JP4040994B2 - 検査用薬剤分注管理システム、方法および管理プログラム - Google Patents

検査用薬剤分注管理システム、方法および管理プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線核種で標識された検査用薬剤を被験者ごとに小分けする分注を効率よく行うための検査用薬剤分注管理システム、方法および管理プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
脳や心臓、癌などの精密検査における検査方法としてポジトロン断層撮影法(PET;Positron Emission Tomography)の採用が進んでいる(例えば被特許文献1参照)。このPET検査では、ポジトロン(陽電子)を放出する放射線核種を含む検査用薬剤を注射や吸入等により被験者の体内に導入する。体内に導入された検査用薬剤は、代謝されたり、特定の部位(例えば、腫瘍や病変箇所)に蓄積される。この際に検査用薬剤に含まれる放射線核種から陽電子が放出され、これと周囲の電子とが結合して消滅する際に放射線が放出される。この放射線を検出してコンピュータで処理することにより、所定断面における断層撮影画像が得られる。
【0003】
PET検査の検査用薬剤に使用される放射線核種は、18F、15O、11C、13N等が用いられる。これらは、半減期が2〜110分と極めて短いため、病院内の検査室に近い場所にサイクロトロン等の加速器を設置し、この加速器で放射線核種を製造し、所定の化合物に組み込んだり、その一部を置き換えたりして合成することで検査用薬剤を製造している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【非特許文献1】
井戸達雄ほか著「PET検査Q&A」日本核医学会、社団法人日本アイソトープ協会、2000年5月発行、2〜14頁
【0005】
【特許文献1】
特開2001−172204号公報(段落0047〜0077、図1〜図4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなPET検査用の検査用薬剤製造プロセスにおいては、放射線核種の製造に最も時間を要するが、製造された放射線核種は、未使用の状態でも放射性崩壊によってその量が減少していく。従来は、この崩壊量を見込んで多めに放射線核種を製造しておく手法が採られているが、加速器で得られる放射線核種の収率も一定ではないため、製造される放射線核種の量が多くなり、装置を取り扱う操作者の取扱量が増大し、好ましくない。また、検査スケジュールは、被験者の都合や、検査時間のずれ、予定外の検査の発生等で変動することもあるが、従来はこのような検査スケジュールの変更に対応することが困難だった。
【0007】
そこで本発明は、検査スケジュールの変更に対応することが可能で、かつ、検査用薬剤の余分量を低減することが可能な検査用薬剤分注管理システム、方法および管理プログラムを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る検査用薬剤分注管理システムは、放射線核種で標識された検査用薬剤を被験者ごとに分注する検査用薬剤分注管理システムにおいて、検査用薬剤を保持して被験者ごとに分注する薬剤分注装置と、被験者の検査スケジュール情報の入力を受け付ける入力手段と、薬剤分注装置に保持されている検査用薬剤中の放射線核種の量を監視する監視手段と、監視手段で求めた放射線核種の量と、入力手段から入力された情報により設定された検査スケジュールを基にして薬剤分注装置に保持されている検査用薬剤の不足を予測するとともに、検査スケジュールに基づいて薬剤分注装置における薬剤分注を制御する制御手段と、を備えているものである。
【0009】
また、本発明に係る検査用薬剤分注管理方法は、放射線核種で標識された検査用薬剤を被験者ごとに分注する薬剤分注装置の管理方法において、入力された情報に基づいて被験者の検査スケジュールの設定を行う設定工程と、薬剤分注装置に保持されている検査用薬剤中の放射線核種の量を監視する監視工程と、監視工程で求めた放射線核種の量と設定工程で設定された検査スケジュールに基づいて検査用薬剤の不足を予測する予測工程と、設定工程で設定された検査スケジュールに基づいて薬剤分注装置における個々の分注を制御する分注工程と、を備えているものである。
【0010】
また、本発明に係る検査用薬剤分注管理プログラムは、放射線核種で標識された検査用薬剤を被験者ごとに分注する薬剤分注装置の分注を管理する検査用薬剤分注管理プログラムであって、コンピュータに、入力された情報に基づいて、被験者の検査スケジュールを設定する設定手順と、薬剤分注装置に保持されている検査用薬剤中の放射線核種の量を監視する監視手順と、監視手順で求めた放射線核種の量と設定手順で設定された検査スケジュールに基づいて検査用薬剤の不足を予測する予測手順と、監視手順で求めた放射線核種の量と設定手順で設定された検査スケジュールに基づいて分注スケジュールを作成する手順と、作成した分注スケジュールに基づいて薬剤分注装置に個々の分注を実行させる分注手順と、を備えているものである。
【0011】
この管理システム、管理方法または管理プログラムを利用すれば、最新の検査スケジュールと、その時点で検査用薬剤に存在する放射線核種の量を照合することで検査スケジュールをこなすのに必要な量の放射線核種が確保されているか、その不足を予測することが可能となる。この予測結果を利用することで、放射線核種の無駄を減らし、不足する場合には、検査スケジュールの変更や検査用薬剤の追加合成を行う等適切な対応を採ることが可能となるので、放射線核種の製造量を減らすことができ、検査の効率化と操作者の取扱量低減が可能となる。また、検査スケジュール自体の変更にも柔軟に対応することができる。
【0012】
薬剤分注装置に保持されている検査用薬剤の不足を予測した場合に、薬剤を確保できない被験者を識別するための識別情報を出力する機能をさらに備えていることが好ましい。このような情報を出力することで、検査スケジュールの変更や検査用薬剤の追加合成が容易になる。
【0013】
あるいは、薬剤分注装置に保持されている検査用薬剤の不足を予測した場合に、自動的に検査スケジュールを再設定する機能をさらに備えていてもよい。現在の検査用薬剤にあわせて検査スケジュールを自動的に再設定することで、検査を確実に実施することができる。この再設定は、識別情報出力後に、入力手段からの操作入力に応じて設定を行ってもよい。
【0014】
本発明に係る検査用薬剤分注管理システムは、原料放射線核種と原料薬剤から検査用薬剤を合成する薬剤合成装置と、薬剤合成装置で使用される原料放射線核種の量を判定する判定手段と、をさらに備えており、薬剤分注装置に保持されている検査用薬剤の不足を予測した場合に、自動的に、または、入力手段からの操作入力に応じて原料放射線核種の追加および薬剤合成装置による検査用薬剤の追加合成を実行させる制御を行うことが好ましい。
【0015】
このように構成すると、余分な検査用薬剤を製造することなく、適切な量の検査用薬剤を追加製造することができるため、検査のさらなる効率化と操作者の取扱量をさらに低減することが可能となる。また、検査スケジュール自体への対応性も向上する。
【0016】
さらに原料放射線核種を製造する加速器を備えており、薬剤合成装置への原料放射線核種の追加が必要な場合には加速器による原料放射線核種の追加製造を実行させる制御を行えば、余分な核種製造量を低減することができるため、操作者の取扱量が低減される。また、核種を余分に保有していなくとも検査スケジュールの変更により柔軟に対応することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。
【0018】
図1は、本発明に係る検査用薬剤分注管理システムのブロック構成図である。この管理システム100は、制御装置であるコンピュータ7で実行する本発明に係る検査用薬剤分注管理プログラムにより、本発明に係る検査用薬剤分注管理方法を実現するものである。
【0019】
管理システム100は、検査用薬剤を標識するための原料放射線核種を製造するサイクロトロン等の加速器1と、製造された原料放射線核種と所定の化合物から検査用薬剤を合成する薬剤合成装置2と、合成された薬剤を保持し、被験者ごとに小分けする分注を行う薬剤分注装置3と、薬剤合成装置2で合成された薬剤の検定を行う検定手段4と、コンピュータ7に所定の情報入力を行うためのキーボード等の入力手段5と、コンピュータ7の処理結果等を表示するためのCRTモニタ、液晶モニタ等の表示手段6と、コンピュータ7と、加速器1で製造された放射線核種の放射線量を測定する放射線量計81と、薬剤分注装置3に保持されている検査用薬剤の放射線量を測定する放射線量計82からなる。
【0020】
コンピュータ7は、放射線量計81の出力を基にして加速器1で製造された放射線核種の量を判定する判定手段73と、放射線量計82を出力を基にして薬剤分注装置3内に保持されている検査用薬剤の量を監視する監視手段72と加速器1、薬剤合成装置2、薬剤分注装置3それぞれの運転を制御する制御手段71とを備えている。制御手段71、監視手段72、判定手段73は別々のハードウェアにより実現されていても、共通のハードウェアで実行される1つないし複数のプログラムによって実現されていてもよい。
【0021】
この管理システム100は、検査スケジュールに対する検査用薬剤の過不足を予測して検査用薬剤の製造・合成や検査スケジュールの変更等を行うものである。
【0022】
図2は、検査用薬剤の製造・合成・分注スケジュールとともに検査スケジュールを示したスケジュールチャートである。ここでは、1台のPET検査装置を用いて検査を行う場合を例に説明する。説明を簡略化するため、以下の説明では、PET検査装置での検査時間が被験者によらずに同一であり、検査を連続して行う場合を基本として説明するが、検査時間を被験者により異ならせたり、検査の間に時間をおいて休憩時間を設ける、等の場合も対応可能である。
【0023】
PET検査では、薬剤を被験者に投与後、代謝や循環により、脳や心臓等の検査対象臓器に薬剤が行き渡るまでの間、安静にしておく必要がある。したがって、実際の投与および分注は、この安静時間を見込んで、検査時間より前に設定する必要がある。検査がt2時間おきに実行されるとすると、この投与もt2時間おきに実行することになる。また、最初の検査者への実際の分注・投与は、核種製造後の薬剤合成、検定が終了してからとなるため、加速器1での核種製造を終了させる時点は、最初の検査者への実際の分注・投与時点より薬剤合成、検定に必要なt1時間だけ前である必要がある。
【0024】
図3は、この管理システム100の動作、つまり、本発明に係る方法、管理プログラムの手順を示すフローチャートである。この制御は、特に記載のない限り、制御手段71において実行される。以下、18Fにより標識されたフルオロデオキシグルコース(FDG:Fluoro-Deoxy-Glucose)を検査用薬剤として使用する場合を例に説明する。FDGは、ブドウ糖と似た性質を有するため、体内でのエネルギー代謝を調べるのに利用されており、心機能、脳機能、腫瘍等のPET検査に広く用いられている。
【0025】
まず、図2に示されるようなPET検査の検査・分注スケジュールを設定する(ステップS1)。ここで検査スケジュール設定は、制御手段71内で行ってもよいし、PET検査の担当者や医師等が検査室の空き状況等を参考にして設定した情報を入力手段5により操作者が入力したり、サーバー等に入っている設定情報をLANにより受信してもよい。分注スケジュールは、検査スケジュールから逆算することにより設定される。設定された検査・分注スケジュールは、表示手段6により表示しておくと好ましい。
【0026】
次に、設定した検査・分注スケジュール情報から、必要な核種量を設定する(ステップS2)。ここで、n人目の検査の投与開始の放射線核種製造時点からの経過時間をtxn(分)、投与量(単位は放射線量)をBnとすると、放射線核種の必要量A1(単位は放射線量)は、
【0027】
【数1】
Figure 0004040994
で表せる。例えば、図2に示されるように、投与間隔がt2で一定で、最初の投与までの時間がt1であり、かつ、投与量が同一のB0であるような場合には(1)式の、放射線核種の必要量A1は、以下の(2)式で表せる。
【0028】
【数2】
Figure 0004040994
なお、実際の計算にあたっては、検定手段4へと回される薬剤の量が考慮される。ここで、薬剤合成装置2においては、放射線崩壊による原料放射線核種の消滅分を除外しても、残る全ての原料放射線核種を最終合成品である検査薬剤へと含めることはできず、一定の収率θ(<100%)での合成にとどまる。このため、製造すべき核種の量は上の式で示される値より多くなる。具体的には、収率θ(%)の場合に製造すべき核種の量A0は、
【0029】
【数3】
Figure 0004040994
となる。この(3)式を用いて、求めた必要核種量から収率を考慮した製造核種量を算出する(ステップS3)。
【0030】
図4は、投与間隔、投与量が一定の場合に、検査数nに対してFDG必要製造量A1と核種必要製造量A0の一例をプロットしたグラフである。図からわかるように、検査数の増大に対して必要製造量は幾何級数的に増大している。投与間隔が増大したり、投与量が増大すると、必要製造量はさらに増大する。
【0031】
次に、求めた製造核種量を基にして製造、合成スケジュールを決定する(ステップS4)。加速器1における核種製造量は、一般に加速器1のビーム電流値と照射時間によって決定される。例えば、18MeVの陽子加速エネルギーを有する加速器1の場合、30μAのビーム電流値で30分照射を行った場合には、1Ciの放射線量の18Fを製造することができる。60分照射した場合には、製造量は2Ciとなり、120分照射では3Ciとなる。これは、製造中でも以前に製造された放射線核種が崩壊により消滅していくためである。製造量が2Ciを超える場合には、1度に全量を作成するより、分割して作成したほうが効率が良くなるため、複数回に分けて核種製造を行う。例えば、図4から18人検査する場合に、一度に核種製造を行おうとすると、A0は2.7Ciとなるため、120分近い照射が必要となるが、9人ずつに分けて核種の製造を2回行う場合には、それぞれの核種製造量は0.5Ci未満となり、それぞれの照射時間は30分以下で足りることになる。そこで、2Ci<A0≦3Ciの場合1回目の運転を30分照射としてまず1Ciを製造する。3Ci<A0≦5Ciの場合には、1回目の運転を60分照射としてまず2Ciを製造する。実際に製造される核種の量は、必ずしも一定ではないため、2回目以降の運転条件は、1回目の運転が終了してから1回目の実際の製造量に基づいて設定を行うとよい。
【0032】
ステップS5では、求めた製造スケジュールに基づいて核種の製造を行う。この運転条件、製造核種の量等は表示手段6により表示しておくと好ましい。製造された核種は薬剤合成装置2へ送られる。このときに、放射線計81によりその放射線量が測定される。判定手段73は、放射線計81の出力を基にして、製造された放射線核種の量を判定し、制御手段71は得られた放射線核種の量を設定製造量と比較する(ステップS6)。核種の製造量が設定量に不足する場合には、ステップS7へと移行して、核種不足時の処理を行う。例えば、加速器1が2回目以降の運転を予定しているような場合には、不足量を以後の運転で補充すればよい。また、核種不足の判定フラグのみをオンにして、不足対応の処理は後述するステップS11で行うことも可能である。
【0033】
ステップS7終了後またはステップS6で設定量の製造が確保された場合には、薬剤合成装置2で検査用薬剤の合成を実行させる(ステップS8)。合成終了後に合成された薬剤は一部が検定手段4へ送られ、品質検定が行われる。品質が確認された後、残りの検査用薬剤は薬剤分注装置3内のバイアルへと送られる。ステップS9以降では、分注作業を行う。
【0034】
まず、分注カウンタnを1にセットする(ステップS9)。次に、薬剤量が必要量を超えているか否かを判定する。ここで、薬剤量とは放射線量計82により測定された結果から求めた薬剤中の核種の量であり、必要量とは現在設定されている検査スケジュールから今後の検査スケジュール通りの分注を行うために必要となる薬剤中の核種の量であって、以下の(4)式により求めることができる。
【0035】
【数4】
Figure 0004040994
ここで、Cが必要量を、Biはi番目の被験者の投与量を、tiは現時点からこの被験者の投与時点までの時間をそれぞれ示している。必要量の不足が予測された場合には、ステップS11へと移行して、薬剤不足時の処理を実行する。図5は、この処理内容の一例を示すフローチャートである。なお、この処理は図3に示されるステップS10〜S15(S11を除く)とは、並行処理が可能であり、起動後すぐにステップS12以降の処理が再開される。ただし、実行中は、ステップS11から呼び出されることによる二重実行は禁止される。
【0036】
まず、現在設定されている分注スケジュールにおいて、薬剤が不足する被験者を特定する処理を行う(ステップS21)。例えば、各被験者ごとに現在保持しておくべき薬剤量を算出して、その総和が現在保持されている薬剤の総量以下となる組み合わせ、あるいは、直近の被験者からその被験者の前者までの薬剤を製造するのに必要な薬剤量の総和は現在保持されている薬剤の総量以下となるが、その被験者までの薬剤を製造するのに必要な薬剤量の総和は現在保持されている薬剤の総量を上回る被験者を求めればよい。
【0037】
次に、追加製造すべき核種量を計算する(ステップS22)。ここでは、不足する被験者に分注を行う時点から、薬剤の製造・合成に要する時間を逆算して、上述したプロセスにしたがって追加製造すべき核種量を計算する。ここで、既に複数回に分けた核種製造が設定されており、そのうちの少なくとも一回の運転が未了の場合には、未了の製造量も勘案して製造量を設定する必要がある。さらに、この製造量に基づいて製造スケジュールも再設定される(ステップS23)。
【0038】
そして、求めた結果を表示手段6により、表示する(ステップS24)。このとき、単に薬剤量の不足を表示するのではなく、不足する被験者あるいは、各被験者の薬剤を製造するのに現在必要となる薬剤量、追加製造を行う場合には、追加製造すべき薬剤量・製造を開始すべき時点をあわせて表示すると、操作者のスケジュール変更、追加製造の選択が簡単になり、好ましい。
【0039】
続いて、操作者にスケジュール変更と追加製造のいずれかを選択させ(ステップS25)、選択結果を調べる(ステップS26)。選択がない場合には、ステップS25に戻るループ処理を行う。
【0040】
スケジュール変更が選択された場合には、ステップS27へと移行し、操作者に検査スケジュールの変更を入力させる。また、現在の薬剤量で薬剤が不足に至る以降の検査を自動的に取り消す検査スケジュール変更処理を行うこともできる。変更が完了したら処理を終了する。なお、ここで再設定された検査スケジュールでは、薬剤量の不足を解消することができない場合には、再び、ステップS10を経て本薬剤不足処理(ステップS11)が実行されるため、確実に薬剤不足を解消することができる。
【0041】
一方、追加製造が選択された場合には、ステップS28に移行して、ステップS23で設定された追加製造スケジュールにしたがって加速器1を制御して核種製造を行い、薬剤合成装置2を制御して薬剤合成を行う。製造指示後、処理を終了する。なお、ここでの追加製造処理を行っても薬剤量の不足を解消することができない場合には、再び、ステップS10を経て本薬剤不足処理(ステップS11)が実行されるため、確実に薬剤不足を解消することができる。
【0042】
ステップS12では、n番目の被験者の分注時点に達したか否かを判定する。達していない場合には、ステップS10へ戻ることにより、分注時点に達するまで監視を継続する。分注時点に達したらステップS13へと移行して薬剤分注装置3に指示してn番目の被験者へ投与する薬剤を分注し、投与を行う。投与が終了したら、nがnendに達したか、つまり分注スケジュールが終了したかどうかを確認する。分注スケジュールが終了したと判定した場合には、処理を終了する。分注スケジュールが終了していないと判定した場合には、ステップS15へと移行してnを1加えて更新し、ステップS10へと戻る。これにより、常時、現在保持されている薬剤量と必要な薬剤量とを比較し、不足がある場合には操作者に対して警告を発することにより、スケジュール変更を促したり、追加製造の指示を促すことで薬剤量が不足するのを確実に防止することができる。また、万一に備えて必要以上の薬剤量をストックしておく必要がなくなり、核種の製造量を低減することができる。このため、操作者の取扱量も適正化される。さらに、検査スケジュールの変更があった場合にも変更後に必要な薬剤量を確保されているか否かを現在の薬剤量から判別して対応することができるため、スケジュールを柔軟に変更することができ、PET検査の利用性が向上する。
【0043】
以上の説明では、操作者の入力によりスケジュール変更と、追加製造のいずれかを選択させる例を説明したが、いずれか一方を自動的に行ってもよい。また、加速器1と、薬剤合成装置2による核種製造・薬剤合成の制御を分離して、核種製造・薬剤合成は別の制御装置あるいは、手動制御により制御を行ってもよい。
【0044】
また、以上の説明では、検査用薬剤としてFDGを例に説明してきたが、その他の放射線核種で標識された検査用薬剤についても同様に適用できる(例えば、15O酸素ガス等)。放射線核種は院内で製造される場合のほか、別の施設で製造されて輸送される場合も含む。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、検査スケジュールに対する放射線核種の過不足を監視して、不足する場合には、操作者に警告を発し、スケジュールの変更や放射線核種の追加製造を促すことができるため、必要な量の放射線核種を確保することができるとともに、スケジュールの変更にも柔軟に対応でき、検査装置の利用性が向上する。また、放射線核種を余分にストックしておく必要がないため、その製造量を減らして、操作者の放射線被曝量を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る検査用薬剤分注管理システムのシステム構成図である。
【図2】検査スケジュールのスケジュールチャートである。
【図3】図1の管理システム100の動作、つまり、本発明に係る方法、管理プログラムの手順を示すフローチャートである。
【図4】投与間隔、投与量が一定の場合に、検査数nに対してFDG必要製造量A1と核種必要製造量A0とをプロットしたグラフである。
【図5】図3の薬剤不足時の処理を詳細に示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…加速器、2…薬剤合成装置、3…薬剤分注装置、4…検定手段、5…入力手段、6…表示手段、7…制御装置(コンピュータ)、71…制御手段、72…監視手段、73…判定手段、81、82…放射線量計、100…検査用薬剤分注管理システム。

Claims (8)

  1. 放射線核種で標識された検査用薬剤を被験者ごとに分注する検査用薬剤分注管理システムにおいて、
    検査用薬剤を保持して被験者ごとに分注する薬剤分注装置と、
    被験者の検査スケジュール情報の入力を受け付ける入力手段と、
    前記薬剤分注装置に保持されている検査用薬剤中の放射線核種の量を監視する監視手段と、
    前記監視手段で求めた放射線核種の量と、前記入力手段から入力された情報により設定された検査スケジュールを基にして前記薬剤分注装置に保持されている検査用薬剤の不足を予測するとともに、検査スケジュールに基づいて前記薬剤分注装置における薬剤分注を制御する制御手段と、
    を備えている検査用薬剤分注管理システム。
  2. 前記制御手段は、前記薬剤分注装置に保持されている検査用薬剤の不足を予測した場合に、設定量の薬剤を確保できない被験者を識別するための識別情報を出力する機能を備えている請求項1記載の検査用薬剤分注管理システム。
  3. 前記制御手段は、前記薬剤分注装置に保持されている検査用薬剤の不足を予測した場合に、自動的に検査スケジュールを再設定する機能を備えている請求項1記載の検査用薬剤分注管理システム。
  4. 前記制御手段は、前記識別情報出力後に、前記入力手段からの操作入力に応じて検査スケジュールを再設定する機能を備えている請求項2記載の検査用薬剤分注管理システム。
  5. 原料放射線核種と原料薬剤から検査用薬剤を合成する薬剤合成装置と、
    前記薬剤合成装置で使用される原料放射線核種の量を判定する判定手段と、をさらに備えており、前記薬剤分注装置に保持されている検査用薬剤の不足を予測した場合に、自動的に、または、前記入力手段からの操作入力に応じて前記薬剤合成装置への原料放射線核種の追加および前記薬剤合成装置による検査用薬剤の追加合成を実行させる制御を行う請求項1〜4のいずれかに記載の検査用薬剤分注管理システム。
  6. 原料放射線核種を製造する加速器をさらに備えており、前記薬剤合成装置への原料放射線核種の追加が必要な場合には前記加速器による原料放射線核種の追加製造を実行させる制御を行う請求項5に記載の検査用薬剤分注管理システム。
  7. 放射線核種で標識された検査用薬剤を被験者ごとに分注する薬剤分注装置の分注を管理する検査用薬剤分注管理方法において、
    入力された情報に基づいて被験者の検査スケジュールの設定を行う設定工程と、
    前記薬剤分注装置に保持されている検査用薬剤中の放射線核種の量を監視する監視工程と、
    前記監視工程で求めた放射線核種の量と前記設定工程で設定された検査スケジュールに基づいて検査用薬剤の不足を予測する予測工程と、
    前記設定工程で設定された検査スケジュールに基づいて前記薬剤分注装置における個々の分注を制御する分注工程と、
    を備えている検査用薬剤分注管理方法。
  8. 放射線核種で標識された検査用薬剤を被験者ごとに分注する薬剤分注装置の分注を管理する検査用薬剤分注管理プログラムであって、コンピュータに、
    入力された情報に基づいて、被験者の検査スケジュールを設定する設定手順と、
    前記薬剤分注装置に保持されている検査用薬剤中の放射線核種の量を監視する監視手順と、
    前記監視手順で求めた放射線核種の量と前記設定手順で設定された検査スケジュールに基づいて検査用薬剤の不足を予測する予測手順と、
    前記監視手順で求めた放射線核種の量と前記設定手順で設定された検査スケジュールに基づいて分注スケジュールを作成する手順と、
    作成した分注スケジュールに基づいて前記薬剤分注装置に個々の分注を実行させる分注手順と、
    を備えている検査用薬剤分注管理プログラム。
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