JP4034238B2 - ガスタービン及びその組立方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のタービンロータを有するガスタービン及びその組立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複数のタービンロータを備えたガスタービンにおいては、隣り合うタービンロータの回転軸同士が離間している。そのため、タービンケーシング内には、タービンロータ間に位置する静翼の内側に、これらタービンロータの回転軸間を遮断する隔壁が嵌合し固定されているものがある(例えば、特許文献1等参照)。
【0003】
【特許文献1】
特公平6−35807号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、高温高圧の作動流体或いは冷却空気からの熱的影響により、隔壁には径方向外側に熱延びが発生するのに対し、静翼にはケーシングとの取合い点を基点として径方向内側に熱延びが発生する。したがって、上記特許文献1の記載技術のように、単にケーシングに固定した静翼の内周側に隔壁を嵌合し密着固定した場合、隔壁は熱延びによる高い圧縮応力を受けて損傷する可能性がある。また、隔壁が損傷した場合、特許文献1の記載技術において隔壁を復旧するためには、隔壁をこれが嵌合した静翼ごとケーシングから取外す必要があるが、隔壁を支持する静翼がケーシング内壁に直接固定されているため、隔壁の取外し及び組付けが難しく作業に多大な労力及び時間を要する。
【0005】
本発明の目的は、隔壁の取外し及び組み付けが容易な複数のタービンロータを有するガスタービン及びその組立方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、複数のタービンロータを有するガスタービンにおいて、前記複数のタービンロータのうち、高圧側タービンロータを包囲する高圧タービンケーシングと、前記複数のタービンロータのうち、低圧側タービンロータを包囲する低圧タービンケーシングと、前記高圧タービンケーシング又は低圧タービンケーシングのいずれかに、水平方向から係合支持された支持手段と、この支持手段の内周側に支持され、前記複数のタービンロータの回転軸間を遮断する隔壁とを備える。
【0007】
また、他の発明は、複数のタービンロータを有するガスタービンにおいて、前記複数のタービンロータのうち、高圧側タービンロータを包囲する高圧タービンケーシングと、前記複数のタービンロータのうち、低圧側タービンロータを包囲する低圧タービンケーシングと、前記高圧タービンケーシング又は低圧タービンケーシングのいずれかの内周側に、間隙を介して水平方向から係合支持された支持手段と、この支持手段の内周側に支持され、前記複数のタービンロータの回転軸間を遮断する隔壁とを備える。
【0008】
また、他の発明は、前記支持手段は、前記低圧タービンケーシングに支持されている。
【0009】
また、他の発明は、前記支持手段は、前記複数のタービンロータ間に位置する静翼を支持するリテーナリングである。
【0010】
また、他の発明は、前記リテーナリングは、少なくとも周方向に2分割されている。
【0011】
また、他の発明は、前記静翼の内周側には、ダイヤフラムが設けられており、前記隔壁は、このダイヤフラムに取付けられている。
【0012】
また、他の発明は、前記高圧タービンケーシング又は低圧タービンケーシングを介し、前記リテーナリング内のキャビティに臨む圧縮空気導入管を備える。
【0013】
また、他の発明は、前記圧縮空気導入管は、前記リテーナリングを貫通し、更に前記静翼の先端位置まで延在されている。
【0014】
また、他の発明は、前記高圧タービンケーシングと低圧タービンケーシングとの間に介設した中間ケーシングと、この中間ケーシング内に設けられ前記高圧側タービンロータと低圧側タービンロータとの間に配置した中間ダクトとを備える。
【0015】
また、他の発明は、複数のタービンロータを有するガスタービンの組立方法において、前記複数のタービンロータの回転軸間を遮断する隔壁を、予め別の場所でリテーナリングと一体化しておき、前記隔壁が取付けられたリテーナリングを、低圧タービンケーシング内に軸方向に挿入し、前記低圧タービンケーシングに水平方向から前記リテーナリングを係合支持させる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を図面を用いて説明する。
本発明のガスタービンは、タービン内に複数のタービンロータを有し、燃焼器にて圧縮機からの圧縮空気を燃料とともに燃焼して生成した燃焼ガスにより、各タービンロータを回転させ回転動力を得るものである。高圧側のタービンロータは、圧縮機ロータと連結され、高圧側のタービンロータで得られた回転動力は、圧縮機の駆動力として用いられる。一方、低圧側のタービンロータは、例えば発電機ロータ等に連結され、発電機ロータと連結した場合には、低圧側のタービンロータで得られた回転動力は電気エネルギーに変換される。このように、複数のタービンロータを設けることにより、圧縮機や発電機等を異なる回転数で回転させることが可能となり、タービンロータを分割しない1軸のガスタービンに比して、エネルギーロスを低減させることができるようになっている。
【0017】
図1は本実施形態のガスタービンの要部構造を表すタービンの軸方向の垂直断面図、図2は図1中のII−II断面による断面図である。
これら図1及び図2に示すように、本実施形態のガスタービンは、いわゆる二軸式ガスタービンであり、高圧タービン1及び低圧タービン2を有し、これら高圧タービン1及び低圧タービン2に、互いに回転軸が離間し異なる回転数で回転可能な高圧側タービンロータ3及び低圧側タービンロータ4をそれぞれ備えている。これらタービンロータ3,4は、高圧タービンケーシング5及び低圧タービンケーシング6にそれぞれ包囲されている。
【0018】
また、タービンロータ3,4は、回転軸を構成するとともに外周部に複数の動力7,8を放射状に備えるタービンディスク9,10を少なくとも1段づつ備えた回転体であって、それぞれガスパス11を流れる燃焼器(図示せず)からの燃焼ガスによって回転駆動するようになっている。高圧側タービンロータ3は圧縮機ロータ(図示せず)に、低圧側タービンロータ4は発電機ロータ(図示せず)にそれぞれ連結されており、高圧側タービンロータ3で得られた回転動力は圧縮機の動力として用いられ、低圧側タービンロータ4で得られた回転動力は電気エネルギーに変換されるようになっている。
【0019】
高圧タービンケーシング5及び低圧タービンケーシング6は、図2に低圧タービンケーシング6で例示したように上下2分割構造となっており、上下一体となってそれぞれ環状構造を構成し、更に図1に示すように互いの対向端面に設けた垂直フランジ部12,13を介してボルト締結されている。また、それぞれの内壁面には、シュラウド14が軸方向に間欠的に取付けてある。本実施形態においては、低圧タービンケーシング6の上流側端部、つまり高圧タービンケーシング5との対向端部がシュラウド14a,14b間の軸方向間隙となるように、シュラウド14aの後端部位置を高圧タービンケーシング5及び低圧タービンケーシング6の境界としている。なお、詳細は後述するが、このシュラウド14a,14b間の軸方向間隙には、リテーナリング18(後述)が挿入されるようになっている。
【0020】
高圧側タービンロータ3及び低圧側タービンロータ4の互いのタービンディスク(回転軸)9,10間は離間しているが、これらタービンディスク9,10間は、隔壁15により遮断されており、タービンディスク9,10間の流体の漏れが防止され、高圧側と低圧側の適正な圧力差が確保されている。隔壁15は、一体構造のほぼ円盤状の部材であり、本実施形態においては単なる平滑な板状の部材を図示してあるが、その構造に特別な限定はない。例えば内部に冷却空気の通路を設けたり、2枚構造としたり、湾曲させたりしても構わない。
【0021】
隔壁15は、高圧側タービンロータ3及び低圧側タービンロータ4の間に位置する静翼(低圧タービン2の初段静翼)16の内側に取付けられたダイヤフラム17に取付けられている。静翼16は、周方向に分割された複数のセグメントパーツからなり、各セグメントパーツをリテーナリング18の内壁にその外輪16aを取り付けてある。リテーナリング18の内側には、外輪16a取付用の溝が設けられており、外輪16aは、この溝に嵌合することにより、リテーナリング18に取付けられている。また、ダイヤフラム17も周方向に複数のセグメントパーツに分割されており、各セグメントパーツが対応の静翼16の内輪16bに嵌合し取付けられている。したがって、隔壁15は、その支持手段としてのリテーナリング18の内周側に、静翼16及びダイヤフラム17を介して支持されている。なお、ダイヤフラム17の各セグメントパーツ間は、パッキン(図示せず)によってシールされている。
【0022】
リテーナリング18の内周部には、静翼16の外輪16aとの間に形成されるキャビティ19が設けられており、このキャビティ19には、圧縮空気導入管20が臨んでいる。この圧縮空気導入管20の先端は、ケーシング(低圧タービンケーシング6)を貫通しており、ケーシングを介してリテーナリング18の外壁に設けた貫通孔18aに挿入されている。また圧縮空気導入管20の図示しない他端は、ケーシングの外側を経由して圧縮機(図示せず)の圧縮空気流路(図示せず)に設けた抽気スリット(図示せず)と連通している。一方、上記キャビティ19は、静翼16を径方向に貫通して設けた静翼内流路21を介しダイヤフラム17内のキャビティ22に連通している。ダイヤフラム17の前後には、それぞれタービンディスク9,10との間隙に圧縮空気を噴出するオリフィス17a,17bが設けられている。
【0023】
上記流路構造により、抽気スリット(図示せず)から抽気された所要圧力の圧縮空気が、圧縮空気導入管20→キャビティ19→静翼内流路21→キャビティ22という経路でダイヤフラム17内に導かれ、最終的にオリフィス17a,17bを介しダイヤフラム17の前後に噴出される。オリフィス17a,17bから噴出された圧縮空気の一部は径方向外側に向かい、それぞれタービンディスク9,10とダイヤフラム17との間のシール空気としてガスパス11に放出され、また径方向内側に向かう流れは、タービンディスク9,10の冷却又は起動時の暖気に用いられる。
【0024】
上述したリテーナリング18は、図2に示したように、本実施形態においては低圧タービンケーシング6に支持されており、前述した低圧タービンケーシング6の上流側端部に組み入れられている。本実施形態において、リテーナリング18は上下半割り構造となっており、その上半リング18a及び下半リング18bは互いにフランジ18aa,18baを介しボルト締結されている。これらフランジ18aa,18baは、図2においては、リテーナリング18の水平方向の中心線に概ね沿うように径方向外側に突出しているが、上下中心位置でなくとも水平方向に突出していれば良い。それに対し、低圧タービンケーシング6の内壁には、フランジ18aa,18baとの対向位置に、フランジ18aa,18baと係合するように切欠き部23が設けてある。すなわち、リテーナリング18は、そのフランジ18aa,18baが切欠き部23に係合支持されることにより、低圧タービンケーシング6の内壁に水平方向から支持されるようになっている。
【0025】
このとき、本実施形態において、リテーナリング18の外周面と低圧タービンケーシング6の内壁面との間には、運転時に想定されるその付近の温度環境に応じて予め定められた大きさの径方向間隙が設けられている。したがって、その径方向間隙の分、リテーナリング18が落ち込んでしまうが、上記のように水平方向から支持することにより、リテーナリング18の全周に亘り、低圧タービンケーシング6との間に間隙を確保できるようになっている。また、切欠き部23も、フランジ18aa,18baとの間に径方向及び上下方向に間隙を介するように形成されている。
但し、本実施形態においては、図2に示したように、リテーナリング18のフランジ18aa,18baをケーシングに係合させる構成としたが、これに限られず、例えばケーシング側に径方向内側に突出部を設け、それをリテーナリング18外周部に設けた切欠き部に係合させる構成としても良い。また、リテーナリング18又はケーシングのいずれに設けるにせよ、必ずしもフランジ18aa,18baや突出部等をリテーナリング18やケーシングと一体構造としなくとも良く、十分な耐荷重性が構造的に確保されていれば、別部材としてボルト締結や溶接或いは嵌合構造等によって後付けしても構わない。
【0026】
図3は、本実施形態のガスタービンにおける隔壁部分の組立手順を模式的に表した図である。
本実施形態において、隔壁15を組付ける場合には、まず、低圧タービン2を適当な場所に据え付ける。上記したように、低圧タービンケーシング6は上下2分割の半割り構造であるため、まず、低圧タービンケーシング6の下半ケーシングを適当な場所に据え付け、これにシュラウド14や静翼を組付ける。予めシュラウド14や静翼を組付けた下半ケーシングを据え付けても良い。次に、予め組立てておいた低圧側タービンロータ4をこの下半ケーシング内に吊り下ろし、軸受(図示せす)により軸受け支持させる。その後、シュラウド14や静翼を組付けた上半ケーシングを下半ケーシングに被せ、互いのフランジをボルト締結して低圧タービン2を組上げる。
【0027】
また、上記の低圧タービン2の組立と前後して、別の場所で隔壁15をダイヤフラム17に組付け、リテーナリング18、静翼16、ダイヤフラム17と一体化しておく。この場合、本実施形態において、リテーナリング18は周方向2分割構造(半割り構造)となっているため、下半リング18bに静翼16の各セグメントを組み付け、更に静翼16にダイヤフラム17を組付けていく。ダイヤフラム17を静翼16の各セグメントに組付けておき、これをリテーナリング18に組付けても良い。続いて、組付けたダイヤフラム17に隔壁15を取付け、これに静翼16及びダイヤフラム17を取付けたリテーナリング18の上半リング18aを被せて、リテーナリング18のフランジ18aa,18baをボルト締結する。
【0028】
低圧タービン2の据え付けとリテーナリング18への隔壁15の取付けが完了したら、図2に示した如くリテーナリング18のフランジ18aa,18baを低圧タービンケーシング6の切欠き部23に差し込むようにして、図3のように隔壁15を取付けたリテーナリング18を低圧タービンケーシング6に軸方向から挿入する。これにより、リテーナリング18は低圧タービンケーシング6に水平方向から支持される。後は、以上に前後して高圧タービン1を組立てておき、この高圧タービン1を隔壁15の組入れが完了した低圧タービン2と連結し、互いの垂直フランジ部12,13をボルト締結してタービンの組立を完了する。また、最終的に圧縮機(図示せず)側の組み立ても完了したら、圧縮空気導入管20を低圧タービンケーシング6を介しリテーナリング18に挿入する。分解に付いては、以上の手順を逆に行えば良い。
【0029】
次に、本実施形態により得られる作用効果を順次説明する。
(1)組立分解の容易化
ここで、本実施形態との一比較例として、ダイヤフラム17及び隔壁15を支持している静翼16をケーシングに直接固定した構成を図4に示す。但し、図4において、先の各図と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
図4の比較例においては、静翼16は、シュラウド14a,14bに嵌合し直接取付けられている。運転中には、燃焼ガスや圧縮空気の熱的影響により、隔壁15は径方向外側に、静翼16はシュラウド14a,14bを基点に径方向内側に延びを生じる。その結果、このようにシュラウド14a,14bに密着固定された静翼16にダイヤフラム17を介し剛に隔壁15を固定した構造では、隔壁15や静翼16に大きな圧縮応力がかかり、それらを損傷する可能性がある。損傷した場合、ケーシングから静翼16ごと隔壁15を取外す必要があるが、図4の構造では、静翼16をケーシング(厳密にはシュラウド14a,14b)から取外すのも容易ではない。
【0030】
それに対し、本実施形態においては、前述したように、高圧側タービンロータ3及び低圧側タービンロータ4の回転軸間を遮断する隔壁15は、リテーナリング18に静翼16及びダイヤフラム17を介し支持されて一体化され、リテーナリング18はケーシングに水平方向から係合支持されている。これにより、隔壁15を組み込む際、別の場所で隔壁15を予めリテーナリング18や静翼16等と一体化しておき、リテーナリング18をケーシングに係合させるように軸方向からケーシングに挿入するといった組立方法により、簡単に組立てられる。分解についても同様である。
【0031】
このように、隔壁15の組み入れ又は取外しが容易なため、隔壁15が損傷した場合でも、組立分解の作業に要する時間や労力を大きく軽減し、短時間のうちに復旧することができるので、稼働効率の向上にも寄与する。また、このように全周に亘って径方向への熱延びを均一化することができるので、リテーナリング18等の熱変形により圧縮空気導入管20にかかる荷重を極力抑えることができ、圧縮空気導入管20の変形や損傷を抑制することができる。
【0032】
更に、本実施形態においては、前述したように、リテーナリング18とケーシングとの間に径方向の間隙が設けてある。また、ケーシング内に設けた切欠き部23の寸法も、リテーナリング18のフランジ18aa,18baの厚みや長さに対して大きく、フランジ18aa,18baは間隙をもって切欠き部23に挿入されるようになっている。これによっても、ケーシングに対しリテーナリング18を容易に挿入することができ、組立性及び分解性を飛躍的に向上させることができる。
【0033】
(2)隔壁の破損防止
前述したように、図4の比較例のような構成では、隔壁15や静翼16に大きな圧縮応力が作用するため、隔壁15や静翼16、或いはダイヤフラム17等を損傷し易い。それに対し、本実施形態においては、隔壁15、ダイヤフラム17、静翼16及びリテーナリング18の構造体は径方向外側に延びようとするが、この熱延びはリテーナリング18とケーシングとの間に設けた間隙により吸収(許容)される。そして、図2で説明したように、リテーナリング18がケーシングに水平方向から支持されていることにより、リテーナリング18の全周に亘って間隙を確保することができる。これにより、リテーナリング18、リテーナリング18に取り付けられた静翼16、ダイヤフラム17及び隔壁15は、全周方向に亘って熱伸びが拘束されることがなく、熱応力の発生による隔壁15の損傷を防止することができる。したがって、それだけ不具合が少なく信頼性の高いガスタービンを提供することができる。
【0034】
(3)圧縮空気の漏れ防止
また、先に図4に示した比較例においては、ケーシング30に圧縮空気導入孔31を設け、この圧縮空気導入孔31からの圧縮空気をシュラウド14a,14b間に形成されたキャビティ32を介し静翼16及びダイヤフラム17へと導入している。そのため、静翼16とシュラウド14a,14bとの間や、静翼16の隣り合うセグメント間から圧縮空気が漏洩する可能性がある。
【0035】
そこで、本実施形態においては、先に図1で説明したように、圧縮空気導入管20をケーシングを貫通させてその先端をリテーナリング18内に臨ませる構成としたことにより、冷却又はシール用の圧縮空気を直接リテーナリング18に導入することができ、リテーナリング18とケーシングとの間隙部からの圧縮空気の漏洩を抑制することができる。
【0036】
なお、本発明のガスタービンは、以上説明した態様に限定されることなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能である。要は、隔壁を支持する支持手段が、ケーシングに水平方向から支持されていれば良い。
以下に、図5及び図6を用い、本発明の変形例を幾つか説明する。
【0037】
▲1▼変形例1
図5は、更なる組立分解の容易化を図った変形例を表した図である。すなわち、この図5において、高圧タービンケーシング5と低圧タービンケーシング6との間には、中間ケーシング35が介設されている。この中間ケーシング35の両端にはフランジ36,37が設けられており、それぞれ高圧タービンケーシング5及び低圧タービンケーシング6のフランジ12,13に対しボルト締結されている。また、中間ケーシング35の内側には、支持部材38を介し中間ダクト39が設けられている。中間ダクト39は、高圧側タービンロータ3及び低圧側タービンロータ4間に配置され、外側円筒39aと、この外側円筒39aの内側にストラット40を介して支持された内側円筒39bとを備えた二重管構造となっており、外側円筒39a及び内側円筒39b間にガスパス11の一部を構成する流路41を形成している。その他の構成は、前述した第1実施形態と同様であり、先の各図と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
【0038】
前述した第1実施形態においては、隔壁15をリテーナリング18とともに組み込む際(又は取外す際)、高圧タービン1と低圧タービン2とを連結又は分解しなければならないので、高圧タービン1又は低圧タービン2の少なくとも一方を移動させなければならない。それに対し、本実施形態においては、リテーナリング18を取外す際、中間ケーシング35を取外すことにより、リテーナリング18を抜き取るのに十分なスペースが創出されるため、高圧タービン1及び低圧タービン2を据え付け状態のまま、容易に隔壁15を分解することができる。勿論、組み入れるときも、高圧タービン1及び低圧タービン2間から容易にリテーナリング18を組み入れ、その後中間ダクト39を取付けることで、高圧タービン1及び低圧タービン2を据え付け状態のまま、容易に隔壁15を組み入れることができる。また、本構成は、点検等といった各種メンテナンスにも有効である。
【0039】
▲2▼変形例2
図6は、冷却又はシール用の圧縮空気の漏れをより確実に防止する構成を表す図である。すなわち、本変形例は、図6に示すように、圧縮空気導入管20を、リテーナリング18を貫通させ、更に径方向内側に延ばし、静翼16の内側の内輪16b位置まで延長している。圧縮空気導入管20の先端部は、ダイヤフラム17の内部空間に直接臨んでいる。その他の構成は上記第1実施形態と同様であり、先の各図と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
【0040】
本変形例によっても、第1実施形態の同様の効果を得るとともに、リテーナリング18とシュラウド14a,14bとの間や、静翼16の隣り合うセグメント間からの圧縮空気の漏洩を防止できるので、圧縮空気導入管20を流れる圧縮空気のリーク量を第1実施形態に比べてより低減させることができる。また、本実施形態においても、前述した第1実施形態と同様、リテーナリング18や静翼16の熱伸びは全周に亘って均一であるため、圧縮空気導入管20に大きな荷重がかかることもなく、圧縮空気導入管20の変形を引き起こすこともない。
【0041】
なお、以上説明した実施形態及び各変形例において、内周側に隔壁15を支持する支持手段にリテーナリング18を用い、この静翼16及びダイヤフラム17を介してリテーナリング18内周側に隔壁8を支持する構成を例示したが、本発明の本質的効果である組立分解の容易性を獲得する限りにおいては必ずしもこれに限られない。組立分解を容易化する限りにおいては、静翼16やダイヤフラム17を介し隔壁15が取付けられた構成でなくても、例えばリテーナリング18に隔壁が直接支持された構成であっても構わない。また、支持手段がリテーナリング18である必要もなく、例えば、静翼16の外輪16aを変形させ、シュラウド14a,14b間に係合し、なおかつケーシングに水平方向から支持される構成すれば、静翼16を支持手段に用い、リテーナリング18を省略することも可能である。これらの場合も同様の効果を得る。
【0042】
また、支持手段、つまり第1実施形態で言えばリテーナリング18が低圧タービンケーシング6に支持された構造を図示したが、高圧タービンケーシング5に支持される構造としても良い。隔壁15を1枚設けた例を説明したが、複数枚設けても良い。また、本発明の本質的効果である組立分解の容易化を達成する限りにおいては、必ずしも圧縮空気導入管20を設け、リテーナリング18内に圧縮空気を直接導入する必要はない。これらの場合も、上記同様の効果を得る。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、複数のタービンロータを有するガスタービンにおいて、隔壁の取外し及び組み付けを容易化することができる。また、冷却又はシール用の圧縮空気のリーク量を減少させることができる。したがって、信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のガスタービンの第1実施形態の要部構造を表すタービンの軸方向の垂直断面図である。
【図2】図1中のII−II断面による断面図である。
【図3】本発明のガスタービンにおける隔壁部分の組立手順を模式的に表した図である。
【図4】本発明との一比較例の構成を表す図である。
【図5】本発明のガスタービンの第1変形例の要部構造を表した図である。
【図6】本発明のガスタービンの第2変形例の要部構造を表した図である。
【符号の説明】
3 高圧側タービンロータ(タービンロータ)
4 低圧側タービンロータ(タービンロータ)
5 高圧タービンケーシング
6 低圧タービンケーシング
9,10 タービンディスク(回転軸)
15 隔壁
16 静翼
17 ダイヤフラム
18 リテーナリング(支持手段)
19 キャビティ
20 圧縮空気導入管
35 中間ケーシング
39 中間ダクト

Claims (10)

  1. 複数のタービンロータを有するガスタービンにおいて、
    前記複数のタービンロータのうち、高圧側タービンロータを包囲する高圧タービンケーシングと、
    前記複数のタービンロータのうち、低圧側タービンロータを包囲する低圧タービンケーシングと、
    前記高圧タービンケーシング又は低圧タービンケーシングのいずれかに、水平方向から係合支持された支持手段と、
    この支持手段の内周側に支持され、前記複数のタービンロータの回転軸間を遮断する隔壁と
    を備えたことを特徴とするガスタービン。
  2. 複数のタービンロータを有するガスタービンにおいて、
    前記複数のタービンロータのうち、高圧側タービンロータを包囲する高圧タービンケーシングと、
    前記複数のタービンロータのうち、低圧側タービンロータを包囲する低圧タービンケーシングと、
    前記高圧タービンケーシング又は低圧タービンケーシングのいずれかの内周側に、間隙を介して水平方向から係合支持された支持手段と、
    この支持手段の内周側に支持され、前記複数のタービンロータの回転軸間を遮断する隔壁と
    を備えたことを特徴とするガスタービン。
  3. 請求項1又は2記載のガスタービンにおいて、前記支持手段は、前記低圧タービンケーシングに支持されていることを特徴とするガスタービン。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載のガスタービンにおいて、前記支持手段は、前記複数のタービンロータ間に位置する静翼を支持するリテーナリングであることを特徴とするガスタービン。
  5. 請求項4記載のガスタービンにおいて、前記リテーナリングは、少なくとも周方向に2分割されていることを特徴とするガスタービン。
  6. 請求項4又は5記載のガスタービンにおいて、前記静翼の内周側には、ダイヤフラムが設けられており、前記隔壁は、このダイヤフラムに取付けられていることを特徴とするガスタービン。
  7. 請求項4〜6のいずれか1項記載のガスタービンにおいて、前記高圧タービンケーシング又は低圧タービンケーシングを介し、前記リテーナリング内のキャビティに臨む圧縮空気導入管を備えたことを特徴とするガスタービン。
  8. 請求項7記載のガスタービンにおいて、前記圧縮空気導入管は、前記リテーナリングを貫通し、更に前記静翼の先端位置まで延在されていることを特徴とするガスタービン。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項記載のガスタービンにおいて、前記高圧タービンケーシングと低圧タービンケーシングとの間に介設した中間ケーシングと、この中間ケーシング内に設けられ前記高圧側タービンロータと低圧側タービンロータとの間に配置した中間ダクトとを備えたことを特徴とするガスタービン。
  10. 複数のタービンロータを有するガスタービンの組立方法において、
    前記複数のタービンロータの回転軸間を遮断する隔壁を、予め別の場所でリテーナリングと一体化しておき、
    前記隔壁が取付けられたリテーナリングを、低圧タービンケーシング内に軸方向に挿入し、前記低圧タービンケーシングに水平方向から前記リテーナリングを係合支持させる
    ことを特徴とする組立方法。
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