以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、封印ユニット1が配設される基板ボックス40について説明する。図1は、本発明の遊技機用基板ボックス封印具の一実施例である封印ユニット1を有する基板ボックス40の配設されたパチンコ機50の裏面の部分断面図であり、図2は、図1のI−I線における平面部分断面図である。尚、図2に示す2点鎖線は、連接板45を介して基板ボックス40が回転された状態を図示している。
図1に示すように、基板ボックス40は、例えば、遊技機の一種であるパチンコ機50の遊技盤51の裏面に設けられた入賞球集合カバー52に取り付けられている。基板ボックス40は、パチンコ機50の遊技内容に関する制御情報を記憶した制御用ROM等の電子部品により構成された制御回路基板(図示せず)を被包するためのものであり、ボックス本体41と、そのボックス本体41に覆設されるボックス蓋体42とを備えている(図3参照)。この基板ボックス40の上下側の両側壁面には、封印ユニット1,1がそれぞれ取り付けられており、基板ボックス40内に制御回路基板を被包する場合には、かかる封印ユニット1,1の双方を用いて、基板ボックス40の上側および下側の2箇所を封印する。
図1および図2に示すように、基板ボックス40のボックス本体41には、連接板45が配設されている。連接板45は、正面視長板状に形成されたヒンジ部材であり、計4本の取付ピン45aを備えている。この各取付ピン45aのうち、2本の取付ピン45aは、連接板45の右側端部分に突設されており、その他の2本の取付ピン45aは、連接板45の左側端部分に突設されている。各取付ピン45aのうち、連接板45の右側端部分(図1中、右側)に突設されている各取付ピン45aは、ボックスベース41に設けられた各軸受板41dに回動可能にそれぞれ支持されている(図2参照)。また、連接板45の左側端部分(図1中、左側)に突設されている各取付ピン45aは、入賞球集合カバー52に突設された各軸受板52aに回動可能にそれぞれ差し込まれる。よって、基板ボックス40は、連接板45により入賞球集合カバー52に対して回動可能に配設される。そして、基板ボックス40は、入賞球集合カバー52に配設された留め具(図示せず)によって、連接板45による回動を防止するために係止される。
この基板ボックス40の状態を検査する場合には、留め具による基板ボックス40の係止を解除した後、図2に示すように、連接板45を介して基板ボックス40を反時計方向へ回転させて、図2中の2点鎖線の位置の方向へ移動させることにより、ボックス本体41の裏面を検査することができる。また、連接板45の入賞球集合カバー52の各軸受板52aに差し込まれた各取付ピン45aは、それぞれ各軸受板52aに対して着脱可能に形成されているので、基板ボックス40を入賞球集合カバー52から取り外して検査することもできる。
図3は、各封印ユニット1,1が配設された基板ボックス40が開封された状態を示す分解斜視図である。尚、図3では、基板ボックス40に配設された一方の封印ユニット1のみを図示している。
図3に示すように、ボックス本体41は、金属材料から構成され中空状の箱状体に形成されており、その上方はボックス本体41内に制御回路基板を配設するために開放されている。また、ボックス本体41の側壁41aには封印ユニット1のユニット部材(第1封印具)20が取り付けられており、かかるユニット部材20の取付部材22はボックス本体41の一部として構成されている。更に、ボックス本体41の内側壁には薄板状のガイド板43が設けられており、ボックス本体41にボックス蓋体42を被せる場合、ボックス蓋体42の位置ズレを防止して、容易に被せることができる。
ボックス蓋体42は、ボックス本体41と同様に、金属製の中空箱状体に形成されており、その側壁42aには封印ユニット1のユニット部材(第2封印具)30が取り付けられており、かかるユニット部材30の取付部材32はボックス蓋体42の一部として構成されている。ボックス蓋体42の上部壁面には、透明な合成樹脂から構成された覗き窓42dが設けられており、基板ボックス40内の制御回路基板の様子や、その制御回路基板上に設けられた制御用ROMの型番号を容易に確認することができる。このため、制御回路基板を改造したり、制御用ROMを交換してパチンコ機50の遊技内容を変更する不正行為が行われた場合には、これを容易に発見することができる。
また、ボックス蓋体42の上面には、基板ボックス40内に配設された制御回路基板を管理するための基板管理番号シール61が貼付される。図9には、かかる基板管理番号シール61の平面図が図示されている。
図9に示すように、未使用の基板管理番号シール61は、台紙62に計4枚貼付されている。この基板管理番号シール61をボックス蓋体42に貼付する場合には、台紙62から1枚ずつ剥がして貼り付ければ良い。この基板番号管理シール61は、特殊シールで構成されており、その表面には、基板管理番号61aと、製造業者コード61bと、枠部61cと、検査履歴61dとが表示されている。基板管理番号61aとは、基板ボックス40に被包される制御回路基板のシリアル番号である。また、制御回路基板の製造業者は、枠部61cの色彩と製造業者コード61bとにより特定される。更に、この基板管理番号シール61は、制御回路基板の検査履歴書でもあり、検査履歴61dには、検査毎に「1」から「3」の欄に検査年月日(開封年月日)、検査者名(開封者名)および検査印等が記録される。
尚、基板管理番号シール61を構成する特殊シールは、剥がされると破損してしまう性質を有するものであるので、基板管理番号シール61が不正に剥がされた場合には、かかる不正行為を容易に発見することができる。
次に、図4から図8を参照して、封印ユニット1を構成する各部材について説明する。図4は、封印ユニット1を構成する各部材の分解斜視図であり、図5は、封印ユニット1のユニット部材20の下面図であり、図6は、基板ボックス40を封印した状態における封印ユニット1の部分断面図であり、図7は、予備用封印ねじ111を保持した状態を示した封印ユニット1の部分断面図であり、図8は、基板ボックス40の分解斜視図である。
まず、図4に示すように、封印ユニット1は、基板ボックス40を封印するための封印ねじ11と、その封印ねじ11が螺入されるナット(保持部材)12と、封印ねじ11を係止するためのストッパ部材(抜け止め手段)13と、ナット12およびストッパ部材13が配設されるとともにボックス本体41の一部として取り付けられるユニット部材20と、そのユニット部材20に対向してボックス蓋体42の一部として取り付けられるユニット部材30と、封印ねじ11の予備用の部材である予備用封印ねじ111とを備えている。
封印ねじ11は、後述するユニット部材20,30における各封印部材21,31を連結するためのものであり、ステンレス鋼材等の金属材料から構成されている。この封印ねじ11は、封印部材21に挿入される軸部11aと、その軸部11aの一端に一体形成されるとともに後述する封印部材31に係合される頭部(係合部)11bとを備えている。
図4に示すように、封印ねじ11の軸部11aは、先端部11cと、おねじが螺刻されたおねじ部11dと、おねじが螺刻されていない非おねじ部11eとを備えている。先端部11cは、軸部11aの下端部に形成されており、その先端部分に形成されたテーパ部T1と、後述するストッパ部材13により係止される係止溝(係止部)11fとを有している。図6に示すように、封印ねじ11の先端部11cは、テーパ部T1を介して後述するストッパ部材13の内孔13bへ容易に挿入することができる。即ち、封印ねじ11の先端部11cがストッパ部材13の内孔13bに挿入されると、テーパ部T1により、ストッパ部材13の内孔13bが徐々に押し広げられるからである。この封印ねじ11の挿入を更に続けると、係止溝11fがストッパ部材13により係止され、封印ねじ11は、ストッパ部材13から取り外し不可能な状態となる。
おねじ部11dは、後述するナット12のめねじ部12cと螺合可能に形成されており、非おねじ部11eの外径は、ナット12のめねじ部12cの内径より小さく形成されている。よって、封印ねじ11がナット12のめねじ部12cに螺入されて基板ボックス40が封印された場合、封印ねじ11の非おねじ部11eをナット12のめねじ部12c内に挿設することができる(図6参照)。
頭部11bは、軸部11aと比較して外径が大きく形成されており、後述する封印部材31の係合穴31aに係合可能となっている。よって、封印ねじ11の係止溝11fがストッパ部材13に係止され、その頭部11bが封印部材31の係合穴31aに係合された場合、封印部材21,31は、封印ねじ11により連結されるとともに、その封印ねじ11は、封印部材21,31から取り外し不可能となる。その結果、基板ボックス40は開封不可能な状態にて封印される。また、頭部11bの上面には、スクリュードライバ等のねじ回し工具が係合可能な上面視略十字状の係合溝11gが凹設されている。よって、この係合溝11gにスクリュードライバ等のねじ回し工具を係合させることにより、封印ねじ11をねじ込み方向および反ねじ込み方向の双方向に回転させることができる。
尚、封印ねじ11と予備用封印ねじ111は略同一形状に形成されているので、予備用封印ねじ111の説明は省略する。
図4および図6に示すように、ナット12は、封印ねじ11および後述するストッパ部材13を封印部材21内に保持するためのものであり、後述する封印部材21に内嵌される。このナット12は、真鍮等の金属材料から構成されており、円盤状に形成されたナット頭部12aと、そのナット頭部12aと比較して外径が小さく形成された円柱状の円筒部12bと、封印ねじ11のおねじ部11dに螺合可能なめねじ部12cと、そのめねじ部12cに連通して穿設された保持穴12dとを備えている。
ナット12のナット頭部12aは、後述する封印部材21の嵌合穴21aに内嵌され、円筒部12bは、後述する封印部材21の嵌合穴21bに内嵌される。この円筒部12bの外周面にはローレット切りが施されており(図4参照)、嵌合穴21aに内嵌されたナット頭部12aの外周面は嵌合穴21aの内壁に引っ掛かり、ナット12は嵌合穴21a内に確実に保持される(図6参照)。また、円筒部12bの下方には後述するストッパ部材13が配置されている。
めねじ部12cの内径は、封印ねじ11の非おねじ部11eの外径と比較して大きく形成されており、めねじ部12c内に非おねじ部11eを挿設することができる。また、保持穴12dは、めねじ部12cと連通して穿設されており、その内径は封印ねじ11のおねじ部11dの外径と比較して大きく形成されている。よって、封印ねじ11がナット12のめねじ部12cに螺入されて基板ボックス40が封印された場合、封印ねじ11のおねじ部11dを保持穴12d内に挿設することができる。
図4および図6に示すように、ストッパ部材13は、封印ねじ11における先端部11cの係止溝11fを介して、封印ねじ11を後述する封印部材21内に係止するためのものであり、バネ鋼材等を用いて上面視略O字形に形成されたプッシュナットである。このストッパ部材13は、後述する封印部材21の嵌合穴21b内であって、ナット12の下方に配置されている。このストッパ部材13は、その略中央部分に略すり鉢状に凹設された受け部13aを有しており、この受け部13aの略中央部分には、略円形状の内孔13bが穿設されている。また、このストッパ部材13の受け部13aは、封印ねじ11の先端部11cを、内孔13bへと案内することができる。
また、この受け部13aには、複数の切り欠きが略等配分で設けられており、このストッパ部材13の内孔13bに封印ねじ11の先端部11cが挿入されると、封印ねじ11のテーパ部T1を介して、受け部13aが弾性変形しストッパ部材13の内孔13bが押し広げられる。その後、封印ねじ11が更に螺入され、封印ねじ11の係止溝11fがストッパ部材13の内孔13bに挿設されると、受け部13aが弾性変形して内孔13bが収縮する。その結果、封印ねじ11の係止溝11fがストッパ部材13の内孔13bにより係止される。
図4に示すように、ユニット部材20は、基板ボックス40を封印するためにボックス本体41に配設されるものであり、ポリカーボネート樹脂等の耐衝撃性を有する合成樹脂材料で形成されている。このユニット部材20は、ナット12およびストッパ部材13が配置される複数の封印部材21と、ユニット部材20をボックス本体41に取り付けるための取付部材22と、各封印部材21と取付部材22とを互いに連結するための連結部材23と、封印ねじ11の予備用の部材である予備用封印ねじ111を保持するための予備ねじ保持部材(予備部材保持部)24と、連結部材23の不正な切断を防止するための一対の保護壁25及び複数の肉盛り部26とを備えている。尚、各封印部材21はそれぞれ略同一に構成されているので、以下、同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略する。
図4に示すように、封印部材21は、円柱状に形成されており、その一部には連結部材23が固着され取付部材22に連結されている。この封印部材21は、略等間隔で取付部材22に計4個連結されており、各封印部材21には、内径の異なる複数の同心状の嵌合穴21a,21b,21cが連通してそれぞれ形成されている。また、嵌合穴21a,21b,21cの内径は嵌合穴21a,21b,21cの順に大きく形成されている(図6参照)。
嵌合穴21aは、図6に示すように、封印部材21の上面に形成されており、ナット12のナット頭部12aが内嵌可能に形成されている。この嵌合穴21aの深さ、即ち、封印部材21の上面から嵌合穴21aの底面までの長さは、ナット12のナット頭部12aの長さと略同一に形成されている。よって、嵌合穴21aに内嵌されたナット12の上端部が封印部材21の上面から突出することを防止することができる。従って、後述するユニット部材30の封印部材31の下面を封印部材21の上面に当接させることができる。
嵌合穴21bは、嵌合穴21aに連通して形成されており、ナット12の円筒部12bが内嵌可能に形成されている。この嵌合穴21bの深さ、即ち、嵌合穴21aの底面から嵌合穴21bの底面までの長さは、ナット12の円筒部12bの長さと比較して大きく形成されており、円筒部12bの下面と嵌合穴21bの底面との間にはストッパ部材13を保持する空間が形成されている。また、嵌合穴21bと嵌合穴21cとの連結部分には、面取り部Cが形成されており、ストッパ部材13の受け部13aが嵌合される。よって、ストッパ部材13は、面取り部Cを介して嵌合穴21bの底面に位置決めされるとともに、封印部材21の嵌合穴21b内において、ナット12の円筒部12b下面により押さえ付けられることがない。従って、ストッパ部材13の内孔13b内に封印ねじ11の先端部11cを容易に挿入することができるとともに、ストッパ部材13を容易に弾性変形させることができる。
嵌合穴21cは、嵌合穴21bに連通して形成されており、封印ねじ11の先端部11cが内嵌可能に形成されている。この嵌合穴21cの深さ、即ち、嵌合穴21bの底面から嵌合穴21cの底面までの長さは、封印ねじ11の先端部11cの長さと比較して大きく形成されており、嵌合穴21cの底面に封印ねじ11の先端部11c下面を当接させてしまうことがない。
図4および図5に示すように、取付部材22は、封印ユニット1のユニット部材20をボックス本体41に取り付けるためのものであり、対向して配設された一対の板状体22a,22bと、その一対の板状体22a,22bを互いに連結する複数の連結部材22cと、板状体22bに配設された補強部材22dとを備えている。
図5に示すように、各板状体22a,22bは複数の連結部材22cにより連結されており、この複数の連結部材22cは計6箇所に配設されている。各連結部材22cのうち、板状体22a,22bの長手方向中央付近の4箇所を連結する各連結部材22cは、板状体22aの長手方向に略等間隔で配設された後述する複数の連結部材23に対応して配設されている。よって、取付部材22のうち、連結部材23が固着されている部分の厚みは大きく形成され、その強度は強化されている。従って、連結部材23を切断して封印部材21を除去する場合、取付部材22の板状体22a,22bに損傷を与えることなく連結部材23を切断することができる。また、取付部材22における一対の板状体22a,22bの間には所定幅の間隙W1が形成されており(図4および図5参照)、この一対の板状体22a,22bの間に形成された間隙W1は、ボックス本体41の側壁41aの板厚より大きく形成されている。
図8に示すように、ボックス本体41の側壁41aには、取付部材22の各連結部材22cに対応した略矩形状の係合溝41bが略等間隔で計6箇所に形成されている。この各係合溝41bには、各連結部材22cをそれぞれ係合させることができる。かかる係合により、図3に示すように、ボックス本体41の側壁41aは、ユニット部材20の取付部材22における板状体22a,22bの間に挟み込まれ、ユニット部材20は、ボックス本体41に取り付けられ、ボックス本体41の一部となる。ボックス本体41の側壁41aは、ユニット部材20の板状体22a,22bの間に挟み込まれ、その剛性が向上する。
また、取付部材22の長手方向の両端部分には一対の取付孔22eが板状体22a,22bのそれぞれを貫通して穿設されている(図4および図5参照)。ボックス本体41の側壁41aには、この取付部材22の一対の取付孔22eに対応して、一対の係合穴41cが穿設されている(図8参照)。よって、ユニット部材20の板状体22a,22bの間にボックス本体41の側壁41aを挟み込みつつ、ユニット部材20の取付部材22をボックス本体41の側壁41aに「かしめ」またはネジ止めにより固定することができる(図3および図6参照)。
図5に示すように、取付部材22の板状体22bの長手方向略中央付近には、略矩形状の係止穴22fが穿設されている。図6および図7に示すように、この係止穴22fには、ボックス本体41の側壁41a内側面に突設された係止爪41eが係止されており、ユニット部材20をボックス本体41の側壁41aに「仮止め」することができる。よって、ユニット部材20はボックス本体41に「仮止め」されているので、「かしめ」またはネジ止めによるユニット部材20の固定作業を容易に行うことができる。
補強部材22dは、封印ユニット1が配設された基板ボックス40の強度を補強するためのものである。この補強部材22dは、略平板状に形成されており、取付部材22の板状体22bにおける上部側面に一体に形成されている(図6および図7中、右側)。この補強部材22dの長手方向両端部分には、段差がそれぞれ設けられており、補強部材22dの曲げ剛性および捻り剛性が強化されている。その結果、基板ボックス40に配設された封印ユニット1の剛性が強化される。
図4および図5に示すように、連結部材23は、封印部材21と取付部材22とをそれぞれ連結(結合)するためのものである。この連結部材23は、取付部材22の板状体22aの一側面に略等間隔で計4個配設されており、各連結部材23には封印部材21がそれぞれ固着されている。即ち、計4個の各封印部材21が略等間隔で隣接して取付部材22と連結され、ユニット部材20が一体に形成されている。
また、連結部材23により連結された封印部材21と取付部材22との間には、基板ボックス40が開封された状態(図3)でユニット部材20の上側から、ニッパ等の工具の刃先が入り込むことが可能な間隔が形成されている。よって、封印部材21を切断して除去する場合に、ユニット部材20の上側から、ニッパ等の工具を用いて連結部材23を容易に切断することができる。一方、基板ボックス40が封印された状態においては、ユニット部材20の上側ではユニット部材30が障害となり、また、ユニット部材20の下側または横側では後述する保護壁25および肉盛り部26が障害となって、ニッパ等の工具の刃先が入り込むことができず、連結部材23を切断することができない。
図4に示すように、一対の保護壁25は、ユニット部材20の下側または横側から連結部材23が切断されるのを防止するためのものである。この各保護壁25は、取付部材22の長手方向両端付近に固着された封印部材21,21にそれぞれ隣接して、取付部材22の板状体22aにそれぞれ固着されている。基板ボックス40が封印された状態では、後述する「1」または「4」の番号表示Kが付された封印部材31に対向する封印部材21と取付部材22とを連結する連結部材23は、一対の保護壁25により保護される。従って、基板ボックス40が封印された状態においては、保護壁25が障害となって、これらの連結部材23により連結された封印部材21と取付部材22との間に、ニッパ等の工具の刃先が入り込むことは不可能なので、かかる連結部材23がユニット部材20を下側等から不正に切断され、基板ボックス40が不正に開封されることを防止することができる。また、図5に示すように、この一対の保護壁25は、その下面側の肉厚が大きくされ剛性が強化されており、ニッパ等の工具によって切断することは困難である。
図6に示すように、ユニット部材20の板状体22aの左下側面には、肉盛り部26が固着されている。肉盛り部26は、基板ボックス40が封印された状態において、上述した一対の保護壁25とともにユニット部材20の下側から各連結部材23が切断されるのを防止するためのものであり、その剛性を向上させるために肉厚が大きく形成されている。よって、かかる肉盛り部26をニッパ等の工具によって切断することは困難である。図5に示すように、かかる肉盛り部26が、各連結部材23の間に隣接して、それぞれ設けられているので、基板ボックス40が封印された状態では、ユニット部材20の下側(図2では遊技盤51配設側)からのニッパ等の挿入が防止され、各連結部材23の切断が防止されるのである。
上記のように各連結部材23は、一対の保護壁25および複数の肉盛り部26によって、ユニット部材20の下側または横側からその切断が防止されているので、封印ユニット1により封印された基板ボックス40を開封するためには、ユニット部材30に固着されたリブ部材36および連結部材33を切断しなければならない。これらの連結部材33およびリブ部材36は、図2の手前側に配設されたユニット部材30に固着されているので、連結部材33およびリブ部材36の切断や、その切断の隠蔽工作等が行われた場合には、基板ボックス40を回転させることなく、そのままの状態で、それらを容易に発見することができる。従って、図2に示すように、留め具(図示せず)による基板ボックス40の係止を解除した後、連接板45を介して基板ボックス40を反時計方向へ回転させ、基板ボックス40を2点鎖線の位置へ移動させて、ユニット部材20の各連結部材23が切断されているか否かの検査を行うことが不要となる。
予備ねじ保持部材24は、予備用封印ねじ111を保持するためのものであり、図4に示すように、各封印部材21の外周面左側に一体に形成されている。この予備ねじ保持部材24の一端には、予備ねじ保持部材24の上端面から下端面へ貫通する予備ねじ保持穴24aが穿設されており、この予備ねじ保持穴24aに予備用封印ねじ111が保持される(図7参照)。図5に示すように、予備ねじ保持穴24aは下面視略C字形に形成されており、その一部には切り欠き24bが設けられている。よって、予備ねじ保持穴24a内への予備用封印ねじ111の挿入に伴って、予備ねじ保持穴24aの内径を拡大することができる。
また、予備ねじ保持穴24aは、予備ねじ保持部材24の上端面側の内径(上端側内径)より、予備ねじ保持部材24の下端面側の内径(下端側内径)を小さくしたテーパ部T2を有しており(図7参照)、その上端側内径は、予備用封印ねじ111のおねじ部11dの外径と比較して大きく形成されている。よって、このテーパ部T2を介して、予備用封印ねじ111を予備ねじ保持穴24a内へ容易に挿入することができる。また、予備ねじ保持穴24aの下端側内径は、予備用封印ねじ111のおねじ部11dの外径と比較して小さく形成されている。よって、予備用封印ねじ111を予備ねじ保持穴24aへ挿入した場合、予備用封印ねじ111の頭部11bの下端面と予備ねじ保持部材24の上端面とが当接するまで、予備用封印ねじ111が押し込まれると、予備ねじ保持穴24aの下端部分と予備用封印ねじ111のおねじ部11dとが係合して、予備用封印ねじ111が予備ねじ保持穴24a内に取り外し可能な状態で保持される。
図3に示すように、封印ユニット1には、計4個の封印部材21,31がそれぞれ配設されている。これらの封印部材21,31を封印するためには、封印ねじ11の他に3本の予備用封印ねじ111が必要となる。よって、本実施例の封印ユニット1の各封印部材21のうち、右側3個には、それぞれ予備ねじ保持部材24が設けられており、その各予備ねじ保持部材24には、それぞれ予備用封印ねじ111が保持される。即ち、本実施例の各封印ユニット1には、それぞれ3本ずつ、計6本の予備用封印ねじ111が保持されている。
ユニット部材30は、封印ねじ11とユニット部材20とを介して、基板ボックス40を封印するためにボックス蓋体42に配設されるものであり、ポリカーボネート樹脂等の耐衝撃性を有する合成樹脂材料で形成されている。このユニット部材30は、封印ねじ11が係合される封印部材31と、ユニット部材30をボックス蓋体42に取り付けるための取付部材32と、各封印部材31と取付部材32とを互いに連結するための連結部材33と、予備用封印ねじ111の頭部11bを係止するための予備ねじ係止部材(予備部材係止部)34とを備えている。尚、各封印部材31はそれぞれ略同一に構成されているので、以下、同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略する。
図6に示すように、封印部材31は、円柱状に形成されており、その一部には連結部材33が固着され取付部材32に連結されている。この封印部材31は、略等間隔で取付部材32に計4個連結されており、各封印部材31はユニット部材20の各封印部材21のそれぞれと対向する位置に取付部材32と一体に形成されている(図3参照)。また、各封印部材31は、封印ねじ11の頭部11bと係合される係合穴31aと、その係合穴31aに連通して穿設された挿入穴31bとを備えている。
この係合穴31aの内径は、封印ねじ11の頭部11bの外径と比較して大きく形成されており、その深さ、即ち、封印部材31の上面から係合穴31aの底面までの長さは、封印ねじ11の頭部11bの長さと比較して長く形成されている。よって、封印ねじ11の頭部11bを封印部材31の上面から突出させることなく、封印部材31の係合穴31a内に係合させることができる。
挿入穴31bの内径は、封印ねじ11の頭部11bの外径と比較して小さく形成されるとともに、封印ねじ11のおねじ部11dの外径と比較して大きく形成されている(図6参照)。よって、封印ねじ11のおねじ部11dを挿入穴31bを貫通させて、ナット12のめねじ部12cに螺合させることができる。また、封印ねじ11の係止溝11fがストッパ部材13により係止されて封印ねじ11が封印部材21内に取り外し不可能な状態で保持された場合、封印ねじ11の頭部11bは係合穴31a内に係合される。従って、封印部材21,31は封印ねじ11により分離不可能に連結され、基板ボックス40は開封不可能な状態で封印される。
図4に示すように、取付部材32は、封印ユニット1のユニット部材30をボックス蓋体42に取り付けるためのものであり、対向して配設された一対の板状体32a,32bと、その一対の板状体32a,32bを互いに連結する複数の連結部材32cとを備えている。
図4に示すように、各板状体32a,32bは複数の連結部材32cにより連結されており、この複数の連結部材32cは計6箇所に配設されている。各連結部材32cのうち、板状体32a,32bの長手方向略中央付近の4箇所を連結する各連結部材32cは、板状体32aの長手方向に略等間隔で配設された後述する複数の連結部材33に対応して配設されている。よって、取付部材32のうち、連結部材33が固着されている部分の厚みは大きく形成され、その強度は強化されている。従って、連結部材33を切断して封印部材31を除去する場合、取付部材32の板状体32a,32bに損傷を与えることなく連結部材33を切断することができる。また、取付部材32における一対の板状体32a,32bの間には所定幅の間隙W2が形成されており、この一対の板状体32a,32bの間に形成された間隙W2は、ボックス蓋体42の側壁42aの板厚より大きく形成されている。
図8に示すように、ボックス蓋体42の側壁42aには、取付部材32の各連結部材32cに対応した略矩形状の係合溝42bが略等間隔で計6箇所に形成されている。この各係合溝42bには、各連結部材32cをそれぞれ係合させることができる。かかる係合により、図3に示すように、ボックス蓋体42の側壁42aは、ユニット部材30の取付部材32における板状体32a,32bの間に挟み込まれ、ユニット部材30は、ボックス蓋体42に取り付けられ、ボックス蓋体42の一部となる。ボックス蓋体42の側壁42aは、ユニット部材30の板状体32a,32bの間に挟み込まれ、その剛性が向上する。
また、取付部材32の長手方向の両端部分には一対の取付孔32eが板状体32a,32bのそれぞれを貫通して穿設されている(図4および図5参照)。ボックス蓋体42の側壁42aには、この取付部材32の一対の取付孔32eに対応して、一対の係合穴42cが穿設されている(図8参照)。よって、ユニット部材30の板状体32a,32bの間にボックス蓋体42の側壁42aを挟み込みつつ、ユニット部材30の取付部材32をボックス蓋体42の側壁42aに「かしめ」またはネジ止めにより固定することができる(図3および図6参照)。
図6および図7に示すように、取付部材32の板状体32bの長手方向略中央付近には、略矩形状の係止穴32fが穿設されている。この係止穴32fには、ボックス蓋体42の側壁42a内側面に突設された係止爪42eが係止されており、ユニット部材30をボックス蓋体42の側壁42aに「仮止め」することができる。よって、ユニット部材30はボックス蓋体42に「仮止め」されているので、「かしめ」またはネジ止めによるユニット部材30の固定作業を容易に行うことができる。
図4に示すように、連結部材33は、各封印部材31と取付部材32とをそれぞれ連結(結合)するためのものである。この連結部材33は、取付部材32の板状体32aの一側面に略等間隔で計4個配設されており、各連結部材33には封印部材31がそれぞれ固着されている。即ち、計4個の各封印部材31が略等間隔で隣接して取付部材32と連結され、ユニット部材30が一体に形成されている。また、連結部材33により連結された封印部材31と取付部材32との間には、後述するリブ部材36が切断されることを条件として、ニッパ等の工具の刃先が入り込むことが可能な間隔が形成されている。よって、封印部材31を切断して除去する場合に、ニッパ等の工具を用いて連結部材33を容易に切断することができる。
各リブ部材36は、各連結部材33の不正な切断によって基板ボックス40が開封されるのを防止するためのものである。この各リブ部材36は、各連結部材33の両側部分に隣接してそれぞれ配設されている。よって、連結部材33により連結された封印部材31と取付部材32との間に、ニッパ等の工具の刃先が入り込むことは不可能なので、かかる連結部材33が切断されて、基板ボックス40が不正に開封されることを防止することができる。
各リブ部材36は、その上端部分が取付部材32の板状体32aの側面に固着されている。よって、この固着部分をニッパ等によって切断することにより、リブ部材36を取付部材32の板状体32aから除去することができる。リブ部材36が連結部材33の両側部分から除去されると、連結部材33はニッパ等によって切断可能な状態となり、かかる連結部材33を切断することにより、一旦封印された基板ボックス40が開封可能となる。
尚、ボックス本体41とユニット20およびボックス蓋体42とユニット30は、それぞれ合成樹脂材料を使用して一体成形しても良い。また、各封印部材31の下面にナット12のナット頭部12aの上面をそれぞれ固着して、各封印部材31と各ナット12とを一体に形成しても良い。
図4に示すように、各封印部材31のうち、取付部材32の長手方向右側部分に固着された封印部材31の外周面右側には、突起部材35が突出して固着されており、その上面には「1」の番号表示Kが付されている。この突起部材35は、取付部材32の長手方向右端部分に固着された封印部材31から突出して設けられているので、その破損防止のため厚板状に形成されている。また、突起部材35は、後述する予備ねじ係止部材34のように、後述する突起部34aを有していない。
予備ねじ係止部材34は、予備ねじ保持部材24に保持された予備用封印ねじ111の頭部11bを係止するためのものである。図4に示すように、各予備ねじ係止部材34の上面には、「2」から「4」までの番号表示Kがそれぞれ表示されている。また、これらの各予備ねじ係止部材34は、各封印部材31の外周面右側にそれぞれ固着されている。各番号表示Kは、ユニット部材30の成形と同時に型枠を用いて形成されており、各一対の封印部材21,31が封印される順番を表している。よって、各封印部材21とそれに対向する各封印部材31とを「1」から「4」の各番号表示Kの順に封印ねじ11を用いて封印するとともに、「1」から「4」の番号表示Kの順に封印された一対の封印部材21,31をニッパ等の工具を用いて切断して除去することができる。
尚、この各番号表示Kを付す方法としては、「1」から「4」の数字を印刷した合成樹脂等のシート等を各予備ねじ係止部材34の上面に貼付等したりしても良い。
図4に示すように、各予備ねじ係止部材34はそれぞれ薄板状に形成されており、その下面には後述する突起部34aが設けられている(図7参照)。また、図7に示すように、予備ねじ係止部材34は、予備ねじ保持部材24に保持された予備用封印ねじ111の頭部11bの上方に覆設されており、予備ねじ係止部材34の下面と予備用封印ねじ111の頭部11bの頂部とは当接している。よって、予備ねじ保持部材24に保持された予備用封印ねじ111の頭部11bは、予備ねじ係止部材34により押さえられているので、予備用封印ねじ111の抜け落ちが防止され、予備用封印ねじ111の紛失を防止することができる。また、予備ねじ保持部材24に保持された予備用封印ねじ111の頭部11bを掴んで、予備用封印ねじ111を上方へ抜き取る不正行為等を防止することができる。
この予備ねじ係止部材34の下面には、突起部34aが下側方向へ突設されている。この突起部34aは、略円柱状に形成されており、予備用封印ねじ111の頭部11bに凹設された係合溝11gに係合可能に形成されている。よって、予備用封印ねじ111の係合溝11gに突起部34aを係合させることにより、予備用封印ねじ111の頭部11bが確実に係止され、予備用封印ねじ111をテーパ部T2を有する予備ねじ保持部材24内で確実に保持することができる。
各予備ねじ係止部材34のうち、「2」から「4」の番号表示Kが付された計3個の予備ねじ係止部材34は、それらが固着されている各封印部材31に対向する封印部材21の右側に隣接する封印部材21の予備ねじ保持部材24に保持されている予備用封印ねじ111を係止することができる。例えば、「2」の番号表示Kが付された予備ねじ係止部材34は、その右側に隣接する(「1」の番号表示Kが付された突起部材35が固着された)封印部材31と対向する封印部材21の予備ねじ保持部材24に保持された予備用封印ねじ111を突起部34aにより係止することができる。
また、予備ねじ係止部材34を介して予備ねじ保持部材24に保持された予備用封印ねじ111を取り出す場合には、連結部材23または連結部材33のいずれかを切断すると、予備ねじ係止部材34の突起部34aと予備用封印ねじ111の係合溝11gとの係合が解除される。その結果、予備用封印ねじ111を予備ねじ保持穴24aから容易に取り外すことができるとともに、かかる予備用封印ねじ111を用いて、封印部材21,31を連結して、基板ボックス40を再度封印することができる。
次に、上述した基板ボックス40に取り付けられた封印ユニット1の使用方法について説明する。まず、ユニット部材20の各封印部材21に形成された嵌合穴21b内にストッパ部材13をそれぞれ挿入し、その上方からナット12を嵌合穴21a,21b内にそれぞれ内嵌させる。次に、ユニット部材20の各連結部材22cをボックス本体41の各係合溝41bに対応させて係合し、取付部材22の一対の板状体22a,22bの間にボックス本体41の側壁41aを挟み込むようにして、取付部材22を側壁41aに填め込むと、取付部材22は、ボックス本体41の一部となる。その後、取付部材22の板状体22bに設けられた係止穴22fがボックス本体41の係止爪41eにより係止されるまで填め込み、ユニット部材20をボックス本体41に「仮止め」して、取付孔22eおよび係合穴41cを「かしめ」またはネジ止めにより固定する。このようにして、ユニット部材20をボックス本体41の2箇所に固定する(図1参照)。
また、同様に、ボックス蓋体42の各係合溝42bにユニット部材30の各連結部材32cを対応させて係合し、取付部材32の一対の板状体32a,32bの間にボックス蓋体42の側壁42aを挟み込むようにして、取付部材32を側壁42aに填め込むと、取付部材32はボックス蓋体42の一部となる。その後、取付部材32の板状体32bに設けられた係止穴32fがボックス蓋体42の係止爪42eにより係止されるまで填め込み、ユニット部材30をボックス蓋体42に「仮止め」して、取付孔32eおよび係合穴42cを「かしめ」またはネジ止めにより固定する。このようにして、ユニット部材30をユニット部材20に対向させてボックス蓋体42の2箇所に固定する(図1参照)。
その後、ユニット部材20の各封印部材21に設けられた予備ねじ保持穴24a内に予備用封印ねじ111をそれぞれ挿入する。各予備用封印ねじ111を各予備ねじ保持穴24a内に完全に挿入した後、ユニット部材20,30の各封印部材21,31を対向させて、ボックス本体41にボックス蓋体42を被せる。ボックス蓋体42をボックス本体41に被せると、封印部材31の下面が封印部材21の上面に当接されるとともに、各予備ねじ係止部材34の突起部34aが各予備用封印ねじ111の頭部11bに凹設された係合溝11gに係合される。
次に、各封印ユニット1の封印部材31のうち、「1」の番号表示Kが付された突起部材35が固着されているものの挿入穴31b内に封印ねじ11の先端部11cをそれぞれ挿入する。挿入穴31bへ挿入された封印ねじ11の係合溝11gにスクリュードライバ等のねじ回し工具を係合し、封印ねじ11をナット12にねじ込む。封印ねじ11がねじ込まれると、封印ねじ11のおねじ部11dは、ナット12のめねじ部12cに螺入される。それと同時に、封印ねじ11の先端部11cは、ナット12の下方に配置されたストッパ部材13の受け部13aに到達し、内孔13bへと案内される。封印ねじ11の先端部11cが内孔13bへ案内され挿入されると、先端部11cに形成されたテーパ部T1により、ストッパ部材13の内孔13aが押し広げられ、ストッパ部材13の受け部13aが弾性変形する。
更に、封印ねじ11がねじ込まれると、封印ねじ11のおねじ部11dとナット12のめねじ部12cとの螺合が解除され、おねじ部11dおよび非おねじ部11eはそれぞれ保持穴12dおよびめねじ部12c内に挿設され、封印ねじ11の係止溝11fがストッパ部材13により係止され、封印ねじ11が封印部材21内にて抜き取り不可能な状態で保持される。一方、封印ねじ11の頭部11bは、封印部材31の係合穴31a内に係合される。
その結果、封印ねじ11を反ねじ込み方向へ回転させた場合、封印ねじ11のおねじ部11dは、ナット12の保持穴12d内にて空回し、封印ねじ11を封印部材21内から抜き取り不可能にすることができる。更に、封印ねじ11の頭部11bは、封印部材31の係合穴31aに係合されているので、基板ボックス40のボックス本体41とボックス蓋体42とが開封不可能に連結され、基板ボックス40を確実に封印することができる(図6参照)。よって、基板ボックス40に被包された制御回路基板上の制御用ROM等を不適法に取り外して、パチンコ機50の遊技内容を変更する不正行為を防止することができる。
また、このようにして基板ボックス40が封印されると、各予備ねじ保持穴24aに保持された各予備用封印ねじ111は、各予備ねじ係止部材34により、確実に係止され、各予備ねじ保持穴24a内に抜き取り不可能な状態で保持される。よって、予備用封印ねじ111が予備ねじ保持穴24aから抜け落ちることが防止されるので、予備用封印ねじ111の紛失を防止することができる。また、予備用封印ねじ111の不正な抜き取りを防止することができる。
基板ボックス40を開封する場合には、ニッパ等によって、連結部材33の両側部分に固着された2本のリブ部材36,36を切断して、その切断されたリブ部材36,36の間に固着された連結部材33を切断する必要がある。前述したように、基板ボックス40を封印した状態では、連結部材23は、一対の保護壁25および複数の肉盛り部26が障害となって、切断することができないからである。即ち、連結部材33および2本のリブ部材36,36をそれぞれ切断しなければ、基板ボックス40を開封することができない。よって、基板ボックス40を開封して制御回路基板に不正改造等の不正行為を行った後、その不正行為を隠蔽する場合には、連結部材33および2本のリブ部材36,36の各切断部分のそれぞれに接着剤等を塗布し、かかる複数の切断部分をそれぞれ再接合する必要がある。複数の切断部分を再接合して、切断の痕跡を隠蔽することは容易なことではないので、不正行為の隠蔽を確実に行うことはできない。
また、連結部材33および2本のリブ部材36,36は、基板ボックス40のボックス蓋体42側に配設されているので、基板ボックス40をパチンコ機50側に取り付けたままの状態(図1)で、切断部分を容易に視認することができる。よって、不正行為が行われた場合には、かかる不正行為を早期に発見することができる。このように不正行為を早期に発見できる構成を採用することにより、不正行為を抑制することもできる。
次に、この封印状態にある基板ボックス40から制御回路基板上の制御用ROM等を取り外して検査する方法について説明する。封印ねじ11の頭部11bは封印部材31の係合穴31aに係合され、封印ねじ11の軸部11aは封印部材21内に抜き取り不可能な状態で保持されているので、基板ボックス40内の制御回路基板を適法に検査する場合、ボックス本体41からボックス蓋体42を外して、基板ボックス40を開封することができない。かかる場合、各封印ユニット1のうち、封印ねじ11により封印されている各封印部材31、例えば、「1」の番号表示Kが付されている突起部材35が固着された封印部材31と取付部材32とを連結している連結部材33に隣接する2本のリブ部材36,36がニッパ等の工具を用いて切断されると、その連結部材33が切断可能となる。その後、ニッパ等によって、かかる連結部材33を切断すると、基板ボックス40が開封される。基板ボックス40を開封してボックス蓋体42を取り外した後、「1」の番号表示Kが付されている突起部材35が固着された封印部材31と当接する封印部材21と取付部材22とを連結している連結部材22を、封印部材21側からニッパ等の工具によって切断して、封印ねじ11によって連結された封印部材21,31を除去する。
このようにして、連結部材33およびそれに隣接する2本のリブ部材36が切断されると、基板ボックス40が開封可能となり、予備ねじ係止部材34の突起部34aと予備用封印ねじ111との係合が解除され、予備用封印ねじ111が予備ねじ保持穴24aから抜き取り可能となる。よって、かかる予備用封印ねじ111を用いて、「2」の番号表示Kが付された予備ねじ係止部材34が固着された封印部材31とそれに対向する封印部材21とを連結して、基板ボックス40を再度封印することができる。
また、封印部材21,31を破壊または切断等により除去すれば、基板ボックス40を開封することができるが、その場合には、基板ボックス40が開封された痕跡を確実に残すことができる。即ち、不正行為が行われたか否かを即座に発見することができる。
また、「2」から「4」の番号表示Kが付された予備ねじ係止部材34が固着された各封印部材31のいずれかが除去された場合にも、各予備用封印ねじ111を各予備ねじ保持穴24aから容易に取り外すことができる。
尚、本実施例では、各封印ユニット1に封印部材21,31が各4個ずつ計4組設けられているので、最大3回まで基板ボックス40の封印を解除して開封することができる。また、止むを得ず全ての封印部材21,31を切断して排除した場合には、ユニット部材20,30をボックス本体41およびボックス蓋体42に固定する「かしめ」またはねじ止めを取り付り外し、新たなに封印ユニット1のユニット部材20,30をボックス本体41およびボックス蓋体42に取り付ければよい。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、本実施例では、封印ねじ11および予備用封印ねじ111の頭部11b上面には、スクリュードライバ等のねじ回し工具が係合可能な上面視略十字状の係合溝11gを凹設した。しかし、スクリュードライバ等のねじ回し工具を係合させる係合溝はこれに限られるものではなく、封印ねじ11および予備用封印ねじ111をねじ込み方向に回転させる場合、ねじ回し工具と係合可能となり、逆に封印ねじ11および予備用封印ねじ111を反ねじ込み方向に回転させる場合には、ねじ回し工具を空回りさせる係合溝、いわゆるワンウェイ十字溝を凹設しても良い。その結果、封印ねじ11を反ねじ込み方向に回転させることができないので、ナット12に挿入された封印ねじ11の抜き取り行為を防止することができる。
また、本実施例では、基板ボックス40に封印ユニット1と基板ボックス40とを別部材として形成した。しかし、かかる封印方法はこれに限られるものではなく、基板ボックスのボックス本体およびボックス蓋体のそれぞれと封印ユニットの各ユニット部材とを一体に形成しても良い。
また、本実施例では、「2」から「4」の番号表示Kが付された各予備ねじ係止部材34を各封印部材31の外周側面に設けた。しかし、かかる予備ねじ係止部材34の配設位置はこれに限られるものではなく、「5」の番号表示Kが付された予備ねじ係止部材34のように、取付部材32の板状体32aの側面に設けて、予備ねじ保持部材の予備ねじ保持穴に保持される予備用封印部材を係止しても良い。
また、本実施例では、各封印部材31に対して連結部材33が1本づつ固着されていた。しかし、かかる連結部材33の本数は必ずしもこれに限られるものではなく、取付部材32および1つの封印部材31を複数本の連結部材によって連結しても良い。かかる構成により、基板ボックスを開封するためには封印ユニットの複数箇所を切断しなければならず、不正行為の隠蔽工作を困難にすることができるのである。
また、本実施例では、リブ部材36をユニット部材30にのみ配設した。しかし、リブ部材の配設位置は必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、ユニット部材20に配設された肉盛り部26に代替して、複数のリブ部材を各連結部材23の両側部分に隣接して配設しても良い。