JP4030521B2 - ポリマーの表面改質方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリマーの表面改質方法に関し、さらに詳細には、超臨界流体を用いたポリマーの表面改質方法に関する。
近年、気体のような浸透性を有すると同時に液体のような溶媒としての機能を備える超臨界流体を樹脂の成形加工に用いたプロセスが種々提案されている。例えば、超臨界流体は熱可塑性樹脂に浸透することによって可塑剤として作用して、樹脂の粘性を低下させることができるので、この超臨界流体の作用を活用して、射出成形時における樹脂の流動性や転写性を向上させる方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、超臨界流体の溶媒としての機能を活かして、ポリマー表面の濡れ性を向上する等の高機能化のための方法も種々提案されている。特許文献2では、ポリアルキルグリコールを超臨界流体に溶解させて繊維に接触させることによって、繊維表面を親水化することができることが開示されている。特許文献3は、超臨界状態、即ち、高圧下で、機能性材料である溶質が予め溶解した超臨界流体とポリマーとを接触させて染色を行うポリマー表面の高機能化のためのバッチプロセスを開示している。
特開平10−128783号公報 特開2001−226874号公報 特開2002−129464号公報
しかしながら、本発明者らが鋭意検討した結果、上述の超臨界流体を溶媒として用いたポリマーの表面改質方法では、以下のような問題が生じることが分かった。
まず、ポリマー表面全体に可塑剤として機能する超臨界流体を接触させることによりポリマーを膨潤させているので、ポリマーの厚みが厚い場合にはポリマー内が発泡しやすくなる。また、超臨界流体がポリマーに接触することによってポリマーのガラス転移温度(Tg)が低下するので、ポリマーが変形し形状精度を維持することが困難となる。そのため、上記ポリマーの表面改質方法を、例えばフィルムや繊維等の厚さが薄く且つ断面積の小さいポリマー以外のポリマーに適用することは難しく、用途が限定されていた。なお、厚みが厚いポリマーを用いた場合、超臨界流体の減圧速度を非常に遅くすることによって、ポリマー内の発泡現象やポリマーのガラス転移温度の急激な低下を抑制することができるが、スループットが悪化するので、この方法を用いるメリットが失われる。
また、超臨界流体、特に超臨界状態の二酸化炭素の溶媒としての溶解度はn−ヘキサンと同等であり、例えば助剤としてエントレーナを用いた場合でも、溶質の超臨界流体に対する溶解度は十分とは言えない。つまり、超臨界二酸化炭素等の超臨界流体がポリマー内部に浸透する割合に対して溶質である機能剤がポリマー内部に浸透する割合が小さいので、ポリマー中に浸透する溶質の濃度が著しく低く、このため溶質を含む超臨界流体をポリマーに少なくとも10〜30分間接触させる必要があった。
さらに、超臨界流体の圧力と溶質の溶解度との間には強い相関関係が存在する。ポリマーの表面改質を行うバッチプロセスにおいて、超臨界流体が充填された高圧下の容器を開放することにより容器内は急激に減圧され、溶質の溶解度が著しく低下する。それゆえ、減圧時に溶質が析出してしまう。再び容器を高圧化においた場合に、内部の圧力は比較的短期間で回復する一方、一度析出した溶質は直ぐにポリマーに再溶解するとは限らず、析出した溶質がバッチプロセスに用いる装置の配管内に詰まってしまう等の問題が生じる。また、この場合には、溶質を粉状で回収し機能剤として再利用することは困難であり、コスト高にもなる。さらに、超臨界流体と溶質とを所定の濃度で均一に溶解させる混合槽が必要となり、装置自体が高価となる。
さらに、従来のバッチプロセスはポリマー表面全体を改質するプロセスであって、ポリマー表面の一部を選択的に且つ微細に改質するプロセスについてはこれまで報告されていない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の目的は、超臨界流体、特に超臨界状態の二酸化炭素を溶媒として用い、熱可塑性樹脂等のポリマー表面を改質する方法であって、ポリマー表面を短時間に高機能化する方法を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、ポリマー表面の一部にのみ超臨界流体を接触させることにより、ポリマー表面に微細なパターン形成しつつ、そのパターン形成部分にのみ選択的に溶質を浸透させて表面を改質する方法を提供することにある。
本発明の態様に従えば、超臨界流体を用いたポリマーの表面改質方法であって、
前記ポリマーの表面に溶質を塗布することと;
前記溶質が塗布されたポリマーの表面に超臨界流体を接触させて前記ポリマー表面に前記溶質を浸透させることと;を含むことを特徴とするポリマーの表面改質方法が提供される。
本発明のポリマーの表面改質方法では、予め溶質をポリマー表面に塗布しておくことにより、超臨界流体の接触により膨潤したポリマーの表面に溶質を浸透させることができる。この方法を用いることにより、上記の従来の方法、即ち、予め溶質を超臨界流体に溶解させた状態でポリマーに接触させる場合に比べ、超臨界流体の減圧時に溶質が析出するという問題を生じることはない。これにより、上記のように溶質がバッチプロセスに用いる装置の配管内に詰まることもなく、溶質を短時間で且つ高濃度にポリマー内に浸透させることができる。また、溶質を粉状で回収し機能剤として再利用することが可能となることに加え、超臨界流体と溶質とを所定の濃度で一定に溶解させる混合槽を必要としないのでプロセスが簡略化され、ポリマーの表面改質のコストを低下させることができる。
本発明のポリマーの表面改質方法では、前記ポリマーの表面に超臨界流体を接触させた状態で、前記ポリマーを金型を用いてプレス成形することが好ましい。また、前記プレス成形により溶質が塗布されたポリマーの表面に所定のパターンを形成することが好ましい。超臨界流体がポリマーに接触することにより超臨界流体が可塑剤として機能し、ポリマー表面が軟化する。この状態で金型を用いてプレス成形を行うことができる。これにより、表面改質を行いつつ表面に精密なパターンが形成されたポリマーを得ることができる。なお、金型温度がポリマーのガラス転移温度より低い場合でも、ポリマー表面に精密なパターンを転写できる。
なお、前記プレス成形において、プレス前の前記金型とポリマーとの間に画成される空間の圧力が前記超臨界流体の圧力よりも低く、プレス後の前記金型とポリマーとの間に画成される空間の圧力が超臨界流体の圧力以上となるようにしてもよい。こうすることで、金型内に導入する超臨界流体の圧力を低く抑えることができる。また、金型表面凹部に超臨界流体を導入するための穴等を別途設ける必要がなく、成形加工が難しい微細パターンを有するポリマーを成形する場合においても、部分的に表面改質処理を施すことができる。
また、前記プレス成形において、前記金型の表面とポリマーの表面とを密着させた後、前記金型とポリマーとの間に画成される空間に超臨界流体を流入し、さらにプレスしてもよい。こうすることで、圧力が安定した状態の超臨界流体を、所望の時間ポリマーと金型との隙間に接触させることができるので、微細且つ部分的な改質処理をポリマー表面に施すことができる。
さらに、ポリマー表面に残留した溶質を、溶媒を用いて洗浄してもよい。こうすることで、ポリマー表面の一部分のみ選択的に改質されたポリマーを得ることができる。
なお、前記金型表面に100μm以下、より望ましくは50μm以下、さらに望ましくは10μm以下の深さの凹凸パターンが設けられていることが望ましい。凹凸の差が100μmを超えると、ポリマー表面に形成された凸部における発泡の抑制が比較的困難になり、減圧後に金型温度を上昇させて再成形を行う等の追加作業を要することになる。これに対し、ポリマー表面に形成された凸部のみに意図的に発泡部を設ける場合には、凹凸の差が100μm以上であっても構わない。
本発明のポリマーの表面改質方法では、前記超臨界流体が超臨界状態の二酸化炭素(超臨界ニ酸化炭素)であることが好ましい。超臨界二酸化炭素は、熱可塑性樹脂材料に対する可塑剤として、射出成形や押し出し成形において実績がある。また、超臨界流体として、超臨界状態にある空気、水、ブタン、ペンタン、メタノール等を用いてもよい。特に、有機材料にある程度の溶解性を有する流体であれば任意のものを用い得る。また、溶質の超臨界流体に対する溶解度を向上させるために、超臨界流体にエントレーナ、即ち、助剤としてアセトンやメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコールを混合させてもよい。
本発明では、前記ポリマーとしてポリメチルメタクリレート樹脂を用い得る。また、ポリマーとして、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリアセタール、ポリメチルペンテン、非晶質ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、液晶ポリマー、スチレン系樹脂、ポリメチルペンテン、ポリアセタール等やそれらを複合種混合したもの、これらを主成分とするポリマーアロイやこれらに各種の充填剤を配合したもの等の各種熱可塑性樹脂を用いてもよい。
本発明では、溶質として超臨界流体に対して溶解するものは、超臨界流体に溶解した形でポリマーに浸透し易いために好ましい。ポリエチレングリコールは、例えば超臨界二酸化炭素に対して溶解するため比較的ポリマーに浸透し易く、また親水基(OH)を有するために表面が親水化されたポリマーを得ることができるため好ましい。生体適合性に優れたポリエチレングリコールを用いて親水化することにより、バイオチップやμ−TAS(micro total analysis system)等の製造に好適である。例えば、疎水性材料であるポリマー表面への核酸やタンパク質の固着を抑制する効果や、ポリマー表面における親水化−疎水化の微小領域における区分けにより核酸の疎水化率による分離を行うことが可能となる。また、溶質として、種々の有機物や有機化合物で修飾された無機材料、特に超臨界流体にある程度溶解するものであれば、任意のものを用い得る。このような無機材料としては、例えば、金属アルコキシド、有機金属錯体等が挙げられる。また、溶質として、例えばアゾ系等の染料、蛍光染料やフタロシアニン等の有機色素材料を用いた場合には、表面を染色することができる。また、溶質としてポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等を用いた場合には、ポリマーを親水化することができる。さらに、ベンゾフェノン、クマリン等の疎水性紫外線安定剤を用いた場合には、ポリマーの風化後の引っ張り強度を向上することができる。また、フッソ化有機銅錯体等のフッソ化合物を用いた場合には、ポリマーの摩擦性を向上したり撥水機能を持たせることができる。シリコンオイルを用いた場合にも、撥水機能が発現する。有機金属錯体を用いた場合には、ポリマーを無電解メッキの触媒核とすることができる。
また、本発明では、溶質として、超臨界流体に溶解しない材料を用いることもできる。超臨界流体がポリマー表面に接触することによってポリマーが膨潤する。このとき、ポリマー上に塗布されていた超臨界流体に溶解しない溶質が、超臨界流体の圧力によってポリマー内に浸透する。この場合、溶質に用いる材料としては任意のものを用い得るが、ポリマー内に容易に浸透可能な溶質の粒子の大きさを考慮して、特に分子量5000以下の材料を用いることが望ましい。このような条件を満足する無機材料としては、金属微粒子、カーボンナノチューブ、フラーレン、ナノホーン等のナノカーボン、酸化チタン等が挙げられる。従来法では、超臨界流体に溶解する溶質しか使えなかったが、本発明では上記のような作用により、超臨界流体に溶解しない溶質を用いた表面改質も可能となる。
本発明では、予め加熱して軟化させた溶質を、溶質塗布装置を用いてポリマー表面上に塗布することが好ましいが、溶質として用いる材料が液状であれば、ディッピングや印刷等の手段を用いてポリマー表面上に成膜してもよい。この場合に用い得る溶質としては、ポリアルキルグリコールやシリコンオイル等が挙げられる。また、溶質を溶媒に溶解させてポリマー表面上に塗布した後に、スピンコート法を用いて溶媒を飛散させることで溶質のみを成膜することも可能である。例えば、アセトンやアルコールに各種染料や金属錯体等を溶解させたものをポリマー表面上に塗布した後、スピンコート法を用いてアセトンやアルコールを飛散させることによって、ポリマー表面上に各種染料や金属錯体等を成膜することができる。また、スパッタや蒸着法を用いて溶質をポリマー表面上に成膜してもよい。
本発明において、ポリマーに接触させる超臨界流体の温度及び圧力等の条件は任意であるが、例えば超臨界状態になる閾値が温度約31℃、圧力約7MPa以上である二酸化炭素の場合、温度は35〜150℃の範囲、圧力は10〜25MPaの範囲が望ましい。温度が150℃を超えたり、圧力が25MPaを超えると、金型内の密閉性の維持やバルブ開閉の制御が困難になる。また、温度や圧力が上記範囲未満であると、溶質の超臨界流体に対する溶解やポリマーへの浸透が十分ではなくなる。
本発明では、樹脂成形品等のポリマーの二次加工において、超臨界二酸化炭素等の超臨界流体を用いることにより、容易にポリマーの表面を改質することができる。機能を発現する溶質はポリマー内部に浸透しているので機能は持続し、耐候性に優れた機能性ポリマーを提供することができる。また、ポリマー表面に形成された凸部等の一部分だけに選択的に且つ微細に表面改質を行いこともできる。
以下に、本発明のポリマーの表面改質方法に関する実施例を図を用いて説明するが、本発明はこれに限定されない。
[表面改質方法に用いる成形装置]
まず、本発明の表面改質方法に用いる成形装置について、図1〜3を用いて説明する。図1は、本発明の表面改質方法に用いる成形装置の概略構成図である。成形装置100は、主に、型締め装置(プレスピストン)を備える金型1、超臨界流体発生装置2、金型1内に導入する超臨界流体の圧力を調整するための減圧装置3で構成されている。
金型1は、主に、上金型11、下金型12、プレスピストン13及びスタンパ14で構成されている。上金型11の下面には、表面に凹凸パターンが設けられたスタンパ14が、凹凸パターン形成面が下金型12の方向に向くように固定されている。スタンパ14の固定にはスタンパホルダー15が用いられており、スタンパ14の外周部分を上金型11の下面に押し付けるようにして、スタンパ14を固定している。また、下金型12の上面のスタンパホルダー15に対向する位置には凹部12aが形成されており、上金型11の下面と下金型12の上面とを互いに接触させることにより、金型1内部に空間16が画成される。なお、下金型12の凹部12aは、上金型11と下金型12とを接触させたときにスタンパホルダー15と干渉しないよう、その外側部分が一段低く形成されている。また、下金型12には、下金型12の上面凹部12aから下面にかけて空洞部(シリンダ)12bが設けられており、その空洞部12b内に上金型11に対して上下動するプレスピストン13が配置されている。プレスピストン13の外周には、空洞部12bの内壁と接触する複数のO−リング13aが設けられており、金型1内に画成された空間16を密閉しつつ、プレスピストン13の上下動を可能としている。なお、プレスピストン13は、超臨界流体発生装置2で発生させた超臨界流体を用いて上下動を行っている。このプレスピストン13の制御方法については、後述する。
上金型11には、その側面に超臨界流体を金型1内に導入するための導入口17が設けられている。また、導入口17から上金型11の下面中央部分にかけて超臨界流体を流入するための流路17aが設けられている。流路17aにおける上金型11下面側の開口部分は、後述するスタンパ14に設けられた導入穴14aと連通する。下金型12には、その側面に超臨界流体を金型1内に導入するための導入口18が設けられている。また、導入口18から下金型12の凹部12a、特に凹部12aの一段低い部分にかけて超臨界流体を流入するための流路18aが設けられている。これにより、超臨界流体発生装置2で発生させた超臨界流体を金型1内に画成された空間16に効率よく導入することができる。さらに、下金型12には、その側面に下金型12の空洞部12bに超臨界流体を導入するための導入口19が設けられている。また導入口19から空洞部12bにかけて超臨界流体を流入するための流路19aが設けられている。流路19aにおける空洞部側の開口部分は、上述のプレスピストン13に設けられた複数のO−リング13aによって画成された空間に連通している。これにより、導入口19から流路19aを介して空洞部12b内に導入された超臨界流体は、金型1内に画成された空間16及び金型1外部のいずれにも漏れ出すことはない。
本実施例のスタンパ14の形状は、以下の通りである。図2はスタンパ14の上面図であり、図3はその上面図に関するA−A断面図である。スタンパ14は、厚さ1mmの矩形状のニッケル製スタンパを用いた。本実施例に用いたスタンパ14の表面に形成されたパターンは、後述するようにポリマーの表面改質状態を評価するためのパターンである。この評価用パターンは、以下のような形状となるように形成した。図2及び3に示すように、スタンパ14の中央部分に超臨界流体を導入するための導入穴14aが設けられている。導入穴14aの直径は0.4mmとした。スタンパ14の表面には、導入穴14aを中心として所定の方向(X方向とする)及びその方向(X方向)と直交する方向(Y方向とする)にそれぞれ延在する、幅0.1mmの溝14c及び14dが形成されている。溝14c及び14dの長さは、それぞれ20mm及び4mmとした。溝14cの+Y方向の端部には、直径10mmの円形凹部14fが形成されている。また、溝14dから−Y方向に向かって、溝14cと平行に複数の溝14eが形成されている。溝14eは、溝14cの両側に対称に、+X方向及び−X方向にそれぞれ2本ずつ、1mm間隔で形成されている。溝14eの長さはそれぞれ10mmであり、幅はそれぞれ0.1mmとした。さらに、溝14c、14d、14eの深さ及び円形凹部14fの深さは、ともに30μmとした。これに加えて、溝14cと溝14dとの交差部分は、パターンを形成する溝内部にも超臨界流体が十分に広がることを考慮して、溝(パターン)形成表面から深さ30μmに至るまで、直径1.0mmの円形凹部14bが形成されている。
図1に戻って、超臨界流体発生装置2は、主にブースターポンプで構成されている。また、減圧装置3は、主に減圧弁30及び31、開放弁32及び33、圧力計34(圧力値P1を示す)及び35(圧力値P2を示す)、並びにバルブ36、37及び38で構成されている。超臨界流体発生装置2と減圧装置3とは配管41によって接続されており、超臨界流体発生装置2で発生した超臨界流体を減圧装置3に供給する。配管41は、配管42及び43に分岐する。配管42は、減圧弁30及び金型1内を大気開放するための開放弁32を介して、さらに2つの配管44及び45に分岐している。そのうち、分岐した配管44は、圧力計34及びバルブ36を介して上金型11の導入口17に接続されている。また、分岐した配管45は、バルブ37を介して下金型12の導入口18に接続されている。一方、配管43は、減圧弁31、開放弁33、圧力計35及びバルブ38を介して、下金型12の導入口19に接続されている。
[ポリマーの表面改質方法]
次に、上記成形装置を用いたポリマーの表面改質方法について、図1及び4を用いて説明する。本実施例では、ポリマーの表面改質状態を評価するために、図2に示したような評価用パターンが形成されたスタンパ14を用いて、ポリマー5表面に凹凸パターンを形成した。
まず、ガラス転移温度Tgが約100℃のポリメチルメタクリレート樹脂(旭化成工業(株)製、商品名:デルペット560F)からなるポリマー表面上に、溶質として、予め60℃に加熱して軟化させたポリエチレングリコール(PEG)を塗布した。ポリエチレングリコール(PEG)の分子量は1000であった。次いで、その塗布面をスキージを用いて平滑にした。これにより、予め表面上に溶質が塗布されたポリマーを得た。次いで、図1に示すように、溶質が塗布されたポリマー5を金型1のプレスピストン13上面に設置するとともに、上金型11と下金型12とをボルトで締め付けることにより金型1内部を密閉した。
次に、金型1内の空間16に超臨界流体を以下のようにして導入した。なお、本実施例では、超臨界流体として、超臨界状態の二酸化炭素(超臨界二酸化炭素)を用いた。超臨界流体発生装置2で発生させた温度50℃、圧力25MPaの超臨界二酸化炭素を減圧装置3の減圧弁30を調整して圧力P1=20MPaとした。超臨界二酸化炭素55の圧力P1が安定した後、その状態を3分間保持した。次いで、バルブ36を開放することにより、上金型11の導入口17、流路17a及びスタンパ14の導入穴14aを介して、金型1内に画成された空間16に、圧力調整された超臨界二酸化炭素を導入して滞留させた(図4(a))。これと同時に、バルブ37を開放することにより、下金型1bの導入口18、流路18aを介して、金型1内の空間16に超臨界二酸化炭素を導入した。このとき、スタンパ14のパターン形成面側の表面とポリマー5表面との距離は1mmとした。なお、金型1内では、上金型11及びプレスピストン13内部に設置される温調器(例えば、温水循環型の温調器)20及び21によって、上金型11表面及びプレスピストン13表面を温度調節可能である。超臨界流体は温度調節された金型に接することにより、その温度や圧力が変化するが、本実施例における上記超臨界流体の温度や圧力条件は、金型導入前の状態を示していたものである。
図4(b)に示すように、超臨界ニ酸化炭素55が溶質51を介してポリマー5の表面全面に接触することにより、ポリマー5が膨潤してポリマー5の粘性が低下し軟化する。これと同時に、ポリマー5の表面に塗布された溶質51が超臨界二酸化炭素55に溶解して、超臨界二酸化炭素55とともにポリマー5表面に浸透する(溶質浸透層51’)。次いで、図4(c)に示すように、プレスピストン(13、図1参照)を上昇させてポリマー5をプレスした。プレスピストン13は、図1に示すように、減圧装置3を用いて導入する超臨界二酸化炭素の圧力を制御することによって上下動される。プレスピストン13は、減圧装置3で圧力P2=20MPaに調整された超臨界二酸化炭素を導入して可動させ、所定のプレス圧まで昇圧した後に、その状態を2分間保持するように制御した。なお、プレスピストン13のプレス圧は、金型1及びスタンパ14とポリマー5との界面に滞留した二酸化炭素の圧力に対抗し得る圧力であればよい。
次いで、図1に示す開放弁32を開放することにより、金型1内の空間を大気開放した。さらに、開放弁33を開放することによりプレスピストン13のプレス圧を減圧し、プレスピストン13を後退させた。次いで、金型1から成形したポリマー5を取り出した。さらに、ポリマー5全体をメタノール溶液中で10分間超音波洗浄した。これにより、図4(d)に示すような、ポリマーの表面にスタンパ14の凹凸パターン53に対応する凹凸パターン57が形成されると同時に、その表面全体に溶質が浸透したポリマー5を得ることができる。なお、凹凸パターン53は、図2に示したスタンパ14上に形成された溝14cのパターンに相当する。溶質はポリマー内部に高濃度に浸透しているので、ポリマーの表面を高機能化することができる。また、本実施例では、溶質としてポリエチレングリコールを用いているので、得られたポリメチルメタクリレート樹脂の表面は親水化されている。
ここで、得られたポリマー5の表面における濡れ性を、水滴を落として確認したところ、表面改質処理前の水の接触角が約65°であったのに対して、処理後の水の接触角は約10°であり、濡れ性が大幅に改善されていることが分かった。また、処理後のポリマーを24時間水に浸漬した後に再度濡れ性を確認したところ、水の接触角は殆ど変化が無かった。さらに、処理後のポリマーを1ヶ月間大気中に放置した後に濡れ性を確認したところ水の接触角は15°であり、ある程度の期間、良好な濡れ性が維持されることが分かった。
ポリマー表面の一部だけに選択的に溶質を浸透させるポリマー表面改質方法について、図1及び5を用いて説明する。主に金型に画成された空間に導入する超臨界二酸化炭素の初期の圧力及びポリマーをプレス成形するタイミングを変更した以外は、上記実施例1と同様とした。
まず、図5(a)に示すように、予め溶質51が塗布されたポリマー5と、表面に凹凸パターン53が形成されたスタンパ14とで画成される空間内に、圧力P1=5MPaの不活性な加圧二酸化炭素55’を導入し滞留させた。加圧二酸化炭素55’の圧力P1が安定した後、その状態を1分間保持した。次いで、プレスピストン(13、図1参照)を上昇させることにより、図5(b)に示すように、溶質51が塗布されたポリマー5表面をスタンパ14表面に密着させた。これにより、スタンパ14の凹部54はポリマー5によって閉塞状態となり、凹部54内の圧力が急激に上昇する。これに伴い、凹部54内に滞留していた加圧二酸化炭素55’はさらに加圧され超臨界状態となり(超臨界二酸化炭素55)、ポリマー5に対する溶媒性能や可塑剤としての機能が瞬時に向上する。なお、プレスピストン13は、減圧装置3で圧力P2=10MPaに調整された加圧二酸化炭素55’を導入して可動させ、所定のプレス圧まで昇圧した後にその状態を5分間保持するように制御した。これにより、図5(c)に示すように、スタンパ14の凹部54に軟化したポリマー5が流入するとともに、凹部54内に流入したポリマー5表面に、予め塗布された溶質51が溶解して浸透する(溶質浸透層51’)。また、凹部54内に流入した部分以外のポリマー5表面上の溶質51は、ポリマー5表面に塗布されたままでポリマー5内部には浸透していない。
次いで、図1に示す開放弁32を開放することにより、金型1内の空間を大気開放した。さらに、開放弁33を開放することによりプレスピストン13のプレス圧を減圧し、プレスピストン13を後退させた。次いで、金型1から成形したポリマー5を取り出した。さらに、ポリマー5全体をメタノール溶液中で10分間超音波洗浄した。これにより、図5(d)に示すように、スタンパ14表面に形成された凹凸パターン53に対応する凹凸パターン57がポリマー5表面に形成されると同時に、その凸状部分の表面にのみポリエチレングリコールが浸透した、即ち、ポリエチレングリコールで表面改質が行われたポリメチルメタクリレート樹脂からなるポリマー5を得ることができる。
ここで、得られたポリマー5の表面における濡れ性を、スタンパ14の円形凹部14f(図2参照)に対応して形成されたポリマー5の円形凸部(不図示)付近で水滴を落として確認したところ、表面改質処理を行わなかった表面部分の水の接触角が約55°であったのに対して、表面改質処理を行った凸部表面の水の接触角は約10°であり、部分的に濡れ性が大幅に改善されていることが分かった。また、処理後のポリマーを24時間水に浸漬した後に再度濡れ性を確認したところ、水の接触角は殆ど変化が無かった。さらに、処理後のポリマーを1ヶ月間大気中に放置した後に、処理した部分の濡れ性を確認したところ、水の接触角は13°であり、ある程度の期間、良好な濡れ性が維持されることが分かった。
ポリマー表面の一部にのみ選択的に溶質を浸透させる別の方法について、図1及び6を用いて説明する。主に金型内に超臨界二酸化炭素を導入する前にポリマーとスタンパとを密着させた以外は上記実施例1と同様とした。
まず、図6(a)に示すように、プレスピストン(13、図1参照)を上昇させて、表面に溶質51が塗布されたポリマー5表面をスタンパ14表面に密着させた。次いで、スタンパ14の凹部54とポリマー5で画成された空間内に圧力P1=20MPaに調整された超臨界二酸化炭素55を導入し滞留させた。超臨界二酸化炭素55の圧力P1が安定した後、その状態を3分間保持した。スタンパ14の凹部54内に超臨界二酸化炭素が滞留しているので、図6(b)に示すように、スタンパ14の凹部54に軟化したポリマー5が流入するとともに、スタンパ14の凹部54内に流入したポリマー5表面に予め塗布された溶質51が超臨界二酸化炭素に溶解してポリマー5に浸透する(溶質浸透層51’)。これに対し、凹部54内に流入しなかった部分のポリマー表面上の溶質51は、ポリマー5表面に塗布されたままでポリマー5内部には浸透していない。
次いで、図1に示す開放弁32を開放することにより、金型1内の空間を大気開放した。さらに、開放弁33を開放することによりプレスピストン13のプレス圧を減圧し、プレスピストン13を後退させた。次いで、金型1から成形したポリマー5を取り出した(図6(c))。さらに、ポリマー5全体をメタノール溶液中で10分間超音波洗浄した。これにより、図6(d)に示すように、スタンパ14表面に形成された凹凸パターンに対応する凹凸パターン57がポリマー5表面に形成されると同時に、その凸状部分の表面にのみ溶質であるポリエチレングリコールが浸透した、即ち、ポリエチレングリコールで表面改質が行われたポリメチルメタクリレート樹脂からなるポリマー5を得ることができる。
ここで、得られたポリマー5の表面における濡れ性を、スタンパ14の円形凹部14f(図2参照)に対応して形成されたポリマー5の円形凸部(不図示)付近で水滴を落として確認したところ、表面改質処理を行わなかった表面部分の水の接触角が約58°であったのに対して、表面改質処理を行った凸部表面の水の接触角は約10°であり、部分的に濡れ性が大幅に改善されていることが分かった。また、処理後のポリマーを24時間水に浸漬した後に再度濡れ性を確認したところ、水の接触角は殆ど変化が無かった。さらに、処理後のポリマーを1ヶ月間大気中に放置した後に、処理した部分の濡れ性を確認したところ水の接触角は約12°であり、ある程度の期間、良好な濡れ性が維持されることが分かった。
上記実施例における金型の形状は任意であり、従来のプレス成形等に用いる金型を用いることができる。また、金型内にポリマーや超臨界流体を導入した後に金型の密閉状態を維持するための手段として任意のものを用い得るが、ボルト締めや回転式の蓋シール機構等を用い得る。また、プレス成形機に金型を取り付け、プレスの力で合わせ面をシールする方法等を採用してもよい。
上記実施例では、金型の温度は任意であるが、超臨界流体にポリマーを接触させ、ポリマー表面に塗布された溶質を浸透させる際には、ポリマーのガラス転移温度より5〜50℃程度低い温度に金型温度を制御することが望ましい。また、金型内より超臨界流体を減圧開放した後、金型をポリマーのガラス転移温度以上に上昇させることにより、金型に取り付けられたスタンパ上の微細パターンをより確実に転写することもできる。その後、金型温度を降下させてポリマーを冷却した後に、金型からポリマーを取り出すようにしてもよい。
上記実施例では、プレスピストンの駆動源に超臨界流体を用いたが、乾燥空気や窒素等の加圧された気体を用いてもよい。また、電動式や油圧式のプレスピストンを用いてもよい。
上記実施例では、ポリマー表面に凹凸パターンを形成するためにスタンパを用いたが、スタンパを用いずに、表面に凹凸パターンが形成された金型を直接用いてもよい。
本発明のポリマーの表面改質方法を用いることにより、例えば、表面が部分的に親水化等に改質されたμ−TASやバイオチップ等に用いるポリマーを得ることができる。
本発明の表面改質方法に用いる金型及び成形装置の概略構成図である。 本発明の実施形態で用いたスタンパの上面図である。 図2に示したスタンパのA−A断面図である。 本発明の実施例1におけるポリマーの表面改質方法を説明する図である。 本発明の実施例2におけるポリマーの表面改質方法を説明する図である。 本発明の実施例3におけるポリマーの表面改質方法を説明する図である。
符号の説明
1 金型
2 超臨界流体発生装置
3 減圧装置
5 ポリマー
11 上金型
12 下金型
13 プレスピストン
14 スタンパ
51 溶質
100 成形装置

Claims (12)

  1. 超臨界流体を用いたポリマーの表面改質方法であって、
    前記ポリマーの表面に溶質を塗布することと;
    前記溶質が塗布されたポリマーの表面に超臨界流体を接触させることと;
    前記ポリマーの表面に超臨界流体を接触させた状態で、前記ポリマーを金型を用いてプレスすることと;を含むポリマーの表面改質方法。
  2. 前記プレスにより溶質が塗布されたポリマーの表面に所定のパターンを形成することを特徴とする請求項1に記載のポリマーの表面改質方法。
  3. 前記プレスにおいて、プレス前の前記金型とポリマーとの間に画成される空間の圧力が前記超臨界流体の圧力よりも低く、プレス後の前記金型とポリマーとの間に画成される空間の圧力が超臨界流体の圧力以上となることを特徴とする請求項1または2に記載のポリマーの表面改質方法。
  4. 前記プレスにおいて、前記金型の表面とポリマーの表面とを密着させた後、前記金型とポリマーとの間に画成される空間に超臨界流体を流入し、さらにプレスすることを特徴とする請求項1または2に記載のポリマーの表面改質方法。
  5. ポリマー表面に残留した溶質を、溶媒を用いて洗浄することを特徴とする請求項3または4に記載のポリマーの表面改質方法。
  6. 前記金型表面に100μm以下の深さの凹凸パターンが設けられていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載のポリマーの表面改質方法。
  7. 前記超臨界流体が超臨界状態の二酸化炭素であることを特徴とする請求項〜6のいずれか一項に記載のポリマーの表面改質方法。
  8. 前記溶質が前記超臨界流体に溶解することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリマーの表面改質方法。
  9. 前記溶質がポリエチレングリコールであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリマーの表面改質方法。
  10. 超臨界流体を用いたポリマー部材の製造方法であって、
    ポリマーを用意することと;
    前記ポリマーの表面に溶質を塗布することと;
    前記溶質が塗布されたポリマーの表面に超臨界流体を接触させることと;
    前記ポリマーの表面に超臨界流体を接触させた状態で、前記ポリマーを金型を用いてプレスして前記ポリマー表面に前記溶質を浸透させることと;を含むポリマー部材の製造方法。
  11. 前記プレスにより溶質が塗布されたポリマーの表面に所定のパターンを形成することを特徴とする請求項10に記載のポリマー部材の製造方法。
  12. 前記プレスにおいて、プレス前の前記金型とポリマーとの間に画成される空間の圧力が前記超臨界流体の圧力よりも低く、プレス後の前記金型とポリマーとの間に画成される空間の圧力が超臨界流体の圧力以上となることを特徴とする請求項10または11に記載のポリマー部材の製造方法。
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