JP4041907B2 - Stabilized halogen-containing resin composition - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水酸化カルシウムの結晶表面近傍のCaがAl、またはMgとAlで置換された水酸化カルシウム系化合物の製造方法、および該化合物を含有する安定化された含ハロゲン樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、水酸化カルシウムの欠点である初期着色を顕著に改善した、熱安定性に優れた水酸化カルシウム系化合物の製造方法、および該化合物を含有する安定化された含ハロゲン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
含ハロゲン樹脂は熱や光に対して不安定である。そのため、溶融する前に、熱安定剤を添加する必要がある。熱安定剤としては、鉛系化合物、有機スズ系化合物、Cd/Ba系金属石けん、Ba/Zn系金属石けん、Ca/Zn系金属石ケン、ハイドロタルサイト類等が使用されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
安全性および環境に対する影響に、社会的関心が高くなってきた結果、熱安定剤に使用されてきた、カドミウム系、鉛系、スズ系、バリウム系の使用を禁止、または抑制する傾向になってきた。同時に、熱安定剤に対する価格低減の要求もますます強くなっている。従来の熱安定剤であるCa/Zn系は無毒であるが、熱安定性が劣り、ハイドロタルサイト類は同じく無毒であるが、結晶水が多く発泡の問題があり、且つ価格的にも問題がある。
【0004】
そこで本発明者は、無毒で、安価で、発泡が無く、熱安定性も良い水酸化カルシウムに注目した。しかし水酸化カルシウムは、含ハロゲン樹脂を赤褐色に強く着色させる、いわゆる初期着色が強い問題がある。また炭酸化され易く、炭酸ガスとか炭酸イオンと反応して炭酸カルシウムに変化し、初期の活性を経時的に失い易い問題もある。これらの問題のため、熱安定剤として使用されることは殆ど無かった。
【0005】
したがって、本発明は前記水酸化カルシウムの問題を克服し、無毒、安価で初期着色が良く、熱安定性に優れた、そして耐炭酸化性良好な、含ハロゲン樹脂の新規な熱安定剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水酸化カルシウムの結晶表面近傍のCaを、AlまたはMgとAlで、全カルシウムの0.5〜15モル%、好ましくは1〜10モル%置換し、さらに好ましくは、さらにアニオン系界面活性剤で表面処理した、新規な水酸化カルシウム系化合物を含有する、安定化された含ハロゲン樹脂組成物を提供する。
【0007】
さらに本発明は、下記に示すような該新規な水酸化カルシウム系化合物の製造方法を提供する。
水または含水溶媒に分散した水酸化カルシウム、またはドロマイト由来の水酸化カルシウム・水酸化マグネシウム混合体に、攪拌下にアルミニウム水溶液、またはマグネシウムと水溶性アルミニウムの混合水溶液、またはそれぞれの単独水溶液を水酸化カルシウム1モルに対し、0.5モル%以上、好ましくは1〜10モル%の割合で加えて反応させる水酸化カルシウム系化合物の製造方法を提供する。さらには、上記反応生成物に、水酸化カルシウムまたはドロマイト由来の混合水酸化物の重量に対して、0.1〜10重量%のアニオン系界面活性剤の水溶液を攪拌下に加え、表面処理する、表面処理された水酸化カルシウム系化合物の製造方法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の水酸化カルシウム系化合物は、水酸化カルシウムの結晶表面近傍のCaをAlまたはMgとAlで一部置換した構造をしている。表面のCaがAl、またはMgとAlで一部置換されることにより、含ハロゲン樹脂の初期着色が大幅に改善される。さらに、耐炭酸化性も向上する。
【0009】
この理由は、Alの水酸化物が水に極めて溶けにくいことと、水酸化カルシウムの初期着色の原因である強い電子供与性を、電子受容性のAlが中和、軽減するためと考えられる。
【0010】
本発明の水酸化カルシウム系化合物におけるCaのAl、またはMgとAlによる置換量は、全カルシウムに対して0.5〜15モル%、好ましくは1〜10モル%、特に好ましくは2〜6モル%である。置換量が0.5モル%未満の場合は、目的とする初期着色改善等の効果が不十分であり、逆に置換量が多くなると、樹脂加工温度で発泡の原因となる、200℃以下で脱離する水の量が増えてくる。置換量が10モル%を超えても、さらなる初期着色、熱安定性の改善は無く、他方、200℃以下で脱離する結晶水量が多くなって、発泡する可能性が出てくる。したがって、置換量の上限は特に無いが、15モル%以下、さらには10モル%以下が好ましい。但し、発泡は結晶水の脱離温度が約130℃と低いため、約150℃の乾燥で防ぐことができる。
【0011】
本発明の水酸化カルシウム系化合物は、その結晶表面近傍だけ、CaがAl、またはMgとAlに置換されているため、結晶構造的には、殆ど全てが水酸化カルシウムである。したがって、X線回析パターンは水酸化カルシウムのみの場合が殆どで、それ以外の場合は、強い水酸化カルシウムの回析パターンと、CaとAl、またはCa、MgとAlの複合水酸化物と推定される微弱な回析,d(面間隔)=7.6Å,との混合である。
【0012】
本発明の水酸化カルシウム系化合物が、良好な含ハロゲン樹脂の熱安定剤として機能するためには、1次粒子が小さく、1次粒子が凝集してできる2次粒子も小さいことが好ましい。具体的には、BET比表面積が約3m2/g以上、好ましくは5〜20m2/g、特に好ましくは7〜20m2/gである。粒度分布測定で決まる2次粒子径は、累積50%で2μm以下、好ましくは1.5μm以下、特に好ましくは1μm以下である。
【0013】
本発明の水酸化カルシウム系化合物は、そのままで用いることもできるが、アニオン系界面活性剤等で表面処理したものを用いることが、含ハロゲン樹脂との相溶性を高め、結果として、初期着色、熱安定性等を高めることに効果があり、好ましい。
【0014】
本発明の水酸化カルシウム系化合物の製造は、水を含む媒体に水酸化カルシウムを分散、攪拌下に、アルミニウム水溶液、またはアルミニウムとマグネシウムの混合水溶液を約100℃以下、好ましくは約40〜90℃で添加反応させることにより実施できる。ここで用いる水酸化カルシウムの代わりに、ドロマイトを焼成後、水和して得られる水酸化カルシウムと水酸化マグネシウムの混合水酸化物を用いることもできる。水溶性のアルミニウム塩としては、例えば硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダ、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、イソプロキシド等を挙げることができる。
【0015】
本発明の水酸化カルシウム系化合物の表面処理は、高級脂肪酸、高級脂肪酸のアルカリ金属塩、リン酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、ポリカルボン酸、またはそのアルカリ、またはアンモニウム塩等のアニオン系界面活性剤により、水酸化カルシウム系化合物の重量に基づき、約0.1〜10%、好ましくは約0.5〜5%、特に好ましくは約1〜4%処理する。表面処理剤によるコーティング処理は、それ自体公知の方法により実施できるが、含水媒体中に本発明水酸化カルシウム系化合物を分散させ、攪拌下に、前記アニオン系界面活性剤の水溶液を添加する方法で実施することが好ましい。表面処理後は必要に応じ、例えば、水洗、ろ過、造粒、乾燥、粉砕、分級等の手段を適宜選択して実施し、最終製品形態とすることができる。
【0016】
本発明の安定化された含ハロゲン樹脂は、含ハロゲン樹脂100重量部に、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、特に好ましくは0.2〜3重量部の本発明水酸化カルシウム系化合物を配合する。本発明の安定化された含ハロゲン樹脂は、本発明の水酸化カルシウム系化合物以外に、(a)0.01〜2重量部、好ましくは0.1〜1重量部の亜鉛化合物、(b)0.001〜2重量部、好ましくは0.01〜1重量部のβ−ジケトン類、(c)0.001〜2重量部、好ましくは0.1〜1重量部の多価アルコール類、(d)0〜1重量部、好ましくは0〜0.5重量部の過塩素酸塩類、(e)0〜2重量部、好ましくは0〜1重量部のハイドロタルサイト類を併用して用いることが好ましい。
【0017】
本発明で用いる(a)亜鉛化合物としては、例えばラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の有機酸の亜鉛塩、酸化亜鉛、炭酸亜鉛等の無機亜鉛化合物等を挙げることができる。好ましくは亜鉛の有機酸塩である。亜鉛化合物は初期着色防止および滑剤として有用である。
【0018】
本発明で用いる(b)β−ジケトン類は初期着色防止に有用な化合物であり、下記一般式(1)
【化1】
(式中、R1およびR3は同一または異なってもよく、30個までの炭素原子を有する直鎖、または分枝状のアルキル、またはアルケニル基、アリ−ル基、または脂環式基、R2は水素、アルキル基、アルケニル基を表わす)で表される化合物である。このようなβ−ジケトン類の中で好ましく用いられる物として、例えばジベンゾイルメタン(DBM)、ステアロイルベンゾイルメタン(SBM)、ベンゾイルアセトン、アセチルアセトン、デヒドロ酢酸等を挙げることができる。
【0019】
本発明で用いる(c)多価アルコール類は熱安定性の改良に有用であり、多価アルコ−ル、または多価アルコ−ルとモノ、またはポリカルボン酸との部分エステルである。その様な化合物としては、マンニト−ル、ソルビト−ル、ペンタエリスリト−ル、ジペンタエリスリトール、トリメチロ−ルプロパン等を挙げることができる。
【0020】
本発明で用いる(d)過塩素酸塩類は初期着色防止に有用であり、例えば過塩素酸のNa,K,Ca,Ba等の金属塩および下記式(2)
【化2】
(式中、M2+はMgおよび/またはZnを示し、An−はCO3 2−,H2PO3等のClO4 −以外のn価のアニオンを示し、x,y,zおよびmはそれぞれ次の範囲、0.1<x<0.5、好ましくは0.2≦x≦0.4,0<y<0.5、好ましくは0.2≦y≦0.4,0≦z<y,y+nz=x,0≦m<3、を満足する0または正の数を示す)で表される過塩素酸イオンを、層間アニオンとして含有するハイドロタルサイト類を挙げることができる。
【0021】
本発明で用いる(e)ハイドロタルサイト類は熱安定性の改良に有用であり、式(2)において、M2+がMgおよび/またはZnで、An−がCO3 2−で、x=0.25〜0.4,y=0〜0.4のハイドロタルサイト類を用いることが好ましい。
【0022】
本発明で用いる含ハロゲン樹脂としては次の様なものが例示される。ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−イソプレン共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−各種ビニルエーテル共重合体等の含塩素合成樹脂。これらの含塩素合成樹脂相互のあるいは他の塩素を含まない合成樹脂とのブレンド品、ブロック共重合体、グラフト共重合体等。
【0023】
本発明の樹脂組成物には、慣用の他の添加剤を配合することもできる。このような他の添加剤としては、例えば次のものを例示できる。ビスフェノールAテトラC12−15アルキルジホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリス(モノフェニル)ホスファイト等のホスファイト系安定助剤。エポキシ化植物油、エポキシ化オレイン酸エステル類、エポキシ化エルシン酸エステル類等のエポキシ系安定助剤。チオジプロピオン酸、ジエチルチオジプロピオン酸エステル等の含硫黄化合物系安定助剤。アルキルガレート、アルキル化フェノール等のフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系安定助剤。グリシン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、グリシンアミド、ヒスチジンエチルエステル、トリプトファンベンジルエステル等のα−アミノ酸およびその官能性誘導体系安定助剤。スチレン化パラクレゾール、2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフェノール、ブチル化アニソール、4,4'−メチレンビス(6−第3級ブチル−3−メチルフェノール)、2,2'メチレンビス(6−第3級ブチル−4−メチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ第3級ブチルフェニル)プロピオニルオキシメチレン]メタン等の酸化防止剤。
【0024】
これら添加剤の配合量は適宜選択することができ、例えば、含ハロゲン樹脂100重量部に対して約0.01〜約5重量部の安定助剤類、約0.01〜約2重量部の酸化防止剤が例示される。本発明は前期添加物以外に、慣用の他の添加剤、例えば、可塑剤、滑剤、加工助剤、耐候性改良剤、帯電防止剤、防曇剤、強化剤、充填剤、顔料等を配合してもよい。本発明において、含ハロゲン樹脂と本発明の添加剤、および他の添加剤との混合混練は、両者を均一に混合できる慣用の方法を採用すればよい。例えば、一軸または二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー等の任意の混合混練手段を採用できる。成形方法にも特別の制約はなく、例えば、射出成形、押出成形、ブロー成形、プレス成形、回転成形、カレンダー成形、シートフォーミング成形、トランスファー成形、積層成形、真空成形等の任意の成形手段を採用できる。
【0025】
以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説明する。以下の各例において、%は重量%を意味する。
【0026】
【実施例1】
市販の高純度、化学用生石灰(岡山県新見産)120gを約70℃に加温した温水3リットルに、ケミスターラーで攪拌下に加え、約30分間攪拌を継続して消化反応を行った。その後、200メッシュの篩を通し、通過したスラリーから2モルを約5リットルの反応槽に入れ攪拌した。このスラリー(約65℃)に、0.2モル/リットルの硝酸アルミニウムの水溶液(全カルシウムの3モル%に相当)を添加した。ろ過、水洗後、再び水に分散させ、加熱して約70℃に昇温後、純度90%のステアリン酸ソーダ5gを溶解した100ミリリットルの水溶液(約70℃)を攪拌下に加え、表面処理を行った。その後、ろ過、水洗、乾燥、粉砕した。
【0027】
粉砕物のX線回析パターンを測定した結果、水酸化カルシウムのみの回析ピークが観測された。粉砕物を塩酸に溶解して、キレート滴定分析を行った結果、Ca:Alのモル比は96.5:3.5であった。粉砕品を塩酸に溶解後、エーテル抽出し、乾燥後、重量法で測定したステアリン酸量は2.8%であった。粉砕物の液体窒素吸着法で測定したBET比表面積は9m2/gであった。
【0028】
イソプロピルアルコールに、超音波で5分間分散処理後、レーザー回析法粒度分布測定法で測定した累積50%の平均2次粒子径は1.3μmであった。熱分析を行い、200℃までの重量変化を測定した結果、1.2%の重量減少があった。これは約130℃の脱水による、吸熱反応によるものである。
【0029】
【実施例2】
実施例1において、添加する0.2モル/リットルの硝酸アルミニウム量を300ミリリットルから500ミリリットル(全Caに対し、5モル%に相当)に変更する以外は実施例1と同様に行った。
【0030】
粉砕物のX線回析パターンは、水酸化カルシウム以外に、微弱な回析ピークがd=約7.6Åにあった。粉砕物のCa:Alのモル比は94.8:5.2であった。ステアリン酸含有量は2.7%であった。BET比表面積は11m2/g、累積50%の平均2次粒子径は1.1μmであった。熱分析による200℃までの脱水量は1.9%であった。
【0031】
【実施例3】
実施例1において、硝酸アルミニウムを添加する代わりに、Al3+=2.7モル/リットルのアルミン酸ソーダ水溶液を52ミリリットル(全Caに対し、7モル%に相当)を加える以外は実施例1と同様に行った。
【0032】
粉砕物のX線回析パターンは、d=約7.6Åに微弱な回析ピークがある以外は、水酸化カルシウムのみの回析ピークが観測された。粉砕物のCa:Alのモル比は92.8:7.2であり、ステアリン酸含有量は2.6%であった。BET比表面積は18m2/g、累積50%の平均2次粒子径は0.70μmであった。熱分析による200℃までの脱水量は1.2%であった。
【0033】
【比較例1】
実施例1において、硝酸アルミニウムを添加しないこと以外は実施例1と同様に行った。
【0034】
粉砕物のX線回析パターンは水酸化カルシウムのみであった。ステアリン酸含有量は2.9%、BET比表面積は13m2/g、累積50%の平均2次粒子径は1.7μm、熱分析による200℃までの脱水量は0%であった。
【0035】
【実施例4】
実施例1において、硝酸アルミニウムを添加する代わりに、まず0.5モル/リットルの塩化マグネシウム、60ミリリットル(全Caに対し、1.5モル%に相当)を加え、約20分間攪拌を継続後、0.2モル/リットルの硝酸アルミニウム、150ミリリットル(全Caの1.5モル%に相当)を加え反応させる以外は実施例1と同様に行った。
【0036】
粉砕物のX線回析パターンは、d=約7.6Åに微弱な回析ピークがある以外は、水酸化カルシウムのみの回析ピークであった。粉砕物のCa:Mg:Alのモル比は97:1.4:1.6であり、ステアリン酸含有量は2.7%であった。BET比表面積は12m2/g、累積50%の平均2次粒子径は0.95μmであった。熱分析による200℃までの脱水量は0.90%であった。
【0037】
【比較例2】
実施例4において、熱安定剤として比較例1で作成した水酸化カルシウムを使用した場合の評価結果を表1に示す。
【0038】
【比較例3】
実施例4において、熱安定剤として、ステアリン酸カルシウムを使用した場合の評価結果を表1に示す。
【0039】
【比較例4】
実施例4において、熱安定剤として、三塩基性硫酸鉛とステアリン酸鉛をそれぞれ0.67重量部、0.33重量部の合計1.0重量部使用した場合の評価結果を表1に示す。
【0040】
【実施例5】
外国産高純度ドロマイト:(Ca,Mg)CO3,(SiO2=0.1%,Al2O3=痕跡,Fe2O3=0.024%,CaO=31.0%,MgO=21.7%,CO2=41.0%)を1000℃で10時間焼成し、BET比表面積9.9m2/gの酸化カルシウム、酸化マグネシウムを得た。この酸化物100gを実施例1で用いた生石灰の代わりに用いる以外は実施例1と同様に行った。
【0041】
粉砕物のX線回析パターンを測定した結果、水酸化カルシウムと水酸化マグネシウムの回析ピークが観測された。粉砕物のCa:Mg:Alのモル比は48.8:48.0:3.2で、ステアリン酸含有量は2.7%であった。BET比表面積は15m2/g、累積50%の平均2次粒子径は1.1μmであった。熱分析による200℃までの脱水量は0.7%であった。
【0042】
【実施例6】
下記処方で、ポリ塩化ビニルに、実施例1〜5で得られた水酸化カルシウム系化合物を熱安定剤として混合後、オープンロールを使用して、165℃で3分間混錬し、厚さ約1mmのシートを作成した。
【0043】
[処方]
ポリ塩化ビニル(信越化学株式会社製、分子量700) 100重量部
ステアリン酸亜鉛 0.3重量部
ステアロイルベンゾイルメタン 0.15重量部
ジペンタエリスリトール 0.2重量部
熱安定剤 1.0重量部
【0044】
得られたシートを約3cm×3cmの大きさに切り出し、テストピースとし、これを185℃に設定したギヤオーブンに入れ、10分間隔で取り出し、初期着色の程度と黒化するまでの時間で、熱安定性、および発泡の有無をそれぞれ目視で測定した。その結果を表1に示す。
【0045】
【実施例7】
実施例4において、熱安定剤として、実施例1で得られた水酸化カルシウム系化合物を0.7重量部と、ハイドロタルサイト類(市販のアルカマイザー1)を0.3重量部の合計1.0重量部配合した場合の評価結果を表1に示す。
【0046】
【比較例5】
実施例4において、熱安定剤としてハイドロタルサイト類(市販のアルカマイザー1)を使用した場合の評価結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、水酸化カルシウムの結晶表面近傍のCaをAl、またはMgとAlで、少なくとも全Caの0.5モル%以上置換することにより、初期着色性、無毒性、非発泡性で、低価格の、優れた含ハロゲン樹脂の熱安定剤を得ることができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a calcium hydroxide compound in which Ca near the crystal surface of calcium hydroxide is substituted with Al, or Mg and Al, and a stabilized halogen-containing resin composition containing the compound. . More specifically, a method for producing a calcium hydroxide compound excellent in thermal stability, which has significantly improved initial coloration, which is a defect of calcium hydroxide, and a stabilized halogen-containing resin composition containing the compound About.
[0002]
[Prior art]
Halogen-containing resins are unstable to heat and light. Therefore, it is necessary to add a heat stabilizer before melting. As heat stabilizers, lead compounds, organotin compounds, Cd / Ba metal soaps, Ba / Zn metal soaps, Ca / Zn metal soaps, hydrotalcites and the like have been used.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
As a result of increased social interest in safety and environmental impacts, there has been a tendency to ban or suppress the use of cadmium-based, lead-based, tin-based, and barium-based materials that have been used in heat stabilizers. It was. At the same time, there is an increasing demand for lower prices for heat stabilizers. The conventional heat stabilizer Ca / Zn is non-toxic, but the heat stability is inferior, and hydrotalcites are also non-toxic, but there is a problem of foaming due to the large amount of water of crystallization, and there is also a problem in price. There is.
[0004]
Therefore, the present inventor has focused on calcium hydroxide that is non-toxic, inexpensive, does not foam, and has good thermal stability. However, calcium hydroxide has a problem of so-called initial coloration that strongly colors the halogen-containing resin reddish brown. There is also a problem that it is easily carbonated, reacts with carbon dioxide gas or carbonate ions, changes to calcium carbonate, and loses its initial activity over time. Because of these problems, they were rarely used as heat stabilizers.
[0005]
Therefore, the present invention provides a novel heat stabilizer for halogen-containing resins that overcomes the above-mentioned problems of calcium hydroxide, is non-toxic, inexpensive, has good initial coloration, has excellent thermal stability, and has good carbonation resistance. The purpose is to do.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In the present invention, Ca near the crystal surface of calcium hydroxide is substituted with Al or Mg and Al in an amount of 0.5 to 15 mol%, preferably 1 to 10 mol% of the total calcium, more preferably an anionic type. Provided is a stabilized halogen-containing resin composition containing a novel calcium hydroxide compound surface-treated with a surfactant.
[0007]
Furthermore, this invention provides the manufacturing method of this novel calcium hydroxide type compound as shown below .
Hydroxidized calcium hydroxide dispersed in water or water-containing solvent or calcium hydroxide / magnesium hydroxide mixture derived from dolomite with stirring, aqueous solution of aluminum, mixed solution of magnesium and water-soluble aluminum, or single aqueous solution of each. Provided is a method for producing a calcium hydroxide compound which is added and reacted at a ratio of 0.5 mol% or more, preferably 1 to 10 mol%, relative to 1 mol of calcium. Furthermore, an aqueous solution of 0.1 to 10% by weight of an anionic surfactant is added to the reaction product with stirring based on the weight of the mixed hydroxide derived from calcium hydroxide or dolomite, and the surface treatment is performed. A method for producing a surface-treated calcium hydroxide compound is provided.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The calcium hydroxide compound of the present invention has a structure in which Ca near the crystal surface of calcium hydroxide is partially substituted with Al or Mg and Al. When the surface Ca is partially substituted with Al or Mg and Al, the initial coloring of the halogen-containing resin is greatly improved. Furthermore, carbonation resistance is also improved.
[0009]
The reason for this is considered that the hydroxide of Al is extremely insoluble in water and that the electron-accepting Al neutralizes and reduces the strong electron donating property that causes the initial coloring of calcium hydroxide.
[0010]
The amount of substitution of Ca by Al or Mg and Al in the calcium hydroxide compound of the present invention is 0.5 to 15 mol%, preferably 1 to 10 mol%, particularly preferably 2 to 6 mol, based on the total calcium. %. When the substitution amount is less than 0.5 mol%, the intended effect of improving the initial coloration is insufficient. Conversely, when the substitution amount is large, foaming is caused at the resin processing temperature at 200 ° C. or less. The amount of desorbed water increases. Even if the substitution amount exceeds 10 mol%, there is no further improvement in initial coloration and thermal stability, and on the other hand, the amount of water of crystallization desorbed at 200 ° C. or less increases, which may cause foaming. Therefore, the upper limit of the substitution amount is not particularly limited, but is preferably 15 mol% or less, more preferably 10 mol% or less. However, since the desorption temperature of crystal water is as low as about 130 ° C., foaming can be prevented by drying at about 150 ° C.
[0011]
In the calcium hydroxide compound of the present invention, Ca is substituted with Al or Mg and Al only in the vicinity of the crystal surface, so that almost all is calcium hydroxide in terms of crystal structure. Therefore, the X-ray diffraction pattern is mostly calcium hydroxide only. In other cases, the diffraction pattern of strong calcium hydroxide and the mixed hydroxide of Ca and Al or Ca, Mg and Al are used. This is a mixture of the estimated weak diffraction, d (plane spacing) = 7.6 mm.
[0012]
In order for the calcium hydroxide compound of the present invention to function as a good halogen-containing resin heat stabilizer, it is preferable that the primary particles are small and the secondary particles formed by aggregation of the primary particles are also small. Specifically, the BET specific surface area is about 3 m 2 / g or more, preferably 5 to 20 m 2 / g, particularly preferably 7 to 20 m 2 / g. The secondary particle size determined by the particle size distribution measurement is 2 μm or less, preferably 1.5 μm or less, particularly preferably 1 μm or less, with a cumulative 50%.
[0013]
The calcium hydroxide compound of the present invention can be used as it is, but using a surface treated with an anionic surfactant or the like increases the compatibility with the halogen-containing resin, resulting in initial coloring, It is effective in improving the thermal stability and the like, which is preferable.
[0014]
In the production of the calcium hydroxide compound of the present invention, calcium hydroxide is dispersed in a medium containing water, and with stirring, an aqueous aluminum solution or a mixed aqueous solution of aluminum and magnesium is about 100 ° C. or less, preferably about 40 to 90 ° C. Can be carried out by addition reaction. Instead of calcium hydroxide used here, a mixed hydroxide of calcium hydroxide and magnesium hydroxide obtained by hydrating dolomite after firing can be used. Examples of the water-soluble aluminum salt include aluminum nitrate, aluminum chloride, sodium aluminate, aluminum acetate, aluminum sulfate, and isoproxide.
[0015]
The surface treatment of the calcium hydroxide compound of the present invention is carried out by using an anionic surfactant such as higher fatty acid, alkali metal salt of higher fatty acid, phosphoric ester, alkylbenzene sulfonic acid soda, polycarboxylic acid, or its alkali, or ammonium salt. To about 0.1 to 10%, preferably about 0.5 to 5%, particularly preferably about 1 to 4% based on the weight of the calcium hydroxide compound. The coating treatment with the surface treatment agent can be carried out by a method known per se. However, the calcium hydroxide compound of the present invention is dispersed in a water-containing medium, and the aqueous solution of the anionic surfactant is added with stirring. It is preferable to implement. After the surface treatment, if necessary, for example, means such as washing with water, filtration, granulation, drying, pulverization, and classification can be appropriately selected and carried out to obtain a final product form.
[0016]
The stabilized halogen-containing resin of the present invention is 0.01 to 10 parts by weight, preferably 0.1 to 5 parts by weight, particularly preferably 0.2 to 3 parts by weight, per 100 parts by weight of the halogen-containing resin. Inventive calcium hydroxide compound is blended. The stabilized halogen-containing resin of the present invention comprises (a) 0.01 to 2 parts by weight, preferably 0.1 to 1 part by weight of a zinc compound in addition to the calcium hydroxide compound of the present invention, (b) 0.001 to 2 parts by weight, preferably 0.01 to 1 part by weight of β-diketone, (c) 0.001 to 2 parts by weight, preferably 0.1 to 1 part by weight of a polyhydric alcohol, d) 0 to 1 part by weight, preferably 0 to 0.5 part by weight of perchlorate, (e) 0 to 2 parts by weight, preferably 0 to 1 part by weight of hydrotalcite are used in combination. Is preferred.
[0017]
Examples of the zinc compound (a) used in the present invention include zinc salts of organic acids such as lauric acid, palmitic acid and stearic acid, and inorganic zinc compounds such as zinc oxide and zinc carbonate. Preferred is an organic acid salt of zinc. Zinc compounds are useful as an initial color prevention and lubricant.
[0018]
The (b) β-diketone used in the present invention is a compound useful for preventing initial coloring, and is represented by the following general formula (1):
[Chemical 1]
Wherein R 1 and R 3 may be the same or different and are straight or branched alkyl, alkenyl, aryl, or alicyclic groups having up to 30 carbon atoms, R 2 represents a hydrogen, an alkyl group, or an alkenyl group. Examples of such β-diketones that can be preferably used include dibenzoylmethane (DBM), stearoylbenzoylmethane (SBM), benzoylacetone, acetylacetone, and dehydroacetic acid.
[0019]
The (c) polyhydric alcohol used in the present invention is useful for improving thermal stability, and is a polyhydric alcohol, or a partial ester of a polyhydric alcohol and mono or polycarboxylic acid. Examples of such compounds include mannitol, sorbitol, pentaerythritol, dipentaerythritol, and trimethylolpropane.
[0020]
The (d) perchlorates used in the present invention are useful for preventing initial coloration. For example, perchloric acid metal salts such as Na, K, Ca, Ba and the following formula (2)
[Chemical 2]
(Wherein, M 2+ represents Mg and / or Zn, A n-is CO 3 2-, ClO 4, such as H 2 PO 3 - shows a n-valent anion other than, x, y, z and m are Each of the following ranges, 0.1 <x <0.5, preferably 0.2 ≦ x ≦ 0.4, 0 <y <0.5, preferably 0.2 ≦ y ≦ 0.4, 0 ≦ z And hydrotalcites containing perchlorate ions represented by <y, y + nz = x, 0 ≦ m <3 satisfying 0 or a positive number) as an interlayer anion.
[0021]
Used in the present invention (e) Hydrotalcites are useful in improving the thermal stability, in the formula (2), M 2+ is at Mg and / or Zn, A n-is CO 3 2- is, x = It is preferable to use hydrotalcites of 0.25 to 0.4, y = 0 to 0.4.
[0022]
Examples of the halogen-containing resin used in the present invention are as follows. Polyvinyl chloride, polyvinylidene chloride, chlorinated polyethylene, chlorinated polypropylene, vinyl chloride-vinyl acetate copolymer, vinyl chloride-ethylene copolymer, vinyl chloride-propylene copolymer, vinyl chloride-styrene copolymer, chloride Vinyl-isobutylene copolymer, vinyl chloride-vinylidene chloride copolymer, vinyl chloride-styrene-maleic anhydride terpolymer, vinyl chloride-styrene-acrylonitrile copolymer, vinyl chloride-butadiene copolymer, vinyl chloride -Isoprene copolymer, vinyl chloride-chlorinated propylene copolymer, vinyl chloride-vinylidene chloride-vinyl acetate terpolymer, vinyl chloride-acrylic acid ester copolymer, vinyl chloride-maleic acid ester copolymer, Vinyl chloride-methacrylic acid ester copolymer, vinyl chloride-acrylo Tolyl copolymer, vinyl chloride - various vinyl ether copolymers chlorine-containing synthetic resin. Blends of these chlorine-containing synthetic resins with each other or with other chlorine-free synthetic resins, block copolymers, graft copolymers, and the like.
[0023]
Other conventional additives can be blended in the resin composition of the present invention. Examples of such other additives include the following. Phosphite-based stabilizing aids such as bisphenol A tetra C 12-15 alkyl diphosphite, tridecyl phosphite, trilauryl phosphite, tris (monophenyl) phosphite. Epoxy stabilization aids such as epoxidized vegetable oils, epoxidized oleic acid esters, and epoxidized erucic acid esters. Sulfur-containing compound-based stabilizing aids such as thiodipropionic acid and diethylthiodipropionic acid ester. Phenol stabilizers such as alkyl gallate, phenol such as alkylated phenol, and styrenated phenol. Α-amino acids such as glycine, alanine, leucine, isoleucine, glycinamide, histidine ethyl ester, tryptophan benzyl ester, and functional derivatives thereof. Styrenated paracresol, 2,6-ditertiary butyl-4-methylphenol, butylated anisole, 4,4'-methylenebis (6-tertiarybutyl-3-methylphenol), 2,2'methylenebis ( 6-tertiarybutyl-4-methylphenol), 1,3,5-trimethyl-2,4,6-tris (3,5-ditertiarybutyl-4-hydroxybenzyl) benzene, tetrakis [3- Antioxidants such as (4-hydroxy-3,5-ditertiary butylphenyl) propionyloxymethylene] methane.
[0024]
The blending amount of these additives can be appropriately selected. For example, about 0.01 to about 5 parts by weight of stabilizing aids, about 0.01 to about 2 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the halogen-containing resin. Antioxidants are exemplified. The present invention contains other conventional additives such as plasticizers, lubricants, processing aids, weather resistance improvers, antistatic agents, antifogging agents, reinforcing agents, fillers, pigments, etc. May be. In the present invention, mixing and kneading of the halogen-containing resin, the additive of the present invention, and other additives may be performed by a conventional method capable of mixing both uniformly. For example, any mixing and kneading means such as a single-screw or twin-screw extruder, a roll, and a Banbury mixer can be adopted. There are no particular restrictions on the molding method. For example, any molding means such as injection molding, extrusion molding, blow molding, press molding, rotational molding, calendar molding, sheet forming molding, transfer molding, laminate molding, vacuum molding, etc. is adopted. it can.
[0025]
Hereinafter, based on an Example, this invention is demonstrated in detail. In the following examples,% means% by weight.
[0026]
[Example 1]
A commercially available high-purity chemical quicklime (Niimi Okayama) 120g was added to 3 liters of warm water heated to about 70 ° C under stirring with a chemistor and digestion was continued for about 30 minutes. . Thereafter, 2 moles of the passed slurry was passed through a 200-mesh sieve into a reaction vessel of about 5 liters and stirred. To this slurry (about 65 ° C.), an aqueous solution of 0.2 mol / liter aluminum nitrate (corresponding to 3 mol% of total calcium) was added. After filtering, washing with water, re-dispersing in water, heating and raising the temperature to about 70 ° C., 100 ml aqueous solution (about 70 ° C.) in which 5 g of sodium stearate having a purity of 90% is dissolved is added with stirring, surface treatment Went. Then, it filtered, washed with water, dried and pulverized.
[0027]
As a result of measuring the X-ray diffraction pattern of the pulverized product, a diffraction peak of only calcium hydroxide was observed. The ground product was dissolved in hydrochloric acid and subjected to chelate titration analysis. As a result, the molar ratio of Ca: Al was 96.5: 3.5. The ground product was dissolved in hydrochloric acid, extracted with ether, dried, and the amount of stearic acid measured by gravimetric method was 2.8%. The BET specific surface area measured by the liquid nitrogen adsorption method of the pulverized product was 9 m 2 / g.
[0028]
After dispersing for 5 minutes in isopropyl alcohol with ultrasound, the average secondary particle size with a cumulative 50% measured by the laser diffraction particle size distribution measurement method was 1.3 μm. As a result of conducting a thermal analysis and measuring a weight change up to 200 ° C., there was a 1.2% weight loss. This is due to an endothermic reaction due to dehydration at about 130 ° C.
[0029]
[Example 2]
In Example 1, it carried out like Example 1 except having changed the amount of 0.2 mol / l aluminum nitrate to add from 300 milliliters to 500 milliliters (equivalent to 5 mol% with respect to total Ca).
[0030]
The X-ray diffraction pattern of the pulverized product had a weak diffraction peak at d = about 7.6 mm in addition to calcium hydroxide. The molar ratio of Ca: Al in the pulverized product was 94.8: 5.2. The stearic acid content was 2.7%. The BET specific surface area was 11 m 2 / g, and the average secondary particle size with a cumulative 50% was 1.1 μm. The amount of dehydration up to 200 ° C. by thermal analysis was 1.9%.
[0031]
[Example 3]
In Example 1, instead of adding aluminum nitrate, Example 3 is the same as Example 1 except that 52 ml of an aqueous solution of sodium aluminate with Al 3+ = 2.7 mol / liter was added (corresponding to 7 mol% with respect to the total Ca). The same was done.
[0032]
As for the X-ray diffraction pattern of the pulverized product, only a diffraction peak of calcium hydroxide was observed except that a weak diffraction peak was found at d = about 7.6 mm. The ground product had a Ca: Al molar ratio of 92.8: 7.2 and a stearic acid content of 2.6%. The BET specific surface area was 18 m 2 / g, and the average secondary particle size with a cumulative 50% was 0.70 μm. The amount of dehydration up to 200 ° C. by thermal analysis was 1.2%.
[0033]
[Comparative Example 1]
In Example 1, it carried out like Example 1 except not adding aluminum nitrate.
[0034]
The X-ray diffraction pattern of the pulverized product was only calcium hydroxide. The stearic acid content was 2.9%, the BET specific surface area was 13 m 2 / g, the cumulative secondary particle size of 50% was 1.7 μm, and the amount of dehydration up to 200 ° C. by thermal analysis was 0%.
[0035]
[Example 4]
In Example 1, instead of adding aluminum nitrate, first, 0.5 mol / liter magnesium chloride and 60 ml (corresponding to 1.5 mol% with respect to total Ca) were added, and stirring was continued for about 20 minutes. , 0.2 mol / liter of aluminum nitrate and 150 ml (corresponding to 1.5 mol% of total Ca) were added and reacted in the same manner as in Example 1.
[0036]
The X-ray diffraction pattern of the pulverized product was a diffraction peak of only calcium hydroxide, except that there was a weak diffraction peak at d = about 7.6 mm. The ground product had a Ca: Mg: Al molar ratio of 97: 1.4: 1.6 and a stearic acid content of 2.7%. The BET specific surface area was 12 m 2 / g, and the average secondary particle size with a cumulative 50% was 0.95 μm. The dehydration amount up to 200 ° C. by thermal analysis was 0.90%.
[0037]
[Comparative Example 2]
In Example 4, Table 1 shows the evaluation results when the calcium hydroxide prepared in Comparative Example 1 was used as the heat stabilizer.
[0038]
[Comparative Example 3]
In Example 4, the evaluation results when calcium stearate is used as the heat stabilizer are shown in Table 1.
[0039]
[Comparative Example 4]
In Example 4, as a heat stabilizer, the evaluation results when tribasic lead sulfate and lead stearate are respectively used in a total of 1.07 parts by weight of 0.67 parts by weight and 0.33 parts by weight are shown in Table 1. .
[0040]
[Example 5]
Foreign high purity dolomite: (Ca, Mg) CO 3 , (SiO 2 = 0.1%, Al 2 O 3 = trace, Fe 2 O 3 = 0.024%, CaO = 31.0%, MgO = 21 0.7%, CO 2 = 41.0%) was calcined at 1000 ° C. for 10 hours to obtain calcium oxide and magnesium oxide having a BET specific surface area of 9.9 m 2 / g. The same procedure as in Example 1 was performed except that 100 g of this oxide was used instead of quicklime used in Example 1.
[0041]
As a result of measuring the X-ray diffraction pattern of the pulverized product, diffraction peaks of calcium hydroxide and magnesium hydroxide were observed. The ground product had a Ca: Mg: Al molar ratio of 48.8: 48.0: 3.2 and a stearic acid content of 2.7%. The BET specific surface area was 15 m 2 / g, and the average secondary particle size with a cumulative 50% was 1.1 μm. The dehydration amount up to 200 ° C. by thermal analysis was 0.7%.
[0042]
[Example 6]
In the following formulation, after mixing the calcium hydroxide compound obtained in Examples 1 to 5 with polyvinyl chloride as a heat stabilizer, kneading at 165 ° C. for 3 minutes using a roll, A 1 mm sheet was prepared.
[0043]
[Prescription]
Polyvinyl chloride (manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd., molecular weight 700) 100 parts by weight Zinc stearate 0.3 parts by weight Stearoyl benzoylmethane 0.15 parts by weight Dipentaerythritol 0.2 parts by weight Thermal stabilizer 1.0 part by weight ]
The obtained sheet was cut into a size of about 3 cm × 3 cm, used as a test piece, put in a gear oven set at 185 ° C., taken out at intervals of 10 minutes, the degree of initial coloring and the time until blackening, The thermal stability and the presence or absence of foaming were each measured visually. The results are shown in Table 1.
[0045]
[Example 7]
In Example 4, 0.7 parts by weight of the calcium hydroxide compound obtained in Example 1 and 0.3 parts by weight of hydrotalcite (commercially available Alkamizer 1) were used as heat stabilizers in a total of 1 part. Table 1 shows the evaluation results when 0.0 part by weight is blended.
[0046]
[Comparative Example 5]
In Example 4, the evaluation results when using hydrotalcites (commercially available Alkamizer 1) as the heat stabilizer are shown in Table 1.
[0047]
[Table 1]
[0048]
【The invention's effect】
According to the present invention, by replacing Ca near the crystal surface of calcium hydroxide with Al, or Mg and Al, at least 0.5 mol% or more of the total Ca, initial colorability, non-toxicity, non-foaming property can be obtained. A low-cost, excellent halogen-containing resin heat stabilizer can be obtained.
Claims (7)
(a)0.01〜2重量部の亜鉛化合物
(b)0.001〜2重量部のβ−ジケトン類
(c)0.001〜2重量部の多価アルコール類
(d)0〜1重量部の過塩素酸塩類
(e)0〜2重量部のハイドロタルサイト類
を含有することを特徴とする請求項1記載の安定化された含ハロゲン樹脂組成物。 In addition to the calcium hydroxide compound , the following component (a) 0.01-2 parts by weight of zinc compound (b) 0.001-2 parts by weight of β-diketone (c) 0.001-2 parts by weight 2. Stabilized halogen-containing compounds according to claim 1, characterized in that they contain 0 to 1 part by weight of perchlorates (d) and 0 to 2 parts by weight of hydrotalcites (d). Resin composition .
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