JP4046259B2 - Member connection device for support work - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、支保工用の部材連結装置の改良に関するもので、構造が簡単で、しかも安価に製造できるようにした部材連結装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に工事現場等における足場や型枠等を支持する支保工は、適当間隔を置いて支柱を立設すると共に、各支柱を水平ブレースや筋交いなどの補強部材で連結することによって所要強度の構造体を構成するものである。そして、上記支柱と補強部材の連結には部材連結装置が利用されている。
【0003】
図3は、出願人が先に特開平7−54504号として出願、開示した従来の部材連結装置の一例の平面図を示すものである。図において、aは支柱(P)に配設される嵌合筒体であり、b、b・・はその嵌合筒体aの外周に90度置きに取り付けた受金具で、これに筋交い等を固定する。また、cは嵌合筒体aと支柱(P)とにわたって挿通される固定ボルトで、嵌合筒体aに支柱(P)を挿入した後この固定ボルトを挿入して支柱を固定するものである。
【0004】
各受金具b、b・・は、鋼板を平面視コ字状に折曲形成して互いに平行な板部材d、eを構成すると共に一方の板部材eの外側側面にガイド板fを設け、このガイド板fおよび上記板部材d、eにわたってピン孔gを貫設してロックピンhを挿通したものである。この受金具bは折曲部を嵌合筒体aの外周に溶接して固定し、また、ガイド板fも板部材eに溶接して取り付ける。
【0005】
ガイド板fのピン孔g内には規制ピンiが水平方向に突出して設けられ、一方、ピン孔gに挿通するロックピンhの外周面には、上記規制ピンiが嵌入してロックピンhが上記ピン孔gをその軸方向に進退するように規制するガイド溝jと、ロックピンhがピン孔gに進入した状態でロックピンhを軸周りに回転させると共にロックピンhの軸方向の進退を規制する固定溝kが刻設されている。さらに、ロックピンhの固定溝k側の端部にはロックピンhの軸と直交し、かつ、上記ガイド溝jの深さ方向と同じ方向に棒状のハンドルmが遊嵌されている。
【0006】
かかる構成の部材連結装置は、まず、嵌合筒体aに支柱(P)を挿入して固定ボルトcで固定する。次に、ロックピンhの先端部を一方の板部材e側に位置するまで引き出し、例えば筋交い等(図示せず)の端部を板部材d、e間に差し込む。そして、筋交いの先端部のピン孔を板部材d、eのピン孔gと一致させロックピンhを押し込むと筋交いは仮固定される。
【0007】
ロックピンhはガイド溝jに沿って前進し、その先端が他方の板部材dにかかるまで完全に押し込んだ後、ハンドルmを介して固定溝kに沿って軸周り下方向に回転させると、ロックピンhの進退は固定溝kに制限され、筋交いは完全に固定される。ハンドルmは手を離すと自重によって垂直方向に位置し、このとき上記ガイド溝jは下向きに位置することになるので、水平方向の規制ピンiとガイド溝jの位置が一致してロックピンhが抜け出す方向に移動することはない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の従来の部材連結装置は、ロックピンが板部材の一方に進退可能に支持されているので、構造体の組立、解体の作業性を向上させるものであると共に、ボルト、ナット等で部材を連結していた場合に比べてロックピンが落下するおそれがなく、作業の安全性を向上するものであった。
【0009】
しかしながら、上記従来の部材連結装置を製造するには、平面視コ字状に折曲した各板部材d、eの一方にガイド板fをそれぞれ溶接して固定し、さらにガイド板の側面に孔を穿設して内端がピン孔gに突出するように規制ピンiを埋め込むという手段が採られていた。
従って、その受金具bの製造作業には多大な手間と費用を要するものであり、溶接状態を均質にするには高度な技術を要するなど、なお改良の余地があった。
【0010】
本願発明は上記従来の部材連結装置の問題点に鑑みてなされたものであり、特に受金具の部品数を減少させ、製造が容易かつ安価で、充分な強度を有する部材連結装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、支柱と嵌合する嵌合筒体1の外周面の所望位置に1乃至複数個の受金具2を取り付け、該受金具2に貫設したピン孔8にガイド突片9を介してロックピン7を進退可能に支持してなる支保工の部材連結装置において、受金具2は鋼板を平面視S字または逆S字状に折曲して互いに平行な一対の板部材4、5およびガイド板部材6を構成すると共に、ガイド板部材6にガイド突片9を残して各板部材4、5、6にわたるピン孔8を貫設し、このピン孔8に挿通するロックピン7の外周面には、軸方向に、上記ガイド突片9が嵌入してロックピン7がピン孔8を軸方向に進退するように規制するガイド溝11を設け、さらにガイド溝11の一端に連続して軸周方向に固定溝12を凹設してロックピン7を進退可能に支持するという手段を採用した。
【0012】
また、ガイド溝11の先端にガイド突片9を係止する閉止部11aを設けるという手段、さらに、上記ロックピンの後端に、その軸と直交する方向にハンドルを遊嵌するという手段も採用した。
【0013】
上記構成の部材連結装置は、受金具2を、鋼板を平面視S字または逆S字状に折曲して一対の板部材4、5およびガイド板部材6を形成すると共に、ガイド突片9を残してピン孔8を貫設したものであるから、従来のようにガイド板を溶接し、規制ピンを埋め込むといった手間を完全に排除することが可能となり、製造コストを大幅に低減することが可能となるものである。
【0014】
また、ガイド板部材に溶接部分がないので、該部に均質かつ充分な強度を得られるものである。
【0015】
さらに、ロックピン7のガイド溝11の先端に閉止部11aを設けガイド突片9を係止するようにしたので、ロックピン7は抜け落ちることなく進退可能に支持され、構造体の組立、解体の作業性を向上させるものであると共に、ロックピンが落下するおそれがなく、作業の安全性を向上するという作用効果も期待できる。
【0016】
また、ロックピン7の後端にハンドル13を遊嵌したものは、筋交い等を固定したときにハンドル13が自重によって垂直方向に垂れ下がり、ガイド溝11とガイド突片9の位置がずれてロックピン7がピン孔8から不用意に抜け出すことが防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る部材連結装置の好ましい実施の形態を図面に従って説明する。図1は本発明に係る部材連結装置の平面図、図2は受金具のうちの一個の分解斜視図である。図において、1は支柱(P)に配設される嵌合筒体であり、2、2・・は該嵌合筒体1の外周面に90度置きに取り付けられる受金具である。また、3は嵌合筒体1と支柱(P)とにわたって挿通される固定ボルトで、嵌合筒体1に支柱(P)を挿入した後この固定ボルト3を挿入して支柱を固定するものである。なお、受金具2は筋交い等(図示せず)を連結するものであり、図では90度置きに4個取り付けたものを例示しているが、これに限定するものではなく、その取り付け個数は必要に応じて任意の数が選定される。
【0018】
各受金具2、2・・は鋼板を平面視において逆S字状(S字状でもよい)に折曲形成して互いに平行な一対の板部材4、5およびガイド板部材6を構成すると共に、各板部材4、5、6にわたって下述するロックピン7が挿通するピン孔8、8・・を貫設したものである。このとき外側のガイド板部材6のピン孔8には水平方向に突出するガイド突片9を残してピン孔8を穿設する。この受金具2は嵌合筒体1の外周面に90度置きに溶接部10によって取り付ける。
【0019】
上記ピン孔8に挿通するロックピン7は、先端部分を先細として板部材4、5間に挿入する筋交い等(図示せず)の先端に設けられるピン孔に嵌入しやすくする。また、ロックピン7の外周面には、軸方向に沿って、上記ガイド突片9が嵌入してロックピン7が上記ピン孔8を軸方向に進退するように規制するガイド溝11を設け、該ガイド溝の先端は閉止部11aとしてガイド突片9が当接するようにする。さらに、このガイド溝11の後端と連続して軸周方向に固定溝12を凹設する。この固定溝12は、上記ガイド突片9が嵌入してロックピン7が完全にピン孔8に進入した状態でロックピン7を軸周りに回転させると共に、ガイド溝11と連続する部分以外ではロックピン7の軸方向の移動を規制するものである。なお、ロックピン7は、ガイド溝11の先端閉止部11aでガイド突片9が係止されるから、ガイド板部材6に進退可能に支持されると共に、ピン孔8から脱落することはない。
【0020】
また、13はロックピン7の後端部にその軸と直交し、かつ、上記ガイド溝11の深さ方向と同じ方向に設けられた穴に遊嵌されるハンドルで、端部13aを圧潰して抜け落ちないようにしたものである。
【0021】
次に、この受金具の使用態様について概説すると、まず、嵌合筒体1を支柱(P)に嵌着し固定ボルト3を両者間に挿通して支柱に固定する。次に、ロックピン7の先端部が真ん中の板部材5側に位置するまで(ガイド突片9がガイド溝の閉止部11aと当接する位置まで)引き出し、筋交い等の端部を板部材4、5間に差し込んで筋交いの端部のピン孔と板部材のピン孔8とを一致させ、ロックピン7を押し込むと筋交いは仮固定される。
【0022】
ロックピン7をガイド溝11に沿って前進させ、先端が他方の板部材4にかかるまで完全に押し込んだ後、ハンドル13を介して固定溝12に沿って軸周り下方向に回転させる。これによってロックピンの進退が固定溝12で制限され、筋交いを完全に固定することができる。ハンドル13は手を離すと自重によって垂直方向に垂れ下がったままで圧潰された端部13aで係止され、このとき、ガイド溝11は下向きに位置しているので、振動等によってガイド突片9とガイド溝11の位置が一致するおそれはなく、ロックピン7が抜け出る方向に移動することはない。なお、このロックピン7の作用は前述した従前の部材連結装置のロックピンと共通するものである。
【0023】
【発明の効果】
以上述べたように、上記構成に係る本発明の部材連結装置は、受金具として鋼板をS字または逆S字状に折曲して板部材4、5およびガイド板部材6を構成し、さらにピン孔内にガイド突片も一体に構成するようにしたものであるから、従来のように別途ガイド板を板部材に溶接したり、ガイド板の側面に穴を設けて規制ピンを埋め込むと言った製造上の手間を完全に排除することが可能となり、製造コストを極めて低くすることが可能となった。また、ガイド板部材6を板部材4、5と一体に形成しているので、溶接部分がなく、均質かつ充分な強度の受金具を得ることが可能である。
【0024】
また、筋交い等の端部を板部材間に挿入し、ロックピン7をスライドさせ、さらに回転させて筋交いを固定するようにしているので、筋交いの位置合わせが容易で、短時間に作業ができるようになって作業性が向上する。
【0025】
さらに、ロックピン7はガイド突片9とガイド溝の閉止部11aの係合によって脱落を防止し、ガイド板部材6に進退可能に支持されているので、組み立て作業時にロックピン7を別途用意して持ち運ぶ必要がなく、ロックピン7が高所から落下するおそれもないので作業の安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る支保工の部材連結装置の平面図である。
【図2】受金具の分解斜視図である。
【図3】従来の部材連結装置の平面図である。
【符号の説明】
1 嵌合筒体
2 受金具
3 固定ボルト
4 板部材
5 板部材
6 ガイド板部材
7 ロックピン
8 ピン孔
9 ガイド突片
10 溶接部
11 ガイド溝
11a 閉止部
12 固定溝
13 ハンドル[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an improvement of a member connecting device for a support work, and relates to a member connecting device that has a simple structure and can be manufactured at low cost.
[0002]
[Prior art]
In general, the supporting work that supports scaffolds and formwork at construction sites, etc. is a structure with the required strength by standing up the struts at appropriate intervals and connecting each strut with a reinforcing member such as a horizontal brace or brace. It constitutes. A member connecting device is used to connect the support column and the reinforcing member.
[0003]
FIG. 3 shows a plan view of an example of a conventional member connecting device that was previously filed and disclosed by the applicant as Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-54504. In the figure, a is a fitting cylinder disposed on the support column (P), b, b... Are receiving brackets attached to the outer periphery of the fitting cylinder a at intervals of 90 degrees, To fix. Further, c is a fixing bolt inserted through the fitting cylinder a and the column (P), and after inserting the column (P) into the fitting cylinder a, the fixing bolt is inserted to fix the column. is there.
[0004]
Each of the metal fittings b, b,... Is formed by bending a steel plate into a U-shape in plan view to form parallel plate members d, e and a guide plate f on the outer side surface of one plate member e. A pin hole g is provided through the guide plate f and the plate members d and e, and a lock pin h is inserted therethrough. The metal fitting b is fixed by welding the bent portion to the outer periphery of the fitting cylinder a, and the guide plate f is also welded to the plate member e.
[0005]
A regulation pin i is provided in the pin hole g of the guide plate f so as to protrude in the horizontal direction. On the other hand, the regulation pin i is fitted on the outer peripheral surface of the lock pin h inserted through the pin hole g. The guide groove j that restricts the pin hole g to advance and retreat in the axial direction, and the lock pin h is rotated around the axis with the lock pin h entering the pin hole g and the axial direction of the lock pin h A fixed groove k that regulates advancement and retraction is provided. Further, a rod-like handle m is loosely fitted at the end of the lock pin h on the fixing groove k side in a direction perpendicular to the axis of the lock pin h and in the same direction as the depth direction of the guide groove j.
[0006]
In the member connecting device having such a configuration, first, the support column (P) is inserted into the fitting cylinder a and fixed with the fixing bolt c. Next, the front end of the lock pin h is pulled out until it is located on the one plate member e side, and for example, the end of a brace (not shown) is inserted between the plate members d and e. When the pin hole at the front end of the brace is made to coincide with the pin hole g of the plate members d and e, and the lock pin h is pushed in, the brace is temporarily fixed.
[0007]
When the lock pin h moves forward along the guide groove j and is completely pushed in until the tip of the lock pin h engages with the other plate member d, the lock pin h is rotated downward about the axis along the fixed groove k via the handle m. The advancement / retraction of the lock pin h is limited to the fixing groove k, and the brace is completely fixed. When the handle m is released, the handle m is positioned in the vertical direction by its own weight. At this time, the guide groove j is positioned downward, so that the positions of the horizontal restriction pin i and the guide groove j coincide with each other and the lock pin h Will not move in the direction of exiting.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
In the conventional member connecting device having the above-described structure, the lock pin is supported by one of the plate members so as to be able to advance and retract. Compared with the case where the two are connected, there is no fear that the lock pin will drop, and the safety of the work will be improved.
[0009]
However, in order to manufacture the above-described conventional member coupling device, the guide plate f is welded and fixed to one of the plate members d and e bent in a U shape in plan view, and a hole is formed on the side surface of the guide plate. And a restriction pin i is embedded so that the inner end protrudes into the pin hole g.
Therefore, the manufacturing work of the metal fitting b requires a lot of labor and cost, and there is still room for improvement, such as high technology required to make the welded state uniform.
[0010]
The present invention has been made in view of the problems of the above-described conventional member coupling device, and in particular, to provide a member coupling device that has a sufficient strength, is easy to manufacture, is inexpensive, and has a reduced number of parts. It is intended.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, according to the present invention, one or a plurality of
[0012]
Further, means for providing a
[0013]
In the member connecting device having the above-described configuration, the
[0014]
Further, since the guide plate member has no welded portion, a uniform and sufficient strength can be obtained at the portion.
[0015]
Further, since the
[0016]
In the case where the
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of a member connecting device according to the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 is a plan view of a member connecting device according to the present invention, and FIG. 2 is an exploded perspective view of one of the metal fittings. In the figure,
[0018]
Each of the
[0019]
The
[0020]
[0021]
Next, the usage of the metal fitting will be outlined. First, the
[0022]
The
[0023]
【The invention's effect】
As described above, the member coupling device of the present invention according to the above configuration forms the
[0024]
Further, since the end of a brace is inserted between the plate members, the
[0025]
Further, since the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view of a supporting member connecting apparatus according to the present invention.
FIG. 2 is an exploded perspective view of a receiving metal fitting.
FIG. 3 is a plan view of a conventional member coupling device.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (3)
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