cathode member installed in the reaction vessel;
A floating electrode member disposed between the anode member and the cathode member;
A function generator that generates an electrical signal obtained by superimposing a positive pulse high voltage component and a DC positive voltage component;
A power amplifier that amplifies and applies the electric signal between the anode member and the cathode member; and
By applying an electric signal of the positive pulse high voltage component, an electric double layer is formed at the interface between the anode member, the cathode member, the floating electrode member, and the aqueous solution, and applying the electric signal of the DC positive voltage component The electrochemical reaction apparatus is characterized in that the aqueous solution in the vicinity of the anode member interface, in the vicinity of the cathode member interface, and in the vicinity of the floating electrode member interface is subjected to an electrochemical reaction.
前記関数発生器は、前記正パルス高電圧成分前後の前記直流正電圧成分のみの電気信号が印加されている時の前記フローティング電極部材と前記陰極部材との間の電圧を所定値となるように印加する前記直流正電圧成分値を可変させて前記電気信号を発生することを特徴とする請求項13に記載の電気化学反応装置。Furthermore, it has a voltage waveform measuring instrument for measuring a voltage waveform between the floating electrode member and the cathode member,
The function generator is configured to set a voltage between the floating electrode member and the cathode member to a predetermined value when an electric signal of only the DC positive voltage component before and after the positive pulse high voltage component is applied. 14. The electrochemical reaction device according to claim 13 , wherein the electric signal is generated by varying the DC positive voltage component value to be applied.
前記関数発生器は、正パルス高電圧成分前後の直流正電圧成分のみの電気信号が印加されている時の電流値をゼロに近い値になるように直流正電圧成分値を可変させて前記電気信号を発生することを特徴とする請求項13〜15のいずれか一つに記載の電気化学反応装置。In addition, it has a current waveform measuring instrument that measures the current waveform of the electric signal amplified power,
The function generator varies the DC positive voltage component value so that the current value when the electric signal of only the DC positive voltage component before and after the positive pulse high voltage component is applied becomes a value close to zero. The electrochemical reaction device according to any one of claims 13 to 15 , wherein a signal is generated.
流入された水溶液が前記フローティング電極部材と前記陽極部材との間を通って反応槽外へ流出する陽極側流出手段と、を有することを特徴とする請求項13〜18のいずれか一つに記載の電気化学反応装置。Cathode-side inflow means for introducing an aqueous solution into the reaction vessel from between the cathode member and the floating electrode member;
The anode-side outflow means for flowing in the aqueous solution between the floating electrode member and the anode member and outflowing out of the reaction vessel, according to any one of claims 13 to 18. Electrochemical reaction device.
流入された水溶液が前記フローティング電極部材と前記陰極部材との間を通って反応槽外へ流出する陰極側流出手段と、を有することを特徴とする請求項13〜18のいずれか一つに記載の電気化学反応装置。Anode-side inflow means for flowing an aqueous solution into the reaction vessel from between the anode member and the floating electrode member;
19. The cathode-side outflow means for flowing out the aqueous solution between the floating electrode member and the cathode member and out of the reaction vessel. 19. Electrochemical reaction device.
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