JP4045372B2 - ノズルの製造装置、製造方法及びノズル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノズルの製造装置、製造方法及びノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のノズルとして、アルミナ粉体に焼結助剤と場合により有機バインダを加えて筒状に成形後、大気中で高温焼成したもの(例えば、特許文献1、3、4参照。)、アルミナ粉体に焼結助剤を加えてホットプレスで筒状に成形したもの(例えば、特許文献2参照。)が知られている。ノズルの内周には流体通路が形成されるとともに、外周にはブラストガンに取付けるためのフランジ(例えば、特許文献5参照。)あるいはテーパー(例えば、特許文献1参照。)が設けられる。
【0003】
従来のノズルは過酷な条件で使用されると流体通路の磨耗が激しく頻繁に交換しなければならず耐久性が不足していた。
【0004】
これに対処するために、近年、放電プラズマ焼結法(以下SPS法とも称する)によりセラミック製ノズルを製作することが試みられている。SPS法は、粉末状の材料を成形ダイ中に装入し、パンチで圧縮した状態でパンチを通してパルス状電流を通電することにより焼結体を得る方法である。(例えば、特許文献6参照。)
【0005】
SPS法によれば、従来のセラミック製ノズルの製造におけるよりも低温で焼結を行なうことが出来る。図11に従来の焼結装置2を用いたSPS法によるノズルの製造の態様を示す。従来のSPS法による焼結は、減圧容器(図示せず)内に円筒型の成形ダイ4と成形ダイ4に挿入される円筒型のパンチ6a、6bを配設し、成形ダイ4内に粉末状の成形材料Mを装入してパンチ6に荷重Pによりおおよそ10〜200kN の圧縮応力を付加し、材料Mを圧縮したのち、減圧下又は実質的な無酸素状態でパンチ6を通して材料Mにパルス状電流を通電することにより行われる。パンチ6は、中央に円柱状の棒状部材12を備える。符合50、52はそれぞれ上下のプレス基盤である。
【0006】
しかし、SPS法を用いても必ずしも耐磨耗性に優れた焼結体を得ることは出来なかった。SPS法においては、パンチで圧縮した状態でパンチを通してパルス状電流を通電するので、複雑な形状のものを製作することができない。
【0007】
例えば、上記のフランジ付きのものや、テーパー付きのものは圧縮時に圧力が均一に伝わりにくく、圧縮率の相違によって成形密度が不均一になるという問題のため、製造が困難であり、円筒状のもののみが実用化されている。しかし、円筒状のノズルは外壁の軸方向に突起やテーパーがないためノズルホルダーに固定することが難しく、流体にあまり高圧をかけることができないので、高い吐出圧が得られない。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−189457号公報(第3頁)
【特許文献2】
特開昭56−17980号公報(第2頁)
【特許文献3】
特公平4−15613号公報(第3頁)
【特許文献4】
特公昭62−6037号公報(第2頁)
【特許文献5】
実開平3−75971号公報(第1図)
【特許文献6】
特開平3−56604号公報(第2〜3頁、第2図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これら問題点に鑑み、SPS法で得られる耐磨耗性に優れたノズルの製造装置、製造方法を提供しようとする。更に、この製造方法から得られるテーパー付きの耐磨耗性に優れたノズルを提供しようとする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨とするところは、焼結用の材料を装入する貫通中空部を有する成形ダイと、該貫通中空部に挿入されて、装入された該材料を間にして互いに対向することとなる円筒状のパンチの一対と、該パンチの中空部に挿入されて該貫通中空部の軸心に沿って配置される棒状の中子と、を備え、前記貫通中空部に前記材料が装入され前記パンチを介して圧縮されるとともに該材料にパルス電流が通電される放電プラズマ焼結法による、ノズルを製造する焼結装置であり、
前記ノズルが、セラミック粉体(窒化珪素粉体を除く)を用いた焼結用粉体が放電プラズマ焼結法により焼結されて成る、炭素が含有されて内部が黒色又は灰色の焼結体からなり、
前記貫通中空部が、一の側に柱状の小径中空部を、中間部に該小径中空部に向けて細まる先細中空部を、他の側に柱状の大径中空部をそれぞれ有し、
前記一の側に位置するパンチの、装入された前記材料に対向する材料対向面が、前記小径中空部と前記先細中空部との境界又は該境界の近傍に位置するよう、前記一の側に位置するパンチが一時的に停留可能とされたノズル製造用焼結装置であることにある。
【0011】
前記中子は、少なくとも前記中子の長手方向にみた中間の部位で、前記小径中空部に向けて細まる円錐台形状を有し得る。
【0012】
また、本発明の要旨とするところは、セラミック粉体(窒化珪素粉体を除く)を用いた焼結用粉体が放電プラズマ焼結法により焼結されて成る、炭素が含有されて内部が黒色又は灰色の焼結体からなるノズルを製造する方法であり、
焼結用の材料を装入する貫通中空部を有する成形ダイと、該貫通中空部に挿入されて、装入された該材料を間にして互いに対向することとなる筒状のパンチの一対と、該パンチの中空部に挿入されて該貫通中空部の軸心に沿って配置される棒状の中子と、を備え、前記貫通中空部が、一の側に柱状の小径中空部を、中間部に前記小径中空部に向けて細まる先細中空部を、他の側に柱状の大径中空部をそれぞれ備え、装入された材料が前記パンチを介して圧縮されるとともに該材料にパルス電流が通電される、放電プラズマ焼結装置を準備するステップと、
前記貫通中空部の少なくとも前記先細中空部に焼結用粉体を装入するステップと、
前記パンチを介して、前記装入された焼結用粉体を加圧して一次加圧体を得る一次加圧ステップと、
前記一の側に位置する筒状のパンチと前記一次加圧体とを乖離させて、前記小径中空部に空間を作るステップと、
該空間に追加の焼結用粉体を装入するステップと、
前記パンチを介して、該空間に装入された前記追加の焼結用粉体と前記一次加圧体とを加圧する一体化のステップと、
前記一体化のステップで加圧された被加圧物にパルス電流を通電して焼結するステップと
を含む、ノズルの製造方法であることにある。
【0013】
前記ノズルの製造方法は、前記焼結用粉体を有機バインダ又は有機分散剤を用いて造粒するステップを含み得る。
【0014】
さらに、本発明の要旨とするところは、前記ノズルの製造方法により製造された、ノズルであることにある。
【0015】
前記ノズルは、外周面が長手方向にみた少なくとも中間部において出先側端部に向けて先細形状であり得る。
【0016】
またさらに、本発明の要旨とするところは、前記ノズル製造方法により製造され焼結が終了し前記中子と結合状態にある焼結済みノズル、から前記中子を抜出すために用いられ、
前記中子を、前記焼結済みノズルから前記他の側に位置するパンチの方向に押出す押出し棒と、
一端部が開放され他端部に前記押出し棒を挿通させる貫通孔が形成され、前記中子と、前記焼結済みノズルと、該焼結済みノズル及び前記中子と係合状態にある前記他の側に位置するパンチとを、前記中子の太まった側を前記一端部の側に、前記中子の細まった側を前記他端部の側に配して収納する、筒状ケースと、
前記筒状ケースの前記一端部に配され、前記他の側に位置するパンチの、前記ノズルと接する端面と反対側の端面を受け、押出される前記中子を挿通させる挿通孔が形成された受け台と
を含んで構成された中子押出し用治具であることにある。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係る態様を図面に基づいて詳しく説明する。図1は本発明のノズルを製造するための、SPS焼結法による本発明のノズル製造用焼結装置の一態様を示す断面図である。本発明のノズルは、ブラスト用ノズル等の耐磨耗性が要求される用途に好適に用いられるものである。(以下、放電プラズマ焼結装置はSPS装置とも称する。)本発明のノズル製造用焼結装置32は、減圧容器あるいは不活性気体を満たす容器(図示せず)を備え、この容器内には円筒型の成形ダイ34と成形ダイ34に挿入される円筒状の上方パンチ(一の側に位置する円筒状のパンチ)36及び円筒状の下方パンチ(他の側に位置する円筒状のパンチ)37が配設されている。成形ダイ34には粉末状の材料を装入する貫通中空部31が形成されている。
【0018】
貫通中空部31は、下側に円柱状の小径中空部56を、中間部に小径中空部56に向けて細まる円錐台状の先細中空部54を、上側に円柱状の大径中空部53をそれぞれ備えている。大径中空部53の径は上方パンチ36の外径とはめあい公差を残してほぼ等しく、小径中空部56の径はパンチ37の外径とはめあい公差を残してほぼ等しくなっている。
【0019】
上方パンチ36は軸方向に貫通する貫通孔を備え、下端中心部に、ノズルの入り口側の内壁のテーパーを形成するための、先端に向けて窄まる円錐台状の外壁を有する突起38が設けられている。又、下方パンチ37には、中心に円孔が形成された円盤状の基板(スペーサ)42が備えられている。基板(スペーサ)42は、下方パンチ37に外挿され成形ダイ34を下から支える。更に、ノズル製造用焼結装置32は、上方パンチ36と下方パンチ37の各中空部に挿通される円柱形の中子44を備える。中子44は、ノズルの中空部を形成するために用いられ、上端から下端にかけて僅かなテーパーを有し、上端部の径が下端部の径より僅かに太くなっている。上方パンチ36は上方プレス基盤50により下向きに加重される。下方パンチ37は下方プレス基盤52により上向きに加重されて力を受ける。
【0020】
又、成形ダイ34は、本体73と、本体73の下部に内挿される交換可能な円筒形の割子87から構成されている。割子87の内壁面は損耗が大きいので、割子87を交換可能とするこのような構成となっている。
【0021】
ノズル製造用焼結装置32を用いて本発明のノズルを製造する手順を説明する。まず、図1に示す配置で、成形原料であるセラミックの粉体等の焼結用粉体を成形ダイ34の中空部に充填する。このとき、予め下方パンチ37の上面(材料対向面)102が、小径中空部56と先細中空部54との境界又はその境界に近接する位置に位置するように、下方パンチ37の位置を、所定の位置に停止する下方プレス基盤52を介して一時的に固定する。このように、ノズル製造用焼結装置32においては、下方パンチ37はその位置で一時的に停留可能とされている。この状態で下方プレス基盤52を上昇させて焼結用粉体から成る一次被成形物を一次加圧して一次成形体(圧粉物)を得る。
【0022】
図2に、この一次加圧により成形ダイ34の中に一次成形体63が得られた様子を示す。
【0023】
なお、本明細書においては、各図にわたって記される同じ符号は同一又は同様の部材やものを示す。
【0024】
次いで、図3に示すように、下方プレス基盤52を降下させ、一次成形体63の下端85と、下方パンチ37の上面102との間に空間64を作る。
【0025】
次に、空間64に焼結用粉体を追加充填し、下方プレス基盤52を上昇させ、追加充填した焼結用粉体を下方パンチ37を介して二次加圧する。この二次加圧により一次成形体63と追加充填された焼結用粉体とが一体化して、二次成形物69となる。この二次加圧の状態を図4に示す。
【0026】
このように、本発明においては、被成形物の加圧を上述の一次加圧と二次加圧の2段階で行なうことにより、密度ムラのない緻密構造の焼結体が得られる。
【0027】
この一次加圧及び二次加圧の操作は、成形ダイ34、上方パンチ36、下方パンチ37、基板(スペーサ)42及び中子44を、減圧容器あるいは不活性気体を満たす容器から取り出して、ハンドプレス装置のような別置きの加圧装置(図示せず)を用いて行ってもよい。
【0028】
又、この一次加圧の操作は、セラミックの粉体等の焼結用粉体の装入と加圧の操作を数段階にわけて行なってもよい。二次加圧の操作も、焼結用粉体の装入と加圧の操作を数段階にわけて行なってもよい。
【0029】
又、この一次加圧の操作は、焼結用粉体を成形ダイ34の中空部に充填するときに、予め下方パンチ37の上面102が、小径中空部56の、先細中空部54に近接する位置より下方に位置するように、下方パンチ37の位置を一時的に固定してもよい。この状態で焼結用粉体を充填後、下方プレス基盤52を上昇させて一次被成形物を一次加圧して一次成形体を得る。この場合、一次加圧終了時には、基板(スペーサ)42がストッパーとなって、下方パンチ37の上面102が、小径中空部56の、先細中空部54に近接する位置に位置して、下方パンチ37が停止する。
【0030】
二次加圧が終了した後、上方パンチ36、下方パンチ37を介して二次成形物69を加圧しつつ、上方パンチ36、下方パンチ37を通してパルス状電流を通電して焼結する。この通電により、二次成形物が焼結されてノズルが得られる。この成形ダイ34と上方パンチ36及び下方パンチ37、被焼結物を含む加圧加熱系は減圧状態又は実質的な無酸素状態に保持される。
【0031】
図5の断面図に、この焼結を行う好ましい態様を示す。図5において、二次成形物69、成形ダイ34、上方パンチ36、下方パンチ37及び中子44が、二次加圧時と同じ配置を保って、減圧容器あるいは不活性気体を満たす容器(図示せず)に収められる。もしくは、収められている。更に、下方パンチ37と下方プレス基盤52との間にスペーサ75を配して、上方プレス基盤50から二次成形物69までの電気抵抗と、下方プレス基盤52から下方パンチ37までの電気抵抗がほぼ等しくなるようにする。この配置で、減圧状態又は実質的無酸素状態で加圧及び通電を行なう。
【0032】
図6の断面図に、この焼結が終了する時点での状態を示す。図6においては、加圧により、下方パンチ37の上面102が、小径中空部56の、先細中空部54に近接する位置まで上昇し、スペーサ42により停止している。
【0033】
図7に、図2から図6に示す手順で得られた本発明のノズル70の縦断面を示す。ノズル70は径が全長にわたってほぼ等しいノズル中空部72を有し、上部74が、外径が長手方向にわたってほぼ等しい筒状であり、中間部76から下部78(出先側端部)にかけて外壁が円錐台形状であり、下端に向けて狭まるテーパーがつけられている。即ち、ノズル70は、ノズルの外周面が、ノズルの長手方向にみた中間部76から下部78にかけて出先側端部に向けて先細形状となっている。なお、本発明のノズル70は、入り先側端部から出先側端部にかけて先細形状となっていてもよい。このような、ノズル全体で外壁が円錐台形状のものは、、装入する焼結用粉体の量や、上方パンチ36の長さを調節することにより製造が可能である。
【0034】
図8に本発明により得られる他の態様のノズル70aの縦断面を示す。ノズル70aは径が全長にわたってほぼ等しいノズル中空部72を有し、上部74が、外径が長手方向にわたってほぼ等しい筒状であり、中間部76aが、外壁が円錐台形状であり、下端に向けて狭まるテーパーがつけられている。下部78a(出先側端部)が、外径が長手方向にわたってほぼ等しい筒状である。即ち、ノズル70aは、出先側端部における輪切り外断面形状が前記ノズルの長手方向にわたって均一であり、かつノズルの外周面が、ノズルの長手方向にみた中間部において出先側端部に向けて先細形状となっている。この態様のノズルは、焼結が終了する時点で、図6における下方パンチ37の上面102が、小径中空部56の、先細中空部54に近接する位置よりも下方の位置まで上昇し、スペーサ42により停止する態様の加圧が行なわれる場合に得られる。
【0035】
これに対して、図9に示すように、下方パンチ37aを当初から製造すべきノズルの形状にあわせた位置に配置して、成形ダイ34と下方プレス基盤52の間に基板42を介在させて一回の加圧成形で成形物を得ようとすると、成形物の下端部即ち小径中空部56に充填された焼結用粉体は大径中空部53や中間部54に充填された焼結用粉体に比べて圧縮後の成形物の緻密性が劣るので、得られる焼結体は硬度や耐磨耗性に劣り、ノズル等の製品としては用いることが出来ない。
【0036】
本発明においては、上述の態様で焼結用粉体の加圧を2回にわけて行なうことにより、ノズル全体にわたって緻密な焼結状態を得ることが出来、ノズル全体にわたって硬度や耐磨耗性の優れるノズルを得る。
【0037】
なお、本発明における加圧は、下方プレス基盤52を固定して上方プレス基盤50を降下させて行なってもよい。
【0038】
小径中空部56及び大径中空部53の形状は円柱状であることが好ましいが、楕円形や多角形や、その他の円形でない輪切り断面形状を有する柱状であってもよい。先細中空部54の形状は円錐台状であることが好ましいが、楕円形や多角形や、その他の円形でない輪切り断面形状を有する錐台状であってもよい。
【0039】
中子44の形状は円柱状であることが好ましいが、楕円形や多角形や、その他の円形でない輪切り断面形状を有する柱状であってもよい。中子44の形状は周面が長手方向に極めてゆるやかなテーパーを有する円錐台状であることが更に好ましいが、楕円形や多角形や、その他の円形でない輪切り断面形状を有する錐台状であってもよい。中子44は、少なくとも長手方向にみた中間の部位を含む一部の部位で、錐台形状を有するものであってもよい。
【0040】
本発明においては、焼結用粉体としてアルミナ粉体のようなセラミック粉体が好適に用いられる。焼結用粉体の粒径は、10〜500nmであることが、得られた焼結体、この焼結体を用いて得られるノズルの硬度や耐磨耗性が向上し好ましい。
【0041】
又、本発明においては、粒径90nm以上200nm未満のセラミック粉体を原料素材として用いることにより、得られた焼結体、従ってノズルの硬度や耐磨耗性が更に向上し、ノズルとして更に好適なノズルを得ることが出来る。
なお、本発明においては、焼結用粉体は、予め有機バインダや有機分散剤を含む液と混合し、通常の造粒法、例えば転動造粒法や流動床噴霧乾燥法、攪拌造粒法等により、約50〜100μmの径の粒子に造粒したのち前述の加圧成形がなされることが工程の安定性のうえで好ましい。有機バインダや有機分散剤としては、ビニルアルコール系ポリマや、アクリル系ポリマ、アルギン酸ソーダ、カルボオキシメチルセルロース、塩化ビニル系ポリマ、リグニン等が挙げられる。その他の公知の有機バインダや有機分散剤が用いられてもよい。
【0042】
又、本発明においては、粒径90nm以上200nm未満のアルミナを原料素材として用いることが更に好ましい。粒径90nm未満のアルミナは製造コストが高く、成形加工時の操作性が悪い。又、アルミナの粒が200nm以上であると得られた焼結体の硬度や密度や耐磨耗性が低くなる傾向にある。
【0043】
本発明のノズルは、粒径の小さいセラミックを用いてSPS焼結法により焼成されるため、従来の焼結体から成るノズルに比べて表面粗さが小さい。更に、本発明のノズルは、ノズルの中空部の内壁面の表面粗さが、従来の焼結体から成るノズルに比べて小さい。これは、中子44がテーパー形状を有するため、焼結時のノズルの中空部の内壁面に相当する部分への加圧力の、内壁面と垂直な成分が、外周にテーパーを有さないストレートな中子を用いた場合に比べて大きくなり均一に加圧がなされるためである。
【0044】
中子44がテーパー形状を有することにより、本発明のノズル製造装置においては、焼結が終了した後に中子44を焼結体から容易に引抜くことが可能となった。従来のSPS装置により、中空のノズルを製作する場合、中空部の径が10mm以上であれば焼結が終了した後に中子を焼結体から比較的容易に引抜くことができたが、中子の径が10mm未満であると中子を焼結体から引抜くことが困難であり、引き抜きの際中子を破壊せざるを得ない場合が多く、高価な中子を消耗品として扱わざるをえなかった。
【0045】
しかし、テーパー形状を有する中子を使用しても、中空部の径が8mm以下であると、焼結が終了した後に中子を焼結体から比較的容易に引抜くことができない。本発明のノズル製造装置においては、図10に示すような引抜き用の中子押出し用治具80を用いることにより、中空部の径が8mm以下である場合においても焼結が終了した後に中子を焼結体から比較的容易に引抜くことができる。
【0046】
この引抜きの一態様を説明するならば、図10の断面図において、中子押出し用治具80は、中子44と結合状態にある焼結が終了した焼結体82(ノズル)を収納する筒状ケース86と、筒状ケース86の下端部を挿入して筒状ケース86を下から受ける筒状の受け台88と、中子44を上から押圧する押出し棒91とを含んで構成されている。
【0047】
筒状ケース86のケース中空部97には、中子44、中子44と結合状態にある焼結体82及び焼結体82や中子44と焼結時の配置状態で係合し組み合わされた上方パンチ36が収納される。焼結体82(ノズル)は、ノズルの出側の端部を上にして収納される。
【0048】
押出し棒91は加圧用キャップ99を上端に備える。筒状ケース86は上部に中実部92を有し、中実部92の中心に、中子44と押出し棒91を挿通させる上下方向に貫通する貫通孔98が形成されている。又、受け台88はパンチ36の焼結体(ノズル)82と接する端面と反対側の端面101を受け、受け台88の中心には、押出し棒91により下方に押出された中子44の下端部を挿通させる上下方向に貫通する挿通孔100が形成されている。
【0049】
ケース中空部97の径は上方パンチ36の外径とほぼ等しく、上方パンチ36がケース中空部97に緩く嵌合された状態となっている。
【0050】
このような配置で、受け台88を固定し、押出し棒91を貫通孔98の上側の開口から貫通孔98に挿入して、下方に移動させて中子44を下方に押出すことにより、中子44を焼結体(ノズル)82から容易に抜出すことが出来る。抜出された中子44は、損傷がなく再使用が可能である。
【0051】
なお、中子押出し用治具80は中子44や焼結体82や上方パンチ36を含めて図10の配置状態とは全体が上下逆に配置されてもよい。横に配置されてもよい。いずれの場合も、押出し棒91は中子44を焼結体(ノズル)82から押出す方向に押圧する。
【0052】
又、従来のセラミックの焼結方法においては、主原料のアルミナ等のセラミック粉体に焼結助剤を混入して焼結するので、白色系や、淡いピンク系や、淡い灰色系に着色されるのが一般的であるが、本発明においては、ほぼアルミナ粉体100%の粉体を焼結して灰色(マンセル表示の明度7以下)ないしはほぼ黒色のノズルを得る。本発明のノズルを構成する焼結体の内部も灰色ないしはほぼ黒色を呈している。これは、上述の造粒に使用される造粒剤が焼結時に炭化し、アルミナ焼結体の内部に残留するためであると思われる。従って、本発明のノズルは、深みのある高級感に満ちた色合いを有する。なお、従来の焼結方法においては、焼結が有酸素状態で行なわれるので、造粒剤は燃焼ガスとなって散逸しこのような黒色化の現象は生じない。
【0053】
又、従来のSPS法においては、有機バインダが使用されないので、焼結体は、表面だけが成形ダイを構成する炭素により黒色化し、内部は白色もしくはほぼ原料セラミックの色のままである。従って、深みのある高級感に満ちた黒色の色合いの外観は得られない。
【0054】
更に、本発明においては、主原料のセラミック粉体等の焼結用粉体の粒子の間に有機バインダが炭化して成る炭素が介在した状態でSPS法による焼結がなされ、過度に焼結が進行する過焼結の現象が防止されるので、硬度、耐磨耗性に優れる焼結体が得られる。SPS法による焼結においては、焼結時に含有される炭素の好ましい量は、焼結後の炭素含有量として0.05〜2.0重量%である。焼結後の炭素含有量が0.05重量%未満のときは、過焼結の現象を防止する効果が少なく、硬度、耐磨耗性に優れた焼結体が安定して得られない。焼結後の炭素含有量が2.0重量%以上であると、焼結が阻害される場合があり、硬度、耐磨耗性に優れた焼結体が安定して得られない。焼結時に含有される炭素の最も好ましい量は、焼結後の炭素含有量として0.05重量%以上0.2重量%未満である。この場合は、硬度、耐磨耗性に更に優れた焼結体が安定して得られる。焼結体の炭素含有量は、造粒物に含有される有機バインダや有機分散剤の量により制御することが出来る。具体的には焼結により炭素化して減量する有機バインダや有機分散剤の減量率をみこして造粒物に含有される有機バインダや有機分散剤の量が決定される。
【0055】
又更に、本発明に用いられる焼結体は、上述の含有率の範囲で炭素が含有されて外観及び内部が黒色乃至灰色を呈していることにより、過焼結による硬度の不足が生じていないことを、目視によりチェックすることができる。即ち、焼結体の色調を、例えば色見本や計器により定められた色調(明度等)と比較することにより、炭素の含有量や硬度の不足が生じていないかを非破壊検査で容易にチェックすることができる。
【0056】
本発明のノズルをブラスト用ノズル等に使用するときには、内壁面をノズルの出先側端部の方向に向けて先細にしたテーパー部を有する筒状のノズルホルダーを用いることが出来る。本発明のノズルを、先端を先にしてそのノズルホルダーの根元からノズルホルダー先端に向けて挿入して装着することにより、装着されたノズルの外面に出先側端部の方向に向けて気体の大きな圧力がかかっても、ノズルをノズルホルダーに安定に保持できる。
【0057】
SPS法により得られる従来のノズルは、このようなテーパー部を付与すると前述の理由により十分な硬度が得られず、ストレートな円筒状のものであった。このような従来のノズルは、内壁がストレートな円柱面状のノズルホルダーに挿入して装着されるので、装着されたノズルの外面に出先側端部の方向に向けて気体の大きな圧力がかかるとノズルがその圧力で抜けてしまうおそれがあり、止めネジにより固定しないとノズルをノズルホルダーに強固に保持できない。止めネジの使用はノズルの損傷の原因となり、又、継続使用により緩みを生じやすくノズルをノズルホルダーに安定に保持できない。
【0058】
本発明においては、成形ダイの形状をかえることにより、ノズルのみならず、先端に向けて先細の形状の耐磨耗性に優れた焼結体を得ることが出来る。
【0059】
更に、本発明においては、粒径10〜500nmの焼結用粉体を焼結体の原料素材として用いることにより、ノズルのみならず、硬度と耐磨耗性に優れた焼結体を得ることが出来る。
【0060】
所定の形状に成形された本発明に用いられる焼結体は、押し出し成形用ノズル、走行用ガイド、線引きダイス、金型パーツ、溶射ノズル等の耐磨耗性を必要とする用途に広く適用することが出来る。
【0061】
本発明において用いられるセラミック粉末としては、アルミナに限らず、アルミナ、窒化アルミニウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸鉛、窒化ホウ素、珪素、炭化珪素、サイアロン、窒化ジルコニウム、炭化ジルコニウム、ホウ化ジルコニウム、炭化ホウ素、タングステンカーバイド、ホウ化タングステン、酸化スズ、酸化ルテニウム、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、フェライト、酸化珪素、酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、ステアタイト(凍石岩)、チタン酸バリウム、ジルコン酸チタン酸鉛、クレー、フェライト、酸化亜鉛、酸化ネオジムおよびこれらの混合物からなる群より選択されたセラミック粉末が挙げられる。これらは、焼結体の用途に応じて用いられる。
【0062】
実施例1
図1に示すノズル製造用焼結装置32を用いて図1〜図4に示す態様によりノズルを製造した。減圧容器内の圧力は、2.67Pa、成形ダイ34の全長は130mm、大径中空部53の内径は30mm、長さは60mm、中間部54の長さ60mm、小径中空部56の内径は20mm、長さは19mmである。中子44の径は6mmで、上端部の径が下端部に径に比べて0.05mm太くなっており、全体として円錐台形状になっている。中子44の表面粗さは0.1Sである。一次成形における上方パンチ36への加重は3kN、二次成形における下方パンチ37への加重は3kNであった。焼結時の加重は21.2kN、パルス電流の周波数100kHz、電流1400〜2000A、焼結温度は1250〜1300℃、焼結温度保持時間は25分であった。セラミック粉体としては粒径120nm、純度99.99%のアルミナ粉体を用い、予め水造粒装置により有機分散剤(ポリアクリル酸アンモン)を用いて径60μmに造粒して造粒物を得て、その造粒物を成形した。造粒物の有機バインダの含有率は、0.2wt%である。
【0063】
得られたノズルは、入り側の外径が30mm、出側の外径が20mmで、入り側端部から出側に向けて外壁面に円錐面状に窄まるテーパーを有していた。テーパー部のノズル軸方向の長さは60cmである。ノズルのビッカース硬さHVは外周壁の全面にわたるほぼ均等に選ばれた10箇所で測定し2100〜2200であった。
【0064】
ノズルの内壁の表面粗さ(Ra)は、0.02〜0.04μm(平均で0.027μm)と極めて平滑であった。
【0065】
ノズルを構成する焼結体の炭素含有量は0.08wt%であった。
【0066】
又、耐久試験における耐久日数は5日であった。耐久試験5日後のノズル磨耗量は、10.1gであった。又、このノズルを構成する焼結体の内部の色は濃い灰色であり、ノズルの外観は重厚な黒色系の光沢を有していた。この焼結体の粒径は、0.9〜1.6μm、密度は、3.95g/cm3(相対密度99.67%)であった。
【0067】
耐久試験:市販のブラスト装置を使用。砥粒としてSiC(主にβ相)粒径♯30を使用。砥粒噴射圧7.45MPa、噴射時間3min、休止3minで、ノズル寿命に達するまで繰り返し噴射を行なった。ノズル寿命は目視で判断した。
【0068】
実施例2
実施例1と同様にしてノズルを製造した。ただし、セラミック粉体としては粒径1.2μm、純度99.99%のアルミナ粉体を用いた。得られたノズルの形状は実施例1で得られたものと同様であった。ノズルのビッカース硬さHVは外周壁の全面にわたるほぼ均等に選ばれた10箇所で測定し1500〜1800であった。又、耐久試験における耐久日数は2日であった。耐久試験2日後のノズル磨耗量は、10.1gであった。この焼結体の粒径は、1.5〜5.3μm、密度は、3.604g/cm3 (相対密度91.01%)であった。
【0069】
比較例1(実施例1との製造方法の対比(二次成形の有無)にかかる比較例)
図1に示すノズル製造用焼結装置32を用いて図9に示す態様によりノズルを製造した。減圧容器内の減圧度、成形ダイ34等のノズル製造用焼結装置32における各サイズ、は実施例1と同様である。圧粉における上方パンチ36への加重は3kN、焼結時の加重は21.2kN、パルス電流の周波数、電流、焼結温度、焼結温度保持時間、用いるセラミック粉体、造粒、は実施例1と同様である。得られたノズルは、実施例1で得られたノズルと同様の形状を有していた。
【0070】
ノズルのビッカース硬さHVは外周壁のノズルの入り側近辺のほぼ均等に選ばれた10箇所で測定し2100〜2200であった。又、外周壁のノズルの出側近辺ほぼ均等に選ばれた10箇所で測定し1200〜1300であった。又、ノズルの耐久試験における耐久日数は0.6日であった。
【0071】
比較例2(従来の加圧成形・焼結法にかかる比較例)
実施例1で得られたノズルとほぼ同形状のノズルを従来の加圧成形・焼結法により製作した。原料粉末としては、アルミナ粉末97%、シリカ粉末0.6%、酸化マグネシウム粉末1.7%、酸化ホウ素粉末0.7%(いずれも重量%、粒径はいずれも0.6μm)を用い、PVA系有機バインダを2重量%混入して成形枠で加圧成形した。成形圧は平均98kNであった。成形後、電気炉により1500℃で120分加熱して焼結した。得られたノズルのビッカース硬さHVは外壁の全面にわたるほぼ均等に選ばれた10箇所で測定し1100〜1300であった。又、耐久試験における耐久日数は0.5日であった。耐久試験0.5日後のノズル磨耗量は、10.4gであった。又、このノズルを構成する焼結体の内部の色は白色であった。この焼結体の平均粒径は、1〜4μm、相対密度は91%であった。ノズルの内壁の表面粗さ(Ra)は、平均で0.55μmであった。
【0072】
以上本発明のノズルの製造装置、製造方法及びノズルの態様を説明したが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変形を加えた態様で実施し得るものであり、これらの態様はいずれも本発明の範囲に属するものである。
【0073】
【発明の効果】
本発明のノズルは硬度が高く耐磨耗性に優れる。
【0074】
本発明のノズルは内部まで黒色あるいは灰色であり、高級感のある重厚な色調を有し、使用者に安心感を与えるので、製品の差別化に寄与する。更に、本発明のノズルは、過焼結による硬度の不足が生じていないことを、目視により非破壊で容易にチェックすることができる。
【0075】
本発明のノズルの製造方法により、硬度が高く耐磨耗性に優れるノズルを製造することが出来る。
【0076】
本発明のノズルの製造方法により、耐久性に優れ、かつ、ノズルホルダーに確実に装着でき、高圧流体を用いたブラストに好適に使用できるノズルを製造することが出来る。
【0077】
本発明のノズルは耐久性に優れ、かつ、ノズルホルダーに確実に装着できるので、高圧流体を用いたブラストに好適に使用できる。
【0078】
本発明のノズル製造用焼結装置により、耐久性に優れ、かつ、ノズルホルダーに確実に装着でき、高圧流体を用いたブラストに好適に使用できるノズルを製造することが出来る。
【0079】
本発明のノズルの製造方法により、耐久性に優れ、かつ、ノズルホルダーに確実に装着でき、高圧流体を用いたブラストに好適に使用できるノズルを製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明のノズルを製造するためのノズル製造用焼結装置の一例を示す断面図である。
【図2】 一次加圧により成形ダイの中に一次成形体が得られた様子を示す断面図である。
【図3】 一次成形体の下端と下方パンチの上面との間に空間が形成された様子を示す断面図である。
【図4】 二次加圧の状態を示す断面図である。
【図5】 本発明のノズル製造用焼結装置による焼結を行う好ましい態様を示す断面図である。
【図6】 本発明のノズル製造用焼結装置による、焼結が終了する時点での状態を示す断面図である。
【図7】 本発明のノズルの一例を示す縦断面図である。
【図8】 本発明のノズルの他の一例を示す縦断面図である。
【図9】 加圧の態様の比較例を示す断面図である。
【図10】 本発明の中子押出し用治具の一例を示す断面図である。
【図11】 従来の放電プラズマ焼結装置の態様を示す説明用断面図である。
【符号の説明】
2:従来の焼結装置
4:成形ダイ
6a、6b:パンチ
12:棒状部材
31:貫通中空部
32:ノズル製造用焼結装置
34:成形ダイ
36:上方パンチ(一の側に位置する筒状のパンチ)
37:下方パンチ(他の側に位置する筒状のパンチ)
44:中子
50、52:プレス基盤
53:大径中空部
54:先細中空部
56:小径中空部
63:一次成形体
64:空間
69:二次成形物
70:ノズル
72:ノズル中空部
74:上部
76:中間部:
78:下部
80:中子押出し用治具
82:焼結体(ノズル)
86:筒状ケース
88:受け台
91:押出し棒
92:中実部
97:ケース中空部
98:貫通孔
88:受け台
100:挿通孔
102:下方パンチ37の上面(材料対向面)
Claims (7)
- 焼結用の材料を装入する貫通中空部を有する成形ダイと、該貫通中空部に挿入されて、装入された該材料を間にして互いに対向することとなる円筒状のパンチの一対と、該パンチの中空部に挿入されて該貫通中空部の軸心に沿って配置される棒状の中子と、を備え、前記貫通中空部に前記材料が装入され前記パンチを介して圧縮されるとともに該材料にパルス電流が通電される放電プラズマ焼結法による、ノズルを製造する焼結装置であり、
前記ノズルが、セラミック粉体(窒化珪素粉体を除く)を用いた焼結用粉体が放電プラズマ焼結法により焼結されて成る、炭素が含有されて内部が黒色又は灰色の焼結体からなり、
前記貫通中空部が、一の側に柱状の小径中空部を、中間部に該小径中空部に向けて細まる先細中空部を、他の側に柱状の大径中空部をそれぞれ有し、
前記一の側に位置するパンチの、装入された前記材料に対向する材料対向面が、前記小径中空部と前記先細中空部との境界又は該境界の近傍に位置するよう、前記一の側に位置するパンチが一時的に停留可能とされたノズル製造用焼結装置。 - 前記中子が、少なくとも前記中子の長手方向にみた中間の部位で、前記小径中空部に向けて細まる円錐台形状を有する請求項1に記載のノズル製造用焼結装置。
- セラミック粉体(窒化珪素粉体を除く)を用いた焼結用粉体が放電プラズマ焼結法により焼結されて成る、炭素が含有されて内部が黒色又は灰色の焼結体からなるノズルを製造する方法であり、
焼結用の材料を装入する貫通中空部を有する成形ダイと、該貫通中空部に挿入されて、装入された該材料を間にして互いに対向することとなる筒状のパンチの一対と、該パンチの中空部に挿入されて該貫通中空部の軸心に沿って配置される棒状の中子と、を備え、前記貫通中空部が、一の側に柱状の小径中空部を、中間部に前記小径中空部に向けて細まる先細中空部を、他の側に柱状の大径中空部をそれぞれ備え、装入された材料が前記パンチを介して圧縮されるとともに該材料にパルス電流が通電される、放電プラズマ焼結装置を準備するステップと、
前記貫通中空部の少なくとも前記先細中空部に焼結用粉体を装入するステップと、
前記パンチを介して、前記装入された焼結用粉体を加圧して一次加圧体を得る一次加圧ステップと、
前記一の側に位置する筒状のパンチと前記一次加圧体とを乖離させて、前記小径中空部に空間を作るステップと、
該空間に追加の焼結用粉体を装入するステップと、
前記パンチを介して、該空間に装入された前記追加の焼結用粉体と前記一次加圧体とを加圧する一体化のステップと、
前記一体化のステップで加圧された被加圧物にパルス電流を通電して焼結するステップと
を含む、ノズルの製造方法。 - 前記焼結用粉体を有機バインダ又は有機分散剤を用いて造粒するステップを含む請求項3記載のノズルの製造方法。
- 請求項3又は4に記載のノズルの製造方法により製造された、ノズル。
- 外周面が長手方向にみた少なくとも中間部において出先側端部に向けて先細形状である請求項5に記載のノズル。
- 請求項3又は4に記載のノズル製造方法により製造され焼結が終了し前記中子と結合状態にある焼結済みノズル、から前記中子を抜出すために用いられ、
前記中子を、前記焼結済みノズルから前記他の側に位置するパンチの方向に押出す押出し棒と、
一端部が開放され他端部に前記押出し棒を挿通させる貫通孔が形成され、前記中子と、前記焼結済みノズルと、該焼結済みノズル及び前記中子と係合状態にある前記他の側に位置するパンチとを、前記中子の太まった側を前記一端部の側に、前記中子の細まった側を前記他端部の側に配して収納する、筒状ケースと、
前記筒状ケースの前記一端部に配され、前記他の側に位置するパンチの、前記ノズルと接する端面と反対側の端面を受け、押出される前記中子を挿通させる挿通孔が形成された受け台と
を含んで構成された中子押出し用治具。
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