JP4031247B2 - 組み合わされたまたは連続的なタイプのブレードの保持システム - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ターボジェットエンジンの可動ブレードの半集合的な（ｓｅｍｉ−ｃｏｌｌｅｃｔｉｆ）保持（ｒｅｔｅｎｔｉｏｎ）システムに関する。
【０００２】
より詳細には本発明は、ディスクのリムに固定された複数の取り外し可能ブロワブレードを含み、前記ブロワブレードがそれぞれ、ブレード脚を含み、このブレード脚が、ディスクのリム内に設けられた、ほぼ軸方向であって対応する形状の溝内に取り付けられ、各ブロワブレードが、各ブレード脚の下方に置かれたくさびまたはキー（ｃａｌｅ）と、キーおよびブレード脚を溝内で軸方向に維持する（ｍａｉｎｔｅｎｉｒ）ための維持手段とにより、溝内に維持され、前記維持手段が、ディスクの上流側面に押圧され固定手段により前記ディスクに固定されたフランジを特に含む、ターボジェットエンジンのブロワのロータに関する。
【０００３】
以下においては、上流側面とは、エンジンの前方に向いた面のことを指し、下流側面とは、後方に向いた面のことを指す。同様に、径方向において内側の部分とはディスクの回転軸に近いゾーンを指し、径方向において外側の部分とは回転軸から遠いゾーンを指す。
【０００４】
【従来の技術】
文献ＦＲＡ２６８１３７４は、ディスクの周囲の上流側および下流側に配設され、前面カバー上およびコンプレッサドラム上にそれぞれ設けられ、オリフィスを備える２つのリングの固定のための波形（ｆｅｓｔｏｎｎｅ）フランジであって、ブレード脚の端部を軸方向および径方向に固定するために、ブレード脚の端部と協働するフランジを使用する、ターボジェットエンジンのブロワブレードの固定について記述している。ブロワブレードは、第１リングの径方向内面および外面上にそれぞれ嵌入する２つのスポイラー（ｂｅｃｑｕｅｔ）を、その脚の下流側部分に有し、また、第２リングの径方向内面および外面にそれぞれ嵌入する２つのスポイラーを、その脚の上流側部分に有する。このロック装置のため、両端で２つのスポイラーを有するブロワブレードの切削加工が複雑になり、破損したブレードの交換が困難かつ長時間になるが、これは、波形フランジのオリフィス内にあって手が届き難い、リングの複数の固定ピンを緩める必要があるからである。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、軸方向変位時、ブレードが連続的に（ｅｎ ｃａｓｃａｄｅ）保持される、序文で記述したようなブロワのロータを提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
この目的は、本発明によれば、キーが、その端部のうちの１つに、ブレード脚とフランジとの間に間置された突出部を含むこと、ディスクがその上流側面上に、溝と交互に出現する複数の径方向突起を含むこと、フランジが、ブレードの軸方向変位時に、ディスクの径方向突起を押圧することができる複数の径方向歯を、その下流側面に含むこと、ならびに、ディスクへのフランジの固定手段が、フランジの径方向において内側の部分に配設されることにより実現される。
【０００７】
この保持システムにより、ブロワブレードの保持の信頼性は極めて顕著に向上する。ブロワブレードは、以下のようにして連続的に停止される。まず、ブロワブレードがキーに載架し、次に、ブロワブレードを停止するために、フランジの少なくとも１つの径方向歯が、ディスクの突起と部分的に協働する。フランジの固定手段が、ブロワブレードの最終的な停止に寄与する。
【０００８】
ブレードの軸方向変位時、力は、ディスクの径方向突起およびディスクへのフランジの固定手段の双方が受け取る。したがってディスクへのフランジの固定手段は、力のうちの一部しか受け取らない。ディスクへのフランジの固定手段が、ピンを含む場合には、ピンは、文献ＦＲＡ２６８１３７４により開示されている先行技術による数よりも少なくすることができる。最後に、ディスクの径方向突起には、フランジの固定オリフィスがないため、文献ＦＲＡ２６８１３７４の波形フランジと比べ、より大きい軸方向力を受けることができる。
【０００９】
有利には、ディスクの径方向突起が外側に向かって延び、フランジの径方向歯が内側に向かって延びる。また、ディスクの径方向突起が内側に向かって延び、フランジの径方向歯が外側に向かって延びるようにすることもできる。
【００１０】
有利には、ディスクの径方向突起とフランジの径方向歯との間に軸方向間隙が設けられる。
【００１１】
この間隙により、キーにより保持されているブロワブレードが軸方向に変位する時、エネルギーの一部を散逸させることが可能である。
【００１２】
一実施形態によれば、ディスクへのフランジの固定手段は、ディスクの回転軸に平行な複数のピンを含む。
【００１３】
これらのピンの本数は、ブロワブレードの軸方向変位時に、フランジをディスク上に保持するのに十分な本数である。有利には、ピンは、軸方向力およびせん断力を受ける、ねじ−ナットアセンブリを含む。
【００１４】
非限定的な例として示した実施形態についての以下の詳細な説明を読むことにより、本発明をよりよく理解することができ、またその長所が明らかになろう。
【００１５】
【発明の実施の形態】
図１および図２は、ディスク１０の回転軸を中心として等間隔に配置したほぼ軸方向の複数の溝１４を外周に有する、リム１２を含むブロワのロータのディスク１０を示す図である。
【００１６】
各溝１４には、軸方向滑動により、ブロワブレード１８の脚部１６が取り付けられる。ブレード脚１６と溝１４の底部との間には、ブレード脚１６を、対応する溝１４の壁に押圧した状態に維持するキー２０が挿入される。
【００１７】
各キー２０は、その端部のうちの１つに突出部２２を有する。有利にはこの突出部２２は、キー２０の上流側端の、ブレード脚１６の上流側面とディスク１０の上流側面を押圧するフランジ２４との間に位置する。フランジ２４は、ブロワ通過空気の流路を内側に画定する、口金の内部壁で形成される。
【００１８】
ディスク１０は、その上流側面上に、外側に向けられた複数の径方向突起２６を溝１４と交互に有する。フランジ２４は、内側に向けられ、ディスク１０の径方向突起２６を押圧することができる複数の径方向歯２８を、その下流側面に含む。
【００１９】
これは有利な変形形態となるが、ディスク１０の径方向突起２６を内側に向け、フランジ２４の径方向歯２８を外側に向けるようにすることもできよう。
【００２０】
図３は、フランジ２４をディスク１０（アンロック位置）に取り付けるために、ディスク１０の径方向突起２６の間に置かれ、溝１４の底部の上方に位置するノッチ３０に、フランジ２４の径方向歯２８を通す。
【００２１】
次に、ディスク１０に対して、フランジ２４を、連続する２つの溝の間の角度の半分に等しい角度だけ、ブロワブレード１８の回転軸に沿って回転させることにより、径方向歯２８は、その上流側の径方向突起２６と向かい合う位置にくることができる。
【００２２】
図４は、ロック位置にあるフランジ２４を示す図である。フランジ２４の径方向歯２８の幅は、ディスク１０の径方向突起２６の幅よりも大きくすることができ、その結果、各径方向歯２８の一部分が、各ブロワブレード１８の一部を軸方向に固定することができる。
【００２３】
フランジ２４は、単純なねじ／ナットアセンブリにより定位置に保持される。
【００２４】
フランジ２４の固定手段は、ねじ４４およびナット４６を含むピンで構成される固定手段を含む。図５は、前記ねじ４４と、ディスク１０内にはめ込まれた前記ナット４６とで、ボルト固定されたフランジ４２を示す図である。したがって、径方向において外側の部分（径方向突起２６）がそのままであるディスク１０は、その径方向において内側の部分はより単純な形状である。フランジ２４も同様である。
【００２５】
このボルト固定フランジシステム４２は、ディスク１０に対するフランジ２４の回転維持にも、その軸方向維持にも使用されるため、対応する数のピンが必要となる。図６は、ディスク１０がその径方向において内側の部分に、フランジ２４をディスク１０上に維持するための複数のオリフィスを有することを示す図である。ディスク１０へのフランジ２４の固定は、たとえば複数のねじ４４およびナット４６により行われるので、たとえ１つのブレードが外れようとする場合でも、フランジ２４はディスク１０に密に維持されるようになる。
【００２６】
ブロワの可動ブレードの半集合的な軸方向の保持は、以下のように行われる。ブロワブレード１８の変位時、ブロワブレードは、キー２０の突出部２２を押圧するようになる。フランジ２４の径方向歯２８の一部により、ブロワブレード１８が停止する。１つのブロワブレード１８が外れようとする場合、エネルギーの一部を散逸させるために、フランジ２４の前記径方向歯２８と、ディスク１０の径方向突起との間に間隙４８が設けられるため、フランジ２４は、これらの径方向歯２８がディスク１０の径方向突起を押圧する前に、変形することができる。
【００２７】
径方向において内側の部分では、ブロワブレード１８を停止するのはフランジ４２である。ねじ−ナットアセンブリ４４、４６は、フランジ２４をディスク１０に固定する。
【図面の簡単な説明】
【図１】上流側から下流側に向いた矢印Ｆが空気の流れの方向を表す、本発明による組み合わされたまたは連続的なブロワブレードの軸方向保持システムの断面図である。
【図２】フランジを取り除いた状態の図１の線ＩＩ−ＩＩでの断面図である。
【図３】アンロック位置のフランジを示し、解りやすくする配慮からただ１つのキーしか含まない、ディスクの外側部分の下流側から上流側へ向かう部分等角斜視図である。
【図４】ロック位置のフランジを有する、図３と同じ図である。
【図５】本発明による組み合わされたまたは連続的なブロワブレードの軸方向保持システムの断面図である。
【図６】フランジがないディスクを上流側から下流側に向けて見た図である。
【符号の説明】
１０ ディスク
１２ リム
１４ 溝
１６ ブレード脚
１８ ブロワブレード
２０ キー
２２ 突出部
２４、４２ フランジ
２６ 径方向突起
２８ 径方向歯
３０ ノッチ
４４ ねじ
４６ ナット
４８ 間隙

Claims (3)

1. ディスク（１０）のリム（１２）に固定された複数の取り外し可能ブロワブレード（１８）を含む、ターボジェットエンジンのブロワのロータであって、前記ブロワブレード（１８）がそれぞれ、ブレード脚（１６）を含み、該ブレード脚（１６）が、ディスク（１０）のリム（１２）内に設けられた、ほぼ軸方向であって対応する形状の溝（１４）内に取り付けられ、各ブロワブレード（１８）が、各ブレード脚（１６）の下方に置かれたキー（２０）と、キー（２０）およびブレード脚（１６）を溝（１４）内で軸方向に維持するための維持手段とにより、溝（１４）内に維持され、前記維持手段が、ディスク（１０）の上流側面に押圧され固定手段により前記ディスク（１０）に固定されたフランジ（２４）を特に含み、
   キー（２０）が、端部のうちの１つに、ブレード脚（１６）とフランジ（２４）との間に間置された突出部（２２）を含むこと、ディスク（１０）が、上流側面上に、溝（１４）と交互に出現する複数の径方向突起（２６）を含むこと、フランジ（２４）が、ブレード（１６）の軸方向変位時に、ディスク（１０）の径方向突起（２６）を押圧することができる複数の径方向歯（２８）を、下流側面に含むこと、ディスク（１０）へのフランジ（２４）の固定手段がフランジの径方向において内側の部分に配設されること、ならびに、ディスク（１０）の径方向突起（２６）とフランジ（２４）の径方向歯（２８）との間に、軸方向間隙（４８）が設けられることを特徴とするブロワのロータ。
2. ディスク（１０）の径方向突起（２６）が、外側または内側に向かって延び、フランジ（２４）の径方向歯（２８）が、内側または外側に向かって延びることを特徴とする、請求項１に記載のブロワのロータ。
3. ディスク（１０）へのフランジ（２４）の固定手段が、ディスク（１０）の回転軸に平行な複数のピン（４２、４４、４６）を含むことを特徴とする、請求項１または２に記載のブロワのロータ。

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