JP4044731B2 - 喫煙物 - Google Patents

Description

【０００１】
本発明は、紙巻タバコ、葉巻（シガー）及びシガリロ（cigarillo）などの喫煙物に関し、これら喫煙物から発生する副流煙を減少させることに関する。副流煙とは喫煙物が着火し、喫煙者によって吸引されていないときに発生する煙である。これに対して主流煙とは喫煙者によって吸引される煙である。主流煙と副流煙は、化学的性質が異なる。
【０００２】
副流煙は、特に紙巻タバコが例えば灰皿などに放置された場合など非喫煙者にとっては不快に感じられ、従って副流煙をいくらかでも減少させることが望まれている。主流煙の組成に改良を加えることは喫煙者による喫煙物に対する知覚に影響を与える。
【０００３】
本発明では、喫煙物から発生する煙の性状を改変をするために活性炭を使用する。当然のことながら、活性炭はその良好な吸収性が知られてから喫煙物に様々な目的で使用されている。
【０００４】
例えば、フィルターの炭素含有量による効果が、Williams氏等によって１９６４年、ウィーンで開かれた「第５回 General Assembly of CORESTA」という会合で提出された報告書で調査されており、この報告書は、「Beitrage zur Tabakforschung Vol. 3 part 3」の２３３−２４２頁に再掲載されている。この報告書では、異なる構造のフィルター片による主流煙の異なる成分の吸収の変化について報告されている。本発明では、カーボンをタバコロッド内、即ちフィルターがさらされる条件とは異なる条件下に配している。
【０００５】
英国特許明細書第１５１２３５２号には、主流煙に影響をおよぼすためにタバコロッド内のタバコに吸着させた多孔性活性炭粒子を使用することが開示されている。また英国特許明細書第１３４８５８０号には、主流煙に含まれる粒状物及びニコチンを減少させる紙巻タバコを製造するために主成分として活性炭を含む再生タバコ材シートを使用することが開示されている。
【０００６】
今日迄出願人の知る限りでは、副流煙の減少を意図してタバコロッドにカーボンを使用することを開示してるのは、米国特許第５０９２３５３号（ヨーロッパ公開公報第３７８７７４号）だけである。しかしながら、この米国特許では非常に低い透過率（１０コレスタ単位未満）の巻紙を使用して副流煙を減少させている。またそこに開示されている紙巻タバコが自己消火してしまうということを補うために熱分解されたアルファセルロースがタバコロッド内に存在している。
【０００７】
この熱分解された材料は、いかなる活性化処理も施されていない。煙に及ぼすであろう化学的効果については全く触れておらず、またおそらくそのような効果は全く無いかあるいはあっても僅かである何故なら具体的に使用されている熱処理が施されている材料は、比較的低表面積のカーボンからなるコットンリンター（cotton linters）であるからである。
【０００８】
本発明は、従って低透過率の紙、具体的には１０コレスタ単位以下の紙を使用することに制限されず、煙の化学的特性に影響を与えるためにタバコロッドに活性炭を配することによって先行技術とは対照的な喫煙物を提供する。
【０００９】
さらに本発明では、再生タバコシート中で特定の粒形状を呈する活性炭を喫煙物のタバコロッドに加えて喫煙者がこの喫煙物を吸煙した際に主流煙がまろやかさな風味を呈するようにする、と同時に喫煙物の巻き紙の空気透過率の範囲が広く、従って高い透過率であっても特に自己消火を防ぐための特別な手段を施さなくとも副流煙を減少せしめる。
【００１０】
活性炭粒子は、植物から得られるものが好ましい、なぜなら煙からアルデハイドを強力に吸着するのを援助し、このような化合物をキレート化する金属を微量含んでいるからである。これらの化合物は、除去することによって吸煙した際に知覚される喫煙物の主流煙のまろやかさを改善するのに大きく影響を与える化合物である。
【００１１】
また活性炭は煙の有益な揮発性成分を減少させず、増加させることができる。
【００１２】
喫煙物の燃えさし（coal）が、喫煙物に沿って進行するにつれて活性炭粒子に吸着された煙成分が、仮にあったとしてもこれら粒子から外れる。これら煙成分は、燃えさしに発生する非常に高い温度（最高で８００℃に達する）によって炭素粒子と共にガス状の酸化物として消失する。
【００１３】
活性炭粒子を含む再生タバコシートは、従来の製紙技術に似た方法で製せられ、その後シートはタバコロッドの材料となる刻みタバコと混合するために細かく刻まれる。
【００１４】
本発明の重要な用途は、しかしながら手巻き紙巻タバコブレンド、即ちばらばらのタバコ葉の状態で販売され、喫煙者が自分でシガレットペーパーで巻くタバコブレンドにある。
【００１５】
本発明は、従ってその範囲内で刻みタバコと活性炭を含む再生タバコシートとのブレンド及び再生タバコシートと活性炭を含む再生タバコシートのブレンドを包含する。
【００１６】
シートを刻むまたはその後の機械または喫煙者による操作によってカーボン粒子を損失する場合があるので、再生タバコシートにカーボン粒子がそれに保持されるようにコーティングまたはサイジング処理を施してもよく、また特にカーボン粒子それ自体をシート材に混入させる前にマイクロカプセル化してもよい。後者の場合、粒子のサイズを大きくするということで有利であり、従って機械的にシート材に保持され、サイズが均一化されるがその活性には影響を与えない。
実施例１
【００１７】
米国製の火力乾燥したタバコ及び薄葉（Burley）タバコの混合物と、カットロールされた茎と、膨張タバコを処理し１インチにつき３２カットに切断し、紙巻タバコを製した。平均粒径が３７μｍで０．５μｍ−１５０μｍの範囲の粒径を有するココナッツから得られた活性炭粒子を３０％含み、等しく切断された２０％の再生タバコシートをこの刻まれたタバコに混入した。対照紙巻タバコを活性炭粒子の添加を省略した以外、上記紙巻タバコと同じように製造した。
【００１８】
これら紙巻タバコは、８４ｍｍ長、７．９ｍｍ径で、フィルターを設けなかった。巻紙は、燃焼促進剤であるクエン酸カリウム２％を含む８０コレスタ単位のフラックスを支持体とする紙を使用した。
【００１９】
これら紙巻タバコを標準喫煙機にて喫煙し、その主流煙の蒸気相及び半揮発分量を分析し、その結果を表１及び２に示した。
【００２０】
表１から明らかなように特定のアルデヒド及びケトン及びアクロレイン及びブチルアルデヒド、これら化合物の除去は煙にまろやかな風味を付与する上で重要である、を選択的に著しく減少した。一方、特定の成分、特に味覚に有益であるとみなされているリモネンにおいては標準値と比較して増加が認められている。
【００２１】
表２から明らかなようにそれほど選択的とは言えないまでも同様に減少している。
実施例２
【００２２】
紙巻タバコ及び対照紙巻タバコを実施例１で使用したのと同じタバコブレンド及び再生タバコシートを使用して調整した。但し巻紙には、２５、５０、８０及び１８０コレスタ単位の透過率の巻紙を使用した。本発明の紙巻タバコ及び対照紙巻タバコからの副流煙は、表３に示すように半揮発成分及びニコチン含量において著しく減少した。一酸化炭素及び二酸化炭素の増加は、タバコシートに含まれる粒状カーボンの存在によるものであると推定される。
【００２３】
【表１】

【００２４】
【表２】

【００２５】
【表３】

Claims (12)

1. 刻まれたタバコと刻まれた再生タバコシートからなるタバコロッドを有し、前記再生タバコシートが活性炭粒子を含み、巻紙が前記タバコロッドを包み、前記巻紙が２０コレスタ単位以上の固有透過率を有することを特徴とする喫煙物。
2. 前記活性炭粒子が植物から得られることを特徴とする請求項１記載の喫煙物。
3. 前記植物がココナッツであることを特徴とする請求項２記載の喫煙物。
4. 前記活性炭粒子の平均粒径が３７μｍであることを特徴とする請求項１または２記載の喫煙物。
5. 喫煙物のタバコロッド用に刻まれたタバコと活性炭粒子を含む刻まれた再生タバコシートを、前記喫煙物の巻紙として固有透過率が２０コレスタ単位以上の材料を使用することからなる副流煙が減少し且つ喫煙時に知覚されるまろやかさが増加した喫煙物を製造する方法。
6. 手巻きで前記喫煙物を製することを特徴とする請求項５記載の方法。
7. 主流煙中のアルデヒド含量を選択的に減少させることを特徴とする請求項５または６記載の方法。
8. 喫煙物のタバコロッド用に刻まれたタバコと活性炭粒子を含む刻まれた再生タバコシートを、前記喫煙物の巻紙として固有透過率が２０コレスタ単位以上の材料を含む、副流煙が減少し且つ喫煙時に知覚されるまろやかさが増加した喫煙物を手巻きするためのキット。
9. 前記巻紙が２５コレスタ単位の固有透過率を有することを特徴とする請求項１、２または３記載の喫煙物。
10. 前記巻紙が５０コレスタ単位の固有透過率を有することを特徴とする請求項１、２または３記載の喫煙物。
11. 前記巻紙が８０コレスタ単位の固有透過率を有することを特徴とする請求項１、２または３記載の喫煙物。
12. 前記巻紙が１８０コレスタ単位の固有透過率を有することを特徴とする請求項１、２または３記載の喫煙物。