JP4033785B2 - High pressure injection water stop method and water stop material for water stop material made of hydrophilic one-component polyurethane prepolymer - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート構造物におけるひび割れ部や打ち継ぎ部等の漏水亀裂を適切に止水できる親水性一液型ポリウレタンプレポリマーから成る止水材の高圧注入止水工法及び止水材に関する。
【0002】
【従来の技術】
漏水しているコンクリート壁体の止水を行うためには、以下の性能を具備したものでなければならない。
(1)打ち継ぎやひび割れの不連続部の奥深くまで注入できること(注入充填性)。
(2)湿潤コンクリート面と良く接着すること(止水接着性)。
(3)耐アルカリ性などに優れていること(耐久性)。
【0003】
このために、従来の止水方法は、コンクリート構造物おけるひび割れ部や打ち継ぎ部等の漏水亀裂に、湿気硬化型ポリウレタンプレポリマーから成る注入剤を高圧力で注入し、水との反応によって硬化させながら漏水を止めているが、単にポリウレタンプレポリマーが水と反応硬化することを利用して漏水亀裂に大量の注入剤を注入して急速に硬化させるために、注入剤中にポリウレタンプレポリマーの反応速度を高める触媒や発泡促進剤の添加が積極的に行なわれている。
【0004】
しかして、この方法は、コンクリート構造物の表層部には急速に硬化体が形成されるが、コンクリート構造物の内部にまでは浸入せずに微細な亀裂は放置されるので、コンクリート構造物中の微細なクラックの接着や、漏水で低下したコンクリート構造物自体の物理的強度及び水密性の回復は図られていなかった。
【0005】
そこで、従来の止水方法における問題点を解決して経済的で確実に止水すると共にコンクリート構造物自体の強度及び水密性をも回復するような止水方法も提供されている。
【0006】
提案されている一つの止水方法では、コンクリート構造物の漏水亀裂に沿わせて密閉室を形成し、この密閉室に親水性一液型ポリウレタンプレポリマーを主成分にする止水用注入剤を所定量注入して、その後に密閉室を閉塞して保留・放置するものであり、親水性一液型ポリウレタンプレポリマーとコンクリート構造物中の漏水とが漸次反応することで、その発泡圧及び体積膨張によって漏水亀裂の狭間中に浸入・硬化して亀裂を密封、接着している。そして、本止水方法は、止水用注入剤をコンクリート構造物の内部にまで浸入させながら微細なクラックを確実に接着することで、漏水で低下したコンクリート構造物自体の物理的強度と水密性を回復させている。(例えば、特許文献1参照)
【0007】
【特許文献1】
特公平6−78520号公報(第1頁、特許請求の範囲の項、第4頁左欄末行から9行〜第5頁左欄第7行、図1、2)
【0008】
しかして、本止水方法に用いる親水性一液型ポリウレタンプレポリマーを主成分にする止水用注入剤は、充分な圧縮強度と曲げ強さ及び硬化膜の充分な引張強さを発揮しているが、その粘度は2800mPa・s程度に調整されていることと止水用注入剤の漏水亀裂への浸入がその発泡圧と体積膨張のみによっていることから、土木系の大型コンクリート構造物におけるひび割れ部や打ち継ぎ部等の漏水亀裂に対して止水用注入剤を充分に浸入させるには、状況によって困難さが伴っていた。
【0009】
一方、大型コンクリート構造物に対する止水方法も下記例のように提案されている。
本工法では、図7に施工の概要を示すように、コンクリート壁面20の内側から穿孔して打継ぎ部21(又はひび割れ部)による空隙部の中心部を貫通させながら、その開口位置22がコンクリート厚みの中心位置23になるような注入穴24を穿けている。(図7(A)、(B))次いで、この注入穴24の開口部25に注入具26を装着して注入穴の底部27と注入具26との間に加圧域28を形成して、この加圧域28に注入具26から充填材29を100〜350kg/cm2の注入圧力で注入している。(図7(C)、(D))
【0010】
又、充填材29は、疎水性ポリイソシアネートもしくは親水性ポリイソシアネートが採用されており、コンクリート壁面20の内側に流出する30まで注入されて、打継ぎ部21(又はひび割れ部)の空隙部に溜まっている水を排出すると共に空隙部を充填材29で置換させている。(図7(E))
【0011】
そして、注入後の充填材は、養生されることで打継ぎ部(又はひび割れ部)の空隙部で硬化するものであり、この段階に至って注入穴の開口部25から注入具26を取り外してコンクリート壁面20の仕上げ31が行われている。(図7(F))
【0012】
従って、充填材である疎水性ポリイソシアネートもしくは親水性ポリイソシアネートには、反応速度を高める触媒や硬化促進剤が添加されていることで環境問題が危惧されると共に、方法的にも以下の問題点を抱えている。
【0013】
(1)コンクリート厚みの中心位置に注入孔を設けても、打ち継ぎ部やひび割れ部を塞がずに注入するので、圧力を伴った浸入水の作用で地盤側には充填材が入り難く室内側には注入し易いために、室内側に流出しても奥の方には充填され無い場合が多くなり注入充填性が良くない。
(2)疎水性ポリイソシアネート、親水性ポリイソシアネート等のポリウレタン系充填材は、発泡圧も無く低強度で接着性と耐久性が好ましくないので、高耐久で信頼性の高い止水接着性を形成し難く再漏水の危険が大きい。(例えば、特許文献2参照)
【0014】
【特許文献2】
特許第3306375号公報(識別記号「0009」〜「0017」末行、図1、3)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の状況に鑑みて提案するものであり、マスコンクリートにおけるひび割れ部や打ち継ぎ部等の漏水亀裂に対しても、注入充填性、止水接着性及び耐久性の要求性能を確立して適切に止水できる親水性一液型ポリウレタンプレポリマーから成る止水材の高圧注入止水工法及び止水材を提供している。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明である親水性一液型ポリウレタンプレポリマーから成る止水材の高圧注入止水工法は、コンクリート構造物に対する親水性一液型ポリウレタンプレポリマーを主成分にする止水材の注入止水工法において、コンクリート構造物の漏水亀裂に対してコンクリート表層から所定の角度で止水材注入孔を削孔することにより、漏水亀裂を横断した状態で止水材を保留する密閉室を形成すると共に、漏水亀裂に対してコンクリート表層から所定の角度で削孔することにより、止水注入孔よりもコンクリート表層側となる位置で漏水亀裂を横断する注入確認孔を形成し、次いで、コンクリート表層の漏水亀裂を封鎖すると共に止水材注入孔に逆流防止弁付注入プラグを装着し、しかる後に注入プラグから親水性一液型ポリウレタンプレポリマーを主成分にする止水材を加圧注入して密閉室内と漏水亀裂とに所定量充填し、止水材を浸入水との化学反応で発泡させながら漏水亀裂内に浸透させることを特徴としており、大型コンクリート構造物におけるひび割れ部や打ち継ぎ部等の漏水亀裂に対しても注入充填性、止水接着性及び耐久性の要求性能を確立して適切に止水している。
【0017】
また、コンクリート表層の漏水亀裂から反応水及び止水材が流出することを観測することで、漏水亀裂中にも止水材が注入されていることを確認できる。
【0018】
請求項2に記載の発明である親水性一液型ポリウレタンプレポリマーから成る止水材の高圧注入止水工法は、請求項1に記載の高圧注入止水工法において、コンクリート表層の漏水亀裂を、漏水亀裂と漏水亀裂を横断する密閉室とに止水材注入孔から反応水を加圧注入して湿潤した後に封鎖することを特徴としており、上記機能に加えて、コンクリート表層の漏水亀裂から反応水が流出することを観測することで、止水材注入孔の漏水亀裂に対する横断を確認できる。
【0019】
請求項3に記載の発明である親水性一液型ポリウレタンプレポリマーから成る止水材の高圧注入止水工法は、請求項1又は2に記載の高圧注入止水工法において、止水材を漏水亀裂と漏水亀裂を横断する密閉室とに反応水を加圧注入した後に加圧注入することを特徴としており、上記機能に加えて、止水材の発泡圧及び体積膨張の発生を促進して漏水亀裂の狭間中に浸入・硬化して亀裂を密封する機能を更に強化している。
【0020】
請求項4に記載の発明である親水性一液型ポリウレタンプレポリマーから成る止水材の高圧注入止水工法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の高圧注入止水工法において、止水材を、10〜20MPaの圧力で密閉室内と漏水亀裂とに注入することを特徴としており、上記機能に加えて、発泡前の止水材を漏水亀裂の狭間中に適切に浸入させている。
【0021】
請求項5に記載の発明である親水性一液型ポリウレタンプレポリマーから成る止水材の高圧注入止水工法は、請求項1乃至4のいずれかに記載の高圧注入止水工法において、止水材の充填注入量を、浸入水との化学反応で発揮される発泡倍率を勘案して決定することを特徴としており、上記機能に加えて、止水材の使用量を適切に調整することができる。
【0022】
本発明による止水材は、上記の各高圧注入止水工法に用いるものであって、親水性一液型ポリウレタンプレポリマーを主成分にする止水材において、粘度を700〜1400mPa・sにすることを特徴としており、大型コンクリート構造物における漏水亀裂に対しても注入充填性を良くして、止水接着性や耐久性に優れた止水を確立している。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明による親水性一液型ポリウレタンプレポリマーから成る止水材の高圧注入止水工法は、コンクリート構造物の漏水亀裂に対してコンクリート表層から所定の角度に止水材注入孔を削孔して漏水亀裂を横断した状態で止水材を保留する密閉室を形成し、次いで、コンクリート表層の漏水亀裂を封鎖すると共に止水材注入孔に逆流防止弁付注入プラグを装着し、しかる後に注入プラグから親水性一液型ポリウレタンプレポリマーを主成分にする止水材を加圧注入して密閉室内と漏水亀裂とに所定量充填し、止水材を浸入水との化学反応で発泡させながら漏水亀裂内に浸透させることを基本して、具体的には、漏水亀裂に対する注入確認孔を、コンクリート表層から所定の角度で止水材注入孔よりもコンクリート表層側に漏水亀裂を横断した状態に削孔したり、コンクリート表層の漏水亀裂を、漏水亀裂と漏水亀裂を横断する密閉室とに止水材注入孔から反応水を加圧注入して湿潤した後に封鎖したり、止水材は、漏水亀裂と漏水亀裂を横断する密閉室とに反応水を10〜20MPaの圧力で注入した後に加圧注入し、その充填注入量を、浸入水との化学反応で発揮される発泡倍率を勘案して決定することを特徴としている。
【0024】
以下に、本発明による高圧注入止水工法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0025】
図1は、大きな壁厚のコンクリート壁に本発明による高圧注入止水工法を適用する実施の形態図であり、図1(a)は、コンクリート壁面に発生しているひび割れによる漏水亀裂に止水材注入孔を削孔する工程を示している。
【0026】
コンクリート壁1の内側から行われる止水材注入孔2の削孔は、ひび割れ3の不連続面に対して約60度の角度で、直径10mmの止水注入孔2が不連続面を横断するように開けており、止水材4を保留するための密閉室5を形成している。止水材注入孔2は、本実施の形態の場合にコンクリート壁1の中心位置より奥まった壁厚の約2/3の位置に開けており、注入孔の配置は、ひび割れや打ち継ぎ面に対して千鳥状に行っている。
【0027】
尚、ドリルの削孔深さは、確実に不連続面を横断することを考慮して不連続面までの推測距離よりも、更に100mm以上奥の位置にまで削孔している。
【0028】
図1(b)は、次工程の逆流防止弁付注入プラグを装着する状態を示しているが、止水材注入孔2を削孔した後には、必要に応じて止水材注入孔2の内部に残存しているコンクリート粉をエアーブローによって入念に除去している。
【0029】
止水材注入孔2の開口部6に逆流防止弁付注入プラグ7を装着するが、この際には、ひび割れ3の表面を急結セメント8等で封鎖している。これによって、止水材が開口部6から注入される場合には、コンクリート壁1のひび割れ3から内側に漏洩することのないように防止することで、高圧注入されて発泡によって体積膨張した止水材が、コンクリート躯体の外側まで奥深く充填されることになる。
【0030】
図1(c)は、止水材を密閉室及びひび割れの不連続面に注入されるための前工程を示している。
本工程では、水9を逆流防止弁付注入プラグ7から圧力5〜10MPaで注入しており、密閉室5とひび割れ3の不連続面とに止水材4の発泡硬化の反応に充分な水9を予め供給している。
【0031】
尚、止水材注入孔2がひび割れ3の不連続面と接続しているか否かを確認しながら、浸入水を排水すると同時に、止水材の充填状況を確認するための施工については、後述の他の実施形態において説明する。
【0032】
図1(d)は、止水材を密閉室及びひび割れの不連続面に注入する工程を示している。
本実施の形態では、止水材4を圧力10〜20MPaで止水材注入孔2に注入しており、所定の注入量を充填した後に以降に配置されている次の逆流防止弁付注入プラグ7に移って、順次に高圧注入をして行く。本発明による止水材4は、全ての注入が終了してひび割れ3と密閉室5に保留された後には、ひび割れ3と密閉室5とに供給されている水9やコンクリート躯体の外側から浸透してくる水と化学反応することで、硬化する前に発泡し体積膨張する。
【0033】
この体積膨張によって、止水材5はひび割れ3のコンクリート躯体外側の隅々まで確実に浸透して行き、ひび割れ3の全域を完全に止水することができる。
止水材の硬化は、体積膨張の終了後に開始されるが、所定の養生期間を経て止水材が硬化した後には、図1(e)に示すように逆流防止弁付注入プラグ7の頭部を折ると共に急結セメント8も撤去して、コンクリート壁1を補修モルタル等で仕上げている。
【0034】
以上のように、本発明による高圧注入止水工法は、ひび割れのコンクリート壁内側の表面を封鎖することで、止水材は高圧注入されると共に発泡によって体積膨張することでコンクリート躯体の外側まで奥深く充填することになり、大型コンクリート構造物であってもひび割れ部や打ち継ぎ部等の漏水亀裂に対する注入充填性、止水接着性及び耐久性の要求性能が確立して適切な止水を達成している。
【0035】
次に、本発明による高圧注入止水工法の他の実施形態について説明する。
本実施の形態は、漏水亀裂に対する注入確認孔をコンクリート表層から所定の角度で止水材注入孔よりもコンクリート表層側に漏水亀裂を横断した状態に削孔することを特徴にしており、上記実施の形態の機能に加えて、コンクリート表層の漏水亀裂から反応水及び止水材が流出することを観測することで、漏水亀裂中にも止水材が注入されていることを確認することができる。
【0036】
図2は、コンクリート壁の漏水亀裂に注入確認孔を削孔する実施の形態図であり、図2(a)は、コンクリート壁面に発生しているひび割れに止水材注入孔と注入確認孔を削孔する工程を示している。
【0037】
本実施の形態では、上記実施の形態と同様に止水材注入孔2を削孔すると共に、注入確認孔10を止水材注入孔2よりもコンクリート表層側に位置しているひび割れ3の不連続面を横断させるように、コンクリート表層から所定の角度で開けている。注入確認孔10は、コンクリート壁1の表面から約100mm入った位置に不連続面を横断するように開けられており、注入確認孔10の不連続面との開口が、コンクリート壁1に開けられる止水材注入孔2の不連続面との開口位置よりも手前の位置に形成されている。
【0038】
これによって、ひび割れ3の不連続面に浸透している浸入水を排水すると同時に、止水材5を止水材注入孔2から注入した際の充填性を良くしつつ、充填状況を確認することも可能になるものである。
【0039】
図2(b)は、逆流防止弁付注入プラグを装着する状態を示しているが、上記実施の形態と同様に、必要に応じて止水材注入孔2の内部に残存しているコンクリート粉をエアーブローによって入念に除去している。
【0040】
止水材注入孔2の開口部6に逆流防止弁付注入プラグ7を装着する際には、ひび割れ3の表面を急結セメント8等で封鎖しているが、本工程では注入確認孔10が開放されていることで、浸入水が排水されると同時に次工程において確認されるように止水材注入孔2がひび割れ3の不連続面と接続していることと止水材の充填状況を確認できるようにしている。
【0041】
図2(c)は、止水材注入孔がひび割れの不連続面と接続していることを確認し、止水材を密閉室及びひび割れの不連続面に注入する際に止水材の充填状況を確認する工程を示している。
【0042】
本工程では、水9を逆流防止弁付注入プラグ7から圧力5〜10MPaで注入するものであり、注入された水9は、止水材注入孔2から密閉室5とひび割れ3の不連続面とに浸透して不連続面の全域に行き渡ることから、注入確認孔10からも流出することになって、止水材注入孔2がひび割れ3の不連続面と接続していることと止水材4の発泡硬化に充分な水が予め供給されたことを確認できる。
【0043】
又、本工程に次いで上記実施の形態と同様に、止水材4を圧力10〜20MPaで止水材注入孔2から注入するが、最初の注入はあくまでも止水材注入孔2がひび割れ3の不連続面と接続していることの再確認のものである。
【0044】
即ち、止水材4がひび割れ3の不連続面に高圧で注入されると、浸入水圧力が作用しているコンクリート躯体の外側よりも浸透し易い注入確認孔10から止水材4が先ず流出することになるが、これによって、ひび割れ3の不連続面が止水材によって充分に充填されることが確認されることになる。
【0045】
本実施の形態では、止水材4の流出が確認されたところで止水材4が流出しないように注入確認孔10を木綿や木品あるいはゴム栓等で塞ぐものであり、この封鎖後において所定の注入量を充填するものである。
【0046】
従って、止水材4は、上記実施の形態と同様に化学反応して発泡すると共に、必要とする充分な体積膨張でコンクリート躯体の外側まで奥深く浸透された後に硬化することになって適切な止水を確立することになる。
さらに、他の実施の形態では、止水材注入孔から漏水亀裂と漏水亀裂を横断する密閉室とに反応水を加圧注入することで湿潤させた後に、コンクリート表層の漏水亀裂を封鎖することを特徴としており、上記実施の形態の機能に加えて、コンクリート表層の漏水亀裂から反応水が流出することを観測するだけで止水材注入孔が漏水亀裂を確実に横断していることを確認できる。
【0047】
図3は、コンクリート壁の漏水亀裂を止水材注入孔が横断していることを確認する他の実施の形態図である。
【0048】
本実施の形態では、水9を逆流防止弁付注入プラグ7から圧力5〜10MPaで注入するのに、コンクリート壁の表面に現れているひび割れ3を急結セメント等で封鎖していない。従って、注入された水9は、止水材注入孔2から密閉室5とひび割れ3の不連続面とに浸透して不連続面の全域に行き渡るが、コンクリート壁の表面に現れているひび割れ3からも流出することになるので、止水材注入孔2がひび割れ3の不連続面と接続していることと止水材4の発泡硬化に充分な水が予め供給されたことを確認できる。
【0049】
そして、上記確認に次いで行われる止水材4の注入は、コンクリート壁の表面に現れているひび割れ3を急結セメント等で封鎖した後に行うものであるから、止水材4の所定量をひび割れ3の不連続面に高圧で注入すると、上記実施の形態と同様に化学反応して発泡するものであり、体積膨張でコンクリート躯体の外側まで奥深く浸透された後に硬化することになる。
【0050】
以上のように、本発明による親水性一液型ポリウレタンプレポリマーから成る止水材の高圧注入止水工法は、下記のように施工性、注入充填性、止水接着性及び耐久性に優れているので、漏水しているひび割れの止水効果に優れ、長期の止水耐久性が期待でき、併せて、工期の短縮、美麗な仕上がりも確保されるので、大きな壁厚のコンクリート躯体への施工が容易に違成できる。
【0051】
▲1▼ ひび割れや打ち継ぎ部の表面をシールしての高圧注入なので、圧力が止水材に無駄なく伝って狭いひび割れの隅々まで注入できる。
▲2▼ 硬化反応が緩やかで高圧注入後の発泡膨張圧で浸透が行われるので狭いひび割れの隅々まで注入できる。
【0052】
次に本発明による高圧注入止水工法に用いる止水材について説明する。
本発明による止水材は、親水性一液型ポリウレタンプレポリマーを主成分にする止水材において、常温で粘度を700〜1400mPa・sにすることを特徴としており、大型コンクリート構造物における漏水亀裂に対しても注入充填性を良くして、止水接着性や耐久性に優れた止水を確立している。
【0053】
本発明による止水材は、親水性一液型ポリウレタンプレポリマーを主成分とするものであるが、この親水性一液型ポリウレタンプレポリマーは、基本的に水と反応して発泡硬化する性状を有しており、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル、ポリアルキレングリコールアリールエーテル、ポリアルキレングリコールアルキルアリールエーテル、あるいはポリアルキレングリコールとポリアルキレングリコールの有機酸エステルとの混合物と、イソシアネート基を有する有機化合物とを反応させた反応生成物である。
【0054】
ここで、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル、ポリアルキレングリコールアリールエーテル、ポリアルキレングリコールアルキルアリールエーテルはエチレンオキシド、もしくはプロピレンオキシドの重合体あるいはこれらの共重合体で、分子量は1000〜10000である。また、ポリアルキレングリコールの有機酸エステルとは、前記ポリアルキレングリコールの多価カルポン酸エステルであって、多価カルボン酸の具体例としては、マレイン酸、アジピン酸、フタール酸等が挙げられる。
【0055】
上記ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル、ポリアルキレングリコールアリールエーテル、ポリアルキレングリコールアルキルアリールエーテル、あるいはこれとポリアルキレングリコールの有機酸エステルとの混合物と反応する前記イソシアネート基を有する化合物としては、イソシアネート基を少なくとも2つ以上有する化合物であって、具体的には、トリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート(ポリメチレンポリフェニレンイソシアネート)、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。なかでも、トリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネートは硬化速度を制御するのに好ましい。
【0056】
ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル、ポリアルキレングリコールアリールエーテル、ポリアルキレングリコールアルキルアリールエーテル、あるいはポリアルキレングリコールとポリアルキレングリコールの有機酸エステルとの混合物と、イソシアネート基を有する有機化合物との割合は、前者の水酸基1個当たりイソシアネート基1〜10個となる範囲で反応させるのが好ましい。前者の水酸基を1個当たり、イソシアネート基を1個未満の割合で反応させると、重合度が低下し硬化性が劣るので好ましくない。又、10個以上では、重合速度が速くなって硬化速度のコントロールが難しい等の理由により好ましくない。
【0057】
親水性一液型ポリウレタンプレポリマーの反応方法は、一般的な公知の方法で反応させているものであり、親水性一液型ポリウレタンプレポリマー(2R−NCO)が水(H2O)と接して炭酸ガス(CO2)を発生させる化学反応を進行させて、発泡膨張しながら硬化物(R−NHCONH)に成る反応式は、以下の通りである。
2R−NCO + H2O → R−NHCONH−R + CO2
【0058】
本実施の形態では、親水性一液型ポリウレタンプレポリマーの粘度を700〜1400mPa・sに調整しており、この他にも以下の各種特性を発揮出来るように調合している。
【0059】
○ 比重 1.16 g/cm3
○ 見かけ密度 0.09 g/cm2
○ 圧縮強さ 0.15〜0.19 MPa
○ 曲げ強さ 0.41〜0.61 MPa
○ 独立気泡率 77.8〜80.2 %
○ 温度―粘度特性 図4
【0060】
従来の親水性一液型ポリウレタンプレポリマーと本発明による親水性一液型ポリウレタンプレポリマーの一般用、冬季用とを比較して示している。
【0061】
○ 発泡速度 図5 一般用(a)、冬季用(b)
親水性一液型ポリウレタンプレポリマーは、反応が高温度になるに伴って早くなるので、温度の上昇と共に発泡時間が短くなっている。
【0062】
○ 発泡倍率 図6 一般用(a)、冬季用(b)
親水性一液型ポリウレタンプレポリマーの発泡倍率は、温度が高くなるほど大きく、水の混合割合が大きいと発泡倍率が小さくなる傾向を示しており、水質による差は見られていない。
【0063】
○ 発泡を押さえた硬化物の引張強度 35〜42 MPa
【0064】
本発明による止水材は、親水性一液型ポリウレタンプレポリマーを主成分にして以上の特性を備えていることで、壁厚の大きいコンクリート構造物に発生するひび割れや打継ぎ部の不連続面に対しても、親水性一液型ポリウレタンプレポリマーを主成分にしている止水材は、止水材注入孔に装着される逆流防止弁付注入プラグから高圧で注入される際に浸透し易いように構成されているものであり、これによって、止水材は、湿潤面への接着性、硬化物の強度特性と引張強度とに優れた止水接着系を形成できるものである。
【0065】
以上、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本発明による親水性一液型ポリウレタンプレポリマーから成る止水材の高圧注入止水工法及び止水材は、上記実施の形態に何ら限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、出願時において既に公知のものを適用することによる種々の変更が可能であることは、当然のことである。
【0066】
【発明の効果】
請求項1に記載の親水性一液型ポリウレタンプレポリマーから成る止水材の高圧注入止水工法は、コンクリート構造物に対する親水性一液型ポリウレタンプレポリマーを主成分にする止水材の注入止水工法において、コンクリート構造物の漏水亀裂に対してコンクリート表層から所定の角度で止水材注入孔を削孔することにより、漏水亀裂を横断した状態で止水材を保留する密閉室を形成すると共に、該漏水亀裂に対してコンクリート表層から所定の角度で削孔することにより、該止水注入孔よりもコンクリート表層側となる位置で該漏水亀裂を横断する注入確認孔を形成し、次いで、コンクリート表層の漏水亀裂を封鎖すると共に止水材注入孔に逆流防止弁付注入プラグを装着し、しかる後に注入プラグから親水性一液型ポリウレタンプレポリマーを主成分にする止水材を加圧注入して密閉室内と漏水亀裂とに所定量充填し、止水材を浸入水との化学反応で発泡させながら漏水亀裂内に浸透させることを特徴としているので、下記のように漏水しているひび割れの具体的な止水効果に優れ、長期の止水耐久性が期待できると共に工期の短縮、美麗な仕上がりも確保されて大きな壁厚のコンクリート躯体への施工が容易に違成でき、注入充填性、止水接着性及び耐久性の要求性能を確立して適切に止水できる効果を発揮している。
【0067】
(1)ひび割れや打ち継ぎ部の表面をシールしての高圧注入なので、圧力が止水材に無駄なく伝って狭いひび割れの隅々まで注入できる。
(2)硬化反応が緩やかで高圧注入後の発泡膨張圧で注入が行われるので狭いひび割れの隅々まで注入できる。
【0068】
また、コンクリート表層の漏水亀裂から反応水及び止水材が流出することを観測することで、漏水亀裂中にも止水材が注入されていることを確認できる効果を発揮している。
【0069】
請求項2に記載の親水性一液型ポリウレタンプレポリマーから成る止水材の高圧注入止水工法は、請求項1に記載の高圧注入止水工法において、コンクリート表層の漏水亀裂を、漏水亀裂と漏水亀裂を横断する密閉室とに止水材注入孔から反応水を加圧注入して湿潤した後に封鎖することを特徴としているので、上記効果に加えて、コンクリート表層の漏水亀裂から反応水が流出することを観測することで、止水材注入孔の漏水亀裂に対する横断を確認できる効果を発揮している。
【0070】
請求項3に記載の親水性一液型ポリウレタンプレポリマーから成る止水材の高圧注入止水工法は、請求項1又は2に記載の高圧注入止水工法において、止水材を漏水亀裂と漏水亀裂を横断する密閉室とに反応水を加圧注入した後に加圧注入することを特徴としているので、上記効果に加えて、止水材の発泡圧及び体積膨張の発生を促進して漏水亀裂の狭間中に浸入・硬化して亀裂を密封する機能を更に強化できる効果を発揮している。
【0071】
請求項4に記載の親水性一液型ポリウレタンプレポリマーから成る止水材の高圧注入止水工法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の高圧注入止水工法において、止水材を、10〜20MPaの圧力で密閉室内と漏水亀裂とに注入することを特徴としているので、上記効果に加えて、発泡前の止水材を漏水亀裂の狭間中に適切に浸入できる効果を発揮している。
【0072】
請求項5に記載の親水性一液型ポリウレタンプレポリマーから成る止水材の高圧注入止水工法は、請求項1乃至4のいずれかに記載の高圧注入止水工法において、止水材の充填注入量を、浸入水との化学反応で発揮される発泡倍率を勘案して決定することを特徴としているので、上記効果に加えて、止水材の使用量を適切に調整できる効果を発揮している。
【0073】
本発明による止水材は、上記の各高圧注入止水工法に用いるものであって、親水性一液型ポリウレタンプレポリマーを主成分にする止水材において、粘度を700〜1400mPa・sにすることを特徴としているので、大型コンクリート構造物における漏水亀裂に対しても注入充填性を良くして止水接着性や耐久性に優れた止水を確立でき、湿潤面への接着性、硬化物の強度特性と引張強度に優れた止水接着系を形成できる効果を発揮している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高圧注入止水工法を壁厚の大きなコンクリート壁に適用した実施の形態図
【図2】本発明による高圧注入止水工法を壁厚の大きなコンクリート壁に適用した他の実施の形態図
【図3】本発明による高圧注入止水工法を壁厚の大きなコンクリート壁に適用した他の実施の形態図
【図4】本発明による止水材の温度―粘度特性図
【図5】本発明による止水材の発泡速度図
【図6】本発明による止水材の発泡倍率図
【図7】従来の壁厚の大きなコンクリート壁に対する高圧注入止水施工図
【符号の説明】
1 コンクリート壁、 2 止水材注入孔、 3 ひび割れ、 4 止水材、
5 密閉室、 6 開口部、 7 逆流防止弁付注入プラグ、
8 急結セメント、 9 水、 10 注入確認孔、
20 コンクリート壁面、 21 打継ぎ部、 22 開口位置、
23 中心位置、 24 注入穴、 25 開口部、 26 注入具、
27 底部、 28 加圧域、 29 充填材、 30 流出、[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a high-pressure injection water-stop method and a water-stop material for a water-stop material made of a hydrophilic one-component polyurethane prepolymer that can appropriately stop water cracks such as cracks and joints in a concrete structure.
[0002]
[Prior art]
In order to stop the leaking concrete wall, it must have the following performance.
(1) It is possible to inject deeply into the discontinuous part of jointing and cracking (injection filling property).
(2) Adhere well to wet concrete surface (water stop adhesion).
(3) Excellent alkali resistance (durability).
[0003]
For this reason, the conventional water-stop method injects an injectant made of moisture-curing polyurethane prepolymer at high pressure into leaking cracks such as cracks and joints in concrete structures, and cures by reaction with water. In order to inject a large amount of injectant into the water leakage crack and cure rapidly by simply utilizing the reaction hardening of the polyurethane prepolymer with water, Addition of a catalyst or a foaming accelerator for increasing the reaction rate has been actively carried out.
[0004]
In this method, a hardened body is rapidly formed on the surface layer portion of the concrete structure, but fine cracks are left without entering the concrete structure. However, it was not possible to recover the physical strength and water tightness of the concrete structure itself, which was deteriorated due to water leakage.
[0005]
Accordingly, there is also provided a water stopping method that solves the problems in the conventional water stopping method and economically and reliably stops water, and also restores the strength and water tightness of the concrete structure itself.
[0006]
In one proposed water-stop method, a sealed chamber is formed along a water leak crack in a concrete structure, and a water-stopping injectant containing a hydrophilic one-component polyurethane prepolymer as a main component is formed in the sealed chamber. A predetermined amount is injected, and then the sealed chamber is closed and retained and left, and the foaming pressure and volume of the hydrophilic one-component polyurethane prepolymer and the water leakage in the concrete structure react gradually. The crack penetrates and hardens in the gap between leaking cracks by expansion, sealing and bonding the cracks. This water-stopping method ensures the physical strength and water-tightness of the concrete structure itself, which has been reduced by water leakage, by securely adhering fine cracks while infiltrating the water-stopping injection into the concrete structure. Is recovering. (For example, see Patent Document 1)
[0007]
[Patent Document 1]
Japanese Examined Patent Publication No. 6-78520 (first page, claims section, page 4 left column,
[0008]
Therefore, the water-stopping injectant based on the hydrophilic one-component polyurethane prepolymer used in the water-stopping method exhibits a sufficient compressive strength and bending strength and a sufficient tensile strength of the cured film. However, since the viscosity is adjusted to about 2800 mPa · s and the penetration of the water-stopping injection into the leakage crack is only due to its foaming pressure and volume expansion, cracks in civil engineering large-scale concrete structures It has been difficult depending on the situation to sufficiently inject the water-stopping injecting agent against water leakage cracks such as the joints and joints.
[0009]
On the other hand, a water stop method for a large concrete structure has also been proposed as in the following example.
In this construction method, as shown in FIG. 7, an outline of the construction is perforated from the inside of the
[0010]
The
[0011]
And the filler after injection | pouring hardens | cures in the space | gap part of a joint part (or crack part) by being cured, and it reaches this stage and removes the
[0012]
Therefore, the hydrophobic polyisocyanate or hydrophilic polyisocyanate that is a filler is concerned with environmental problems due to the addition of a catalyst and a curing accelerator that increase the reaction rate, and the following problems are also present in the method. I have it.
[0013]
(1) Even if an injection hole is provided at the center of the concrete thickness, it is injected without blocking the joints and cracks, so that it is difficult for the filler to enter the ground due to the intrusion of water with pressure. Since it is easy to inject inside, even if it flows out to the indoor side, there are many cases where it is not filled in the back, and the injection filling property is not good.
(2) Polyurethane fillers such as hydrophobic polyisocyanate and hydrophilic polyisocyanate have no foaming pressure, low strength, unfavorable adhesion and durability, and form highly durable and highly reliable waterproof adhesive It is difficult to re-leak water. (For example, see Patent Document 2)
[0014]
[Patent Document 2]
Japanese Patent No. 3306375 (identification symbols “0009” to “0017”, FIGS. 1 and 3)
[0015]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention is proposed in view of the above situation, and establishes the required performance of pouring fillability, waterstop adhesion and durability against water leakage cracks such as cracks and joints in mass concrete. Thus, there are provided a high-pressure injection water-stop method and a water-stop material for a water-stop material made of a hydrophilic one-component polyurethane prepolymer that can appropriately stop water.
[0016]
[Means for Solving the Problems]
The high-pressure injection water-stop method for a water-stopping material comprising a hydrophilic one-component polyurethane prepolymer according to
[0017]
Moreover , by observing that the reaction water and the water-stopping material flow out from the water-cracking crack in the concrete surface layer, it can be confirmed that the water-stopping material is also injected into the water-cracking crack.
[0018]
The high-pressure injection water-stop method for a water-stopping material comprising a hydrophilic one-component polyurethane prepolymer according to the invention described in
[0019]
High pressure injection water stop method of water stopping material consisting invention is a hydrophilic one-polyurethane prepolymer of
[0020]
The high-pressure injection water-stop method for a water-stopping material comprising a hydrophilic one-component polyurethane prepolymer according to claim 4 is the water-stop method for water-stopping according to any one of
[0021]
The high-pressure injection water-stop method for a water-stopping material comprising a hydrophilic one-component polyurethane prepolymer according to
[0022]
The water-stopping material according to the present invention is used for each of the above-described high-pressure injection water-stopping methods, and the water-stopping material containing a hydrophilic one-component polyurethane prepolymer as a main component has a viscosity of 700 to 1400 mPa · s. It is characterized by the fact that it has improved injection filling properties against water leakage cracks in large concrete structures, and has established a water stop with excellent water stop adhesion and durability.
[0023]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
According to the present invention, a high-pressure injection waterproofing method for a water-stopping material comprising a hydrophilic one-component polyurethane prepolymer is formed by drilling a water-stopping material injection hole at a predetermined angle from a concrete surface layer against a water leakage crack of a concrete structure. Form a sealed chamber to hold the water stop material in a state of crossing the water leak crack, then seal the water crack on the concrete surface layer and install an injection plug with a backflow prevention valve in the water stop material injection hole, and then the injection plug The water-stopping material mainly composed of a hydrophilic one-component polyurethane prepolymer is injected under pressure to fill a predetermined amount in the sealed chamber and the water leakage crack, and the water leakage is caused by foaming the water-stopping material by a chemical reaction with the ingress water. Based on the penetration into the crack, specifically, the injection confirmation hole for the water leakage crack crossed the water leakage crack to the concrete surface layer side from the water stop material injection hole at a predetermined angle from the concrete surface layer. Or water leakage cracks in the surface of the concrete, sealing the water leakage cracks and the sealed chamber that crosses the water leakage cracks by injecting the reaction water from the water stop material injection holes and moistening them. Is injected with pressure after injecting reaction water at a pressure of 10 to 20 MPa into the water leakage crack and the sealed chamber crossing the water leakage crack, and the filling injection amount is determined by the foaming ratio exhibited by the chemical reaction with the intrusion water. It is characterized by making decisions in consideration.
[0024]
Hereinafter, an embodiment of a high-pressure injection waterproofing method according to the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0025]
FIG. 1 is a diagram showing an embodiment in which the high-pressure injection waterproofing method according to the present invention is applied to a concrete wall having a large wall thickness. FIG. 1 (a) shows a water stoppage due to a water leakage crack caused by a crack generated on a concrete wall surface. The process of drilling the material injection hole is shown.
[0026]
The water
[0027]
Note that the drilling depth of the drill is further drilled to a position that is 100 mm or more deeper than the estimated distance to the discontinuous surface in consideration of crossing the discontinuous surface with certainty.
[0028]
FIG. 1 (b), but shows a state of mounting the injection plug having a check valve in the next step, after drilling the water stopping
[0029]
An
[0030]
FIG.1 (c) has shown the pre-process for inject | pouring a water stop material into the sealed chamber and the discontinuous surface of a crack.
In this step,
[0031]
In addition, it confirms whether the water-stopping
[0032]
FIG.1 (d) has shown the process which inject | pours a water stop material into the sealed chamber and the discontinuous surface of a crack.
In the present embodiment, the water stop material 4 is injected into the water stop
[0033]
By this volume expansion, the
Curing of the water-stopping material is started after the end of the volume expansion, but after the water-stopping material has hardened through a predetermined curing period, the head of the
[0034]
As described above, the high-pressure injection waterproofing method according to the present invention seals the inner surface of the cracked concrete wall, so that the water-stopping material is injected at a high pressure and expanded by foaming to the outside of the concrete frame. Even if it is a large concrete structure, the required performance of injection filling property, water-stopping adhesiveness and durability against leakage cracks such as cracks and joints will be established and appropriate water stoppage will be achieved. ing.
[0035]
Next, another embodiment of the high-pressure injection waterproofing method according to the present invention will be described.
This embodiment is characterized in that the injection confirmation hole for the water leakage crack is drilled at a predetermined angle from the concrete surface layer so as to cross the water leakage crack to the concrete surface layer side of the water stop material injection hole. In addition to the function of the form, by observing that the reaction water and the water stop material flow out from the water leak crack in the concrete surface layer, it can be confirmed that the water stop material is also injected into the water leak crack. .
[0036]
FIG. 2 is a diagram showing an embodiment in which an injection confirmation hole is drilled in a water leak crack in a concrete wall. FIG. 2A shows a water stop material injection hole and an injection confirmation hole in a crack generated on a concrete wall. The process of drilling is shown.
[0037]
In the present embodiment, the water-stopping
[0038]
In this way, the infiltration water that has penetrated into the discontinuous surface of the
[0039]
FIG. 2 (b) shows a state where the injection plug with a backflow prevention valve is attached, but the concrete powder remaining inside the water stop
[0040]
When the
[0041]
Fig. 2 (c) shows that the water-stopping material injection hole is connected to the discontinuous surface of the crack, and the water-stopping material is filled when the water-stopping material is injected into the sealed chamber and the discontinuous surface of the crack. The process of confirming the situation is shown.
[0042]
In this step,
[0043]
In addition, as in the above-described embodiment, the water-stopping material 4 is injected from the water-stopping
[0044]
That is, when the water-stopping material 4 is injected into the discontinuous surface of the
[0045]
In the present embodiment, the
[0046]
Accordingly, the waterstop material 4 is chemically reacted and foamed in the same manner as in the above embodiment, and is cured after being deeply penetrated to the outside of the concrete frame with sufficient volume expansion required. Will establish water.
Furthermore, in another embodiment, the water leakage cracks in the concrete surface layer are sealed after wetting the water leakage cracks and the sealed chamber crossing the water leakage cracks by wetting the reaction water under pressure. In addition to the functions of the above-mentioned embodiment, it is confirmed that the water stop material injection hole surely crosses the leak crack by simply observing that the reaction water flows out from the leak crack on the concrete surface layer. it can.
[0047]
FIG. 3 is a view of another embodiment for confirming that the water-stopping material injection hole crosses the leak crack of the concrete wall.
[0048]
In the present embodiment, the
[0049]
Then, the injection of the water-stopping material 4 performed after the above confirmation is performed after the
[0050]
As described above, the high-pressure injection waterproofing method for a waterproofing material comprising a hydrophilic one-component polyurethane prepolymer according to the present invention is excellent in workability, injection filling property, waterproof adhesiveness and durability as described below. Therefore, it has excellent water-stopping effect on cracks that are leaking, can be expected to have long-term water-stopping durability, and at the same time, shortens the construction period and ensures a beautiful finish. Can be easily deceived.
[0051]
(1) Since it is high-pressure injection with the surface of cracks and joints sealed, the pressure can be transferred to the water-stopping material without waste and injected into every corner of narrow cracks.
{Circle around (2)} Since the curing reaction is slow and the infiltration is performed with the expansion pressure after high-pressure injection, it can be injected to every corner of a narrow crack.
[0052]
Next, the water stop material used in the high pressure injection water stop method according to the present invention will be described.
The water-stopping material according to the present invention is a water-stopping material mainly composed of a hydrophilic one-component polyurethane prepolymer, and has a viscosity of 700 to 1400 mPa · s at room temperature. In addition, it has improved injection filling properties, and has established a water stop with excellent water stop adhesion and durability.
[0053]
The water-stopping material according to the present invention is mainly composed of a hydrophilic one-component polyurethane prepolymer, but this hydrophilic one-component polyurethane prepolymer basically has a property of foaming and curing by reacting with water. For example, polyalkylene glycol, polyalkylene glycol alkyl ether, polyalkylene glycol aryl ether, polyalkylene glycol alkyl aryl ether, or a mixture of polyalkylene glycol and organic acid ester of polyalkylene glycol, and an isocyanate group. It is a reaction product obtained by reacting with an organic compound.
[0054]
Here, polyalkylene glycol, polyalkylene glycol alkyl ether, polyalkylene glycol aryl ether, and polyalkylene glycol alkyl aryl ether are ethylene oxide or propylene oxide polymers or copolymers thereof, and have a molecular weight of 1000 to 10,000. The organic acid ester of polyalkylene glycol is a polyvalent carboxylic acid ester of polyalkylene glycol, and specific examples of the polyvalent carboxylic acid include maleic acid, adipic acid, and phthalic acid.
[0055]
Examples of the compound having an isocyanate group that reacts with the polyalkylene glycol, polyalkylene glycol alkyl ether, polyalkylene glycol aryl ether, polyalkylene glycol alkyl aryl ether, or a mixture thereof with an organic acid ester of polyalkylene glycol include isocyanate. A compound having at least two groups, and specific examples include tolylene diisocyanate, methylene diphenyl diisocyanate (polymethylene polyphenylene isocyanate), xylylene diisocyanate, hexamethylene diisocyanate, and the like. Of these, tolylene diisocyanate and methylene diphenyl diisocyanate are preferable for controlling the curing rate.
[0056]
The ratio of polyalkylene glycol, polyalkylene glycol alkyl ether, polyalkylene glycol aryl ether, polyalkylene glycol alkyl aryl ether, or a mixture of polyalkylene glycol and organic acid ester of polyalkylene glycol and an organic compound having an isocyanate group is The former is preferably reacted in the range of 1 to 10 isocyanate groups per hydroxyl group. When the former hydroxyl group is reacted at a ratio of less than one isocyanate group, the degree of polymerization is lowered and the curability is inferior. On the other hand, the number of 10 or more is not preferable because the polymerization rate is high and the control of the curing rate is difficult.
[0057]
The reaction method of the hydrophilic one-polyurethane prepolymer, which is reacted by a general known method, contact hydrophilic one-polyurethane prepolymer (2R-NCO) is water (H 2 O) Then, the chemical reaction for generating carbon dioxide gas (CO 2 ) is advanced to form a cured product (R-NHCONH) while foaming and expanding.
2R-NCO + H 2 O → R-NHCONH-R +
[0058]
In the present embodiment, the viscosity of the hydrophilic one-component polyurethane prepolymer is adjusted to 700 to 1400 mPa · s, and in addition to this, it is blended so as to exhibit the following various characteristics.
[0059]
○ Specific gravity 1.16 g / cm 3
○ Apparent density 0.09 g / cm 2
○ Compressive strength 0.15 to 0.19 MPa
○ Bending strength 0.41-0.61 MPa
○ Closed-cell ratio 77.8-80.2%
○ Temperature-viscosity characteristics Fig. 4
[0060]
The conventional hydrophilic one-component polyurethane prepolymer and the general one and the winter one for the hydrophilic one-component polyurethane prepolymer according to the present invention are shown in comparison.
[0061]
○ Foaming speed Fig. 5 General use (a), Winter use (b)
Since the hydrophilic one-component polyurethane prepolymer becomes faster as the reaction becomes higher in temperature, the foaming time becomes shorter as the temperature increases.
[0062]
○ Foaming ratio Fig. 6 General use (a), Winter use (b)
The foaming ratio of the hydrophilic one-component polyurethane prepolymer increases as the temperature increases, and the foaming ratio tends to decrease as the mixing ratio of water increases, and there is no difference in water quality.
[0063]
○ Tensile strength of cured product with suppressed foaming 35-42 MPa
[0064]
The water-stopping material according to the present invention has the above-mentioned characteristics based on a hydrophilic one-component polyurethane prepolymer as a main component, so that cracks generated in a concrete structure having a large wall thickness and discontinuous surfaces of joints On the other hand, a water-stop material mainly composed of a hydrophilic one-component polyurethane prepolymer easily penetrates when injected at high pressure from an injection plug with a backflow prevention valve attached to the water-stop material injection hole. Thus, the water-stopping material can form a water-stopping adhesive system having excellent adhesion to a wet surface, strength properties of the cured product, and tensile strength.
[0065]
As mentioned above, although the present invention has been described in detail based on the embodiment, the high-pressure injection water-stop method and the water-stop material of the water-stop material made of the hydrophilic one-component polyurethane prepolymer according to the present invention are the above-described embodiments. Of course, various modifications can be made by applying what is already known at the time of filing without departing from the spirit of the present invention.
[0066]
【The invention's effect】
The high-pressure injection waterproofing method for a water-stopping material comprising a hydrophilic one-component polyurethane prepolymer according to
[0067]
(1) Since high pressure injection is performed by sealing the surface of cracks and joints, the pressure can be transmitted to the waterstop material without waste and injected into every corner of narrow cracks.
(2) Since the curing reaction is slow and injection is performed with the expansion pressure after high-pressure injection, injection can be made to every corner of a narrow crack.
[0068]
Moreover , the effect which can confirm that the water stop material is inject | poured also in the water leak crack is exhibited by observing that the reaction water and the water stop material flow out from the water leak crack of the concrete surface layer.
[0069]
The high-pressure injection waterproofing method for a water-stopping material comprising the hydrophilic one-component polyurethane prepolymer according to
[0070]
High pressure injection water stop method of water stopping material comprising a hydrophilic one-polyurethane prepolymer of
[0071]
The high-pressure injection water-stop method for a water-stopping material comprising the hydrophilic one-component polyurethane prepolymer according to claim 4 is the high-pressure injection water-stop method according to any one of
[0072]
The high-pressure injection water-stop method for a water-stopping material comprising the hydrophilic one-component polyurethane prepolymer according to
[0073]
The water-stopping material according to the present invention is used for each of the above-described high-pressure injection water-stopping methods, and the water-stopping material containing a hydrophilic one-component polyurethane prepolymer as a main component has a viscosity of 700 to 1400 mPa · s. Therefore, it is possible to establish water-stopping with excellent water-stopping adhesion and durability by improving the filling and filling properties against water leakage cracks in large concrete structures. It has the effect of forming a water-stopping adhesive system with excellent strength properties and tensile strength.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing an embodiment in which the high-pressure injection waterproofing method according to the present invention is applied to a concrete wall having a large wall thickness. FIG. 2 is another embodiment in which the high-pressure injection waterproofing method according to the present invention is applied to a concrete wall having a large wall thickness. [Fig. 3] Fig. 3 is a diagram showing another embodiment in which the high-pressure injection waterproofing method according to the present invention is applied to a concrete wall having a large wall thickness. 5] Foaming speed diagram of water-stopping material according to the present invention [FIG. 6] Foaming magnification diagram of water-stopping material according to the present invention [FIG. 7] High-pressure injection water-stopping construction diagram for a concrete wall having a large wall thickness
1 concrete wall, 2 water-stopping material injection hole, 3 cracks, 4 water-stopping material,
5 sealed chamber, 6 opening, 7 injection plug with backflow prevention valve,
8 quick setting cement, 9 water, 10 injection confirmation hole,
20 concrete wall, 21 joint, 22 opening position,
23 center position, 24 injection hole, 25 opening, 26 injection tool,
27 bottom, 28 pressure zone, 29 filler, 30 outflow,
Claims (6)
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